Z 7253:2019
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 一般事項························································································································· 9
5 ラベル,作業場内の表示及びSDSによる情報伝達の内容及びその方法 ······································· 9
5.1 ラベル,作業場内の表示及びSDSによる情報伝達の内容 ······················································· 9
5.2 ラベルによる情報伝達方法 ····························································································· 10
5.3 作業場内の表示による情報伝達方法·················································································· 10
5.4 SDSによる情報伝達方法 ································································································ 11
6 ラベルに必要な情報及びその内容の決定手順 ········································································ 12
6.1 ラベルに必要な情報 ······································································································ 12
6.2 ラベル内容の決定手順 ··································································································· 12
6.3 複数の危険有害性及び危険有害性情報に関する優先順位 ······················································· 14
6.4 この規格に規定していない情報又は補足情報の使用 ····························································· 15
7 SDSの全体構成及びその内容 ···························································································· 15
7.1 全体構成 ····················································································································· 15
7.2 SDSへの記載内容 ········································································································· 16
附属書A(規定)危険有害性クラス,危険有害性区分及びラベル要素 ············································ 17
附属書B(規定)危険有害性情報の文言及び危険有害性情報のコード ············································ 45
附属書C(規定)注意書きの文言及び注意書きのコード ····························································· 51
附属書D(規定)SDSの編集及び作成 ····················································································· 74
附属書E(参考)基本的な物理的及び化学的性質並びに物理的危険性クラスに関連するデータ ··········· 83
附属書F(参考)小さい容器への表示例について ······································································· 88
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 90
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
化学工業協会(JCIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,国際連合経済社会理事会によって,
2015年に改訂された“Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals (GHS), Sixth
revised edition[化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)改訂6版]”を基に作成した工
業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生
労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 7253:2012は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格は,国際連合経済社会理事会によって,2015年に改訂された“Globally Harmonized System of
Classification and Labelling of Chemicals (GHS), Sixth revised edition[化学品の分類及び表示に関する世界調
和システム(GHS)改訂6版]”から内容の一部を抜粋し,翻訳したものであり,国際連合による承諾を
得ている。
This standard includes extracts of Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals
(GHS), sixth revised edition, ISBN 9789211170870, Copyright ©United Nations 2015. Extracts from GHS have
been translated and reproduced with the permission of the United Nations, and this translation constitutes an
unofficial translation for which the SDOs accept full responsibility.
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
Z 7253:2019
GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法−
ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)
Hazard communication of chemicals based on GHS-
Labelling and Safety Data Sheet (SDS)
序文
この規格は,2009年に第1版として発行されたISO 11014及び“化学品の分類および表示に関する世界
調和システム(GHS)改訂6版(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals (GHS),
Sixth revised edition)”に基づいて,これら情報の伝達内容及び方法について規定した,いわゆる“危険有
害性周知基準”ともいうべき日本工業規格である。
化学品の危険有害性情報は,化学品による災害の防止対策,事故時の措置などにおいて最も基本的で重
要なものである。一般にこの情報の伝達は,それを取り扱う者に対してはラベルで,また,事業者間では
安全データシート(SDS)で行われる。作業場内ではラベルに代わる方法が適切な場合もある。この規格
では,化学品を取り扱う者に危険有害性情報を包括的に分かりやすく伝え,また,これを適切に管理する
ために次の事項を規定している。
− ラベルの記載項目
− 作業場内の表示の方法
− SDSの記載項目
− 情報伝達の方法
危険有害性情報の基になる化学品の分類は,JIS Z 7252によって行う。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達,すなわち,危険有害性クラス及び危険有害
性区分に基づいて作成又は実施するラベル,作業場内の表示及びSDSのそれぞれについて,項目,記載内
容及び全体構成,並びにそれらによる情報伝達の方法について規定する。
なお,この規格は,固定した様式を規定するものではなく,また,実際に記入するラベル及びSDSを含
むものではない。
注記1 暫定措置として,2022年(令和4年)5月24日までは,JIS Z 7252:2014に従って化学品を
分類し,JIS Z 7253:2012に従ってラベル及びSDSを作成してもよい。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11014:2009,Safety data sheet for chemical products−Content and order of sections
2
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Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals, Sixth revised edition[化
学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)改訂6版](全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 7252 GHSに基づく化学品の分類方法
JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部:一般
注記 対応国際規格:ISO 80000-1:2009,Quantities and units−Part 1: General
JIS Z 8000-9 量及び単位−第9部:物理化学及び分子物理学
注記 対応国際規格:ISO 80000-9:2009,Quantities and units−Part 9: Physical chemistry and molecular
physics及びAmendment 1:2011
危険物輸送に関する勧告 モデル規則(UN Recommendations on the transport of dangerous goods, Model
Regulations)第19改訂版
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
安全(safety)
許容不可能なリスクがないこと。
3.2
リスク(risk)
危害発生の確率(又は可能性)と,その危害の度合との組合せ。発生確率には,ハザードへのばく露,
危険事象の発生,及び危害の回避又は制限の可能性を含む。
3.3
意図される使用(intended use)
供給者が提供する情報に基づいた化学品,プロセス又はサービスの使用。
3.4
供給者(supplier)
化学品を受領者に譲渡又は提供する者。
3.5
受領者(recipient)
化学品を供給者から受領する者。
3.6
作業場(workplace)
化学品を取り扱う場所。
3.7
化学物質(substance)
3
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天然に存在するか,又は任意の製造過程において得られる元素及びその化合物。化学物質の安定性を保
つ上で必要な添加物及び用いられる工程に由来する不純物を含有するものも含む。ただし,化学物質の安
定性に影響を与えることなく,又はその組成を変化させることなく分離することが可能な溶剤は含まない。
注記 “化学物質”は,“物質”ということもある。
3.8
混合物(mixture)
互いに反応を起こさない二つ以上の化学物質を混合したもの。合金は混合物とみなす。
3.9
化学品(chemicals)
化学物質又は混合物。
3.10
成分(ingredient)
化学品を構成する化学物質か,又は単一化学物質の同定が難しい場合は,起源若しくは製法によって特
定できる要素。
3.11
ばく露防止(exposure control)
化学品を取り扱う者を保護するためのあらゆる予防対策。
3.12
GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)
国際連合経済社会理事会で合意された“化学品の分類及び表示に関する世界調和システム”。
3.13
GHS分類(GHS classification)
化学品の物理化学的危険性,健康有害性及び環境有害性に応じて調和されたGHSの判定基準による分
類。
3.14
危険有害性(hazard)
化学品がもつ悪影響が生じる潜在的な特性。物理化学的危険性,健康有害性及び環境有害性がある。
3.15
危険有害性クラス(hazard class)
可燃性固体,発がん性,水生環境有害性などの,物理化学的危険性,健康有害性又は環境有害性の種類。
3.16
危険有害性区分(hazard category)
各危険有害性クラス内の判定基準に基づく区分。例えば,引火性液体には,四つの危険有害性区分があ
る。
注記 これらの区分は,危険有害性クラス内での危険有害性の強度及び/又は当該危険有害性を示唆
する科学的根拠の確実性に基づく相対的な区分である。
3.17
ラベル(label)
化学品に関する情報要素のまとまりであって,かつ,化学品の容器に直接印刷,貼付け又は添付される
もの。
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3.18
ラベル要素(label element)
ラベル中で使用するための国際的に調和している情報。例えば,絵表示,注意喚起語,危険有害性情報,
注意書きなど。
3.19
絵表示(pictogram)
特定の情報を伝達することを意図するシンボル,境界線,及び背景のパターン又は色のような図的要素
から構成するもの。一つの頂点で正立させた正方形の背景の上の黒の炎,どくろなどのシンボル及び赤い
枠で構成する。
3.20
シンボル(symbol)
情報を簡潔に伝達することを意図する画像要素(炎,どくろなど)。
3.21
注意喚起語(signal word)
ラベル上で化学品の危険有害性の重大性の相対レベルを示し,利用者に潜在的な危険有害性を警告する
ために用いる語句。GHSで使用する注意喚起語は,“危険”及び“警告”である。
3.22
危険有害性情報(hazard statement)
各危険有害性クラス及び危険有害性区分に割り当てられた文言。該当化学品の危険有害性の性質及びそ
の程度を示す。危険有害性情報には,文字“H”と三つの数字とからなる英数字コードが割り当てられて
いる。
3.23
注意書き(precautionary statement)
危険有害性をもつ化学品へのばく露又はその不適切な貯蔵,及び取扱いから生じる被害を防止するため,
又は最小にするために取るべき推奨措置を記載した文言。GHSで推奨している注意書きには,文字“P”
と三つの数字とからなる英数字コードが割り当てられている。
3.24
濃度限界(concentration limit)
未試験の混合物を,成分の危険有害性に基づいて分類する場合に使用する成分の含有濃度の限界値。
3.25
安全データシート,SDS(Safety Data Sheet)
化学品について,化学物質,製品名,供給者,危険有害性,安全上の予防措置,緊急時対応などに関す
る情報を記載する文書。
3.26
気体,ガス(gas)
50 ℃において300 kPa(絶対圧)を超える蒸気圧をもつ化学品か,又は101.3 kPaの標準圧力で,20 ℃に
おいて完全にガス状である化学品。
3.27
液体(liquid)
50 ℃において300 kPa以下の蒸気圧をもち,20 ℃において標準圧力101.3 kPaでは完全なガス状ではな
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く,かつ,標準圧力101.3 kPaにおいて融点又は融解が始まる温度が20 ℃以下の化学品。
注記 固有の融点が特定できない粘性の大きい化学品は,ASTM D 4359-90試験を行うか,又は危険
物の国際道路輸送に関する欧州協定(ADR)の附属文書Aの2.3.4に定められている流動性特
定のための試験を行い,液体の該非判定を行うのがよい。
3.28
固体(solid)
液体又は気体の定義に当てはまらない化学品。
3.29
蒸気(vapour)
液体又は固体の状態から放出されたガス状の化学品。
3.30
粉じん(dust)
気体(通常は,空気)の中に浮遊する化学品の固体の粒子。
3.31
ミスト(mist)
気体(通常は,空気)の中に浮遊する化学品の液滴。
3.32
合金(alloy)
機械的手段で容易に分離できないように結合した二つ以上の元素からなる巨視的にみて均質な金属体。
3.33
物理化学的危険性
3.33.1
爆発物(explosive)
それ自体の化学反応によって,周囲環境に損害を及ぼすような温度,圧力及び速度でガスを発生する能
力のある固体物質若しくは液体物質(又は物質の混合物)。火工剤はたとえガスを発生しない場合でも爆発
物とされる。
3.33.2
火工剤(pyrotechnic substance)
非爆ごう性で自己持続性の発熱化学反応によって生じる熱,光,音,ガス,煙又はこれらの組合せによ
って,一定の効果を生みだせるように作られた物品。
3.33.3
鈍性化爆発物(Desensitized explosives)
大量爆発及び急速な燃焼を起こさないように,爆発性を抑制するために鈍性化され,したがって危険性
クラス“爆発物”から除外されている,固体若しくは液体の爆発性物質又は混合物。
3.33.4
可燃性ガス(flammable gas)
20 ℃,標準気圧101.3 kPaにおいて,空気と混合した場合に爆発範囲(燃焼範囲)をもつガス。
3.33.5
自然発火性ガス(pyrophoric gas)
54 ℃以下の空気中で自然発火しやすいような可燃性ガス。
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3.33.6
化学的に不安定なガス(chemically unstable gas)
空気又は酸素がない状態でも爆発的に反応し得る可燃性ガス。
3.33.7
エアゾール(aerosol)
圧縮ガス,液化ガス又は溶解ガスが適宜,液体,ペースト又は粉末と共に充塡される,金属製,ガラス
製又はプラスチック製の再充塡不可能な容器に,内容物を液体中かガス中に浮遊する固体の粒子として,
液体中かガス中に浮遊する液体の粒子として,又はガス中で懸濁された泡,ペースト,若しくは粉として
放出させる噴射装置を取り付けたもの。
3.33.8
酸化性ガス(oxidizing gas)
一般に酸素を供給することによって,空気以上に他の物質の燃焼を引き起こすか,又はその一因となる
ガス。
注記 “空気以上に他の物質の燃焼を引き起こす,又はその一因となるガス”とは,ISO 10156に規
定する方法によって測定された23.5 %以上の酸化能力をもつ純粋ガス又は混合ガスをいう。
3.33.9
高圧ガス(gas under pressure)
20 ℃,200 kPa(ゲージ圧)以上の圧力の下で容器に充塡されているガス又は液化若しくは深冷液化され
ているガス。高圧ガスには,圧縮ガス,液化ガス,溶解ガス及び深冷液化ガスが含まれる。高圧ガスには,
“危険物輸送に関する勧告 モデル規則(UN Recommendations on the transport of dangerous goods, Model
Regulations)(2001)”又は国内法に引用されているものを含む。
3.33.10
引火性液体(flammable liquid)
引火点が93 ℃以下の液体。
3.33.11
可燃性固体(flammable solid)
容易に燃焼するか又は摩擦によって,発火又は発火を誘発する固体。
3.33.12
自己反応性化学品(self-reactive substance)
酸素(空気)がない状態でも非常に強力な発熱性分解をする熱的に不安定な液体又は固体。爆発物,有
機過酸化物又は酸化性物質として分類されている化学品は含まない。
3.33.13
自然発火性液体(pyrophoric liquid)
少量であっても,空気との接触後5分以内に発火する液体。
3.33.14
自然発火性固体(pyrophoric solid)
少量であっても,空気との接触後5分以内に発火する固体。
3.33.15
自己発熱性化学品(self-heating substance)
自然発火性液体又は自然発火性固体以外で,空気との反応によってエネルギーの供給なしに自己発熱す
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る固体又は液体。この物質は,大量(キログラム単位)に存在し,かつ,長時間(数時間〜数日間)経過
した後にだけ発火する点で自然発火物質とは異なる。
注記 化学品の自己発熱とは,空気中の酸素と徐々に反応し発熱する過程をいう。発熱の速度が熱損
失を超える場合は,化学品の温度は上昇し,ある誘導期間を経て,自己発火及び燃焼に至る。
3.33.16
水反応可燃性化学品(substance which, in contact with water, emit flammable gases)
水との相互作用によって自然発火性となるか,又は危険な量の可燃性ガスを放出する,固体又は液体の
化学品。
3.33.17
酸化性液体(oxidizing liquid)
それ自体は必ずしも燃焼性をもたないが,一般的に酸素の発生によって,他の物質を燃焼させ又はその
一因となる液体。
3.33.18
酸化性固体(oxidizing solid)
それ自体は必ずしも燃焼性をもたないが,一般的に酸素の発生によって,他の物質を燃焼させ又はその
一因となる固体。
3.33.19
有機過酸化物(organic peroxide)
2価の-O-O-構造をもち,1個又は2個の水素原子が有機ラジカルによって置換された過酸化水素の誘導
体とみなすことができる液体又は固体の有機物質。有機過酸化物組成物(混合物)を含む。
3.33.20
金属腐食性化学品(corrosive to metal)
化学反応によって金属を実質的に損傷又は破壊する化学品。
3.34
健康に対する有害性
3.34.1
急性毒性(acute toxicity)
化学品の経口若しくは経皮からの単回ばく露,24時間以内の複数回ばく露,又は4時間の吸入ばく露に
よって動物を死に至らしめる等によってヒトに対しても致死性の影響があると考えられる,又は知られて
いる性質。
3.34.2
皮膚腐食性(skin corrosion, dermal corrosion)
化学品の4時間以内の皮膚接触で,皮膚に対して不可逆的な損傷を発生させる性質。
注記 不可逆的な損傷は,皮膚組織の破壊[表皮から真皮に至る視認可能なえ(壊)死]として認識
される。
3.34.3
皮膚刺激性(skin irritation, dermal irritation)
化学品の4時間以内の皮膚接触で,皮膚に可逆的な損傷を発生させる性質。
3.34.4
眼に対する重篤な損傷性(serious eye damage)
眼の表面に対する化学品のばく露に伴う眼の組織損傷の発生又は重篤な視力低下で,ばく露から21日以
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内に完全には治癒しないものを発生させる性質。
3.34.5
眼刺激性(eye irritation)
眼の表面に化学品をばく露した後に生じた眼の変化で,ばく露から21日以内に完全に治癒するものを生
じさせる性質。
3.34.6
呼吸器感作性(respiratory sensitization)
化学品の吸入によって気道過敏症を引き起こす性質。
3.34.7
皮膚感作性(skin sensitization)
化学品の皮膚接触によってアレルギー反応を引き起こす性質。
注記 “皮膚感作性”は,“接触感作性(contact sensitization)”ともいう。
3.34.8
生殖細胞変異原性(germ cell mutagenicity)
次世代に受け継がれる可能性のある突然変異を誘発する性質。
3.34.9
変異原性(mutagenicity)
細胞の集団又は生物体における突然変異の発生率を増加させる性質。
3.34.10
遺伝毒性(genotoxicity)
DNAの構造,含まれる遺伝情報,又は染色体の分離を変化させる性質。
注記 例として,正常な複製過程の妨害によるDNA損傷作用又は非生理的な状況での一時的なDNA
複製への影響など。
3.34.11
発がん性(carcinogenicity)
がんを誘発させる性質,又はその発生率を増大させる性質。
3.34.12
生殖毒性(reproductive toxicity)
雌雄の成体の生殖機能及び受精能力に対し悪影響を及ぼす性質及び子の発生に対し悪影響を及ぼす性質。
3.34.13
特定標的臓器毒性(単回ばく露)(specific target organ toxicity, single exposure)
単回ばく露によって起こる特定臓器に対する特異的な非致死性の毒性。
なお,単回ばく露は,可逆的若しくは不可逆的,又は急性若しくは遅発性の機能を損なう可能性がある,
全ての重大な健康への影響を含む。
3.34.14
特定標的臓器毒性(反復ばく露)(specific target organ toxicity, repeated exposure)
反復ばく露によって起こる特定臓器に対する特異的な非致死性の毒性。
なお,反復ばく露は,可逆的若しくは不可逆的,又は急性若しくは遅発性の機能を損なう可能性がある,
全ての重大な健康への影響を含む。
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3.34.15
誤えん有害性(aspiration hazard)
誤えんの後,化学肺炎若しくは種々の程度の肺損傷を引き起こす性質,又は死亡のような重篤な急性の
作用を引き起こす性質。
3.34.16
誤えん(aspiration)
液体又は固体の化学品が,口若しくは鼻くう(腔)から直接,又はおう(嘔)吐によって間接的に気管
及び下気道へ侵入すること。
注記 “誤えん”は,原因物質が喉頭,咽頭部分の上気道と上部消化器官との分岐部分に入り込んだ
場合,吸気によって引き起こされる。
3.35
環境に対する有害性
3.35.1
水生環境有害性(hazard to the aquatic environment)
化学品の短期的なばく露における水生生物に対する有害な性質,又は水生生物のライフサイクルに対応
したばく露期間に水生生物に悪影響を及ぼす潜在的若しくは顕在的な性質。
3.35.2
生物蓄積性(bioaccumulation)
あらゆるばく露経路(例えば,空気,水,底質又は土壌,食物)からの生物体内への化学品の取込み,
生物体内における化学品の変化,及び排せつ(泄)からなる総体的な結果として生物体内に蓄積,又は濃
縮される性質。
3.35.3
生物濃縮(bioconcentration)
水を媒体とするばく露による生物体内への化学品の取込み,生物体内における化学品の変化,及び排せ
つからなる総体的な結果。
3.35.4
分解(degradation)
有機物分子がより小さい分子に,更に最終的には二酸化炭素,水及び塩類になる現象。
注記 嫌気的条件では,メタン,二酸化炭素,水及び塩類になる。窒素化合物は,最終的には,窒素
酸化物又は窒素になる。
4
一般事項
1種類の化学物質に関する情報については,一つのラベル及びSDSに日本語で記載する。ラベル,作業
場内の表示及びSDSには,明瞭かつ簡潔な語句を用いることが望ましい。ラベル,作業場内の表示及び
SDSに含まれる情報は,機密情報ではない。
混合物の場合にも,混合物としての情報を一つのラベル及びSDSに日本語で記載する。また,個々の成
分についての情報が有用な情報である場合には,これらについての情報も記載することが望ましい。
5
ラベル,作業場内の表示及びSDSによる情報伝達の内容及びその方法
5.1
ラベル,作業場内の表示及びSDSによる情報伝達の内容
供給者は,産業用又は業務用に製造された化学品に関わる危険有害性情報を収集し,JIS Z 7252に従っ
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て分類を実施する。化学品をJIS Z 7252に従って分類した結果,いずれかの危険有害性クラスのいずれか
の危険有害性区分に該当する場合には,ラベル及びSDSを作成し,また,作業場内の表示を行うことによ
って,情報伝達を行う。また,この規格以外に,特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善
の促進に関する法律,労働安全衛生法,毒物及び劇物取締法等の国内法令に規定が記載されている場合は,
この規格に優先する。
5.2
ラベルによる情報伝達方法
供給者は,産業用又は業務用に製造された化学品を供給するときは,容器又は包装に箇条6に規定する
ラベル要素などを印刷するか,又はラベル要素などを印刷したラベルを貼付する。ただし,小さい容器等
容器又は包装にラベル要素などの全てを印刷することが困難な場合,又はラベル要素などの全てを印刷し
たラベルを貼付することが困難な場合は,国内法令によって容器又は包装に印刷,若しくは印刷したラベ
ルを貼付することが求められる事項以外のラベル要素などについては,これらを印刷したタグを容器又は
包装に結び付ける等によって表示してもよい(附属書F参照)。
なお,“ラベル要素など”は,ラベル要素に国内法令によって表示が求められる事項(例えば,消防法令
によって表示が求められる“危険等級”など)を追加したものであり,具体的な内容は,次による。
− 危険有害性を表す絵表示
− 注意喚起語
− 危険有害性情報
− 注意書き
− 化学品の名称
− 供給者を特定する情報
− その他国内法令によって表示が求められる事項
5.3
作業場内の表示による情報伝達方法
5.3.1
一般
産業用又は業務用に製造された化学品の危険有害性に関する明確な情報の伝達が作業場内においても徹
底しなければならない。また,作業場で用いられる化学品の危険有害性に関する情報の内容について,化
学品を取り扱う者が理解できるよう周知されなければならない。
受領者が作業環境に関する特定の指示書を作成する場合には,関連するSDSに記載された事項を考慮す
ることが望ましい。
5.3.2
作業場の容器への表示
受領者は,作業場に供給された容器に貼付されたラベルを作業場内でもそのまま貼付しておき,ラベル
の情報を活用できるようにする。また,作業場に供給された容器以外の作業場内で使用する容器にもラベ
ルの情報を活用できるようにする。
5.3.3
作業場内の表示の代替手段
作業場の容器への表示は,通常5.3.2によって行うが,容器にラベルを貼付することが困難である場合は,
容器に入っている化学品に関し,危険有害性等の知見のあるものについては,その化学品のラベル要素な
どをラベル以外の方法で化学品を取り扱う者に伝えることによって代替することができる。この場合,作
業場において,より適切で必要な情報が容器へのラベル貼付と同様に化学品を取り扱う者に有効に伝達さ
れるようにする。また,容器の取違えを防止するため,容器に化学品の名称(略称,記号,番号などで代
替することができる。)を表示する。化学品の名称の表示は,タンク名,配管名などを周知した上で,当該
タンク,配管などの内容物を示すフロー図,作業手順書又は作業指示書によって,化学品を取り扱う者に
11
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化学品の名称を伝えることを含む。
容器にラベルを貼付することの代替手段の例を,次に示す。
− 作業場にラベルに記載された情報を掲示する。
− 作業場にラベルを一覧の形で備え付ける。この場合に,SDSを利用してもよい。
注記 容器にラベルを貼付することが困難である場合の例
− 反応中の化学物質が入っているもの,内容物が短時間に入れ替わるものなどラベルと内容
物との一致が困難なもの
− 小さい容器,多くの成分を含んでいるもの
− ラベルの貼付によって視認性及び作業性に支障が生じる場合
5.4
SDSによる情報伝達方法
産業用又は業務用に製造された化学品を5.1に従って分類し,危険有害性クラス及び危険有害性区分に
該当する化学品を事業者に供給をするときは,受領者にSDSを提供することによって,危険有害性を通知
する。ただし,受領者が承諾した場合は,電子媒体の交付,ファクシミリ(FAX)などの方法で提供して
もよい。
混合物の場合は,JIS Z 7252で規定する混合物のGHS分類基準に基づき,危険有害性があると判断され,
かつ,成分が健康及び環境の各危険有害性クラスに対するSDSを作成する濃度(表1参照)以上含有する
場合は,情報伝達を行うことが望ましいが,表1に示す濃度より低い場合でも,GHS分類基準に基づき,
危険有害性があると判断される場合には,SDSを提供することが望ましい。国内法令によって情報伝達が
求められている場合は,この限りではない。
組成及び成分についての機密情報は,D.4を遵守すれば別の方法で提供してもよい。
また,供給者は,化学品について新たな知見が得られたときにはSDSを更新し,受領者に最新版を提供
するのがよい。
さらに,同一の化学品を同一の受領者に反復して供給する場合は,受領者から請求された場合を除き,
既にSDSの提供が行われている場合には,SDSの提供を省略してもよい。
表1−健康及び環境の各危険有害性クラスに対するSDSを作成する濃度
危険有害性クラス
SDSを作成する濃度
(ただし,国内法令によって別途定めがある場合には,この限りではない)
急性毒性
1.0 %以上
皮膚腐食性/刺激性
1.0 %以上
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
1.0 %以上
呼吸器感作性又は皮膚感作性
0.1 %以上
生殖細胞変異原性:区分1
0.1 %以上
生殖細胞変異原性:区分2
1.0 %以上
発がん性
0.1 %以上
生殖毒性
0.1 %以上
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
1.0 %以上
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
1.0 %以上
誤えん有害性:区分1
10 %以上の区分1の物質かつ40 ℃での動粘性率が20.5 mm2/s以下
水生環境有害性
1.0 %以上
12
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6
ラベルに必要な情報及びその内容の決定手順
6.1
ラベルに必要な情報
ラベルに必要な情報は,次による。
a) 危険有害性を表す絵表示(6.2.2参照)
b) 注意喚起語(6.2.3参照)
c) 危険有害性情報(6.2.4参照)
d) 注意書き(6.2.5参照)
e) 化学品の名称(6.2.6参照)
f)
供給者を特定する情報(6.2.7参照)
g) その他国内法令によって表示が求められる事項
6.2
ラベル内容の決定手順
6.2.1
一般
産業用又は業務用に製造された化学品をJIS Z 7252に従って分類した結果,危険有害性クラス及び危険
有害性区分に該当する場合には,それぞれに割り当てられた絵表示,注意喚起語,危険有害性情報及び注
意書きを用いてラベルを作成する。それぞれの割当ては,附属書Aによる。
なお,視認性の良い記載とし,詳細についてはSDSを参照する旨記載することが望ましい。
6.2.2
危険有害性を表す絵表示
GHSで使用する標準的な絵表示を,表2に示す。絵表示は,これらから著しく異なってはならない。ラ
ベルに用いる絵表示は,はっきり見えるように,一つの頂点で正立させた正方形の背景の上に黒いシンボ
ルを置き,十分に幅広い赤い枠で囲む。赤い枠だけの表示をしてはならない。
危険有害性の絵表示は,1 cm2以上の面積をもつことが望ましい。
なお,絵表示のコードは参照の目的で使用されるように意図されている。これは絵表示の一部ではなく,
絵表示に代替できるものではない。また,ラベル及び安全データシートの項目2(D.3参照)に記載しない。
13
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表2−GHSで使用する絵表示及び危険有害性クラス
名称(シンボル)
爆弾の爆発
炎
円上の炎
絵表示
コード
GHS01
GHS02
GHS03
この絵表示を使
用する危険有害
性クラス
爆発物(不安定爆発物,等級
1.1〜1.4)
自己反応性化学品(タイプA,
B)
有機過酸化物(タイプA,B)
可燃性ガス(区分1)
自然発火性ガス
エアゾール(区分1,区分2)
引火性液体(区分1〜3)
可燃性固体
自己反応性化学品(タイプB
〜F)
自然発火性液体
自然発火性固体
自己発熱性化学品
水反応可燃性化学品
有機過酸化物(タイプB〜F)
鈍性化爆発物
酸化性ガス
酸化性液体
酸化性固体
名称(シンボル)
ガスボンベ
腐食性
どくろ
絵表示
コード
GHS04
GHS05
GHS06
この絵表示を使
用する危険有害
性クラス
高圧ガス
金属腐食性化学品
皮膚腐食性
眼に対する重篤な損傷性
急性毒性(区分1〜3)
名称(シンボル)
感嘆符
健康有害性
環境
絵表示
コード
GHS07
GHS08
GHS09
この絵表示を使
用する危険有害
性クラス
急性毒性(区分4)
皮膚刺激性(区分2)
眼刺激性(区分2A)
皮膚感作性
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(区分3)
オゾン層への有害性
呼吸器感作性
生殖細胞変異原性
発がん性
生殖毒性(区分1,区分2)
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(区分1,区分2)
特定標的臓器毒性(反復ばく
露)(区分1,区分2)
誤えん有害性
水生環境有害性[短期(急性)
区分1,長期(慢性) 区分1,
長期(慢性) 区分2]
6.2.3
注意喚起語
14
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注意喚起語は,化学品の危険有害性について,相対的な重大性を示し,利用者に潜在的な危険有害性に
ついて警告するための語句である。GHSで使用する注意喚起語は,“危険”及び“警告”である。多くの
場合,“危険”はより重大な危険有害性区分に用い,“警告”はより重大性の低い区分に用いる。さらに,
より危険性の低い場合には,注意喚起語を記載しないでもよい。GHSの各危険有害性区分に割り当てられ
た注意喚起語を,附属書Aに示す。
6.2.4
危険有害性情報
危険有害性情報は,各危険有害性クラス及びその区分に割り当てられた文言で,該当化学品の危険有害
性の性質及びその程度を示す。GHSの各危険有害性区分に割り当てられた危険有害性情報及びその危険有
害性情報に対応する危険有害性情報のコードを,附属書Aに示す。ただし,危険有害性情報のコードは,
参照するためのものであり,危険有害性情報の一部ではないので,文言の代わりに用いることはできない。
GHSが推奨する危険有害性情報及びその危険有害性情報に割り当てられた危険有害性情報のコードを,
附属書Bに示す。
6.2.5
注意書き
注意書きは,危険有害性をもつ化学品へのばく露又はその不適切な貯蔵及び取扱いによって生じる被害
を防止するため,又は最小にするために取るべき推奨措置について規定した文言である。ラベルには,表
示を行う者が適切な注意書きを選択し,記載する。
附属書Aには,GHSの各危険有害性区分に割り当てられたGHSが推奨する注意書きのコードだけを示
す。注意書きのコードは,参照するためのものであり,注意書きの文言の一部ではないので,文言の代わ
りに用いることはできない。
GHSが推奨する注意書きの文言の例及びその文言に対応する注意書きのコードを,附属書Cに示す。
6.2.6
化学品の名称
化学品の名称の記載は,次による。
a) ラベルには,化学品の名称(化学物質又は製品の名称)を記載する。この名称はSDSに記載する名称
と一致させる。
b) 混合物の場合,ラベルには含有する成分のうち,取り扱う者に危険有害性を及ぼす可能性のあるもの
を全て記載することが望ましい。
なお,各種国内法令によって規定されている場合,国内法令に従って記載する。
6.2.7
供給者を特定する情報
ラベルには,化学品の供給者名,住所及び電話番号を記載する。また,当該化学品の国内製造事業者等
の情報を,当該事業者の了解を得た上で追記してもよい。ファクシミリ番号及び電子メールアドレスを追
加記載してもよい。さらに,緊急連絡先についても記載することが望ましい。
6.3
複数の危険有害性及び危険有害性情報に関する優先順位
化学品が複数の危険有害性を示す場合は,次のように行う。
a) シンボルに関する優先順位 健康有害性については,通常,次の優先順位を適用する。
1) “どくろ”を使用する場合,“感嘆符”は使用しない。
2) “腐食性”を使用する場合,皮膚刺激性又は眼刺激性を表す“感嘆符”は使用しない。
3) 呼吸器感作性を表す“健康有害性”を使用する場合,皮膚感作性,皮膚刺激性又は眼刺激性を表す
“感嘆符”は,使用しない。
b) 注意喚起語に関する優先順位 注意喚起語“危険”を使用する場合,注意喚起語“警告”は使用しな
い。
15
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c) 危険有害性情報に関する優先順位 ラベルには,該当する全ての危険有害性情報を記載することが望
ましい。ただし,危険有害性情報の重複及び冗長を避けるために,次の優先順位を適用する。
1) H410“長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性”を割り当てる場合,H400“水生生物に非
常に強い毒性”は省略することができる。
2) H411“長期継続的影響により水生生物に毒性”を割り当てる場合,H401“水生生物に毒性”は省略
することができる。
3) H412“長期継続的影響により水生生物に有害”を割り当てる場合,H402“水生生物に有害”は省略
することができる。
4) H314“重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷”を割り当てる場合,H318“重篤な眼の損傷”は省略すること
ができる。
6.4
この規格に規定していない情報又は補足情報の使用
この規格で規定していない情報又は補足情報の使用は,次による。
a) この規格では規定していないが,注意書きなどとしてラベルに含めるべき他の要素がある場合は,自
主的に補足情報を加えてもよい。ただし,不必要な情報が増えないようにするため,かつ,この規格
が示すラベル要素が軽視されないようにするために,補足情報の使用は,次のいずれかの事項に限定
することが望ましい。
1) 詳細な情報を提供し,この規格が示す危険有害性に関する情報の妥当性に矛盾したり,又は疑いを
生じさせない。
2) GHSに取り入れられていない危険有害性に関する情報を提供する。
b) 物理的状態,ばく露経路など,危険有害性に関する補足情報については,ラベル上の補足情報の部分
に示すのではなく,危険有害性情報(箇条7に記載するSDS項目の項目10,項目11及び項目12)と
共に示すことが望ましい。
7
SDSの全体構成及びその内容
7.1
全体構成
産業用又は業務用に製造された化学品をJIS Z 7252に従って分類した結果,危険有害性クラス及び危険
有害性区分に該当する場合には,SDSを作成し,情報伝達を行わなければならない。SDSには,化学品に
ついて,次の16の項目及びその情報を記載する。これらの項目の番号,項目名及び順序を変更してはなら
ない。
1
化学品及び会社情報
2
危険有害性の要約
3
組成及び成分情報
4
応急措置
5
火災時の措置
6
漏出時の措置
7
取扱い及び保管上の注意
8
ばく露防止及び保護措置
9
物理的及び化学的性質
10 安定性及び反応性
11 有害性情報
16
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12 環境影響情報
13 廃棄上の注意
14 輸送上の注意
15 適用法令
16 その他の情報
7.2
SDSへの記載内容
7.1の16の項目の下に,それぞれ該当する情報を記載する。これらの情報が入手できない場合は,その
事実を明記する。各項目への記載内容は,附属書Dによるほか,次による。
a) 各項目は,空白にしてはならない。ただし,項目16“その他の情報”は,空白でもよい。
b) SDSでは,必ずしも情報源を示す必要はないが,情報源を示して,情報の信頼性を高めることが望ま
しい。
c) これらの16の項目は,それぞれを分割して小項目名を付けてもよい。ただし,小項目名には番号を付
けない。
16の項目は,明確に区分しなければならない。項目名又は小項目名は,目立つように書く。
d) SDSの各ページには,ラベルなどに使用した化学品の名称,最新の改訂日(SDSを最新の内容に改訂
した日)及びページ番号を記載する。各ページに全ページ数を記載するか,又は最終ページにその旨
(最終ページであること)を明示することが望ましい。
e) 化学品の名称が長い場合には略称を用いてもよいが,長い化学品の名称を,略称との関係が分かるよ
うに,SDSの項目1又は項目3に記載する。
f)
SDSの1ページ目に,最新の改訂日と併せて,作成日(SDSを最初に作成した日)を記載することが
望ましい。
なお,当該化学品のSDSを初めて作成した場合には,作成日だけとする。
g) 各SDSは,その作成者が識別するための整理番号を記載してもよい。SDSの1ページ目に整理番号及
び改訂日(版番号)が記載されている場合は,各ページに化学品の名称,最新の改訂日の代わりに整
理番号を記載してもよい。
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附属書A
(規定)
危険有害性クラス,危険有害性区分及びラベル要素
A.1 一般
ラベル要素(絵表示,注意喚起語,危険有害性情報及び注意書き)は,GHSのそれぞれの危険有害性ク
ラス及び危険有害性区分によって割り当てられる。物理化学的危険性,健康有害性及び環境有害性の各危
険有害性区分に対応するラベル要素を,A.2〜A.4に規定する。健康有害性及び環境有害性のラベル要素は,
JIS Z 7252の分類による。
GHSが推奨する危険有害性情報の文言及びその文言に対応するコードを,附属書Bに示す。危険有害
性情報のコードは,参照するためのものであり,危険有害性情報の文言の一部ではないので,文言の代わ
りに用いることはできない。
GHSが推奨する注意書きの文言及びその文言に対応するコードを,附属書Cに示す。注意書きのコー
ドは,参照するためのものであり,注意書きの文言の一部ではないので,文言の代わりに用いることはで
きない。
なお,危険有害性をもつ製品へのばく露,又はその不適切な貯蔵及び取扱いによって生じる被害の防止
又は最小化のために取るべき推奨措置について定めている場合は,附属書Cに規定する以外の文言でもよ
い。
A.2 物理化学的危険性
物理化学的危険性(爆発物,可燃性ガス,エアゾール,酸化性ガス,高圧ガス,引火性液体,可燃性固
体,自己反応性化学品,自然発火性液体,自然発火性固体,自己発熱性化学品,水反応可燃性化学品,酸
化性液体,酸化性固体,有機過酸化物,金属腐食性化学品及び鈍性化爆発物)のラベル要素を,表A.1〜
表A.17に示す。
表A.1−爆発物のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
不安定爆発物
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
不安定爆発物(H200)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P250,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P401
廃棄
・P501
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表A.1−爆発物のラベル要素(続き)
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
等級1.1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
爆発物:大量爆発危険性(H201)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P230,P234,P240,P250,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P401
廃棄
・P501
等級1.2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
爆発物:激しい飛散危険性(H202)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P230,P234,P240,P250,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P401
廃棄
・P501
等級1.3
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
爆発物:火災,爆風又は飛散危険性(H203)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P230,P234,P240,P250,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P401
廃棄
・P501
等級1.4
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
火災又は飛散危険性(H204)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P240,P250,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373,P370+P380+P375
保管
・P401
廃棄
・P501
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表A.1−爆発物のラベル要素(続き)
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
等級1.5
絵表示
絵表示なし。オレンジ色の背景に1.5
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災時に大量爆発のおそれ(H205)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P230,P234,P240,P250,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P401
廃棄
・P501
等級1.6
絵表示
絵表示なし。オレンジ色の背景に1.6
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
危険有害性情報なし
注意書き
注意書きなし
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表A.2−可燃性ガスのラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
可燃性ガス
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
極めて可燃性の高いガス(H220)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210
応急処置
・P377,P381
保管
・P403
可燃性ガス
区分2
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
可燃性ガス(H221)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210
応急処置
・P377,P381
保管
・P403
自然発火性ガス
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
空気に触れると自然発火のおそれ(H232)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P222,P280
化学的に不安定
なガス
区分A
絵表示
追加的絵表示なし
注意喚起語
追加的な注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
空気がなくても爆発的に反応するおそれ(H230)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P202
化学的に不安定
なガス
区分B
絵表示
追加的絵表示なし
注意喚起語
追加的な注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
圧力及び/又は温度が上昇した場合,空気がなくても爆発的に反
応するおそれ(H231)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P202
21
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表A.3−エアゾールのラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
極めて可燃性の高いエアゾール(H222)
高圧容器:熱すると破裂のおそれ(H229)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P211,P251
保管
・P410+P412
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
可燃性エアゾール(H223)
高圧容器:熱すると破裂のおそれ(H229)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P211,P251
保管
・P410+P412
区分3
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
高圧容器:熱すると破裂のおそれ(H229)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P251
保管
・P410+P412
表A.4−酸化性ガスのラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質(H270)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P220,P244
応急処置
・P370+P376
保管
・P403
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Z 7253:2019
表A.5−高圧ガスのラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
圧縮ガス
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
高圧ガス:熱すると爆発のおそれ(H280)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
保管
・P410+P403
液化ガス
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
高圧ガス:熱すると爆発のおそれ(H280)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
保管
・P410+P403
深冷液化ガス
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
深冷液化ガス:凍傷又は傷害のおそれ(H281)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P282
応急処置
・P336+P315
保管
・P403
溶解ガス
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
高圧ガス:熱すると爆発のおそれ(H280)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
保管
・P410+P403
23
Z 7253:2019
表A.6−引火性液体のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
極めて引火性の高い液体及び蒸気(H224)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P233,P240,P241,P242,P243,P280
応急処置
・P303+P361+P353,P370+P378
保管
・P403+P235
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
引火性の高い液体及び蒸気(H225)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P233,P240,P241,P242,P243,P280
応急処置
・P303+P361+P353,P370+P378
保管
・P403+P235
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
引火性液体及び蒸気(H226)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P233,P240,P241,P242,P243,P280
応急処置
・P303+P361+P353,P370+P378
保管
・P403+P235
廃棄
・P501
区分4
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
可燃性液体(H227)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P280
応急処置
・P370+P378
保管
・P403
廃棄
・P501
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表A.7−可燃性固体のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
可燃性固体(H228)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P240,P241,P280
応急処置
・P370+P378
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
可燃性固体(H228)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P240,P241,P280
応急処置
・P370+P378
表A.8−自己反応性化学品のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
タイプA
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
熱すると爆発のおそれ(H240)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P403,P411,P420
廃棄
・P501
タイプB
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
熱すると火災又は爆発のおそれ(H241)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P380+P375【+P378】
保管
・P403,P411,P420
廃棄
・P501
【】内の文章は水がリスクを大きくする場合に使用する。
25
Z 7253:2019
表A.8−自己反応性化学品のラベル要素(続き)
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
タイプC及びD
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
熱すると火災のおそれ(H242)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P378
保管
・P403,P411,P420
廃棄
・P501
タイプE及びF
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
熱すると火災のおそれ(H242)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P378
保管
・P403,P411,P420
廃棄
・P501
タイプG
絵表示
この危険有害性区分には,ラベル要素の指定はない。
注意喚起語
危険有害性情報(コード)
注意書き
表A.9−自然発火性液体のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
空気に触れると自然発火(H250)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P222,P231+P232,P233,P280
応急処置
・P302+P334,P370+P378
26
Z 7253:2019
表A.10−自然発火性固体のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
空気に触れると自然発火(H250)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P222,P231+P232,P233,P280
応急処置
・P302+P335+P334,P370+P378
表A.11−自己発熱性化学品のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
自己発熱:火災のおそれ(H251)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P235,P280
保管
・P407,P410,P413,P420
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
大量の場合,自己発熱:火災のおそれ(H252)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P235,P280
保管
・P407,P410,P413,P420
27
Z 7253:2019
表A.12−水反応可燃性化学品のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
水に触れると自然発火するおそれのある可燃性ガスを発生
(H260)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P223,P231+P232,P280
応急処置
・P302+P335+P334,P370+P378
保管
・P402+P404
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
水に触れると可燃性ガスを発生(H261)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P223,P231+P232,P280
応急処置
・P302+P335+P334,P370+P378
保管
・P402+P404
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
水に触れると可燃性ガスを発生(H261)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P231+P232,P280
応急処置
・P370+P378
保管
・P402+P404
廃棄
・P501
28
Z 7253:2019
表A.13−酸化性液体のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災又は爆発のおそれ:強酸化性物質(H271)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P220,P280,P283
応急処置
・P306+P360,P371+P380+P375,P370+P378
保管
・P420
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災助長のおそれ:酸化性物質(H272)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P220,P280
応急処置
・P370+P378
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
火災助長のおそれ:酸化性物質(H272)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P220,P280
応急処置
・P370+P378
廃棄
・P501
29
Z 7253:2019
表A.14−酸化性固体のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災又は爆発のおそれ:強酸化性物質(H271)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P220,P280,P283
応急処置
・P306+P360,P371+P380+P375,P370+P378
保管
・P420
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災助長のおそれ:酸化性物質(H272)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P220,P280
応急処置
・P370+P378
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
火災助長のおそれ:酸化性物質(H272)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P220,P280
応急処置
・P370+P378
廃棄
・P501
30
Z 7253:2019
表A.15−有機過酸化物のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
タイプA
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
熱すると爆発のおそれ(H240)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P372+P380+P373
保管
・P403,P410,P411,P420
廃棄
・P501
タイプB
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
熱すると火災又は爆発のおそれ(H241)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P380+P375【+P378】
保管
・P403,P410,P411,P420
廃棄
・P501
【】内の文章は水がリスクを大きくする場合に使用する。
タイプC及びD
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
熱すると火災のおそれ(H242)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P378
保管
・P403,P410,P411,P420
廃棄
・P501
31
Z 7253:2019
表A.15−有機過酸化物のラベル要素(続き)
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
タイプE及びF
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
熱すると火災のおそれ(H242)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P234,P235,P240,P280
応急処置
・P370+P378
保管
・P403,P410,P411,P420
廃棄
・P501
タイプG
絵表示
この危険有害性区分には,ラベル要素の指定はない。
注意喚起語
危険有害性情報(コード)
注意書き
表A.16−金属腐食性化学品のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
金属腐食のおそれ(H290)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P234
応急処置
・P390
保管
・P406
表A.17−鈍性化爆発物のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災,爆風又は飛散危険性:鈍性化剤が減少した場合には爆発の
危険性の増加(H206)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P212,P230,P233,P280
応急処置
・P370+P380+P375
保管
・P401
廃棄
・P501
32
Z 7253:2019
表A.17−鈍性化爆発物のラベル要素(続き)
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
火災又は飛散危険性:鈍性化剤が減少した場合には爆発の危険性
の増加(H207)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P212,P230,P233,P280
応急処置
・P370+P380+P375
保管
・P401
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
火災又は飛散危険性:鈍性化剤が減少した場合には爆発の危険性
の増加(H207)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P212,P230,P233,P280
応急処置
・P370+P380+P375
保管
・P401
廃棄
・P501
区分4
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
火災危険性:鈍性化剤が減少した場合には爆発の危険性の増加
(H208)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P210,P212,P230,P233,P280
応急処置
・P371+P380+P375
保管
・P401
廃棄
・P501
A.3 健康有害性
健康有害性[急性毒性(経口),急性毒性(経皮),急性毒性(吸入),皮膚腐食性/刺激性,眼に対する
重篤な損傷性/眼刺激性,呼吸器感作性,皮膚感作性,生殖細胞変異原性,発がん性,生殖毒性,生殖毒
性・授乳に対する又は授乳を介した影響,特定標的臓器毒性(単回ばく露),特定標的臓器毒性(反復ばく
露)及び誤えん有害性]のラベル要素を,表A.18〜表A.30に示す。
33
Z 7253:2019
表A.18−急性毒性(経口)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
飲み込むと生命に危険(H300)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264,P270
応急処置
・P301+P310,P321,P330
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
飲み込むと生命に危険(H300)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264,P270
応急処置
・P301+P310,P321,P330
保管
・P405
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
飲み込むと有毒(H301)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264,P270
応急処置
・P301+P310,P321,P330
保管
・P405
廃棄
・P501
区分4
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
飲み込むと有害(H302)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264,P270
応急処置
・P301+P312,P330
廃棄
・P501
34
Z 7253:2019
表A.19−急性毒性(経皮)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
皮膚に接触すると生命に危険(H310)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P262,P264,P270,P280
応急処置
・P302+P352,P310,P321,P361+P364
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
皮膚に接触すると生命に危険(H310)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P262,P264,P270,P280
応急処置
・P302+P352,P310,P321,P361+P364
保管
・P405
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
皮膚に接触すると有毒(H311)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P280
応急処置
・P302+P352,P312,P321,P361+P364
保管
・P405
廃棄
・P501
区分4
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
皮膚に接触すると有害(H312)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P280
応急処置
・P302+P352,P312,P321,P362+P364
廃棄
・P501
35
Z 7253:2019
表A.20−急性毒性(吸入)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
吸入すると生命に危険(気体,蒸気,粉じん及びミスト)(H330)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260,P271,P284
応急処置
・P304+P340,P310,P320
保管
・P403+P233,P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
吸入すると生命に危険(気体,蒸気,粉じん及びミスト)(H330)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260,P271,P284
応急処置
・P304+P340,P310,P320
保管
・P403+P233,P405
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
吸入すると有毒(気体,蒸気,粉じん及びミスト)(H331)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P261,P271
応急処置
・P304+P340,P311,P321
保管
・P403+P233,P405
廃棄
・P501
区分4
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
吸入すると有害(気体,蒸気,粉じん及びミスト)(H332)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P261,P271
応急処置
・P304+P340,P312
36
Z 7253:2019
表A.21−皮膚腐食性/刺激性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
(1A,1B,1Cを
含む)
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷(H314)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260,P264,P280
応急処置
・P301+P330+P331,P303+P361+P353,P363,
P304+P340,P310,P321,P305+P351+P338
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
皮膚刺激(H315)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264,P280
応急処置
・P302+P352,P321,P332+P313,P362+P364
37
Z 7253:2019
表A.22−眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
重篤な眼の損傷(H318)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P280
応急処置
・P305+P351+P338,P310
区分2/2A
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
強い眼刺激(H319)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264,P280
応急処置
・P305+P351+P338,P337+P313
区分2B
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
眼刺激(H320)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P264
応急処置
・P305+P351+P338,P337+P313
表A.23−呼吸器感作性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
(1A及び1B)
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
吸入するとアレルギー,ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそ
れ(H334)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P261,P284
応急処置
・P304+P340,P342+P311
廃棄
・P501
38
Z 7253:2019
表A.24−皮膚感作性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
(1A及び1B)
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ(H317)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P261,P272,P280
応急処置
・P302+P352,P333+P313,P321,P362+P364
廃棄
・P501
表A.25−生殖細胞変異原性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
(1A及び1B)
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
遺伝性疾患のおそれ(他の経路からのばく露が有害でないことが
決定的に証明されている場合,有害なばく露経路を記載)(H340)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P202,P280
応急処置
・P308+P313
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
遺伝性疾患のおそれの疑い(他の経路からのばく露が有害でない
ことが決定的に証明されている場合,有害なばく露経路を記載)
(H341)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P202,P280
応急処置
・P308+P313
保管
・P405
廃棄
・P501
39
Z 7253:2019
表A.26−発がん性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
(1A及び1B)
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
発がんのおそれ(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記載)(H350)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P202,P280
応急処置
・P308+P313
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
発がんのおそれの疑い(他の経路からのばく露が有害でないこと
が決定的に証明されている場合,有害なばく露経路を記載)
(H351)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P202,P280
応急処置
・P308+P313
保管
・P405
廃棄
・P501
40
Z 7253:2019
表A.27(a)−生殖毒性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
(1A及び1B)
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
(分かる場合は,影響の内容を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明され
ている場合,有害なばく露経路を記載)(H360)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P202,P280
応急処置
・P308+P313
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
(分かる場合は,影響の内容を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明され
ている場合,有害なばく露経路を記載)(H361)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P202,P280
応急処置
・P308+P313
保管
・P405
廃棄
・P501
表A.27(b)−生殖毒性・授乳に対する又は授乳を介した影響のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
追加区分
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
授乳中の子に害を及ぼすおそれ(H362)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P201,P260,P263,P264,P270
応急処置
・P308+P313
41
Z 7253:2019
表A.28−特定標的臓器毒性(単回ばく露)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
臓器の障害
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明され
ている場合,有害なばく露経路を記載)(H370)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260,P264,P270
応急処置
・P308+P311,P321
保管
・P405
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
臓器の障害のおそれ
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明され
ている場合,有害なばく露経路を記載)(H371)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260,P264,P270
応急処置
・P308+P311
保管
・P405
廃棄
・P501
区分3
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
(気道刺激性)
呼吸器への刺激のおそれ(H335)
又は
(麻酔作用)
眠気又はめまいのおそれ(H336)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P261,P271
応急処置
・P304+P340,P312
保管
・P403+P233,P405
廃棄
・P501
42
Z 7253:2019
表A.29−特定標的臓器毒性(反復ばく露)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
長期にわたる,又は反復ばく露による臓器の障害
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明され
ている場合,有害なばく露経路を記載)(H372)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260,P264,P270
応急処置
・P314
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
長期にわたる,又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明され
ている場合,有害なばく露経路を記載)(H373)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P260
応急処置
・P314
廃棄
・P501
表A.30−誤えん有害性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
危険
危険有害性情報(コード)
飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ(H304)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
応急処置
・P301+P310,P331
保管
・P405
廃棄
・P501
43
Z 7253:2019
A.4 環境有害性
環境有害性[水生環境有害性 短期(急性),水生環境有害性 長期(慢性)及びオゾン層への有害性]
のラベル要素を,表A.31〜表A.33に示す。
表A.31−水生環境有害性 短期(急性)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
水生生物に非常に強い毒性(H400)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P273
応急処置
・P391
廃棄
・P501
区分2
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
水生生物に毒性(H401)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P273
廃棄
・P501
区分3
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
水生生物に有害(H402)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P273
廃棄
・P501
44
Z 7253:2019
表A.32−水生環境有害性 長期(慢性)のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性(H410)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P273
応急処置
・P391
廃棄
・P501
区分2
絵表示
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
長期継続的影響によって水生生物に毒性(H411)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P273
応急処置
・P391
廃棄
・P501
区分3
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
長期継続的影響によって水生生物に有害(H412)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照。
安全対策
・P273
廃棄
・P501
区分4
絵表示
絵表示なし
注意喚起語
注意喚起語なし
危険有害性情報(コード)
長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ(H413)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
安全対策
・P273
廃棄
・P501
表A.33−オゾン層への有害性のラベル要素
危険有害性区分
危険有害性情報の伝達要素
区分1
絵表示
注意喚起語
警告
危険有害性情報(コード)
オゾン層を破壊し,健康及び環境に有害(H420)
注意書き
該当する文言は,次のコードを参照する。
廃棄
・P502
45
Z 7253:2019
附属書B
(規定)
危険有害性情報の文言及び危険有害性情報のコード
B.1
一般
この附属書は,GHSの危険有害性区分に適用される危険有害性情報及びそれぞれの危険有害性情報に割
り当てたGHSが推奨するコードを示す。危険有害性情報のコードは,参照するためのもので,危険有害
性情報の文言の一部ではないので,文言の代わりに用いることはできない。
B.2
危険有害性情報のコード
GHSでは,各危険有害性情報に一つの英文字及び三つの数字からなる危険有害性情報のコード(英数字
コード)を割り当てる。危険有害性情報のコードのための英数字の割り当て方は,次による。
a) 英文字“H”(危険有害性情報“hazard statement”)
b) 危険有害性の種類によって,次のように2〜4の数字を百の位に割り当てる。
− 物理化学的危険性は,“2”
− 健康有害性は,“3”
− 環境有害性は,“4”
c) 連続した下2桁の数字は,化学品の性質に起因する危険有害性を表す(例1及び例2参照。ただし,
百の位の数字を含む)。
例1 爆発性は,コード200〜208
例2 可燃性は,コード220〜232
B.3
危険有害性情報のコード表の構成
危険有害性情報のコード表(表B.1〜表B.3)は,四つの欄によって構成する。各欄は,次の情報を含む。
− 第1欄:危険有害性情報のコード
− 第2欄:危険有害性情報
− 第3欄:危険有害性クラス及び該当する危険有害性クラスについての情報があるJIS Z 7252の箇条番
号を記載
− 第4欄:当該危険有害性情報が適用可能な危険有害性クラスでの区分
危険有害性情報のコードは,B.2 b) に示した三つの危険有害性の種類ごとに,表B.1〜表B.3に示す。
特別の指示がない限り,太字になっている文言をラベルに記載する。斜体の情報は,情報がある場合に,
危険有害性情報の一部として記載する。
例1 “長期にわたる,又は反復ばく露(他の経路からのばく露が有害でないことが決定的に証明さ
れている場合,有害なばく露経路を記載)による臓器の障害(分かる場合は,影響を受ける全
ての臓器を記載)”
それぞれの危険有害性情報に加え,幾つかの結合された危険有害性情報を表B.2に示す。結合された情
報に対する危険有害性情報のコードは,それぞれの情報コードを加算マーク“+”によって結んでいる。
46
Z 7253:2019
例2 H300+H310は,ラベルでは“飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は生命に危険”となる。
GHSに基づき割り当てた全ての危険有害性情報は,ラベルに記載する。また,結合された危険有害性情
報が二つ以上の危険有害性を示している場合は,結合された危険有害性情報又はそれぞれの情報のいずれ
かをラベルに記載するかを選択できる。
表B.1−物理化学的危険性の危険有害性情報のコード
コード
(第1欄)
物理化学的危険性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H200
不安定爆発物
爆発物(A.1)
不安定
爆発物
H201
爆発物:大量爆発危険性
爆発物(A.1)
等級1.1
H202
爆発物:激しい飛散危険性
爆発物(A.1)
等級1.2
H203
爆発物:火災,爆風又は飛散危険性
爆発物(A.1)
等級1.3
H204
火災又は飛散危険性
爆発物(A.1)
等級1.4
H205
火災時に大量爆発のおそれ
爆発物(A.1)
等級1.5
H206
火災,爆風又は飛散危険性:鈍性化剤が減少した場
合には爆発の危険性の増加
鈍性化爆発物(A.17)
1
H207
火災又は飛散危険性:鈍性化剤が減少した場合には
爆発の危険性の増加
鈍性化爆発物(A.17)
2,3
H208
火災危険性:鈍性化剤が減少した場合には爆発の危
険性の増加
鈍性化爆発物(A.17)
4
H220
極めて可燃性の高いガス
可燃性ガス(A.2)
1
H221
可燃性ガス
可燃性ガス(A.2)
2
H222
極めて可燃性の高いエアゾール
エアゾール(A.3)
1
H223
可燃性エアゾール
エアゾール(A.3)
2
H224
極めて引火性の高い液体及び蒸気
引火性液体(A.6)
1
H225
引火性の高い液体及び蒸気
引火性液体(A.6)
2
H226
引火性液体及び蒸気
引火性液体(A.6)
3
H227
引火性液体
引火性液体(A.6)
4
H228
可燃性固体
可燃性固体(A.7)
1,2
H229
高圧容器:熱すると破裂のおそれ
エアゾール(A.3)
1,2,3
H230
空気がなくても爆発的に反応するおそれ
可燃性ガス(A.2)
A(化学的に
不安定なガ
ス)
H231
圧力及び/又は温度が上昇した場合,空気がなくて
も爆発的に反応するおそれ
可燃性ガス(A.2)
B(化学的に
不安定なガ
ス)
H232
空気に触れると自然発火のおそれ
可燃性ガス(A.2)
自然発火性
ガス
H240
熱すると爆発のおそれ
自己反応性化学品(A.8)
有機過酸化物(A.15)
タイプA
H241
熱すると火災又は爆発のおそれ
自己反応性化学品(A.8)
有機過酸化物(A.15)
タイプB
47
Z 7253:2019
表B.1−物理化学的危険性の危険有害性情報のコード(続き)
コード
(第1欄)
物理化学的危険性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H242
熱すると火災のおそれ
自己反応性化学品(A.8)
有機過酸化物(A.15)
タイプ
C,D,E,F
H250
空気に触れると自然発火
自然発火性液体(A.9)
自然発火性固体(A.10)
1
H251
自己発熱:火災のおそれ
自己発熱性化学品(A.11)
1
H252
大量の場合,自己発熱:火災のおそれ
自己発熱性化学品(A.11)
2
H260
水に触れると自然発火するおそれのある可燃性ガ
スを発生
水反応可燃性化学品(A.12)
1
H261
水に触れると可燃性ガスを発生
水反応可燃性化学品(A.12)
2,3
H270
発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質
酸化性ガス(A.4)
1
H271
火災又は爆発のおそれ:強酸化性物質
酸化性液体(A.13)
酸化性固体(A.14)
1
H272
火災助長のおそれ:酸化性物質
酸化性液体(A.13)
酸化性固体(A.14)
2,3
H280
高圧ガス:熱すると爆発のおそれ
高圧ガス(A.5)
圧縮ガス
液化ガス
溶解ガス
H281
深冷液化ガス:凍傷又は傷害のおそれ
高圧ガス(A.5)
深冷液化ガ
ス
H290
金属腐食のおそれ
金属腐食性化学品(A.16)
1
表B.2−健康有害性の危険有害性情報のコード
コード
(第1欄)
健康有害性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H300
飲み込むと生命に危険
急性毒性(経口)(B.1)
1,2
H301
飲み込むと有毒
急性毒性(経口)(B.1)
3
H302
飲み込むと有害
急性毒性(経口)(B.1)
4
H304
飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ
誤えん有害性(B.10)
1
H310
皮膚に接触すると生命に危険
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2
H311
皮膚に接触すると有毒
急性毒性(経皮)(B.1)
3
H312
皮膚に接触すると有害
急性毒性(経皮)(B.1)
4
H314
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
皮膚腐食性/刺激性(B.2)
1,1A,1B,
1C
H315
皮膚刺激
皮膚腐食性/刺激性(B.2)
2
H317
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
H318
重篤な眼の損傷
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激
性(B.3)
1
48
Z 7253:2019
表B.2−健康有害性の危険有害性情報のコード(続き)
コード
(第1欄)
健康有害性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H319
強い眼刺激
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激
性(B.3)
2,2A
H320
眼刺激
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激
性(B.3)
2B
H330
吸入すると生命に危険
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2
H331
吸入すると有毒
急性毒性(吸入)(B.1)
3
H332
吸入すると有害
急性毒性(吸入)(B.1)
4
H334
吸入するとアレルギー,ぜん(喘)息又は呼吸困難
を起こすおそれ
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
H335
呼吸器への刺激のおそれ
特定標的臓器毒性(単回ばく露),
気道刺激性(B.8)
3
H336
眠気又はめまいのおそれ
特定標的臓器毒性(単回ばく露),
麻酔作用(B.8)
3
H340
遺伝性疾患のおそれ
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B
H341
遺伝性疾患のおそれの疑い
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
生殖細胞変異原性(B.5)
2
H350
発がんのおそれ
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
発がん性(B.6)
1,1A,1B
H351
発がんのおそれの疑い
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
発がん性(B.6)
2
H360
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
(分かる場合は,影響の内容を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B
H361
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
(分かる場合は,影響の内容を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
生殖毒性(B.7)
2
49
Z 7253:2019
表B.2−健康有害性の危険有害性情報のコード(続き)
コード
(第1欄)
健康有害性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H362
授乳中の子に害を及ぼすおそれ
生殖毒性・授乳に対する又は授乳
を介した影響(B.7)
追加区分
H370
臓器の障害
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
(B.8)
1
H371
臓器の障害のおそれ
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
(B.8)
2
H372
長期にわたる,又は反復ばく露による臓器の障害
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
(B.9)
1
H373
長期にわたる,又は反復ばく露による臓器の障害の
おそれ
(分かる場合は,影響を受ける全ての臓器を記載)
(他の経路からのばく露が有害でないことが決定
的に証明されている場合,有害なばく露経路を記
載)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
(B.9)
2
H300
+
H310
飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は生命に危
険
急性毒性(経口)(B.1)及び急性
毒性(経皮)(B.1)
1,2
H300
+
H330
飲み込んだ場合や吸入した場合は生命に危険
急性毒性(経口)(B.1)及び急性
毒性(吸入)(B.1)
1,2
H310
+
H330
皮膚に接触した場合や吸入した場合は生命に危険
急性毒性(経皮)(B.1)及び急性
毒性(吸入)(B.1)
1,2
H300
+
H310
+
H330
飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合や吸入した
場合は生命に危険
急性毒性(経口)(B.1),急性毒性
(経皮)(B.1)及び急性毒性(吸
入)(B.1)
1,2
H301
+
H311
飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は有毒
急性毒性(経口)(B.1)及び急性
毒性(経皮)(B.1)
3
H301
+
H331
飲み込んだ場合や吸入した場合は有毒
急性毒性(経口)(B.1)及び急性
毒性(吸入)(B.1)
3
50
Z 7253:2019
表B.2−健康有害性の危険有害性情報のコード(続き)
コード
(第1欄)
健康有害性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H311
+
H331
皮膚に接触した場合や吸入した場合は有毒
急性毒性(経皮)(B.1)及び急性
毒性(吸入)(B.1)
3
H301
+
H311
+
H331
飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合や吸入した
場合は有毒
急性毒性(経口)(B.1),急性毒性
(経皮)(B.1)及び急性毒性(吸
入)(B.1)
3
H302
+
H312
飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は有害
急性毒性(経口)(B.1)及び急性
毒性(経皮)(B.1)
4
H302
+
H332
飲み込んだ場合や吸入した場合は有害
急性毒性(経口)(B.1)及び急性
毒性(吸入)(B.1)
4
H312
+
H332
皮膚に接触した場合や吸入した場合は有害
急性毒性(経皮)(B.1)及び
急性毒性(吸入)(B.1)
4
H302
+
H312
+
H332
飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合や吸入した
場合は有害
急性毒性(経口)(B.1),急性毒性
(経皮)(B.1)及び急性毒性(吸
入)(B.1)
4
H315
+
H320
皮膚及び眼刺激
皮膚腐食性/刺激性(B.2)及び眼
に対する重篤な損傷性/眼刺激性
(B.3)
2(皮膚)及
び2B(眼)
表B.3−環境有害性の危険有害性情報のコード
コード
(第1欄)
環境有害性の危険有害性情報
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
H400
水生生物に非常に強い毒性
水生環境有害性 短期(急性)(C.1)
1
H401
水生生物に毒性
水生環境有害性 短期(急性)(C.1)
2
H402
水生生物に有害
水生環境有害性 短期(急性)(C.1)
3
H410
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒
性
水生環境有害性 長期(慢性)(C.1)
1
H411
長期継続的影響によって水生生物に毒性
水生環境有害性 長期(慢性)(C.1)
2
H412
長期継続的影響によって水生生物に有害
水生環境有害性 長期(慢性)(C.1)
3
H413
長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ
水生環境有害性 長期(慢性)(C.1)
4
H420
オゾン層を破壊し,健康及び環境に有害
オゾン層への有害性(C.2)
1
51
Z 7253:2019
附属書C
(規定)
注意書きの文言及び注意書きのコード
C.1 一般
この附属書は,GHSが推奨する文言及びその文言に対応する注意書きのコードを示す。注意書きのコー
ドは,参照するためのもので,注意書きの文言の一部ではないので,文言の代わりに用いることはできな
い。危険有害性をもつ化学品へのばく露又はその不適切な貯蔵及び取扱いから生じる被害を,防止又は最
小にするために取るべき推奨措置について定めている場合は,附属書Cに規定する以外の文言でもよい。
C.2 注意書き
注意書きは,危険有害性をもつ化学品へのばく露又はその不適切な貯蔵及び取扱いから生じる被害を,
防止又は最小にするために取るべき推奨措置について記載した文言である。注意書きは,次の五つの種類
がある。
− 一般
− 安全対策(予防策)
− 応急措置(事故的な漏出及びばく露,並びに応急措置及び救急措置)(対応策)
− 保管(貯蔵)
− 廃棄
注意書きの例として,GHSが推奨する注意書きの文言,その文言に対応するコード及びコードの使用条
件を,表C.1〜表C.5に示す。
なお,この規格では規定しないが,GHSでは消費者製品の場合もラベルを用いて危険有害性情報を伝達
することを認めている。そのため,消費者製品にだけ使用される可能性のある注意書きを補足的に表C.1
に示す。消費者製品でラベルを使用する場合は,これらの注意書きを使用してもよい。
C.3 注意書きのコード
GHSでは,各注意書きに一つの英文字と三つの数字とからなる注意書きのコード(英数字コード)を割
り当てる。注意書きのコードの英数字の割り当て方は,次による。
a) 英文字“P”(注意書き“precautionary statement”)
b) 注意書きの種類によって,次のように1〜5の数字を百の位に割り当てる。
− 一般的な注意書きは,“1”
− 安全対策(予防策)の注意書きは,“2”
− 応急措置(対応)の注意書きは,“3”
− 保管(貯蔵)の注意書きは,“4”
− 廃棄の注意書きは,“5”
c) 二つの数字(注意書きに対応した連続した数字)
52
Z 7253:2019
C.4 注意書きのコード表の構成
注意書きのコード表は,五つの欄によって構成する。各欄は,次の情報を含む。
− 第1欄:注意書きのコード
− 第2欄:注意書き
− 第3欄:危険有害性クラス,該当する場合のばく露経路,推奨される注意書き,及び危険有害性クラ
スに関する情報があるJIS Z 7252の箇条番号を記載
− 第4欄:当該危険有害性情報が適用可能な危険有害性クラスでの区分
− 第5欄:該当する場合は,注意書きの使用に関する条件
注意書きのコードに対応する注意書きの文言,危険有害性クラス及びその区分並びに使用の条件を,C.2
に示した五つの注意書きの種類ごとに,表C.1〜表C.5に示す。
表C.1〜表C.5の第2欄の注意書きは,注意書きの核となる部分を太字で示している。特別の指示がな
い限り,この文言をラベルに使用することが望ましい。第2欄の注意書きに斜線“/”で区切って文言を
列記している場合は,区切られた文言を選択することを示している。この場合には,製造業者,輸入業者
又は供給者が一つ以上の文言を選択する。
例1 P280の“保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。”の場合は,“保護眼鏡を着用
すること”又は“保護眼鏡又は保護面を着用すること”としてもよい。
第2欄の注意書きに三つの句点“...”がある場合は,全ての適用条件がそろっているわけではないこと
を示している。この場合には,製造業者,輸入業者又は供給者が文言を選択するか,又は最も適切な条件
の文言を用いてもよい。
例2 P241の“防爆型の【電気機器/換気装置/照明機器/...】を使用すること。”の場合は,“...”
は,他の機器を特定する場合があることを示している。
付加情報が必要か,又は情報が特定されなければならない場合は,その情報を第5欄に示す。第5欄に
斜体で表示している場合は,注意書きの使用又は割当てに特別な条件が必要であることを示している。こ
れは,注意書きの一般的な使用,特別な危険有害性クラス及びその区分への使用条件に関わっている。
例3 P241の“防爆型の【電気機器/換気装置/照明機器/...】を使用すること。”の可燃性固体の
場合は,“粉じん雲が発生する可能性がある場合”だけに適用する。
表C.1〜表C.5には,注意書きは個々の句ごとに細分化して示している。多くの事例で見られるように,
GHSラベルに必要な文章は,これらの文言を結合したものである。これは,表C.1〜表C.5では,加算マ
ーク“+”を用いたコードで示されている。これらの足し算的注意書きは,表C.2〜表C.4の注意書きの
表の最後に記載している。
例4 ラベル要素の注意書きP305+P351+P338は,ラベルでは“眼に入った場合:水で数分間注意
深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も
洗浄を続けること。”となる。
注意書き中の幾つかの文には四角括弧【...】があるが,これは括弧の中の文言が全ての場合に当てはま
るのではなく,ある条件のときだけに使用するものである。文言を使用する場合の状況の説明を,第5欄
53
Z 7253:2019
に記載する。
表C.1−一般的な注意書きのコード表
コード
(第1欄)
一般的な注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P101
医学的な助言が必要なとき
には,製品容器やラベルをも
っていくこと。
適宜
消費者製品
P102
子供の手の届かないところ
に置くこと。
適宜
消費者製品
P103
使用前にラベルをよく読む
こと。
適宜
消費者製品
表C.2−安全対策の注意書きのコード表
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P201
使用前に取扱説明書を入手
すること。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
P202
全ての安全注意を読み理解
するまで取り扱わないこと。
可燃性ガス(A.2)
A,B(化学的
に不安定なガ
ス)
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
P210
熱,高温のもの,火花,裸火
及び他の着火源から遠ざけ
ること。禁煙。
爆発物(A.1)
等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
可燃性ガス(A.2)
1,2
エアゾール(A.3)
1,2,3
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
可燃性固体(A.7)
1,2
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
54
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P211
裸火又は他の着火源に噴霧
しないこと。
エアゾール(A.3)
1,2
P212
密閉状態での加熱又は鈍性
化剤の減少を避けること。
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
P220
衣類及び可燃物から遠ざけ
ること。
酸化性ガス(A.4)
1
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
P222
空気に接触させないこと。
可燃性ガス(A.2)
自然発火性ガ
ス
−危険有害性情報の強
調が必要と考えられる
場合
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
P223
水と接触させないこと。
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2
−危険有害性情報の強
調が必要と考えられる
場合
P230
...にて湿らせておくこと。 爆発物(A.1)
等級
1.1,1.2,1.3,
1.5
−爆発性の性質を抑制
するために鈍性化剤で
湿性化,希釈,溶解又は
懸濁された化学品の場
合
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な物質
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な物質
P231
不活性ガス/...で取扱い保
管すること。
自然発火性液体(A.9)
1
...不活性ガスが適切で
ない場合,製造業者,輸
入業者,供給者又は所管
官庁が指定する適切な
液体又はガス
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
−化学品が空気中の湿
気と速やかに反応する
場合
...不活性ガスが適切で
ない場合,製造業者,輸
入業者,供給者又は所管
官庁が指定する適切な
液体又はガス
P232
湿気を遮断すること。
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
55
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P233
容器を密閉しておくこと。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−液体が揮発性で爆発
危険性を増す可能性が
ある場合
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3
−液体が揮発性で爆発
危険性を増す可能性が
ある場合
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P234
他の容器に移し替えないこ
と。
爆発物(A.1)
等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
金属腐食性化学品(A.16)
1
P235
涼しいところに置くこと。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−引火性液体区分1 及
び他の引火性液体で揮
発性が高く爆発危険性
を増す場合
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
−P411がラベルに示さ
れている場合には省略
してもよい
自己発熱性化学品(A.11)
1,2
−P413がラベルに示さ
れている場合には省略
してもよい
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
−P411がラベルに示さ
れている場合には省略
してもよい
56
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P240
容器を接地しアースをとる
こと。
爆発物(A.1)
等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
−爆発物が静電気的に
敏感である場合
引火性液体(A.6)
1,2,3
−液体が揮発性であり,
爆発する環境を生じる
可能性があるとき
可燃性固体(A.7)
1,2
−固体が静電気的に敏
感である場合
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
−静電気的に敏感であ
り,爆発する環境を生じ
る可能性があるとき
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
−静電気的に敏感であ
り,爆発する環境を生じ
る可能性があるとき
P241
防爆型の【電気機器/換気装
置/照明機器/...】を使用
すること。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−液体が揮発性であり,
爆発する環境を生じる
可能性があるとき
−【】内の文言は,電気
機器,換気装置,照明機
器又は他の機器を特定
するために,必要性に応
じて選択する
−国内規制でより詳細
な規定がある場合には
この注意書きは省略し
てもよい
可燃性固体(A.7)
1,2
−粉じん雲が発生する
可能性がある場合
−【】内の文言は,電気
機器,換気装置,照明機
器又は他の機器を特定
するために,必要性に応
じて選択する
−国内規制でより詳細
な規定がある場合には
この注意書きは省略し
てもよい
P242
火花を発生させない工具を
使用すること。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−液体が揮発性で爆発
危険性を増す可能性が
ある場合及び最少引火
エネルギーが非常に低
い場合(これは例えば二
硫化炭素のように,最少
引火エネルギーが0.1mJ
未満の化学品に適用さ
れる。)
57
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P243
静電気放電に対する措置を
講ずること。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−液体が揮発性で爆発
する環境を生じる可能
性があるとき
−国内規制でより詳細
な規定がある場合には
この注意書きは省略し
てもよい
P244
バルブや附属品にはグリー
ス及び油を使用しないこと。
酸化性ガス(A.4)
1
P250
粉砕/衝撃/摩擦/...のよ
うな取扱いをしないこと。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
−爆発物が力学的に敏
感である場合
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する乱暴な取扱い
P251
使用後を含め,穴を開けたり
燃やしたりしないこと。
エアゾール(A.3)
1,2,3
P260
粉じん/煙/ガス/ミスト
/蒸気/スプレーを吸入し
ないこと。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が指
定する適用条件
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
特定標的臓器毒性(反復ばく
露)(B.9)
1,2
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
−粉じん,ミストなどを
吸入しないよう明示す
る。
−使用中に吸入され得
る粉じん,ミストなどの
粒子が発生する可能性
がある場合
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
P261
粉じん/煙/ガス/ミスト
/蒸気/スプレーの吸入を
避けること。
急性毒性(吸入)(B.1)
3,4
−P260がラベルに記載
される場合には削除し
てもよい
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が指
定する適用条件
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P262
眼,皮膚,衣類につけないこ
と。
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2
P263
妊娠中及び授乳期中は接触
を避けること。
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
58
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P264
取扱い後は...をよく洗うこ
と。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3,4
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する取扱い後に洗
浄する体の部分
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
皮膚刺激性(B.2)
2
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
特定標的臓器毒性(反復ばく
露)(B.9)
1
P270
この製品を使用するときに,
飲食又は喫煙をしないこと。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3,4
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
特定標的臓器毒性(反復ばく
露)(B.9)
1
P271
屋外又は換気の良い場所で
だけ使用すること。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3,4
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P272
汚染された作業衣は作業場
から出さないこと。
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P273
環境への放出を避けること。 水生環境有害性 短期(急性)
(C.1)
1,2,3
−必要なとき以外は
水生環境有害性 長期(慢性)
(C.1)
1,2,3,4
P280
保護手袋/保護衣/保護眼
鏡/保護面を着用すること。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が指
定する適切な装具の種
類
可燃性ガス(A.2)
自然発火性ガ
ス
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
可燃性固体(A.7)
1,2
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
59
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P280
(続き)
保護手袋/保護衣/保護眼
鏡/保護面を着用すること。
(続き)
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
自己発熱性化学品(A.11)
1,2
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
−保護手袋/保護衣を
指定する
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が装
具の種類を指定しても
よい
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
−保護手袋/保護衣/
保護面を指定する
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が装
具の種類を指定しても
よい
皮膚刺激性(B.2)
2
−保護手袋を指定する
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が装
具の種類を指定しても
よい
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
眼に対する重篤な損傷性
(B.3)
1
−保護眼鏡/保護面を
指定する
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が装
具の種類を指定しても
よい
眼刺激性(B.3)
2,2A
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2 製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が装
具の種類を指定しても
よい
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
P282
耐寒手袋及び保護面又は保
護眼鏡を着用すること。
高圧ガス(A.5)
深冷液化ガス
P283
防火服又は防炎服を着用す
ること。
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
60
Z 7253:2019
表C.2−安全対策の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
安全対策の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P284
【換気が不十分な場合】呼吸
用保護具を着用すること。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2
−【】の文言は,化学品
の使用時に関する追加
的な情報が,安全な使用
のために十分な換気の
タイプを説明している
場合に使用してもよい
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が指
定する機器の種類
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
P231
+
P232
湿気を遮断し,不活性ガス
/...下で取り扱うこと。
自然発火性液体(A.9)
1
...“不活性ガス”が適
切でない場合には,製造
業者,輸入業者,供給者
又は所管官庁が指定す
る適切な液体又はガス
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
−化学品が空気中の湿
度と速やかに反応する
場合
...“不活性ガス”が適
切でない場合には,製造
業者,輸入業者,供給者
又は所管官庁が指定す
る適切な液体又はガス
表C.3−応急措置の注意書きのコード表
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P301
飲み込んだ場合:
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3,4
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
誤えん有害性(B.10)
1
P302
皮膚に付着した場合:
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P303
皮膚(又は髪)に付着した場
合:
引火性液体(A.6)
1,2,3
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
61
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P304
吸入した場合:
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3,4
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P305
眼に入った場合:
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
眼に対する重篤な損傷性
(B.3)
1
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
P306
衣類にかかった場合:
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
P308
ばく露又はばく露の懸念が
ある場合:
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
P310
直ちに医師/...に連絡する
こと。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
眼に対する重篤な損傷性
(B.3)
1
誤えん有害性(B.10)
1
P311
医師/...に連絡すること。 急性毒性(吸入)(B.1)
3
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
P312
気分が悪いときは医師/...
に連絡すること。
急性毒性(経口)(B.1)
4
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
急性毒性(経皮)(B.1)
3,4
急性毒性(吸入)(B.1)
4
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
62
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P313
医師の診察/手当てを受け
ること。
皮膚刺激性(B.2)
2
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
P314
気分が悪いときは,医師の診
察/手当てを受けること。
特定標的臓器毒性(反復ばく
露)(B.9)
1,2
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
P315
直ちに医師に診察/手当て
を受けること。
高圧ガス(A.5)
深冷液化ガス 製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
P320
特別な処置が緊急に必要で
ある(このラベルの...を見
よ)。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2
−緊急の解毒剤の投与
が必要な場合
...補足的な応急措置の
説明
P321
特別な処置が必要である(こ
のラベルの...を見よ)。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3
−緊急の解毒剤の投与
が必要な場合
...補足的な応急措置の
説明
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
−緊急の洗浄剤などを
推薦する場合
...補足的な応急措置の
説明
急性毒性(吸入)(B.1)
3
−緊急の特別な処置が
必要な場合
...補足的な応急措置の
説明
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
...補足的な応急措置の
説明
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が指
定する適切な洗浄剤が
ある場合
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1
−緊急の処置が必要な
場合
...補足的な応急措置の
説明
P330
口をすすぐこと。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3,4
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
63
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P331
無理に吐かせないこと。
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
誤えん有害性(B.10)
1
P332
皮膚刺激が生じた場合:
皮膚刺激性(B.2)
2
P333
皮膚刺激又は発しん(疹)が
生じた場合:
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P334
冷たい水に浸すこと【又は湿
った包帯で覆うこと】。
自然発火性液体(A.9)
1
−【】内の文言は自然発
火性液体及び固体に使
用する
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2
−“冷たい水に浸すこ
と”だけを使用する。【】
内の文言は使用しない
P335
固着していない粒子を皮膚
から払いのけること。
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2
P336
凍った部分をぬるま湯で溶
かすこと。受傷部はこすらな
いこと。
高圧ガス(A.5)
深冷液化ガス
P337
眼の刺激が続く場合:
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
P338
コンタクトレンズを着用し
ていて容易に外せる場合は
外すこと。その後も洗浄を続
けること。
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
眼に対する重篤な損傷性
(B.3)
1
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
P340
空気の新鮮な場所に移し,呼
吸しやすい姿勢で休息させ
ること。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3,4
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P342
呼吸に関する症状が出た場
合:
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
P351
水で数分間注意深く洗うこ
と。
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
眼に対する重篤な損傷性
(B.3)
1
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
P352
多量の水/...で洗うこと。 急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な洗浄剤
がある場合,又は明らか
に水が不適切で他の薬
剤を推薦する場合
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
64
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P353
皮膚を流水【又はシャワー】
で洗うこと。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
特定の化学品に対して
それが適切だとした場
合には【】内の文言を含
める
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
P360
服を脱ぐ前に,直ちに汚染さ
れた衣類及び皮膚を多量の
水で洗うこと。
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
P361
汚染された衣類を直ちに全
て脱ぐこと。
引火性液体(A.6)
1,2,3
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
P362
汚染された衣類を脱ぐこと。 急性毒性(経皮)(B.1)
4
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P363
汚染された衣類を再使用す
る場合には洗濯をすること。
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
P364
再使用する場合には洗濯を
すること。
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P370
火災の場合:
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
酸化性ガス(A.4)
1
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
可燃性固体(A.7)
1,2
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
有機過酸化物(A.15)
タイプA,B,
C,D,E,F
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3
P371
大火災の場合で大量にある
場合:
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
鈍性化爆発物(A.17)
4
65
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P372
爆発する危険性あり。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.5
等級1.4
−輸送における区分1.4
隔離区分Sの爆発物は
除く
自己反応性化学品(A.8)
タイプA
有機過酸化物(A.15)
タイプA
P373
炎が爆発物に届いたら消火
活動をしないこと。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.5
等級1.4
−輸送における区分1.4
隔離区分Sの爆発物は
除く
自己反応性化学品(A.8)
タイプA
有機過酸化物(A.15)
タイプA
P375
爆発の危険性があるため,離
れた距離から消火すること。
爆発物(A.1)
等級1.4
−輸送における区分1.4
隔離区分Sの爆発物に
対して
自己反応性化学品(A.8)
タイプB
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
有機過酸化物(A.15)
タイプB
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3
P376
安全に対処できるならば漏
えい(洩)を止めること。
酸化性ガス(A.4)
1
P377
漏えい(洩)ガス火災の場
合:漏えいが安全に停止され
ない限り消火しないこと。
可燃性ガス(A.2)
1,2
P378
消火するために...を使用す
ること。
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
−水がリスクを増大さ
せる場合
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な手段
可燃性固体(A.7)
1,2
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
B,C,D,E,
F
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
有機過酸化物(A.15)
タイプB,C,
D,E,F
66
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P380
区域から退避させること。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
自己反応性化学品(A.8)
タイプA,B
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
有機過酸化物(A.15)
タイプA,B
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
P381
漏えいした場合,着火源を除
去すること。
可燃性ガス(A.2)
1,2
P390
物的被害を防止するために
も流出したものを吸収する
こと。
金属腐食性化学品(A.16)
1
P391
漏出物を回収すること。
水生環境有害性 短期(急性)
(C.1)
1
水生環境有害性 長期(慢性)
(C.1)
1,2
P301
+
P310
飲み込んだ場合:直ちに医師
/...に連絡すること。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
誤えん有害性(B.10)
1
P301
+
P312
飲み込んだ場合:気分が悪い
ときは医師/...に連絡する
こと。
急性毒性(経口)(B.1)
4
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
P302
+
P334
皮膚に付着した場合:冷たい
水に浸すこと,又は湿った包
帯で覆うこと。
自然発火性液体(A.9)
1
P302
+
P352
皮膚に付着した場合:多量の
水/...で洗うこと。
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な洗浄剤
がある場合,又は明らか
に水が不適切で他の薬
剤を推薦する場合
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P304
+
P340
吸入した場合:空気の新鮮な
場所に移し,呼吸しやすい姿
勢で休息させること。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3,4
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
67
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P306
+
P360
衣類にかかった場合:服を脱
ぐ前に,直ちに汚染された衣
類及び皮膚を多量の水で洗
うこと。
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
P308
+
P311
ばく露又はばく露の懸念が
ある場合:医師に連絡するこ
と。
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)
1,2
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
P308
+
P313
ばく露又はばく露の懸念が
ある場合:医師の診察/手当
てを受けること。
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2 ...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
選択する診察又は手当
て
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
生殖毒性・授乳に対する又は
授乳を介した影響(B.7)
追加区分
P332
+
P313
皮膚刺激が生じた場合:医師
の診察/手当てを受けるこ
と。
皮膚刺激性(B.2)
2
−P333+P313がラベル
上にあるときは削除し
てもよい
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
P333
+
P313
皮膚刺激又は発しん(疹)が
生じた場合:医師の診察/手
当てを受けること。
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
P336
+
P315
凍った部分をぬるま湯で溶
かすこと。受傷部はこすらな
いこと。直ちに医師に診察/
手当てを受けること。
高圧ガス(A.5)
深冷液化ガス 製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
P337
+
P313
眼の刺激が続く場合:医師の
診察/手当てを受けること。
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が選
択する診察又は手当て
P342
+
P311
呼吸に関する症状が出た場
合:医師/...に連絡するこ
と。
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する緊急処置に関
する情報源
P361
+
P364
汚染された衣類を直ちに全
て脱ぎ,再使用する場合には
洗濯をすること。
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3
P362
+
P364
汚染された衣類を脱ぎ,再使
用する場合には洗濯をする
こと。
急性毒性(経皮)(B.1)
4
皮膚刺激性(B.2)
2
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
P370
+
P376
火災の場合:安全に対処でき
るならば漏えい(洩)を止め
ること。
酸化性ガス(A.4)
1
68
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P370
+
P378
火災の場合:消火するため
に...を使用すること。
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
−水がリスクを増大さ
せる場合
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な手段
可燃性固体(A.7)
1,2
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
C,D,E,F
自然発火性液体(A.9)
1
自然発火性固体(A.10)
1
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
有機過酸化物(A.15)
タイプC,D,
E,F
P301
+
P330
+
P331
飲み込んだ場合:口をすすぐ
こと。無理に吐かせないこ
と。
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
P302
+
P335
+
P334
皮膚に付着した場合:固着し
ていない粒子を皮膚から払
いのけ,冷たい水に浸すこと
【又は湿った包帯で覆うこ
と】。
自然発火性固体(A.10)
1
−【】内の文言は自然発
火性固体に使用する。
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2
−“冷たい水に浸すこ
と”だけを使用する。【】
内の文言は使用しな
い。
P303
+
P361
+
P353
皮膚(又は髪)に付着した場
合:直ちに汚染された衣類を
全て脱ぐこと。皮膚を水【又
はシャワー】で洗うこと。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
特定の化学品に対して
それが適切だとした場
合には【】内の文言を含
める
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
P305
+
P351
+
P338
眼に入った場合:水で数分間
注意深く洗うこと。次にコン
タクトレンズを着用してい
て容易に外せる場合は外す
こと。その後も洗浄を続ける
こと。
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
眼に対する重篤な損傷性
(B.3)
1
眼刺激性(B.3)
2,2A,2B
P370
+
P380
+
P375
火災の場合:爆発の危険性が
あるため,区域から退避さ
せ,離れた場所から消火する
こと。
爆発物(A.1)
等級1.4
−輸送における区分1.4
隔離区分Sの爆発物の
場合
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3
P371
+
P380
+
P375
大火災の場合で大量にある
場合:区域から退避させ,爆
発の危険性があるため,離れ
た距離から消火すること。
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
鈍性化爆発物(A.17)
4
69
Z 7253:2019
表C.3−応急措置の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
応急措置の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P370
+
P372
+
P380
+
P373
火災の場合:爆発する危険性
あり。区域から退避させるこ
と。炎が爆発物に届いたら消
火活動をしないこと。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級1.1,
1.2,1.3,1.5
等級1.4
−輸送における区分1.4
隔離区分Sの爆発物は
除く
自己反応性化学品(A.8)
タイプA
有機過酸化物(A.15)
タイプA
P370
+
P380
+
P375【+
P378】
火災の場合:区域から退避さ
せ,爆発の危険性があるた
め,離れた距離から消火する
こと【消火するために...を
使用すること】
自己反応性化学品(A.8)
タイプB
−【】内の文言は水がリ
スクを大きくする場合
に使用する。
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適切な手段
有機過酸化物(A.15)
タイプB
表C.4−保管(貯蔵)の注意書きのコード表
コード
(第1欄)
保管(貯蔵)の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P401
...に従って保管すること。 爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
特定する適用できる国
際,国,都道府県,市町
村の規則
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
P402
乾燥した場所に保管するこ
と。
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
P403
換気の良い場所で保管する
こと。
可燃性ガス(A.2)
1,2
酸化性ガス(A.4)
1
高圧ガス(A.5)
圧縮ガス
液化ガス
深冷液化ガス
溶解ガス
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
−引火性液体区分1 及
び他の引火性液体で揮
発性が高く爆発する環
境をつくる可能性があ
るとき
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
−温度が管理されてい
る自己反応性化学品又
は有機過酸化物は,濃縮
及びそれに伴う凍結が
起きるので,除外する
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
70
Z 7253:2019
表C.4−保管(貯蔵)の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
保管(貯蔵)の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P403
(続き)
換気の良い場所で保管する
こと。(続き)
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3
−化学品が揮発性で有
害な環境をつくりだす
場合
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P404
密閉容器に保管すること。
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
P405
施錠して保管すること。
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
誤えん有害性(B.10)
1
P406
耐腐食性/耐腐食性内張り
のある...容器に保管するこ
と。
金属腐食性化学品(A.16)
1
−P234がラベルに記載
されている場合には省
略してもよい
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する他の互換性が
ある材料
P407
積荷又はパレット間に隙間
をあけること。
自己発熱性化学品(A.11)
1,2
P410
日光から遮断すること。
エアゾール(A.3)
1,2,3
−危険物輸送に関する
勧告 モデル規則の包
装指示P200に従ってい
る運送用ガスシリンダ
ーに充塡されている場
合には削除してもよい。
ただし,ガスが(遅い)
分解,高分子化などを起
こさない場合,又は所管
官庁が他の方法を示さ
ない場合に限る。
高圧ガス(A.5)
圧縮ガス
液化ガス
溶解ガス
自己発熱性化学品(A.11)
1,2
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
71
Z 7253:2019
表C.4−保管(貯蔵)の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
保管(貯蔵)の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P411
...℃以下の温度で保管する
こと。
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
−JIS Z 7252 A.8.2.2若
しくはA.15.2.3に従っ
た温度管理が必要な場
合又は他の方法が必要
と考えられる場合
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
適用可能な温度計を用
いて指定した温度。
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
P412
50 ℃以上の温度にばく露し
ないこと。
エアゾール(A.3)
1,2,3
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適用可能な温
度計を用いる。
P413
...kg以上の大量品は,
...℃以下の温度で保管する
こと。
自己発熱性化学品(A.11)
1,2
...製造業者,輸入業者,
供給者又は所管官庁が
指定する適用可能な計
測器を用いた量及び温
度。
P420
隔離して保管すること。
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
自己発熱性化学品(A.11)
1,2
酸化性液体(A.13)
1
酸化性固体(A.14)
1
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
P402
+
P404
乾燥した場所で密閉容器に
保管すること。
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
P403
+
P233
換気の良い場所で保管する
こと。容器を密閉しておくこ
と。
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3
−化学品が揮発性で有
害な環境を生じる可能
性があるとき
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
P403
+
P235
換気の良い場所で保管する
こと。涼しいところに置くこ
と。
引火性液体(A.6)
1,2,3
−引火性液体区分1及
び揮発性があり爆発す
る環境を作る可能性の
ある液体
72
Z 7253:2019
表C.4−保管(貯蔵)の注意書きのコード表(続き)
コード
(第1欄)
保管(貯蔵)の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P410
+
P403
日光から遮断し,換気の良い
場所で保管すること。
高圧ガス(A.5)
圧縮ガス
液化ガス
溶解ガス
−P410は,危険物輸送
に関する勧告 モデル
規則の包装指示P200に
従っている運送用ガス
シリンダーに充塡され
ている場合には削除し
てもよい。ただし,ガス
が(遅い)分解,高分子
化などを起こさない場
合,又は所管官庁が他の
方法を示さない場合に
限る。
P410
+
P412
日光から遮断し,50 ℃以上の
温度にばく露しないこと。
エアゾール(A.3)
1,2,3
製造業者,輸入業者,供
給者又は所管官庁が指
定する適用可能な温度
計を用いる。
73
Z 7253:2019
表C.5−廃棄の注意書きのコード表
コード
(第1欄)
廃棄の注意書き
(第2欄)
危険有害性クラス
(JIS Z 7252の箇条番号)
(第3欄)
区分
(第4欄)
使用の条件
(第5欄)
P501
内容物/容器を...に廃棄す
ること。
爆発物(A.1)
不安定爆発物
及び等級
1.1,1.2,1.3,
1.4,1.5
...国際,国,都道府県,
又は市町村の規則(明示
する)に従って製造業
者,輸入業者,供給者又
は所管官庁が指定する
内容物,容器又はその両
者に適用する廃棄物要
件
引火性液体(A.6)
1,2,3,4
自己反応性化学品(A.8)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
水反応可燃性化学品(A.12)
1,2,3
酸化性液体(A.13)
1,2,3
酸化性固体(A.14)
1,2,3
有機過酸化物(A.15)
タイプ
A,B,C,D,
E,F
鈍性化爆発物(A.17)
1,2,3,4
急性毒性(経口)(B.1)
1,2,3,4
急性毒性(経皮)(B.1)
1,2,3,4
急性毒性(吸入)(B.1)
1,2,3
皮膚腐食性(B.2)
1,1A,1B,
1C
呼吸器感作性(B.4)
1,1A,1B
皮膚感作性(B.4)
1,1A,1B
生殖細胞変異原性(B.5)
1,1A,1B,2
発がん性(B.6)
1,1A,1B,2
生殖毒性(B.7)
1,1A,1B,2
特定標的臓器毒性(単回ばく
露)(B.8)
1,2
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),気道刺激性(B.8)
3
特定標的臓器毒性(単回ばく
露),麻酔作用(B.8)
3
特定標的臓器毒性(反復ばく
露)(B.9)
1,2
誤えん有害性(B.10)
1
水生環境有害性 短期(急性)
(C.1)
1,2,3
水生環境有害性 長期(慢性)
(C.1)
1,2,3,4
P502
回収又はリサイクルに関す
る情報について製造業者又
は供給者に問い合わせる
オゾン層への有害性(C.2)
1
74
Z 7253:2019
附属書D
(規定)
SDSの編集及び作成
D.1 一般原則
この附属書は,SDSの編集及び作成について,規定する。その目的は,受領者が,SDSの各項目の規定
に従って,作業場での安全確保,健康保護及び環境保護に必要な手段が取れるようにすることである。
SDSを編集及び作成する場合に考慮する事項は,次による。
− SDSの16の項目は,この附属書の要求事項に従って作成する。
− この附属書は,16の項目を作成するのに使用する主要な小項目を示す(表D.1参照)。
− この附属書に記載した小項目又は小項目名のいずれにも該当しないSDSに関連する情報は,追加の小
項目又は小項目名として記載してもよい。
− 記載任意の小項目については,SDSの小項目名は,表D.1の小項目名と必ずしも一致していなくても
よい。
D.2 項目1−化学品及び会社情報
この項目には,ラベルなどに使用する化学品の名称(化学物質又は製品の名称),供給者の会社名称,
住所及び電話番号を記載する。別称又は製品コードによって化学品が特定される場合は,それらを追記し
てもよい。また,ファクシミリ番号及び電子メールアドレスを追加記載してもよいが,緊急連絡電話番号
を記載することが望ましい。
なお,当該化学品の国内製造事業者等の情報を,当該事業者の了解を得た上で,追記してもよい。必要
な場合には,化学品の推奨用途を記載することが望ましい。また,使用上の制限について,安全の観点か
ら可能な限り記載するのが望ましい。
D.3 項目2−危険有害性の要約
GHS分類区分に該当する場合には,化学品のGHS分類(最新のJIS Z 7252参照)及びGHSラベル要
素(絵表示又はシンボル,注意喚起語,危険有害性情報及び注意書き)を記載する。
なお,区分に該当しない場合には,その旨,D.12(項目11−有害性情報)及びD.13(項目12−環境影
響情報)に記載することが望ましい。絵表示は,白黒で記載してもよいし,絵表示の代わりにシンボルの
名称(例えば,炎,どくろなど)を用いて記載してもよい。絵表示を記載する際は,はっきり見えるよう
に一つの頂点で正立させた正方形の背景の上に黒いシンボルを置き,十分に幅広い枠で囲む。
また,GHS分類に該当しない化学品の全般的な危険有害性に結び付く他の危険有害性[例えば,粉じん
(塵)爆発危険性]についても記載することが望ましい。粉じん(塵)爆発危険性の場合には,“拡散した
場合,爆発可能性のある粉じん(塵)−空気混合物を形成する可能性あり”という文章が望ましい。
重要な徴候及び想定される非常事態の概要を示してもよい。
D.4 項目3−組成及び成分情報
この項目には,化学品が化学物質か,又は混合物かを記載する。
化学物質の場合は,化学名又は一般名を記載する。化学物質を特定できる一般的な番号及び慣用名又は
75
Z 7253:2019
別名がある場合は,それらを記載することが望ましい。
JIS Z 7252で規定されるGHS分類基準に基づき,危険有害性があると判断した化学物質については,
GHS分類に寄与する成分が全ての不純物及び安定化添加物を含め,分類基準となる濃度(濃度限界という)
以上含有する場合は,化学物質の名称及び濃度1) 又は濃度範囲を記載することが望ましい。
混合物の場合は,組成の全部を記載する必要はない。JIS Z 7252で規定される混合物のGHS分類基準に
基づき,危険有害性があると判断し,かつ,濃度限界以上含有する場合は,その危険有害性区分の分類根
拠となった成分2) の化学名又は一般名及び濃度又は濃度範囲を記載することが望ましい。ただし,次のa)
〜d) の場合には,表1に記載の,健康及び環境の各危険有害性クラスに対するSDSを作成する濃度に相
当するため,当該成分のGHS分類区分及び濃度又は濃度範囲を記載する。
a) 呼吸器感作性物質成分又は皮膚感作性物質成分が,質量分率0.1 %(0.1 質量%)以上の濃度で混合物
中に存在する場合。
b) 区分2の発がん性物質成分が,質量分率0.1 %以上の濃度で混合物中に存在する場合。
c) 区分1及び区分2の生殖毒性物質成分又は授乳に対する又は授乳を介した影響のための追加区分に分
類する成分が,質量分率0.1 %以上の濃度で混合物中に存在する場合。
d) 区分2の特定標的臓器毒性物質成分(単回ばく露及び反復ばく露)が,質量分率1.0 %以上の濃度で
混合物中に存在する場合。
国内法令によって情報伝達が求められている場合は,この限りではない。
注記 この項目には,“化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律”及び/又は“労働安全衛生法”
に基づく官報公示整理番号を記載することが望ましい。
注1) 濃度は,含有率ともいう。
2) 化学物質を構成する要素である不純物及び安定化添加物についても適用する。
D.5 項目4−応急措置
この項目には,取るべき応急措置を記載する。絶対避けるべき行動がある場合は,それを記載する。情
報は,被災者及び/又は,応急措置をする者が容易に理解できるようにすることが望ましい。
情報は,異なったばく露経路,すなわち,吸入した場合,皮膚に付着した場合,眼に入った場合及び飲
み込んだ場合に分けて記載する。
予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状に関する簡潔な情報を,ここに記載すること
が望ましい。しかし,詳細な徴候及び症状は,D.12(項目11−有害性情報)に記載することが望ましい。
必要な場合には,応急措置をする者の保護に必要な注意事項,及び/又は医師に対する特別な注意事項
をここに記載してもよい。
D.6 項目5−火災時の措置
この項目には,どのような消火剤が適切であるか,かつ,使ってはならない消火剤がある場合は,その
旨を記載する。
火災時の措置に関する特有の危険有害性(例えば,有害燃焼副産物の性質),消火活動において遵守し
なければならない全ての予防措置についての助言,例えば“格納容器は水噴霧によって低温に保つ”など
をここに記載することが望ましい。
76
Z 7253:2019
D.7 項目6−漏出時の措置
この項目には,次の情報を含める。
− 人体に対する注意事項,保護具及び緊急時措置
− 環境に対する注意事項
− 封じ込め,浄化の方法及び機材 回収,中和などの浄化の方法及び機材,並びにD.14(項目13−廃棄
上の注意)と異なる廃棄の方法がある場合はここに記載する。
この情報には,二次災害の防止策を含めることが望ましい。
D.8 項目7−取扱い及び保管上の注意
− 取扱い この小項目には,当該化学品を安全に取り扱うために,その取扱者のばく露防止,火災,爆
発の防止などの適切な技術的対策,局所排気,全体換気,エアロゾル・粉じん(塵)の発生防止など
の安全取扱注意事項を記載する。当該化学品の性質を変えることで新たなリスクを生む取扱い方法が
ある場合は合理的に予見可能な範囲で記載する。混合接触させてはならない化学物質との接触回避な
どの特別な安全取扱注意事項を含める。
必要に応じて,適切な衛生対策を明示することが望ましい。
− 保管 この小項目には,当該化学品の安全な保管条件について,適切な技術的対策,及び混合接触さ
せてはならない化学品(混触禁止物質)との分離を含めて,保管条件(適切な保管条件及び避けるべ
き保管条件)を記載する。特に,安全な容器包装材料(推奨材料及び不適切材料)についての情報を
含む。
D.9 項目8−ばく露防止及び保護措置
この項目には,ばく露限界値,生物学的指標などの許容濃度(併せて経皮吸収による全身毒性が付記さ
れている場合には,その旨),及び可能な限り,ばく露を軽減するための設備対策を記載することが望ま
しい。これらの情報は,D.8(項目7−取扱い及び保管上の注意)で規定した情報を補足する。
許容濃度は,可能な限り,日付及び出典を明示することが望ましい。推奨する測定方法及び出典につい
ての情報も併せて提供する。また,この項目では適切な保護具を推奨しなければならない。例えば,次の
保護具を記載する。
− 呼吸用保護具
− 手の保護具
− 眼及び/又は顔面の保護具
− 皮膚及び身体の保護具
保護具の種類,特別に指定する材質などを記載することが望ましい。
多量,高濃度,高温,高圧力などの特殊な条件下でだけ危険有害性を生じる化学品については,これら
の状況に対する特別な注意事項を記載することが望ましい。
D.10 項目9−物理的及び化学的性質
この項目には,次の事項に該当する場合には,その情報を提供する。詳細は,附属書Eを参照する。
− 物理状態
− 色
− 臭い
77
Z 7253:2019
− 融点/凝固点
− 沸点又は初留点及び沸点範囲
− 可燃性
− 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界
− 引火点
− 自然発火点
− 分解温度
− pH
− 動粘性率
− 溶解度
− n-オクタノール/水分配係数(log値)
− 蒸気圧
− 密度及び/又は相対密度
− 相対ガス密度
− 粒子特性
融点/凝固点,溶解度,n-オクタノール/水分配係数(log値)について混合物については記載しなくて
もよい。
引火点が35 ℃を超え60 ℃を超えない液体は,危険物輸送に関する勧告 試験方法及び判定基準のマニ
ュアルの燃焼持続試験L.2において否の結果が得られている場合は,規制目的(航空法,船舶安全法)に
よっては引火性液体とされないことがある。輸送において引火性/可燃性の除外を考慮する場合には,燃
焼持続性についての情報を示す。
放射性,かさ密度など当該化学品の安全な使用に関係するその他のデータを示すことが望ましい。
単位は,JIS Z 8000-1及びJIS Z 8000-9に従って国際単位系(SI)で表示する。ただし,SIを主表示と
し,SI以外の単位を併記してもよい。
可能な場合,性状の測定方法を記載することが望ましい。
D.11 項目10−安定性及び反応性
この項目には,当該化学品の反応性,化学的安定性及び特定条件下で生じる危険有害反応可能性を記載
する。
この項目には,次の情報を含める。
− 避けるべき条件[熱(特定温度以上の加熱など),圧力,衝撃,静電放電,振動,他の物理的応力など]
− 混触危険物質(当該化学品と混合又は接触させた場合に危険有害性を生じさせる物質)
− 使用,保管,加熱の結果生じる既知の予測可能な有害な分解生成物
鈍性化爆発物の供給者は,鈍性化を確認するための貯蔵期間,手順などについて,特に湿潤によって鈍
性化されている場合には,均一性を保ち通常の貯蔵及び取扱いで分離してはならないことを追記し,十分
に鈍性化されていないときに増大する火災,爆風又は飛散危険性を避けるための情報を提供する。
78
Z 7253:2019
D.12 項目11−有害性情報
この項目には,様々な健康(毒性学的)影響について,危険有害性項目ごとに簡明かつ完全で包括的な
説明と,その影響を特定するために利用したデータとを記載する。GHS分類においてデータを提供しなけ
ればならない有害性は次による。
− 急性毒性
− 皮膚腐食性/刺激性
− 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
− 呼吸器感作性又は皮膚感作性
− 生殖細胞変異原性
− 発がん性
− 生殖毒性
− 特定標的臓器毒性(単回ばく露)
− 特定標的臓器毒性(反復ばく露)
− 誤えん有害性
これらの危険有害性項目は常に記載する。
体細胞を用いるインビボ(in vivo)遺伝毒性試験又はインビトロ(in vitro)変異原性試験のデータを記
載する場合には,生殖細胞変異原性の小項目に記載する。さらに,発がん性の小項目に記載してもよい。
生じる影響には,各々,吸入,経口摂取,皮膚,眼接触などのばく露経路を記載する。さらに,毒性の
数値的尺度(急性毒性推定値など),物理的,化学的及び毒性学的特性に関係する症状を,そのばく露条件
(用量又は濃度,期間)と共に提供することが望ましい。必要に応じて,単回又は反復ばく露によって生
じる急性影響と遅延性影響とを記載する。
これら危険有害性のデータが入手できない場合又は化学品が分類判定基準に合致しない場合には,その
旨SDSに記載する。混合物の場合, 上記各有害性クラスについて,混合物としての毒性情報とGHS分類
とを記載する。 混合物全体として試験されていない場合,又は評価するにたる情報が得られない場合は成
分についての毒性情報とGHS分類とを記載する。混合物としての分類には,GHSが規定する混合物の分
類方法を使用する。情報が得られない等の場合はその旨を記載する。
D.13 項目12−環境影響情報
この項目には,次のような情報を含める。また,次の情報についてのデータの要約も提供する。
− 生態毒性
− 残留性・分解性
− 生体蓄積性
− 土壌中の移動性
− オゾン層への有害性
これらの危険有害性項目は常に記載する。
危険有害性分類判定基準に関連するデータを記載し,生物種,試験継続期間及び試験条件も明記する。
これら危険有害性のデータが入手できない場合,化学品が分類判定基準に合致しない場合には,その旨SDS
に記載する。
79
Z 7253:2019
生物蓄積性,残留性,分解性など,幾つかの生態毒性を現す特性は物質に特異的である。入手可能で適
切である場合には,混合物中の該当する各成分について情報を提供する。
科学的な実験で得られた追加の知見又はデータは,情報の出典を参照できるようにして示してもよい。
環境基準などは,ここに示してもよい。他の有害影響がある場合は,ここに記載する。
D.14 項目13−廃棄上の注意
この項目には,安全で,かつ,環境上望ましい廃棄,又はリサイクルに関する情報を含める。
これらの廃棄方法は,化学品(残余廃棄物)だけではなく,当該化学品が付着している汚染容器及び包
装にも適用する。環境に配慮し,空容器/包装等をリサイクルすることが望ましい場合は,適宜その旨記
載することが望ましい。
受領者に対して,その地域の廃棄規制に注意を促すことが望ましい。
D.15 項目14−輸送上の注意
この項目には,輸送に関する国際規制の情報を含める。陸上,海上及び航空の輸送手段によって区別す
る。
この項目では,該当する場合,次の情報を記載することが望ましい。
− 国連番号
− 品名(国連輸送名)
− 国連分類(輸送における危険有害性クラス)
− 容器等級
− 海洋汚染物質(該当・非該当)
− MARPOL 73/78附属書II及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質(該当・非該当)
注記 品名が,D.2(項目1−化学品及び会社情報)と異なる場合には,発送文書で要求されている
ようにIBCコード第17章又は第18章,又はIMO MEPC.2/Circular最新版で付与される名前
の一覧による。
− 使用者が構内若しくは構外の輸送又は輸送手段に関連して,知る必要がある又は従う必要がある特別
の安全対策
国内規制がある場合には,その情報を記載する。
D.16 項目15−適用法令
この項目には,化学品にSDSの提供が求められる特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改
善の促進に関する法律,労働安全衛生法,毒物及び劇物取締法に該当する化学品の場合には,化学品の名
称と共に該当国内法令の名称及びその国内法令に基づく規制に関する情報を記載する。また,その他の適
用される国内法令の名称及びその国内法令に基づく規制に関する情報を,化学品の名称と共に含めること
が望ましい。
D.17 項目16−その他の情報
この項目には,安全上重要であるがこれまでの項目に直接関連しない情報を記載する。例えば,特定の
訓練の必要性,化学品の推奨される取扱い,制約を受ける事項などを記載してもよい。また,出典をここ
に示してもよい。
80
Z 7253:2019
D.18 SDSへの記載内容
表D.1に,SDSに記載する16の項目とその項目名,項目を作成するのに使用する主要な小項目の名称
及び小項目の必須又は任意の別を記載する。表D.1に記載した小項目又は小項目名のいずれにも該当しな
いSDSに関連する情報は,追加の小項目又は小項目名として記載してもよい。
SDSへの記載内容について考慮する事項は,次による。
− 斜字部分は補足説明であり,小項目名の一部とはしない。
− 記載任意の小項目については,SDSの小項目名は,表D.1の小項目名と必ずしも一致していなくても
よい。
表D.1−SDSへの記載内容
項目
項目名
小項目名
必須又は任意
の別a)
1
化学品及び
会社情報
化学品の名称
必須
製品コード
任意
供給者の会社名称,住所及び電話番号
必須
供給者のファクシミリ番号又は電子メールアドレス
任意
緊急連絡電話番号
任意
推奨用途
任意
使用上の制限
任意
国内製造事業者等の情報(了解を得た上で)
任意
2
危険有害性
の要約
化学品のGHS分類
必須
GHSラベル要素(絵表示又はシンボル,注意喚起語,危険有害性情報及び
注意書き)
必須
GHS分類に関係しない又はGHSで扱われない他の危険有害性
任意
重要な徴候及び想定される非常事態の概要
任意
3
組成及び成
分情報
化学物質・混合物の区別
必須
化学名又は一般名
必須
慣用名又は別名
任意
化学物質を特定できる一般的な番号
任意
成分及び濃度又は濃度範囲(混合物の場合,各成分の化学名又は一般名及
び濃度又は濃度範囲)
注記 国内法令において記載が求められる場合は,化学物質名及び濃
度の記載が必須である。
任意
官報公示整理番号(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律・労働
安全衛生法)
任意
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)
任意
4
応急措置
吸入した場合
必須
皮膚に付着した場合
必須
眼に入った場合
必須
飲み込んだ場合
必須
急性症状及び遅発性症状の最も重要な微候症状
任意
応急措置をする者の保護に必要な注意事項
任意
医師に対する特別な注意事項
任意
81
Z 7253:2019
表D.1−SDSへの記載内容(続き)
項目
項目名
小項目名
必須又は任意
の別a)
5
火災時の措
置
適切な消火剤
必須
使ってはならない消火剤
必須※
火災時の特有の危険有害性
任意
特有の消火方法
任意
消火活動を行う者の特別な保護具及び予防措置
任意
6
漏出時の措
置
人体に対する注意事項,保護具及び緊急時措置
必須
環境に対する注意事項
必須
封じ込め及び浄化の方法及び機材
必須
二次災害の防止策
任意
7
取扱い及び
保管上の注
意
取扱い(技術的対策,安全取扱注意事項,接触回避などを記載する。また,
必要に応じて衛生対策を記載することが望ましい。)
必須※
保管(安全な保管条件,安全な容器包装材料を記載する。)
必須※
8
ばく露防止
及び保護措
置
許容濃度等
任意
設備対策
任意
保護具(呼吸用保護具,手の保護具,眼,顔面の保護具,皮膚及び身体の
保護具)
必須
特別な注意事項
任意
9
物理的及び
化学的性質
物理状態
必須
色
必須
臭い
必須※
融点/凝固点(混合物の場合は,記載省略可)
必須※
沸点又は初留点及び沸点範囲
必須※
可燃性
必須※
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界
必須※
引火点
必須※
自然発火点
必須※
分解温度
必須※
pH
必須※
動粘性率
必須※
溶解度(混合物の場合は,記載省略可)
必須※
n-オクタノール/水分配係数(log値)(混合物の場合は,記載省略可)
必須※
蒸気圧
必須※
密度及び/又は相対密度
必須※
相対ガス密度
必須※
粒子特性
必須※
その他のデータ(放射性,かさ密度,燃焼持続性)
任意
10
安定性及び
反応性
反応性
必須※
化学的安定性
必須※
危険有害反応可能性
必須※
避けるべき条件[熱(特定温度以上の加熱など),圧力,衝撃,静電放電,
振動などの物理的応力]
必須※
混触危険物質
必須※
危険有害な分解生成物
必須※
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表D.1−SDSへの記載内容(続き)
項目
項目名
小項目名
必須又は任意
の別a)
11
有害性情報
急性毒性
必須※
皮膚腐食性/刺激性
必須※
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
必須※
呼吸器感作性又は皮膚感作性
必須※
生殖細胞変異原性
必須※
発がん性
必須※
生殖毒性
必須※
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
必須※
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
必須※
誤えん有害性
必須※
12
環境影響情
報
生態毒性
必須※
残留性・分解性
必須※
生態蓄積性
必須※
土壌中の移動性
必須※
オゾン層への有害性
必須※
13
廃棄上の注
意
化学品(残余廃棄物),当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全
で,かつ,環境上望ましい廃棄,又はリサイクルに関する情報
必須
14
輸送上の注
意
国連番号
該当する場合
品名(国連輸送名)
該当する場合
国連分類(輸送における危険有害性クラス)
該当する場合
容器等級
該当する場合
海洋汚染物質(該当・非該当)
任意
MARPOL73/78附属書II及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物
質(該当・非該当)
任意
輸送又は輸送手段に関する特別の安全対策
任意
国内規制がある場合の規制情報
必須
15
適用法令
該当法令の名称及びその法令に基づく規制に関する情報(化学品にSDSの
提供が求められる特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善
の促進に関する法律,労働安全衛生法,毒物及び劇物取締法に該当する化
学品の場合,化学品の名称と共に記載する)
必須
その他の適用される法令の名称及びその法令に基づく規制に関する情報
(化学品の名称と共に記載する)
任意
16
その他の情
報
安全上重要であるがこれまでの項目名に直接関連しない情報
任意
注a) 記載の説明
− 必須 :記載必須。
− 必須※ :情報がない場合,その旨を必ず記載する。
− 任意 :記載は任意。
− 該当する場合:小項目が前提とする事柄に該当する場合にだけ記載する。
83
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附属書E
(参考)
基本的な物理的及び化学的性質並びに物理的危険性クラスに
関連するデータ
表E.1−基本的な物理的及び化学的性質
性質
注釈/手順
物理状態
− 一般に標準状態下
− ガス,液体及び固体の定義はJIS Z 7252を参照する。
色
− 供給された物質又は混合物の色を示す。
− 混合物で僅かな色の違いがあり,一つのSDSで対応する場合,“若干違う場合がある”と記載
してもよい。
臭い
− よく知られている又は文献に記載がある臭いの場合,その性質を記載する。
− 入手可能な場合は臭いのしきい値を示す(定性的又は定量的に)。
融点・凝固点
− ガスは該当しない。
− 標準圧力下
− 融点が測定方法の範囲を超えていた場合,何度まで融点が観察できなかったかを示す。
− 融解前又は融解中に分解又は昇華が起きたかどうかを示す。
− ワックス,ペーストなどでは,代わりに軟化温度/範囲を示してもよい。
− 混合物で融点・凝固点を測定するのが技術的に不可能な場合,その旨記載する。
沸点又は初留
点及び沸点範
囲
− 一般的に標準圧力下(沸点が非常に高い又は沸騰前に分解が起きる場合には,より低い圧力
下での沸点が示されてもよい)
− 沸点が測定方法の範囲を超えていた場合,何度まで沸点が観察できなかったかを示す。
− 沸騰前又は沸騰中に分解が起きたかどうかを示す。
− 混合物で沸点又は沸点範囲を測定するのが技術的に不可能な場合,その旨を記載する:その
場合,沸点が最も低い成分の沸点も示す。
可燃性
− ガス,液体及び固体が該当する。
− 物質又は混合物の発火性(たとえ可燃性に分類されない場合でも,火がつき得るか又は発火
性か)について示す。
− 入手可能で適切な場合,次のような情報を追加的に示してもよい。
・ 点火の影響が通常の燃焼と異なる(例えば爆発)。
・ 非標準状態下での点火可能性
− 表E.2に従い,各危険性分類に基づくより具体的な情報を示してもよい。
爆発下限界及
び爆発上限界
/可燃限界
− 固体は該当しない。
− 引火性液体には少なくとも爆発下限を示す:
・ 引火点がおおよそ >−25 ℃の場合,標準温度での爆発上限を測定するのは困難と考えら
れる:そのような場合,より高い温度での爆発上限を示すことが望ましい。
・ 引火点が >+20 ℃の場合,同様のことが爆発下限にもいえる。
引火点
− ガス,エアゾール及び固体は該当しない。
− 試験方法に関する情報など
混合物:
− 入手可能な場合,混合物自体の値を示す。値がない場合,通常,主として混合物の引火点に
寄与するものとして,最も低い引火点をもつ物質の引火点を示す。
自然発火点
− ガス及び液体だけが該当する。
混合物:
− 入手可能な場合,混合物自体の値を示す。値がない場合には最も低い自然発火点をもつ成分
の自然発火点を示す。
84
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表E.1−基本的な物理的及び化学的性質(続き)
性質
注釈/手順
分解温度
− 自己反応性物質及び混合物,有機過酸化物及び分解可能性のある物質及び混合物が該当する。
− 次のいずれかの事項を示す。
・ 適用される容量と共にSADT(自己加速分解温度)
・ 分解開始温度
− 示された温度がSADTか又は自己分解開始温度かを示す。
− 分解が観察されない場合,何度まで自己分解が観察されなかったかを示す(例えば“x ℃まで
自己分解は観察されず”)。
pH
− ガスは該当しない。
− 水性液体及び溶液が該当する(定義上,pHは水媒体と関連しており他の媒体での測定ではpH
は得られない)。
− 水中での試験物質の濃度を示す。
− pHが≦2又は≧11.5のときは,皮膚及び眼への有害性の評価を行う場合,留意する。
動粘性率
− 液体だけが該当する。
− 単位としてmm2/sが望ましい(誤えん有害性の分類基準はこの単位に基づいているため)。
− 追加的に動粘度を示してもよい。動粘性率は次のように算出できる:
動粘性率(mm2/s)=動粘度(mPa・s)/密度(g/cm3)
− 非ニュートン液体については,チキソトロピー又はレオペクシーのいずれであるかを示す。
溶解度
− 一般に標準温度下
− 水への溶解を示す。
− 他の(非極性)溶媒への溶解度も含まれてもよい。
− 混合物の場合,それの全部又は一部が水又は他の溶媒に溶解又は混和するのかを示す。
n-オクタノー
ル/水分配係
数(log値)
− 無機及びイオン性液体は該当しない。
− 一般に混合物は該当しない。
− QSAR(定量的構造活性相関)を用いることで,計算によって求められる場合がある。
− 値は試験によるものか又は計算によるものかを示す。
蒸気圧
− 一般に標準温度下
− 追加的に50 ℃における揮発性液体の蒸気圧を示す(JIS Z 7252の定義に基づき,ガス又は液
体のいずれかを明確にするため)。
− 若干組成の異なる液体混合物又は液化ガス混合物を一つのSDSで対応する場合,蒸気圧の範
囲を示す。
− 液体混合物又は液化ガス混合物については,蒸気圧の範囲又は混合物の蒸気圧が主として最
も揮発性の大きな成分によって決まる場合,少なくとも該当成分の蒸気圧を示す。
− 液体混合物又は液化ガス混合物については,蒸気圧は成分の活性係数を用いて計算してもよ
い。
− 飽和蒸気濃度(SVC)を追加的に示してもよい。飽和蒸気濃度は次のように推算できる:
SVC(ml/m3)=VP×987.2
SVC(mg/l)=VP×MW×0.041 2
この式において,VPは蒸気圧(hPa=mbar),MWは分子量
密度及び/又
は相対密度
− 液体及び固体だけが該当する。
− 一般に標準状態下
− 絶対密度,及び/又は,参照として4 ℃の水を基準とした相対密度(ときに比重と呼ばれる)
を示す。
− バッチ製造等によって密度の変動が起きる場合,又は若干組成の異なる物質又は混合物を一
つのSDSで対応する場合は,範囲で示してもよい。
明確にするために,絶対密度(単位を示す)及び/又は相対密度(単位なし)の報告があ
る場合,SDSに必ず記載する。
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表E.1−基本的な物理的及び化学的性質(続き)
性質
注釈/手順
相対ガス密度
− ガス及び液体だけが該当する。
− ガスでは参照として20 ℃の空気(=MW/29)を基準とした相対密度を示す。
− 液体では参照として20 ℃の空気(=MW/29)を基準とした相対蒸気密度を示す。
− 液体では追加的に20 ℃の蒸気/空気−混合物の相対密度(空気=1)を示してもよい。これ
は次のように計算する:
Dm=1+[34×VP20×10−6×(MW−29)]
この式において
・ Dmは20 ℃の蒸気/空気−混合物の相対密度
・ VP20は20 ℃の蒸気圧(mbar)
・ MWは分子量
粒子特性
− 固体だけが該当する。
− 粒子サイズを示す(中央値及び範囲)。
− 入手可能で適切な場合,次の事項を追加的に示してもよい。
・ 粒径分布(範囲)
・ 形及びアスペクト比
・ 比表面積
表E.2−物理的危険性クラスに関連するデータ
JIS Z
7252の
箇条番号
危険性クラス
性質/安全特性/試験結果及び注釈
A.1
爆発物
− 衝撃に対する感度を示す。通常,国連ギャップ試験で測定される:試験1(a) 及び
/又は試験2(a)(試験方法及び判定基準のマニュアルの第I部第11節11.4又は第
12節12.4)(少なくとも+又は−で示す)
− 密閉状態での熱の影響を示す。通常,ケーネン試験で測定される:試験1(b) 及び
/又は試験2(b)(試験方法及び判定基準のマニュアルの第1部第11節11.5又は第
12節12.5)(限界径を示すことが望ましい)
− 密閉状態での点火の影響を示す。通常,試験1(c) 及び/又は試験2(c)(試験方法
及び判定基準のマニュアルの第I部第11節11.6又は第12節12.6)で測定される
(少なくとも+又は−で示す)。
− 打撃に対する感度を示す。通常,試験3(a) で測定される(試験方法及び判定基準
のマニュアルの第I部第13節13.4)(限界衝撃エネルギーを示すことが望ましい)。
− 摩擦に対する感度を示す。通常,試験3(b) で測定される(試験方法及び判定基準
のマニュアルの第I部第13節13.5)(限界負荷を示すことが望ましい)。
− 熱安定性を示す。通常,試験3(c) で測定される(試験方法及び判定基準のマニュ
アルの第I部第13節13.6)(少なくとも+又は−で示す)。
− さらに,この項目は危険物輸送に関する勧告 試験方法及び判定基準マニュアル
の第I部第16節試験シリーズ6における否定的結果に基づき,爆発物から除外さ
れている物質及び混合物,更に密閉状態で加熱された場合に爆発性を示す物質及
び混合物にも該当する。
− 割り当てられている等級に基づいた又は除外されている,物質又は混合物に基づ
いた包装(タイプ,サイズ,物質又は混合物の正味量)を示す。
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表E.2−物理的危険性クラスに関連するデータ(続き)
JIS Z
7252の
箇条番号
危険性クラス
性質/安全特性/試験結果及び注釈
A.2
可燃性ガス
単一の可燃性ガス:
− 表E.1に基づいて示されているように,爆発/可燃限界に関するデータがないこ
とを示す必要がある。
− ISO 10156に基づき,Tci(窒素と混合したときの,空気中で燃えない可燃性ガスの
最大%濃度)を示す。
可燃性ガス混合物:
− 試験されている場合は,爆発/可燃限界を示す(ISO 10156に基づき計算され可燃
性と分類された場合,区分1とする。)。
A.3
エアゾール
− 1 %を超える可燃性/引火性成分を含む又は燃焼熱が20 kJ/g以上に該当するが,
所定の試験結果によって区分2又は区分3に分類されている場合,可燃性/引火
性成分の合計%(vol.%)も併せて示す。
A.4
酸化性ガス
単一の酸化性ガス:
− ISO 10156に基づくCi(酸素当量係数)を示す。
酸化性混合ガス:
− 試験された混合ガスには“酸化性ガス区分1(ISO 10156に基づく試験)”又はISO
10156に基づき計算された酸化力(OP)を示す。
A.5
高圧ガス
単一のガス:
− 臨界温度を示す。
混合ガス:
− 擬臨界温度を示す。
これは成分の臨界温度の分子加重平均として次のように求められる:
∑=
n
i
i
iT
x
1
Crit
この式において
・ xiは成分iの分子比率
・ TCrit iは成分iの臨界温度
A.6
引火性液体
− 沸点及び引火点は表E.1に示されており,追加的なデータは必要ない。
− 試験L.2(試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第32節32.5.2)に基づい
た除外を考慮する場合,持続的な燃焼性についての情報を示す(JIS Z 7252の表
A.11の注記2参照)。
A.7
可燃性固体
− 燃焼速度(又は金属粉の燃焼時間)を示す。通常,試験N.1で測定される。
(試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第33節33.2.1)
− 湿潤部分を超えたかどうかを示す。
A.8
自己反応性化
学品
− SADT(自己加速分解温度)について,表E.1の分解温度の項目を参照する。
− 分解エネルギーを示す(値及び測定方法)。
− 爆発特性を示す(あり/部分的/なし)。a)
− 爆燃特性を示す(あり。急速に/あり。ゆっくりと/なし)。a)
− 密閉状態での熱の影響を示す(激しく/中くらい/低い/なし)。a)
− 該当する場合,爆発力を示す(低くない/低い/なし)。
注a) 該当する各項目について,包装物での試験結果がある場合は,その結果も併せ
て示す。
A.9
自然発火性液
体
− 自然発火性又はろ紙を黒く焦がすかどうかを示す(例えば“空気中で液体が自然
発火する”,“空気中で液体を含漬させた,ろ紙を黒く焦がす”など)。通常,試験
N.3で測定される(試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第33節33.3.1.5)。
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表E.2−物理的危険性クラスに関連するデータ(続き)
JIS Z
7252の
箇条番号
危険性クラス
性質/安全特性/試験結果及び注釈
A.10
自然発火性固
体
− 粉状物質を不燃材の上に落下させ,落下中又は落下後5分以内に自然発火が起き
るかどうか示す(例えば“固体は空気中で自然発火する”など)。通常,試験N.2
で測定される(試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第33節33.3.1.4)。
− 時間の経過と共に自然発火性が変わるかどうかを示す,例えばゆっくりした酸化
によって保護面が形成される。
A.11
自己発熱性化
学品
− 自然発火を起こし得るかどうかを示す,スクリーニングデータ及び/又は使用さ
れた方法(通常,試験N.4,試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第33
節33.3.1.6)を含め,得られた最大温度上昇を示す。
− 適切で,入手可能な場合,JIS Z 7252(A.11,A.11.3)に従ったスクリーニング試
験の結果を示す。
A.12
水反応可燃性
化学品
− 既知の場合,発生するガスを特定する。
− 発生したガスが自然に発火するかどうかを示す。
− ガスが自然発火するなど試験が完結しない場合を除いて,ガス発生速度を示す。
通常,試験N.5(試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第33節33.4.1.4)
で測定される。
A.13
酸化性液体
− セルロースと混ぜて自然発火が起きるかどうかを示す[例えば“セルロースとの
混合物(試験O.2用に調製)は自然発火する”など]。通常,試験O.2(試験方法
及び判定基準のマニュアルの第III部第34節34.4.2)で測定される。
A.14
酸化性固体
− セルロースと混ぜて自然発火が起きるかどうかを示す[例えば“セルロースとの
混合物(試験O.1又は試験O.3用に調製)は自然発火する”など]。通常,試験
O.1又は試験O.3(試験方法及び判定基準のマニュアルの第III部第34節34.4.1又
は34.4.3)で測定される。
A.15
有機過酸化物
− SADT(自己加速分解温度)について,表E.1の分解温度の項目を参照する。
− 入手可能な場合は分解エネルギーを示す(値及び測定方法)。
− 爆発特性を示す(あり/部分的/なし)。a)
− 爆燃特性を示す(あり。急速に/あり。ゆっくりと/なし)。a)
− 密閉状態での熱の影響を示す(激しく/中くらい/なし)。a)
− 可能な場合,爆発力を示す(低くない/低い/なし)。
注a) 該当する各項目について,包装物での試験結果がある場合は,その結果も併せ
て示す。
A.16
金属腐食性化
学品
− 入手可能な場合,物質又は混合物でどの金属が腐食したかを示す(例えば“アル
ミニウムに腐食性”,“鋼に腐食性”など)。
− 入手可能な場合,腐食速度及びそれが鋼又はアルミニウムのいずれに言及してい
るかを示す。通常,試験C.1で測定される(試験方法及び判定基準のマニュアル
の第III部第37節37.4)。
− 適切に,同こん可能又は混触危険に関するSDSの他節の参照を含める(例えば項
目7の同こん可能又は項目10の混触危険物質)。
A.17
鈍性化爆発物
− どのような鈍感化剤が使われているかを示す。
− 発熱分解エネルギーを示す。
− 補正燃焼速度ACを示す。
88
Z 7253:2019
附属書F
(参考)
小さい容器への表示例について
原則,全てのラベル要素などを記載することが求められるが,困難な場合の例示として,次に参考例を
記載する。
なお,これらはあくまでも参考例であって,最低限の記載事項を記載しているものであり,追加記載を
否定するものではない。
(参考例1)
(参考例2)
89
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(参考例3)
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 7253:2019 GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法−ラベル,作
業場内の表示及び安全データシート(SDS)
ISO 11014:2009,Safety data sheet for chemical products−Content and order of sections
GHS (Sixth revised edition) Globally Harmonized System of Classification and Labelling
of Chemicals, Sixth revised edition (ST/SG/AC.10/30 Rev.6)
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
ISO
11014
1
化学製品の安全データ
シート(SDS)の章,
内容及び一般的書式に
ついて定める。
変更
二つの国際規格(ISO,GHS)を一
つのJISとして規定。
我が国の事情による。
GHS
(Sixth
revised
edition)
1.1
化学品の分類及び表示
に関する世界調和シス
テム(GHS)の目的,
範囲,適用について定
める。
2 引用規格
3 用語及び
定義
ISO
11014
3
追加
削除
変更
“作業場”及び“成分”の2用語を
追加し,“危害”及び“合理的に予
見可能な誤使用”を削除した。また,
一部の用語の名称,表現などを,JIS
Z 7252に合わすなどして,変更し
た。
国内でこの規格を実施する上で有
用な内容とした。
4 一般事項 ラベル,作業場内の
表示及びSDS作成
のための一般的,共
通的事項
ISO
11014
4
一般
変更
追加
ISO 11014:2009を基に,GHSの1.4
章及び1.5章の記載内容も加えて変
更した。
また,“SDS”を“ラベル及びSDS”
に変更した。
技術的差異はない。
3
Z
7
2
5
3
:
2
0
1
9
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 ラベル,
作業場内の
表示及び
SDSによる
情報伝達の
内容及びそ
の方法
GHS
(Sixth
revised
edition)
第1.4章
第1.5章
危険有害性に関する情
報の伝達:表示
危険有害性に関する情
報の伝達:安全データ
シート(SDS)
変更
GHSを基に,技術的内容を変更し
て作成したJIS Z 7252:2019に従っ
て分類を行うよう変更した。また,
国内法令から外れないように表現
を変更した。また,健康及び環境の
各危険有害性クラスに対するSDS
を作成する濃度を表1に示した。
これらの技術的差異は軽微であ
る。
6 ラベルに
必要な情報
及びその内
容の決定手
順
第1.4章
危険有害性に関する情
報の伝達:表示
変更
GHSを基に,技術的内容を変更し
て作成したJIS Z 7252:2019に従っ
て分類を行うよう変更した。また,
国内法令から外れないように表現
を変更した。GHSで使用する絵表
示及び危険有害性クラスをまとめ
て,表2に示した。
これらの技術的差異は軽微であ
る。
7 SDSの全
体構成及び
その内容
7.1 全体構成
7.2 SDSへの記載内
容
ISO
11014
5
SDSの内容及び一般的
レイアウト
変更
JISは,7.1及び7.2に分割した。
規格利用者の利便性を考慮した。
技術的差異はない。
附属書A
(規定)
危険有害性クラス,
危険有害性区分及
びラベル要素
GHS
(Sixth
revised
edition)
附属書3
第3節
注意書きの使用
変更
GHSを基に,技術的内容を変更し
て作成したJIS Z 7252:2019に従っ
て分類を行うように変更した。
これらの技術的差異は軽微であ
る。
附属書C
(規定)
注意書きの文言及
び注意書きのコー
ド
附属書3
第2節
注意書きのコード
変更
追加
GHSを基に,技術的内容を変更し
て作成したJIS Z 7252:2019に従っ
て分類を行うように変更した。ま
た,別途規定があれば附属書Cに
規定する以外の文言でもよいとい
う規定を追加した。
これらの技術的差異は軽微であ
る。
3
Z
7
2
5
3
:
2
0
1
9
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書D
(規定)
SDSの編集及び作
成
ISO
11014
附属書A SDSの作成及び記入の
説明
変更
ISO規格でイタリック体で記載さ
れている小項目名は全て太字に変
更した。
イタリック体による強調は,ISO
規格のルールであるが,この規格
では強調箇所が分かりやすい太字
にした。
SDSへの記載内容を項目,小項目に
分けて表D.1に整理して示した。
技術的差異はない。
GHS
(Sixth
revised
edition)
変更
国内法令と矛盾しないように補足,
修正した。
我が国の事情による。
JISと国際規格等との対応の程度の全体評価:[ISO 11014:2009,GHS (Sixth revised edition),MOD]
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
Z
7
2
5
3
:
2
0
1
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