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Z 6009

:2011

(1)

まえがき

この追補は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正

したもので,これによって,JIS Z 6009:1994 は改正され,一部が置き換えられた。


   

日本工業規格

JIS

 Z

6009

:2011

銀−ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法

(追補 1)

Silver-gelatin type microfilms-Processing and storage

(Amendment 1)

JIS Z 6009:1994 を,次のように改正する。

1.(適用範囲)の備考 1.の“JIS K 7558”を,“ISO 18906”に置き換える。

1.(適用範囲)の備考 2.の引用規格を,次に置き換える。

JIS B 9908  換気用エアフィルタユニット・換気用電気集じん器の性能試験方法

JIS P 8133  紙,板紙及びパルプ−水抽出液 pH の試験方法

JIS Z 6000  マイクログラフィックス用語

ISO 10716  Paper and board−Determination of alkali reserve

ISO 18901  Imaging materials−Processed silver-gelatin-type black-and-white films−Specifications for

stability

ISO 18906  Imaging materials−Photographic films−Specifications for safety film

1.(適用範囲)の備考 3.の対応国際規格を,次に置き換える。

ISO 18902:2007  Imaging materials−Processed imaging materials−Albums, framing and storage materials

ISO 18911:2010  Imaging materials−Processed safety photographic films−Storage practices

5.1(残留チオ硫酸塩)を,次の文に置き換える。

“永久保存のフィルムの残留チオ硫酸塩の許容量は,

附属書 によって試験し,ISO 18901 で規定する

0.014 g-S

2

O

3

2

/m

2

以下とする。

また,中期保存のフィルムの場合は,0.030 g-S

2

O

3

2

/m

2

以下とするのがよい。

備考  長期保存のフィルムの場合は,0.030 g-S

2

O

3

2

/m

2

以下とする。

6.2(空気中の不純物)の(3)の“表 1(フィルタユニットの種類)の形式 2”を,“表 1(試験方法の種

類)の形式 2”に置き換える。

9.1(容器の種類及び使い方)の表 3(容器の種類及び用途)の備考 1.の“密封容器又は密封容器で”を,

“密封容器又は密閉容器で”に置き換える。


2

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10.1(一般)の(5)の“JIS K 7617 の 5.(写真活性度試験方法 A)及び 6.(写真活性度試験方法 B)”を,

ISO 10716 の箇条 8(Test procedure)

”に置き換える。

10.2(紙)の(2)の“JIS P 8133 の 4.1(冷水抽出法)”を,“JIS P 8133 の 7.2(冷水抽出法)”に置き換え

る。

10.2(紙)の(2)の“JIS K 7617 の 7.(アルカリ保持量試験方法)”を,

ISO 10716 の箇条 8(Test procedure)

に置き換える。

本体と

参考 1(耐火保存)との間に,“附属書 1[残留処理薬品の試験方法(メチレンブルー法)]”を追加

する。

参考 1(耐火保存)の 3.(耐火庫)の“JIS S 1037(耐火庫)の 2.1

(収容物及び構造による区分)

”を,

JIS S 1037(耐火金庫)

”に置き換える。


3

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附属書 1(規定)  残留処理薬品の試験方法(メチレンブルー法)

1.  適用  メチレンブルー法は,残留チオ硫酸イオン量が 5∼340 mg/m

2

(0.5∼34  μg/cm

2

)の範囲の試験

に適用する。

参考  この試験方法は,バライタ印画紙,樹脂コート印画紙,フィルム及び乾板の形態の試料の残留

チオ硫酸イオンの定量に適用できる。

2.  原理(参考)  試料から抽出(溶出)した残留チオ硫酸塩は,水素化ほう素カリウムによって還元され

て硫化物となる。この硫化物は,N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン(DP)の酸化体と反応してメチレン

ブルー(MB)を形成する。その青色の呈色を光度計又は分光光度計を用いて測定する。チオ硫酸塩量は,

検量線(7.)から求める。

検量線は,試薬,機器及び操作の相違による誤差を除去するために,各試験場所ごとに求めるのがよい

が,いずれの検量線も,

附属書 図 の検量線に近似している。

備考  附属書 図 に示す検量線は,一例であって,実際の検量線としては用いないものとする。実

用の検量線は,この規格に示す方法に従って求める。

3.  反応過程(参考) メチレンブルー法における試薬とチオ硫酸イオンとの間には,次の反応が行われる。

  3H

2

O+2S

2

O

3

2

+BH

2

→2HS

+2HSO

3

+2H

2

+H

2

BO

3

HS

+12FeCl

3

+2DP→MB

4.  試薬  溶液の調製は,次による。 
4.1

チオ硫酸イオン抽出用溶液  よう化カリウム(KI)1.0 g±0.1 g 及びりん酸二水素カリウム(KH

2

PO

4

1.0 g±0.1 g を 1 リットル全量フラスコの水に溶解する。目盛線まで水を加えて十分に混合する。

参考  この溶液は,調製後少なくとも 1 か月間安定である。

4.2

水素化ほう素カリウム試液  新しい水素化ほう素カリウム(KBH

4

(危険<C・接触>,<B・吸入>,

<F・火気>)3.0 g を 0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液 100 ml(4.6)に溶解する。

1 週間を超えて使用する分は,個別に小形容器に収納して保存し,開封当日のうちに廃棄する。

参考 1.  水素化ほう素カリウム溶液は,調製後冷所で 1 週間安定である。

    2.  水素化ほう素カリウムは,次の点で有害である。

1

人体への影響  水素化ほう素カリウムは,可燃性で,かつ,腐食性である。水又は酸と

接触すると水素ガスを発生し,酸の存在下で毒性ガスを発生する。濃厚状態では,この化

合物は,重度の皮膚やけどを起こす。特に注意して取り扱い,瓶の栓を緩く閉めて保管す

る。

2

感光材料への影響  水素化ほう素カリウムは,強力なかぶらし剤である。未処理フィル

ム,印画紙及び処理液との接触を避ける。水素化ほう素カリウムの固体又は試液を用いた

後は手及び器具を十分に洗浄する。

    3.  水素化ほう素カリウムは,テトラヒドロほう酸カリウムともいう。

4.3

アセトン(危険<F・火気><B・吸入>

4.4

塩化第 鉄試液(危険<F・火気><B・吸入>)  水約 50 ml をビーカーにはかりとり,注意しなが

ら 37.5 ml の塩酸(HCl)

(約 37 %)

(危険<C・接触>)を加える。この酸の希釈溶液に塩化鉄(III)

(FeCl

3


4

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6H

2

O)8.45 g±0.01 g を溶解し,室温まで冷却した後,これを 100 ミリリットル全量フラスコに移す。標

線まで水を加えて十分にかき混ぜる。

参考  塩化第 2 鉄試液は,少なくとも 3 か月間安定である。

4.5

NND 試液  水約 50 ml をビーカーにはかりとり,注意しながら 12.5 ml の塩酸(HCl)(約 37 %)(危

険<C・接触>)を加える。この酸の希釈溶液にビス(N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン)硫酸塩 3.00 g

±0.01 g を溶解し,室温まで冷却した後,これを 100 ミリリットル全量フラスコに移す。目盛線まで水を

加えて十分に混合する。

参考 1. NND 試液溶液は,少なくとも 1 週間安定である。

    2.  ビス(N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩,分子量 370.47)の代わりに,1 モル当た

り 1 当量のアミンをもつ等価の市販薬品(N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩,分子

量 234.28)も用いることができる。その場合は,100 ml の試液について 3.78±0.01 g を用い

る。

4.6

0.2 mol/L8.0 g/L)水酸化ナトリウム溶液(

1

)

(

1

)  市販の標定済み試液を使用することを推奨する。

参考 0.2

mol/L 水酸化ナトリウムの調製方法は,次による。

(1)

非標定溶液又は購入した標準水酸化ナトリウム試薬からの調製  ここに示す調製方法は,

購入した水酸化ナトリウム溶液の濃度が 0.2 mol/L 以下の場合,及び研究室において独自に

水酸化ナトリウム溶液を調製することを希望する場合に利用できる。

a)  (十分の注意のもとに)換気ドラフト内で 2 リットルガラスビーカーを用いて 8.0 g±

0.1 g の試薬級水酸化ナトリウムを 800 ml の蒸留水に溶解する。

b)  かくはんして溶解させ,室温に冷却する(ビーカーの溶液を取り扱う際には十分注意

する)

c)  1 リットル全量フラスコに移液して標線まで水を加える。

(2)  0.2 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の別の調製方法  バルブ(ワイブ)を使用して 200.0 ml

の 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液を 1 リットル全量フラスコにとり,

標線まで水を加える。

4.7

0.1 mol/L15.8 g/L)チオ硫酸ナトリウム標準液(Na

2

S

2

O

3

 

市販の標定済み試薬の使用を推奨する。

5.  装置及びガラス器具

備考  ガラス器具は,全て酸化性又は還元性付着物がないものでなければならない。

5.1

バイアルビン(個,シンチレーションバイアルビン)  ポリエチレン製の 20 ミリリットル入りのス

クリューキャップ付きのもの。

5.2

反復注入器(個) 1 ml の注入量の調節が可能なもの。

5.3

可視域光度計又は分光光度計  光路長 1 cm のセルを用いる。

6.  操作 
6.1

試験試料の解析  試験試料は,現像処理後 2 週間以内に分析する。

(1)  フィルム又は印画紙試料の写真濃度が最低値を示す部分から 1 cm

2

を切り取り,試験片とする。その

とき,1 cm

2

の面積のパンチを用いてもよい。

試験片を清浄で乾いたバイアルビン(5.1)に入れる。


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チオ硫酸イオン抽出用溶液 10.0 ml(4.1)を加えて試験片全体を浸せきし,時々(1∼3 分ごとに)

容器を揺り動かしながら 10 分間抽出を続ける。

抽出液の 5.0 ml をピペットではかりとり,別のバイアルビンに入れる。

備考  乾板の試験片の場合で試験片を壊すことが好ましくない場合には,乾板全体を乾板よりもや

や大きいトレー(各辺が 0.5 cm 大きいもの)に入れて抽出を行う。ただし,この場合にはチ

オ硫酸イオン抽出用溶液(4.1)の使用量も抽出用溶液量対試験片面積の比を一定に維持する

ように増やして行う。

抽出操作の後,抽出液の 5.0 ml をピペットではかりとり,バイアルビン(5.1)に入れて,6.12

の操作に続ける。試験の後,乾板試験片を水洗して付着した抽出液を除去する。

(2)  次の 4 種類の試液をそれぞれ連続分注器の貯槽に入れる。

水素化ほう素カリウム試液(4.2) 0.25

ml

アセトン(4.3) 0.50

ml

塩化鉄(III)試液(4.4) 0.25

ml

NND 試液(4.5) 0.25

ml

分注器の注入量を設定する。

その日の試験を開始する前に各分注器は,少なくとも 10 回吸入と排出とを繰り返す。

次の各試液を 6.11)で抽出液をはかりとって加えたバイアルビン(5.1)に続けて素早く加える。

a) 0.25

ml の水素化ほう素カリウム試液(4.2)を加えてよく混合する。

b) 0.50

ml のアセトン(4.3)を加えてよく混合する。

c) 0.25

ml の塩化鉄(III)溶液(4.4)及び 0.25 ml の NND 試液(4.5)を加える。

直ちにバイアルビンにしっかりと栓をする。

栓をしたまま,1 分間激しく振り混ぜた後,顔を栓から離して注意しながら栓を少し開いて発生

する水素を逃がす。

素早く次の吸光度の測定操作に移る。

(3)  吸光度測定装置(5.3)と 1 cm のセルを用いて試験溶液の 665 nm における空気に対する吸光度(ブラ

ンクの光路上にセルを置かない。

)を測定する。

(4)  6.11)の試験溶液の代わりに 5.0 ml のチオ硫酸イオン抽出用試液(4.1)を用いてブランクを求める。

6.13)で求めた試験溶液の吸光度からブランクを差し引いて試験溶液の真の吸光度を求める。

6.2

結果の表示  6.2.1 及び 6.2.2 によって結果を求めて表示する。

6.2.1

支持体の片面にだけゼラチン層をもつフィルム又は乾板  求めた吸光度に対応する抽出液 5.0 ml

当たりのチオ硫酸塩量(μg)を検量線から読み取る。抽出液の量は,10.0 ml なので,フィルム又は乾板の

面積当たりのチオ硫酸塩量(μg/cm

2

)の値は,抽出液 5.0 ml 当たりのチオ硫酸塩量(μg)を 2 倍して求め

る(

附属書 図 の参考 1.)。

6.2.2

支持体の両面にゼラチン層をもつフィルム又は乾板  附属書 図 の参考 2.に示す方法で結果を求

めて表示する。


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参考 1.  試料の吸光度が 0.400 の場合,この吸光度は,5.0 ml の抽出液についてチオ硫酸塩量が,4.4 μg S

2

O

3

2

である。

したがって,試料は,

(4.4×2)すなわち 8.8 μg/cm

2

(0.088 g/m

2

)の S

2

O

3

2

イオンを含んでいる。

    2.  試料が支持体の両面にゼラチン層をもっている場合,残留チオ硫酸塩(S

2

O

3

2

)は両面に等分量分布している

ものとする(実際には,それぞれの残留チオ硫酸塩量に依存しており,その量はそれぞれのゼラチン塗布量
によって著しく異なる。

したがって,それぞれの面の S

2

O

3

2

イオン量は全量の 1/2 となる。例えば,

参考 1.の試料がゼラチンのバッ

キングを備えている試料であれば,その試料は,それぞれの面に 4.4  μg/cm

2

(0.044 g/m

2

)の S

2

O

3

2

イオンを

含んでいることになる。

附属書 図 1  メチレンブルー法の検量線の典型例 

7.  メチレンブルー法の検量線  検量線は,新しい試薬を用いるごとに新たに作成する。

定期的(例えば,毎週 1 回)に検量線の検定を行う。

備考  附属書 図 に示す検量線は,一例であって,実際の検量線として用いるべきものではなく,

実用の検量線は,この規格に示す方法に従って求める。

参考  検量線は,試薬,機器及び操作の相違による誤差を除去するために,各試験場所ごとに求める

のがよいが,いずれの検量線も,

附属書 図 の検量線に近似している。

7.1

11.2 μg/ml チオ硫酸ナトリウム基準溶液の調製  チオ硫酸ナトリウム基準溶液は,使用当日に調製す

る。

0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム標準液(4.7)25.0 ml を 500 ミリリットル全量フラスコにはかりとり,標

線まで水を加える。フラスコの栓をして逆さにして 8∼10 回振り混ぜる。

得られた溶液 5.0 ml を 250 ミリリットル全量フラスコにはかりとり,標線まで水を加えて,全量 1 L と

し,フラスコの栓をして逆さにして 8∼10 回振り混ぜる。

参考  得られた溶液は,11.2 μg/ml のチオ硫酸ナトリウムイオンを含んでいる。

7.2

検量線の作成方法  チオ硫酸ナトリウム基準溶液(7.1)の適量を対応する容量の全量フラスコには

かりとり(

附属書 表 1),標線まで水を加えて全量 1 L とする。

得られた各検定用の溶液の 5.0 ml を 6.1 によって真の吸光度を求め,求めた真の吸光度と対応するチオ

硫酸塩量とをプロットする。

備考  この検量線は,正確に 0.100 mol/L チオ硫酸ナトリウムを含む標準液によるので,この検量線に


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対して溶液の補正を行って検定値の確度を高める。

参考  このデータの傾きは,附属書 図 に示すものに近いはずである。

附属書 表 1  検量線作成用溶液の調製 

チオ硫酸ナトリウム基準溶液を用いた

全量フラスコの

検定液の濃度

7.1)の採取量  ml

容量  ml

(μg−S

2

O

3

2

/5 ml)

1.00 200 0.28 
2.00 100 1.12 
2.00 50

2.24

4.00 50

4.48

7.00 50

7.84

10.00 50

11.20

15.00 50

16.80