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Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

1

目  次

ページ

序文

  

1

201.1

  適用範囲,目的及び関連規格

  

2

201.2

  引用規格

  

3

201.3

  用語及び定義

  

4

201.4

  一般要求事項

  

10

201.5

ME

機器の試験に対する一般要求事項

  

10

201.6

ME

機器及び

ME

システムの分類

  

10

201.7

ME

機器の標識,表示及び文書

  

10

201.8

ME

機器の電気的ハザードに関する保護

  

23

201.9

ME

機器及び

ME

システムの機械的ハザードに関する保護

  

23

201.10

  不要又は過度の放射のハザードに関する保護

  

24

201.11

  過度の温度及び他のハザードに関する保護

  

24

201.12

  制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護

  

24

201.13

  危険状態及び故障状態

  

42

201.14

  プログラマブル電気医用システム(

PEMS

  

42

201.15

ME

機器の構造

  

42

201.16

ME

システム

  

42

*

201.17

ME

機器及び

ME

システムの電磁両立性

  

43

*

202

  電磁両立性-要求事項及び試験

  

43

202.2

  引用規格

  

43

202.5

ME

機器及び

ME

システムの標識,表示及び文書

  

43

202.7

ME

機器及び

ME

システムの電磁エミッションの要求事項

  

44

202.8

MR

装置の電磁イミュニティの要求事項

  

44

附属書

  

45

附属書

D

(参考)表示における図記号

  

46

附属書

AA

(参考)理論的根拠

  

50

参考文献

  

100

この規格で使用する定義した用語の索引

  

112


Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

2

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14

条によって準用する第

12

条第

1

項の規定に基づき,一般社団法人日本

画像医療システム工業会(

JIRA

)及び一般財団法人日本規格協会(

JSA

)から,工業標準原案を具して日

本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業

大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,

JIS Z 4951

:2012

は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

4951

2017

(IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015

)

医用電気機器-第

2-33

部:磁気共鳴画像診断装置の

基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項

Medical electrical equipment-Part 2-33: Particular requirements for the

basic safety and essential performance of magnetic resonance equipment

for medical diagnosis

序文

この規格は,

2010

年に第

3

版として発行された

IEC 60601-2-33

Amendment 1:2013

及び

Amendment 2:2015

を基に,技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

この規格の本文中の太字は,

JIS T 0601-1

JIS Z 4005

及びこの規格の

201.3

で定義した用語である。太

字で表記していない場合,定義は適用せず,意味は文脈に沿って解釈する。

この規格は,診断用

MR

システム

及び

MR

装置

について,検査を受ける

患者

の安全,操作を行う

MR

作業従事者

の安全,並びに

MR

システム

の開発,製造,据付及びサービスを行う

MR

作業従事者

の安全に

関する技術的な側面について規定する。この規格で述べている

患者

及び

MR

作業従事者

への電磁場(

EMF

による被ばく(曝)の上限値については,特別な設定での作業者への被ばく及び一般大衆への被ばくを想

定するものではない。その上限値は,

患者

及び

MR

作業従事者

への

リスク

患者

への利益とのバランスを

考慮して決定している。

安全についての組織的な取組は,

責任部門

の課題である。この課題は,職員の適切な訓練,

MR

システ

への接近についての施設内規則,安全についての決定を行う職員の資格の限定,医学的責務の定義,及

患者

MR

システム

の中,又は近くにいる場合には,その責務から生じる特定の要求事項を含む。

そのような組織的な取組の例として,次のものがある。

第一次水準管理操作モード

での操作

MR

システム

の中にいる

患者

のそ(蘇)生のための緊急処置

超電導磁石が

クエンチ

した場合の緊急処置

禁忌とされる

患者

の選別又は許容範囲の照射レベルを超える可能性のある状態を選別するプロトコル

の設定及び保守

検査中の

患者

日常のモニタリング

及び

医療管理

に関わる規則

MR

作業従事者

への電磁場による被ばくを最小にし,かつ,上限を設定する規則

この規格の使用者が規格の起草段階に検討のために用いた基本的資料を正しく参照できるように,幾つ

かの定義及び要求事項についての広範囲な理論的根拠を

附属書

AA

に示した。

この規格と,通則

JIS T 0601-1

及び副通則との関連を

201.1.3

及び

201.1.4

に記載する。

この規格で導入した

MR

作業従事者

への電磁場被ばく上限値は,

患者

に対する被ばく上限値を超えるも


2

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

のではない。全ての被ばく上限値は,

患者

及び

MR

作業従事者

を,健康への悪影響及び受容できない

リス

から保護するものと期待している。

静磁場については,短期的に自覚される生理的及び感覚的な影響が考えられる。それらは,

MR

作業従

事者

の状態に僅かに影響するが,それは被ばく中又はその後の短い時間だけである。

傾斜磁場出力

及び

RF

(ラジオ波)送信に関わる

MR

作業従事者

に対する被ばくは,通常では短期的な,

いかなる生理的及び感覚的な影響も及ぼさない。さらに,許容できるレベルの被ばくによる人体への生物

学的集積効果については,いかなる経験的及び理論的根拠も,一般に認められていない。

騒音に対する要求事項は,

患者

MR

作業従事者

とでは異なる。

201.1 

適用範囲,目的及び関連規格

JIS T 0601-1

(以下,通則ともいう。)の箇条

1

を適用する。

なお,平成

32

2

29

日まで

JIS Z 4951

:2012

を適用することができる。

注記

この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60601-2-33

:2010

Medical electrical equipment

Part 2-33: Particular requirements for the basic

safety and essential performance of magnetic resonance equipment for medical diagnosis,

Amendment 1:2013

及び

Amendment 2:2015

IDT

なお,対応の程度を表す記号“

IDT

”は,

ISO/IEC Guide 21-1

に基づき,“一致している”こ

とを示す。

201.1.1 

適用範囲

置換

この規格は,

MR

装置

及び

MR

システム

についての

基礎安全

及び

基本性能

について規定する。以下

ME

機器

ともいう。

この規格は,

意図する使用

から逸脱する

MR

装置

の用途には適用しない。

ある箇条又は細分箇条が

ME

機器

だけか又は

ME

システム

だけに限定して適用することを意図している

場合は,それらの表題及び内容にその旨を記載している。その記載がない場合には,その箇条又は細分箇

条は,

ME

機器

及び

ME

システム

の両方に適用する。

この規格は,

インターベンショナル

MR

検査

に関わる

MR

装置

又は

MR

システム

の特別な要求を含ま

ない。

201.1.2 

目的

置換

この規格の目的は,

患者

及び

MR

作業従事者

を保護するために,

MR

装置

基礎安全

及び

基本性能

を規

定することである。

注記

この規格では,

MR

作業従事者

は医学的に適切に選別され,

MR

作業従事者

の職務において適

切に訓練及び指示を受けているものとしている。

201.1.3 

副通則

追加

この規格は,通則の箇条

2

及びこの規格の

201.2

に記載した関連する副通則を引用している。

IEC 60601-1-2

:2014

は,箇条

202

として引用する。

JIS T 0601-1-3

IEC 60601-1-10

IEC 60601-1-11

IEC 60601-1-12

は,適用しない。

その他の

JIS T 0601-1

規格群の副通則は,制定及び改正時から適用する。


3

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.1.4 

個別規格

置換

IEC 60601

規格群において,個別規格は対象としている個別の

ME

機器

に対して通則及び副通則に含ま

れる要求事項を修正,置換又は削除することがある。さらに,他の

基礎安全

及び

基本性能

の要求を追加す

ることがある。

個別規格の要求事項は,通則の要求事項に優先する。

簡潔にするために,この規格において

JIS T 0601-1

は通則として,副通則はその規格番号で引用する。

この規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則に対応し接頭番号“

201

”とする(例えば,この規格の

201.1

は,通則の箇条

1

を示す。

。副通則を適用する場合は,接頭番号“

20x

”で示し,

x

は副通則の規格番号の

最後の数字(規格の節番号)を表す(例えば,この規格の

202.4

は,副通則

IEC 60601-1-2

の箇条

4

を,こ

の規格の

203.4

は副通則

JIS T 0601-1-3

の箇条

4

を示す。)。

通則の文章を変更した部分は,次の用語で示す。

置換

”とは,通則又は該当する副通則の箇条又は細分箇条の文章が,この規格の文章によって完全に

置換されることを意味する。

追加

”とは,この規格の文章が通則又は該当する副通則の要求事項に追加されることを意味する。

修正

”とは,通則又は該当する副通則の箇条又は細分箇条の文章を,この規格の文章で示すように変

更することを意味する。

細分箇条,図又は表で通則に追加するものは,

201.101

で始まる番号を付ける。しかし,通則の定義の番

号は

3.1

3.147

であるので,この規格に追加する定義の番号は,

201.3.201

から始まる番号を付ける。追加

する

附属書

AA

BB

など,追加する細別は

aa)

bb)

などの文字を付している。

附属書

AA

に対応する

解説又は理論的根拠の記載がある場合,箇条番号及び細別に

*

201.x.x

のように

*

を付ける。

以下,“この規格”とは,この規格とともに通則及び該当する副通則を引用することを意味する。

この規格に対応する箇条又は細分箇条がない場合は,通則又は該当する副通則の箇条又は細分箇条をそ

のまま適用する。通則又は該当する副通則の一部を適用しない場合は,この規格でその旨を明記する。

201.2 

引用規格

次を除き,通則の箇条

2

を適用する。

置換

IEC 60601-1-2

:2014

Medical electrical equipment

Part 1-2: General requirements for basic safety and

essential performance

Collateral standard: Electromagnetic disturbances

Requirements and tests

IEC 60601-1-6

:2010

Medical electrical equipment

Part 1-6: General requirements for basic safety and

essential performance

Collateral standard: Usability

及び

Amendment 1:2013

IEC 60601-1-8

:2006

Medical electrical equipment

Part 1-8: General requirements for basic safety and

essential performance

Collateral standard: General requirements, tests and guidance for alarm systems in

medical electrical equipment and medical electrical systems

及び

Amendment 1:2012

追加

JIS T 0601-1

:2017

  医用電気機器-第

1

部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項

注記

対応国際規格:

IEC 60601-1

:2005

Medical electrical equipment

Part 1: General requirements for

basic safety and essential performance

及び

Amendment 1:2012

MOD

JIS Z 4005

:2012

  医用放射線機器-定義した用語


4

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

注記

対応国際規格:

IEC/TR 60788

:2004

Medical electrical equipment

Glossary of defined terms

MOD

NEMA MS 4

:2010

Acoustic noise measurements procedure for diagnostic magnetic resonance imaging (MRI)

devices

NEMA MS 8

:2008

Characterization of the specific absorption rate (SAR) for magnetic resonance imaging

systems

201.3 

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,通則及び

JIS Z 4005

によるほか,次による。

なお,この規格で使用する記号を

201.101

に示す。

注記

“定義した用語の索引”を巻末に記載した。

追加

*

201.3.201

B

1

RMS

B

1

RMS

B

1

の二乗平均の平方根(

rms

)。

[

]

x

0

2

1

RMS

1

x

)

(

t

dt

t

B

B

t

+

+

=

ここに,

t

: 時間

t

x

: 積分時間  シーケンス全体の継続した任意の

10

秒間

注記

B

1

MR

信号が発生するアキシャル中心スラブによって主に示される調整された容積で平均

化されたフリップ角から導かれる。

201.3.202

適合性容積

COMPLIANCE VOLUME

傾斜磁場出力

の適合性を試験するための,

患者

が接近可能な空間。

円筒形

全身用磁石

を備えた

MR

装置

適合性容積

は,その軸が磁石の軸と一致する半径

0.20 m

で,長さ

が傾斜磁場コイルの長さに等しい円筒である。

垂直磁場磁石

及び

全身用傾斜磁場システム

を備えた

MR

装置

適合性容積

は,

患者

の体軸に沿って,長

さが傾斜磁場コイルの直径に等しく,直径が

0.40 m

か又は磁極間距離のいずれか小さい方の円筒である。

その他の全ての

MR

装置

適合性容積

は,

MR

装置

意図する使用

に従って

患者

の身体の一部分を正し

く配置できる領域の容積になる。

201.3.203

立入制限区域

CONTROLLED ACCESS AREA

磁場による

危害

を防ぐために立入りを制限した

MR

システム

の周辺区域。

注記

立入制限区域

は,

IEC 60601-1-2

:2014

で定義する,特殊環境又は特別な指定区域と同一ではな

い。

201.3.204

体内深部温度

CORE TEMPERATURE

体内深部の平均温度。


5

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

注記

通常は,直腸,舌下又は鼓膜温度に等しい。より正確には,

体内深部温度

は,食道又は動脈血

の温度で表される。頭部温度は,

体内深部温度

である。

201.3.205

実効刺激持続時間

t

s, eff

)(

EFFECTIVE STIMULUS DURATION

傾斜磁場が単調に増加又は減少する期間の長さ。心臓又は末しょう(梢)神経の刺激に対する上限値を

表すのに用いる。ピーク

ツウ

ピーク磁場変動と,その期間における傾斜磁場の時間微分の最大値との比

として定義している(

201.101

参照)

グラフ

a)

G

傾斜磁場

G

max

傾斜磁場の最大値

グラフ

b)

d

B

/d

t

磁場の時間変化率

(d

B

/d

t

)

max

磁場の時間変化率

の最大値

t

s, eff

実効刺激持続時間

グラフ

a)

に,傾斜磁場

G

が単調に変化する三つの期間を示す。グラフ

b)

に,対応する

傾斜磁場出力

d

B

/d

t

及び

実効刺激持続時間

t

s, eff

を示す。

201.101

傾斜磁場波形及び実効刺激持続時間

201.3.206

緊急減磁装置

EMERGENCY FIELD SHUT DOWN UNIT

超電導磁石又は常電導磁石を緊急の場合に消磁する装置。

*

201.3.207

環境温度

ENVIRONMENTAL TEMPERATURE

実際の不均一な環境において放射及び対流によって交換する熱量に等しい黒体の均一(等温)温度(℃)。

注記

環境温度

の測定については,

附属書

AA

参照。

201.3.208

第一次水準管理操作モード

FIRST LEVEL CONTROLLED OPERATING MODE

一つ以上の出力が,

患者

に,

医療管理

を必要とする生理学的ストレスを引き起こす可能性のある値に達

する

MR

装置

の操作モード。

201.3.209

傾斜磁場出力

GRADIENT OUTPUT

指定の条件及び位置において,一つ以上の

傾斜磁場ユニット

によって発生する磁場強度又は電場強度の

変化率など,傾斜磁場の性能特性を記載するパラメータ。

201.3.210

傾斜磁場ユニット

GRADIENT UNIT

t

s, eff


6

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

MR

装置

の座標系の

1

軸に沿って,共に傾斜磁場を生成する全ての傾斜磁場コイル及び増幅器。

201.3.211

頭部用

RF

送信コイル

HEAD RF TRANSMIT COIL

患者

の頭部の

MR

検査

を行うための,

MR

装置

内での使用に適した

ボリューム

RF

送信コイル

201.3.212

頭部

SAR

HEAD SAR

一定時間,頭部の質量にわたって平均化した

SAR

*

201.3.213

インターベンショナル

MR

検査

INTERVENTIONAL MR EXAMINATION

医療処置(例えば,バイオプシ又は病変の治療)のガイド(侵襲を含む。)としての

MR

検査

201.3.214

アイソセンタ

ISOCENTRE

MR

装置

における傾斜磁場が空間的にゼロとなる点。

注記

1

通常は,この点は磁場が最も均一な領域に対応する(

IEC 62464-1

:2007

,定義

3.1.15

)。

注記

2

通常は,システムにおける撮像対象の位置に対応する。

201.3.215

局所

RF

送信コイル

LOCAL RF TRANSMIT COIL

ボリューム

RF

送信コイル

以外の

RF

送信コイル。

201.3.216

局所

SAR

LOCAL SAR

一定時間に任意の身体組織

10 g

にわたって平均化した

SAR

*

201.3.217

磁気共鳴(

MR

MAGNETIC RESONANCE

又は

MR

磁場の中に置かれた原子核の集合体による電磁エネルギーの共鳴吸収。

201.3.218

磁気共鳴画像診断装置(

MR

装置)

MAGNETIC RESONANCE EQUIPMENT

又は

MR EQUIPMENT

患者

MR

検査

in vivo

)を目的とした

医用電気機器

MR

装置

は,

電源

から表示モニタまでの,全て

のハードウェア及びソフトウェアで構成される。

注記

MR

装置

は,プログラム可能な

医用電気機器

PROGRAMMABLE ELECTRICAL MEDICAL

SYSTEM

,略称

PEMS

)である。

201.3.219

MR

検査

MAGNETIC RESONANCE EXAMINATION

又は

MR EXAMINATION

患者

から

磁気共鳴

によってデータを収集するプロセス。

201.3.220

磁気共鳴画像診断システム(

MR

システム)

MAGNETIC RESONANCE SYSTEM

又は

MR SYSTEM

MR

装置

,表示装置,制御装置,エネルギー供給装置を含む

附属品

の全体の総称。

立入制限区域

がある

場合は,これも含む。

*

201.3.221

MR

作業従事者

MAGNETIC RESONANCE WORKER

MR WORKER

)]

その専門的職業のため,

MR

システム

立入制限区域

内又は同等の場所に立ち入る者。


7

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

注記

MR

ボランティア,

患者

介護人などの人々は,この定義に含めない。

操作者

及び職員は,この

定義に含む(

附属書

AA

参照)。

201.3.222

最大傾斜磁場スルーレイト

MAXIMUM GRADIENT SLEW RATE

通常の撮像条件において,可能な限り短い立上がり時間で

傾斜磁場ユニット

をその規定の最大傾斜磁場

強度

G

max

G

max

との間で切り換えることによって得られる傾斜磁場の変化率。

*

201.3.223

医療管理

MEDICAL SUPERVISION

患者

の健康状態,照射レベル(撮像条件)又はその組合せのいずれかによって,

MR

装置

の一部のパラ

メータが

患者

への

リスク

を増加させる可能性のある場合の

患者

への適切な医学的管理。

201.3.224

通常操作モード

NORMAL OPERATING MODE

患者

に生理学的ストレスを引き起こす可能性のある値を一切出力しない

MR

装置

の操作モード。

201.3.225

身体部分

SAR

PARTIAL BODY SAR

一定時間に

ボリューム

RF

送信コイル

にさら(曝)される

患者

の身体部分の質量にわたって平均化した

SAR

201.3.226

PNS

出力

PNS OUTPUT

患者

への末しょう(梢)神経刺激(

PNS

)レベルを推測する値。

201.3.227

PNS

しきい(閾)値レベル

PNS THRESHOLD LEVEL

患者

が末しょう(梢)神経刺激を感じ始める

PNS

出力

値。

201.3.228

クエンチ

QUENCH

電流が流れているコイルの超電導状態から常電導状態への電気伝導度の遷移。液体冷媒の急速な蒸発及

び磁場の減衰を伴う。

201.3.229

日常のモニタリング

ROUTINE MONITORING

MR

装置

操作者

,職員などの責務を負う人が行うもので,

MR

検査

時に

患者

との間で視覚及び/又は

音声を使って適切に連絡をとる日常の

患者

モニタリング。

201.3.230

サーチコイル

SEARCH COIL

傾斜磁場出力

を測定する適合性試験に用いる小口径コイル。

201.3.231

第二次水準管理操作モード

SECOND LEVEL CONTROLLED OPERATING MODE

一つ以上の出力が

患者

に重大な

リスク

を与える可能性のある値に達し,明確な倫理的承認を必要とする

MR

装置

の操作モード。例えば,各国の規制に従って承認されたヒトについての調査研究プロトコルに用

いるモード。


8

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.3.232

特殊目的の傾斜磁場システム

SPECIAL PURPOSE GRADIENT SYSTEM

特殊な目的の

MR

装置

での使用に適した傾斜磁場システム。

注記

特殊目的の傾斜磁場システム

の一例としては,

患者

の頭部の特殊検査を可能にする

MR

装置

組み込み可能な傾斜磁場システムがある。

*

201.3.233

比吸収率,

SAR

SPECIFIC ABSORPTION RATE

SAR

物体に吸収される単位質量当たりの

RF

電力(

W/kg

)。

201.3.234

磁場の時間変化率,

dB/dt

TIME RATE OF CHANGE OF THE MAGNETIC FIELD

d

B

/d

t

磁束密度の単位時間当たりの変化率(

T/s

)。

注記

磁場の時間的変化率

dB/dt

は,スイッチング方式アンプのリップルによる影響を無視するため,

適切な低い周波数範囲(

  <

5 kHz

)で評価されることとする。

201.3.235

垂直磁場磁石

TRANSVERSE FIELD MAGNET

磁場の方向が

患者

の体軸方向と直交する磁石。

201.3.236

ボリューム

RF

送信コイル

VOLUME RF TRANSMIT COIL

コイルが取囲む容積にわたって均一な

RF

電磁場を生成する

MR

装置

内での使用に適した

RF

送信コイ

ル。

注記

ボリューム

RF

送信コイル

には,

全身用

RF

送信コイル

頭部用

RF

送信コイル

又は人体の特定

部分に均一に送信するよう設計された

RF

送信コイルがある。人体又は人体の一部を囲む単一

ループのコイルは,

ボリューム

RF

送信コイル

とみなす(

  単一ループの手首用コイル)。

201.3.237

全身用傾斜磁場システム

WHOLE BODY GRADIENT SYSTEM

全身用

MR

装置

での使用に適した傾斜磁場システム。

201.3.238

全身用磁石

WHOLE BODY MAGNET

全身用

MR

装置

での使用に適した磁石。

201.3.239

全身用

MR

装置

WHOLE BODY MAGNETIC RESONANCE EQUIPMENT

又は

WHOLE BODY MR

EQUIPMENT

成人

患者

の全身

MR

検査

及び身体の一部の

MR

検査

が可能な大きさの

MR

装置

ボリューム

RF

送信コ

イル

局所

RF

送信コイル

及び

特殊目的の傾斜磁場システム

を備えてもよい。

201.3.240

全身用

RF

送信コイル

WHOLE BODY RF TRANSMIT COIL

成人

患者

の全身検査が可能な大きさの

ボリューム

RF

送信コイル

201.3.241

全身

SAR

WHOLE BODY SAR

一定時間に

患者

の身体の全質量にわたって平均化した

SAR


9

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.3.242

固定パラメータオプション,

FPO

FIXED PARAMETER OPTION

FPO

現行モード内(例えば,

通常操作モード

又は

第一水準管理操作モード

)のオプション。

MR

検査

におい

て,

MR

装置

の,許容される

RF

磁場,

傾斜磁場出力

及び指定の

B

0

に対して操作可能な許容される動作上

限値のセットを規定する。

201.3.243

固定パラメータオプション:ベーシック,

FPO:B

FIXED PARAMETER OPTION:BASIC

FPO:B

ベーシックとは,

1.5 T

MR

システム

に限定された,

FPO

の特別な実装であることを意味する。

201.3.244

B

1

核磁化を傾斜させるために有効な,回転系の

RF

磁場の成分。

201.3.245

B

1

peak

B

1

のピーク振幅。

*

201.3.246

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

FPO

のための,

MR

検査

中における磁場強度の最大時間変化率。

FPO

のために定義された位置,すなわち,

患者

接触可能容積表面から

5 cm

離れた表面で評価される。

*

201.3.247

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

FPO

のための,

磁場の時間変化率

の大きさの二乗平均平方根(

rms

)。

( )

x

0

2

x

|

|

)

|

(|

t

d

RMS

dt

dB

t

FPO

dt

FPO

dB

=

τ

ここに,

t

: 時間

t

x

: 積分時間

dB

FPO

/

dt

: 傾斜磁場の切換えに関連した磁場の安全寄りの予測モ

デル

201.3.248

スルーパーセンテージ

SLEW PERCENTAGE

任意の傾斜磁場が任意の率で立ち上がる時間の比率。

201.3.249

円偏波

RF

CIRCULARLY POLARIZED RF

ボリューム

RF

送信コイル

の二つの主要な電磁モードが,等しい振幅,かつ,

90

°の位相差で励振され

RF

励起。

注記

1

この励起操作は,

附属文書

及びユーザインタフェースに“

CP

”として表示される。

注記

2

円偏波

RF

は一般的にクアドラチャ励起とも呼ばれる。

*

201.3.250

空間磁場勾配,

SFG

SPAITIAL FIELD GRADIENT

SFG


10

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

主磁場の空間的な変化率

B

で,(

T/m

)で表される。

注記

磁化可能又は飽和した強磁性の物体に働く磁気引力は

SFG

に比例する。

201.101

記号及び略称の一覧

記号

 SI

単位

定義

B

0

 T

静磁場

B

1

T

高周波磁場

B

1

RMS

T

B

1

の二乗の平方根

d

B

/d

t

 T/s

磁場の時間変化率

d

B

/d

t

V/m

傾斜磁場の切換えによって誘発される電場

T/m

傾斜磁場

L

01 V/m

又は

T/s

通常操作モード

における

傾斜磁場出力

の限界値

L

12 V/m

又は

T/s

第一次水準管理操作モード

における

傾斜磁場出力

の限界値

場合によって異なる

傾斜磁場出力

O

i

場合によって異なる

傾斜磁場ユニット

傾斜磁場出力

rb 

V/m

又は

T/s

基電流

SAR 

W/kg

比吸収率

SAR

t

s, eff

 Ms

実効刺激持続時間

温度

w

i

なし

傾斜磁場ユニット

の限界値までの

傾斜磁場出力

について,

そのユニットの重み因子

201.4 

一般要求事項

次を除き,通則の箇条

4

を適用する。

201.4.3 

基本性能

追加

注記

この規格の適用範囲に合致する

MR

装置

の機能に対して,特定の

基本性能

要求は規定しない。

MR

装置

の他の機能については

基本性能

を構成する場合がある。

MR

装置

基本性能

の分析を

網羅するために,

製造業者

リスクマネジメントファイル

への要求については通則を参照。

201.5 ME

機器の試験に対する一般要求事項

次を除き,通則の箇条

5

を適用する。

201.5.7 

湿度前処理

追加

技術解説書で指定した管理環境でだけ用いる

MR

システム

及び

MR

装置

には,湿度前処理を要求しない。

注記

管理環境は,

立入制限区域

と同様ではない。

201.6 ME

機器及び

ME

システムの分類

通則の箇条

6

を適用する。

201.7 ME

機器の標識,表示及び文書

次を除き,通則の箇条

7

を適用する。

201.7.2 ME

機器又は

ME

機器部品の外側における表示


11

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.7.2.13 

生物学的影響(安全標識及び警告文)

追加

適用できる警告表示

ISO 7010-W005

201.D.101

,安全標識

1

)及び

ISO 7010-W006

201.D.101

安全標識

2

)を,

立入制限区域

の入口に配置しなければならない。安全標識には,磁場が常に発生状態で

あるとするが,

EMF

放射については

MR

装置

が撮像しているという状況だけに制限される旨を文書で説明

してもよい。

立入制限区域

を必要としない

MR

装置

のための安全標識の必要性及び位置については,

製造業者

リス

クマネジメントファイル

に記載しなければならない。

MR

装置

に関連した特定の生理的影響に関する情報は,取扱説明書に記載しなければならない。

201.7.9 

附属文書

201.7.9.1 

一般

追加

附属文書

は,

患者

及び

MR

作業従事者

に対して適切な照射条件を定めている各国の規制及び規則を

責任

部門

が遵守できるように,十分な情報を提供することが望ましい。

201.7.9.2 

取扱説明書

201.7.9.2.10 

メッセージ

置換

取扱説明書には,安全についての全てのシステムメッセージ,エラーメッセージ及び故障メッセージを,

それらが自明のものを除き,一覧表にしなければならない。

201.7.9.2.17 

放射線を発する

ME

機器

追加

注記

201.7.9.2.101

の取扱説明書及び

201.7.9.3.101

の技術解説書の中の適合性を記載する技術仕様書

MR

装置

の電磁場に関する詳細な情報を記載する。

追加

*

201.7.9.2.101 MR

装置の取扱説明書

*

a)

患者

及び

MR

作業従事者

への事前チェック

取扱説明書には,

責任部門

患者

及び

MR

作業従事者

の事前チェック項目について明確に記載しな

ければならない。これは,特に職業上の活動,既往歴,現在の病気の状態及び/又は

MR

装置

の物理

的環境に起因して

リスク

が増加する可能性のある

患者

及び

MR

作業従事者

に対して適用する。これら

の説明書には,このような危険性がある

患者

及び

MR

作業従事者

を確認するための事前チェック・プ

ログラムの必要性を示し,

患者

及び

MR

作業従事者

を傷害から適切に保護するための注意事項を記載

しなければならない。

MR

作業従事者

及び

患者

に対しては,特に過去の職業的活動によって,磁性体

が体内に偶発的に植込まれていることに起因する

リスク

について考慮しなければならない。

次に分類できる

患者

について記載しなければならない。

MR

検査

が禁忌とみなされる

患者

MR

装置

の性能に関係なく,緊急医療処置の必要性が通常よりも高い

患者

MR

装置

が,

201.12.4.101

に規定した

第一次水準管理操作モード

の範囲内で操作可能な場合に,印加

する電磁場(静磁場,傾斜磁場,

RF

)の値が高くなることが原因で,緊急医療処置の必要性が通常

よりも高い

患者

*

b) 

患者

医療管理


12

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

取扱説明書には,

201.7.9.2.101 a) 

で規定した

患者

の分類並びに

201.3.208

201.3.231

及び

201.3.224

で定義した

MR

装置

の操作モードに対して,

責任部門

が適切な管理プログラムを作成するように明確

に記載しなければならない。

取扱説明書は,次による。

全ての

患者

に対して,少なくとも

日常のモニタリング

を行うことを記載する。

MR

装置

第一次水準管理操作モード

で動作可能な場合,

第一次水準管理操作モード

に入ったとき

に,確実に

医療管理

が行えるための手順を作成しておくことを記載する。

MR

装置

第二次水準管理操作モード

を備えている場合,

第二次水準管理操作モード

における操作

には,国又は地域の規制(例えば,倫理委員会,治験審査委員会など)に従って,人体についての

調査研究のプロトコルの承認が必要であるという注意を含める。さらに,その規制には,

傾斜磁場

出力

SAR

及び静磁場強度について上限値を記載する。

注記

0A

我が国の人体についての調査研究に関する規制としては,“人を対象とする医学系研究

に関する倫理指針(平成

26

年文部科学省・厚生労働省告示第

3

号)”がある。

*

c) 

緊急医療処置

取扱説明書には,

責任部門

に対して次のことを明確に記載しなければならない,すなわち,

責任部

は,

MR

検査

中に

患者

が外部要因によって気分が悪くなった,又は傷害を受けた場合に,できる限

り迅速な医療処置がとれるように,磁場の存在を考慮して

患者

に適用する特定の緊急医療処置の手順

を定め,かつ,実行できるようにしておかなければならない。

これらの説明書には,磁場の影響から速やかに

患者

を解放する手順(必要な場合には,

緊急減磁装

を使用する手順)を確立しておくことを記載事項に含めなければならない。

*

d) 

患者

及び

MR

作業従事者

への過度の騒音

取扱説明書は,次による。

麻酔下の

患者

は,高い音圧に対する許容度が通常よりも低い可能性があり,そのために,このよう

患者

の耳の保護は中等度の音圧レベルであっても省略しない方がよいことに注意を喚起しなけれ

ばならない。

人が被る騒音についての法律が一部の国にあるということに注意を喚起しなければならない。

注記

0B

我が国では,

JIS T 0601-1

9.6.2

を参照。

撮像中の

立入制限区域

での作業においては,

MR

作業従事者

は騒音に関する保護規則に適合する聴

力保護具を身につけなければならないことを記載しなければならない。

適切な防音手段が講じられていないと,一過性又は持続的な聴覚障害の

リスク

があることについて

注意を喚起しなければならない。

MR

装置

の等価騒音レベル(

L

Aeq

1h

)が

99 dB

A

)を超える可能性がある場合は,取扱説明書は,

次による。

等価騒音レベルは,(

NEMA MS 4

:2010

)に従った測定条件で測定したことを記載しなければならな

い。

患者

の安全性を考慮して聴力保護が必要であり,この聴力保護手段は,等価騒音レベルを

99 dB

A

未満に下げるのに十分でなければならないことを記載しなければならない。

特に標準の耳あてを使うことができない場合,又は新生児若しくは未熟児のようにいかなる聴力保

護手段も使用することができない場合には,聴力保護のための適切な処置を行うための特別な注意

及び訓練が,

操作者

に必要であることを記載しなければならない。


13

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

妊婦・胎児,新生児,乳児,幼児及び高齢者の場合は,不安の増加によって,許容される音圧レベ

ルでも問題になる可能性があることについて注意を喚起しなければならない。

注記

1

適切な安全標識については,

ISO 7010-M003

:2011

に規定している。

201.D.101

,安全標

6

参照)

*

e) 

立入制限区域

MR

装置

立入制限区域

を設ける必要がある場合[

201.7.9.3.101 a) 

及び

202

参照],取扱説明書は,

次による。

責任部門

は,

立入制限区域

への立入りについての国又は地域の法令による要求事項に従う義務のあ

ることを示さなければならない。

注記

1A

我が国では,

MR

装置

立入制限区域

についての法令は存在しない。

立入制限区域

の範囲及び形状について,その仕様を提供しなければならない。この場合,図を付け

るのが望ましい。

患者

及び

MR

作業従事者

立入制限区域

内に入って,鉄及び他の磁性体を含む物体が引きつけられ

リスク

,これらの金属体に回転力が及ぶ

リスク

,及び

立入制限区域

内に偶然入った人がペースメ

ーカのような医療用の体内植込物の機能異常によって影響を受ける

リスク

について,

立入制限区域

への立入りを制限する適切な管理規則を

責任部門

が定める必要性があることを示さなければならな

い。

注記

2

静磁場強度が

0.5 mT

未満の場合は,管理規制は不要である。

製造業者

は,

立入制限区域

内での使用を指定又は推奨する

機器

及び

工具

の一覧を示さなければなら

ない。一覧に示した全ての

機器

附属品

又は

工具

について,その取付けに当たって必要な特別な手

段,又はその使用に当たって必要な注意事項がある場合は,それらを記載することが望ましい。

立入制限区域

内での使用が指定又は推奨されていない

患者

モニタリング装置,生命維持装置及び緊

急治療装置などの周辺装置は,

MR

装置

RF

磁場,傾斜磁場又は漏えい(洩)磁場によってその

作動が阻害される可能性があること,及びこの周辺装置が

MR

装置

の正常な作動を妨害する可能性

があることを記載しなければならない。

MR

適合,

MR

条件付適合及び

MR

非適合という機器の表示の意味を記載しなければならない。

*

f)

冷媒(液体又は気体)

超電導磁石を備えた

MR

装置

では,事故及び

クエンチ

を防ぐために,取扱説明書には次の事項を含

めなければならない。

液体冷媒の供給についての適切な要求事項

冷媒の充塡は,訓練を受け経験を積んだ人だけが実施することが望ましい旨の記載

液体冷媒の量を含む,磁石の保守及び点検についての情報

正常な作動に必要な冷媒の最低量についての情報

冷媒量を

責任部門

が確認する頻度についての要求事項

液体冷媒の正しい取扱いに加えて,液体冷媒の使用による

ハザード

に関する明確な情報。これには,

次の情報が含まれていなければならない。

凍傷を防ぐための防護服の着用

注記

2A

適応する安全標識

ISO 7010-M004

201.D.101

安全標識

7

を参照)及び

ISO 7010-M009

201.D.101

安全標識

8

を参照)は,冷媒を充塡する場所の近くに配置することが適

当である。


14

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

ガス放出後に実施する手順

酸素欠乏に対する予防措置

冷媒を供給するための非磁性容器の使用

冷媒容器の近くに可燃性物質がある場合に,遵守しなければならない手順

注記

3

冷媒の周囲では,液体酸素がた(溜)まること又は酸素ガス濃度が上昇することがある。

*

g)

操作モード

取扱説明書には,

201.12.4.101

によって,

通常操作モード

第一次水準管理操作モード

及び

第二次水

準管理操作モード

の各操作モードの意味及び背景についての情報を提供しなければならない。さらに,

取扱説明書には,“

患者

に対する静磁場,

傾斜磁場出力

及び

SAR

レベルは,安全についての現在の学

術文献に基づいていること”,“照射レベル(撮像条件),

通常操作モード

を超えることの決定,及び

の生理学的モニタリングが必要になる可能性は,

患者

に対する潜在的な

リスク

と効用との関係から

医学的に判断しなければならないこと”の二つについても説明しなければならない。

取扱説明書では,次の各操作モードの要求事項を説明しなければならない。

通常操作モード

の範囲内で作動する

MR

装置

については,指示又は方法を表記する必要はない。

第一次水準管理操作モード

で作動可能な

MR

装置

については,

201.12.4.101.4

で規定したように,こ

のモードに入る前に表示する事項及びこのモードに入ろうとするときの慎重な操作方法について

MR

装置

の特性を説明しなければならない。さらに,

201.7.9.2.101 b) 

で規定したように,

患者

療管理

についての勧告を示さなければならない。

第二次水準管理操作モード

で作動可能な

MR

装置

については,

201.12.4.101.5

で規定したように,特

定の安全手段によって

第二次水準管理操作モード

での認められていない操作を防止しなければなら

ない。

第二次水準管理操作モード

での操作は,

201.7.9.2.101 b) 

で規定したように,国又は地域の規

制に従って承認された人体についての調査研究プロトコルの下でしか許されない。

取扱説明書では,

第一次水準管理操作モード

に入るために必要な慎重な操作及び

医療管理

について,

並びに

第二次水準管理操作モード

に入るために必要な国又は地域の規制に従った安全手段及び人体に

ついての調査研究プロトコルの承認に対して,

患者

の安全に注意を払うことを勧告しなければならな

い。

注記

3A

我が国の人体についての規制としては,“人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

(平成

26

年文部科学省・厚生労働省告示第

3

号)”がある。

*

h)

患者

及び

MR

作業従事者

への静磁場による被ばく

静磁場に対して,

第一次水準管理操作モード

又は

第二次水準管理操作モード

で作動可能な

MR

装置

については,取扱説明書は次による。

主静磁場が

通常操作モード

のレベルを超える場合に,

患者

及び

MR

作業従事者

に与える可能性のあ

る影響を説明する。めまい,ふらつき,口内の金属味など,

MR

装置

内又はその近くで

患者

又は

MR

作業従事者

が頭部を急速に動かしたときに経験する可能性のある影響に対して特に留意する。

患者

が高い静磁場領域内にいる間は静止しているよう勧告しなければならない。

MR

装置

で使用可能な

B

0

値(静磁場強度)についての情報を示さなければならない。

静磁場強度が

3 T

を超え

8 T

以下の場合は,

MR

システム

は,常に

第一次水準管理操作モード

で運

転するために,

医療管理

を全ての

患者

に対して行うことを説明する。

高い静磁場によって生じる人体に不利な影響を最小にするための適切な訓練を

MR

作業従事者

に行

われなければならないことを説明する。


15

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

静磁場が高くなることについての人体への影響を説明する。

MR

作業従事者

が使用している

工具

及び附属品の

MR

適合性が,静磁場強度によって変わる可能性

について説明する。

静磁場強度が

8 T

を超える場合,

MR

システム

は,常に

第二次水準管理操作モード

で運転するため,

全ての

患者

に対して

医療管理

を行うことを説明する。この状況では

MR

作業従事者

は,特別の許可

なしに

MR

装置

には近づくことが許されていないことを説明する。

i)

時間的に変動する磁場による

患者

への被ばく

傾斜磁場出力

のレベルが

通常操作モード

を超えて動作可能な

MR

装置

においては,取扱説明書は,

次による。

MR

装置

が備える各操作モードにおける

傾斜磁場出力

のレベルが

患者

に与え得る影響を説明しなけ

ればならない。末しょう(梢)神経系及び心臓に与える可能性のある影響に対して特に留意する。

各操作モードにおいて

MR

装置

で使用可能な

傾斜磁場出力

についての情報を記載する。

傾斜磁場出力

通常操作モード

の上限値を超えたときに,

MR

装置

が適切な操作モードを表示する

ことを説明する。

傾斜磁場システムが

全身用傾斜磁場システム

又は

特殊目的の傾斜磁場システム

のいずれかを示し,

傾斜磁場出力

が適合する容積を記載する。

j)

患者

に対する

RF

磁場による被ばく

取扱説明書には,

患者

への過度な局所

RF

加熱の可能性を高める因子に対して注意を喚起し,これ

らの因子を軽減する手段を

操作者

に示さなければならない。このような因子としては,次を含む。

 RF

送信コイルの送信領域内に導電性の物質(金属など)又は体内植込物が存在する場合。全ての導

電性の物質,例えば,金属糸又は金属部品の付いた全ての衣服,時計及び硬貨は,

患者

から取り外

さなければならない。

経皮的パッチを使用しており,パッチ下の皮膚にやけどを引き起こす可能性がある場合。

左右の大たい(腿)の内側,左右のふくらはぎ,両手,手及び体幹部,左右の足首など,皮膚どう

しの接触が人体の一部に導電性ループを形成する可能性のある場合。

湿った衣服の場合。

人体又は四肢を

RF

送信コイル表面に接触させて配置する場合。

患者

RF

受信コイルケーブルとを接触させること及び

RF

コイルケーブルを

RF

送信コイルの近く

に通す場合。

 RF

受信コイル及び心電計(

ECG

)導線がループを形成する場合。

MR

条件付適合の

ECG

電極及び導線を使用する場合。

操作者

に取扱説明書を読み,注意深くそれに

従うことを通知する。さらに,

操作者

には,常に使用期限を過ぎていない電極を使用するように通

知する。

鎮静剤を服用している

患者

,意識のない

患者

,又は両腕若しくは両脚の麻ひ(痺)など身体の一部

の感覚がない

患者

,すなわち,過度の加熱及びそれに伴う組織損傷について

操作者

に注意を喚起す

ることができない

患者

の撮像をする場合。

検査中の

RF

送信コイル内に,接続されていない受信コイル又は電気ケーブルが残っている場合。

通常操作モード

を超える

SAR

レベルで作動可能な

MR

装置

については,取扱説明書に次の事項を

記載しなければならない。

201.12.4.103

で規定する

MR

装置

の各種類の

SAR

の値が増加することによって生じる可能性のある


16

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

影響についての説明。

MR

装置

が備える各操作モードにおける

SAR

患者

に与え得る影響を説明する。体温調節機能が低

下して体温上昇に対して敏感な

患者

(例えば,熱病及び心不全の

患者

,発汗能力が低下している

,妊婦など)の安全に対して特に留意すること並びに

患者

のために推奨する環境条件に沿って,

患者

体内深部温度

上昇に対する環境管理の重要性及び

環境温度

の影響を記載した情報の提供。

MR

装置

で使用可能な

SAR

の各種類の値についての情報の提供。

201.12.4.103

に規定する

全身

SAR

に対する各操作モードの上限値は,

環境温度

25

℃以下である

ことを前提として定義していることの説明。さらに,取扱説明書には,これらの環境仕様の範囲外

における

SAR

の管理方法について説明する。この説明は,次のいずれかの内容でなければならない。

環境温度

25

℃を超えるときは,

MR

装置

を使用してはならないと記載する。

SAR

についての

第一次水準管理操作モード

の上限値は,

201.12.4.103.2

の規定に従って低下させな

ければならないと記載する(

環境温度

を測定可能な

MR

装置

の場合だけ)。

患者

の体温を下げるために休憩が必要であること,

患者

の衣服は薄着にすること,及び

患者

空間の

換気を十分に行うことなど,

SAR

の高い撮像による

リスク

を軽減する手段に注意を喚起する。

各シーケンスごとに

制御盤

に表示される

B

1

RMS

は,

RF

強度を表示していることの説明。この値

は,能動的体内植込物又は受動的体内植込物(総称して体内植込物という。)を装着している

患者

撮像が可能かどうかを決めるために使用できる。

*

k)

職業的にさらされる電磁場被ばく

取扱説明書には,

MR

作業従事者

が,

MR

装置

から放射される電磁場(

EMF

)にさらされるという

事実に注意を喚起しなければならない。

MR

作業従事者

が,安全に作業を行うために,それらの被ば

くの

リスク

に関連した十分な情報を提供しなければならない。

患者

についての

201.7.9.2.101 i) 

及び

j)

は,

MR

作業従事者

にも適用しなければならない。その情報には,次の事項を含まなければならない。

該当する場合,

MR

作業従事者

が,近づくことを禁止する領域の仕様

MR

装置

によって発生する静磁場[

201.7.9.2.101 h) 

及び

201.12.4.104

参照],

傾斜磁場出力

201.7.9.2.101 i) 

及び

201.12.4.102

参照]及び

RF

送信磁場[

201.7.9.2.101 j) 

及び

201.12.4.103

参照]

について,

MR

作業従事者者

が,接近可能な領域において適切な単位で表された最大レベルの情報

MR

作業従事者

が,

MR

装置

から放射される電磁場(

EMF

)からの被ばくを最小にして

MR

作業従

事者

の全ての業務が安全に遂行できるように十分に伝達,及び訓練するための指示

第一次水準管理操作モード

の傾斜磁場にさらされる

患者

及び

MR

作業従事者

に軽い末しょう(梢)

神経刺激(

PNS

)が起きる可能性が存在することについての記載

MR

作業従事者

への予期できる被ばくレベルについて説明しなければならない。

MR

作業従事者

それらの被ばくレベルを緩和するための方法について記載をしなければならない。

注意を喚起する既知の因子は次による。

 RF

の被ばくによって起こり得る生理学的影響は体温上昇である。

RF

放射からの被ばくは,撮像中

に送信用

RF

コイルから十分な距離を保つこと又は撮像中の被ばく時間を減らすことによって最小

にできる。

傾斜磁場出力

からの被ばくによって起こり得る生理学的影響は,被ばくを受ける者の末しょう神経

刺激である。特に

インターベンショナル

MR

検査

を行っている

MR

作業従事者

には,たとえ末しょ

う神経刺激が予想できない場合でも,インターベンション検査中の末しょう神経刺激による

患者

安全については妥協してはならないことを伝え,かつ,教育しなければならない。

傾斜磁場出力


17

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

らの被ばくは,撮像中に傾斜磁場コイルから十分な距離を保つことによって最小にできる。

静磁場からの被ばくによって起こり得る生理学的影響は,被ばくを受ける者のふらつき,めまい及

び口中の金属味である。静磁場からの被ばくは,磁石から離れる(撮像中だけでなくいつでも)及

び静磁場中で頭を急に動かすことを避けることによって最小にできる。

取扱説明書には,

MR

装置

から放射される電磁場(

EMF

)による蓄積及び/又は長期にわたる影響

を示す公表された証拠はないということが,一般に認められていることを記載してもよい。

取扱説明書には,現在のところ健康に悪影響を与えるという疫学的な証拠はないが,妊娠している

MR

作業従事者

への特別な警告は適切であることを記載しなければならない。

注記

4

国又は地域の規制を適用する。ただし,我が国では職業的にさらされる電磁場被ばくにつ

いての国の規制はない。

取扱説明書には,

MR

作業従事者

が妊娠している場合には,

MR

作業従事者

への上限値は適切では

ない可能性があると記載しなければならない。一部の国では,公衆への上限値を胎児にも適用すると

要求される場合がある。それは妊娠した

MR

作業従事者

は,撮像中に検査室へ立ち入ることが許可さ

れないということを意味する。

取扱説明書には,この規格の

MR

作業従事者

への電磁場(

EMF

)上限値よりも低い職業的上限値に

ついての法律が,一部の国に存在することを記載しければならない。

注記

4A

我が国では職業的にさらされる電磁場被ばくについての国の規制はない。

*

l)

補助装置

責任部門

は,

患者

への生理学的監視装置及び検知装置の適用を

責任部門

の責任の下で指示し,実施

することを認識しなければならない。

取扱説明書には,

MR

装置

の環境における使用について特定の試験を受けておらず,承認を受けて

いない補助装置(生理学的監視装置,ゲーティング装置,

RF

送信コイルなど)を使用すると,

患者

やけどその他の傷害を引き起こす可能性がある

責任部門

及び

操作者

に警告しなければならない。さら

に,取扱説明書には,

MR

装置

又は

MR

システム

とともに使用できることが表示された補助装置(

MR

適合又は

MR

条件付適合)であっても,特に導電性の導線の引回しなど,

製造業者

の指示に従わなか

った場合は,傷害を引き起こす可能性があることを

責任部門

及び

操作者

に警告しなければならない。

m)

緊急減磁装置

取扱説明書には,緊急時に,いつ,及びどのように

緊急減磁装置

を操作するのかについての説明を

示さなければならない。また,緊急に減磁を必要とする状況の例を挙げなければならない。

注記

5

永久磁石は,緊急時であっても減磁することはできない。

n)

防火対策

取扱説明書には,次の三点を

責任部門

に勧告しなければならない。

地元の消防署及び防火対策について検討を行う。

緊急時の対応方法を確立する。

率先して必要な行動をとることは,

責任部門

の責務である。

o)

アーチファクト

取扱説明書には,技術的要因及び生理学的要因(例えば,磁場の均一性,傾斜磁場の直線性,デー

タの打切り,折返し,動き,流れ,化学シフト,磁化率の変化など)によって,画像アーチファクト

を生じる可能性があることを

操作者

に警告しなければならない。さらに,これらの要因の画像に対す

る影響(例えば,画像の不均一,幾何学的ひずみ,ゴースト,折返しなど)について記載しなければ


18

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

ならない。これらの影響の補正又は軽減の方法(例えば,帯域幅の変更,傾斜磁場による補償,プリ

サチュレーション。)について説明しなければならない。

p)

訓練についての勧告

取扱説明書には,

MR

装置

を安全,かつ,効果的に操作するには,操作を行う

MR

作業従事者

への

訓練が必要であることを勧告しなければならない。この訓練は,次の項目に対する緊急手順を含まな

ければならない。

緊急医療処置[

201.7.9.2.101 c)

立入制限区域

201.7.9.2.101 e)

緊急減磁装置

201.7.9.2.101 m)

防火対策[

201.7.9.2.101 n)

クエンチ

が発生した場合の緊急対策[

201.7.9.2.101 s)

q)

品質保証

取扱説明書には,使用する全てのファントムについての説明を含め,かつ,

責任部門

に推奨する品

質保証手順についての説明を示さなければならない。

r)

保守

取扱説明書には,

MR

装置

に推奨する保守計画を含めなければならない。また,技術者が実施しな

ければならない項目を特定しなければならない。

*

s)

クエンチ

が発生した場合の緊急対策

取扱説明書には,

クエンチ

を識別する方法及び

クエンチ

が発生した場合,特に超電導磁石システム

の排気システムが故障した場合に,どのように行動するかの指示を含めなければならない。

*

t)

能動又は受動体内植込物を体内にもつ

患者

の撮像

取扱説明書にて,体内植込物をもつ

患者

MR

撮像は禁忌であることを宣言しなければならない。

ただし,体内植込物のラベリングに定められた条件によって撮像される既知の

MR

適合又は

MR

条件

付適合体内植込物をもつ

患者

は例外である。

取扱説明書は,金属若しくは他の磁性及び/又は電気導電性材料を含む能動若しくは受動体内植込

物をもつ

患者

の,撮像に関連した重大な

リスク

を記載しなければならない。

電磁場はそのような体内植込物に強い力を与える場合がある。

電磁場は能動デバイスの動作を阻害する場合がある。

体内植込物は

MR

画像に重大なアーチファクトを引き起こす場合がある。

体内植込物が存在するときに

MR

撮像を行うことは,組織損傷,生理的機能の損失,及び重篤な損

傷を引き起こす体内発熱のような

危害

を与える原因になる場合がある。

取扱説明書は

MR

条件付適合体内植込物をもつ

患者

の撮像に関して次の事項にも同様に対処しなけ

ればならない。

MR

撮像は

リスク

と効用との評価の結果に基づいてだけ,

責任部門

によって実施しなければならな

い。

MR

操作者

は体内植込物製造業者の

附属文書

に記載されているような

MR

条件付適合体内植込物の

ラベリングで明示された使用条件を厳守しなければならない。

取扱説明書には,

MR

条件付適合体内植込物をもつ

患者

の撮像において,

製造業者

,体内植込物

造業者

及び

MR

操作者

の役割並びに責任を説明する文言を含めなければならない。

注記

5A

例文を

附属書

AA

に記載する。


19

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

*

u)

妊娠している

患者

の撮像

全身用

RF

送信コイル

による妊娠している

患者

の撮像は,

SAR

レベルの点から

通常操作モード

でだ

け許されることを取扱説明書に記載しなければならない。

胎児が一般の人の一部として考慮されるということ,かつ,それが特に妊娠第一三半期の間では特

に潜在的に熱に影響されやすいという事実に注意を払わなければならない。

責任部門

は,妊娠第一三

半期又は未知の妊娠の状態で

患者

を検査することを回避するように助言するのが望ましい。

注記

5B

妊娠の状態は,

RIS

情報の一部である。妊娠の状態を確認するために検査準備の間に,ユ

ーザインタフェースによるフィードバックが

操作者

に提供されることが推奨される。妊

娠の状態が皆無でない限り,

MR

装置

通常操作モード

で撮像を実施すべきである。

v) 

体内深部温度

が上昇している

患者

の撮像

取扱説明書には,

MR

装置

において,

患者

に対して過度の熱ストレスを避けるため及び局所的な組

織の損傷を避けるために,

操作者

患者

体内深部温度

上昇を制限することを可能にするための操作

モードが提供されることを記載しなければならない。適用できる制限値として,

201.104

を参照可

能。

w)

概略表示機能

取扱説明書には,装置の概略表示機能を操作画面上のどこで見ることができるかを記載しなければ

ならない。概略表示機能は,システムのハードウェア及びソフトウェア仕様を特定しなければならな

い。その表示内容に

附属文書

のデータを組み合わせることで,静磁場,傾斜磁場及び

RF

磁場の仕様

を求めるために使用することができる。より具体的には,次の情報を示さなければならない。

公称

B

0

固定された磁石カバーの外側における静磁場の最大

空間磁場勾配

T/m

注記

5C

MR

条件付適合装置の従来の標識法では,

G/cm

を使用する。

1 T/m

100 G/cm

に等しく

なる。両方の単位についての変換係数及び/又は量を提供してもよい。

各軸で指定される最大空間エンコーディング傾斜磁場振幅(

mT/m

)及び最大スルーレイト(

T/m/s

核種ごとの

公称

周波数範囲

直径

0.2 m

0.4 m

及びボア径から

0.1 m

を引いた値の円筒上での最大合成

傾斜磁場出力

T/s

注記

6

縦形磁石においては,円筒方向(すなわち,

患者

体軸方向)は磁石の軸方向に直角である。

患者

ボアという用語は,磁極間の磁石開口高さに置き換える。磁石長という用語は,磁極

の直径に置き換える。

x)

FPO

(固定パラメータオプション)

FPO

が使用可能であるシステムでは,次の情報を提供しなければならない。

FPO

dB/dt

及び

B

1

に関して傾斜磁場及び

RF

出力を制限する旨の提示。

FPO

はオペレータの起動を必要とする旨の提示。

FPO

の起動方法についての説明。

FPO

の上限は

MR

条件付適合医療機器ラベリングの一部であるかもしれず,また,体内植込デバイ

スの

MR

条件付適合ラベリングに完全に適合するためには,

FPO

に加えて他の撮像制限又は

患者

の準

備が必要となる場合があるという提示。

FPO

は以前設定された操作モードを変更しない。例えば,

FPO

は通常及び

第一次水準管理操作モー

で動作することができる旨の提示。

FPO

を指定する

MR

条件付適合ラベリングをもつ医療機器に

FPO

を使用する旨の提示及び

FPO


20

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

ベリングのない医療機器を身につけている

患者

を撮像する時に

FPO

を使用する場合には,潜在的な危

険性及び重篤な怪我や死亡事故が起こる可能性がある旨の提示。

201.7.9.3 

技術解説

201.7.9.3.1 

一般

最初の段落の

9

番目のダッシュ及び

注記

2

を次の文章と置き換える。

必要となる全ての定期的

基礎安全

試験において,それぞれ意味,方法及び推奨頻度の詳細を含む情報

追加

201.7.9.3.101 MR

装置の技術解説書

a) 

立入制限区域

及び特殊環境

固定された磁石カバーの外側に

0.5 mT

を超える漏えい磁場を生成する

MR

装置

については,技術

解説書に次の内容を記載しなければならない。

MR

装置

の周囲に

立入制限区域

を定め,これを恒常的に設けることの必要性。この区域の外側にお

いて,漏えい静磁場磁場強度は

0.5 mT

を超えてはならない。

この

立入制限区域

への許可されていない人の立入りを,

責任部門

が適切に管理できるように,例え

ば,床への標示,柵及び/又はその他の方法による表示を明確に勧告しなければならない。

立入制限区域

の全ての入口に,静磁場があること及び強磁性体への吸引力又は回転力が発生するこ

との表示を含む,適切な警告標識を設けなければならない(警告記号及び禁止記号の例については,

附属書

D

を参照)。

特殊環境で据付けを必要とする

MR

装置

のそれぞれの部品に対して,

IEC 60601-1-2

:2014

の適合性

を確実にするために,技術解説書に,不適切な電磁妨害を防止する

RF

ドアスイッチやインターロッ

ク機構を含む十分な

RF

遮蔽の必要性を示さなければならない。

注記

202.5.2.2.2

参照。

MR

装置

が,聴覚及び視覚による

患者

との連絡に制限がある室内に設置する設計とする場合は,室

内設計及び

MR

装置

の設備によって,

MR

検査

中に聴覚及び視覚で

患者

と連絡ができることを,技術

解説書に記載しなければならない。聴覚及び視覚による

患者

との連絡方法は,

患者

日常のモニタリ

ング

及び

医療管理

を行うのに十分なものでなければならない。

*

b)

適合性を記載する技術仕様書

MR

装置

の取扱説明書に加えて,適合性を記載する技術仕様書に

責任部門

が周辺装置の正しい作動

を試験するのに十分な情報を記載しなければならない。適合性を記載する技術仕様書(製品データシ

ート)には,

MR

装置

の特性を表す多数のパラメータを記載しなければならない。パラメータの一覧

表には,次の内容を含める。

磁石:種類,磁場強度,開口寸法,冷媒の種類及び蒸発率,並びに

MR

装置

の代表的な設置に関わ

る周囲磁場の空間分布のプロット図

プロット図には,等磁場線の最大の空間的ひろ(拡)がりを記載する,磁場中心を通る適切な直

3

面図がなければならない。

各プロット図には,距離目盛及び磁石の輪郭の表示に加えて,少なくとも

0.5 mT

1 mT

3 mT

5 mT

10 mT

20 mT

40 mT

及び

200 mT

の等磁場線を表示しなければならない。

空間磁場勾配

SFG

)が最大になる固定された磁石カバーの外側の位置及び,その位置における

B

0

の値及び

SFG

の値を記載する。この位置において,主磁場の空間勾配に起因する飽和強磁性

体に対する力が最大になる。


21

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

磁場強度

B

0

空間磁場勾配

SFG

)との積が最大になる固定された磁石カバーの外側の位置,そ

の位置における

B

0

の値及び

B

0

空間磁場勾配

SFG

)の値を記載する。この位置において,反

磁性体,常磁性体又は磁気飽和していない強磁性体に対する力が最大になる。

MR

作業従事者

が接近可能及び関連する位置について,

0.5 T

1 T

1.5 T

2 T

3 T

及び

4 T

の磁

場強度の等高線プロットを記載する。磁石が生成することができる等高線だけを必要とする。

傾斜磁場システム:種類,最大振幅,最も早い立上がり時間,最大スルーレイト及び三つの

傾斜磁

場ユニット

の生成する磁場成分のベクトル和の最大振幅値の空間分布

201.12.4.105.2.3

に規定しているように,撮像中に

MR

作業従事者

が接近可能な位置についての,

三つの

傾斜磁場ユニット

が同時に生成する磁場成分のベクトル和の最大振幅値の空間分布。

患者

が接近可能な最小のボア径以下で,直径が

0.1 m

0.2 m

及び

0.4 m

患者

体軸方向の仮想円

筒での位置について,三つの

傾斜磁場ユニット

の同時ベクトル和の最大振幅値の空間分布。仮想

的円筒は,傾斜磁場コイルと同じ長さとする。円筒軸方向にとる点は,

0.05 m

以下の間隔としな

ければならない。詳細の計算は,

201.12.4.105.2.3

で規定した方法と同等でなければならない。

注記

1

この要求事項は,

患者

の安全のためのものであり,

201.12.4.105.2.3

に規定する

MR

業従事者

に対する要求事項とは異なる。

 RF

システム:

RF

送信コイルの種類,増幅器のピーク出力,最大送信

RF

の帯域幅及び各々のボリ

ューム送信コイルについての最大

B

1

RMS

及び次の事項

201.12.4.105.3.3

に規定する,撮像中に

MR

作業従事者

が接近可能な位置での無負荷コイルについ

ての最大

RF

送信場の空間分布。

無負荷のコイルを

アイソセンタ

に設置するときに,システムの

アイソセンタ

での最大

RF

送信場

及びコイル軸上(通常は

z

軸方向)で,

アイソセンタ

での最大値が

3 dB

及び

10 dB

減衰する位置

アイソセンタ

からの距離。

注記

2

この要求事項は

患者

の安全のためのものであり,

201.12.4.105.3.3

に規定する

MR

作業

従事者

に対する要求事項とは異なる。

適合性を試験するためのプロトコル

MR

装置

製造業者

は,

MR

装置

に対して日常的に実施でき,周辺装置の

製造業者

が,

MR

装置

が発生する電磁場中において,その装置の機能を試験することができるプロトコルを示さなければ

ならない。そのプロトコルは,周辺装置の

製造業者

がその周辺装置に対する

MR

装置

の影響を調査

できるように,

MR

装置

が高い送信

RF

電磁場又は高い傾斜磁場スルーレイト及び振幅で作動する

ように設計する。試験は,

MR

装置

の画質に対して周辺装置が及ぼす可能性がある影響,及び周辺

装置が正しく機能するという保証を意図するためのものではない。

患者

空間:大きさ,換気,連絡手段及び照明

患者

支持器:寸法,位置決め,精度及び最大荷重

*

c)

クエンチ

時の安全確保

超電導磁石を使用する

MR

装置

附属文書

には,次の内容を含めなければならない。

磁石容器と外気とをつなぎ,

クエンチ

するときに

クエンチ

に耐え,近くにいる人を守る超電導磁石

の排気システムについての要求事項。

検査室の内側及び外側の超電導磁石用排気装置の設置指針(寸法,位置,組立及び材質について)。

予防保守プログラムの実施の推奨。そこには,超電導磁石のための排気システムの能力についての

定期的な点検を行うことを記載する。


22

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

クエンチ

時に排気システムが故障した場合に,検査室の内外にいる

患者

及び他の人々の安全性を高

めるために検査室の設計についての要求事項。これらの事項には,

クエンチ

時の室内気圧の上昇,

室温の低下及び酸素欠乏を扱わなければならない。シミュレーション又は試験で証明された受入れ

可能な一連の解決策を記載しなければならない。それによって,超電導磁石の排気システムが十分

に機能しない場合にも,

クエンチ

時の気圧の増加,気温の低下及び酸素欠乏による検査室の内外に

いる

患者

及び他の人に対する

リスク

を低減させる。

責任部門

に超電導磁石の排気装置が十分に機能しない状況も含んだ,

クエンチ

のときの緊急安全対

策を定めることの必要性。

患者

換気装置を介して余分なヘリウムガスが

患者

に当たらないようにするための,

患者

換気装置へ

の可能な追加措置の必要性。

患者

換気装置は,吸気の開口部が安全なところにおく(例えば,検査

室の低い位置又は検査室の空調に直接接続されている。)か,

クエンチ

が発生したときに

患者

換気シ

ステムが自動的に制御され,架台内の

患者

にヘリウムを送らないように

クエンチ

検出器に接続する。

注記

3

超電導磁石の排気システムは,低温用排気パイプ及び

クエンチ

に安全に対応するための

付加的な部品から成る。

注記

4

受入れ可能なシミュレーション又は試験によって証明された検査室の構成には,次の事

項を含む。

 RF

ドアが外側に開くか,スライドする構成

気圧が上昇することを防ぐ付加的な予防策を含む場合は,

RF

ドアが内側に開く構成。これは次によ

って実現することができる。

クエンチ

が起きたときに最大稼動するようにスイッチが入る(例えば,検査室の天井の酸素濃度

計によってヘリウムガスを検知して自動的に動作する。)特別の検査室排気システム

屋外に向かって排気するための検査室の壁又は天井に設けた開口部

検査室の観察窓を外側に開けるか又はスライドできる構造

通常の排気システムが閉塞した場合に使用できる第二の超電導磁石用の独立した排気システム

シミュレーション又は試験によって証明された等価な方法

d)

磁場の減衰特性

超電導磁石又は常電導磁石で構成される

MR

装置

については,

責任部門

が適切な生命維持手順又は

安全手順を実施できるように,

クエンチ

又は緊急減磁における磁石の減衰特性を技術解説書に記載し

なければならない。磁石の特性には,

緊急減磁装置

が作動してから,磁石中心の磁場強度が

20 mT

低下するまでの時間を記載しなければならない。

緊急減磁装置

の作動スイッチを,どの場所に,どのように取り付けるかについては,技術解説書に

その説明を記載しなければならない。

e)

傾斜磁場システムの種類

技術解説書の中で,

製造業者

は傾斜磁場システムが

全身用傾斜磁場システム

又は

特殊目的の傾斜磁

場システム

のいずれであるかを記載しなければならない。

f)

サイトの安全チェックリスト

据付時に安全についての項目を全てリストアップした“サイトの安全チェックリスト”の使用を推

奨する。それは,

MR

システム

稼動前の据付も含んで関係者に確認されていなければならない。


23

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.8 ME

機器の電気的ハザードに関する保護

次を除き,通則の箇条

8

を適用する。

*

201.8.7.3 

許容値

置換

d)

接地漏れ電流の許容値は,正常状態で

5 mA

とし,単一故障状態で

10 mA

とする。永久設置形

MR

での接地漏れ電流は,正常状態及び単一故障状態とも

20 mA

を超えてはならない。

注記

据付での保護接地電流の上限について,個別規格を定めることができる。

IEC 60364-7-710

(文

165

)参照。

追加

aa)

正常状態及び単一故障状態での

患者漏れ電流

及び

患者測定電流

は,

1 MHz

を超える周波数については

適用しない。

RF

電流による

ハザード

については,

201.12.4.103.2

を参照。

201.9 ME

機器及び

ME

システムの機械的ハザードに関する保護

次を除き,通則の箇条

9

を適用する。

201.9.6 

音響エネルギー(超低周波音及び超音波を含む)及び振動

置換

*

201.9.6.2.1 

可聴域音響エネルギー

接近可能なあらゆる領域において,

MR

装置

20

μ

Pa

を基準として

140 dB

よりも高いピーク音圧レベ

ル(

LP

)の騒音を生じてはならない。

(試験)適合性の確認には,

NEMA MS 4

を適用する。

201.9.7 

圧力容器及び空気圧又は水圧(油圧)を受ける部分

追加

201.9.7.101 MR

装置のヘリウム容器

ヘリウム容器を圧力容器として設計する場合は,通則の

9.7

及び国家規制に従わなければならない。

201.9.8 

支持機構に関わる機械的ハザード

置換

201.9.8.3 

患者若しくは操作者の支持又は懸垂支持機構の強度

201.9.8.3.3 

人の荷重による動的な力

追加

通則の動的荷重試験を適用する場合,次の代替え方法がある。

注記

1

試験体は

150 mm

の高さから落とし,安全動作荷重の

2

3

倍の力がかかるように

60 mm

の発泡材を緩衝材として使用する。

機械的解析によって通則で規定される動的負荷試験より次の静的負荷試験の方が厳しいと証明される場

合には,

リスクマネジメント

に基づいて動的負荷試験を省略することが可能である。

(試験)適合性は次の試験で確認する。

この試験を行うに先立ち,

患者

支持・懸垂機構を,

患者

の乗り降りを行うときの正常な使用における水

平で最も不利な位置に配置する。

計算によって動的負荷よりも大きな力となる質量を,

患者

支持器に置かなければならない。質量の接触

面積は,通則の

33

に規定されるものと等しくし,少なくとも

1

分間保持する。受容できない

リスク

もたらす機能の損失及び構造の損傷は,不適合とみなす。


24

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

注記

2

通則の

33

に記載する発泡材は,この試験では要求しない。

201.10 

不要又は過度の放射のハザードに関する保護

通則の箇条

10

を適用する。

201.11 

過度の温度及び他のハザードに関する保護

通則の箇条

11

を適用する。

201.12 

制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護

次を除き,通則の箇条

12

を適用する。

*

201.12.4 

危険な出力に対する保護

201.12.4.1 

安全限界の意図的な超過

追加

注記

第二次水準管理操作モード

MR

装置

の全ての関連した要求を満たす。

201.12.4.2 

安全性に関連するパラメータの表示

追加

注記

MR

装置

の全ての関連した要求は,

201.12.4.101

に記載する。

追加

201.12.4.101 

操作モード

201.12.4.101.1 

一般

MR

装置

の操作中に,その一つ以上の出力が

患者

に過度の生理学的ストレスを引き起こす可能性のある

レベルに達する場合は,この操作が

患者

の利益になるかどうかを

操作者

が決定しなければならない。ここ

では,

操作者

がこの決定をくだすときに役立つ

MR

装置

の設計についての要求事項を規定する。この規定

では,操作画面,

操作者

に与える情報(

201.12.4.101

)及び許容する出力値(

201.12.4.102

201.12.4.104

について規定する

MR

装置

の三つの操作レベルを記載する。

この細分箇条の規定は,

傾斜磁場出力

比吸収率

SAR

)及び静磁場について全ての操作モードに個別

に適用しなければならない。

この細分箇条の操作モードについての規定に適合していることの証明(すなわち,操作モードによる管

理の意味及び操作モードに入るときに必要な慎重な操作及び情報,並びに表示内容)は,検査によって確

認しなければならない。

201.12.4.102

及び

201.12.4.103

に含む操作モードの上限値に適合していることを証

明するための測定方法は,

201.12.4.105

に規定している。

201.12.4.101.2 

全ての操作モード

MR

装置

は,次の要求事項に適合しなければならない。

a)

(選択した)操作モードの上限値を超えられないようにする手段(制御)を必ず備えなければならな

い。この制御は,(

患者

の身長,体重又は検査位置について)

操作者

の入力と無関係でなければならな

いか,又は

MR

装置

操作者

の入力の誤りを検出することによって確認しなければならない。

b)

患者

が変わったときには,

SAR

及び

d

B

/d

t

について

通常操作モード

へのリセットが自動的に行われな

ければならない。

c)

MR

装置

は,要求があった場合に

制御盤

上に,

SAR

の予測値を表示しなければならない。

MR

装置

は,

要求があった場合に

制御盤

上に,

10

秒間で平均した

B

1

RMS

の予測値を表示しなければならない。


25

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

B

1

RMS

は,

ボリューム

RF

送信コイル

が使われるときに限って表示しなければならない。

注記

システムの最大

傾斜磁場出力

は,技術資料に記載されていることを想定している。

d)

MR

装置

は,撮像に

円偏波

RF

を使用する場合,要求があった場合に

制御盤

上に

CP

と表示しなければ

ならない。

ボリューム

RF

送信コイル

で他のタイプの送信が行えるシステムでは,

円偏波

RF

が選択

できることを

MR

操作者

に情報提供し,もし

円偏波

RF

を選択した場合は,全ての撮像で

円偏波

RF

を使用しなければならない。

201.12.4.101.3 

通常操作モード

201.12.4.102

及び

201.12.4.103

で規定した

通常操作モード

のレベルを超えた作動が不可能な

MR

装置

につ

いては,操作モードを

制御盤

に表示しなくてもよい。

201.12.4.101.4 

第一次水準管理操作モード

201.12.4.102

及び

201.12.4.103

で規定した

第一次水準管理操作モード

で作動可能な

MR

装置

は,次の規定

に適合しなければならない。

a)

撮像を開始する前に,撮像中に印加される

傾斜磁場出力

及び

SAR

の予測値によって決まる操作モード

を,

制御盤

に表示しなければならない。

b)

撮像を制御する

傾斜磁場出力

又は

SAR

の値が

第一次水準管理操作モード

に入る場合は,このことを

制御盤

上に明確に表示して,

操作者

の注意を喚起しなければならない。操作モードの記録又は同等の

データは,画像データと切り離してはならない。

c)

第一次水準管理操作モード

に入るためには,

操作者

による意図的な操作を求めなければならない。

201.12.4.101.5 

第二次水準管理操作モード

201.12.4.102

及び

201.12.4.103

で規定した

傾斜磁場出力

又は

SAR

値が

第二次水準管理操作モード

で作動

となる

MR

装置

は,次の要求事項に適合しなければならない。

a)

第二次水準管理操作モード

に入る前に特定の安全手段を解除しないと,

第二次水準管理操作モード

は入れないようになっていなければならない。特定の安全手段は,国家規制に従って承認された人体

に関わる調査研究プロトコルの医療責任者の許可がない場合は,

第二次水準管理操作モード

には入れ

ないような設計でなければならない。特定の安全手段として,キーロック,組合せ錠,ソフトウェア

上のパスワード,又は他の保護装置を備えなければならない。

注記

我が国の人体についての調査研究に関する国家規制としては,“人を対象とする医学系研究

に関する倫理指針(平成

26

年文部科学省・厚生労働省告示第

3

号)”がある。

b)

各撮像を開始する前に,撮像の最大

傾斜磁場出力

値によって決まる操作モード及び撮像時に実際に使

用する

SAR

の予測値を,

制御盤

に表示しなければならない。

c)

撮像を制御する

傾斜磁場出力

又は

SAR

の記録及び同等のデータは,画像データと切り離してはならな

い。

d)

この操作モードの条件は,潜在的には危険であり,通常の臨床用途にはこの条件を使用してはならな

いことを,

操作者

へ知らせなければならない。

e)

MR

装置

には,許可されていない限り

操作者

が調整できない(

第二次水準管理操作モード

における)

傾斜磁場出力

又は各種類の

SAR

の上限値を設定する手段を備えなければならない。

*

201.12.4.102 

傾斜磁場システムが生成する過度の低周波磁場変化に関する保護

201.12.4.102.1 

一般

この規格において,傾斜磁場システムが生成する低周波磁場変化とは,心臓又は末しょう(梢)神経の

刺激(

PNS

)をもたらすものである(

実効刺激持続時間

20

μ

s

及び組織への加熱はない)。


26

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2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.12.4.102.2 PNS

出力の上限についての目標

MR

装置

は,いずれの操作モードにおいても

患者

及び

MR

作業従事者

の心臓への刺激を防止するため傾

斜磁場波形を自動的に制御するように設計しなければならない。

MR

装置

は,いずれの操作モードにおいても

患者

及び

MR

作業従事者

に対して耐えられない末しょう神

経の刺激(

PNS

)の発生を最小にするため,傾斜磁場波形を自動的に制御するように設計しなければなら

ない。

注記

次の細分箇条の規定を満たす

MR

装置

は,その診断の有効性と比較するときに,これらの目標

を満たすとみなされる。

この規格においては,次のように理解する。

 PNS

とは,傾斜磁場の切換えによって神経系が活性化する感覚である。

PNS

しきい(閾)値レベル

とは,感覚が生じ始めるレベルである(

201.3.227

参照)。

不快な

PNS

とは,

患者

及び

MR

作業従事者

に正しく説明して耐えようという気を起こさせれば,耐え

られるレベルである。

耐えられない

PNS

とは,

(痛みなどのために)

患者

が撮像を速やかに終了するよう求めるレベルであ

る。

心臓への刺激とは,期外収縮又は他の心臓不整脈を誘発することである。

MR

装置

は,

通常操作モード

における不快な

PNS

の発生を最小にしなければならない。

201.12.4.102.3 PNS

出力の上限値

201.12.4.102.3.1 

一般

患者

及び

MR

作業従事者

への上限値は,

PNS

出力

の最大値又は次のいずれかの事項で表す。

傾斜磁場の変化が

患者

又は

MR

作業従事者

に誘起する電場

E

傾斜磁場の

磁場の時間変化率

d

B

/d

t

上限値は,

実効刺激持続時間

t

s, eff

の関数である。

201.101

に,幾つかの波形について,

実効刺激持続

時間

を図示する。これらの上限値に適合していることを証明するために用いる試験条件を,

201.12.4.105.2

に記載する。

注記

MR

作業従事者

の被ばく上限値は,

患者

への最大許容上限値と同じである。

患者

に対する

PNS

出力

上限への適合は,自動的に

MR

作業従事者

への適合を意味する。

201.12.4.102.3.2 

心臓への刺激の防止に関連する上限値

各操作モードにおける心臓への刺激を防止するために,全ての

傾斜磁場ユニット

傾斜磁場出力

は,次

の式を満たさなければならない。

3

exp

1

2

eff

s,

t

E

ここに,

E

: 傾斜磁場の切換えによって誘導される電場(

V/m

t

s, eff

実効刺激持続時間

ms

全身用傾斜磁場システム

を備えた

MR

装置

については,この上限値を次の式で置換してもよい。

3

exp

1

20

d

/

d

eff

s,

t

t

B

ここに,

d

B

/d

t

: 傾斜磁場を切り換える間の

磁場の時間変化率

T/s


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Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

t

s, eff

実効刺激持続時間

ms

201.12.4.102.3.3 

末しょう(梢)神経の刺激(

PNS

)に関連する上限値

PNS

出力

の上限値は,次の

a)

に記載したヒトの実験的研究の結果に基づくものか,又は

b)

に記載した

値のいずれかでなければならない。

a)

直接決定した上限値

どの種類の傾斜磁場システムについても,

PNS

を最小にすることに関連する上限値は,ボランティ

アによる研究から直接決定した値に基づくもので差し支えない。これは,次のようなものである。

通常操作モード

における操作では,傾斜磁場システムは直接決定した平均

PNS

しきい(閾)値レベ

80 %

を超えない範囲で作動しなければならない。

第一次水準管理操作モード

における操作では,傾斜磁場システムは直接決定した平均

PNS

しきい値

100 %

を超えないレベルで作動しなければならない。

さらに,この結果を,

傾斜磁場出力

の制御(

201.12.4.102.2

参照)に用いるのに適した,各

傾斜磁場

ユニット

の重み因子を導くために用いてもよい。

ボランティアによる調査から直接決定した

PNS

しきい値及び重み因子を得る方法は,

201.12.4.105.1

に規定した条件に適合しなければならない。

これらの上限値及び重み因子は,この種類の傾斜磁場システムと十分に似た設計であることを示さ

ない限り,他の種類の傾斜磁場システムに適用してはならない。

b)

デフォルト値

上限値を直接求めることができない場合は,

傾斜磁場出力

限度の

通常操作モード

における値(

L

01

及び

第一次水準管理操作モード

における値(

L

12

)が,

201.7.9.3.101 e)

に規定したように,次の式か

ら求めた値を超えてはならない。

L

12

1.0

rb

(1

0.36/

t

s, eff

)

L

01

0.8

rb

(1

0.36/

t

s, eff

)

ここに,

rb

201.102

に示した基電流値(

T/s

t

s, eff

実効刺激持続時間

ms

L

01

及び

L

12

は,

rb

と同じく誘導電場

E

V/m

)又は

磁場の時間変化率

d

B

/d

t

T/s

)で表さなければ

ならない。

201.102

に,上式の基電流値

rb

の値を示す。

201.102

傾斜磁場システムの種類別の基電流値

傾斜磁場システムの種類

E

V/m

)で表した

rb

d

B

/d

t

T/s

)で表した

rb

全身用傾斜磁場システム

2.2 20

特殊目的の傾斜磁場システム

2.2

使用しない

201.102

に,心臓への刺激及び末しょう(梢)神経の刺激に関連する,

d

B

/d

t

で表した

全身用傾斜

磁場システム

傾斜磁場出力

の上限値を,

実効刺激持続時間

の関数として図示する。


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Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

全身用傾斜磁場

において,末しょう神経の刺激に関わる

傾斜磁場出力

の上限値について,

通常操作

モード

における値(

L

01

)及び

第一次水準管理操作モード

における値(

L

12

)を,

d

B

/d

t

T/s

)対

t

s, eff

ms

)曲線で表した図。比較のために,

201.12.4.102.3.2

の心臓への刺激の上限値を示している。

201.102

心臓への刺激及び末しょう(梢)神経の刺激の上限値

201.12.4.102.3.4 PNS

出力の制御

MR

装置

は,末しょう神経の刺激の上限値を超えないように,傾斜磁場システムの

PNS

出力

O

を制御

しなければならない。

O

は,

各傾斜磁場ユニット

i

の最大

傾斜磁場出力

O

i

の重み付き二次加算か,又は妥

当性が正しく確認されている他の加算法から求めなければならない。

重み付き二次加算を表す式は,次のものでなければならない。

(

)

2

=

i

i

O

w

O

ここに,

w

i

各傾斜磁場ユニット

の重み付け因子

電場

E

の重み因子は常に

1

に等しい。

d

B

/d

t

の重み因子は,

201.103

に示している。直接決定した重み

因子の値か,又は妥当性が正しく確認されている他の計算法で導いた値を用いてもよい。

201.103

各傾斜磁場ユニットの最大出力

O

i

の加算の重み付け因子

傾斜磁場システムの種類

重み因子

w

AP

a)

w

LR

a)

w

HF

a)

全身用傾斜磁場システム

デフォルト値

 1.0

1.0

1.0

円筒形磁石

 1.0  0.8  0.7

経験値

 1.0

b)

b)

特殊目的の傾斜磁場システム

デフォルト値

 1.0

1.0

1.0

経験値

 1.0

b)

b)

注記

電場

E

の重み因子は常に

1

に等しい。

a)

w

AP

w

LR

w

HF

傾斜磁場ユニット

ごとに許容される重み因子。

傾斜磁場ユニット

患者

座標

系[

AP

(前後)軸,

LR

(左右)軸及び

HF

(頭足)軸]での向きに依存する。

b)

直接決定で求めた重み因子の値又は他の適切な確認方法を用いてもよい。


29

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

*

201.12.4.103 

過度の

RF

エネルギーに関する保護

*

201.12.4.103.1 

温度の上限値

過度の熱的ストレスを避け,身体の局所組織の損傷を防ぐため,

MR

装置

は,

患者

の体温の上昇を,パ

ルスシーケンス・パラメータ及び

RF

出力の制限によって,

201.104

に示した値以下に制限しなければな

らない。

MR

装置

に起因する

MR

作業従事者

の体温上昇として許容される値は,

通常操作モード

及び

第一

次水準管理操作モード

201.104

に示される

患者

に対する値と同等である。

201.104

温度の上限値

操作モード

体内深部温度上限

局所組織温度上限

体内深部温度上昇の上限

通常

39 39  0.5

第一次水準管理

40 40  1

第二次水準管理

40

40

1

201.12.4.103.2

で規定する

比吸収率

SAR

)の上限値で,温度上昇の上限値に代えてもよい。これらの

SAR

上限値は,組織に損傷を与えない空間的な局所温度という点から定めた。

201.104

及び

201.106

の値は,控えめである。より高い温度及び高い

局所

SAR

値が,

患者

に受容で

きない

リスク

が生じない場合は,特定の組織に適用できる。

(試験)適合性は,

リスクマネジメントファイル

の点検によって確認する。

注記

1

研究中の組織の過熱モデル,例えば

CEM43

は,この規格の将来の見直しのときに組み込ま

れる場合がある。

注記

2

 RF

送信コイルからの漏えい

RF

はコイルの外側で急速に減衰するので,幾何学的な考察から

MR

作業従事者

の全身被ばくは,起こり得ない。したがって,システムが

第一次水準管理操

作モード

で動作しているときにも,

MR

作業従事者

への被ばくは,ほぼ

通常操作モード

のレ

ベルであると想定することができる。

注記

3

 RF

出力に関する保護についての要求事項は,

環境温度

及びその他の環境条件の管理が

製造業

の推奨値に適合していることを前提とする。

注記

4

接触可能表面については,通則の温度上限値を適用する。推定値については,

附属書

AA

理論的根拠を参照。

*

201.12.4.103.2 SAR

上限値

これらの要求事項に適合していることを証明するための測定方法は,

201.12.4.105.3

による。

201.105

に,

通常操作モード

及び

第一次水準管理操作モード

における,

全身

SAR

身体部分

SAR

頭部

SAR

の許容範囲を記載する。

第二次水準管理操作モード

に関わる上限値はない。これらの上限値

についての責務は,その使用を認可した施設の倫理委員会にあるものとみなす。

全身

SAR

の決定に用いる質量は,

患者

の体重とする。

身体部分

SAR

の決定に用いる質量は,照射を受

ける

患者

部分体重と呼び,

RF

送信コイルの実効容積内にある

患者

の身体部分の質量とする。

RF

送信コイ

ルの実効容積は,次のものとする,すなわち,実効容積内では,通常の場合に

患者

が占める領域を満たす

均一な物質の内部で,吸収される総

RF

電力の

95 %

以下が消費される。


30

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.105

SAR

上限値(ボリューム送信コイルの場合)

単位

W/kg

平均時間

 6

min

全身

SAR 

身体部分

SAR 

頭部

SAR 

身体領域

全身

照射を受ける身体部分

頭部

操作

モード

第一次水準管理

4 4

10

a)

 3.2

通常操作

2 2

10

a)

 3.2

第二次水準管理

4

(4

10)

a)

3.2

MR

検査

の比吸収エネルギー

最大エネルギー量(

SAR

×検査時間)は,

リスクマネジメント

によって

制限しなければならない。

短期

SAR

任意の

10

秒間にわたる

SAR

上限値が,既定値の

2

倍を超えてはならな

い。

a)

上限値は“照射を受ける

患者

部分体重/

患者

の体重”に比例して動的に変動する。

通常操作モード

身体部分

SAR

10 W/kg

-(

8 W/kg

×照射を受ける

患者

部分体重/

患者

の体重)

第一次水準管理操作モード

身体部分

SAR

10 W/kg

-(

6 W/kg

×照射を受ける

患者

部分体重/

患者

の体重)

注記

1

MR

作業従事者

の被ばく上限値は,

患者

への最大許容上限値と同じである。したがって,

への

SAR

上限の適合は,

MR

作業従事者

への適合を意味する。

注記

2

全身

SAR

局所

SAR

との比については,

附属書

AA

を参照

注記

3

患者

の検査が非常に長いことが一般的であるため,

MR

検査

の比吸収エネルギーの上限値を

導入した。これは,

MR

検査

時間又は

MR

検査

における個々の撮像における

SAR

値を制限

し,全ての

SAR

上限値及び全ての操作モードに適用できる。

患者

に適切な休息を与え,複数

の独立した検査を行う場合は,各々の検査は,

MR

検査

の比吸収エネルギーの観点からは独

立したものとみなされる。

注記

4

ボリューム

RF

送信コイル

の定義から,例えば,膝又は手首用に設計された送信コイルは,

ボリューム

RF

送信コイル

とみなされる。これらのタイプのコイルでは,照射される

患者

分体重は大幅に減るが,

身体部分

SAR

の上限値を適用しなければならない。

201.106

に,

通常操作モード

及び

第一次水準管理操作モード

における,

局所

SAR

の許容値を示す。

二次水準管理操作モード

に関わる上限値はない。これらの上限値についての責務は,その使用を認可した

施設の倫理委員会にあるものとみなす。

201.106

SAR

上限値(局所送信コイルの場合)

単位

W/kg

平均化時間

 6

min

局所

SAR 

身体領域

頭部

体幹部

四肢

操作

モード

通常

10

a)

 10  20

第一次水準管理

20

a)

 20  40

第二次水準管理

20

a)

20

40

短期

SAR

任意の

10

秒間にわたる

SAR

上限値が既定値の

2

倍を超えてはならない。

a)

小さな

局所

RF

送信コイル

の領域内に眼か(窩)を配置する場合は,温度上昇が常に

1

℃に制限

されるように注意しなければならない。


31

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

電圧は,時間変動する磁場によって,少なくともそれに垂直なループを形成する導体上に時間変動する

成分として誘起される。導体間の電場は,間隙に応じて任意の大きさとなるが,一般に局所的である。ラ

ジオ波では,これらの局所電場は,高い

局所

SAR

レベルとなる可能性がある。この問題は,様々な方法

で避けることができる(電流をバランを使って低減する,又はスペーサを使って高い電場の領域に

患者

近づかないようにする)

。送信線からの局所の

SAR

は,

201.106

に示す

局所

SAR

の上限値で規制される。

製造業者

からの取扱説明書の指示に従うことは,

責任部門

の責任である。

該当する場合には,

製造業者

は不要な

RF

相互作用に関連する

リスク

リスクマネジメントファイル

記載しなければならない。

(試験)適合することを,

リスクマネジメントファイル

の点検によって確認する。

全身

SAR

については,

201.105

の値は

周囲温度

25

℃以下の場合に有効である。これよりも高い温

度の場合は,これらの値を実際の周囲温度に従って低減しなければならない。周囲温度に対する

SAR

上限

値の低減は,

25

℃の温度から始める。

上記の開始温度を超える周囲温度では,

第一次水準管理操作モード

については

SAR

2 W/kg

になるま

で,周囲温度が

1

℃上がるごとに,

全身

SAR

上限値を

0.25 W/kg

ずつ低減させなければならない。この細

分箇条の要求事項を

201.103

に示す。

第一次水準管理操作モード

での

周囲温度

に対する

全身

SAR

上限値を示す。

201.103

高い温度における全身

SAR

上限値の低減

201.103

のグラフは,

第一次水準管理操作モード

での周囲温度に対する

全身

SAR

上限値を示す。

201.12.4.103.3 SAR

の制御

撮像に

ボリューム

RF

送信コイル

を使用する場合,

MR

装置

は,

頭部

SAR

身体部分

SAR

及び

全身

SAR

を制御しなければならない。撮像に

局所

RF

送信コイル

を使用する場合には,

MR

装置

は,

局所

SAR

及び

全身

SAR

を制御しなければならない。

注記

1

 RF

送信コイルの寸法,

患者

のサイズ及びコイルに対する

患者

の位置から決まる実際の撮像の

状況に応じて

SAR

の一つが制限因子となり,これによって送信可能な最大

RF

出力が決まる。


32

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

注記

2

SAR

の表示についての要求事項は,

201.12.4.101

に規定する。

注記

3

マルチチャンネル送信コイルは,

局所

RF

送信コイル

及び

ボリューム

RF

送信コイル

の両方

の特性をもつ。適切な

SAR

の制御は,コイルの用途に依存する。

*

201.12.4.104 

静磁場に関する保護

MR

装置

の静磁場強度とは,作動時の磁場強度である。

静磁場については,

201.12.4.101

で規定したように,次の操作モードを適用する。

a)

通常操作モード

は,

3 T

以下の静磁場の値である。

b)

第一次水準管理操作モード

は,

3 T

を超えて

8 T

以下の静磁場の値である。

c)

第二次水準管理操作モード

は,

8 T

を超える静磁場の値である。

静磁場中での動きによって引き起こされる

患者

及び

MR

作業従事者

へのめまい,吐き気などの生理学的

影響を最小にすべきである。実際には,漏えい磁場中を人が動くことによる

d

B

/d

t

の値を制限すべきであ

ることを意味する。許容できる

d

B

/d

t

の最大値は,移動速度及び空間的な磁場の不均一性(漏えい静磁場

の空間的な傾き)で決まる。

患者

を漏えい静磁場による傾斜部分から磁石内に搬送するときの許容される動きの速度は,

患者

への最

d

B

/d

t

値が

3 T/s

を超えないように制限しなければならない。この上限値は,

患者

の状態によらず,また,

MR

装置

の操作モードにも関係しない。

取扱説明書[

201.7.9.2.101 k) 

参照]には,

MR

作業従事者

の動く速度の上限及び訓練の必要性を記載し

なければならない。

201.12.4.105 

要求事項への適合性の証明方法

201.12.4.105.1 PNS

出力の上限値の直接測定

PNS

出力

の上限値が直接決定した値に基づく場合,その測定の実施及びしきい値の導出は,この細分箇

条に適合しなければならない。

この測定は,ボランティアで行う。測定で得られた値を平均

PNS

しきい値とする。

この測定には,測定対象者の訓練期間及び経験の再現性の試験を含む,明確に規定されたプロトコルを

備えなければならない。標本の大きさ(対象者の数)は,

11

例以上でなければならない。男女両方の健常

な成人を含む代表的な対象者を採用しなければならない。

あらゆる

患者

位置を含めるために,傾斜磁場システム内でボランティアを段階的に移動させることによ

って,一つの

実効刺激持続時間

で一人のボランティアについて最悪の位置を決定しなければならない。

あらゆる波形を測定範囲に含めるためには,次の三つの選択肢がある。

a)

全ての代表的波形について,しきい値を記録する。

b)

正弦波形又は台形波形について,しきい値を記録し,他の波形については,妥当性が正しく実証され

ているモデルから,しきい値の波形に対する依存性を推定する。

c)

全ての波形について,そのしきい値は台形波形又は正弦波形について記録されたしきい値に等しいと

みなす。

傾斜磁場システムで実現可能な

実効刺激持続時間

の全範囲を測定範囲に含めるために,臨床的に妥当な

最大範囲まで,一桁ごとに

3

点以上の値を測定しなければならない。測定点の間には補間法を使用しても

よい。全ての

傾斜磁場ユニット

を個別に試験しなければならない。最大

傾斜磁場出力

において刺激を生じ

ない場合は,二つ又は三つの

傾斜磁場ユニット

を組み合わせて,少なくとも一つの

傾斜磁場ユニット

を最

大出力に駆動して,試験しなければならない。


33

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

試験を行うそれぞれの傾斜磁場波形,

傾斜磁場ユニット

及び

実効刺激持続時間

ごとに,最悪の位置にい

るボランティアで観察されたしきい値から平均

PNS

しきい値を導かなければならない。

この研究で観察された,同じ波形のしきい値の

傾斜磁場ユニット

ごとの違いは,重み因子の根拠として

使用してもよい。

人体についての研究の報告書は,この規格への適合性を検証する試験機関から要求があった場合には,

必ず閲覧できるようにしておかなければならない。また,報告書は

MR

装置

が市販されている国の審査機

関から要求があった場合にも,必ず閲覧できるようにしておかなければならない。

この報告書には,少なくとも次の内容を含めなければならない。

使用した波形及び

実効刺激持続時間

PNS

出力

を表すのに使用したパラメータ

MR

装置

内におけるボランティアの最悪の位置

ボランティアに関連のある人口統計学的特性

ボランティアの人数

研究プロトコル

観察された

PNS

しきい値

直接測定による場合は,直接測定した

PNS

しきい値

試験を行わなかった波形のしきい値を推論するのに使用したモデルの説明(モデルを使用した場合)

重み因子を使用する場合は,その重み因子

201.12.4.105.2 

最大傾斜磁場出力の決定

201.12.4.105.2.1 

最大傾斜磁場出力の決定のための一般的要求事項

傾斜磁場ユニット

について,

MR

装置

に備わっている臨床用途の波形か,台形波形又は正弦波形のい

ずれかの波形を用いて,

適合性容積

内の

傾斜磁場出力

の空間最大値を

最大傾斜磁場スルーレイト

において

決定しなければならない。

201.12.4.105.2.2 

患者に対する最大傾斜磁場出力の決定

(試験)この決定は,次に記載する計算

a)

又は試験

b)

のいずれかによる。

a)

計算による適合性の確認

傾斜磁場出力

d

B

/d

t

で表す場合は,ビオ・サバールの法則を用いて,傾斜磁場コイルの巻線の形

状に基づいて求めてもよい。

傾斜磁場出力

を電場

E

で表す場合は,ベクトルポテンシャル

A

の静磁気的表式を用いて,傾斜磁場

コイルの巻線の形状に基づいて求めてもよい。誘導電場

E

は,負号を付けた

A

の時間微分から,電流

の変化による静電位の勾配を引いたものである。

201.102

に示されている傾斜磁場に誘導される基

電流の値を用いて

L

12

及び

L

01

を求める。

L

12

及び

L

01

は,均一で(伝導度=

0.2 S/m

)単純な形状[例

えば,全身用円筒形ボアの場合は半径

0.2 m

の円筒,頭部用コイルの場合はだ(楕)円体]の

患者

デルの内部又は表面上に認められる電場強度の最大値である。電場は次の式を用いて求める。

Φ

=

t

A

E

ここに,

A

: 傾斜磁場コイルの電流によるベクトルポテンシャル

Φ

: 電荷による静電ポテンシャル[詳細は,

附属書

AA

201.12.4.102

(15)

参照]


34

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

他の適切なモデル(不均一モデルなど)を用いると異なる電場しきい値が得られることがあるが,

製造業者

が正当化できる場合はそれを代替値として用いてもよい。

直線部分のベクトルポテンシャルを計算してから,これらを(ベクトル成分として)加算してもよ

い。

結果報告書:結果報告書には,次の項目を記載する。

パラメータ

単位

適合性容積

の大きさ及びその境界の座標

 m

次のデータは個々の

傾斜磁場ユニット

について報告する。

最大傾斜磁場強度

G

, max

及び

G

, max

 mT/m

最大傾斜磁場スルーレイト

の値

 mT/m/ms

傾斜磁場ユニット

最大傾斜磁場スルーレイト

において最大傾斜磁場

強度の間で切り換えるときの立上がり時間

ms

傾斜磁場出力

の値(

d

B

/d

t

又は

E

 T/s

最大

傾斜磁場出力

になる位置の座標

 M

不均一な伝導度の

患者

モデルを用いる場合は,そのモデルの詳細

b)

試験による

傾斜磁場出力

の適合性の確認

試験装置

1)

サーチコイル

の設計

サーチコイル

は,

傾斜磁場出力

の直交する

3

方向の成分(直交座標又は円柱座標)を測定できる

ように組み立てなければならない。例えば,互いに直交する独立した

3

個の

サーチコイル

素子を共

通の中心の周囲に組み立てる。この

サーチコイル

を用いると,測定の過程で位置調整をやり直すこ

となく,

傾斜磁場出力

の独立した各成分を測定することができる。

精度を確保するため,各

サーチコイル

素子は,円形でなければならない。さらに,試験対象の

斜磁場装置

よりも小さくなければならない。

サーチコイル

素子は,巻数

n

,半径

r

の導線で構成す

る。コイルの軸方向の長さは,直径の

20 %

未満でなければならない。

サーチコイル

素子の直径は,

50 mm

以下でなければならない。

サーチコイル

素子の応答性は,計算又は測定によって求めなけれ

ばならない。

サーチコイル

素子と同軸方向の

d

B

/d

t

成分の瞬間値は,時間変化する磁束によってコ

イルに誘発されるピーク電圧

V

coil

から求めなければならない。

2

π

d

d

r

n

V

t

B

coil

=

例えば,代表的な

サーチコイル

素子は,直径

0.6 mm

15

ターンの銅線で構成する直径

50 mm

r

25 mm

),長さ約

9 mm

の円形コイルである。

サーチコイル

と同軸方向に

6.79 T/s

d

B

/d

t

が加わ

ると

200 mV

の誘導電圧が発生する。個々の

サーチコイル

素子には,それぞれ減衰器を備えなけれ

ばならず,どの

サーチコイル

素子も同じ感度になるように補正できなければならない。個々の素子

の感度は,計算又は測定による既知のものでなければならない。個々の

サーチコイル

素子の信号は,

装置に並列に入力されなければならない。その装置の出力は,各入力値の

2

乗和の平方根である。

この装置は,その出力を電圧,すなわち,

サーチコイル

電圧で表さなければならない。その代わり

に,個々の素子の

d

B

/d

t

値を,測定電圧及び計算又は測定によって決められた感度を基に計算して

もよい。試験している

傾斜磁場ユニット

d

B

/d

t

値を得るために,個々の素子の

d

B

/d

t

値を平方し,


35

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

加え合わせて,更に,平方根を求める。感度係数

S

を用いた

サーチコイル

電圧

V

out

d

B

/d

t

T/s

との関係は,次の式で表す。

t

B

S

V

d

d

out

=

小さな

d

B

/d

t

1 T/s

の範囲)の領域で信号強度を測定する場合は,

0.01 V/T/s

の最小感度を用いる

のが望ましい。

2) 

サーチコイル

の補正

感度係数

S

を測定するためには,

サーチコイル

の補正を行わなければならない。

3)

電圧測定装置

サーチコイル

に誘導される電圧の測定装置は,信号の減衰を防ぐために高入力インピーダンスで,

十分な帯域幅をもつものでなければならない(例えば,ストレージ・オシロスコープなど)。

電圧測定装置(ストレージ・オシロスコープ)は,磁場の影響を受けないで正確に測定できる位

置に設置しなければならない。

サーチコイル

の電圧は,例えば,同軸ケーブルで生じるような波形のリンギングを避けるために,

ツイストペア線などの高インピーダンス・ケーブルを用いて電圧測定装置に接続しなければならな

い。スイッチング

電源

を使用する傾斜磁場増幅器の場合は,スイッチング周波数成分を最大限に減

衰させるために,

サーチコイル

の出力端は,アナログ・フィルタ装置を用いてオシロスコープに接

続する。

4)

位置調整装置

安定性があり,かつ,再現可能な方法で

サーチコイル

を磁石内に設置し,位置を調整するための

調整手段を備えなければならない。この装置は,

適合性容積

全体にわたって

サーチコイル

の位置を

調整できるものでなければならない。

測定

傾斜磁場ユニット

について,

MR

装置

が備えている臨床用途の波形,正弦波形又は台形波形のい

ずれかの波形を用いて,

適合性容積

内で,次の手順によって測定を行う。

1)

干渉を防ぐために,ラジオ波(

RF

)送信機のスイッチを切るか,又は最大限減衰させる。

2)

測定対象とする

傾斜磁場ユニット

以外の全ての

傾斜磁場ユニット

のスイッチを切る。

3)

反復する波形を用いて

最大傾斜磁場スルーレイト

傾斜磁場ユニット

を作動させる。

4)

サーチコイル

適合性容積

内で電圧が最大になる位置に移動する。

5)

この位置で,

サーチコイル

電圧のピーク値

V

out

を測定する。

6)

傾斜磁場出力

の強度を

d

B

/d

t

V

out

/S

として求める。


36

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

結果報告書:結果報告書には,次の項目を記載する。

パラメータ,一般

単位

適合性容積

の寸法及びその境界の座標

 m

傾斜磁場ユニット

に対する

最大傾斜磁場スルーレイト

の値

 mT/m/ms

傾斜磁場ユニット

について報告するデータ

最大傾斜磁場強度

G

, max

G

, max

 mT/m

傾斜磁場ユニット

最大傾斜磁場スルーレイト

において最大傾斜磁場

強度の間で切り換えるときの立上がり時間の値

ms

最大

傾斜磁場出力

になる位置の座標

 m

傾斜磁場出力

d

B

/d

t

の値

 T/s

201.12.4.105.2.3 201.7.9.3.101 

b)

にて報告が要求される

傾斜磁場出力

の漏えい分布の決定

MR

作業従事者

への各

傾斜磁場ユニット

からの被ばく量を推定することができるように,

傾斜磁場出力

の空間的な最大値が

201.104 a) 

及び

201.104 b) 

で示す容積上で決められなければならない。特定の点

のパターンは,

MR

作業従事者

が接近の可能性があり,かつ,

傾斜磁場ユニット

によって最大の被ばくと

なる最悪の場合の点を代表しなければならない。

注記

1

縦形磁石の場合は,円筒の軸(

患者

体軸)は,磁場の方向に垂直である。

患者

ボアという用

語は,磁極間の磁石ギャップに置き換える。磁石長という用語は,磁極の直径に置き換える。

特定の点のパターンは,直径が最小の接近可能な

患者

ボアに等しく,

患者

の軸を取り囲む仮想の円筒

上に配置しなければならない。

円筒は磁石の

アイソセンタ

から始まり,少なくとも

1 m

患者

開口部(磁石長の半分)を超え,できれ

ば開口部から

患者

寝台の全長に沿う。

円筒軸方向については,点の間隔は

0.05 m

を超えてはならない。

各々の円筒軸について,円筒の表面上に少なくとも

16

点が等距離に取られなければならない(すなわ

ち,円周上に)。点は,

x

y

との傾斜磁場軸の中央の位置[すなわち,角度にして

n

×

45

°の位置,

n

1

3

5

7

)]を含まなければならない。

各々の

傾斜磁場ユニット

の磁場ベクトルは,ビオ・サバールの法則を用いて円筒の各々の点で計算さ

れるか測定されなければならない。

各々の点について,三つのベクトルの和をとって,傾斜磁場の強さを決めなければならない。

最大値は,円筒軸位置に沿ってプロットされなければならない。

患者

開口部の軸方向での位置に印を

つけなければならない。

注記

2

パターンは,また,

MR

作業従事者

に対する末しょう(梢)神経刺激(

PNS

)の可能性に関

連して考慮し,

患者

が接触の可能性がある外部の空間について相対的な磁場分布を図示する。

結果報告書:結果報告書には次の項目を記載する。

円筒軸に沿った点の距離

方位方向の点の数

円筒軸に沿った最大値のグラフ


37

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

a)

  円筒形磁石

b)

  縦形磁石

  a

磁石

  b

アイソセンタ

  c

患者

体軸及び仮想円筒の軸

  d

最小の接近可能な

患者

ボアを表す仮想円筒の直径

e

n

三つの磁場ベクトルの強度を決めるための円筒表面の点。

アイソセンタ

(点

b

)から距離

z

i

の円筒表面での点

e

i

において見出される最大磁場強度は,表面

f

i

での最大値を表す。

201.104

傾斜磁場出力の空間的最大値を求める体積

201.12.4.105.3 

吸収される高周波エネルギーの決定

201.12.4.105.3.1 

温度

201.12.4.103.1

で規定される温度の上限値を,

MR

装置

の操作パラメータの上限値として使用してもよい。

この決定には,実験データ又は数値計算法(例えば,有限要素法)を用いなければならない。

201.12.4.105.3.2 SAR

の決定

全身

SAR

は,吸収される

RF

電力の測定及び

操作者

の入力に基づく

患者

の体重から決定するか,又は他


38

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

の適切な手段によって決定しなければならない。

MR

装置

からの吸収

RF

電力は,次に記載する方法の一

つ又はそれと同等の方法を用いた測定によって試験しなければならない。

身体部分

SAR

は,

ボリューム

RF

送信コイル

の寸法,

患者

の体重及び身長並びに

患者

の位置との関連に

ついて妥当性が正しく実証されており確固とした理論的又は経験的モデルを用いて,

全身

SAR

から決定

しなければならない。例えば,照射を受ける

患者

部分体重を決定するのにふさわしいモデルには,各種の

均一な円筒で

患者

の身体を模擬する方法がある。

局所

SAR

の分布は,理論的モデル又は実験によって決

定してもよい。

身体部分

SAR

及び

局所

SAR

の決定に用いるモデルは,そのモデルから導かれる値と直接測定可能な値

(例えば,ファントム内の温度分布)との比較によって,妥当性を実証しなければならない。

(試験)

MR

装置

で使用可能な出力レベルの全範囲にわたって

SAR

の決定を検証し,規定している

SAR

上限値を用いると安全な操作が行えることを保証する測定方法を検査して,適合性を確認しなければなら

ない。

注記

吸収される

RF

電力の決定に利用可能な方法は,

NEMA MS 8

による“パルスエネルギー法”及

び“熱量測定法”として知られているものである。

*

201.12.4.105.3.3 201.7.9.3.101 

b)

にて報告が要求される漏えい磁場

B

1

の決定

MR

作業従事者

が,接近可能な位置,又は関連する位置についての

RF

送信コイルの最大

RF

送信出力を,

計測するか,又は計算して報告しなければならない。

B

1

(

z

)

値については,

アイソセンタ

から初めて

患者

体軸(通常は

z

方向)に沿った点に沿って計測するか

又は計算しなければならない。

注記

1

円筒形磁石では,

患者

体軸は磁石軸に一致する。縦形磁石では,円筒軸(すなわち,

患者

軸)は磁場軸と直交する。

RF

送信コイルに直交する面の

B

1

値は十分に均一であると推定できるので,

患者

体軸だけに沿って

B

1

を測定及び/又は計算することで十分である。

測定点間の距離は,

0.1 m

を超えてはならない。

各々の点について

B

1

値の大きさを計測又は計算しなければならない。

注記

円偏波

RF

送信タイプの磁石では,半径方向の成分だけの決定で十分である。

測定は,適切な検出コイル及びネットワークアナライザの組合せ,又は

RF

シグナルジェネレイタ及

びスペクトラムアナライザの組合せを用いて行うことができる。

B

1

2

(z)

値と

B

1

2

(0)

値との比は,各点について計算しなければならない。

アイソセンタ

からの距離

z

の点での計算値は,底面での最悪の条件のものを示すため,仮想的な円す

い(錐)底面の全ての位置に適用しなければならない(

201.105

参照)。円すいの底面は,

アイソセ

ンタ

からの距離

z

への直線に垂直な面である。円すいは,

アイソセンタ

から磁石の開口部へ投影する

開口角によって定義できる。円すいの高さは,距離

z

である[

201.105 a) 

参照]。

縦形磁石の場合は,領域は円すいを

アイソセンタ

で回転させ,底面を重ね合わせて規定する[

201.105

b) 

参照]。

注記

3

詳細な説明は,

附属書

AA

を参照。

結果報告書:結果報告書には次の項目を記載する。

B

1

2

(z)

値の測定又は計算する点の軸方向の座標,すなわち,

MR

作業従事者

が接近する又は関係する位

アイソセンタ

での

B

1

2

(0)

に関連する測定点での

B

1

2

(z)


39

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

a)

  円筒形磁石

b)

  縦形磁石

  a

磁石

  b

アイソセンタ

  c

患者

体軸

z

i

アイソセンタ

からの点

e

i

の距離

B

1

(

z

i

)

値は,測定又は計算によって決められなければならない。

B

1

2

(

z

i

)

値と

B

1

2

(0)

値との比は,

e

i

ごとに計算しなければならない。点

e

i

にて計算した値は,対応する領域

f

i

に対応させなけ

ればならない。点

e

i

での値は,常に領域

f

i

内の最大の値を示す。

201.105

B

1

漏えい磁場の決定を行う容積


40

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

*

201.12.4.106 MR

装置の物理的出力の固定制限

201.12.4.106.1 

一般

MR

条件付適合と表示されたデバイスをもつ

患者

の撮像は,システムの能力以下に

MR

装置

の出力を制

御する必要がある場合がある。このために,

MR

装置

製造業者

は,

固定パラメータオプション

FPO

を実装してもよい。もし,実装する場合は,

FPO

201.12.4.106

の全ての要求に適合するように設計しな

ければならない。

FPO

は評価の適切な適用及び操作モード(

201.12.4.101

参照)の報告を妨げてはならな

い。

FPO

を実行するシステムは,制御された出力が既定の値を超えないことを保証する。

FPO

としてラベリ

ングされる

MR

条件付適合体内植込物の安全性は,

FPO

を動作させたシステムで評価することはできない。

201.12.4.106.2 

上限値

MR

装置

FPO

で動作するとき,以下の上限値が

RF

磁場及び傾斜出力に適用されなければならない。

201.107

に記載された値の一式を

FPO:B

と呼ぶ。

注記

1

  B

とは“ベーシック”のことである。これは

201.107

で定義したもの以外の制限値の

FPO

後で追加する可能性を示している。

201.107

円筒型

MR

システムに適用可能な

FPO

上限値

物理パラメータ

FPO:B 

公称

の静磁場強度

 1.5

T

適用可能なコイル

バードケージ型全身

RF

送信コイル

バードケージ型頭部

RF

送信コイル

円偏波

RF

が適用される。

B

1

PEAK

<= 30

μ

T

B

1

RMS

<= 3.2

μ

T

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

<= 100 T/s

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

<= 56 T/s

注記

2

だ(楕)円形の開口をもつ円筒型

MR

システム

は,

FPO:B

の要求に適合することができる。

201.12.4.106.3 

ユーザインタフェース

MR

装置

には,

患者

登録のときに

FPO

を起動させるための手段が,

制御盤

に備えられていなければなら

ない。起動中,ユーザインタフェースには,

FPO

が有効であること,又は

FPO

バージョン(

FPO:B

を示さなければならない。

FPO:B

は,次の

患者

を登録するまで残りの検査にも有効なままになる。

*

201.12.4.106.4 B

1

PEAK

の実装及び適合性証明

MR

装置

は,調整シーケンス(プリキャン)を含め全てのシーケンスの各

RF

パルスに対し,

201.107

に規定された値を超えないように

B

1

PEAK

の値を制御しなければならない。

(試験)適合性は,シーケンス事前計算ソフトシーケンスにおいて適用された上限値の設計審査,又は

FPO

制限の下で生じたシーケンスにおける,全ての

RF

パルスのための事前計算した

B

1

PEAK

値の評価に

よって証明される。適合性は

FPO

を有効にして使用することを意図した全ての調整シーケンスに対し評価

されなければならない。さらに,実際の

B

1

PEAK

201.107

に規定された

B

1

PEAK

値を決して超えないこ

とを確実にするため,実行中のハードウェア及び/又はソフトウェアによるチェックを

MR

装置

において

使用してもよい。

B

1

PEAK

を制御する方法は,論理根拠的に記載される。

注記

特に中心を外れた位置での,全体の

B1

ベクトルの空間的に局所的な振幅は,最大

1

B

1

PEAK


41

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

公称値

を上回る場合がある。

201.12.4.106.5 B

1

RMS

の実装及び適合性証明

MR

装置

は,

201.107

に規定された値を超えないように,調整シーケンス(

  プリスキャン)を含

む全てのシーケンスの

B

1

RMS

値を制御しなければならない。

(試験)適合性は設計検証によって証明されなければならない。

注記

特に中心を外れた位置での,全体の

B

1

RMS

ベクトルの空間的に局所的な振幅は,最大

1

B

 RMS

公称値

を上回る場合がある。

201.12.4.106.6

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

の実装及び適合性証明

MR

装置

は,

201.107

に規定した値を超えないように,調整シーケンスを含む全てのシーケンスで傾

斜磁場が変化するときは常に

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

の値を制御しなければならない。

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

値は,

患者

が接触可能な容積表面から

5 cm

離れた表面で制御されなければならない。

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

値は,シーケンスごとに計算されなければならない。

(試験)適合性は,

患者

が接触可能な容積表面から

5 cm

離れた表面で,

201.12.4.105.2.2

で規定された計

算方法を適用することによって証明される。対称性に基づいて,適合の証明は傾斜磁場コイルの八分の一

象限での計算で十分である。代表的なシーケンスに対するソフトウェアバリデーションは,計算された値

201.107

で定義された値を超えないことを証明しなければならない。これは,幾つかの代表的な位置

で,ピックアップコイルを使ってできる一つの測定でよい。

201.12.4.106.7 (|dB/dt| 

RMS

)

FPO

の実装及び適合性証明

MR

装置

は,

201.107

に規定された値を超えないように,調整シーケンスを含む全てのシーケンスの

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

値を制御しなければならない。

製造業者

は,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

の制御を実装するため,

傾斜

磁場出力

の数値的評価に基づいた次の五つから段階的に一つを選択しなければならない。

a) 

201.107

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

及び

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

から最大許容

スルーパーセンテージ

を算出する。こ

こで,その関係式は次による。

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

 *

スルーパーセンテージ

MR

装置

は,シーケンスで実際の

スルーパーセンテージ

が,最大許容

スルーパーセンテージ

を超えな

いことを,傾斜磁場波形の評価によって確実にしなければならない。

b) 201.12.4.106.6

の方法を使用して傾斜磁場の変化ごとに

|dB/dt| 

PEAK

を算出し,そのシーケンスの全て

の傾斜磁場の変化の最大

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

を決定し,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

(|dB/dt| 

PEAK

)

FPO

 *

スルーパー

センテージ

を算出するためにその最大値を使用する。ここで,シーケンスの実際の

スルーパーセンテ

ージ

はシーケンス傾斜磁場波形の数値的評価を使用して得られる。

MR

装置

は,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

201.107

の値を超えないことを確実にしなければならない。

c) 201.12.4.106.6

の方法を使用し傾斜磁場の変化ごとに,

|dB/dt| 

PEAK

を算出する。

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

は,

シーケンスの継続時間にわたる個々の変化の

|dB/dt| 

PEAK

値全積分から得られる。

MR

装置

は,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

201.107

の値を超えないことを確実にしなければならない。

d)

傾斜磁場コイルの全ての八分の一象限で傾斜磁場の変化ごとに

|dB/dt| 

PEAK

を算出する。

|dB/dt| 

RMS

は,あらゆる傾斜磁場の変化の

|dB/dt| 

PEAK

のシーケンスの継続時間にわたった全積分によって,そ

れぞれの八分の一象限で評価されなければならない。

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

は個々の八分の一象限で算出さ

れる

|dB/dt| 

RMS

の最大である。

MR

装置

は,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

201.107

の値を超えないことを確実

にしなければならない。

e)

傾斜磁場コイルの全ての八分の一象限で,あらゆる傾斜磁場波形の制御ポイントの間で

|dB/dt| 

PEAK


42

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

を算出する。

|dB/dt| 

RMS

は,シーケンスの継続時間にわたった全積分によって,八分の一象限ごとに

評価されなければならない。

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

は個々の八分の一象限で算出される

|dB/dt| 

RMS

の最大値

である。

MR

装置

は,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

201.107

の値を超えないことを確実にしなければならない。

注記

各段は,進歩的に,より高い精度とシーケンス性能とを提供する。

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

評価の間隔は

6

分を超えてはならない。シーケンスが

6

分を超えるならば,最悪の

6

間の部分を報告する。シーケンスが

6

分未満ならば,

(|dB/dt| 

RMS

)

FPO

の評価間隔は,幾つかのシーケンス

にわたって平均することができる。ただし,

6

分は超えてはならない。

(試験)適合性は,代表的なシーケンスのシミュレーションによって証明される。

201.13 

危険状態及び故障状態

通則の箇条

13

を適用する。

201.14 

プログラマブル電気医用システム(

PEMS

通則の箇条

14

を適用する。

201.15 ME

機器の構造

次を除き,通則の箇条

15

を適用する。

追加

201.15.101 

冷媒(液体及び気体)

超電導磁石を備えた

MR

装置

については,冷媒の量を監視する手段を備えなければならない。

冷媒(液体及び気体)についての情報を取扱説明書に記載する要求事項については,

201.7.9.2.101 f) 

規定している。

201.16 ME

システム

次を除き,通則の箇条

16

を適用する。

201.16.8 ME

システムの部分への電源供給の中断

追加

201.16.8.101 

緊急減磁装置

超電導磁石又は常電導磁石で構成される

MR

装置

には,

緊急減磁装置

を備えなければならない。

注記

1

このような緊急事態とは,例えば,強磁性体が磁場に吸引されることによって,人が危険に

さらされるなどの場合である。

注記

2

緊急減磁装置

に関わる情報を取扱説明書に記載することについての要求事項は,

201.7.9.2.101 

m)

に規定している。

注記

3

緊 急 減 磁 時 の 磁 場 の 減 衰 特 性 に 関 わ る 情 報 を

附 属 文 書

に 記 載 す る こ と に つ い て は ,

201.7.9.3.101 d) 

に規定している。

201.16.8.102 

撮像の中断

傾斜磁場システム及び

RF

送信コイルの

電源

を遮断して,

操作者

が速やかに撮像を中止できる機能を備

えなければならない。


43

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

*

201.17 ME

機器及び

ME

システムの電磁両立性

通則の箇条

17

を適用する。

注記

この規格の箇条

202

には,電磁両立性についての追加要求事項を記載している。

*

202 

電磁両立性-要求事項及び試験

次を除き,

IEC 60601-1-2

:2014

を適用する。

202.2 

引用規格

改正

次の引用規格を削除する。

IEC 60601-1-11

:2010

IEC 60601-1-12

IEC 60601-2-2

:2009

IEC 60601-2-3

:2012

202.5 ME

機器及び

ME

システムの標識,表示及び文書

202.5.1 

シールドした特殊環境でだけ使用することを指定した

ME

機器及び

ME

システムの外側の表示

の追加要求

置換

MR

システム

の特殊環境は,入口ドア,

電源

及び制御ケーブルの貫通パネル,及びオプション窓を含め

てマグネットを設置している

RF

シールドを備えた部屋として定義される。この部屋のシールド効果は

属文書

に規定されていなければならない。

202.5.2 

附属文書

202.5.2.1 

取扱説明書

改正

この細分箇条は,取扱説明書ではなく

MR

システム

の技術解説に適用する。

202.5.2.1.1 

*

一般

改正

項目

c)

及び

f)

を削除。

202.5.2.2 

技術解説

202.5.2.2.2 

シールドされた特殊環境でだけ使用することを規定された

ME

機器及び

ME

システムに適用

される要求

改正

項目

d) 

を削除。

追加

aa)

MR

システム

予測耐用期間中の

RF

シールドルームの

RF

シールド効果と完全性との維持に役立つ推奨

される実施事項

注記

推奨される実施事項の例は次を含む。ただし,次に限らない。

 RF

入口ドアの定期的な清掃及び検査。もし,損傷がある場合,又はごみ若しくは汚れが

ドアの周辺に蓄積されている場合は,入口ドアの

RF

シールド性能は損なわれる。

 RF

シールドルームに入るいかなる未許可のケーブルも認めない。

 RF

シールドルームのいかなる未許可の改造も認めない。


44

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

202.7 ME

機器及び

ME

システムの電磁エミッションの要求事項

追加

202.7.101 MR

装置の電磁エミッション

特殊環境外の

MR

装置

は,

IEC 60601-1-2

:2014

の箇条

7

に適合しなければならない。

特殊環境内では

IEC 60601-1-2

:2014

の箇条

7

は適用しない。

201.7.9.2.101 e)

に記載されている要求は適

用される。

202.8 MR

装置の電磁イミュニティの要求事項

追加

202.8.101 MR

装置の電磁イミュニティ

特殊環境外での

MR

装置

は,

IEC 60601-1-2

:2014

の箇条

8

に適合しなければならない。

特殊環境の

MR

装置

の全ての

操作者

及び

患者

が接触可能な部分は,

IEC 60601-1-2

:2014

8.1

ESD

求事項に適合しなければならない。

製造業者

リスクマネジメント

プロセスは,特殊環境内で使用される

MR

装置

の構成要素が,

基礎安全

及び

基本性能

を維持するために箇条

8

の要求事項に適合するべきかどうかを決定しなければならない。

注記

特殊環境内のイミュニティ要求事項を選択する場合,

製造業者

は,

基礎安全

及び

基本性能

を確

実にする対策を妨げる可能性のある,電磁的な事象に関係する障害を考慮する。


45

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

附属書

附属書については,次を除き,通則を適用する。


46

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

附属書

D

(参考)

表示における図記号

次を除き,通則の

附属書

D

を適用する。

追加

MR

システム

及び

MR

装置

に,又は

MR

システム

及び

MR

装置

とともに表示するために使用してもよい。

追加の安全標識及び図記号を,

201.D.101

201.D.102

及び

201.D.103

に示す。

201.D.101

MR

安全標識

No.

安全標識

参照

タイトル

1

ISO 7010-W005 

警告,非電離放射線

2

ISO 7010-W006 

警告,強磁場

3

ISO 7010-P007 

能動的植込心臓デバイス装着者の立入禁止

4

ISO 7010-P014 

金属製体内植込物保有者の立入禁止


47

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.D.101

MR

安全標識(続き)

No.

安全標識

参照

タイトル

5

ISO 7010-P008 

金属物品・時計の持込禁止

6

ISO 7010-M003 

聴覚保護具の着用

7

ISO 7010-M004 

眼の保護具の着用

8

ISO 7010-M009 

防護手袋の着用


48

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.D.102

で示す図記号は,コイルの型式識別のために

RF

コイルに使用してもよい。

201.D.102

RF

コイル図記号

No.

安全標識

安全標識(代替)

参考

タイトル

1

IEC 60417-6191

(2013-05)

送信専用

RF

コイル

注記

矢が赤でもよい。赤で書か
れた文字記号

T

を図記号に

隣接して加えてもよい。

2

IEC 60417-6192

(2013-05)

送受信

RF

コイル

注記

中 心 に 向 け られ た 矢 先 が
赤でもよく,外向きの矢先
は青でもよい。赤及び青の
文字シンボル

T/R

は,それ

ぞ れ 図 記 号 に隣 接 し て 加
えてもよい。

3

IEC 60417-6193

(2013-05)

受信専用

RF

コイル

注記

矢は青でもよい。青で書か
れた文字記号

R

を図記号に

隣接して加えてもよい。


49

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

201.D.103

で示される図記号は,

立入制限区域

内で使われる可能性のある物品に使用してもよい。

立入制限区域

内で使用が可能な物品のラベリング要求事項に関する付加的な情報は,

IEC 62570

:2014

[144]

に記載してある。

201.D.103

MR

条件付適合図記号

No.

安全標識

参考

タイトル

1

又は

IEC 62570

:2014

MR

適合

2

IEC 62570

:2014

MR

条件付適合

注記

MR

条件付適合品は,

IEC 62570

:2014

で定

義したような付加的な補足の記号が,使用
条件を明示するために必要である。

3

IEC 62570

:2014

MR

非適合

注記

色再現がうまくいかないときは,この表中の図記号は白黒で印刷してもよい。色によって更なる視認性
及び情報がもたらされるため,色を付けた記号を使用することが望ましい。


50

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

附属書

AA

(参考)

理論的根拠

AA.1 

特定の箇条及び細分箇条についての理論的根拠

この附属書は,この規格の特定の箇条及び細分箇条に対する理論的根拠を記載する。箇条及び細分箇条

の番号は本文のものである。

注記

この附属書において,“規格第

2

版”又は“規格第

3

版”と記載しているときには,それぞれこ

の規格に対応する国際規格

IEC 60601-2-33

の第

2

版(

IEC 60601-2-33

:2002

)又は第

3

版(

IEC 

60601-2-33

:2010

)を表す。

序文について

この規格の第

3

版制定前の数年の間に,

MR

装置

の一般的な安全について一連の出版が行われている。

一般的な指針については,文献

[150]

[151]

[152]

及び

[153]

を参照。

MR

装置

内部及びその周辺の独自の

電磁場については,

IEEE

及び

ICNIRP

が,管理環境での作業者に対する静的及び時間変化する電磁場に

よる被ばく限度を定めている。規格第

2

版発行後まもなく,

ICNIRP

は,

MR

検査

患者

に特定したステ

ートメントを発行した(文献

132

参照)

注記

IEEE

: Institute of Electrical and Electronics Engineers

ICNIRP

: International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection

(国際非電離放射線防護委

員会)

IEC 60601-2-33

規格第

2

版追補

2

IEC 60601-2-33 Amd.2 Ed.2.0

。以下,追補

2

という。

)で導入された

新たな重要な点は,

MR

作業従事者

の雇用者は,

MR

作業従事者

に対する規則を定め,要求項目を策定す

ることを推奨するということである。

なぜならば,

MR

システム

によって発生する

EMF

が作業者に被ばくを与え,そのことが法律で規制され

ている又は規制される方向である。追補

2

において,

患者

に許容されるものと同等の,

MR

作業従事者

被ばく上限が導入された。

患者

及び

MR

作業従事者

に許容される全ての被ばくレベルにおいて,健康への

悪影響を防止できる。

患者

の体位に比べて作業者の体の向きは異なるので,作業者への被ばくは物理的に

違ってくるが,同じ被ばく上限を適用した。この規格第

3

版において

患者

への被ばく上限を変更している

が,それはこの文言を無効にはしない。したがって規格第

3

版での

MR

作業従事者

への被ばく上限は

患者

に許容されるものに等しい。追補

2

で制定されたこの選択の根拠は,今なお妥当で,規格第

3

版の

201.7.9.2.101 h) 

及び

201.7.9.2.101 k) 

の理論的根拠にもみることができる。

201.3.201 B

1

RMS

RF

パワーについて,

SAR

値を補足する量として

B

1

RMS

制御盤

上に表示する。

B

1

RMS

は,例えば,

体内植込物

製造業者

による標示において,体内植込物を装着している

患者

への許容される

RF

出力を管理

するために使用される。

制御盤

上に表示される

B

1

RMS

は,パルスシーケンスにおける任意の

10

秒間平均の最大値であり,

RF

送信コイルの中央での予測である。

B

1

値の計算値は,回転座標系での

2

成分を基に求める(文献

155

)。

2

1

2

1

1

|

)

(

|

|

)

(

|

)

(

t

B

t

B

t

B

+

+

=

ここに,

B

1

: 回転座標系で磁化を傾けるのに有効な

RF

場の成分


51

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

B

1

: 磁化の回転と反対方向の成分

注記

純粋な円偏光では,

|

B

1

(

t

)|

0

で,直線偏光では

 |

B

1

(

t

)|

|

B

1

(

t

)|

パルス幅

τ

の正方向への回転系で振幅

 |

B

1

|

の方形波パルスの場合,フリップ角

θ

は,次の式で求める。

τ

γ

θ

|

|

1

B

=

ここに,

γ

: 磁気回転比

201.3.207 

周囲温度

この規格では,周囲温度は次のように計算する。撮影室の温度を

Tr

(℃)とし,架台の

患者

ボアの壁温

度を

Tb

(℃)とし,磁石長を

L

とする。代表的な

患者

の身長を

1.76 m

とし,対流係数

hc

9.5 W/(m

2

)

放射係数

hr

8.0 W/(m

2

)

とする。周囲温度

Te

を,次によって求める。

患者

の体表温度を

Ts

(℃)

,体表面積

A

とし,室温の大気に対流によって散逸する

患者

の熱エネルギー

は,

(

)

Ts

Tr

hc

A

C

=

注記

負号は,

患者

から熱エネルギーが散逸することを表している。より控えめな仮定は,

患者

の熱

エネルギーは,

患者

の全体表面からボアの壁に向かって放射によって散逸するということであ

る。

(

)

Ts

Tb

hr

A

R

=

全熱損出は,均一な周囲温度

Te

への損失と等価である。

(

)(

)

(

)

(

)

Ts

Tb

hr

A

Ts

Tr

hc

A

C

R

Ts

Te

hr

hc

A

+

=

+

=

+

この式から

Te

は,次の式で求める。

(

)

hr

hc

Tb

hr

Tr

hc

Te

+

+

=

201.3.213 

インターベンショナル

MR

検査

細胞吸引,コアバイオプシ,ブレストバイオプシ,ワイヤ留置術,頭部淡そう(蒼)球への深部

EEG

電極配置,化学焼しゃく(灼),凍結療法,及びレーザ,集束超音波,高周波による加熱焼

しゃく(灼)

。開頭して頭部腫瘍を切除するときのガイドとして,手術室における使用。内視鏡と

組み合わせて外部及び内部からの位置決め及び可視化に使用。

装置の

  開放形形状の磁石,高速画像シーケンス(フロロスコピ)及び撮影室内

制御盤

特別なシーケンスの

  温度計測及びキーホールイメージング。

非侵襲な可視化及び位置決めのために

MR

装置

を用いる。非線形傾斜磁場及び磁化率アーチファクトに

よる幾何学ひずみ(歪)が問題となる。

MR

作業従事者

及び

患者

への安全との関連:開放形形状であるために全ての高い磁場へ接近が可能とな

る(静磁場,時間変動する磁場及び

RF

)。

機器の適合性:実用的なインターベンショナル

MRI

への最初のステップは,臨床用

MR

装置

の分野で,

満足ができ,かつ,安全に機能することができる機器の開発である。手術用器具及び監視用機器について

は,磁場による吸引力に起因する事故の可能性がある。磁化率の違いによって画像アーチファクトが発生

する場合がある。アーチファクトは,パルスシーケンスにも依存する(グラディエントエコー法の場合は,

発生しやすい。)。磁場強度が高くなるとアーチファクトは増加する。補助装置には,麻酔モニタ,レーザ,

RF

発生器及びトラッキングシステムを含む。傾斜磁場は,電圧及び電流を誘起し,アーチファクトを引き

起こす可能性がある。したがって,

MR

装置

とインターベンション装置の回路系との干渉を避けるため,


52

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

ケーブルでループを作ることは避けることが望ましい。

インターベンションの目的で開発された針,カテーテル及びその他の器具(高ニッケルのステンレス鋼

及び他の材質で構成されている。)は,静磁場による回転力が少なく,磁化率アーチファクトも少ない。

MR

システム

におけるインターベンション手技が増加しているので,通常の

X

線システムの場合と同様

に,

MR

ユニットにおいて保護接地インピーダンス及び接触電圧の測定を行う(文献

146

)。

撮影室内の強い磁場によって手順の幾つかの違いはあるが,一般的な原理は同じである。

接触電圧は,撮影室外に置いた汎用の自動レンジタイプのデジタルマルチメータ及び必要な長さのケー

ブルがついた計測端子を使用して計測する。端子の一方は,接地点につけ,他の一方は,先端がとが(尖)

った形状で,撮影室内にある接触可能な全ての点での接触電圧を計測する。端子には,大きな量の磁性材

料が使われていないことを,試験用磁石を用いて確認する。

測定は,接地点及び撮影室の全ての主要なソケットとの接地端子間についても行う。撮影室の外のソケ

ットを使い,撮影室内で使用される機器がある場合,それらは撮影室内のソケットと同じ位相でなければ

ならないため,それらのソケットの接地部の接触電圧も計測する。接触電圧は

10 mV AC

又は

10 mV DC

以下である。電圧が

10 mV

を超える場合は,

IEC

フィルタを使用して再測定を行う。それでも接触電圧が

10 mV

を超える場合は,

電源

を詳細に調べる。顕著な接触電圧がないことが確認できたら,保護接地イン

ピーダンスを測定する。磁場から十分安全な距離を保って測定するために,電池駆動の四線式ミリオーム

メータを使用する。計器は

10 m

以上の分解能をもち,

100 mA

以上の電流で測定ができるものとする。

接地点と装置の全ての接触可能表面との抵抗は,

100 m

以下である。接地点と全ての主要ソケットの

接地端子との抵抗も,

100 m

以下である。

いかなる携帯装置も,都合のよい位置の室内のソケットに直接接続することが望ましい。撮影室では,

外部からの延長ケーブルは,使用しない方がよい。

201.3.217 

磁気共鳴(

MR

磁気共鳴

の現象は,放射する電磁波の周波数が原子核又は電子の磁気モーメントのラーモア歳差運動周

波数に等しいときに起こる。

201.3.221 MR

作業従事者

MR

作業従事者

という概念は,

MR

システム

から放射される

EMF

(電磁場)の照射レベルに関係してい

る。このレベルは,幾つかの国で法規制されている一般の労働者に許容されているものよりも高い場合が

あるが,この規格では

MR

作業従事者

に必要な特別な

EMF

照射レベルを設定する。この規格の

EMF

照射

レベルは,撮影中に

MR

作業従事者

立入制限区域

に立ち入ることを制限しない。

MR

作業従事者

への照

射レベル及びそれによる

リスク

は,この

附属書

の他の部分で議論する。

MR

作業従事者

という言葉は,

MR

システム

の据付,稼動,若しくはサービスを受ける医学的な場所,

又はシステムを開発し製造される場所のいずれかの

立入制限区域

又は同等の場所の

MR

装置

の近くで働く

全ての人を含む。そのような

MR

作業従事者

とは,

MR

システム

を保守する人,

操作者

,及び医学スタッ

フ,並びに

MR

製造業者

,開発者,製造技術者,据付及びサービス技術者という技術関係者を含むが,そ

れに限定しない。

MR

作業従事者

の両グループとも,

患者

への医学的利益を維持するという点で共に必須

な存在である。

MR

作業従事者

とは別に

MR

システム

からの

EMF

被ばくを受ける更に二つのグループがある。それは

MR

ボランティア及び

MR

患者

の介護人である。

MR

ボランティアは,各国の規制に従う倫理委員会の承認を得た研究用

MR

検査

に自由意志で同意した

個人であり,倫理委員会が承認した上限値を適用する対象者である。したがって,

MR

ボランティアは,


53

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

この規格で定義する

MR

作業従事者

とはみなさない。

MR

患者

の介護人は,検査中に

患者

をサポートする個人で,

患者

と同じような被ばくレベルになる可能

性がある。

MR

患者

の介護人は,

患者

と同様に情報を与えられ,かつ,選別される。

MR

患者

の介護人は,

MR

作業従事者

のように雇用されてはいない。したがって,この規格で定義する

MR

作業従事者

とはみな

さない。

MR

作業従事者

がたまたま

MR

患者

の介護人となる場合は,

MR

作業従事者

とみなす。

201.3.223 

医療管理

医療管理

では,検査担当医師が個々の検査について

リスク

対効用がプラスであるという評価をするか,

又はその担当医師の代理者(

操作者

)が,検査担当医師によってあらかじめ作られている検査パラメータ

及び

患者

の健康状態に関わる客観的基準を,その

患者

が満たしているという判定をすることが求められる。

また,

医療管理

では,

患者

の様々な生理的状態を測定又は評価するための装置を使用して,

患者

の生理的

モニタリングを行う必要性が生じる可能性がある[例えば,心拍数,心電図,血圧,及びパルス酸素測定,

201.7.9.2.101 b)

の注意を参照]。

201.3.233 

比吸収率(

SAR

SAR

は,周波数(ほぼ周波数の二乗で増大),高周波パルスの種類及びその数,パルスの持続時間及び

繰返し回数並びに送信に使用するコイルの種類の関数である。この重要な生物学的因子は,組織の伝導度,

組織の比重,検査する解剖学的領域,組織の種類[例えば,かん(潅)流の程度]及び

患者

の体重である。

201.3.246 (|dB/dt| 

peak)

FPO

傾斜磁場のスイッチングによる

磁場の時間変化率

 |dB/dt|

の大きさは,傾斜磁場コイルの内側の場所の関

数として著しく変化する。傾斜磁場のスイッチングに敏感な

MR

条件付適合装置を保護するために,

傾斜

磁場出力

,特に

 |

dB/dt

|

は,

MR

システム

のボア内の十分に広い容積において評価されなければならない。

装置の相互作用のための

傾斜磁場出力

の評価(

FPO

)に必要とされる容積は,通常,生理学的な影響(

PNS

出力

)の評価に適した

適合性容積

の範囲よりも大きい。

201.12.4.106.6

参照。

|

dB/dt

|

は全ての

傾斜磁場ユニット

の全てのベクトル成分を含む。ピーク値は

FPO

201.12.4.106.6

参照)

で定義される位置において,

MR

検査

のあらゆる部分の,あらゆる傾斜磁場の変化の評価によって導出さ

れる。このピーク値は,特に,

EMC

問題及び振動から機器を保護することに関連している。

201.3.247 (|dB/dt| 

rms)

FPO

傾斜磁場スイッチングによる損傷から

MR

条件付適合装置を保護するためには,熱の問題に対して,

2

乗平均平方根の制限も必要である。それは次の式によって定義される。

( )

x

0

2

x

|

|

)

|

(|

t

d

RMS

dt

dB

t

FPO

dt

FPO

dB

=

τ

ここに,

t

: 時間

t

x

: 積分時間

(|dB/dt| RMS)

FPO

の評価及び,この式についての多段アプローチは

201.12.4.106.7

で定義される。

201.3.250 

空間磁場勾配(

SFG

磁石の主磁場の空間勾配(

SFG

)は次の式によって与えられる。

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

+

+

+

+

+

+

+

+

=

=

z

y

x

z

y

x

z

y

x

B

B

B

z

B

B

B

y

B

B

B

x

B

SFG


54

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

次の導出は,この量が強磁性の物体又は体内植込物(トルクは無視)に働く力を説明していることを示

す。

MRI

磁石の磁場中に置かれた磁化可能な物体は,正味の力を受ける。容積

V

の物体に働く正味の力の

合計は一般的に次の方程式で表される。

(

)





+

+

=

=

V

z

z

y

y

x

x

V

dV

B

M

B

M

B

M

dV

B

M

F

)

(

ここで

F

は物体への正味の力のベクトル,

V

は物体の容積,

M

は磁化ベクトル,

B

は磁石の磁場である。

この方程式から,力は

B

の大きさ(均一磁場では正味の力はゼロ)ではなく直接

B

の勾配に依存すること

が分かる。しかし,物体が磁石内で磁化されるように磁化

M

は磁場

B

に依存するため,間接的に

B

の大

きさも式に入る。

M

及び

B

は両方とも

V

の位置に依存するベクトルであることに注意しておく必要があ

る。さらに,一般に

M

B

とは方向が異なっている。

M

は直接

B

によって生じるが,それらの間に直接

的な関係はない。なぜならば物体の材料及び形もまた影響を及ぼすからである。

M

B

との解析的な関係

は,線形に磁化された球又はとても細い棒のように,ほんの特別な場合だけ存在する。要するに,

SFG

式の評価は一般的には難しく,特殊なソフトウェアを用いた数値計算を必要とする。

正確な力の計算は難しいが,最悪の場合の力の見積りは容易である。最初の概算は,点源として扱われ

るように,物体の大きさを小さいと仮定することである。特に,物体の寸法が実質的に

B

の勾配が変化す

る距離よりも小さくなければならない。その場合,物体が局在化する点における“その勾配”について語

ることができる。言い換えれば,上の式に記載されている磁場勾配は

V

にわたって一定と考えることがで

き,そのため積分の外に出すことができる。また,最終的に物体のいわゆる“磁気モーメント”

m

になる

ところの容積にわたる総和として

M

を評価することができる。

m

は限りなく小さい磁石と等価な点磁気ダ

イポールといえ,結局実際の磁化された物体と同じ磁場を発生する。そのときの力は次の式で与えられる。

z

z

y

y

x

x

z

y

x

B

m

B

m

B

m

B

z

m

y

m

x

m

B

m

F

+

+

=

+

+

=

=

)

(

又は

m

及び

B

の成分で記載される。ここで,電流のない容積内では

B

0

ということを用いる。つま

Bx/

y

By/

x

By/

z

Bz/

y

,及び

Bz/

x

Bx/

z





+

+





=





+

+





=





z

B

y

B

x

B

m

z

B

y

B

x

B

m

z

B

y

B

x

B

m

z

B

z

B

z

B

m

y

B

y

B

y

B

m

x

B

x

B

x

B

m

F

F

F

z

z

z

z

y

y

y

y

x

x

x

x

z

y

x

z

z

y

x

y

z

y

x

x

z

y

x

以上によって,力は全部で

9

個の

B

の空間微分及び

m

の大きさに依存するだけでなく,

m

の方向にも依

存することが分かる。

さらに計算を単純化するためには,

m

B

と同じ方向であると仮定する。これは

m

B

から発生する,

つまり

B

m

の方向性を課すので,導出を正当化するには重要な仮定である。まず第一に,非常に強い

MRI

磁石の磁場中に置かれた軽く磁化した物体に対して,

m

及び

B

は実際には同じ方向性をもっていると

予測される。次に,その物体には

m

B

に同調するのと同じように回転する傾向がある。

以上によって,

B

B

B

B

B

B

B

m

B

B

B

m

F

z

z

y

y

x

x

+

+

=

)

(


55

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

又は

B

B

B

B

B

B

B

m

F

z

z

y

y

x

x

+

+

この式で表される値は

T/m

の次元をもつ。よってこれは実際的には,単位磁気モーメント当たりに働く

力の大きさを表す

空間磁場勾配

である。

飽和した物体に対しては

 |m|

は一定である。そのときの力は最後の式の右辺に比例する。よって右辺が

空間磁場勾配

を表す。最初及び最後の式は全く同一であることに注意する。

B

B

B

B

B

B

B

B

z

z

y

y

x

x

+

+

=

しかし,体内植込物が磁気的に飽和することはなさそうである。目安として,飽和した鉄でできた物体

は約

0.05 T/m

の低空間勾配において既に

1 G

の力を受けている。よって,このような材料でできた体内植

込物は,数

T/m

MRI

磁石における

1 G

テスト(

ASTM F2052

)で常に不適合となることになる。

もし体内植込物が非磁性材料(又はより正確にいえば,低磁化率の材料)でできていれば,磁気モーメ

ント

 |m|

 |B|

に比例する。その場合,力は

 |B|

と空間勾配との積に比例する。

z

z

y

y

x

x

B

B

B

B

B

B

B

B

+

+

=

この結果を導出する別の方法については,

[226]

を参照。

201.7.9.2.101 MR

装置の取扱説明書

この規格に適合した

MR

装置

の取扱説明書は,

責任部門

又は

操作者

に必要な情報を提供する上で重要な

役割を果たす。

患者

の安全性に関して,これらの文書には,

患者

の事前チェック・プログラムの内容,管理操作モード

MR

装置

を使用するときの

患者

医療管理

,及び緊急の場合の手順について明確な情報を含めることが

望ましい。

職員の安全性に関して,これらの文書には,電子機器及び/又は金属物の

立入制限区域

内における取扱

い方法及び超電導磁石を使用している場合の冷媒の使用方法についての詳細な情報を含めることが望まし

い。

201.7.9.2.101 a) 

患者及び

MR

作業従事者への事前チェック

MR

検査

を受診すること及び

MR

装置

近傍に近寄ることは,金属製体内植込物又は電気的,磁気的若し

くは機械的に作動する体内植込物(例えば,心臓ペースメーカ)を使用している

患者

又は

MR

作業従事者

に対しては,重大な

リスク

があるため,

患者

又は

MR

作業従事者

への事前チェックは重要である(文献

1

2

)。その

リスク

は,

MR

装置

が発生する磁場及び電磁場が金属製体内植込物を強く引き付けること及び/

又は回転力を与えること,並びにこれらの装置の作動を妨害することに関係する。

このことは,電気的,磁気的又は機械的に作動する外部の生命維持装置に依存している

患者

及び

MR

業従事者

についても当てはまる。

頭蓋内動脈りゅう(瘤)クリップを使用している

患者

の検査は,そのクリップが磁気的に影響を受けな

いことを医師が確認できる場合を除いて,禁忌とする。

MR

装置

での検査は,

患者

の事前チェックの面から見ると,次の場合には特別な注意が必要である。

外科クリップ(止血クリップ)又は(磁場の影響を受けやすい)他の強磁性体を植え込んでいる

患者


56

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

強磁性体を偶発的に取り込んでしまう職業又は活動に従事している

患者

又は軍事活動によって金属断

片が植え込まれている可能性のある

患者

永久的な(入墨)アイライン又は顔に化粧をしている

患者

[眼けん(瞼)への強度の刺激が報告され

ている。]

体温調節機構が損なわれている

患者

(例えば,新生児,未熟児及び特定のがん

患者

金属製体内植込物による磁場のひずみによって,診断画像にアーチファクトを生じる可能性がある

人工心臓弁を移植している

患者

妊婦。はい(胚)又は胎児に対する

MR

検査

の安全性はまだ完全には確立されていない。医療従事者

は(別の方法を考慮した後に)検査の臨床的価値が

リスク

を上回るかどうかを決定することが望まし

い。

201.7.9.2.101 b) 

患者の医療管理

患者

医療管理

が必要になる場合があるという面から見ると,次の場合には

MR

検査

を実施するために

特別な注意が必要である。

心停止の可能性が通常よりも高い

患者

発作又は閉所恐怖反応を起こしやすい

患者

心不全の

患者

,発熱している

患者

,及び発汗能力が損なわれている

患者

意識のない

患者

,鎮静剤を大量に摂取している

患者

,錯乱している

患者

及び確実なコミュニケーショ

ンがとれない

患者

MR

装置

に備わっている音声通信チャンネルが使用できないと予想できる乳児及び幼児

周囲温度が

25

℃を超える室温での検査の実施

201.7.9.2.101 c) 

緊急医療処置

特定の

患者

の状態によって必要になる緊急処置について,安全性に注意を払うことが必要である。これ

責任部門

が責任を負う問題であるが,この件について,

製造業者

の次の助言が有効となることがある。

緊急の場合に

患者

を磁場の影響から速やかに解放するための手順(必要な場合には,緊急減磁を行う)

を確立することの勧告

緊急の補助を必要とする

患者

を,磁石の影響下から外に出して治療する(電子機器又は他の金属製の

緊急装置を安全,かつ,有効に使用することは,磁石付近では不可能である。)ための適切な計画を策

定することの勧告

予期しない体内植込物が見出された場合に,

患者

を磁石の影響下から解放するための手順を策定する

ことの勧告。この場合は,静磁場が急激に減衰するという点から

緊急減磁装置

の使用は妥当でなく,

患者

をゆっくり磁石から遠ざけるのが最も適切であろう。

患者

とのコミュニケーション又は麻酔下の

患者

のモニタリングは,

MR

検査

中,確実に行うことが望ま

しい。

患者

によっては閉所恐怖反応を起こす可能性があることを,

MR

検査

の実施前に検討することが望まし

い。

201.7.9.2.101 d) 

患者及び

MR

作業従事者への過度の騒音

聴力低下に関する保護の規格は,職業的に長期にわたって騒音にさらされることによって引き起こされ

る永久的な騒音性難聴の

リスク

に基づいている。広く受け入れられている限界値は,

24

時間当たり

80 dB

A

)である。この限界値は被ばく時間が

1/2

になれば

3 dB

緩和される[すなわち,

12

時間では

83 dB

A

),


57

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

6

時間では

86 dB

A

)など]。さらに,一部の国では,毎日さらされる騒音レベルが

85 dB

A

)を超える

場合は,適切な処置をとるのが望ましいと規定している(文献

3

4

)。これは,

MR

作業従事者

に適用す

る。

この規格は,

MR

装置

が,通則の

9.6.2.1

に規定する

80 dB

A

)の上限値に由来する

99 dB

A

)を超え

る騒音を生じる場合は,

患者

に対して聴力保護が必要であることを,取扱説明書に記載することを要求し

ている。騒音にさらされる時間が

1

時間だけなので,上限値を

14 dB

増加させ,更に毎日ではなく

1

度さ

らされるだけであることから,クライター(文献

5

)に従って,

5 dB

追加している。クライターは,職業

的にさらされる人の聴覚しきい値の永久的な変化は,その職業に従事している期間全体にわたる総騒音エ

ネルギーに比例するとみなすのが妥当であると述べている。合計で,次のレベルを超える場合には,

患者

に聴力保護が必要になる。

80 dB

A

)+

14 dB

5 dB

99 dB

A

現在の

MR

装置

は,

99 dB

A

)よりもはるかに高い騒音を

患者

に与え得るため,この要求事項は重要で

ある。マクジュリーら(文献

6

)は,最高

115 dB

A

)の騒音を報告している。

MR

装置

は,

1 kHz

を中心

として広帯域の騒音スペクトルを生成し得る(文献

7

。しかし,新しい

MR

装置

の強力な

傾斜磁場ユニッ

の設計では,中心周波数とともに騒音レベルも上昇することがある(文献

8

)(

201.9.6.2.1

も参照)。聴

力保護具(耳カフ又は耳栓)を正しく使用すると,通常,騒音は

2 kHz

において

25

30 dB

A

)減衰する。

聴力保護具を偶発的に正しく使用しなかった場合又は聴力保護具を使用しなかった場合でも,ほとんどの

患者

については短時間では安全性については問題とはならない(文献

9

)。

患者

が騒音にさらされる時間は,

一般に

1

時間よりはるかに短く,ほとんどのスキャンの一般的な騒音レベルは,

MR

装置

によって生じる

可能性のある最大値をはるかに(

5

10 dB

)下回る。しかし,これは非常に高い騒音レベルを生じる可能

性のある

MR

装置

には当てはまらないことがある。さらに,麻酔下の

患者

の場合は,特別な注意を払うこ

とが望ましい。この場合は,中耳にあぶみ骨筋に対する筋し(弛)緩剤の作用によって,耳の反射が消失

しているか又は意識のある

患者

よりも弱いことがある(文献

10

)。取扱説明書の中では,この場合は特に

聴力保護具を慎重に使用する必要があることを強調しなければならない。

201.7.9.2.101 e) 

立入制限区域

立入制限区域

の設置並びに警告標識及び標示を適切に使用することは,医療用体内植込物を使用してい

る者が高磁場にさらされるのを規制し,強磁性体を

立入制限区域

内に入れることを防ぐために,必要であ

る[

201.7.9.2.101 h) 

及び

201.7.9.3.101 b) 

の理論的根拠も参照]。

1)

強磁性体に対する吸引力及び回転力

注記

この箇条は,

立入制限区域

の内側についてのものである。

全ての磁石の周りには,漏えい磁場がある。安全性について主に配慮する点は,撮影室内へ強磁

性体を持ち込むことを防ぐために,管理上の区域及び物理的な障壁を設けることである。

さらに,

患者

の体内又は磁石の内側に偶発的に入って付着した小さな磁性体によって生じる磁場

のひずみは,画像にアーチファクトを引き起こすことがある。そのため,撮影室内には安全のため

常に許可がなければ立ち入れないようにすることが望ましい。

次に,強磁性体と磁場との相互作用によって生じる可能性のある様々な

危険状態

を記載する。

強磁性体の動脈りゅうクリップ又は強磁性体の断片が

患者

の体内で移動し,周囲の組織を損傷す

る。

固定されていない強磁性体が磁石に引き付けられ,

患者

に外部損傷を負わせる。


58

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

重量のある強磁性体が磁石表面に引き付けられ,人がその物体と磁石との間に挟まれる。

磁石が強磁性体に及ぼす吸引力及び/又は回転力は,磁場と物体に誘導された磁化との相互作用

によるものである。したがって,この力は,磁場空間内の磁場の強さ及び変化率,物体の材質固有

の磁気特性並びに物体の質量及び形状によって決まる。

同様に,磁石が物体に及ぼす回転力も,同じ要因によって決まる。さらに,回転力は,磁場が完

全に均一で吸引力がない場合でも発生することがある。物体は完全に磁束に沿っていない限り,常

に回転力を受けるが,吸引力は,不均一な磁場の存在下でだけ発生する。

物体に働く力は,その磁気的性質及び磁場の空間的変化率に依存するが,静磁場の測定の方が簡

単に実施できるため,必要な予防措置については,磁場の上限値によって表す方が実用的である。

通常,吸引力は漏えい磁場が

3 mT

以上の高い場合に作用する。

強磁性体への吸引力を制御するための代替的な方法については,

MR

の安全についての

ACR

ガイ

ドラインに記載されている(文献

142

)。

立入制限区域

についての漏えい磁場の上限値を決める方法

に替えて,

MR

施設を四つのゾーンに概念的に分割する。

ゾーン

I

は,一般の人が自由に立ち入れる全ての場所とする。

ゾーン

II

は,全く制限のないゾーン

I

と厳しい制限を課すゾーン

III

及びゾーン

IV

との中間領域

で,一般に

患者

は,ゾーン

II

にて検査を待つ。

ゾーン

III

は,教育を受けていない人が,自由に出入りすると重大な事故を起こす可能性がある領

域である。ゾーン

III

は,

MR

担当者によってきちんと管理し,例えば,施錠などによって一般の人

が自由に立ち入れないような物理的な入場制限を行う。

MR

に関係していない人は,彼らが

MR

当者になる適切な教育と訓練とを受けるまでは,ゾーン

III

には単独で立ち入れない。ゾーン

III

び漏えい磁場が

0.5 mT

を超える最小の領域では,境界線を引き,潜在的な危険があることを明確に

標示する。

ゾーン

IV

は,

MR

装置

の磁石が置かれている部屋である。このゾーンは定義によって常にゾーン

III

の内側に位置する。ゾーン

IV

は強力な磁場の存在によって潜在的な危険があるため境界線を引

き,明確な標示を行う。

MR

施設の設計及び施行についてのこれ以外の指導書もある。例えば,米国退役軍人局発行の

MRI

施設設計指針がある。

磁石は,一般に次のような種類に大別することができる。

超電導磁石

常電導磁石

永久磁石

自己遮蔽形磁石は,非自己遮蔽形磁石に比べて,漏えい磁場の分布が著しく異なる。空心ソレノ

イドを備える非自己遮蔽形の超電導磁石及び常電導磁石は,磁場強度が異なっている点を除き,同

じ漏えい磁場の分布を示す傾向がある。

様々な種類の磁石は,強磁性体への吸引力について,次のように分類することができる。

非自己遮蔽形磁石

この種類の磁石は,最も広範囲な漏えい磁場をもつため,危険領域も最も広くなる。しかし,

磁場の空間変化率が小さいため,生じる力は余り強くない。また,常電導磁石は超電導磁石に比

べて磁場が弱いため,危険領域もそれに比例して小さくなる。

自己遮蔽形磁石


59

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

漏えい磁場が限られているため,危険領域も限定される。しかし,この種類の磁石は磁場の空

間的傾斜が大きいため,同じ磁場の強さで生じる最大吸引力は,非自己遮蔽形よりも強い。

永久磁石

漏えい磁場領域が最も小さいため,危険領域も最も小さくなる。しかし,磁場の空間的傾斜が

大きいため,漏えい磁場の強度が低くても,強磁性体が引き付けられる危険がある。さらに,緊

急の場合,他の種類の磁石は減磁することができるが,永久磁石は実質的に消磁することができ

ない。

2)

他の装置に及ぼす静磁場の影響

警告標識の使用及び

立入制限区域

の限定設定は,医療用体内植込物のある人が磁場にさらされる

のを管理するために必要である。一般に,

0.5 mT

未満の領域は,例えば,心臓ペースメーカなどへ

の妨害源にはならないことが示されている(文献

11

。ヨーロッパ規格

EN 45502-2-1

(文献

12

)は,

1 mT

のしきい値を設定することによって,この事実を反映している。

立入制限区域

は,

患者

の治療を制御するためのリードスイッチ又はホール素子スイッチを使用し

ている体内植込物に対する妥当な安全性についての余裕をみて,

0.5 mT

に設定されている。通常の

スイッチは,

1 mT

又はそれ以上で動作するが,スイッチの許容誤差,製造ばらつき及びその他の要

因(例えば,素子の劣化,及び磁束密度の変化)を考慮して余裕をとっている。

病院に存在する数多くの電子装置(例えば,

X

線管,

CRT

,シンチレーションカメラ,及び

X

イメージインテンシファイア)は,

0.1

5 mT

以上の磁場によって影響を受けることがある。漏え

い磁場がこのような装置に影響を与えるような場所に

MR

装置

を設置する場合は,遮蔽手段が必要

になることがある。このような遮蔽手段を講じることによって,安全上の面からも立入りを制限す

るという問題を簡略化できる。例えば,テレビ,及びビデオ端末機器がこの点において特に重要で

あることは,これらの機器が医療設備にとってますます一般的なものになってきている現在におい

て,特に留意しなければならない。コンピュータの電子部品は,最も低いレベルの磁場では一般に

影響を受けない。クレジットカードの磁気情報は,比較的低い静磁場で消去されてしまう。しきい

値は,

20 mT

であるという報告がある。

光電子増倍管の出力は磁場の大きさ及び方向による影響を受けるため,光電子増倍管のゲインに

極めて敏感に作動する装置(例えば,シンチレーションカメラ,及び

X

CT

装置)は,最も低い

レベルの磁場によって影響を受ける範ちゅうに入れられる。装置全体又は個々の光電子増倍管を磁

気的に遮蔽することはできるが,口径の広いシンチレーションカメラは,多くの場合磁気遮蔽が困

難である。

脳波計及び心電計は,

MR

装置

の設置場所の付近で使用することがあるが,前者は時間変化する

磁場に対して極度に反応し,後者は比較的反応しない。しかし,脳波計又は心電計の

製造業者

が定

量的なデータを準備することが望まれる。

201.7.9.2.101 f) 

冷媒(液体又は気体)

1)

液体冷媒の取扱い:ヘリウム及び窒素

a)

冷媒の特性

健康に有害[

2)

も参照]

無臭

不燃性

無毒


60

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

ヘリウムガスは空気よりも軽い。

気化した場合,周囲に広がる低温霧を生じる。

窒素の霧は,急速に床に降下する。

室温(

20

℃)では,

1 L

の液体ヘリウムからは約

750 L

のヘリウムガスが発生し,

1 L

の液体

窒素からは約

700 L

の窒素ガスが発生する。

b)

冷媒に関連した危険

ヘリウム及び窒素を誤って取り扱うと,次の危険を生じることがある。

凍傷の危険

窒息の危険

酸素凝縮の危険

凍傷

液体窒素又は液体ヘリウムの取扱い時には,凍傷の危険があるため,いかなる場合も皮膚への

接触を防ぐことが望ましい。皮膚に飛まつ(沫)が付くと,やけどと同様の損傷を生じる。特に,

眼は傷つきやすい。

窒息の危険

ヘリウムガス又は窒素ガスが漏れることによって,酸素が置き換えられる。大気中の酸素濃度

17

18 %

未満になると,人の呼吸には十分といえなくなる。大気中の酸素濃度の限界値は,各

国の法律又は規制に適合することが望ましい。

注記

我が国では,労働安全衛生法・酸素欠乏症等防止規則によって

18 %

未満を酸素欠乏状態

と規定している。

ヘリウムガス又は窒素ガスが検査室内に漏れた場合は,速やかに退室し,酸素濃度が十分に高

くなったことを確認してから入ることが望ましい。

酸素の凝縮

窒素及びヘリウムの容器の表面温度は,非常に低くなることがあるため,酸素が凝縮し又は空

気中の酸素が濃縮されて,火災の

ハザード

が増大する。

グリース,油脂又は他の可燃性物質が容器の周辺に存在する場合,漏れた冷媒ガスは,空気の

液化及び酸素の濃縮によって可燃性液体を形成することがある。

c)

防護服

防護服の着用は,液体冷媒に関連する全ての作業時に不可欠である。

防護服としては,次のものから成る。

安全手袋

作業手袋

フェースシールド

実験用上着又はつなぎ(木綿又はリネン)

非磁性安全靴

2) 

クエンチ

クエンチ

は,液体ヘリウムに浸した磁石の線材が過度に熱せられることによって発生する(例えば,

真空の損失,機械的な動揺,又は過度の外力によって引き起こされる。)。

超電導磁石は,通常の作動時に

1

時間当たり数百

L

の冷媒ガスを排出することがある。

クエンチ

時には,大気圧下で約

10

4

10

6

 L

の気体が数分間の間で排出される場合がある。


61

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

通常,液体ヘリウムの量が超電導コイルの冷却に不十分となった場合に

クエンチ

が発生する。コ

イルの温度上昇によって,超電導線材が通常の伝導率となり,過度の蒸発(ボイルオフ)が起こる。

適切な換気手段を講じないと,

クエンチ

時の急激なボイルオフによって次の三つの影響が出る。

過度に冷却されたガスが磁石近くの水分子を凍結させ,白い濃霧を発生する。

室内の酸素がヘリウムによって置換され,呼吸不能とはならなくとも呼吸困難になる。

クエンチ

時に漏れた超低温のヘリウムガスが,接触したあらゆる物体を凍結させる。

3)

冷媒の充塡

一部の種類の

MR

装置

では,

クエンチ

を避けるための安全レベルよりも多い量のヘリウムを維持

するために,冷媒の定期的な再充塡が必要である。再充塡中は,冷媒ガスの過度の蒸発が発生して,

上記と同様の状況が起こることがある。液体ヘリウムの約

10

30 %

は,通常の方法で再充塡しても,

気体に気化する。

201.7.9.2.101 g) 

操作モード

201.12.4.103

の理論的根拠を参照。

201.7.9.2.101 h) 

患者及び

MR

作業従事者に対する静磁場による被ばく

MR

システム

の静磁場の最も高い値は,大部分はシステムの外装及びボアの内側に限定される。しかし,

空間的に減衰する磁場は

立入制限区域

内で発生している。市販の

MR

装置

で使用されている静磁場の範囲

0.02 T

7.0 T

である。実験用装置では

12 T

までの磁場強度で現在設計されている。

永久磁石と常電導磁石とが幾つかの

MR

装置

で使用されているが,大部分の市販の

MR

装置

は超電導磁

石を使用している。超電導磁石において,静磁場は典型的に体の長軸と平行である。幾つかの

MR

装置

垂直磁場磁石

が搭載され,静磁場は

患者

の長軸に垂直である。

患者

及び

MR

作業従事者

の静磁場へのばく露量を評価する際に,均一性及び空間的な磁場の変化の両方

の影響が考慮される。

静磁場の生物学的効果は,複雑で,分子及び細胞レベルから巨視的及び神経学的効果まで多様である。

考慮することが望ましい生物物理学的及び生化学的効果は,力とトルク(流れとモーションによる)誘導

電流及び潜在的に酵素反応の発生に影響を及ぼす分子量子力学の変化に関連する。潜在的相互作用及び効

果,並びにこれらの効果に関連した疫学的研究の科学的審査のために,文献

[82]

[174]

[179]

[180]

[181]

[143]

[191]

及び

[209]

を参照。

潜在的

リスク

は,ばく(曝)露に対する明白で一貫した関係を示す効果に関連があると考えられ,妥当

な身体的,生物学的機序に関連がある可能性がある。加えて,

リスク

コントロール手段を定める場合は,

反復可能な肯定的科学的証拠が必要である。要約すると,長期間磁場にさらされること又は用量関連効果

に関する決定的証拠は存在しない。しかし,広範囲にわたる

WHO

のレポート

[143]

は,“とはいえ,深刻

な情報不足は,静磁場ばく露の

リスク

を適切に特徴付けることは不可能であった,ということを意味した”

と結論付けている。

ヒトの磁場効果に関する科学的な証拠の意味するところは,職業被ばく(曝)のための

ICNIRP

ガイド

ライン

[162]

に著され,更に,

MR

検査

を受けている

患者

に関する具体的な説明

[170]

に記載されている。

8 T

までの

患者

のばく露は,めまいなどに関連する一時的な軽い影響が見られるだけの重大でない

リスク

だと

考えられている。これらの効果のいずれも,

医療管理

を必要としない。

MR

従事者への同様の影響に関す

る判断は,

2 T

から

8 T

までのばく露が管理労働環境及び

MR

従事者への指導の対象となるのに対し,

2 T

までの無条件のばく露を認めている(文献

210

)。

新生児や小さな子供の

4 T

以上のばく露は,規制当局との協議が必要な場合がある。


62

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

ICNIRP

によるレビュー以来,高い磁場(特に

7 T

)のばく露に関連する幾つかの新しい研究が発表され

た。

AA.1

は,

患者

及び

MR

従事者の磁場ばく露についてのガイダンスに関連している,という観点で

これらの出版物をまとめたものである。


AA.1

MRI

に関係する磁場被ばくに対する人,動物,モデル系における生理学的影響の概説。

報告された効果の内容に関しては最後の欄で評価されている。

生理学的影響

検討された磁場強度

影響なしと報告している

文献

統計的に有意な影響あ
りを報告している文献

影響の評価

めまい

(7 T magnet) 4.7 T in 1.9 s

同文献における短時間パ
ルス磁場変動

2 T/s

[148] (Glover 2007)

ボランティア数が限られており,反応は対象者の依存性が高い。
恐らく,

dB/dt

よりも全体的な

B

。に対する刺激しきい値の影響

を受けている。

[182]

[185]

を参照。

3 T

7 T; 1 T/s

2 T/s

3.5 T/s

[182] (Roberts 2011)

調査方法が明確。線形な動き。眼振は磁場強度や頭部の向きに
依存している。動きの速さではない。

7 T

[185] (Mian 2013)

眼振及び磁場ばく露に対するその動きの方向に関する広範な調
査方法。動きの速さ又は

dB/dt

はそのメカニズムとして考慮して

いない。過渡的な影響は,知覚の神経適応の時間スケールが原
因。

0 T

1.5 T

3.0 T

7 T

[192] (Heinrich 2013)

線形な動きだけを使った調査方法。被検者は軽度のめまいを報
告している。

(1.5 T magnet)

[24] (Schenck 1992a)

前庭腺における流体工学及び電場の影響を示唆。文献

[182]

及び

[185]

も参照。

1.5 T

4 T

[67] (Schenck 1992b)

より高い磁場で影響が大きくなった。

患者

の視点からは“軽度”

と“問題なし”とに分類された。

1 T

1.5 T

[197] (De Vocht 2006b)

全ての影響は過渡的,かつ,急性であり,速い動きに対してよ
り大きい影響が出ると報告。

7 T

[223] (Thormann 2013)

ジフェンヒドラミンは少量でもめまい体験を減らし,改善され
た活動状態をサポートするために,予防的に使用できる場合が
ある。

ふらつき

1 T

2

/m (7 T magnet)

[148] (Glover 2007)

両方の場合でふらつきが増加した。磁場特性は

3 T

システムの

近くと同等である。

(7 T magnet) 0T

0.24T

0.37 T; 0.5 T/s & 0.7

T/s

[203] (Van Nierop 2013)

本研究はボランティアの選定において重要なバイアスが入って
いる(若者,乗り物酔いの人を除外)。頭の動きを統一化した(非
線形)。

吐き気

1.5 T

4 T

[67] (Schenck 1992)

4 T

において報告では顕著な増加があった。

患者

の視点から,

1.5

T

では全く問題なく,

4 T

は許容範囲であることを確認。

 

63

Z 4

951

20
17
 (IEC

 6

0601

-2-3

3

2

010

Am

d

.1

20
13

Amd.

2

2

0

15)


AA.1

MRI

に関係する磁場被ばくに対する人,動物,モデル系における生理学的影響の概説。

報告された効果の内容に関しては最後の欄で評価されている。(続き)

生理学的影響

検討された磁場強度

影響なしと報告している

文献

統計的に有意な影響あ
りを報告している文献

影響の評価

頭痛

2 T

[60] Budinger (1984)

1 T

1.5 T

[197] De Vocht et al   
(2006b)

限られた報告。磁場依存性はない。

金属味

(7 T magnet) 1

4 T/s

[198] (Cavin 2007)

限られた数のボランティア。応答は被検者依存性あり。

味覚嫌悪

9.4 T

[175] (Nolte 1998)

味覚嫌悪をもつラット。磁場中にいることを避ける兆候。

4 T

7 T

19 T (and reversed)

[205] (Houpt 2005)

ラットは味覚嫌悪を示した。

14 T

以上。

認知機能/

課題遂行

0 T

1.5 T

3 T

7 T (<0.8 T/s)

[192] (Heinrich 2013)

バイアス:若い健康な被検者。線形な動きだけを使った調査方
法。

20

分休憩後認知テスト実施。急性の認知問題に関しては情

報が少ない。研究報告は動きのコントロールを向上させたとし
ている。

(7 T magnet) 0 T

0.5 T

1 T

[202] (Van Nierop 2012)

標準化された回転頭部運動。各実験の前に毎回繰り返される。
急性の影響に対するより直接的な評価。実験は,ボランティア
の選択において重要なバイアス(若く,乗り物酔いの被検者を
含む)をもっている。標準化された非線形の頭部の動き。

1.5 T

7 T

[189] (Schlamann 2010)

バイアス:右利きの男性。

MRI

プロトコル全体(撮像含む)の

前後にテスト。幾つかのテストは

MRI

後に課題遂行が向上した

ことを示した。

0 T/8 T

[168] (Chakeres 2003) 
[171] (Chakeres 2005)

良くコントロールされた試験。記憶機能に影響なし。

1.5 T

3 T

7 T

[168] (Heinrich 2011)

データのメタ分析。幾つかの報告された効果がグルーピングの
後重要でないとみなされた。しかし,潜在的機序(移動/回転)
に対する注意深い調査方法が不足している。小サンプル及びコ
ントロールが不十分な状態での課題であったことも,また,

No/Yes

の決定を難しくさせている。

0.7 T (in 1.5 T fringe field)

[174] (de Vocht 2003)

課題遂行の精度に影響を与えそうな手指協調運動や視覚コント
ラストに対する感度の影響。

0 T

1.5 T

3 T

7 T (<0.8 T/s) [192] (Heinrich 2013)

記憶の能力に統計的に有意差なし。

0 T

0.8 T

1.6 T (in 7 T

fringe field)

 [193]

(d Vocht

2005)

視覚追跡能力の減退は静磁場強度依存性を示した。

64

Z 4

951

20
17
 (IEC

 6

0601

-2-3

3

2

010

Am

d

.1

20
13

Amd.

2

2

0

15)


AA.1

MRI

に関係する磁場被ばくに対する人,動物,モデル系における生理学的影響の概説。

報告された効果の内容に関しては最後の欄で評価されている。(続き)

生理学的影響

検討された磁場強度

影響なしと報告している

文献

統計的に有意な影響あ
りを報告している文献

影響の評価

認知機能/

課題遂行

(続き)

0 T

0.6 T and 1.0 T (fringe

field for 1.5 T

3 T magnets)

 [194]

(d Vocht

2006)

磁場被ばくと神経行動学的影響の間の被ばく応答の関係を評価
するため,

20

人のボランティアに対して,彼らの頭を磁場なし

状態で動かした後,並びに

1.5 T

及び

3 T

MRI

磁石の不均一

な漏えい磁場下で動かしたときの一連の神経行動学的試験を行
った。

被ばく応答との関連が,視覚(-

2.1 %/100 mT

)及び聴覚(-

1.0 %/100 mT

) ワ ー キ ン グ メ モ リ , 視 覚 手 指 協 調 運 動 ( -

1.0 %/100 mT

)及び視覚追跡課題(-

3.1 %/100 mT

)に対して見

られた。視覚手指協調精度,スキャン速さ及び視覚コントラス
トの感度については磁場強度による明らかな影響はなかった。

0 T

0.8 T

1.6 T

(in 7 T fringe field)

 [196]

(d Vocht

2007)

良くコントロールされた実験。記憶機能に影響なし。手指協調
運動及び視覚コントラストへの感度が減退した。

0 T

0.8 T

1.6 T

(in 7 T fringe field)

 [197]

(d Vocht

2007)

以前の研究で蓄積したデータ。

事後分布は,視覚運動の精度ではなく速さが被ばくによって影
響を受けたことを示した(-

0.2 % to

0.7 % per 100 mT

)。強い

コントラストにおける視覚コントラストのしきい値も

EMF

射を増加させると増加した(-

1 %/100 mT

1 T

1.5 T

[195] (de Vocht 2006)

全ての影響は一時的で急性である。早く動く人に対してより大
きい効果が報告された。

0 T

3 T

[169] (Lepsien 2012)

磁場の

ON/OFF

で違いはなし。バイアス:若い健康な被検者。

良く設計された実験,多重タスク,横たわって安静にしてる被
検者。

0 T

1.5 T

4 T

[187] (Weiss 1992)

ラットが磁場内の迷路でテストされた。良くコントロールされ
た再現性のある迷路実験で

4 T

の回避方略をクリアした。

14 T

[204] (Lockwood 2003)

ラットが磁石内で回り始め,また,立上がり行動に影響が出た。
前庭腺効果によるもの。

4 T

7 T

19 T (and reversed)

[205] (Houpt 2005)

ラットが磁石内(>

7 T

)で回り始め,また,立上がり行動に影

響があった(>

7 T

)。前庭腺効果によるもの(方向依存性)。

 

65

Z 4

951

20
17
 (IEC

 6

0601

-2-3

3

2

010

Am

d

.1

20
13

Amd.

2

2

0

15)


AA.1

MRI

に関係する磁場被ばくに対する人,動物,モデル系における生理学的影響の概説。

報告された効果の内容に関しては最後の欄で評価されている。(続き)

生理学的影響

検討された磁場強度

影響なしと報告している

文献

統計的に有意な影響あ
りを報告している文献

影響の評価

心機能

2 T

[71] (Jehenson 1988)

ハートレートが

17 %

増加,磁場なしでは正常に戻った。

B0

度との関連を確認するのに役立つデータはほかになし。心機能
障害をもつ

患者

リスク

は考慮されていない。

発生上の影響

DNA

損傷

200 mT

[208] (Hung 2010)

線形動物モデル,より短いライフタイム,より早い成長。原始
的な動物及びモデル調査で微小核形成の増加を確認している。

B0

磁場に被ばくしたとき,経過年数の増加との関係は?

1.5 T

[172] (Simi 2008)

人での研究。限られたサンプル数。全身

MRI

被ばくに関係して,

DNA

修復率(微小核形成)が増加することを示した。これはモ

デル系において他のエビデンスと一致している。この影響は静
磁場よりも

RF

被ばくによるものかもしれない。

10 T

4.7 T

[209] (Miyakoshi 2006) 
and references cited 
therein

細胞効果のレビュー。細胞生化学上の生きた状態に対する影響
(つまり,

DNA

損傷,イオン輸送や遺伝子発現)がある可能性

を示す。

このレビューが書かれた当時のデータは,強磁場での被ばくに
関して方針を更新する必要性を裏付けるものとしては不十分と
考えられる。

7 T

[68] (Raylman 1996)

In  vitro

において人腫瘍細胞の増殖能の低下。しかし

DNA

鎖切

断又は細胞周期の変化はない。

4.7 T

[211] (Okazaki 2001)

マウス:分子的な影響が観測された。しかし胎児の発育に有害
なマクロな影響は観測されなかった。

5 T

9 T

[188] (Zhang 2003)

大腸菌の突然変異の研究:突然変異及び,スーパーオキサイド
ラジカルによる遺伝子発現が顕著に増加。

5 T

10 T

13 T

[212] (Yoshie 2012)

大腸菌の突然変異の研究:他のリポータ遺伝子(チミン)で報
告された変異原性や突然変異によるバクテリア株はなし。大腸
菌研究での問題は,静磁場の影響が評価されるリポータ遺伝子
に強く依存することである。

Zhang

研究でのようなエンドポイ

ント研究(耐性変異株)はより暗示的である。

66

Z 4

951

20
17
 (IEC

 6

0601

-2-3

3

2

010

Am

d

.1

20
13

Amd.

2

2

0

15)


AA.1

MRI

に関係する磁場被ばくに対する人,動物,モデル系における生理学的影響の概説。

報告された効果の内容に関しては最後の欄で評価されている。(続き)

生理学的影響

検討された磁場強度

影響なしと報告している

文献

統計的に有意な影響あ
りを報告している文献

影響の評価

発生上の影響

DNA

損傷

(続き)

0.5 T

1 T

2 T

5 T

[213] (Ikehata 2011)

バクテリア及びマウスの良くコントロールされたモデル研究。
培養したイースト菌では重大な突然変異はなかった。興味深い
ことに胆がん(癌)マウスの生存期間に影響があった。また,
研究では微小核形成の増加も確認している(特に共同突然変異
原の存在下で)。酸化的ストレスが磁場中で増加していることが
示唆されている。

6.34 T

[49] (Ueno 1990)

カエルの胎児の発育への影響はない。

1.5 T

[61] (Kanal 1991)

MR

技師において出生異常の増加はない。

1.5 T?

[64] (Kay 1988)

カエルの胎児に有害な影響はない。

生 物 物 理 的 信

0.25 T

[214] (Wang 2009); [215] 
(Wang 2010)

細胞情報伝達機構の阻害及び培養細胞で増殖の低下。静磁場は
薬と同様な影響を与える。

0.32 T

[217] (Cunha 2012)

骨芽細胞の細胞増殖は磁場被ばくによって影響を受ける。

0.25 T

[216] (Azanza 1989)

静磁場は神経細胞へのカフェインの効果と似た作用を与える。

0.6 T

[219] (Fanelli 1999)

600 mT

以上の静磁場は,異なるヒト細胞系において幾つかの薬

剤によって誘導されるアポトーシスによる細胞死の広がりを抑
えることが分かった。

1.5 T

[218] (Sirmatel 2007)

人男性への被ばくは,短時間被ばく後に酸化ストレスを減少さ
せる点について正の効果を示す。

3 T

[220] (Lee 2011)

MR

撮像にさらされた人培養細胞における小核及び染色体異常

が被ばく時間で蓄積される。これが

B0

によるものか

RF

照射に

よるものかは明確でない。

眼内せん(閃)

50

100 mV/m @ 20 Hz

[199]

[200]

[201]

(Lovsund 1980)

誘発された微小フリッカー視覚刺激の知覚は,磁場によって網
膜に誘導された内部電場である。

磁気せん(閃)光:網膜を刺激する誘導電流によって生じる光
のせん(閃)光知覚。

67

Z 4

951

20
17
 (IEC

 6

0601

-2-3

3

2

010

Am

d

.1

20
13

Amd.

2

201

5

)


68

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

近年,多くの

3.0 T

MR

システム

が設置されて,日常的に

患者

の検査に使用されている。

3.0 T

医療管

を必要とするような健康への悪影響を述べている文献において,

患者

データは発表されていない。警告

の原則から,

7.0 T

MR

システム

患者

を撮影する際は

医療管理

の要求は必要とされる。以前の提言に

沿って,

第二次水準管理操作モード

に相当するレベルは,

8.0 T

を超える磁場強度に引き上げられる。

一つの重要な研究分野は,妊娠している

MR

作業従事者

が磁場にさらされる場合に,静磁場が胎児にと

って危険かどうかという問題である。安全性を絶対的に実証するには無数の実験が必要だが,静磁場にさ

らされることが危険であるという根拠は,今のところ文献にはない。近年の米国の

MR

技術者についての

疫学的調査では(文献

61

,高い静磁場にさらされることと,自然流産の発生率,不妊,低出生体重又は

未熟分べん(娩)との間に相関は認められなかった。

Ueno

は,

6.34 T

の磁場中におけるカエルのはい(胚)

発生について研究し,急速な卵割,細胞増殖及び細胞分化は影響を受けないことを発見した(文献

48

)。

さらに,

Kay

も,高い静磁場中におけるカエルのはい発生について研究し,有害作用がないことを発見し

た(文献

64

McRobbie

は,妊娠したマウスを傾斜磁場中に置いて研究し,同腹し(仔)数及び成長速度

への影響はないことを発見した(文献

65

)。出生前に

1.5 T

でスキャンされた子供の研究では,

9

歳までに

検知可能な悪影響は何も示されていない(文献

221

222

)。

要約

静磁場に対する被ばくの長期又は用量効果に対する証拠は入手できず,時間平均の被ばく管理対策は

不要である。胎児の発育に対する磁場影響に関連する証拠の量は限定的であるが,特に妊娠した

MR

作業従事者

のために,警告の原則は適用されなければならない。

全ての磁場の影響は一時的であるが,

2 T

以上の磁場強度に関しては検討されることが望ましい。報

告され生理学的に理解されている影響として,磁気せん(閃)光,吐き気,めまい,増加したふらつ

きと金属味がある。全ての影響は強い個人差があるが,増大する静磁場強度,及び/又は周辺の磁場

勾配の急しゅん(峻)さに伴い増加すると報告されている。最近の文献では,めまいの経験を抑える

ための投薬が,

MR

が誘発する現象にも有効であることを示している。

加えて,幾つかのデータは課題遂行や神経認知機能がある状況下で影響を受けることを示唆している。

これら影響の根本原因は分かっていない(それはめまい感覚の結果であるかもしれない),更に,調査

方法(例えば,回転する動きに対して直線の動き)の違いに起因すると思われる矛盾した結果が得ら

れている。

8 T

までの入手可能な研究成果に基づくと,全て報告された影響では,

患者

には無害であるとみなすこ

とができる。

めまいが観察されるのは非常に被験者特有で,磁場中でのその人の頭の動きに依存し得る。この影響は

穏やかなものであるため,それらは

MR

作業従事者

に対しては健康上の悪影響であるとはみなされない。

しかし,

MR

作業従事者

にはこれらの効果が知らされ教育され,特定の業務の実施を免除される選択肢を

与えられるのが望ましい。特にインターベンショナル

MR

MR

作業従事者

には,

MR

作業従事者

がマグ

ネット内部又は近くで作業するとき仕事の遂行能力が損なわれるおそれがあることを知らせなければなら

ない。感覚及び潜在的に仕事の能力が減退する症状について磁場強度への感度が高くなるのを考慮して,

7

T

システムへの接近を避けるか最小にする特定の手段をとることが推奨される。文献

[148]

によると,動き

による磁場の変化が

3 T/s

未満ならば動きに関係する感覚への効果は最小にできる。新しい研究(文献

184

では,それ自身の動きは感覚の効果を引き起こす物理的原理ではないことが示されている。しかし,それ

にもかかわらず,動きに関係する時定数は,動きの速度を制限することによって影響を減らすのに使うこ


69

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

とができる。

潜在的な生物学的影響のメカニズム

生物学的効果の潜在的機序に対する(生物)物理学的な考察が,

患者

及び

MR

作業従事者

への被ばくの

リスク

分析に考慮される。

吸引力,回転力,透磁率

最もありふれた,また,恐らく最も重要な,

MR

装置

による生物学的影響は,ミサイル効果である。強

磁性体は,並進力を受けて,磁石内の高磁場の領域に向かって引きつけられる(文献

15

)。この力は,静

磁場強度と磁場強度の空間的傾斜変化率との積によって決まる。低磁場の自己遮蔽形磁石は,特定の空間

位置において,高磁場の非自己遮蔽形磁石よりも大きな磁場の傾斜を生成することがある(文献

16

)。ミ

サイル効果による物体が飛んでいく危険については,教育の必要がある。

反磁性体は,並進力を受けて,磁石から離れた低磁場強度領域に引きつけられる(文献

15

17

18

)。

水は弱い反磁性である。

Ueno

及び

Iwasaka

8 T

の小形の磁石で,水は重力の

30 %

までの力を受けること

があることを示した(文献

17

18

)。この力によって,水は磁石の均一磁場領域内で分離する。第一次近

似では,

MR

装置

に用いられている超電導ソレノイド磁石はヘルムホルツコイルとして近似することがで

きる。ここに,ヘルムホルツコイルの半径を

R

,コイル対の中心における静磁場を

B

0

として,磁化率が

χ

密度が

ρ

の物体を考える。重力加速度を

g

,自由空間の透磁率を

μ

0

,ヘルムホルツコイルの軸を

z

とする。

この物体が半径

R

のヘルムホルツコイルの磁場を受けることによって生じる最大加速度

a

(重力加速度で

正規化した)は,次のように表すことができる。









=

R

B

z

B

B

a

2

0

0

0

569

.

0

g

g

ρ

μ

χ

ρ

μ

χ

  (AA.1)

ヘルムホルツコイルから受けるピークの力は,

z

/

R

0.787

において生じる(コイル対の中心を

z

0

であ

ると仮定)。

Ueno

らは,この小口径システムにて生成された最大の力(

B

B

/

z

)は,

z

75 mm

において

400 T

2

/m

であると報告している(文献

17

18

)。ヘルムホルツモデルが当てはまると仮定して,ヘルムホ

ルツコイルの半径は

R

z

/0.787

0.075/0.787

0.095

であり,生成される最大の力は

B

B

/

z

0.569

B

0

2

/

R

381 T

2

/m

(差は

4.7 %

未満)となる。

Ueno

らの“モーゼ”効果は,小さな開口径(

0.05 m

)の

8 T

の磁石で観察された。式

(AA.1)

は,反磁性

である水(

χ

=-

9.05

×

10

6

,密度=

1 000 kg/m

3

)は,重力加速度の約

30 %

の加速度を受けることを示して

いる。磁石内に水を入れた皿を水平に置くと,水は分離して磁石中心部は水がなくなる。さらに,

Ueno

らは,磁石によって生成される力に関連する,他の微妙な生物学的影響も発見した(文献

19

)。式

(AA.1)

から,ヘルムホルツ磁石に類似する磁石(ソレノイド磁石など)から受ける力(及び恐らく生物学的影響)

は,磁場強度の二乗に比例し,実効ヘルムホルツコイルの半径に反比例すると予測される。

全身用磁石

1 m

のヘルムホルツ等価半径をもつと仮定すると,

4 T

全身用磁石

が生成する力は

Ueno

らの磁石の場合

4 %

にすぎない。したがって,

4 T

全身用磁石

内では,水は重力加速度の約

1 %

の加速度しか受けない

はずである。

非常に間接的だが深刻な,強磁性体に関連する生物学的影響の機序に,ペースメーカ,頭部刺激装置及

び他の能動的体内植込物がある。これらの装置には,強磁性体のリードリレースイッチを備えていること

があり,これは数ガウスの磁場で作動する(文献

16

。特定の人工器官,シャント,ねじ,及び他の体内

植込物は,静磁場中で力を受けることがある。常に

患者

の安全性が損なわれないように,細心の注意をし

なければならない。

強磁性体の問題を終える前に,潜在するもう一つの間接的な

ハザード

の機序を特定しておかなければな


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Amd.2

2015)

らない。この潜在的な

ハザード

は,変圧器の磁心及び一部の導体は,高い静磁場の存在下では飽和する傾

向があるということである。そのような磁心をもつ装置は,損傷を受けることがあり,その結果,機能が

停止することがある。そのような装置でモニタリング又は生命維持を行う場合は,磁心の飽和が

患者

に深

刻な

リスク

をもたらす危険性がある。

導電体(相対透磁率が

1

に近いものを含む)は,機械的制動力の影響を受けやすいことがある。機械的

制動力は,物体の動きが磁力線を横切る場合に生じる。導電体内に生じる電流は,レンツの法則によって

(文献

20

),静磁場に逆らう磁場を生成し,動きを抑制する。

神経伝導速度

静磁場に直角に移動する電荷は,静磁場に直交する方向及び速度ベクトルに直交する方向にローレンツ

力を受ける。この機序がホール効果で,神経伝導に影響を与える可能性がある(文献

21

)。静磁場は,神

経線維を活動電位が伝わる時間に対して,伝導経路及び抵抗率を変化させることによって影響を与えるこ

とがある(文献

21

)。変化は,静磁場に対する神経線維の相対的な方向及び磁場強度に左右される。磁場

がない状態での神経の特性から

10 %

変化するだけでも,

24 T

の静磁場強度を必要とする(文献

21

)。

誘導電場

静磁場内を流れる血液などの電荷担体には,横方向の電圧が誘導される(文献

22

)。その電圧

V

は,磁

気流体力学作用によって誘導され,ローレンツ力

F

を考慮することによって導くことができる。この力は,

電気素量

q

で除すと,横方向の電場となる。血管の直径が

D

,血流速度が

μ

,及び速度ベクトルと静磁場

とのなす角度が

Θ

のとき,ローレンツ力の法則から次の式

(AA.2)

が得られる(

AA.1

参照)。

)

sin(

Θ

BD

q

FD

V

=

=

μ

  (AA.2)

ファラデーの電磁誘導の法則は,誘導電圧を面積

A

の平面と交差する磁束の変化率に関連付けている。

磁束は,磁場強度

B

の内積を面積にわたって積分したものである。静磁場中では,平面の法線が時間

t

ともに変化して,電圧

V

が誘導される。

dt

A

d

B

d

V

=

  (AA.3)

呼吸,心臓の動き及び血流が人体内に電圧を誘導し得る。これらの誘導電圧の現れ(

AA.1

参照)の

一つは,高い静磁場において,心電図上の

T

波部分の高さが上昇することである(文献

23

。心臓の収縮

期における心臓の動き及び血流は,

T

波の振幅にほぼ等しく,心周期に近い電圧を人体に誘導する(文献

23

)。静磁場中で呼吸するときの胸壁の動きは,人体に小さな電圧を誘導する。

Schenck

(文献

24

)は,高

磁場の近くで作業を行う人が経験するめまいを,動きに誘導される電場によって内耳の三半規管に生じる

圧力に関連付けている。

生化学的な効果:カルシウムサイクロトロン及びラジカルペアメカニズム

送電線にさらされることと,

MR

にさらされることとの間には,重要な違いがある。違いの一つは,

60 Hz

の送電線の磁場とは異なり,

MR

の磁場は静磁場であるということである。もう一つの違いは,

MR

の静

磁場は電場成分を伴わないということである。あらゆる超低周波(

ELF

)の生物学的影響について提唱さ

れている機序は,カルシウムイオンのサイクロトロン共鳴が関与している(文献

38

)。そのような機序は,

磁場(変動し得る磁場)及び(ほぼ間違いなくカルシウムの)サイクロトロン共鳴周波数で変動する直交

電場の両方を必要とする。カルシウムイオンのサイクロトロン共鳴周波数は,

384 Hz/mT

である。地磁気

の強さは,約

0.02 mT

0.05 mT

である。

60 Hz

の電場がカルシウムイオンのサイクロトロン共鳴を引き起


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こすには,

0.156 mT

の直交磁場強度を必要とする。そのような電場と磁場との組合せは,送電線の近くに

生じることがある。

1.5 T

の磁石内では,サイクロトロン共鳴には

576 kHz

の直交電場が必要である。

MR

装置

の共鳴周波数は,同じ磁石におけるカルシウムのサイクロトロン共鳴周波数よりも

2

桁以上高い。

MR

装置

においては,電磁遮蔽を用いるため,サイクロトロン共鳴周波数の近くの電場はない。電磁遮蔽は,

周囲環境を

MR

信号から保護し,周囲の信号による

MR

画像の劣化を防ぐ。

一部又は全部の反応物又は生成物が反応熱力学を大きく変える磁気モーメントをもつ場合は,化学反応

速度,平衡及び濃度が変化することがある(文献

16

17

24

39

41

)。しかし,

4 T

までについては,こ

れらの影響はほとんど計測できないことが熱力学的に示されている(文献

24

)。

静磁場の生物学的影響の機序は,ほかにも提唱されている。例えば,静磁場によってポテンシャルの高

さが変化することによる,

DNA

における陽子のトンネル現象がある(文献

40

)。他の機序について,優れ

た報告がある(文献

16

24

37

40

42

43

44

45

46

)。

静磁場:職業上の問題についての機序

上述のように,強磁性体は,静磁場の存在下で,磁場強度が高くなる領域に向かって移動する吸引力を

受けることがある(文献

24

)。さらに,強磁性体は,その磁気モーメントを静磁場の方向に合わせる回転

力を受けることがある(文献

24

)。動く導電体は,静磁場中でレンツの法則によって吸引力及び回転力を

受ける(文献

24

)。

静磁場中を移動する導電性の流体(血液など)には,フローポテンシャルが誘導されることがある(文

22

)。フローポテンシャルは,心電図記録上にアーチファクトを引き起こす(文献

23

)。急速に頭部を動

かすと,ふらつき感のしきい値を十分に超える電圧が内耳の三半規管に誘導されることがある(文献

24

)。

流れに誘発されて血圧が上昇するという理論的予測が,職業安全基準に影響を与えたものと思われる。し

かし,この影響の程度は非常に小さいことが判明している(文献

79

)。

フローポテンシャルに誘導される電場は,心電図上に

T

波増大のアーチファクトを引き起こすことがあ

る。この電場

E

は,式

(AA.4)

から導くことができる(

AA.1

参照)。

)

sin(

θ

μ

BD

q

FD

V

=

=

  (AA.4)

この電場は,流速ベクトルを含む平面及び静磁場に直交する。最大流速は,心電図上の

T

波の発生時間

に一致して生じる。例えば,ピーク血流速度が

0.6 m/s

(文献

40

),血流と静磁場とのなす角度が

30

°及び

動脈の直径が

0.02 m

であると仮定すると,静磁場強度

1.5 T

にて誘導電圧は

9 mV

になる。この結果を一

般的な心電図上の

R

波の振幅(約

10 mV

)と比較する。結果として生じる“

T

波増高”は,静磁場ととも

に消滅する。

T

波増高には生物学的な重要性はないと思われる。そのような電圧が慢性的に誘導されるこ

とが問題になるかどうかは明らかではない。しかし,これまでに得られている根拠は,少なくとも

7 T

では,安全性について問題はないことを示している。

ほとんどの高磁場

MR

装置

では,

患者

は静磁場に平行になっている。ピーク血流速度は大動脈内に生じ

る(文献

80

。大動脈の方向が静磁場の方向とほぼ同じであると仮定すると,一般的な

MR

装置

では,誘

導される電場は小さいはずである。次に,対向形磁石の間(ギャップ)に立っている作業者を想定する。

この場合は,

θ

90

°にほぼ等しく,誘導される電場が大きくなる。

Reilly

は,傾斜磁場立上がり時間が

3

ms

を超える場合に,刺激に最も敏感な人口パーセンタイル被験者群に心臓の刺激を引き起こすには,

6.2

V/m

の電場が必要であると推定した(文献

81

)。傾斜磁場立上がり時間が

600

μ

s

の場合は(この方が

MR

装置

では一般的),刺激に最も敏感な人口パーセンタイル被験者群に心臓の刺激を引き起こす電場は,約


72

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2013

Amd.2

2015)

31 V/m

に上昇する。刺激に最も敏感な人口パーセンタイル被験者群に心臓の刺激を引き起こすのに必要な

静磁場は,少なくとも

10 T

だが(立上がり時間が

3 ms

を超える場合),一般的には約

52 T

(立上がり時間

600

μ

s

の場合)である。非常に高い磁場の

MR

装置

用オープン形磁石を製造する場合は,その前に心臓

に対する安全性の実験的研究を実施するのが賢明である。

E

emf/D

vB

0

sin

(

θ

 )

0.6 V/m

この電場

E

によって

T

波アーチファクトが生じる

E

患者

の体軸が

Z

軸方向に沿ったとき最小

1 %

心臓刺激=約

6.2 V/m

制動力:

0

0

B

B

qv

F

×

×

この制動力による

BP

効果は小さい,

Keltner

ら(文献

79

AA.1

静磁場:フローポテンシャル及び減速

静磁場中を流れる血液は,速度,静磁場及びそれらのなす角度に比例してフローポテンシャルを生成す

る。さらに,血流に逆らう制動力も生成されるが,その大きさは少なくとも

5 T

までは生理学的に重要で

はない。

誘導電場は,電場に沿って荷電粒子の流れを生成する。この磁場に直角に移動する荷電粒子は,血流に

逆らう力を受ける(文献

22

)(

AA.1

参照)。この力が,血圧の上昇につながる可能性があったことから,

問題になると考えられたようである。しかし,

Keltner

らはこの影響は,重要ではないことを理論的及び実

験的に示した(文献

79

)。

結論

強磁性体が飛行物体になることは許されないという前提で,少なくとも

8 T

まで,静磁場による健康へ

の悪影響は報告されていない。

8 T

までの

MR

装置

MR

作業従事者

及び

患者

の両方に対して安全である。

201.7.9.2.101 k) 

職業上の電磁場による被ばく

電磁場のばく(曝)露に対する

MR

作業従事者

の保護の上限は,

2013

6

月に審議会及び欧州議会で採

択された欧州指令

2013/35/EC[130]

で導入された。導入された上限は,指令の

10

条にある

MR

作業従事者

のばく露上限に関して,非電離放射防護国際委員会(

ICNIRP

)ガイドラインの特例

A

に基づいている。

MRI

に関係する活動の間に電磁場にさらされる

MR

作業従事者

のための詳しい情報及び教育手段と同様

に,安全な作業実務に適用可能な条件を確立し,文書化された作業手順書に含める。この規格(

IEC 

60601-2-33

)は,安全な作業実務の実施の基礎を提供する。

MR

作業従事者

の電磁場へのばく露の上限は,

MR

作業従事者

の電磁場へのばく露に具体的に適用され

リスクマネジメント

に基づいて,この規格で導入される。

MR

作業従事者

への静磁場のばく露は,

201.7.9.2.101 h) 

の論理的根拠で扱われている。


73

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2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

漏れ静磁場内での動きによる

dB/dt

値は,生理学的な影響を最小にするために

3 T/s

未満にしなければ

ならない(

201.12.4.104

参照)。この

dB/dt

値に関係する動きの速度の情報は,並進運動及び回転運動

の両方で提供されることができる。最大の並進運動は,

空間磁場勾配

dB/dt

で除すことで計算でき

る。最大の回転運動は,漏れ静磁場強度から計算することができる。

MR

作業従事者

に対する数

Hz

から

100 kHz

までの範囲の上限は,末しょう(梢)神経,筋肉の刺激及

び心筋刺激のしきい値に基づいており,そのような全ての生理学的な影響を避けるために十分なほど

低い。勾配で誘起される磁気眼内せん(閃)光の論文審査がある発行された報告書はない。

ある状況の下では,最低限の神経刺激は

MR

作業従事者

に対して許容されることができるので,傾斜

磁場出力への被ばくを避けるため

MR

作業従事者

に追加の指示を与えることが必要な場合がある。予

期される傾斜磁場出力の予測値は,

制御盤

上に(要求された場合)表示され,撮像中にスキャナから

十分な距離をとることによって被ばくを避けるか,又は傾斜磁場出力値を減少することのいずれかに

よって使うことができる。傾斜磁場コイルの漏えい磁場はコイルの外で幾何学的な考察によって急速

に減衰するので,

MR

作業従事者

への被ばくは,ほぼ

通常操作モード

のレベルであると推測すること

ができ,末しょう神経刺激は,

MR

作業従事者

には起こる可能性はない。

妊娠している

MR

作業従事者

については,追加の注意をすることが賢明である。妊娠している

MR

作業

従事者

が,不必要な傾斜磁場,高周波及び騒音を浴びることを避けるために,撮像中の撮影室にとどまら

ないようにするのは適切である。各国の規制を適用してもよい。

取扱説明書には,

MR

作業従事者

が妊娠している場合には,作業者への上限値は適用可能ではない可能

性があると記載しなければならない。国によっては,

公衆への上限値が胎児にも適用しても差し支えない。

注記

我が国では,妊婦及び胎児についての特別の規制はない。

この

リスクマネジメント

の手法を,電離放射線被ばくと

MRI

との

リスク

の大きさを比較する場合,

MR

装置

によって発生する

傾斜磁場出力

による電磁場(

EMF

)の被ばくについて適用する(文献

133

)。電離放

射線による被ばくの累積効果については,広範囲に研究が進められてきている。

エネルギーが

12.4 eV

2

×

10

18

 J

)以上の電離放射線による作業者の被ばくについては,

NCRP

及び

ICRP

によって上限が勧告されている。

MR

システム

1 kHz

1 GHz

)の電磁場(

EMF

)の周波数レンジでの放

射のタイプの違いは,次のようである。

MR

スキャナでこのしきい値レベルに達するには,

7.04

×

10

7

 T

(水

素原子核の共鳴周波数では

3.0

×

10

15

 Hz

)の静磁場を必要とする(現在の装置に対して

5

桁高い磁場とな

る)。

4 T

での

MR

フォトンのエネルギー(システムが放射することができると仮定して)は,

12.4 eV

しきい値に対して,

1.8

×

10

7

倍低い。実際

4 T

フォトンのエネルギーは,水の水素-水素結合(最も弱い

結合)を壊すために必要なしきい値のエネルギーに対して

3.4

×

10

5

倍低い(文献

135

)。したがって,

MR

の生物学的作用においては,単一フォトンによる電離放射線での損傷のような効果はない。このことは,

MR

からの電磁場(

EMF

)被ばくによって,分子レベルでの累積効果は存在しないと結論できることを示

唆する。ワーキンググループの知識では,現在までのところ累積効果を示す発表された詳細な研究はない。

米国では,職業人に対する年間の電離放射線(

10 CFR 20 subpart C

)の被ばくレベルは

0.05 Sv

5 rem

であり(文献

137

),一方,一般大衆の被ばくは

0.001 Sv

0.1 rem

)を超えない。電離放射線での観測され

る影響のしきい値は,約

0.05 Sv

である。頭部

CT

スキャンを受ける

患者

は,最大

0.03 Sv

被ばくすると推

定される。

0.01 Sv

1 rem

)の被ばくによって発生するがんによる死亡の危険性は,

0.000 5

と推定されて

いる。一方,

JIS Z 4951

:2002

の上限内で稼動する

MR

被ばくによる既知の死亡の危険性はない。

結論としては,

MR

システム

から発生する可能性がある

EMF

による

MR

作業従事者

の被ばく

リスク

非常に小さい。電離放射線に被ばくする作業者には,より高い

リスク

があると思われるが,それでも受容


74

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

可能な

リスク

レベルである。

理論的根拠

201.12.4.102 (4) 

にあるように,

JIS Z 4951

:2002

の上限では心臓刺激が起きる確率はゼロに

近い。

Reilly

は,心細動のしきい値は対数正規分布に従い,その最も感受性の高いパーセンタイルのしき

い値は中央値からの半分の値になると決定した(文献

85

)。さらに,

Reilly

は,動物にて心臓刺激しきい値

の中央値は,心細動レベルの約

40 %

であることを推定した。

Reilly

は,母集団の中で最も感受性の高いパ

ーセンタイルの心臓刺激を起こす傾斜磁場の変化率

  (

d

B

/d

t

)

1 %cardiac

は,傾斜磁場の立上がり(立下がり)

時間

d

及び時定数

τ

に関連して,次の式で表されると推定した。

=

τ

d

dt

dB

exp

1

60

cardiac

%

1

Reilly

は,

τ

として

3 ms

の値を採用した。

Bourland

らは,犬の心臓刺激しきい値は,人と犬との相対的

刺激を調整したとき,

Reilly

の心臓刺激の平均値に外挿した推定値に一致することを見出した(文献

90

)。

規格第

2

版の理論的根拠では,

Reilly

の推定では末しょう(梢)神経刺激上限の平均値での心臓刺激確率

10

9

のオーダーであるということを示している。

Schaefer

は同様な推定結果を見出した(文献

136

)。し

たがって,規格第

2

版の上限では,心臓刺激は非常に起こりにくい。

傾斜磁場出力

による末しょう神経刺激及び磁気せん(閃)光

特に

1 kHz

10 kHz

傾斜磁場出力

についての周波数範囲で,

ICNIRP

の上限値は,網膜に視覚刺激(眼

内せん光)を引き起こす可能性のある効果から外挿した結果を基にしている。この視覚刺激が障害を引き

起こし,長期にわたる

危害

を与えるという証拠はない。これらの効果は,

MR

に関連したものより幾分低

い周波数で観測される。網膜組織は頭部組織(中枢神経系)と比較することができるので,これらの効果

ICNIRP

では,中枢神経系に対するモデルとして使われ,幾分高い周波数範囲まで外挿されている。さ

らに,これらの

ICNIRP

ガイドラインは大きな安全係数を含んでおり,結果として被ばく上限値を

10

mA/m

2

としている。最近の再調査は

2004

年に

NRPB

によって行われ,(安全係数

10

を含んで)

10 mA/m

2

が確認された。幾分高い周波数では,

傾斜磁場出力

によって

患者

に誘起される電流密度はより高く,

MR

に関連した周波数及び波形では末しょう神経刺激を引き起こすことが知られている。視覚刺激は,

MR

の幾分高い周波数及び傾斜磁場波形では,生理学的影響を引き起こさないと思われる(

MR

装置

傾斜磁

場出力

に関連した報告はない)。

MR

患者

への上限値は,末しょう神経刺激に基づいている。この見解を

ICNIRP

は,最近の出版物(文献

132

)で,特に

MR

患者

の被ばく上限に言及して確認している。現在の

末しょう神経刺激の上限値が,医療行為の上で安全でない状況につながったという報告はされていない。

キロヘルツ(

kHz

)の周波数範囲では,

ICNIRP

は電場強度

610 V/m

を行動値(勧告値)として定式化し

ている。この値は,

傾斜磁場出力

によって人体に誘起される電場の値よりもかなり高い値である。電流密

度で表した被ばく上限値は,

1 kHz

10 mA/m

2

1 MHz

10 A/m

2

である。

100 kHz

1 MHz

の範囲で,

SAR

上限値

0.4 W/kg

を満足しなければならない。規格値

610 V/m

は,ほとんど空虚な空間で電場が誘

起する低周波及びラジオ波の電流値から導かれる。人体内では,導電率(

σ

1 S/m

)の高さのために,電

場はかなり低い。長さ

L

,断面積

A

の大きなコンデンサ及び複素誘電率

ε

r

(

ε

r

ε

i

ε

ε

i

σ

/

ε

0

ω

)

の十分

薄いスライス

LB

(人体)を想定すると,全体の静電容量は,次のようになる。

A

LB

A

LB

L

C

r

0

0

1

ε

ε

ε

+

=

|

ε

r

|>>1

(周波数帯域を考慮して)及び

LB

<<

L

であるので,容量

C

には人体の物理的存在は影響を与えな

い。それゆえに,コンデンサ

C

を流れる電流値

I

は,次のようになる。


75

Z 4951

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2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

U

L

A

I

0

ωε

=

これから電流密度

J

は,次のようになる。

E

J

0

ωε

=

I

及び

J

は振幅だけ,

U

はボルトで表したポテンシャル及び

E

V/m

で表した電場)

電流密度は,各々,

1 kHz

E

610 V/m

33

μ

A/m

2

1 MHz

で,

33 mA/m

2

となる。これらの値は,被ば

く上限値より十分低い。

SAR

については,次の式で求める。

2

1

J

SAR

σρ

=

ここに,

ρ

: 組織密度

σ

1 S/m

ρ

10

3

 kg/m

3

では,被ばく上限値を各々

1 kHz

0.01 mA/m

2

1 MHz

10 A/m

2

とすると,

SAR

値は

1 kHz

10

7

 W/kg

1 MHz

0.1 W/kg

となる。

201.7.9.2.101 l) 

補助装置

患者

モニタの選択に当たっては,それらが特に

MR

装置

で使用するように意図されたものであることに

注意することが望ましい[例えば,高抵抗の心電計(

ECG

)導線など]。導電性の物質は,

患者

と電気的

な接触を行わなければならないもの(例えば,

ECG

電極など)を除き,

患者

から電気的に絶縁することが

望ましい。全ての導電性物質は,

患者

から熱的に絶縁することが望ましい。監視用生体モニタ用ケーブル

リード線(例えば,閉ループを避けるために)及び

患者

の近くにある他のケーブルの配置については,

造業者

の取扱説明書に従わなければならない。これらの全ての処置の目的は,

RF

送信コイルとの結合によ

って電流が誘発されて,

患者

に熱傷を負わせる

リスク

を最小にすることである。

201.7.9.2.101 s) 

クエンチが発生した場合の緊急対策

201.7.9.2.101 c)

緊急医療処置及び

201.7.9.2.101 f)

冷媒(液体又は気体)で与えられる情報に加えて,こ

の細分箇条では,

クエンチ

の場合に磁石からのヘリウムガスが検査室及び隣接する部屋に漏れ出した場合

の緊急事態に対応した情報を提供する。この状況は,

クエンチ

時に超電導磁石の排気システムの一部又は

全部が故障した場合に起こる可能性がある。この場合,人を巻き添えにする

危険状態

が発生する場合があ

る。ここで与えられる情報は,

責任部門

が各国の規制に適合した緊急対応計画を立案する場合に有用であ

る。

クエンチ

は,まれな事象であり,それに加えて磁石の排気システムの故障はより起こりにくい。しかし,

数千台の

MR

システム

が稼動しており,現在までのところ,

クエンチ

に関連する人身事故又はそれに近い

出来事についての報告が幾つかなされている。そこで,

製造業者

は,上記に関連する出来事に対する

危険

状態

を特定し,この種の危険性についての情報を提供することを要求している。その情報は,大変起こり

にくいが,超電導磁石の

クエンチ

時の排気システム故障による重大な事故の可能性についての情報を包含

するよう注意する。

クエンチ

とは

クエンチ

の間に,磁石はその超電導性を失う。静磁場は,数秒(典型的には約

20

秒)で減衰し,磁石は

温まり始める。液体ヘリウムは,数分以内に

500

1 500  L

蒸発し,速やかに膨張する。正確な蒸発率は,

磁石の静磁場強度及び液面レベルに依存する。

3 T

磁石は,

1.5 T

磁石よりも高い蒸発率である場合がある。

1 L

の液体ヘリウムは,約

810 L

のヘリウムガスになる。これは,最大条件では,約

1 000 m

3

のガスが発生


76

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

することを意味する。

クエンチ

は,磁石の

緊急減磁装置

のスイッチを押すことでも発生する。別の

クエン

の原因は,磁石が温度上昇を始める点まで,液体ヘリウムレベルが下がることである。まれな例では,

明らかな理由によって説明することのできない自発的な

クエンチ

が観測される。

冷たいヘリウムガスが素早く抜けることによるシーッという音又は口笛のような音が,

クエンチ

ととも

に起こる。水蒸気及び空気が凝縮して羽状の白い霧となって,

クエンチ

配管の近く及び磁石の上部から床

に落ちる。ヘリウムガスの流れは,数分足らずで減少する。磁石及び

クエンチ

配管の熱絶縁されていない

部品近くの空気は,液体空気に凝縮して床に滴り落ちる。

排気システムが機能しないことに関連する

危害

超電導磁石の排気システムの目的は,ヘリウムガスを外部に安全に排気することである。このシステム

の主な部品は,抜けたヘリウムガスを安全な空地に送るように設計された導管である。

クエンチ

の可能性

については,

超電導磁石及びその排気システムの設計時に注意深く考慮する必要がある。その結果として,

クエンチ

は全く人に害を与えない。また,磁石も

MR

装置

もそれ自体では

クエンチ

によって損傷を受けな

い。

しかし,

クエンチ

の場合に排気システムが機能しない場合,緊急な状況となる。ヘリウムガスは空気よ

りも軽く,毒性はなく,可燃性もない。しかし,それは酸素と置き換わるので窒息の危険がある。周囲の

空気中に抜けた低温のヘリウムは,凝縮によって白い雲となる。これらの白い雲は視界を遮る。

人は無意識に酸素の欠如した空気を呼吸器系に吸い込んでしまう可能性がある。空気中のヘリウムガス

濃度に依存するが,数回の呼吸で十分に意識不明となる。

さらに,ヘリウムガスは非常に冷たく,低体温症及び凍傷を引き起こす場合がある。後者は,皮膚が室

温にさらされた後で,やけどに似た傷となる(低温やけど)。低温部分又は液体空気に触れた皮膚は,凍傷

になる可能性がある。

超電導磁石の排気システムの様々な故障が考えられる。例えば,次の故障が起こる可能性がある。

少ない漏えい:少量のヘリウムガスは,暖房及び空調システムを経由して外に排気され,外気と交換

される。暖房及び空調システムが正常に機能している限りは,これは危険な状況ではない。

これらの漏えいは修正する必要のある建築上の誤りの結果である。

超電導磁石の排気システムの部分的な故障:ヘリウムガスの一部だけが,排気システムによって外部

に排気されるが,ほとんどのヘリウムガスは,検査室内に残る。暖房及び空調システムは,その量が

多いためヘリウムガスを取り除くことができず,眼に見える大きな雲がヘリウムガスによって形成さ

れる。さらに,室内の気圧が上昇する。漏えいの程度に依存して,室内の人に対して危険な状況とな

る可能性がある。

完全な故障:超電導磁石の排気システムが完全に故障した場合,例えば,ラインが詰まる場合,及び

壊れた場合。ガスの全量は検査室に排気される。上記の要求事項及び勧告に従っていない場合は,排

気装置の完全な故障の場合に人命が失われる可能性がある。

しばしば

100 m

3

以下の容積の室内に,

1 000 m

3

以上のガスが吐き出される。

201.7.9.2.101 t) 

能動的及び受動的体内植込物を装着している患者の検査

IEC 62570

:2014

(文献

144

)には,体内植込物機器の

MR

適合,

MR

条件付適合及び

MR

非適合の定義

が記載されており,これらの表示の解釈及び体内植込物

製造業者

及び

操作者

が,特定のタイプの体内植込

物を装着している

患者

MR

検査

を計画する場合の取扱いが記載されている。

後述は,

MR

条件付適合と表示されている植込物をもった

患者

の撮像に対する責任を述べている文章例

である。


77

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

一般的に

MR

検査

は,特にこれら強磁性体を含む磁性体,又は,電子的又は電気的に導電性のある植

込物をもった

患者

には禁忌とされている。

しかし,特定の植込型の医療機器は,政府所轄官庁によって認可され,承認及び/又は許可されており,

及び/又は,

製造業者

によって

MR

条件付適合又は

MR

適合と表示されている。そのような機器には,上

で示した一般的な禁忌の全ては適用しなくても差し支えない。

適切な及び安全な

MR

撮像の条件(制限事項)を定義する場合,植込物を

MR

条件付適合又は

MR

適合

として宣言するのは,植込物

製造業者

の責任である。

MR

操作者

MR

撮像のあらゆるこのような条件に

ついて知っていなければならない。これらの条件が厳格に順守されることを保証するのは

MR

操作者

の義

務である。

このような特別な条件を入手するために,

操作者

は植込物のラベリングを参照したり,又は,植込物

造業者

に連絡を取ったりするように勧告される。

MR

製造業者

は,いかなる植込型の医療機器を装着した

患者

を撮像するときにも,

MR

の操作に対し責任を負わない。特に,

MR

製造業者

は,

通常操作モード

第一次水準管理操作モード

FPO

(もし使用可能であれば),及び

空間磁場勾配

のように適合性技術デ

ータシート/適合性を記載する技術仕様書に与えられたデータによって定義されたものを超えて,

MR

の技術パラメータを制御することに対して責任は負わない。”

201.7.9.2.101 u) 

妊娠している患者の撮像

妊娠している女性は,熱を放散する能力が損なわれている可能性がある。ここでは,胎盤関門を介した

はい(胚)又は胎児からの熱の放散は,血液循環の良好な組織に比べて効率が低いことが指摘されている。

哺乳類,特に霊長類にとっては,体温の上昇は催奇性をもたらすことが知られており,特に妊娠

3

か月以

内に長く激しい温熱療法(

39

℃以上)を受けた母親の子供は,中枢神経系及び顔面の欠損を受けることが

ある(文献

109

110

)。このような場合は,体温の上昇を

0.5

℃以下に制限することが望ましい(文献

106

)。

さらに,

MR

検査

を想定した妊娠女性モデルについての

SAR

と体温上昇との詳細な研究から,

64 MHz

128 MHz

での

第一次水準管理操作モード

では,体温が

38

℃に近づくか又は超えることが示されている

(文献

141

)。この研究結果から,母親への

全身

SAR

が最小となる

通常操作モード

を使用して,胎児への

局所的加温を最小にする。

201.7.9.3.101 b) 

適合性を記載する技術仕様書

仕様の要約は,製品データシートと呼ばれる。このシートに記載された特定の情報は,

責任部門

が特定

MR

装置

に対する周辺装置の適合性を評価する場合に役立つことがある。周辺装置の適合性は,

MR

及び周辺装置の両方の

製造業者

に関連があり,両方の

製造業者

が適合性宣言を発行している場合は,

任部門

が更に注意する必要はない。その他の全ての場合においては,

責任部門

は常に

MR

装置

及び周辺装

置が互いにその正しい作動を妨げないことを確認しなければならない。

MR

装置

のシステム構成が周辺装置の正しい作動に影響を与える可能性があること,及び逆に周辺装置

MR

装置

に影響を与える可能性があることを認識することは,非常に重要である。例えば,更に強力な

傾斜磁場システムを

MR

装置

に取り付けると,磁石ボアの近くで用いる生理学的監視装置,検知装置など

の周辺装置の機能に影響を与えることがある。したがって,

MR

装置

の拡張・更新(アップグレード)を

行う場合は,周辺装置の安全性及び性能を確保するために,

責任部門

は,その拡張・更新について周辺装

置の

製造業者

に知らせることが望ましい(文献

83

)。

201.7.9.3.101 c) 

クエンチの場合の安全対策

検査室の構成

一連の検査室についての特徴が,この規格で提言されている。検査室については,

クエンチ

時に必要な


78

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2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

超電導磁石用ヘリウム排気システムと,

患者

のために通常の空気の入替えに必要な

患者

換気システムとを

明確に区別する。検査室については,

クエンチ

時の超電導磁石排気システムの故障に関連して,システム

から

患者

を移動させるために許容できる時間を最大にするように試みる。これらによって,

患者

を移動さ

せるために許容される時間を平均で数分延ばすことの助けとなる。一般に,

患者

換気装置の動作は注意深

くモニタするのがよい。幾つかの

患者

換気装置では,検査室の上部から新鮮な空気を

患者

に供給する。こ

れは,

クエンチ

時の超電導磁石用排気システムの故障したときには,

患者

にとって大変好ましくない。

換気システムの動作は,センサで

クエンチ

を検出して自動的に止めることが望ましい。また,全ての状

況で

操作者

への自動警報を考慮する。酸素濃度計を音及び光による警報機に接続して検査室の天井に設置

し,ヘリウムガスの漏えいを知らせることを推奨する。検査室の改装を行うときには,

RF

シールド特性を

再度試験しなければならない。

内側に開く検査室のドア-構造上の安全対策

検査室の最も好ましくない状況は,検査室のドアが内側に開く場合である。この状況では,ヘリウムガ

スの漏えいによる少しの過圧でドアを開けるのが非常に難しくなる。部屋の排気システムによるが,過圧

はかなりの時間続く場合がある。検査室の中に呼吸ができる設備を据え付けることは,

クエンチ

が起きて

から,部屋の気圧が均等になるまでの間,検査室内に滞在できる時間を延ばす助けになる可能性がある。

この状況を解決するために次のような代替策が利用できる。

制御室側に外開きになるように,ドアを改造する。

ドアを

RF

シールド形のスライドドアに交換する。過圧となったときにドアを枠から引き抜けるよう

な方向にドアが閉じることを保証すること,すなわち,ドアが容易に開けられるようにする。

固定した観察窓を,操作室に向かって開けるような窓又は

RF

シールド形のスライド式の窓に交換す

る。

パネルを検査室の壁,ドア又は天井に取り付ける。そのパネルは鍵をかけないで,緊急時に外に開く

ことができるか,又はその隙間を通して常時気圧を均等化することができるものとする。それらのパ

ネルには,

RF

シールドが必要である。パネルを開いたときに,排気口のサイズは少なくとも

3 600

60

cm

×

60 cm

cm

2

であることが望ましい。長方形のパネルを使う場合には,短い方の長さは少なくとも

60 cm

であることが望ましい。また,一人で容易にパネルを取り外せることを保証しなければならな

い。さらに,向かいの壁まで少なくとも

1 m

の距離が必要であることに注意する。パネルは,軽いヘ

リウムガスを逃がすために,できる限り部屋の上部に取り付けなければならない。

検査室の

製造業者

は,追加の

RF

シールドルームの開口部(金属製の格子)が外部に直接つながるよ

うにすることもできる。しかし,これらの開口部は,発生した騒音の検査室の外部への導管でもある。

この場合も,やはり,開口部は軽いヘリウムガスを逃がすために,できる限り部屋の上部に取り付け

なければならない。パイプを通る流れを遮らないようにするため,長い管の直径は適切なものでなけ

ればならない。

酸素濃度計及びその警報は,緊急排気システムに接続して,酸素濃度が過度に低くなる警告モードで

は,最大排気に自動的に切り替わる。

補助動力(例えば,電動又は空気圧)によって動くドアは,手動でも動くことを保証しなければならな

い。

据付時に,壊せるような観察窓を設置することもよいが,実施するのはむずかしい。通常,窓は壁と同

等の

RF

シールド機能をもつワイヤを含む。しかし,その結果としてのガラスの破片が,救助する人を傷

つける可能性がある。窓の構造及び厚さによっては,

操作者

は窓を割るために適切な

工具

を使わなければ


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Amd.2

2015)

ならない。

保守

予防的保守プログラムが,次の活動に含まれる。

排気システム及び部屋の換気のチェック。

部屋の換気システム及び超電導磁石の冷媒排気システムの据付は,要求事項を厳守し,訓練を受けたも

のによってチェックするのがよい。両方のシステムは,一定期間ごとに不適切な変更がないかどうか目視

による検査が必要である。特に,次に注意する。

シールドされた検査室内外の設計変更

不適切な変更

排気管の熱絶縁物の破損

排気管の破損

排気口の塞ぎ。例えば,鳥の巣による塞ぎ(保護用格子は無きずのままか。)

保護用の雨よけの損傷(これは,垂直な

クエンチ

配管には定期的に要求される。デザインによるが,

それらは水平な出口の配管にもしばしばある。)

外部への排気口は,システムが顧客に引き渡した後に変更されていないか,排気されたガスが何かに

当たらないか。このことは,例えば,排気システムの性能に悪い影響を与える後から据え付けられた

窓,暖房及び空調のための排気口及び吸気口,新しい建物及び一時的に据え付けられたコンテナ,無

関係な廃棄物及び建設資材を含む。

暖房及び空調システム並びに部屋の換気システムは変わっていないか。例えば,近くの部屋への別途

の空調の吸気口及び排気口が追加されていないか。

追加して

MR

装置

が据え付けられていないか。

追加の

MR

装置

で同じ

クエンチ

配管が使用されていないか。

これらのシステムは,装置寿命の間,建物の変更又は改装の対象となるので,

操作者

クエンチ

配管及

び排気システムの重要性を熟知している必要がある。この理由によって,頻繁な目視による検査を推奨す

る(例えば,

クエンチ

配管周囲の建築物の変更,厳しい天候に関連する氷,雪,砂など)。システムの機

能に疑わしい点がある場合には,排気システム据付の建設業者に連絡する。

緊急時の対応計画

次の勧告事項は,それらの項目を含む緊急時の対応計画を

操作者

が策定するための助けとして作成した。

人及び排気ガスを外に出すための窓及び避難経路についての

MR

室のレイアウト,並びに寝台の上で

素早く

患者

を移動させるための緊急手動スイッチ

緊急時のスタッフ(例えば,救急隊員,施設の火災対応チーム並びに施設及び外部の保安要員)

消防署及び警察署への説明及び情報提供(取扱説明書に記載されているように,実際の緊急時以前に

行われなければならない)

。磁場がまだあるか又は消磁しているかを確認する必要性も含む。

救出訓練は各人が行う。

操作を行うスタッフは,

MR

室及びその周囲の部屋からの避難時の監督についての訓練を受ける。

スタッフは,状況が元に戻ったとき,すなわち,音が止まり,視界が戻ったときに限り

MR

室に戻る。

安全上の理由から,全ての部屋は,外につながる窓及びドアを開けて,完全に風を通す。通常,空調

は有効に換気を行う。

スタッフが磁石室にいる場合,次の項目について考慮する。

通常のシナリオ:

クエンチ

配管は計画どおり機能する。

患者

は容易に移動させることができる。低温


80

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2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

の部分に接触することは禁止される。

少ない漏えい:小さな霧状の雲が明らかに頭上にとどまり,暖房及び空調システムによって明らかに

取り除かれる。白い霧状の雲は床まで降りてくる場合がある。これらの雲は冷たい空気から成り,酸

素欠乏を引き起こさない。この場合には,過圧は起きていない。

患者

又はスタッフが窒息することは

ない。

患者

は,すぐに,又は

患者

の状況への反応によっては数分後に,移動することができる。低温

の部分に接触することは禁止する。

クエンチ

配管の部分的又は完全な故障:視界を遮る霧状の大きな雲が現れる。さらに,検査室の気圧

も高くなる。部屋の中にいる全ての人又は救出のために部屋に入る全ての人が危険である。検査室内

にある超電導磁石の換気システムの完全な故障の間,検査室には直ちに低温のヘリウムガスが充満す

る。

一般に,救助隊員は一人で行動するのでなく,

2

人以上のグループで行動するのがよい。

通常,強いガスの噴出しは最初の数分だけで,それ以降は鎮まる。しかし,

クエンチ

配管の異常が起き

たときのことは,一般に十分には分からないので,ガスの噴出する方向は完全には予知できない。

検査室へのドアを開ける前に十分な換気を行うために,全ての開閉可能なドア及び窓を開けなければな

らない。システム周辺にいる救援活動に従事しないスタッフは,検査室内の

患者

救助の前に退去する。ド

アを開けたときに,部屋の中で起こり得る過圧は,次の項目の要因となる。

ドアを操作室に向けて開けたとき,ドアは過圧で勢いよく開く場合がある。

操作者

は,ドアが勢いよ

く開くことによる怪我を避けることができるように,この可能性に注意する。

ドアが検査室に向かって開く場合,過圧のため開けられない場合がある。この場合には,窓又は緊急

フラップを開ける。過圧によって窓又はフラップが予想以上に勢いよく開く場合がある。緊急用の開

口部がない場合は,観察窓を壊す場合がある。しかし,ガラスの破片は,救急隊員を傷つける可能性

がある。構造及び窓厚によるが,

責任部門

は窓を壊すのに適当な道具を用意しておく必要がある。

検査室へのドアを開けると,ヘリウムガスは,近接の部屋に流れ出すおそれがあり,救急隊員を危険に

さらす。酸素濃度計を使って空気中の酸素濃度を確認することが可能である。ガスマスクは,ヘリウムガ

スによる酸素の置換に対しては有効でない。ヘリウムガスからの回避に必要な設備としては,空気ボンベ

が必要である。また,窒息に加えて,低体温症の危険がある。

ヘリウムガスは,速やかに昇温し,天井から下に向かって広がってくるので,立っている救急隊員の方

が,

患者

支持器に横たわっている

患者

よりも危険な状況にさらされる。床側に空気が残っている可能性が

ある。救急隊員は四つんば(這)いになって空気を吸った方がより時間を稼げる可能性がある。

患者

を検査室から移動させた後は,

クエンチ

が停止し排気が確認できるまで

MR

システム

の周辺にいか

なる人も居てはならない。

クエンチ

の後,

附属文書

に記載されているサービス手順が実施されなければならない。

MR

システム

直ちに復旧させるため,保守要員に連絡する。

201.8.7.3 

許容値

表面コイルの漏れ電流について通則からの要求事項の適用を明確にする。通則

JIS T 0601-1

8.7.3 e)

規定される漏れ電流の許容値については,あらゆる状況で計測することができない。

MR

装置

においては,

正常状態及び単一故障状態での漏れ電流の

患者

に対する上限及び

患者漏れ電流

は,

1 MHz

以上の周波数に

は適用されない。波形及び周波数に関係なく,漏れ電流については,この規格の

201.12.4.103.2

に規定す

局所

SAR

への要求事項によって管理できる。

201.9.6.2.1 

可聴域の音響エネルギー


81

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2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

静磁場内で傾斜磁場コイルに流れる電流の早い変化は,可聴周波数帯域の振動を生じる。これらは,し

ばし大きな“ノッキング音”として現れる。

このノッキング音のような,短いが非常に大きな騒音は,突発的な聴力低下を引き起こすことがある。

これに関連する安全性パラメータは,デシベル(

dB

)値(

20

μ

Pa

を基準)で測定したピーク音圧レベルで

ある。

現在,国際的に容認されているピーク音圧レベルの上限値は

140 dB

である。騒音の発生について,どの

ような状況において

MR

装置

が最悪の状態を生じるかを予測することは困難である。騒音について最悪の

状態は,

MR

装置

の周波数応答特性によって,ある臨床プロトコルを用いた場合に生じる可能性がある(偶

然に機械的共鳴周波数で

MR

装置

を振動させ,その結果,更に大きな騒音を生じる)。

理論的根拠

201.7.9.2.101 d)

も参照。

201.12.4 

危険な出力に対する保護

MR

装置

によって発生する時間変化する(傾斜)磁場,高周波磁場及び静磁場は,ある程度の安全処置

が必要なほど,生理的機能に影響を与える可能性がある。次の勧告は,現在の科学技術の知識に基づいて

いる。これらの勧告を定める場合には,現在のガイドラインが考慮されているが,新しい科学的根拠が得

られた場合には,修正が必要になる。

診断のための

MR

検査

は,通常,約

1

時間以内に終えることができる。したがって,

患者

に与える影響

については,

1

時間の照射中及び直後の(急性)副作用について重点が置かれている。

201.12.4.102

傾斜磁場システムが生成する過度の低周波磁場変化に関する保護

(

1

)

概要

時間変化する磁場は,ファラデーの法則に従って電場

E

を誘導する。

MR

装置

の傾斜磁場コイルを切り

換えると時間変化する磁場(

d

B

/d

t

又は)が生じ,

患者

の身体はその誘導電場にさらされる。この電場は,

周波数に依存するしきい値をもつ刺激を受けやすい組織に影響を与えることがある。

10 kHz

を超える周波

数では,影響を引き起こすのに必要な電場は高くなる(文献

84

)。電場は電流を誘導し,これがオームの

法則に従って加熱を引き起こすが,実際には,

傾斜磁場出力

による加熱作用は問題にはならない。

時間変化する均一な磁場があり,更に,均一な伝導度をもつ円筒形の人体を,その軸を磁場

B

に平行に

配置しているような単純な場合には,電場

E

は磁場

B

に垂直な円形経路に沿って誘導される。

したがって,

その大きさは,その経路の半径に比例する。その結果,問題のレベルは,傾斜磁場システムの大きさ及び

導電性媒体の大きさに左右される。組織への刺激は,大きな傾斜磁場システムで時間変化する磁場を生成

したときの方が起こりやすい。

(

2

)

安全性についての問題

傾斜磁場出力

についての主要な問題は,心細動及び末しょう(梢)神経の刺激である。心細動は,すぐ

に生命を脅かす状態であるため,最も重要な問題である。神経の刺激は,耐えられない痛みとしての強い

刺激を感じることがあるため重要である。これらの重要な現象は,心臓神経の刺激(

CS

)及び末しょう神

経の刺激(

PNS

)のしきい値を超えると生じる。

第二に重要な問題は,

患者

の加熱である。現在,誘導電流によって生じる熱は低いが,これに

MR

装置

の高周波にさらされることによって生じる熱が追加されるので,この問題はこれら二つの熱源の組合せに

よる影響に関係する。

(

3

)

刺激モデル

Reilly

による空間的に延長した非線形結節(

SENN

)による理論的神経モデルでは,神経の刺激しきい値

は,電場の方向に平行な神経の終点における局所電場強度

E

,及び刺激の持続時間

t

s

によって表すことが


82

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

できると予測している(文献

85

)。刺激の持続時間が長くなると,電場強度のしきい値は漸近的に最低レ

ベル

E

min

に達し,刺激の持続時間が短い場合には,しきい値は

E

min

1/

t

s

との積に比例する。

Reilly

は,

t

s

を変数とするしきい値関数は,指数関数を用いて次のように近似できると提唱した。

(

)

c

s

min

TH

exp

1

t

t

E

E

=

  (AA.5)

このモデルから,単極方形波電気刺激によるヒトの心臓及び末しょう神経の刺激しきい値

E

min

の最小値

は,

6.2 V/m

であると推定される。時定数

t

c

の実験値は,末しょう神経の刺激については約

0.12

0.8 ms

であり,心臓神経の刺激については

1

8 ms

である。

Reilly

は,代表値として

3 ms

を挙げている。

(AA.5)

の指数関数的関係に代わって,実験データを更に正確に表すことのできる関係式が提唱されて

いる(文献

86

87

)。この関係式は,しきい値と刺激の持続時間との間に双曲線的依存性があることを示

している。





+

=

s

c

TH

1

t

t

rb

E

  (AA.6)

ここに,

rb

: 基電流

t

c

: 時値

t

s

: 刺激の持続時間

この式において,基電流はしきい値刺激に必要な低周波の限界値,時値は対象とする神経の特性反応時

間である。式

(AA.5)

と同様に,

t

s

は刺激の持続時間である。この式は単極方形波刺激を想定している。次

に記載するように,最近の実験は,傾斜磁場による末しょう神経の刺激は,式

(AA.6)

に時値

360

μ

s

を用い

ることによって正確にその特性が表されることを証明している(文献

89

90

91

)。

Schaefer

は,式

(AA.5)

の指数関数的関係と比べると,式

(AA.6)

の双曲線的表現も,

Reilly

SENN

モデル

から得られる理論値に当てはめるのに適していると指摘した(文献

88

)。したがって,ここでは式

(AA.6)

を用いて末しょう神経の刺激しきい値について記載する。

(

4

)

心臓の刺激,末しょう神経の刺激及び加熱の生理学的限界値

Reilly

は,動物における電気刺激についての各種の研究を比較し,心細動のしきい値は対数正規分布を

示し,刺激に最も敏感なパーセンタイルは中央値の約半分であることを確認した(文献

85

)。さらに,一

定の動物では刺激しきい値(異所性拍動の発生開始)が心細動レベルの

40 %

になると推定した。外挿によ

って,自身の

SENN

モデルから得られるヒトの刺激しきい値は,ヒトの平均的な細動レベルの

20 %

になる

とした。

Reilly

は,刺激に最も敏感な

1

パーセンタイルの刺激に必要な基電流(

V/m

)であると自ら推定し

ている

6.2 V/m

の電場を心臓に生じるには,傾斜磁場(

x

y

z

)を(

71.3

72.1

50.8

T/s

d

B

/d

t

で切

り換える必要があると推定した。

Bourland

らは,立上がり時間

530

μ

s

2.700 T/s

を超える傾斜磁場の切換えを行った場合の,イヌの心臓

の刺激しきい値の中央値を報告している(文献

90

)。これは,心臓の神経の時定数が

3 ms

であるとき,

440

T/s

の漸近的刺激しきい値に相当する。イヌ及びヒトの生理学的機能を考慮して計算すると,測定対象の

体長方向に沿った単位

d

B

/d

t

が心臓に誘導する電場は,ヒトの場合はイヌの場合よりも

2.81

倍大きくなる。

したがって,ヒトについては,漸近的刺激しきい値は

156 T/s

と推定され,その結果,

1

パーセンタイル値

は,

78 T/s

と予想される。これらは,

Reilly

の推定値とよく一致している。

この規格で用いている心臓神経の刺激を避けるための限界値は,

1

パーセンタイルしきい値に対して

1/3

の安全係数を採用している。これは,

SENN

モデル及び実験的に求めた心臓の刺激しきい値に基づいてい

る。この限界値は,上述の仮定を用いると,心臓の刺激のゆう(尤)度が

2

×

10

9

未満であることに相当


83

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

する。さらに,この規格が与えている末しょう神経の刺激の限界値は,実用的に関心のある全ての刺激持

続時間について,心臓の刺激しきい値よりも低いことになる。

パデュー大学の

Bourland

らによる

84

例を対象とした研究では,不快な刺激の最小パーセンタイルに必

要な

d

B

/d

t

は,前後(

AP

)方向及び頭足(

HF

)方向の両方の傾斜磁場を切り換えたときの,末しょう神経

の刺激しきい値の中央値にほぼ等しい(文献

90

)。耐えられない刺激の最小パーセンタイルは,末しょう

神経の刺激しきい値の中央値よりも約

20 %

高い

d

B

/d

t

にあった。大きな不快感の原因になるのは有痛刺激

だけではなく,筋肉の不随意れん(攣)縮も不快感を伴う。そのため,このようなレベルでは,

患者

の協

力及び検査の有効度が大きく損なわれる。明らかに,その点における限界(エンドポイント)は,耐えら

れない刺激の発生である。そのような状況における

患者

の反応は,更なる安全上の

リスク

をもたらす。し

たがって,この規格では,

第一次水準管理操作モード

については平均刺激しきい値を限界値として選択し,

通常操作モード

についてはその

80 %

を限界値として選択している。

傾斜磁場出力

に対して

MR

作業従事者

に許容される被ばくレベルは,耐えられない

PNS

の発生を最小

にするという意味で,

患者

のレベルに設定する。

MR

作業従事者

は,

患者

が近づかない装置の位置に近づ

く場合があるので,

患者

に対する

PNS

の平均しきい値レベルと関連させるのは困難である。

インターベンション

MR

の実施の前に,

MR

作業従事者

患者

の安全を損なうような予期せぬ

PNS

を避

けるように注意を喚起するのがよい。

(

5

)

MR

装置

における電場

E

d

B

/d

t

との関係

電場

E

の上限値を

d

B

/d

t

の上限値に変換するには,一般的な

患者

及び傾斜磁場システムの形状における,

これらのパラメータの関係を知る必要がある。

傾斜磁場システムによって人体に誘導される電場

E

は,

d

B

/d

t

の空間分布及び人体の形状に関連してい

る。表面

S

に外接する任意の閉じた軌跡

l

について,次の基礎物理学的方程式が与えられる。

dS

dt

dB

=

dl

E

  (AA.7)

この式は,境界条件を指定すると解くことができる。説明を簡単にするために,

患者

は長半径

a

,短半

b

をもつ均一な伝導度の回転だ(楕)円体として表し,

患者

の外側の空間は絶縁物であるとする。空間

的に均一な時間変化する磁場を,このだ円体の長半径に垂直に加えると,

E

の最大値はだ円体の中心を通

る面の外周に沿って生じる。この外周が,末しょう神経の刺激が最初に生じると予測される位置になる。

Reilly

は,その位置で次の式が成り立つと指摘している(文献

85

)。

(

)

t

B/

b

a

b

a

|E|

d

d

2

2

2

+

=

  (AA.8)

患者

の身体断面を表すだ円体の長半径

a

0.4 m

,短半径

b

0.2 m

,及び磁場の方向が

AP

方向である

とき,次の関係が成り立つ。

t

B/

.

|E|

d

d

16

0

=

  (AA.9)

ここに,

E

V/m

単位

d

B

/d

t

T/s

単位

時間変化する磁場がだ円体の長半径に平行であるとき,すなわち,磁場の方向が

HF

方向であるとき,

誘導される電場はその半径

b

0.2 m

の円形断面に平行になる。このとき,次の関係が成り立つ。

t

B/

E

d

d

10

.

0

=

   (AA.10)

ここに,

E

V/m

単位


84

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

d

B

/d

t

T/s

単位

現実には,

MR

装置

の傾斜磁場システムによる磁場は不均一である。傾斜磁場システム内では,

患者

周辺における

d

B

/d

t

の空間的最大値は,

患者

の身体全体にわたる

d

B

/d

t

の平均値よりも高い。形態が実際

の人体に近いモデルを用いた最近の計算では,半径

0.2 m

における最大値とみなされる

d

B

/d

t

について,

(AA.9)

の係数が

0.11

及び

(AA.10)

の係数が

0.08

であると報告されている。

Botwell

及び

Bowley

も,撮像

装置内にある半径

0.195 m

の導電性の円筒に誘導される電流を計算しており,同様の値を報告している(文

92

)。その結果から,

E

/(

d

B

/d

t

)

の値(

d

B

/d

t

r

0.195 m

で最大値)を求めることができる。この比は,

横手方向の傾斜磁場の切換えについては

0.121

になり,長手方向の傾斜磁場の切換えについては

0.087

にな

る。このモデルで伝導度が不均一な場合(骨を含む場合など)を想定するとき,局所最大電場は恐らく

2

倍大きくなるということに注意する必要がある。

(AA.6)

は,その値を特定の代表的な位置に関連付けるとき,

d

B

/d

t

のしきい値を表す式に変換すること

ができる。

MR

装置

の傾斜磁場波形は,バイポーラ(双極)波形が繰り返されるという特性をもつ。台形

傾斜磁場波形の場合(この規格の箇条

201.3

201.101

参照),誘導される電場

E

は,極性が交替しなが

ら連続する方形波刺激列になる。最大強度

G

max

をもつ双極台形傾斜磁場波形の刺激の持続時間

t

s

は,次の

式で与えられる。

G

G

t

max

s

2

=

   (AA.11)

(

6

)

間接的に求めた心臓の刺激しきい値

この規格では,式

(AA.6)

を用いて,

(

4

)

に記載した心臓の刺激の生理学的限界値を換算する。心臓神経の

時定数

t

c

3 ms

とみなす。心臓の刺激を生じる基電流

rbc

としては,

Reilly

1

パーセンタイルしきい値

電場の値を用いる。電場で表した基電流を

d

B

/d

t

で表した基電流に変換するには,式

(AA.10)

及び

(

4

)

に記載

した安全係数

1/3

を用いる。心細動を避けるための限界値は,次のようになる。

(

)

c

s

exp

1

1

3

t

t

rbc

L

=

   (AA.12)

ここに,

rbc

6.2 V/m

又は

62 T/s

(

7

)

全身用

MR

装置

における末しょう(梢)神経の刺激(

PNS

)に対する

傾斜磁場出力

の限界値の直接証

この規格では,

MR

装置

に固有の

PNS

しきい値を得るための,多数の方法を記載している。この

(

7

)

及び

次の

(

8

)

で,これらについて記載する。この規格は,

PNS

の限界値を確立する場合に,しきい値の実験的評

価を限界値の決定の根拠として用いてよいとしている(直接決定)。直接決定には,

傾斜磁場ユニット

代表的モデルを用いたボランティアによる実験が必要である。しきい値と立上がり時間との間に双曲線的

関係があるという仮定が正しいということに基づいて,使用できる直接証明の方法には,限定された数の

立上がり時間を用いた実験に基づいて基電流及び時値を確立し,用いた各立上がり時間について帰納式を

生成する方法がある。さらに,別のモデルを用いて,実際に実験に用いる波形の数を限定してもよい。そ

のようなモデルの一例を

(

16

)

に記載する。

ボランティアによる実験から導かれる上限値は,

(

4

)

に記載した生理学的要求に従わなければならない。

このような直接証明は過度の負担を与えることがあるので,この規格では,一部の重要な波形について,

代替値として計算による上限値を与えている。これについては,次の

(

8

)

(

14

)

で記載する。

傾斜磁場は,均一な球内に

d

B

/d

t

,傾斜磁場の立上がり時間及び球の半径に依存した電場を誘起する。


85

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

電場による刺激のしきい値は,大人と子供とで類似しているが,やや子供の方が高い可能性がある(文献

160

)。したがって大人に対して刺激のしきい値を設定する方が低めの値となり,このため子供はボランテ

ィア試験から除外する。

(

8

)

計算による

PNS

の上限値

PNS

上限値の直接証明は,常に実施できるとは限らない。この規格では,このような場合の代替法とし

て,計算によって求める上限値を

d

B

/d

t

及び

E

について与えている。これらの上限値は,

MR

装置

を用い

PNS

を求めた

3

件のボランティア研究に基づいている。これらの研究の結果は,

Ham

ら(文献

89

),

Bourland

ら(文献

90

)及び

Hebrank

ら(文献

91

)が報告している。いずれの報告においても,円筒形

全身

用磁石

の中の

全身用傾斜磁場システム

による傾斜磁場にボランティアをさらしており,その

PNS

しきい値

d

B

/d

t

及びパルス持続時間の関数として観察されている。これらの報告で

PNS

しきい値を表すために用

いられている

d

B

/d

t

値は直接比較できず,また,傾斜磁場波形の細部も異なるが,これらの報告の結果を

比較することはできる。この比較には,この規格で用いる

PNS

上限値の根拠を確立する目的で収集された

未発表の詳細データを幾つか用いる。比較の根拠を

(

9

)

にまとめる。

全身用

MR

装置

の全身用

傾斜磁場出力

の上限値は,上記に基づき

(

10

)

において導かれる。

(

9

)

傾斜磁場出力

の比較の根拠

実験(文献

89

90

91

)の比較には,次の根拠を用いた。全ての

d

B

/d

t

値は,磁石と同軸に置かれた半

0.2 m

の円筒の壁面に生じる

d

B

/d

t

の絶対値の空間的・時間的最大値

d

B

/d

t

で再計算した。この円筒の容

積は,通常の場合に

患者

が占める領域を表すものとして選択した。用いた全ての傾斜磁場波形は,台形の

エコープラナ(

EPI

)波形であった。切り換えた傾斜磁場の方向は,

3

件の報告のうち

2

件が前後(

AP

方向であった。さらに,第

3

の報告(文献

89

)には,全ての傾斜磁場装置を同時に作動させた結果が示さ

れており,この報告から,

AP

方向に切り換える傾斜磁場のしきい値を回帰によって得た。波形の平たん

(坦)部の報告値は,

Bourland

(文献

90

)が

0.3 ms

Ham

(文献

89

)が

0.4 ms

及び

Hebrank

(文献

91

)が

0.5 ms

であった。これらの平たん部の長さの違いは,二次の影響とみなされて無視された。個々のしきい

値の個人差の分布の幅は,

3

件の報告のうち

2

件(文献

90

91

)で評価することができたが,それは,こ

れらの研究に参加したボランティアの人数が多かったためである。平均との比で表される標準偏差は,こ

2

件の研究では類似の値が観察され,平均しきい値の信頼区間の決定には

0.24

の値が用いられた。

ある立上がり時間について,傾斜磁場システムの技術的な制限によって,全ての被験者においてしきい

値に達することができなかった場合は,平均の推定量として限定された範囲での平均(刈込み平均)が用

いられた。

N

例のボランティアで

c

個の最大しきい値が観察できなかった場合,限定された範囲での平均

は,大きさの順に並べたしきい値の中央の

N

2

c

個の平均として定義する。

(

10

)

全身用

MR

装置

によるヒト・ボランティアの

PNS

しきい値についての実験データ

AA.2

に,実験値を上記

(

9

)

に記載した比較の根拠に従って変換した結果を記載する。研究には,傾斜

磁場装置の設計の違いが出るように複数の

製造業者

MR

装置

が用いられたが,図のデータは一致してい

ることが分かる。

d

B

/d

t

1.0

rb

 (1

0.36/

t

s, eff

)

全てのデータ点を,各点に上述の各報告のボランティア数を考慮した統計的重みをつけて当てはめるこ

とによって,

上式に従った単一双曲線しきい値刺激関数が得られる。得られた基電流の値は次の式で表す。

rb

19.7

±

1 T/s

上述の値は,この規格では

19.7

20 T/s

に丸める。時値

t

c

0.36 ms

である。


86

Z 4951

2017 (IEC 60601-2-33

2010

Amd.1

2013

Amd.2

2015)

台形

EPI

波形での末しょう(梢)神経の刺激の実験的しきい値及び,立上がり時間

t

s

の両対数グラフ[◇

Ham

(文献

89

,+は

Bourland

(文献

90