日本工業規格
JIS
Z
4920
-1988
X
線写真フィルム用ネームプリンタ
Name Printers for Radiographic Films
1.
適用範囲 この規格は,X 線検査依頼票,照射録,認証カードなどに記載されている,文字,記号な
どを転記することなく,JIS K 7521(X 線写真フィルムの寸法)に規定する医療用 X 線写真フィルム(以
下,フィルムという。
)に光でプリントするネームプリンタについて規定する。
引用規格:
JIS K 7521
X 線写真フィルムの寸法
JIS K 7605
写真濃度の測定方法
JIS Z 4701
医用 X 線装置通則
JIS Z 4918
医用 X 線写真観察器
JIS Z 8305
活字の基準寸法
2.
用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1)
ネームプリンタ 被検者の氏名,撮影年月日などをフィルムに写し込む機器。
(2)
認証カード 診察券,診療券などの総称。
(3)
読取り範囲 X 線検査依頼票,照射録,認証カードなどのプリントする部分。
(4)
プリント部 フィルム上のプリントされた部分。
(5)
縮小率 縮小率は,次の式によって求める。
100
×
=
B
A
R
ここに,
R
:
縮小率
(%)
A
:
プリント部の寸法
(mm)
B
:
読取り範囲の寸法
(mm)
3.
性能
3.1
プリント部の性能 プリント部の性能は,6.によって試験したとき,次のとおりとする。
(1)
フィルム上の文字再現性
X
線検査依頼票,照射録,認証カードなどに記載されている JIS Z 8305(活
字の基準寸法)に規定する
9
ポイント(
13
級)明朝体の文字をフィルム上で容易に読み取れること。
(2)
濃度むら フィルム上の濃度は,写真濃度
0.8
〜
1.8
の範囲内であること。
(3)
繰返し使用時の濃度変化 繰返し使用時のフィルム上の濃度は,濃度差
0.4
以下であること。ただし,
濃度範囲は
0.8
〜
1.8
とする。
3.2
電気的安全 電気的安全は,JIS Z 4701(医用
X
線装置通則)に規定する電撃防止の性能を満足し
なければならない。
2
Z 4920-1988
4.
構造 構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1)
X
線検査依頼票,照射録,認証カードなどを確実かつ容易に装着できること。
(2)
プリントする光量が調整できること。
(3)
フィルムの出し入れによって,フィルムに傷がつかないこと。
(4)
光漏れによってかぶりが生じないこと。
5.
寸法及び位置 読取り範囲の寸法及び位置並びにプリント部の寸法及び位置は,次による。
(1)
読取り範囲の寸法を,
図 1 の a,b で示す。a は
40
±
1mm
,b は
75
±
1mm
とする。
(2)
X
線検査依頼票,照射録,認証カードなどの読取り範囲の位置を,
図 1 の c,d で示す。c は
5
〜
20mm
,
d
は
5
〜
30mm
とする。
(3)
プリント部の寸法 a 及び b の縮小率は,
50
±
5%
,
70
±
5%
及び
100
±
5%
とする。
(4)
プリント部の位置は,原則として,
図 2 の
1
,
2
,
3
又は
4
のいずれかとし,読取り範囲の寸法及び位
置は,図
1
の a,b,c 及び d を準用する。
図 1 読取り範囲の寸法及び位置
図 2 プリント部の位置
6.
試験方法 試験方法は,次による。
(1)
フィルム上の文字再現性 明朝体,全角ベタ組み,
13
級(
9
ポイント)の写真植字文字を,5.の(2)及
び(3)の条件でプリントし,フィルム上のプリント活字を JIS Z 4918(医用
X
線写真観察器)に規定す
る写真観察器を用い,目視によって調べる。
(2)
濃度むら 反射率が均一な白色紙を用いて露光し,フィルム上のプリント部の写真濃度(
1
)
を無作為に
5
か所測定して,濃度むらを調べる。
(3)
繰返し使用時の濃度変化 反射率が均一な白色紙を用い,連続
5
回繰り返してプリントし,中央部の
濃度(
1
)
を測定して,濃度変化を調べる。
注(
1
)
写真濃度は,JIS K 7605(写真濃度の測定方法)に適合する値を示す濃度計を用いて測定する。
7.
表示
X
線写真フィルム用ネームプリンタには,見やすいところに容易に消えない方法で,少なくと
も次の事項を表示しなければならない。ただし,装置に組み込まれるものは除く。
(1)
名称
3
Z 4920-1988
(2)
製造年月
(3)
製造番号
(4)
製造業者名及びその住所
8.
取扱説明書
X
線写真フィルム用ネームプリンタには,必要な技術的データ,交換主要部品のリスト
及びその他必要な事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。
解説表 原案作成委員会 構成表
氏名
所属
本委員会 小委員会
分科会
(委員会長)
大 出 良 平
財団法人医療用テレビジョン研究所
○
野辺地 篤 郎
聖路加国際病院
○
竹 中 栄 一
防衛医科大学校
○
平 松 慶 博
聖母病院
○
山 根 巌
IEC
TC62
国内対策専門委員会
○
兵 藤 洋
通商産業省機械情報産業局
○
平 野 隆 之
工業技術院標準部
○
菅 原 淳 夫
財団法人日本規格協会
○
(主査)
蕗 利 彦
済生会横浜市南部病院
○
○
○
関 義 孝
社団法人日本放射線機器工業会
○
○
四 宮 恵 次
化成オプトニクス株式会社
○
○
○
岡 本 宰 臣
株式会社岡本製作所
○
○
塩 田 貞 夫
小西六写真工業株式会社
○
○
○
関 口 治
株式会社島津製作所
○
○
高 山 勝 志
株式会社精光社
○
○
○
長谷川 清
株式会社東芝那須工場
○
○
原 茂 一
株式会社日立メディコ柏工場
○
○
畠 山 敏 一
富士メディカルシステム株式会社
○
○
○
小野寺 秀 明
シーメンスメディカルシステムズ株式会社
○
○
橋 本 宏
埼玉県立小児医療センター
○
○
深 栖 一
財団法人早期胃癌検診協会
○
○
○
山 田 和 美
東京日立病院
○
○
○
長 岡 新 六
結核予防会保生園病院
○
○
前 田 志 郎
日本医科大学付属第一病院
○
○
○
北 村 善 明
厚生中央病院
○
○
村 上 勉
国立がんセンター
○
○
(事務局代行)
坂ノ上 信 美
社団法人日本放射線技術学会
(三井生命保険相互会社診療所)