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Z 4904 : 1999

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣及び厚生大臣

が制定した日本工業規格である。


日本工業規格

JIS

Z 4904 :

 1999

医用 X 線直接撮影台

X

−ray tables and stands for medical use

1.

適用範囲  この規格は,JIS Z 4703 に規定されている医用 X 線直接撮影台(以下,直接撮影台という。)

について規定する。

なお,ここに規定する以外の事項については,JIS Z 4703 の規定を適用する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS Z 4005

  医用放射線用語

JIS Z 4701

  医用 X 線装置通則

JIS Z 4703

  医用 X 線機械装置通則

JIS Z 4905

  医用放射線フィルムカセッテ

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4701JIS Z 4703 及び JIS Z 4005 によるほか,次

による。

a)

医用 線直接撮影台  X 線診断のために,人体の位置決めができ,X 線像を直接フィルムなどに記録

する撮影台。

b)

水平位  患者を水平に位置決めした状態。

c)

立位  患者が立った姿勢に位置決めした状態。起倒式撮影台における患者の向きは,図 による。

d)

傾斜位  患者の頭側が水平より上がる姿勢に位置決めした状態。傾斜式及び起倒式撮影台における患

者の向きは,

図 による。

e)

逆傾斜位  患者の頭側が水平より下がる姿勢に位置決めした状態。起倒式撮影台における患者の向き

は,

図 による。

f)

水平式撮影台  水平位だけで使用する直接撮影台。

g)

傾斜式撮影台  天板部を水平位から傾斜位にすることができる直接撮影台。

h)

起倒式撮影台  天板部を水平位から立位及び逆傾斜位にすることができる直接撮影台。

i)

立位式撮影台  立位だけで使用する直接撮影台。

j)

リーダー撮影台  (Lieder’s radiographic stand)  立位式撮影台の一種で,カセッテホルダだけを取り付

けた直接撮影台(

参考図 参照)。

k)

天板部  人体を支持する天板及び天板を支持する枠の総称。

l)

受像部  受像器(フィルムカセッテ,ブッキー装置など)及びこれを支持する部分の総称。

m)

基板面  立位式撮影台における踏板の上面又は床面。リーダー撮影台の場合は基台の上面。


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Z 4904 : 1999

4.

種類  直接撮影台の種類は,次のとおりとする。

a)

水平式撮影台

b)

傾斜式撮影台

c)

起倒式撮影台

d)

立位式撮影台(リーダー撮影台を含む。

なお,これらの直接撮影台を天板固定形と天板移動形とに分類する。

5.

性能

5.1

リーダー撮影台の機械的剛性  リーダー撮影台は,JIS Z 4905 に規定されたカセッテ JC35×35 を取

り付けて,カセッテ上部支えを基台上 1 500mm の高さに保持し,このカセッテの中心部にカセッテ面に垂

直な方向に 250N の力を加えたとき,力を加えた点に 20mm 以上のたわみを生じてはならない。

5.2

傾斜及び起倒角度  傾斜式及び起倒式撮影台の天板の角度付け範囲は,水平を基準として,次に示

す値とする。

a)

傾斜式  水平位から,15°以上 30°以下とする。

b)

起倒式  水平位から,立位 (90°)  及び逆傾斜 15°以上とする。

備考  患者の安全を考慮して,立位を 90°より数度手前としてもよい。

5.3

天板の移動量  天板を長手方向又は幅方向に移動できる天板移動形撮影台にあっては,天板の長手

方向の移動量は,

表 に示す値以上とし,幅方向の移動量は,中心から±75mm 以上とする。

表 1  天板の長手方向の移動量

単位 mm

種類

受像部が固定の場合 受像部が移動する場合

水平式

1 000

1 000

傾斜式

  850

  400

起倒式  起倒角度が 30°以下の範囲

  850

  400

起倒角度が30°を超え90°以下の範囲

  400

  400

5.4

受像部の移動量  受像部を移動できる直接撮影台にあっては,受像部の移動量は,次のとおりとす

る。

a)

立位式の場合  フィルムチェンジャ又はブッキー装置を装備した直接撮影台及びリーダー撮影台にあ

っては,JIS Z 4905 に規定されたカセッテ JC35×35 の中心又は同等寸法のフィルムの中心から基板面

までの距離を最高 1 500mm 以上,最低 800mm 以下に移動できるものとする。

b)

水平式,傾斜式及び起倒式の場合  長手方向の移動量は,表 の値以上とする。ただし,天板移動形

にあっては,天板部に対する受像部の相対移動量とする。

表 2  受像部の長手方向の移動量

単位 mm

種類

天板固定形

天板移動形

水平式

1 000

1 000

傾斜式

1 000

1 000

起倒式

起倒角度が 30°以下の範囲

1 000

1 000

起倒角度が30°を超え90°以下の範囲 1

000

  800

5.5

許容差  天板の移動量,受像部の移動量,質量,角度目盛及び長さ目盛の公称値又は表示値に対す

る許は,JIS Z 4703 の 5.4(許容差)による。


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Z 4904 : 1999

5.6

カセッテホルダの開き寸法  カセッテホルダは,JIS Z 4905 の表 1[形名,寸法及び質量(一般)]

に規定された JC18×24 から JC35×43 までのカセッテ,又は

表 3[形名,寸法及び質量(インチ系列)]に

規定された JL8×10 から JL14×17 までのカセッテが取り付けられなければならない。

6.

安全

6.1

機械的安全  JIS Z 4703 の 7.2(機械的安全)による。

6.2

懸垂保持機構  JIS Z 4703 の 6.2(懸垂保持機構)による。

6.3

可動部分  JIS Z 4703 の 6.3(動く部分)による。

6.4

固有ろ過  天板及び前面板の固有ろ過は,JIS Z 4701 の 8.6(X 線ビームの減弱)による。

6.5

電気的安全  JIS Z 4701 の 5.(電撃に対する保護)による。ただし,電気的部分のない構造のもの

は,他の電気機器と組み合わせて使用する場合を除き接地しなくてもよい。

7.

構造  直接撮影台の構造は,次のとおりとする。

a)

通常の使用状態において十分な強度をもつこと。

b)

直接撮影台は,床又は壁などに確実に固定できる構造にすること。

c)

移動部分のロックは,確実かつ容易にできること。

d)

天板部は,患者固定具などが取り付けられる構造にすること。

e)

天板の表面には,X 線写真上に現れない方法によって,長手方向に中心線を表示すること。また,リ

ーダー撮影台のカセッテホルダは,左右方向の中心線を表示すること。

f)

水平位における天板の表面から床面までの高さは,次に示す値を超えないこと。ただし,天板昇降式

の直接撮影台は除く。

1)

水平式            800mm

2)

傾斜式及び起倒式  850mm

g)

天板の表面からフィルム面までの距離は,次に示す値を超えないこと。

1)

天板固定形         70mm

2)

天板移動形         80mm

h)

天板を逆傾斜させる場合には,水平位でいったん停止すること。

i)

立位式,起倒式撮影台の受像部は,JIS Z 4905 に規定されたカセッテ JC35×35 を装着した状態で平衡

が保たれること。ただし,リーダー撮影台を除く。

j)

胸部側面撮影のために両腕を挙げてつかまる“つかまり棒”を付ける場合,その強度は先端に 500N

を負荷して十分に安全なこと。

k)

リーダー撮影台の基台の奥行は,患者がカセッテに寄りかかるような姿勢をとる撮影に対しても安全

なように,カセッテ受けの前面の垂線から少なくとも 450mm 以上でなければならない。ただし,床

又は壁に永久固定する場合は除く。

8.

試験

8.1

一般条件  JIS Z 4701 の 11.1(試験条件)による。

8.2

試験方法

8.2.1

リーダー撮影台の機械的剛性試験  校正された適切な測定器を用いて測定し,カセッテの中心部に

おけるリーダー撮影台のたわみが 5.1 の規定を満足しているかどうかを調べる。


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Z 4904 : 1999

8.2.2

傾斜及び起倒角度試験  天板部を最大量傾斜させて,その角度を校正された角度計を用いて測定し,

その値が 5.2 の規定を満足しているかどうかを調べる。

8.2.3

天板の移動量試験  天板部を最大量移動させて,その移動量を検定された巻尺を用いて測定し,そ

の値が 5.3 の規定を満足しているかどうかを調べる。

8.2.4

受像部の移動量試験  受像部を最大量移動させて検定された巻尺を用いて移動量を測定し,その値

が 5.4 の規定を満足しているかどうかを調べる。また,相対移動量は受像部及び天板を最大量移動させて

測定する。

8.2.5

許容差試験  それぞれの許容差は,8.2.28.2.38.2.4 及び JIS Z 4703 の該当する項目に従って試

験を行い,その値が 5.5 の規定を満足しているかどうかを調べる。

8.2.6

カセッテホルダの開き寸法試験  検定された直尺で測定し,その値が 5.6 の規定を満足しているか

どうかを調べる。

9.

表示  JIS Z 4701 の 12.(表示)による。

10.

附属文書  JIS Z 4701 の 13.(附属文書)及び JIS Z 4703 の 10.(取扱説明書)による。

図 1  天板の立位,傾斜位,水平位及び逆傾斜位


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Z 4904 : 1999

参考図 1  リーダー撮影台 

関連規格  IEC 60601-1 (1998)  Medical electrical equipment−Part 1 : General requirements for safety

IEC 60601-1 Amendment 1 (1991)

  Medical electrical equipment−Part 1 : General requirements for

safety

IEC 60601-2-32 (1994)

  Medical electrical equipment−Part 2 : Particular requirements for safety of

associated equipment of X-ray equipment


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Z 4904 : 1999

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

平  松  慶  博

東邦大学医学部

(幹事)

矢  野      太

ジーイー田中メディカルシステム株式会社

(委員)

野辺地  篤  朗

聖路加国際病院

後  藤  芳  一

通商産業省機械情報産業局

村  上  貴  久

厚生省医薬安全局審査管理課

宮  崎  正  浩

通商産業省工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

尾  内  能  夫

財団法人癌研究会癌研究所

竹  中  栄  一

関東労災病院

多  田  信  平

東京慈恵会医科大学

宗  近  宏  次

昭和大学医学部

平  林  久  枝

東京女子医科大学病院放射線部

(社団法人日本放射線技術学会)

鹿  沼  成  美

日本大学医学部付属板橋病院放射線部

(社団法人日本放射線技術学会)

山  田  和  美

東京日立病院放射線科

(社団法人日本放射線技術学会)

幾  瀬  純  一

東芝メディカル株式会社技術本部

村  上  文  男

株式会社日立メディコ柏事業本部

山  口  尚二郎

株式会社島津製作所医用機器事業部技術部

三田村  正  義 GE 横河メディカルシステム株式会社品質保証部

辻      久  男

株式会社島津製作所医用機器事業部技術部

浅  野      淳

株式会社東芝那須工場医用機器第一技術部

伊  東      厚

社団法人日本画像医療システム工業会

(旧社団法人日本放射線機器工業会)

(事務局)

椎  名  光  男

社団法人日本画像医療システム工業会

原案作成分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

浅  野      淳

株式会社東芝那須工場医用機器第一技術部

(副主査)

西  村  俊  平

株式会社日立メディコ放射線機器事業部レントゲン第一設計部

伊  倉      喬

株式会社大林製作所川口工場設計部

石  川  光  雄

北里大学医療衛生学部

(社団法人日本放射線技術学会)

上遠野      昭

国家公務員共済組合連合会立川病院放射線科

(社団法人日本放射線技術学会)

川  上  充  朗 GE 横河メディカルシステム株式会社 CTM

桑  原  勇  幸

東芝メディカル製造株式会社技術部

祐  安  克  典

株式会社島津製作所医用技術部メカトログループ

高  橋      勝

東京女子医科大学第二病院放射線科

(社団法人日本放射線技術学会)

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

早  野  幸  雄

通産省工業技術院標準部

藤  井  滋  雄

株式会社日立メディコ大阪工場設計部

宮  崎  博  二

メディテック有限会社

(事務局)

椎  名  光  男

社団法人日本画像医療システム工業会