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Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本放射線技術学会 (JSRT)/財団

法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61223-2-11 : 1999,Evaluation and

routine testing in medical imaging departments

−Part 2-11 : Constancy tests−Equipment for general direct

radiography

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS Z 4752-2-11

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  用語−用語の索引

附属書 B(参考)  標準的な試験報告書の様式例

附属書 C(参考)  取るべき処置に関する指針

附属書 D(規定)  ファントム及び試験器具


Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲及び目的

1

1.1

  適用範囲

1

1.2

  目的

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

3.1

  要求度

2

3.2

  用語の用い方

3

4.

  不変性試験の概要

3

4.1

  試験手順に影響する一般的条件

3

4.2

  基礎値の設定

3

4.3

  不変性試験の頻度

4

4.4

  線装置,試験機器及び試験条件の同一性

4

4.5

  測定される機能パラメータ

5

5.

  性能試験

5

5.1

  線源装置からの 線出力

5

5.2

  受像面への 線入力

6

5.3

  幾何学的特性

8

5.4

  高コントラスト解像度

11

5.5

  線像全域の光学的濃度変化

12

6.

  適合に関する報告

14

附属書 A(規定)  用語−用語の索引

22

附属書 B(参考)  標準的な試験報告書の様式例

24

附属書 C(参考)  取るべき処置に関する指針

26

附属書 D(規定)  ファントム及び試験器具

27


日本工業規格

JIS

 Z

4752-2-11

:2005

(IEC 61223-2-11

:1999

)

医用画像部門における品質維持の評価及び

日常試験方法−

第 2-11 部:不変性試験−直接撮影用 X 線装置

Evaluation and routine testing in medical imaging departments

Part 2-11 : Constancy tests

Equipment for general direct radiography

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された IEC 61223-2-11,Evaluation and routine testing in

medical imaging departments

−Part 2-11 : Constancy tests−Equipment for general direct radiography を翻訳し,技

術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲及び目的

1.1

適用範囲  この規格は,JIS Z 4752 シリーズの一つで,次の 線装置の構成品について規定する。

−  X

線の発生,伝達及び検出するもの。

撮影用フィルムを用いて直接撮影を行う診断用 線装置システムを備えた放射線設備における放射線

情報を処理,記録及び表示するもの。

この規格は,一連の JIS Z 4752 シリーズの一部であり,診断用 X

線装置の様々な構成品の作動について

の不変性試験の方法を規定する。ただし,この規格は,乳房用 X

線装置,歯科用 線装置のような特殊な

用途の機器には適用しない。

この規格は,

JIS Z 4752-1

に規定する診断用 X

線装置の特性を維持するための試験方法を規定する(2.  

照)

この規格は,ディジタル画像装置を構成しない直接撮影用 X 線装置に適用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61223-2-11 : 1999

,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-11 :

Constancy tests

−Equipment for general direct radiography (IDT)

1.2

目的  この規格は,次のことについて規定する。

−  X

線装置の構成品の性能又は性能に影響を与える基本的なパラメータ。

患者への不要照射をさけながら,適切な画質基準を維持するために,これらのパラメータの変化量が

許容限度内にあることを確認する方法。

この方法は適切な

試験器具による 線像の評価を基本にしている。

目的は,次のとおりである。


2

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

−  装置が受け入れられた後に性能の基準レベルを定める。

−  是正が必要かもしれない性能の有意な変化を見つけ,確かめる。

放射線設備は著しく個々に異なるため,この規格では,受け入れられる基準として一般的に適用できる

性能パラメータの目標値及び許容差は規定しない。しかし,適切な改善行為が必要となるような性能パラ

メータの変動の範囲を示すための指針を規定する。

この規格は,次の内容は規定しない。

−  機械的及び電気的安全に関する事項。

−  X

線に対する直接的な防護手段の効果に関する確認。

−  画質の最適化。

測定に関しては,関連規格で規定する方法を実施した上で,この規格で規定する方法を行わなくてはな

らない(2.  参照)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 4005

  医用放射線用語

備考  IEC 60788 : 1984  Medical Radiology−Terminology からの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。

JIS Z 4701

  医用 X 線装置通則

備考  IEC 60601-1-3 : 1994  Medical electrical equipment−Part 1 : General requirements for safety 3.

Collateral standard : General requirements for protection in diagnostic X-ray equipment

からの引用

事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 4752-1

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 1 部:総則

備考  IEC 61223-1 : 1993  Evaluation and routine testing in medical imaging department−Part 1 :

Generalaspects

が,この規格と一致している。

JIS Z 4752-2-1

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 2-1 部:不変性試験−フ

ィルム現像機

備考  IEC 61223-2-1 : 1993  Evaluation and routine testing in medical imaging department−Part 2-1 :

Constancy tests

−Film processors からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 4752-2-3

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 2-3 部:不変性試験−暗

室安全光条件

備考  IEC 61223-2-3 : 1993  Evaluation and routine testing in medical imaging department−Part 2-3 :

Constancy tests

−Darkroom Safelight condition が,この規格と一致している。

3.

定義

3.1

要求度  この規格では,特定の語について,要求事項の記述を次のように明確にしている。

−  ・・・(し)なければならない。(“shall”)

適合が必す(須)である要求事項を示す文章の末尾。

−  ・・・することが望ましい。  ・・・するのがよい。(“should”)

適合が必す(須)でない強い勧告を示す文章の末尾。

−  ・・・(し)てもよい。  ・・・差し支えない。(“may”)


3

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

要求事項に適合する方法又はその代わりの方法を述べる文章の末尾。

−  規定の,規定した (“specific”)

この規格だけに記載された情報又は他の規格における,通常特定の作動条件,試験配置又は適合値

の参照を示す値。

−  指定の,指定した (“specified”)

通常,期待する目的,パラメータ又はその使用若しくは適合試験条件に関して,

機器の附属文書又

は他の文書に

製造業者によって明記された限定的な情報を示す語。

3.2

用語の用い方  この規格では,太字にした用語は,JIS Z 4005 及び附属書 で定義する用語である。

4.

不変性試験の概要  この規格で規定する不変性試験の試験方法は,線装置から得られる画像の画質

の変化を

操作者が見いだすことを目的とする。

この規格で規定する

不変性試験の結果を有効にするためには,その結果が試験パラメータの変化以外の

何ものによっても重大な影響を受けないことを保証することが必要である。

特に,JIS Z 4752-2-3 に従った暗室内での安全光条件及び JIS Z 4752-2-1 に従った適切なフィルム現像処

理に注意する(2.  参照)

シャウカステンを用いるとき,照明条件に特に注意することが望ましい。

被試験装置を確認する作動条件及び試験条件は,環境変化の影響を含め,注意深く検討しなければなら

ない。

試験におけるすべての被試験装置及び試験に使用するすべての試験機器には,最初の

不変性試験で用い

たものと,それ以降で同じものが用いられることを保証するために,最初の

不変性試験で同一性が確認で

きるように記録しなければならない。

5. 

に規定する試験に用いる

試験器具は,附属書 による。実際には,個別の試験器具の特性を複合した

試験器具を用いてもよい。さらに,5.  で個別に規定している試験を同時に行ってもよい。

備考  製造業者が附属文書で不変性試験の方法及び頻度を提示している場合は,この限りでない。

4.1

試験手順に影響する一般的条件  不変性試験の項目は,その結果が対象となるパラメータの変化以

外に影響を受けない安定なものを選定する。テストツール及び試験機器は,必要最小限の数で,簡便で安

定したものを用いる。

条件は,次による。

不変性試験は,臨床でもっとも頻繁に用いる 線条件で行う。

−  試験を行うごとに,X

線装置及び附属品を再現性よく配置し記録する。また,使用される試験機器,構

成品及び

附属品が同じであることを確認する。

−  結果に影響を与える電源電圧の変動を考慮する。

−  2.  の引用規格に適合する

撮影用フィルムを用いて,現像,観察する。

−  試験機器の性能は,定期的に点検する。特に,X

線装置に重大な変化が疑われるときは,試験機器を

随時点検しなければならない。

備考  適切な日本工業規格がある場合,測定機器は日本工業規格によることが望ましい。

不変性試験を始める前に,撮影用カセッテ,撮影用フィルム,フィルム現像処理及びフィルム観察状態

を確認しなければならない。

4.2

基礎値の設定  新しい 線装置を使用し始めるとき,又は 線装置の構成品,附属機器若しくは試

験装置を変更したことで,試験結果に影響を及ぼしそうなときは,

受入試験又は現状試験によって性能が

満足することを確認した後,直ちに最初の

不変性試験を行わなければならない。最初の不変性試験の目的


4

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

は,試験しているパラメータの新たな

基礎値を設定することである。

4.3

不変性試験の頻度  不変性試験は,個々の箇条で示した頻度で行わなければならない。それに加え

て,次の場合にも繰り返す。

−  誤動作が疑われるとき。

−  X

線装置の試験の対象になる性能パラメータに影響すると考えられる保守を行った直後。

−  試験の結果が基準から外れたとき。

基礎値の記録は,新たな基礎値が設定される不変性試験が実施されるまで保存しなければならない。

不変性試験の結果は,少なくとも 2 年間保存しなければならない。

4.4

X

線装置,試験機器及び試験条件の同一性  試験する 線装置,及び試験に使用するすべての試験

機器は,明確に同一性を確認できなければならない。

X

線装置の交換可能な構成品は,次による。

付加フィルタ

照射野限定器

−  X

線(放射線)ビーム内にある患者支持器又は他の減弱物

自動制御システムの放射線検出器

散乱線除去グリッド

使用する試験機器は,次による。

増感紙付き撮影用カセッテ

試験器具

撮影用フィルムの形名と乳剤番号

フィルム現像機

−  感光計

−  濃度計

設定の変動は,次による。

焦点受像器間距離

自動制御システムの濃度制御及び検出器の位置

−  X

線条件

−  該当する場合,公称

焦点寸法

以上の事柄は,表示又は記録しなければならない。これは最初の

不変性試験で用いられる試験機器及び

器具並びに設定を,X

線装置の試験に用いるようにするためである。

備考1.  試験の多くは,最初の不変性試験と同じ撮影用カセッテを用いて行うことが望ましい。以後,

このカセッテを“試験カセッテ”という。この試験カセッテは,試験専用として臨床で用い

るカセッテと区別して保管するほうがよい。最初は装置の変化を示すのに安定した器具であ

るが,次第にカセッテ自体の劣化による変化を含め,システム全体の変化を提示することに

なる。

2.

試験に用いるすべての

撮影用フィルムは,フィルム現像機の不変性試験に用いるフィルムと

同じ形名のものが基本である。

試験器具の 線像は,同じ増感紙とフィルムの形名の試験カセッテで撮影しなければならない。撮影フ

ィルムは,既定条件で現像処理し,JIS Z 4752-2-1 で規定した試験でフィルムの乳剤番号間の変化につい

て,適切に考慮しなければならない。フィルム又は現像条件を変えた場合は,再設定のために最初の

不変


5

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

性試験を行わなければならない。

4.5

測定される機能パラメータ  直接撮影システムの画像性能は,次の機能パラメータの変化が適用判

定基準に合致していれば,不変であると考えられる。

−  X

線源装置からの 線出力(5.1 参照)

受像面への 線入力(5.2 参照)

−  幾何学的な特性(5.3 参照)

−  高コントラストの分解能(5.4 参照)

−  X

線像全域の光学的濃度変化(5.5 参照)

不変性要因は,次の装置性能パラメータの一つ又は一つ以上の変動の影響を受ける。

−  電源電圧の値及び波形

管電圧の値及び波形

管電流

負荷時間

自動露出制御時の照射時間

−  X

線ビーム内のろ過及び減弱

−  X

線管装置の陽極のターゲットの荒れ

焦点から関心領域までの距離

−  X

線ビームの制限

−  X

線ビームの方向

受像面と 線ビームの配列

光照射野表示器による照射野表示と 線(放射線)照射野の一致

運動グリッドの動き

散乱線除去グリッドの位置

焦点の画像特性

−  機械的安定性

5.

性能試験

5.1

X

線源装置からの 線出力

5.1.1

概要  線源装置からの 線出力は放射線測定器で測定する。測定は,線装置の形式と用途に

応じて,マニュアル制御及び/又は

自動露出制御で行う。

5.1.2

試験機器  測定は,総合的な再現性が±5 %以内(長時間の安定性,計器ノイズ,読み取り限界を

含む。

)の積算形の

放射線測定器を使用する。自動露出制御で試験するときには,患者の代わりとして減弱

ファントムを使用しなければならない。これは,線ビームの適度な減弱と線質硬化のためである。減弱

ファントムの詳細は,附属書 を参照する。

5.1.3

試験手順  放射線測定器の放射線検出器は,線源装置から出て来る 線ビーム内に置く。

測定の位置関係について

放射線検出器の焦点からの距離

放射線検出器の 線照射野内における位置

は,最初の

不変性試験で使用した焦点−放射線検出器間距離の±1 %以内に再配置し,同じ大きさの 

照射野を使用しなければならない。


6

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

可能であれば,この試験はマニュアル制御と

自動露出制御の両方で実施する。5.2.3 に従った測定が実施

された場合,5.1.3.2 に従った測定は,実施しなくてもよい。

5.1.3.1

マニュアル制御試験  最初の不変性試験で使用したものと同一の負荷条件を手動操作で設定し X

線装置を操作する。

放射線測定器の読みを記録する。

5.1.3.2

自動露出制御試験  通常の臨床で使用するように,X 線源装置及び X 線受像器を一列に配置する。

減弱ファントムを 線ビーム内で,放射線測定器の放射線検出器と自動制御システムの放射線検出器と

の間に配置する。

放射線測定器の放射線検出器は,自動制御システムの動作に影響しない位置に置く。

備考  すべての放射線検出器に自動露出制御に対する影響が最小になる配置ができるような規定の指

示が与えられなければならない。

減弱ファントム(A2 又は A3:附属書 参照)が使用される

場合,X

線源装置に取り付けるため,ファントムの後方(もし放射線検出器の感度が許すなら

ば)で測定がされるよう考慮しなければならない。

空の

撮影用カセッテをカセッテチェンジャに置いて,最初の不変性試験で使用したのと同じ管電圧設定

で,X

線装置の自動制御システムを作動する。同じ撮影用カセッテを使用する。

放射線測定器の読みを記録する。それぞれの照射が行われた後に,照射時間,管電流時間積などが表示

される場合は,それらも記録する。

5.1.4

データの評価  線出力の測定値を,確立した基礎値と比較する。

5.1.5

適用基準

5.1.5.1

マニュアル制御試験  線出力は,基礎値の±20 %以内であることが望ましい。

5.1.5.2

自動露出制御試験  適用基準は,減弱ファントムに使用される物質による。

低い原子番号(最大 14)の物質[例えば,水,ポリメチルメタクリレイト (PMMA),アルミニウム]が

使用される場合,X

線出力は基礎値の−20∼+25 %以内であることが望ましい。

高い原子番号の物質(例えば,銅又は鉛)の場合,X

線出力は基礎値の±25 %以内が望ましい。

鉛が使われて

管電圧が 90 kV を超える時は,上記の低い原子番号の物質の値を適用する(基礎値の−20

∼+25 %以内)

5.1.6

取るべき処置  被試験システムが基準を満たさない場合,附属書 で参照された指針に従うこと

が望ましい。

備考  線管の劣化によって 線出力が徐々に減ることが予想される。このため,時々新しい基礎値

を決めることが必要である。

自動露出制御では,線出力の減少が補償され検知できないため,

マニュアル制御による試験に適用する。

5.1.7

不変性試験の頻度  最初,出力測定値の平均の値を計算して基礎値を確定するために,少なくとも

1

週間は,毎日

不変性試験を実施することが望ましい。

続いて,X

線源装置,高電圧装置及び自動制御システムの信頼性に関するデータを得るために,6 か月

間は 2 週間ごとに不変性試験を繰り返すことが望ましい。その後,

不変性試験は製造業者が提供した取扱

説明書に従って実施しなければならない。試験頻度に関する情報がない場合は,不変性試験は少なくとも,

3

か月ごとに実施しなければならない。

5.2

受像面への 線入力

5.2.1

概要  受像面への 線入力は,線像の規定の点に記録された光学的濃度を測定することによっ

て決定される。代わる手段として,X

線入力は放射線測定器で直接測定してもよい。


7

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

備考  しかしながら放射線測定器は,線ビームの線質を考慮していない。したがって,フィルム法

が望ましい。

測定は,X

線装置の形式と用途に応じてマニュアル制御及び/又は自動露出制御のもとで実施される。

5.2.2

試験機器  試験は,常に同じ散乱線除去グリッドと,被試験 線装置で通常使用される形式の増

感紙・フィルムを組合せた同じ

撮影用カセッテで実施されなければならない。光学的濃度計のシステム誤

差は±0.02 以内でなければならない。

放射線測定器が使用される場合は,計器は積算型で,総合的な再現性が±5 %以内でなければならない。

(長時間の安定性,計器ノイズ,読み取り限度を含む。

患者の代わりとして減弱ファントムを使用しなければならない。これは 線ビームの適度な減弱と線質

硬化のためである。さらに,X

線像の光学的濃度を測定する場所が識別できるようにフィルムマーカ試験

器具を使用しなければならない(付図 参照)。

減弱ファントムの適切な選択方法及びフィルムマーカ試験器具の詳細は,附属書 を参照する。

5.2.3

試験手順  被試験 線装置が自動露出制御を備えている場合は,不変性試験は自動モードで実施

する。可能であるなら,さらに

不変性試験は,マニュアル制御でも実施する。

通常の臨床で使用するように X

線源装置と 線受像器を配置する。

撮影用カセッテが使用される場合は,線受像器内に配置する。放射線測定器が使用される場合は,そ

放射線検出器は受像面の中に配置される。減弱ファントムとフィルムマーカ試験器具は,線ビームの

中で

焦点と 線受像器との間に配置する。

いかなる試験機器も,

焦点からの距離と 線照射野内の位置が最初の不変性試験で使われた焦点からの

距離の 1 %以内で,同じ大きさの X

線照射野を使用しなければならない。

最初の

不変性試験で設定されたのと同一の,少なくとも二つの管電圧を選択する。

a)

マニュアル制御試験  最初の不変性試験で使用したものと同一の負荷条件を手動操作で設定し 線装

置を操作する。

照射されたフィルムは,4.4 を参照して手順に従って現像する。

X

線像の規定の点の光学的濃度を測定するか,又は放射線測定器に表示された値を記録する。

必要ならば,フィルムのロットや現像条件の変化を許容するため,4.4 を参照して手順に従って測定

した濃度を調整する。

b)

自動露出制御試験  線装置は自動制御システムと関連して操作し,管電圧及びその他の条件は,最

初の

不変性試験と同一の条件を使用する。

上記 a)  マニュアル制御試験の項で示したのと同じ手順に従う。

5.2.4

データの評価  光学的濃度又は 線入力の測定値は,確立されている基礎値と比較する。

5.2.5

適用基準

a)

マニュアル制御試験の場合:光学的濃度は,

基礎値の±0.3 以内であることが望ましい。放射線測定器

が使用される場合は,X

線入力は基礎値の±30 %以内であることが望ましい。

b)

自動露出制御試験の場合:光学的濃度は,

基礎値の±0.15 以内であることが望ましい。放射線測定器

が使用される場合は,X

線入力は基礎値の±15 %以内であることが望ましい。

上記許容値は,平均階調度 が 2∼3 の

撮影用フィルムに適用する。

5.2.6

取るべき処置  被試験システムが基準を満たさない場合,附属書 で参照された指針に従うこと

が望ましい。

5.2.7

不変性試験の頻度  最初,光学的濃度又は 線入力の測定値の平均の値を計算して基礎値を確定


8

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

するために,少なくとも 1 週間は毎日

不変性試験を実施することが望ましい。

その後は,

不変性試験は製造業者が提供した取扱説明書に従って実施しなければならない。試験頻度に

関する情報がない場合は,

不変性試験は少なくとも,3 か月ごとに実施されなければならない。

5.3

幾何学的特性

5.3.1

概要  これらの試験は,次に示す 線装置の幾何学的特性の不変性を確認するために行わなけれ

ばならない。

−  表示された

焦点受像器間距離

−  X

線ビーム軸と受像器面との垂直度

備考  線源装置の基準方向の試験は,一般的に患者支持器の表面又は 線受像器の入射面で十分で

ある。これらの表面と

受像器面との平行度の変化は,通常では起こらない。

−  X

線照射野と光照射野との一致:JIS Z 4701  付図 参照

−  X

線照射野と 線受像器との一致:JIS Z 4701  付図 参照

−  適用される場合,X

線照射野の大きさの読み値

5.3.2

試験機器  次の試験機器が必要である。

−  巻尺

−  異なった大きさの 2 組の増感紙付カセッテ(例えば,24 cm×30 cm と 35 cm×43 cm)

撮影用フィルム

−  定規

−  水準器

−  垂直度試験器具

−  アライメント

試験器具

放射線ビーム軸と受像器面との垂直度を試験するために,試験器具を使用しなければならない。

アライメント

試験器具は,光照射野のエッジ及び中心,並びにこの試験器具の位置を 線像で確認する

ために用いる。

照射が自動露出制御で行われるなら,線ビームの適切な減弱と線質硬化のため,患者に代わるものと

して

減弱ファントムを使用しなければならない。

減弱ファントムと垂直度試験器具及びアライメント試験器具の詳細な説明は,附属書 を参照する。

5.3.3

試験手順

5.3.3.1

表示された焦点受像器間距離

ステップ 1:X

線装置に附属した表示器を使用して,焦点受像器間距離を,最初の不変性試験で用いた値

に設定する。

ステップ 2:

焦点受像器間距離を,巻尺を使用して測定する。焦点の位置が,線源装置の表面に明白に

表示されていない場合には,最初の

不変性試験の時に使用したのと同じ 線源装置上の点か

ら測定する。例えば,X

線受像器に最も近い 線源装置上の点。

5.3.3.2

手動,固定又は自動の照射野限定システムをもつオーバテーブル 線管形装置での他の幾何学的

特性  次の試験手順は,5.3.1 に記載されているすべての特性を同時に確認する方法を示す。

ステップ 1:水準器を用いて,

患者支持器の水平度を確認する。内蔵の角度表示器を使用する場合は,水

準器と比較し,必要があれば調整する。内蔵の角度表示器が調整できなければ,偏差を記録

する。

患者支持器が水平位置にできなければ,偏差を記録する。

ステップ 2:X

線源装置を,患者支持器又は受像面の中心に配置し,その 線管装置の軸を,

X

線)装置


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Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

に附属の表示器を用いて,

患者支持器の長軸に平行になるように合せる。最初の不変性試験の

時に使用したのと同じ

焦点受像器間距離を選択する。

ステップ 3:装てんされた 24 cm×30 cm の

撮影用カセッテ(カセッテ “P” は付図 5a,付図 5b 及び付図

5c

参照)を

カセッテチェンジャの中央に挟む。カセッテチェンジャの中心を 線管装置の中

心に合わせて固定する。

ステップ 4:手動調整又は固定の

照射野限定システムの場合は,ステップ 5 に進む。

装てんされた 24 cm×30 cm の

撮影用カセッテ(カセッテ “Q” 付図 5b 参照)を,患者支持器

又は X

線受像器に平行な面に保持する。ただし患者支持器及び 線受像器よりも 20∼30 cm

の間で X

線管装置に近い距離にする。カセッテの通常の入射面を 線管装置に対し逆向きと

し,すべての X

線ビームを通過させる。光照射野表示器を用い,焦点から光照射野の中心で

のカセッテ “Q” までの距離を測定,記録し,カセッテのエッジと

光照射野のエッジとが平行

になるよう合わせる。

備考  焦点から二つの撮影用カセッテまでの距離は異なり,カセッテ“P”の前面には,患者支持器,

散乱線除去グリッド及びカセッテ “Q” のような吸収物質がある。したがって,二つのカセッ

テへの

空気カーマは,かなり異なる。両方のカセッテ内のフィルムに対し,適切な照射線量を

与えるための 1 つの X

線条件を容易に選ぶ試みとして,カセッテ “Q” を通常使用されるのと

逆向きに置いてみる。1 回の

照射で満足する試験ができなければ,異なった 線条件での 2 回

照射を行う必要がある。

ステップ 5:手動調整又は固定の

照射野限定システムの場合,アライメント試験器具を  患者支持器又は X

線受像器の入射面に置く。患者支持器が曲面の場合,薄くて,低い減弱の物質(例えば,木

材)の平らで固い物を

患者支持器上に渡して,線受像器に対し試験器具面が平行になるよ

うにする。自動調整の

照射野限定システムの場合,アライメント試験器具を,線管装置に

最も近いカセッテ “Q” の表面に置く。アライメント

試験器具には,線照射野の大きさの評

価で必要な放射線不透過性マーカが付いている。

ステップ 6:

光照射野表示器を用いて,アライメント試験器具を光照射野の中心に置き,試験器具のエッ

ジが,

光照射野のエッジと平行になるように合わせる。

−  自動

照射野限定システムでは,試験器具の外表面上の印をもとに,光照射野の大きさと位

置を記録する。

−  手動又は固定の

照射野限定システムでは,光照射野の大きさをアライメント試験器具上の

小さい照射野サイズ(例えば 15 cm×20 cm)に合わせる。

照射野限定器の照射野サイズ表

示器の表示値を記録する。

光照射野の一つ又はそれ以上のエッジが,アライメント試験器

具によって決められた照射野のエッジに一致させることができないときは,非対称の程度

を記録する。

ステップ 7:垂直度

試験器具をアライメント試験器具の上に置く。垂直度試験器具下側底面のリングの中

心を,アライメント

試験器具の表面に示された光照射野の中心に一致させるようにする。試

験の配置を

付図 5a 及び付図 5b に示す。

ステップ 8:撮影は,最初の

不変性試験と同じ,現像された撮影用フィルム上で,光学的濃度が 0.5∼1.5

の範囲に入るような X

線条件で行う。

備考  照射が自動露出制御下でしか行えないときは,患者に代わるものとして,自動露出制御システ

ムに対して 線ビームの適切な減弱及び線質硬化のための減弱ファントム(5.1.2 参照)を使用


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:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

する必要がある。

減弱ファントムの位置は,付図 5a 及び付図 5b を参照する。

−  自動調整の

照射野限定システムの場合,両方のカセッテ中のフィルムを現像する。

−  手動調整又は固定の

照射野限定システムの場合,光照射野を最大のカセッテサイズに再調

整する。カセッテ中のフィルムを現像する。

ステップ 9:垂直度

試験器具を取り除き,上記手順(ステップ 1∼8)を繰り返す。ただし,カセッテ “P” と

カセッテ “Q” として 35 cm×43 cm の

撮影用カセッテを使用する。

備考 “Q” の位置では,より小さな撮影用カセッテでもよい。

さらに,固定/手動調整

照射野限定システムの場合には,ステップ 6 で,アライメント試験

器具に表示された,より大きい照射野の設定を使用する(例えば,30 cm×40 cm)。

5.3.3.3

X

線ビームが水平方向だけ可能な 線装置  上記 5.3.3.1 及び 5.3.3.2 の手順は,オーバテーブル

X

線管形装置に適用される。線ビームが水平方向に設定可能な 線装置にも,同じ手順が適用される。

ただし,次のような手順の変更が必要であろう。

患者支持器又は 線受像器が水平位置でなく垂直位置であることを,内蔵の角度表示器又は内蔵の角

度表示器がない場合は,水準器を用いて確認する。

患者皮膚面又は 線受像器の入力面の垂直面に対して,試験器具を保持する手段を設ける。

5.3.3.4

アンダーテーブル 線管形装置  アンダーテーブル 線管形装置では,光照射野表示ができな

いため,5.3.1 に示したすべての幾何学的特性の確認は不可能である。複雑な方法を用いることなく確認で

きるただ一つの特性は,X

線照射野と 線受像器との一致である。

ステップ 1:内蔵の角度表示器又は内蔵の角度表示器がない場合は水準器を用いて,

患者支持器の水平度

を確認する。

患者支持器が水平でないか,水平位置にできない場合は,偏差を記録する。

ステップ 2:アンダーテーブル X

線管形装置の 線源装置は,通常,線受像器が作動時には,自動的に

受像面の中心に合わされる。最初の不変性試験で使用したのと同じ焦点受像器間距離を選択

する。簡便のために,これは,X

線受像器が患者支持器上で設定しうる最大の高さでもよい。

患者と受像面間のすべての二次的な照射野限定器は,取り除く。

ステップ 3:装てんされた 24 cm×30 cm の

撮影用カセッテ(カセッテ “P”)を,カセッテチェンジャの中

央に挟む。

カセッテチェンジャを,線受像器として正しい位置に挿入する。試験配置を付

図 5c に示す。

ステップ 4:5.3.3.2 のステップ 4,5,8,及び 9 にある自動調整の

照射野限定システム用に規定する方法に

よって試験を行う。

5.3.4

データの評価

5.3.4.1

手動又は固定の照射野限定システム

ステップ 1:カセッテ “P” での X

線像上のやや暗い露光領域で決められる 線照射野のエッジと,放射

線不透過性マーカの画像で示される

光照射野のエッジ間との距離を測定する。不整合の程度

を計算するのに,それぞれの対となる対向するエッジにおけるこれらの測定値を加算する。

付図 の 参照。

ステップ 2:カセッテ “P” での X

線像上のやや暗い露光領域で決められる 線照射野のエッジの長さを

測定し,記録する。測定された寸法から表示された照射野の寸法を減じる。

5.3.4.2

アンダーテーブル 線管形装置を除く自動照射野限定システム

ステップ 1:カセッテ “Q” での X

線像上のやや暗い露光領域で決められる 線照射野のエッジと,光照

射の位置と大きさを表す放射線不透過性マーカの画像で示される

光照射野のエッジ間の距離


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:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

を測定する。5.3.3.2 のステップ 4 参照。不整合の程度を計算するのに,それぞれの対となる

対向するエッジにおけるこれらの測定値を加算する。

ステップ 2:カセッテ “P” とカセッテ “Q” 両方の X

線像上の二つの放射線不透過性マーカ間の距離 d

P

と d

Q

を測定する。拡大率 “m” は,d

P

/d

Q

で計算される。カセッテ “Q” での X

線像上のや

や暗い露光領域で決められる X

線照射野のエッジの長さを測定する。カセッテ “P” の位置

での X

線照射野のエッジ間の距離を決めるため,これらの測定値に “m” を乗じる。線照

射野のエッジ間距離の見積もり値と,対応する受像面のエッジ間距離の差が決まる。不整合

の程度を計算するのに,それぞれの対となる対向するエッジにおけるこれらの測定値を加算

する。

付図 の 参照。

5.3.4.3

アンダーテーブル 線管形装置  5.3.4.2 のステップ 2 によって測定を行う。

備考  この試験は,線照射野のどのエッジでも 線受像器の境界を外れる場合は行えない。

5.3.5

適用基準

5.3.5.1

表示された焦点受像器間距離  焦点受像器間距離は,表示値の±1 %以内であり,最初の不変性

試験時の測定値の±1 %以内でなければならない。

5.3.5.2

X

線(放射線)ビーム軸と 線受像器との垂直度(5.3.1 の備考参照)  線ビーム軸は,受像

面の垂直軸の 1.5°以内でなければならない。これを確認するためには,交差軸の中心の画像は垂直度試験

器具内側の円の画像内になければならない。

5.3.5.3

X

線照射野と光照射野の一致  付図 の にて測定された不一致は,一方の軸上で a

1

と a

2

,他

の軸上で b

1

及び b

2

で表す。

焦点からの距離を とすれば,次の関係による。

                                | a

1

|

+ | a

2

 |

≦   0.02  ×  S

                                | b

1

|

+ | b

2

 |

≦   0.02  ×  S

5.3.5.4

X

線照射野と 線受像器との一致  付図 の にて,測定された不一致は,一方の軸上で c

1

c

2

,他の軸上で d

1

及び d

2

で表す。

焦点からの距離を とすれば,次の関係による。

                                | c

1

|

+  | c

2

 |

≦   0.03  ×  S

                                | d

1

|

+ | d

2

 |

≦   0.03  ×  S

              | c

1

|

+ | c

2

 |

+ | d

1

|

+ | d

2

 |

≦   0.04  ×  S

自動の照射野限定のほかに,二次的な

照射野限定器が,患者と 線受像器との間にいつも配置される場

合は,不整合の基準は,二次的な

照射野限定器が存在しないと仮定したときの 線照射野の投影に,適用

されなければならない。

5.3.5.5  X

線照射野サイズの数値表示の正確さ  表示された 線照射野の大きさと測定された寸法の差は,

焦点受像器間距離の±2 %以内でなければならない。

5.3.6

取るべき処置  被試験システムが基準を満たさない場合,附属書 で参照された指針に従うこと

が望ましい。

5.3.7

不変性試験の頻度  試験は,製造業者が提供した取扱説明書に従って実施しなければならない。試

験頻度に関する情報がない場合は,

不変性試験を少なくとも 3 か月ごとに実施しなければならない。

5.4

高コントラスト解像度

5.4.1

概要  使用期間中に焦点寸法の変化を除外できない場合は,次の試験を実施しなければならない。

この試験は,X

線装置の解像度の不変性の確認を,高コントラスト試験器具の撮影像を作成することで

行う。

5.4.2

試験機器  次の試験機器が必要である。


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:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

−  拡大鏡  通常 2.5 倍の倍率が適している。

−  X 線吸収体の周期的なパターンをもつ高コントラスト

試験器具(高コントラスト試験器具の詳細は附

属書 に記載)。

参考  空間周波数範囲の公比 1.25 の線対群である JIS Z 4916(X 線用解像力テストチャート)を用い

てもよい。

−  専用の

撮影用カセッテ及びその 線装置で通常の臨床に使用している形式の増感紙フィルムの組合せ。

5.4.3

試験手順  フィルムを入れた専用のカセッテを 線受像器面に設置する。焦点受像器間距離は臨

床で通常使用する距離とする。

高コントラスト

試験器具の線パターンが,表面から 200 mm 離れるように患者支持器又はスポットフィ

ルム装置の入力面に置く(附属書 D)。線管装置を 線受像器の中心に合わせ,テストパターンを 

管装置の中心に合わせる。

テストパターンの線対の主方向は X

線管軸と約 45°の角度に合わせる。どの試験器具においても,測定

配置は

焦点からの距離及び 線照射野内での位置が,最初の不変性試験で使用した距離及び位置と±1 %

以内の再現性が可能であるように選択する。

管電圧は約 70 kV に設定し,線条件は現像したフィルムの減弱のなかった領域のベース込みかぶり濃

度が 0.7∼1.3 の間で得られるように選択する。最初の不変性試験で使用したものと同じ 線条件を常に使

用する。

備考  自動露出制御でだけ照射が可能な場合は,自動露出制御装置に作用する 線ビームの適度な減

弱と線質硬化のため,患者の代わりとして減弱ファントム(5.1.2 参照)を用いる必要性がある。

これらの状況下で

減弱ファントムは,線源装置が許す限り焦点に近づけて配置することが望

ましい。

X

線像は患者支持器面で測定して 100 mm×100 mm の 線ビーム寸法になるよう撮影する。選択可能な

それぞれの

焦点寸法で上記手順を繰り返す。

各試験ごとに X

線条件を記録する。

照射されたフィルムは 4.4 で規定した手順に従って現像処理する。

5.4.4

データの評価  線像は拡大鏡を用いて検査を行い,目視可能な最大空間周波数を記録する。これ

らは,この試験条件下での限界周波数である。

この試験を実施するときは,比較を行うために最初の

不変性試験での 線像と同じ手順で実施する。

5.4.5

適用基準  最初の不変性試験の限界周波数と比較して測定した限界周波数は,次を超えて低下して

はならない。

−  連続変化の解像度テストパターンの 20 %,又は

− 1

LP

5.4.6

取るべき処置  被試験システムが基準を満たさない場合,附属書 で参照された指針に従うこと

が望ましい。

5.4.7

不変性試験の頻度  試験は,製造業者から提供された取扱説明書に従って実施しなければならない。

試験頻度に関する情報がない場合は,

不変性試験は少なくとも,3 か月ごとに実施しなければならない。

5.5

X

線像全域の光学的濃度変化

5.5.1

概要  この試験は,線像の規定の点で測定された光学的濃度の相対変化の不変性を確認する。こ

の試験は 5.2 の試験と同時に行ってよい。すなわち,1 枚の X

線像で両方の試験に必要な情報をもってい

る。


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:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

5.5.2

試験機器  測定は,専用の撮影用カセッテ及び被試験 線装置で通常使用している形式の増感紙

とフィルムの組合せを使用して行う。濃度計は,常に±0.02 以内で読めるものとする。

患者の代わりに減弱ファントムを使用する。これは 線ビームの適度な減弱と線質硬化を得るためであ

る。加えて,X

線像の光学的濃度を測定する規定の点を明確にするためにフィルムマーカ試験器具を使用

しなければならない(

付図 参照)。減弱ファントム及びフィルムマーカ試験器具の詳細は,附属書 

る。

5.5.3

試験手順  線源装置は通常の臨床で使用するように,線受像器と中心が一直線上に並ぶように

調整する。

フィルムの入った

撮影用カセッテを受像面に配置して,フィルムマーカ試験器具を焦点と 線受像器間

の X

線ビーム内に配置する。

照射が自動露出制御でだけ可能な場合は,線ビームの適度な減弱と線質硬化のために患者の代わりと

して

減弱ファントムを使用する。

被試験装置のどの項目においても,測定の配置は最初の

不変性試験で使用したものと±1 %以内で一致

しなければならない。同じ

照射野寸法を使用する。

最初の

不変性試験で設定する少なくとも 2 点以上の管電圧は,その 線装置を使用する撮影手法の代表

値を選択する。以降の

不変性試験では最初の不変性試験と同一の設定を行う。

5.5.3.1

マニュアル制御試験  線装置は,最初の不変性試験で使用した 線条件と同一設定に手動で設

定して使用する。

照射されたフィルムを 4.4 で規定の手順に従って現像処理する。

光学的濃度は X

線像上に X 線を吸収するマーカで識別した規定の点で測定する(付図 参照)。

必要なら濃度の測定値は,フィルムの固有差および処理条件の変化に対応するために 4.4 で規定の手順

に従って調整する。

5.5.3.2

自動露出制御試験  線装置は,自動制御システムを使用して,かつ,最初の不変性試験で使用

したものと同一の

管電圧の設定及びその他適切な設定,例えば濃度制御を行って作動させる。

照射されたフィルムを,4.4 で規定の手順に従って現像処理する。

光学的濃度は,X

線像上に X 線を吸収するマーカで識別した規定の点で測定する(付図 参照)。

必要なら濃度の測定値は,フィルムの固有差及び処理条件の変化に対応するために 4.4 で規定の手順に

従って調整する。

5.5.4

データの評価  線像を検査して,最初の不変性試験で作成したものと比較する。この検査で X

線像全域の光学的濃度分布の全体的な変化が分かる。

X

線像上の X 線マーカ像で識別してある規定の点と参照点で測定した光学的濃度の差を,最初の不変性

試験のものと比較して差を確定する。線像の目視検査で顕著な光学的濃度変化が生じた場合は,その点

について追加測定を行い光学的濃度の差を確定する。

5.5.5

適用基準  光学的濃度差が基礎値の±0.1 以内であることが望ましい。

5.5.6

取るべき処置  被試験システムが基準を満たさない場合,附属書 で参照された指針に従うこと

が望ましい。

5.5.7

光学的濃度変化の不変性試験の頻度  試験は製造業者から提供された取扱説明書に従って実施し

なければならない。試験頻度に関する情報がない場合は,

不変性試験を少なくとも 3 か月ごとに実施しな

ければならない。


14

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

6.

適合に関する報告  試験報告書の表題は,次のようにしなければならない。

報告書

直接撮影用 線装置の不変性試験

(JIS Z 4752-2-11 : 2005)

この規格との適合性を述べる場合は,次のようにする。

直接撮影用 X 線装置(形名)は JIS Z 4752-2-11 : 2005 に適合する。


15

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

単位  mm

L

R

Polystyrene

5

480

360

1

2

IEC   1099/99

ポリスチレン

①放射線吸収体によるワイヤマーカ

②放射線吸収体による文字

付図  1  フィルムマーカ試験器具(例)(附属書 D.6 参照)


16

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

単位  mm

L

R

0,1 h

0,05 h

h

1

2

IEC   1100/99

①放射線吸収体によるワイヤマーカ

②放射線吸収体による文字

付図  2  垂直度試験器具(例)(附属書 D.7 参照)


17

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

単位  mm

L

R

Polystyrene

5

480

360

1

2

IEC   1101/99

ポリスチレン

①放射線吸収体によるワイヤマーカ

②放射線吸収体による文字

付図  3  アライメント試験器具(例)(附属書 D.8 参照)


18

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

A

B

IEC   1102/99

付図  4  高コントラスト試験器具(例)(附属書 D.9 参照)


19

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

1

3

6

7

8

9

10

11

1

2

3

4

5

8

9

10

11

IEC   1104/99

IEC   1103/99

付図 5a                                              付図 5b

付図 5a5b  オーバテーブル 線管形装置の配置

①  X

線源装置

減弱ファントム

③  垂直度

試験器具

④  アライメント

試験器具

⑤  カセッテ Q

⑥  アライメント

試験器具

減弱ファントム

患者支持器

⑨  カセッテ P

⑩  X

線受像器

受像面

付図  5  幾何学的条件を試験するための配置


20

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

1

2

3

4

5

6

7

8

IEC   1105/99

付図 5c  アンダーテーブル 線管形装置の配置

受像面

②  カセッテ P

③  X

線受像器

④  カセッテ Q

⑤  アライメント

試験器具

減弱ファントム

患者支持器

⑧  X

線源装置

付図  5  幾何学的条件を試験するための配置(続き)


21

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

a

1

b

2

b

1

a

2

1

2

c

1

1

3

d

1

d

2

c

2

A

B

IEC   1106/99

①  X

線照射野

光照射野

受像面

付図  6  幾何学的な一致


22

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

附属書 A(規定)  用語−用語の索引

JIS Z 4005

  医用放射線用語

IEC 60788 : 1984 Medical Radiology

−Terminology

rm-..-..

国際単位系 SI における単位名

Name of unit International System SI

rm-..-..*

定義のない派生語

Derived term without definition

rm-..-..+

定義のない用語

Term without definition

rm-..-..-

以前の単位名

Name of earlier unit

rm-..-...

短縮語

Shortened term

rm-..-..s

IEC 61223-1

の 3.

Clause 3 of IEC 61223-1 AG-3…

IEC 61223-2

シリーズの 3.

Clause 3 of IEC 61223-2-XY XY-3…

一次放射線

PRIMARY RADIATION

rm-11-06

受入試験

ACCEPTANCE TEST

AG-3.2.4

運動グリッド

MOVING GIRD

rm-32-15

X

X-RADIATION rm-11-01-

X

線管

X-RAY TUBE

rm-22-03

[X 線]管装置

X-RAY TUBE ASSEMBLY

rm-22-01

[X 線]管電圧

X-RAY TUBE VOLTAGE

rm-36-02

[X 線]管電流

X-RAY TUBE CURRENT

rm-36-07

X

線[管負荷]条件

LOADING FACTOR

rm-36-01

X

線源装置

X-RAY SOURCE ASSEMBLY

rm-20-05+

[X 線]高電圧装置

HIGH-VOLTAGE GENERATOR

rm-21-01

X

線受像器

X-RAY IMAGE RECEPTOR

rm-32-29

X

線スペクトル

X-RAY SPECTRUM

rm-13-34+

X

線像

RADIOGRAM rm-32-02

X

線装置

X-RAY EQUIPMENT

rm-20-20

X

線ビーム

X-RAY BEAM

rm-37-05+

カセッテチェンジャ

CASSETTE CANGER

rm-31-06

患者

PATIENT rm-62-03

患者支持器

PATIENT SUPPORT

rm-30-02

[患者]皮膚面

PATIENT SURFACE

rm-37-18

管電流時間積

CURRENT TIME PRODUCT

rm-36-13

基準方向

REFERENCE DIRECTION

rm-37-02

基礎値

BASELINE VALUE

AG-3.2.7

規定の/規定した

Specific rm-74-01

空気カーマ

AIR KERMA

rm-13-11

減弱

ATTENUATION rm-12-08

現状試験

STATUS TEST

AG-3.2.5

撮影用カセッテ

RADIOGRAPHIC CASSETTE

rm-35-14

撮影用フィルム 
[散乱線除去]グリッド

RADIOGRAPHIC FILM 
ANTI-SCATTER GRID

Rm-3232 
rm-32-06

散乱放射線

SCATTERED RADIATION

rm-11-13

試験器具

TEST DEVICE

rm-71-04

指定の/指定した

Specified rm-74-02

自動制御システム

AUTOMATIC CONTROL SYSTEM

rm-36-45

自動露出制御

AUTOMATIC EXPOSURE CONTROL (AEC)

rm-36-46

シャウカステン

FILM ILLUMINATOR

2-3.2.1

受像器面

IMAGE RECEPTOR PLANE

rm-37-15


23

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

受像面

IMAGE RECEPTION AREA

rm-37-16

照射

IRRADIATION rm-12-09

使用者

USER rm-85-01

照射時間

IRRADIATION TIME

rm-36-11

照射野限定器

BEAM LIMITING DEVICE

rm-37-28

照射野限定システム

BEAM LIMITING SYSTEM

rm-37-27

焦点

FOCAL SPOT

rm-20-13s

焦点受像器間距離

FOCAL SPOT TO IMAGE RECEPTOR DISTANCE

rm-37-13

スポットフィルム装置

SPOTFILM DEVICE

rm-31-05

製造業者

MANUFACTURER rm-85-03-

設定基準

ESTABLISHED CRITERIA

AG-3.2.8

増感紙

INTENSIFYING SCREEN

rm-32-38

操作者

OPERATOR rm-85-02

総ろ過

TOTAL FILTRATION

rm-13-48

組織等価物質

TISSUE EQUIVALENT MATERIAL

rm-35-16

ターゲット

TARGET rm-20-08

直接[X 線]撮影[法]

DIRECT RADIOGRAPHY

rm-41-07

電離箱

IONIZATION CHAMBER

rm-51-03

取扱説明書/使用説明書

INSTRUCTIONS FOR USE

rm-82-02

入射表面

ENTRANCE SURFACE

rm-37-17

入射面

ENTRANCE PLANE

rm-32-42

光照射野

LIGHT FIELD

rm-37-09

光照射野表示器

LIGHT FIELD INDICATOR

rm-37-31

品質保証計画

QUALITY ASSURANCE PROGRAMME

AG-3.2.2

ファントム

PHANTOM rm-54-01

フィルム現像機

FILM PROCESSOR

1-3.2.1

負荷時間

LOADING TIME

rm-36-10

付加フィルタ

ADDED FILTER

rm-35-02

附属品

ACCESSORY rm-83-06

附属文書

ACCOMPANYING DOCUMENTS

rm-82-01

不変性試験

CONSTANCY TEST

AG-3.2.6

ベース込みかぶり濃度

FILM BASE PLUS FOG DENSITY

1-3.2.2

放射線

RADIATION rm-11-01

放射線検出器

RADIATION DETECTOR

rm-51-01

放射線(X 線)照射野

RADIATION FIELD

rm-37-07

放射線設備

RADIOLOGICAL INSTALLATION

rm-20-24

放射線測定器

RADIATION METER

rm-50-01

放射線(X 線)ビーム

RADIATION BEAM

rm-37-05

放射線(X 線)ビーム軸

RADIATION BEAM AXIS

rm-37-06

陽極

ANODE rm-22-06

ろ過

FILTRATION rm-12-11


24

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

附属書 B(参考)  標準的な試験報告書の様式例

この附属書 B は,本文に関連した事項を補足するもので,規定の一部ではない。

JIS Z 4752-2-11 : 2005

による直接撮影用 線装置の不変性試験報告書

識別

試験者名

試験の履歴

実  施  日

  暗室の安全光の前回の試験

年    月    日

  フィルム現像機の前回の試験日

年    月    日

  最初の不変性試験の実施日

年    月    日

  前回の不変性試験日

年    月    日

    試験装置とサブシステム

形    名

    試験装置

        線源装置 

        線高電圧装置 

        線管装置 

        照射野限定器

    構造品及び附属品

        付加フィルタ

        患者支持器

        電離箱(自動制御システム) 

        散乱線除去グリッド

        撮影用フィルム

        撮影用フィルム:乳剤番号

        撮影用フィルム:使用開始日

年    月    日

        撮影用カセッテ

        増感紙

    暗室          室の名前,番号など

    フィルム現像機

    試験装置

形    名

        減弱ファントム

        フィルムマーカ試験器具

        垂直度試験器具

        アライメント試験器具

        高コントラスト試験器具

        放射線測定器

        濃度計

        鉛板

    試験の配置

        焦点と放射線検出器間の距離

cm

        照射野限定器の位置

        以下の位置


25

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

試験者名

            ・

撮影用カセッテ

            ・

放射線測定器

            ・

散乱線除去グリッド

            ・垂直度

試験器具

    試験条件

        選択した X

線管装置

        選択した

焦点

        X

線源装置の総ろ過

        設定した光照射野

        設定した X

線照射野

        選択した

管電圧

        選択/測定した

管電流

        自動制御システムの測定領域

        自動制御システムの設定

        マニュアルで選択した

照射時間

備考  線条件のマニュアル設定は,目盛の範囲の一方向から,かつ,同じ方向から近づけることが望ましい。 

試験結果

マニュアル制御での試験結果

放射線出力の値(放射線測定器)

放射線入力の値

          ・光学的濃度

          ・

放射線測定器

        幾何学的特性

          ・

焦点受像器間距離

          ・X

線照射野エッジのアライメント

光照射野と 線照射野の中心の

          一致

        高コントラスト解像度

          ・X

線管軸に対し,水平方向の最大空

間周波数

          ・X

線管軸に対し,垂直方向の最大空

間周波数

        X

線像の光学的濃度の変化

          ・光学的濃度差

自動露出制御での試験結果

放射線出力の値(放射線測定器)

放射線入力の値

          ・光学的濃度

          ・

放射線測定器


26

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

附属書 C(参考)  取るべき処置に関する指針

この附属書 C は,本体に関連した事項を補足するもので,規定の一部ではない。

C.1

試験結果が,規定の要求事項又は

設定基準を満たさない場合は,次の処置を始める前に,試験器具の

性能を点検し,試験を繰り返して結果を確認すべきである。

C.2

繰り返された試験結果によって,被試験装置が指定された要求事項を又は

設定基準を満たしていない

場合は,次の一つ以上の処置をとればよい。

a)

被試験装置の

品質保証計画に指示されたとおりに処置を始める。

b)

品質保証計画の管理責任者に通知する。

c)

被試験装置の日常の管理責任者に通知する。

C.3

試験結果が,その X

線装置の規定の要求事項又は設定基準をぎりぎり満たしていない場合,例えば,

X

線装置がまだ臨床上検査に使用できる場合は,次の処置を取る。

a)

次の

不変性試験の結果を待ち,その間に臨床画像の画質を注意して観察する。

b)

不変性試験の頻度を増やす。

c)

不変性試験が不合格であることを,次の定期修理実施時での要注意事項として記録する。

C.4  X

線装置が不変性試験の設定基準を満たさなかった履歴がある場合は,C.2 の b)  及び c)  に記載され

た管理責任者は,次の項目を考慮する。

a)

現状試験の実施

b)

適用する基準の緩和

c)

X

線の使用範囲についての被試験装置の使用制限

d)

修理資格者による被試験装置の臨時修理とオーバホール

e)

取り替えを必要とする被試験装置のリストにその装置を載せる。

C.5

試験結果が,規定の要求事項又は

設定基準を全く満たさない場合は,次の処置を取る。

a)

現状試験を実施し,その結果を C.2 の b)  及び c)  に記載された管理責任者に通知する,

b)

装置の修理の範囲を検討する。

−  どこまでが適切か。

−  すぐ修理すべきか。

c)

次に示す処置を検討する。

−  X

線装置の臨床使用を今後停止するか否か。

−  C.4 に従い処置するか否か。

C.6

使用者によって決定されるその他の処置の決定


27

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

附属書 D(規定)  ファントム及び試験器具

D.1

一般  線装置の性能の不変性を確認するため,ファントム及び試験器具が必要である。これらは,

次の二つの目的を満たすものである。

−  X

線ビームの減弱と線質硬化とを考慮し患者を模擬するため。

−  詳細に規定した試験用の構成要素を含むことによって,画像の幾何学情報及び画質に関する情報を提

供するため。

本体 5.  で規定の性能試験に関しては,一つの

ファントム及び四つの試験器具が必要である。これらの主

要な特性を,次に示す。

ファントムと試験器具はそれぞれ個々に製作及び使用してもよいが,より適切で便利なように,これら

の幾つか又はすべての特性を統合して一つの

試験器具にしてもよい。

D.2

減弱ファントム  減弱ファントムとして,次に記された器具 A1,A2 又は A3 のいずれを採用しても

よい。

減弱ファントム A1 をできるだけ日常的に使用し,特に臨床に則した透過一次 線スペクトル,及

び臨床と同等な

一次 線による散乱線の存在が必要な不変性試験を行うときに強く推奨する。しかし,減

弱ファントム A1 はある試験では許容できないほどの大きな寸法で大きな質量の試験体となる。減弱ファ

ントム A2 の使用は,減弱ファントム A1 の使用が実用的でなく,透過一次放射線のスペクトル分布は重要

であるが,

一次 線による散乱線の不足が不変性試験の性能に悪影響を及ぼさないときに推奨する。減弱

ファントム A3 の使用は,減弱ファントム A1 の使用が極めて困難で,透過一次 線の臨床に則したスペ

クトル分布,及び

一次 線による散乱線の存在が重要ではない不変性試験に限って推奨する。

減弱ファントム A1,A2 及び A3 の材質及び使用方法に関して限定した推奨はしない。いかなる材料を

使用してもよいが,材料の選択によって発生する特性の変化には,注意しなければならない。

D.3

減弱ファントム A1  減弱ファントム A1 は,線ビームの適度な減弱と線質硬化を与えることで,患

者の代わりを目的としている。減弱ファントム A1 の長さと幅は,線ビーム内に置かれたときの焦点か

らの距離に依存する。

減弱ファントム A1 は,焦点から受像面へのファントムエッジの投影像が,不変性

試験で用いられる最大の受像面(例えば撮影用カセッテ 35 cm×43 cm)の公称寸法の 15 %以上外側にな

るような大きさでなければならない。

2

値以上の

管電圧で不変性試験を実施するときは,減弱ファントム A1 は 2 枚以上で構成する。

材料,厚さ及び

減弱ファントム A1 を使用する条件の選定は,臨床上で用いる放射線学的手順を実行可

能な限り模擬することが望ましい。

ファントムは,入射 線を患者と同程度に減弱し,線質硬化させ,散

乱するように

組織等価物質[例えば,水,ポリメチルメタクリレート (PMMA),ポリテトラフルオロエチ

レン (PTFE) 又は骨の代用としてのアルミニウム]で作られ,X

線受像器にできる限り近づけて配置しな

ければならない。


28

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

D.4

減弱ファントム A2  減弱ファントム A2 は,理想的には組織等価物質で作られ,減弱ファントム A1

と同じ目的をもつが,

光照射野表示器に取り付けることを意図しているため面積が小さく軽くできる。透

過一次 X

線スペクトルの分布は減弱ファントム A1 のスペクトル分布と等しいが,線受像器に到達する

散乱 線の総量は減弱ファントム A2 と 線受像器間の距離によって大幅に減少する。しかし,減弱ファ

ントム A2 を使用することで,重金属で作られている減弱ファントム A3(後述)に関連する多くの問題が

避けられる。

アンダーテーブル 線管形装置を検査するときは,線源装置に対して減弱ファントム A2

放射線検出器とを適切に配置することが困難であるため付加的な問題が発生する可能性もある。

D.5

減弱ファントム A3  減弱ファントム A3 は,重金属物質(組織よりもかなり原子番号が大きい,例え

ば,銅,鉛)で作られ,

減弱ファントム A で必要な厚さが薄くなりファントムの大きさが減少する。

しかし,これら重金属物質によって発生する

散乱 線の量は組織等価物質による量よりかなり少ない。

さらに,

減弱ファントム A3 の等価厚は,減弱又は 線ビームの線質硬化のいずれかで組織等価物質の

ファントムと同じに合わせることは可能でも両方同時にはできない。その結果,線量,照射時間及び光

学的濃度の値は,通常の臨床作業での値からかなり異なる可能性がある。

管電圧変化の結果として測定さ

れる値の幾つかは,その変動が装置の他のパラメータ値が変化して生じる変動よりかなり大きく拡大され

てしまう。

散乱 線の発生は,多くの場合には,比較的重要ではない。それは受像面へ入射する散乱 線の影響を

受ける構成要素の性能の変化が通常は無視できるためである。よって,

不変性試験用ファントムは,実用

性面から適切な

ファントムを選択してもよい。

D.6

フィルムマーカ試験器具(付図 1)  フィルムマーカ試験器具は,光学的濃度を測定しなければなら

ない X

線像内の規定の測定点を明確にするために使用する。

フィルムマーカ

試験器具は,薄い 線半透過性の板で,光学的濃度の差を比較する点を示すための放射

線不透過性ワイヤでできた少なくとも二つの輪をもつ。

マーカは,フィルムマーカ

試験器具の方向が 線像上で確実に確認できる方法で配列されていなければ

ならない。

フィルムマーカ

試験器具は,二つの規定の 線照射野サイズ(例えば,15 cm×20 cm と 30 cm×40 cm)

不変性試験を実施できることが望ましい。

フィルムマーカ

試験器具の入射面には,光照射野の中心に置けるように,及び光照射野を不変性試験で

選択した寸法に制限できるように表示されていなければならない。

D.7

垂直度試験器具(付図 2)  垂直度試験器具は,受像器面への 線ビーム軸の位置を確認するために

用いる。

試験器具は,少なくとも 200 mm の長さの中空で垂直な側面をもつ構造体(例えば,円筒)からなる。

その上底と下底とを 2 枚の X

線半透過性で透明な物質(例えば,ポリカーボネイト,アクリル)の薄い平

行な板で構成する。そして直径約 1 mm の放射線不透過性ワイヤマーカを両方の面に,マーカの中心が両

方の面に垂直な同一線上にくるように取り付ける。代表的なマーカは,次からなる。

−  上底に,長さ約 15 mm の十字線

−  下底に,上底と下底間距離の 5 %と 10 %の内径をもつ二つの同一円心上の輪


29

Z 4752-2-11

:2005 (IEC 61223-2-11:1999)

D.8

アライメント試験器具(付図 3)  アライメント試験器具は,垂直度以外の幾何学的特性を試験する

ために用いる。

アライメント

試験器具は,線像にて光照射野のエッジと中心及びアライメント試験器具の方向が明確

に確認できるように,垂直度

試験器具で使用されたのと同様の放射線不透過性ワイヤマーカをもつ 線半

透過性の薄くて堅い板からなる。

アライメント

試験器具は,二つの規定の 線照射野サイズ(例えば,15 cm×20 cm と 30 cm×40 cm)

不変性試験を実施できることが望ましい。入射面には,アライメント試験器具を光照射野の中心に適切

に置けて

光照射野を不変性試験で選択した寸法に制限できる表示がなければならない。

D.9

高コントラスト試験器具(付図 4)  高コントラスト試験器具は,高コントラスト解像度によって X

線装置の性能の不変性を試験するものである。

高コントラスト

試験器具は,互いに直角な 2 方向の周期的なパターンをもつことが望ましい。そのパタ

ーンは原子番号の大きい物質の薄いはく(箔)

(例えば,0.05 mm の鉛)から切り出した線対で構成されて

いる。周期的なパターンは,方形波応答で,連続的又は少なくとも 3 本を一組として隣り合った組の空間

周波数の増加が 20 %を超えない線対群で,少なくとも 0.5∼10 LP/mm の空間周波数の範囲を備えることが

望ましい。

線パターンは,最大 2 mm 厚のプラスチック製の支持板(例えば,PMMA)に固定するとよい。線対は,

少なくとも二つの直交する方向をもつとよい。全体のパターンは,70 mm×70 mm の範囲を超えないこと

が望ましい。器具は,試験の目的に応じて

光照射野を中心に合わせたり,制限できる表示を外面にもたな

ければならない。

線パターンはスペーサに取り付けることが望ましい。パターンは,スペーサによってスペーサを置いた

表面と平行,かつ,200 mm の距離に保持される。この方法で,配置は臨床条件と関連して,X

線管の焦

点に関係したいかなる変化も試験できる。