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Z 4752-2-10

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本放射線技術学会 (JSRT)/財団

法人日本規格協会 (JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61223-2-10 : 1999,Evaluation and

routine testing in medical imaging departments

−Part 2-10 : Constancy tests−X-ray equipment for mammography

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS Z 4752-2-10

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定) 用語−用語の索引

附属書 B(参考) 標準的な試験報告書の様式例

附属書 C(参考) 取るべき処置に関する指針

附属書 D(参考) 根拠

附属書 E(参考) 参考文献

附属書 F(規定) ファントム及び試験器具

附属書 1(参考) JIS と対応する国際規格との対比表


Z 4752-2-10

:2005

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲及び目的

1

1.1

  適用範囲

1

1.2

  目的

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

3.1

  要求度

3

3.2

  用語の用い方

3

3.3

  定義された用語

3

4.

  不変性試験の概要

3

4.1

  試験手順に影響する一般的条件

3

4.2

  基礎値の確立

4

4.3

  不変性試験の頻度

4

4.4

  装置,機器及び試験条件の同一性

4

5.

  性能試験

5

5.1

  線装置−画像性能

5

5.2

  線ビーム−幾何学的特性

8

5.3

  圧迫器

9

5.4

  乳房撮影用カセッテ及び増感紙

9

5.5

  乳房 線撮影用フィルム

12

6.

  適合に関する報告

12

附属書 A(規定)  用語−用語の索引

16

附属書 B(参考)  標準的な試験報告書の様式例

18

附属書 C(参考)  取るべき処置に関する指針

21

附属書 D(参考)  根拠

22

附属書 E(参考)  参考文献

24

附属書 F(規定)  ファントム及び試験器具

25

附属書 1(参考) JIS と対応する国際規格との対比表

27


日本工業規格

JIS

 Z

4752-2-10

:2005

医用画像部門における品質維持の評価及び

日常試験方法−

第 2-10 部:不変性試験−乳房用 X 線装置

Evaluation and routine testing in medical imaging departments

Part 2-10 : Constancy tests

X-ray equipment for mammography

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された IEC 61223-2-10 : 1999,Evaluation and routine testing in

medical imaging departments

−Part 2-10 : Constancy tests−X-ray equipment for mammography を翻訳し,技術的

内容を一部変更して作成した日本工業規格である。また,この規格で箇条番号又は細分符号の左肩に  (

)

を施している記述は,それらの補足が

附属書 D(参考)に記載されていることを示している。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一覧表をそ

の説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1.

適用範囲及び目的

1.1

適用範囲  この規格は JIS Z 4752 シリーズの一つで,次の 線装置の構成品について規定する。

−  X

線の発生,伝達及び検出するもの,

増感紙と撮影用フィルムの組合せを用いる乳房用 線装置を備えた放射線設備における放射線情報を

処理,記録及び表示するもの。

この規格は,

細胞診用圧迫板及び

乳房撮影定位装置など乳房用 線装置の特別な附属品には適用しない。

この規格は,一連の個別刊行物(国際規格及び標準情報)の一部であり,診断用 X

線装置の様々な構成

品の作動についての不変性試験の方法を規定する。

この規格は,

JIS Z 4752-1

に規定する診断用 X

線装置の特性を維持するための試験方法を提供する(2.  

照)

この規格は,ディジタル画像装置を構成しない乳房用 X

線装置に適用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61223-2-10 : 1999

,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-10 :

Constancy tests

−X-ray equipment for mammography (MOD)

1.2

目的  この規格は,次のことについて規定する。

−  上記の X

線装置の構成品の性能を規定する,又は性能に影響を与える基本的なパラメータ,

患者への不要な照射を減じながら,適切な画質基準を維持するために,これらのパラメータの変化量

が許容限度内にあることを確認する方法。


2

Z 4752-2-10

:2005

この方法は,適切な

試験器具による 線像の評価に基づくものである。

この方法の目的は,次のとおりである。

−  装置が受け入れられた後に性能の基準レベルを定める,

−  是正の必要性を提示する性能の顕著な変化を見つけ出し,確かめる。

放射線設備は著しく個々に異なるため,この規格では,受け入れられる基準として一般的に適用できる

性能パラメータの値及び公差は規定しない。しかし,適切な改善行為が必要となるような測定の変動範囲

を示すための指針を規定する。

この規格は,次の内容は適用しない。

−  機械的及び電気的安全に関する事項,

−  X

線に対する直接的な防護手段の効果に関する確認,

−  画質の最適化。

測定に関しては,この規格で規定する方法を行う前に,関連規格で規定する方法を実施すべきである(2. 

参照)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 4005

  医用放射線用語

備考  IEC 60788 : 1984,Medical radiology−Terminology からの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。

JIS Z 4752-1

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 1 部:総則

備考  IEC 61223-1 : 1993,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 1 :

General aspects

が,この規格と一致している。

JIS Z 4752-2-1

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 2-1 部:不変性試験−フ

ィルム現像機

備考  IEC 61223-2-1 : 1993,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-1 :

Constancy tests

−Film processors からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 4752-2-2

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 2-2 部:不変性試験−撮

影用カセッテ及びフィルムチェンジャにおけるフィルム・増感紙の密着及び相対感度

備考  IEC 61223-2-2 : 1993,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-2 :

Constancy tests

− Radiographic cassettes and film changers − Film-screen contact and relative

sensitivity of the screen-cassette assembly

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 4752-2-3

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 2-3 部:不変性試験−暗

室安全光条件

備考  IEC 61223-2-3 : 1993,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-3 :

Constancy tests

−Darkroom safelight conditions が,この規格と一致している。

JIS Z 4752-2-5

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第 2-5 部:不変性試験−画

像表示装置

備考  IEC 61223-2-5 : 1994,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 2-5 :

Constancy tests

−Image display devices が,この規格と一致している。

JIS Z 4905

  写真−医用撮影用カセッテ・増感紙・フィルム−寸法及び仕様


3

Z 4752-2-10

:2005

3.

定義

3.1

要求度  この規格では,次のように特定の語について要求事項の記述を明確にしている。

−  ・・・(し)なければならない。  ・・・する。  ・・・とする。  ・・・による。(“shall”)

適合が必す(須)である要求事項を示す文章の末尾。

−  ・・・することが望ましい。  ・・・するのがよい。(“should”)

適合が必すでない強い勧告を示す文章の末尾。

−  ・・・(し)てもよい。  ・・・差し支えない。(“may”)

要求事項に適合する方法又はその代わりの方法を述べる文章の末尾。

−  規定の,規定した (“specific”)

この規格だけに記載された情報又は他の規格における,通常特定の作動条件,試験配置又は適合値の

参照を示す値。

−  指定の,指定した (“specified”)

通常,期待する目的,パラメータ又はその使用若しくは適合試験条件に関して,

機器の附属文書又は

他の文書に製造業者によって明記された限定的な情報を示す語。

3.2

用語の用い方  この規格では,本文中の太字は JIS Z 4005 及びこの規格の 3.3 で定義する意味及び

附属書 で定義する用語である。

3.3

定義された用語

3.3.1

ベース込みかぶり濃度  (Film base plus fog density)  線装置の不変性試験のために,現像した管

理フィルムにおける光学的な X

線像濃度で感光計の光で露光されていない部分である(この定義は JIS Z 

4752-2-1

による。

3.3.2

正味濃度  (Net optical density)  ベース込みかぶり濃度を差し引いた正味の濃度

4.

不変性試験の概要  この規格で規定する不変性試験の結果を有効にするために,その結果が試験のパ

ラメータの変化以外の何ものによっても重大な影響を受けないことを保証することが必要である。

特に,JIS Z 4752-2-3 に従った暗室内での安全光条件及び JIS Z 4752-2-1 に従った適切なフィルム現像処

理に注意する(2.  参照)

シャウカステンを用いるとき,照明条件に特に注意することが望ましい。

被試験装置を確認する作動条件及び試験条件は,環境変化の影響を含め,注意深く検討しなければなら

ない。

試験におけるすべての被試験装置及び試験に使用されるすべての試験機器には,最初の

不変性試験で用

いられたものとそれ以降で同じものが用いられるということを保証するために,最初の

不変性試験で同一

性が識別できるように記録されなければならない。

備考  製造業者が附属文書で不変性試験の方法及び頻度を提示している場合は,これらに従う。

4.1

試験手順に影響する一般的条件  この規格で示す不変性試験の項目は,その結果が対象となるパラ

メータの変化に影響を受けない安定なものが選定される。

テストツール及び試験機器は,必要最小限の数で,簡便で安定したものを用いる。

次のことは重要である。

不変性試験は臨床でもっとも頻繁に用いる 線条件で行う,

−  試験を行うごとに,X

線装置及び附属品を再現性よく配置し記録する,使用される試験機器,構成品

及び

附属品が同じであることを確認する,

−  結果に対する環境の変化の影響に配慮する。特に,電源の変動,

画像表示装置での画像を評価する場


4

Z 4752-2-10

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合,室内照明条件が重要である,

−  2.  の引用規格及び技術報告に従って,使用する

撮影用フィルムを取り扱い,現像処理し,そしてフィ

ルム観察をする,

−  試験機器の性能は定期的に確認し,X

線装置に何らかの重大な変動があると疑われるときは,特に確

認を行う。

備考  適切な国家規格がある場合,測定器は国家規格に従うことが望ましい。

不変性試験を開始する前,撮影用フィルム,フィルム現像処理及びフィルム観察条件の不変性を確認す

る。

4.2

基礎値の確立  新しい 線装置を使用し始めるとき,若しくは 線装置の構成品,附属品又は試験

機器を変更するとき,これらが試験結果に変動を生じさせる場合は,性能が満足することを確認する受入

試験の直後に,最初の不変性試験をやり直さなければならない。最初の不変性試験の目的は,試験のパラ

メータの新しい

基礎値を確立することである。

4.3

不変性試験の頻度  不変性試験は,この規格の個々の箇条で示した頻度で行う。それに加えて次の

場合にも繰り返す。

−  誤動作が疑われるとき,

−  X

線装置の試験の対象になる性能パラメータに影響すると考えられる保守を行った直後,

−  試験の結果が基準から外れた場合。

基礎値の記録は,新たな基礎値が設定される不変性試験が実施されるまで保存しなければならない。

不変性試験の結果は,少なくとも 2 年間保存しなければならない。

4.4

装置,機器及び試験条件の同一性  試験する 線装置,及び試験に使用するすべての試験機器は,

明確に同一性を識別できなければならない。

X

線装置の交換可能な構成品には,次のものがある。

付加フィルタ,

陽極の材料,

照射野限定器,

−  圧迫板,

患者支持器又は 線ビーム内の他の減弱材料,

散乱線除去グリッド,

撮影用フィルムの形名及び乳剤番号,

フィルム現像機,

使用する試験機器には,次のものがある。

増感紙付撮影用カセッテ,

試験器具,

−  感光計,

−  濃度計,

−  圧力計,

設定の変動には,次のものがある。

焦点受像器間距離,

自動制御系の濃度設定及び検出器の位置,

−  X

線条件,

−  幾何学的な拡大の位置,


5

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−  該当する場合,公称

焦点寸法,

以上の事柄は,表示又は記録されなければならない。これは最初の

不変性試験で用いられる試験機器及

び器具並びにこれらの配置が乳房用 X

線装置の試験に用いるようにするためである。

備考1.  試験の多くは最初の不変性試験と同じ撮影用カセッテを用いて行うべきである。以後,この

カセッテを“試験カセッテ”という。この試験カセッテを試験専用として臨床で用いるカセ

ッテと区別して保管する方がよい。最初は装置の変化を提示するための安定した道具である

が,次第にカセッテ自体の劣化による変化を含め,システム全体の変化を提示することにな

る。

2.

試験に用いる

撮影用フィルムが臨床で用いる乳房撮影用フィルムと同じ形名であることが重

要である。

試験器具の 線像は試験カセッテ,同じ増感紙とフィルムの形名で撮られなければならない。撮影用フ

ィルムは既定条件で現像処理され,JIS Z 4752-2-1 で規定された試験でフィルムの乳剤番号間の変化につ

いての適切な許容を行わなければならない。

フィルム又は現像条件を変えた場合は,再設定の

不変性試験を行わなければならない。

試験器具はこの規格の 5.  の性能試験のぞれぞれで規定する。実際,幾つかの試験,例えば 5.15.4 の試

験を,個々の

試験器具の特性を組合せ構成した試験器具を用いて同時に行うことがある。試験器具の詳細

は,

附属書 による。

5.

性能試験

5.1

X

線装置−画像性能

*5.1.1

画像濃度

5.1.1.1

概要  標準試験器具は標準条件で X 線照射され,画像の正味濃度は,線像の規定の位置で測定

される。X

線像はマニュアル及び自動露出制御の両方で撮影される。評価は,線出力,線質,線ビー

ム内の減弱及び受像システムの感度の変化とともに自動露出制御性能の変化を見つけ出すことである。

5.1.1.2

試験機器

−  試験カセッテ,

−  濃度計(測定範囲 0∼3.5,精度±0.02 以内)

−  マニュアル制御の試験では

患者を想定した標準厚 40 mm の減弱ファントム,

自動露出制御試験では,厚さが異なる 3 タイプの減弱ファントム(20 mm,40 mm,60 mm が望まし

い。

5.1.1.3

試験手順  線装置の交換できるすべての部品及び幾何学的配置は最初の不変性試験と同じであ

ることを確認する。

撮影用カセッテホルダに試験カセッテを装着し,最初の不変性試験と同じ位置に減弱

ファントムを配置する。減弱ファントムを乳房保持台の胸壁端に合わせ,かつ横手方向の中心合わせをす

る。

a)

マニュアル制御の試験  最初の不変性試験と同じ 線装置の 線条件にマニュアル設定し,線照射

する。

最初の

不変性試験では,正味濃度が 1.0∼1.6 となる 線条件に調整すること。

次回の試験のために X

線条件を記録する。

b)

自動露出制御試験  自動露出制御の検出器が最初の不変性試験と同じ位置で,試験用具で完全に覆わ

れ,

管電圧,濃度調整及び他の関係する設定は最初の不変性試験と同じであることを確認する。少な


6

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くとも 3 種類の異なった厚さの

減弱ファントムで X 線像撮影する。この場合,“標準”厚 40 mm を含

め,20 mm 以下の厚さステップとする。

可能ならば,各々の X 線照射後に,

照射時間又は管電流時間積,陽極の種類及び付加フィルタの種

類を記録する。

4.4

で規定された手順に従って露光フィルムを現像する。最初の

不変性試験で定めた 線像上の点

正味濃度を測定する。濃度測定点は胸壁から 20∼30 mm で,フィルム左右中心線上が望ましい。

この測定領域のために

減弱ファントムにファイバ・ワッシャを取り付けてもよい。

5.1.1.4

データの評価  線像の正味濃度の測定値を設定した基礎値と比較する。フィルム乳剤番号又は

現像条件の変化を補正した後に,この比較をする。

自動露出制御で得られた減弱ファントム厚が異なった

X

線像の補正された濃度と最初の不変性試験で得られた 線像の濃度を比較する。

備考  照射時間又は管電流時間積データがある場合は,自動露出制御で記録された照射時間又は管電

流時間積を最初の不変性試験で得られた値と比較する。

5.1.1.5

適用される基準  フィルム濃度許容限界は基礎値の±0.20 以内が望ましい。

備考  フィルム乳剤の感度変化及びフィルム現像機による濃度変化が含まれないならば,基礎値に対

する±0.20 の変動は許容できるものである。これがよく認識されているといっても,やはり乳

房検診事業で共通した許容制限は±0.15 とするのがよい。

自動露出制御の試験ごとの正味濃度変化は,減弱ファントムのすべての厚さに関して同じ傾向及び密接

な相関関係がある。異なった厚さに関するそれぞれの

基礎値の範囲は標準厚さの基礎値の±0.20 以上であ

ってもよい。

測定した濃度が個々の

基礎値の±0.20 以内であるが,あるものは基礎値より大きく,他は小さい場合は,

さらに調査する必要がある。

備考  照射時間又は管電流時間積に関する不変性試験が 40 mm 厚の減弱ファントムを用いて行われ

ている場合は,これらの因子の許容限界は通常,

基礎値の±20 %以内とする。

5.1.1.6

取るべき処置  システムが基準を満たさない場合,附属書 で規定された指針に従う。

5.1.1.7

不変性試験の頻度  不変性試験は少なくとも 3 か月ごとに実施されなければならない。線源装

置,高電圧発生装置又は自動露出制御の信頼性について疑いがある場合は,不変性試験の繰返し頻度を上

げる。

備考  特に乳房検診のように 線装置の使用が多い場合,標準厚の減弱ファントム及び臨床使用モー

ド(マニュアル又は自動露出制御)だけを用いた簡単な試験を少なくとも 1 週間に 1 回行い,

フィルム現像機がその場にない場合は,毎日行う。

5.1.2

アーチファクト

5.1.2.1

概要  この試験の目的は,画像システムにおける画像の診断の品質を低下させるおそれのある画

像システムにおけるアーチファクトを見つけ出すことである。アーチファクトが起こる要因として,例え

ば不整合,中心ずれ,機械的な損傷,誤作動などによる

散乱線除去グリッドの故障,乳房支持台,圧迫板

又は

付加フィルタによる 線ビームの減弱の不均一などである。

5.1.2.2

試験機器

シャウカステン,

−  拡大率 5∼10 の拡大鏡。

5.1.2.3

試験手順  5.1.1 で得た 線像と最初の不変性試験で得られたものと一緒に調べる。シャウカス

テンを用いて 線像を観察する。


7

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a)

通常の観察距離

b)

拡大鏡の使用

5.1.2.4

データの評価

a)

初期の

不変性試験と今回の試験で得た 線像の光学濃度変化を比較する。最初の不変性試験にないパ

ターン,汚れ,点及び他の現象の発生について X

線像を調べる。

b)

運動グリッドが使用されている場合,線像を調べ,グリッドのしま目の有無を記録する。

5.1.2.5

適用される基準  線像の目視による濃度の均一性の悪化,前回にないパタ−ンの発生又はグリ

ッドのしま目が著しく見える場合は,さらに追求することが必要である。

備考  グリッドのしま目は,通常臨床使用範囲内で目に見えてはならない。この試験のように,減弱

ファントム厚が 20 mm 以上の厚さである場合,グリッドのしま目は見えてはならない。

5.1.2.6

取るべき処置  システムが基準を満たさない場合,附属書 で規定された指針に従う。

5.1.2.7

不変性試験の頻度  この試験は,5.1.1.7 と同じ頻度で実施されなければならない。

5.1.3

高コントラスト解像度

5.1.3.1

概要  この試験は,均一な減弱ファントムと一緒に高コントラスト試験器具(その 1)の X 線像

を収集することによって,X

線装置の空間解像度の安定性を確認する。

備考1.  この試験の目的は,臨床を模擬する状態で空間解像度の安定性を調べることである。焦点の

選択がある場合は,大

焦点(密着撮影用)は乳房支持台の上に試験器具を置いて行い,小焦

点は拡大撮影台の上に置いて行う。

2.

高コントラスト

試験器具(その 1)(付図 及び附属書 を参照)は,代替品である高コント

ラスト

試験器具(その 2)[X 線不透過性物質の周期的なパターンを備えた金網の配列(付図

3

及び

附属書 を参照)]を用いてもよい。適用するデータの評価と基準は,金網の画像で描

出の低下を見つけることに注目する。

5.1.3.2

試験機器  必要な試験機器は,次とする。

−  試験カセッテ,

−  拡大率 5∼10 の拡大鏡,

−  標準厚 (40 mm) の

減弱ファントム,

−  X 線不透過性物質の周期的なパターンを備えた高コントラスト

試験器具(その 1)(高コントラスト試

験器具の詳細な記述は附属書 による。)。

5.1.3.3

試験手順  運動グリッドを臨床で通常使用している場合,不変性試験は 線ビームの中に運動グ

リッドを置いた状態で行う。静止グリッドを用いたときの試験結果が 5.1.3.5 の規定を満足しない場合は,

静止グリッドを除いて,不変性試験を繰り返す。

備考1.  試験結果から散乱線除去グリッドに問題があると考えられる場合は,散乱線除去グリッドの

状態を示す別の画像収集を行うことが望ましい。

2.

損傷を防ぐため,道具を必要とする

運動グリッドの取外しはしない。

撮影用カセッテホルダの中に試験カセッテを装てん(填)する。最初の不変性試験と同じ焦点受像器間

距離と同じタイプのフィルムを用いる。

乳房支持台の上に

減弱ファントムを置く。この場合の配置精度は最初の不変性試験に対して±1 mm 以

内とする。

減弱ファントムの上面に高コントラスト試験器具(その 1)を置く。この場合の配置は最初の

不変性試験に対して位置精度±1 mm 以内で,同じ方向とする。高コントラスト試験器具とフィルムの距

離は,最初の

不変性試験に対して±2 mm 以内とする。


8

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最初の

不変性試験で用いた 線条件で照射する。4.4 で示した手順に従って露光フィルムを現像する。

備考1.  フィルム濃度が高コントラスト解像度の評価に影響を与えるため,正味濃度が 1.2∼1.6 の中

にあることが望ましい。

2.

現在の臨床状態に従って,この試験を行う。

−  フィルム装てんから

照射までの時間は,臨床使用状態と同じとする。解像度が悪い場合は,空気

抜きに必要なフィルム装てんから

照射までの時間を少なくとも 15 min とり再試験を行い,結果を

比較する

−  カセッテの装てん,露光,取外しの方法は,臨床状態と同じとする

すべての

焦点サイズと陽極材質について,この試験を繰返す。

5.1.3.4

データの評価  拡大鏡を用いて X 線画像を調べ,X 線管軸に平行な方向及び直角な方向における

識別できる最大空間周波数を記録する。これらはこの試験条件での限界周波数である。毎回,最初の

不変

性試験で得られた 線像とそれぞれのフィルムの比較を行い,識別できる基準の不変性を確認する。擬解

像(エリアシング)が起こる場合があるので注意する。これは,最初に対象物の周波数が増加するととも

に画像の変調が減少し,そしてより高い周波数の画像でテストチャートの解像が再現する。限界周波数は

最初にテストチャートの解像が消失した点である。

5.1.3.5

適用される基準  最初の不変性試験で得た限界周波数と比較して,今回得られた周波数は 1 ラン

ク以上低下してはならない。

5.1.3.6

取るべき処置  システムが規定を満たさない場合,附属書 で規定された指針に従う。

5.1.3.7

不変性試験の頻度  この試験は製造業者が提供した取扱説明書に従って実施されなければなら

ない。

試験頻度に関する情報がない場合は,

不変性試験は 6 か月以内の周期で実施されなければならない。

5.2

X

線ビーム−幾何学的特性

備考  乳房用 線装置は,線装置が明らかに損傷を受けたり改造されたりしない限り,ビームの幾

何学的特性がほとんど変化しない構造である。幾何学的特性を変化させる可能性のある復元,

構成品の交換又はサービス作業が行われた場合は,

受入試験で確認することが望ましい。異常

が疑われたり,幾何学的特性に影響を与えるような X

線装置の保守を行った直後は,次の点に

ついて確認しなければならない。

−  交換可能な照射野絞りは,照射野サイズと使用可能な

焦点受像器間距離についての永久的な表示

がなされている,

−  照射野絞りは,所定の位置に収まる,

光照射野は,乳房を照らすのに十分な照度がある,

光照射野と受像面とは,一致する,

焦点受像器間距離が可変の 線装置においては,焦点受像器間距離が明示され,かつ,調整用ロ

ックが確実である。

5.2.1

概要  この試験は,被検者の胸壁側における照射野の幾何学的配置の変化を明らかにするためのも

のである。

5.2.2

試験機器  次の試験器具を用いて,幾何学的配置の不変性を試験する。

−  胸壁側に鉄球が配置された高コントラスト

試験器具(その 2)

附属書 の高コントラスト試験器具(その 2)を参照。

5.2.3

試験手順  試験手順は,5.1.3 の高コントラスト解像度と同様とする。同じ 線像を用いてもよい。

5.2.4

データの評価  X 線像で描出される鉄球の数で評価する。


9

Z 4752-2-10

:2005

5.2.5

適用される基準  高コントラスト試験器具(その 2)の両側にある 5 個の鉄球のうち,少なくとも

2

個以上が X

線像に完全に描出されなければならない。

5.2.6

取るべき処置  システムが規定を満たさない場合,附属書 で規定された指針に従う。

5.3

圧迫器

5.3.1

概要  圧迫板の状態を目視で試験する。圧迫力の値は圧力計を用いて測定する。

備考  乳房 X 線撮影の検査では,被検者の反応を監視しながら手動で最終圧迫を加えることがあるが,

電動の初期圧迫についてだけ,その安定性を試験する。

不変性試験で検査する圧迫力は臨床に従ったものであることが望ましい。標準的な値は 50∼

200 N

であるが,この規格では特に規定しない。

初期圧迫だけが目的であるため,電動圧迫の許容がかなり広くても受け入れられる。

5.3.2

試験機器  次の試験器具を用意する。

− 50 ∼300 N の範囲で,精度±5 N 以上の再現性(安定性と表示分解能を含む)の圧力計。

参考  一般に家庭用体重計で代用してもよい(1 kgf=9.8 N とする。)。

−  厚さ 20∼50 mm,長さ及び幅が 100∼150 mm の空気又は水で満たした袋,若しくは同じ大きさの軟質

ゴム。

5.3.3

試験手順  圧迫板にひび割れ,ゆが(歪)み,局所的に弱い箇所などがないか目視で検査する。乳

房保持台に配置した圧力計の測定部分に空気袋又は水袋を置く。

圧迫器を操作し,圧力計の指示値を記録

する。最大圧迫力の設定が可変の場合はその最大値と臨床使用頻度が高い値で試験する。圧迫力が X

線装

置に表示される場合は,それぞれの表示値も記録する。圧迫が円滑で,左右対称に行われ,正しく解除さ

れることを確認する。

備考  常に水袋のような適切な物を用いて圧迫板にかかる力を分散させること。小さい面積の圧迫で

は,圧迫板を損傷するおそれがある。さらに,圧力計が乳房保持台を傷つけないように注意す

る。場合によっては,保護のための板を敷くことが必要である。

5.3.4

データの評価  設定した基礎値と測定値を比較し,線装置内蔵の測定表示とも比較する。

備考  臨床で通常使用される圧迫力は 50∼200 N である。

5.3.5

適用される基準  測定値は基礎値の±10 N 以内であることが望ましい。線装置に表示機能があ

る場合も同様に±10 N 以内であることが望ましい。

電動で行われる初期圧迫(5.3.1 参照)では,基礎値の±20 %以内であることが望ましい。

5.3.6

取るべき処置  ひび割れ,ゆがみなどがある圧迫板は交換する。異常な動作,非対称な圧迫,円滑

に圧迫が解除されないなどの場合は,機械的な動きやその制御部に注意を払うとよい。

システムが規定を満たさない場合は,

附属書 で規定された指針に従う。

5.3.7

不変性試験の頻度  この試験は製造業者から提供される取扱説明書に従って実施されなければな

らない。試験頻度に関する情報がない場合は,最低 6 か月に 1 回実施されなければならない。

乳房用 X

線装置の仕事負荷(検査数が多い場合)は,週に 1 回の試験が望ましい。

5.4

乳房撮影用カセッテ及び増感紙

5.4.1

測定の準備  乳房撮影用カセッテ及び増感紙を検査する場合は,これらの附属書の指示に従わなけ

ればならない。各

増感紙は,それぞれを識別するために番号などを付ける。この識別はフィルムに写し込

まれる位置で,臨床画像に支障ない

増感紙上に表示する。そして,同じ識別が乳房撮影用カセッテの外側

でも確認できるようにする。

各乳房

撮影用カセッテは,次の表示をする。


10

Z 4752-2-10

:2005

−  乳房

撮影用カセッテの形名,

増感紙の製造業者名,

増感紙の形名,

増感紙の購入日,

増感紙を清掃した最新日。

乳房

撮影用カセッテ及び増感紙の通常状態は,次の事柄を少なくとも 6 か月ごとに確認する。

a)

次の事柄について,各乳房

撮影用カセッテの内側と外側を調べる。

−  正しい表示,

撮影用フィルムと増感紙の密着を確実にするため,反りや疲労の兆候の調査。

b)

乳房

撮影用カセッテの丁番と閉じ機構の摩耗や損傷を調べる。

c)

各乳房

撮影用カセッテと増感紙は少なくとも毎月 1 回,ほこり,ごみ,摩擦,汚れを調べる。必要に

応じて清掃−清しょく(拭)又は交換する。

*5.4.2

増感紙とフィルムの密着性

5.4.2.1

概要  増感紙とフィルムの密着性に関する一様性及び均一性は金網の 線像で調べる。

参考  同様な規定は JIS Z 4905  附属書 にもある。

5.4.2.2

試験機器

増感紙とフィルムの密着試験器具。

−  試験する乳房

撮影用カセッテ受像面の大きさ以上の金網。

増感紙とフィルムの密着試験器具の詳細は,附属書 を参照する。

−  濃度計(測定可能な濃度範囲:0∼3.5,精度±0.02 以内)

5.4.2.3

試験手順  試験する乳房撮影用カセッテを乳房支持台上の 線ビーム内に配置する。線装置で

可能な最大の

焦点受像器間距離とし,乳房撮影用カセッテの入射面上に平らに金網を配置する。もし必要

ならば,X 線照射を行うために空のカセッテを

撮影用カセッテホルダに装てんする。

焦点を選択し,濃度計のアパーチャ 2.0 mm 以上で測定したとき,0.70∼0.80 の光学濃度となる 

条件で乳房撮影用カセッテを照射する。線ビームを減弱させる適切な厚さの減弱ファントムを用いて要

求される濃度を得てもよい。

要求される濃度を容易に得ることができるマニュアルモードを用いて X 線

照射することが望ましい。

備考  −  臨床使用状態に従った試験とすることが望ましい。

−  フィルム装てんから X 線照射までの時間は臨床使用と同じとすることが望ましい。もし密

着が悪いことが分かった場合は,空気を十分逃がす良好な状態にするためにフィルム装て

んから照射までの時間を少なくとも 15 min とした再試験を行い,その結果と比較すること

が望ましい。

−  フィルムの装てんは X 線照射及びフィルム取出しの手順は臨床使用と同じにする。

5.4.2.4

データの評価  臨床使用と同じ状態でシャウカステンを用いて少なくとも 1 m の距離で 線像を

観察する。最初の

不変性試験で得た 線像と今回のものとを比較する。

5.4.2.5

適用される基準  密着不良の大きな部分(1 cm を超す)は許容されないことが望ましい。

備考  線像の金網像で黒い領域又は不均一性な領域が発生した場合は,増感紙とフィルムの密着が

不良で診断情報の質を悪くすることがある。

増感紙とフィルムの密着が悪い場合は,取るべき処置を行う。

取るべき処置については,次の規定を適用する。


11

Z 4752-2-10

:2005

−  幾つかの密着不良の領域が存在するとき。

備考  乳房 X 線撮影ではカセッテの胸壁端に近い部分で増感紙とフィルムの密着性が良好であること

が重要である。一方,一般

撮影ではカセッテの中心部分が増感紙とフィルムの密着に関する判

定基準の領域と考えられている。

5.4.2.6

取るべき処置  大きな密着不良は装てんされたフィルムと増感紙との間の空気が原因である。こ

れはフィルムをカセッテに自動装てんした後,直ちに使用されたことが疑われる(多くの乳がん検診シス

テムに見られるように)

この原因を解消するには,2 回の試験的な X 線

照射を行う。その 1 回目は通常の方法でフィルムを装て

んしたカセッテを X 線

照射し,フィルムを現像する。もう 1 回は,カセッテにフィルムを再度装てんし,

12 h

以上放置後に X 線

照射する。同じアーチファクトが現れた場合は,カセッテと増感紙構造的な緩み又

は損傷の疑いがある。一方,アーチファクトが見えない場合は,空気の抜けが悪いことが原因である。

システムが規定を満たさない場合,

附属書 で規定された指針に従う。

5.4.2.7

不変性試験の頻度  新規購入,修理又は増感紙交換時のカセッテ受入試験は,不変性試験の基礎

値とすることができる。その後の試験は,製造業者が提供する取扱説明書に従って実施することが望まし

い。

試験頻度に関する情報がない場合は,

不変性試験は少なくとも年 1 回実施されなければならない。

5.4.3

増感紙付きカセッテの相対感度

5.4.3.1

概要  増感紙付きカセッテの相対感度の不変性は,使用するすべての乳房撮影用カセッテを同じ

条件で照射して得たフィルム濃度を比較して判定する。

決められた平均フィルム濃度から±0.2 以上ずれて

いる

増感紙付撮影用カセッテは,以後の使用は不適切である。

試験するすべての乳房

撮影用カセッテに関して,同一パッケージの撮影用フィルムと同一の現像条件を

用いる。

5.4.3.2

試験器具  次の試験器具を準備する。

−  標準の厚さ (40 mm) をもつ

減弱ファントム(実用的な線質と線量率を得るために用いる。)。この減弱

ファントムの詳細は

附属書 を参照。

−  濃度計(測定可能な濃度範囲:0∼3.5,精度±0.02 以内)

5.4.3.3

試験手順  乳房支持台上に減弱ファントムを置く。試験するすべての撮影用カセッテに同一パッ

ケージの

撮影用フィルムを装てんする。

フィルムを装てんした

撮影用カセッテをカセッテホルダ内に配置し,現像後の 線像の光学濃度が 0.8

∼1.5 になるような

自動露出制御の 線条件を用いて照射を行う。すべての撮影用カセッテについてこの

試験を繰り返す。

すべてのフィルムは同じ

フィルム現像機で処理する。そして,フィルム現像機内部の不均一な状態を最

小限に留めるため,

フィルム現像機の同じ位置,同じ向きからすべてのフィルムを挿入する。

5.4.3.4

データの評価  それぞれの 線像について,フィルムの左右中心線上で胸壁側から決められた距

離,例えば 30 mm の位置の光学濃度を測定する。

5.4.3.5

適用される基準  光学濃度の平均値からのずれは,±0.20 以内とすることが望ましい。

5.4.3.6

取るべき処置  上記の基準に適合しない増感紙付きカセッテは,今後の乳房 X 線撮影に使用しな

い。詳細なシステムが規定を満たさない場合,

附属書 で規定された指針に従う。

5.4.3.7

試験頻度  新規購入,修理,増感紙交換時のカセッテ受入試験は,不変性試験の基礎値とするこ

とができる。その後の試験は,

製造業者が提供する取扱説明書に従って実施することが望ましい。


12

Z 4752-2-10

:2005

試験頻度に関する情報がない場合は,

不変性試験は少なくとも年 1 回実施されなければならない。

5.5

乳房 線撮影用フィルム  フィルム現像機の性能の不変性に関する推奨の試験手順は,JIS Z 

4752-2-1

に記述されている。不変性を確認するには

ベース込みかぶり濃度,感度指数,階調度指数(コン

トラスト指数)を管理する。これらの因子が示す傾向は,変化の特定な原因を見極めるために,及び取る

べき処置を開始するために用いることができる。

乳房 X 線撮影の個別要求及び乳房撮影用フィルムだけの特性から,試験手順の幾つかは特別な注意を払

い実施するべきであり,幾つかの追加試験が有用である。これらの補足事項を次に要約する。

センシトメトリ試験に用いる管理フィルムは,臨床の乳房 X 線撮影で用いるフィルムと同じ種類で同じ

乳剤番号のものとする。

センシトメトリのステップウエッジは,二つの露光レベルをもち,そして,センシトメトリ曲線の低濃

度領域のコンラスト評価ができるものであることが望ましい。そのため,現像後の管理フィルム上で,

味濃度が少なくとも 0.20∼0.30 と 0.40∼0.60 との範囲の二つの濃度が必要である。フィルムの性能が不変

であると判定するには,二つのステップのフィルム濃度差が

基礎値の±0.03 以内であることが必要である。

新しいフィルムの乳剤番号は,臨床使用する前に以前の乳剤番号と比較試験を行わなければならない。

もし新しいフィルム乳剤番号が上記の規定に合致しなかった場合,まず,

製造業者が指定する測定因子の

許容幅,又は,フィルム購入契約で合意した測定因子の許容幅と照合することが望ましい。感度,コント

ラスト,低濃度の感度が大きくずれている場合は,保管条件の変化やフィルムの使用までの保管期間が大

幅に違っていることなどが原因であることも考えられる。もし臨床的に変化が大きい場合や,

製造業者の

仕様を越えた変動がある場合は,

使用者側の扱いの中で原因を見つけるのは難しいので,フィルム供給者

がその原因を確かめることが望ましい。

6.

適合に関する報告  試験報告書の表題は,次のようにする。

報告書

乳房用 線装置の不変性試験

(JIS Z 4752-2-10 : 2005)

に従う

この規格に適合する記述は,次とする。

乳房用 X 線装置,**(形名)**は,JIS Z 4752-2-10 : 2005 に適合している。


13

Z 4752-2-10

:2005

単位  mm

R =

 11

0

5

20

40

IEC   1096/99

付図  1  減弱ファントム


14

Z 4752-2-10

:2005

単位  mm

18,8

14,1

11,8

10

8,4

7,1

6,0

5,0

lp/mm

18
,8

14
,1

11
,8

10

8,

4

7,

1

6,

0

5,

0

lp

/m
m

18,8

14,1

11,8

10

8,4

7,1

6,0

5,0

lp/mm

18,

8

14,

1

11,

8

10

8,

4

7,

1

6,

0

5,

0

lp

/m

m

40

R =

 110

5

1

IEC   1097/99

付図  2  高コントラスト試験器具(その 1


15

Z 4752-2-10

:2005

単位  mm

1

3

4

2

5

15

15

72

70

6

IEC   1098/99

              ①−④  ステンレス金網 
                      ①  金網幅 0.1 mm,ワイヤ径 0.06 mm 
                      ②  金網幅 0.08 mm,ワイヤ径 0.05 mm

                      ③  金網幅 0.063 mm,ワイヤ径 0.04 mm 
                      ④  金網幅 0.04 mm,ワイヤ径 0.032 mm 
              ⑤  直径 2 mm の鉄球配列:  X 線ビームの端の位置を確認するためのもの。

付図  3  高コントラスト試験器具(その 2


16

Z 4752-2-10

:2005

附属書 A(規定)  用語−用語の索引

JIS Z 4005

  医用放射線用語

IEC 60788 : 1984 Medical Radiology

−Terminology rm-..-..

国際単位系 SI における単位名

Name of unit International System SI

rm-..-..*

定義のない派生語 Derived

term

without

definition

rm-..-..+

定義のない用語 Term

without

definition

rm-..-..-

以前の単位名

Name of earlier unit

rm-..-...

短縮語 Shortene term

rm-..-..s

JIS Z 4752-1

の 3.

Clause 3 of IEC 61223-1

AG-3…

JIS Z 4752-2

シリーズの 3.

Clause 3 of IEC 61223-2-XY

XY-3…

圧迫器 COMPRESSION

DEVICE

rm-35-15

受入試験 ACCEPTANCE

TEST

AG-3.2.4

運動グリッド MOVING

GIRD

rm-32-15

X

線 X-RADIATION

rm-11-01-

X

線管 X-RAY

TUBE

rm-22-03

X

線]管装置 X-RAY

TUBE

ASSEMBLY

rm-22-01

X

線]管電圧

X-RAY TUBE VOLTAGE

rm-36-02

X

線]管電流 X-RAY

TUBE

CURRENT

rm-36-07

X

線[管負荷]条件 LOADING

FACTOR

rm-36-01

X

線源装置 X-RAY

SOURCE

ASSEMBLY

rm-20-05+

X

線高電圧装置 HIGH-VOLTAGE

GENERATOR

rm-21-01

X

線]撮影[法] RADIOGRAPHY

rm-41-06

X

線像 RADIOGRAM

rm-32-02

X

線照射野 X-RAY

FIELD

rm-37-07+

X

線装置 X-RAY

EQUIPMENT

rm-20-20

X

線ビーム X-RAY

BEAM

rm-37-05+

 (RADIATION

BEAM)  (rm-37-05)

X

線ビーム軸 X-RAY

BEAM

AXIS

rm-37-06+

階調度指数(コントラスト指数) CONTRAST

INDEX

1-3.2.4

画像表示装置 
患者

IMAGE DISPLAY DEVICE

PATIENT

5-3.3.1

rm-62-03

患者支持器 PATIENT

SUPPORT

rm-30-02

管電流時間積 CURRENT

TIME

PRODUCT

rm-36-13

感度指数 SPEED

INDEX

1-3.2.3

基礎値 BASELINE

VALUE

AG-3.2.7

規定の/規定した Specific

rm-74-01

空気カーマ率

AIR KERMA RATE

rm-13-11 &

rm-13-13

減弱 ATTENUATION

rm-12-08

減弱ファントム

ATTENUATION PHANTOM

rm-12-08, rm-54-01

現状試験 STATUS

TEST

AG-3.2.5

光子/フォトン PHOTON

rm-11-19

撮影用カセッテ RADIOGRAPHIC

CASSETTE

rm-35-14

撮影用カセッテホルダ RADIOGRAPHIC

CASSETTE

HOLDER

rm-35-18-

散乱 SCATTERING

rm-12-03

散乱線除去グリッド ANTI-SCATTER

GRID

rm-32-06


17

Z 4752-2-10

:2005

散乱放射線 SCATTERED

RADIATION

rm-11-13

試験器具 TEST

DEVICE

rm-71-04

仕事負荷 WORKLOAD

rm-61-03

指定の/指定した Specified

rm-74-02

自動制御系

AUTOMATIC CONTROL SYSTEM

rm-36-45

自動露出制御

AUTOMATIC EXPOSURE CONTROL

  (AEC) rm-36-46

シャウカステン FILM

ILLUMINATOR

2-3.2.1

受像面 IMAGE

RECEPTION

AREA

rm-37-16

使用者 USER

rm-85-01

照射 IRRADIATION

rm-12-09

照射時間 IRRADIATION

TIME

rm-36-11

照射野限定器

BEAM LIMITING DEVICE

rm-37-28

焦点 FOCAL SPOT

rm-20-13s

焦点受像器間距離

FOCAL SPOT TO IMAGE RECEPTOR DISTANCE

rm-37-13

正味濃度

NET OPTICAL DENSITY

10-3.3.2

静止グリッド STATIONARY

GIRD

rm-32-14

製造業者 MANUFACTURER

rm-85-03-

設定基準 ESTABLISHED

CRITERIA

AG-3.2.8

線質 RADIATION

QUALITY

rm-13-28

線量計 DOSEMET

rm-50-02

増感紙 INTENSIFYING

SCREEN

rm-32-38

直接]撮影用フィルム RADIOGRAPHIC

FILM

rm-32-32

取扱説明書/使用説明書

INSTRUCTIONS FOR USE

rm-82-02

光照射野 LIGHT

FIELD

rm-37-09

品質管理 QUALITY

CONTROL

AG-3.2.3

品質保証 QUALITY

ASSURANCE

AG-3.2.1

品質保証計画 QUALITY

ASSURANCE

PROGRAMME

AG-3.2.2

ファントム PHANTOM

rm-54-01

フィルム現像機 FILM

PROCESSOR

1-3.2.1

負荷 LOADING

rm-36-09

負荷時間 LOADING TIME

rm-36-10

付加フィルタ ADDED

FILTER

rm-35-02

附属品 ACCESSORY

rm-83-06

附属文書 ACCOMPANYING

DOCUMENTS

rm-82-01

不変性試験 CONSTANCY

TEST

AG-3.2.6

ベース込みかぶり濃度

FILM BASE PLUS FOG DENSITY

1-3.2.2

放射線 RADIATION

rm-11-01

放射線学 RADIOLOGY

rm-40-01

放射線学の RADIOLOGICAL

rm-40-02

放射線設備 RADIOLOGICAL

INSTALLATION  rm-20-24

陽極 ANODE

rm-22-06


18

Z 4752-2-10

:2005

附属書 B(参考)  標準的な試験報告書の様式例

この附属書 B は,本体に関連した事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

JIS Z 4752-2-10 : 2005

による乳房用 線装置の不変性試験報告書

記録事項

試験者名

試験の履歴

実施日

実施日

    暗室状態に関する最新の試験日

    年    月    日

    年    月    日

    フィルム現像機に関する最新の試験日

    年    月    日

    年    月    日

    最初の不変性試験に関する最新の試験日

    年    月    日

    年    月    日

    前回の不変性試験日

    年    月    日

    年    月    日

a)

  X 線装置 

形名

形名

    乳房用 X 線装置

        X 線源装置

        X 線管装置

        X 線高電圧装置

        照射野限定器

    構造品及び附属品

        付加フィルタ

        照射野限定器

        患者支持器/撮影用カセッテホルダ

        圧迫板

        散乱線除去グリッド

        撮影用フィルム

        撮影用フィルム:乳剤番号

        撮影用フィルム:使用開始日

    年    月    日

    年    月    日

        試験専用の撮影用カセッテ

        試験対象の撮影用カセッテ

        増感紙

    暗室          室の名前,番号など

        フィルム現像機

備考  現像温度,ベース込みかぶり濃度,コントラスト,感度というセンシトメトリストリップの現

像処理データを記録することが役に立つ。


19

Z 4752-2-10

:2005

    試験器具

形名

形名

        減弱ファントム

        高コントラスト試験器具(その 1)

        高コントラスト試験器具(その 2)

        増感紙とフィルムの密着試験器具

        濃度計

        感光計

        圧力計又は体重計/物差し

    試験の配置

        焦点受像器間距離 (SID)

cm

cm

        受像面積 cm×    cm

cm

×    cm

        試験器具の位置と方向(図示)

    標準試験条件(環境条件を含む)

        選択した焦点

        陽極の材料

        付加フィルタ

        管電圧

        管電流

        管電圧時間積 (mAs)

        X 線管の負荷時間

        自動露出制御装置の位置

        自動制御系のプログラム設定

        選択した圧迫圧

備考1.  可変部は同じ目盛設定にする。100 mA 0.20 s における陽極の実際の負荷は,200 mA 0.10 s と

は通常相違するであろう。

2.

連続的に設定される機械的及び電気的な可動部は,常に同じ方向から設定する。

これはバックラッシュの影響をなくすためである。バックラッシュの影響をなくすため,

すべての制御をゼロにセットした後所定の値にリセットすることが望ましい。

b)

  乳房用カセッテ 

        JIS Z 4752-2-2 の附属書 を参照。

c)

  フィルム現像機 

        JIS Z 4752-2-1 の附属書 を参照。


20

Z 4752-2-10

:2005

試験結果

    最初の不変性試験

    5.1.1  画像濃度 

              マニュアル照射制御  正味濃度

              自動露出制御        正味濃度

濃度測定の位置(例えば,X,Y 座標)

X

線管の管電流時間積 (mAs)

X

線管の負荷時間

    5.1.2  X 線像上のグリッドのしま目などのアーチファ

クト 

無      有

無      有

    5.1.3  X 線管の軸に平行な方向における識別できる最

大空間周波数 

X

線管の軸に垂直な方向における識別できる最

大空間周波数

    5.2

幾何学的特性            鉄球の数 

    5.3

圧力計の指示値 

X

線装置の圧迫力の表示値

    5.4.1  乳房撮影用カセッテ及び増感紙の状態 

    5.4.2  増感紙とフィルムの密着性 

    5.4.3  増感紙付きカセッテの相対感度 

JIS Z 4752-2-2

附属書 を参照。

    5.5

フィルムの性能 

    不変性試験(最初の不変性試験と同じ試験)

    5.1.1  画像濃度

              マニュアル照射制御    正味濃度

              自動露出制御          正味濃度

濃度測定の位置(例えば,X,Y 座標)

X

線管の管電流時間積 (mAs)

X

線管の負荷時間

    5.1.2  X 線像上のグリッドのしま目などのアーチファ

クト 

無      有

無      有

    5.1.3  X 線管の軸に平行な方向における識別できる最

大空間周波数 

X

線管の軸に垂直な方向における識別できる最

大空間周波数

    5.2

幾何学的特性            鉄球の数 

    5.3

圧力計の指示値 

X

線装置の圧迫力の表示値

    5.4.1  乳房撮影用カセッテ及び増感紙の状態

    5.4.2  増感紙とフィルムの密着性 

    5.4.3  増感紙付きカセッテの相対感度

JIS Z 4752-2-2

附属書 を参照。

    5.5

フィルムの性能


21

Z 4752-2-10

:2005

附属書 C(参考)  取るべき処置に関する指針

この附属書 C は本体に関連した事項を補足するもので規定の一部ではない。

C.1

  試験結果が,指定された要求事項又は

設定基準を満たさない場合は,次の処置を始める前に,試験用

具の性能を点検し,試験を繰り返して結果を確認すべきである。

C.2

  繰り返された試験結果によって,被試験装置が指定された要求事項を又は

設定基準を満たしていない

場合は,次の一つ以上の処置をとればよい。

a)

被試験装置の

品質保証計画に指示されたとおりに処置を始める。

b)

品質保証計画の管理責任者に通知する。

c)

被試験装置の日常の管理責任者に通知する。

C.3

  試験結果が,その装置の指定の要求事項又は

設定基準をぎりぎり満たしていない場合,例えば,装置

がまだ臨床上検査に使用できる場合は,次の処置を取る。

a)

次の

不変性試験の結果を待ち,その間に臨床画像の画質を注意して観察する。

b)

不変性試験の頻度を増やす。

c)

不変性試験が不合格であることを,次の定期修理実施時での要注意事項として記録する。

C.4

  装置が

不変性試験の設定基準を満たさなかった履歴がある場合は,C.2 の b)  及び c)  に記載された管

理責任者は,次の項目を考慮する。

a)

現状試験の実施。

b)

適用する基準の緩和。

c) X

線の使用範囲についての被試験装置の使用制限。

d)

修理資格者による装置の臨時修理とオーバホール。

e)

取り替えを必要とする装置のリストにその装置を載せる。

C.5

  試験結果が,指定の要求事項又は

設定基準を全く満たさない場合は,次の処置を取る。

a)

現状試験を実施し,その結果を C.2 の b)  及び c)  に記載された管理責任者に通知する。

b)

装置の修理の範囲を検討する。

−  どこまでが適切か。

−  すぐ修理すべきか。

c)

次に示す処置を検討する。

−  機器の臨床使用を今後停止するか否か。

−  C.4 に従い処置するか否か。

C.6

使用者によって決定されるその他の処置


22

Z 4752-2-10

:2005

附属書 D(参考)  根拠

この附属書 D は,本体に関連した事項を補足するもので規定の一部ではない。

5.1.1

画像濃度関連  画像濃度の不変性試験に関する手順は,乳房 X 線撮影用機器の特有の特性を反映さ

せるためのものである。乳房 X 線撮影では X 線管のエージングと

自動露出制御の非直線性が特に重要であ

る。したがって 5.1.1 で記述された試験は一般撮影で要求される以上により詳細で,より高い頻度で行わ

れるべきである。

a)

モリブデン (Mo) やロジウム (Rh)

陽極は融点が低いため,一般的なタングステンの材質のものより

耐久性に劣る。X 線

照射回数の増加につれ,出力特性が重要な変化を起こすことも予想される。マニ

ュアル制御で時々行う画像濃度の確認は,たとえ

自動露出制御だけを使用する場合でも,X 線管の交

換を決定するのに役に立つ。このため,マニュアル制御が使用される場合,要求に応じた適切な濃度

を得るための X

線条件を評価するのに重要である。照射条件は前回マニュアル操作を行ってから,何

度か

照射をしていれば変化しているであろう。マニュアル制御でのフィルム濃度の変化によって示さ

れる出力特性の大きな変化は,

陽極の荒れと関連する場合がある。この試験は解像力の低下の原因を

決定するため,

焦点像を撮る方法に対する簡単な代替え法である。(5.1.3 参照)

b)

乳房用 X 線装置における

自動露出制御は“安定した濃度を得る”装置であり,“安定した照射を行う”

装置でないので,線量をフィルム濃度から解釈することは難しい。高品質な

線量計が一般撮影で自動

露出制御の確認に使用されているかもしれないが,それが乳房 X 線撮影に有用な試験器具とはいえな

い。

線質硬化は乳房 X 線撮影では影響が大きい。大きな乳房からの透過 X 線スペクトルは,小さい乳房

の透過 X 線スペクトルと大きく異なっているため,増感紙の発光は

カセッテ受像面での空気カーマ率

が一定であったとしても,異なってしまう。

単位

陽極電荷当たりの X 線光子数発生は低管電圧では低い。したがって乳房 X 線撮影用フィルムは

“相反則不軌”領域で用いられる。つまり画像濃度は受像面での積算線量だけでなく線量率にも依存

する。

以上のように,X 線管の出力は年々変化する。Mo

陽極の X 線管の場合,それは被写体コントラス

トよりも

管電圧により一層大きく依存する。(画像を形成するスペクトルの多くが Kα以下であるの

で,被写体コントラストは比較的影響されない。ゆえに,

管電圧の小さな変動と経年変化は,任意の

画像濃度を得るために必要な入射線量を変えてしまう。

性能の良い

自動露出制御システムは,出力スペクトル,透過線量率,被写体厚を測定したり,

条件を確認したり,安定した画像濃度が得られる受像面での適正線量を計算することによって,これ

らの影響を補正している。その計算の因子は,使用するフィルムと増感紙に依存するため,サービス

技術者によって設定されるべきである。ゆえに

自動露出制御の安定性に関する有効な証明方法として,

同じ

照射条件で時間をおいて繰り返してもファントム画像濃度が変化しないことがあげられる。

自動露出制御による補正は完全でなく,ほとんどの場合,非常に大きい乳房又は非常に小さい乳房

に対する補正ができないため,

ファントムの異なる厚さの間で多少の画像濃度の変化がある。

しかし,

X

線条件が不変であるならば,同じファントム厚で得られる濃度の再現性及び異なる二つのファント


23

Z 4752-2-10

:2005

ム厚での濃度の差は一定となるはずである。

c)

乳房検診事業では X

線装置の画像特性に関して高い被検者処理能力と最適な画質を維持しながら中期

的な安定性を特に重視するものである。そして,検診事業では,時には

患者の所へ出張撮影を行う必

要もある。ゆえに,フィルムを直ちに現像する設備のない検診車に X 線システムを搭載することも一

般的である。

フィルムが直ちに現像できない場合は,

自動露出制御システムの不変性試験として三種の異なるフ

ァントム厚に対する入射線量を測定するのは X 線システムが使用に適するかの確認に有効な方法であ

る。

フィルムを直ちに現像できる所では,

自動露出制御システムに関する不変性試験の結果は,画質劣

化に関する検証対象から

自動露出制御を除くのに役に立つであろう。週 1 回の試験で通常は十分であ

る。フィルムが直ちに現像できない場合,

照射時間又は管電流時間積を記録する自動露出制御の不変

性試験[上記 b)  参照]は,線システムが使用に適していることを確認する実用的な手段である。

温度調節されていない検診車又は建物に X

線装置が設置されている場合,自動露出制御の性能は結

露によってしばしば影響を受けるので,

自動露出制御に関する不変性試験は始業点検としての価値が

ある。直ちに現像が可能な場合,画像濃度を確認することで,X

線条件及び自動露出制御設定の変更

を示唆し

自動露出制御の性能のわずかな変動を補正し,画質を維持することができる。このような変

更が始業時点で行われる場合,この

不変性試験は 線装置が安定状態に達するまで繰り返されるべき

である。

5.4.2

増感紙とフィルムの密着性関連  一般撮影では,増感紙とフィルムの密着性の確認には金網の使用

が一般的である。

乳房 X 線撮影では高解像度増感紙,

片面乳剤フィルム及び特別な現像処理が用いられる。

これらは

患者の被ばく(曝)線量を考慮した空間分解能,コントラスト分解能の最も効果的な組合せを得

ることである。一般撮影用スクリーンの密着性試験で現れない欠陥が乳房 X 線撮影の画像に関する分解能

を劣化させ,診断効果を低下させる。そのため,この試験ではより細かい網目の金網が用いられる。

網目が細かすぎる場合,網自体に欠点がある場合,又は付着したほこりによってアーチファクトが現れ

てしまう場合には,カセッテの永久的な反りの影響又は密着力の欠如とほこりなどによる問題点との区別

ができなくなるので留意すべきである。

フィルムの黒化領域の境界が

散乱 線の影響を受けないように X 線照射領域を確保することが重要であ

る。例えば,実際は入射 X 線の不均一さがフィルム全体にわたって濃度変化が生じたのが原因であるにも

かかわらず,不完全又は不均一な密着と見えてしまうことがある。


24

Z 4752-2-10

:2005

附属書 E(参考)  参考文献

この附属書 E は,本体に関連した事項を補足するもので規定の一部ではない。

1. Stanton L., Day J. L., Villafana T., Miller C. H. and Lightfoot D. A., “Dosage Evaluation in Mammography”,

Radiology, 1984, 150 : 577-584

2. Prado K. L., Rakowski J. T., Barragan F. and Vanek K. N., “Breast Radiation Dose in Film/screen Mammography”,

Health Physics, 1988, 55 : 81-83

3. Frederick E. E., Squillante M. R., Cirignano L. J., Hahn R. W. and Entine G., “Accurate Automatic Exposure

Controller for Mammography : Design and Performance”, Radiology, 1991, 178 : 393-396

4. Wu X. Barnes G. T. and Tucker D. M. “Spectral Dependence of Glandular Tissue Dose in Screen

−Film

Mammography”, Radiology, 1991, 179 : 143-148

5. Wu X. Barnes G. T. and Tucker D. M. “Normalized Average Glandular Tissue Dose in Molybdenum Target

Rhodium Filter aand Rhodium Target

−Rhodium Filter Mammography”, Radiology, 1994, 193 : 83-89


25

Z 4752-2-10

:2005

附属書 F(規定)  ファントム及び試験器具

一般

X

線装置の性能の不変性を確認するため,ファントム及び試験器具が必要である。これらは次の二つの

目的を満たすものである。

−  X

線ビームの減弱と硬化を考慮し患者を模擬するため。

−  所定の詳細な試験試料を含むことによって,画像の幾何学情報及び画質に関する情報を提供するため。

本体 5.  で規定された性能試験に関しては,一つの

ファントム及び三つの試験器具が必要である。これら

の主な特性は次に示す。

すべての

ファントム及び試験器具はメタクリル樹脂  (PMMA  : polymethyl-methacrylate) を使用すること

が望ましい。乳房撮影に用いる低い X

線エネルギーでは,一般的に,組織等価として用いられる物質は,

その

減弱特性が乳房組織に比べて大きく異なっている。PMMA はこの試験において一貫した結果をもたら

し,取扱いが容易で,乳房組織との関連性が広く研究されている。例えば,40 mm 厚の PMMA は 45 mm

厚の平均的な乳房組織に類似な特性を備え,

この規格の幾つかの試験に基準の厚さとして用いられている。

備考  再現性のために,ファントム及び試験器具は常に乳房支持台の胸壁端にあわせるように配置す

ることが望ましい。

減弱ファントム

減弱ファントムは,乳房組織による 線ビームの減弱,散乱及び硬化を模擬するために用いる。減弱フ

ァントムは,く(矩)形又は半円形で,長さが少なくとも 150 mm,幅が少なくとも 80 mm とする。減弱

ファントムは,同じ材質で分離できる板状とし,20∼60 mm の間を 20 mm 以下の厚さ間隔で調整できるも

のである。

各々の板の縁に近い所に埋め込む小さいマーカーは,特定の X

線像に用いられた減弱ファントムの組合

せを識別するために有用である。

減弱ファントムの例を本体の付図 に示す。

高コントラスト試験器具(その 1

高コントラスト

試験器具は,線装置の高コントラスト解像度の不変性を試験するものである。この試

験器具は原子番号が高い薄いはく(箔)(例えば,20 µm 厚の鉛又は金)から切り出した周期的な棒状パタ

ーンを備える。この周期的なパターンは,く形波からなり,空間周波数の範囲は少なくとも 5∼15 Lp/mm

で,連続的又は少なくとも 3 本が一組として,隣り合った組は 20 %以下の空間周波数で増減させる。棒状

パターンは,2 mm 以下の厚さの PMMA 製保護板上に取り付ける。棒状パターンは直角で少なくとも 2 方

向に置く。すべてのパターンを面積 40×40 mm の中に収める。この

試験器具は 線ビームに再現性良く

位置決めするためにその外部表面にマーカーを備えなければならない。

高コントラスト

試験器具(その 1)の例を本体の付図 に示す。

参考  JIS Z 4916 に規定されているものは,公比 1.25 であるが,この試験に用いられるものと考えら

れる。


26

Z 4752-2-10

:2005

高コントラスト試験器具(その 2

高コントラスト

試験器具(その 2)は全体の概念の点で高コントラスト試験器具(その 1)の代替品で同

等である。高コントラスト解像度の不変性を試験するに代替えできる配列を備える。高コントラスト

試験

器具(その 1)の棒状パターンの代わりに,金網構造を備える。幾何学的な特性の不変性を試験するため

の二つの鉄球配列(本体 5.2 を参照)には,高コントラスト

試験器具(その 1)で規定した周期的な棒状

パターンを組み合わせてもよい。

高コントラスト

試験器具(その 2)の例を,本体の付図 に示す。

フィルム/増感紙の密着試験器具

フィルム/増感紙の密着

試験器具は乳房用カセッテに用いる 線フィルムと増感紙との十分な密着を試

験するものである。この

試験器具は試験対象の乳房用カセッテの受像面より大きな金網からなる。金網の

保護と均一平面を保つため,金網は堅いアクリル  (PMMA)  によるサンドイッチ状態で固定されている。

金網は

シャウカステンで拡大鏡を用いて観察するとき金網の構造が均一に見えるような品質のく形パタ

ーンを備えることが望ましい。

この

試験器具は JIS Z 4905 の附属書 を参照することができる。

関連規格  JIS Z 4916  X 線用解像力テストチャート


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Z 4752-2-10

:2005

附属書 1(参考) JIS と対応する国際規格との対比表

JIS Z 4752-2-10 : 2005

  医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第

2-10

部:不変性試験−乳房用 X 線装置

IEC 61223-2-10 : 1999

医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方

法−第 2-10 部:不変性試験−乳房用 X 線装置

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

1.

適用 範

デ ィ ジ タ ル 画 像 処 理を 構
成しない乳房用 X 線装置

(細胞診用圧迫板,乳房撮
影 定 位 装 置 な ど 特 別な 付
属 品 を 除 く ) に つ いて 規

定。

IEC 

61223-2-10

1

JIS

と 同 じ 内 容 を 記

載。

IDT

2.

引用 規

こ の 規 格 の 一 部 を 構成 す

る JIS を列挙。

IEC 

61223-2-10

2

一部を除き JIS と同じ

内容を記載している。

MOD/

追加  IEC には Z 4905 の該当

項目なし。

規定の内容に必要な最新の JIS を追

加した  (JIS Z 4905)。IEC へ規格の改
訂を提案する予定である。

3.

定義

規 格 に 記 載 す る 用 語等 を
定義。

IEC 

61223-2-10

3

JIS

と同じ用語記載。

IDT

4.

不変 性

試験の概

試験手順,基礎値,試験頻

度,装置,器具などの概要
を規定。

IEC 

61223-2-10

4

JIS

と 同 じ 内 容 を 記

載。

IDT

5.

性能 試

各試験項目の機器,手順,
評価,頻度などを規定。

IEC 

61223-2-10

5 5.1

,5.3,5.4 を除き,

JIS

と 同 じ 内 容 を 記

載。

MOD/

変更 5.1 画像濃度の適用基準

で備考の値が異なる。

5.3

圧迫器の使用機器に

参考で測定器を追加。

5.4.2

増感紙とフィルム

の密着性試験において,

5.4.2.2

試験機器の追加,

最新の規格 IEC 60601-2-45ed.2 : 2001
の規定に合わせた。 
学会のガイドライン等で使用される

代用可能な測定器を参考として追加
した。 
最新の規格 JIS Z 4905 : 2005 の内容に

合わせた。IEC へ規格の改訂を提案す
る予定である。

27

Z 4752-2-10


2005


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Z 4752-2-10

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

  5.4.2.3

試験手順で X 線

条件が異なる。

5.4.2.4

データの評価及

び 5.4.2.5 適用される基
準が異なる。

6.

適合 に

関する報

試 験 報 告 書 の 適 合 に関 す
る報告

IEC 

61223-2-10

6

JIS

と 同 じ 内 容 を 記

載。

IDT

付図 3

代 替 え 可 能 な 高 コ ント ラ

スト試験器具の図

IEC 

61223-2-10

Figure 3

一部を除き JIS と同じ

内容を記載している。

MOD/

変更  試験する金属球の位置

が異なる。

IEC

規格の金属球の位置ではこの規

格の評価基準に適合しない。IEC へ規
格の改訂を提案する予定である。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

28

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