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Z 4712 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 4712 : 1989 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,国際整合化を図るため,IEC 60601-1-3 : 1994, Medical electrical equipment−Part 1 :

General requirements for safety

−3. Collateral standard : General requirements for radiation protection in diagnostic

X-ray equipment

(医用放射線防護規格)と IEC 60601-2-28 : 1993, Medical electrical equipment−Part 2 :

Particular requirements for the safety of X-ray source assemblies and X-ray tube assemblies for medical diagnosis

(診断用 X 線装置及び X 線管装置の個別安全規格)を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録

出願にかかわる確認について,責任はもたない。


Z 4712 : 1998

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  性能

1

5.

  構造

2

6.

  試験

3

6.1

  試験条件

3

6.2

  試験項目

3

6.3

  試験方法

3

7.

  検査

4

8.

  表示

4

9.

  取扱説明書

4


日本工業規格

JIS

 Z

4712

 : 1998

診断用 X 線可動絞り

X-ray beam limiting devices

序文  今回の改正は,1997 年に国際整合化のために改正された JIS Z 4701 との整合化を重点的に行った。

1.

適用範囲  この規格は,診断用の医用 X 線管装置及び診断用一体形 X 線発生装置に取り付け,X 線照

射野を調整することができる,X 線ビーム制限用の X 線可動絞り(以下,可動絞りという。

)について規

定する。

なお,ここに規定する以外の事項については,JIS Z 4701 の規定を適用する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。

JIS C 1609

  照度計

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS Z 4005

  医用放射線用語

JIS Z 4511

  照射線量測定器及び線量当量測定器の校正方法

JIS Z 4701

  医用 X 線装置通則

JIS Z 4704

  医用 X 線管装置

JIS Z 4711

  診断用一体形 X 線発生装置

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4005 及び JIS Z 4701 によるほか,次による。

a)

医用可動絞り  X 線照射野の寸法を連続的に調整する手段を備えた絞り装置。

b)

投光照準器  光源を含めた X 線照射野を光表示する装置。

c)

漏れ線量  利用ビーム以外の方向に可動絞りを透過して放射される X 線量。

d)

最高使用管電圧  可動絞りが使用できる最高管電圧。

e)

PBL

機構  X 線管焦点・受像面間距離(以下,SID という。)の変化,及び受像面積の変化に追従し

て,X 線照射野を調整する機構。

4.

性能  JIS Z 4701 に適合する X 線装置及び JIS Z 4704 に適合する X 線管装置,又は JIS Z 4711 に適合

する診断用一体形 X 線発生装置(以下,X 線管装置に含める。

)と組み合わせたとき,次の性能が得られ

なければならない。

a)

最大 線照射野  可動絞りの最大 X 線照射野は,6.3a)によって試験したとき,SID 65cm において 35

×35cm を超えない。


2

Z 4712 : 1998

b)

最小 線照射野  可動絞りの最小 X 線照射野は,6.3a)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 8.2.4(X

線装置の X 線ビーム制限)(5)(a)の規定に適合する。

c)

照度  光照射野の照度は,6.3b)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 8.2.7(光照射野表示器による表

示)(2)の規定に適合する。ただし,160lx 以上とすることが望ましい。

d)

照度比  光照射野の境界の照度比は,6.3c)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 8.2.7(2)の規定に適合

する。

e)

開度表示  開度表示は,次のとおりとする。

1)

目盛又は数値による開度表示は,JIS Z 4701 の 8.2.5(X 線装置における表示)(1)(b)の規定に適合す

る表示とし,6.3d)1)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 8.2.8(記号又は符号表示及び文字表示の

精度)の規定に適合する。

2)

投光照準器による開度表示は,

JIS Z 4701

の 8.2.7(1)の規定に適合し,

6.3d)2)

によって試験したとき,

JIS Z 4701

の 8.2.9(光照射野表示器による表示の精度)の規定に適合する。

f)

漏れ線量  可動絞りの漏れ線量は,6.3e)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 8.4.3(負荷状態におけ

る漏れ X 線)の規定に適合する。ただし,最大許容値の 35%以下とすることが望ましい。

g)

固有ろ過  固有ろ過は,6.3f)によって試験し,アルミニウム当量の最少の公称値を,その可動絞りに

表示する。

h)

絶縁及び耐電圧  絶縁及び耐電圧は,JIS Z 4701 の 5.7(絶縁及び耐電圧)の規定による。

i)

電撃防止  電撃防止は,次のとおりとする。

1)

電撃に対する保護の方法は,JIS Z 4701 の 5.1(保護の形式による分類)の(1)クラス I 機器とする。

保護接地抵抗は,6.3h)1)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 5.6(保護接地)の規定に適合する。

2)

電撃に対する保護の程度は,JIS Z 4701 の 5.2(保護の程度による分類)に規定する B 形装着部をも

つ機器とする。連続漏れ電流は,6.3h)2)によって試験したとき,JIS Z 4701 の 5.4(連続漏れ電流の

許容値)の規定に適合する。

5.

構造  可動絞りの構造は,X 線管装置と組み合わせ,利用ビームの中心線が受像面に垂直に入射する

とき,X 線照射野の中心と受像面の中心とのずれ及び X 線照射野と光照射野とのずれを調整できる構造で

なければならない。また,PBL 機構があるものについては,受像面と X 線照射野とのずれを調整できる構

造でなければならない。さらに,次の各項に適合しなければならない。

a)

照射野は,連続的,かつ,円滑に調整できなければならない。照射野の調節を段階的に行う構造の可

動絞りは,JIS Z 4701 の 8.2.4(5)(b)の規定に適合する。

b)

撮影専用の X 線管装置と組み合わせる可動絞りは,X 線照射野を示す投光照準器を備える。

c)

投光照準器のランプは,確実に装着でき,かつ,容易に交換できる構造とし,フィラメントの位置が,

調整できる。

d)

投光照準器のランプには,点灯時間を約 30 秒以下に制限するタイマを備える。

e)

利用ビームの中心線と可動絞りの中心線とを合致させるため,可動絞りは,X 線管装置との組合せ構

造部には±2mm の調整範囲がある。

f)

X

線管装置との接合部の構造及び外装は,十分な強度がある。

g)

焦点外 X 線を効果的に低減できる手段を備える。

h)

人体を傷つけるおそれがあるせん鋭な部分は,JIS Z 4701 の 6.6(表面,角及び縁)の規定を満足する。

i)

投光照準器をもつ可動絞りは,X 線を吸収するおそれがない手段で,光照射野の中心を十字で示す。


3

Z 4712 : 1998

j)

付加フィルタを使用するもので,投光照準器を妨げることなく付加フィルタが容易に交換できる。

なお,可動絞りの放射口に付加フィルタなどを取り付けるものでは,挿入溝を備え,これらの機構

には,脱落防止機能を備える。

k)

温度上昇による障害防止は,JIS Z 4701 の 7.2(過度の温度に対する保護)の規定を満足する。

l)

可動絞りの放射口には,防じん板を備える。

m)

撮影用 X 線管装置に組み合わせる可動絞りは,

X

線照射野を少なくとも,

±30°の範囲で回転できる。

6.

試験

6.1

試験条件  試験は,JIS Z 4701 の 11.1.1(一般)(3)に規定する環境において,定格電圧及び定格周波

数の電源に接続して行う。

6.2

試験項目  試験項目は,次のとおりとする。

a)

X

線照射野試験

b)

照度試験

c)

照度比試験

d)

開度表示試験

e)

漏れ線量試験

f)

固有ろ過試験

g)

耐電圧試験

h)

電撃防止試験

1)

保護接地抵抗試験

2)

連続漏れ電流試験

6.3

試験方法  試験方法は,JIS Z 4701 の 11.1.6(試験用計測器の校正)の規定によって校正された,JIS 

Z 4701

の 11.1.5(試験用計測器)に規定する計測器を用いて,次の試験による。

a)

X

線照射野試験  X 線照射野試験は,JIS Z 4701 の 11.5.5(光照射野表示器の表示精度試験)によって

行い,4.a)及び 4.b)の規定に適合しているかどうかを調べる。

b)

照度試験  照度試験は,SID 100cm で 35×35cm の光照射野において,JIS C 1609 に定める照度計,又

はこれと同等以上の性能をもつ照度計を用い,JIS Z 4701 の 11.5.4(光照射野表示器の照度試験)の(1)

及び(2)によって行い,4.c)の規定に適合しているかどうかを調べる。

c)

照度比試験  照度比試験は,光照射野の境界線において,JIS Z 4701 の 11.5.4(3)によって行い,4.d)

の規定に適合しているかどうかを調べる。なお,測定距離は,SID 100cm とする。

d)

開度表示試験  開度表示試験は,次のとおりとする。

1)

目盛又は数値による表示の開度表示試験は,JIS Z 4701 の 11.5.5 の規定に準じた試験を行い,表示

した X 線照射野と入射面上の X 線照射野との大きさの差異が,4.e)1)の規定に適合しているかどう

かを調べる。

2)

投光照準器の開度表示試験は,JIS Z 4701 の 11.5.5 によって行い,4.e)2)の規定に適合しているかど

うかを調べる。

e)

漏れ線量試験  漏れ線量試験は,線量計(

1

)

を用いて,X 線管装置からの漏れ X 線及び可動絞りの放射

口からの一次 X 線の影響を受けないようにして,可動絞りの放射口を最大及び最小の状態にして,JIS 

Z 4704

の 7.4 17(漏れ線量試験)の規定に準じた試験を行い,4.f)の規定に適合しているかどうかを調

べる。


4

Z 4712 : 1998

(

1

)  JIS Z 4511

に規定する方法で校正された線量計。

f)

固有ろ過試験  固有ろ過試験は,線量計(

1

)

及びアルミニウム板(

2

)

を用い,JIS Z 4701 の 11.5.1(除去

不可能な物体によるろ過の試験)の規定に準じて,最高使用管電圧が 70kV を超える場合には,管電

圧は 70kV を使用し,70kV 以下の場合にはその最高使用管電圧を使用して,JIS Z 4701 の 11.5.2(付

加フィルタ及び物体の試験)によって行う。

(

2

)  JIS H 4000

に規定する“合金番号1100”のアルミニウム板。

g)

絶縁及び耐電圧試験  絶縁及び耐電圧試験は,次のとおりとする。

1)

絶縁は,JIS Z 4701 の 5.7.1(絶縁)による。

2)

耐電圧は,JIS Z 4701 の 5.7.2(耐電圧)による。

h)

電撃防止試験  電撃防止試験は,次のとおりとする。

1)

保護接地抵抗試験は,JIS Z 4701 の 11.2.1(保護接地抵抗の測定)によって行い,4.i)1)の規定に適

合しているかどうかを調べる。

2)

連続漏れ電流試験は,JIS Z 4701 の 11.2.2(連続漏れ電流の測定)によって行い,4.i)2)の規定に適

合しているかどうかを調べる。

7.

検査  検査は,形式検査とし,次の項目について,6.によって試験し,4.の規定に適合したものを合格

とする。

a)

最大 X 線照射野

b)

最小 X 線照射野

c)

照度

d)

照度比

e)

開度表示

f)

漏れ線量

g)

固有ろ過

h)

耐電圧

i)

電撃防止

8.

表示  可動絞りには,JIS Z 4701 の 12.1(一般)に規定する方法によって,次の事項を表示しなけれ

ばならない。

a)

形式名称(製造業者による)

b)

製造番号

c)

製造年月又はその略号

d)

最高使用管電圧

e)

最少の固有ろ過の公称値

f)

製造業者名又はその略号

9.

取扱説明書  可動絞りには,JIS Z 4701 の 13.2(取扱説明書)の規定によるほか,次の内容を記載し

た取扱説明書を添付する。

a)

可動絞りは,取扱説明書に指定している X 線管装置と組み合わせることの注意書き

b)

可動絞りに表示されている最高使用管電圧以内で使用することの注意書き


5

Z 4712 : 1998

c)

可動絞りの最大入力条件(漏れ線量算定基準負荷条件)

JIS Z 4701 の 8.4.2(漏れ線量算定基準負荷

条件)参照]

d)

可動絞りは,取扱説明書に指定している漏れ線量算定基準負荷条件以内で使用することの注意書き

e)

投光照準器のランプ又は反射鏡には,みだりに手を触れないことの注意書き

f)

投光照準器のランプの形式及び定格電圧並びに,ランプの交換方法及び調整方法

g)

投光照準器のランプ交換は,取付部の温度が下がってから行うことの注意書き

h)

防じん板の表面を,汚さないことの注意書き

関連規格  IEC 60522 : 1976  Inherent filtration of an X-ray tube assembly

IEC 60601-1 : Medical electrical equipment Part 1 : General requirements for safety

Amendment 1 (1991)

Amendment 2 (1995)

IEC 60601-1-3 : 1994

  Medical electrical equipment−Part 1 : General requirements for safety−3.

Collateral standard : General requirements for radiation protection in diagnostic X-ray equipment

IEC 60601-2-28 : 1993

  Medical electrical equipment−Part 2 : Particular requirements for the safety

of X-ray source assemblies and X-ray tube assemblies for medical diagnosis


6

Z 4712 : 1998

JIS Z 4712

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

野辺地  篤  郎

聖路加国際病院

(幹事)

矢  野      太

ジーイー田中メディカルシステム株式会社

尾  内  能  夫

癌研究会

鹿  沼  成  美

日本大学医学部附属光が丘病院

(社団法人日本放射線技術学会)

竹  中  栄  一

関東労災病院

多  田  信  平

東京慈恵会医科大学

浜  田  政  彦

東京都老人医療センター

平  林  久  枝

東京女子医科大学附属病院

(社団法人日本放射線技術学会)

平  松  慶  博

東邦大学医学部

宗  近  宏  次

昭和大学医学部

山  田  和  美

東京日立病院(社団法人日本放射線技術学会)

幾  瀬  純  一

東芝メディカル株式会社

三田村  正  義

ジーイー横河メディカルシステム株式会社

村  上  文  男

株式会社日立メディコ

山  口  尚二郎

株式会社島津製作所

安  達      泉

株式会社日立メディコ

斧  田      登

株式会社東芝

岡  本  宰  臣

株式会社岡本製作所

前  田  誠  一

株式会社大林製作所

滝  沢  秀次郎

厚生省薬務局

西  出  徹  雄

通商産業省工業技術院標準部

松  永  荘  一

通商産業省機械情報産業局

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

伊  東      厚

社団法人日本放射線機器工業会

(事務局)

椎  名  光  男

社団法人日本放射線機器工業会

JIS Z 4712

改正原案作成分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

前  田  誠  一

株式会社大林製作所

宮  本      守

株式会社大林製作所

橋  爪      博

株式会社日立メディコ

郡  司  輝  臣

株式会社東芝

宮  本      渉

株式会社島津製作所

桑  原  勇  幸

東芝メディカル製造株式会社

鈴  木  敏  之

ジーイー田中メディカルシステム株式会社

酒  井  光  明

株式会社ミクロメディカル

高  崎  勝  名

株式会社コリマックス

北  村  善  明

厚生中央病院(社団法人日本放射技術学会)

小  林  安  之

日本歯科大学附属病院

(社団法人日本放射線技術学会)

高  橋  順  士

国家公務員等共済組合連合会虎の門病院

(社団法人日本放射線技術学会)

早  野  幸  雄

通商産業省工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

(事務局)

椎  名  光  男

社団法人日本放射線工業会