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日本工業規格

JIS

 Z

4701-

1997

医用 X 線装置通則

General rule for medical X-ray equipment

序文  この規格は,1988 年に第 2 版として発行された IEC 601-1 (Medical electrical equipment−Part 1 :

General equipments for safety), 1991

年に発行された Amendment 1 (Medical electrical equipment−Part 1 :

General equipments for safety)

及び 1994 年に第 1 版として発行された IEC 601-1-3 (Medical electrical

equipment

−Part 1 : General equipments for safety−3. Collateral standard : General equipments for radiation

protection in diagnostic X-ray equipment)

を元に,対応する X 線装置については技術的内容を変更すること

なく作成した日本工業規格である。ただし,追補 (Amendment) については,編集し,一体とした。

なお,IEC 601-1 では X 線装置,放射線装置,超音波装置を含む医用電気機器全般について規定している

が,この規格では X 線装置についてだけ規定している。

1.

適用範囲  この規格は,管電圧 10∼400kV の医用 X 線装置を構成する X 線発生装置,X 線機械装置,

X

線映像装置,X 線画像処理装置及び X 線管装置から放射される X 線を利用するその他の関連機器,並び

にこれらの附属品について規定する。ただし,医用 X 線装置のうち治療用 X 線装置には適用しない。

また,ここに規定した事項のうちその機器に該当しない事項は適用しない。

なお,医用 X 線装置を構成する各装置に関する個別的な事項は,それぞれの装置に関する日本工業規格

(以下,個別規格という。

)による。個別規格の規定は,この通則に優先する。

備考1.  この規格の引用規格及び対応国際規格を付表1に示す。

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考値である。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 1001 及び JIS Z 4005 によるほか,次による。

用語に対応する英語は,

付表 に示す。

(1)

医用 線装置  診断(歯科を含む。)又は治療に使用する X 線発生装置,X 線機械装置,X 線映像装

置,X 線画像処理装置,及びその他の関連機器を構成する単位機器並びにこれらの附属品の組合せ。

(2)

診断用 線装置  診断(歯科を含む。)に使用する X 線発生装置,X 線機械装置,X 線映像装置,X

線画像処理装置,及びその他の関連機器を構成する単位機器並びにこれらの附属品の組合せ(以下,

X

線装置という。

(3)  X

線発生装置  X 線源装置,X 線高電圧装置及びこれらの附属品の組合せ(以下,少なくとも照射野

限定器を備えた一体形 X 線発生装置を含め,X 線発生装置という。

(4)

一体形 線発生装置  X 線管と高電圧発生装置とを一体の構造にしたもの及び X 線制御装置との組合

せ,又は X 線管,高電圧発生装置,及び X 線制御装置を一体の構造にしたもの,並びにこれらの附属

品の組合せ。


2

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(5)  X

線源装置  少なくとも照射野限定器を取り付けた X 線管装置又は一体形 X 線発生装置。

(6)  X

線高電圧装置  高電圧発生装置と X 線制御装置との組合せ。

(7)  X

線制御装置  X 線を制御するために必要なすべての補助的機能を統合する電気器具を組み立てたも

の。ただし,X 線管の回路部品は高電圧発生装置に含める。

(8)  X

線機械装置  関連機器のうち X 線を用いて診断するために使用する X 線透視撮影台,X 線撮影台,

保持装置,コンピュータ断層撮影用架台などの総称。

(9)  X

線透視撮影台  X 線映像装置を装備又は装着して,X 線透視(以下,透視という。)及び X 線撮影

(以下,撮影という。

)を行うために,人体を位置付けする装置(以下,附属品を含め,透視撮影台と

いう。

(10) X

線撮影台  撮影を行うために,人体を位置付けする装置。

(11)  X

線映像装置  関連機器のうち人体の部分の X 線像を検出又は観察する装置及び器具の総称。ただし,

X

線フィルムカセッテ,これに相当する透視撮影台の部分などは含めるが,X 線用フィルム,増感紙,

散乱 X 線除去用グリッドなどは除く。

(12) X

線画像処理装置  関連機器のうち,画像信号の処理を行う装置。ディジタル撮影装置,ディジタル

透視装置などをいい,X 線像の検出部分を含むこともある。

(13)

関連機器  X 線の発生及び制御以外の機能をもつ機器で,X 線装置の利用に不可欠なもの,並びにそ

れらの附属品。

(14)

単位機器  X 線装置の一部分を形成し,電源との接続部をもつ独立した機器。

(15) 

機器  この規格においては,X 線装置,X 線装置を構成する単位機器及び関連機器の総称。

(16)

保護接地  電撃に対する保護の目的で行う接地。

(17) 

機能接地  機能上の目的(通常,制御回路の一点の等電位化)のため行う接地。

(18)

長時間定格  透視を行う場合の定格。

(19)

短時間定格  撮影を行う場合の定格。

(20)

利用ビーム  診断に用いるため,その広がりを制限した一次 X 線。利用ビームには剰余 X 線が含まれ

る場合もある。

(21)

剰余 線  利用ビーム中の有効受像面に入射しない部分及び受像器を透過した利用ビーム。

(22)

漏れ線量算定基準負荷条件  X 線管装置及び X 線源装置の公称最高管電圧における 1h 当たりの,漏

れ X 線量を算定する場合の基準となる X 線負荷条件。

(23) X

線照射野の境界  X 線照射領域を四分割し,各々のほぼ中央における空気カーマ(

1

)

率の平均値を求

め,空気カーマ率が平均値の 25%になる点の軌跡。

(1)  空気中で測定した空気カーマとする。

(24) X

線照射野の大きさ  基準軸と直角な平面上で,基準軸との交点を含み,X 線管軸と平行な直線(X

軸)及びこれと直交する直線(Y 軸)で切り取られる X 線照射野の境界の X 軸上及び Y 軸上での長

さで決まる大きさ。

(25)

受像面  X 線パターンを適切なときに受けるように構成し,X 線パターンが含む情報を表示又は蓄積

するための適切な処理手段を同時にもつ部分。この定義に従って視野が選択可能な X 線イメージイン

テンシファイア管の場合,X 線パターンを電子的に処理している視野を受像面とする。

(26) X

線イメージインテンシファイア管の受像器面  選択可能な最大の受像面を含む平面。したがって,

焦点受像器間距離は,視野の選択によって変化しないものとする。


3

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3.

X

線装置の分類及び構成

3.1

医用 線装置の分類  医用 X 線装置の分類は,JIS T 1001 の 4.(機器の分類)の規定に従って,特

に指定がない限り次のとおりとする。

(1)

電撃に対する保護の形式  電撃に対する保護の形式による分類は,クラス I 機器とする。

(2)

電撃に対する保護の程度(

2

)

  電撃に対する保護の程度による分類は,B 形装着部をもつ機器とする。

(

2

)

装着部は,B 形,BF 形又は CF 形であってもよい。

(3)

液体の有害な浸入に対する保護の程度  液体の有害な浸入に対する保護の程度による分類は,普通の

機器とする。

(4)

空気・可燃性麻酔ガス又は酸素若しくは亜酸化窒素(笑気ガス)・可燃性麻酔ガス中での使用の安全

の程度  空気・可燃性麻酔ガス又は酸素若しくは亜酸化窒素(笑気ガス)

・可燃性麻酔ガス中での使用

の安全の程度による分類は,これらのガス中での使用に適しない機器とする。

(5)

作動(運転)モード  作動(運転)モードによる分類は,間欠負荷の連続作動(運転)機器とする。

3.2

X

線装置の構成  X 線装置の構成は,次のとおりとする。

(

3

)

照射野限定器を備えた一体形 X 線発生装置を含める。

(

4

) DR

,DF 装置の X 線制御部を含める。

(

5

)

治療計画用 X 線装置の撮影台,循環器用カテーテルテーブルなどを含める。

4.

環境条件及び電源

4.1

環境条件  取扱説明書に他の記載がない限り,機器は次の気象的環境条件における,輸送,保管及

び使用に耐えなければならない。

(1)

輸送及び保管  輸送及び保管は,JIS T 1001 の 3.1(環境条件)による。

(2)

使用  使用は,JIS T 1001 の 3.1(環境条件)による。

4.2

電源設備  電源設備は,次の各項に適合しなければならない。

(1) 

定格電圧  定格電圧は,JIS T 1001 の 3.2(電源)による。

(2)

定格周波数  定格周波数は,JIS T 1001 の 3.2(電源)による。


4

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(3)

インピーダンス  電源の内部インピーダンスは,十分低いこと。

なお,電源の定格(電圧,相数,周波数)及び内部インピーダンスに関する基準値及び許容変動率

の詳細,並びに配電変圧器,低圧電線路及び過電流安全器(ヒューズ,配線用遮断器など。

)に関する

基準値は,個別規格による。

また,取扱説明書には,これらについて記載すること。

4.3

接地設備  機器を設置する場所の接地は,次の各項に適合しなければならない。

(1)

設備の接地端子は,電気設備に関する技術基準を定める省令(昭和 40 年通商産業省令第 61 号)に定

める第三種接地工事(ただし,400V 系は,特別第三種接地工事)による接地線に確実に接地されてい

ること。この接地端子は設備の保護接地端子とする。

(2)

機器のそれぞれの保護接地線が直接,設備の保護接地端子に接続するように設計されている場合には,

適当な長さ(

6

)

と十分な機械的強度をもち,その電気抵抗は接地設備の電気抵抗に対して無視すること

ができ,かつ,5.6 の規定に適合する接地端子を設けることができる程度の太さをもつ等電位化母線を

備えること。等電位化母線は,(1)に規定した設備の保護接地端子に確実に接続されていること。

(

6

)  X

線装置を設置する場合には,使用する関連機器のすべての接地端子がこの等電位化母線に接

続できるように,等電位化母線を設置すること。

この旨を取扱説明書に記載すること。

4.4

冷却水  水冷式の機器に用いる冷却水の温度がその流入口において 25℃以下のとき,機器に異常を

生じてはならない。

なお,X 線管装置の冷却条件については,取扱説明書に記載しなければならない。

5.

電撃に対する保護

5.1

保護の形式による分類  機器は,次のいずれかの電撃に対する保護の方法を備えなければならない。

(1)

クラス 機器の部分  基礎絶縁に絶縁不良を生じたとき接触可能金属部が生きにならないように,接

触可能金属部を機器の保護接地端子に接続し,かつ,機器の保護接地端子を設備の保護接地端子又は

等電位化母線に接続する手段を備えること。クラス I 機器の一部にクラス II 機器の部分があってもよ

い。

(2)

クラス II 機器の部分  電源部を二重絶縁又は強化絶縁によって接触可能金属部から絶縁すること。ク

ラス II 機器には,保護接地手段を設けないが,機能接地手段は備えてもよい。クラス II 機器の部分は,

JIS Z 4004

の番号 02-01 の図記号を用いて表示すること。

(3) 

内部電源機器  機器を作動させるために十分な電力をもつ電源を機器に組み込むこと。この形式の機

器が充電のために商用電源に接続できるようになっている場合には,充電中はクラス I 機器又はクラ

ス II 機器の性能をもつこと。ただし,電池を取り外して充電する形式のものは除く。

5.2

保護の程度による分類  機器又はそれらの装着部は,5.4 の表 に示す電撃に対する保護の程度によ

って B 形装着部をもつ機器,BF 形装着部をもつ機器及び CF 形装着部をもつ機器に分類し,かつ,その分

類を JIS Z 4004 の番号 02-02,02-03 及び 02-05 の図記号を用いて表示しなければならない。

一つの機器に電撃に対する保護の程度が異なる装着部を備えてもよい。このような場合には,それぞれ

の装着部にその分類を表示し,

機器の本体には分類を表示してはならない。

装着部をもたない X 線装置は,

B

形装着部をもつ機器に分類する。


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5.3

単一故障状態  次の単一故障状態のうち,いずれか一つでも発生したとき危害が生じてはならない。

ある単一故障状態が必然的に他の単一故障状態を誘発する場合には,これらの故障を一つの単一故障状態

とみなす。

(1)

試験をして安全を確認する単一故障状態

(a)

保護接地接続の断線。

(b)

電源導線の 1 本の断線(ヒューズの溶断を含む。

(c)  F

形装着部に外部の電圧が現れる(

表 の III 参照)故障。

(d)

信号入力部又は信号出力部に外部の電圧が現れる(

表 の II 参照)故障。

(e)

可燃性麻酔混合ガスの漏れ(7.1 の規定に適合する機器に限る。

(f)

危害を生じるおそれのある電気部品の故障。

(g)

危害を生じるおそれのある機械部品の故障。

(h)

温度制限器の故障。

(2)

発生する確率が極めて低いため,次の故障状態は,単一故障状態とみなさない。

(a)

二重絶縁の両方同時の絶縁破壊。

(b)

強化絶縁の絶縁破壊。

(c)

固定して永久接地した保護接地線の断線。

5.4

連続漏れ電流の許容値  機器は,正常状態及び 5.3 に示した単一故障状態において,表 に示した値

を超える連続漏れ電流を生じてはならない。

なお,電源に着脱する携帯形 X 線装置の場合には,正常状態及び単一故障状態における接地漏れ電流は

2mA

を超えてはならず,保護接地が行われていない状態における外装漏れ電流は 2mA を超えてはならな

い。

また,このような単一故障状態の発生を防止するため,追加保護接地線を備えなければならない。


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表 1  連続漏れ電流の許容値 

単位 mA

B

形装着部を

もつ機器

BF

形装着部を

もつ機器

CF

形装着部

をもつ機器

電流

正常状態 単一故障

状態

正常状態 単一故障

状態

正常状態  単一故障

状態

一般機器 0.5

1(

7

) 0.5 1(

7

) 0.5 1(

7

)

クラス II 機器(

8

)

又は移

動形機器(

9

)

2.5 5(

7

) 2.5 5(

7

) 2.5 5(

7

)

接地漏れ電流

永久設置形機器(

10

) 5

10(

7

) 5 10(

7

) 5 10(

7

)

外装漏れ電流

0.1 0.5 0.1 0.5 0.1 0.5

I

(装着部から大地

へ流れる電流)

0.1 0.5 0.1 0.5 0.0l 0.05

II

(信号入力部又は

信号出力部にのっ
た電圧による)

− 5 −

患者漏れ電流

III

(装着部にのった

電圧による)

− 5 − 0.05

(

7

)

接地漏れ電流に関する単一故障状態は,電源導線の1本の断線だけである。

(

8

)

保護接地した接触可能部分がなく,他の機器への保護接地接続手段をもたず,かつ,外装漏れ
及び(該当するときは,

)患者漏れ電流に関する要求事項に適合する機器。クラス II 機器には,

クラス II 機器の部分を含む。

(

9

)

移動形 X 線装置又は無機質の絶縁物を使用した移動形機器。

(

10

)

工具を使用しなければ取り外せないように機器に接続した保護接地線を用い,かつ,工具を使
用しなければ取り外せないように,特定の場所に機械的に締め付けるか固定して設備の保護接

地系と接続することによって永久的に設置することが指定されている機器。

備考1.  表1に示した許容値は,直流又は周波数1kHz 以下の交流の r.m.s.値である。1kHz を超える周波

数の場合には,その周波数を kHz の単位で表した数値を

1に示した値に乗じた積を許容値と

する。ただし,許容値は10mA を限度とする。

2.

表 に示した許容値は,直接に接続する機器ごとに適用する。

3.

据置形の X 線装置又は X 線装置を構成する単位機器の一つの保護接地端子に,他の機器の保

護接地端子を接続してもよい。この場合の中心となる保護接地端子と設備の保護接地端子と
の間を流れる接地漏れ電流には,

表 の許容値を適用しない。ただし,機器の外装漏れ電流

は,

表 の単一故障状態における許容値を超えてはならない。

5.5

保護手段

5.5.1

外装及び保護カバー  外装及び保護カバーは,JIS T 1001 の 7.3(外装及び保護カバー)による。

5.5.2

高電圧部分の保護  高電圧をもつ部分には,保護カバーを設け,この部分に JIS Z 4004 の番号 03-01

の図記号を表示しなければならない。

また,X 線用プラグ付高電圧ケーブルの装着部は,工具を使用しなければ取り外せない構造とするか,

又は次の各項を満足しなければ高電圧ケーブルが取り外せないようにインタロックしなければならない。

(1)

高電圧発生装置を電源から切り離す。

(2)

高電圧回路のコンデンサを接触可能な電圧(5.5.5 参照)まで放電し,かつ,その状態を維持する。

5.5.3

電源部,その他の低圧回路の保護  電源部,その他の低圧回路に高い電圧が現れることを防止しな

ければならない。その手段の一例を次に示す。

(1)

高い電圧を発生する変圧器の一次巻線と二次巻線との間に,保護接地シールドを挿入する。

(2)

外部に接続する機器を取り外したとき高い電圧が現れる部分には,電圧制限器(例えば,避雷管)を

備える。


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(3)

電源を開路しても電荷が残留したままになる部分には,外装のほかに,その部分に工具を使用しなけ

れば取り外すことのできない保護カバーを設け,かつ,保護カバーに残留電荷がある旨を表示する。

5.5.4

装着部の電気的分離  装着部の電気的分離は,JIS T 1001 の 7.4(分離)による。

5.5.5

残留電荷  残留電荷は,JIS T 1001 の 7.2(電圧・エネルギーの制限)による。ただし,コンデン

サ式 X 線高電圧装置の,撮影用コンデンサの残留電荷の放電については個別規格による。

5.6

保護接地  保護接地は,JIS T 1001 の 7.5(保護接地,機能接地及び等電位化)によるほか,次によ

る。

(1)

クラス I 機器は,

接触可能金属部をその保護接地端子にインピーダンス 0.1

Ω以下になるように接続し,

保護接地端子をインピーダンス 0.1

Ω以下で設備の保護接地端子又は等電位化母線に接続できる保護

接地線を備えること。

(2)

公称断面積が 10mm

2

以下の電源導線を使用するクラス I 機器は,保護接地線を含めた 3 心又は 4 心の

電源コードを使用すること。ただし,公称断面積 10mm

2

を超える電源導線を使用する場合には,電源

回路が保護接地した部分に短絡したとき,過電流開放器(例えば,配線遮断器,ヒューズなど。

)が作

動するまでに溶断するおそれのない断面積をもつ保護接地線を,電源コードと別個に備えてもよい。

(3)

可搬形機器には 3 心の電源コードを用い,その 1 線を保護接地線として電源プラグに接続すること。

この場合,電源プラグの接地ピンと機器の接触可能金属部との間のインピーダンスは,0.2

Ω以下であ

ること。

(4)

可搬形機器には,電源コード内の保護接地線のほかに,追加保護接地線を備えること。

(5)

保護接地線及び追加保護接地線の公称断面積は,機械的強度も考慮し,(2)のただし書きの場合を除き,

電源導線の公称断面積以上とすること。

また,その絶縁被覆の色は全長にわたって緑/黄(緑と黄をほぼ等しく用いた,縦じま又はつる巻

状の染め分け)とすること。ただし,接触可能金属部を保護接地端子に接続するための内部配線には,

上記の断面積に関する規定は適用しない。

(6)

保護接地線,追加保護接地線及び保護接地接続のための内部配線には,接地漏れ電流以外の機能電流

を流してはならない。ただし,体こう(腔)内で使用する特殊用途の X 線源装置は除く。

なお,X 線用プラグ付高電圧ケーブルのシールドは,保護接地接続として使用してはならない。

5.7

絶縁及び耐電圧

5.7.1

絶縁  絶縁は,JIS T 1001 の 7.7.1(絶縁)による。

5.7.2

耐電圧  耐電圧は,JIS T 1001 の 7.7.2(耐電圧)によるほか,次の各項による。

(1) 

高電圧回路の試験電圧及び負荷時間は,個別規格による。

(2)

コンデンサをもつ電動機の場合には,巻線とコンデンサとの接続点の共振電圧を基準電圧  (U)  とする。

(3)

回転陽極 X 線管装置のスタータ回路の基準電圧  (U)  は,定常回転時の電圧とする。ただし,起動時

の電圧から定常回転時の電圧に下げる途中に共振電圧が存在する場合には,その共振電圧とする。

6.

機械的危険に対する保護

6.1

外装及び保護カバー  外装及び外装に取り付けられたすべての部品は,外装の一部を構成する開閉

カバーを含め十分な強度及び剛性をもたなければならない。

6.2

患者の支持及び固定  患者を支持又は固定する部分は,患者を傷付けたり容易に緩んだりしてはな

らない。

成人を対象とする支持部は,患者が 135kg の体重をもつものとして設計しなければならない。


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6.3

手で保持する部分  正常な使用時に手で保持する機器は,JIS T 1001 の 8.1.4(手で保持する部分)

による。

6.4

携帯形及び移動形機器  携帯形及び移動形機器は,手荒い取扱いによるストレスに耐えなければな

らない。規定の詳細は,個別規格による。

6.5

動く部分  動く部分は,JIS T 1001 の 8.2(動く部分)によるほか,次による。

(1)

露出させておく必要がなく,かつ,露出していると危害を生じるおそれのある動く部分は,次の構造

とすること。

(a)

可搬形機器の場合には,装置と一体の適切なガードを備えること。

(b)

据置形機器の場合には,その装置と一体になった適切なガードを備えるか,又は適切なガードを装

置とは別に設置するように附属文書に記載すること。

(2)

ワイヤロープ,チェーン及びベルトは,ガイドから外れたり飛び出したりしないようにするか,又は

適切な手段で危害を防止すること。この目的で使用する機械的手段は,工具を使用しなければ取り外

せないこと。

(3)

患者に危害を与えるおそれのある動く部分は,デッドマン形制御(

11

)

とすること。

(

11

)

デッドマン形制御とは,開閉器に人が力を加えている間だけその回路を閉路状態に保ち,人が

その力を取り去れば直ちに回路を開放する開閉器又は開閉回路による制御をいう。

(4)

危害を発生するおそれのある機械的に摩耗する部分は,容易に点検できる構造とすること。

(5)

電動駆動による機械的な動きが危害を生じる可能性のある場合には,容易に識別でき,かつ,操作者

が直ちに操作できる位置に次のような非常停止手段を備えること。

このような手段は,操作者に非常事態が明らかに分かり,かつ,その対応時間も配慮されている場

合に限り,安全装置として認める。

(a)

別の危険を生じてはならず,かつ,初めの危険を排除するための操作を妨げないこと。

(b)

モータの停止電流などを考慮し,関連回路の全負荷電流を遮断できること。

(c)

一つの操作で停止できること。

6.6

表面,角及び縁  表面,角及び縁は,JIS T 1001 の 8.3(表面,角及び縁)による。

6.7

安定性  安定性は,JIS T 1001 の 8.4(正常な使用時における安定性)によるほか,個別規格による。

6.8

グリップ及び取っ手  グリップ及び取っ手は,JIS T 1001 の 8.5(グリップ及び取っ手)による。

6.9

飛散物  飛散物は,JIS T 1001 の 8.6(飛散物)による。

6.10

懸垂質量  懸垂質量は,JIS T 1001 の 8.7(懸垂機構)によるほか,個別規格による。

7.

その他の危険に対する保護

7.1

可燃性麻酔ガスの点火に対する保護  可燃性麻酔ガスの点火に対する保護は,JIS T 1001 の 10.(可

燃性麻酔ガスの点火に対する保護)による。

7.2

過度の温度に対する保護  過度の温度に対する保護は,JIS T 1001 の 11.1(過度の温度)による。

7.3

防火に対する保護  防火に対する保護は,JIS T 1001 の 11.2(防火)による。

7.4

あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液体の浸入,清掃及び消毒に対する保護  あふれ,こぼれ,漏れ,

湿気,液体の浸入,清掃及び消毒に対する保護は,JIS T 1001 の 11.3(あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液

体の浸入,清掃,消毒及び滅菌)による。

7.5

圧力容器及び圧力を受ける部分に対する保護  圧力容器及び圧力を受ける部分に対する保護は,JIS

T 1001

の 11.4(圧力容器及び圧力を受ける部分)による。


9

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7.6

電源の遮断に対する保護  電源の遮断に対する保護は,JIS T 1001 の 11.5(電源の遮断)による。

7.7

危険な出力に対する保護  危険な出力に対する保護は,JIS T 1001 の 12.(危険な出力に対する保護)

による。

また,患者を照射しない場合も含め,X 線の放射中は,注意を喚起する意味の黄色(だいだい色も含む。

の表示光で表示する。

8.

不要又は過度の 線に対する防護

8.1

線質

8.1.1

歯科用 線装置の管電圧範囲の制限  歯科用 X 線装置の正常な使用における管電圧の設定範囲は,

表 に示す値に制限し,その値を附属文書に記載しなければならない。

表 2  歯科用 線装置の設定管電圧の制限

単位 kV

指定された歯科用用途

公称最高管電圧

正常な使用のための

最低管電圧

すべての用途

125

       50(

13

)

口こう(腔)内 X 線受像器(

12

)

  90

              50(

13

)

頭部 X 線規格撮影用

125

       60

(

12

)

歯科用においては,フィルム,イメージングプレートなどを指す。

(

13

)  X

線防護の観点からは 60kV 以上が望ましい。

8.1.2

X

線装置の半価層  X 線装置のすべての正常な使用において,患者を照射する X 線ビームの第 1

半価層は,

表 に示す値以上でなければならない。


10

Z 4701-1997

表 3  線装置の半価層 

管電圧

用途

正常な使用

の操作範囲

kV

選択値

(

14

)

kV

最小許容

第 1 半価層

mmAl

特別低管電圧撮影 50

(

13

)

以下

<30

    −

(

15

)

30

0.3

40

0.4

50

0.5

口こう内 X 線受像 50

(

13

)

以上 70 以下 50

1.5

器用

(

12

)

の歯科用

60

1.5

70

1.5

 50

(

13

)

以上 90 以下 50

1.5

60

1.8

70

2.1

80

2.3

90

2.5

その他の歯科用 50

(

13

)

以上 70 以下 50

1.2

60

1.3

70

1.5

その他の歯科用

5

0(

13

)

以上 125 以下 50

1.5

60

1.8

70

2.1

80

2.3

90

2.5

100

2.7

110

3.0

120

3.2

125

3.3

その他の用途 30 以上

<50

    −

(

15

)

50

1.5

60

1.8

70

2.1

80

2.3

90

2.5

100

2.7

110

3.0

120

3.2

130

3.5

140

3.8

150

4.1

>150

    −

(

15

)

(

14

)

上記の表にない中間の選択電圧値に対する半価層は,線形
内挿法で求める。

(

15

)

線形外挿法で求める。

8.1.3

X

線管装置のろ過  X 線管装置のろ過は,次の各項に適合しなければならない。

(1)  X

線管装置の X 線ビーム内に存在する,正常な使用時に取外しできない物体は,0.5mmAl 以上である

こと。ただし,乳房用と指定された公称最高管電圧が 50kV を超えない X 線管装置は除く。

(2)

固定付加フィルタは,工具を使用しなければ取り外せないこと。


11

Z 4701-1997

(3)

附属文書には,該当する X 線装置が,8.1.5 に適合するのに必要な総ろ過を得るための指示事項を記載

すること。特定用途については,組立説明書にこの指示事項を記載すること。

8.1.4

X

線源装置のろ過  X 線源装置のろ過は,次の各項に適合しなければならない。

(1)  X

線源装置には,1 個以上の付加フィルタを工具を使用しないで,着脱又は選択する手段を備えても

よい。選択可能な付加フィルタを備えた場合には,正常に使用する位置において選択した付加フィル

タが識別できること。

(2)  8.1.5

に規定する X 線装置の総ろ過を得るために,選択可能な付加フィルタが必要な場合は,適切な付

加フィルタが取り付けられていることを,X 線制御装置において検出できる手段を備えること。

(3)

附属文書には,該当する X 線装置が 8.1.5 に適合するために必要な総ろ過を得るための指示事項を記

載すること。特定用途については,組立説明書にこの指示事項を記載すること。

8.1.5

X

線装置の総ろ過  患者に入射する X 線ビーム内の物体の総ろ過は,次の各項に適合しなければ

ならない。

(1)

モリブデンターゲットを使用した公称最高管電圧が 50kV を超えない乳房用 X 線装置は,総ろ過が

0.03mmMo

のエッジフィルタ(

16

)

によるろ過以上であること。

(

16

)

使用する管電圧の範囲内で,吸収特性が不連続を示すフィルタで,モリブデン,ロジウムなど

が該当する。

(2)

モリブデン以外の材質のターゲットを使用した公称最高管電圧が 50kV を超えない乳房用 X 線装置は,

ターゲットの材質と組み合わせて 8.1.2 に適合すること。

(3)

公称最高管電圧が 70kV を超えない歯科用 X 線装置は,線質等価ろ過が 1.5mmAl 以上であること。

(4)

上記に含まれない X 線装置は,線質等価ろ過が 2.5mmAl 以上であること。

(5)  X

線源装置の付加ろ過は,8.1.2 に適合する場合に限り,上記の X 線装置の総ろ過に適合するまで,そ

の値を減じてもよい。

8.1.6

フィルタの性質の表示  X 線装置は,フィルタの性質を次の各項に従って表示しなければならない。

(1)  X

線管装置は,除去不可能な物体の線質等価ろ過又は該当する物体の厚さ及びその化学記号を表示す

ること。ただし,化学記号が単純に示せない場合は,換算したアルミニウム当量で表示してもよい。

(2)

付加フィルタ[エッジフィルタ(

16

)

も含む。

]は,各物体の厚さ及び化学記号が識別できるように表示

すること。化学記号が単純に示せない場合には,換算したアルミニウム当量で表示してもよい。表示

できない場合は,これらの事項を附属文書に記載してもよい。

(3) 

すべての付加フィルタ[エッジフィルタ(

16

)

も含む。

]は,線質等価ろ過のアルミニウム又は他の基準

物体の厚さと,その判定に使用した線質を附属文書に記載すること。エッジフィルタ(

16

)

の線質等価ろ

過の値は,不連続の低エネルギー側で示すこと。

(4)

患者に入射する X 線ビーム内の物体で,付加フィルタ及び X 線管装置の取外しできない物体以外のも

のは,アルミニウムの厚さによる線質等価ろ過とその判定に使用した線質を表示すること。これらの

事項は,附属文書に記載してもよい。ただし,付加フィルタ[エッジフィルタ(

16

)

も含む。

]及び X 線

管装置の取外しできない物体以外の線質等価ろ過が,0.2mmAl 以下であり,かつ,8.1.5 に適合するた

め必要な総ろ過の一部としない場合には,この表示をする必要はない。

8.2

X

線ビーム範囲の制限及び表示

8.2.1

X

線管の外装  X 線管は,X 線管容器に組み込んだ状態で使用しなければならない。X 線管容器は,

照射野限定器を取り付けることができなければならない。


12

Z 4701-1997

8.2.2

利用ビームの制限  X 線管装置の放射口の大きさは,指定された用途の最大 X 線ビームを放射で

きる大きさを超えてはならない。必要な場合には,利用ビームを適当な広がりに制限するための固定絞り

を,焦点にできるだけ近づけて取り付けてもよい。

8.2.3

焦点外 線の制限  回転陽極 X 線管を使用する X 線源装置は,その放射口を通る焦点外 X 線が焦

点から 1m 離れた平面(基準軸と直交。

)で,選択可能な最大 X 線照射野の外側に 15cm を超えない手段を

備えなければならない。ただし,乳房用及び立体撮影用を除く。

備考  焦点外 X 線の範囲は,幾何学的作図で求める(付図 参照)。

8.2.4

X

線装置の 線ビーム制限  X 線装置は,次に示す手段の一つ以上の方法を用いて,X 線ビーム

を制限しなければならない。

(1)

撮影専用の X 線装置で,焦点受像器間距離が固定で,単一の受像面をもつものは,単一の固定寸法の

放射口をもつ,固定の照射野限定器によって X 線ビームを制限すること。

(2) 

歯科用パノラマ断層撮影用の X 線装置で,口こう外 X 線源装置をもつものは,X 線ビームが X 線受

像器の有効受像面の外にはみ出ないような照射野限定器によって,X 線ビームを制限すること。

(3)

手術時の間接透視用 X 線装置で,焦点受像器間距離が固定であり,300cm

2

を超えない有効受像面をも

つものは,受像面上の X 線照射野を 125cm

2

以下まで縮小できる手段によって,X 線ビームを制限す

ること。

(4)

種々の固定寸法の照射野制限器が選べるものは,交換可能又は選択可能な照射野制限器を備えること

によって,X 線ビームを制限すること。

(5)  X

線ビームの広がりを,正常な使用の範囲内で調節できる照射野限定器を用いて制限すること。調節

は手動又は自動でよく,次の性能をもつこと。

(a)

基準軸と直交し,焦点から 1m 離れた平面上における最小 X 線照射野の長さ及び幅は,5cm 以下で

あること。

(b)

調節が段階的に行われる場合,基準軸と直交し,焦点から 1m 離れた平面上における X 線照射野の

長さ及び幅の選択可能な段階が,1cm 以下であること。

(c)

調節が自動的に行われる場合には,

操作方法を取扱説明書に記載し,

操作者が X 線照射野の寸法を,

(a)

の最小値に設定でき,かつ,自動機構がそのとき選択した寸法を超えて広がらないこと。

自動調節の場合,取扱説明書に操作の点検方法を詳説し,(c)に示す X 線照射野の寸法を縮小でき

る方法を記載すること。

8.2.5

X

線装置における表示  X 線装置における X 線ビーム範囲の表示は,次の各項に従わなければな

らない。

(1)

数値,記号若しくは符号又は図記号による表示が必要な場合

(a)

乳房用 X 線装置は,正常な使用時の選択可能な焦点受像器間距離における受像面を表示すること。

この表示は,患者支持装置の表面及び操作者が正常な使用時に位置する箇所の両方に表示すること。

(b)

数値で表示する場合は,幾つかの代表的な焦点受像器間距離における X 線照射野の大きさ(長さ及

び幅)を表示すること。表示は,表の形式でもよい。

(c)

記号若しくは符号又は図記号で表示する場合は,適切な表面(例えば,X 線受像器を含む装置の X

線の入射面。

)上に,焦点受像器間距離を変化した場合,及び照射野限定器の組合せ又は設定を選択

した場合の,X 線照射野の変化状態を表示すること。得られる X 線照射野の大きさの範囲を記号又

は符号によって明解にできない場合には,取扱説明書に記号又は符号の説明を記載してもよい。

(2)

表示が不要な場合


13

Z 4701-1997

(a)  X

線照射に先立って,使用する焦点受像器間距離における X 線照射野を,操作者が選択しないで得

られる構造の X 線装置の場合。

(b) 

適切な範囲の X 線照射野が得られるまで,X 線照射ができないようにインタロックした X 線装置の

場合。

(c)  X

線照射野の境界が透視で表示できる操作モードの場合。

8.2.6

取扱説明書への記載  X 線照射に先立って,正常な使用時の X 線照射野を決定するために操作者

が必要とする情報を,取扱説明書に記載しなければならない。この情報は,照射野限定器の利用可能な選

択,組合せ,及び設定に対して,適切な焦点受像器間距離における照射野の大きさとする。

8.2.7

光照射野表示器による表示  光照射野表示器による表示は,次の各項に適合しなければならない。

(1)

撮影専用の X 線装置は,患者皮膚面における X 線照射野の輪郭を示す光照射野表示器を備えること。

(2)

光照射野表示器は,X 線照射野の境界を表示すること。光の平均照度は,基準軸に直交し焦点から 1m

離れた平面上で,100lx 以上であること。正常な使用時の,最大焦点受像器間距離が 1m 未満のときは,

その最大距離で 100lx 以上であること。

上記距離における,光照射野の境界でのコントラストは,移動形 X 線装置で 3 以上,その他の X 線

装置で 4 以上であること。

(3)

焦点から適当な距離における光照射野の点検方法を,附属文書に記載すること。

8.2.8

記号又は符号表示及び文字表示の精度  X 線照射野の大きさを 8.2.5 に従って X 線装置に表示し又

は 8.2.6 に従って取扱説明書中に記載したときの精度は,表示した X 線照射野と,入射面上の X 線照射野

との大きさの差異が,入射面の焦点からの距離の 2%を超えてはならない。ただし,次の(1)(5)に示す装

置は除く。

(1)

乳房用 X 線装置の X 線源装置。

(2)

歯科用 X 線装置の X 線源装置で,口こう(腔)内 X 線受像器(

12

)

を使用し,X 線ビームを一つ以上の

ビームアプリケータで制限し,それぞれが照射野限定器を内蔵し,X 線ビームを直径 6cm 未満の円内

に制限する装置。この円は,ビームアプリケータの先端の平面で,基準軸に直交する平面上にあるも

のとする。

(3)

上記(2)の X 線源装置で,口こう外 X 線受像器と併用するために,追加のビームアプリケータで X 線

ビームを直径 6cm 未満の円内に制限する装置。この円は焦点から 25cm 離れた平面上にあるものとす

る。

(4)

歯科用パノラマ断層撮影用の X 線源装置で,口こう外 X 線源装置をもち,X 線ビームが X 線受像器

の境界外に,はみ出さない装置。

(5)

スリット法及び走査法に使用する X 線装置で,X 線照射野と患者が相対的に移動し,全 X 線照射野が

同時に照射されることのない装置。

8.2.9

光照射野表示器による表示の精度  X 線照射野の境界とそれに対応する光照射野の境界とのずれ

(

17

)

は,焦点から光照射野までの距離の 2%を超えてはならない(

付図 参照)。

(

17

)  X

線照射野と光照射野との境界のずれは,X 線照射野の X 軸上及び Y 軸上でのずれで表す。

なお,X 線照射野と受像面とのずれについても,同様に,X 軸上及び Y 軸上におけるずれで

表す。

8.3

X

線照射野と受像面との関係

8.3.1

基準軸の位置決め  X 線装置には基準軸の位置決めを,次の各項に従って示さなければならない。

(1)

正常な使用時の受像面と基準軸との相対位置及び受像器面と基準軸とがなす角度を附属文書に記述す


14

Z 4701-1997

ること。

(2)

選択した受像面と基準軸との相対位置が調節できる X 線装置の場合には,X 線装置の適切な場所に X

線照射野と受像面との位置が 8.3.4 に適合したことを表示すること。

(3)

選択した受像器面と基準軸とがなす角度を調節できる X 線装置の場合には,X 線装置の適切な場所に

次のどちらかの状態になっているかを表示すること。

(a)

基準軸が,選択した受像器面に垂直になっている調節状態。

(b)

附属文書に記述した調節状態。この状態は,基準軸が特定の受像器面に対して特定の角度をなすよ

う調節している状態をいう。

8.3.2

焦点受像器間距離  焦点受像器間距離は,次の各項に従って表示しなければならない。

(1)

正常な使用のために指定する焦点受像器間距離の値,又はその範囲を附属文書に詳細に記述すること。

(2)

焦点受像器間距離が調節可能であり,撮影用途によって操作者がその値を X 線放射に先立って知る必

要がある場合には,そのとき選択された値を X 線装置上に表示すること。

(3)

焦点受像器間距離の表示の精度は,X 線装置上に表示された値又は附属文書に記載された値の実際値

に対する誤差は 5%を超えないこと。

8.3.3

透視における 線ビームの放射  透視 X 線の放射は,次の各項に示す場合にだけ行えるようにし

なければならない。

(1)

基準軸の位置が正確で,X 線照射野と受像面とが 8.3.4 に適合している場合。

(2)

選択した焦点受像器間距離で,照射野限定器が調節されたとき,X 線照射野の受像面からのはみ出し

が 8.3.4 の許容以内の場合。ただし,直接透視用映像系で次のどれかに該当する場合は除く。

(a)  X

線照射野全体が受像面内に入っていて,その境界が見え,選択可能な最大 X 線照射野を設定し,

かつ,焦点受像器間距離が 70cm のとき,又は患者支持台が X 線源装置と患者の位置との間にあり,

焦点から X 線受像器を含む装置までの距離が,焦点から患者支持台までの距離より 25cm 以上長い

場合。

(b)  X

線照射野が一次防護遮へい体から,はみ出しているが,取扱説明書にその状態での取扱いに対す

る警告文がある場合。

8.3.4  X

線照射野と受像面との一致  X 線照射野と受像面の関係は,次の各項に適合しなければならない。

(1)  X

線照射野は観察領域を包含し,自動露出制御又は自動線量率制御の有効容積を包含する位置に調節

できる手段を備えること。

(2)  X

線照射野を調節し,正常な使用時に受像面の全体を包含するようにした場合,X 線照射野と受像面

との関係は,次の項目のうち該当する項目に適合すること。

(a)  X

線照射野が長方形で受像面が円形の場合には,許容最大 X 線照射野は,受像面に外接するまでと

する。

(b)

歯科用 X 線装置で口こう内 X 線受像器(

12

)

を使用する場合には制限しない(口こう外 X 線受像器と

併用するための機構の有無は関係ない。

(c)

歯科用パノラマ断層撮影用 X 線装置の場合には,X 線照射野全体が受像面内に入ること。

(d)

手術中の間接透視用 X 線装置において,X 線装置が次の条件のすべてに該当する場合には,X 線照

射野の直径は,受像面の対角線の長さを 2cm 以内で超えてもよい。ただし,X 線照射野が一次防護

遮へい体の境界からはみ出る場合には,注意事項を取扱説明書に記載すること。

−  焦点受像器間距離が固定であり,

−  撮影用カセッテホルダを備え,


15

Z 4701-1997

−  円形の X 線照射野と長方形の受像面を備え,

−  受像面の向きが選択可能であり,かつ,

−  X 線照射野の最大直径が 40cm を超えないとき。

(e) 

乳房用 X 線装置の X 線照射野は,患者の胸壁に接する患者支持台の境界まで達すること。ただし,

この患者支持器からのはみ出しは 5mm を超えず,かつ,受像面の境界からのはみ出しは,焦点受

像器間距離の 2%を超えないこと。

なお,他の 3 方向においては,受像面の境界を超えないこと。

(f)  X

線照射野と受像面との一致が,上記のいずれにも該当しない場合は,次によること。

X

線照射野の境界と受像面の対応する境界とのずれは,表示された焦点受像器間距離の 3%を超

えないこと。ただし,受像器面は,基準軸に対し直角とする。

また,X 軸及び Y 軸上のずれの和は,表示された焦点受像器間距離の 4%を超えないこと[

付図 3

及び

(

17

)

参照]

8.4

漏れ 

8.4.1

X

線源装置の支持  X 線源装置及び X 線映像系は,正常な使用の負荷中に,手で保持する必要が

ないように,適切な支持手段を備えなければならない。

8.4.2

漏れ線量算定基準負荷条件  X 線管装置及び X 線源装置は,漏れ線量算定基準負荷条件を附属文

書に記載しなければならない。

漏れ線量算定基準負荷条件は,

X

線管装置及び X 線源装置を公称最高管電圧で連続して使用する場合の,

1h

当たりの最大入力に相当する負荷条件で,次の二つの小さい方の値とする。

(1)

間欠運転(撮影)での最高管電圧で,撮影の定格に従って負荷する場合,1h に許容できる管電流時間

積の積算値。

(2)

連続運転(透視)での最高管電圧で,連続して流すことができる管電流と時間 (3 600s) との積。

8.4.3

負荷状態における漏れ 線  負荷状態での X 線管装置及び X 線源装置からの漏れ X 線量は,漏れ

線量算定基準負荷条件を入力するとき,焦点から 1m の距離において,一辺が 20cm を超えない面積 100cm

2

の平均値が次の空気カーマ(

1

)

の限度を超えてはならない。

(1)

歯科用 X 線撮影で管電圧使用範囲が 125kV を超えない X 線源装置で,口こう内 X 線受像器(

12

)

をもつ

ものは,1h 当たりの積算値が 0.25mGy {28.8mR}  を超えないこと。

(2)

その他の X 線管装置及び X 線源装置では,1h 当たりの積算値が 1.0mGy {115mR}  を超えないこと。

8.4.4

電圧調整のための負荷中の漏れ 線  コンデンサ式 X 線高圧装置の X 線源装置で,X 線源装置に

負荷することによって初期 X 線管電圧の設定値を下げる場合には,8.4.3 の規定を満足しなければならない。

8.4.5

負荷状態にないときの漏れ 線  コンデンサ式 X 線高電圧装置の充電状態における X 線管装置及

び X 線源装置からの漏れ X 線量は,接触可能表面から 5cm の距離において,一辺が 5cm を超えない面積

10cm

2

の空気カーマ(

1

)

の平均値が,20

µGy/h {2.3mR/h}  を超えてはならない。

8.5

焦点皮膚間距離

8.5.1

透視時の焦点皮膚間距離  透視可能な X 線装置には,次に示す焦点皮膚間距離より短い距離で透

視ができないようにする手段を備えなければならない。

(1)

手術中の透視では,20cm。

(2)  (1)

以外の用途の透視では,30cm。

8.5.2

撮影時の焦点皮膚間距離  撮影時には,焦点皮膚間距離が 45cm 以上になる構造とすること。ただ

し,

表 に示す用途ごとに,焦点皮膚間距離は同表に示す最小値まで許容する。


16

Z 4701-1997

表 4  最小の焦点皮膚間距離

X

線装置の用途

最小の焦点皮膚間距離

cm

移動形 X 線装置による撮影 20

手術中の X 線撮影 20

乳房用であって,拡大撮影をするもの 20

循環器用であって,拡大撮影をするもの 30

公称最高管電圧が 60kV を超えない歯科撮影用

(

13

)

10

公称最高管電圧が 60kV を超える歯科撮影用 20

口こう外 X 線受像器をもち焦点皮膚間距離が短い歯科用撮影

6

歯科パノラマ断層撮影用 15

8.5.3

附属文書への記載  取扱説明書には,患者の吸収線量を最低限に抑えるため,可能な限り長い焦点

皮膚間距離で使用する必要があることを記載しなければならない。

8.6

X

線ビームの減弱

8.6.1

X

線ビーム中の物体による減弱  X 線ビーム内の,患者と X 線受像器との間にある X 線装置の一

部を構成する物体の減弱当量は,

表 に示す値を超えてはならない。

表 5  線ビーム内の物体の減弱当量 

物体名

最大減弱当量

mmAl

乳房用 X 線装置の撮影台(全部の層の合計。

) 0.3

乳房用以外のカセッテホルダの前面パネル(全部の層の合計。

) 1.2

フィルムチェンジャの前面パネル(全部の層の合計。

) 1.2

クレードル

(

18

)

2.3

患者支持台(固定式で,関節接続部のないもの。

) 1.2

患者支持台(移動式で,関節接続部がなく,固定層を含むもの。

) 1.7

患者支持台(X 線透過性パネルで,関節接続部が 1 個あるもの。

) 1.7

患者支持台(X 線透過性パネルで,関節接続部が 2 個以上あるもの。

) 2.3

患者支持台[片持はり(梁)式のもの。

] 2.3

(

18

)

小児用の揺らん式患者支持台。

備考1.  表中の物体には,X 線検出器などの器具は含まない。

2.

減弱特性に関する要求事項は,次に示す IEC 規格を参照すること。

撮影用カセッテ  IEC 406

増感紙  IEC 658 

附属書 A

散乱線除去用グリッド  IEC 627

8.6.2

附属文書への記載  附属文書には,表 に示したような,X 線装置の一部を構成する物体の最大減

弱当量を記載しなければならない。この規格適用外の装置の構成物品を,X 線装置に組み合わせて使用す

る場合(例えば,手術台の部品)には,それらの物体が X 線ビーム内にあると,悪影響を及ぼす旨を取扱

説明書に記載しなければならない。

8.7

一次防護遮へい体  剰余 X 線を減弱させる一次防護遮へい体は,次による。

(1)  X

線装置には,

表 の用途分類ごとに,表 に示す一次防護遮へい体を備えること。

これらの規定は,次の条件で満足すること。

(a)  X

線照射野と焦点受像器間距離の,正常な使用におけるすべての組合せに対して。

(b)

透視の場合には,正常な使用時に,基準軸と受像面とがなすすべての角度において。

(c)

撮影の場合には,基準軸と受像面とが直交するとき。

(2)  X

線条件の設定を自動制御システムだけで行う場合には,

試験のための適切な X 線条件を得る方法を,


17

Z 4701-1997

附属文書に記載すること。

表 6  用途分類

X

線装置の用途

用途分類記号

透視(撮影が付随し,操作者が患者に近接するもの。

) A

透視(撮影が付随し,撮影の負荷の制御を防護区域から行うもの。

) B

間接透視(手術中に使用し,焦点受像器間距離が固定のもの。

) C

直接撮影(撮影用カセッテホルダが取外し可能で,これを手術中に X 線装

置に,取り付けてあるもの。

D

乳房撮影

E

間接撮影(胸部検診用のもの。

) F

歯科用 X 線撮影(口こう外 X 線受像器付きのもの。

) G

歯科用パノラマ断層撮影 H

頭部 X 線規格撮影 J

撮影(上記以外のもの。

なし

表 7  一次防護遮へい体に対する要求事項

表 6

用 途 分 類

記号

最大受像面積

を超える最小

許容範囲

最大許容線量

又は

最小許容減弱当量

試験管電圧

基準

X

条件

追加

要求

事項

A 30mm

1h

当たり

(

23

)

(

24

)

(

26

)

150

µGy {17.3mR}

B 30mm

1h

当たり

透視用公称最高管電圧

(

24

)

(

19

)

150

µGy {17.3mR}

C 20mm

1h

当たり

公称最高管電圧

(

24

)

150

µGy {17.3mR}

D

(

20

)

E

(

21

)

1

照射当たり

公称最高管電圧

(

25

)

1

µGy {0.115mR}

F

(

22

)

1

照射当たり

公称最高管電圧

(

25

)

1

µGy {0.115mR}

G 10mm

0.5mmPb

H 10mm

0.5mmPb

(

27

)

J 10mm

0.5mmPb

(

19

)

この場合には,透視の受像面積だけを考慮すればよい。

(

20

)

取外し可能な撮影用カセッテホルダには,一次防護遮へい体を追加する必
要はない。適切な警告文を取扱説明書に記載すること。

(

21

)

患者の胸壁側の一次防護遮へい体は,少なくとも,胸壁側の患者支持台の

端が,X 線投影される領域まで,延びていること。ほかの端は,受像面を
超え,少なくとも焦点受像器間距離の 1%まで広げること。

(

22

)

一次防護遮へい体は,受像面を超え,少なくとも焦点受像器間距離の 2%ま

で広げること。

(

23

)

試験管電圧は,スポットフィルム装置がない場合には透視の公称最高管電
圧,スポットフィルム装置がある場合には,撮影の公称最高管電圧の 66%

又は透視の公称最高管電圧のどちらか高い方とする。

(

24

)

管電流は,3mA 又は X 線管装置最大連続入力電力に対応する管電流値のど
ちらか小さい方とする。

(

25

)  X

線条件は,撮影定格に従った単一負荷における,最大入力に対応する値

とする。

(

26

一次防護遮へい体の周囲(規定に該当する部分。

)は,放射口の形状に対応

させること。

(

27

)

一次防護遮へい体は,X 線装置の構成部品であること。


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Z 4701-1997

8.8

迷 線に対する防護

8.8.1

距離による防護  距離による防護は,次による。

(1)

正常な使用時に,患者の近傍に操作者が位置しない次の場合は,8.8.2 に規定する防護区域からの制御

機能は不要である。この場合,迷 X 線に対する防護のため,操作者は,焦点及び X 線ビームから 2m

以上離れた距離から X 線放射を制御できること。

(a)

撮影用の移動形 X 線装置。

(b)

口こう内 X 線受像器を用いた歯科用 X 線装置。

(c)

撮影機能をもつ外科手術時の透視用 X 線装置。

(2)  (1)

の防護を行う場合,作業に適合する防護用具及び防護衣を使用することを,使用者及び操作者の注

意を喚起するように,附属文書に記載すること。

8.8.2

防護区域からの放射制御  防護区域からの放射制御は,次による。

(1) 8.8.1

に該当せず,X 線放射時に,患者の近くに操作者又は介助者が位置する必要がない用途の X 線装

置には,据付後,次に示す操作を防護区域から行える手段を備えること。

(a)

作動及び操作モードの選択と制御。

(b)  X

線管負荷条件の設定。

(c)

照射スイッチの操作。

(d)

透視の X 線照射野の寸法制御,及び患者と X 線ビームとの相対的な位置を変化させる制御。

(2)

関連する据付方法を,組立説明書に記載すること。

(3)

附属文書には,

“操作者と患者とが,聴覚的及び視覚的な方法で連絡しあえる手段を備える必要があ

る。

”という注意文を記載すること。

備考  聴覚的及び視覚的な方法とは,例えば,インターホン及び鉛ガラスなどを指す。

8.8.3

占居有意区域  占居有意区域は,次による(付図 参照)。

(1)

正常な使用時に,患者の近くに操作者又は介助者が位置する必要があり,かつ,8.8.1 又は 8.8.2 に該

当しない X 線装置は,操作者及び介助者が位置するために,少なくとも一つの占居有意区域を設け,

それを取扱説明書で明記すること。

(2)

取扱説明書に明記したすべての占居有意区域は,60×60cm 以上の床面積と,200cm 以上の高さがある

こと。

(3)

取扱説明書での占居有意区域の明示には,次の情報を含めること。

(a)

占居有意区域を使用する目的の X 線検査の種類。

(b)  X

線装置の位置と明確に関連させた代表的な図形で示した,占居有意区域境界の位置。

(c)  X

線装置と共に使用することを規定した,取外し可能な防護用具の内容及びその使用法に関する適

切な情報。

8.8.4

迷 線に関する占居有意区域  消化器用 X 線装置の占居有意区域については,8.8.3 の規定による

ほか,次による。対象とする装置は,近接操作のアンダーテーブル形透視撮影台とする。

(1)

テーブルを水平位で使用した場合の占居有意区域は,水平位におけるテーブルの端部と接しているこ

と。

(2)

テーブルを垂直位で使用した場合の占居有意区域は,垂直位におけるテーブルから占居有意区域まで

の最短距離が,45cm を超えないこと。

(3)

迷 X 線の線量は,テーブルの方向及び使用する部位の床からの高さに従って,

表 に示した値を超え

ないこと。


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(4)

取扱説明書には,次の事項を記載すること。

(a)

表 に示す高さ区分における最大許容線量の引用,及び許容値を超えていないことの証拠。

(b)  11.5.13

の試験に使用した X 線条件,

ただし,

X

線条件を自動制御システムだけで制御する場合には,

X

線条件を知るための手順。

(c)  11.5.13

の試験を行う場合に取り外すことができる,防護用具の内容及びその取付け位置。

表 8  占居有意区域における迷 線の最大許容線量

(アンダーテーブル形透視撮影台の場合)

テーブルの方向  占居有意区域における

(床からの)高さ区分

1h

当たりの積算値の

最大許容線量

 cm

mGy

{mR}

水平又は垂直

  0

∼ 40

     1.5 {173}

水平 40∼200

     0.15 {17.3}

垂直 40∼170

     0.15 {17.3}

8.8.5

手動の操作器及び制御装置  手動の操作器及び制御装置は,次による。

(1)  X

線装置は,X 線負荷時に操作を必要とする手動の操作器及び制御装置が,利用ビームの中に入らな

いこと。

(2)

消化器用のアンダーテーブル形透視撮影台は,次に示す空気カーマ(

1

)

の限界を超えないこと。この値

は,占居有意区域外の位置で,X 線管負荷時に操作者が操作する,手動の操作器及び制御装置の位置

において測定した値とする。

(a) 1h

当たりの積算値が 0.5mGy {57.5mR}。

(b)

まれに短時間だけ操作する場合に限り,1h 当たりの積算値が 1.5mGy {173mR}。

(3)

取扱説明書には,(2)の限界が適用される手動の操作器及び制御装置の位置を記載すること。更に,適

用する限界を記述し,規定の試験条件下で限界を超えないことを明記すること。

8.9

X

線管以外の電子管から放射する 線  診断及び治療を目的とした X 線放射を除き,5kV を超える

電圧で動作する真空管を利用した機器から放射する X 線は,その機器の表面から 5cm の距離において,1h

の空気カーマ(

1

)

の積算値が 4.35

µGy {0.5mR}  を超えてはならない。

9.

構造上の要求事項

9.1

部品及び組立一般

9.1.1

部品の定格及び固定  部品の定格及び固定は,JIS T 1001 の 14.2.1(一般)による。

9.1.2

電気的接続及び配管  電気的接続及び配管は,JIS T 1001 の 14.2.2(接続一般)による。

9.1.3

コンデンサの接続  コンデンサの接続は,JIS T 1001 の 14.2.3(コンデンサの接続)による。

9.1.4

保護装置  保護装置は,JIS T 1001 の 14.2.4(保護装置)による。

9.1.5

温度及び過負荷制御器  温度及び過負荷制御器は,JIS T 1001 の 14.2.5(温度及び過負荷制御装置)

による。

9.1.6

内部電源  内部電源は,JIS T 1001 の 14.2.6(内部電源)による。

9.1.7

表示器  表示器は,JIS T 1001 の 14.2.7(表示器)によるほか,次による。

(1)

一組の X 線高電圧装置に,二つ以上の X 線源装置を組み合わせて使用する X 線発生装置は,照射す

るために選択された X 線源装置が,X 線制御装置及び X 線源装置又はそれらの近傍で,明りょうに分

かるように表示すること。

(2)

撮影の場合には,準備完了状態にあることを,緑色の表示光によって,X 線制御装置に表示すること。


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(3)  X

線の照射中は,黄色(だいだい色を含む。

)の表示光によって,X 線制御装置及び操作者の位置から

見える場所に表示すること。

(4)

撮影の場合には,照射の終了の信号音を発生すること。

(5)

透視の場合には,

操作者が透視中に随時確認できる方法によって,管電圧及び管電流を表示すること。

(6)

撮影の場合には,X 線照射に先立って,選択した管電圧,管電流及び撮影時間を表示すること。ただ

し,管電流及び撮影時間の代わりに管電流時間積を表示してもよく,自動露出制御を行う場合には,

管電圧だけを表示してもよい。

(7)

管電圧若しくは管電流又はその両方が固定している X 線装置は,X 線制御装置又はこれに相当する部

分に公称定格管電圧若しくは公称定格管電流又はその両方を表示するとともに,これらの値を取扱説

明書に記載すること。

(8)  X

線条件の組合せが固定しているか又は固定した組合せを選択する X 線装置は,それらの組合せを X

線制御装置の制御盤又はその近傍に表示すること。ただし,この表示が困難な場合には機器に表示し

なくてもよいが,取扱説明書に X 線条件の組合せの一覧表及び選択した組合せの確認方法を記載する

こと。

9.1.8

制御器の操作部分  制御器の操作部分は,JIS T 1001 の 14.2.8(制御器の操作部分)によるほか,

次による。

(1)

誤設定を防止するために次の構造とし,回転形操作器の場合にはノブとその軸との間に,

表 に示す

トルクを各方向に 2s 以上ずつ 10 回加えたとき異常を生じないこと。

(a)

操作器のすべての部分は,正常な使用時に引き抜けたり緩んだりしないような構造とすること。

(b)

危害を生じるおそれがある制御器の操作機構は,表示値と回路との関係が正しく維持される構造(例

えば,ノブと軸との回り止め)とすること。

(c)

工具を使用せずに取外しができる部品は,表示値と回路との関係が正しく維持される手段(例えば,

ピンとキー溝)を講じること。

表 9  回転制御器の試験トルク

ノブの握り部の直径

(d) mm

トルク

N

・m

10

d<23 1.0

23

d<31 1.8

31

d<41 2.0

41

d<56 4.0

56

d<70 5.0

(2)

危害を生じるおそれのあるパラメータの制御で,最大値から最小値への又はその反対への,予期しな

い切換りを防止する必要がある場合には,適切な機械的強度をもつストッパを,制御器の回転又は移

動部分に備えること。

回転制御器については,

表 に規定したトルクを各方向に交互に 2s 以上加え,10 回の繰り返しに

耐えること。

軸方向に引っ張る制御器は,電気部品については 60N,その他の部品については 100N の力を軸方

向に 1min 加えたとき,異常を生じないこと。

9.1.9

コード付き手持制御器及び足踏制御器  コード付き手持制御器及び足踏制御器は,JIS T 1001 

14.2.9

(コード付き手持制御器及び足踏制御器)による。

9.2

電源部の部品及び配置


21

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9.2.1

電源(商用)からの切離し  電源(商用)からの切離しは,JIS T 1001 の 14.3.1[電源(商用)か

らの切離し]によるほか,次による。

(1)

電源開閉器を切り離すとき,保護接地線が同時に切り離されないこと。

(2)

電源開閉器の取付方向は JIS C 0601 によること。

(3)

半導体装置を,電源切離し装置として使用しないこと。

9.2.2

電源接続器及び電源プラグ  電源接続器及び電源プラグは,ソケットに差し込むとき,保護接地線

が接続した後に各位相線が接続し,ソケットから引き抜くときは,すべての位相線が切り離された後に保

護接地線が切り離される構造でなければならない。

据置形機器を除き,機器に他の機器又はその機器の他の部分に電源を供給するための補助電源ソケット

を設ける場合には,補助電源ソケットに電源プラグが挿入できない構造としなければならない。据置形機

器を含め補助電源ソケットは,その近傍に定格出力を表示しなければならない。

9.2.3

電源コード  電源コードは,JIS T 1001 の 14.3.3(電源コード)によるほか,次による。

(1) 75

℃を超える表面温度部分に触れるおそれのある場合は,塩化ビニル絶縁電線を使用しないこと。

(2)  X

線高電圧装置の電源コードは,個別規格による。

9.2.4

電源コードの接続  電源コードの接続は,次による。

(1)

コード止めは,JIS T 1001 の 14.3.4(電源コードの接続)による。

(2)

電源コードは,次の曲げを加えたとき,電源コードの挿入口において極端な曲がりが生じない構造と

するか,又はコードガードを備えること。ただし,据置形機器を除く。

(a)

挿入口から出る電源コードの長さを約 100mm とし,電源コード(平たいコードの場合は,平たい

面を水平に置く)が水平から 45°上方に向くように機器を固定した状態で,電源コードの自由端に,

質量 10D

2

g

は電源コードの外径,平たいコードの場合は薄い方の厚さを mm で表した数。

)の物

体を取り付けたとき,電源コードに曲率半径 1.5以上の曲げが生じないこと。

(b)  (a)

に適合しないコードガードの場合は,コードガードを電源コードと共に,左右又は上下に片側約

90

°ずつ合計 180°の曲げを 5 000 回加えたとき,異常を生じないこと。この場合,素線数の 10%

以下の素線の断線はあってもよいものとする。

9.2.5

電源端子盤  電源端子盤は,JIS T 1001 の 14.3.5(電源端子盤)による。

9.2.6

ヒューズ及び過電流開放器  ヒューズ及び過電流開放器は,JIS T 1001 の 14.3.6(ヒューズ及び過

電流開放器)によるほか,次による。

(1)

ヒューズホルダ及び配線用遮断器の本体又はその近傍に,その電圧及び電流の定格を表示すること。

(2)

ヒューズ又は配線用遮断器を設備の配線に備える必要のある場合には,その種類及び定格を取扱説明

書に記載すること。

9.2.7

電磁波障害防止  電磁波障害防止用のコンデンサ又は装置を使用する場合には,電源スイッチの電

源側か又は電源ヒューズ若しくは配線用遮断器の電源側に挿入してもよい。この場合,電源からの切離し

手段は機器の外部に設け,その方法を附属文書に記載しなければならない。

9.2.8

電源部の配線  電源部の配線は,次による。

(1)

個々の導線の絶縁被覆の定格耐電圧が 450V 未満の絶縁電線は,裸電線として取り扱い,このような

電線に追加する絶縁物の厚さは,9.4 に規定した空間距離とみなすこと。ただし,定格耐電圧が 450V

以上の絶縁電線にスリーブとして使用する絶縁物は,補強絶縁として使用してもよい。

(2)

導線の公称断面積は,次によること。

(a)

電源端子と過電流保護装置との間の配線及び保護接地線の公称断面積は,9.2.3 に規定した値以上と


22

Z 4701-1997

すること。

(b)

電源部のその他の配線の公称断面積は,プリント配線のトラックを含めて,電源部の事故のとき流

れる可能性のある最大短絡電流を流したとき,過電流保護装置が作動するまでに溶融するおそれの

ない寸法とすること。

9.3

電源変圧器  電源変圧器は,次による。ただし,高電圧発生装置及び一体形 X 線発生装置の高圧変

圧器は除く。

(1)

過熱は,JIS T 1001 の 14.4.1(過熱)による。

(2)

耐電圧は,JIS T 1001 の 14.4.2(耐電圧)による。

(3)

構造は,JIS T 1001 の 14.4.3(構造)による。

9.4

沿面距離及び空間距離  沿面距離及び空間距離は,JIS T 1001 の 14.5(沿面距離及び空間距離)に

よる。

9.5

保護接地端子及び保護接地線  保護接地端子及び保護接地線は,JIS T 1001 の 14.6(保護接地端子

及び保護接地線)による。

9.6

構造及び配置

9.6.1

内部配線  内部配線は,JIS T 1001 の 14.7(構造及び配置)による。X 線装置を構成する機器間を

接続する配線は,内部配線とする。

9.6.2

絶縁  絶縁は,JIS T 1001 の 14.7(構造及び配置)によるほか,次による。

(1)

焼結していないセラミック材料及びビーズだけを,補強絶縁として使用しないこと。

(2)

生ゴム又は合成ゴムをクラス II 機器の補強絶縁として使用する場合には,経時変化を受けにくい環境

条件においてだけ使用し,かつ,クラックが生じても 5.7.2 の耐電圧試験に耐える寸法及び配置とする

こと。

9.6.3

過大な電流及び電圧に対する保護  過大な電流及び電圧に対する保護は,JIS T 1001 の 14.7(構造

及び配置)によるほか,次による。

段階的に切り換える単巻変圧器及び切換スイッチは,切換えの中間位置において短絡を生じてはならな

い。

9.6.4

油容器  油容器は,JIS T 1001 の 14.7(構造及び配置)による。

10.

異常作動及び故障状態  異常作動及び故障状態は,JIS T 1001 の 13(異常作動及び故障状態)による。

11.

試験

11.1

試験条件

11.1.1

一般  ここに規定した試験は形式試験とし,整備された試験環境において,機器の形式ごとに試験

するものとする。

なお,ここに規定した試験以外の試験は,JIS T 1002 によるほか,個別規格による。

(1)

試験は,その故障が危害を生じるおそれのある絶縁,部品,構造及び性能を対象とすること。他の規

定がない限り,試験は繰り返して実施しないこと。特に,耐電圧試験は,製造業者側だけで実施する

こと。

(2)

形式試験のすべての項目は,原則として一つの供試機器について実施すること。ただし,破断試験な

どを実施する場合には,供試機器を追加してもよく,その部分を修理して試験を継続してもよい。

(3)

機器を次の気象条件の場所に設置し,確実に接地した状態で試験すること。


23

Z 4701-1997

周囲温度:15∼35℃

相対湿度: (65±20) %

気圧:860∼1 060hPa

なお,基準値を求める試験(例えば,漏れ電流の測定)の場合には,

表 10 に示した三つの組合せの

うち一つの組合せにおいて実施することが望ましい。

表 10  基準値測定の気象条件

 a

b

c

温度      ℃

20

±2

23

±2

27

±2

相対湿度  %

65

±5

50

±5

65

±5

気圧      hPa

860

∼1 060

11.1.2

試験の実施条件  試験は,次の条件において実施しなければならない。

(1)

特別な規定がない限り,取扱説明書に記載してある使用条件の範囲内において,最も不利な作動条件

及び設定条件(取扱説明書に指定する範囲内)に設定すること。

(2)

単一故障状態における試験は,

5.3

に規定した単一故障状態の一つずつについて実施すること。ただし,

該当しない単一故障状態は除く。

(3)

冷却水には,飲用水又は取扱説明書に記載されている水を使用すること。

(4)

試験開始に先立って,機器を不稼働状態のまま試験する場所に 24h 以上放置し,冷状態にすること。

必要な場合には,取扱説明書に記載してある定格電源電圧における機器の作動を確認した後,一連の

試験を開始すること。

(5)

連続漏れ電流試験及び耐電圧試験は,10.に規定した故障状態における安全性を確認した後,次の順序

で試験すること。

(a)

稼働温度における連続漏れ電流試験

(b)

稼働温度における耐電圧試験

(c)  11.1.4

に規定した湿度前処理の実施

(d)

冷状態における耐電圧試験

(e)

湿度前処理後の連続漏れ電流試験

11.1.3

試験用電源  試験に使用する電源は,JIS T 1002 の 5.(試験用電源)によるほか,次による。ただ

し,指定の電源装置と組み合わせる機器の試験方法は,個別規格による。

(1)

電源電圧の周波数及びインピーダンスは,4.2 の規定に適合すること。ただし,X 線出力及び漏れ X

線の測定時には,(3)に適合すること。

(2)

個別規格に他の規定がない限り,試験時の電源電圧及び周波数は,定格範囲内の最も不利な値とする

こと。

(3)  X

線出力及び漏れ X 線の試験のため,照射線量又は照射線量率を測定する場合に限り,試験電源は次

の条件に適合すること。

(a)

電源電圧の変動に対する補償手段をもたない 1 ピーク形 X 線発生装置については,無負荷時の電源

電圧を定格電源電圧の±1%とする。

(b)  (a)

以外の変圧器式 X 線発生装置については,無負荷時の電源電圧を定格電源電圧の±5%とし,コ

ンデンサ式 X 線発生装置については,±10%とする。

(c)

一つの照射線量(例えば,X 線出力の百分率平均誤差)の測定中の各負荷時の電源電圧の降下量は,

すべての照射線量又は照射線量率の測定時の電源電圧降下量の平均値に対して±10%を超えて変動


24

Z 4701-1997

せず,電源電圧の変動は±0.5%とする。この条件に適合するために必要な電源の見かけの抵抗は,

個別規格による。

(d)

位相線間又は位相線と中性線との間の波形の瞬時値と理想正弦波形の対応する瞬時値との差は,理

想正弦波のピーク値の 2%とする。

11.1.4

湿度前処理  湿度前処理は,JIS T 1002 の 4.2.2(湿度前処理)による。

11.1.5

試験用計測器  試験用計測器は,JIS T 1002 の 6.(試験用計測器)によるほか,個別規格による。

11.1.6

試験用計測器の校正  試験用計測器の校正は,JIS T 1002 の 7.(試験用計測器の校正)によるほか,

個別規格による。

11.2

電撃に対する保護の試験

11.2.1

保護接地抵抗の測定  保護接地抵抗の測定は,JIS T 1002 の 11.(保護接地回路の抵抗)による。

11.2.2

連続漏れ電流の測定  連続漏れ電流の測定は,JIS T 1002 の 12.(連続漏れ電流及び患者測定電流)

による。ただし,内部電源機器については,個別規格による。

11.2.3

接地漏れ電流の測定  接地漏れ電流の測定は,JIS T 1002 の 12.(連続漏れ電流及び患者測定電流)

による。ただし,この測定はクラス I 機器及びクラス II 機器について行う。

11.2.4

外装漏れ電流の測定  外装漏れ電流の測定は,JIS T 1002 の 12.(連続漏れ電流及び患者測定電流)

による。

11.2.5

患者漏れ電流の測定  患者漏れ電流の測定は,JIS T 1002 の 12.(連続漏れ電流及び患者測定電流)

による。

11.2.6

耐電圧試験  耐電圧試験は,JIS T 1002 の 13.(耐電圧)による。ただし,X 線管を含む高電圧回

路については,個別規格による。

11.3

機械的危険に対する保護の試験

11.3.1

外装及び保護カバー  外装及び保護カバーの試験は,JIS T 1001 の 8.1.1(外装及び保護カバー)及

び 8.1.3(取っ手)による。

11.3.2

患者の支持及び固定  患者を支持又は固定する部分は,患者を傷付けたり容易に緩んだりしないこ

とを目視で確認する。

11.3.3

動く部分  動く部分は,6.3 に規定している項目を目視で確認する。

11.4

その他の危険に対する保護の試験(

28

)

11.4.1

温度  温度の試験は,JIS T 1002 の 15.(温度)による。

11.4.2

液体の浸入  液体の浸入に対する試験は,JIS T 1002 の 17.(液体の浸入)による。

(

28

)  11.4

に関する試験のうち,JIS T 1001に記載されている内容については該当する項を参照するこ

と。

11.5

不要又は過度の 線に対する保護の試験

11.5.1

除去不可能な物体によるろ過の試験  X 線管装置の除去不可能な物体によるろ過は,X 線ビーム内

の除去不可能な物体の,各層の線質等価ろ過の値を合計して決定する。もし,線質等価ろ過の情報が入手

できない場合は,IEC 522 の 3.及び 4.に従って決定する。X 線管装置の公称最高管電圧が 70kV を超える場

合には,管電圧は 70kV を使用し,70kV 以下の場合にはその公称最高管電圧を使用する。

11.5.2

付加フィルタ及び物体の試験  付加フィルタ及び物体の試験は,次による。

(1) 

付加フィルタの線質等価ろ過及び総ろ過の一部を形成する物体の線質等価ろ過の決定は,ナロービー

ム条件で行い,その値を試験対象の物体と同じ第 1 半価層になるアルミニウムの厚さとして決定する。

測定は,リプル百分率が 10%未満で,管電圧が 70kV のときの第 1 半価層が 2.5mmAl の X 線ビームを


25

Z 4701-1997

使用して行う。

(2)

エッジフィルタ(

16

)

の線質等価ろ過を決定する際は,不連続性の低エネルギー側の適切な線質を使用す

る。

11.5.3

半価層の試験  半価層の試験は,次による。

(1)

第 1 半価層の測定はナロービーム条件で行い,

表 の選択値の管電圧で,この管電圧に対応した X 線

管負荷条件で行う。

(2)

コンデンサ式 X 線高電圧装置と組み合わせた X 線装置の場合には,(1)と同様,

表 の選択値の管電

圧を初期管電圧として,その管電圧における最大の管電流時間積において行う。

11.5.4

光照射野表示器の照度試験  光照射野表示器の試験は,次による。

(1)

光照射野全体が照明される場合には,光照射野を四つの象限に分割し,各々の象限の中心点の照度を

平均して平均照度とする。

(2)

上記以外の場合は,中心点で少なくとも 4 回測定し,これを平均して平均照度とする。

(3) 1mm

以下の開口をもつ測定器を使用してコントラストを測定する。測定値は,周囲の照度に対して補

正する。コントラストは,次の式で算出する。

コントラスト=

2

1

I

I

ここに,  I

1

:  境界から光照射野の中心に向かって 3mm 内側での照度

I

2

:  境界から 3mm 外側での照度

11.5.5

光照射野表示器の表示精度試験  光照射野表示器の表示精度試験は,次による。

(1)  X

線照射野の境界と,それに対応する光照射野の境界について,両者のずれを測定する。測定平面は,

焦点から正常な使用の範囲内の距離で数箇所選定し,かつ,測定面と基準軸との垂直度の誤差は 3°

以内とする。

なお,X 線照射野の境界は X 線フィルムの濃度を測定して求めてもよい。

(2)

付図 に示すように,ずれの測定値が X 軸上で a

1

及び a

2

であり,Y 軸上で b

1

及び b

2

であるとき,焦

点からの距離を とした場合,次の関係が成立すれば適合するとする。

S

a

a

×

+

02

.

0

2

1

S

b

b

×

+

02

.

0

2

1

11.5.6

X

線照射野と受像面との一致の試験

  X 線照射野と受像面の一致の試験は,次による。

基準軸を受像面に関して誤差 3°以内で垂直に保ち,

付図 3

に示すように,受像面におけるずれの測定

値が X 軸上で c

1

及び c

2

であり,Y 軸上で d

1

及び d

2

であるとき,焦点からの距離を とした場合,次の関

係が成立すれば適合とする。

S

c

c

×

+

03

.

0

2

1

S

d

d

×

+

03

.

0

2

1

S

d

d

c

c

×

+

+

+

04

.

0

2

1

2

1

11.5.7

負荷状態における漏れ 線試験

  負荷状態における漏れ X 線の試験は,次による。

(1)

漏れ X 線の測定が,放射口を通過する X 線によって影響されないよう放射口を確実に覆うこと,覆う

ためにカバーを使用する場合には,

できるだけ放射口を密着させ,

必要な範囲以上に大きく覆わない。

(2)

次のように負荷して試験する。

(a)

試験する X 線管装置及び X 線源装置の公称最高管電圧を使用する。コンデンサ式 X 線高電圧装置


26

Z 4701-1997

から負荷される場合には,公称最高管電圧を初期管電圧とする。

(b)

連続モードで X 線管装置の許容負荷以内の管電流で行うか,間欠モードで X 線管装置の許容負荷以

内の管電流時間積で行う。コンデンサ式 X 線高電圧装置の場合には,10mAs を超えない負荷か,適

用する初期管電圧で得られる最小の管電流時間積のどちらか小さい方を使用する。

(c)

試験中は,指定された定格を超えるような負荷を使用しない。

(3)

漏れ X 線が,装置の正常な使用時の設定と配置によって,どのように影響されるか判定する。必要な

場合には,最も不利と考えられる配置及び構成を選んで測定を行う。

(4)

(2)

の X 線条件で,線量又は線量率の測定を,焦点から 1m の距離において十分な回数行い,焦点から

1m

の距離における球面全体の漏れ X 線の分布図を作成する。

(5)

実際に使用した X 線条件における測定値を,

8.4.2

の漏れ線量算定基準負荷条件に対応する 1h 当たり

の線量に換算する。

(6)

8.4.3

に記載した面積内の許容平均を考慮して,数値に必要な補正を行う。

(7)

結果が適合性の最終判定結果に影響しそうな場合には,設定及び配置を変えて手順

(3)

を繰り返し,

(4)

(6)

に従って再度測定する。

(8)

試験で得られたすべての測定値が,

8.4.3

の規定を満足しているとき,適合とする。

11.5.8

管電圧調整時における負荷中の漏れ 線試験

  コンデンサ式 X 線高電圧装置の管電圧調整時にお

ける負荷中の漏れ X 線の試験は,

11.5.7

の試験によるが,一部を次のとおり変更する。

(1)

試験は放射口を覆うことなく実施する。ただし,正常な使用時,初期 X 線管電圧の設定を下げるため

の負荷中に作動するような手段(例えば,暗流 X 線遮へい用シャッターの作動)はそのままとする。

(2)

11.5.7

(3)

及び

(7)

において,正常な使用時に,初期 X 線管電圧の設定を下げるため負荷する場合の設

定及び配置に限定して,試験を行う。

11.5.9

負荷状態でないときの漏れ 線試験

  負荷状態でないときの漏れ X 線の試験は,次による。

(1)

  X

線装置,器具又は部分組立品は,負荷状態以外の正常な使用状態で,要求事項に対し最も不利な状

態に設定する。

(2)

線量又は線量率の測定を,X 線源装置の接触可能表面から 5cm の距離において十分な回数行い,接触

可能表面から 5cm の距離における表面全体の 1h 当たりの漏れ X 線の分布図を作成する。

(3) 8.4.5

に記載した面積内の許容平均を考慮して,数値に必要な補正を行う。

(4)

試験で得られたすべての測定値が,

8.4.5

の規定を満足しているとき,適合とする。

11.5.10

減弱当量の試験

表 11

に示すパラメータの X 線ビームを使用して,減弱当量を求める。減弱当量

は,被試験物体と同じ減弱を生じるアルミニウムの厚さで表し,ナロービーム条件で線量を測定して求め

る。

表 11  減弱当量を試験するためのパラメータ

試験対象装置の用途 管電圧

kV

最大リプル百分率

%

第 1 半価層

mmAl

乳房

30

10

0.3

乳房以外 100

10

3.7

11.5.11

剰余 線の減弱の試験

  剰余 X 線の減弱の試験は,次による。

(1)

一次防護遮へい体の外側領域に必要な遮へい体を置き,一次防護遮へい体を貫通しない X 線を測定か

ら除外する。

(2)

該当する X 線装置で選択可能な最小の総ろ過を使用する。取外し可能なグリッド及び圧迫器は,取り


27

Z 4701-1997

外しておく。

(3)

乳房用 X 線装置以外の場合には,減弱当量が 40mmAl のファントムを使用する。このファントムを X

線ビーム内で焦点に可能な限り近づけて置き試験する。乳房用 X 線装置を試験する場合には,ファン

トムを使用しない。

(4)

試験する X 線装置の用途に従って,適切な距離及び照射野寸法を次のように選定する。

(a)

乳房用 X 線装置は,最大 X 線照射野,最小焦点受像器間距離を適用する。

(b)

間接透視用 X 線装置での負荷の制御が防護区域からだけ可能なものは,間接透視に利用できる最大

X

線照射野を適用する。

(c)

直接透視用 X 線装置で患者支持器が X 線源装置と患者との間にあるものは,患者支持器と X 線受

像装置との間の距離を可能な限り 25cm に近い値に設定し,その距離における最大 X 線照射野を適

用する。

(d)

(1)

(2)

(3)

に該当しない場合には,焦点受像器間距離を可能な限り 70cm に近い値に設定し,その

距離における最大 X 線照射野を適用する。

(5)

管電圧は,

表 7

に示す試験管電圧に設定する。

(6)

既知の管電流及び管電流時間積の適切な値を使用して,一次防護遮へい体の外側の剰余 X 線の分布図

を作成するため線量又は線量率を測定する。乳房用 X 線装置以外の装置は接触可能表面から 10cm の

距離で測定をし,乳房用 X 線装置は 5cm の距離で測定する。

(7)

表 7

に示す基準 X 線条件における測定値を,1h 当たりの線量又は 1 照射当たりの線量に変換する。

(8)

表 7

の最大許容線量は,一辺が 20cm を超えない,面積 100cm

2

の平均値であることを考慮して,必要

によって数値を補正する。

(9)

8.7

で要求したすべての配置に対して適合性が判定できるまで,X 線装置の配置を変えて測定を繰り返

す。

(10)

試験で得た測定値が,

表 7

に示す最大許容線量を超えていないとき規定に適合しているものとする。

11.5.12

一次防護遮へい体の減弱当量の試験

  被試験物体と同じ減弱を生じる鉛の厚さを,管電圧 100kV,

リプル百分率が 10%以下であり,X 線ビーム内の第 1 半価層が 3.7mmAl のナロービームによって,透過線

量を測定して求める。

11.5.13

迷 線の試験

  迷 X 線の試験は,次による。

(1)

外形寸法が 25×25×15cm であり,壁の厚さが 10mm を超えず,かつ,ポリメチルメタクリレート又

は X 線減弱係数がこれと同等の材料でできた水等価ファントムを用いる。

(2)

可能な限り,

付図 5

6

に示した配置及び寸法に従う。

(3) 

スポットフィルム装置がない場合には,透視の公称最高管電圧と等しい管電圧,スポットフィルム装

置がある場合には,透視の公称最高管電圧又は撮影の公称最高管電圧の 66%の管電圧のどちらか,高

い方の管電圧を使用する。

(4)

管電流は,3mA の透視管電流又は X 線管装置最大連続入力に対応する管電流のどちらか,小さい方を

使用する。

自動制御システムの制御以外で X 線管負荷条件を調節できない場合には,附属文書に記載している

手順に従って要求の X 線管負荷条件に調整する。その他の場合には,手動で負荷条件を調節する。

(5)

代表的な X 線装置の構成において,すべての観察領域の最大値を決定するために,十分な回数の線量

率の測定を行う。X 線管電流が一定ではなく,自動的にパルスになっている場合には,線量率が測定

可能な時間について線量率を測定し,その平均を求める。適合性を検討する場合は,直線部の長さが


28

Z 4701-1997

20cm

を超えない,体積 500cm

3

のファントムを用いて線量を表すように測定値を調節する。

(6)

(5)

に述べたように,平均し調節した測定値のすべてが,観察領域における 1h 当たりの線量の最大許

容量を超えていないとき規定に適合するものとする。

11.5.14 X

線管以外の電子管から放射される漏れ 線の試験

  X 線管以外の電子管から放射される漏れ X

線の試験は,放射される X 線のエネルギーに適合する X 線検出器で,照射線量又は照射線量率を測定する

ことによって調べる。ナロービームの照射線量を対象になる面積全体にわたって平均化するために,検出

器は約 10cm

2

の面積の入射窓をもつものとする。測定に当たっては,関連する高電圧電源の値を切り換え

る目的で,機器の内部及び外部に備えた制御器及び調整器を,

X

線の最大放射が得られる位置に設定する。

最も不利な状態を生じる部品の一つの故障を交互に模擬する。

12.

表示

12.1

一般

  機器の外側及び内部に,次に規定する事項のうち該当する事項を,明りょうに見える

(

29

)

よう

に,適切な部分

(

30

)

に表示しなければならない。

表示の耐久性は,

JIS T 1001

15.2.3

(表示の耐久性)による。

表示に用いる図記号は,

JIS Z 4004

の該当する図記号を用い,用語は

JIS Z 4005

の該当する和文又は英

文を用いることが望ましい。

(

29

)

明りょうに見えるとは,普通の視力をもつ操作者(又は患者)が,通常の操作及び点検を行う

位置から読み取ることができることをいう。

(

30

)

適切な部分とは,注意書きについては,制御盤面若しくは関連する部分又はそれらの近傍。形

式名称,電源(相数,電圧,周波数)

,入力(電流又は消費電力)

,機器の形式,稼働モード(連

続稼働,間欠稼働など。

,並びに製造業者名及び所在地については,電源接続部の外側又はそ

の近傍をいう。

備考

表示を銘板を用いて行う場合には,銘板の取付けは,工具を使用するか又は無理に力を加えな

ければ取り外すことができないように取り付けること。

12.2

機器の外側の表示

  機器の外側に,次の事項のうち該当する事項を表示しなければならない。ただ

し,機器の寸法又は外装の材質のため表示事項のすべてを表示できず,かつ,本文に関係する要求事項が

ない事項は,

(1)

(5)

を除き,取扱説明書にだけ記載してもよい。

(1)

製造(販売)業者名及び所在地

  機器がこの規格に適合していることを保証する製造(販売)業者の

名称及び住所。ただし,機器の寸法上住所を表示できない場合は,住所は取扱説明書にだけ記載して

もよい。

(2)

形式名称及び製造番号

(3)

電源

  内部電源機器を除き,定格電源の相数,電圧及び周波数

(4)

分類 JIS Z 4004 の該当する図記号

(a)

電撃に対する保護の方法(

5.1

参照)

。ただし,クラス I は表示しない。

(b)

電撃に対する保護の程度(

5.2

参照)

(5)

電源入力

  内部電源機器を除き,電源からの入力電力。

短時間定格と長時間定格との両方をもつ機器については,短時間定格の常用値及び長時間定格の最

大値をボルト・アンペア (VA) で表示する。ただし,力率が 0.9 を超える機器は,入力をワット (W) で

表示してもよい。

電源に永久接続する X 線発生装置については,取扱説明書に記載すればよい。


29

Z 4701-1997

(6)

稼働モード

  表示のない機器は,間欠負荷の連続稼働とする。ただし,X 線発生装置については,最

大定格と共に取扱説明書に記載する。

(7)

冷却条件

  冷却に関する事項及び媒体(例えば,水,空気など。

。ただし,X 線発生装置の冷却条件

は,取扱説明書に記載する。

(8)

接地端子

  保護接地端子及び機能接地端子に,

JIS Z 4004

の該当する図記号を表示する。

(9)

保護手段の取外し

  特別な機能を使用するために取外しが必要な保護手段には,その機能を使用しな

いときは保護手段の取付けが必要であることを表示する。

(10)

高電圧部分(

5.5.2

参照)

(11)

残留電荷[

5.5.3(3)

参照]

(12)

フィルタの性質(

8.1.6

参照)

(13)

 X

線ビーム範囲(

8.2.5

参照)

(14) 

光照射野(

8.2.8

参照)

(15)

基準軸一致(

8.3.1

参照)

(16) 

焦点受像器間距離(

8.3.2

参照)

(17) 

X

線源装置選択[

9.1.7(1)

参照]

(18)

準備完了状態表示[

9.1.7(2)

参照]

(19)

 X

線照射中[

9.1.7(3)

参照]

(20) 

透視管電圧,透視管電流[

9.1.7(5)

参照]

(21)

撮影管電圧,撮影管電流,撮影時間[

9.1.7(6)

参照]

(22)

補助電源ソケットの定格出力(

9.2.2

参照)

(23)

ヒューズ及び配線遮断器の種類及び定格(

9.2.6

参照)

(24)

法定表示事項

12.3

機器内部の表示

  機器の内部には,次の事項のうち該当する事項を表示しなければならない。ただ

し,内側の表示には,

JIS T 1001

15.2.3

(表示の耐久性)は適用しない。

(1)

最大負荷電力

  加熱素子又は加熱用ランプに負荷できる最大電力をそれらのホルダの近傍に表示する。

(2)

保護接地及び機能接地端子

  電源ソケットの端子を除き,保護接地端子及び機能接地端子に,

JIS Z

4004

の該当する図記号を表示する。

(3)

中性点

  永久設置形機器の中性点接続端子に,

JIS Z 4004

の該当する図記号を表示する。

(4)

高温部

  電源を永久接続する部分で正常な使用時に 75℃を超える温度に達する部分がある場合には,

“電源コードは,○○℃に耐える絶縁電線を使用すること。

”という注意書きを表示する。ただし,表

示する場所が小さい場合は,取扱説明書に記載してもよい。

(5)

三相電源

  三相電源の接続端子には,第 1 相線に U,第 2 相線に V,第 3 相線に N を表示する。

(6)

高電圧部分の表示(

5.5.2

参照)

(7)

残留電荷の表示[

5.5.3(3)

参照]

(8)

ヒューズ及び配線遮断器の種類及び定格(

9.2.6

参照)

12.4

制御器,計測器などの表示

  制御器,調整器,計測器及び表示器には,次の各項に従って表示しな

ければならない。

(1)

電源開閉器は,明確に識別できること。ON 及び OFF の位置に,主電源の開閉と内部電源の開閉とを

区別して,

JIS Z 4004

の該当する図記号を表示するか又は表示灯若しくは識別しやすい方法によって

表示すること。


30

Z 4701-1997

(2) 

制御器,切換器及び調整器の個々の切換位置には,数字,文字又は

JIS Z 4004

の該当する図記号を表

示すること。

(3)

使用中に異なる値に調整する調整器には,出力又は大きさが変化する方向を表示すること。ただし,

設定する値が表示器(計測器,尺度目盛など。

)によって読み取れる場合,及びその値が変化しても危

害を生じない場合は除く。

(4)

安全機能(例えば,警報を発する。

)をもつ制御器及び表示器は,識別できるように表示すること。

12.5

導線の絶縁被覆

  導線の絶縁被覆は,

JIS T 1001

15.5

(導線の絶縁被覆の色)による。

12.6

表示光及び押しボタン

  表示光及び押しボタンは,

JIS T 1001

15.7

(表示光及び押しボタン)に

よる。ただし,X 線発生装置の表示光の色は,次の意味で使用しなければならない。

(1)

赤色は,例えば,最大許容値を超えた設定になった場合の操作続行の停止,又は危険な作動状態の緊

急停止の要求に限って使用する。

(2) 

黄色(だいだい色を含む。

)は,制御盤面においては,X 線放射中の表示に使用する。

(3) 

制御盤面における緑色の表示は,準備完了状態(あと一つの操作によって X 線照射の開始ができる状

態)を示すために使用すること。

(4)

インタロックによって危険が防止されている状態の表示には,赤色を使用しないこと。

(5)

次の表示を行うための赤色スペクトルをもつ発光ダイオードは,赤色表示光とはみなさない。

(a)

ある一つの制御盤面の特定の色を必要としない表示であり,すべての表示が同じスペクトルの発光

ダイオードで表示される場合。

(b)

特定の色を必要とする表示が,明りょうに見分けられる方法で表示されている場合。

備考

この項の規定に従って表示光の色を選定した場合,機器の同じ作動状態を異なる場所では異な

る色で表示してもよい。例えば,X 線放射中を,制御盤には黄色で表示し,X 線室の入口には

赤色で表示する。

13.

附属文書

13.1

一般

  機器には,取扱説明(書)

,組立説明(書)などの必要な情報を含んだ附属文書を添付しなけ

ればならない。

13.2

取扱説明書

  取扱説明書の記載事項は,

JIS T 1005

によるものとし,機器の取扱いに必要な事項を,

一体に構成して作成しても,必要な項目ごとに分冊に構成して作成してもよい。X 線装置に関する取扱説

明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。

(1)

  X

線装置の安全な取扱いに関する事項。

(2)

  X

線装置としての安全及び性能に関する責任をもつ製造又は販売業者の名称及びその住所。

(3)

取扱説明書が,X 線装置を構成する単位機器及び関連機器のどれに対応するものであるかを確認でき

る表題。

(4) 

機器の附属品は,製造業者が指定するもの以外使用を禁止する注意文。

(5)

  X

線装置を構成する単位機器及び関連機器の,操作者相互が行う接続方法。

(6)

  X

線装置又は単位機器の保管及び使用環境に関する注意事項。

備考

“次のような環境において機器を使用したり保管したりしてはならない。このような環境で使

用又は保管しなければならない場合には,あらかじめ製造業者との打合せが必要である。

”とい

う旨を記載すること。

(a)

規定値と異なる温度範囲となる場所(

4.1

参照)


31

Z 4701-1997

(b)

気圧が 500hPa 未満又は 1060 hPa を超える場所

(c)

有害なガスにさらされる場所

(d)

過度に湿度の高い場所

(e)

湯気にさらされる場所

(f)

水滴がかかる場所

(g)

ほこり又は砂ぼこりの多い場所

(h)

油蒸気の多い場所

(i)

塩分を含んだ空気にさらされる場所

(j)

爆発性の,ガス又はほこりがある場所

(k)

過度の振動又は衝撃を受ける場所

(1) 

目立った傾斜が与えられる場所

(m) 

電源の電圧が異常に変動する場所

(n)

電源の電圧が負荷中に過度に降下する場所

(o) 

直射日光にさらされる場所

(7)

機器の外側に表示した事項(

12.2

参照)

。表示に用いた,図記号,文字記号,略語,短縮語などの説明,

及び制御器,調整器などの作用に関する説明。

(8)

代表的な使用条件。撮影条件表などを附属させることが望ましい。

13.3

取扱説明書の安全に関する記載

  取扱説明書には,X 線装置を使用する操作者,介助者,患者など

に,安全な取扱いが徹底されるような内容及び表現を用いた,安全に関する事項を記載しなければならな

い。

13.3.1

安全に関する事項の表現法

  安全関係の記載は,用紙の色を変えたり赤線などによる縁取りをした

り,下線,枠囲いなどを用いたり,書体又は字の大きさを変えたりして目立つよう表現しなければならな

い。

13.3.2

項目,目次などの記載順序

  安全関係の項目,目次などの記載順序は次に示すとおりとし,安全関

係を重点的に説明する項目は,目次より前に記載することが望ましい。

(1)

取扱説明書の必読,保管義務(表紙に記載)

(2)

禁忌事項

(3)

警告語

(4) 

使用者の機器の管理責任

(5)

改造禁止

(6)

免責事項

(7) 

定期点検の必要性など

(8) 

耐用年数

(9)

安全事項を説明した記述

(10)

機器によって発生した重大事故の対応方法(例えば,患者の危険回避法)

(11)

機器独自の安全関係事項

(12)

目次

(13)

一般記述内での安全関係

13.3.3

警告語の記載要領

  危険性の強弱によって適切な警告表示をするため,

“危険”

“警告”

“注意”

の警告語とこれに対応する英語及びその定義を

表 12

に示す。警告語の記載は,次の各項による。


32

Z 4701-1997

(1) 

警告語は,効果を高めるため内容を合わせて表示することが望ましい。

例えば,

“高圧危険”

(2) 

警告語は,直感的に判断できるように

JIS Z 4004

に記されている図記号(危険電圧,注意,電離放射

線など)を併記することが望ましい。

(3) 

取扱説明書に“危険”の警告語を使用した場合には,機器自体に“警告ラベル”をはり付けること。

(4)

警告語の後には,これを行わないと生じる可能性のある事故を記載することが望ましい。

例えば,

“寝台に乗ったときは必ず握りにおつかまりください。寝台が動くとき寝台から落ちる危険

があります。

表 12  警告語の種類

日本語

英語

説明

危険 DANGER  もし避けなければ,死亡又は重傷,機器の全損のような重

大な財物の損壊及び火災の発生につながると予想される
“直接的な危険”に対して使用する。

警告 WARNING もし避けなければ,死亡又は重傷,機器の全損のような重

大な財物の損壊及び火災の発生につながると予想される

“間接的(潜在的)な危険”に対して使用する。 
間接的とは下記のような例をいう。

例  “警告”表示を無視して“カバーを開ける”と高圧

端子に触れ死亡する危険がある。

注意 CAUTION  もし避けなければ,軽傷又は中程度の傷害,機器の部分的

損壊又はコンピュータのデータの消滅を発生する可能性が

ある危険に対して使用する。

13.3.4

定期点検の必要性などの記載

  要領

JIS T 1005

4.3

(点検要領)に従って安全に関する次の事項

を取扱説明書に記載しなければならない。

(1)

予防保守の必要性

(2)

使用者が自ら行う始業・終業点検及び定期点検の内容,保守の内容,並びに禁忌事項。

(3)

製造業者が指定する修理業者でなければできない定期点検の項目,注意事項,頻度など。

(4)

(2)

及び

(3)

に関する記録及び保管の必要性

13.4

取扱説明書に記載する必要がある事項

  取扱説明書の適切な箇所に,次の事項のうち該当する事項

を記載しなければならない。

なお,

*

印で示した事項については附属文書に記載してもよい。

(1)

環境条件(

4.1

参照)

(2)

電源設備[

4.2.(3)

参照]

(3)

接地設備[

4.3(2)

参照]

(4)

  X

線管装置の冷却条件(

4.4

参照)

* (5)

歯科用 X 線装置の管電圧範囲の制限(

8.1.1

参照)

* (6)

  X

線管装置の総ろ過(

8.1.3

参照)

* (7)

  X

線源装置の総ろ過(

8.1.4

参照)

* (8)

付加フィルタの線質等価ろ過(

8.1.6

参照)

(9)

自動ビーム制限調節の点検方法(

8.2.4

参照)

(10)

 X

線照射野の範囲の表示に関する記号又は符号の説明(

8.2.5

参照)

(11)

  X

線照射野を決定するために必要な情報(

8.2.6

参照)


33

Z 4701-1997

* (12)

光照射野の点検方法(

8.2.7

参照)

* (13)

受像面と基準軸との相対位置(

8.3.1

参照)

* (14)

焦点受像器間距離(

8.3.2

参照)

(15)

一次防護遮へい体からの X 線照射野のはみ出し(

8.3.3

及び

8.3.4

参照)

* (16)

漏れ線量算定基準負荷条件(

8.4.2

参照)

(17)

焦点皮膚間距離に対する注意(

8.5.3

参照)

* (18)

構成部品の最大減弱当量及び注意書き(

8.6.2

参照)

* (19)

自動制御システムによる X 線条件の制御(

8.7

参照)

* (20)

迷 X 線に対する防護に関する注意(

8.8.1

参照)

* (21)

防護区域からの放射制御に関する注意(

8.8.2

参照)

(22)

占居有意区域(

8.8.3

及び

8.8.4

参照)

(23)

手動操作器と制御装置の位置の情報(

8.8.5

参照)

(24)

 X

線条件が固定されている装置の X 線条件[

9.1.7(7)

及び

(8)

参照]

(25)

ヒューズ及び過電流開放器の種類及び定格(

9.2.6

参照)

(26)

電磁波障害防止コンデンサの切離し手段(

9.2.7

参照)

(27)

機器の外側の表示の説明(

12.2

参照)

(28)

永久設置形機器の電源入力[

12.2(6)

参照]

(29)

稼働モード[

12.2(6)

参照]

(30)

 X

線発生装置の冷却条件[

12.2(7)

参照]

(31)

高温部に対する注意書き[

12.3(4)

参照]

関連規格

JIS Z 4703

  医用 X 線機械装置通則


34

Z 4701-1997

付図 1  焦点外 線による半影

付図 2  光照射野表示器による表示の精度

S

a

a

×

+

02

.

0

2

1

S

b

b

×

+

02

.

0

2

1

ここに,

S

焦点光照射野間距離

X

軸:

基準軸と直交し X 線管装置の管軸に平行な直線

Y

軸:

基準軸と直交し X 線と直交する直線


35

Z 4701-1997

付図 3  線照射野と受像面とのずれ

S

c

c

×

+

03

.

0

2

1

S

d

d

×

+

03

.

0

2

1

S

d

d

c

c

×

+

+

+

04

.

0

2

1

2

1

ここに,

S

焦点光照射野間距離

X

軸:

基準軸と直交し X 線管装置の管軸に平行な直線

Y

軸:

基準軸と直交し X 線と直交する直線


36

Z 4701-1997

付図 4  占居有意区域と迷 線データの表示例

(アンダーテーブル形透視撮影台)


37

Z 4701-1997

付図 5  迷 線の試験(アンダーテーブルで基準軸が水平のとき)

付図 6  迷 線の試験(アンダーテーブルで基準軸が垂直のとき)


38

Z 4701-1997

付表 1  引用規格及び対応国際規格

引用規格 

JIS C 0601

  電気装置のとっての操作と状態の表示

JIS T 1001

  医用電気機器の安全通則

JIS T 1002

  医用電気機器の安全性試験方法通則

JIS T 1005

  医用電気機器取扱説明書の様式

JIS Z 4004

  医用放射線機器図記号

JIS Z 4005

  医用放射線用語

IEC 406

 (1975)

  Radiographic cassettes

IEC 522

 (1976)

  Inherent filtration of an X-ray tube assembly

IEC 627

 (1978)

  Characteristics of anti-scatter grids used in X-ray equipment

IEC 658

 (1979)

  Radiographic intensifying screens for medical use−Dimensions

対応国際規格 

IEC 601-1

 (1988)

  Medical electrical equipment−

Part 1 : General requirements for safety

IEC 601-1

 Amendment 1 (1991)

  Medical electrical equipment−

Part 1 : General requirements for safety

IEC 601-1-3

 (1994)

  Medical electrical equipment−

Part 1 : General requirements for safety

3. Collateral standard : General requirements for radiation protection in diagnostic X-ray equipment


39

Z 4701-1997

付表 2  用語の対応英語

医用 X 線装置

medical X-ray equipment

診断用 X 線装置 diagnostic

X-ray

equipment

X

線発生装置 X-ray

generator

一体形 X 線発生装置

mono-tank X-ray unit

X

線源装置

X-ray source assembly

X

線高電圧装置

high voltage generator

X

線制御装置

X-ray control assembly

X

線機械装置 X-ray

machine

assembly

X

線透視撮影台 radiographic/fluoroscopic table

X

線撮影台

radiographic table (stand)

X

線映像装置

X-ray imaging system

X

線画像処理装置

X-ray image processing equipment

関連機器 associated

equipment

単位機器 sub-assembly 
機器 equipment 
保護接地 protective

earthing

機能接地 functional

earthing

長時間定格 long-term rating 
短時間定格 short-term rating 
利用ビーム useful

beam

剰余 X 線 residual

radiation

漏れ線量算定基準負荷条件

leakage technique factor

X

線照射野の境界

boundary of the X-ray field

X

線照射野の大きさ

dimensions of the X-ray field

受像面

image reception area

X

線イメージインテンシファイア管の

image receptor plane

受像器面

in X-ray image intensifier tube


40

Z 4701-1997

医用放射線装置及び附属品の工業標準見直し調査委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

野辺地  篤  郎

聖路加国際病院

幾  瀬  純  一

東芝メディカル株式会社

石  川      徹

聖マリアンナ医科大学

石  塚  達  洋

株式会社日立メディコ

伊  藤      厚

社団法人日本放射線機器工業会

大  出  良  平

財団法人医療用テレビジョン研究所

尾  内  能  夫

財団法人癌研究会癌研究所

倉  重  有  幸

通商産業省工業技術院標準部

鹿  沼  成  美

日本大学医学部付属光が丘病院

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

小松崎      貢

株式会社三光レントゲン製作所

竹  中  栄  一

関東労災病院

多  田  信  平

東京慈恵会医科大学

中  島  一  郎

通商産業省機械情報産業局

橋  爪      雅

社団法人日本保安用品協会

浜  田  政  彦

東京都老人医療センター

平  林  久  枝

東京女子医科大学病院

平  松  慶  博

東邦大学

松  谷  有希雄

厚生省薬務局

三田村  正  義

ジーイー横河メディカルシステム株式会社

村  上  文  男

株式会社日立メディコ

矢  野      太

ジーイー田中メディカルシステム株式会社

山  口  尚二郎

株式会社島津製作所

山  田  和  美

東京日立病院

山  根      厳

株式会社日立メディコ

(事務局)

山  口  隆  弘

社団法人日本放射線機器工業会

JIS Z 4701

  医用

X

線装置通則見直し原案作成分科会  構成表

氏名

(主査)

村  上  文  男

株式会社日立メディコ

(副主査)

藤  本  裕  一

株式会社東芝

青  山  直  充

通商産業省工業技術院標準部

浅  野      淳

株式会社東芝

安  部  真  治

東京都立医療技術短期大学

幾  瀬  純  一

東芝メディカル株式会社

上遠野      昭

国家公務員等共済組合連合会立川病院

黒  地  治  夫

ジーイー横河メディカルシステム株式会社

榊  原  俊  文

株式会社東芝メディカル製造

佐  野      哲

株式会社東芝

清  水      徹

ジーイー横河メディカルシステム株式会社

高  橋      勝

東京女子医科大学病院付属第 2 病院

辻      久  男

株式会社島津製作所

土  子  正  良

株式会社東芝

土  屋      明

株式会社東芝

中  村  政  雄

アコマ X 線工業株式会社

宮  崎      茂

東邦大学医学部付属大橋病院

矢  野      太

ジーイー田中メディカルシステム株式会社

(事務局)

山  口  隆  弘

社団法人日本放射線機器工業会


41

Z 4701-1997

原案作成分科会小委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

山  根      厳

株式会社日立メディコ

青  山  直  充

通商産業省工業技術院標準部

幾  瀬  純  一

東芝メディカル株式会社

小野寺  力  也

東芝医療用品株式会社

小松崎      貢

株式会社三光レントゲン製作所

藤  本  裕  一

株式会社東芝

村  上  文  男

株式会社日立メディコ

矢  野      太

ジーイー田中メディカルシステム株式会社

山  田  和  美

東京日立病院