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Z 4572:2014 (ISO/ASTM 51276:2012) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

3.1 定義 ···························································································································· 2 

4 重要性及び主な用途 ·········································································································· 3 

5 一般······························································································································· 3 

6 影響量···························································································································· 3 

6.2 照射前の条件 ················································································································ 3 

6.3 照射中の条件 ················································································································ 4 

6.4 照射後の条件 ················································································································ 4 

6.5 応答測定の条件 ············································································································· 5 

7 線量計測システム及びその検証 ··························································································· 5 

7.1 PMMA線量計測システムの構成 ······················································································· 5 

7.2 計測マネジメントシステム······························································································· 5 

7.3 機器の性能検証 ············································································································· 5 

8 納入された線量計の評価 ···································································································· 5 

9 校正······························································································································· 6 

10 ルーチン使用 ················································································································· 6 

10.1 照射前 ························································································································ 6 

10.2 照射後の分析手順 ········································································································· 6 

11 文書化の要求事項 ··········································································································· 7 

12 測定の不確かさ ·············································································································· 7 

13 キーワード ···················································································································· 7 

参考文献 ····························································································································· 8 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本原子力学会(AESJ)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 4572:2014 

(ISO/ASTM 51276:2012) 

ポリメチルメタクリレート線量計測システムの 

標準的使用方法 

Standard practice for use of a polymethylmethacrylate dosimetry system 

序文 

この規格は,2012年に第3版として発行されたISO/ASTM 51276を基に,技術的内容及び構成を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。 

適用範囲 

1.1 

この規格は,ポリメチルメタクリレート(PMMA)線量計測システムを使用し,光子又は電子で照

射された物質の吸収線量を,水吸収線量として測定するための方法について規定する。PMMA線量計測シ

ステムは,ISO/ASTM 52628で規定されるルーチン線量計測システムに分類される。 

1.2 

PMMA線量計は,影響量の複雑な効果に基づいたISO/ASTM 52628で分類されるタイプII線量計に

属する。 

1.3 

この規格は,放射線加工において適切な線量計測を実行するための推奨事項を規定する規格の一つ

であり,PMMA線量計測システムにおけるISO/ASTM 52628の要求事項に準拠する方法について規定する。

この計測システムの使用に当たっては,ISO/ASTM 52628も参考にする。 

1.4 

この規格は,PMMA線量計測システムに対し,次の条件下における使用について規定する。 

1.4.1 

吸収線量範囲は,1×102〜1.5×105 Gyとする。 

1.4.2 

吸収線量率は,1×10−2〜1×107 Gy・s−1とする。 

1.4.3 

光子エネルギー範囲は,0.1〜25 MeVとする。 

1.4.4 

電子エネルギー範囲は,3〜25 MeVとする。 

1.5 

この規格では,この計測システムの使用に関わる安全性について記載していない。適切な安全及び

健康に対する基準を確立し,かつ,使用に先立ち法的規制への適合性を決定することは,この規格の使用

者の責任である。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/ASTM 51276:2012,Standard practice for use of a polymethylmethacrylate dosimetry system 

(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

Z 4572:2014 (ISO/ASTM 51276:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ISO/ASTM 51261,Standard practice for calibration of routine dosimetry systems for radiation processing 

ISO/ASTM 51707,Standard guide for estimating uncertainties in dosimetry for radiation processing 

ISO/ASTM 52628,Standard practice for dosimetry in radiation processing 

ASTM E170,Standard Terminology relating to radiation measurements and dosimetry 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

定義 

3.1.1 

校正曲線(calibration curve) 

指示値とそれに対応する測定量との関係の表現(式又はグラフ)(参考文献[32]のTS Z 0032:2012参照)。 

注記 放射線加工の線量計測規格では,“指示値”より線量計応答の方が一般的に使用される。したが

って,校正曲線は,線量計応答とそれに対応する吸収線量との関係の表現(式又はグラフ)で

ある。 

3.1.2 

線量計(dosimeter) 

照射したときに,適切な測定機器及び手順を用いれば所定物質内の吸収線量と線量計応答とを関係付け

ることができる定量的な変化を示す素子。 

3.1.3 

線量計バッチ(dosimeter batch) 

均一な組成を有する原料から,管理された一貫した条件の下で,一回にまとめて製造された線量計の一

群で,群それぞれに独自の識別コードをもたせる。 

3.1.4 

線量計応答(dosimeter response) 

電離放射線によって線量計に生じる,再現性があり定量化できる効果を表す値。 

注記 PMMA線量計では,単位厚さ当たりの吸光度が線量計応答となる。 

3.1.5 

保有線量計(dosimeter stock) 

使用者が保有している線量計バッチ。 

3.1.6 

計測マネジメントシステム(measurement management system) 

計量確認及び測定プロセスの継続的な管理を達成するために必要な,相互に関連する及び相互に作用す

る一連の要素。 

3.1.7 

ポリメチルメタクリレート(PMMA)線量計[Polymethylmethacrylate (PMMA) dosimeter] 

製造業者が特別に選定し,又は生産して,不浸透性の小袋に個々に密封し,電離放射線の照射によって

吸収線量の関数として特定の吸光度に特徴ある変化を示すPMMA素子。 

注記 照射後に小袋から取り出したPMMA素子もまた線量計という。 

3.1.8 

参照標準線量計測システム(reference-standard dosimetry system) 

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特定の機関又は場所で実施された測定によって,当該利用者にとって計量上の最上位の品質を付与され

た線量計測システム。 

3.1.9 

応答(response) 

線量計応答(3.1.4)と同義。 

3.1.10 

ルーチン線量計測システム(routine dosimetry system) 

参照標準線量計システムで線量を校正し,かつ,線量分布評価及びプロセス監視を含むルーチン線量測

定に使用する線量計測システム。 

3.1.11 

単位厚さ当たりの吸光度(比吸光度)(specific absorbance),k 

ある波長λでの吸光度Aλをその光路長dで除した値。 

d

A

k

/

λ

=

 ·················································································· (1) 

3.2 

この規格で使用される放射線測定及び線量計測に関連するその他の英文用語の定義は,ASTM E170

に記載されている。ASTM E170の定義は,ICRU Report 85(参考文献[1]参照)と整合しているので,用

語の邦訳については,この文書の定義を両規格の代替として使用することができる。 

重要性及び主な用途 

4.1 

PMMA線量計測システムは,吸光度変化に基づいて吸収線量を測定する方法を提供する。 

4.2 

PMMA線量計測システムは,通常,工業的な放射線加工,例えば,ヘルスケア製品の滅菌及び食品

照射に用いる。 

一般 

5.1 

PMMA線量計は,例えば,キャスト法,押し出し法又は射出成形法によって製造する。通常の場合

は,重合,安定性の促進及び制御に必要とされる材料を,また染料を含む線量計の場合には,その応答の

範囲に応じた染料を,それぞれメチルメタクリレートに溶かして重合する。成形した線量計材料は,水分

含量を調整した後,放射線に対する応答を出荷前に適切なサンプリング及び試験で検証する。 

5.2 

電離放射線は,物質内の化学的反応を誘起し,可視域及び/又は紫外域の吸収帯を生成するか又は

強める。これらの放射線によって誘起された吸収帯内の適切な波長で測定した吸光度は,吸収線量との間

に定量的な関係がある。ICRU Report 80(参考文献[2]参照)では,現在使用されているPMMA線量計測

システムの科学的基盤及び歴史的進展が記載されている。 

5.3 

未照射と照射済みとのPMMA線量計の単位厚さ当たりの吸光度差は,測定に使用する波長に依存す

る。一般的には,製造業者が感度及び照射後の安定性が最適となる推奨波長を指定する。 

影響量 

6.1 

線量計応答に影響する吸収線量以外の要因は,影響量と呼ばれ,それらについては6.2〜6.4に示す

(参考文献[35]のISO/ASTM 52701参照)。そのような影響量の例として,温度及び線量率がある。 

6.2 

照射前の条件 

6.2.1 

線量計の前処理及び包装 

PMMA素子は,製造業者によって水分含量が最適になるように事前に調整され,また,その状態を保つ

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ように不浸透性のアルミホイルラミネートの小袋に密封される。 

6.2.2 

製造後の経過時間 

製造,包装及び保管条件が適切であれば,幾つかのタイプのPMMA線量計の保管期限は10年以上とい

われている(参考文献[3]参照)。 

6.2.3 

温度 

線量計応答を阻害する影響を少なくするために,製造業者が推奨した温度範囲外での使用は,最小限に

するのがよい。 

6.2.4 

相対湿度 

湿度の影響は,小袋に封入して隔離することによってなくすことができる。 

6.2.5 

露光 

露光の影響は,小袋に封入して隔離することによってなくすことができる。 

6.3 

照射中の条件 

6.3.1 

照射時の温度 

線量計応答は,温度の影響を受けるので,その特性を評価しなければならない。 

6.3.2 

吸収線量率 

線量計応答は,吸収線量率に影響を受けるので,その特性を評価しなければならない。 

6.3.3 

分割線量 

線量計応答は,累加的な照射の影響を受けるので,その特性を評価した方がよい。 

6.3.4 

相対湿度 

湿度の影響は,小袋に封入して隔離することによってなくすことができる。 

6.3.5 

露光 

露光の影響は,小袋に封入して隔離することによってなくすことができる。 

6.3.6 

放射線エネルギー 

線量計応答は,放射線のエネルギーに依存するので,線量計を使用するエネルギーで照射して校正しな

ければならない。 

6.4 

照射後の条件 

6.4.1 

経過時間 

照射から線量計の吸光度測定までの時間は規定し,製造業者の推奨に従うのがよい。 

6.4.2 

温度 

製造業者の推奨した範囲外の温度条件下におくことは,線量計応答を阻害する影響を少なくするために

も最小限にするのがよい。 

6.4.3 

取扱い条件 

照射後に熱処理などは行わない。 

6.4.4 

相対湿度 

小袋を開封するまでは,湿度の影響は,小袋に封入して隔離することによってなくすことができる。 

6.4.5 

露光 

小袋を開封するまでは,露光の影響は,小袋に封入して隔離することによってなくすことができる。 

注記 線量計を使用するための実際の操作手順を考える上で,照射後の変化に関わる二つの場合が重

要である。一つは小袋が未開封のままで起こる変化,もう一つは,開封された後に起こる変化

である。双方の状況下での線量計の照射後の変化を評価することがよい。参考文献[4]に製造業

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者によって得られた結果の例が示されている。 

6.5 

応答測定の条件 

6.5.1 

露光 

小袋を開封した後は,露光が線量計の応答に影響を与えるおそれがある。使用者は製造業者の推奨事項

に従うのがよい。 

6.5.2 

温度 

製造業者の推奨した温度範囲以外で使用することは,線量計応答を阻害する影響を少なくするためにも

最小限にするのがよい。 

6.5.3 

相対湿度 

小袋を開封した後,極端な湿度に長期間暴露することは,線量計の応答に影響を与えるおそれがある。

したがって,小袋を開封してから測定までの時間は,最小限にするのがよい。 

線量計測システム及びその検証 

7.1 

PMMA線量計測システムの構成 

PMMA線量計測システムの構成は,7.1.1〜7.1.4による。 

7.1.1 

PMMA線量計 

7.1.2 

校正された分光光度計(又は相当する機器) 

指定された分析波長で吸光度が測定でき,また,分析波長範囲,波長選択と吸光度測定の正確さ,スペ

クトルバンド幅及び迷光排除を特定できる技術資料があるもの。 

7.1.2.1 

吸光度測定の正確さを検証する方法,例えば,測ろうとする吸光度を含む範囲で校正された光学

フィルタを測る方法。 

7.1.2.2 

波長校正を検証する方法,例えば,校正された光学フィルタを測る方法。 

7.1.3 

ホルダー 

線量計がビーム光路内に,かつ,光路に対して垂直となるように再現性よく設置するためのものである。 

7.1.4 

校正された厚さ計 

7.1.4.1 

厚さ計の校正方法,例えば,測ろうとする厚さを含む範囲で校正されたブロックゲージを測る方

法。 

7.2 

計測マネジメントシステム 

ISO/ASTM 51261に従って校正した線量計バッチの校正曲線及び使用のための手順を含む。 

7.3 

機器の性能検証 

7.3.1 

あらかじめ定めた時間間隔で,また,使用中に機能低下が認められたときは,分光光度計の波長及

び吸光度のスケールは,測定波長又はその近くの波長で健全性を点検し,その結果を記録しなければなら

ない。検証の方法については,十分な性能を検証するために機器の仕様書と比較し,その結果を記録する

のがよい(参考文献[34]のASTM E275参照)。 

7.3.2 

あらかじめ定めた時間間隔で厚さ計を校正し,その結果を文書化しなければならない。また,厚さ

計は,再現性及びゼロ点ドリフトがないことを確認するために,測定前,測定中,及び妥当性の考慮が必

要な場合には,測定後に点検しなければならない。 

納入された線量計の評価 

8.1 

線量計の購入,受領,承認及び保管に関わる手順を確立しなければならない。 

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8.2 

線量計の受領の際には,使用者は,例えば,製造業者の仕様書に記載してあるバッチの指定,小袋

に不具合がないこと,サンプルの厚さ範囲,照射前の吸光度及び放射線応答が仕様書の範囲内であること

を検証するために代表サンプルで納入検査を実施しなければならない。 

8.3 

追加試験又は検証,及び再校正のため十分な数の線量計を保持する。 

8.4 

線量計は,製造業者が推奨する手順書,又は公開されたデータ若しくは経験に従って妥当とされる

方法で保管する。 

校正 

9.1 

各線量計バッチの使用前には,線量計測システムは,ISO/ASTM 51261に従った校正プロセス及び

品質保証に関わる要求事項が記載してある使用者の手順書に従って校正しなければならない。 

9.2 

使用者の線量計測システムの校正手順は,使用者の施設での照射前,照射中及び照射後の条件に関

連する影響量を考慮しなければならない(箇条6参照)。 

注記 以前の経験,製造業者の推奨(提案)事項又は技術的文献(参考文献[3]〜[31]参照)に,“線量

計が照射される条件によっては,線量計応答に影響する,又は不確かさを増加する可能性があ

る”と記載されている場合は,線量計の校正のための照射は,日常において使用する場合と同

様の照射条件で実施するのがよい(参考文献[4],[29],[30]参照)。 

9.3 

特定の線量範囲又は照射後の測定までの時間間隔に対応するために,複数の校正曲線が必要となる

場合がある。 

10 ルーチン使用 

10.1 照射前 

10.1.1 線量計は,使用者の手順書及び製造業者の推奨事項に従って保管し,使用期限内でかつ校正期限内

の承認済みのバッチから取り出すことを確実に行う。 

10.1.2 各線量計の小袋について,外観的な不具合,例えば,小袋の密封完全性及びPMMA線量計素子の

有無を検査する。許容できない欠陥のある線量計は廃棄する。 

10.1.3 包装された線量計に識別のために適切に印を付ける,又はできれば,製造業者によって提供される

線量計の個別の参照番号又はバーコードを用いることが望ましい。 

10.1.4 あらかじめ規定した測定位置に未開封の線量計を設置する。 

10.2 照射後の分析手順 

10.2.1 線量計を回収する。 

10.2.2 測定までPMMA線量計を包装したまま規定した条件下で承認された場所に保管する(6.4及び6.5

参照)。 

10.2.3 線量計の単位厚さ当たりの吸光度は,規定した時間内(6.4.1及び参考文献[28]参照),及び照射後

の潜在的な変化を考慮した条件(6.5参照)で測定するのがよい。 

10.2.4 文書化した手順に従って,機器の性能を検証する(7.3参照)。 

10.2.5 例えば,破れなどの不具合がないか各線量計の小袋を点検する。いかなる不具合も記録する。 

10.2.6 各線量計に対し,10.2.6.1〜10.2.6.8を実行する。 

10.2.6.1 開封し,PMMA素子の端を持って取り出す。 

10.2.6.2 PMMA素子にかききずのような不具合がないか点検する。いかなる不具合も記録する。 

注記 線量計にかききずが発見された場合,通常はPMMA素子を再配置,例えば,線量計を逆さに

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してきずが分光光度計のビーム光路にかからないようにして信頼ある測定をする。 

10.2.6.3 必要があれば,測定前にPMMA素子の汚れを取り除いてきれいにする。許容される方法は,エ

タノール又はプロパノールのような適切な溶剤を含ませた紙で拭くことである。 

10.2.6.4 機器のホルダー内でのPMMA素子の位置は,分析光ビームに対して正確に一列に,かつ,垂直

になるように設置する。 

10.2.6.5 選択した分析波長で吸光度を測定し,記録する。 

10.2.6.6 分析光ビームが通過した領域のPMMA素子の厚さを測定する。 

10.2.6.7 単位厚さ当たりの吸光度を計算する。 

10.2.6.8 単位厚さ当たりの吸光度及び適切な校正曲線から吸収線量を決定する(9.3参照)。 

11 文書化の要求事項 

11.1 使用者の計測マネジメントシステムに従って測定の詳細を記録する。 

12 測定の不確かさ 

12.1 全ての線量測定は,不確かさを評価する必要がある。適切な手順は,ISO/ASTM 51707及びISO/ASTM 

51261に推奨されている(参考文献[33]のTS Z 0033:2012も参照)。 

12.1.1 評価には,校正に起因する要因,線量計の変動,機器の再現性及び影響量の効果から生じる全ての

不確かさの要因が含まれているのがよい。不確かさの要因の完全な量的な分析は,不確かさバジェットシ

ートとして参照される。これは,表の形で提供されることが多い。一般的には,不確かさバジェットシー

トは,評価の方法,統計的分布及び大きさを含む不確かさの全ての重要な要因を識別できる。 

12.1.2 PMMA線量計のようなルーチン線量計測システムを使用して達成される拡張不確かさは,一般的

に±6 %(k=2)程度と評価される。包含係数k=2は,正規分布において,約95 %の信頼の水準に相当す

るものである。 

13 キーワード 

13.1 吸収線量,線量,線量計,線量計測システム,電子線,ガンマ線,電離放射線,照射,PMMA,ポ

リメチルメタクリレート,放射線,放射線加工,放射線滅菌 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

[1] ICRU Report 85,Fundamental quantities and units for ionizing radiation (2011) 

[2] ICRU Report 80,Dosimetry systems for use in radiation processing (2008) 

[3] Bett, R., Watts, M. F., Plested, M. E., “The shelf life of dyed polymethylmethacrylate dosimeters,” Radiation 

Physics and Chemistry,Vol 63, 2002, pp. 793-797. 

[4] Whittaker, B., Watts, M. F., “The Influence of Dose Rate, Ambient Temperature and Time on the Radiation 

Response of PMMA Dosimeters,” Radiation Physics and Chemistry, Vol 60, 2001, pp. 101-110. 

[5] Takehisa, M., Sato, Y., Sasuga, T., Haneda, N., Haruyama, Y., and Sunaga, H., “Gamma-ray Response of a Clear, 

Crosslinked PMMA Dosimeter, Radix W,” Radiation Physics and Chemistry, Vol 76, 2007, pp. 1619-1623. 

[6] Seito, H., Ichikawa, T., Haneda, N., Kaneko, H., Sato, Y., Watanabe, H., and Kojima, T., “Characteristics study 

of clear polymethylmethacrylate dosimeter, Radix W, in several kGy range,” Radiation Physics and Chemistry, 

Vol 78, 2009, pp. 356-359. 

[7] Chu, R. D. H., and Antoniades, M. T.,“Use of Ceric Sulphate and Perspex Dosimeters for Calibration of 

Irradiation Facilities,” IAEA Report SM192/14, International Atomic Energy Agency Publication, Vienna, 1975. 

[8] Miller, A., Bjergbakke, E., and McLaughlin,W. L., “Some Limitations in the Use of Plastic and Dyed Plastic 

Dosimeters,” International Journal of Applied Radiation and Isotopes, Vol 26, 1975, pp. 611-620. 

[9] Olejnik, T. A., “Red 4034 ʼPerspexʼ Dosimeters in Industrial Radiation Sterilization Process Control,” Radiation 

Physics and Chemistry, Vol 14, 1979, pp. 431-447. 

[10] Barrett, J. H., “Dosimetry with Dyed and Undyed Acrylic Plastic,” International Journal of Applied Radiation 

and Isotopes, Vol 33, 1982, pp. 1177-1187. 

[11] Whittaker, B., Watts, M. F., Mellor, S., and Heneghan, M., “Some Parameters Affecting the Radiation Response 

and Post-Irradiation Stability of Red 4034 ʼPerspexʼ Dosimeters,” Proceedings of the International Symposium, 

“High-Dose Dosimetry,” IAEA Publication STI/PUB/671, Vienna, 1984. 

[12] Levine, H., McLaughlin, W. L., and Miller, A., “Temperature and Humidity Effects on the Gamma-Ray 

Response and Stability of Plastics and Dyed-Plastic Dosimeters,” Radiation Physics and Chemistry, Vol 14, 

1979, pp. 551-574. 

[13] Al-Sheikhly, M., Chappas, W. J., McLaughlin, W. L., and Humphreys, J. C., “Effects of Absorbed Dose-rate, 

Irradiation Temperature, and Post Irradiation Temperature on the Gamma Ray Response of Red Perspex 

Dosimeters,” Proceedings of an International Symposium, “High Dose Dosimetry for Radiation Processing,” 

IAEA Publication STI/PUB/846, International Atomic Energy Agency, Vienna, 1991. 

[14] McLaughlin, W. L., Boyd, A. W., Chadwick, K. H., McDonald, J. C., and Miller, A., “Dosimetry for Radiation 

Processing,” Taylor and Francis (publishers), London, New York, Philadelphia, 1989. 

[15] Glover, K. M., Plested, M. E., Watts, M. F., and Whittaker, B., “A Study of Some Parameters Relevant to the 

Response of Harwell PMMA Dosimeters to Gamma and Electron Irradiation,” Radiation Physics and Chemistry, 

Vol 42, 1993, pp. 739-742. 

[16] Sohrabpour, M., Kazemi, A. A., Mousavi, H., and Solati, K.,“Temperature Response of a Number of Plastic 

Dosimeters for Radiation Processing,” Radiation Physics and Chemistry, Vol 42, 1993, pp. 783-787. 

[17] Miller, A., and Chadwick, K. H., “Dosimetry for the Approval of Food Irradiation Processes,” Radiation 

Z 4572:2014 (ISO/ASTM 51276:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Physics and Chemistry, Vol 34, 1989, pp. 999-1004. 

[18] “Absorbed Dose Determination in Photon and Electron Beams,” IAEA, Technical Report Series, No. 277, 

Vienna, 1987. 

[19] Whittaker, B., “Uncertainties in Absorbed Dose as Measured Using PMMA Dosimeters,” Radiation Physics and 

Chemistry, Vol 42, 1993, pp. 841-844. 

[20] Whittaker, B., “Recent Developments in Poly (Methyl Methacrylate)/Dye Systems for Dosimetry Purposes,” 

Proceedings of the International Symposium, “Radiation Dose and Dose Rate Distribution Measurements in the 

Megarad Range,” National Physical Laboratory, United Kingdom, 1970. 

[21] Barrett, J. H., Glover, K. M., McLaughlin, W. L., Sharpe, P. H. G., Watts, M. F., and Whittaker, B., “A 

High-Dose Intercomparison Study Involving Red 4034B Perspexʼ and Radiochromic Dye Film,”UKAEA, 

Harwell Report AERE-R13159, 1988, Radiation Physics and Chemistry, Vol 36, 1990, pp. 505-507. 

[22] Kojima, T., Haneda, N., Mitomo, S., Tachibana, H., and Tanaka, R., “The Gamma-Ray Response of Clear 

Polymethylmethacrylate Dosimeter, Radix RN15,” Journal of Applied Radiation and Isotopes, Vol 43, No. 10, 

1992, p. 1197. 

[23] Chadwick, K. H., “The Effect of Light Exposure on the Optical Density of Irradiated Clear 

Polymethylmethacrylate,” Physics in Medicine and Biology, Vol 17, 1972, pp. 88-93. 

[24] Chadwick, K. H., “The Effect of Humidity on the Response of HX ʼPerspexʼ Dosimeters,” IAEA Report 

TECDOX-321, 1984. 

[25] Whittaker, B., “A New PMMA Dosimeter for Low Doses and Low Temperatures,” Radiation Physics and 

Chemistry, Vol 35, 1990, pp. 699-702. 

[26] Miller, A., “Dosimetry for Radiation Processing,” Proceedings of an International Symposium on Radiation 

Chemistry and Processing, Czechoslovakia, Radiation Physics and Chemistry, Vol 28, 1986, pp.521-529. 

[27] Chadwick, K. H., “Radiation Measurements and Quality Control,”Radiation Physics and Chemistry, Vol 14, 

1979, pp. 203-212. 

[28] Ellis, S. C., Barrett, J. H., and Morris, W. T., “Radiation Standards and Dosimetry for Radiation Processing,” 

Proceedings of the International Conference, “Radiation Processing for Plastics and Rubber,”Cambridge, UK, 

1984. 

[29] Biramontri, S., Haneda, N., Tachibana, H., and Kojima, T., “Effect of Low Irradiation Temperature on the 

Gamma-Ray Response of Dyed and Un-dyed PMMA Dosimeters,” Radiation Physics and Chemistry, Vol 48, 

No. 1, 1996, pp. 105-109. 

[30] Sharpe, P., Miller, A., “Guidelines for the Calibration of Dosimeters for use in Radiation Processing,” Centre for 

Ionising Radiation Metrology publication, CIRM29, 2009. 

[31] Seito, H., Ichikawa, T., Hanaya, H., Soto, Y., Kaneko, H., Haruyama, Y., Watanabe, H., Kojima, T., “Application 

of clear polymethylmethacrylate dosimeter, Radix W, to a few MeV electron in radiation processing,” Radiation 

Physics and Chemistry, Vol 78, 2009, pp.961-965. 

[32] TS Z 0032:2012 国際計量計測用語−基本及び一般概念並びに関連用語(VIM) 

注記 対応国際規格:ISO/IEC Guide 99,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts 

and associated terms (VIM:2007) (IDT) 

[33] TS Z 0033:2012 測定における不確かさの表現のガイド 

注記 対応国際規格:ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of 

10 

Z 4572:2014 (ISO/ASTM 51276:2012) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

uncertainty in measurement (GUM:1995) (IDT) 

[34] ASTM E275,Standard Practice for describing and measuring performance of ultraviolet and visible 

spectrophotometers 

[35] ISO/ASTM 52701,Standard guide for performance characterization of dosimeters and dosimetry systems for 

use in radiation processing