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日本工業規格

JIS

 Z

4560

 - 1991

工業用

γ

線装置

Industrial

γ

-ray apparatus for radiography

1.

適用範囲  この規格は,

γ

線透過試験に用いる工業用

γ

線装置(以下,

γ

線装置という。

)について規定

する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 3525

  ワイヤロープ

JIS Z 4001

  原子力用語

JIS Z 4821

  密封放射線源の等級と試験方法

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 3999

  Apparatus for gamma radiography−Specification

3.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考値である。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4001 によるほか,次による。

(1)

γ

線装置

γ

線を放出する 3.7MBq {100

µCi}  を超える密封された放射性同位元素(以下,線源という。)

を収納する工業用透過試験装置。

(2)

線源容器

γ

線装置の線源を収納する本体部容器。

(3)

操作管  線源容器と操作装置との間の操作用レリーズワイヤを誘導する可とう(撓)性をもつ管。

(4)

伝送管  線源容器から線源及びレリーズワイヤを誘導する可とう(撓)性をもつ管。

(5)

遠隔操作  線源容器から離れた位置で行う,

γ

線照射に必要な種々の操作。

(6)

コリメータ  利用ビームをできるだけ小さくするための器具。

3.

種類

γ

線装置の種類は,

表 のとおりとする。

表 1  種類

種類

可搬性

p

操作者が持ち運びできるようにした携帯式装置。

M

適当な手段で移動できるようにした P 形以外の移動式装置。

F

固定式又は特定の作業範囲でだけ移動できるようにした据

置式装置。


2

Z 4560 - 1991

4.

性能

4.1

γ

線装置の遮へい性能  6.3.1 によって試験をしたとき,装置から漏れる照射線量率(以下,漏れ線量

率という。

)が,装置表面付近及び装置表面から 1m の位置において,

表 の値を超えてはならない。ただ

し,装置表面付近については,装置表面又は装置表面から 50mm のいずれかの値を満足すればよい。

表 2  漏れ線量率の限界

最大漏れ線量率

µC/kg・h {mR/h}

装置表面付近

種類

装置表面

装置表面から 50mm

装置表面から

1m

P

51.6 {200}

12.9 {  50}

0.516 {  2  }

M

51.6 {200}

25.8 { 100}

1.29

{  5  }

F

51.6 {200}

25.8 { 100}

2.58

{  10 }

4.2

振動に対する機械的強度  6.3.2 によって試験をしたとき,線源容器としての性能が損なわれたり,

ボルト,ナットなどの緩みがあってはならない。

また,試験後において線源容器の遮へい性能は 4.1 に適合しなければならない。

4.3

貫通に対する機械的強度  6.3.3 によって試験をしたとき,線源容器が著しく変形してはならない。

また,試験後において線源容器の遮へい性能は 4.1 に適合しなければならない。

4.4

衝撃に対する機械的強度  線源容器は,6.3.4 によって試験を行った後,漏れ線量率が装置表面から

1 m

の距離で,258

µC/kg・h {1R/h}  を超えてはならない。

4.5

γ

線装置の操作性能

γ

線装置は,6.3.56.3.9 の試験を行った後,接続部分の引っ掛かりなど,操作

上の機能が損なわれてはならない。

5.

構造

5.1

線源容器  線源容器には,シャッタ又は迷路が設けられていなければならない。

5.2

線源

γ

線装置に使用する線源は,JIS Z 4821 に適合する線源でなければならない。

5.3

シャッタ  シャッタが設けられている

γ

線装置では,開閉の状態を安全に確認できる機構を備えてい

なければならない。

5.4

安全装置  安全装置は,故障時に線源を安全な位置に戻すことのできる構造でなければならない。

5.5.

線源の固定  線源送り出し装置をもつ

γ

線装置では,線源を自動的に固定し,固定の状態を安全に確

認することができる機構を備えていなければならない。

また,線源を線源容器に収納した状態で使用する構造の

γ

線装置では,線源を、ねじ,押さえ金具などに

よって確実に固定できる構造でなければならない。

5.6

線源送り出し装置のレリーズワイヤ  線源送り出し装置のレリーズワイヤは,先端に線源を確実に

取り付けることができる構造でなければならない。

5.7

コリメータの取付け

γ

線装置は,コリメータが取り付けられる構造でなければならない。

5.8

操作管の長さ  操作管の長さは,原則として 5m 以上とする。ただし,使用施設の構造によって安全

が確保される場合にはこの限りではない。

5.9

線源の位置の表示

γ

線装置は,線源の位置を表示するための機構を備えていなければならない。

5.10

運搬,移動用の器具又は装置  線源容器は,表 に示す運搬,移動用器具又は装置を備えていなけ

ればならない。


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Z 4560 - 1991

表 3  運搬,移動用の器具又は装置

種類

運搬,移動用の器具又は装置

P

運搬用取っ手

M

移動回転半径 3m 以下の車輪,固定装置及びつり金具

F

機械的手段によって移動できるつり金具又は移動具

5.11

耐食性及び耐じん(塵)性

γ

線装置の可動部は,耐食性及び耐摩耗性の材料を使い,可動部及び制

御部は,水滴,泥,砂及びその他の異物が容易に入り込まないような構造でなければならない。

5.12

γ

線損傷  線源の近くには,極度に

γ

線損傷を受けるおそれがある材料を使用してはならない。

6.

試験

6.1

試験項目

γ

線装置の試験項目は,次のとおりとする。

(1)

遮へい性能試験

(2)

振動試験

(3)

貫通試験

(4)

衝撃試験

(5)

シャッタ開閉試験

(6)

よじり試験

(7)

踏みつけ試験

(8)

引張試験

(9)

耐久試験

6.2

試験の実施  試験の実施は,次のとおりとする。

(1)

原則として,6.1 の試験は,同形試作機(プロトタイプ)について実施する。

(2)

遮へい性能試験以外は線源を収納しない状態で実施する。

(3)

遮へい性能試験は,P 形,M 形及び F 形の線源容器について実施する。

(4)

振動試験は,P 形及び M 形の線源容器について実施する。

(5)

貫通試験は,P 形の線源容器について実施する。

(6)

衝撃試験は,P 形及び M 形の線源容器について実施する。

(7)

シャッタ開閉試験,よじり試験,踏みつけ試験,引張試験及び耐久試験は,シャッタ,レリーズワイ

ヤ,操作管及び伝送管をもつ P 形,M 形及び F 形の

γ

線装置について実施する。

(8)

試験は,いずれも

γ

線装置の製造業者が実施する。

6.3

試験方法

6.3.1

遮へい性能試験  遮へい性能試験は,振動試験,貫通試験及び衝撃試験の実施前及び実施後に行う。

線源容器に製造業者が指定する放射能既知の放射性核種を充てん(填)し,線源容器の全表面について,

測定器を用いて漏れ線量率を測定する。得られた線量率から線源容器に指定された最大数量の線源を収納

した状態での漏れ線量率を算出する。

6.3.2

振動試験  振動試験は,振動試験機によって行う。試験機の試験台表面は,硬質合板とし,試験を

行う線源容器は,ダミー線源を格納した状態で振動試験機の試験台に独立の動きがないように確実に固定

する。試験台への固定は通常の輸送姿勢とする。

線源容器には,共振加速度を求めたい位置に加速度計を取り付ける。

振動方向は線源容器を運搬する状態で上下方向とする。ただし,前後,左右方向の振動試験が必要な構


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Z 4560 - 1991

造の線源容器の場合には,これらの方向の振動試験も実施する。

振動試験は,次の順序で行う。

(1) 1m/s

2

の加速度で 5∼150Hz の範囲の周波数で掃引させ,試験台と各測定位置間の周波数応答関数を求

め固有振動数を決定する。掃引速度は 1 分間に 1 オクターブ以下とし滑らかに変化させること。

(2)

決定した各固有振動数について加速度 10m/s

2

でそれぞれ 30 分間ずつ試験する。

(3)

固有振動数が検出されない場合には,加速度 10m/s

2

で 5∼150Hz 間を掃引速度 1 分間に 1 オクターブ

で 25 回の繰返し掃引試験を行う。

6.3.3

貫通試験  貫通試験を行う試験棒は,質量 6kg で直径 32mm の軟鋼製の棒とする。棒の先端は,半

球形に仕上げ,試験を実施しても著しく変形するものであってはならない。線源容器は,試験中に動かな

いように,堅く平らな水平面に固定する。試験棒の長軸を垂直に保ち,線源容器の上面から棒の最下端ま

での落下高さは 1m として,線源容器の最も弱い部分(シャッタ部又は線源取出し口など)に 1 回落下さ

せる。

6.3.4

衝撃試験  衝撃試験は,垂直衝撃試験とする。衝撃試験に使用する試験台は,少なくとも線源容器

の 10 倍以上の質量で,平らな水平面をもつ剛構造(鋼製,コンクリート製など)とする。その表面を,P

形については木製合板で覆う。M 形については厚さ 10mm 以上の鋼板とする。

P

形については,150mm 以上の高さから線源容器を 100 回試験台に落下させる。

M

形については,線源容器を高さ 150mm 以上の移動台に載せて,1m/s 以上の速度で移動させ,移動台

の上から 100 回試験台に落下させる。

6.3.5

シャッタ開閉試験  シャッタ開閉試験は,シャッタの開閉を 1 回とし,連続 3 000 回繰返し試験を

行う。

6.3.6

よじり試験  よじり試験は,遠隔操作用レリーズワイヤ,操作管,伝送管について行う。最小曲率

半径の 0.8 倍の曲率半径で輪を作り,24 時間静的状態を保持する。

6.3.7

踏みつけ試験  踏みつけ試験の試験機は,エネルギー吸収ができるだけ少なく,表面が平らな鋼製

の試験台に,

図 の例に示すようなヒールを備えた鋼製パンチとする。鋼製パンチの全質量は,15kg とし,

一端を支点として自由に運動できるように支持する。ヒール部を 300mm 上に上げ,自由な振り子運動で

試験台上に置いた操作管又は伝送管に対して,任意に 10 か所を選び試験を行う。接続部をもつ操作管又は

伝送管については,その接続部についても実施する。この試験は,よじり試験後の同一試験体について実

施する。


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Z 4560 - 1991

図 1  踏みつけ試験機(例)

6.3.8

引張試験  引張試験は,次による。

(1)

線源容器に操作管及び伝送管を接続し,線源容器が動かないように固定して,操作管及び伝送管の先

端に,JIS G 3525 に規定する 7 本線 6 よりワイヤロープで直径 6.3mm のものを取り付け,ワイヤロー

プの他端に 50kg のおもりを取り付けて,

図 に示す状態で 30 秒間維持する。この操作を 10 回繰り返

す。

この試験は,よじり試験,踏みつけ試験終了後の同一試験体について実施する。

図 2  操作管,伝送管の引張試験

備考  は 30 mm 以上とする。

(2)

線源容器を動かないように固定し,装置に使用するものと同じレリーズワイヤで,長さ 1m のものを

線源ホルダに接続して,レリーズワイヤの末端に 100kg のおもりを取り付け,

図 に示す状態で 10

秒間維持する。この操作を 10 回繰り返す。


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Z 4560 - 1991

図 3  レリーズワイヤの引張試験

備考  は 30mm 以上とする。

6.3.9

耐久試験  線源容器に接続した操作管及び伝送管を水平直線状に配置し,伝送管の先端を床面から

2m

の高さに保持して,線源送り出し操作を連続して 3 000 回繰り返す。

なお,伝送管の長さは 5m とする。

7.

検査  検査は,6.によって試験を行い,4.の規定に適合したものを合格とする。

また,その試験結果及び検査結果を記録した検査成績書を作成し,使用者からの要求があったときは提

示しなければならない。

8.

表示

γ

線装置には,見やすい箇所に次の事項を表示しなければならない。

(1)

装置の種類

(2)

製造業者名及び製造年月

(3)

半径 2.5cm 以上の放射能標識

(4)

“放射性同位元素”の文字

(5)

線源容器に収納できる線源の種類及び最大の数量

(6)

線源の種類に応じ,前号の最大数量の線源を線源容器に収納した場合の線源から 1m の距離における

最大漏れ線量率

関連法規  労働省告示昭和 50 年第 52 号  ガンマ線照射装置構造規格


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Z 4560 - 1991

JIS Z 4560

  工業用

γ

線装置原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

丸  山      温

財団法人日本溶接専門学校

松  山      格

東京都立工業技術センター

水  沼      守

日本工業大学

鈴  木  英  世

日本アイソトープ協会

中  田  孝  良

ポニー原子工業株式会社

実  森      毅

中国エックス線株式会社

鈴  木  力  雄

日本工業検査株式会社

小木曾  克  彦

理学電機株式会社

関  田  純一郎

テスコ株式会社

松  山      秀

石川島検査計測株式会社

池  内  皎  隆

品質検査株式会社

西  田  健  陽

非破壊検査株式会社

高  木  郁  夫

富士写真フィルム株式会社

鈴  木  紀  男

工業技術院標準部電気規格課

牧  野  征  男

通商産業省機械情報産業局電気機器課

佐  藤  幸  佑

社団法人日本非破壊検査協会

(事務局)

加  藤  和  彦

社団法人日本非破壊検査協会