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Z 4325:2008

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

1

4  性能

2

4.1  相対基準誤差

2

4.2  エネルギー特性

3

4.3  方向特性

3

4.4  指示値変動

3

4.5  ドリフト

3

4.6  オーバロード特性

3

4.7  警報動作

3

4.8  温度特性

4

4.9  湿度特性

4

4.10  耐雨性

4

4.11  電源電圧及び電源周波数の変動に対する安定性

4

5  構造

4

5.1  構造一般

4

5.2  検出部

4

5.3  信号処理部

4

5.4  指示部及び警報表示部

4

5.5  電源部

4

6  試験

5

6.1  試験条件

5

6.2  試験方法

6

7  検査

8

7.1  一般

8

7.2  形式検査

9

7.3  受渡検査

9

8  表示

9

9  取扱説明書

9

附属書 A(参考)環境γ線連続モニタの校正方法

10

 


 
Z 4325:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電気

計測器工業会 (JEMIMA) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。

これによって,JIS Z 4325 : 1994 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 Z

4325

:2008

環境γ線連続モニタ

Equipment for continuously monitoring gamma radiation in the environment

序文

この規格は,1983 年に制定され,その後,改正及び確認を経て今日に至っている。前回の改正は 1994

年に行われたが,その後の技術動向,使用状況の多様性及び品質向上に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点では制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,原子力施設及び放射線施設(以下,施設という。

)の周辺に設置され,環境

γ線の空気吸収

線量率又は空気カーマ率(以下,線量率という。

)を連続的に監視するモニタ(以下,モニタという。

)に

ついて規定する。ただし,携帯形及び可搬形のモニタは除く。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0920  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

JIS Z 4001  原子力用語

JIS Z 4511  照射線量測定器,空気カーマ測定器,空気吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法

JIS Z 8103  計測用語

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 4001 及び JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1

環境γ線  (gamma radiation in the environment)

自然放射線源,

施設内の放射線源及び施設から放出された放射性物質からの光子並びにそれらの散乱線。

3.2

指示値  (H

i

) (indicated value)

モニタの線量率の指示値。

3.3

線量率の取決め真値  (H

t

) (conventional true value of dose rate)

国家標準にトレーサブルな基準測定器,標準

γ線源などで決定された基準となる線量率。



Z 4325:2008

3.4

レスポンス  (R) (response)

バックグラウンドを差し引いたモニタの正味の指示値 H

i

と線量率の取決め真値 H

t

との比をいい,次の

式による。

RH

i

H

t

3.5

指示誤差 (error of indication)

バックグラウンドを差し引いたモニタの正味の指示値 H

i

と線量率の取決め真値 H

t

との差。

3.6

相対指示誤差  (I) (relative error of indication)

指示誤差と線量率の取決め真値 H

t

との比の百分率をいい,次の式による。

t

t

i

H

H

H

I

=

×100 (%)

3.7

相対基準誤差  (relative intrinsic error)

相対指示誤差と線量率の取決め真値の不確かさとの和。

線量率の取決め真値の不確かさを (%)  とすると相対基準誤差は,±( ||+) (%)  で表す。

注記  線量率の取決め真値の不確かさは,拡張不確かさで表す。拡張不確かさは,合成標準不確かさ

に包含係数を乗じて求める。包含係数の値は,拡張不確かさに挟まれる区間の信頼の水準を基

に 2∼3 を選択する。この規格では,包含係数を 2 として取り扱う。合成標準不確かさは,各不

確かさの成分の標準偏差(標準不確かさ)の自乗和の平方根である。

3.8

デカード  (decade)

対数目盛又はこれに準じる目盛(以下,対数目盛という。

)の目盛範囲を表す単位。例えば,二つの目盛

値の比の常用対数が であるとき,この 2 目盛間の目盛範囲を デカードという。

3.9

変動係数  (V ) (coefficient of variation)

個の測定値  (x

i 

)  の標準偏差の推定値  (s)  の,平均値  ( )  に対する比をいい,次の式による。

(

)

2

1

i

1

1

1

å

=

=

=

n

i

x

x

n

x

x

s

V

3.10

有効測定範囲 

(

effective range of measurement

)

モニタが,この規格で規定する性能を満たす測定範囲。

4

性能

4.1

相対基準誤差

有効測定範囲における相対基準誤差は,6.2.2 によって試験したとき,±

20 %

とする。

なお,この規定に適合することを判断するには,線量率の取決め真値の不確かさ

U

を考慮する必要があ

る。6.2.2 による試験結果が±

(20

U) %

を超えなければ,この規定に適合するとみなす。


3

Z 4325:2008

4.2

エネルギー特性

エネルギー特性は,6.2.3 によって試験したとき,

表 の規定に適合しなければならない。ただし,表 1

に規定していない検出器を用いたモニタのエネルギー特性は,製造業者が取扱説明書に明示する。

表 1−エネルギー特性の許容範囲

レスポンスの比の許容範囲

エネルギー範囲

keV

シンチレーション

検出器の場合

電離箱の場合

半導体検出器の場合

 60 以上  100 未満

 0.5∼1.25

0.2∼1.8

0.5∼1.3

100 以上  400 未満

0.9∼1.2

0.9∼1.9

0.7∼1.3

400 以上

1 500 以下

0.9∼1.1

0.9∼1.1

0.7∼1.3

この規定に適合することを判断するには,

線量率の取決め真値の不確かさ

U

を考慮する必要がある。

137

Cs

の線量率の取決め真値の不確かさ

U

1

 (%)

及び他のエネルギーの線量率の取決め真値の不確かさ

U

2

 (%)

用い,レスポンスの比の不確かさ

x

U

を,次の式で求める。

2

2

2

1

x

01

.

0

U

U

U

+

=

例えば,許容範囲が 0.9∼1.1 のとき,レスポンスの比が 0.9×(1−

U

X

)

1.1×(1+

U

X

)  であれば,この規

定に適合するとみなす。

4.3

方向特性

方向特性は,6.2.4 によって試験したとき,

表 の規定に適合しなければならない。ただし,構造的に水

平方向の特性が必要な場合には,水平方向 360°にわたって試験をする。このときの試験方法及び許容範

囲は,受渡当事者間の協定による。

表 2−方向特性

角度範囲

許容範囲

−90°以上+90°以下

±20 %

4.4

指示値変動

指示値変動は,6.2.5 によって試験したとき,変動係数は 0.1 以下とする。

4.5

ドリフト

ドリフトは,6.2.6 によって試験したとき,直線目盛式及びデジタル式の場合,最大目盛値の±2 %とす

る。対数目盛では,±0.02

 N

デカードとする。

4.6

オーバロード特性

オーバロード特性は,6.2.7 によって試験したとき,アナログ表示の場合は,指針の位置は高線量率側の

目盛範囲外になければならない。デジタル表示の場合は,ランプその他でオーバスケールを表示する。た

だし,この性能は,6 デカードを超える有効測定範囲をもつモニタには規定しない。

4.7

警報動作

警報動作は,6.2.8 によって試験したとき,次による。

a

)  警報設定値の 95 %の信号入力に対して,警報が発生してはならない。

b

)  警報設定値の 105 %の信号入力に対して,5 分以内に警報が発生しなければならない。



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4.8

温度特性

温度特性は,6.2.9 によって試験したとき,直線目盛式及びデジタル式の場合,指示値の変化は,±5 %

とする。対数目盛の場合は,±0.02

 N

デカードとする。

4.9

湿度特性

湿度特性は,6.2.10 によって試験したとき,直線目盛式及びデジタル式の場合,指示値の変化は,±5 %

とする。対数目盛の場合は,±0.02

 N

デカードとする。

4.10

  耐雨性

耐雨性は,6.2.11 によって試験したとき,検出部に水が浸入してはならない。

4.11

  電源電圧及び電源周波数の変動に対する安定性

電源電圧及び電源周波数の変動に対する安定性は,6.2.12 によって試験したとき,直線目盛式及びデジ

タル式の場合,指示値の変化は±5 %とする。対数目盛の場合は,±0.02

N

デカードとする。

5

構造

5.1

構造一般

モニタの構造は,次による。

a

)  モニタは,検出部,信号処理部,指示部,警報表示部,電源部などで構成する。

b

)  必要に応じ,記録部,信号伝送部,データ処理部などを付加してもよい。

c

)  連続運転に耐え,堅ろうで,かつ,操作が容易な構造とする。

d

)  振動,衝撃,電磁誘導,静電気放電などの影響を受けにくい構造とする。

e

)  他の機器に対して電磁誘導などの影響を与えにくい構造とする。

5.2

検出部

モニタの検出部は,シンチレーション検出器,半導体検出器,電離箱,GM 計数管などによって構成し,

次による。

a

)  検出部は,保護カバーなどによって覆い,強い風,雨,雪などの気象条件及び外部からの機械的衝撃

に耐えなければならない。保護カバー内には,断熱材を用いるなど,必要に応じ検出器を恒温とする

機構を付加してもよい。

b

)  検出部の保護カバーなどは,検出器のエネルギー特性又は方向特性に影響を与えにくい材質及び形状

とする。

5.3

信号処理部

信号処理部は,検出部からの信号を正確に所要の電気信号に変換する回路を含み,保守点検が容易でな

ければならない。

5.4

指示部及び警報表示部

指示部及び警報表示部は,次による。

a

)  モニタの指示は,アナログ又はデジタルで表示する。アナログ表示は,直線目盛又は対数目盛とする。

単位は,nGy・h

1

,nGy / h,µGy・h

1

,µGy / h などとする。

b

)  指示値が警報設定値を超えたときには,ランプその他で表示する。

c

)  モニタの故障及び異常を検知し,これを表示する装置を付加することが望ましい。

5.5

電源部

一般に,電源は,50 Hz 又は 60 Hz の 100 V 交流電源とする。


5

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6

試験

6.1

試験条件

6.1.1

共通試験条件

6.2 の各試験方法において,基準条件は,表 の第 2 欄による。特に製造業者が指定した場合を除き,表

の第 3 欄に示す標準試験条件で行う。

標準試験条件で行えない場合は,温度,気圧及び湿度を指定し,必要に応じて基準条件の指示値に補正

する。

表 3−共通試験条件

項目

基準条件

標準試験条件

標準

γ線

137

Cs

137

Cs

予熱時間

分 30

≧30

環境温度

℃ 20

18∼22

b)

相対湿度 %

65

55∼75

b)

気圧

kPa

 101.3

86∼106

b)

電源電圧

a)

定格電源電圧

定格電源電圧±1 %

電源周波数

a)

定格電源周波数

定格電源周波数±1 %

電源波形

a)

正弦波

正弦波からのひずみ 5 %以下

γ線バックグラウンド µGy/h

空気カーマ率

0.2 以下

空気カーマ率

0.25  以下

外部電磁波

無視できるレベル

影響を認めるレベル以下

外部磁気誘導

無視できるレベル

地球磁界の 2 倍以下

モニタの設置

正規動作状態に設定

正規動作状態に設定

a)

  商用電源を使用する場合に適用する。

b)

  試験時点での実際の値を明示する。これらの値は,温暖な気候に適用可能であるが,これより低い,又は高

い温度で試験を行うときは,試験時の実際の値を明示しなければならない。海抜の高いところでは,70 kPa

まで許容する。

6.1.2

校正装置

試験には,JIS Z 4511 に規定する国家標準とのトレーサビリティが明確な,次の校正装置を使用する。

a

) 60

keV 以上 200 keV 以下のエネルギー領域における校正装置は,照射線量(率)若しくは空気カーマ

(率)基準器で校正された X 線照射装置又は標準

γ線源とし,標準γ線源の核種は,表 による。

b

) 200

keV を超え 1 500 keV 以下のエネルギー領域における校正装置は,照射線量(率)若しくは空気カ

ーマ(率)基準器で校正された

γ線照射装置又は標準γ線源とし,核種は,表 による。

c

)  照射線量(率)から空気カーマ(率)又は空気吸収線量(率)への換算係数は,JIS Z 4511 による。

d

)  線量率の取決め真値の不確かさは,10 %以下とすることが望ましい。



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表 4−標準γ線源

核種

半減期

崩壊形式

主な光子エネルギー keV,

括弧内は放出割合 (%)

241

Am 432.2 年

α 

26.3 (2.4)

  59.5 (35.9)

57

Co 271.7 日

EC

14.4 (9.2)

136  (10.7)

122  (85.6)

133

Ba 10.52 年

EC

53.2 (2.2)

303  (18.3)

79.6 (2.6)

356  (62.1)

81.0 (34.1)

384  (8.9)

276  (7.2)

137

Cs 30.04 年

β

32.2 (5.6)

  36.4 (1.3)

662  (85.1)

60

Co 5.271 年

β

1 173  (100)

1 333

(100)

6.2

試験方法

6.2.1

試験方法一般

試験方法一般は,次による。

a

)  すべての試験は,製造業者の指定する予熱時間が経過した後に実施するものとする。

b

)  試験において使用するγ線源は,試験方法に規定がない限り,

137

Cs  線源とする。

60

Co を用いた場合

は,

137

Cs に対する

60

Co のレスポンスの比を指示値に乗じて性能評価を行う。

c

)  試験条件のうちのある項目を変化させ試験する場合には,その項目以外の条件は,表 の範囲内にあ

るものとする。

d

)  校正装置を用いて試験を行う場合には,指示値はバックグラウンドの線量率を差し引いた値を用いる。

e

)  検出器へのγ線照射方向は,特に規定していない場合には,製造業者が指定する方向とする。

f

)  デジタル目盛の場合の試験結果は,デジタル誤差を除くものとする。

g

)  統計的な指示変動が,各試験の許容範囲に影響を及ぼさないように,必要な回数指示値を読み取り,

平均値を用いる。

6.2.2

相対基準誤差試験

相対基準誤差試験は,6.1.2 に規定する校正装置を用い,次の方法によって相対指示誤差を求める。また,

線量率の取決め真値の不確かさ

U

を考慮して,4.1 によって相対基準誤差の評価を行う。

なお,照射する最小線量率は,バックグラウンドの影響が無視できる線量率とし,製造業者が明示する。

a

)  形式試験

1

)  直線目盛の場合には,少なくとも中間の一つの測定レンジについて最大指示目盛の 20 %,50 %及び

80 %付近の指示における相対指示誤差を求める。その他のレンジについては,50 %付近の指示にお

ける相対指示誤差を求める。

2

)  対数目盛の場合には,少なくとも中間の 1 デカードについて 0.2,0.5 及び 1.0 デカード目盛付近の

指示における相対指示誤差を求める。その他のデカードについては,0.5 デカード目盛付近の指示に

おける相対指示誤差を求める。

3

)  デジタル目盛の場合には,各デカードの 50 %及び 100 %目盛付近の指示における相対指示誤差を求

める。

b

)  受渡試験

1

)  直線目盛の場合には,最高感度レンジを含む二つ以上の複数レンジに対し,80 %付近の指示におけ


7

Z 4325:2008

る相対指示誤差を求める。

2

)  対数目盛の場合には,最高感度デカードを含む複数デカードに対し,0.5 デカード目盛付近における

相対指示誤差を求める。

3

)  デジタル目盛の場合には,最高感度デカードを含む複数デカードに対し,50 %付近での指示値にお

ける相対指示誤差を求める。

6.2.3

エネルギー特性試験

エネルギー特性試験は,6.1.2 に規定する校正装置を用い,次の方法によってエネルギー特性を求める。

X 線照射装置を使用した場合の X 線の実効エネルギーに対するレスポンス及び標準γ線を用いた場合の

各核種に対するレスポンスを求め,

137

Cs のレスポンスを 1 としたときの各レスポンスの比を求める。

6.2.4

方向特性試験

方向特性試験は,検出器と線源との距離を一定に保ち,検出器の実効中心から鉛直上方向を 0°とし,0°

方向と照射方向とを含む平面について 0°,±30°,±60°及び±90°方向から

γ線を照射し,指示値を

読み取る。0°方向の値を基準値とし,各方向に対する指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する

百分率を求める。試験に用いる線源は,

137

Cs 又は

60

Co  γ線源のいずれかとし,用いた線源を取扱説明書

に明記する。

6.2.5

指示値変動試験

指示値変動試験は,次に示す指示値に相当する線量率の

γ線を照射し,統計的に独立とみなせる時間間

隔で,少なくとも 10 回指示値を読み取り,次の条件によって変動係数を求める。

a

)  直線目盛の場合には,最高感度指示範囲の最大目盛の 30∼50 %の指示値とする。

b

)  対数目盛の場合には,最小デカードの 0.3∼0.5 の指示値とする。

c

)  デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,30∼50 デジットとする。

ただし,高感度のモニタでバックグラウンドの指示値が a)∼c)  を超える場合には,照射する線量率は製

造業者が指定する。

6.2.6

ドリフト試験

ドリフト試験は,モニタを 100  時間連続して動作させ,その間の指示値を連続的に又は 1 時間ごとに記

録する。100 時間の指示値の平均を基準値とし,この時間内の指示の最大値及び最小値から基準値を差し

引いた値の基準値に対する百分率を求める。試験は,バックグラウンドの変化及び統計変動が十分無視で

きる程度の指示を与える線源を用い,かつ,これに対して十分な指示を与えるレンジ又はデカードを選ん

で行う。

6.2.7

オーバロード特性試験

オーバロード特性試験は,直線目盛の場合には,各指示範囲の最大目盛値の約 10 倍に相当する線量率で

5 分間照射する。対数目盛及びデジタル目盛の場合には,有効測定範囲の最大値の約 10 倍に相当する線量

率で 5 分間照射する。

6.2.8

警報動作試験

警報動作試験は,有効測定範囲の最小値の約 50 倍の線量率に警報レベルを設定し,その値を

X

とする。

a

)  パルス信号発生装置又は直流電流発生装置を用いて,指示下方から

X

の 95 %まで上昇させる。形式試

験の場合,100 時間警報が発生しないことを確認する。受渡試験の場合,30 分間警報が発生しないこ

とを確認する。

b

)  モニタ起動から 1 時間経過した後に,パルス信号発生装置又は直流電流発生装置を用いて,指示下方

から

X

の 105 %まで上昇させ,5 分以内に警報が発生することを確認する。



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6.2.9

温度特性試験

温度特性試験は,モニタの検出部を恒温槽内に設置し,バックグラウンド及び数え落としの影響が十分

無視できる線量率の

γ線を照射して行う。周囲温度−10  ℃,20  ℃及び 40  ℃でそれぞれ 4  時間以上放置

し,最後の 30 分間の指示値を記録する。20  ℃における指示値を基準値とし,それぞれの周囲温度におけ

る指示値から基準値を差し引いた値の,基準値に対する百分率を求める。検出部に温度調節機能をもつモ

ニタの場合は,これを動作させた状態で試験する。

なお,恒温槽内の温度の許容差は,いずれも±2  ℃とする。

6.2.10

  湿度特性試験

湿度特性試験は,検出部を恒温槽内に設置し,バックグラウンド及び数え落としの影響が十分無視でき

る線量率の

γ線を照射して行う。相対湿度 40 %,65 %及び 90 %でそれぞれ 4 時間以上放置し,最後の 30

分間の指示値を記録する。相対湿度 65 %における指示値を基準値とし,それぞれの相対湿度における指示

値から基準値を差し引いた値の,基準値に対する百分率を求める。検出部に温度調節機能をもつモニタの

場合は,これを動作させた状態で試験する。

なお,恒温槽内の温度は,35±2  ℃,相対湿度の許容差は,±5 %とする。

6.2.11

  耐雨性試験

耐雨性試験は,検出部に対し,JIS C 0920 の 14.2.3(オシレーティングチューブ又は散水ノズルによる

第二特性数字 3 に対する試験)に規定する散水試験を行う。

6.2.12

  電源電圧及び電源周波数の変動に対する安定性試験

電源電圧及び電源周波数の変動に対する安定性試験は,バックグラウンド及び数え落としの影響が十分

無視できる線量率の

γ線を照射し,次の試験を行う。

a

)  電源電圧の変動に対する試験  電源電圧を定格電圧値の 88 %,100 %及び 110 %にした場合の指示値

を記録する。定格電圧における指示値を基準値とし,各電圧における指示値から基準値を差し引いた

値の,基準値に対する百分率を求める。

b

)  電源周波数の変動に対する試験  

1

)  定格周波数が 50 Hz の場合,電源周波数を 47 Hz,50 Hz  及び 51 Hz にしたときの指示値をそれぞれ

記録する。定格周波数 50 Hz における指示値を基準値とし,各周波数における指示値から基準値を

差し引いた値の,基準値に対する百分率を求める。

2

)  定格周波数が 60 Hz の場合,電源周波数を 57 Hz,60 Hz  及び 61 Hz にしたときの指示値をそれぞれ

記録する。定格周波数 60 Hz  における指示値を基準値とし,各周波数における指示値から基準値を

差し引いた値の,基準値に対する百分率を求める。

7

検査

7.1

一般

モニタの検査は,形式検査

1)

と受渡検査

2)

とに区分し,箇条 に規定する方法で行い,箇条 の規定に

適合したものを合格とする。

なお,形式検査及び受渡検査の抜取方式は,受渡当事者間の協定による。

1)

  製品の品質が,設計で示したすべての特性を満足するかどうかを判定するための検査。

2)

  既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。


9

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7.2

形式検査

形式検査の項目は,次による。

a

)  相対基準誤差

b

)  エネルギー特性

c

)  方向特性

d

)  指示値変動

e

)  ドリフト

f

)  オーバロード特性

g

)  警報動作

h

)  温度特性

i

)

湿度特性

j

)  耐雨性

k

)  電源電圧及び電源周波数の変動に対する安定性

7.3

受渡検査

受渡検査の項目は,少なくとも次による。

a

)  相対基準誤差

b

)  警報動作

8

表示

モニタには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。

a

)  規格名称又は規格番号

b

)  モニタの名称

c

)  製造業者が定める種類の記号及び/又は形式記号

d

)  定格電圧,定格周波数及び定格消費電力(製造業者が定める)

e

)  製造業者名又はその略号

f

)  製造番号及び製造年月(又はその略号)

9

取扱説明書

モニタには,少なくとも次の内容及び取扱い上の注意事項を記載した取扱説明書を添付しなければなら

ない。

a

)  検出器の種類及び寸法

    例:インチ円筒形 NaI (Tl)  シンチレーション検出器

b

)  有効測定範囲

c

)  警報線量率設定範囲

d

)  予熱時間

e

)  相対基準誤差(製造業者が定める)

f

)  エネルギー特性

g

)  方向特性

h

)  モニタの設置方法(附属書 参照)


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附属書 A

参考)

環境γ線連続モニタの校正方法

序文

この附属書は,環境

γ線連続モニタの校正方法について記載するものであって,規定の一部ではない。

A.1

  一般原則

相対基準誤差試験は,JIS Z 4511 に規定する校正装置によって照射試験を実施する。校正は,校正定数

を与えるものであり,許容範囲で合否判定をするものではない。しかし,相対基準誤差±20 %は,校正定

数が 0.8∼1.2 であることを暗示している。多くの場合には,製造業者は出荷時に使用者に対して,この規

格に基づく受渡試験結果を提示するとともに,JIS Z 4511 に基づく校正結果書又は校正証明書を発行して

いる。また,モニタが現場に設置された後の定期的な機器の健全性を確認することを考慮して,標準

γ線

源による距離 1 m での校正も受渡試験として実施しているのが一般的である。

この附属書では,モニタの設置場所における校正方法及び留意点を記載する。

A.2

  モニタの設置場所における校正方法

A.2.1

  一般

モニタの校正を設置場所で行う場合は,

製造業者が行う受渡試験と同等の試験を行うことは困難である。

しかし,モニタの設置場所において,国家標準とのトレーサビリティが明確な標準器によって,線源の実

効中心から一定距離における照射線量(率)について校正された標準

γ線源を用いた JIS Z 4511 に規定す

る線源法又は逆 2 乗法による実用校正は可能である。また,モニタの性能が校正時から継続して維持され

ていることを検証するためには,JIS Z 4511 に規定された密封線源を用いた確認校正も有効である。

標準

γ線源を用いた実用校正の方法を参考として A.2.2A.2.5 に示す。

A.2.2

  標準γ線源

標準

γ線源は,次による。

a

)  モニタ校正用の標準γ線源の核種は,

60

Co 又は

137

Cs とする。ただし,

226

Ra を用いてもよい。

b

)  標準γ線源は,モニタの校正に適切な線量率範囲を設定できる線源とする。

c

)  標準γ線源の線量率は,時間経過によって減衰するため,校正時の線量率は減衰補正を行う。

A.2.3

  校正

A.2.3.1

  校正条件

校正条件は,次による。

a

)  校正は,標準γ線源によって行う。

b

)  検出器の実効中心が不明であれば,製造業者の指定した点,又は指定した点がないときは,幾何学的

中心とする。

c

)  校正は,通常校正結果に影響を及ぼすような気象条件を避けて行う。

d

)  校正は,モニタの動作が十分安定になった状態で行う。

A.2.3.2  校正方法

校正方法は,次による。


11

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a

)  図 A.1 に示すように,校正方向の上方に標準γ線源の校正距離と等しい距離に線源を固定する。

b

)  校正方向は,検出器の中心軸に水平又は垂直とする(図 A.1 参照)。

c

)  校正定数の決定に用いる線量率は,標準γ線源の校正値に,半減期による減衰及び周囲からの散乱γ

線の寄与を補正して決定する。

d

)  校正を行うとき,標準γ線源の影響のない状態におけるモニタの指示値(以下,環境γ線の線量率に

よる指示値という。

)を確認する。

e

)  校正定数

K

  は,次の式による。

b

Q

Q

D

K

&

&

&

=

ここに,

D&: 校正時における標準γ線源の線量率

Q&: 標準γ線源による照射時の指示値

b

Q&: 環境γ線の線量率による指示値

A.2.4

  測定方法

測定方法は,次による。

a

)  電離電流又はパルス計数率のアナログ出力を線量率で指示する方式の場合は,次のいずれかの方法に

よって行う。

1

)  統計的に独立とみなせる時間間隔で測定を 5 回行い,その結果について平均値をとる。

2

)  出力を記録計に記録し,平均値を読み取る。

b

)  単位時間内のパルス計数値から換算によって線量率を算出する方式の場合は,変動係数が 0.05  以下に

なる計数値が得られる時間計数とし,その計数率から線量率を求める。

A.2.5

  校正結果の記録

モニタの校正の記録内容は,次による。

a

)  モニタの名称

b

)  モニタの形式,製造番号及び製造業者

c

)  モニタの設置場所

d

)  校正者の氏名

e

)  用いた標準γ線源の線源番号,核種及び基準点における線量率

f

)  校正年月日及び時刻

g

)  校正日の天気,気温,積雪の状態などの気象条件

h

)  校正方向及び校正距離

i

)

機器設置場所の環境

γ線の線量率による指示値

j

)  校正線源に対する線量率指示値

k

)  機器設置場所の周囲条件などに関する特記事項

注記  機器の設置場所周辺の地形,建造物などが線量率に影響を及ぼす可能性がある場合には,略

図を付ける。


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水平の場合

垂直の場合

注記 1  校正基準点とは,検出器の実効中心を考慮した校正の基準となる点。 
注記 2  校正方向とは,校正基準点と標準γ線源の実効中心点とを結ぶ方向。 
注記 3  校正距離とは,校正基準点と標準γ線源の実効中心点間との距離。

図 A.1−標準γ線源及び検出器の配置関係の例