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Z 4324

:2009

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  種類

3

5

  性能

3

5.1

  相対基準誤差 

3

5.2

  エネルギー特性

3

5.3

  方向特性 

3

5.4

  指示値変動 

4

5.5

  応答時間 

4

5.6

  ドリフト 

4

5.7

  オーバロード特性

4

5.8

  温度特性 

4

5.9

  湿度特性 

4

5.10

  警報レベルの誤差

4

5.11

  警報レベルの安定性

4

5.12

  電源電圧の変動に対する安定性

4

6

  構造

5

6.1

  一般

5

6.2

  検出部

5

6.3

  指示部

5

6.4

  警報部

5

7

  試験

5

7.1

  試験条件 

5

7.2

  試験方法 

6

8

  検査

9

8.1

  一般

9

8.2

  形式検査 

9

8.3

  受渡検査 

10

9

  表示

10

10

  取扱説明書 

10

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

11


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電気

計測器工業会(JEMIMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 4324:1997 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

4324

:2009

X

線及び γ 線用エリアモニタ

Area monitors for X and

γ rays

序文 

この規格は,1992 年に第 2 版として発行された IEC 60532 を基に作成した日本工業規格であるが,我が

国の使用状況及びその後の技術進歩に伴い,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,原子力施設及び放射線施設(以下,施設という。

)の建屋内の作業環境における,X 線及び

γ 線の 1 cm 線量当量率を連続的に監視するためのエリアモニタ(以下,モニタという。)について規定す

る。ただし,パルス状の放射線の測定を目的としたモニタには適用しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60532:1992

,Radiation protection instrumentation−Installed dose ratemeters, warning assemblies

and monitors−X and gamma radiation of energy between 50 keV and 7 MeV (MOD)

なお,対応の程度を表す記号 (MOD) は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを

示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 4001

  原子力用語

JIS Z 4511

  照射線量測定器,空気カーマ測定器,空気吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方

JIS Z 8103

  計測用語

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 4001 及び JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1 

1 cm 

線量当量率,H*(10) (ambient dose equivalent rate) 

ICRU 球  (International Commission on Radiation Units and Measurements sphere)  を単一方向の面平行ビー

ムの中性子又は光子で照射したときの,入射方向に沿い入射面から主軸上 1 cm の深さにおける線量当量率。

単位は,Sv/h である[以下,線量率 (dose rate) という。


2

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3.2  

検出部  (detector assembly) 

放射線検出器及びそれに附属する機能ユニットを含む装置。

3.3  

処理部  (processing assembly) 

検出部からの出力を受け,指示部及び警報部への出力を行う装置。

3.4  

指示部  (indication assembly) 

線量率を表示する装置。処理部を内部に含むこともある。他の種類の放射線モニタの指示も含め複数の

検出部の指示を集中的に監視する装置 (Centralizer) の機能の一部であることもある。

3.5  

警報部  (alarm assembly) 

測定値がある設定値を超えたことを知らせるための装置。

3.6 

線量率の取決め真値  (conventionally true value of dose rate) 

モニタの校正に用いる線量率の最良推定値。

3.7 

線量率の指示値  (indicated dose rate) 

指示部に指示される線量率。

3.8 

変動係数  (V) (coefficient of variation ) 

n

個の測定値  (x

i

 )  の標準偏差の推定値 ( s )  の,平均値  ( )  に対する比。

(

)

n

i

i

x

x

n

x

x

s

V

1

2

1

1

1

3.9 

指示誤差  (error of indication) 

測定点における線量率の指示値  (M

i

)  と線量率の取決め真値  (M

t

)  との差。

3.10 

相対指示誤差(I) (relative error of indication) 

指示誤差と線量率の取決め真値との百分率で,次の式による。

100

t

t

×

M

M

M

I

i

3.11 

相対基準誤差  (E) (relative intrinsic error) 

基準の試験条件下での,相対指示誤差と線量率の取決め真値との不確かさの和。相対指示誤差を I,線

量率の取決め真値の不確かさを U (包含係数 k  =  2)  とすると,相対基準誤差は,| I |+で表す。

注記  線量率の取決め真値の不確かさは,拡張不確かさで表す。拡張不確かさは,合成標準不確かさ

に包含係数を乗じて求める。包含係数の値は,拡張不確かさに挟まれる区間の信頼の水準を基

に 2  ∼  3 が選択される。この規格では,包含係数を 2 として取り扱う。合成標準不確かさは,


3

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各不確かさの成分の標準偏差(標準不確かさ)の自乗和の平方根である。

3.12  

有効測定範囲  (effective range of measurement) 

この規格の要求に適合する測定範囲。

3.13  

デカード  (decade) 

対数目盛又はこれに準じる目盛(以下,対数目盛という。

)の目盛範囲を表す単位。例えば,二つの目盛

値の比の常用対数が であるとき,この 2 目盛間の目盛範囲を デカードという。

3.14 

レスポンス  (response) 

指示値からバックグラウンドを差し引いた値を,検出器位置における線量率で除した値。

種類 

モニタは,

表 に示す性能によって区分し,1 級及び 2 級とする。

性能 

5.1 

相対基準誤差 

相対基準誤差は,7.2.2 によって試験したとき,±30  %の範囲内でなければならない。ただし,この規

定に適合することを判断するには,線量率の取決め真値の不確かさ を考慮する必要がある。7.2.2 による

試験結果が±(30+U)  %の範囲内であれば,この規定に適合するものとみなす。

5.2 

エネルギー特性 

エネルギー特性は,7.2.3 によって試験したとき,80 keV∼1.5 MeV のエネルギー範囲について

表 の規

定に適合しなければならない。80 keV 未満及び 1.5 MeV を超えるエネルギー範囲を測定対象とするモニタ

については,80 keV∼1.5 MeV のエネルギー範囲以外のエネルギー特性は受渡当事者間の協定による。

表 1−エネルギー特性の許容範囲

種類

レスポンスの比の許容範囲

1 級 0.75∼1.25 
2 級 0.5∼2.5

この規定に適合することを判断するには,線量率の取決め真値の不確かさ を考慮する必要がある。

137

Cs の線量率の取決め真値の不確かさ  (U

1

%)  ,及び他のエネルギーの線量率の取決め真値の不確かさ

(U

2

%)  を用い,レスポンスの比の不確かさ  (U)  を次の式で求める。

2

2

2

1

+

01

0

=

U

U

.

U

例えば,許容範囲が 0.75  ∼ 1.25 のときレスポンスの比が (0.75−U)

  (1.25

U)  であれば,この規定

に適合するとみなす。

5.3 

方向特性 

方向特性は,7.2.4 によって試験したとき,±20  %の範囲内でなければならない。ただし,製造業者は,

±90°における方向特性を明示することとし,許容範囲は規定しない。


4

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5.4 

指示値変動 

指示値変動は,7.2.5 によって試験したとき直線目盛及びデジタル目盛の場合は,0.1 以下でなければな

らない。対数目盛の場合は,0.2 以下でなければならない。

5.5 

応答時間 

応答時間は,レートメータ方式のモニタの場合,7.2.6 によって試験したとき,60 秒以下でなければなら

ない。ただし,5.4 の規定に適合するために 60 秒以上の応答時間が必要な場合には,5.4 を優先する。ま

た,計数値積算方式のモニタについては,許容範囲は規定しないが積算時間を明示する。

5.6 

ドリフト 

ドリフトは,7.2.7 によって試験したとき,次の規定に適合しなければならない。

a)

直線目盛の場合,最大目盛の±2  %

b)

デジタル式の場合,基準値の±5  %

c)

対数目盛の場合,基準値の±5  %又は±0.02  ×デカード

5.7 

オーバロード特性 

オーバロード特性は,7.2.8 によって試験したとき,直線目盛及び対数目盛の場合の指示は,高線量率側

の目盛範囲外にとどめなければならない。デジタル式の場合は,ランプその他でオーバスケールを表示し

なければならない。

5.8 

温度特性 

温度特性は,7.2.9 によって試験したとき,直線目盛及びデジタル式の場合の指示値の変化は,±10  %

の範囲内でなければならない。対数目盛の場合は,基準値の±10  %の範囲内,又は±0.02  ×デカード

のいずれかに適合しなければならない。

5.9 

湿度特性 

湿度特性は,7.2.10 によって試験したとき,直線目盛及びデジタル式の場合の指示値の変化は,±10  %

の範囲内でなければならない。対数目盛の場合は,基準値の±10  %の範囲内,又は±0.02  ×デカード

のいずれかに適合しなければならない。

5.10 

警報レベルの誤差 

警報レベルの誤差は,7.2.11 によって試験したとき,±30  %の範囲内でなければならない。

5.11 

警報レベルの安定性 

警報レベルの安定性は,7.2.12 によって試験したとき,

表 の規定に適合しなければならない。

表 2−警報レベルの安定性試験

測定項目

動作内容

警報レベルの 90 %の信号入力(24 時間)

形式試験,受渡試験:警報は動作しない。

警報レベルの 110  %の信号入力(24 時間)

形式試験,受渡試験:60 秒以内に警報が動作する。

警報レベルの 80 %の信号入力(2 週間)

形式試験:警報は動作しない。

警報レベルの 120  %の信号入力(2 週間)

形式試験:60 秒以内に警報が動作する。

5.12 

電源電圧の変動に対する安定性 

電源電圧の変動に対する安定性は,7.2.13 によって試験したとき,直線目盛及びデジタル式の場合の指

示値の変化は,±10  %の範囲でなければならない。対数目盛の場合は,基準値の±10  %の範囲内,又は

±0.02  ×デカードのいずれかに適合しなければならない。


5

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構造 

6.1 

一般 

構造は,次による。

a)

モニタは,検出部,処理部,指示部,警報部などによって構成する。

b)

必要に応じ,記録部,データ記録部などを付加することができる。

c)

連続運転に耐え,堅ろうで,かつ,操作及び保守を容易なものとする。

d)

振動,衝撃,腐食性ガスなどの影響を受けにくい構造とする。

e)

電磁誘導,静電気などの影響を受けにくい構造とする。

f)

他の機器に対して電磁誘導などの影響を与えにくい構造とする。

g)

警報の確認のために検出部の出力を模擬できる構造とする。警報の確認のとき,可能な限り検出部へ

のアクセスを要しないことが望ましい。

6.2 

検出部 

検出部は,次による。

a)

電離箱,GM 計数管,半導体検出器,シンチレーション検出器などの放射線検出器が内蔵され,汚染

しにくい構造か,除染又は交換が容易な構造でなければならない。製造業者は,放射線検出器の種類

及びその他の放射線検出器の諸特性を示さなければならない。

b)

測定対象とする放射線以外の放射線の存在する場で用いる場合,それらに対する応答を明示しなけれ

ばならない。

c)

検出部は,

中性子の存在する場で用いる場合,

中性子放射化の少ない材質で構成することが望ましい。

d)

基準照射方向を示す表示は,検出部表面に示さなければならない。

6.3 

指示部 

指示部は,次による。

a)

指示は,アナログ式又はデジタル式とする。アナログ式の場合,直線目盛又は対数目盛で指示する。

b)

直線目盛の場合,隣り合うスケールの最大値の比は,10 以下でなければならない。

c)

有効な指示範囲は直線目盛の場合,各レンジの少なくとも 10  %∼100  %,対数目盛の場合,少なく

とも最小指示値の 1.5 倍からフルスケール,デジタル式の場合,少なくとも最小デカードの 2 倍から

フルスケールとする。

6.4 

警報部 

警報部は,次による。

a)

設定値を超える指示に対し,ランプ,ブザーなどによって警報を発しなければならない。

b)

モニタの故障又は異常を表示しなければならない。

c)

警報は,リセット又は原因の解消まで維持しなければならない。

d)

警報動作をチェックできるテスト機能を設けなければならない。また,警報設定が可変な場合は,警

報設定ポイントを確認できなければならない。

試験 

7.1 

試験条件 

7.1.1 

共通試験条件 

7.2

の試験方法における基準条件は,

表 の第 2 欄による。特に,指示のある場合を除きこの規格におけ

る試験は,

表 の第 3 欄に規定する標準試験条件とする。


6

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標準試験条件で行えない場合は,温度,気圧及び湿度を指定し,必要に応じて基準条件の指示値に補正

する。

表 3−共通試験条件

項目

基準条件

(製造業者の指定がないとき)

標準試験条件

(製造業者の指定がないとき)

標準線源

137

Cs

137

Cs

予熱時間

分 15

15 以上

環境温度

℃ 20

18

∼ 22

相対湿度

% 65

50

∼ 75

気圧

a)

 kPa

101

86

∼ 106

電源電圧

正規電源電圧

正規電源電圧±1  %

電源周波数

b)

正規電源周波数

正規電源周波数±1  %

電源波形

正弦波

正弦波からのひずみ 5  %以下

γ 線バックグラウンド

μGy/h

空気カーマ率  0.2 以下

空気カーマ率  0.25 以下

外部電磁波

無視できるレベル

影響の認められるレベル以下

外部磁気誘導

無視できるレベル

地球磁界の 2 倍以下

装置を置く方向

製造業者が指定

±10°

装置の制御

通常使用状態

通常使用状態

放射性物質による汚染

無視できるレベル

無視できるレベル

a)

  気圧の変化に敏感な装置を用いる場合は,基準圧力の±5  %の範囲に制限する。

b)

 DC 電源が使用される場合は,周波数は規定しない。

7.1.2 

校正装置 

試験には,JIS Z 4511 に規定する,次の a)  及び b)  の校正装置を使用する。

a)  X

線用の校正装置は,照射線量(率)国家標準とのトレーサビリティが明確な照射線量(率)測定器

によって照射線量(率)が測定された X 線照射装置とする。

b)

γ 線用の校正装置は,照射線量(率)国家標準とのトレーサビリティが明確な照射線量(率)測定器

によって照射線量(率)が測定された

γ 線照射装置又は基準 γ 線源とする。

c)

照射線量(率)から 1 cm 線量当量(率)への換算係数は,JIS Z 4511 による。

d)

線量率の取決め真値の不確かさは,10  %以内とすることが望ましい。

7.1.3 

試験の種類 

試験の種類は,次による。ただし,この規格の 7.2 に示す試験は,特に規定がない限り形式試験に関す

るものである。これらの試験の一部は,受渡当事者間の協定によって受渡試験として用いてもよい。

a)

形式試験  モニタが所定の仕様を満足していることを示すために,設計段階で一つ又は二つ以上のモ

ニタを用いて行われる試験。

b)

受渡試験  モニタが所定の試験条件下で仕様を満足していることを使用者に示すための契約上の試験。

7.2 

試験方法 

7.2.1 

一般 

試験方法一般は,次による。

a)

すべての試験は,電子回路については 15 分間以上の予熱時間が経過した後に実施するものとする。

b)

試験条件のうち一つ又は複数の項目を変化させ試験する場合,その項目以外の条件は,

表 に規定す

る範囲内にあるものとする。

c)

試験において使用する

γ 線源は,試験方法に規定がない限り,

137

Cs  線源とする。

60

Co  を用いる場合


7

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は,

137

Cs に対する

60

Co のレスポンスの比を指示値に乗じて性能評価を行う。

d)

校正装置を用いて試験を行う場合,指示値はバックグラウンドの線量率を差し引いた値を用いる。

e)

検出部への

γ 線照射方向は,特に規定していない場合,製造業者が指定する方向とする。

f)

デジタル目盛の場合の試験結果は,デジタル誤差を除くものとする。

g)

形式試験は,各形式に対して最低限 1 個の装置に対して行う。受渡試験は,装置ごとに行う。

7.2.2 

相対基準誤差試験 

相対基準誤差試験は,7.1.2 に規定する校正装置を用い,次の方法によって行う。

a)

形式試験  

1)

直線目盛の場合,各レンジの 25  %,50  %及び 75  %付近の指示について相対基準誤差を求める。

2)

対数目盛及びデジタル目盛の場合には,各デカードごとに,各デカードの最大値の 70  %以上,及

びその 1/3 以下の指示について相対基準誤差を求める。

b)

受渡試験

1)

直線目盛の場合,各レンジの 50  %∼75  %付近の 1 点の指示について相対基準誤差を求める。

2)

対数目盛及びデジタル目盛の場合,各デカードごとに,各デカードの 50  %∼90  %の間の 1 点の指

示について相対基準誤差を求める。

受渡試験においては,最高レンジ(又はデカード)の 1 点及び最低レンジ(又はデカード)の 1 点で線

源を使った試験を実施すれば,残りは照射にかえて電気信号で行ってもよい。電気信号は検出部からの信

号を可能な限り模擬し,検出部以外の装置全体を試験できるものでなければならない。

なお,高線量率などで同一の放射線源によって試験することが難しい場合には,必要に応じて補正を行

えば X 線などほかの放射線を使用してもよい。

7.2.3 

エネルギー特性試験 

エネルギー特性試験は,7.1.2 に規定する校正装置を用い,次の方法によって行う。

各核種(X 線照射装置を用いた場合には,X 線の実効エネルギー)に対するレスポンスを求め

137

Cs  の

レスポンスに対する比を求める。

7.2.4 

方向特性試験 

検出部基準照射方向を 0°とし,

照射方向並びに検出部中心軸を含む水平及び垂直の 2 平面について,

0°,

±15°,±30°,±45°,±60°及び±90°方向から

γ 線を照射し,指示値を読み取る。試験には,

137

Cs γ

線源を用いる。0°方向の値を基準値とし,各方向に対する指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対

する百分率を求める。

7.2.5 

指示値変動試験 

次に規定する指示値に相当する線量率の

γ 線を照射し,統計的に独立とみなせる時間間隔で少なくとも

10  回指示値を読み取り,変動係数を求める。

a)

直線目盛の場合には,最高感度指示範囲の最大目盛の 30  %∼70  %の指示値とする。

b)

対数目盛の場合には,最小デカードの 0.3∼0.7 の指示値とする。

c)

デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,30 digit∼70 digit とする。

7.2.6 

応答時間試験 

モニタに対する線量率を急に変化させ,指示値が から N’  になるとき,指示値が から次に示す値に

なるまでに要する時間を求める。

N

+0.9 (N’N)

測定は指示値を増加させる場合について行い,N’/が 10 以上になる線量率で行うとともに,照射量の


8

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変化は,応答時間の 1/10 未満の時間で完了することが望ましい。ただし,放射線による照射を電気信号で

代替してもよい。電気信号は検出部からの信号を可能な限り模擬し,検出部以外の装置全体を試験できる

ものでなければならない。

7.2.7 

ドリフト試験 

ドリフト試験は,次による。

a)

モニタを起動させて 30 分後に,十分な指示値を読み取り,基準値とする。

b)

モニタを 24  時間連続して動作させ,その間の指示値を 1 時間ごとに記録する。

c) 24

時間の指示値の最大値及び最小値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率をそれぞれ

求める。対数目盛の場合は,指示値の最大値及び最小値を基準値で除した値の常用対数を求めてもよ

い。

試験は,バックグラウンドの変化及び統計変動が十分無視できる程度の指示を与える線源又は照射装置

を用い,かつ,これに対して十分な指示を与えるレンジ又はデカードを選んで行う。

7.2.8 

オーバロード特性試験 

X 線,又は γ 線によって,直線目盛及び対数目盛の場合には,各指示範囲の最大目盛値の 10 倍又は約

100 倍に相当する線量率で,5 分間以上照射する。デジタル式の場合には,有効測定範囲の最大値の 10 倍

又は約 100 倍に相当する線量率で,5 分間以上照射する。直線目盛,対数目盛及びデジタル式は,この間

の指示値が最大目盛値を超えていることを確認する。ただし,何倍の照射を与えたかを明示する。

7.2.9 

温度特性試験 

モニタ全体を恒温槽内に設置し,バックグラウンド及び数え落としの影響が十分無視できる線量率の

γ

線を照射して行う。周囲温度 10  ℃,20  ℃及び 50  ℃でそれぞれ 4  時間以上放置し,最後の 30  分間の指

示値を記録する。20  ℃における指示値を基準値とし,それぞれの周囲温度における指示値から基準値を差

し引いた値の,基準値に対する百分率を求める。対数目盛の場合は,それぞれの周囲温度における指示値

を基準値で除した値の常用対数を求めてもよい。検出部に温度調節機能をもつモニタの場合は,これを動

作させた状態で試験する。

なお,必要に応じてモニタを構成する装置ごとに別々に試験してもよく,検出部以外の装置を試験する

ときには,

γ 線の照射ではなく電気信号で代替してもよい。

7.2.10 

湿度特性試験 

モニタ全体を恒温槽内に設置し,バックグラウンド及び数え落としの影響が十分無視できる線量率の

γ

線を照射して行う。温度 35  ℃で,相対湿度 40  %,65  %及び 90  %でそれぞれ 4  時間以上放置し,最後

の 30  分間の指示値を記録する。相対湿度 65  %における指示値を基準値とし,それぞれの相対湿度におけ

る指示値から基準値を差し引いた値の,基準値に対する百分率を求める。対数目盛の場合は,それぞれの

相対湿度における指示値を基準値で除した値の常用対数を求めてもよい。

なお,必要に応じてモニタを構成する装置ごとに別々に試験してもよく,検出部以外の装置を試験する

ときには,

γ 線の照射ではなく電気信号で代替してもよい。

7.2.11 

警報レベルの誤差試験 

パルス信号発生器又は電流源を用いる。

警報設定点を設定範囲の最大値及び最小値としたときについて,

指示値の上昇を検知する警報については下方から,下降を検知する警報については上方から警報設定点に

近づけていき,警報を発するレベルを求め,このレベルと警報設定点との差の警報設定点に対する百分率

を求める。


9

Z 4324

:2009

7.2.12 

警報レベルの安定性試験 

警報レベルの安定性試験は,指示値の上昇を検知する警報について行い,次による。

a)  7.2.11

で求めた警報を発するレベルの 90  %の指示値を与える入力を電気的に処理部に 24 時間与え,

期間中警報の発生しないことを確認する。

b)

動作開始後 30 分及び 24 時間に,7.2.11 で求めた警報を発するレベルの 110  %の指示値を与える入力

を電気的に処理部に与え,警報が 60 秒以内に発生することを確認する。

c)

7.2.11

で求めた警報を発するレベルの 80  %の指示値を与える入力を電気的に処理部に 2 週間与え,期

間中警報の発生しないことを確認する。

d)

動作開始後 2 週間後に,7.2.11 で求めた警報を発するレベルの 120  %の指示値を与える入力を電気的

に処理部に与え,警報が 60 秒以内に発生することを確認する。

7.2.13 

電源電圧の変動に対する安定性試験 

次に規定する指示値に相当する線量率の X 線又は

γ 線を照射して行う。電源電圧を定格電圧の 88  %,

100  %及び 110  %にした場合の指示値を読み取る。定格電圧における指示値を基準値とし,各電圧におけ

る指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。対数目盛の場合は,各電圧におけ

る指示値を基準値で除した値の常用対数を求めてもよい。

a)

直線目盛の場合には,最高感度指示範囲の最大目盛の 30  %∼70  %の指示値とする。

b)

対数目盛の場合には,最小デカードの 0.3∼0.7  の指示値とする。

c)

デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,30 digit∼70 digit とする。

検査 

8.1 

一般 

モニタの検査は,形式検査

1)

と受渡検査

2)

とに区分し,検査の項目は,それぞれ次による。

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協定による。

1)

  形式検査は,製品の品質が設計で示したすべての特性に適合するかを判定するための検査。

2)

  既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡し時に,必要と認める特性を

満足するものであるかを判定するための検査。

8.2 

形式検査 

形式検査は次の項目とし,箇条 によって試験を行い,箇条 の規定に適合したものを合格とする。

a)

相対基準誤差

b)

エネルギー特性

c)

方向特性

d)

指示値変動

e)

応答時間

f)

ドリフト

g)

オーバロード特性

h)

温度特性

i)

湿度特性

j)

警報レベルの誤差

k)

警報レベルの安定性

l)

電源電圧の変動に対する安定性


10

Z 4324

:2009

8.3 

受渡検査 

受渡検査は,次の項目のほか,受渡当事者間の協定によって定める項目について行い,箇条 の規定に

適合したものを合格とする。

a)

相対基準誤差

b)

警報レベルの安定性

表示 

モニタには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。

a)

規格名称及び規格番号

b)

モニタの種類

c)

名称及び形名

d)

製造番号

e)

製造年月又はその略号

f)

製造業者名又はその略号

10 

取扱説明書 

モニタには,少なくとも次の事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。

a)

モニタの種類

b)

検出器の種類及び寸法

c)

相対基準誤差

d)

警報レベルの誤差

e)

エネルギー特性

f)

方向特性

g)

有効測定範囲

h)

警報設定範囲

i) 

据付方法

j)

取扱上の注意事項

k)

その他必要な事項


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS Z 4324:2009

  X 線及び

γ 線用エリアモニタ

IEC 60532:1992

, Radiation protection instrumentation − Installed dose ratemeters,

warning assemblies and monitors−X and gamma radiation of energy between 50 keV 
and 7 MeV

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際

規 格
番号

箇条番

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1  適用範

原子力施設及び放射線施設
の建屋内の作業環境におけ
る,X 線及び

γ 線の 1 cm

線量当量率を連続的に監視
するためのエリアモニタ

 1  据付形のエアカーマ,線

量当量,又は他の等方的
な照射量を測定するため

のエリアモニタ

変更

屋外のモニタリング装置として
は,JIS Z 4325(環境

γ線連続モ

ニタ)があるため建屋内に限定

した。また,日本では通常 1 cm
線量当量率で測定されているた
め,測定対象量を 1 cm 線量当量

率に限定した。

日本での使用実態による。

3  用語及
び定義

4 以降で使用する用語  3  国際規格内で使用してい

る用語

変更

4 以降で使用していない用語及
び JIS Z 4001 に記載されている
用語を削除。また,検出部,処
理部,警報部,指示部及びデカ

ードを定義。

実質的な差異はない。

4  種類

表 1 による 1 級,2 級  2.5 Table

2,3 に示す

Classification

変更

種類を,現在日本で使用されて
い る モ ニ タ に 合 わ せ て 整 理 し

た。

国際規格を改正するよう提案を検
討する。 

5  性能 5.1

相対基準誤差

±30  %

 Table

2

相対基準誤差 
I 級:±15  % 
II 級:±30  %

変更

国内外でほとんど使用実態のな

い IEC 規格の I 級の規格内容を
削除した。

11

Z 4324


2009


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際
規 格

番号

箇条番

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5  性能
(続き)

5.2  エネルギー特性 
レスポンスの比 
1 級:0.75∼1.25 
2 級:0.5∼2.5

 Table

3

エネルギー特性

レスポンスの比 
I 級:0.75∼1.25 (50 keV∼
300 keV) 
0.9 ∼ 1.1 (300 keV ∼ 1.5 
MeV) 
II 級:0.75∼1.25

変更

国内外でほとんど使用実態のな

い IEC 規格の I 級の規格内容を
削除し,また,国内で使用され
ている 0.5∼2.5 のエネルギー特

性をもつモニタを定義し,種類
を整理した。

国際規格を改正するよう提案を検

討する。

 5.3

方向特性

0∼60°±20  % 
なお,製造業者は±90°にお

ける方向特性を明示する。
許容範囲は規定しない。

 3.8 方向特性

配置 A 
0∼120°±20  % 
配置 B 
0∼60°±20  %

追加

配置 B に統一するとともに,±
90°における方向特性を明示す
ることを要求した。

 5.5

応答時間

60 秒以下,ただし計数値積
算 方 式 の モ ニ タ に つ い て

は,許容範囲は規定しない
が積算時間を明示。

 3.13

10

μGy/h 未満のとき:30

秒未満 
∼1 mGy/h:10 秒未満 
1 mGy/h∼:3 秒未満

変更

線 量 率 に よ る 応 答 時 間 の 規 定
は,異なる測定範囲をもつ種々
のモニタに対応することが困難

であることから線量率によらな
い値とした。 
応答時間の規格値については,

IEC

規格の 3.17 で 60 秒としてい

る点と矛盾していることから,
60 秒とした。また,計数値積算
方式の記載を追加した。

 5.6

ドリフト

24 時間経過後の照射によ
って指示のドリフトを求め
る。

 3.14

ゼロドリフト 
24 時間以内,1 か月以内,
5 000 時間以内の 30 分経
過後のゼロ指示値のドリ
フトを求める。

変更

ゼロ点のドリフトより,照射に
よるドリフトの方が感度変化等

をとら(捉)える意味で重要で
あることから照射による方法と
した。

また,1 か月以内及び 5 000 時間
の試験はたとえ形式試験であっ
ても現実的ではないため削除し

た。

12

Z 4324


2009


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際
規 格

番号

箇条番

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5  性能 5.8 温度特性

3.20.1

直線目盛及びデジタル式

追加

JIS

は,対数目盛も使用している。実質的な差異はない。

(続き) 5.9 湿度特性

3.20.2

直線目盛及びデジタル式

追加

 5.11

警報レベルの安定性

3.17  1 日当たり 90  %∼110  %

の範囲に,1 か月当たり
80  % ∼ 120  % の 範囲 に
収まること。

変更

形式試験と受渡試験とに分類し

た。また,1 か月の試験はたとえ
形式試験であっても現実的では
ないため,現実的な値として形

式試験の期間を 2 週間に変更し
た。

国際規格を改正するよう提案を検

討する。

 5.12

電 源 電圧 の 変 動に 対

する安定性

 3.1.9

直線目盛及びデジタル式

追加

JIS

は,対数目盛も使用している。実質的な差異はない。

6  構造 6.1 一般

モニタは,検出部,処理部,
警報部,指示部などによっ
て構成する。

 2.1.1

検出器,指示器及び警報

器 

変更

用語の変更

7  試験 
 
 

7.1.2  校正装置

3.2

試験点

変更

JIS Z 4511

に規定する照射線量

(率)国家標準とのトレーサビ
リティの明確な校正装置の使用

を求めた。

日本での使用実態による。

 
 
 

7.2.4 方向特性試験 
0°,±15°,±30°,±45°,
±60°及び±90°方向から
γ 線を照射

 3.8 配置 A 又は配置 B による

試験

変更 5.3 のとおり

国際規格を改正するよう提案を検

討する。

 7.2.7 ドリフト試験

24 時間経過後の照射によ
って指示のドリフトを求め

る。

 3.1.4

24 時間以内,1 か月以内,
5 000 時間以内の 30 分経
過後のゼロ指示値のドリ

フトを求める。

変更 5.6 のとおり

13

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際
規 格

番号

箇条番

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

7  試験
(続き)

7.2.9 温度特性試験

3.20.1

温度特性試験

追加

試験の具体的な実施方法が不明

確であったため,必要に応じて
モ ニ タ を 構 成 す る 装 置 ご と に
別々に試験すること,及び検出

部以外の装置を試験するときに

γ 線の照射ではなく電気信号

で代替することを明記した。

国際規格を改正するよう提案を検

討する。

 7.2.10 湿度特性試験

温 度 35  ℃ で , 相 対 湿 度
40  %,65  %及び 90  %

 3.20.2

湿度特性試験 
温度 30  ℃で,相対湿度
40  %,65  %及び 90  %

変更

近年 JISIEC 規格の類似の装置
に関する規格において,湿度特
性試験時の温度を 30  ℃から,
35  ℃に見直されている。

 7.2.12 警報レベルの安定性

試験 
試験期間は,2 週間

 3.17

試験期間は,1 か月

変更

1 か月の試験は長いので,現実的
な値として 2 週間に変更した。

 7.2.13 電源電圧の変動に対

する安定性試験

 3.19.1

電源変動

追加

JIS

は対数目盛も使用している。 実質的な差異はない。

8  検査 8.1

一般

追加

IEC

規格には規定なし。

国際規格を改正するよう提案を検

 8.2

形式検査

討する。

 8.3

受渡検査

9 表示

追加

10 取扱説
明書

追加

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60532:1992,MOD

 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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