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Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

1

4  焦点特性の決定方法

2

4.1  焦点特性

2

4.2  線管装置の長軸

2

4.3  基準軸

2

4.4  焦点長さに関する評価方向

2

4.5  焦点幅に関する評価方向

2

5  焦点測定用カメラ設定

2

5.1  概要

2

5.2  試験装置

2

5.3  試験配置

4

5.4  焦点測定系の許容差

6

6  線像の作成

6

6.1  概要

6

6.2  作動条件

6

6.3  焦点スリット 線像又は焦点ピンホール 線像の作成

7

6.4  適合性の表明

7

7  線広がり関数(LSF)の測定法

7

7.1  概要

7

7.2  測定器及び測定の配置

8

7.3  濃度分布の測定

8

7.4  LSF の決定

8

7.5  適合性の表明

8

8  焦点寸法の決定

9

8.1  概要

9

8.2  測定及び決定

9

8.3  指定の公称焦点値

9

8.4  適合性の表明

10

8.5  適合の表示

11

9  変調伝達関数(MTF)の決定

11

9.1  概要

11

9.2  指定の MTF 

11


 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)  目次

(2)

ページ

9.3  MTF の計算

11

9.4  MTF 適合のための評価

12

9.5  適合性の表明

12

10  焦点スター線像

13

10.1  概要

13

10.2  試験装置

13

11  スターパターン解像度

15

11.1  概要

15

11.2  指定されたスターパターン解像度

15

11.3  測定

15

11.4  スターパターン解像度の決定

16

11.5  評価及び適合性の表明

16

12  ブルーミング比

17

12.1  概要

17

12.2  ブルーミング比の決定

17

12.3  評価及び適合性の表明

17

13  代替測定

18

附属書 A(参考)基準軸に対する配置

19

附属書 B(参考)焦点特性決定のためのデジタル 線画像検出器の適用

21

附属書 C(参考)国際規格策定の経緯

22

参考文献

26

定義された用語の索引

27


Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認に

ついて,責任はもたない。


 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)  目次

(4)

白      紙


 

  

日本工業規格

JIS

 Z

4120

:2008

(IEC 60336

:2005

)

診断用X線管装置−焦点特性

Medical electrical equipment−X-ray tube assemblies for medical diagnosis−

Characteristics of focal spots

序文

この規格は,2005 年に第 4 版として発行された IEC 60336 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。この規格で太字にした用語は,箇条 で定義した用語

である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,200 kV 以下の

管電圧で使用する医療診断用 線管装置の焦点特性に適用する。

この規格は,

焦点特性の測定方法及び適合性の表明方法を示す。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60336:2005,Medical electrical equipment−X-ray tube assemblies for medical diagnosis−

Characteristics of focal spots (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 4004  医用放射線機器図記号

注記  対応国際規格:IEC 60417:2002,Graphical symbols for use on equipment (MOD)

JIS Z 4005  医用放射線用語

注記  対応国際規格:IEC 60788:1984,Medical radiology−Terminology (MOD)

IEC 60613:1989, Electrical, thermal and loading characteristics of rotating anode X-ray tubes for medical

diagnosis

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 4005 によるほか,次による。

3.1

スターパターン解像度(STAR PATTERN RESOLUTION LIMIT)

焦点の特性を示し,規定の測定条件の下で解像可能な最大空間周波数。



Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

4

焦点特性の決定方法

4.1

焦点特性

焦点特性は,幅及び長さの 2 方向について示す。この箇条の説明を,附属書 の図 A.1 に示す。

4.2

線管装置の長軸

一般に長軸は,

図 A.1 に示す軸をいう。線管装置の長軸が明確でない場合,又は製造業者がほかに定

義する場合は,

製造業者は長軸を焦点特性とともに定義しなければならない。

4.3

基準軸

指定されていない場合,一般に,

基準軸は 線管装置の長軸と垂直で,線管装置の実焦点の中心にあ

り,かつ,長軸と交差する。

4.4

焦点長さに関する評価方向

焦点長さの評価方向は,線管装置の基準軸及び長軸から構成される平面上で基準軸に垂直とする。

4.5

焦点幅に関する評価方向

焦点幅の評価方向は,線管装置の基準軸及び長軸に垂直とする。

5

焦点測定用カメラ設定

5.1

概要

この箇条は,箇条 の変調伝達関数(MTF)の決定,更に箇条 

焦点寸法の決定に用いる,焦点スリ

ット 線像を形成するカメラの設計仕様について規定する。

この箇条では,

焦点ピンホール 線像についても規定する。

5.2

試験装置

5.2.1

スリットカメラ

スリットは,高 X 線吸収の材料を使用し,

図 に示す寸法でなければならない。適切な材質の例を,次

に示す。

−  タングステン

−  タンタル

−  金と 10  %白金との合金

−  タングステンと 10  %レニウムとの合金

−  白金と 10  %イリジウムとの合金


3

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

単位  mm

図 1−スリットの主要寸法

5.2.2

ピンホールカメラ

ピンホールは,高 X 線吸収の材料を使用し,

図 に示す寸法でなければならない。適切な材質の例を,

次に示す。

−  タングステン

−  タンタル

−  金と 10  %白金との合金

−  タングステンと 10  %レニウムとの合金

−  白金と 10  %イリジウムとの合金



Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

単位  mm

図 2−ピンホールの主要寸法

5.2.3

撮影用フィルム

焦点スリット 線像又は焦点ピンホール 線像は,増感紙を使わずに微粒子の撮影用フィルムを用いて

撮影する(

例  歯科用撮影用フィルム)。

5.3

試験配置

5.3.1

基準軸と垂直のスリット又はピンホール位置

スリット及びピンホール中心と

基準軸との同心度は,の距離 100 mm 当たり±0.2 mm 以内の精度でな

ければならない(

図 参照)。

単位  mm

図 3−基準軸に対するスリット又はピンホールの中心位置(図では×で示す。)

5.3.2

基準軸上のスリット又はピンホール位置

スリット又はピンホールの入射面は,

実焦点の広がりによる拡大率の変化が基準軸に沿って,±5  %を

超えない距離に設置しなければならない(

図 参照)。


5

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

の距離 100 mm 当たり  p<5 mm,k<5 mm のとき,

k  :スリット又はピンホールに最も遠い実効焦点端部までの距離

p  :スリット又はピンホールに最も近い実効焦点端部までの距離

m

:入射面と

基準面との距離

n :入射面から受像器面との距離

E  :n / m  で示される拡大率

スリット又はピンホールから

焦点までの距離は,100 mm 以上でなければならない。

単位  mm

図 4−参照寸法及び面

5.3.3

スリット又はピンホールの方向

対称軸(

図 及び図 に示す。)は,基準軸に対して 1°未満の角度で配置する。

焦点スリット 線像を得るために,スリットを,スリット長さを評価する方向の 90±1°以内に配置し

なければならない。

5.3.4

撮影用フィルムの位置

撮影用フィルムは,表 によって,適切な倍率で設定されたスリット又はピンホール投影面からの距離

基準軸に対し 90±1°で受像器面上に置く。倍率 は,±3  %の精度で設定する。



Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

表 1−焦点 線像の拡大率

公称焦点値

f

a)

拡大率

E = n / m

b)

f  ≦ 0.4

E  ≧ 3

0.4  <  f  < 1.1

E  ≧ 2

1.1  ≦  f

E  ≧ 1

a)

  8.3 参照。

b)

  図 参照。

5.4

焦点測定系の許容差

焦点測定用カメラの設置が焦点測定に与える許容差は,±5  %を超えてはならない。

6

線像の作成

6.1

概要

この箇条は,

焦点スリット 線像及び焦点ピンホール 線像の作成について規定する。

焦点スリット 線像及び焦点ピンホール 線像が,この規格に適合していることを表明する方法を含む。

6.2

作動条件

6.2.1

焦点スリット 線像及び焦点ピンホール 線像

焦点スリット 線像及び焦点ピンホール 線像は,箇条 に準じた焦点測定用カメラで作成しなければ

ならない。

焦点スリット 線像から焦点寸法を決定するための必要事項を箇条 に,MTF を決定するた

めの必要事項を箇条 に規定する。

焦点ピンホール 線像は,焦点全体における放射強度の方向,対称性及び分布を示すことだけに用いる。

6.2.2  線管装置

線管は,正常な使用として指定された形式の 線管容器に封入されなければならない。又は試験結果

に影響を与える可能性がある限り,X

線管は,取付け及び作動条件が 線管装置と同等な条件下で測定し

なければならない。

線出力を減じるための付加ろ過は,その付加ろ過が線広がり関数(LSF)に重大な影響を与えないこ

とを確認しない限り用いてはならない。しかし,

正常な使用で 線管装置に附属するすべての部品は取り

付けなければならない。

6.2.3

線条件

撮影又はコンピュータ断層撮影で使用する 線管装置の焦点スリット 線像及び焦点ピンホール 

像は,表 に示す一定の 線条件で得なければならない。

回転陽極 線管の陽極は,該当する撮影定格で,指定の最大陽極回転速度で回転させなければならない。

表 2線条件

公称最高管電圧

kV

要求する

管電圧

撮影時間

要求する X

線管

電力

U  < 75

公称最高管電圧 

75  ≦  U  ≦ 150  75 kV

コ ン ピ ュ ー タ 断
層 撮 影 を 除 く 撮

150  <  U  ≦ 200  公 称 最 高 管 電 圧 の

50  %

コンピュータ断層撮影 

120 kV

要 求 す る 光 学 濃 度
に必要な時間 
6.3.3 参照

IEC 60613 で規定
し た

公 称 陽 極 入

力の 50  %


7

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

6.2.4

特別な 線条件

表 による 線条件が当該 線管の撮影定格内に入らない場合,又は 線管に指定された正常な使用

での標準的な X

線条件を含まない場合には,適切な 線条件を別途選択しなければならない。この場合,

焦点スリット 線像又は焦点ピンホール 線像を得た 線条件を,特性と一緒に附属文書に記載しなけ

ればならない。

特別な場合(可変焦点など)は,

焦点の特性を異なった負荷ごとに記載したほうが適している。

6.2.5

特別な配置

適切な

焦点 線像の作成を目的に,スリットカメラ,及び/又は 線管装置の両方又はどちらかを特別

に配置した場合,又は特別な電気的条件若しくは負荷の条件を用いた場合は,適合の表明に特性と一緒に

附属文書に詳細を記載しなければならない。

6.3

焦点スリット 線像又は焦点ピンホール 線像の作成

6.3.1

焦点スリット 線像の作成

一組の

焦点スリット 線像は,6.2 に規定した作動条件で作成しなければならない。

6.3.2

焦点ピンホール 線像の作成

焦点ピンホール 線像は,6.2 に規定した作動条件で作成しなければならない。

6.3.3

撮影用フィルムの露出

撮影用フィルムは,現像後に最大黒化領域内の光学濃度が 1.0∼1.4 に入るように撮影しなければならな

い。かぶり込みベース濃度は,0.25 を超えてはならない。

6.4

適合性の表明

一組の

焦点スリット 線像又は焦点ピンホール 線像が,この規格に適合していることを表明する場合

には,次のように表示する。

JIS Z 4120 に準じた拡大率

1)

…  の焦点スリット 線像

又は,

  JIS Z 4120 に準じた拡大率

2)

…  の焦点ピンホール 線像

必要に応じて,次の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)

1)

  箇条 によって採用及び決定した拡大率

2)

  箇条 によって採用及び決定した拡大率

7

線広がり関数(LSF)の測定法

7.1

概要

この箇条は,箇条 

焦点寸法の決定,及び箇条 の MTF の決定に使用する一組の LSF の測定法につ

いて規定する。これらの LSF は,

焦点スリット 線像から得なければならない。一組の LSF がこの規格

に適合していることを示す方法を含む。



Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

7.2

測定器及び測定の配置

箇条 及び箇条 によって得られた

焦点スリット 線像は,マイクロデンシトメータによって走査しな

ければならない。マイクロデンシトメータのスリット幅(b)は,

焦点スリット 線像の作成に用いたスリッ

トの幅を超えてはならない。

図 で示すように,線像上に投影されたスリットの長手方向と垂直なマイ

クロデンシトメータのスリットの有効幅(b

eff

)が,マイクロデンシトメータのスリット幅(b)の 2 倍より小さ

くなるように,マイクロデンシトメータのスリットの長さを調整しなければならない。

図 5−マイクロデンシトメータのスリット調整

7.3

濃度分布の測定

焦点スリット 線像の濃度分布は,長手方向の中心位置で長手方向に垂直に走査する。走査方向は,

スリットの方向と 90±2°以内に設定しなければならない。

走査する範囲は,求める

公称焦点値の最大許容値の少なくとも 4 倍の値に,焦点スリット 線像を作成

するのに用いた拡大率(E)を乗じた値より大きくなるようにしなければならない。

この測定結果は,X

線像の幅全域の濃度を示す曲線として表す。

7.4

LSF の決定

正味濃度を,照射強度と濃度との関係を示すフィルム特性曲線によって,X

線像の幅全域にわたって照

射強度の線形分布を示す曲線に変換しなければならない。

フィルム特性曲線は,

焦点スリット 線像用に用いたものと,同じ条件で現像された同一の撮影用フィ

ルムによらなければならない。

LSF は,スキャン方向軸の値を焦点スリット 線像を得るのに用いた拡大率(E)で除した,線像の幅

全域にわたる放射強度の線形分布を表す曲線から推定しなければならない。

7.5

適合性の表明

LSF がこの規格と適合することを表明する場合は,次のように表示する。

JIS Z 4120 に準じた LSF の値

必要に応じて,次の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)


9

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

8

焦点寸法の決定

8.1

概要

この箇条は,一組の LSF に基づいた

焦点寸法の決定について規定する。これらの関数は,箇条 に規定

した一組の

焦点スリット 線像から得なければならない。

この規格への適合基準及びこの規格に適合した

公称焦点値を表示する方法を含む。

8.2

測定及び決定

焦点の実寸法は,図 で示すように箇条 によって決定した LSF のピーク値の 15  %位置で測定した寸

法で決定する。

図 6LSF

8.3

指定の公称焦点値

8.3.1

公称値

各形式の X

線管装置の焦点は,公称焦点値を次の数値から割り当てる。

− 0.1

∼ 0.25  は  0.05  ステップ

− 0.3

∼ 2.0   は  0.1  ステップ

− 2.2

以上    は  0.2  ステップ

特定用途用(CT 用など)に指定された X

線管装置の焦点は,一組の数値からなる公称焦点値で記載す

る。例えば 1.0×1.6 については,最初の数値は

実効焦点の幅で基準軸又は 線管装置の軸に垂直な方向の

値を,2 番目の数値は

実効焦点の長さで基準軸に平行な方向の値を表す。この一組の値は前述と同じステ

ップで記載しなければならない。

8.3.2

実測値

公称焦点値は,8.2 によって決定した焦点の幅及び長さの実測値が,表 で与えられた幅及び長さの最大

許容値より小さくなるように求めた数値を,2 方向の寸法とする。

CT 用のような特定用途用の一組の焦点値は,それぞれの値に幅方向の最大許容値の列だけを用いて表 3

放射線強度分布


10 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

の中の

公称焦点値を適用しなければならない。

これらの決定に測定誤差の補正は必要ない。

表 3−公称焦点に対する焦点寸法の最大許容値

公称焦点値 

焦点寸法の最大許容値  mm

長さ

0.1 0.15

0.15

0.15 0.23

0.23

0.2 0.30

0.30

0.25 0.38

0.38

0.3 0.45

0.65

0.4 0.60

0.85

0.5 0.75

1.10

0.6 0.90

1.30

0.7 1.10

1.50

0.8 1.20

1.60

0.9 1.30

1.80

1.0 1.40

2.00

1.1 1.50

2.20

1.2 1.70

2.40

1.3 1.80

2.60

1.4 1.90

2.80

1.5 2.00

3.00

1.6 2.10

3.10

1.7 2.20

3.20

1.8 2.30

3.30

1.9 2.40

3.50

2.0 2.60

3.70

2.2 2.90

4.00

2.4 3.10

4.40

2.6 3.40

4.80

2.8 3.60

5.20

3.0 3.90

5.60

注記  公称焦点値 0.3∼3.0 の長さの最大許容値は,係数 0.7 で補正されている

附属書 参照)。

注記  焦点ピンホール 線像から焦点寸法を決定する場合は,表 の許容値を適用してもよい。

8.4

適合性の表明

一つ以上の

公称焦点値がこの規格と適合することを表明する場合は,次のように表示する。

−  ミリメートル(mm)単位で表した無名数

例  公称焦点値(JIS Z 4120):0.6

−  特定の用途用 X

線管装置(8.3.1 参照)用に一組の無名数

例  公称焦点値(JIS Z 4120):1.0  × 0.6

必要に応じて,次の細分箇条の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)


11

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)

8.5

適合の表示

1 個以上の指定された公称焦点値におけるこの規格への適合を,線管装置に表示する場合には(簡略

化した表示も含む。

JIS Z 4004 の図記号を使用して,次のように行う。例えば;

記号  JIS Z 4004 04-04  

[DB

3)

:2002-10]

記号 JIS Z 4004 04-05  

(DB:2002-10)

記号 JIS Z 4004 04-06  

(DB:2002-10)

0.6 JIS Z 4120

1.0×1.6 JIS Z 4120 1.8×1.2 JIS Z 4120

3)

 DB:IEC オンラインデータベース

9

変調伝達関数(MTF)の決定

9.1

概要

この箇条は,一組の LSF に基づいて X

線管装置の焦点と関連する MTF の決定について規定する。

この規格への適合基準及びこの規格に適合した MTF の表示方法を含む。

9.2

指定の MTF

MTF の記載が要求される場合には,各焦点の幾何学寸法によって決まる一組の MTF を各形式の 線管

装置ごとに指定しなければならない。

個々の X

線管装置がこの規格に適合することを表明する場合には,9.4 によって評価しなければならな

い。

9.3

MTF の計算

9.3.1

無限大に近い理論的拡大率での計算

焦点の幾何学的構造の MTF は,フーリエ変換の手法で計算する。

フーリエ変換を行う入力値は,箇条 で得られた

焦点寸法の少なくとも 3 倍以上の範囲を走査して得た

LSF を数値化したものでなければならない。

横座標に沿った測定点間の距離は,

焦点全体の放射強度の線形分布の大きさ及び形を考慮して選択しな

ければならない。測定点間の距離を縮めることによって結果に大きな影響を与えてはならない。

例  測定点間の距離の 50  %短縮がどの点において算出された MTF でも 5  %以上変化しないような

測定点間の距離を選択する。

注記  多くの場合,2 点の測定間距離を焦点スリット 線像を得るのに用いた拡大率(E)で除した値が,

公称焦点値が 0.15 以下であれば公称焦点値の 10  %未満,公称焦点値が 0.15 より大きければ公

称焦点値の 5  %未満であれば十分である。

9.3.2

標準拡大率での計算

9.3.1 に従って得られた空間周波数の値は,次の式によって変換する。


12 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

1

s

i

s

M

M

f

f

×

ここに,  M

s

表 で与えられる標準拡大率

f

s

:  標準拡大率 M

s

で決定する対象面での空間周波数

f

i

:  9.3.1 によって得られた空間周波数

表 4MTF 用標準拡大率

公称焦点値

標準拡大率

M

s

f  < 0.6

2

0.6  ≦  f 1.3

注記  一般に,どんな対象でも拡大率 は,M=(nm) / m  で与えられる(図 及び図 に同じ。)。

9.3.3

制限された拡大率での計算      

実際の照射条件下で MTF を適用するには,9.3.2 によって得られた値,又は 9.3.4 によって得られた値を

次の式によって変換する。

1

1

p

p

s

s

s

p

M

M

M

M

f

f

×

×

ここに,

f

p

実際の拡大率における空間周波数

M

p

実際の拡大率

9.3.4

MTF の表示

MTF は,空間周波数として表 の標準拡大率でのフーリエ変換の大きさを表すグラフとして示す。グラ

フは縦・横軸ともリニアスケールで,フーリエ変換の大きさは空間周波数ゼロが 100  %となるようにしな

ければならない。

MTF は,フーリエ変換の大きさが 10  %以上となるように空間周波数を広げなければならない。

注記  一般に 10  %未満の MTF は,実用上あまり重要ではない。

焦点の幅及び長さの各 MTF は,一つのグラフに表示する。また,箇条 で決定した公称焦点値と表 4

によった標準拡大率とを同時に表示しなければならない。

9.4  MTF 適合のための評価

焦点の各方向の MTF は,どの空間周波数においても,9.2 によって指定された MTF と同じか又は大き

くなければならない。

9.5

適合性の表明

両方向の MTF がこの規格に適合することを表明する場合,次のように表示する。

この規格(JIS Z 4120)による公称

焦点寸法 0.6,1.3 倍拡大の MTF

必要に応じて次の細分箇条の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)


13

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

10

  焦点スタ−線像

10.1

  概要

この箇条は,箇条 11 及び箇条 12 によった

焦点のスターパターン解像度及びブルーミング比の決定に用

いるための

焦点スター線像の取得に関するものである。

この規格への適合の表明についても述べている。

10.2

  試験装置

10.2.1

  スターパターンカメラ

焦点スター線像は,テストパターンを組み込んだスターパターンカメラから得られなければならない。

スターパターンカメラは,高/低の吸収くさびが交互に並んだもので構成される。高吸収くさびは 0.03∼

0.05 mm 厚の鉛又はそれと同等の吸収をもつ材質からなる。

すべてのくさびの頂角θは,0.035 rad(ラジアン)

(約 2°)以下でなければならない。

テストパターンの有効面は,2

π rad(ラジアン)をカバーし,直径は 45 mm 以上でなければならない。

テストパターンへの要求寸法及び基本的な構成は,

図 に適合しなければならない。

図 7−スターパターンチャート(テストパターン)の主要寸法

10.2.2

  撮影用フィルム

焦点スター線像は,増感紙を使わずに微粒子フィルムを用いて撮影する。

10.2.3

  基準軸に垂直なスターパターンカメラの位置

スターパターンカメラの中心と基準軸との同心度は,の距離 100 mm 当たり±0.2 mm 以内の精度でな

ければならない(

図 参照)。


14 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

図 8−スターパターン試験時の主要位置寸法

10.2.4

  基準方向に対するスターパターンカメラの位置

テストパターンは,X 線入射面が次のような拡大率 M

’となるような焦点からの位置に設置されなけれ

ばならない。11.3 によって測定した

図 の Z

W

Z

L

は,テストパターン像の径の 1/3 以上か,又はなるべく

近い値でなければならない。ただし,25 mm 以下にならないようにしなければならない(10.2.6 参照)

10.2.5

  スターパターンカメラ調整

テストパターンの X 線入射面は,

基準方向に対し 90±2°以内に設置しなければならない。

10.2.6

  撮影用フィルムの位置

撮映用フィルムは,テストパターンの X 線入射面からの距離が,次の式によって期待するスターパター

ン解像度 が求められる拡大率 M

’になる位置で,基準方向に対し 90±2°以内で設置しなければならない。

M’R×Z×θ

ここに,

M’: 拡大率

R: スターパターン解像度  (lp/mm)

Z: フィルム像の Z

W

又は Z

L

の変調限界寸法 (mm)

θ: 吸収くさびの頂角[rad(ラジアン)]

10.2.7

  撮影条件

焦点スター線像は,6.2 に規定した作動条件で撮影しなければならない。

10.2.8

  焦点スター線像の撮影

スターパターンカメラの撮影用フィルムは,6.2 に規定した条件で撮影しなければならない。


15

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

10.2.9

  適合性の表明

焦点スター線像がこの規格に適合することを表明する場合,11.4.1 によって決められた拡大率ととも

に次のとおり表示する。

この規格[JIS Z 4120 (IEC 60336)]に適合した拡大率_の

焦点スター線像

必要に応じて次の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)

11  スターパターン解像度 
11.1

  概要

この箇条は,

スターパターン解像度の決定について規定する。

この方法は,X

線管負荷条件の違いによる焦点特性の変化,又は 線管を使用後の焦点特性の変化を確

認するのに有用である。

注記  箇条 10 で規定した方法において,MTF が,例えば,焦点の電子強度がほぼガウス分布になる,

というような明確に定義されない場合は,正確な結果とはならない。

11.2

  指定されたスターパターン解像度

表 に示される標準拡大率に対するスターパターン解像度が,線管装置の焦点に対して定められた場

合,個々の X

線管装置に対するスターパターン解像度のこの規格への適合は,11.5 によって評価しなけれ

ばならない。

11.3

  測定

箇条 10 によって得られた

焦点スター線像において,変調限界の Z

W

,及び Z

L

の寸法を,2 方向につい

て測定しなければならない(箇条 及び

図 参照)。

図 9−スターパターンの変調限界


16 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

11.4

  スターパターン解像度の決定

11.4.1

  拡大率の決定

焦点スター線像作成のための拡大率 M’は,±3  %以下の精度で決めなければならない。

11.4.2

  標準拡大率のスターパターン解像度

表 に与えられた標準拡大率でのスターパターン解像度 R

WS

及び R

LS

は,次の式によって決定する。

1

1

S

S

W

WS

M

M

Θ

Z

M’

R

×

×

1

1

S

S

L

LS

M

M

Θ

Z

M’

R

×

×

ここに,  R

WS

及び R

LS

: lp/mm で表記の各 2 方向の値

M’: 10.2.6 による拡大率

M

S

表 による標準拡大率

Z

W

線管装置の長軸に平行に測定した変調限界平均寸

法(mm)

Z

L

線管装置の長軸に垂直に測定した変調限界平均寸

法(mm)

Θ: 吸収くさびの頂角[rad(ラジアン)]

表 5−スターパターン解像度の標準拡大率

公称焦点値

f

標準拡大率

M

S

f<0.6

2

0.6≦f

1.3

11.4.3

  限定拡大率のスターパターン解像度

実拡大率における

スターパターン解像度は,11.4.2 から得られた R

WS

及び R

LS

,又は 11.2 で指定された

R

WS

及び R

LS

によって次の式で変換する。

1

1

P

P

S

S

WS

WP

M

M

M

M

R

R

×

×

=

1

1

P

P

S

S

LS

LP

M

M

M

M

R

R

×

×

ここに,

R

WP

及び R

LP

実拡大率での値

R

WS

R

LS

11.4.2 から得られるか,又は 11.2 で指定された値

M

S

標準拡大率

M

P

実拡大率

11.4.4

  スターパターン解像度の表示

スターパターン解像度は,表 の標準拡大率も併記して表示しなければならない。

11.5

  評価及び適合性の表明

11.5.1

  適合評価

線管装置の焦点に関し,スターパターン解像度を表示する場合,11.4.2 によって決定した値は,公称


17

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

値以上でなければならない。

11.5.2

  適合性の表明

この規格に適合する場合,

スターパターン解像度は,次のように表示する。

この規格[JIS Z 4120 (IEC 60336)]による拡大率__の

スターパターン解像度__  lp/mm

必要に応じて次の細分箇条の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)

12

  ブルーミング比

12.1  概要

この箇条は,

スターパターン解像度が 線管負荷に依存することを示し,焦点のブルーミング比の決定

について規定する。

ブルーミング比があるタイプの 線管装置の焦点に関連して決められる場合,そのタイプに属する製品

個々の

ブルーミング比は,12.3.1 に定められる適合基準を満足しなければならない。

12.2

  ブルーミング比の決定

ブルーミング比は,箇条 11 によって規定した対のスターパターン解像度を用いて決定しなければならな

い。しかし,

焦点スター線像を使う場合には,これらは表 及び表 6,又は同等の作動条件によった一

定の X

線条件で得られたものでなければならない。

表 6−ブルーミング比測定のための 線条件

公称最高管電圧

kV

要求する

管電圧

撮影時間

要求する

管電流

U  < 75

公称最高管電圧 

75  ≦  U  ≦ 150

75 kV

コ ン ピ ュ ー タ 断
層 撮 影 を 除 く 撮

150  <  U  ≦ 200  公称最高管電圧の 50  %

コンピュータ断層撮影 

120 kV

要求する光学濃度

に必要な時間 
6.3.3 参照

IEC 60613 で規定
した

公称陽極入力

の 100  

ブルーミング比(B)は,次の式で決定する。

100

50

R

R

B

ここに,

R

50

表 に従い測定したスターパターン解像度

R

100

表 に従い測定したスターパターン解像度

12.3

  評価及び適合性の表明

12.3.1

  適合性の評価

線管装置の焦点に対しブルーミング比が指定された場合,12.3.2 によって決定した値は,指定された

値以下でなければならない。


18 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

12.3.2

  適合性の表明

ブルーミング比がこの規格に適合する場合は,次のように表示する。

この規格[JIS Z 4120 (IEC 60336)]による

ブルーミング比

必要に応じて次の条件を追加記載する。

基準軸(4.3 参照)

X

線条件(6.2.3 参照)

−特別な配置(6.2.5 参照)

X

線管装置の長軸(4.2 参照)

 

13

  代替測定

この規格で規定した以外の測定方法でこの規格を満足させる場合,その測定方法は,

製造業者がこの規

格の測定方法と相関付け,同等性を検証できれば許容できる。

この規格に適合するためには,代替測定方法が,この規格で規定した測定方法で得られた値と同じ結果

にならなければならない。


19

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

附属書 A

参考)

基準軸に対する配置

序文

この附属書は,本体の規定を補足するものであって,規定の一部ではない。

A.1

  基準軸に対する配置

図 A.1 に焦点測定に関係する軸及び方向の位置関係を示す。

図 A.1−評価に関係する基準軸と方向

この規格に基づいて得られる

焦点特性値は,その結果が出た後に排除したり又は補償することが困難な

多くの因子を含むため,適切な実験器具,設備及び手順が必要である。これらの因子の一つが,

焦点カメ

ラと

実効焦点中心との直線的配置である(A.2  注記参照)。

A.2

  受像器面上の実焦点の投影

5.3 に基づいた焦点カメラと基準軸との直線性が正しくない場合は,焦点特性について得られたすべての

結果は定量的なものではなく,定性的なものとみなす。

基準軸の正確な位置は,それぞれの 線管装置について特有のものである。また,熱的影響による基準

軸位置の変化は,通常 5.3.1 に規定する公差よりも大きくなる。

注記  照射野上の焦点形状と寸法は,焦点の投影方向に強い影響を受ける(図 A.2 を参照)。この規格

は,

基準方向への投影(図 A.2 に示した焦点)についてだけ言及している。


20 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

図 A.2−受像器面上の実焦点の投影


21

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

附属書 B

参考)

焦点特性決定のためのデジタル X 線画像検出器の適用

序文

この附属書は,本体の規定を補足するものであって,規定の一部ではない。

B.1

  焦点特性決定のためのデジタル 線画像検出器の適用

通常,

焦点特性の決定には,撮影用フィルムを用いる。

しかし,デジタル X 線画像検出器の測定結果と

撮影用フィルムを用いた標準的な測定結果との間に等価

性が認められれば,

焦点寸法決定に関して多くの優位性があるためデジタル X 線画像検出器は,製造業者

に普及していく。

撮影用フィルムは標準的な画像測定方法として残るが,この附属書ではデジタル画像による焦点測定方

法の手引きとフィルム法との相関性を示す。

大型デジタル X 線画像検出器が利用できることによって,

直接的な焦点特性の測定が可能となっている。

デジタル検出器は,フィルムに対し X 線感度がよい,X 線照射に対する直線的な応答性がよい,フィルム

スキャンによる不正確さがない,化学的処理による感度への影響がない,危険廃棄物を生じないなど多く

の優位性をもっている。

すべてのデジタル画像システムは,等価の撮影条件において,フィルムを用いた標準的な方法と一致し

た値を示さなければならない。ここでいう“一致した”とはデジタル測定法とフィルム測定法との回帰直

線のこう(勾)配の差が 1∼5  %で,オフセットが測定器の反復性能及びフィルムを使用した測定システ

ムの再現性以下であることを指す。

デジタル画像システムはこれらに加えて,次のものが望ましい。

  撮影用フィルムを用いない以外は,この規格のすべての方法を採用する。

―  SN 比 20 以上をもつ。

―  露光中に画像システムが飽和しない十分なダイナミックレンジをもつ。


22 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

附属書 C 

参考)

国際規格策定の経緯

序文

この附属書は,この規格の対応国際規格である IEC 60336 の策定経緯について記載するものであって,

規定の一部ではない。 

C.1

  概要

この附属書は,IEC 60336 の策定経緯について記載し,幾つかの難解な部分の理由を明らかにすること

を目的とする。 

C.2

  第   (1970)

第 1 版は

ピンホールカメラを用いた診断用 線管の焦点寸法の測定”と呼ばれ,初期 ICRU の推奨(NBS

ハ ン ド ブ ッ ク “ National Bureau of Standards Handbook 78, Report of the International Commission on

Radiological Units and Measurements, (ICRU) 1959, U.S. Government Printing Office, Washington, DC, 1961”及

び“National Bureau of Standards Handbook 89, Methods of Evaluating Radiological Equipment and Materials:

Recommendations of the ICRU, U.S. Government Printing Office, Washington, DC, 1962”及び国家規格“DIN 

6823

, Roentgenroehren, Ermittlung der Brennfleckgroesse, Beuth-Verlag, Berlin, 1968”に基づいていた。この第

1 版では,焦点寸法を決定する測定法としてピンホール法だけが規定されていた。フィルムの直接読取り

には,10 倍の拡大鏡の使用及び長さ方向の係数 0.7 の使用が規定されていた。 

C.3

  第   (1982)

“医用 X

線管装置の焦点特性”と名称が改められた。ピンホールを通るときの透過量及び X 線負荷を考

慮した場合,例えば

撮影用フィルムへの繰返し照射が必要となり,これらの因子が測定結果に影響を与え

る。このようなことから

焦点の呼び(公称焦点値)が 0.3 より小さい焦点を焦点ピンホール 線像によっ

て決定することが困難であり,スリット法が追加された。この新しい方法はすべての

焦点の呼び(公称焦

点値)に適用された。この方法によって前述の焦点寸法決定時の不確かさを排除することができ,焦点が

ゆがんでいる場合でも意味ある結果を得ることができた。さらに,一対の一方向 MTF の形式で

焦点によ

る画質特性の決定も併せて紹介された。

このようにピンホール法は

焦点特性のうちの分布及び方向を見るためだけに用い,スリット法は焦点の

呼び(公称焦点値)及び MTF を決定するのに用いることとなった。加えて現場での使用を考慮した第 3

の方法(

焦点スター線像)が規定された。焦点スター線像は,スターパターン解像度を確認すること

によって現場での条件下におけるシステムの画質特性を簡単に評価できる有用性があり,規格化された。

0.1,0.15,0.2 の焦点には長さ方向の係数 0.7 を用いないことも追加された(C.5 参照)。 

C.4

  第   (1993)

“医用 X

線管装置−焦点特性”と再度名称変更された。X 線コンピュータ断層撮影用 線管装置及び

0.25 焦点の追加以外の変更はなかった。追加した公称焦点値 0.25 及び CT 用途の焦点には長さ方向の係数


23

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

0.7 を導入しなかった(C.5 参照)。

C.5

  係数 0.7 と非対称な範囲

IEC 60336 の次の二つの問題は,多くの誤解及び論議の原因となってきた。

−  長さ方向の係数 0.7

−  公称値の非対称な範囲の考え方

[例えば,

焦点の呼び)公称焦点値 0.8 には,0.8∼1.2 まで許される。]。

この二つの問題は理解するのが難しく,ある代表的な

焦点についての LSF を示すことで説明すること

ができる。

注記  長さ方向と幅方向とは,同じ形状である。

図 C.1−小焦点(0.3 mm 未満)をもつ 線管の LSF

図 C.2−大焦点(0.3 mm 以上)をもつ 線管の LSF

LSF 値の両端の傾斜から分かるように,寸法の読取りは通常,最大値の 50  %の強度における半値幅で


24 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

ある。しかし,1950 年代から 1960 年代での科学技術では拡大鏡を用いてのフィルムの読取りしかできな

かったため,LSF の 10∼20  %に相当するところまで読取値に含まれていた。

図 C.1 及び図 C.2 から分か

るようにこの場合は,測定値はより大きくなる。これが幅及び長さ方向の寸法の範囲が異なる基本的な理

由である。

図 C.3−図 C.2 の LSF に対応する MTF

大きな

焦点の長さ方向の代表的な LSF は,図 C.2 に示されるようにかなり浅い端部を示す。これによっ

て長さ方向の読取値(10∼20  %における。

)は,MTF がほぼ等しい X

線管の幅方向の読取値に比べて約

40  %大きくなることが分かる。

これらのことから,得られる画質が同等となる公称値とするために,係数 0.7 が導入された。

図 C.3 から分かるように図 C.2 における LSF は,最初の最小値までほぼ同一の MTF となっており,実

質上それらからは同じ画質が得られるということである。

注記 RMS 粒状度法では,いかなる形状の LSF でもそれと同じ画像特性を与える方形の LSF の幅を

算出できる。RMS 粒状度は,統計的な確率によって求めた粒状性(度)であり,均一に露光さ

れた X 線フィルムをミクロフォトメータで測定した濃度変化の標準偏差で求められる。この方

法は,将来この規格で用いられるかもしれない。

C.6

  第   (2005)

IEC 60336 の第 4 版の主な変更点は,次による。

a

)  主にカメラの寸法と一直線性についての公差を実用的な仕様とした。

b

)  LSF を焦点寸法決定法の唯一の基準とした。長さ及び幅を決めるのに用いる濃度分布は,目視評価に

替わり濃度計による評価によって決定する。

c

)  焦点のゆがみは考慮しない。

d

)  公称焦点値の許容値の範囲は,最大許容値だけで表す。

e

)  IEC 60336 の決定法との等価性が検証されれば,ほかの測定方法も認める。

a

)  に関して:対応国際規格の第 3 版(IEC 60336:1993)では幾つかの公差,とりわけ焦点カメラの試験で

の配置については不必要に厳しかった。例えば,

基準軸と絞りの対称軸の交差角は 0.001 rad 以内なのに対


25

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

し,基準軸に対する絞りの位置には何の公差も決められていなかった。このような不合理は,今回の公差

の見直しによって是正した。 

b

)  に関して:過去多くの製造業者は,焦点寸法を決定するとき,焦点 線像の濃度分析を行っていた。

LSF の評価を行うこの手順は,MTF を決定するために行わなければならないことと同じものであった。

この点で LSF の評価手順を規格化し目視評価に依存した方法を廃止することは合理的であった。

よって MTF 及び

焦点寸法の決定は,ともに同じ焦点スリット 線像に基づいた LSF の測定から得られ

る。

c

)  に関して:線管の製造及び開発方法の改善によって,焦点のゆがみの発生は非常に軽減されてきて

いる。加えて,

焦点スリット 線像による焦点寸法の測定は,焦点ピンホール 線像ほど焦点のゆがみに

敏感ではない。したがって,

焦点のゆがみに関する項は削除された。

e

)  に関して:市場には,焦点特性を決定するための撮影フィルムの代わりとなるもの,例えば CCD カ

メラを用いたような測定装置が沢山ある。これらの方法は

製造業者の毎日の試験に次第に多く用いられる

ようになっており,

附属書 では,このような場合の推奨項目を示す。また,明らかに製造業者は焦点測

定のためにこのような測定機器を使用しようとしている。

撮影フィルムを使う規格化された方法と同じ結果を得ることができると確証されれば,その方法は,測

定方法として認められる。これは,IEC 60336 第 1 版∼第 3 版の中で拡大鏡を使った目視による評価方法

にも適用される。

この規格は,必ずしも

表 C.1 に示すすべての特性についての記載を要求するものではない。

線管装置として供給しなければならない情報は,JIS Z 4751-2-28 に示されたものである。 

IEC 60336 の第 3 版において RMS 粒状度法を用いた焦点の特徴付け法が補足で記載されている。この方

法はいまだ広くは受け入れられていない。しかし,JIS Z 4751-2-28 での 1 方向 MTF の必す(須)仕様の

削除に伴い,またデジタル X 線像収集システムの進化によって RMS 粒状度法が重要度を増すかもしれな

い。

表 C.1−焦点特性を特徴付ける各種評価方法

測定方法

参照する箇条

評価する項目

参照する箇条

適合確認のため評価する項目

6

寸法

8

指定の

公称焦点値

焦点スリット 線像 

画像特性

9

指定の一組の MTF

6

焦点形状

放射線強度分布

焦点ピンホール 線像 

焦点形状の対称性

10 

スターパターン解
像度 

11 

スターパターン解像度 

ブルーミング比 12 

ブルーミング比 

焦点スター線像

a)

寿命に至るまでの

使用期間中の

焦点

特性変化

a)

  焦点の放射線強度分布からは,必ずしも MTF が空間周波数軸と交わる点を知ることができない。この場合

焦点スター線像の測定方法は適用されない。


26 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

参考文献

[1]  DOI, K. and ROSSMANN, K. Evaluation of FOCAL SPOT distribution by RMS value and its effect on blood

vessel imaging in angiography. Proceedings of the Symposium on Application of Optical Instrumentation in 

Medicine 

, Vol. 47. Palos Verdes Estates, CA: Society of Photo-Optical Engineers, 1975: 207-213

[2]  DOI, K. et al. X-RAY TUBE FOCAL SPOT Sizes: Comprehensive Studies of Their Measurement and Effect of

Measured Size in Angiography. Radiation Physics, July 1982, Volume 144, Number 2, p 383-393.

[3]  National Bureau of Standards Handbook 78, Report of the International Commission on Radiological Units and

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[4]  National Bureau of Standards Handbook 89, Methods of Evaluating Radiological Equipment and Materials:

Recommendations of the ICRU, U.S. Government Printing Office, Washington, DC, 1962

[5]  DIN 6823, Roentgenroehren, Ermittlung der Brennfleckgroesse, Beuth-Verlag, Berlin, 1968

[6]  JIS Z 4751-2-28  診断用 X 線源装置及び X 線管装置−安全

注記  対応国際規格:IEC 60601-2-28: 1993, Medical electrical equipment−Part 2: Particular requirements

for the safety of X-ray source assemblies and X-ray tube assemblies for medical diagnosis (IDT)


27

Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

定義された用語の索引

用語の索引元及びその記号

JIS Z 4005

  医用放射線用語

IEC 60788 

rm-.... 

定義のない派生語

Derived term without definition  

rm-....+ 

定義されていない語句

Term without definition 

rm-....- 

短縮語

Shortened term 

rm-....s 

この規格の細分箇条

Clause 3.x of present publication 

3.x 

注記  記号の後の数字は,該当する用語の番号又はこの規格の細分箇条番号を表す。

用語の索引

陰極 

CATHODE

rm-2205

LSF,線広がり関数 

LINE  SPREAD  FUNCTION

rm-7301

線管 

X-RAY  TUBE

rm-2203

線管負荷 

X-RAY  TUBE  LOAD

rm-3621

[管負荷]条件 

LOADING  FACTOR

rm-3601

[X ]管装置 

X-RAY  TUBE  ASSEMBLY

rm-2201

[X ]管電圧 

X-RAY  TUBE  VOLTAGE

rm-3602

[X ]管電流 

X-RAY  TUBE  CURRENT

rm-3607

線管容器 

X-RAY  TUBE  HOUSING

rm-2202

線像 

RADIOGRAM

rm-3202

MTF,変調伝達関数 

MODULATION  TRANSFER  FUNCTION

rm-7305

回転陽極 線管 

ROTATING  ANODE  X-RAY  TUBE

rm-2203+

管電圧,[X ]管電圧 

X-RAY  TUBE  VOLTAGE

rm-3602

管電流,[X ]管電流 

X-RAY  TUBE  CURRENT

rm-3607

基準軸 

REFERENCE  AXIS

rm-3703

基準方向 

REFERENCE  DIRECTION

rm-3702

基準面 

REFERENCE  PLANE

rm-3704

減弱 

ATTENUATION

rm-1208

公称最高管電圧 

NOMINAL  X-RAY  TUBE  VOLTAGE

rm-3603

公称焦点値 

NOMINAL  FOCAL  SPOT  VALUE

rm-2014

公称陽極入力[電力

NOMINAL  ANODE  INPUT  POWER

rm-3623

撮影[

RADIOGRAPHY

rm-4106

撮影定格 

RADIOGRAPHIC  RATING

rm-3636

撮影用フィルム 

RADIOGRAPHIC  FILM

rm-3232

CT,コンピュータ断層撮影[

COMPUTED  TOMOGRAPHY

rm-4120

実効焦点 

EFFECTIVE  FOCAL  SPOT

rm-2013

実焦点 

ACTUAL  FOCAL  SPOT

rm-2012


28 
Z 4120:2008 (IEC 60336:2005)

  

受像器面 

IMAGE  RECEPTOR  PLANE

rm-3715

焦点 

FOCAL  SPOT

rm-2013s

焦点スター線像 

FOCAL  SPOT  STAR  RADIOGRAM

rm-7203

焦点スリット 線像 

FOCAL  SPOT  SLIT  RADIOGRAM

rm-7201

焦点ピンホール 線像 

FOCAL  SPOT  PINHOLE  RADIOGRAM

rm-7202

スターパターンカメラ 

STAR  PATTERN  CAMERA

rm-7103

スターパターン解像度 

STAR  PATTERN  RESOLUTION  LIMIT

3.1

スリットカメラ 

SLIT  CAMERA

rm-7101

正常な使用 

NORMAL  USE

rm-8204

製造業者 

MANUFACTURER

rm-8503

線広がり関数,LSF 

LINE  SPREAD  FUNCTION

rm-7301

増感紙 

INTENSIFYING  SCREEN

rm-3238

ピンホールカメラ 

PINHOLE  CAMERA

rm-7102

負荷 

LOADING

rm-3609

付加ろ過 

ADDITIONAL  FILTRATION

rm-1347

附属文書 

ACCOMPANYING  DOCUMENTS

rm-8201

ブルーミング比 

BLOOMING  VALUE

rm-2015

変調伝達関数,MTF 

MODULATION  TRANSFER  FUNCTION

rm-7305

陽極 

ANODE

rm-2206

陽極回転速度 

ANODE  SPEED

rm-3635