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Z 3910:2008

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義 

1

4  一般事項

2

4.1  分析方法に共通な一般事項 

2

4.2  安全に関する注意

2

5  分析試料の採り方,取扱い方法及びはかり方

2

5.1  試料の採り方 

2

5.2  試料の取扱い方法

2

5.3  試料のはかり方

2

6  分析値のまとめ方

2

6.1  分析回数 

2

6.2  分析値の表示 

2

6.3  空試験

3

7  分析方法の区分 

3

7.1  鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法 

3

7.2  チオシアン酸カリウム滴定法

3

7.3  過マンガン酸カリウム滴定法

3

7.4  原子吸光法 

3

7.5  波長分散方式蛍光 線法 

3

7.6  ICP 発光分光法 

3

7.7  スパーク放電発光分光分析法

3

8  鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法 

5

9  チオシアン酸カリウム滴定法

10

10  過マンガン酸カリウム滴定法

11

11  原子吸光法

13

12  波長分散方式蛍光 線法 

20

13  ICP 発光分光法 

22

14  スパーク放電発光分光分析法

25


 
Z 3910:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本溶接

協会(JWES)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 3910:1990 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3910

:2008

はんだ分析方法

Methods for chemical analysis of solder

序文 

今回の改正は,JIS Z 3282 が,2006 年に改正されたのに伴い,両規格の整合性を保持する目的で行った

ものである。

適用範囲 

この規格は,JIS Z 3282 に規定するはんだ中のすず,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,亜鉛,鉄,

アルミニウム,ひ素,カドミウム,インジウム,金及びニッケルの定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 0301  非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則

JIS H 0321  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 2105  鉛地金

JIS K 0050  化学分析方法通則

JIS K 0116  発光分光分析通則

JIS K 0119  蛍光 X 線分析方法通則

JIS K 0121  原子吸光分析通則

JIS K 0211  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 1105  アルゴン

JIS P 3801  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503  化学分析用ガラス器具

JIS Z 2611  金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則

JIS Z 3001(規格群)  溶接用語

JIS Z 3282  はんだ−化学成分及び形状

JIS Z 8401  数値の丸め方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211 及び JIS Z 3001(規格群)による。



Z 3910:2008

一般事項 

4.1 

分析方法に共通な一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050JIS K 0116JIS K 0119JIS K 0121 及び JIS Z 2611 による

ほか,次による。

a)  分析操作に使用する水は,JIS K 0050 の附属書 に規定される水の質の A1 以上のものを用いる。 
b)  試薬として用いる各種標準溶液は,既知濃度の市販品を利用してもよい。

4.2 

安全に関する注意 

分析操作では,有害薬品,危険薬品などの使用及び廃棄処理,蛍光X線分析における X 線による障害,

原子吸光分析,ICP 発光分光分析及びスパーク放電発光分光分析における高圧ガスの取扱い,フレームの

点火・消火などがあり,十分注意する。特に原子吸光分析に使用するアセチレンガスは,銀などと爆発性

のアセチレン化物を作るおそれがあるため,使用の都度,バーナーヘッドを水で洗浄するなどの処置をと

り,災害の防止及び環境の保全に努めなければならない。

分析試料の採り方,取扱い方法及びはかり方 

5.1 

試料の採り方 

試料の採り方及びその調製方法は,JIS H 0301 及び JIS H 0321 による。

5.2 

試料の取扱い方法 

試料の取扱い方法は,次による。

a)  分析用試料は,異物などによる汚染を防止するため,適切なふた付きガラス容器などに入れ,密封し

て保存する。

b)  分析用試料は,その表面に油などが付着しているおそれがあるときは,あらかじめエタノール又はジ

エチルエーテルで洗浄して除去する。

5.3 

試料のはかり方 

試料のはかり方は,次による。

a)  分析試料をはかり取る場合には,よくかき混ぜて平均組成を代表するように注意し,また,異物が混

入しないようにしなければならない。

b)  分析試料のはかり取りには,化学はかり又は電子はかりを用い,各分析方法に規定するはかり取り量

の 1 けた小さい位まで読み取る。

c)  分析試料のはかり取り量は,各分析方法で規定する。

分析値のまとめ方 

6.1 

分析回数 

分析は,同一試料について,繰り返し 2 回以上行う。

6.2 

分析値の表示 

分析値の表示は,次による。

a)  分析値は,質量分率(%)で表す。

b)  合金成分の分析値は,小数点以下 2 けたまで算出した後,二つ以上の分析値を平均して,JIS Z 8401

規則 によって,小数点以下 1 けたに丸める。

c)  不純物の分析値は,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,鉄,ひ素,インジウム,金及びニッケルに

ついては,小数点以下 3 けたまで算出した後,二つ以上の分析値を平均して,JIS Z 8401 

規則 


3

Z 3910:2008

よって小数点以下 2 けたに丸める。また,亜鉛,アルミニウム及びカドミウムについては,小数点以

下 4 けたまで算出した後,二つ以上の分析値を平均し,JIS Z 8401 

規則 によって小数点以下 3 け

たに丸める。

d)  JIS Z 3282 に規定する化学成分の含有率のうち,残部については,差数法によって算出する。ただし,

種類 Sn95Pb5 の場合は,鉛を分析し,すずを差数法で求める。

6.3 

空試験 

分析にあたっては,空試験を行い,測定値を補正する。

分析方法の区分 

7.1 

鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法 

鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法は,合金成分としてのすずの定量に適用する。

7.2 

チオシアン酸カリウム滴定法 

チオシアン酸カリウム滴定法は,合金成分としての銀の定量に適用する。

7.3 

過マンガン酸カリウム滴定法 

過マンガン酸カリウム滴定法は,種類 Sn95Sb5 のアンチモン及び

表 に規定する鉛含有はんだの不純物

としてのアンチモンの定量に適用する。ただし,種類 Sn63Pb37E,種類 Sn60Pb40E 及び種類 Pb50Sn50E に

は,適用しない。

7.4 

原子吸光法 

原子吸光法は,

表 に規定する鉛含有はんだの不純物(ひ素を除く)の定量,並びに表 に規定する鉛

フリーはんだの不純物(ひ素を除く)及び合金成分の一部(

表 参照)の定量に適用する。

7.5 

波長分散方式蛍光 線法 

波長分散方式蛍光 X 線法は,

表 に規定する鉛含有はんだの合金成分の定量,並びに表 に規定する鉛

フリーはんだの合金成分の定量及び不純物としての鉛の定量に適用する。ただし,差数法によって算出す

る合金成分には,適用しない。

7.6 ICP 発光分光法 

ICP 発光分光法は,表 に規定する鉛含有はんだの不純物の定量及び合金成分の一部(表 参照)の定

量,並びに

表 に規定する鉛フリーはんだの不純物及び合金成分の一部(表 参照)の定量に適用する。

7.7 

スパーク放電発光分光分析法 

スパーク放電発光分光分析法は,

表 に規定する鉛含有はんだの不純物の定量及び合金成分の定量,並

びに

表 に規定する鉛フリーはんだの不純物及び合金成分の定量に適用する。ただし,差数法によって算

出する合金成分には適用しない。



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表 1−鉛含有はんだの種類及び適用分析方法 

分析方法

化学成分

化学成分

%(質量分率)

滴定法

原子吸光法

波長分散方

式蛍光 X 線

ICP 発光分

光法

スパーク放

電発光分光

分析法

差数法

95    

残部

Sn

1∼63

a)

36∼9

残部

Pb

5   ○

Ag 1.5∼2

b)

合金成分

Bi 3∼14     ○

Ag 0.10

以下

0.2∼0.5

c)

Sb

0.2  未満

Cu 0.08

以下

Bi 0.25

以下

Zn 0.001

以下

Fe 0.02

以下

Al 0.001

以下

As 0.03

以下

Cd 0.005

以下

Au 0.05

以下

In 0.10

以下

不純物

Ni 0.01

以下

a)

  鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法

b)

  チオシアン酸カリウム滴定法

c)

  過マンガン酸カリウム滴定法


5

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表 2−鉛フリーはんだの種類及び適用分析方法 

分析方法

化学成分

化学成分

%(質量分率)

滴定法

原子吸光法

波長分散方

式蛍光 X 線

ICP 発光分光

スパーク放

電発光分光

分析法

差数法

88  以上

残部

Sn

42∼48

a)

Ag 0.3∼5

b)

Sb 5

c)

58   

残部

Bi

0.5∼3

  ○

Cu 0.5∼6   ○

52   

残部

In

4,8   ○

合金成分

Zn 8,9     ○

Pb 0.10

以下

Ag 0.10

以下

Sb 0.10

以下

Cu 0.05

以下

Bi 0.10

以下

Zn 0.001

以下

Fe 0.02

以下

Al 0.001

以下

As 0.03

以下

Cd 0.002

以下

Au 0.05

以下

In 0.10

以下

不純物

Ni 0.01

以下

a)

  鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法

b)

  チオシアン酸カリウム滴定法

c)

  過マンガン酸カリウム滴定法

鉛(又はニッケル)還元よう素酸カリウム滴定法 

8.1 

要旨 

試料を硫酸で分解し,水,塩酸,塩化アンチモン(Ⅲ)及び鉛又はニッケルを加え,加熱してすず(Ⅳ)

をすず(Ⅱ)に還元した後,でんぷんを指示薬として,よう素酸カリウム標準溶液で滴定する。

8.2 

試薬 

試薬は,次による。

8.2.1 

塩酸 

8.2.2 

硫酸 

8.2.3 

鉛  鉛は,JIS H 2105 に規定する特種相当品の小片とする。 

8.2.4 

ニッケルシリンダ又はニッケル線  99.8  %(質量分率)以上で,通常,図 の a)  又は b)  の形状

及び寸法とする。繰り返し使用することができる。 



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単位  mm

a)  ニッケルシリンダ b) 

ニッケル線 

図 1−ニッケルシリンダ及びニッケル線 

8.2.5 

二酸化炭素  99.95  %(体積分率)以上の二酸化炭素を用いる。二酸化炭素に酸素が含まれている

場合には,塩化銅(Ⅰ)45 g を塩酸(1+1)300 mL に溶解し,少量の金属銅削片を加え,密栓して 24 時

間以上放置した溶液に,二酸化炭素を通じて精製し,酸素を除去する。 

8.2.6 

塩化アンチモン(Ⅲ)溶液  塩化アンチモン(Ⅲ)5 g を塩酸(1+1)500 mL に加熱して溶解する。 

8.2.7 

炭酸水素ナトリウム溶液(飽和) 

8.2.8 0.017 

mol/L よう素酸カリウム標準溶液  水酸化ナトリウム 1 g 及びよう化カリウム 10 g を水 200

mL に溶解した後,よう素酸カリウム 3.567 g を加えて溶解する。溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を

用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この標準溶液 1 mL は,すず約 0.006 g に相当するが,標定は,次

の手順によって行う。

a)  標準すず溶液(Sn:4 g/L)の調製  標準すず溶液(Sn:4 g/L)の調製は,次のいずれかによる。

1)  すず[99.99  %(質量分率)以上]1. 00 g をはかり取り,トールビーカ(300 mL)に移し入れる。

硫酸 20 mL を加え,時計皿で覆い,加熱分解した後,引き続き加熱して時計皿及びビーカの内壁に

付着した硫黄を揮散させる。放冷した後,水及び塩酸(1+1)を用いて時計皿の下面及びビーカの

内壁を洗い,時計皿を取り除き,塩酸(1+1)50 mL を加えて塩類を溶解する。常温まで冷却した

後,溶液を 250 mL の全量フラスコに移し入れ,塩酸(1+1)を用いて標線まで薄める。

2)  すず[99.99  %(質量分率)以上]1. 000 g をはかり取り,ビーカ(300 mL)に移し入れ,塩酸 50 mL

を加え,すずを白金板と接触させながら水浴上で加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿

の下面及びビーカの内壁を塩酸(1+1)で洗い,時計皿を取り除く。溶液を 250 mL の全量フラス

コに塩酸(1+1)を用いて移し入れ,塩酸(1+1)で標線まで薄める。

b)  標定  a)の 1)又は 2)で調製した標準すず溶液を正確に 25 mL 取り,装置(8.3)の三角フラスコ(500 mL)

に入れる。以下,8.5 a)の 2)6)又は 8.5 b)の 2)5)の手順に従って操作し,0.017 mol/L よう素酸カリ


7

Z 3910:2008

ウム標準溶液 1 mL に対するすず量を,次の式によって算出する。

V

.

f

100

0

1

=

ここに,

f

1

0.017 mol/L よう素酸カリウム標準溶液 1 mL に相当する
すず量(g/mL)

0.100: 標準すず溶液 25 mL 中のすず量(g)

V: 0.017 mol/L よう素酸カリウム標準溶液の使用量(mL)

8.2.9 0.003 

mol/L よう素酸カリウム標準溶液  0.017 mol/L よう素酸カリウム標準溶液(8.2.8)を使用

の都度,必要量だけ水で正確に 5 倍に薄める。この標準溶液 1 mL に相当するすず量を,次の式によって

算出する。

1

2

2

0

f

.

f

×

=

ここに,

f

2

0.003 4 mol/L よう素酸カリウム標準溶液 1 mL に相当す
るすず量(g/mL)

8.2.10  でんぷん溶液  でんぷん(溶性)1 g に少量の冷水を加えて泥状としたものを,80  ℃以上に加熱し

た 100 mL の熱水中にかき混ぜながら加え,約 1 分間煮沸した後放冷し,不溶解物があればろ過する。こ

の溶液は,使用の都度調製し,よう素によって赤褐色となるものを用いてはならない。

8.3 

装置 

装置は,通常,次のいずれかによる。

8.3.1 

還元装置 A  通常,図 による。

単位  mm

a)  キャップ b) 

還元装置 

図 2−還元装置 の例 

8.3.2 

還元装置 B  通常,図 による。 



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図 3−還元装置 の例 

8.4 

試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,通常,

表 による。

表 3−試料はかり取り量 

単位  g

はんだの種類

a)

鉛含有はんだ

鉛フリーはんだ

試料はかり取り量

Pb97.5Ag1.5Sn1,Pb95Sn5

2.0

Pb90Sn10,Pb80Sn20

1.0

Pb70Sn30,Pb65Sn35

0.50

Pb60Sn40,Pb55Sn45,Pb50Sn50,Pb50Sn50E Bi58Sn42 
Sn57Pb40Bi3,Sn46Pb46Bi8,Sn43Pb43Bi14 In52Sn48

0.30

Sn60Pb40,Sn60Pb40E,Sn63Pb37,Sn63Pb37E
Sn62Pb36Ag2

0.20

a)

  JIS Z 3282 による。

8.5 

操作 

定量操作は,次のいずれかの手順によって行う。

a)  還元装置 を用いる場合 

1)

  試料をはかり取り,三角フラスコ(500 mL)に移し入れ,硫酸 15 mL を加え,加熱して分解した後,

室温まで放冷する。

2)

  水 140 mL,塩酸 50 mL,塩化アンチモン(Ⅲ)溶液(8.2.6)10 mL,及び鉛(8.2.3)10 g 又はニッ


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Z 3910:2008

ケル(8.2.4)を加える。三角フラスコ(500 mL)にキャップ(

図 2)を付けたゴム栓を施し,キャ

ップに水 50 mL を入れ,約 10 分間穏やかに煮沸してすずを還元する。

3)

  加熱を止め,キャップ中の水の約 2/3 が三角フラスコに逆流したとき,炭酸水素ナトリウム溶液(飽

和)50 mL を加え,再び 40 分間加熱して完全にすずを還元する。

4)

  三角フラスコの熱源を取り除いて加熱を止め,5 分間放冷した後,氷水中に浸して 10  ℃以下になる

まで冷却する。この操作の間にキャップ中の炭酸水素ナトリウム溶液(飽和)は三角フラスコ中に

流入し,キャップ中の液量が減少して三角フラスコ中に空気を吸い込むおそれがあれば,炭酸水素

ナトリウム溶液(飽和)をキャップに追加する。

5)

  キャップとともにゴム栓を外し,直ちにゴム栓の下端及び三角フラスコの内壁を,煮沸して空気を

追い出してから二酸化炭素(8.2.5)を通じながら冷却した水で洗浄し,更にニッケルを還元剤とし

て用いた場合には,ニッケルシリンダ又はニッケル線を取り出し,洗浄する。洗液は,いずれも三

角フラスコ中の溶液に合わせる。

6)

  でんぷん溶液(8.2.10)5 mL を指示薬として加え,0.017 mol/L よう素酸カリウム標準溶液(8.2.8

で滴定し,

溶液の色が青紫に変わった点を終点とし,よう素酸カリウム標準溶液の使用量を求める。

なお,はんだの種類が Pb97.5Ag1.5Sn1 及び Pb95Sn5 の場合には,0.017 mol/L よう素酸カリウム

標準溶液の代わりに 0.003 4 mol/L よう素酸カリウム標準溶液(8.2.9)を用いて滴定する。

b)  還元装置 を用いる場合 

1) a) 

1)

  の操作を行う。

2)

  水 200 mL,塩酸 50 mL,鉛(8.2.3)10 g 及び塩化アンチモン(Ⅲ)溶液(8.2.6)10 mL を加え,装

置を組み立て,二酸化炭素(8.2.5)を通じながら約 50 分間加熱し,完全にすずを還元する。

3)

  放冷した後,10  ℃以下に冷却する。

4)

  ガラス棒をゴム栓から抜き取り,煮沸して空気を追い出してから二酸化炭素(8.2.5)を通じながら

冷却した水を入れた洗瓶の口を,ガラス棒を抜き取った孔に差し込み,三角フラスコの内壁,ゴム

栓の下端を洗浄する。

5)

  でんぷん溶液(8.2.10)5 mL を指示薬として加えた後,0.017 mol/L よう素酸カリウム標準溶液(8.2.8

を入れたビュレットの先を

図 の の孔に差し込み,約 10  ℃で滴定し,溶液の色が青紫に変わっ

た点を終点とし,よう素酸カリウム標準溶液の使用量を求める。

なお,はんだの種類が Pb97.5Ag1.5Sn1 及び Pb95Sn5 の場合には,0.017 mol/L よう素酸カリウム

標準溶液の代わりに 0.003 4 mol/L よう素酸カリウム標準溶液(8.2.9)を用いて滴定する。

8.6 

空試験 

空試験は,行わない。

8.7 

計算 

試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。

a) 0.017 

mol/L よう素酸カリウム標準溶液を用いた場合 

100

1

×

×

=

m

f

V

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[質量分率(%)

V

8.5 の a) 6)又は b) 5)で得られた

0.017 mol/L

よう素酸カリ

ウム標準溶液の使用量(

mL

f

1

0.017 mol/L

よう素酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当する

すず量(

g/mL


10 
Z 3910:2008

m

試料はかり取り量(

g

b) 0.003 

mol/L よう素酸カリウム標準溶液を用いた場合 

100

2

×

×

=

m

f

V

Sn

ここに,

Sn

試料中のすず含有率[質量分率(%)

V

8.5 の a) 6)又は b) 5)で得られた

0.003 4 mol/L

よう素酸カ

リウム標準溶液の使用量(

mL

f

2

0.003 4 mol/L

よう素酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当する

すず量(

g/mL

m

試料はかり取り量(

g

チオシアン酸カリウム滴定法 

9.1 

要旨 

試料を硝酸で分解し,硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)を指示薬としてチオシアン酸カリウム標準溶液で滴定

する。

9.2 

試薬 

試薬は,次による。

9.2.1 

硝酸(11 

9.2.2 0.03 

mol/L チオシアン酸カリウム標準溶液  チオシアン酸カリウム

2.9 g

を水に溶解し溶液を

1 000

mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この標準溶液

1 mL

は,銀約

0.003 mg

に相当するが,標定は,次の手順によって行う。

a)

標準銀溶液(Ag:4 g/L)の調製  銀[

99.99

%(質量分率)以上]

1. 000 g

をはかり取り,ビーカに移

し入れる。硝酸(

1

1

30 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して完全に分解する。常温まで冷却した

後,水を用いて時計皿の下面及びビーカの内壁を洗い,時計皿を取り除く。溶液を

250 mL

の全量フ

ラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

b)

標定  a)で調製した標準銀溶液をビーカ(

200 mL

)に正確に

25 mL

はかり取る。以下,9.4.1 b)及び 9.4.2

の手順に従って操作し,

0.03 mol/L

チオシアン酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当する銀量を,次の式に

よって算出する。

V

f

100

.

0

=

ここに,

f

0.03 mol/L

チオシアン酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当する

銀量(

g/mL

0.100

標準銀溶液

25 mL

中の銀量(

g

V

0.03 mol/L

チオシアン酸カリウム標準溶液の使用量(

mL

9.2.3 

硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)溶液  硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)

12

水を水に溶解して飽和させ,溶液

が黄色を呈するまで硝酸(

1

1

)を滴下する。 

9.3 

試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

1.0 g

とする。ただし,種類

Sn99Cu0.7Ag0.3

は,

5.0 g

とする。

9.4 

操作 

9.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。


11

Z 3910:2008

a)

試料をはかり取り,ビーカ(

300 mL

)に移し入れ,硝酸(

1

1

30 mL

を加え,時計皿で覆い,徐々

に温度を上げ,穏やかに加熱して分解し,引き続き加熱して酸化窒素を追い出す。時計皿の下面及び

ビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。

b)

常温まで冷却した後,水で液量を約

100 mL

とする。

9.4.2 

滴定 

9.4.1 b)で得た溶液に硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)溶液(9.2.3

5 mL

を指示薬として加え,十分にかき混

ぜながら,

0.03 mol/L

チオシアン酸カリウム標準溶液(9.2.2)で滴定し,最後の

1

滴で溶液が微かに赤褐

色を呈したときを終点とし,チオシアン酸カリウム標準溶液の使用量を求める。

9.5 

空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。ただし,空試験は,分析試料が種類

Sn99Cu0.7Ag0.3

の場合だけ行う。

9.6 

計算 

試料中の銀含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

×

=

m

f

V

V

Ag

ここに,

Ag

試料中の銀含有率(質量分率%)

V

1

9.4.2 で得たチオシアン酸カリウム標準溶液の使用量(

mL

V

2

9.5 で得たチオシアン酸カリウム標準溶液の使用量(

mL

f

チオシアン酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当する銀量(

g

m

試料はかり取り量(

g

10  過マンガン酸カリウム滴定法 
10.1  
要旨 

試料を硫酸と硫酸カリウムとで分解し,塩酸を加えた後,過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定する。

10.2  試薬 

試薬は,次による。

10.2.1  塩酸 
10.2.2  
硫酸 
10.2.3  
硫酸カリウム 
10.2.4 0.04 

mol/L 過マンガン酸カリウム標準溶液  過マンガン酸カリウム

0.63 g

を水

1 000 mL

に溶解し,

三角フラスコ(

2 000 mL

)に入れ,穏やかに

10

15

分間煮沸した後,

1

夜間(

8

時間以上)暗所に放置す

る。上澄み液を JIS R 3503 に規定するガラスろ過器(ブフナー形

17G4

)で乾いた容器にろ過する(ろ過

の前後でガラスろ過器を水洗してはならない。

。ろ液を褐色瓶に入れ暗所に保管する。この溶液

1 mL

は,

アンチモン約

0.001 2 g

に相当するが,標定は次の手順によって行う。

a)

標準アンチモン溶液(Sb: 800 mg/L)の調製  アンチモン[

99.90

%(質量分率)以上]

0.200 g

をは

かり取り,三角フラスコ(

500 mL

)に移し入れ,硫酸

20 mL

を加え,10.4.1 b)の操作を行って分解す

る。放冷した後,注意しながら水

50 mL

を少量ずつ加え,更に塩酸

50 mL

を加えて塩類を溶解する。

常温まで冷却した後,溶液を

250 mL

の全量フラスコに塩酸(

1

1

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

1

で標線まで薄める。

b)

標定  a)で調製した標準アンチモン溶液を三角フラスコ(

500 mL

)に正確に

25 mL

取り,水

100 mL

及び硫酸

20 mL

を加え,約

5

分間穏やかに煮沸した後,水で液量を

250 mL

とする。以下,10.4.1 d)


12 
Z 3910:2008

及び 10.4.2 の手順に従って操作し,

0.04 mol/L

過マンガン酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当するアンチ

モン量を,次の式によって算出する。

)

(

02

.

0

2

1

V

V

f

=

ここに,

f

0.04 mol/L

過マンガン酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当するア

ンチモン量(

g/mL

0.02

標準アンチモン溶液

25 mL

中のアンチモン量(

g

V

1

b)で得た

0.04 mol/L

過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量

mL

V

2

c)で得た

0.04 mol/L

過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量

mL

c)

空試験  標準アンチモン溶液を用いずに,b)と同じ操作を b)の操作と並行して行う。

10.3  試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

2.0 g

とする。ただし,種類

Sn95Sb5

0.30 g

とする。

10.4  操作 
10.4.1  
試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,三角フラスコ(

500 mL

)に移し入れ,硫酸

30 mL

を加える。

b)

硫酸カリウム

4 g

を加え,始めは徐々に加熱し,次第に温度を高めて十分に分解した後,引き続き

10

30

分間加熱して二酸化硫黄を除去する。このとき,加熱温度が高すぎると硫酸アンチモンの分解に

よってアンチモンは低値となるおそれがあるので,分解温度よりも低い温度で行う。

c)

放冷した後,注意しながら水

50 mL

を少量ずつ加える。三角フラスコの内壁を水で洗い,塩酸

25 mL

を加える。溶液を

5

分間穏やかに煮沸し,水で液量を約

400 mL

とする。このとき,硫酸塩の沈殿が

多量に存在する場合は,アンチモンの定量値が,高値となりやすいので,更に

1

分間煮沸し,直ちに

振り混ぜて沈殿をなるべく溶解させる。

なお,すず基はんだでは,塩酸

25 mL

の代わりに塩酸

15 mL

を加え,水で液量を

400 mL

とする代

わりに,

250 mL

としてもよい。

d)

溶液を,約

10

℃に冷却する。

10.4.2  滴定 

10.4.1 d)で得られた溶液の温度を約

10

℃に保ちながら,

0.04 mol/L

過マンガン酸カリウム標準溶液

10.2.4)で滴定し,最後の

1

滴で溶液が微黄色を呈した点を終点とし,過マンガン酸カリウム標準溶液の

使用量を求める。

10.5  空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

10.6  計算 

試料中のアンチモン含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

×

=

m

f

V

V

Sb

ここに,

Sb

試料中のアンチモン含有率[質量分率(%)

V

1

10.4.2 で得た過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量(

mL

V

2

10.5 で得た過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量(

mL

m

試料はかり取り量(

g


13

Z 3910:2008

f

過マンガン酸カリウム標準溶液

1 mL

に相当するアンチモン量

g

11  原子吸光法 
11.1  
要旨 

試料を塩酸と硝酸とで加熱分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧

し,その吸光度を測定する。

11.2  装置 

原子吸光分析装置は,JIS K 0121 に規定するものとし,6.2 b)

及び 6.2 c)

に示す分析値の算出基準を満

足するものを用いる。

11.3  鉛,アンチモン,銅,ビスマス,インジウム,亜鉛,鉄及びカドミウムの定量 
11.3.1  
試薬 

試薬は,次による。

11.3.1.1  混酸 A(塩酸 85,硝酸 10,水 5 
11.3.1.2  
混酸 B(硝酸 3,塩酸 1,水 8 
11.3.1.3  
すず[99.99  %(質量分率)以上] 
11.3.1.4  
鉛[99.99  %(質量分率)以上] 
11.3.1.5  
銀[99.99  %(質量分率)以上] 
11.3.1.6  
アンチモン[99.90  %(質量分率)以上] 
11.3.1.7  
銅[99.90  %(質量分率)以上] 
11.3.1.8  
ビスマス[99.90  %(質量分率)以上] 
11.3.1.9  
インジウム[99.90  %(質量分率)以上] 
11.3.1.10  
亜鉛[99.90  %(質量分率)以上] 
11.3.1.11  
標準鉛溶液(Pb:100 mg/L)  鉛[

99.99

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

50 mL

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Pb:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ硝酸(

1

10

)で正確に

10

倍に薄めて標準鉛溶液とする。

11.3.1.12  標準アンチモン溶液(Sb:400 mg/L)  アンチモン[

99.90

%(質量分率)以上]

1.000 g

をはか

り取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,混酸(塩酸

3

,硝酸

1

30 mL

を加え,加熱し

て分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を塩酸(

1

1

)で洗い,時計皿を取り

除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに塩酸(

1

1

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

1

)で標線まで薄めて

原液(

Sb:10g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸(

1

1

)で正確に

25

倍に薄めて標準ア

ンチモン溶液とする。

11.3.1.13  標準銅溶液(Cu:50 mg/L)  銅[

99.96

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

30 mL

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Cu:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正

確に

20

倍に薄めて標準銅溶液とする。


14 
Z 3910:2008

11.3.1.14  標準ビスマス溶液(Bi:200 mg/L)  ビスマス[

99.90

%(質量分率)以上]

0.200 g

をはかり取

り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

50 mL

を加え,加熱して分解する。常

温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全

量フラスコに塩酸(

1

10

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

10

)で標線まで薄めて原液(

Bi:2 g/L

)とする。

この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸(

1

10

)で正確に

10

倍に薄めて標準ビスマス溶液とする。

11.3.1.15  標準インジウム溶液(In:100 mg/L)  インジウム[

99.90

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはか

り取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,塩酸(

1

1

30 mL

を加え,加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

1 000 mL

全量フラスコに塩酸(

1

20

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

20

)で標線まで薄めて標準インジウム溶液と

する。

11.3.1.16  標準亜鉛溶液(Zn:2 mg/L)  亜鉛[

99.99

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ

200 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

20 mL

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却

した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Zn:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だ

け水で正確に

500

倍に薄めて標準亜鉛溶液とする。

11.3.1.17  標準鉄溶液(Fe:20 mg/L)  鉄[

99.5

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

20 mL

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Fe:1g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確

50

倍に薄めて標準鉄溶液とする。

11.3.1.18  標準カドミウム溶液(Cd:50 mg/L)  カドミウム[

99.96

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはか

り取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

10 mL

を加え,加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Cd:1 g/L

)とする。この原液を使用の都

度,必要量だけ水で正確に

20

倍に薄めて標準カドミウム溶液とする。

11.3.2  試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

1.0 g

とする。

なお,定量感度及び精度を上げるために,試料はかり取り量を増やしてもよい。

11.3.3  操作 
11.3.3.1  
試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,混酸

A 50 mL

を加え,加熱して分解した後,

10

20 mL

になるまで濃縮する。常温ま

で冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。

なお,鉛の含有率が低い試料には,分解酸として混酸

B

を用いてもよい。

c)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める

1)

1)

合金成分としてビスマスを含有する試料の場合,加水分解を起こさないように酸濃度に注意

する。

d)

1

時間静置した後,溶液を乾いた JIS P 3801 に規定するろ紙(

5

C

)を用いてろ過する。


15

Z 3910:2008

11.3.3.2  吸光度の測定 

11.3.3.1 d)で得られたろ液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフ

レーム中に噴霧し,

表 に示す各定量成分の測定波長における吸光度を測定する。

なお,精度及び正確さを満足することを確認してあれば,空気−水素,その他のフレームを用いてもよ

い。また,共存元素の影響がある場合は,

表 に示す以外の波長を用いて測定してもよい。

表 4−定量成分と測定波長の例 

単位  nm

定量成分

波長

鉛 283.3

アンチモン 217.6 又は 231.1

銅 324.8

ビスマス 223.1

インジウム 230.6

亜鉛 213.9

鉄 248.3

カドミウム 228.8

11.3.4  空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

11.3.5  検量線の作成 

検量線の作成は,次による。

a)

試料用検量線の作成

1)

すず,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,インジウム及び/又は亜鉛を,試料

1 g

中に含まれる

合金成分の量とほぼ同じになるように,数個はかり取り,それぞれビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

2)

11.3.3.1 b)の操作を行った後,定量成分の標準溶液(11.3.1.1111.3.1.18

0

20 mL

を段階的に加え

る。以下,11.3.3.1 c)11.3.3.2 の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得られた吸光度と定量

成分量との関係線を作成し,検量線とする。

b)

空試験用検量線の作成  数個のビーカ(

200 mL

)を用意し,定量成分の標準溶液(11.3.1.1111.3.1.18

0

20 mL

を段階的にはかり取る。以下,11.3.3.1 c)11.3.3.2 の手順に従って[ただし,11.3.3.1 d)の操

作は,行わなくてもよい。

]試料溶液と並行して操作し,得られた吸光度と定量成分量との関係線を作

成し,検量線とする。

11.3.6  計算 

11.3.3.2 及び 11.3.4 で得られた吸光度と 11.3.5 a)及び 11.3.5 b)で作成した検量線から,それぞれ定量成分

量を求め,試料中の定量成分含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

=

m

A

A

Xi

ここに,

Xi

試料中の定量成分含有率[質量分率(%)

A

1

試料溶液中の定量成分検出量(

g

A

2

空試験液中の定量成分検出量(

g

m

試料はかり取り量(

g


16 
Z 3910:2008

11.4  銀の定量 
11.4.1  
試薬 

試薬は,次による。

11.4.1.1  硝酸 
11.4.1.2  
すず[99.99  %(質量分率)以上] 
11.4.1.3  
鉛[99.99  %(質量分率)以上] 
11.4.1.4  
アンチモン[99.90  %(質量分率)以上] 
11.4.1.5  
銅[99.90  %(質量分率)以上] 
11.4.1.6  
ビスマス[99.90  %(質量分率)以上] 
11.4.1.7  
インジウム[99.90  %(質量分率)以上] 
11.4.1.8  
亜鉛[99.90  %(質量分率)以上] 
11.4.1.9  
酒石酸 
11.4.1.10  
標準銀溶液(Ag:50 mg/L)  銀[

99.99

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Ag:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正

確に

20

倍に薄めて標準銀溶液とする。 

11.4.2  試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

0.5 g

とする。

11.4.3  操作 
11.4.3.1  
試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

b)

15 mL

及び酒石酸

15 g

を加え,加熱して酒石酸を溶解した後,硝酸

10 mL

を加え,なるべく低温

度で加熱して分解し,常温まで冷却する。

c)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

d)

1

時間静置した後,溶液を乾いた JIS P 3801 に規定するろ紙(

5

C

)を用いてろ過する。

11.4.3.2  吸光度の測定 

11.4.3.1 d)で得られたろ液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフ

レーム中に噴霧し,波長

328.1 nm

における吸光度を測定する。

なお,共存元素の影響がある場合は,

328.1 nm

以外の波長を用いて測定してもよい。

11.4.4  空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

11.4.5  検量線の作成 

検量線の作成は,次による。

a)

試料用検量線の作成

1)

すず,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,インジウム及び/又は亜鉛を,試料

1 g

中に含まれる

合金成分の量とほぼ同じになるように,数個はかり取り,それぞれビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

2)

11.4.3.1 b)に従って操作した後,標準銀溶液(11.4.1.10

0

20 mL

(銀として

0

500 µg

)を段階的

に加える。以下,11.4.3.1 c)11.4.3.2 の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得られた吸光度


17

Z 3910:2008

と銀量との関係線を作成し,検量線とする。

b)

空試験用検量線の作成  数個のビーカ(

200 mL

)を用意し,標準銀溶液(11.4.1.10

0

20 mL

(銀と

して

0

500 µg

)を段階的にはかり取る。以下,11.4.3.1 c)11.4.3.2 の手順に従って[ただし,11.4.3.1 

d)の操作は,行わなくてもよい。]試料溶液と並行して操作し,得られた吸光度と定量成分量との関係

線を作成し,検量線とする。

11.4.6  計算 

11.4.3.2 及び 11.4.4 で得られた吸光度と 11.4.5 a)及び 11.4.5 b)で作成した検量線とから,それぞれ銀量を

求め,試料中の銀含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

=

m

A

A

Ag

ここに,

Ag

試料中の銀含有率[質量分率(%)

A

1

試料溶液中の銀検出量(

g

A

2

空試験液中の銀検出量(

g

m

試料はかり取り量(

g

11.5  アルミニウムの定量 
11.5.1  
試薬 

試薬は,次による。

11.5.1.1  塩酸 
11.5.1.2  
硝酸 
11.5.1.3  
硫酸 
11.5.1.4  
硫酸(2100 
11.5.1.5  
臭化水素酸 
11.5.1.6  
臭化水素酸・臭素混合溶液  臭化水素酸

180 mL

に臭素

20 g

を加え,よくかき混ぜる。

11.5.1.7  すず[99.99  %(質量分率)以上] 
11.5.1.8  
鉛[99.99  %(質量分率)以上] 
11.5.1.9  
銀[99.99  %(質量分率)以上] 
11.5.1.10  
アンチモン[99.90  %(質量分率)以上] 
11.5.1.11  
銅[99.90  %(質量分率)以上] 
11.5.1.12  
ビスマス[99.90  %(質量分率)以上] 
11.5.1.13  
インジウム[99.90  %(質量分率)以上] 
11.5.1.14  
亜鉛[99.90  %(質量分率)以上] 
11.5.1.15  
標準アルミニウム溶液(Al:5 mg/L)  アルミニウム[

99.90

%(質量分率)以上]

0.100 g

をは

かり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。塩酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Al:1 g/L

)とする。この原液を使用の都

度,必要量だけ水で正しく

200

倍に薄めて標準アルミニウム溶液とする。

11.5.2  試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

3.0 g

とする。


18 
Z 3910:2008

11.5.3  操作 
11.5.3.1  
試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

b)

臭化水素酸・臭素混合溶液(11.5.1.6

30 mL

を加え,加熱して分解する。硫酸

20 mL

を加え,加熱蒸

発して硫酸白煙を発生させる。

c)

臭化水素酸

10 mL

を少量ずつ滴下し,その都度加熱して硫酸の白煙を生じさせて,すず,アンチモン,

ひ素などを揮散させ,引き続き加熱蒸発して液量を約

10 mL

とする。常温まで放冷した後,水

50 mL

を注意しながら少量ずつ加え,溶解する。

d)

溶液を常温まで冷却する。このとき,硫酸鉛の沈殿があれば,溶液を JIS P 3801 に規定するろ紙(

5

C

)を用いてろ過し,ろ紙上の沈殿を硫酸(

2

100

)で洗浄し,ろ液及び洗液をビーカに受け,加

熱濃縮して蒸発乾固する。

e)

塩酸

10 mL

及び硝酸

10 mL

を加えて加熱し,可溶性塩類を溶解させ,約

20 mL

まで濃縮する。

f)

常温まで冷却した後,溶液を

50 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

11.5.3.2  吸光度の測定 

11.5.3.1 f)で得られた溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の一酸化二窒素・アセ

チレンフレーム中に噴霧し,波長

309.3 nm

における吸光度を測定する。

なお,共存元素の影響がある場合は,

309.3 nm

以外の波長を用いて測定してもよい。

11.5.4  空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

11.5.5  検量線の作成 

検量線の作成は,次による。

a)

試料用検量線の作成

1)

すず,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,インジウム及び/又は亜鉛を,試料

1 g

中に含まれる

合金成分の量とほぼ同じになるように数個はかり取り,それぞれビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

2)

11.5.3.1 b)11.5.3.1 e)に従って操作した後,標準アルミニウム溶液(11.5.1.15

0

20 mL

(アルミニ

ウムとして

0

100 µg

)を段階的に加える。以下,11.5.3.1 f)11.5.3.2 の手順に従って試料溶液と並

行して操作し,得られた吸光度とアルミニウム量との関係線を作成し,検量線とする。

b)

空試験用検量線の作成  数個のビーカ(

200 mL

)を用意し,標準アルミニウム溶液(11.5.1.15

0

20

mL

(アルミニウムとして

0

100 µg

)を段階的にはかり取る。以下,11.5.3.1 f)11.5.3.2 の手順に従っ

て試料溶液と並行して操作し,得られた吸光度と定量成分量との関係線を作成し,検量線とする。

11.5.6  計算 

11.5.3.2 及び 11.5.4 で得られた吸光度と 11.5.5 a)及び 11.5.5 b)で作成した検量線とから,それぞれアルミ

ニウム量を求め,試料中のアルミニウム含有率を次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

=

m

A

A

Al

ここに,

Al

試料中のアルミニウム含有率[質量分率(%)

A

1

試料溶液中のアルミニウム検出量(

g

A

2

空試験液中のアルミニウム検出量(

g

m

試料はかり取り量(

g


19

Z 3910:2008

11.6  金及びニッケルの定量 
11.6.1  
試薬 

試薬は,次による。

11.6.1.1  王水(塩酸 3,硝酸 1 
11.6.1.2  
すず[99.99  %(質量分率)以上] 
11.6.1.3  
鉛[99.99  %(質量分率)以上] 
11.6.1.4  
銀[99.99  %(質量分率)以上] 
11.6.1.5  
アンチモン[99.90  %(質量分率)以上] 
11.6.1.6  
銅[99.90  %(質量分率)以上] 
11.6.1.7  
ビスマス[99.90  %(質量分率)以上] 
11.6.1.8  
インジウム[99.90  %(質量分率)以上] 
11.6.1.9  
亜鉛[99.90  %(質量分率)以上] 
11.6.1.10  
標準金溶液(Au:50 mg/L)  金[

99.99

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。王水

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて

移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Au:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に

20

倍に薄めて標準金溶液とする。 

11.6.1.11  標準ニッケル溶液(Ni:10 mg/L)  ニッケル[

99.95

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取

り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。時計皿で覆い,硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱し

て分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Ni:1 g/L

)とする。この原液

を使用の都度,必要量だけ水で正確に

100

倍に薄めて標準ニッケル溶液とする。

11.6.2  試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

1.0 g

とする。

11.6.3  操作 
11.6.3.1  
試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

b)

王水

30 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビー

カの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。

c)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

d)

1

時間静置した後,乾いた JIS P 3801 に規定するろ紙(

5

C

)を用いてろ過する。

11.6.3.2  吸光度の測定 

11.6.3.1 d)で得られた溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の一酸化二窒素・アセ

チレンフレーム中に噴霧し,波長

242.8 nm

における金の吸光度及び波長

232.0 nm

におけるニッケルの吸

光度を測定する。

なお,精度及び正確さを満足することを確認してあれば,空気−水素,その他のフレームを用いてもよ

い。また,共存元素の影響がある場合は,

242.8 nm

及び

232.0 nm

以外の波長を用いて測定してもよい。

11.6.4  空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。


20 
Z 3910:2008

11.6.5  検量線の作成 

検量線の作成は,次による。

a)

試料用検量線の作成

1)

すず,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,インジウム及び/又は亜鉛を,試料

1 g

中に含まれる

合金成分の量とほぼ同じになるように,数個はかり取り,それぞれビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

2)

11.6.3.1 b)の操作を行った後,標準金溶液(11.6.1.10)又は標準ニッケル溶液(11.6.1.11

0

20 mL

を段階的に加える。以下,11.6.3.1 c)11.6.3.2 の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得られ

た吸光度と金量又はニッケル量との関係線を作成し,検量線とする。

b)

空試験用検量線の作成  数個のビーカ(

200 mL

)を用意し,標準金溶液(11.6.1.10)又は標準ニッケ

ル溶液(11.6.1.11

0

20 mL

を段階的にはかり取る。以下,11.3.3.1 c)11.3.3.2 の手順に従って[た

だし,11.3.3.1 d

)の操作は,行わなくてもよい。]試料溶液と並行して操作し,得られた吸光度と金量

又はニッケル量との関係線を作成し,検量線とする。

11.6.6  計算 

11.6.3.2 及び 11.6.4 で得られた吸光度と,11.6.5 a)及び 11.6.5 b)で作成した検量線とからそれぞれ金量又

はニッケル量を求め,試料中の金又はニッケル含有率を次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

=

m

A

A

Xi

ここに,

Xi

試料中の金又はニッケル含有率[質量分率(%)

A

1

試料溶液中の金又はニッケル検出量(

g

A

2

空試験液中の金又はニッケル検出量(

g

m

試料はかり取り量(

g

12  波長分散方式蛍光 線法 
12.1  
要旨 

試料に

X

線を照射して元素を励起し,発生する定量元素の蛍光

X

線を検出器に導き,その蛍光

X

線強

度を測定する。

12.2  装置 

蛍光

X

線分析装置は,JIS K 0119 の 4.1(装置の構成)に規定する波長分散方式を用いる。

12.3  試料の調製 

分析試料及び検量用試料は,合金成分が均質になるように溶湯を調製して鋳込み,その直径は

35 mm

下,厚さは

5

10 mm

とする。また,試料の

X

線照射面は,旋盤又は研磨機で平滑で平たんな面に仕上げ

る。

12.4  検量用試料 

検量用試料は,合金組成が分析試料とほぼ同じもので,定量成分含有率が試料中の定量成分含有率より

高いもの及び低いもの複数個を使用する。このとき,定量成分含有率が試料中の定量成分含有率より高い

検量用試料を

1

個選び,これを検量線校正試料

2)

とする。

合金成分の検量用試料中の定量成分及び合金成分の含有率は,箇条 891011 及び/又は 13 の方法

によって定量し,決定する。

2)

検量線校正試料は,検量線の確認及び校正に日常用いる試料である。


21

Z 3910:2008

12.5  検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

検量用試料及び 12.4 で選定した検量線校正試料を,

試料ホルダを用いて装置の試料室に正しく装着し,

試料の

X

線照射面積を試料マスクを用いて一定にする。

b)

検量用試料及び検量線校正試料に,あらかじめ設定した条件

3)

に従って

X

線を照射し,定量成分の測

定波長における蛍光

X

線の強度を測定する。

なお,定量成分の測定波長の例を,

表 に示す。共存元素の影響がある場合は,表 に示す波長以

外の波長を用いて測定してもよい。

3)

必要があれば,装置の

X

線通路を真空にするか,又はヘリウムで置換するとよい。

表 5−スペクトル線の例 

単位  nm

定量成分

スペクトル線

波長

すず

    0.043 5(Sn Kβ1)

    0.117 5(Pb Lα1)

    0.098 2(Pb Lβ1)

    0.056 1(Ag Kα)

アンチモン

    0.047 2(Sb Kα)

    0.154 1(Cu Kα)

ビスマス

    0.114 4(Bi Lα1)

インジウム

    0.051 3(In Kα)

亜鉛

    0.143 5(Zn Kα)

    0.129 5(Zn Kβ1)

c)

b)で得られた検量用試料中の定量成分の蛍光

X

線強度と定量成分含有率との関係を求め,検量線を作

成する。

なお,定量成分に対する共存元素の影響がある場合には,定量成分に対する共存元素の補正係数を

求めるとともに,基準検量線を作成する。

12.6  定量操作 

定量操作は,次の手順によって行う。

a)

分析試料及び 12.4 で選定した検量線校正試料を,試料ホルダを用いて装置の試料室に正しく装着し,

試料の

X

線照射面積を試料マスクを用いて一定にする。

b)

検量線校正試料中の定量成分の蛍光

X

線強度を,12.5 b)と同じ条件で測定し,得られた蛍光

X

線強度

と 12.5 b)で測定した検量線校正試料中の定量成分の蛍光

X

線強度との比を求めて,12.5 c)で作成した

検量線の傾きを補正する。

c)

分析試料中の定量成分の蛍光

X

線強度を,12.5 b)と同じ条件で測定する。

d)

c)で得られた定量成分の蛍光

X

線強度と b)で傾きを補正した検量線とから,分析試料中の定量成分含

有率を求める。

なお,定量成分に対する共存元素の影響がある場合には,分析試料中の定量成分の蛍光

X

線強度と

12.5 c)で作成した基準検量線とから,定量成分の未補正含有率を求め,12.5 c)で求めた補正係数を用

いて未補正含有率を補正して,分析試料中の定量成分含有率を求める。


22 
Z 3910:2008

13 ICP 発光分光法 
13.1  
要旨 

試料を王水で分解した後,溶液を

ICP

発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度

を測定する。

13.2  装置 

ICP

発光分光分析装置は,JIS K 0116 の 5.1(装置の構成)に規定するものを用いる。

13.3  試薬 

試薬は,次による。

13.3.1  王水(塩酸 3,硝酸 1 
13.3.2  
すず[99.99  %(質量分率)以上] 
13.3.3  
鉛[99.99  %(質量分率)以上] 
13.3.4  
銀[99.99  %(質量分率)以上] 
13.3.5  
アンチモン[99.90  %(質量分率)以上] 
13.3.6  
銅[99.90  %(質量分率)以上] 
13.3.7  
ビスマス[99.90  %(質量分率)以上] 
13.3.8  
インジウム[99.90  %(質量分率)以上] 
13.3.9  
亜鉛[99.90  %(質量分率)以上] 
13.3.10  
アルゴン  JIS K 1105 に規定する

1

級に相当するものを用いる。

13.3.11  標準鉛溶液 APb:10 g/L)  鉛[

99.99

%(質量分率)以上]

1.000 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

50 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準鉛溶液

A

とする。 

13.3.12  標準鉛溶液 BPb:100 mg/L)  標準鉛溶液

A

を使用の都度,必要量だけ硝酸(

1

1

)で正確に

100

倍に薄めて標準鉛溶液

B

とする。 

13.3.13  標準銀溶液(Ag:100 mg/L)  銀[

99.99

%(質量分率)以上]

0.500 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Ag:5 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ硝酸(

1

1

)で正確に

50

倍に薄めて標準銀溶液とする。 

13.3.14  標準アンチモン溶液 ASb:5 g/L)  アンチモン[

99.90

%(質量分率)以上]

0.500 g

をビーカ

200 mL

)に移し入れる。王水

30 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

の全量フラスコに塩酸(

1

1

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

1

)で標線まで薄めて標準アンチモン溶液

A

とする。

13.3.15  標準アンチモン溶液 BSb:250 mg/L)  標準アンチモン溶液

A

を使用の都度,必要量だけ水で

正確に

20

倍に薄めて標準アンチモン溶液

B

とする。

13.3.16  標準銅溶液(Cu:200 mg/L)  銅[

99.90

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

500 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準銅溶液とする。 


23

Z 3910:2008

13.3.17  標準ビスマス溶液 ABi:2 g/L)  ビスマス[

99.90

%(質量分率)以上]

2.000 g

をはかり取り,

ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

30 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温ま

で冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を塩酸(

1

10

)で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

1 000 mL

の全量フラスコに塩酸(

1

10

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

10

)で標線まで薄めて標準ビスマス溶液

A

とする。

13.3.18  標準ビスマス溶液 BBi:100 mg/L)  標準ビスマス溶液

A

を使用の都度,必要量だけ塩酸(

1

10

)で正確に

20

倍に薄めて標準ビスマス溶液

B

とする。

13.3.19  標準インジウム溶液 AIn:10 g/L)  インジウム[

99.90

%(質量分率)以上]

1.000 g

をはかり

取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準インジウム溶液

A

とする。 

13.3.20  標準インジウム溶液 BIn:100 mg/L)  標準インジウム溶液

A

を使用の都度,必要量だけ水で

正確に

100

倍に薄めて標準インジウム溶液

B

とする。

13.3.21  標準亜鉛溶液 AZn:10 g/L)  亜鉛[

99.90

%(質量分率)以上]

1.000 g

をはかり取り,ビーカ

200 mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

50 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却

した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

の全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準亜鉛溶液

A

とする。

13.3.22  標準亜鉛溶液 BZn:2 mg/L)  標準亜鉛溶液

A

を使用の都度,必要量だけ水で正確に

5 000

に薄めて標準亜鉛溶液

B

とする。

なお,11.3.1.16 の操作によって調製してもよい。

13.3.23  標準鉄溶液(Fe:20 mg/L)  鉄[

99.5

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり取り,ビーカ(

200

mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Fe:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確

50

倍に薄めて標準鉄溶液とする。 

13.3.24  標準アルミニウム溶液(Al:1 mg/L)  アルミニウム[

99.90

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはか

り取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

20 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Al:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,

必要量だけ水で正確に

1 000

倍に薄めて標準アルミニウム溶液とする。 

13.3.25  標準ひ素溶液(As:20 mg/L)  酸化ひ素(Ⅲ)

0.132 g

をはかり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入

れる。水酸化ナトリウム溶液(

40 g/L

2 mL

を加えて溶解し,水で約

20 mL

に薄め,フェノールフタレイ

ン溶液

1

2

滴を指示薬として加え,硫酸(

1

10

)で微酸性とした後,溶液を

100 mL

の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

As:1 g/L

)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ

水で正確に

50

倍に薄めて標準ひ素溶液とする。 

13.3.26  標準カドミウム溶液(Cd:2 mg/L)  カドミウム[

99.96

%(質量分率)以上]

0.100 g

をはかり

取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。硝酸(

1

1

10 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。

常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶液を

100 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(

Cd:1 g/L

)とする。この原液を使用の都

度,水で正確に

500

倍に薄めて標準カドミウム溶液とする。 


24 
Z 3910:2008

13.3.27  標準金溶液(Au:50 mg/L)  標準金溶液は,11.6.1.10 による。 
13.3.28  
標準ニッケル溶液(Ni:10 mg/L)  標準ニッケル溶液は,11.6.1.11 による。

13.4  試料はかり取り量 

試料はかり取り量は,

1.0 g

とする。ただし,種類

Sn43Pb43Bi14

及び種類

Sn46Pb46Bi8

を測定する場合

は,

0.1 g

とする。

13.5  操作 
13.5.1  
試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,ビーカ(

200 mL

)に移し入れる。

b)

王水

50 mL

を加え,時計皿で覆い,加熱して分解した後,液量が約

30 mL

になるまで加熱して濃縮す

る。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカの内壁を塩酸(

1

2

)で洗い,時計皿を取り除く。

c)

溶液を

100 mL

の全量フラスコに塩酸(

1

2

)を用いて移し入れ,塩酸(

1

2

)で標線まで薄める。

d)

1

時間静置した後,乾いた JIS P 3801 に規定するろ紙(

5

C

)でろ過する。

13.5.2  発光強度の測定 

13.5.1 d)で得られたろ液の一部を,

ICP

発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

表 に示す各

定量成分の測定波長における発光強度を測定する。

なお,共存元素の影響がある場合には,

表 に示す波長以外の波長を用いて測定してもよい。

表 6−測定波長の例 

単位  nm

定量成分

波長

鉛 Pb

Ⅱ 220.353,Pb  Ⅰ 283.306 又は Pb  Ⅰ 405.782

銀 Ag

Ⅰ 328.068

アンチモン Sb

Ⅰ 206.838 又は Sb  Ⅰ 217.581

銅 Cu

Ⅰ 324.754 又は Cu  Ⅰ 327.396

ビスマス Bi

Ⅰ 223.061

インジウム In

Ⅰ 230.606

亜鉛 Zn

Ⅱ 206.200 又は Zn  Ⅰ 213.856

鉄 Fe

Ⅱ 238.204 又は Fe  Ⅱ 259.940

アルミニウム Al

Ⅰ 396.153

ひ素 As

Ⅰ 189.040 又は As  Ⅰ 228.812

カドミウム Cd

Ⅱ 214.438 又は Cd  Ⅱ 226.502

金 Au

Ⅰ 242.795

ニッケル Ni

Ⅱ 221.647 又は Ni  Ⅱ 231.604

注記  Ⅰ:原子線,Ⅱ:イオン線 

13.6  空試験 

試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

13.7  検量線の作成 

検量線の作成は,次による。

a)

試料用検量線の作成

1)

すず,鉛,銀,アンチモン,銅,ビスマス,インジウム及び/又は亜鉛を,13.5.1 a)ではかり取っ


25

Z 3910:2008

た試料中に含まれる合金成分の量とほぼ同じになるように,数個はかり取り,それぞれビーカ(

200

mL

)に移し入れる。

2)

13.5.1 b)の操作を行った後,定量成分の標準溶液(13.3.1013.3.27

0

20 mL

を段階的に加える。

以下,13.5.1 c)13.5.2 の手順に従って試料溶液と並行して操作し,得られた発光強度と定量成分量

との関係線を作成し,検量線とする。

b)

空試験用検量線の作成  数個のビーカ(

200 mL

)を用意し,定量成分の標準溶液(13.3.1013.3.27

0

20 mL

を段階的に取る。以下,13.5.1 c)13.5.2 の手順に従って[ただし,13.5.1 d)の操作は行わな

くてもよい。

]試料溶液と並行して操作し,得られた発光強度と定量成分量との関係線を作成し,検量

線とする。

13.8  計算 

13.5.2 及び 13.6 で得られた発光強度と 13.7 a)及び 13.7 b)で作成した検量線とから,それぞれ定量成分量

を求め,試料中の定量成分含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

1

×

=

m

A

A

Xi

ここに,

Xi

試料中の定量成分含有率[質量分率(%)

A

1

試料溶液中の定量成分検出量(

g

A

2

空試験液中の定量成分検出量(

g

m

試料はかり取り量(

g

14  スパーク放電発光分光分析法 
14.1  
要旨 

平面状又は棒状に成形・調製した試料を電極とし,スパーク放電によって元素を励起し,発生する定量

成分の発光スペクトルを分光器によって分光し,その発光スペクトル強度を測定する。

14.2  試薬 
14.2.1  
アルゴン  JIS K 1105 に規定する

1

級に相当するものを用いる。 

14.3  装置 

スパーク放電発光分光分析装置は,JIS K 0116 の 6.1(装置の構成)に規定するものを用いる。

14.4  試料の調製 
14.4.1  
分析試料の調製 
14.4.1.1  
平面状試料の調製 

平面状試料の調製は,次による。

a)

溶湯から採取する場合には,必要量を採取し,JIS Z 2611 の 4.1(溶湯試料採取用鋳型)に従って,

に示すような鋳型に注入し,鋳造試料を調製する。

なお,鋳型は乾燥した清浄なものを用いる。


26 
Z 3910:2008

単位  mm

図 4−溶湯試料採取用鋳型の例 

b)

粉末状又は粒状の場合は,平均組成が得られる位置から,薬さじなどを用いて採取し,融解した後,

図 に示すような鋳型に注入し,鋳型試料を調製する。

なお,鋳型は乾燥した清浄なものを用いる。

c)

鋳造試料は,JIS Z 2611 の 4.2(試料切断切削及び研磨用機械)に規定された機械を用いて,底面を厚

1

3 mm

切断して除去し,平面部の直径

20 mm

以上,厚さ

5 mm

以上の平面状に成形する。

なお,鋳造試料は,エタノールなどによって清浄にした後,酸化しないようにして成形する。

14.4.1.2  棒状試料の調製 

棒状試料の調製は,次による。

a)

地金又は製品を抜き取り,平均組成が得られる部分を採取する。

b)

抜き取った地金又は製品は,JIS Z 2611 の 4.2 に規定された機械を用いて,棒状(縦・横それぞれ

5 mm

以上,長さ

50 mm

以上)とする。

なお,形状については,棒状に成形するかわりに,14.4.1.1 a)と同様に,鋳造試料を調製し,14.4.1.1 

c)に従って成形してもよい。

14.4.2  検量用試料の調製 

検量用試料は,JIS Z 2611 の 6.2(標準試料)によって,分析試料中の定量成分含有率を内挿する濃度範

囲において,定量成分の含有率が適当な間隔をもつように数個の試料を鋳造し,14.4.1 によって一系列の

検量用試料を調製する。これらの検量用試料中の定量成分含有率は,箇条 891011 及び/又は 13 

方法によって求める。

なお,検量用試料の形状は,分析試料の形状と同じでなければならない。

14.5  操作 

操作は,次による。

a)

試料は,14.4.1 で調製した分析試料と対電極とを電極支持台に保持する。

b)

あらかじめ定めた繰り返し精度のよい発光条件で,スパークを発生させ,定量成分の発光スペクトル

強度を測定する。発光強度の測定には,繰り返し精度のよい分析線を選定して用いる。


27

Z 3910:2008

分析線の例を,

表 に示す。

表 7−分析線の例 

単位  nm

成分

分析線

  鉛 Pb

Ⅰ 405.78

  銀 Ag

Ⅰ 338.28

  アンチモン Sb

Ⅰ 231.14

  銅 Cu

Ⅰ 276.66

  ビスマス Bi

Ⅰ 306.77

  亜鉛 Zn

Ⅰ 481.05

  鉄 Fe

Ⅰ 302.06

  アルミニウム Al

Ⅰ 309.27

  ひ素 As

Ⅰ 234.98

  カドミウム Cd

Ⅰ 228.80

  インジウム In

Ⅰ 325.61

  金 Au

Ⅰ 242.79

  ニッケル Ni

Ⅰ 352.45

注記  Ⅰ:原子線

14.6  検量線の作成 

14.4.2 で調製した検量用試料のそれぞれと対電極とを電極支持台に保持する。以下,14.5 b)の手順に従

って分析試料と同じ操作を並行して行い,得られた定量成分のスペクトル強度と検量用試料中の定量成分

含有率との関係線を作成する。

14.7  計算 

14.5 b)で得られた定量成分の発光スペクトル強度と 14.6 で作成した検量線とから,試料中の定量成分含

有率を求める。