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日本工業規格

JIS

 Z

3905

-1976

ニッケルろう分析方法

Methods for Chemical Analysis of Nickel Brazing Filler Metals

1.

適用範囲  この規格は,JIS Z 3265(ニッケルろう)に規定された化学成分(クロム,ほう素,けい

素,鉄,炭素,りん)の分析方法について規定する。

引用規格: 

JIS H 0301

  地金の試験並びに検査通則

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 2107

  亜鉛地金

JIS K 0050

  化学分析通則

JIS K 8005

  容量分析用標準試薬

JIS K 8006

  試薬の含量試験中滴定に関する基本事項

JIS K 8383

  サッカロース(試薬)

JIS Z 3265

  ニッケルろう

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

一般事項  分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050(化学分析通則)による。

3.

分析試料の採り方及び取扱い方

3.1

分析試料の採取と調製

3.1.1

分析試料の採取と調製に際しては,試料全体の平均品質を代表するようにし,特に偏析,汚染など

に注意しなければならない。

3.1.2

分析試料の採取と調製は,JIS H 0321(非鉄金属材料の検査通則)の 5.及び JIS H 0301(地金の試

験並びに検査通則)の 2.2 に準じて行うものとし,1 融解ごとに二つ以上(1 融解量が特に少ないときは一

つ)の鋳込試料約 100g を取り,この試料を削って分析に必要な量の 2 倍以上の切粉を作り,これを十分に

混合して分析試料とする。

3.1.3

鋳込試料の削り方は,次のとおり行う。

(1)

きり,そのほかの工具を,エチルアルコールなどで清浄にする。

(2)

試料の表面に付いている油そのほかの付着物を除いて清浄にする。

(3)

試料の中央部又は両端に近い部分などを片面から直角にきりもみして貫通させるか,両面から少なく

とも中心部に達するまできりもみするか,又はそのほかの適当な方法によって削り取る。

(4)

削り試料の大きさは,切粉があまり厚くならない程度にきりもみして,長さを約 5mm 以下にする。

もし切粉がひも状のときは,清浄なはさみで約 5mm 以下に切断する。

なお,このとき切粉にきりの摩耗粉が混入しないように注意し,また冷却のために水などを注加し


2

Z 3905-1976

てはならない。

3.1.4

分析試料の採取と調製が上記の規定によることができない場合には,当事者間の協議によって定め

る。

3.1.5

結合剤を含む線状及び帯状試料の採り方については,当事者間の協議による。

3.2

分析試料のはかり取り

3.2.1

分析試料をはかり取る際には,よくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また異物が混入して

いないことを確かめなければならない。

3.2.2

分析試料のはかり取りには化学はかりを用い,0.1mg のけたまで読みとる。

4.

分析操作上の注意

4.1

分析は,同一試料について,原則として 2 回以上行わなければならない。

4.2

分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,含有率を補正しなければならない。

5.

分析値のまとめ方  分析値は百分率で表し,2 回以上の分析値を平均して,JIS Z 3265 に規定された

位に,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸める。

6.

クロム定量方法

6.1

方法の区分  クロムの定量方法は,過硫酸アンモニウム酸化滴定法による。

6.2

過硫酸アンモニウム酸化滴定法

6.2.1

要旨  試料を王水で処理分解し,硫酸,りん酸及びふっ化水素酸を加え,加熱蒸発して硫酸白煙を

発生させ,放冷後水で可溶性塩類を溶解し,触媒として硝酸銀を加え,更に過硫酸アンモニウムを加えて

クロムを酸化し,クロムを重クロム酸とする。同時に生成した過マンガン酸を塩酸を加えて分解し,次に

硫酸マンガンを添加する。冷却後,

硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液を過剰に加えて重クロム酸を還元し,

過マンガン酸カリウム標準溶液で過剰の硫酸第一鉄アンモニウムを逆滴定する。

6.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸(1+3)

(2)

過塩素酸

(3)

ふっ化水素酸

(4)

硫酸(1+1,1+10,1+50)

(5)

りん酸

(6)

王水(塩酸 3,硝酸 1)

(7)

硝酸銀溶液 (0.5

w

/

v

%)

(8)

過硫酸アンモニウム溶液  (

w

/

v

%)

(9)

ピロ硫酸カリウム

(10)

過マンガン酸カリウム溶液 (2

w

/

v

%)

(11)

硫酸マンガン溶液  硫酸マンガン(4∼6 水塩)10g を水 100ml に溶解する。

(12) N/10

硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液  硫酸第一鉄アンモニウム〔FeSO

4

・ (NH

4

)

2

SO

4

・6H

2

O

〕40g を

水約 300ml に溶解し,これに硫酸(1+1)60ml を加え,1000ml のメスフラスコに移し入れ,水で標線ま

で薄める。

この標準溶液のファクターは,

使用の都度 N/10 過マンガン酸カリウム標準溶液で標定する。

もし正確に N/10 でないときは N/10 に対するファクターを求め,クロム量の算出に際し硫酸第一鉄ア


3

Z 3905-1976

ンモニウム標準溶液の使用量を補正することが必要である。すなわち,ここに調製した硫酸第一鉄ア

ンモニウム標準溶液 25ml を正確に取り,水 25ml 及び(14)の o-

フェナントロリン

溶液 0.25ml を加え,

次に(13)の N/10 過マンガン酸カリウム標準溶液で淡緑色を呈するまで滴定し,過マンガン酸カリウム

標準溶液に対する硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液のファクターを次の式から求める。

2

2

1

1

V

F

V

F

×

=

ここに

F

1

: N/10 硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液のファクター

V

1

: N/10 過マンガン酸カリウム標準溶液使用量 (ml)

V

2

: N/10 硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液分取量 (25ml)

F

2

: N/10 過マンガン酸カリウム標準溶液のファクター

(13) N/10

過マンガン酸カリウム標準溶液 (3.161gKMnO

4

/

l) 

  調製・標定及び保存方法は JIS K 8006(試薬

の含量試験中滴定に関する基本事項)の 2.(22)による。

(14)

o-

フェナントロリン溶液  o-フェナントロリン(1 水塩)3.0g をはかり取り,硫酸第一鉄アンモニウム

(6 水塩)2.0g を含む水 200ml に溶解する。

6.2.3

試料はかり取り量  試料は 0.2g をはかり取る。

6.2.4

操作  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取りビーカー (500ml) に移し入れ,時計ざらで覆い,王水 20ml を加えて静かに加熱し

て分解した後,硫酸(1+1)20ml,りん酸 10ml 及びふっ化水素酸 1∼2ml(

1

)

を加えて加熱蒸発し,硫酸

白煙を 3∼4 分間発生させる(

2

)

(2)

放冷後,温水約 150ml を加えて加温し,塩類を溶解させた後(

3

)

,硝酸銀溶液 10ml 及び過硫酸アンモ

ニウム溶液 20∼25ml を加え,3∼5 分間煮沸してクロムを重クロム酸に酸化する。もしマンガン含有

率が非常に少なく,過マガンン酸の呈色のない場合は,過マンガン酸カリウム溶液を加えて紅色を呈

するようにする。更に煮沸して過硫酸アンモニウムを分解させた後,塩酸(1+3)約 5ml を加えて過マ

ンガン酸を分解する。溶液に過マンガン酸の呈色又は二酸化マンガンの沈殿が残存するときは,塩酸

(1

+3)を更に 2∼3ml 加えて煮沸し,これを完全に分解する。次に硫酸マンガン溶液 5ml を加えて(

4

)2

∼3 分間煮沸し,発生した塩素を完全に除去する。

(3)

冷水を用いて室温以下になるまで冷却した後,水を加えて液量を約 300ml とし,とれに o-フェナント

ロリン溶液 0.25ml 及び N/10 硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液を試料溶液が赤かっ色を呈し始めた後,

更に 5ml 程度が過剰になるよう正確に加え,直ちに N/10 過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定し,

赤かっ色から淡緑色に変わった点を終点とする。

6.2.5

計算  試料中のクロム含有率を,次の式によって算出する。

( )

(

)

100

001734

.

0

2

1

×

×

=

W

V

V

クロム

ここに

V

1

: N/10 硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液使用量 (ml)

V

2

: N/10 過マンガン酸カリウム標準溶液使用量 (ml)

W

:  試料はかり取り量 (g)

(

1

)

けい素を含まない試料の場合は,ふっ化水素酸を添加しなくてもよい。

(

2

)

濃厚な硫酸白煙を長時間発生させると,次の溶解操作が困難となるので注意が必要である。

(

3

)

試料の分解が不完全で残分が着色している場合は,少量のろ紙パルプを加えたろ紙(5 種 B)を

用いて沈殿をこし分け,

硫酸(1+50)で洗浄する。

この際のろ液及び洗液は主液として保存する。

沈殿はろ紙と共に白金るつぼに移し入れ,乾燥後強熱して灰化し,これに約 10 倍量のピロ硫酸


4

Z 3905-1976

カリウムを加えて加熱融解する。放冷後,融成物を少量の温水と硫酸(1+10)を用いて溶解し,

主液に合わせる。

(

4

)

備考

による直接滴定を行う場合は,硫酸マンガン溶液の添加を省略することができる。

備考

滴定は直接滴定によってもよい。この場合には次のように操作する。

6.2.4(1)

(2)

の手順に従って操作した後,冷水を用いて室温以下になるまで冷却する。水を加

えて液量を約 300ml とし,これに o-フェナントロリン溶液 0.25ml を指示薬として加え,N/10

硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液で滴定し,溶液が赤かっ色に変わった点を終点とする。

この場合のクロム含有率は,次の式によって算出する。

( )

100

001734

.

0

×

×

=

W

V

クロム

ここに

V

: N/10 硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液使用量 (ml)

W

:  試料はかり取り量 (g)

7.

ほう素定量方法

7.1

方法の区分

  ほう素の定量方法は,水銀陰極電解分離−水酸化ナトリウム滴定法による。

7.2

水銀陰極電解分離−水酸化ナトリウム滴定法

7.2.1

要旨

  試料を薄い硫酸で加熱分解し,過酸化水素水を加えて鉄その他を酸化する。更に過マンガン

酸カリウムで酸化した後,過酸化水素水を加えて生成した二酸化マンガンなどを分解する。冷却後水銀陰

極電解を行い,ニッケル,クロム,鉄などを分離する。電解残液は煮沸して二酸化炭素などを追い出し,

溶液の pH を正しく整えた後マンニットを加え,水酸化ナトリウム標準溶液で滴定を行い,元の pH にもど

った点を終点とする。

7.2.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

硫酸(1+3,1+9)

(2)

水酸化ナトリウム溶液 (4N)   水酸化ナトリウム溶液 (5N) 500ml に水酸化バリウム溶液 (6%) 100ml

を加えて混合し,1 夜間静置してその上澄み液をサイホンで取り,ポリエチレンびんに保存する。

(3)

過酸化水素水(1+2)

(4)

水銀

(5)

過マンガン酸カリウム溶液(飽和,約 7%)

(6)

マンニット  水に溶解したとき pH の変化のないものを用いる。

(7)

転化糖溶液  サッカロース  (

JIS K 8383

) 200g

を水 600ml に加熱溶解後,硫酸(1+3)20ml を加え約 30

分間加熱して転化させ,冷却後

7.2.4(6)

に準じて中和し,pH を 6.80 とする。この溶液を水で 1に薄め,

冷暗所に保存する。この溶液は,使用の都度 pH が 6.80 であることを確認したうえで用いる。その使

用量は,マンニットの

2

1

量のサッカロース相当量でよい。

(8)

 N/20

水酸化ナトリウム標準溶液

(2)

の水酸化ナトリウム溶液 (4N) 6ml を水で薄めて 500ml とし,ポ

リエチレンびんに保存する。この溶液のファクターは,

(9)

の標準ほう素溶液の一定量 (20ml) を正し

く分取し,硫酸(1+5)5ml を加え,水で 150ml とした後,

7.2.4

(6)

(7)

の手順に従って操作し,N/20

水酸化ナトリウム標準溶液 1ml に相当するほう素量を次の式によって算出する。

V

f

001

.

0

20

×

=

ここに

f

 N/20

水酸化ナトリウム標準溶液

1ml

に相当するほう素量

 (g)


5

Z 3905-1976

V

 N/20

水酸化ナトリウム標準溶液使用量

 (ml)

(9)

標準ほう素溶液

 (1mgB/ml)

  再結晶法で精製し乾燥したほう酸

1.430g

を水に溶解して正しく

250ml

とする。

7.2.3

試料はかり取り量

  試料は

0.5g

をはかり取る。

7.2.4

操作

  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取り三角フラスコ

 (300ml)

に移し入れ,硫酸

(1

9)15ml

を加え,還流冷却器を付けて加

熱分解する

(

1

)

(2)

冷却後,過酸化水素水

(1

2)4

5ml

を徐々に加えて鉄などを酸化し,数分間煮沸して過剰の過酸化水

素を除去する。次に過マンガン酸カリウム溶液を過マンガン酸の着色を認めるまで滴加し,再び煮沸

する。

(3)

冷却後,過酸化水素水

(1

2)

を少量ずつ滴加し,二酸化マンガンなどの沈殿を分解し,更に煮沸して

過剰の過酸化水素を分解する。

(4)

溶液は冷却し,還流冷却器を水で洗って取り外し,なるべく少量の水で洗いながら水銀陰極電解そう

に移し入れ,液量を約

80ml

とする。水銀約

20ml

を加えて陰極とし,うず巻状白金陽極を用い,室温

で電圧約

4V

,電流約

1.5A

1

2

時間電解を行う

(

2

)

(5)

電解が終われば,電流を通じたまま溶液をビーカー

 (300ml)

に移し入れ,水で約

150ml

に薄めた後,

時計ざらを覆い約

10

分間煮沸して二酸化炭素などを完全に追い出す。

(6)

冷却後,

pH

計を用い溶液をかき混ぜながら水酸化ナトリウム溶液を注意して滴加して

pH

6.0

6.5

とする。ビーカーの内壁を少量の水で洗浄し

(

3

)

,次に

N/20

水酸化ナトリウム標準溶液を加え,

pH

正確に

6.80

に調節する。

(7)

これにマンニット

(

4

)

25g

を加えて溶解し,

再び

N/20

水酸化ナトリウム標準溶液を用いて滴定を行い,

pH

6.80

にもどった点を終点とし,

2

度目に消費した

N/20

水酸化ナトリウム標準溶液の使用量を求

める。

7.2.5

計算

  試料中のほう素含有率を,次の式によって算出する。

( )

100

×

×

=

W

f

V

ほう素

ここに

V

 N/20

水酸化ナトリウム標準溶液使用量

 (ml)

f

 N/20

水酸化ナトリウム標準溶液

1ml

に相当するほう素量

 (g)

W

試料はかり取り量

 (g)

(

1

)

比較的低温(約

150

℃)で,長時間(

20

30

分間)加熱すると分解が完全に行われる。

(

2

)

通常の電解装置を用いるときは

1

2

時間を要するが,この際,電解液に過マンガン酸の呈色を

認めてから更に約

10

分間電解を続け,着色が消えるまでとする。磁気水銀陰極電解装置を用い

た場合は,時間を短縮することができる。

(

3

)

必要に応じ溶液の一定量を分取した後,次の操作に移ることができる。この際のマンニットの

添加量は,適当に減じてよい。

(

4

)

マンニットの代用として転化糖溶液を用いることができる。


6

Z 3905-1976

8.

けい素定量方法

8.1

方法の区分

  けい素の定量方法は,二酸化けい素重量法による。

8.2

二酸化けい素重量法

8.2.1

要旨

  試料を王水で分解し,過塩素酸を加えて加熱蒸発し,けい素を不溶性二酸化けい素とし,こ

し分た後強熱して恒量とし,次に,ふっ化水素酸を加えて二酸化けい素を蒸発揮散させ,その減量をはか

る。

8.2.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

塩酸

(1

10)

(2)

硫酸

(1

3)

(3)

過塩素酸

(4)

ふっ化水素酸

(5)

王水(塩酸

3

,硝酸

1

,水

4

8.2.3

試料はかり取り量

  試料は

0.5g

をはかり取る。

8.2.4

操作

  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取りビーカー

 (300ml)

に移し入れ,時計ざらで覆い王水

50ml

を加え,静かに加熱して

分解した後過塩素酸

20ml

を加え,加熱蒸発して白煙を発生させる。強熱して蒸発した過塩素酸の蒸

気がビーカー壁を伝わって逆流する程度に

15

20

分間加熱を続ける。

(2)

しばらく放冷後,温水約

120ml

を加えてかき混ぜ,塩類を溶解し,直ちにろ紙(

5

B

)を用いてこ

し分ける。ビーカー壁に付着した沈殿は,ゴム管付ガラス棒を用いてすり落とし,ろ紙上に移し,初

めは温水で,次に温塩酸

(1

10)

で,最後に温水で十分に洗浄する。

(3)

残さは,ろ紙と共に白金るつぼに移し乾燥後,低温でろ紙を灰化した後

1100

℃以上で強熱して恒量と

し,デシケーター中で放冷して第

1

回のひょう量をする。

(4)

次に残さを硫酸

(1

3)

で潤し,ふっ化水素酸

3

5ml

を加え,注意して加熱し,二酸化けい素及び硫酸

を揮散させた後,

1100

℃以上で強熱して恒量とし,デシケーター中で放冷後,第

2

回のひょう量をす

る。

8.2.5

計算

  試料中のけい素含有率を,次の式によって算出する。

( )

(

)

100

4674

.

0

2

1

×

×

=

W

W

W

けい素

ここに

W

1

1

回の質量

 (g)

W

2

2

回の質量

 (g)

W

試料はかり取り量

 (g)

9.

鉄定量方法

9.1

方法の区分

  鉄の定量方法は,重クロム酸カリウム滴定法による。

9.2

重クロム酸カリウム滴定法

9.2.1

要旨

  試料を王水で分解し,過塩素酸とふっ化水素酸を加え,蒸発して白煙を発生させる。これに

塩化アンモニウムとアンモニア水を加えて水酸化鉄の沈殿を生成させてこし分ける。

沈殿は塩酸に溶解し,

塩化第一すずを加えて鉄を還元し,塩化第二水銀を加えて過剰の第一すずを酸化し,混酸を加えて酸の濃

度を調節した後,指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加え,重クロム酸カリウム標準

溶液で滴定する。


7

Z 3905-1976

9.2.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

塩酸

(1

1

1

10

1

50)

(2)

過塩素酸

(3)

ふっ化水素酸

(4)

王水(塩酸

3

,硝酸

1

(5)

混酸(硫酸

3

,りん酸

3

,水

14

(6)

アンモニア水

(1

50)

(7)

過酸化水素水

(8)

塩化アンモニウム溶液

 (25

w

/

v

%)

(9)

ピロ硫酸ナトリウム

(10)

塩化第一すず溶液  塩酸

(1

1)200ml

をビーカー

 (500ml)

に取り,水浴上で加熱しながら塩化第一す

ず(

2

水塩)

50g

を少量ずつ加えて溶解し,冷却後水で薄めて

500ml

とする。

この溶液には少量のすずを加え,かっ色びんに保存する。

(11)

塩化第二水銀溶液(飽和,約

5%

(12)

 N/50

重クロム酸カリウム標準溶液

 (0.9806gK

2

Cr

2

O

7

/

l

) 

  重クロム酸カリウム〔

JIS K 8005

(容量分析

用標準試薬)

0.9806g

をはかり取り,水約

100ml

に溶解し,

1000ml

のメスフラスコに入れ,水で標線

まで薄める。この場合標定は行わない。

(13)

ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液  ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム

0.2g

を少量の

水に溶かし,水を用いて

100ml

とする。この溶液は,かっ色びんに入れて保存する。

9.2.3

試料はかり取り量

  試料は

0.5g

をはかり取る。

9.2.4

操作

  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取りビーカー

 (500ml)

に移し入れ,時計ざらで覆い,王水

30

40ml

を加え,静かに加

熱分解した後,過塩素酸

20ml

とふっ化水素酸

1

2ml

を加え,白煙が発生するまで加熱蒸発する。溶

液が黄赤色に変わってから,更に過塩素酸の白煙を約

10

分間発生させる。

(2)

放冷後水約

100ml

を加え,加熱して塩類を溶解し

(

1

)

,これに塩化アンモニウム溶液

20ml

を加え,か

き混ぜながらアンモニア水

(1

1)

を,一度生成したニッケルの沈殿が溶解して濃青色となるまで加え,

更に過剰に

5ml

加える。

1

2

分間静かに煮沸した後,沈殿の沈降を待って,ろ紙(

5

A

)でこし分

け,温アンモニア水

(1

50)

と温水で十分に洗浄する。

(3)

沈殿は少量の温塩酸

(1

1)

を用いて元のビーカーに溶かし入れ,ろ紙は温塩酸

(1

50)

で数回,次に温

水で十分に洗浄する。この溶液に温水を加えて約

150ml

とした後,塩化アンモニウム溶液

10ml

を加

え,再びアンモニア水

(1

1)

を加えて中和し,更にその過剰

5ml

を加える。次に過酸化水素水

1

2ml

を加えて約

3

分間煮沸する。静置後,ろ紙(

5

A

)を用いてこし分け,温アンモニア水

(1

50)

で数

回,次に温水で十分に洗浄する。

(4)

沈殿は少量の温塩酸

(1

1)

を用いて元のビーカーに溶かし入れ,ろ紙は温塩酸

(1

50)

で洗浄する。こ

の溶液を加熱蒸発して液量を約

10ml

とする。

少量の温水を用いてビーカーの内壁を洗い落とした後,

直ちに振り混ぜながら塩化第一すず溶液を滴加して塩化第二鉄の着色がなくなった後,更に過剰に

1

滴を加え,流水で冷却する。

(5)

これに塩化第二水銀溶液

5ml

を一度に加え,振り混ぜた後,

3

5

分間放置する。この溶液に混酸

30ml

を加え,水を用いて液量を約

300ml

とし,ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液数滴を指示薬

として加え,

N/50

重クロム酸カリウム標準溶液で滴定し,溶液が緑色から青緑色となり,更に紫色に


8

Z 3905-1976

変わった点を終点とする。

9.2.5

計算

  試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

( )

100

001117

.

0

×

×

=

W

V

ここに

V

 N/50

重クロム酸カリウム標準溶液使用量

 (ml)

W

試料はかり取り量

 (g)

(

1

)

この際二酸化けい素の沈殿を認めた場合はろ紙(

5

B

)を用いてろ過し,温水,温塩酸

(1

10)

及び温水の順に洗浄する。

また沈殿が着色している場合は,上記の操作に従ってろ過洗浄した後,沈殿はろ紙と共に白

金るつぼに移し入れ,乾燥後強熱して灰化する。これに約

10

倍量のピロ硫酸ナトリウムを加え,

加熱して融解し,放冷後融成物を少量の温水で溶解した後,主液に合わせる。

10.

炭素定量方法

10.1

方法の区分

  炭素の定量方法は,重量法による。

10.2

重量法

10.2.1

要旨

  試料を酸素気流中で強熱し,炭素を完全に酸化して二酸化炭素とし,これをソーダ石灰又は

水酸化ナトリウムに吸収させ,その増量を測定する。

10.2.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

99.95%

以上で,

1g

につき空試験値の増量が

0.001g

未満のもの。

(2)

酸素

99.5

v

/

v

%

以上のもの。

(3)

クロム酸飽和硫酸  硫酸(比重

1.82

90%

)に重クロム酸カリウムを飽和させ,上澄み液を使用する。

(4)

ソーダ石灰又は水酸化ナトリウム,若しくはソーダ石綿を用いてもよい。

(5)

五酸化りん又は過塩素酸マグネシウム

10.2.3

装置及び器具

  装置及び器具は,原則として次のものを用いる(

付図 1

参照)

(1)

酸素清浄装置

  この装置は,使用する酸素中に含まれる二酸化炭素又は有機性ガスなどを除去し,か

つ酸素を清浄乾燥することを目的とするもので,クロム酸飽和硫酸

(

1

)

を入れたガス洗浄びん

 (c)

,ソ

ーダ石灰又は水酸化ナトリウムを詰めた管若しくは塔

 (d)

,活性アルミナ又は硫酸を入れたガス洗浄

びん若しくは塔

 (e)

を順次連結する

(

2

)

ものとする。

(2)

燃焼炉

  燃焼炉は,内径約

30mm

,長さ

200

300mm

の管状電気炉

 (f)

に炉の両端からそれぞれ約

200mm

ずつ突き出し得る長さを有する内径

20

又は

24mm

の磁器燃焼管

 (CT2) (g)

をそう入

(

3

)

したも

ので,熱電温度計

 (h)

により炉の中央部の燃焼管の温度

(

4

)

を測定できるものとする。管状電気炉は,

電流を調節して温度を加減でき,炉の中央部において長さ約

150mm

以上を一定温度に保つことがで

き,かつ

1400

℃で常用できるものとする。磁器燃焼管には,磁器燃焼ボートがそう入される中央部の

後方に,約

50mm

にわたって白金石綿,パラジウム石綿又は酸化鉄石綿を詰める。

(3)

ガス吸収装置

  燃焼炉から出たりん,硫黄などのガスを酸化吸収させるため,クロム酸飽和硫酸を入

れたガス洗浄びん

 (i)(

1

)

,ガラス綿を詰めた管又は塔

 (j)

,五酸化りん又は過塩素酸マグネシウムを入

れた管

 (k)

及び二酸化炭素を吸収するためのソーダ石灰

(

5

)

又は水酸化ナトリウム

(

6

)

を入れ,その後に

2mm

の厚さに五酸化りん又は過塩素酸マグネシウムを詰めた

2

個の二酸化炭素吸収管

 (l, m)(

7

)

,次

に五酸化りん又は過塩素酸マグネシウム及びソーダ石灰又は水酸化ナトリウムを詰めた管

 (n)

及び

硫酸を入れたガス洗浄びん

 (o)

を順次連結

(

2

)

するものとする。


9

Z 3905-1976

(4)

磁器燃焼ボート

  磁器燃焼ボート

 (CB1)

は,あらかじめ酸素気流中で燃焼温度で空焼きしておく。ま

た磁器ボートには,その半分を覆い,出し入れのじゃまにならない程度の大きさの磁器ボートカバー

(CBC1)

を載せるとよい。このカバーは磁器燃焼ボートと同様に,あらかじめ空焼きして使用する。

10.2.4

試料はかり取り量

  試料は

0.5g

をはかり取る。

10.2.5

操作

  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

  10.2.3

の装置を連結し

(

2

)(

3

)

,燃焼管内温度を

1350

1400

℃にし,装置の気密試験

(

8

)

を行った後,酸素

を毎分約

200ml

の割合で約

20

分間通じて二酸化炭素吸収管

 (l, m)

の質量をはかる

(

9

)

(2)

次に燃焼管の酸素の入口部を開き,助燃剤として銅を

1.5g

加えた試料

(

10

)

を入れてある磁器燃焼ボー

トを燃焼管の中央部にそう入し,直ちに気密にせんをする。

初めは酸素を通さないで

30

40

秒間予熱を行い,次に毎分約

600ml

の割合で酸素を送入して燃焼

管内の気圧をなるべく外気圧に近くする。燃焼が終われば酸素を毎分

300

400ml

の割合で

10

15

間送り,発生した二酸化炭素は酸素と共に二酸化炭素吸収管

 (l, m)

に送り,完全に吸収させる。

(3)

次に,二酸化炭素吸収管

 (l)

の炉に近い端から順にコックを全部密閉した後,酸素の送人を止め,管

(k)

及び

 (n)

との連結をとき,二酸化炭素吸収管

 (l, m)

の質量をはかる

(

11

)(

12

)

10.2.6

計算

  試料中の炭素含有率を,次の式によって算出する。

( )

100

2729

.

0

×

×

=

W

A

炭素

ここに

A

二酸化炭素吸収管

 (l, m)

の増量

 (g)

W

試料はかり取り量

 (g)

(

1

)

クロム酸飽和硫酸が緑色になれば酸化力を失うから,更新しなければならない。

(

2

)

ゴム管は二酸化炭素を吸収するおそれがあるから,装置の各接続にはガラス管を用いてその両

端を密接させ,ゴム管又はビニル管でこれを保持するようにしなければならない。

(

3

)

燃焼炉の磁器燃焼管と酸素清浄装置及びガス吸収装置との接続部のゴムせんには,耐熱性の大

きいシリコーンゴムを使用するのがよい。

(

4

)

熱電温度計の指示温度と燃焼管内温度との差に注意して補正する必要がある。

(

5

)

二酸化炭素吸収管にソーダ石灰を詰める場合は,ソーダ石灰の粗粒(約

3mm

)と細粒(約

1mm

とを交互に数層に入れ,ガラス綿又は適当なものでこれを軽く押さえ,更に約

5g

の五酸化りん

又は過塩素酸マグネシウムを詰めて軽くたたく程度がよい。

(

6

)

二酸化炭素吸収管に水酸化ナトリウムを詰める場合は,水酸化ナトリウムを粉砕して

1000

µm

(約

16

メッシュ相当)のふるいを通ったもの約

20g

を詰め,次に少量のガラス綿を置き,更に

5g

の五酸化りん又は過塩素酸マグネシウムを詰めて軽くたたく程度がよい。

水酸化ナトリウムを粉砕するとき,堅い感じがするものには二酸化炭素吸収能力の悪いもの

が多いから,このようなものは,ニッケルるつぼに入れて電気炉で約

400

℃に加熱溶融し,冷

却後粉砕して使用するのがよい。

(

7

)

二酸化炭素吸収管

 (l, m)

の二酸化炭素吸収能力は,吸収管

1

本当たりソーダ石灰では吸収剤充

てん質量の

10%

,水酸化ナトリウムでは

20%

,ソーダ石綿では

15%

程度であるが,その能力は

吸収剤の調製方法によっても大きな差がある。また生成した水分を吸収してガスの通気が悪く

なるので,あらかじめ確認しておく必要がある。

なお,水酸化ナトリウム

20g

を詰めた吸収管の場合には,通常

2

3g

増量したとき新しく詰

め替えるのが適当である。


10

Z 3905-1976

(

8

)

気密試験は,次のようにして行う。

まずガラス綿を詰めた管又は塔

 (j)

のコックを閉じて酸素を送入する。しばらく放置した後

クロム酸飽和硫酸を入れたガス洗浄びん

 (c)

に酸素の気ほうの生じないことを確かめる。もし

酸素の気ほうを生じたなら,ガス洗浄びん

 (c)

とガラス綿を詰めた管又は塔

 (j)

までの間に気

密の悪いところがあることを示す。次に五酸化りん又は過塩素酸マグネシウム,及びソーダ石

灰又は水酸化ナトリウムを詰めた管

 (n)

のコックを閉じて,ガラス綿を詰めた管又は塔

 (j)

コックを開く。しばらく放置した後,同様に酸素の気ほうを生じないことを確かめる。もし酸

素の気ほうが生じたなら,管

 (j)

と管

 (n)

までの間に気密の悪いところがあることを示す。

(

9

)

この試験の前後におけるそれぞれの吸収管の質量変化は,

0.0005g

未満でなければならない。

(

10

)

試料に油類が付着しているのを認めたときは,エチルアルコール及びエチルエーテルで洗浄し,

乾燥した後使用する。試料を調製するときは,あまり小さい試料や長く巻いた試料にならない

ように注意する。

(

11

)

操作後に試料が完全に融解状態になったかどうかを確かめるとともに,試料が完全に酸化した

かどうかを確かめなければならない。

(

12

)

日常作業に当たっては,作業時間の初期,中期及び終期には必ず炭素含有量既知の試料を用い

て分析し,その日の装置その他の調子を試験しなければならない。

11. 

りん定量方法

11.1

方法の区分

  りんの定量方法は,

EDTA

滴定法による。

11.2

  EDTA

滴定法

11.2.1

要旨

  試料を王水で分解し,過塩素酸を加えて蒸発した後,二酸化けい素などの沈殿をこし分け,

必要があれば残さ処理を行って主液に合わせる。これにくえん酸を加え,アンモニア水で中和し,塩化マ

グネシウム溶液を加えて水中で冷却しながらかき混ぜ,りん酸マネグシウムアンモニウムを沈殿させる。

放置後沈殿をこし分け,薄いアンモニア水で洗浄した後塩酸で溶解し,これに

EDTA

標準溶液の一定量を

加え,

EBT

を指示薬とし,アンモニア水を過剰に添加後,亜鉛標準溶液で溶液が明らかに赤紫色となるま

で滴定する。

11.2.2

試薬

  試薬は,次による。

(1)

塩酸

(1

3)

(2)

硝酸

(1

50)

(3)

過塩素酸

(4)

王水(塩酸

3

,硝酸

1

(5)

アンモニア水

(6)

アンモニア水

(1

20)

(7)

ピロ硫酸ナトリウム

(8)

塩化マグネシウム溶液  塩化マグネシウム

50g

と塩化アンモニウム

100g

を水

800ml

に溶解し,フェ

ノールフタレイン溶液(

0.1%

JIS K 8006

3.

)を指示薬とし,アンモニア水を加えてアルカリ性と

し,約

48

時間放置する。沈殿が生じたときはろ過し,塩酸を滴加して微酸性とした後,水で

1

l

とす

る。この溶液は P

-

ニトロフェノール溶液

 (0.2

w

/

v

%)

を指示薬とし,アンモニア水と塩酸とを用いて

pH

5

6

に調節して保存する。

(9)

くえん酸  溶液くえん酸(

1

水塩)

30g

を水に溶かして

100ml

とする。


11

Z 3905-1976

(10)

 M/50

エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム

 (EDTA)

標準溶液  エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ

ム(

2

水塩)

7.45g

を水に溶解して

1000ml

とする。標定は,次のように行う。

M/50EDTA

標準溶液を正確に

25ml

取り,塩化アンモニウム溶液

 (25

w

/

v

%) 10ml

及び

EBT

溶液

2

3

滴を加え,水で液量を約

100ml

に薄めた後溶液が鮮青色になるまでアンモニア水

(1

1)

を滴加し,

M/50

亜鉛標準溶液で滴定し,溶液が赤紫色に変わった点を終点とする。次の式によってファクターを算出

する。

25

V

F

=

ここに

F

 M/50EDTA

標準溶液のファクター

V

 M/50

亜鉛標準溶液使用量

 (ml)

(11)

 M/50

亜鉛標準溶液  亜鉛(

99.99%

以上,

JIS H 2107

特種相当品)

1.308g

をはかり取り,なるべく少量

の塩酸

(1

1)

で加熱分解し,冷却後

1000ml

のメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

(12)

エリオクロムブラック

T (EBT)

溶液  エリオクロムブラック

T0.5g

と塩酸ヒドロキシルアミン

4.5g

エチルアルコールに溶解して

100ml

とする。

11.2.3

試料はかり取り量

  試料は

0.2g

をはかり取る。

11.2.4

操作

  定量操作は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取りビーカー

 (300ml)

に移し入れ,時計ざらで覆い,王水

15ml

を加え静かに加熱して

分解する。これに過塩素酸

10ml

を加えて加熱を続け,過塩素酸の蒸気がビーカー壁を伝わって逆流

する程度に約

10

分間保持する。

(2)

放冷後温水約

40ml

を加えて可溶性塩類を溶解し,ろ紙(

5

B

)を用いて沈殿

(

1

)

をこし分け,温硝酸

(1

50)

で洗浄する。

(3)

ろ液及び洗液を約

40

℃に冷却し,くえん酸溶液

2ml

を加え,次にアンモニア水で中和し,いったん生

成したニッケルの沈殿が溶解し,ニッケルアンミンの深青色を呈するまで注意して加える。

(4)

次に塩化マグネシウム溶液

10ml

を加え,冷却しながらゴム管付ガラス棒でビーカー壁をこすりなが

ら約

3

分間かき混ぜる。これにアンモニア水

10ml

を加えてよくかき混ぜ,室温で約

2

時間放置する。

(5)

放置後ろ紙(

5

C

)を用いてこし分け,沈殿及びろ紙はアンモニア水

(1

20)

で塩化物イオンのなく

なるまで洗浄し,更に

3

回洗浄する。ろ紙上から温塩酸

(1

3)

を注加して沈殿をビーカー

 (500ml)

溶かし入れ,ろ紙は温水で十分に洗浄する。

(6)

この溶液に

M/50EDTA

標準溶液の一定量を正しく加え,

80

℃の温水を加えて液量を約

250ml

とし,

EBT

溶液

3

5

滴を指示薬として加え,溶液が青色を呈するまでアンモニア水を注意して加え,次に

過剰に

20ml

を加える

(

2

)

(7)

この溶液を注意してよくかき混ぜながら

M/50

亜鉛標準溶液で滴定し,溶液の青色が鮮やかな赤紫色

に変わった点を終点とする。

11.2.5

計算

  試料中のりん含有率を,次の式によって算出する。

( )

(

)

100

0006195

.

0

2

1

×

×

=

W

V

V

りん

ここに

V

1

 M/50EDTA

標準溶液使用量

 (ml)

V

2

 M/50

亜鉛標準溶液使用量

 (ml)

W

試料はかり取り量

 (g)

(

1

)

試料の分解が不十分で沈殿が着色している場合は,沈殿をろ紙と共に白金るつぼに移し入れ,

乾燥後強熱灰化する。これに約

10

倍量のピロ硫酸ナトリウムを加え加熱して融解し,放冷後,


12

Z 3905-1976

融成物をなるべく少量の温水で溶解した後,ろ紙(

5

B

)を用いて二酸化けい素の沈殿をこし

分け,温水で洗浄後,ろ液及び洗液を主液に合わせる。

(

2

)

このとき溶液の

pH

は約

9.5

となり,滴定の終了まで

9

以上を持続することができる。


13

Z 390

5-197

6

付図 1  炭素定量装置の一例

注  この図は各部の連結の要領を示すもので,各器具の形状は,この規格に抵触しない限り,適宜選択することができる。


14

Z 3905-1976

溶接部会  硬ろう分析専門委員会  構成表(昭和 45 年 11 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

服  部  只  雄

財団法人日本分析化学研究所

飯  田  芳  男

成蹊大学工学部

俣  野  宣  久

科学技術庁金属材料技術研究所

大  塚  信  雄

橋本貴金属工業株式会社

鴨  下      豊

水野貴金属株式会社

乾      昌  弘

乾庄貴金属化工株式会社

小  林  寿  美

株式会社徳力本店

古  矢  元  佑

清峰金属工業株式会社

田  中  鉄  朗

田中貴金属工業株式会社

横須賀      繁

石福金属興業株式会社

石  井  与  一

大蔵省造幣局東京支局

大  井  一  郎

日本国有鉄道鉄道技術研究所

川  口  義  男

日産自動車株式会社生産管理部

鈴  木  政  夫

東京芝浦電気株式会社鶴見工場

妹  島  五  彦

株式会社日立製作所日立工場

(事務局)

石  井  清  次

工業技術院標準部材料規格裸

中  川  昌  俊

工業技術院標準部材料規格課

山  田  隆  三

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

石  井  清  次

工業技術院標準部材料規格課(昭和 51 年 12 月 1 日改正のとき)

土  居  修  身

工業技術院標準部材料規格課(昭和 51 年 12 月 1 日改正のとき)