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日本工業規格

JIS

 Z

3801

-1997

手溶接技術検定における試験方法

及び判定基準

Standard qualification procedure for manual welding technique

1.

適用範囲  この規格は,被覆アーク溶接,ティグ溶接及びガス溶接による手溶接技術検定における試

験方法及び判定基準について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3103

  ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3136

  建築構造用圧延鋼材

JIS G 3445

  機械構造用炭素鋼鋼管

JIS G 3454

  圧力配管用炭素鋼鋼管

JIS G 3455

  高圧配管用炭素鋼鋼管

JIS G 3456

  高温配管用炭素鋼鋼管

JIS G 3461

  ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管

JIS K 1101

  酸素

JIS K 1105

  アルゴン

JIS K 1902

  溶解アセチレン

JIS Z 3001

  溶接用語

JIS Z 3122

  突合せ溶接継手の曲げ試験方法

JIS Z 3201

  軟鋼用ガス溶接棒

JIS Z 3211

  軟鋼用被覆アーク溶接棒

JIS Z 3212

  高張力鋼用被覆アーク溶接棒

JIS Z 3316

  軟鋼及び低合金鋼用ティグ溶接棒及びワイヤ

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 3001 によるほか,次による。

(1)

組合せ溶接  初めの 1∼3 パスをティグ溶接で行い,その後を被覆アーク溶接で行う溶接。

(2)

試験材料  試験のために用意された板又は管。

(3)

試験材  溶接を行った板又は管。

(4)

試験片  曲げ試験を行うために,試験材から規定の形状寸法に加工されたもの。


2

Z 3801-1997

3.

技術検定試験の種類  技術検定試験の種類は,溶接方法,溶接姿勢,継手の種類及び試験材料の厚さ

の区分などによって

表 のように分け,その記号は,同表のとおりとする。

表 1  技術検定試験の種類

溶接方法及び記号

継手の
種類

試験材料の厚
さ区分 mm

開先形状  裏 当 て

金 の 有

無  (

1

)

溶接姿勢

被覆アーク溶接 ティグ溶接  組合せ溶接  ガス溶接

下向 (F)

N-1F

T-1F

G-1F

立向 (V)

N-1V

T-1V

G-1V

横向 (H)

N-1H

T-1H

G-1H

薄板

(板厚 3.2)

I

形又は V

N

上向 (O)

N-1O

T-1O

G-1O

下向 (F)

A-2F

立向 (V)

A-2V

横向 (H)

A-2H

A

上向 (O)

A-2O

下向 (F)

N-2F

C-2F

立向 (V)

N-2V

C-2V

横向 (H)

N-2H

C-2H

中板

(板厚 9.0)

V

N

上向 (O)

N-2O

C-2O

下向 (F)

A-3F

立向 (V)

A-3V

横向 (H)

A-3H

A

上向 (O)

A-3O

下向 (F)

N-3F

C-3F

立向 (V)

N-3V

C-3V

横向 (H)

N-3H

C-3H

板の突

合せ溶

厚板

(板厚 19.0)

V

N

上向 (O)

N-3O

C-3O

薄肉管

(肉厚 4.9)

I

形又は V

N

水平及び鉛直固定 (P)

N-1P

T-1P

G-1P

A

水平及び鉛直固定 (P)

A-2P

管の突

合せ溶

中肉管

(肉厚 11.0)

V

N

水平及び鉛直固定 (P)

N-2P

C-2P

厚肉管

(肉厚20 以上)

V

形 A

水平及び鉛直固定 (P)

A-3P

N

水平及び鉛直固定 (P)

N-3P

C-3P

(

1

)  A

;裏当て金を用いる。N;裏当て金を用いない。

備考  板厚及び管外径の詳細は,図 3による。

4.

溶接方法  試験材料を溶接するときの方法は,次のいずれかとする。

(1)

被覆アーク溶接

(2)

ティグ溶接

(3)

組合せ溶接

(4)

ガス溶接

5.

溶接姿勢

5.1

板の溶接を行う姿勢は,下向,立向,横向及び上向とし,その詳細は,

図 による。

5.2

管の溶接を行う姿勢は,水平固定(立向及び上向溶接)及び鉛直固定(横向溶接)とし,その詳細

は,

図 による。


3

Z 3801-1997

図 1  板の突合せ溶接姿勢

図 2  管の突合せ溶接姿勢

6.

試験材料の形状及び寸法  試験材料の形状及び寸法は,次による。


4

Z 3801-1997

(1)

板の試験材料は,薄板,中板及び厚板に区分し,その詳細は,

図 3による。

(2)

管の試験材料は,薄肉管,中肉管及び厚肉管に区分し,その詳細は,

図 6による。


5

Z 3801-1997

図 3  薄板の試験材料の形状,寸法及び試験片採取位置

備考  開先形状は,I 形又は V 形とする。


6

Z 3801-1997

図 4  中板の試験材料の形状,寸法及び試験片採取位置

備考  開先形状は,V 形とする。


7

Z 3801-1997

図 5  厚板の試験材料の形状,寸法及び試験片採取位置

備考  開先形状は,V 形とする。


8

Z 3801-1997

図 6  薄肉管の試験材料の形状,寸法及び試験片採取位置

(

2

)  JIS G 3461

を使用する場合,管の外径114.3mm,厚さ4.5∼5.0mm とする。

備考  開先形状は,I 形又は V 形とする。

図 7  中肉管の試験材料の形状,寸法及び試験片採取位置


9

Z 3801-1997

備考  開先形状は,V 形とする。


10

Z 3801-1997

図 8  厚肉管の試験材料の形状,寸法及び試験片採取位置

備考  開先形状は,V 形とする。

7.

試験に使用する鋼材

7.1

板の溶接に使用する鋼材は,次のいずれかとする。

(1)  JIS G 3101

に規定する SS400

(2)  JIS G 3103

に規定する SB410, SB450 又は SB480

(3)  JIS G 3106

に規定する SM400A∼SM400C 又は SM490A∼SM490C

(4)  JIS G 3136

に規定する SN400A∼SN400C, SN490B 又は SN490C

(5)

上記の鋼材と同等と認められるもの

7.2

管の溶接に使用する鋼材は,次のいずれかとする。

(1)  JIS G 3445

に規定する STKM14A 又は引張強さが 400N/mm

2

以上の STKM13A


11

Z 3801-1997

(2)  JIS G 3454

に規定する STPG410 又は引張強さが 400N/mm

2

以上の STPG370

(3)  JIS G 3455

に規定する STS410 又は引張強さが 400N/mm

2

以上の STS370

(4)  JIS G 3456

に規定する STPT410 又は引張強さが 400Nmm

2

以上の STPT370

(5)  JIS G 3461

に規定する STB410

(6)

上記の鋼材と同等と認められるもの。

7.3

裏当て金に使用する鋼材は,7.1 又は 7.2 に規定する鋼材のいずれかとする。

8.

試験に使用する溶接材料

8.1

被覆アーク溶接に使用する溶接棒は,次のいずれかとする。

(1)  JIS Z 3211

に規定する D4301, D4303, D4311, D4313 又は D4316 に適合するもの。

(2)  JIS Z 3212

に規定する D5001, D5003 又は D5016 に適合するもの。

(3)

上記の溶接棒と同等と認められるもの。

8.2

ティグ溶接に使用する溶接棒は,次のいずれかとする。

(1)  JIS Z 3316

に規定する YGT50 に適合するもの。

(2)

上記の溶接棒と同等と認められるもの。

8.3

ガス溶接に使用する溶接棒は,次のいずれかとする。

(1)  JIS Z 3201

に規定する GA43 又は GA46 に適合するもの。

(2)

上記の溶接棒と同等と認められるもの。

9.

試験に使用するガス

9.1

ティグ溶接に使用するガスは,次のいずれかとする。

(1)

アルゴンは JIS K 1105 に適合するもの。

(2)

上記のガスと同等と認められるもの。

9.2

ガス溶接に使用するガスは次のとおりとする。

(1)

酸素は,JIS K 1101 に,アセチレンは,JIS K 1902 に適合するもの。

(2)

上記のガスと同等と認められるもの。

10.

試験に使用する溶接機器  試験に使用する溶接機器及び附属装置は,特に規定しない。

11.

溶接上の注意

11.1

一般

(1)

溶接は,表面からだけ行う。

(2)

試験を通じて試験材料,試験材及び試験片は各種の処理(熱処理,ピーニング,ビードの成形加工な

ど。

)を行ってはならない。

11.2

板の溶接

(1)

試験材料は,逆ひずみ,拘束などの方法によって,溶接後の角変形が 5 度を超えないように作製する。

(2)

立向及び横向溶接では,溶接を開始してから終了するまで試験材の上下及び左右の方向を変えてはな

らない。

11.3

管の溶接

(1)

薄肉管の溶接では,試験材料を適切な方法を用いて,

図 2(a)のように水平に固定し,図 に示す ABC


12

Z 3801-1997

間を溶接する。A 点は,水平軸に対して真下に位置する。次に

図 2(b)のように試験材料を鉛直に固定

して,

図 に示す ADC 間を溶接する。水平及び鉛直の順序は自由とする。ただし,それぞれの溶接

を開始してから終了するまで,水平又は鉛直の上下及び左右の方向を変えてはならない。

(2)

中肉及び厚肉管の溶接では,試験材料を適切な方法を用いて,

図 2(a)のように水平に固定し,図 

図 に示す AB 及び AD 間を溶接する。A 点は水平軸に対して真下の位置にする。次に図 2(b)のよ

うに試験材料を鉛直に固定して,

図 及び図 に示す BCD 間を溶接する。溶接は,B 点,D 点のいず

れから開始してもよい。水平及び鉛直の順序は自由とする。ただし,それぞれの溶接を開始してから

終了するまで,水平又は鉛直の上下及び左右の方向を変えてはならない。

11.4

組合せ溶接  ティグ溶接の溶接金属の高さが試験材の底面から 6.0mm を超えてはならない。

12.

判定方法

12.1

外観試験

12.1.1

外観試験は,試験材について行う。

12.1.2

外観試験は,次の項目について,目視又は測定をして評価する。

(1)

ビードの形状

(2)

溶接の始点及び終点の状況

(3)

裏面の溶込み状況(裏当て金を使用しない溶接の場合)

(4)

オーバラップ,アンダカット及びピットの状況

(5)

変形

12.2

曲げ試験

12.2.1

曲げ試験の種類及び試験片の数は,継手の種類及び厚さの区分によって,

表 のとおりとする。

表 2  試験片の数

継手の種類

試験材料の厚さの区分

曲げ試験の種類

試験片の数

表曲げ試験 1

薄板

裏曲げ試験 1

表曲げ試験 1

中板

裏曲げ試験 1

裏曲げ試験 1

板の突合せ溶接

厚板

側曲げ試験 2

薄肉管

裏曲げ試験 4

表曲げ試験 3

中肉管

裏曲げ試験 3

裏曲げ試験 3

管の突合せ溶接

厚肉管

側曲げ試験 3

12.2.2

曲げ試験片は,試験材を

図 3のように採取し,図 に示す寸法に仕上げる。ただし,曲げ試験

片を作製するために,試験材をガス切断する場合は,切断した縁から 3mm 以上削り取るものとする。

12.2.3

曲げ試験は,JIS Z 3122 によって行い曲げられた試験片の外面の欠陥を測定し評価する。

12.2.4

曲げ試験に用いる雄型の半径  (R)  は試験片厚さの 2 倍とする。

12.2.5

曲げ試験の曲げ角度は,180 度とする。


13

Z 3801-1997

図 9  曲げ試験片の仕上げ寸法


14

Z 3801-1997

図 9  (続き)


15

Z 3801-1997

図 9  (続き)

13.

合否判定基準

13.1

試験は,外観試験及び曲げ試験のすべての評価基準を満足しなければならない。

13.2

外観試験の評価基準  外観試験の各項目が著しく不良のものは,不合格とする。

13.3

曲げ試験の評価基準  曲げられた試験片の外面に次の欠陥が認められる場合は,不合格とする。


16

Z 3801-1997

ただし,アンダカット内部の割れは対象とするが,熱影響部の割れは対象としない。また,ブローホー

ルと割れが連続しているものは,ブローホールを含めて連続した割れの長さとみなす。

(1) 3.0mm

を超える割れがある場合。

(2) 3.0mm

以下の割れの合計長さが,7.0mm を超える場合。

(3)

ブローホール及び割れの合計数が,10 個を超える場合。

(4)

アンダカット,溶込み不良,スラグ巻込みなどが著しい場合。

手溶接技術検定における試験方法及び判定基準原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

青  木  博  文

横浜国立大学工学部

(委員)

冨  田  康  光

大阪大学工学部

金  井  昭  男

神奈川県産業技術総合研究所

安  田  克  彦

職業能力開発大学校

安  藤  弘  昭

財団法人発電設備技術検査協会

秋  山      元

財団法人日本海事協会

塚  原      宏

高圧ガス保安協会

斉  藤  和  正

社団法人日本ボイラ協会

井  沢      務

東燃テクノロジー株式会社

近  藤      久

住友金属工業株式会社

小見山  輝  彦

日本鋼管工事株式会社

西  浦  憲  爾

住友重機械工業株式会社

佐  藤      彰

石川島播磨重工業株式会社

福  永  和  義

三菱重工業株式会社

小  杉  和  彦

千代田化工建設株式会社

内  田  三  雄

株式会社日建設計

田  中      隆

新日本製鐵株式会社

原  田  章  二

株式会社ダイヘン

宮  原  治  夫

松下産業機器株式会社

夏  目  松  吾

株式会社神戸製鋼所

(事務局)

田  尻  幸  男

社団法人日本溶接協会