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Z 3608

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲 

1

2

  引用規格 

1

3

  用語及び定義  

3

4

  接合継手の設計  

12

4.1

  設計要求事項  

12

4.2

  特別要求事項  

13

5

  FSW オペレータの認証  

15

5.1

  要求事項  

15

5.2

  必須確認項目及び認証範囲  

16

5.3

  適格性確認の試験方法  

16

5.4

  接合継手の試験  

17

5.5

  証明書  

19

6

  FSW 施工要領及びその承認  

19

6.1

  接合手順の開発及び品質  

19

6.2

  pWPS の技術的内容  

20

7

  FSW 施工法試験による施工要領の承認  

21

7.1

  一般  

21

7.2

  試験材の準備  

21

7.3

  試験材の検査及び試験  

23

7.4

  承認有効範囲  

27

7.5

  FSW 施工法承認記録  

27

8

  量産試作接合試験による施工要領の承認  

28

8.1

  一般  

28

8.2

  試験材  

28

8.3

  試験材の検査及び試験  

28

8.4

  承認有効範囲  

28

8.5

  FSW 施工法承認記録  

28

9

  品質及び検査要求項目  

28

9.1

  品質要求項目  

28

9.2

  製造要員  

28

9.3

  試験検査要員  

28

9.4

  設備  

29

9.5

  FSW 施工要領書(WPS  

30

9.6

  FSW ツール  

30


Z 3608

:2016  目次

(2)

ページ

9.7

  接合前の継手準備及び組つけ  

30

9.8

  予熱及びパス間温度の管理  

30

9.9

  タック接合  

30

9.10

  接合  

30

9.11

  後熱処理  

30

9.12

  検査及び試験  

30

9.13

  識別及びトレーサビリティ  

32

附属書 A(規定)接合装置の機能に関する知識  

33

附属書 B(参考)接合技術の知識  

34

附属書 C(参考)FSW オペレータの適格性証明書  

35

附属書 D(参考)承認前の FSW 施工要領書(pWPS  

36

附属書 E(参考)非破壊検査  

37

附属書 F(参考)FSW 重ね継手のハンマ 曲げ試験  

38

附属書 G(参考)FSW 施工法承認記録(WPQR  

40

附属書 H(規定)不完全部並びにその検査方法及び判定基準  

43

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

45


Z 3608

:2016

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人軽金属溶接協会(JLWA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3608

:2016

摩擦かくはん接合−アルミニウム

Friction stir welding-Aluminium

序文 

この規格は,2011 年に第 1 版として発行された ISO 25239-1ISO 25239-2ISO 25239-3ISO 25239-4

及び ISO 25239-5 を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金に適用する摩擦かくはん(撹拌)接合(以下,FSW と

いう。

)の設計要求事項,オペレータの認証のための要求事項,FSW 施工法承認のための必要事項及び品

質要求事項を規定する。ただし,摩擦かくはんスポット接合については規定しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 25239-1:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 1: Vocabulary

ISO 25239-2:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 2: Design of weld joints

ISO 25239-3:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 3: Qualification of welding operators

ISO 25239-4:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 4: Specification and qualification of

welding procedures

ISO 25239-5:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 5: Quality and inspection requirements

(全体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 2343-1

  非破壊試験−浸透探傷試験−第 1 部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の

分類

注記  対応国際規格:ISO 3452-1,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 1: General principles

(MOD)

JIS Z 3001-1

  溶接用語−第 1 部:一般

JIS Z 3001-2

  溶接用語−第 2 部:溶接方法

注記  対応国際規格:ISO 857-1,Welding and allied processes−Vocabulary−Part 1: Metal welding


2

Z 3608

:2016

processes(MOD)

JIS Z 3001-4

  溶接用語−第 4 部:溶接不完全部

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO 6520-1 , Welding and allied processes − Classification of geometric

imperfections in metallic materials−Part 1: Fusion welding(MOD)

JIS Z 3021

  溶接記号

注記  対応国際規格:ISO 2553,Welded, brazed and soldered joints−Symbolic representation on drawings

(MOD)

JIS Z 3080

  アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法

JIS Z 3081

  アルミニウム管溶接部の超音波斜角探傷試験方法

JIS Z 3090

  溶融溶接継手の外観試験方法

注記  対応国際規格:ISO 17637,Non-destructive testing of welds−Visual testing of fusion-welded joints

(MOD)

JIS Z 3105

  アルミニウム溶接継手の放射線透過試験方法

JIS Z 3121

  突合せ溶接継手の引張試験方法

注記  対応国際規格:ISO 4136,Destructive tests on welds in metallic materials−Transverse tensile test

(MOD)

JIS Z 3122

  突合せ溶接継手の曲げ試験方法

注記  対応国際規格:ISO 5173,Destructive tests on welds in metallic materials−Bend tests(MOD)

JIS Z 3253

  溶接及び熱切断用シールドガス

注記  対応国際規格:ISO 14175,Welding consumables−Gases and gas mixtures for fusion welding and

allied processes(MOD)

JIS Z 3400

  金属材料の融接に関する品質要求事項

注記  対応国際規格:ISO 3834 (all parts),Quality requirements for fusion welding of metallic materials

(MOD)

JIS Z 3420

  金属材料の溶接施工要領及びその承認−一般原則

注記  対応国際規格:ISO 15607,Specification and qualification of welding procedures for metallic

materials−General rules(MOD)

JIS Z 3421-1

  金属材料の溶接施工要領及びその承認−アーク溶接の溶接施工要領書

JIS Z 3604

  アルミニウムのイナートガスアーク溶接作業標準

JIS Z 3703

  溶接−予熱温度,パス間温度及び予熱保持温度の測定方法の指針

注記  対応国際規格:ISO 13916,Welding−Guidance on the measurement of preheating temperature,

interpass temperature and preheat maintenance temperature(IDT)

ISO 9015-1

,Destructive tests on welds in metallic materials−Hardness testing−Part 1: Hardness test on arc

welded joints

ISO 9015-2

,Destructive tests on welds in metallic materials−Hardness testing−Part 2: Microhardness testing

of welded joints

ISO 9017

,Destructive tests on welds in metallic materials−Fracture test

ISO 17639

,Destructive tests on welds in metallic materials−Macroscopic and microscopic examination of

welds


3

Z 3608

:2016

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1JIS Z 3001-2JIS Z 3001-4 及び JIS Z 3420 によ

るほか,次による。

3.1

可動プローブツール(adjustable probe tool)

接合中にプローブの長さ,回転速さ及び回転方向が調節可能なツール。プローブ及びショルダの回転速

さ,回転方向などが異なっていてもよい。

注記 1  図 参照。

注記 2  可動プローブツールは固定プローブツールとして使用することも可能。

注記 3  このツールは始端部のばり及び終端穴を過度に生成することなく,接合を可能とする。

3

a

b

c

2

1

5

5

2

4

6

7

1

ショルダ

2

被接合材

3

プローブ

4

プローブの押込み

5

接合部

6

接合するために必要な位置でのプローブ

7

プローブの引抜き

a

プローブの回転方向

b

ショルダの回転方向

c

接合方向

図 1−可動プローブツール 

3.2

前進側(advancing side)

ツールの回転方向と接合方向とが同じである側。

注記  図 参照。

3.3

押付け力(axial force)

回転軸方向に,ツールによって被接合材に負荷する力。

注記  図 参照。

a  b

c


4

Z 3608

:2016

1

a

2

4

3

e

7

d

c

6

5

8

1

被接合材

2

ツール

3

ショルダ

4

プローブ

5

接合部表面

6

後退側

7

前進側

8

終端穴

a

ツールの回転方向

b

ツールの押込み

c

ツールの押付け

d

接合方向

e

ツールの引抜き

図 2FSW の基本原理 

3.4

ボビンツール(bobbin tool)

被接合材の表裏面にショルダをもつツール。

注記 1  板厚追従型ボビンツールは,ショルダが自動的に被接合材との接触を維持することを可能と

する。

注記 2  図 参照。

1

2

b

5

4

3

6

a

1

c

a

b

5

a

2

4

a) 

透視図 b) 

側面図 

1

被接合材

2

上部ツール

3

上部ショルダ

4

プローブ

5

下部ツール

6

下部ショルダ

a

ツールの回転方向

b

接合方向

c

押付け力

d

押付け力の反力

図 3−ボビンツール 

a

b

e

d

7

c

a

c

a

b

d

a

b


5

Z 3608

:2016

3.5

終端部におけるツール保持時間(dwell time at end of weld)

接合終端部において,回転しているツールを被接合材から引き上げを開始するまでの保持時間。

注記  図 の τ

5

参照。

 1  ツールの回転始動 
 2  被接合材に向かってのツールの下降開始 
 3  プローブと被接合材との接触 
 4  始端部におけるツールの下降開始 
 5  接合面に沿ったツールの移動開始 
 6  接合面に沿ったツールの移動の停止 
 7  終端部におけるツール保持時間 
 8  被接合材からのツールの引抜き及び上昇 
 9  ツールの回転停止 
10  初期押付け力の上昇 
11  定常押付け力

F

a

  押付け力(一点鎖線表示)

n

回転速度(破線表示)

τ

時間

τ

1

  ツールの初期回転時間

τ

2

  ツールの下降時間

τ

3

  ツールの非接合材への接触から,接合開始ま

での時間

τ

4

  接合時間

τ

5

  接合終了から,ツールの被接合材からの引抜

き開始までの時間

τ

6

  ツールの被接合材からの引抜き開始から,回

転停止までの時間

図 4FSW の一般的なシーケンス 

3.6

始端部におけるツール保持時間(dwell time at start of weld)

回転しているツールが被接合材中の所定の到達深さに達した後,

ツールの進行が開始されるまでの時間。

注記  図 の τ

3

参照。

3.7

終端穴(exit hole)

ツールを引き上げた後,接合終端部に残る穴。

注記  図 参照。

3.8

接合面(faying surface)

継手を形成するために,他の部材の表面と接合させることを意図した,一対の部材の表面。

注記  図 参照。


6

Z 3608

:2016

3.9

固定プローブツール(fixed probe tool)

ショルダから突き出したプローブ長さが一定のツール。プローブの回転及び移動はショルダに同じ。

注記  図 参照。

1

2

a

5

4

d

b

3

c

e

2

1

e

f

a) 

突合せ接合 b) 

重ね接合 

1

被接合材

2

固定プローブ

3

ツール

4

ショルダ(先端)

5

ヒール(ショルダ後端)

a

ヒール押込み深さ

b

ツールの回転方向

c

押付け力

d

前進角

e

ツール傾斜角

f

接合方向

図 5FSW の突合せ及び重ね接合 

3.10

荷重制御(force control)

接合に必要な動作を,押付け力で制御する方法。

3.11

摩擦かくはん接合,FSW(friction stir welding)

接合面に沿って移動するツールの回転によって発生する摩擦熱と材料の流動とによって接合部を形成す

る接合方法。

注記  図 及び図 参照。

3.12

ヒール(heel)

ツール前進角を設けた場合,前進運動に対するツールの後部におけるショルダの一部。

注記  図 5 a)  参照。

3.13

ヒール押込み深さ(heel plunge depth)

ヒールを接合部の中に押し込む深さ。

注記  図 5 a)  参照。

×

  f

e

a

d

c

b

f


7

Z 3608

:2016

3.14

フック(hook)

重ね継手の前進側又は後退側に生じる,曲がった未接合面。

注記  フックは,上向きの場合と下向きの場合とがある。図 6 c)  に上向きのフックを示す。

2

1

3

a

b

4

5

t

1

b

4

3

t

2

t

3

4

c

c

t

3

t

2

3

a) 

接合前 b) 

接合中 c) 

接合後 

1

上板被接合材

2

下板被接合材

3

後退側:ショルダ(上板)に向かう切欠き先端(フック)の方向

4

前進側:ショルダ(上板)に向かう切欠き先端(フック)の方向

5

ツール

w  かくはん部の幅 
t

1

  上板被接合材の板厚

t

2

  後退側における上板被接合材の接合後の板厚

t

3

  前進側における上板被接合材の接合後の板厚

h

1

h

2

  フックの高さ

a

ツールの回転方向

b

接合方向

c

接合面間の隙間

図 6−フックを示す FSW 重ね接合部の断面 

3.15

接合深さ不足(incomplete penetration)

接合深さが,必要又は規定された値を満たさない状態。

注記  接合されていなくても,この領域には通常,塑性変形が認められる。この種の接合深さ不足の

例を,

図 に示す。

c

c

h

1

h

2

a

b


8

Z 3608

:2016

1

a

a)

  接合前 

1

b

2

2

b

c

c

c

b)

  接合後 

1

被接合材

2

かくはん部

a

継手(接合面)

b

接合深さ

c

接合深さ不足−塑性変形なし

d

接合深さ不足−塑性変形あり

図 7−接合深さ不足を示す突合せ接合部のマクロ断面 

3.16

横オフセット量(lateral offset)

突合せ接合におけるツールの中心軸と接合面との距離。

注記  図 参照。

a

c

c

d

d

b

d


9

Z 3608

:2016

d

b

c

a

1

1

2

3

3

4

d

e

a

e

2

1

被接合材

2

ツール

3

プローブ

4

接合部表面

a

ツールの回転方向

b

接合方向

c

接合面(接合前)

d

横オフセット量

e

接合面(接合後)

図 8−横オフセット量 

3.17

多パス接合(multi-run welding)

同じ個所に 2 回以上の FSW を行う接合。

3.18

マルチヘッド(multiple spindle)

2 本以上のツールを同時に用いる FSW の方法。

3.19

位置制御(position control)

接合に必要なツールの動作を,ツールの位置で制御する方法。

3.20

量産試作接合試験(pre-production welding test)

FSW 施工法試験と同じ機能をもつ接合試験であるが,標準化した試験材を使わずに,量産試作品を用い

て行う試験。

3.21

プローブ(probe)

接合を行うために被接合材に挿入される,ツールの一部。

注記  固定の場合と可動の場合とがある(図 1,図 及び図 参照)。

3.22

モックアップ接合試験(production sample welding test)

製造品から採取した接合部材の試験。

注記  ISO/TR 25901:2007 で採用された。

3.23

量産接合試験(production welding test)

a

b

c

e

a

d

e

d


10

Z 3608

:2016

量産品を用いて実施する接合試験。

注記  ISO/TR 25901:2007 で採用された。

3.24

後退側(retreating side)

ツールの回転方向が接合進行方向と逆となる側。

注記  図 参照。

3.25

ショルダ(shoulder)

ツールにおいて,接合中に被接合材の表面と接触する部分。

注記  図 参照。

2

1

3

1

ツール

2

ショルダ

3

プローブ

図 9−摩擦かくはん接合用ツールの例 

3.26

ツール傾斜角(side tilt angle)

接合方向に直角な垂直面上で,ツールの中心軸と被接合材の法線とがなす角。

注記  図 5 b)  及び JIS Z 3001-2 の番号 24205(トーチ角度)参照。

3.27

ワンパス接合(single-run welding)

1 回のパスで完了する接合。

注記  ISO 857-1:1998 で採用された。

3.28

シングルヘッド(single spindle)

1 本のツールで実施する FSW の方法。

3.29

標準接合試験(standard welding test)

FSW オペレータを認証するための,標準化した試験片を用いて行う接合試験。

3.30

かくはん部(stirred zone)

接合部中心のかくはんされた領域。


11

Z 3608

:2016

3.31

前進角(tilt angle)

接合方向を含む被接合材に垂直な面において,ツールの中心軸と被接合材の法線とがなす,進行方向と

逆向きの角。

注記 1  図 5 a)  参照。

注記 2  代表的な前進角は 0°∼5°。

注記 3  前進角はリード角ともいう。ただし,リード角は,負の表現とする。

3.32

ばり(toe flash)

止端部に突き出された過剰な金属,又は接合中に接合部の止端に沿って排出された材料。

注記  図 10 参照。

2

1

3

2

1

被接合材

2

ばり

3

接合部

図 10−ばり 

3.33

ツール(tool)

ショルダ及びプローブを含む回転体。

注記  ツールは通常,一つのショルダ及び一つのプローブをもつが,複数のショルダ又は複数のプロ

ーブをもつものもある。さらに,ショルダ又はプローブをもっていないものもある。

3.34

接合部の減肉(underfill)

接合部が,隣接する被接合材表面より低いことによって生じるくぼ(窪)み。

注記 1  図 11 参照。

注記 2  接合部の減肉は,FSW 接合に特徴的なものである。

t

h

h

減肉の深さ

t

元の板厚

図 11−接合部の減肉 


12

Z 3608

:2016

3.35

接合重なり部,WOA(weld overlap area)

複数の接合部が重なっている範囲。

3.36

FSW

オペレータ(welding operator)

FSW を実施する人。

3.37

FSW

施工要領書,WPS(welding procedure specification)

一つ又は複数の承認された FSW 施工法承認記録(WPQR)に従って承認された,FSW の施工要領を表

す文書。

3.38 

検査機関 

FSW のプロセス,設備,品質管理などがこの規格に適合しているかどうかを検証する,FSW オペレー

タが所属する団体及びその団体と密接に関係する団体から独立している機関。

3.39 

検査員 

FSW のプロセス,設備,品質管理などがこの規格に適合しているかどうかを検証できる力量をもつ,FSW

オペレータが所属する団体及びその団体と密接に関係する団体から独立している者。

3.40 

FSW

管理技術者 

FSW オペレータが所属する団体において,全ての FSW 及び FSW の関連業務に関する生産活動の管理の

実施に,責任及び力量をもつ技術者。

接合継手の設計 

4.1 

設計要求事項 

4.1.1 

一般 

接合物は,製品の最終使用を保証するために設定された基本的要求事項に従って設計しなければならな

い。接合に対する必須情報は,文書で明確に定めなければならない。また,破断限界,耐久限界,使用制

限,安全制限などの特別な要求事項を定めなければならない。工程の必須とする制御項目は,全ての設計

要求事項が FSW 施工要領書(WPS)及び検査要求項目に従って作られた接合部に合致するように,具体

的に決めなければならない。

溶接記号は,JIS Z 3021 に示されている記号を使用しなければならない。ただし,記号の尾の位置に FSW

と補足指示する。

4.1.2 

継手の設計 

継手の設計には,材料の特性値の必要なデータを考慮しなければならない。継手の例を,

表 に示す。

4.1.3 

突合せ継手 

突合せ継手の接合深さは,WPS で規定しなければならない。

4.1.4 

重ね継手 

接合部から板端部までの距離が短くて接合品質に影響を及ぼす重ね継手の場合は,ツールの中心線から

各々の重ね部材の端部までの距離を,WPS で規定しなければならない。


13

Z 3608

:2016

重ね継手へのプローブの押込み深さは,WPS で規定しなければならない。

FSW は非対称プロセスのため,その重ね接合は他のあらゆる重ね接合と区別する必要がある。例えば,

接合部の片側は他方に比べて一層加熱される。その非対称性の他の例は,接合部の前進側又は後退側にお

ける強度差である。前進側又は後退側のいずれかが板の端部にあるかによって(

図 12 参照),図 13 に示

すように,継手の高強度側又は低強度側を応力負荷側に設定できる。通常,後退側を継手上板の端部側(

13

の B-B 図)とする。

4.2 

特別要求事項 

4.2.1 

必須事項 

次の項目を,各接合部に対して規定しなければならない。

a)

被接合材の仕様,化学成分及び熱処理

b)

接合前の表面状態(表面処理を含む。

c)

接合の位置及び範囲

d)

最終接合形状及び仕上げ要求項目(接合のまま,又は接合後の仕上げ)

e)

後熱処理

4.2.2 

接合物の寸法 

図面に示される接合物の寸法は,要求寸法でなければならない。

4.2.3 FSW

オペレータの認証 

全ての製品用の FSW は,この規格に従って認証された FSW オペレータが実施しなければならない。

4.2.4 FSW

施工法の承認 

全ての製品用の FSW は,この規格に従って承認された FSW 施工法に合致しなければならない。

4.2.5 

検査 

接合部の要求検査項目,その方法及び許容判定基準は,文書で定義しなければならない。接合部は,こ

の規格に従って非破壊検査及び破壊試験を実施しなければならない。

表 1−摩擦かくはん接合前後を示す接合継手の例 

接合継手

接合前

接合後

突合せ継手

重ね継手

重 ね と 突 合 せ と の

組合せ継手

重 ね 継 手 と 突 合 せ

継手との組合せ


14

Z 3608

:2016

表 1−摩擦かくはん接合前後を示す接合継手の例(続き) 

接合継手

接合前

接合後

T 継手

角継手

円周突合せ継手

1

6

5

3

3

b

b

2

4

a

a

c

c

1

後退側

2

板端部近傍の接合部の前進側

3

ツール

4

被接合材

5

板端部近傍の接合部の後退側

6

前進側

a

押付け力

b

ツールの回転方向

c

接合方向

図 12−重ね継手の前進側及び後退側の位置 


15

Z 3608

:2016

1

2

A

A

b

c

3

a

4

2

Advancing side

B

B

b

1

c

2

5

a

A-A

6

7

d

d

B-B

7

6

d

d

d

d

e

d

d

e

1

後退側

2

前進側

3

ツール

4

上板

5

下板

6

上板の引張応力負荷側

7

下板の引張応力負荷側

a

ツールの回転方向

b

接合方向

c

押付け力

d

引張荷重

e

継手の変形

図 13−重ね継手におけるストレスフロー 

5 FSW

オペレータの認証 

5.1 

要求事項 

FSW オペレータの認証のため,次の試験のいずれか一つによってオペレータの適格性を確認しなければ

ならない。

a)

標準接合試験

b) FSW

施工法試験

c)

量産試作接合試験又は量産接合試験

d)

モックアップ接合試験

FSW オペレータの適格性確認の試験方法の詳細を,5.3 に示す。適格性確認試験の接合は,a)  標準接合

試験を除き,承認前の FSW 施工要領書(pWPS)又は WPS に従って行わなければならない。また,接合

継手の試験(5.4)には,検査員又は検査機関が立ち会わなければならない。

適格性確認試験ではさらに,

附属書 に規定する,使用する FSW 装置の知識について試験しなければ

4


16

Z 3608

:2016

ならない。

適格性確認試験では,

附属書 に示す,FSW 接合技術に関連する学科試験を課すことができる。学科試

験は推奨されるが,必須ではない。

適格性確認のための必須確認項目及び認証範囲を 5.2 に規定し,その有効性を 5.5.2 に規定する。FSW オ

ペレータが pWPS 又は WPS に従って受験する場合は,適格性の認証範囲は 5.2 に規定された範囲に限定す

ることが望ましい。

適格性確認試験に合格し,FSW オペレータとして認証されたことを証明する FSW オペレータの適格性

証明書の推奨形式を,

附属書 に示す。

5.2 

必須確認項目及び認証範囲 

5.2.1 

一般 

FSW オペレータの認証は,5.2.25.2.5 に規定する必須確認項目による。各必須確認項目に対して,認

証の範囲が規定される。FSW オペレータが認証範囲を超える接合を要求された場合は,新たな適格性確認

試験を必要とする。

注記 FSW は,機械で行う自動接合方法である。さらに,固相接合方法であるので,必須確認項目は

溶融溶接方法の必須確認項目とは異なる。

5.2.2 FSW

の方法 

ある FSW 接合法を用いてなされる一連の FSW オペレータの適格性確認試験は,その接合方法に対して

だけ有効である。この細分箇条は,ロボット FSW,シングルヘッド FSW,マルチヘッド FSW,ボビンツ

ール若しくは可動プローブツールを用いる FSW,又はその適格性確認試験に使用する WPS で規定される

FSW 法に適用するが,限定はしない。

5.2.3 FSW

装置 

次の変更には,新たに FSW オペレータの適格性確認試験が必要である。

a)

継手のセンサを使用する接合からセンサを使わない接合への変更。

b)

あるタイプの FSW 装置から別の FSW 装置へ変更する場合。

c)

制御システムの取り付け,取り外し又は変更。

5.2.4 

被接合材 

ある種類のアルミニウム合金を用いて,一連の接合継手の試験によって FSW オペレータの適格性確認

を行えば,全てのアルミニウム及びアルミニウム合金に対して適格性が確認されたとみなす。

ある板厚の被接合材を用いて,

一連の接合継手の試験によって FSW オペレータの適格性確認を行えば,

全ての板厚に対して適格性が確認されたとみなす。

ある形態の被接合材(板,管,鋳物,鍛造及び押出し形材を含むが限定はしない。

)を用いて,一連の接

合継手の試験によって FSW オペレータの適格性確認を行えば,全ての形態及び全ての管径に対して適格

性が確認されたとみなす。

5.2.5 

継手形状 

ある継手形状について,一連の接合継手の試験によって FSW オペレータの適格性確認を行えば,全て

の継手形状に対して適格性が確認されたとみなす。

5.3 

適格性確認の試験方法 

5.3.1 

標準接合試験による適格性確認 

FSW オペレータは 5.4 に従って標準接合試験を受け,接合方法及び使用する FSW 装置のタイプに対す

る適格性が確認されなければならない。標準接合試験には,

図 14 に示す試験片を使用しなければならな


17

Z 3608

:2016

い。

なお,試験材の幅は,曲げ試験用試験片を採取するために十分な大きさをもっていなければならない。

単位  mm

1

接合部

2

裏曲げ試験片

3

表曲げ試験片

4

断面マクロ検査用試験片

l

1

  削除部の長さ

l

2

  一対の表曲げ試験片及び裏曲げ試験片と次の一対の

表曲げ試験片及び裏曲げ試験片との最小間隔

l

3

  接合部の最小長さ

a

接合方向

図 14−破壊試験用試験片の採取位置 

5.3.2 FSW

施工法試験による適格性確認 

FSW オペレータは,箇条 に従って FSW 施工法試験を受け,接合方法及び使用する FSW 装置のタイプ

に対する適格性が確認されなければならない。

5.3.3 

量産試作接合試験又は量産接合試験による適格性確認 

FSW オペレータは,箇条 に従って量産試作接合試験,又は量産に適した設備による量産接合試験を受

け,接合方法及び使用する FSW 装置のタイプに対する適格性が確認されなければならない。

5.3.4 

モックアップ接合試験による適格性確認 

生産部門を受けもつ FSW オペレータは,検査員又は検査機関が製品の代表例を認定するならば,適格

性が確認されたとみなす。このモックアップ接合試験は,5.4 又は契約者間の要求のいずれか厳しい方に

従わなければならない。

5.4 

接合継手の試験 

5.4.1 

一般 

FSW オペレータの適格性確認に適用される試験接合の長さは,少なくとも 500 mm 以上でなければなら

ない。ただし,適格性確認が量産試作接合試験,量産接合試験,モックアップ接合試験,又は使用される

製品の接合長が 500 mm 未満のものを用いてなされる場合,試験体は要求される接合長に合致するもので

なければならない。接合長が 500 mm 未満の場合,試験体数は 3 を超えてはならない。

試験材及び試験片には,接合前に,検査員又は検査機関,及び FSW オペレータの識別記号を刻印しな

ければならない。

検査員は,接合条件が不適正か,又は FSW オペレータがこの規格の要求項目を満たすような技量をも

たないと判断した場合には,試験を中止してもよい。


18

Z 3608

:2016

5.4.2 

試験接合部の検査方法及び許容判定基準 

5.4.2.1 

目視検査 

目視検査は 7.3.2 に従って実施しなければならない。ただし,5.4.1 に示すような,接合長が 500 mm 未

満の場合には,削除部の長さを WPS で規定しなければならない。

接合部は接合されたままの表面を保持しなければならない。また,割れ又は空洞があってはならない。

かくはん部の幅は,不十分なツール押付け力による不ぞろ(揃)いを示してはならない。全板厚接合が規

定されている場合には,接合深さ不足があってはならない。

5.4.2.2 

非破壊検査及び破壊試験 

5.4.2.2.1 

試験範囲 

接合物は 5.4.2.2.2 に従って曲げ試験を実施するか,又は適切な非破壊検査方法(放射線透過試験又は超

音波探傷試験)を用いて接合部全てを検査しなければならない。非破壊試験は JIS Z 3105JIS Z 3080 

は JIS Z 3081 に従って実施しなければならない。

試験接合部から一つの断面マクロ検査用試験片を採取しなければならない。

許容判定基準を,

附属書 に規定する。

5.4.2.2.2 

曲げ試験 

曲げ試験は 7.3.3.4 に従って実施しなければならない。試験片の採取位置は,

図 14 に従わなければなら

ない。試験接合部から,表曲げ試験片 2 本及び裏曲げ試験片 2 本を採取しなければならない。板厚が 12 mm

を超えた材料に対しては,表曲げ試験片及び裏曲げ試験片に代えて,4 本の側曲げ試験片を採取してもよ

い。

WPS に接合深さが板厚の一部分でよいと規定されている場合には,試験前に機械切削にて,裏面側から

規定された最小接合深さまで試験片厚さを減厚しなければならない。

試験片のいかなる方向にも 3 mm の長さを超える割れが生じた場合は,不合格とする。また,試験片の

りょう部に 3 mm 未満の割れが生じた場合,接合深さ不足か又は空洞によるものでなければ,その割れを

無視する。

5.4.2.2.3 

断面マクロ検査 

7.3.3.5

に従って,1 か所の断面マクロ検査を実施しなければならない。その試験片の採取位置は,

図 14

に従わなければならない。

許容判定基準は,

附属書 に従わなければならない。

5.4.3 

再試験 

接合された試験材が 5.4.1 及び 5.4.2 の要求事項を満たさない場合には,その試験は不合格となる。その

場合,同じ被接合材を同じ接合方法を用いて再度接合し,再試験を行ってもよい。このとき,接合する試

験材は一つとする。再試験後の試験材も要求事項に合致しなければ不合格とする。

曲げ試験については,最初の試験材の 1 本の曲げ試験片が 5.4.2.2.2 の要求事項を満たさない場合には,

その試験材から追加して 2 本の曲げ試験片を採取し,再試験しなければならない。2 本の試験片が 5.4.2.2.2

の要求事項を満たす場合には合格とし,1 本でもこの要求事項を満たさない場合には不合格とする。

上記によって不合格となった FSW オペレータは,新たな適格性確認試験を受ける前に追加の訓練を受

けなければならない。

5.4.4 

試験の記録 

全ての試験結果は,文書化しなければならない。文書化の様式は,製造業者が決定しなければならない。

注記  文書化は,紙又は電子媒体による。


19

Z 3608

:2016

5.5 

証明書 

5.5.1 

一般 

FSW オペレータが適格性確認試験に合格し認証されたことを,証明しなければならない。全ての必須確

認項目を FSW オペレータの適格性証明書に記載しなければならない。試験材が,要求されている試験の

いずれかに合格していない場合は,証明書を発行してはならない。

証明書は,検査員又は検査機関の独立した責任の元に発行しなければならない。独立した責任の元にと

は,検査員又は検査機関が,当該オペレータがこの規格に要求される事項について十分な知識及び技量を

もつことを,責任をもって証明することである。

FSW オペレータの適格性証明書として,附属書 の書式を推奨する。

5.5.2 

有効期限 

5.5.2.1 

最初の認証 

FSW オペレータの認証は,必要な試験が実施され,試験に合格した場合,接合継手の試験を実施した日

から有効となる。

FSW オペレータの適格性証明書の有効期限は,2 年後の,認証された月と同月の月末までとする。

5.5.2.2 

有効性の確認 

FSW 管理技術者又は雇用者から FSW の品質管理について責任を委ねられている者は,FSW オペレータ

が認証を受けた後,接合に従事していることを,6 か月ごとに確認しなければならない。このような確認

を怠り,認証期間が切れていた場合,FSW オペレータは接合を行う前に再度,適格性確認試験に合格しな

ければならない。

5.5.2.3 

再認証 

FSW オペレータの適格性確認の証明は,検査員又は検査機関によって 2 年ごとに再認証できる。

5.5.2.2

を満足し,かつ,次のいずれもが確認されれば,再認証することができる。

a)

再認証が妥当であるという全ての検査記録を残さなければならない。また,生産に使用された WPS

も残されていることを確認しなければならない。

b)

再認証が妥当であるとする検査記録には,非破壊試験(放射線透過試験又は超音波探傷試験)又は破

壊試験(破面又は曲げ試験)を,再認証に先立つ半年間の間に少なくとも二つの試験体に対して実施

していることを含んでいなくてはならない。

c)

検査記録において,接合部は

附属書 に規定された,不完全部に対する判定基準を満足していなけれ

ばならない。

d)

再認証に関する検査記録は,最低 2 年間保存しなければならない。

6 FSW

施工要領及びその承認 

6.1 

接合手順の開発及び品質 

FSW 施工法の承認を,実生産の FSW を実施する前に受けなければならない。

製造業者は,承認前の FSW 施工要領書(pWPS)を準備しなければならない。また,それは,かつて実

施した生産業務における経験及び溶接技術の一般的な知識を生かして,生産に適用できることを保証しな

ければならない。

pWPS は,FSW 施工法承認記録(WPQR)を作成するためのベースとして使用しなければならない。ま

た,pWPS は,箇条 又は箇条 に示されている方法の一つとして試験されなければならない。

箇条 は,製造部品又は継手形状が,

図 15 に示す標準試験片による場合にだけ適用されなければならな


20

Z 3608

:2016

い。箇条 は,

図 15 に示す標準試験片によらない場合にだけ適用されなければならない。pWPS に必要な

情報を,6.2 に示す。

注記  必要に応じて,施工要領の申請に対しては,6.2 の項目に追加又は削除が必要となる。

FSW 施工要領書(WPS)は,ある範囲の板厚をカバーする。

必要な場合は,関連する国際規格(箇条 参照)に従った範囲及び公差,並びに製造業者の経験を,適

切に規定しなければならない。

pWPS の様式の例を,附属書 に示す。

6.2 pWPS

の技術的内容 

承認前の FSW 施工要領書(pWPS)には,少なくとも次の情報が含まれていなければならない。

a)

製造事業者の情報

1)

製造事業者名

2) pWPS

の識別番号

b)

被接合材の種類,熱処理条件,及び関連する規格

c)

被接合材の寸法

1)

部材の厚さ

2)

管の外径(管の場合)

d)

接合装置

1)

型式

2)

製造番号

3)

製造業者

e)

ツール

1)

材質

2)

スケッチ(ショルダ径,プローブ径及びプローブ長)又は図面番号

f)

拘束方法

1)

ジグ,拘束具,ローラ及び裏当て(形状及び材質)

2)

タック接合:タック接合が必要な場合はタック接合方法及び接合条件を,タック接合禁止の場合は

そのことを pWPS に明示しなければならない。

g)

継手設計

1)

継手の形状及び寸法

2)

パスの順序及び方向(必要な場合)

3)

始終端のタブ板,並びにその材質及び寸法

4)

終端穴の位置

h)

継手の準備及び前処理方法

i)

接合の詳細

1)

ツールの動き(時計方向又は反時計方向の回転速度,並びに押込み及び引抜きの移動速度)

2)

ツールの位置(ヒール押込み深さ)又はツールの押付け力

3)

ツールの冷却方法(必要な場合)

4)

前進角

5)

ツール傾斜角及び横オフセット量

6)

始端部におけるツール保持時間


21

Z 3608

:2016

7)

終端部におけるツール保持時間

8)

継手形状

9)

管の突合せ又は重ね継手の接合重なり部

10)

重ね継手:上板端部近傍の前進側又は後退側,及び接合方向

j)

接合速度

1)

接合中の接合速度(途中で変更があった場合には,その詳細を含む。

2)

急発進若しくは急停止,又は緩発進若しくは緩停止(適用する場合)

k)

接合姿勢

1)

適用可能な接合姿勢

l)

接合前の熱処理(適用する場合)

m)

予熱温度

1)

予熱温度−予熱を行う場合は,JIS Z 3604 に従って行う。

2)

ツールの予熱温度(適用する場合)

n)

予熱保持温度(必要に応じて)

1)

接合を中断する場合に予熱保持されるべき領域の最低温度

o)

パス間温度

1)

パス間温度−パス間温度を管理する場合には,JIS Z 3604 に従って行う。

p)

シールドガス及びシールド方法

1)

適用する場合,JIS Z 3253 に従ったものを用いる。

q)

接合後処理(必要に応じて)

1)

溶体化処理,時効,応力除去,ばりの除去又は接合物の他の何らかの後処理方法

2)

接合後の熱処理の温度範囲及び最小時間,若しくは時効処理条件を規定するか,又はこれらの情報

が規定されている他の規格を引用しなければならない。

注記 FSW 接合後に加熱処理を施すと,接合部の結晶粒が粗大化する場合もあるので,適用を避

けることが望ましい。

7 FSW

施工法試験による施工要領の承認 

7.1 

一般 

被接合材の前処理,接合,試験及び後処理は,7.2 及び 7.3 に従わなければならない。

この箇条は,FSW オペレータの適格性確認にも適用できる。

7.2 

試験材の準備 

7.2.1 

形状及び寸法 

7.2.1.1 

一般 

被接合材の長さ又は数量は,実施する全ての必要な試験を十分に満たすものでなければならない。

最小寸法より長い試験材は,再試験用,追加試験用又は両方に用いてもよい(7.3.4 参照)

圧延方向又は押出し方向を,試験材に刻印しなければならない。

7.2.1.2 

板の突合せ継手 

板の突合せ継手は,

図 15 の形状で準備しなければならない。


22

Z 3608

:2016

単位  mm

b

被接合材の幅

l

被接合材の長さ

t

板厚

a pWPS に規定される隙間

図 15−板の突合せ継手 

7.2.1.3 

管の突合せ継手 

管の突合せ継手は,

図 16 の形状で準備しなければならない。

単位  mm

D  管の外径 
l

管の長さ

t

管の厚さ

a pWPS に規定される隙間

図 16−管の突合せ継手 

7.2.1.4 

重ね継手 

試験材は,

図 17 の形状で準備しなければならない。接合は,全長にわたって板厚の一部が接合されるか

又は全厚が接合されるか,いずれでもよい。


23

Z 3608

:2016

単位  mm

1

かくはん部

b

1

 pWPS に規定される,上板の接合部中心線と板端との距離

b

2

 pWPS に規定される,下板の接合部中心線と板端との距離

b

3

  接合部中心線と試験材端部との距離

l

試験材長さ

t

1

  上板被接合材の板厚

t

2

  下板被接合材の板厚

図 17−重ね継手 

7.2.2 

被接合材の接合 

被接合材は,pWPS に従って接合しなければならない。

タック接合する場合は,タック接合部が接合部に含まれるように FSW 接合し,試験片にその部分を含

まなければならない。また,タック接合の場所を明記しなければならない。

被接合材の接合は,要求があれば,検査員の立会を必要とする。

7.3 

試験材の検査及び試験 

7.3.1 

試験の範囲 

試験には,非破壊検査(NDT)及び破壊試験が含まれる。試験は,

表 及び表 の要求項目に従って実

施されなければならない。NDT に関する追加情報は,

附属書 参照。

試験材の検査及び試験は,要求があれば,検査員の立会を必要とする。

試験材(タック接合を行った接合材を含む。

)の検査及び試験,又は管の突合せ継手の始端部・終端部を

含む試験材の検査及び試験は,設計仕様書に従わなければならない。

特殊な使用,特殊な材料又は特殊な製造条件には,付加試験のデータを得るために,他の非破壊検査を

要求することがある。

7.3.2 

目視検査 

試験材は,試験片を採取する前に,JIS Z 3090 によって目視検査を実施しなければならない。目視検査

の範囲は,

表 又は表 に従わなければならない。

目視検査の許容判定基準は,受渡当事者間の協議によって決定する。


24

Z 3608

:2016

表 2−突合せ継手の試験材に対する非破壊検査及び破壊試験 

試験の種類

試験の範囲

目視検査

a)

接合部全て

継手引張試験

b)

2 本の試験片

継手曲げ試験

c)

2 本の裏曲げ試験片 
2 本の表曲げ試験片

鋳造材用,又は鋳造材/展伸材組合せ用破断試験

d)

断面マクロ検査

1 個の試験片

付加試験(非破壊検査)

e)

必要に応じて

a)

  目視検査は,削除部(図 18 参照)を除いて実施しなければならない。

b)

  管の突合せ継手の場合,可能ならば少なくとも 1 本の継手引張試験を接合重

なり部(WOA)から採取することが望ましい。

c)

  厚さ 12 mm を超える材料の場合,2 本の裏曲げ試験片及び 2 本の表曲げ試験

片に代えて,4 本の側曲げ試験片を採取してもよい。接合線の縦曲げ試験の
表曲げ及び裏曲げ試験片 1 本ずつを,4 本の側曲げ試験片に代えてもよい。

d)

  ISO 9017 による。

e)

  付加試験は,設計仕様書の関連する要求項目に合致しなければならない。

表 3−重ね継手の試験材に対する非破壊検査及び破壊試験 

試験の種類

試験の範囲

目視検査

a)

接合部全て

断面マクロ検査

2 個の試験片

付加試験

b)

[非破壊検査,ピール試験,せん断試験,ハンマ S 曲

げ試験

c)

など]

必要に応じて

a)

  目視検査は,削除部(図 20 参照)を除いて実施しなければならない。

b)

  付加試験は,設計仕様書の関連する要求項目に合致しなければならない。

c)

  ハンマ S 曲げ試験に関する情報は,附属書 参照。

7.3.3 

破壊試験 

7.3.3.1 

一般 

試験の範囲は,

表 又は表 の要求に従わなければならない。

7.3.3.2 

試験片の採取位置 

試験材が目視検査に合格した後,

図 18,図 19 及び図 20 に従って破壊試験片を採取しなければならない。

試験片の採取位置は,目視検査で許容された不完全部を避けてもよい。


25

Z 3608

:2016

単位  mm

1

引張試験片,曲げ試験片又は破断試験片を各 1 本採取する領域

2

必要に応じて,付加試験片を採取する領域

3

引張試験片,曲げ試験片又は破断試験片を各 1 本採取する領域

4

断面マクロ検査用試験片採取位置

5

接合部

l

削除部

a

接合方向

図 18−板の突合せ継手の試験片採取位置 

1

a

2

4

3

5

6

1

始端

2

終端

3

引張試験片,曲げ試験片又は破断試験片を各 1 本採取する領域

4

必要に応じて,付加試験片を採取する領域

5

引張試験片,曲げ試験片又は破断試験片を各 1 本採取する領域

6

断面マクロ検査用試験片採取位置

a

接合重なり部

図 19−管の突合せ継手の試験片採取位置 

a


26

Z 3608

:2016

単位  mm

1 2 個の断面マクロ検査用試験片採取位置 
2

必要に応じて,ピール試験片,せん断引張試験片又はハンマ S 曲げ試験片を採取する位置

3

かくはん部

l

削除部

t

1

  上板被接合材の板厚

t

2

  下板被接合材の板厚

図 20−重ね継手の試験片採取位置 

7.3.3.3 

引張試験方法 

突合せ継手の引張試験は,JIS Z 3121 に従って実施しなければならない。ただし,試験片の表面が接合

のままの状態を要求されるときは,その要求に従って実施する。

判定基準は,受渡当事者間の協議によって決定する。

7.3.3.4 

曲げ試験方法 

突合せ継手に対して,試験片採取及び曲げ試験は JIS Z 3122 に従って実施しなければならない。試験片

の前進側及び後退側は,試験前に印を付けておかなければならない。

全ての試験片に対して,最小曲げ角度は,次に示す被接合材の伸びに従って計算された押しジグを用い

た場合に,150°としなければならない。

伸び>5 %  に対して

s

s

100

t

l

t

d

Δ

=

   (1)

ここに,

d

押しジグの最大径(

mm

t

s

曲げ試験片の板厚(

mm

)−これには側曲げも含む。

Δl

材料仕様に要求されている最小引張伸び(

%

)−異なる合金の

組合せでは,個々のうち最も低い値を使用しなければならな
い。

伸びが

5 %

以下の場合には,試験前に焼鈍処理を施さなければならない。押しジグの直径は,規定され

た焼鈍状態で与えられる伸びを用いて,式

(1)

によって計算しなければならない。

焼鈍中に生じる結晶粒粗大化が原因で曲げ試験が不合格となった場合には,

表 に従って追加の曲げ試

験を実施しなければならない。ただし,結晶粒粗大化を避けるような新しい焼鈍条件で処理を行った場合

は,その接合材について曲げ試験を行う。

d

の値は,整数に切り捨てる。押しジグ径がこの整数より小さい押しジグを用いてもよい。


27

Z 3608

:2016

判定基準は,受渡当事者間の協議によって決定する。

7.3.3.5 

断面マクロ検査 

断面マクロ検査は,ISO 17639 による。

断面マクロ検査は,接合時の熱影響を受けていない被接合材を含んでいなければならない。

エッチングを行う場合は,断面の状態を正しく判断できるように,適正に行わなければならない。

判定基準は,受渡当事者間の協議によって決定する。

7.3.4 

再試験 

試験材が 7.3.2 に規定されている目視検査の判定基準を満たさなければ,追加の被接合材を接合し,同じ

検査に供しなければならない。このとき,接合する試験材は一つとする。追加の試験結果が判定基準を満

たさない場合には,その

FSW

施工法試験は不合格とする。

7.3.3

に従って実施した破壊試験の判定基準を,いずれかの試験片が満たさなければ,接合不完全部が原

因の場合を除き,不合格となった試験に対して追加の

2

本の試験を実施しなければならない。

追加の試験片は,材料が十分にある場合には同じ試験材から採取しなければならない。そうでない場合

には,新しい試験材から採取しなければならない。各々の追加の試験片は,不合格となった試験材と同じ

試験を行わなければならない。追加の試験片のいずれかが判定基準を満たすことができなければ,その

FSW

施工法試験は不合格とする。

7.4 

承認有効範囲 

7.4.1 

一般 

この規格に従って施工法が承認されるためには,7.4.27.4.5 において示される各々の条件を満足しなけ

ればならない。

規定の範囲外の変更に対しては,新規の施工法試験を必要とする。

7.4.2 

製造事業者 

製造事業者が受けた,この規格に基づく

FSW

施工法試験による

pWPS

の承認は,その同一の技術管理

及び品質管理下の作業場又は作業現場で行う接合に対して有効とする。

7.4.3 

予熱温度 

予熱温度の計測方法は,JIS Z 3703 による。

FSW

施工法試験の開始時に計測した温度を,承認する予熱温度の上限温度とする。

計測した予熱温度(

WPS

に規定した温度)より

30

℃低い温度を,承認する予熱温度の下限値とする。

7.4.4 

パス間温度 

パス間温度の計測方法は,JIS Z 3703 による。

承認するパス間温度の上限値は,

FSW

施工法試験で計測したパス間温度の最高値とする。承認するパス

間温度の下限値は,

WPS

に記載されたパス間温度より

30

℃低い温度とする。

7.4.5 

他の確認項目 

他の確認項目の承認有効範囲は,

WPS

に規定しなければならない。

7.5 FSW

施工法承認記録 

FSW

施工法承認記録(

WPQR

)は,再試験を含めた各試験材の評価結果を記述したものである。ここで

は,7.3 での基準を満足できなかった場合の詳細な結果とともに,JIS Z 3421-1 にある

WPS

に必要として

挙げられた内容も含まれていなければならない。受容できない状態又は不合格とならなかった場合,

FSW

施工法試験材の結果を詳述した

WPQR

は,検査員又は検査機関によって承認を受け合格とする。その際,

署名及び日付の記入を必要とする。さらに,

pWPS

を承認し,

WPS

を発行しなければならない。


28

Z 3608

:2016

WPQR

は,標準の様式を使用しなければならない。

WPQR

の様式例を,

附属書 に示す。

量産試作接合試験による施工要領の承認 

8.1 

一般 

8.2

8.5 を変更しない場合には,量産試作接合試験は箇条 の関連する細分箇条に従って実施しなけれ

ばならない。

箇条 は,

FSW

オペレータの適格性確認にも適用できる。

8.2 

試験材 

試験材の準備及び接合は,実生産の一般的条件によって実施しなければならない。試験材は,寸法形状

が構造物の実接合条件を示すように考慮しなければならない。実接合条件には,接合姿勢及び他の確認項

目が含まれる。

実部品を使用する場合には,ジグ及び固定具は実際の生産に使用されるものを使わなければならない。

8.3 

試験材の検査及び試験 

試験材は,箇条 の関連する細分箇条に従って試験しなければならない。

少なくとも,次の試験を実施しなければならない。

a)

目視検査(接合部全て)

b)

断面マクロ検査(試験片の数は,構造物の形状に依存する。

8.4 

承認有効範囲 

この規格に従って発行された

WPS

は,量産試作接合試験で使用される継手形状に限定される。

承認有効範囲は,通常,7.4 の関連する細分箇条に従う。

8.5 FSW

施工法承認記録 

WPQR

は,標準の様式を使用しなければならない。

WPQR

の様式例を,

附属書 に示す。

品質及び検査要求項目 

9.1 

品質要求項目 

箇条 は,規定された品質の構造物を製作するのに際して,

FSW

を使用する製造事業者の能力を決定す

る方法について規定する。ただし,何らかの特別な製品グループに対して特別な要求があれば,この規定

を適用しなくてもよい。

9.2 

製造要員 

9.2.1 

一般 

製造事業者は,規定された要求項目に従った,

FSW

を適用する製造の計画及び実施並びに監督業務に対

して十分に要求にかなう技術者を保有しなければならない。

9.2.2 FSW

オペレータ 

FSW

オペレータは,箇条 に基づいて認証されなければならない。認証記録は,そのたびに更新されな

ければならない。

9.3 

試験検査要員 

9.3.1 

一般 

製造事業者は,規定された要求項目に従って

FSW

が適用される部品の製造に際し,試験の計画及び実

施,並びに検査及び試験実施の監督業務に対して要求にかなう技術者を保有しなければならない。


29

Z 3608

:2016

9.3.2 

非破壊検査及び目視検査技術者 

非破壊検査及び目視検査を実施する検査技術者は,JIS Z 3400 の B.7.2(非破壊試験要員)に従って認証

されなければならない。これらの JIS に合致しないような試験方法を使用する場合には,製造事業者は,

これらの規定の要求項目に相当する訓練プログラムの開発,学科試験,技量試験などに責任を負わなけれ

ばならない。これらの項目は,必要な検査を実施するのに適した内容でなければならない。

9.3.3 

破壊試験の検査技術者 

破壊試験を実施する検査技術者は,破壊試験の方法に対する訓練を受けなければならない。

9.4 

設備 

9.4.1 

設備の適合性 

設備は,試験に十分適用可能でなければならない。

接合設備(

FSW

ツールを含む。

)は,

附属書 に規定される許容レベルに適合する接合部を作る能力が

なければならない。接合装置は,良好な状態に維持しなければならないし,必要な場合は,修理するか又

は調整しなければならない。

9.4.2 

新しい設備 

設備を新設又は一新した場合には,適切な試験を実施しなければならない。この試験によって,接合装

置の機能が適正であることを証明しなければならない。

9.4.3 

認証された設備の接合条件の再現性試験 

再現性試験では,接合装置が

附属書 に規定される許容レベルに適合する接合部を繰り返し接合できる

ことを示さなければならない。

再現性試験は,

次に示すいずれかが生じた場合に実施しなければならない。

a)

設備の重要部品が傷ついたり,修理されたり又は置き換えられた場合

b)

設備が設計されていない手段で移動された場合

c)

定置設備が,ある場所から別の場所へ移された場合

再現性試験は,その設備が製造に使用される

WPS

に基づいて実施しなければならない。これらの試験

接合は

3

本について行い,そのうちの特性値の最小のものが要求値を満たすことを確認しなければならな

い。

9.4.4 

設備の保守 

製造事業者は設備の保守について,文書に記載された計画を保有しなければならない。その計画は,

WPS

記載の条件範囲を制御できる設備によってチェックされていることが保証されなければならない。

保守計画は,この規定の品質要求項目を満たす接合部を得るための重要項目に限ってもよい。このよう

な項目の例を,次に示す。

a)

ガイド及び機械的拘束具の状態

b)

接合装置の動作のために用いられるメータ及びゲージ

c)

ケーブル,ホース,コネクタなどの状態

d)

機械的又は自動接合装置の制御系の状態

e)

熱電対及び他の温度測定用計器の状態

f)

クランプ,ジグ,拘束具などの状態

接合前に,被接合材に接触するクランプ,ジグ,拘束具などは清浄にし,かつ,接合部に有害な影響を

もたらす汚染物から十分に保護しておかなければならない。

注記

汚染物には,油,グリース,ほこりなどがある。

不完全な装置は使用してはならない。


30

Z 3608

:2016

9.5 FSW

施工要領書(WPS 

製造事業者は生産に当たって,

WPS

が正しく使われていることを保証しなければならない。

9.6 FSW

ツール 

9.6.1 

識別 

生産に使用される

FSW

ツールは,使用前に識別マークを打っておかなければならない。

9.6.2 

ツールの検査 

接合前に,ツールは清浄にしておき,かつ,接合部の品質に有害な影響をもたらす汚染物から保護して

おかなければならない。

注記

汚染物には,油,グリース,ほこりなどがある。

品質の高い

FSW

接合部を得るには,正しいツール形状が必要である。ツールは使用に伴って摩耗する

ので,適切な期間で摩耗の確認検査をしなければならない。その検査は,記載された手順に従って実施し

なければならない。

9.7 

接合前の継手準備及び組つけ 

9.7.1 

継手準備 

各々の継手部材の端面は,

WPS

に従って準備しなければならない。ルートギャップは,

WPS

に従って

セットしなければならない。

9.7.2 

接合前の清掃 

接合前の清掃は,

WPS

に従って実施しなければならない。被接合材は,接合部の品質に有害な影響をも

たらす汚染物があってはならない。

注記

汚染物には,表面酸化物,保護被膜,接着剤,油,グリース,ほこりなどがある。

9.8 

予熱及びパス間温度の管理 

予熱及びパス間温度の管理は,

WPS

に従わなければならない。

9.9 

タック接合 

タック接合が要求される場合には,

WPS

に従って実施しなければならない。

9.10 

接合 

接合は,

WPS

に従って実施しなければならない。

9.11 

後熱処理 

後熱処理が要求される場合,

WPS

に従って実施しなければならない。

製造事業者は,後熱処理(溶体化処理,応力除去処理,時効処理など)の仕様及び性能について全面的

に責任を負わなければならない。その方法は,製品仕様書又は規定された要求項目に従って,被接合材,

接合継手及び接合部間で,同等条件で実施されなければならない。

熱処理工程については,この規定に従って記録を取り,追跡可能でなければならない。

9.12 

検査及び試験 

9.12.1 

一般 

検査,試験の部位及び頻度は,製品仕様書及び構造タイプに依存する。

9.12.2 

接合前の検査及び試験 

接合前に,次の事項を確認しなければならない。

a)

 FSW

オペレータの適格性証明書の適合性及び有効性

b)

 WPS

の適合性

c)

被接合材の化学成分及び熱処理


31

Z 3608

:2016

d)

継手の状態(例えば,形状及び寸法)

e)

継手の組つけ,ジグ及びタック接合

f)

 WPS

に従った接合パラメータ

g)

予熱温度及びパス間温度

9.12.3 

接合中の検査及び試験 

接合中,接合のシーケンスを,適切な間隔又は連続監視によってチェックしなければならない。

9.12.4 

接合後の検査及び試験 

9.12.4.1 

一般 

接合後,関連する適用基準又は関連する要求項目に応じて,次の項目を確認しなければならない。

a)

目視検査

b)

非破壊検査

c)

破壊試験

d)

接合部の形状及び寸法

e)

後熱処理,時効の結果及び記録

9.12.4.2 

目視検査 

目視検査は,JIS Z 3090 に従って実施しなければならない。

9.12.4.3 

浸透探傷検査 

浸透探傷検査は,JIS Z 2343-1 に従って実施しなければならない。

9.12.4.4 

放射線透過試験 

放射線透過試験は,JIS Z 3105 に従って実施しなければならない。

設計仕様書又は関連する要求事項によって規定されている場合には,放射線透過試験の代わりに超音波

探傷試験を用いてもよい。

重ね継手又は板厚の一部を突合せ接合した継手の放射線透過試験が要求される場合には,設計仕様書に

おいて許容基準を決定しなければならない。

9.12.4.5 

超音波探傷試験 

超音波探傷試験は,JIS Z 3080 又は JIS Z 3081 に従って実施しなければならない。

水浸超音波探傷試験が適用される場合,適用可能な規格又は要求事項を決めなければならない。

9.12.4.6 

耐久試験 

設計仕様書又は関連する要求項目によって規定されている場合には,放射線透過試験,超音波探傷試験

若しくは浸透探傷試験と組み合わせて,又はこれらに代えて,耐久試験を用いてもよい。

9.12.4.7 

引張試験 

引張試験は,JIS Z 3121 に従って実施しなければならない。

9.12.4.8 

曲げ試験 

曲げ試験は,JIS Z 3122 に従って実施しなければならない。

全ての試験片に対して,最小曲げ角度は,被接合材の伸びに基づいて式

(1)

によって計算した押しジグの

直径を使って,

150

°としなければならない。

9.12.4.9 

硬さ試験 

硬さ試験は,ISO 9015-1 又は ISO 9015-2 に従って実施しなければならない。ただし,受渡当事者間の協

議によって,変更又は省略してもよい。


32

Z 3608

:2016

9.12.4.10 

破断試験 

破断試験は,ISO 9017 に従って実施しなければならない。ただし,受渡当事者間の協議によって,変更

又は省略してもよい。

9.12.4.11 

その他の破壊試験 

その他の破壊試験(例えば,衝撃試験,疲労試験,又はマクロ及びミクロ組織検査)の方法及び技術は,

組み合わせて適用してもよい。これらの試験の一つ以上が指示されている場合には,それに関連する国際

規格又は JIS に従って実施しなければならない。

9.12.5 

欠陥をもつ接合部又は不適合接合部 

欠陥をもつ接合部の補修に溶接が伴う場合,補修は

WPS

に基づいて実施しなければならない。補修は

この規定の要求項目に適合していなければならない。

9.12.6 

接合形状の修正 

FSW

接合時の過剰な押込みによってかくはん部の端部に沿って発生したばり又は突き出た材料は,被接

合材の特性を損なわないような方法で除去してもよい。この処置は,接合部の厚さ及び被接合材の厚さが

許容範囲内にとどまるような方法で実施しなければならない。

9.13 

識別及びトレーサビリティ 

一つの

WPS

に対する接合部の識別及びトレーサビリティ,並びに

FSW

オペレータの識別及びトレーサ

ビリティを,全製造工程を通して維持しなければならない。


33

Z 3608

:2016

附属書 A

(規定)

接合装置の機能に関する知識

A.1 

概要 

この附属書は,

FSW

オペレータに要求される接合装置に関する知識を規定する。

A.2 

接合順序及び方法 

FSW

オペレータは,次の接合方法に関する要求項目,及び特に接合部に影響を及ぼす接合条件の影響を

理解しなければならない。

a)

継手の前処理及び接合部の確認

1)

継手の前処理についての

WPS

との一致

2)

接合すべき接合面の清掃

b)

接合部の不完全部

1)

接合不完全部の識別

2)

接合不完全部の生成原因の識別

3)

接合不完全部の発生防止法,及び必要な場合にはその補修方法

c)

 FSW

オペレータの認証及びその範囲

d)

接合の実施

1)

接合装置のプログラミングに関する知識

2)

制御システムの操作に関する知識及び制御システムからの信号を理解するための知識

3)

ツールの動きに関する調整方法

4)

補助装置の操作に関する知識

5)

ジグ,拘束具及び試験材のセッティングの調節方法

6)

 WPS

の範囲内での接合条件の設定及び調整

7)

安全関連法規及び注意事項の適用

8)

接合の開始及び終了手順に関する知識


34

Z 3608

:2016

附属書 B

(参考)

接合技術の知識

B.1 

一般 

この附属書は,

FSW

オペレータが必要とする業務知識について示す。この附属書に示されている業務知

識は最も基本的なレベルである。

業務知識の試験を推奨する。しかし,必ずしも要求はしない。

FSW

オペレータに業務知識の試験実施を

要求する国もある。もし,業務知識の試験を要求するならば,

FSW

オペレータの認証書にそのことを記載

しなければならない。

様々な国での訓練プログラムに相違があるので,業務知識の総括的な目的又はカテゴリーだけを標準化

することを推奨する。実際の質問は個々の国,雇用者又は専門家によって作成されるべきであり,

FSW

ペレータの認証試験に関連する B.2 の要求事項を含むことが望ましい。

B.2 

必要項目 

FSW

オペレータは,次の知識をもつことが望ましい。

a)

接合装置

1)

必須部品の種類及びアッセンブリ

2)

適正なツールの選択

3)

何らかの冷却システム(設置されている場合)

4)

設備の保全

b)

接合方法

1)

制御システム

2)

接合条件のセット及び制御

3)

ヘッドのアライメント及び移動

4)

接合プロセスに及ぼす接合条件の影響

5)

ツールの検査

6)

接合不完全部の原因及び外観

c)

被接合材(その識別を含む。

d)

安全及び事故対策

1)

ツールの破損及び飛散

2)

感電リスク

3)

巻き込まれリスク

4)

騒音

e)

接合部の目視検査に関する知識


35

Z 3608

:2016

附属書 C 
(参考)

FSW

オペレータの適格性証明書

FSW

オペレータ名

  写真

生年月日

事業者

適格性確認方法

□標準接合試験による

FSW

施工法試験による

□量産試作接合試験又は量産接合試験による

□モックアップ接合試験による

WPS No.

既所持の

FSW

オペレータの適格性証明書の

WPS No.

接合部詳細

接合方法

設備

継手のセンサ

パス数    ワンパス  /  多パス          ヘッド数    シングル  /  マルチ

検査員/検査機関

試験日                                試験場所

有効期限

試験結果の書類

No.

事業者又は

FSW

管理技術者による業務従事証明

6

か月間

日付                          サイン                          役職

12

か月間

日付                          サイン                          役職

18

か月間

日付                          サイン                          役職

24

か月間

日付                          サイン                          役職


36

Z 3608

:2016

附属書 D 
(参考)

承認前の FSW 施工要領書(pWPS)

FSW

オペレータ名

    引用規格番号

製造事業者                                  住所

pWPS

番号

WPQR

番号

被接合材の種類・熱処理・関連規格の番号

被接合材の厚さ(

mm

    管の外径(

mm

接合装置(型式,製造番号,製造業者)

ツール(材質,図面番号又はスケッチ)

拘束方法(ジグ,拘束具,ローラ及び裏当ての形状・材質)

タック(接合方法及び接合条件,又は禁止)

ツール形状

拘束状態(タックを含む)

(スケッチ)

1)

 
 

(スケッチ)

1)

継手設計:形状及び寸法,パスの順序及び方向

1)

,始終端のタブ板(材質・寸法)

,終端穴の位置

(スケッチ) 
 
 
 

継手の準備・前処理方法

接合の詳細

パス数

ツールの

回転方

向・速度

rpm

ツールの押

込み・引抜

移動速度

mm/min

ヒール

押込み深さ

mm

又は押付け力

kN

前進角

°

ツール傾斜角

°

横オフセット量

mm

ツール保持

時間(始端
部・終端部)

s

接合

速度

mm/min

その他

[冷却

1)

急発進・

急停止な

ど]

 

接合姿勢                                          接合前の熱処理

1)

予熱温度(℃)

    予熱保持温度

1)

(℃)

    ツール予熱温度

1)

(℃)

パス間温度(℃)                    シールドガス                  ガス流速(

l/min

接合後処理

1)

(溶体化・時効・応力除去・ばり除去など)

その他の記載事項

1)

1)

必要な場合。

製造事業者の名称・日付(サイン)


37

Z 3608

:2016

附属書 E

(参考)

非破壊検査

非破壊検査(

NDT

)が要求される場合,試験材は試験片を切り出す前に

NDT

を実施することが望まし

い。

継手の形状,被接合材及び製品の要求事項に基づいて,必要ならば浸透探傷試験(JIS Z 2343-1 による。

放射線透過試験(JIS Z 3105 による。

)又は超音波探傷試験(JIS Z 3080 又は JIS Z 3081 による。

)を実施

することが望ましい。接合部の健全性に厳しい要求がある場合には,特別な非破壊検査方法(フェーズド

アレイ超音波試験,渦電流試験など)の適用を要求されることがある。


38

Z 3608

:2016

附属書 F

(参考)

FSW

重ね継手のハンマ S 曲げ試験

重ね継手のハンマ

S

曲げ試験は,接合部が不完全部(例えば,板厚減少,フック)を含んでいるか否か

を定性的に判断するのに鋭敏な方法である。この方法は定性的な方法であるため,接合部の中心からバイ

ス(又は保持具)までの距離は,試験される材料の延性,その不足,又は板厚を補償するために調節する

ことが望ましい。延性に富む材料に対しては,この距離は延性に劣る材料に対する場合よりも短くするこ

とが望ましい。

ハンマ

S

曲げ試験は,表曲げ[

図 F.1 a)]及び裏曲げ[図 F.1 b)]について実施することが望ましい。

試験は,他の定量的な試験に置き換えないことが望ましい。


39

Z 3608

:2016

a)

  表曲げ b)  裏曲げ 

c)

試験手順 

1

接合部の前進側

2

接合部の後退側

3

バイス

a

バイスの端から接合部の中心までの距離

b

ハンマの打ち付け方向

注記  太い矢印は,試験手順を示す(表曲げ試験の場合)。

接合部をはさんだ両側を曲げる。2 回目に曲げるときに試験片を一旦抜いて,反対側をバイスに差し替える。

図 F.1−ハンマ 曲げ試験方法 


40

Z 3608

:2016

附属書 G 
(参考)

FSW

施工法承認記録(WPQR)

G.1 FSW

施工法承認合格証明書 

製造事業者

住所

pWPS

番号

WPQR

番号

検査員/検査機関

引用規格番号                                    試験規格番号

FSW

オペレータ名

接合日

被接合材の種類・関連規格の番号

被接合材の厚さ(

mm

    管の外径(

mm

継手形状

(スケッチ) 
 
 
 
 
 
 
 

後熱処理の有無・内容

他の記載事項

上記の試験規格の要求事項に基づいて,試験接合を準備し,接合試験を行った結果,

FSW

施工法試験に

合格したことを,次のサインによって証明する。

試験場所

試験日

検査員/検査機関の名前・日付(サイン)

検査員/検査機関の名前・日付(活字体)


41

Z 3608

:2016

G.2 

接合試験記録(WPS 

FSW

オペレータ名

    引用規格番号

製造事業者                                  住所

WPS

番号

WPQR

番号

被接合材の種類・熱処理・関連規格の番号

被接合材の厚さ(

mm

    管の外径(

mm

接合装置(型式,製造番号,製造業者)

ツール(材質,図面番号又はスケッチ)

拘束方法(ジグ,拘束具,ローラ及び裏当ての形状・材質)

タック(接合方法及び接合条件,又は禁止)

ツール形状

拘束状態(タックを含む)

(スケッチ)

1)

 
 

(スケッチ)

1)

継手設計:形状及び寸法,パスの順序及び方向

1)

,始終端のタブ板(材質・寸法)

,終端穴の位置

(スケッチ) 
 
 
 

継手の準備・前処理方法

接合の詳細

パス数

ツールの

回転方

向・速度

rpm

ツールの押

込み・引抜

移動速度

mm/min

ヒール

押込み深さ

mm

又は押付け力

kN

前進角

°

ツール傾斜角

°

横オフセット量

mm

ツール保持

時間(始端
部・終端部)

s

接合

速度

mm/min

その他

[冷却

1)

急発進・

急停止な

ど]

 

接合姿勢                                        接合前の熱処理

1)

予熱温度(℃)

    予熱保持温度

1)

(℃)

    ツール予熱温度

1)

(℃)

パス間温度(℃)                  シールドガス                  ガス流速(

l/min

接合後処理

1)

(溶体化・時効・応力除去・ばり除去など)

その他の記載事項

1)

1)

必要な場合。

製造事業者の名称・日付(サイン)

検査員/検査機関の名前・日付(サイン)

検査員/検査機関の名前・日付(活字体)


42

Z 3608

:2016

G.3 

接合試験の検査記録 

製造事業者                                  住所

pWPS

番号

WPQR

番号

試験機関の引用番号

検査員/検査機関

引用規格番号

目視検査    合格  /  不合格

理由

報告書番号

マクロ組織検査    合格  /  不合格

理由

報告書番号

破壊試験

引張試験    必要  /  不要          タイプ/

No.

規格値 
測定値

σj

MPa

σpm

MPa

fe

σj/σpm

破断位置

特記事項

規格値

測定値 1

測定値 2

σj

:接合試験片の引張強さ

σpm

:被接合材の引張強さ

曲げ試験    必要  /  不要

タイプ/No.

曲げ角度

°

押しジグの径,d

mm

結果

他の試験

2)

特記事項

                                                            の要求に基づいて本試験を実施した。

試験機関の報告書番号

試験結果    合格  /  不合格

                                                              の立会のもとに本試験を実施した。

2)

必要な場合。

検査員/検査機関の名前・日付(サイン)

検査員/検査機関の名前・日付(活字体)


43

Z 3608

:2016

附属書 H 
(規定)

不完全部並びにその検査方法及び判定基準

表 H.1−不完全部並びにその検査方法及び判定基準 

不完全部の定義

参考図

検査方法

a)

判定基準

a)

表面不完全部

接合深さ不足

t

h

断面マクロ

許容されない

裏波過大

h

目視

断面マクロ

h≦3 mm

止端部ばり

目視

断面マクロ

b)

目違い

t

t

h

目視

断面マクロ

h≦0.2又は 2 mm,

いずれか小さい方

接合部の減肉

t

h

目視

断面マクロ

h≦0.2 mm+0.1tt≧2 mm)

h≦0.15tt<2 mm)

接合幅不ぞろ(揃)い  接合部幅の過大な変化

目視

b)

接合部表面の乱れ

過大な表面粗さ

目視

b)

内部不完全部

空洞

d

断面マクロ

d≦0.2 又は 4 mm

いずれか小さい方

フック

h

t

断面マクロ

b)

記号及び略号

d

空洞の最大長さ(mm)

h

不完全部の長さ(mm)

s

公称突合せ厚さ(接合深さ)

(mm)

t

被接合材の公称厚さ(mm)

a)

  必要な場合,非破壊検査は JIS Z 2343-1JIS Z 3105JIS Z 3080 又は JIS Z 3081 に従って実施することが望

ましい。他の不完全部の試験及び検査並びに判定基準は,設計仕様書の要求項目に従わなければならない。

b)

  判定基準は,関連する要求項目の規定限度内,又は設計仕様内としなければならない。

S

 

S


44

Z 3608

:2016

参考文献

ISO 857-1

:1998

Welding and allied processes

Vocabulary

Part 1: Metal welding processes

ISO 15613

Specification and qualification of welding procedures for metallic materials

Qualification

based on pre-production welding test

ISO/TR 17671-1

Welding

Recommendations for welding of metallic materials

Part 1: General

guidance for arc welding

ISO/TR 25901

:2007

Welding and related processes

Vocabulary


45

Z 3608

:2016

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Z 3608:2016

  摩擦かくはん接合−アルミニウム

ISO 25239-1:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 1: Vocabulary

ISO 25239-2:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 2: Design of weld joints

ISO 25239-3:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 3: Qualification of welding operators

ISO 25239-4:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 4: Specification and qualification of welding procedures

ISO 25239-5:2011

,Friction stir welding−Aluminium−Part 5: Quality and inspection requirements

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

ア ル ミ ニ ウ ム

及 び ア ル ミ ニ
ウ ム 合 金 に 対

す る 摩 擦 か く

は ん 接 合 の 要
求 事 項 に つ い

て規定

ISO 25239-1

ISO 25239-2

ISO 25239-3

ISO 25239-4

ISO 25239-5





1

用語,接合部の設計,FSW

オペレータの認証,施工
法の設計及び承認,並び

に品質及び検査要求項目

について,それぞれ別の
規格としている。

変更

五つの国際規格を一つの JIS

として規定する。技術的差異
はない。

利用者の利便性を考慮し,当面このま

まの体系とする。

2  引用規格

3  用語及び
定義

図 3 b)−ボビン

ツール側面図

ISO 25239-1

3

図中にはツールによって

付加される押付け力及び
材料から受ける反力の両

方の表示(矢印)がある

が,説明(記号 c)はま
とめて押付け力となって

いる。

変更

押付け力(記号 c)と押付け

力の反力(記号 d)とを区別
して説明。

ISO

規格の表示は適切でない。次回の

ISO

規格改正時に変更を申し入れる。

図 4−FSW の

一 般 的 な シ ー
ケンス

ISO 25239-1

3

時間及び操作時間の表記

を としている。

変更

を τ に変更する。技術的差
異はない。

図 6,図 11,図 15,図 16,図 17,図
20 及び表 H.1 において,厚さを で表
示している。これと重複しないように

表記を変更する。次回の ISO 規格改正

時に変更を申し入れる。

45

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46

Z 3608

:2016

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用語及び
定義(続き)

図 5−FSW の

突 合 せ 及 び 重
ね接合

ISO 25239-1

3

接合方向(記号 f)を左方

向としている。

変更

接合方向(記号 f)を紙面に

垂直方向とした。

ISO

規格 の表 示は明ら かな ミスで あ

る。次回の ISO 規格改正時に変更を申
し入れる。

図 6−フックを

示す FSW 重ね

接合部の断面

ISO 25239-1

3

図中にフックの高さ(記

号 h)の表示がない。

変更

図中のフ ック の高さ該 当部

に,記号 h

1

及び h

2

を記入。

ISO

規格は明らかなミスである。次回

の ISO 規格改正時に変更を申し入れ

る。

3.38 
3.39 
3.40

ISO 25239-1

3

検 査 機 関 , 検 査 員 及 び
FSW 管理技術者が定義さ
れていない。

追加 3.38(検査機関)

,3.39(検査

員)及び 3.40(FSW 管理技術

者)を追加した。

重要な項目と判断されるため,追加し
た。次回の ISO 規格改正時に追加を申

し入れる。

4  接合継手
の設計

4.1.1  一般(設
計要求事項)

ISO 25239-2

4.1

溶融溶接の記号をそのま

ま使用するとしている。

変更 FSW であることを明確にす

るため,“記号の尾の位置に
FSW と補足指示する。”と記
入。

FSW と記入することを,次回の ISO 
格改正時に変更を申し入れる。

4.1.4  重ね継手  ISO 25239-2

4.1

接合部の端部を,前進側

又は後退側にすることだ
けを述べている。

変更

“通常,後退側を継手上板の

端部側(図 13 の B-B 図)と
する。

”の文章を追加。

A-A 図のように,前進側(強加工側)
を構造的に弱い端部側とするのは現実
的でない。次回の ISO 規格改正時に,

文章の追加を申し入れる。

表 1−摩擦かく

は ん 接 合 前 後
を 示 す 接 合 継

手の例

ISO 25239-2

4.2

重ね継手に,3 枚以上を

重ねる特殊な場合しか表
示されていない。

変更

標準的な 2 枚重ね継手(図
12,図 13 及び図 17 に対応)
の図を追加。

ISO

規格の表示は不十分である。次回

の ISO 規格改正時に変更を申し入れ
る。

接合継手の表示順序が,

特殊な場合から始まり,

統一がとられていない。

変更

標準的な 突合 せ継手及 び重

ね継手を最初に表示し,その

他も分か りや すい順序 に並
び変えた。

ISO

規格の表示は不十分である。次回

の ISO 規格改正時に変更を申し入れ

る。

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Z 3608

:2016

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

5 FSW オペ
レータの認

5.1  要求事項

ISO 25239-3

4.1

適格性確認試験の接合は
WPS に従って行う必要が
あるが,

FSW 施工法試験,

量産試作接合試験及び量

産接合試験の場合を除く
としている。

変更

JIS

では,適格性確認試験は

標準接合試験を除き,pWPS
又は WPS に従って行うこと

を,5.1 に記載。

4.4.1 は,接合部の試験に関する細分箇
条であり,適格性確認試験を WPS に従
って行うことは,その前に 5.1 で述べる

べきである。また,ISO 規格の,WPS

適用の対象とする試験は,実際に即し
ていない。次回の ISO 規格改正時に変

更を申し入れる。

5.5.1  一般(証
明書)

ISO 25239-3

5.1

“独立した責任の元に”

の意味が説明されていな
い。

変更

“独立した責任の元に”の内

容を具体的に説明した。

次回の ISO 規格改正時に変更を申し入

れる。

注記で,接合を実施する

企業で検査員を雇用して

もよいとしている。

削除

注記を削除する。すなわち,

企業が検 査員 を雇用す るこ

とは不可とした。

接 合 を 実 施 す る 企 業 が 検 査 員 を 雇 用

し,その検査員が試験を実施して認証

を与えることには問題がある。次回の

ISO

規格改正時に削除を申し入れる。

5.5.2.2  有 効 性
の確認

ISO 25239-3

5.2.2 FSW の管理技術者につい

ては,アーク溶接の管理

技術者が兼ねるのか,別
に選定するのか定まって

おらず,ISO 規格内でも

示されていない。

変更

JIS

では,管理技術者はアー

ク溶接の 管理 技術者と は別

に,

“FSW 管理技術者”とし

て定める。

次回の ISO 規格改正時に,JIS 案の採

用を申し入れる。

認証を受けた FSW オペ

レータが接合に従事して
いることを 6 か月ごとに

確認されるのは,最初に

認証を受けた 2 年間だけ
とも解釈される表現にな

っている。

変更

JIS

では,FSW オペレータが

2 年ごとに再認証を受けた後
も,従事していることを確認

することとした。

最初の 2 年だけでは,チェックが不十

分である。次回の ISO 規格改正時に変
更を申し入れる。

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48

Z 3608

:2016

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6 FSW 施工
要領及びそ
の承認

6.2 pWPS の技
術的内容

ISO 25239-4

5.2 pWPS に含まれるべき技

術的内容を,細分箇条と
して表示している。

変更

JIS

では,細別として表示し

た。技術的差異はない。

技術的内容の項目の一覧なので,細別

表示のほうが適している。次回の ISO
規格改正時に変更を申し入れる。

6.2 m) 予熱 温

ISO 25239-4

5.2.14

ISO 13916

を引用。

変更

JIS Z 3604

を引用。

ISO 13916

には具体的な温度の数値が

示されていない。JIS Z 3604 には記載

されているので,利用者の利便性を考
慮して JIS を引用した。

6.2 n) 予 熱 保
持温度

ISO 25239-4

5.2.15

変更

アルミニウムでは,接合を中

断し予熱 状態 で保持を 行う

こ と は ほ と ん ど な い の で ,
“必要に応じて”適用すると

した。

次回の ISO 規格改正時に削除の検討を

申し入れる。

6.2 q) 接 合 後
処理

ISO 25239-4

5.2.18

変更 FSW 接合後に加熱処理を施

した場合の問題点を,注記と
して記述した。また,“必要

に応じて”適用するとした。

次回の ISO 規格改正時に注記の追加を

申し入れる。

7 FSW 施工
法試験によ
る施工要領

の承認

7.3.3.3  引 張 試
験方法 
7.3.3.4  曲 げ 試
験方法 
7.3.3.5  断 面 マ
クロ検査

ISO 25239-4

6.3.3.3 
 
6.3.3.4 
 
6.3.3.5

判 定 基 準 を 規 定 し て い

る。

変更

JIS

では受渡当事者間の協議

によるとした。

ISO

規格の規定では日本の商習慣と合

わないため。当面このままとする。

7.4.3  予熱温度 
7.4.4  パス間温

ISO 25239-4

6.4.3 
6.4.4

温度測定方法について言

及していない。

変更

温度測定方法として,JIS Z 

3703

( 対 応 国 際 規 格 ISO 

13916

)を引用した。

次回の ISO 規格改正時に追加を申し入

れる。

8  量産試作
接合試験に

よる施工要

領の承認

ISO 25239-4

7

一致

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Z 3608

:2016

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

9  品質及び
検査要求項

9.12.4.9  硬 さ
試験 
9.12.4.10  破 断
試験

ISO 25239-5

4.12.4.9
4.12.4.10

硬さ試験,破断試験共に,

関連する ISO 規格に従っ
て実施することを規定し

ている。

変更

受渡当事 者間 の協議に よっ

て,ISO 規格に規定された内
容の変更 又は 試験の省 略を

してもよいことを追加した。

溶融溶接の JIS では硬さ試験及び破断

試験は規定されておらず,また,製造
業種によっても試験の要求有無及び要

求内容が異なる。したがって,JIS では

選択の自由度を広げることとした。

附属書 B 
(参考)

接 合 技 術 の 知

ISO 25239-3

附 属 書
B

変更 B.2

d)(安全及び事故対策)

に,

“ツールの破損及び飛散”

を追加した。

“ツールの破損及び飛散”は,安全上
最 も 留 意 す べ き 事 項 で あ る 。 次 回 の

ISO

規格改正時に追加を申し入れる。

附属書 D

(参考)

承認前の FSW

施工要領書 
(pWPS)

ISO 25239-4

附 属 書
A

pWPS に記載すべき内容
が,6.2 の pWPS の技術的
内容(規定事項)から漏

れているものがある。ま

た,記載順序も一部,一
致していない。

変更 6.2 の技術的内容及び記載順

序に合わせた。

次回の ISO 規格改正時に変更を申し入

れる。

附属書 F

(参考)

FSW 重ね継手
のハンマ S 曲

げ試験

ISO 25239-4

附 属 書
C

最初の試験はハンマに近

い側の接合部を前進側と

し,次の試験は後退側と
す る こ と を 規 定 し て い

る。

変更

表曲げ及 び裏 曲げ試験 とす

る。

ISO

規格では,2 回目の試験用として,

1 回目とは逆向きに接合した試験片を
新たに準備する必要があり,現実的で
ない。JIS では,溶融溶接の場合と同様,

一方向に接合した試験片について,表

曲げ及び裏曲げ試験を行うように変更
する。そのため,図 F.1 の b)図は,接

合部の上面を下側に配置するように変

更する。次回の ISO 規格改正時に変更
を申し入れる。

図 F.1−ハンマ
S 曲げ試験方法

ISO 25239-4

附 属 書
C

c)図の左上図において,
ハンマ打ち付けの前後で

接合部の向きが逆になっ
ている。

変更

同方向に なる ように修 正す

る。

ISO

規格は明らかなミスである。次回

の ISO 規格改正時に変更を申し入れ

る。

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Z 3608

:2016

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

附属書 G

(参考)

FSW 施工法承
認記録 
(WPQR)

ISO 25239-4

附 属 書
D

G.2.2 の 接 合 試 験 記 録
(WPS)の内容に,附属
書 D の pWPS と整合がと

れていないものがある。

変更

内容及び書式を,附属書 D と

合わせた。

WPS は pWPS と対比させてチェックす
るので,双方の書式はそろ(揃)えて
おいたほうがよい。次回の ISO 規格改

正時に変更を申し入れる。

附属書 H

(規定)

不 完 全 部 並 び

に そ の 検 査 方
法 及 び 判 定 基

ISO 25239-5

附 属 書
H

不完全部の定義を呼び出

す ISO 6520-1 又は ISO 

25239-1

の規格番号を表

示している。

変更

ISO 6520-1

又は ISO 25239-1

の規格番号を削除した。技術
的な差異はない。

表 H.1 に不完全部の定義及び参考図が

示されており,検査すべき内容が判断
できる。ここにおいて ISO の番号を示

す必要はない。次回の ISO 規格改正時

に変更を申し入れる。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

ISO 25239-1:2011,ISO 25239-2:2011,ISO 25239-3:2011,ISO 25239-4:2011,ISO 25239-5:2011,MOD)

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  一致  技術的差異がない。 
−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

50

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