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Z 3335

:2014

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  種類及び記号の付け方  

2

5

  品質 

3

5.1

  ワイヤの寸法及びその許容差並びに製品の状態  

3

5.2

  溶着金属の化学成分  

4

5.3

  溶着金属の機械的性質  

7

5.4

  充塡フラックス  

7

5.5

  適用溶接姿勢  

8

6

  試験方法  

8

6.1

  ロットの決め方  

8

6.2

  試験一般  

8

6.3

  溶着金属の分析試験  

9

6.4

  溶着金属の引張試験  

9

6.5

  すみ肉溶接試験  

9

7

  検査方法  

9

8

  製品の呼び方  

10

9

  表示 

10

9.1

  製品の表示  

10

9.2

  包装の表示  

10

10

  包装  

10

附属書 JA(参考)海外規格との対比表  

11

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

12


Z 3335

:2014

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本溶接協会(JWES)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経

済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3335

:2014

ニッケル及びニッケル合金

アーク溶接フラックス入りワイヤ

Nickel and Nickel-alloy flux cored wires for arc welding

序文 

この規格は,2011 年に第 1 版として発行された ISO 12153 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

適用範囲 

この規格は,ニッケル含有量が他の成分の含有量を超える溶着金属を生成する,ニッケル及びニッケル

合金アーク溶接フラックス入りワイヤ(以下,ワイヤという。

)について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 12153:2011

,Welding consumables−Tubular cored electrodes for gas shielded and non-gas

shielded metal arc welding of nickel and nickel alloys

−Classification(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0320

  鋼材の溶鋼分析方法

JIS G 1201

  鉄及び鋼−分析方法通則

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 4902

  耐食耐熱超合金板

JIS H 4551

  ニッケル及びニッケル合金板及び条

JIS Z 2611

  金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則

JIS Z 2615

  金属材料の炭素定量方法通則

JIS Z 3001-1

  溶接用語−第 1 部:一般

JIS Z 3001-2

  溶接用語−第 2 部:溶接方法

JIS Z 3011

  溶接姿勢−傾斜角及び回転角による定義

注記  対応国際規格:ISO 6947,Welds−Working positions−Definitions of angles of slope and rotation


2

Z 3335

:2014

(MOD)

JIS Z 3111

  溶着金属の引張及び衝撃試験方法

注記  対応国際規格:ISO 15792-1,Welding consumables−Test methods−Part 1:Test methods for

all-weld metal test specimens in steel

,nickel and nickel alloys(MOD)

JIS Z 3181

  溶接材料のすみ肉溶接試験方法

JIS Z 3184

  化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法

注記  対応国際規格:ISO 6847,Welding consumables−Deposition of a weld metal pad for chemical

analysis

(MOD)

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装

注記  対応国際規格:ISO 544,Welding consumables−Technical delivery conditions for welding filler

materials

−Type of product,dimensions,tolerances and markings(MOD)

JIS Z 3253

  溶接及び熱切断用シールドガス

注記  対応国際規格:ISO 14175,Welding consumables−Gases and gas mixtures for fusion welding and

allied processes

(MOD)

JIS Z 3423

  溶接材料の調達指針

注記  対応国際規格:ISO 14344,Welding and allied processes−Flux and gas shielded electrical welding

processes

−Procurement guidelines for consumables(MOD)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1 及び JIS Z 3001-2 による。

種類及び記号の付け方 

ワイヤの種類は,溶着金属の化学成分,充塡フラックス,シールドガス及び適用溶接姿勢によって区分

し,ワイヤの種類及び記号の付け方は

図 による。

なお,他の海外規格との対応を

附属書 JA に示す。


3

Z 3335

:2014

                            フラックス入りワイヤの記号

表 による溶着金属の化学成分を表す記号

Ni4

○○○:銅を添加した,ニッケル−銅合金

Ni6

○○○:鉄が 25 %(質量分率)未満の,ニッケル−クロム−鉄

合金及びニッケル−クロム−モリブデン合金

Ni10

○○:モリブデンを添加した,ニッケル−モリブデン合金

表 による溶着金属の化学成分表記による記号

a)

                            充塡フラックスの記号

B

:塩基性

R

:ルチル,凝固が遅いスラグ

P

:ルチル,凝固が速いスラグ

M

:金属粉末

Z

:その他の種類

                            シールドガスの記号

C

JIS Z 3253 に規定する C1(炭酸ガス)

M

JIS Z 3253 に規定する M21 で,炭酸ガス 20 %∼25 %(体積分

率)とアルゴンとの混合ガス

B

:C 及び M(双方を使用可能)

G

:上記以外のガス

                            適用溶接姿勢の記号

0

:下向及び水平すみ肉

1

:全姿勢

  T

 Ni

○○○○  (○○○○○○○○○)  −  ○○○

a)

溶着金属の化学成分を表す記号(

例 T Ni 6182)に付随して,化学成分表記による記号(例 NiCr15Fe6Mn)を

表示してもよい[

例  T Ni 6182(NiCr15Fe6Mn)]。

図 1−ワイヤの種類及び記号の付け方

品質 

5.1 

ワイヤの寸法及びその許容差並びに製品の状態 

ワイヤの寸法及びその許容差並びに製品の状態は,次による。

a)

寸法及びその許容差並びに製品の状態は,JIS Z 3200 による。

b)

ワイヤの代表的な径及び標準質量は,

表 による。

c)

a)

及び b)以外は,受渡当事者間の協定による。

表 1−ワイヤの代表的な径及び標準質量

mm

標準質量

kg

0.8

,0.9,1.2,1.4,1.6 5,10,12.5


4

Z 3335

:2014

5.2 

溶着金属の化学成分 

溶着金属の化学成分は,6.3 の方法によって試験を行ったとき,

表 に適合しなければならない。

表 2−溶着金属の化学成分

単位  %(質量分率)

化学成分を

表す記号

化学成分表記に

よる記号

化学成分

a)

C Si Mn P  S Ni

 b)

Cu Cr  Fe Mo

Nb

 c)

Co Al  Ti  V  W

その他

d)

ニッケル−銅系

Ni 4060

NiCu30Mn3Ti

0.15

以下

1.5

以下

4.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

62.0

以上

27.0

34.0

2.5

以下

1.0

以下

1.0

以下

Ni 4061

NiCu27Mn3NbTi

0.15

以下

1.3

以下

4.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

62.0

以上

24.0

31.0

2.5

以下

3.0

以下

1.0

以下

1.5

以下

ニッケル−クロム系

Ni 6082

NiCr20Mn3Nb

0.10

以下

0.50

以下

2.5

3.5

0.030

以下

0.015

以下

67.0

以上

0.5

以下

18.0

22.0

3.0

以下

2.0

以下

2.0

3.0

0.75

以下

Ni 6083

NiCr20Mn6Fe4Nb

0.10

以下

0.8

以下

4.0

8.0

0.020

以下

0.015

以下

60.0

以上

0.5

以下

18.0

22.0

4.0

以下

2.0

以下

1.5

3.0

0.5

以下

ニッケル−モリブデン系

Ni 1013

NiMo17Cr7W

0.10

以下

0.75

以下

2.0

3.0

0.020

以下

0.015

以下

58.0

以上

0.5

以下

4.0

8.0

10.0

以下

16.0

19.0

2.0

4.0

ニッケル−クロム−鉄系

Ni 6062

NiCr15Fe8Nb

0.08

以下

0.75

以下

3.5

以下

0.030

以下

0.015

以下

62.0

以上

0.5

以下

13.0

17.0

11.0

以下

1.5

4.0

Ni 6133

NiCr16Fe12NbMo

0.10

以下

0.75

以下

1.0

3.5

0.030

以下

0.020

以下

62.0

以上

0.5

以下

13.0

17.0

12.0

以下

0.5

2.5

0.5

3.0

Ni 6182

NiCr15Fe6Mn

0.10

以下

1.0

以下

5.0

9.5

0.030

以下

0.015

以下

59.0

以上

0.5

以下

13.0

17.0

10.0

以下

1.0

2.5

1.0

以下

Ni 6152

NiCr30Fe9Nb

0.05

以下

0.8

以下

5.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

50.0

以上

0.5

以下

28.0

31.5

7.0

12.0

0.5

以下

1.0

2.5

0.5

以下

0.5

以下

4

Z 3

335


20
14


5

Z 3335

:2014

表 2−溶着金属の化学成分(続き) 

単位  %(質量分率)

化学成分を

表す記号

化学成分表記に

よる記号

化学成分

a)

C Si Mn P  S Ni

 b)

Cu Cr  Fe Mo

Nb

 c)

Co Al  Ti  V  W

その他

d)

ニッケル−クロム−モリブデン系

Ni 6002

NiCr22Fe18Mo

0.05

0.15

1.0

以下

1.0

以下

0.040

以下

0.030

以下

45.0

以上

0.5

以下

20.5

23.0

17.0

20.0

8.0

10.0

0.5

2.5

0.2

1.0

Ni 6012

NiCr22Mo9

0.03

以下

0.7

以下

1.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

58.0

以上

0.5

以下

20.0

23.0

3.5

以下

8.5

10.5

1.5

以下

0.4

以下

0.4

以下

Ni 6022

NiCr21Mo13W3

0.02

以下

0.2

以下

1.0

以下

0.030

以下

0.015

以下

49.0

以上

0.5

以下

20.0

22.5

2.0

6.0

12.5

14.5

2.5

以下

0.35

以下

2.5

3.5

Ni 6059

NiCr23Mo16

0.02

以下

0.2

以下

1.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

56.0

以上

0.5

以下

22.0

24.0

1.5

以下

15.0

16.5

Ni 6275

NiCr15Mo16Fe5W3

0.10

以下

1.0

以下

1.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

50.0

以上

0.5

以下

14.5

16.5

4.0

7.0

15.0

18.0

2.5

以下

0.4

以下

3.0

4.5

Ni 6276

NiCr15Mo15Fe6W4

0.02

以下

0.2

以下

1.0

以下

0.030

以下

0.030

以下

50.0

以上

0.5

以下

14.5

16.5

4.0

7.0

15.0

17.0

2.5

以下

0.35

以下

3.0

4.5

Ni 6455

NiCr16Mo15Ti

0.02

以下

0.2

以下

1.5

以下

0.020

以下

0.015

以下

56.0

以上

0.5

以下

14.0

18.0

3.0

以下

14.0

17.0

2.0

以下

0.7

以下

0.5

以下

Ni 6456

NiCr16Mo10Nb

0.10

以下

0.8

以下

5.0

8.0

0.020

以下

0.015

以下

58.0

以上

0.5

以下

15.0

18.0

10.0

以下

9.0

11.0

1.5

3.0

1.0

以下

Ni 6625

NiCr22Mo9Nb

0.10

以下

0.50

以下

0.50

以下

0.020

以下

0.015

以下

58.0

以上

0.5

以下

20.0

23.0

5.0

以下

8.0

10.0

3.15

4.15

0.40

以下

Ni 6686

NiCr21Mo16W4

0.02

以下

0.3

以下

1.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

49.0

以上

0.5

以下

19.0

23.0

5.0

以下

15.0

17.0

0.3

以下

3.0

4.4

5

Z 3

335


20
14


6

Z 3335

:2014

表 2−溶着金属の化学成分(続き) 

単位  %(質量分率)

化学成分を

表す記号

化学成分表記に

よる記号

化学成分

a)

C Si Mn P  S Ni

 b)

Cu Cr  Fe Mo

Nb

 c)

Co Al  Ti  V  W

その他

d)

ニッケル−クロム−コバルト−モリブデン系

Ni 6117

NiCr22Co12Mo

0.05

0.15

0.75

以下

2.5

以下

0.030

以下

0.015

以下

45.0

以上

0.5

以下

21.0

26.0

5.0

以下

8.0

10.0

1.0

以下

9.0

15.0

Ni 6617

NiCr22Co12MoAlTi

0.05

0.15

0.75

以下

2.5

以下

0.020

以下

0.015

以下

45.0

以上

0.5

以下

21.0

26.0

5.0

以下

8.0

10.0

1.0

以下

9.0

15.0

1.5

以下

0.6

以下

a)

  JIS Z 8401

規則 に基づいて規定値と同じ有効数字に丸める。

b)

規定されている場合を除き,ニッケルの中に不純物として入ってくるコバルトはニッケルの 1 %(質量分率)以下とする。

c)

ニオブの 20 %(質量分率)までタンタルとしてもよい。

d)

この表に規定されていない元素の合計は,0.5 %(質量分率)以下とする。

6

Z 3

335


20
14


7

Z 3335

:2014

5.3 

溶着金属の機械的性質 

溶着金属の 0.2 %耐力,引張強さ及び伸びは,6.4 の方法によって試験を行ったとき,

表 に適合しなけ

ればならない。

表 3−溶着金属の機械的性質

化学成分を

表す記号

化学成分表記に

よる記号

0.2 %

耐力

MPa

引張強さ

MPa

伸び

%

ニッケル−銅系

Ni 4060

NiCu30Mn3Ti

200

以上 480 以上 27 以上

Ni 4061

NiCu27Mn3NbTi

200

以上 480 以上 27 以上

ニッケル−クロム系

Ni 6082

NiCr20Mn3Nb

360

以上 550 以上 22 以上

Ni 6083

NiCr20Mn6Fe4Nb

360

以上 600 以上 27 以上

ニッケル−モリブデン系

Ni 1013

NiMo17Cr7W

400

以上 690 以上 27 以上

ニッケル−クロム−鉄系

Ni 6062

NiCr15Fe8Nb

360

以上 550 以上 22 以上

Ni 6133

NiCr16Fe12NbMo

360

以上 550 以上 22 以上

Ni 6182

NiCr15Fe6Mn

360

以上 550 以上 22 以上

Ni 6152

NiCr30Fe9Nb

360

以上 550 以上 27 以上

ニッケル−クロム−モリブデン系

Ni 6002

NiCr22Fe18Mo

380

以上 620 以上 22 以上

Ni 6012

NiCr22Mo9

410

以上 650 以上 22 以上

Ni 6022

NiCr21Mo13W3

350

以上 690 以上 22 以上

Ni 6059

NiCr23Mo16

350

以上 690 以上 22 以上

Ni 6275

NiCr15Mo16Fe5W3

400

以上 690 以上 22 以上

Ni 6276

NiCr15Mo15Fe6W4

400

以上 690 以上 22 以上

Ni 6455

NiCr16Mo15Ti

300

以上 690 以上 22 以上

Ni 6456

NiCr16Mo10Nb

400

以上 690 以上 27 以上

Ni 6625

NiCr22Mo9Nb

420

以上 690 以上 22 以上

Ni 6686

NiCr21Mo16W4

350

以上 690 以上 27 以上

ニッケル−クロム−コバルト−モリブデン系

Ni 6117

NiCr22Co12Mo

400

以上 620 以上 22 以上

Ni 6617

NiCr22Co12MoAlTi

400

以上 620 以上 22 以上

注記 1

MPa

=1 N/mm

2

5.4 

充塡フラックス 

充塡フラックスは,

表 による。

表 4−充塡フラックスを表す記号

記号

特性

B

塩基性

R

ルチル,凝固が遅いスラグ

P

ルチル,凝固が速いスラグ

M

金属粉末

Z

その他の種類


8

Z 3335

:2014

5.5 

適用溶接姿勢 

適用溶接姿勢は,6.5 の方法によってすみ肉溶接試験を行ったとき,

表 に適合しなければならない。

表 5−適用溶接姿勢の判定基準

記号

適用溶接姿勢

a)

判定基準

0 PA

,PB

すみ肉溶接試験は実施しない。

1

全姿勢は,PA,PB,PC,PD,PE,

PF

による。

すみ肉サイズ

mm

膨らみ最大値

mm

脚長差最大値

mm

3.0

以下 2.0

0.8

3.5 2.0 1.2

4.0 2.0 1.2

4.5 2.0 1.6

5.0 2.0 1.6

5.5 2.0 2.0

6.0 2.0 2.4

6.5 2.0 2.4

7.0 2.4 2.8

7.5 2.4 3.2

8.0 2.4 3.2

8.5 2.4 3.6

9.0 2.4 4.0

9.5

以上 2.4

4.0

a)

溶接姿勢の記号は,JIS Z 3011 による。

PA

=下向,PB=水平すみ肉,PC=横向,PD=上向水平すみ肉,PE=上向,PF=立向上進

試験方法 

6.1 

ロットの決め方 

ワイヤのロットの決め方は,JIS Z 3423 による。

6.2 

試験一般 

6.2.1 

試験板 

試験板の種類は,

表 による。

表 6−試験板の種類

試験の種類

試験板

分析試験

引張試験

すみ肉溶接試験

試験板には,溶着金属の化学成分と同組成の JIS G 4902 又は JIS H 4551 の材料を用いる。

JIS G 3101

の SS400 又は JIS G 3106 の SM400 の A∼C 若しくは SM490 の A∼C の鋼材を使

用してもよい。

6.2.2 

試験板のバタリング 

溶着金属の引張試験に,試験板として JIS G 3101 の SS400 又は JIS G 3106 の SM400 の A∼C 若しくは

SM490

の A∼C の鋼板を使用する場合には,JIS Z 3111 に従ってバタリングを行う。

6.2.3 

試験を行うワイヤの径 

試験を行うワイヤの径は,次による。

a)

溶着金属の分析試験は,全ての径について行う。

b)

引張試験及びすみ肉溶接試験は,1.2 mm で行い,この径を製造していない場合には,これに最も近い


9

Z 3335

:2014

太い径で試験を行う。

6.2.4 

溶接条件 

溶接電流は,製造業者が推奨する電流範囲の最大値の 70∼90 %とし,その他の溶接条件は,通常,製造

業者が定める標準条件とする。ただし,すみ肉溶接試験は製造業者が推奨する溶接条件とする。

6.3 

溶着金属の分析試験 

溶着金属の分析試験は,次による。

a)

化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法は,JIS Z 3184 による。

なお,6.4 の引張試験によって破断した引張試験片の平行部の残材又は平行部相当位置を切削して採

取してもよい。

b)

溶着金属の分析方法は,JIS G 0320JIS G 1201JIS Z 2611 及び/又は JIS Z 2615 による。

6.4 

溶着金属の引張試験 

溶着金属の引張試験は,次による。

なお,a)d)以外の項目については,JIS Z 3111 による。

a)

試験板は,JIS Z 3111 の記号 1.3 の試験板を使用する。ただし,ワイヤ径が 1.2 mm 未満の場合は記号

1.0

又は 1.3 の試験板を使用する。

b)

試験片は,JIS Z 3111 の A0 号とする。

c)

溶接開始時の試験板温度及びパス間温度は,15∼150  ℃とする。

d)

各層の溶接パス数及び全層数は,

表 による。

表 7−各層の溶接パス数及び全層数

mm

板厚

mm

各層の溶接パス数

全層数

1

層目

2

層目以降

1.2

未満 12 又は 20

1

∼3 2∼4

a)

8

∼12

1.2 20

1

∼3 2∼4

a)

5

∼9

1.4

,1.6 1∼3 2∼4

a)

5

∼8

a)

最終層は,5 パスとなってもよい。

6.5 

すみ肉溶接試験 

すみ肉溶接試験は,JIS Z 3181 によるほか,次による。

a)

表 で記号 1 に分類するワイヤは,立向上進姿勢で試験を行う。

b)

試験は,片面で行う。

検査方法 

検査方法は,次による。

a)

ワイヤの検査項目は,JIS Z 3423 の試験スケジュールによる。

b)

検査は,ワイヤのロットごとに,JIS Z 3423 に規定する試験スケジュールに従い,箇条 によって試

験し,該当する箇条 に適合しなければならない。

c)

JIS Z 3423

の試験スケジュールに従い,箇条 によって実施した分析試験,引張試験,又はすみ肉溶

接試験のいずれかの試験結果が,箇条 に適合しなかった場合には,適合しなかった全ての試験につ

いて倍数の再試験を行い,そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この場合の再試

験のための試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験


10

Z 3335

:2014

材から採取する。

なお,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した成分は,再試験を行わなくてもよい。

d)

試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続を行っていない試験を含み,試験結果が合否の判定

に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかかわ

らず無効とする。無効となった試験は,正規の手続に従って繰り返さなければならない。

なお,この場合は,c)の再試験の対象とはしない。

製品の呼び方 

ワイヤの呼び方は,その種類,径及び標準質量による。呼び方の例を,次に示す。

なお,

例 に示すように,種類の記号に付随して,化学成分表記による記号を表示してもよい。

例 1:TNi 6182−B M 0  −  1.2  −  12.5

                                    質量

                            径

          ワイヤの種類

例 2:TNi 6182(NiCr15Fe6Mn)−B M 0  −  1.2  −  12.5

                                                  質量

                                          径

          ワイヤの種類

表示 

9.1 

製品の表示 

製品の表示は,JIS Z 3200 による。

9.2 

包装の表示 

包装の表示は,JIS Z 3200 による。

10 

包装 

包装は,JIS Z 3200 による。


11

Z 3335

:2014

附属書 JA

(参考)

海外規格との対比表

JIS Z 3335 

AWS A5.34 

化学成分を表す記号

化学成分表記による記号

ISO Format

Traditional

ニッケル−銅

Ni 4060

NiCu30Mn3Ti

Ni 4061

NiCu27Mn3NbTi

ニッケル−クロム

Ni 6082

NiCr20Mn3Nb

TNi6082-xy

ENiCr3Tx-y

Ni 6083

NiCr20Mn6Fe4Nb

ニッケル−モリブデン

Ni 1013

NiMo17Cr7W

ニッケル−クロム−鉄

Ni 6062

NiCr15Fe8Nb

TNi6062-xy

ENiCrFe1Tx-y

Ni 6133

NiCr16Fe12NbMo

TNi6133-xy

ENiCrFe2Tx-y

Ni 6182

NiCr15Fe6Mn

TNi6182-xy

ENiCrFe3Tx-y

Ni 6152

NiCr30Fe9Nb

ニッケル−クロム−モリブデン

Ni 6002

NiCr22Fe18Mo

TNi6002-xy

ENiCrMo2Tx-y

Ni 6012

NiCr22Mo9

Ni 6022

NiCr21Mo13W3

TNi6022-xy

ENiCrMo10Tx-y

Ni 6059

NiCr23Mo16

Ni 6275

NiCr15Mo16Fe5W3

Ni 6276

NiCr15Mo15Fe6W4

TNi6276-xy

ENiCrMo4Tx-y

Ni 6455

NiCr16Mo15Ti

Ni 6456

NiCr16Mo10Nb

Ni 6625

NiCr22Mo9Nb

TNi6625-xy

ENiCrMo3Tx-y

Ni 6686

NiCr21Mo16W4

ニッケル−クロム−コバルト−モリブデン

Ni 6117

NiCr22Co12Mo

TNi6117-xy

ENiCrCoMo1Tx-y

Ni 6617

NiCr22Co12MoAlTi


12

Z 3335

:2014

附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Z 3335:2014

  ニッケル及びニッケル合金アーク溶接フラックス入りワイヤ

ISO 12153:2011

  Welding consumables−Tubular cored electrodes for gas shielded

and non-gas shielded metal arc welding of nickel and nickel alloys

−Classification

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1

適 用 範

ニッケル及びニッケ

ル合金アーク溶接フ
ラックス入りワイヤ

について規定。

 1

JIS

と同じ

一致

2

引 用 規

3

用 語 及

び定義

追加

JIS

の溶接用語を引用した。 

用語であるため実質的な技術的
差異はない。

4

種 類 及

び 記 号 の

付け方

充塡フラックスの記

 3

4

削除

“U:セルフシールド”を削除

した。

実用上,適用が困難な記号を削除

した。

シールドガスの記号

変更

“C:JIS では C1”に変更した。

“M:JIS では M21 で,炭酸ガ
ス 20 %∼25 %”に変更した。

JIS Z 3323

など,先行する規格に

合わせた。

追加

“B:C 及び M(双方を使用可

能)

”を追加した。

“G:上記以外のガス”を追加
した。

B

:日本国内の実情に合わせ追加

した。

G

:将来新しいガス組成が使用さ

れた場合に備えた。

適用溶接姿勢の記号

変更

ISO

規格の 1∼5 の 5 分類を 0,

1

の 2 分類に変更した。

ISO

規格には判定基準がないため

AWS

類似の記号体系とした。

12

Z 3

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20
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Z 3335

:2014

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

5

品質 5.1

ワイヤの寸法及

びその許容差並びに
製品の状態

9

JIS

とほぼ同じ

追加

ワイヤの代表的な径及び標準質

量を追加した。

技術的な差異はない。

 5.2

溶着金属の化学

成分

 5

JIS

とほぼ同じ

変更

P

,S の有効桁数を小数点下 3 桁

に統一した。測定値の処理方法

を明確にした。

技術的な差異はない。

削除

記号“Z”を削除した。

日本市場では使用しない。

 5.4

充塡フラックス

4.3

削除

“U:セルフシールド”を削除
した。

実用上,適用が困難な記号を削除
した。国際規格の見直しの際提案

等を検討

 5.5

適用溶接姿勢

4.5

追加

ISO

規格には判定基準がないた

め AWS 類似の判定基準を追加
した。

国際規格の見直しの際提案等を

検討

6

試 験 方

6.2.1

試験板

追加

適切な試験板がない場合は,炭

素鋼を使用してもよいことを追

加した。

 6.2.2

試 験 板 の バ タ

リング

追加

適切な試験板がない場合,バタ
リ ン グ を 認 め る こ と を 追 加 し

た。

適切な試験板がない場合は,バタ
リングして試験結果への影響を

防ぐ。

 6.2.3

試 験 を 行 う ワ

イヤの径

追加

分析試験は全ての径で行うこと

を規定した。

JIS

では従来どおり分析試験は全

ての径で行い,引張試験は代表径
で行う規定とした。

6.2.4

溶接条件

“溶接電流は,製造業者が推奨

する電流範囲の最大値の 70∼

90 %

とし,その他の溶接条件

は,通常,製造業者が定める標

準条件”と規定した。

引張試験の溶接条件も分析試験

と同様に規定した。

13

Z 3

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20
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14

Z 3335

:2014

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6

試 験 方

法 
(続き)

6.3

溶着金属の分析

試験

 5

追加

採取位置として引張試験片の平

行部の残材又は平行部相当位置
を追加した。

分析方法は JIS を指定した。

全溶着試験板からの分析試料採

取位置を規定した。

 6.4

溶着金属の引張

試験

6

追加

細径ワイヤの場合は 12 mm の

試験板を使用可とした。 
予熱・パス間温度を規定した。

細径ワイヤを用いた試験に配慮

した。

6.5

すみ肉溶接試験

号 1 に分類するワイヤは立向

上進姿勢で JIS Z 3181 によって

試験を行うことを追加した。

ISO

規格には試験方法がないため

JIS Z 3181

を適用する。国際規格

の見直しの際提案等を検討

8

製 品 の

呼び方

10

JIS

とほぼ同じ

追加

径及び標準質量を追加した。

技術的な差異はない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 12153:2011,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

14

Z 3

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