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Z 3332 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 3332 : 1990 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

今回の改正では,寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装について規定した JIS Z 3200 の制定に伴い,

これを引用規格として用いた。


日本工業規格

JIS

 Z

3332

: 1999

9%

ニッケル鋼用ティグ溶加棒及び

ソリッドワイヤ

Filler rods and solid wires for TIG welding of 9 % nickel steel

1.

適用範囲  この規格は,9%ニッケル鋼のティグ溶接に使用する,高ニッケル系の溶加棒及びソリッド

ワイヤ(以下,棒及びワイヤという。

)について規定する。

2.

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

種類  棒及びワイヤの種類は,化学成分によって区分し,表 のとおりとする。

表 1  棒及びワイヤの種類

棒及びワイヤの種類

YGT9Ni-1

YGT9Ni-2

YGT9Ni-3

備考  種類の記号の付け方は,次による。

4.

品質

4.1

外観  棒及びワイヤの外観は,JIS Z 3200 の 3.(製品の状態)による。

4.2

化学成分  棒及びワイヤの化学成分は,7.2 の方法によって試験を行ったとき,表 に適合しなけれ

ばならない。

表 2  棒及びワイヤの化学成分

単位  %

化学成分

棒及びワイヤ

の種類

C Si

Mn P  S  Ni Cr  Mo Fe

YGT9Ni-1 0.10

以下 0.50 以下 5.0 以下 0.015 以下

0.015

以下 55.0 以上

5.0

∼20.0

− 20.0 以下

YGT9Ni-2 0.10

以下 0.50 以下

− 0.015 以下

0.015

以下 55.0 以上

− 10.0∼25.0 20.0 以下

YGT9Ni-3 0.10

以下 0.50 以下

− 0.015 以下

0.015

以下 55.0 以上

5.0

∼20.0 5.0∼20.0 20.0 以下

4.3

機械的性質  溶着金属の引張強さ,降伏点又は 0.2%耐力,伸び及びシャルピー吸収エネルギーは,

7.3

の方法によって試験を行ったとき,

表 に適合しなければならない。


2

Z 3332 : 1999

表 3  溶着金属の機械的性質

引張試験

衝撃試験

引張強さ

降伏点又は 0.2%耐力(

1

)

伸び

試験温度

シャルピー吸収エネルギー

N/mm

2

 N/mm

2

 %

℃ J

660

以上 360 以上 25 以上

−196

平均値:34 以上 
最小値:27 以上

(

1

)

降伏点か,0.2%耐力かを試験成績書などに明記する。

4.4

曲げ性能  溶接継手の曲げ性能は,7.4 の方法によって試験を行ったとき,曲げられた外面において,

いかなる方向にも長さ 3.0mm を超える割れ,又は有害と認められる欠陥があってはならない。

5.

寸法及び許容差  寸法及び許容差は,次による。

a)

棒の寸法及び許容差は,JIS Z 3200 の 2.(寸法及び許容差)による。代表的な寸法は

表 に示す。

表 4  代表的な棒の寸法

単位 mm

径 2.4

長さ 1

000

b)

ワイヤの径及び許容差は,JIS Z 3200 の 2.による。代表的な径は

表 に示す。

表 5  代表的なワイヤの径

単位 mm

径 1.2,

1.6

6.

製品の状態  製品の状態は,JIS Z 3200 の 3.による。

a)

棒は直棒とし,単位量ごとに包装する。単位包装質量は 5kg とする。

b)

スプール巻きのワイヤの質量は 5kg,6.25kg,10kg,12.5kg,15kg 及び 20kg とする。

c)

上記以外の棒の質量及びスプール巻きのワイヤの質量,並びにスプール巻き以外の巻き方のワイヤの

質量は,受渡当事者間の協定による。

7.

試験

7.1

試験一般

a)

試験板  棒及びワイヤの試験に使用する試験板は,JIS G 3127 の 9 種 (SL9N) とする。

b)

試験用の棒及びワイヤ  試験を行う棒及びワイヤの径は,表 による。

表 6  各種試験を行う棒及びワイヤの径

単位 mm

試験の種類

ワイヤ

分析試験 2.4

1.2

又は 1.6

引張・衝撃試験 2.4 1.2 又は 1.6

縦曲げ試験 2.4

1.2

又は 1.6

c)

シールドガス  棒及びワイヤの試験に使用するシールドガスは,JIS K 1105 を使用する。

7.2

分析試験  棒及びワイヤの分析試験は,JIS G 1281 による。ただし,この方法によることができな

い場合は,受渡当事者間の協定による。

7.3

溶着金属の引張試験及び衝撃試験  溶着金属の引張試験及び衝撃試験は,JIS Z 3111 によるほか,次

による。


3

Z 3332 : 1999

a)

試験板の厚さは,棒については 12mm,ワイヤについては 20mm とする。

b)

溶接層数は,6∼8 層とする。

c)

溶接開始時の試験板温度及びパス間温度は,15∼150℃とする。

7.4

溶接継手の縦曲げ試験  溶接継手の縦曲げ試験は,次による。

a)

試験材の寸法は

図 による。試験板は,溶接終了後の角変形が 5 度以上にならないように拘束するか,

あらかじめ逆ひずみを与えなければならない。

b)

溶接は,室温において下向姿勢で行う。

c)

溶接開始時の試験板温度及びパス間温度は 15∼150℃とする。

なお,試験板の温度は試験板長手中央で,溶接部中心から 25mm 離れた表面上の点で測定する。

d)

溶接を終わった試験材の

図 に示す採取位置から JIS Z 3122 の縦表曲げ試験片を 1 個採取する。試験

材及び試験片は,熱処理してはならない。

e)

曲げ試験方法は表曲げとし,JIS Z 3122 のローラ曲げ試験による。ただし,曲げ半径は 3

3

1

t

t:試験

片の厚さ)とする。

図 1  縦曲げ試験の試験材の寸法及び試験片の採取位置

8.

検査  検査は,次による。

a)

棒及びワイヤは,品質,寸法及び製品の状態が,4.5.及び 6.の規定に適合しなければならない。

b)

棒及びワイヤは,分析試験,引張試験,衝撃試験及び縦曲げ試験のうち,いずれか一つの試験が不合

格であった場合は,その試験について 1 回だけ再試験を行うことができ,その成績が,規定に適合し

なければならない。

9.

包装  包装は,JIS Z 3200 の 5.(包装)による。


4

Z 3332 : 1999

10.

製品の呼び方  製品の呼び方は,棒については棒の種類,径及び長さ,ワイヤについてはワイヤの種

類,径及び質量による。

11.

表示  表示は,JIS Z 3200 の 4.(表示)による。

付表 1  引用規格

JIS G 1281

  ニッケルクロム鉄合金分析方法

JIS G 3127

  低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板

JIS K 1105

  アルゴン

JIS Z 3111

  溶着金属の引張及び衝撃試験方法

JIS Z 3122

  突合せ溶接継手の曲げ試験方法

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

桑  名      武

東北大学名誉教授

(幹事)

和  田      豊

日鐵溶接工業株式会社技術本部

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

中  原  征  治

通商産業省工業技術院機械研究所

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

中  川  昌  俊

財団法人日本規格協会

堀  田  東  男

社団法人軽金属溶接構造協会

池  原  康  允

ステンレス協会

鈴  木      宏

千代田プロテック株式会社川崎工場

二  村  幸  作

株式会社巴コーポレーション技術開発部

小見山  輝  彦

日本鋼管工事株式会社技術開発センター

森      三  郎

日本鋼管工事株式会社

中  村      稔

日本油脂株式会社技術部

佐  藤  千  年

日本ウェルディング・ロッド株式会社浜北製造所

中  井  洋  二

株式会社神戸製鋼所溶接事業部

松  本  剛  郎

川崎製鉄株式会社溶接棒営業部

松  本      茂

住金溶接工業株式会社技術部

宮  尾  信  昭

四国溶材株式会社

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会