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Z 3326 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 3326 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

今回の改正では,寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装について規定した JIS Z 3200 の制定に伴い,

これを引用規格として用いた。


日本工業規格

JIS

 Z

3326

 : 1999

硬化肉盛用アーク溶接 
フラックス入りワイヤ

Arc welding flux cored wires for hardfacing

1.

適用範囲  この規格は,鉄及び鋼の表面の硬化肉盛を目的とするガスシールドアーク溶接及びセルフ

シールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ(以下,ワイヤという。

)について規定する。

2.

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

種類  ワイヤの種類は,シールドガス及び溶着金属の化学成分によって区分し,表 のとおりとする。

表 1  ワイヤの種類

ワイヤの種類

シールドガス

ワイヤの種類

シールドガス

YF2A-C YF2A-G

YF3B-C YF3B-G

YF4A-C YF4A-G

YF4B-C YF4B-G

YFMA-C YFMA-G

YFME-C YFME-G

YFCrA-C

炭酸ガス又はアルゴンに 20%以上

の炭酸ガスを含む混合ガス(CO

2

又は Ar-CO

2

YFCrA-G

規定しない。

YF2A-S

YF3B-S

YFCrA-S

使用しない。 
(セルフシールド)

備考  種類を示す記号の付け方は,次による。

 

4.

品質

4.1

ワイヤ  ワイヤの外観及び状態は,JIS Z 3200 の 3.(製品の状態)による。

4.2

化学成分  溶着金属の化学成分は,7.2 の方法によって試験を行ったとき,それぞれのワイヤの種類

に応じて

表 に適合しなければならない。


2

Z 3326 : 1999

表 2  溶着金属の化学成分

単位  %

化学成分

ワイヤの

種類

C Si

Mn P S

Ni

Cr

Mo

V

W

Nb

Al

Fe

その他の元
素の合計

YF2A-C

YF2A-G

0.30

以下

1.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

1.5

以下

残部 1.0

以下

YF3B-C

YF3B-G

0.10

∼1.50

3.0

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

∼10.0

4.0

以下

2.0

以下

4.0

以下

残部 2.0

以下

YF4A-C

YF4A-G

0.15

以下

1.0

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

8.0

以下

10.0

∼14.0

2.0

以下

残部 2.0

以下

YF4B-C

YF4B-G

0.15

∼0.50

1.0

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

10.0

∼14.0

2.0

以下

残部 2.0

以下

YFMA-C

YFMA-G

1.10

以下

0.8

以下

11.0

∼18.0

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

4.0

以下

2.5

以下

残部 1.0

以下

YFME-C

YFME-G

1.10

以下

0.8

以下

12.0

∼18.0

0.03

以下

0.03

以下

6.0

以下

14.0

∼18.0

4.0

以下

残部 4.0

以下

YFCrA-C

YFCrA-G

2.5

∼6.0

3.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

20.0

∼35.0

6.0

以下

6.5

以下

7.0

以下

残部 5.0

以下

YF2A-S 0.40

以下

1.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

1.5

以下

3.0

以下

残部 1.0

以下

YF3B-S 0.10

∼1.50

3.0

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

∼10.0

4.0

以下

4.0

以下

3.0

以下

残部 2.0

以下

YFCrA-S 2.5

∼6.0

3.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

20.0

∼35.0

6.0

以下

6.5

以下

7.0

以下

残部 5.0

以下

4.3

硬さ  溶着金属の硬さは,7.2 の方法によって試験を行ったとき,それぞれの呼び硬さに応じて表 3

に適合しなければならない。

表 3  溶着金属の硬さ

呼び硬さ

溶着金属のビッカース硬さ  HV

200 250

以下

250 200

∼300

300 250

∼350

350 300

∼400

400 350

∼450

450 400

∼500

500 450

∼600

600 550

∼700

700 650

∼800

800 750

以上

備考1.  溶着金属の硬さは,測定値の平均値を

いう。

2.

各測定値のばらつきの範囲は,平均値
の±20%とする。

5.

寸法及び許容差  ワイヤの径及び許容差は,JIS Z 3200 の 2.(寸法及び許容差)による。代表的なワ

イヤの径は

表 に示す。


3

Z 3326 : 1999

表 4  代表的なワイヤの径

単位 mm

1.2, 1.4, 1.6, 2.0, 2.4, 2.8, 3.2

6.

製品の状態  製品の状態は,a)c)以外の項目については,JIS Z 3200 の 3.による。

a)

スプール巻きのワイヤの質量は,10kg,12.5kg,15kg 又は 20kg とし,スプールの寸法及び許容差は,

JIS Z 3200

の S-3 による。

b)

コイル巻きのワイヤの質量は,10kg 又は 20kg とし,コイルの寸法及び許容差は,JIS Z 3200 の CF-2

又は CF-3 による。

c)

これ以外のワイヤの質量,寸法及び巻き方は,受渡当事者間の協定による。

d)

ペールパック入りワイヤの質量は,受渡当事者間の協定による。

7.

試験

7.1

試験一般

7.1.1

試験板  溶着金属の分析試験及び硬さ試験に使用する試験板は,JIS G 3101 の SS 400 又は JIS G 

3106

の SM 400 A∼C 若しくは SM 490 A∼C とする。

7.1.2

溶接姿勢  溶着金属の分析試験及び硬さ試験は,7.2.1 に定める方法によって,下向姿勢で肉盛溶

接を行う。

7.1.3

シールドガス  ワイヤの試験に使用するシールドガスは,JIS K 1106 の 3 種又はこれと JIS K 1105

の 1 級の混合ガスとする。ただし,YF××-G のワイヤについては,受渡当事者間の協定による。

7.1.4

試験ワイヤ  溶着金属の分析試験及び硬さ試験は,ワイヤを代表する径で行う。

7.2

分析試験及び硬さ試験

7.2.1

試験片  試験片は,次によって作製する。

なお,a)d)以外の項目については,JIS Z 3114 によって作製する。

a)

試験板寸法は,長さ約 200mm,幅約 100mm,厚さ約 20mm とする。

b)

パス数は,各層 5 パス以上とする。ただし,盛上げ幅が 50mm 未満の場合は,50mm 以上になるまで

パス数を増す。

c)

溶接ビード長さは,150mm 以上とする。

d)

電流の種類,極性,溶接電流,アーク電圧,溶接速度,シールドガスの種類,シールドガス流量及び

予熱・パス間温度は,製造業者の推奨条件によるものとし,それらを試験に用いたワイヤの径及び試

験結果とともに記録する。

7.2.2

硬さ試験  硬さ試験は,JIS Z 3114 のビッカース硬さ試験方法によって行い,溶着金属の硬さの平

均値を求める。

7.2.3

分析試料  分析試料は,硬さ試験の試験層から適当な方法で採取する。

この際,切削油の使用は避けなければならない。試料の採取に当たっては,溶着金属を軟化させるため

に熱処理を行ってもよい。

7.2.4

分析試験  溶着金属の分析試験は,次のいずれかによる。

JIS G 1201JIS G 1204JIS G 1211JIS G 1212JIS G 1213JIS G 1214JIS G 1215,

JIS G 1216JIS G 1217JIS G 1218JIS G 1220JIS G 1221JIS G 1222JIS G 1223,

JIS G 1224JIS G 1227JIS G 1237JIS G 1253JIS G 1256JIS G 1257JIS Z 2611,


4

Z 3326 : 1999

なお,これ以外については,受渡当事者間の協定による。

8.

検査  検査は,次による。

a)

ワイヤは,品質,寸法及び製品の状態が,4.5.及び 6.の規定に適合しなければならない。

b)

ワイヤは,溶着金属の分析試験及び硬さ試験のうち,いずれか一つの試験が不合格であった場合は,

その試験について 1 回だけ再試験を行うことができ,その成績が規定に適合しなければならない。

9.

包装  包装は,JIS Z 3200 の 5.(包装)による。

10.

製品の呼び方  製品の呼び方は,ワイヤの種類,呼び硬さ,径及び質量による。

11.

表示  スプール及び包装には,呼び硬さを表示しなければならない。その他の表示は,JIS Z 3200 

4.

(表示)による。

付表 1  引用規格

JIS G 1201

  鉄及び鋼の分析方法通則

JIS G 1204

  鉄及び鋼のけい光 X 線分析方法通則

JIS G 1211

  鉄及び鋼−炭素定量方法

JIS G 1212

  鉄及び鋼−けい素定量方法

JIS G 1213

  鉄及び鋼中のマンガン定量方法

JIS G 1214

  鉄及び鋼−りん定量方法

JIS G 1215

  鉄及び鋼−硫黄定量方法

JIS G 1216

  鉄及び鋼−ニッケル定量方法

JIS G 1217

  鉄及び鋼中のクロム定量方法

JIS G 1218

  鉄及び鋼−モリブデン定量方法

JIS G 1220

  鉄及び鋼−タングステン定量方法

JIS G 1221

  鉄及び鋼−バナジウム定量方法

JIS G 1222

  鉄及び鋼中のコバルト定量方法

JIS G 1223

  鉄及び鋼−チタン定量方法

JIS G 1224

  鉄及び鋼中のアルミニウム定量方法

JIS G 1227

  鉄及び鋼−ほう素定量方法

JIS G 1237

  鉄及び鋼−ニオブ定量方法

JIS G 1253

  鉄及び鋼−スパーク放電発光分光分析方法

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS G 1257

  鉄及び鋼−原子吸光分析方法

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS K 1105

  アルゴン

JIS K 1106

  液化二酸化炭素(液化炭酸ガス)


5

Z 3326 : 1999

JIS Z 2611

  金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則

JIS Z 3114

  溶着金属の硬さ試験方法

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

桑  名      武

東北大学名誉教授

(幹事)

和  田      豊

日鐵溶接工業株式会社技術本部

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

中  原  征  治

通商産業省工業技術院機械研究所

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

中  川  昌  俊

財団法人日本規格協会

堀  田  東  男

社団法人軽金属溶接構造協会

池  原  康  允

ステンレス協会

鈴  木      宏

千代田プロテック株式会社川崎工場

二  村  幸  作

株式会社巴コーポレーション技術開発部

小見山  輝  彦

日本鋼管工事株式会社技術開発センター

森      三  郎

日本鋼管工事株式会社

中  村      稔

日本油脂株式会社技術部

佐  藤  千  年

日本ウェルディング・ロッド株式会社浜北製造所

中  井  洋  二

株式会社神戸製鋼所溶接事業部

松  本  剛  郎

川崎製鉄株式会社溶接棒営業部

松  本      茂

住金溶接工業株式会社技術部

宮  尾  信  昭

四国溶材株式会社

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会