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Z 3319 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 3319 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

今回の改正では,寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装について規定した JIS Z 3200 の制定に伴い,

これを引用規格として用いた。


日本工業規格

JIS

 Z

3319

 : 1999

エレクトロガスアーク溶接用

フラックス入りワイヤ

Flux cored wires for electrogas arc welding

1.

適用範囲  この規格は,軟鋼,490N/mm

2

級高張力鋼,590N/mm

2

級高張力鋼及び低温用炭素鋼のエレ

クトロガスアーク溶接に使用するフラックス入りワイヤ(以下,ワイヤという。

)について規定する。

2.

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

種類  ワイヤの種類は,シールドガス及び適用鋼種によって区分し,表 のとおりとする。

表 1  ワイヤの種類

ワイヤの種類

シールドガス

適用鋼種

YFEG-11C

炭酸ガス (CO

2

)

軟鋼

YFEG-21C

YFEG-22C

炭酸ガス (CO

2

)

YFEG-20G

規定しない。

軟鋼及び 490N/mm

2

高張力鋼

YFEG-31C

YFEG-32C

炭酸ガス (CO

2

)

YFEG-30G

規定しない。

590N/mm

2

級高張力鋼

YFEG-41C

YFEG-42C

炭酸ガス (CO

2

)

YFEG-41A

YFEG-42A

80%

アルゴン−20%炭酸ガスの混合ガス

(80Ar-20CO

2

)

低温用炭素鋼

備考  種類の記号の付け方は,次による。

4.

品質

4.1

ワイヤ  ワイヤの外観及び状態は,JIS Z 3200 の 3.(製品の状態)による。

4.2

化学成分  溶接金属の化学成分は,7.2 の方法によって試験を行ったとき,表 に適合しなければな

らない。


2

Z 3319 : 1999

表 2  溶接金属の化学成分

単位  %

化学成分

ワイヤの種類

C Si Mn  P  S  Ni Cr Mo Ti

YFEG-11C 0.15

以下 0.60 以下 2.00 以下 0.030 以下 0.030 以下

− 0.40 以下 0.05 以下

YFEG-21C 0.18

以下 0.70 以下 2.00 以下 0.030 以下 0.030 以下

− 0.40 以下 0.05 以下

YFEG-22C

 0.80

以下

 0.50

以下

YFEG-20G

− 0.030 以下 0.030 以下

YFEG-31C 0.20

以下 0.70 以下 2.20 以下 0.030 以下 0.030 以下 0.80 以下 0.40 以下 0.60 以下 0.05 以下

YFEG-32C

0.70

以下

YFEG-30G

− 0.030 以下 0.030 以下

YFEG-41C 0.18

以下 0.70 以下 2.00 以下 0.030 以下 0.030 以下 0.80 以下

− 0.60 以下 0.05 以下

YFEG-42C

0.70

以下

YFEG-41A 0.18

以下 0.70 以下 1.80 以下 0.030 以下 0.030 以下 0.80 以下

− 0.60 以下 0.05 以下

YFEG-42A

2.00

以下

0.70

以下

4.3

機械的性質  溶接金属の引張強さ,降伏点又は 0.2%耐力,伸び及びシャルピー吸収エネルギーは,

7.3

の方法によって試験を行ったとき,

表 に適合しなければならない。

表 3  溶接金属の機械的性質

引張試験

衝撃試験

引張強さ

降伏点又は

0.2%

耐力(

1

)

伸び

試験温度 シャルピー吸収

エネルギー

ワイヤの種類

N/mm

2

 N/mm

2

 %

℃ J

YFEG-11C 420

以上 345 以上 22 以上

0

40

以上

YFEG-21C 0

40

以上

YFEG-22C

−20

40

以上

YFEG-20G

520

以上 390 以上 20 以上

0

27

以上

YFEG-31C 0

40

以上

YFEG-32C

−20

40

以上

YFEG-30G

610

以上 490 以上 20 以上

0

27

以上

YFEG-41C

−40

27

以上

YFEG-42C

−60

27

以上

YFEG-41A

−40

27

以上

YFEG-42A

490

以上 365 以上 20 以上

−60

27

以上

(

1

)

降伏点か,0.2%耐力かを試験成績書などに明記する。

5.

寸法及び許容差  ワイヤの径及び許容差は,JIS Z 3200 の 2.(寸法及び許容差)による。代表的なワ

イヤの径は

表 に示す。

表 4  代表的なワイヤの径

単位 mm

1.6, 2.0, 2.4, 2.8, 3.2

6.

製品の状態  製品の状態は,JIS Z 3200 の 3.による。


3

Z 3319 : 1999

7.

試験

7.1

試験一般

7.1.1

試験板  ワイヤの試験に使用する試験板は,表 による。

表 5  試験板

ワイヤの種類

試験板

YFEG-11C

JIS G 3106

の SM400A∼C 又は同等材(

2

)

YFEG-21C

JIS G 3106

の SM490A∼C 又は SM520B∼C

YFEG-22C

JIS G 3115

の SPV355 又は同等材(

2

)

YFEG-20G

YFEG-31C

JIS G 3106

の SM570,JIS G 3115 の SPV490 又は同等材(

2

)

YFEG-32C

YFEG-30G

YFEG-41C

JIS G 3126

の SLA325A∼B,若しくは SLA360 又は同等材(

2

)

YFEG-42C

YFEG-41A

YFEG-42A

(

2

)

同等材とは,試験板と同等の化学成分及び機械的性質をもつ圧延鋼材
をいう。

7.1.2

シールドガス  ワイヤの試験に使用する炭酸ガスは,JIS K 1106 の 3 種,80Ar-20CO

2

混合ガスは

表 による。ただし,YFEG-20G 及び YFEG-30G のワイヤについては受渡当事者間の協定による。

表 6  80Ar-20CO

2

混合ガスの品質

窒素体積  酸素体積  水素体積 水分(

3

)

アルゴンと炭 酸ガス
の濃度の合計体積

炭 酸 ガ ス 濃 度
の許容差体積

% % %

mg/l %

%

0.1

以下 0.1 以下 0.01 以下 0.04 以下

99.8

以上

±2.0

(

3

)

水分は Ar-CO

2

混合ガスの温度35℃において,充てん圧力の2/3以上の状態の

ものから採取した試料についての値を示す。

7.1.3

試験ワイヤ  溶接金属の分析試験,引張試験及び衝撃試験に用いるワイヤの径は,1.6mm 又は

3.2mm

とする。

7.2

溶接金属の分析試験  溶接金属の分析試験は,次による。

a)

溶接金属の分析試験片は,7.3 によって溶接を終わった試験材の板厚中央部から採取する。

b)

溶接金属の分析試験片の代わりに 7.3 による破断後の引張試験片平行部の残材を使用してもよい。

c)

溶接金属の分析試験は,次のいずれかによる。

JIS G 1201JIS G 1204JIS G 1211JIS G 1212JIS G 1213JIS G 1214JIS G 1215,

JIS G 1216JIS G 1217JIS G 1218JIS G 1223JIS G 1253JIS G 1256JIS G 1257,

JIS G 1258JIS Z 2611 

7.3

溶接金属の引張試験及び衝撃試験  溶接金属の引張試験及び衝撃試験は,次による。

a)

引張試験片は JIS Z 3111 の A1 号試験片又は A2 号試験片とし,衝撃試験片は JIS Z 3111 の 4 号試験片

とする。

b)

試験材の寸法は

図 1,試験板の開先形状は図 による。

c)

溶接は,室温で開始し,立向上進姿勢(1 パス溶接)で行う。


4

Z 3319 : 1999

図 1  試験材の寸法及び試験片の採取位置

a)

  ワイヤ径 1.6mm の場合

b)

  ワイヤ径 3.2mm の場合

図 2  開先形状

d)

溶接は,シールドガスの種類及びワイヤ径別に,適正な電流の種類,極性,溶接電流,アーク電圧,

溶接速度及びシールドガス流量で行う。

e)

溶接に際しては,水冷銅当て金を使用する。

f)

溶接を終わった試験材から

図 に示すように,1 個の引張試験片と 3 個の衝撃試験片とを作製する。

試験材は熱処理をしてはならない。ただし,引張試験片は 100±5℃で 24 時間以内保持して水素除去

を行ってもよい。

g)

引張試験の方法は JIS Z 2241 に,衝撃試験方法は JIS Z 2242 による。

なお,シャルピー吸収エネルギーは,3 個の平均値から求める。

8.

検査  検査は,次による。

a)

ワイヤは,品質,寸法及び製品の状態が,4.5.及び 6.の規定に適合しなければならない。


5

Z 3319 : 1999

b)

ワイヤは,溶接金属の引張試験及び衝撃試験のうち,いずれか一つの試験が不合格であった場合は,

その試験について 1 回だけ再試験を行うことができ,その成績が規定に適合しなければならない。

9.

包装  包装は,JIS Z 3200 の 5.(包装)による。

10.

製品の呼び方  製品の呼び方は,ワイヤの種類,径及び質量による。

11.

表示  表示は,JIS Z 3200 の 4.(表示)による。


6

Z 3319 : 1999

付表 1  引用規格

JIS G 1201

  鉄及び鋼の分析方法通則

JIS G 1204

  鉄及び鋼のけい光 X 線分析方法通則

JIS G 1211

  鉄及び鋼−炭素定量方法

JIS G 1212

  鉄及び鋼−けい素定量方法

JIS G 1213

  鉄及び鋼中のマンガン定量方法

JIS G 1214

  鉄及び鋼−りん定量方法

JIS G 1215

  鉄及び鋼−硫黄定量方法

JIS G 1216

  鉄及び鋼−ニッケル定量方法

JIS G 1217

  鉄及び鋼中のクロム定量方法

JIS G 1218

  鉄及び鋼−モリブデン定量方法

JIS G 1223

  鉄及び鋼−チタン定量方法

JIS G 1253

  鉄及び鋼−スパーク放電発光分光分析方法

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS G 1257

  鉄及び鋼−原子吸光分析方法

JIS G 1258

  鉄及び鋼−誘導結合プラズマ発光分光分析方法

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3115

  圧力容器用鋼板

JIS G 3126

  低温圧力容器用炭素鋼鋼板

JIS K 1106

  液化二酸化炭素(液化炭酸ガス)

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

JIS Z 2242

  金属材料衝撃試験方法

JIS Z 2611

  金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則

JIS Z 3111

  溶着金属の引張及び衝撃試験方法

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装


7

Z 3319 : 1999

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

桑  名      武

東北大学名誉教授

(幹事)

和  田      豊

日鐵溶接工業株式会社技術本部

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

中  原  征  治

通商産業省工業技術院機械研究所

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

中  川  昌  俊

財団法人日本規格協会

堀  田  東  男

社団法人軽金属溶接構造協会

池  原  康  允

ステンレス協会

鈴  木      宏

千代田プロテック株式会社川崎工場

二  村  幸  作

株式会社巴コーポレーション技術開発部

小見山  輝  彦

日本鋼管工事株式会社技術開発センター

森      三  郎

日本鋼管工事株式会社

中  村      稔

日本油脂株式会社技術部

佐  藤  千  年

日本ウェルディング・ロッド株式会社浜北製造所

中  井  洋  二

株式会社神戸製鋼所溶接事業部

松  本  剛  郎

川崎製鉄株式会社溶接棒営業部

松  本      茂

住金溶接工業株式会社技術部

宮  尾  信  昭

四国溶材株式会社

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会