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Z 3261: 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 3261-1985 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触

する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性質を

もつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認に

ついて,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3261

: 1998

銀ろう

Silver brazing filler metals

序文  この規格は,JIS Z 3261-1985(銀ろう)を基に,1992 年に第 2 版として発行された ISO 3677 (Filler

metal for soft soldering, brazing and braze welding

−Designation)  を取り入れて改正した日本工業規格である。

従来からの JIS の規定事項に加えて,ISO 3677 で規定している“種類の呼び方及び記号”について,その

技術的内容を変更することなく採用し,整合化を図った。

1.

適用範囲  この規格は,ろう付けに使用する銀ろう(以下,ろうという。)について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ

れらの規格はその最新版を適用する。

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS Z 3900

  貴金属ろうのサンプリング方法

JIS Z 3901

  銀ろう分析方法

3.

種類  ろうは化学成分によって,表 のとおり 17 種類に分類する。


2

Z 3261: 1998

表 1  種類

種類

化学成分 (mass %)

温度(参考)

記号 A

記号 B(

1

)

Ag Cu Zn Cd

Ni

Sn Li

その他の元

(

2

)

合計

固相線  液相線 ろう付温度

BAg-1 B

−Ag45CdZnCu−605/620 44.0∼46.0 14.0∼16.0 14.0∼18.0 23.0∼25.0

− 0.15 以下  約 605  約 620 620∼760

BAg-1A B

−Ag50CdZnCu−625/635 49.0∼51.0 14.5∼16.5 14.5∼18.5 17.0∼19.0

− 0.15 以下  約 625  約 635 635∼760

BAg-2 B

−Ag35CuZnCd−605/700 34.0∼36.0 25.0∼27.0 19.0∼23.0 17.0∼19.0

− 0.15 以下  約 605  約 700 700∼845

BAg-3 B

−Ag50CdZnCuNi−630/660 49.0∼51.0 14.5∼16.5 13.5∼17.5 15.0∼17.0 2.5∼3.5

− 0.15 以下  約 630  約 690 690∼815

BAg-4 B

−Ag40CuZnNi−670/780 39.0∼41.0 29.0∼31.0 26.0∼30.0

− 1.5∼2.5

− 0.15 以下  約 670  約 780 780∼900

BAg-5 B

−Ag45CuZn−665/745 44.0∼46.0 29.0∼31.0 23.0∼27.0

− 0.15 以下  約 665  約 745 745∼845

BAg-6 B

−Ag50CuZn−690/775 49.0∼51.0 33.0∼35.0 14.0∼18.0

− 0.15 以下  約 690  約 775 775∼870

BAg-7 B

−Ag56CuZnSn−620/650 55.0∼57.0 21.0∼23.0 15.0∼19.0

− 4.5∼5.5

− 0.15 以下  約 620  約 650 650∼760

BAg-7A B

−Ag45CuZnSn−640/680 44.0∼46.0 26.0∼28.0 23.0∼27.0

− 2.5∼3.5

− 0.15 以下  約 640  約 680 680∼770

BAg-7B B

−Cu36AgZnSn−630/730 33.0∼35.0 35.0∼37.0 25.0∼29.0

− 2.5∼3.5

− 0.15 以下  約 630  約 730 730∼820

BAg-8 B

−Ag72Cu−780 71.0∼73.0

残部

− 0.15 以下  約 780  約 780 780∼900

BAg-8A B

−Ag72Cu (Li)  −770 71.0∼73.0

残部

− 0.25∼0.50 0.15 以下  約 770  約 770 770∼870

BAg-8B B

−Ag60CuSn−600/720 59.0∼61.0

残部

− 9.5∼10.5

− 0.15 以下  約 600  約 720 720∼840

BAg-20 B

−Cu38ZnAg−675/765 29.0∼31.0 37.0∼39.0 30.0∼34.0

− 0.15 以下  約 675  約 765 765∼870

BAg-20A B

−Cu41ZnAg−700/800 24.0∼26.0 40.0∼42.0 33.0∼35.0

− 0.15 以下  約 700  約 800 800∼890

BAg-21 B

−Ag63CuSnNi−690/800 62.0∼64.0 27.5∼29.5

− 2.0∼3.0

5.0

∼7.0

− 0.15 以下  約 690  約 800 800∼900

BAg-24 B

−Ag50ZnCuNi−660/705 49.0∼50.0 19.0∼21.0 26.0∼30.0

− 1.5∼2.5

− 0.15 以下  約 660  約 705 705∼800

(

1

)

  記号 B は,ISO 3677による規定で,ろうの記号の表示方法(表示の中にろうの基本成分,化学成分,固相線温

度,液相線温度を記載)である。

(

2

)

  その他の元素とは,Pb, Fe などをいう。

4.

品質  品質は,次による。

a)

ろうは,品質が均一で,使用上有害な欠陥があってはならない。

b)

ろうの化学成分は,6.の方法によって試験を行ったとき,

表 に適合しなければならない。

5.

形状,寸法及び許容差  形状,寸法及び許容差は,次による。

a)

ろうの形状は,帯状,線状,棒状,粒状,粉末状及びプリホームとし,帯状は R,線状は W,棒状は

B

,粒状,粉末状は P,プリホームは F で表す。

b)

帯状のろうの寸法及び許容差は,受渡当事者間の協定による。

c)

線状及び棒状のろうの径の許容差は,1.0mm∼5.0mm は±3%とする。これ以外の径及びその許容差に

ついては受渡当事者間の協定による。

d)

棒状のろうの長さは 1 000mm の場合許容差は±0.5%とする。それ以外は受渡当事者間の協定による。

e)

帯状及び線状のろうは,受渡当事者間の協定によって,長いままコイル巻きにすることができる。

f)

粒状,粉末状及びプリホームのろうの寸法並びに許容差は,受渡当事者間の協定による。

6.

化学分析試験  ろうの化学分析試験は,JIS Z 3901 による。ただし,表 のその他の元素に関しては

受渡当事者間の協定による。

7.

検査  検査は,次による。

a)

ろうは,品質,形状及び寸法が,4.及び 5.の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間


3

Z 3261: 1998

の協定によって化学分析試験の一部を省略することができる。

b)

その他の一般事項は,JIS H 0321 及び JIS Z 3900 による。

8.

包装  ろうは,輸送中及び貯蔵中に起こる汚染又は損傷を防ぐために,適切な包装をしなければなら

ない。

9.

製品の呼び方  製品の呼び方は,ろうの種類(記号),形状及び寸法(帯状は厚さ及び幅,線状は径,

棒状は径及び長さ,粒状及び粉末状は粒度)による。

また,プリホームは,受渡当事者間の協定による。

10.

表示

10.1

ろうには,その包装ごとに次の事項を明確に表示しなければならない。

a)

種類(記号 A 及び/又は記号 B による表示とする。

b)

形状及び寸法

c)

質量(正味質量)

d)

製造番号

e)

製造年月又はその略号

f)

製造業者名又はその略号

10.2

包装には,ろうの使用に際して発生する亜鉛,カドミウムのヒューム,金属アレルギーに対する注

意を表示しなければならない。


4

Z 3261: 1998

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

有  賀      正

東海大学工学部

(幹事)

柏  木  孝  三

田中貴金属工業株式会社素材加工セクション

(委員)

恩  澤  忠  男

東京工業大学工学部

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

雀  部      謙

金属材料技術研究所

乾      昌  弘

乾庄貴金属化工株式会社

米  谷  宗  捷

橋本貴金属工業株式会社技術開発室

藤  本      潤

石福金属興業株式会社生産管理部

堀          仁

水野ハンディーハーマン株式会社工業製品本部

渡  辺      治

株式会社徳力本店

松      忠  男

東京ブレイズ株式会社

堀      泰  治

東神物流株式会社販売部

布  施  俊  明

株式会社東芝重電技術研究所

服  巻      孝

株式会社日立製作所日立研究所

山  下  満  夫

富士重工業株式会社生産技術研究所

和  田  宏  一

三菱重工業株式会社技術本部

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会