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Z 3251 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS Z 3251 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

今回の改正では,寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装について規定した JIS Z 3200 の制定に伴い,

これを引用規格として用いた。


日本工業規格

JIS

 Z

3251

: 2000

硬化肉盛用被覆アーク溶接棒

Covered electrodes for hardfacing

1.

適用範囲  この規格は,鉄及び鋼の表面の硬化肉盛を目的とする被覆アーク溶接棒(以下,溶接棒と

いう。

)について規定する。

2.

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

3.

種類  溶接棒の種類は,溶着金属の化学成分によって区分し,表 のとおりとする。

なお,被覆剤の系統及び適用する溶接姿勢は,

表 に示す。

表 1  溶接棒の種類

溶接棒の種類

被覆剤の系統

溶接姿勢

DF2A

B, R, BR

F, V, H

DF2B

B, R, BR

F

DF3B B

F,

V, H

DF3C B

F

DF4A B

F

DF4B B

F

DF5A B,

BR F

DF5B B,

BR F

DFMA B

F

DFMB B

F

DFME B

F

DFCrA

B, R, BR

F

DFWA S

F

DCoCrA BR

F

DCoCrB BR

F

DCoCrC BR

F

DCoCrD BR

F

備考1.  種類の記号の付け方は,次の例による。 


2

Z 3251 : 2000

2. 

被覆剤の系統に用いた記号は,次のことを意味す
る。

B

:塩基性,R:高酸化チタン,BR:ライムチタ

ニヤ,S:特殊

3.

溶接姿勢に用いた記号は,次のことを意味する。

F

:下向,V:立向,H:横向

ただし,

表 に示す溶接姿勢のうち,V 及び H は,

原則として棒径(以下,径という。

)5.0mm を超え

るものには適用しない。 

4.

品質

4.1

被覆  被覆は,JIS Z 3200 の 3.(製品の状態)による。

4.2

化学成分  溶着金属の化学成分は,7.2 の方法によって試験を行ったとき,表 のとおりとする。

表 2  溶着金属の化学成分

単位%

化学成分

溶接棒 
の種類

C Si Mn P  S Ni Cr Mo W Fe Co

その他の元

素の合計

DF2A 0.30

以下

1.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

− 3.0

以下

1.5

以下

残部

− 1.0

以下

DF2B 0.30

1.00

1.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

− 5.0

以下

1.5

以下

残部

− 1.0

以下

DF3B 0.20

0.50

3.0

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

− 3.0∼

9.0

2.5

以下

2.0

以下

残部

− 1.0

以下

DF3C 0.50

1.50

3.0

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

− 3.0∼

9.0

2.5

以下

4.0

以下

残部

− 2.5

以下

DF4A 0.30

以下

3.0

以下

4.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

6.0

以下

9.0

14.0

2.0

以下

2.0

以下

残部

− 2.5

以下

DF4B 0.30

1.50

3.0

以下

4.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

9.0

14.0

2.0

以下

2.0

以下

残部

− 2.5

以下

DF5A 0.50

1.00

1.0

以下

1.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

− 3.0∼

5.0

4.0

9.5

1.0

7.0

残部

− 4.0

以下

DF5B 0.50

1.00

1.0

以下

1.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

− 3.0∼

5.0

− 16.0∼

19.0

残部 4.0∼

11.0

4.0

以下

DFMA 1.10

以下

0.8

以下

11.0

18.0

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

4.0

以下

2.5

以下

残部

− 1.0

以下

DFMB 1.10

以下

0.8

以下

11.0

18.0

0.03

以下

0.03

以下

3.0

6.0

0.5

以下

残部

− 1.0

以下

DFME 1.10

以下

0.8

以下

12.0

18.0

0.03

以下

0.02

以下

6.0

以下

14.0

18.0

4.0

以下

残部

− 4.0

以下

DFCrA 2.5

6.0

3.5

以下

7.5

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

20.0

35.0

6.0

以下

6.5

以下

残部 5.0

以下

9.0

以下

DFWA 2.0

4.0

2.5

以下

3.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

3.0

以下

7.0

以下

40.0

70.0

残部 3.0

以下

2.0

以下

DCoCrA 0.70

1.40

2.0

以下

2.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

25.0

32.0

1.0

以下

3.0

6.0

5.0

以下

残部 0.5

以下

DCoCrB 1.00

1.70

2.0

以下

2.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

25.0

32.0

1.0

以下

7.0

9.5

5.0

以下

残部 0.5

以下


3

Z 3251 : 2000

単位%

化学成分

溶接棒

の種類

C Si Mn P  S Ni Cr Mo W Fe Co

その他の元
素の合計

DCoCrC 1.75

3.00

2.0

以下

2.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.0

以下

25.0

33.0

1.0

以下

11.0

14.0

5.0

以下

残部 0.5

以下

DCoCrD 0.35

以下

1.0

以下

1.0

以下

0.03

以下

0.03

以下

3.5

以下

23.0

30.0

3.0

7.0

1.0

以下

5.0

以下

残部 0.5

以下

4.3

硬さ  溶着金属の硬さは,7.2 の方法によって試験を行ったとき,それぞれの呼び硬さに応じて表 3

のとおりとする。

表 3  溶着金属の硬さ

溶着金属の硬さ

ビッカース

ロックウェル

ブリネル

呼び硬さ

HV HRB

HRC

HB

200 250

以下 100 以下

22

以下 238 以下

250 200

∼300 92∼106

11

∼30 190∼284

300 250

∼350 100∼109

22

∼36 238∼331

350 300

∼400

− 30∼41 284∼379

400 350

∼450

− 36∼45 331∼425

450 400

∼500

− 41∼49 379∼465

500 450

∼600

− 45∼55

600 550

∼700

− 52∼60

700 650

以上

− 58 以上

備考1.  溶着金属の硬さは,測定値の平均値をいう。

2.

溶接棒は,その溶着金属の硬さが幾つかの呼び硬さに
またがる場合には,いずれか一つの呼び硬さによる。

3. 

各測定値のばらつきの範囲は,平均値の±15%とする。

ただし,DF2A,DF2B,DF3B 及び DF3C の場合は,

20

15

+

%

とする。

5.

寸法及び許容差  溶接棒の寸法及び許容差は,JIS Z 3200 の 2.(寸法及び許容差)による。ただし,

鋳造心線の径の許容差は±0.6mm,フラックス入り心線の径の許容差は±0.2mm とし,長さの許容差はそ

れぞれ±5mm とする。

代表的な溶接棒の寸法は,

表 による。

表 4  代表的な溶接棒の寸法 

引抜心線

単位 mm

長さ

3.2 300

350

4.0

350

400

450

5.0

350

400

450

6.0

350

400

450

7.0

450

8.0

450


4

Z 3251 : 2000

表 4  代表的な溶接棒の寸法(続き) 

鋳造心線

単位 mm

長さ

3.2

4.0

5.0

250

∼450

備考1.  DCoCrA,DCoCrB,DCoCrC 及

び DCoCrD は,径4.8及び6.4mm

にも適用できる。

2. DCoCrA

,DCoCrB,DCoCrC 及

び DCoCrD は,別の材料でつか

み代を付け足してもよい。

フラックス入り心線

単位 mm

長さ

3.2 350

4.0 350

400

5.0 350

400

6.0 350

400

6.

心線  心線は,引抜心線,鋳造心線及びフラックス入り心線のいずれかを用いる。

7.

試験

7.1

試験一般

7.1.1

試験板  溶着金属の分析試験及び硬さ試験に使用する試験板は,JIS G 3101 の SS400 若しくは JIS 

G 3106

の SM400A∼C 又はこれらと同等の引張強さ及び化学成分をもつ圧延鋼材でなければならない。

7.1.2

溶接姿勢  溶着金属の分析試験及び硬さ試験は,7.2.1 に定める方法によって下向姿勢で肉盛溶接

を行う。

7.1.3

試験溶接棒  溶着金属の分析試験及び硬さ試験は,すべての径を代表して径 4.0mm 又は 5.0mm で

行う。ただし,径 4.0mm 又は 5.0mm 以外の溶接棒を使用する場合は,受渡当事者間の協定による。

7.2

分析試験及び硬さ試験  分析試験及び硬さ試験は,次による。

7.2.1

試験片  試験片は,次によって作製する。

なお,a)及び b)以外の項目については,JIS Z 3114 によって作製する。

a) DFCrA

及び DFWA については,肉盛層数を 2 層,盛り上げ幅を 1 層目は 3 パス,2 層目は 2 パスとし,

予熱及びパス間温度をいずれも 300∼400℃とする。

b)

溶接棒は,使用後の長さを 50mm 以上残してはならない。

7.2.2

硬さ試験  硬さ試験は,JIS Z 3114 に従って表 の溶着金属の硬さ測定方法のいずれかを用いて行

い,溶着金属の硬さの平均値を求める。

7.2.3

分析試料  分析試料は,硬さ試験の試験層から適当な方法で採取する。この際,切削油の使用は避

けなければならない。試料の採取に当たっては,溶着金属を軟化させるために熱処理を行ってもよい。

7.2.4

分析試験  溶着金属の分析方法は,次のいずれかによる。

JIS G 1201JIS G 1204JIS G 1211JIS G 1212JIS G 1213JIS G 1214JIS G 1215,


5

Z 3251 : 2000

JIS G 1216JIS G 1217JIS G 1218JIS G 1220JIS G 1221JIS G 1222JIS G 1223,

JIS G 1227JIS G 1237JIS G 1253JIS G 1256JIS G 1257JIS G 1258JIS Z 2611

なお,これ以外の特殊な元素については,受渡当事者間の協定による。

8.

検査

a)

溶接棒は,被覆及び寸法が 4.1 及び 5.の規定に適合しなければならない。

b)

溶接棒は,

溶着金属の分析試験及び硬さ試験の成績が,

4.2

及び 4.3 の規定に適合しなければならない。

ただし,これらのうち,いずれか一つの試験が不合格であった場合は,その試験を 1 回だけ再試験す

ることができ,その成績が規定に適合しなければならない。

9.

包装  包装は,JIS Z 3200 の 5.(包装)による。

10.

製品の呼び方  製品の呼び方は,溶接棒の種類,呼び硬さ,被覆剤の系統,電流の種類,径及び長さ

による。ただし,鋳造心線の場合は,長さの記載は必要としない。

11.

表示  表示は,JIS Z 3200 の 4.(表示)による。

付表 1  引用規格

JIS G 1201

  鉄及び鋼の分析方法通則

JIS G 1204

  鉄及び鋼のけい光 X 線分析方法通則

JIS G 1211

  鉄及び鋼−炭素定量方法

JIS G 1212

  鉄及び鋼−けい素定量方法

JIS G 1213

  鉄及び鋼中のマンガン定量方法

JIS G 1214

  鉄及び鋼−りん定量方法

JIS G 1215

  鉄及び鋼−硫黄定量方法

JIS G 1216

  鉄及び鋼−ニッケル定量方法

JIS G 1217

  鉄及び鋼中のクロム定量方法

JIS G 1218

  鉄及び鋼−モリブデン定量方法

JIS G 1220

  鉄及び鋼−タングステン定量方法

JIS G 1221

  鉄及び鋼−バナジウム定量方法

JIS G 1222

  鉄及び鋼−コバルト定量方法

JIS G 1223

  鉄及び鋼−チタン定量方法

JIS G 1227

  鉄及び鋼−ほう素定量方法

JIS G 1237

  鉄及び鋼−ニオブ定量方法

JIS G 1253

  鉄及び鋼−スパーク放電発光分光分析方法

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS G 1257

  鉄及び鋼−原子吸光分析方法


6

Z 3251 : 2000

JIS G 1258

  鉄及び鋼−誘導結合プラズマ発光分光分析方法

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS Z 2611

  金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則

JIS Z 3114

  溶着金属の硬さ試験方法

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

桑  名      武

東北大学名誉教授

(幹事)

和  田      豊

日鐡溶接工業株式会社技術本部

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

中  原  征  治

通商産業省工業技術院機械研究所技術交流推進センター

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

中  川  昌  俊

財団法人日本規格協会技術部

堀  田  東  男

社団法人軽金属溶接構造協会

池  原  康  允

ステンレス協会開発事業部

鈴  木      宏

千代田プロテック株式会社川崎工場

二  村  幸  作

株式会社巴コーポレーション技術開発部

小見山  輝  彦

日本鋼管工事株式会社技術開発センター

森      三  郎

日本鋼管工事株式会社

中  村      稔

日本油脂株式会社技術部

佐  藤  千  年

日本ウェルディング・ロッド株式会社浜北製造所品質保証部

中  井  洋  二

株式会社神戸製鋼所溶接事業部技術部

松  本  剛  郎

川崎製鉄株式会社溶接棒営業部

松  本      茂

住金溶接工業株式会社技術部

宮  尾  信  昭

四国溶材株式会社

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会