サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

Z 3233 : 2001  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによってJIS Z 3233 : 1990は,改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,国際規格との整合を図るため,ISO 6848 : 1984 Tungsten electrodes for inert gas shielded 

arc welding, and for plasma cutting and welding−Codificationを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触

する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性

質をもつ特許権,出題公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。 

JIS Z 3233には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 真直性判定方法 

附属書2(規定) 化学分析試験 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 3233 : 2001 

イナートガスアーク溶接並びに 

プラズマ切断及び溶接用タングステン電極 

Tungsten electrodes for inert gas shielded arc welding, 

and for plasma cutting and welding 

序文 この規格は,1984年に第1版として発行されたISO 6848, Tungsten electrodes for inert gas shielded arc 

welding, and for plasma cutting and welding−Codificationを元に作成した日本工業規格であり,以下の規定内

容を除いて技術的内容は同一である。また,日本工業規格(以下,JISという。)として必要な規定項目(真

直性の判定方法及び化学分析方法)を追加している。 

”規定内容の相違点の概要” 

a) 旧JIS分類を併記し,ISO分類との2重規定とした。 

b) 化学分析方法を附属書に規定した。 

c) 真直性の判定方法を附属書に規定した。 

d) 箱又は包装に,ロットの番号又は製造番号を示し,識別色を表示していない。 

1. 適用範囲 この規格は,イナートガスアーク溶接並びにプラズマ切断及び溶接に使用するタングステ

ン電極について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記して

いない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 1403 : 1987 タングステン材料の分析方法 

JIS H 1405 : 1987 トリエーテッドタングステン材料の分析方法 

ISO 6848 : 1984 Tungsten electrodes for inert gas shielded arc welding, and for plasma cutting and welding−

Codification 

3. 用語の定義 タングステン電極 (Tungsten electrodes) アーク発生のため,陰極又は陽極として使用さ

れる酸化物添加、若しくは無添加のタングステン棒。 

4. 分類記号 タングステン電極は,表1又は表2に規定した化学成分によって分類する。表1 A系列,

表2 B系列のいずれの分類に従ってもよい。 

background image

Z 3233 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 A系列の分類記号,化学成分及び識別色 

分類記号 

化学成分 

識別色 

酸化物の添加量 

不純物 

(wt%) 

タングステン 

(wt%) 

添加量 (wt%) 

酸化物 

YWP 

0.10以下 

99.9以上 

緑 

YWTh-1 

0.8-1.2 

ThO2 

0.10以下 

残部 

黄 

YWTh-2 

1.7-2.2 

ThO2 

0.10以下 

残部 

赤 

YWLa-1 

0.9-1.2 

La2O3 

0.10以下 

残部 

黒 

YWLa-2 

1.8-2.2 

La2O3 

0.10以下 

残部 

黄緑 

YWCe-1 

0.9-1.2 

Ce2O3 

0.10以下 

残部 

桃色 

YWCe-2 

1.8-2.2 

Ce2O3 

0.10以下 

残部 

灰色 

表2 B系列の分類記号,化学成分及び識別色 

分類記号 

化学成分 

識別色(2) 

酸化物の添加量(1) 

不純物 

(wt%) 

タングステン 

(wt%) 

添加量 (wt%) 

酸化物 

WP 

0.20以下 

99.8以上 

緑 

WT4 

0.35- 0.55 

ThO2 

0.20以下 

残部 

青 

WT10 

0.8- 1.2 

ThO2 

0.20以下 

残部 

黄 

WT20 

1.7- 2.2 

ThO2 

0.20以下 

残部 

赤 

WT30 

2.8- 3.2 

ThO2 

0.20以下 

残部 

紫 

WT40 

3.8- 4.2 

ThO2 

0.20以下 

残部 

橙色 

WZ3 

0.15- 0.5 

ZrO2 

0.20以下 

残部 

茶 

WZ8 

0.7- 0.9 

ZrO2 

0.20以下 

残部 

白 

WL10 

0.9- 1.2 

La2O3 

0.20以下 

残部 

黒 

WC20 

1.8- 2.2 

Ce2O3 

0.20以下 

残部 

灰色 

注(1) 複合電極といわれるものは,純タングステン心線に酸化物を被覆した

ものである。 

(2) 複合電極には,2次識別色として桃色をつけなければならない。 

5. 要求事項 

5.1 

寸法及び寸法許容差 電極の寸法及び許容差は,表3による。 

background image

Z 3233 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 電極の寸法及び許容差 

単位mm 

径 

径の許容差 長さ 長さの許容差 

0.5 

±0.05 

50 

±1.0 

1.0 

75 

1.6 

150 

2.0 

175 

2.4 

2.5 

±0.1 

2.6 

3.0 

3.2 

4.0 

5.0 

6.3 

8.0 

10.0 

5.2 

真直性 真直性は,全長に対して±0.5mm以下でなければならない。真直性の判定方法は,附属書

1による。 

5.3 

品質 電極には,使用上有害な表面きず(小さな亀裂,割れ,スケールなど)が,あってはならな

い。 

タングステン電極の表面には,油脂やその他の不純物があってはならない。タングステン電極の表面は,

特にバリのないよう仕上げなければならない。 

5.4 

化学成分 タングステン電極は,表1又は表2に示す化学成分に,適合しなければならない。 

化学成分の分析方法は,附属書2による。 

6. 包装 電極は,輸送中及び保管中に,表面が損傷したり錆びないように包装しなければならない。 

7. 表示 

7.1 

識別色 タングステン電極は,いずれか一方の端部に表1又は表2に規定する識別用の色を付けな

ければならない。 

7.2 

箱又は包装の表示 タングステン電極は,その包装に際し,次に事項を明確に表示しなければなら

はい。 

a) 製造業者又は供給者の名称 

b) 電極の径 

c) 電極の長さ 

d) 表1又は表2に基づく分類記号 

e) ロット番号又は製造番号 

background image

Z 3233 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 真直性判定方法 

1. 適用範囲 この附属書1は,タングステン電極の真直性判定方法について規定する。 

2. 判定方法 

a) 判定用基板 

1) 基板は,測定対象のタングステン電極に比べ十分長く,平坦で,かつ,平滑でなければならない。 

2) 基板中央には,母線,及び母線からそれぞれ0.5mm離れ,かつ,母線に平行な2本の直線が,引か

れている。 

b) この基板上に,判定対象のタングステン電極を静かに置き,電極の両端の下側を母線に沿わせる。 

c) 電極の下側の線が,全長にわたり+0.5mm及び−0.5mmの線に対し線上に又は母線を基準に内側にあ

れば真直性を満足すると判定する。 

d) 電極の下側の線が,+0.5mm又は−0.5mmの線に対し母線を基準に外側に超えれば,真直性を満足し

ないと判定する。 

Z 3233 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(規定) 化学分析試験 

1. 適用範囲 この附属書2は,タングステン電極の化学分析試験について規定する。 

2. 試料 原則として各ロット(1回の配合粉末から製造したもの)ごとに任意にとった試料について行

う。ただし注文者が必要と認めたときは,指定の材料から分析を行う。 

3. 分析方法 純タングステン電極及びトリアタングステン電極の分析方法は,JIS H 1403(タングステ

ン材料の分析方法)及びJIS H 1405(トリエーテッドタングステン材料の分析方法)に規定する分析方法

による。酸化ジルコニウムタングステン電極,酸化ランタンタングステン電極,酸化セリウムタングステ

ン電極の化学分析方法は,受渡当事者間の協定による。 

JIS Z 3233 改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

大 嶋 健 司 

埼玉大学工学部 

(幹事) 

古 谷 健 吾 

松下産業機器株式会社溶接システム事業部 

(委員) 

林   明 夫 

通商産業省基礎産業局製鉄課 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部材料規格課 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

窪 田 武 文 

姫路工業大学工学部 

小 俣 和 夫 

三井造船株式会社千葉造船工場 

平 松 良 一 

東急車輛製造株式会社横浜製作所 

成 宮 隆 雄 

株式会社宮地鐵工所 

小見山 輝 彦 

日本鋼管工事株式会社技術開発センター部 

金 志 真 彦 

ホンダエンジニアリング株式会社技術部 

麻 生   正 

日立精工株式会社設計本部 

市 川 欣 也 

ナストーア株式会社近江工場 

秋 吉 直 義 

東邦金属株式会社技術開発部 

岩 崎 彰 夫 

松下電子工業株式会社部品工場 

仙 場 謙 次 

日本タングステン株式会社経営企画室 

伊 藤 正 美 

株式会社東芝品質保証部 

鈴 木 勝 一 

タングステンモリブデン工業会 

(事務局) 

池 原 平 晋 

社団法人日本溶接協会