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Z 3225 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS Z 3225 : 1990 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

今回の改正では,寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装について規定した JIS Z 3200 の制定に伴い,

これを引用規格として用いた。


日本工業規格

JIS

 Z

3225

: 1999

9%

ニッケル鋼用被覆アーク溶接棒

Covered electrodes for 9% nickel steel

1.

適用範囲  この規格は,9%ニッケル鋼の溶接に使用する高ニッケル系被覆アーク溶接棒(以下,溶接

棒という。

)について規定する。

2.

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

種類  溶接棒の種類は,溶着金属の化学成分によって区分し,表 のとおりとする。

表 1  溶接棒の種類

溶接棒の種類

溶接姿勢

電流の種類

D9Ni-1

D9Ni-2

F, V, O, H

AC

又は DC (+)

備考1.

2. 

溶接姿勢を示した記号は,次による。

F

:下向  V:立向  O:上向  H:横向又は水平すみ肉

ただし,

表 に示す溶接姿勢のうち V 及び O は,原則と

して棒径(以下,径という。

)5.0mm には適用しない。

3.

電流の種類に用いた記号は,次のことを意味する。

AC

:交流,DC (+)  :直流(棒プラス)

4.

品質

4.1

被覆  被覆は,JIS Z 3200 の 3.(製品の状態)による。

4.2

化学成分  溶着金属の化学成分は,6.2 の方法によって試験を行ったとき,表 に適合しなければな

らない。

なお,必要に応じて

表 に示される以外の元素を,合計 0.50%以下の範囲で添加することができる。

ただし,添加した元素は,分析しなければならない。


2

Z 3225 : 1999

表 2  溶着金属の化学成分

単位  %

化学成分

溶接棒の 
種類

C  Si Mn  P  S  Ni  Cr Mo Fe Nb W

D9Ni-1 0.15

以下

0.75

以下

1.0

4.0

0.020

以下

0.015

以下

55.0

以上

10.0

17.0

9.0

以下

15.0

以下

0.3

3.0

D9Ni-2 0.10

以下

0.75

以下

3.0

以下

0.020

以下

0.015

以下

60.0

以上

− 15.0∼

22.0

12.0

以下

− 1.5∼

5.0

4.3

機械的性質  溶着金属の引張強さ,降伏点又は 0.2%耐力,伸び及びシャルピー吸収エネルギーは,

6.3

の方法によって試験を行ったとき,

表 に適合しなければならない。

表 3  溶着金属の機械的性質

引張試験

衝撃試験

引張強さ

降伏点又は 0.2%耐力(

1

)

伸び

試験温度

シャルピー吸収エネルギー

N/mm

2

 N/mm

2

 %

℃ J

660

以上 360 以上 25 以上

−196

平均値:34 以上,最小値:27 以上

(

1

降伏点か,0.2%耐力かを試験成績書などに明記する。

4.4

曲げ性能  溶接継手の曲げ性能は,6.4 の方法によって試験を行ったとき,曲げられた外面において,

いかなる方向にも長さ 3.0mm を超える割れ又は有害と認められる欠陥があってはならない。

5.

寸法及び許容差  溶接棒の寸法及び許容差は,JIS Z 3200 の 2.(寸法及び許容差)による。代表的な

寸法は

表 に示す。

表 4  代表的な溶接棒の寸法

単位 mm

長さ

3.2 300

350

400

4.0

350

400

450

5.0

350

400

450

6.

試験

6.1

試験一般

6.1.1

試験板  溶接棒の試験に使用する試験板は,表 による。

表 5  試験板

分析試験

引張試験,衝撃試験及び縦曲げ試験

JIS G 3101

の SS400,JIS G 3106 

SM400

若しくは SM490 又は JIS G 

3127

の SL9N520 又は SL9N590

JIS G 3127

の SL9N520 又は SL9N590

6.1.2

試験用の溶接棒及び溶接姿勢  試験を行う溶接棒の径及び溶接姿勢は,表 による。


3

Z 3225 : 1999

表 6  各種試験における溶接棒の径及び溶接姿勢

単位 mm

分析試験

引張試験及び衝撃試験

縦曲げ試験

3.2 F

F

4.0 F

F

V

5.0 F

F

F

備考  溶接姿勢に用いた記号は,次のことを意味する。

F

:下向  V:立向

6.2

溶着金属の分析試験  溶着金属の分析試験は,JIS G 1281 及び JIS Z 3184 による。ただし,この方

法によることができない場合は,受渡当事者間の協定による。

6.3

溶着金属の引張試験及び衝撃試験  溶着金属の引張試験及び衝撃試験は,次による。

なお,a)c)以外の項目については,JIS Z 3111 による。

a)

試験板の厚さは,径 3.2mm は 12mm,径 4.0mm 及び径 5.0mm は 20mm とする。

b)

各層の厚さは,3mm 以下とする。

c)

溶接開始時の試験板温度及びパス間温度は 15∼150℃とする。

6.4

溶接継手の縦曲げ試験  溶接継手の縦曲げ試験は,次による。

a)

試験材の寸法は,

図 による。試験板は,溶接終了後の角変形が 5 度以上にならないように拘束する

か,あらかじめ逆ひずみを与えなければならない。

b)

溶接は,室温において,

表 に示す溶接姿勢で行う。

c)

溶接開始時の試験板温度及びパス間温度は,

15

∼150℃とし,パス間温度が 150℃を超えた場合は 150℃

以下に空冷する。

なお,試験板の温度は試験板長手中央で,溶接部中心から 25mm 離れた表面上の点で測定する。

d)

溶接を終わった試験材の

図 に示す採取位置から JIS Z 3122 の縦表曲げ試験片を 1 個採取する。

e)

曲げ試験方法は表曲げとし,JIS Z 3122 のローラ曲げ試験による。ただし,曲げ半径は

t

3

1

3

t:試験

片の厚さ)とする。


4

Z 3225 : 1999

図 1  縦曲げ試験の試験材の寸法及び試験片の採取位置

7.

検査  検査は,次による。

a)

溶接棒は,品質及び寸法が 4.及び 5.の規定に適合しなければならない。

b)

溶接棒は,分析試験,引張試験,衝撃試験及び縦曲げ試験のうち,いずれか一つの試験が不合格であ

った場合は,その試験について 1 回だけ再試験を行うことができ,その成績が規定に適合しなければ

ならない。

8.

包装  包装は,JIS Z 3200 の 5.(包装)による。

9.

製品の呼び方  製品の呼び方は,溶接棒の種類,径及び長さによる。

10.

表示  表示は,JIS Z 3200 の 4.(表示)による。

付表 1  引用規格

JIS G 1281

  ニッケルクロム鉄合金分析方法

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3127

  低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板

JIS Z 3111

  溶着金属の引張及び衝撃試験方法

JIS Z 3122

  突合せ溶接継手の曲げ試験方法


5

Z 3225 : 1999

JIS Z 3184

  溶着金属の化学分析用試料の作製方法

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

桑  名      武

東北大学名誉教授

(幹事)

和  田      豊

日鐵溶接工業株式会社技術本部

(委員)

林      明  夫

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院標準部

中  原  征  治

通商産業省工業技術院機械研究所技術交流推進センター

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会技術部

中  川  昌  俊

財団法人日本規格協会技術部

堀  田  東  男

社団法人軽金属溶接構造協会

池  原  康  允

ステンレス協会開発事業部技術専門部

鈴  木      宏

千代田プロテック株式会社川崎工場

二  村  幸  作

株式会社巴コーポレーション技術開発部

小見山  輝  彦

日本鋼管工事株式会社技術開発センター

森      三  郎

日本鋼管工事株式会社

中  村      稔

日本油脂株式会社技術部

佐  藤  千  年

日本ウェルディング・ロッド株式会社浜北製造所品質保

証部

中  井  洋  二

株式会社神戸製鋼所溶接事業部技術部

松  本  剛  郎

川崎製鉄株式会社溶接棒営業部

松  本      茂

住金溶接工業株式会社技術部

宮  尾  信  昭

四国溶材株式会社

(事務局)

池  原  平  晋

社団法人日本溶接協会