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Z 3223

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  種類及び記号の付け方

2

5

  品質

3

5.1

  溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態

3

5.2

  溶着金属の化学成分

3

5.3

  溶着金属の機械的性質

5

5.4

  溶接棒が適用できる溶接姿勢及び電流の種類

6

5.5

  溶着金属の水素量

7

6

  試験方法

7

6.1

  ロットの決め方

7

6.2

  溶着金属の分析試験

7

6.3

  溶着金属の引張試験

7

6.4

  すみ肉溶接試験

8

6.5

  溶着金属の水素量試験

8

7

  検査方法

9

8

  製品の呼び方

9

9

  表示

9

9.1

  製品の表示

9

9.2

  包装の表示

9

10

  包装

9

11

  検査証明書

10

附属書 A(参考)ISO 3580 System A

11

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

18


Z 3223

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本溶接

協会(JWES)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 3223:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3223

:2010

モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用

被覆アーク溶接棒

Covered electrodes for molybdenum steel and chromium molybdenum steel

序文

この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 3580 を基に作成した日本工業規格である。ISO 3580

は,EN 1599 と環太平洋地域で使用されている規格との共存形であり,共存する両方又はいずれかの規格

を特定の市場に適用してもよいとしている。このため,環太平洋地域で使用されている規格に該当する部

分(ISO 3580 System B)を本体で規定し,EN 1599 に該当する部分(ISO 3580 System A)は,参考として

附属書 に示した。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,フェライト系及びマルテンサイト系の低合金鋼であって耐クリープ性をもつモリブデン鋼

及びクロムモリブデン鋼用の溶接後熱処理を行って使用する被覆アーク溶接棒(以下,溶接棒という。

)に

ついて規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 3580:2004

, Welding consumables − Covered electrodes for manual metal arc welding of

creep-resisting steels

−Classification(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0321

  鋼材の製品分析方法及びその許容変動値

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS Z 3001-1

  溶接用語−第 1 部:一般

JIS Z 3001-2

  溶接用語−第 2 部:溶接方法

JIS Z 3011

  溶接姿勢−傾斜角及び回転角による定義

注記  対応国際規格:ISO 6947,Welds−Working positions−Definitions of angles of slope and rotation

(MOD)


2

Z 3223

:2010

JIS Z 3111

  溶着金属の引張及び衝撃試験方法

注記  対応国際規格:ISO 15792-1,Welding consumables−Test methods−Part 1: Test methods for

all-weld metal test specimens in steel, nickel and nickel alloys

(MOD)

JIS Z 3118

  鋼溶接部の水素量測定方法

注記  対応国際規格:ISO 3690,Welding and allied processes−Determination of hydrogen content in

ferritic steel arc weld metal

(MOD)

JIS Z 3181

  溶接材料のすみ肉溶接試験方法

注記  対応国際規格:ISO 15792-3,Welding consumables−Test methods−Part 3: Classification testing of

positional capacity and root penetration of welding consumables in a fillet weld

(MOD)

JIS Z 3184

  化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法

注記  対応国際規格:ISO 6847,Welding consumables−Deposition of a weld metal pad for chemical

analysis

(MOD)

JIS Z 3200

  溶接材料−寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装

注記  対応国際規格:ISO 544,Welding consumables−Technical delivery conditions for welding filler

materials

−Type of product, dimensions, tolerances and markings(MOD)

JIS Z 3423

  溶接材料の調達指針

注記  対応国際規格:ISO 14344,Welding and allied processes−Flux and gas shielded electrical welding

processes

−Procurement guidelines for consumables(MOD)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

注記  対応国際規格:ISO 31-0:1992,Quantities and units−Part 0: General principles(MOD)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001-1 及び JIS Z 3001-2 による。

4

種類及び記号の付け方

溶接棒の種類は,溶着金属の機械的性質,被覆剤の種類及び溶着金属の化学成分によって区分し,

図 1

による。さらに,溶着金属の水素量による区分を追加してもよい。

なお,溶着金属の機械的性質,被覆剤の種類及び溶着金属の化学成分の組合せには制約があり,規定す

る種類のすべては,

表 による。


3

Z 3223

:2010

必す(須)区分記号

被覆アーク溶接棒の記号

溶着金属の機械的性質の記号(

表 による。)

被覆剤の種類の記号(被覆剤の系統,溶接姿勢及び電流の種類を含み,

表 による。)

溶着金属の化学成分の記号(

表 による。)

E   X X   X X - X X X   H X

追加できる区分記号

溶着金属の水素量の記号(

表 による。)

図 1−溶接棒の種類の記号の付け方

表 1−被覆剤の種類

記号

被覆剤の系統

溶接姿勢

a)

電流の種類

b)

10

c)

高セルロース系

全姿勢 DC

(

+)

11

c)

高セルロース系

全姿勢 AC 及び/又は DC (+)

13

d)

高酸化チタン系

全姿勢

e)

 AC

及び/又は DC (±)

15

低水素系

全姿勢

e)

 DC

(

+)

16

低水素系

全姿勢

e)

 AC

及び/又は DC (+)

18

鉄粉低水素系 PG を除く全姿勢 AC 及び/又は DC (+)

19

c)

イルミナイト系

全姿勢

e)

 AC

及び/又は DC (±)

20

c)

酸化鉄系 PA 及び PB AC 及び/又は DC (−)

27

c)

鉄粉酸化鉄系 PA 及び PB AC 及び/又は DC (−)

a)

溶接姿勢は,JIS Z 3011 による。PA:下向,PB:水平すみ肉,PG:立向下進

b)

電流の種類に用いている記号の意味は,次による。

 AC

:交流,DC (+):棒プラス,DC (−):棒マイナス,DC (±):棒プラス及び棒マイナス

c)

当該被覆剤は,溶着金属の化学成分の記号 1M3 だけに適用する。

d)

当該被覆剤は,E5513-1CM 及び E6213-2C1M だけに適用する。

e)

 PG

(立向下進)は必す(須)ではなく,その適用可否は製造業者の規定による。

5

品質

5.1

溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態

溶接棒の寸法,許容差及び製品の状態は,JIS Z 3200 の規定に適合しなければならない。

5.2

溶着金属の化学成分

溶着金属の化学成分は,6.2 の方法によって分析試験を行ったとき,

表 の規定に適合しなければならな

い。


4

Z 3223

:2010

表 2−溶着金属の化学成分

単位  %(質量分率)

化学成分

a)

b)

c)

記号

C Si

Mn

P S Cr

Mo

V

その他

1M3

0.12

以下

0.80

以下

1.00

以下

0.030

以下

0.030

以下

0.40

0.65

CM

0.05

0.12

0.80

以下

0.90

以下

0.030

以下

0.030

以下

0.40

0.65

0.40

0.65

C1M

0.07

0.15

0.30

0.60

0.40

0.70

0.030

以下

0.030

以下

0.40

0.60

1.00

1.25

0.05

以下

1CM

0.05

0.12

0.80

以下

0.90

以下

0.030

以下

0.030

以下

1.00

1.50

0.40

0.65

1CML

0.05

以下

1.00

以下

0.90

以下

0.030

以下

0.030

以下

1.00

1.50

0.40

0.65

2C1M

0.05

0.12

1.00

以下

0.90

以下

0.030

以下

0.030

以下

2.00

2.50

0.90

1.20

2C1ML

0.05

以下

1.00

以下

0.90

以下

0.030

以下

0.030

以下

2.00

2.50

0.90

1.20

2CML

0.05

以下

1.00

以下

0.90

以下

0.030

以下

0.030

以下

1.75

2.25

0.40

0.65

2CMWV

0.03

0.12

0.60

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.030

以下

2.00

2.60

0.05

0.30

0.15

0.30

Nb 0.010

∼0.050

W 1.00

∼2.00

2CMWV-Ni

0.03

0.13

0.30

0.90

0.40

1.50

0.030

以下

0.030

以下

1.90

2.60

0.20

以下

0.10

0.40

Nb 0.010

∼0.060

W 1.00

∼2.00

Ni 0.70

∼1.20

2C1MV

0.05

0.15

0.60

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.030

以下

2.00

2.60

0.90

1.20

0.20

0.40

Nb 0.010

∼0.050

3C1MV

0.05

0.15

0.60

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.030

以下

2.60

3.40

0.90

1.20

0.20

0.40

Nb 0.010

∼0.050

5CM

0.05

0.10

0.90

以下

1.00

以下

0.030

以下

0.030

以下

4.0

6.0

0.45

0.65

− Ni

0.40

以下

5CML

0.05

以下

0.90

以下

1.00

以下

0.030

以下

0.030

以下

4.0

6.0

0.45

0.65

− Ni

0.40

以下

9C1M

0.05

0.10

0.90

以下

1.00

以下

0.030

以下

0.030

以下

8.0

10.5

0.85

1.20

− Ni

0.40

以下

9C1ML

0.05

以下

0.90

以下

1.00

以下

0.030

以下

0.030

以下

8.0

10.5

0.85

1.20

− Ni

0.40

以下

9C1MV

0.08

0.13

0.30

以下

1.20

以下

0.01

以下

0.01

以下

8.0

10.5

0.85

1.20

0.15

0.30

Ni 0.80

以下

(Mn

+Ni) 1.50 以下

Cu 0.25

以下

Al 0.04

以下

Nb 0.02

∼0.10

N 0.02

∼0.07

9C1MV1

0.03

0.12

0.60

以下

0.85

1.80

0.025

以下

0.025

以下

8.0

10.5

0.80

1.20

0.15

0.30

Ni 1.0

以下

Cu 0.25

以下

Al 0.04

以下

Nb 0.02

∼0.10

N 0.02

∼0.07


5

Z 3223

:2010

表 2−溶着金属の化学成分(続き)

単位  %(質量分率)

化学成分

a)

b)

c)

記号

C Si

Mn

P S Cr

Mo

V

その他

9CMWV-Co

0.03

0.12

0.60

以下

0.40

1.30

0.025

以下

0.025

以下

8.0

10.5

0.10

0.50

0.10

0.50

Co 1.00

∼2.00

Nb 0.010

∼0.050

W 1.00

∼2.00

Ni 0.30

∼1.00

N 0.02

∼0.07

9CMWV-Cu

0.05

0.10

0.50

以下

0.40

1.30

0.030

以下

0.030

以下

8.0

11.0

0.10

0.50

0.10

0.50

Cu 1.00

∼2.00

Nb 0.010

∼0.050

W 1.00

∼2.00

Ni 0.50

∼1.20

N 0.02

∼0.07

10C1MV

0.03

0.12

0.60

以下

1.00

1.80

0.025

以下

0.025

以下

9.5

12.0

0.80

1.20

0.15

0.35

Ni 1.0

以下

Cu 0.25

以下

Al 0.04

以下

Nb 0.04

∼0.12

N 0.02

∼0.07

G

化学成分の要求値は,受渡当事者間の協定による。

a)

分析値は,JIS Z 8401 によって,表中に規定する値と同じ有効数字に丸めなければならない。

b)

“−”は,その化学成分を規定しないことを意味する。

c)

鉄以外の成分であって,この表で規定しない成分を溶着金属の分析試験(6.2 参照)の過程で検出したと
き又は意図的に添加したときは,それらの成分の合計は,0.50  %(質量分率)以下でなければならない。

また,この表で規定しない成分を意図的に添加したときは,分析値を報告しなければならない。

5.3

溶着金属の機械的性質

溶着金属の引張強さ,耐力(0.2  %耐力又は下降伏点)及び伸びは,6.3 の方法によって引張試験を行っ

たとき,

表 の規定に適合しなければならない。

表 3−溶着金属の機械的性質

溶接棒の種類

熱管理条件

溶接後熱処理

溶着金属の

機械的性質

の記号

a)

被覆剤

の種類

の記号

a)

溶着金属の

化学成分の

記号

引張強さ

MPa

耐力

b)

MPa

伸び

c)

予熱及び

パス間温度

温度

d)

保持時間

e)

min

49 XX 1M3

490

以上

390

以上

22

以上

90

∼110 605∼645 60

49 YY 1M3

490

以上

390

以上

20

以上

90

∼110 605∼645 60

55 XX  CM

550

以上

460

以上

17

以上

160

∼190 675∼705 60

55 XX C1M

550

以上

460

以上

17

以上

160

∼190 675∼705 60

55 XX 1CM

550

以上

460

以上

17

以上

160

∼190 675∼705 60

55 13 1CM

550

以上

460

以上

14

以上

160

∼190 675∼705 60

52 XX 1CML

520

以上

390

以上

17

以上

160

∼190 675∼705 60

62 XX 2C1M

620

以上

530

以上

15

以上

160

∼190 675∼705 60

62 13 2C1M

620

以上

530

以上

12

以上

160

∼190 675∼705 60

55 XX

2C1ML

550

以上

460

以上

15

以上

160

∼190 675∼705 60

55 XX 2CML

550

以上

460

以上

15

以上

160

∼190 675∼705 60

57 XX 2CMWV 570

以上

490

以上

15

以上

160

∼190 700∼730 120

57 XX 2CMWV-Ni 570

以上

490

以上

15

以上

160

∼190 700∼730 120


6

Z 3223

:2010

表 3−溶着金属の機械的性質(続き)

溶接棒の種類

熱管理条件

溶接後熱処理

溶着金属の

機械的性質

の記号

a)

被覆剤

の種類

の記号

a)

溶着金属の

化学成分の

記号

引張強さ

MPa

耐力

b)

MPa

伸び

c)

予熱及び

パス間温度

温度

d)

保持時間

e)

min

62 XX

2C1MV

620

以上

530

以上

15

以上

160

∼190 725∼755 60

62 XX

3C1MV

620

以上

530

以上

15

以上

160

∼190 725∼755 60

55 XX 5CM

550

以上

460

以上

17

以上

175

∼230 725∼755 60

55 XX 5CML

550

以上

460

以上

17

以上

175

∼230 725∼755 60

62 XX 9C1M

620

以上

530

以上

15

以上

205

∼260 725∼755 60

62 XX

9C1ML

620

以上

530

以上

15

以上

205

∼260 725∼755 60

62 XX

9C1MV

620

以上

530

以上

15

以上

230

∼290 745∼775 120

62 XX

9C1MV1

620

以上

530

以上

15

以上

205

∼260 725∼755 60

69 XX 9CMWV-Co 690

以上

600

以上

15

以上

205

∼260 725∼755 480

69 XX 9CMWV-Cu 690

以上

600

以上

15

以上

200

∼230 725∼755 300

83 XX 10C1MV 830

以上

740

以上

12

以上

205

∼260 675∼705 480

AA ZZ  G

機械的性質の要求値は,受渡当事者間の協定による。

注記 1

MPa

=1 N/mm

2

a)

被覆剤の種類の記号の XX は,15,16 又は 18 とし,YY は,10,11,19,20 又は 27 とし,ZZ は,

表 に規

定するいずれかの記号とする。溶着金属の機械的性質の記号の AA は,49,52,55,57,62,69 又は 83 とす

る。

b)

降伏が発生した場合は,下降伏点とし,それ以外は,0.2  %耐力とする。

c)

伸びは,破断伸びとする。

d)

加熱速度は,85∼275  ℃/h でなければならない。また,300  ℃以上の温度域の冷却は,200  ℃/h 以下の速度
で炉内で行わなければならない。

e)

保持時間の許容差は,   min とする。

5.4

溶接棒が適用できる溶接姿勢及び電流の種類

溶接棒が適用できる溶接姿勢及び電流の種類は,次による。

a)

溶接棒が適用できる溶接姿勢は,棒径によって異なってもよいが,6.4 の方法によってすみ肉溶接試験

を行ったとき,

表 に規定する合格判定基準に適合しなければならない。

b)

溶接棒が適用できる電流の種類は,被覆剤の種類ごとに,

表 に規定する電流の種類の中から,製造

業者が選択する。

表 4−すみ肉溶接試験の合格判定基準

単位  mm

すみ肉のサイズ

脚長差

膨らみ

4.0

以下 1.0 以下 1.0 以下

4.5

又は 5.0 1.5 以下 1.5 以下

5.5 2.0

以下 1.5 以下

6.0

又は 6.5 2.5 以下 1.5 以下

7.0 3.0

以下 1.5 以下

7.5

又は 8.0 3.0 以下 2.0 以下

8.5 3.5

以下 2.0 以下

9.0

以上 4.0 以下 2.0 以下

+10

0


7

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:2010

5.5

溶着金属の水素量

溶着金属の水素量によって区分する場合,溶着金属の水素量は,6.5 の方法によって水素量試験を行った

とき,

表 の規定に適合しなければならない。

なお,製造業者は,

表 の水素量の規定を満たすのに適した電流の種類及び再乾燥条件についての情報

を提供しなければならない。

表 5−溶着金属の水素量

単位  mL/100 g

記号

水素量

H5

5

以下

H10 10

以下

H15 15

以下

6

試験方法

6.1

ロットの決め方

溶接棒のロットは,JIS Z 3423 による。

6.2

溶着金属の分析試験

溶着金属の分析試験は,次による。

a)

試験は,すべての棒径で行う。

b)

溶着金属の作製方法及び分析試料の採取方法は,JIS Z 3184 による。

c)

溶着金属の分析試料として,b)  の代わりに 6.3 の試験によって破断した引張試験片の平行部の残材又

は平行部該当位置から採取してもよい。

d)

溶着金属の分析方法は,JIS G 0321 の 5.(分析方法)に規定する方法又はそれに対応する ISO 規格の

分析方法による。

6.3

溶着金属の引張試験

溶着金属の引張試験は,次の a)∼e)  によるほか,JIS Z 3111 による。

a)

試験板の形状及び寸法  試験板の形状及び寸法は,JIS Z 3111 に規定する記号 1.3 の試験板を使用する。

ただし,棒径が 4.0 mm 未満の場合は,JIS Z 3111 に規定する記号 1.0 又は 1.1 の試験板を用いてもよ

い。

b)

試験を行う棒径  試験を行う棒径は,すべての棒径を代表して 4.0 mm とする。ただし,4.0 mm を製

造していない場合は,製造している中で 4.0 mm に最も近い棒径で試験を行う。

c)

溶接条件  溶接条件は,次による。

1)

溶接電流の値は,製造業者が推奨する電流範囲の最大値の 70∼90  %とする。

2)

電流の種類は,適用できる電流の種類が交流を含む場合は交流とし,含まない場合は製造業者が推

奨する極性の直流とする。

3)

層数は,7∼9 層とし,各層は 2 パスとするが,最終の 2 層は 3 パスでもよい。溶接方向は,各パス

内で変更してはならない。ただし,棒径が 4.0 mm 以外の場合は,製造業者が推奨する層数による。

4)

試験板の溶接における予熱及びパス間温度は,

表 による。

d)

溶接後熱処理  試験材には,表 に規定する溶接後熱処理を行う。

e)

引張試験片  引張試験片は,JIS Z 3111 に規定する A0 号試験片とする。


8

Z 3223

:2010

6.4

すみ肉溶接試験

すみ肉溶接試験は,次の a)∼g)  によるほか,JIS Z 3181 による。

a)

試験板の材質は,次の 1)∼3)  のいずれかとする。

1)  JIS G 3101

に規定する SS400

2)  JIS G 3106

に規定する SM400A∼SM400C 又は SM490A∼SM490C

3)

炭素含有量が 0.30  %(質量分率)以下の非合金鋼

b)

試験板の幅は,75 mm 以上とする。また,試験板の呼び厚さは,10∼12 mm とする。

c)

電流の種類は,6.3 c)  の 2)  による。

d)

溶接電流及び運棒方法は,製造業者の推奨による。

e)

溶接は,試験板の片側とし,繰返し数は,1 回とする。

f)

すみ肉溶接試験の試験条件は,

表 とする。

g)

すみ肉溶接試験の合格判定基準は,

表 とする。

表 6−すみ肉溶接試験の試験条件

単位  mm

被覆剤の種類の記号

棒径

a)

溶接姿勢

試験板長さ

すみ肉のサイズ

5.0 PF

及び PD 300 以上 8.0 以下

10

6.0 PB

400

以上 6.0 以上

5.0 PF

及び PD 300 以上 8.0 以下

11

6.0 PB

400

以上 6.0 以上

5.0 PF

及び PD 300 以上 10.0 以下

13

6.0 PB

400

以上 8.0 以上

4.0 PF

及び PD 300 以上 8.0 以下

15

6.0 PB

400

以上 8.0 以上

4.0 PF

及び PD 300 以上 8.0 以下

16

6.0 PB

400

以上 8.0 以上

4.0 PF

及び PD 300 以上 8.0 以下

18

6.0 PB

400

以上 8.0 以上

5.0 PF

及び PD 300 以上 10.0 以下

19

6.0 PB

400

以上 8.0 以上

20 6.0 PB

400

以上 8.0 以上

27 6.0 PB

400

以上

b)

8.0

以上

a)

溶接姿勢ごとに,製造業者の推奨棒径の最大径がこの表に規定する棒径よりも小さい場合は,推奨棒径
の最大棒径によって試験を行い,すみ肉のサイズの規定値を,推奨棒径の最大径と規定棒径との間で比
例案分して補正する。この場合を除いて,規定していない棒径での試験は行わない。

b)

棒長 700 mm 以上の場合は,試験板長さは 650 mm 以上とする。

6.5

溶着金属の水素量試験

溶着金属の水素量試験は,次の a)  及び b)  によるほか,JIS Z 3118 による。

a)

試験を行う棒径は,6.3 b)  による。

b)

溶接電流の値は,6.3  c)  によるものとし,電流の種類は,適用できる電流の種類が交流を含む場合は

交流とし,含まない場合は棒プラスとする。


9

Z 3223

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7

検査方法

検査方法は,次による。

a)

溶接棒の検査項目は,JIS Z 3423 に規定する試験スケジュールによる。

b)

検査は,溶接棒のロットごとに,JIS Z 3423 による試験スケジュールに従い,箇条 によって試験し,

該当する箇条 の規定に適合しなければならない。

c)

試験スケジュールに従い,箇条 によって実施した分析試験,引張試験,すみ肉溶接試験及び水素量

試験のいずれかの試験結果が,箇条 の規定に適合しなかった場合には,適合しなかったすべての試

験について倍数の再試験を行い,そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この場合

の再試験のための試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製し

た試験材から採取する。また,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した成分は,再試験

を行わなくてもよい。

d)

試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きを行っていない試験を含み,試験結果が合否の判

定に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかん(如何)

にかかわらず無効とする。

無効となった試験は,

正規の手続きに従って繰り返されなければならない。

なお,この場合は,c)  に規定する再試験の対象とはしない。

8

製品の呼び方

製品の呼び方は,溶接棒の種類,棒径及び長さによる。

例 1 E4916-1M3  − 4.0  − 400

溶接棒の種類

棒径

長さ

        49:溶着金属の引張強さが 490 MPa 以上

        16:被覆剤の種類が低水素系

        1M3:溶着金属の化学成分(

表 による。)

例 2 E5516-1CM

H5

− 5.0  − 400

溶接棒の種類

棒径

長さ

        55:溶着金属の引張強さが 550 MPa 以上

        16:被覆剤の種類が低水素系

        1CM:溶着金属の化学成分(

表 による。)

        H5:溶着金属の水素量(単位:mL/100 g)が 5 以下

9

表示

9.1

製品の表示

製品の表示は,JIS Z 3200 による。

9.2

包装の表示

包装の表示は,規格番号を表示するほか,JIS Z 3200 による。

10

包装

包装は,JIS Z 3200 による。


10

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11

検査証明書

検査証明書は,JIS Z 3200 による。


11

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附属書 A

参考)

ISO 3580 System A

序文

この附属書は,対応国際規格である ISO 3580 に規定している“System A”に相当し,本体の規定を補足

するものであって,規定の一部ではない。

A.1

  適用範囲

この附属書は,溶接後熱処理を行った溶着金属を基にした,フェライト系及びマルテンサイト系の耐ク

リープ鋼及び低合金耐熱鋼の溶接に使用する被覆アーク溶接棒の分類に関する要求事項を規定する。

A.2

  引用規格

次に示す規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の一部を構成する。

ISO 31-0:1992

,Quantities and units−Part 0: General principles

ISO 544

,Welding consumables−Technical delivery conditions for welding filler materials−Type of product,

dimensions, tolerances and markings

ISO 2401

,Covered electrodes−Determination of the efficiency, metal recovery and deposition coefficient

ISO 3690

,Welding and allied processes−Determination of hydrogen content in ferritic steel arc weld metal

ISO 6847

,Welding consumables−Deposition of a weld metal pad for chemical analysis

ISO 6947

,Welds−Working positions−Definitions of angles of slope and rotation

ISO 13916

,Welding−Guidance on the measurement of preheating temperature, interpass temperature and

preheat maintenance temperature

ISO 14344

,Welding and allied processes−Flux and gas shielded electrical welding processes−Procurement

guidelines for consumables

ISO 15792-1

,Welding consumables−Test methods−Part 1: Test methods for all-weld metal test specimens in

steel, nickel and nickel alloys

ISO 15792-3

,Welding consumables−Test methods−Part 3: Classification testing of positional capacity and

root penetration of welding consumables in a fillet weld

A.3

  分類

A.3.1

  分類記号

溶接棒は,溶接姿勢を除き,棒径 4.0 mm の特性によって,6 種類の記号によって分類し,次による。

a)

製品/プロセスの記号

b)

溶着金属の化学成分の記号(

表 A.1 参照)

c)

溶接棒の被覆の種類の記号(A.4.4 参照)

d)

溶接棒の公称溶着効率及び電流の種類の記号(

表 A.3 参照)

e)

適用溶接姿勢の記号(

表 A.4 参照)

f)

溶着金属の水素量の記号(

表 A.5 参照)


12

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A.3.2

  必す(須)及び任意の分類

この附属書の使用を促進するため,溶接棒の分類は,次による。

a)

必す(須)の分類は,製品のタイプ,化学成分及び被覆の種類による分類とする。これらの分類の記

号は,A.4.1A.4.2 及び A.4.4 で規定する記号である。

b)

任意の分類は,

公称溶着効率及び電流の種類,

溶接棒の適用溶接姿勢並びに水素量による分類とする。

これらの分類の記号は,A.4.5A.4.6 及び A.4.7 で規定する記号である。

A.3.3

  種類の表示

包装,製造業者の印刷物及びデータシートにおいては,溶接棒の種類の表示にすべての分類記号(A.10

参照)を使用しなければならない。

A.4

  分類記号及び要求事項

A.4.1

  製品/プロセスの記号

被覆アーク溶接棒/被覆アーク溶接の記号は,E とする。

A.4.2

  溶着金属の化学成分の記号

表 A.1 の記号は,A.6 によって得た溶着金属の化学成分を示す。

表 A.1−溶着金属の化学成分の記号

単位  %(質量分率)

化学成分

a)

b)

化学成分の記号

C Si

Mn

P S Cr

Mo

V

その他

c)

Mo

0.10

以下

0.80

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.025

以下

0.2

以下

0.40

0.70

0.03

以下

MoV

0.03

0.12

0.80

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.025

以下

0.30

0.60

0.80

1.20

0.25

0.60

CrMo0.5

0.05

0.12

0.80

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.025

以下

0.40

0.65

0.40

0.65

CrMo1

0.05

0.12

0.80

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.025

以下

0.90

1.40

0.45

0.70

CrMo1L

0.05

以下

0.80

以下

0.40

1.50

0.030

以下

0.025

以下

0.90

1.40

0.45

0.70

CrMoV1

0.05

0.15

0.80

以下

0.70

1.50

0.030

以下

0.025

以下

0.90

1.30

0.90

1.30

0.10

0.35

CrMo2

0.05

0.12

0.80

以下

0.40

1.30

0.030

以下

0.025

以下

2.0

2.6

0.90

1.30

CrMo2L

0.05

以下

0.80

以下

0.40

1.30

0.030

以下

0.025

以下

2.0

2.6

0.90

1.30

CrMo5

0.03

0.12

0.80

以下

0.40

1.50

0.025

以下

0.025

以下

4.0

6.0

0.40

0.70

CrMo9

0.03

0.12

0.60

以下

0.40

1.30

0.025

以下

0.025

以下

8.0

10.0

0.90

1.20

0.15

以下

Ni 1.0

以下

CrMo91

0.06

0.12

0.60

以下

0.40

1.50

0.025

以下

0.025

以下

8.0

10.5

0.80

1.20

0.15

0.30

Ni 0.40

∼1.00

Nb 0.03

∼0.10

N 0.02

∼0.07

CrMoWV12

0.15

0.22

0.80

以下

0.40

1.30

0.025

以下

0.025

以下

10.0

12.0

0.80

1.20

0.20

0.40

Ni 0.8

以下

W 0.40

∼0.60


13

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表 A.1−溶着金属の化学成分の記号(続き)

単位  %(質量分率)

化学成分

a)

b)

化学成分の記号

C Si

Mn

P S Cr

Mo

V

その他

c)

Z

化学成分の要求値は,受渡当事者間の協定による。

a)

分析値は,ISO 31-0:1992 の

附属書 の規則 A に従って,規定値と同じ有効数字に丸める。

b)

“−”は,その化学成分を規定しないことを意味する。

c)

規定しない場合は,Ni:0.3  %未満,Cu:0.3  %未満及び Nb:0.01  %未満とする。

A.4.3

  溶着金属の機械的性質の記号

溶着金属の機械的性質の記号は,規定しない。ただし,

表 A.1 の化学成分の記号の溶接棒は,A.5 の条

件で得た溶着金属が

表 A.2 の規定に適合しなければならない。

表 A.2−溶着金属の機械的性質

引張試験

衝撃試験

a)

熱管理条件

吸収エネルギー

溶接後熱処理

化学成分の

記号

耐力

b)

MPa

引張強さ

MPa

伸び

c)

平均値

J

最小値

J

予熱及び

パス間温度

温度

d)

保持時間

min

Mo 355

以上 510 以上 22 以上

47

以上

38

以上

200

未満 570∼620 60

e)

MoV 355

以上 510 以上 18 以上

47

以上

38

以上

200

∼300 690∼730 60

e)

CrMo0.5 355

以上 510 以上 22 以上

47

以上

38

以上

100

∼200 600∼650 60

e)

CrMo1 355

以上 510 以上 20 以上

47

以上

38

以上

150

∼250 660∼700 60

e)

CrMo1L 355

以上 510 以上 20 以上

47

以上

38

以上

150

∼250 660∼700 60

e)

CrMoV1 435

以上 590 以上 15 以上

24

以上

19

以上

200

∼300 680∼730 60

e)

CrMo2 400

以上 500 以上 18 以上

47

以上

38

以上

200

∼300 690∼750 60

e)

CrMo2L 400

以上 500 以上 18 以上

47

以上

38

以上

200

∼300 690∼750 60

e)

CrMo5 400

以上 590 以上 17 以上

47

以上

38

以上

200

∼300 730∼760 60

e)

CrMo9 435

以上 590 以上 18 以上

34

以上

27

以上

200

∼300 740∼780 120

e)

CrMo91 415

以上 585 以上 17 以上

47

以上

38

以上

200

∼300 750∼770 120∼180

CrMoWV12 550

以上 690 以上 15 以上

34

以上

27

以上

250

∼350

f)

又は

400

∼500

f)

740

∼780 120

e)

Z

機械的性質の要求値は,受渡当事者間の協定による。

注記 1

MPa

=1 N/mm

2

a)

衝撃試験温度は,+20  ℃とし,かつ,試験片個数は,3 本とする。

b)

降伏が発生した場合は,下降伏点とし,それ以外は,0.2  %耐力とする。

c)

伸びは,破断伸びとする。

d)

 300

℃以上の温度域の冷却は,200  ℃/h 以下の速度で炉内で行わなければならない。

e)

許容差は,±10 min とする。

f)

溶接完了直後に 100∼120  ℃に冷却し,この温度範囲で 1 h 以上保持してもよい。

A.4.4

  溶接棒の被覆の種類の記号

溶接棒の被覆の種類は,溶接作業性及び溶着金属の性能を実質的に決定する。分類記号を次に示す。

R

:ルチル系

B

:塩基性系

注記  それぞれの被覆種類の特性は,ISO 3580 の附属書 を参照。


14

Z 3223

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A.4.5

  溶接棒の公称溶着効率及び電流の種類の記号

表 A.3 の記号は,ISO 2401 及び表 A.3 の電流の種類によって求めた溶接棒の公称溶着効率を示す。

表 A.3−溶接棒の公称溶着効率及び電流の種類の記号

記号

公称溶着効率

電流の種類

a)

1

≦105 AC 及び DC

2

≦105 DC

3

>105 かつ≦125 AC 及び DC

4

>105 かつ≦125 DC

a)

交流での作業性を実証するために,交流の試験は,無負荷電圧 65 V 以下で行う。

A.4.6

  適用溶接姿勢の記号

適用溶接姿勢の記号は,

表 A.4 による。ISO 15792-3 によって適用性を試験する。

表 A.4−適用溶接姿勢の記号

記号

溶接姿勢

a)

1 PA

,PB,PC,PD,PE,PF,PG

2 PA

,PB,PC,PD,PE,PF

3 PA

,PB

4 PA

,PB,PG

a)

溶接姿勢の記号は,ISO 6947 による。

A.4.7

  溶着金属の水素量の記号

表 A.5 の記号は,ISO 3690 の方法によって得た,4.0 mm の溶接棒による溶着金属の水素量を示す。溶接

電流は,製造業者が推奨する最大電流の 70∼90  %とする。交流の使用を推奨している溶接棒は,交流で

試験する。直流だけを推奨している溶接棒は,棒プラスで試験する。製造業者は,水素量規定値を満足さ

せるために推奨する電流の種類及び再乾燥条件の情報を提供しなければならない。

表 A.5−溶着金属の水素量の記号

単位  mL/溶着金属 100 g

記号

水素量

H5 5

以下

H10 10

以下

H15 15

以下

A.5

  機械的性質

A.5.1

  一般

引張試験及び衝撃試験は,

表 A.2 に規定する溶接後熱処理を行ってから行わなければならない。使用す

る試験板は ISO 15792-1 に準拠したタイプ 1.3,溶接棒のサイズは 4.0 mm,並びに溶接条件は A.5.2 及び

A.5.3

とする。


15

Z 3223

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A.5.2

  予熱及びパス間温度

予熱及びパス間温度は,

表 A.2 の規定に適合しなければならない。また,ISO 13916 によって温度チョ

ーク,表面温度計又は熱電対で測定しなければならない。

なお,パス間温度が規定の範囲を超えた場合は,試験体は,大気中で冷却されなければならない。

A.5.3

  溶接パス積層法

溶接パス積層法は,

表 A.6 とする。一つのパスの中で溶接方向を変えてはならない。個々のパスは,製

造業者が推奨する最大溶接電流の 70∼90  %の電流で溶接しなければならない。被覆の種類にかかわらず,

適用電流の種類が交流及び直流である場合は交流で,直流だけである場合は,製造業者が推奨する極性の

直流で溶接しなければならない。

表 A.6−溶接パス積層法

振分け

棒径

mm

層番号

1

層のパス数

層数

4.0 1

∼最終 2

a)

7

∼9

a)

最終 2 層は,1 層 3 パスで仕上げてもよい。

A.6

  化学分析

化学分析は,それに適するものであればどのような試験片を用いてもよい。疑義が生じる場合は,ISO 

6847

に準拠した試験片を用いなければならない。どのような分析技術を用いてもよいが,疑義が生じる場

合は確立され公開されている方法でなければならない。

化学分析の結果は,

表 A.1 に適合しなければならない。

A.7

  すみ肉溶接試験

すみ肉溶接試験は,次による。

a)

すみ肉溶接試験体は,ISO 15792-3 に準拠しなければならない。

b)

母材は,製造業者が推奨する適用材料から選ぶか,又は炭素量が 0.30  %(質量分率)以下の非合金鋼

を使用しなければならない。

c)

母材表面にはスケール,さび及びその他の不純物の付着があってはならない。

d)

母材は,厚さ  (t) 10∼12 mm,幅  (w) 75 mm 以上及び長さ  (l) 300 mm 以上とする。

e)

被覆の種類ごとの供試溶接棒径,溶接姿勢及び試験要求値は,

表 A.7 による。

表 A.7−すみ肉溶接試験

単位  mm

溶接姿勢の

記号

被覆の種類の

記号

試験姿勢

棒径

a)

理論のど厚

脚長差

膨らみ量

R

1

又は 2

B

6.0 5.0

以上 2.0 以下 3.0 以下

R 6.0

4

B

PB

5.0

4.5

以上 1.5 以下 2.5 以下

R 4.5

以下

1

又は 2

B

PF 4.0

5.5

以下

− 2.0 以下


16

Z 3223

:2010

表 A.7−すみ肉溶接試験(続き)

単位  mm

溶接姿勢の

記号

被覆の種類の

記号

試験姿勢

棒径

a)

理論のど厚

脚長差

膨らみ量

R 4.5

以下 1.5 以下 2.5 以下

1

,2 又は 4

B

PD 4.0

5.5

以下 2.0 以下 3.0 以下

4 B PG 4.0

5.0

以上

− 1.5 以下

b)

注記 1  溶接姿勢の記号“2”,かつ,被覆の種類の記号“B”である溶接棒は,次の 3 個のすみ肉試験が要求される。

試験姿勢 PB で棒径 6.0 mm,試験姿勢 PD で棒径 4.0 mm,及び試験姿勢 PF で棒径 4.0 mm

注記 2  溶接姿勢の記号“3”は,すみ肉溶接試験が要求されない。 

a)

指定された溶接姿勢での溶接棒の適用最大サイズが規定サイズより小さい場合は,その最大サイズの溶接棒
を用いて溶接し,基準値を比例案分で補正する。そうでない場合には,表示されていないサイズの溶接棒は
試験を行う必要がない。

b)

最大へこみ量とする。

A.8

  再試験

いずれかの試験結果がその規定に適合しなかった場合には,適合しなかったすべての試験について倍数

の再試験を行い,そのいずれの試験結果もその規定に適合しなければならない。この場合の再試験のため

の試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験材から採取す

る。また,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した元素は,再試験を行わなくてもよい。

試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きがなされていない試験は,試験の進行状況又は結果

のいかん(如何)にかかわらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなけ

ればならない。ただし,この場合は,倍数の再試験を行わなくてもよい。

A.9

  技術的受渡条件

技術的受渡条件は,ISO 544 及び ISO 14344 の要求事項に適合しなければならない。

A.10

  種類の表示例

溶接棒の種類は,

“ISO 3580-A”に続けて,次の例に示すように表示しなければならない。

例  被覆アーク溶接棒 (E) であって,その溶着金属の化学成分が 1.1  %Cr 及び 0.6  %Mo (CrMo1)  で

あり,被覆の種類が塩基性系 (B) であり,直流での溶着効率が 120  % (4) であり,下向突合せ

溶接及び下向すみ肉溶接で試験 (4) され,ISO 3690 によって得た水素量が溶着金属 100 g 当たり

5 mL (H5)

以下である溶接棒の種類の表示は,ISO 3580-A-E CrMo1 B 4 4 H5 となる。

必すの分類による種類の表示は,ISO 3580-A-E CrMo1 B である。

ここに,

 ISO

3580-A

ISO 3580 の“System A”

(耐力及び 47 J の吸収エネルギーによる分類)

E

:被覆アーク溶接棒/被覆アーク溶接(A.4.1 参照)

 CrMo1

:溶着金属の化学成分(

表 A.1 参照)

B

:溶接棒の被覆の種類:塩基性系(A.4.4 参照)

4

:公称溶着効率及び電流の種類(

表 A.3 参照)

4

:適用溶接姿勢(

表 A.4 参照)

 H5

:水素量(

表 A.5 参照)


17

Z 3223

:2010

注記  この例の溶接棒は,適用溶接姿勢の記号が 4 及び被覆の種類が B であり,表 A.7 によって次の

3

個のすみ肉溶接試験が要求されるが,ここでは原文のまま翻訳した。

試験姿勢 PB で棒径 5.0 mm,試験姿勢 PD で棒径 4.0 mm,及び試験姿勢 PG で棒径 4.0 mm


18

Z 322

3


201

0

18

Z 322

3


201

0

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Z 3223:2010

  モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用被覆アーク溶接棒

ISO 3580:2004

,Welding consumables−Covered electrodes for manual metal arc welding

of creep-resisting steels

−Classification

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(Ⅱ)

国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

1

適 用 範

対応国際規格(ISO 

3580

)の System B

を採用

1 System

A

EN 1599 に該当

する部分)と System B と

を規定

削除

JIS

は,System B を採用して規

定した。

対応国際規格では,System A 及び/
又は B を使用できる。

2

引 用 規

3

用 語 及

び定義

JIS Z 3001-1

及 び

JIS Z 3001-2

を引用

追加

JIS

では,専門用語及び定義の

規格の引用を記載した。

技術的な差異はない。

4

種 類 及

び 記 号 の

付け方

溶 着 金 属 の 機 械 的
性質の記号を規定

4.3B

溶 着 金 属 の 機 械 的 性 質
(引張強さ)の記号を規

一致

被 覆 剤 の 種 類 を 規

4.4B

被覆剤の種類を規定

変更

適用できる電流の種類が 2 種

類ある場合は,“及び/又は”
とした。記号 13 を適用する種
類を E5513-1CM 及び E6213-

2C1M

とした。

変更は,対応国際規格の改正予定に

よる。対応国際規格の誤記による。

5.1

溶 接

棒の寸法,

許 容 差 及
び 製 品 の
状態

溶接棒の寸法,許容
差 及 び 製 品 の 状 態

を規定

9

溶接棒の寸法,許容差及
び製品の状態を規定

追加

JIS

では,JIS Z 3200 で棒の偏

心率及びつかみの長さの規定

を追加している。

ユーザニーズによって規定した。

5.2

溶 着

金 属 の 化

学成分

溶 着 金 属 の 化 学 成
分 の 記 号 及 び 成 分

範囲を規定

4.2

溶着金属の化学成分の記
号及び成分範囲を規定

追加

JIS

では,9C1MV の成分を変

更し,国内で使用されている種

類に対応する記号を追加した。

変更は,対応国際規格の改正予定に
よる。追加は,次回見直しに提案す

る。


19

Z 322

3


201

0

19

Z 322

3


201

0

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

5.3

溶 着

金 属 の 機
械的性質

溶 着 金 属 の 機 械 的

性 質 及 び 熱 管 理 条
件を規定

4.3B

溶着金属の機械的性質及

び熱管理条件を規定

追加

JIS

では,9C1MV の溶接後熱

処理の温度及び保持時間を変
更し,国内で使用されている種
類に対応する記号を追加した。

また,2C1MV の保持時間の許
容差を他の種類と統一した。

変更は,対応国際規格の改正予定に

よる。追加は,次回見直しに提案す
る。保持時間の変更は,ユーザニー
ズによる。

5.4

溶 接

棒 が 適 用
で き る 溶

接 姿 勢 及
び 電 流 の
種類

す み 肉 溶 接 試 験 の
合 格 判 定 基 準 を 規

追加

JIS

では,すみ肉溶接試験の合

格判定基準を追加した。

環太平洋地域の規格に整合して追加
した。

試 験 棒 径 を す べ て
の径と規定

6 4.0

mm

だけを規定

追加

JIS

ではすべての棒径で分析試

験を行うとした。

対 応 国 際 規 格 で 示 唆 さ れ て い る の
で,JIS では規定した。

6.2

溶着

金 属 の 分

析試験

分 析 試 料 の 採 取 方
法を規定

6

適切な方法であればよい
が,疑義ある場合は ISO 

6847

とすると規定

選択

JIS

では,選択できる適切な方

法として,引張試験片の平行部

の残材又は平行部該当位置を
規定した。

JIS

では国内で使用されている方法

を規定した。

分析方法を規定

6

適切な方法であればよい

が,疑義ある場合は確立
され公開されている方法
とすると規定

選択

JIS

では,選択できる適切な方

法として,JIS G 0321 に規定さ
れている方法又はそれに対応
する ISO 規格とした。

技術的な差異はない。

6.3

溶 着

金 属 の 引

張試験

4.0 mm

未満の試験

棒 径 及 び そ の 溶 接

条件を規定

5 4.0

mm

だけを規定

追加

JIS

では 4.0 mm を製造してい

ない場合は 4.0 mm に最も近い

棒径で機械的性質の試験を行
うとし,その溶接条件は製造業
者の推奨条件とするとした。

対 応 国 際 規 格 で 示 唆 さ れ て い る の
で,JIS では規定した。

選択

JIS

では,4.0 mm 未満の径の場

合は,それに適した試験板の形

状を選択できるとした。


20

Z 322

3


201

0

20

Z 322

3


201

0

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

試 験 板 の 材 質 を 規

7B

炭素含有量が 0.30  %(質

量分率)以下の非合金鋼
と規定

追加

JIS

では,対応国際規格の規定

に適合した鋼材の JIS 及び種
類を記載した。

ユーザニーズによって,JIS では記載

した。

試 験 板 の 呼 び 厚 さ
を規定

7B

種類及び棒径ごとに,10

mm

又は 12 mm と規定

選択

JIS

では,すべて 10∼12 mm と

した。

技術的な差異はない。

電流の種類を規定

7B AC

又は DC (+)  を規定

変更

JIS

では,溶着金属の引張試験

と同じ種類とした。

技術的な差異はない。

6.4

す み

肉 溶 接 試

す み 肉 の 形 状 を 規

7B

すみ肉の形状を規定

変更

JIS

では,形状の判定基準を変

更した。

環太平洋地域の規格に整合して,合
理的に変更した。

6.5

溶 着

金 属 の 水
素量試験

試 験 棒 径 及 び そ の

溶接条件を規定

4.7 4.0

mm

だけを規定

追加

JIS

では 4.0 mm を製造してい

ない場合は 4.0 mm に最も近い
棒径で試験を行うとした。

日本において重要な管理項目となる

場合があるため,ユーザニーズによ
って,JIS では規定した。

7

検 査 方

検査方法を規定

8

検査方法を規定

一致

8

製 品 の

呼び方

製 品 の 呼 び 方 を 規

棒径及び長さを含む場合
の呼び方の規定はない。

追加

JIS

では,棒径及び長さを含む

場合の呼び方も規定した。

従前の JIS との整合を図った。

9

表示

製 品 及 び 包 装 の 表
示を規定

3

製品及び包装の表示を規

一致

10

包装

包装を規定

9

包装を規定

一致

11

検査証

明書

検査証明書を規定

9

EN 10204

による。

変更

JIS

では,JIS Z 3200 によると

規定した。

ユーザニーズによって,JIS では規定

した。

附 属 書 A

(参考)

JIS

では附属書(参

考)とした。

本体で System A を規定

対応国際規格では,System A 及び/

又は B を使用できるとあり,

System B

を本体で規定し,System A を参考と
した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3580:2004,MOD


21

Z 322

3


201

0

21

Z 322

3


201

0

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。 
    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 
    −  選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。