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Z 3198-3

:2003

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人  日本溶接協会(JWES)から,工業

標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産

業大臣が制定した日本工業規格である。

はんだ付は、ソルダリングともいい、電子・電気機器、通信機器などの実装に使用する技術で、その使

用分野は広く、その接続の高信頼化への期待は大きい。

はんだ付に関する規格は、IEC、ISO など国際規格をはじめ、国内外の規格があるが、この規格は、新エ

ネルギー・産業技術総合開発機構委託研究開発に基づく、

「環境負荷低減化に対応したはんだ接続に必要な

試験方法等の標準化」研究の成果を基礎として用いた。

この規格は、環境に優しい“鉛を含まないはんだ”の広がり試験方法に関したもので、環境配慮規格と

しての位置付けのものである。

この規格の一部が、技術的性質をもつ特許権、出願公開後の特許出願、実用新案権、又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は、このような技術的性質をもつ特許権、出願公開後の特許出願、実用新案権、又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について、責任はもたない。

JIS Z 3198

の規格群には、次に示す部編成がある。

  JIS Z 31981  鉛フリーはんだ試験方法−第 1 部:溶融温度範囲測定方法

  JIS Z 31982  鉛フリーはんだ試験方法−第 2 部:機械的特性試験方法−引張試験

  JIS Z 31983  鉛フリーはんだ試験方法−第 3 部:広がり試験方法

  JIS Z 31984  鉛フリーはんだ試験方法第 4 部:ウェッティングバランス法及び接触角法によるぬれ

性試験方法

  JIS Z 31985  鉛フリーはんだ試験方法−第 5 部:はんだ継手の引張及びせん断試験方法

  JIS Z 31986  鉛フリー第 6 部:はんだ試験方法−QFP リードのはんだ継手 45 度プル試験方法

  JIS Z 31987  鉛フリーはんだ試験方法−第 7 部:チップ部品のはんだ継手せん断試験方法


Z 3198-3

:2003

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1. 

  適用範囲 

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  試験の概要 

1

5.

  材料及び試薬 

1

6.

  装置及び器具 

2

7.

  試験の手順 

3

7.1

  銅板の前処理 

3

7.2

  はんだの試料形状

3

7.3

  フラックス(ハロゲン活性化ロジンフラックス) 

3

7.4

  試験

3

8.

  広がり率の計算 

3


Z3198-3

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(3) 

日本工業規格

JIS

 Z

3198-3

:2003

鉛フリーはんだ試験方法−第 3 部:広がり試験方法

Test methods for lead-free solders-Part 3:Methods for spread test

序文  序文  この規格は、鉛フリーはんだのぬれ性評価のための、はんだの広がり試験方法について規定

したもので、平成 12 年度及び平成 13 年度に行われた“環境負荷低減化に対応したはんだ接続に必要な試

験方法等の標準化”についての新エネルギー・産業技術総合開発機構委託業務成果を元としている。

1.

適用範囲  この規格は,主に電気機器,電子機器,通信機器などの配線接続及び部品の接続などに用

いる鉛フリーはんだの広がり試験方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS K 5902

  ロジン

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8839

  2−プロパノール(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 3001

  溶接用語

JIS Z 3284

  ソルダペースト

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 3001 によるほか、次による。

a) 

鉛フリーはんだ  合金成分として、鉛を含まない“すず系はんだ”の総称。ここでは、電気・電子・

通信機器などの実装に使用する“すず−鉛系はんだ”に対応した用途の“鉛を含まないはんだ”

4.

試験の概要  銅板上に鉛フリーはんだ(以下、はんだという。)試料とフラックスを載せ、一定時間加

熱、溶融させた後、はんだの広がり率を測定することによって、はんだのぬれ性を評価する。

5.

材料及び試薬  材料及び試薬は、次による。

a) 

銅板  寸法が 30mm×30mm×0.3mm の JIS H 3100 に規定するりん脱酸銅板 C1220P 又は C1201P。

b) 

ロジン  JIS K 5902 に規定するロジン 2 級。

c) 2

−プロパノール  JIS K 8839 に規定する 2−プロパノール。

d) 

洗浄溶剤  はんだ付後のフラックス残さを除去するのに適した溶剤。

e) 

0.5 質量%過硫酸アンモニウム溶液  過硫酸アンモニウム 250g を水に溶かし、5ml の濃硫酸(比重 1.84)


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(4) 

を注意して加える。その後かくはん(攪拌)、冷却し、1に希釈する。この溶液は使用の都度準備す

る。

f) 

5 質量%硫酸  400ml の水に 50ml の濃硫酸(比重 1.84)を注意して加える。かくはん,冷却し、水で

1l

に希釈する。

g) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するアセトン。

h) 

精製水  20℃における比抵抗が 5kΩ・m 以上の蒸留水又はイオン交換水。

6.

装置及び器具  装置及び器具は次による。

a) 

ソルダバス  深さ 30mm 以上、幅 100×150mm 以上のはんだ槽に、液相線温度が 200℃以下のはんだ

(例えば Sn-58Bi はんだ)を満たし、7.4

c)に規定する試験温度(250±3℃)を制御できる温度調節

器を備えたもの。

b) 

乾燥器  空気循環型で 100±3℃を設定、保持できるもの。

c) 

昇降機  試験片をソルダバスの溶融はんだ表面に水平に接触させ、また、試験片を水平に引き上げる

ために適したもの(図 参照)

(a)

基本構成図

(b)

サンプルホルダ 

  1  基本構成図及びサンプルホルダ

d) 

スクラバ  ソルダバスの表面はんだ酸化膜の除去を容易に行えるもの。

2

3

2

6

3

6

加熱ヒータ

ソルダバス

 

サンプルホルダ

単位  mm

30

24

32

20


   

e) 

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定するもの。又はこれと同等以上の測定精度をもつもの。

f) 

マイクロシリンジ又はマイクロピペット  0.02ml が計り取れるもの。

g) 

一般の実験器具  この試験に用いるすべてのガラス器具は、JIS R 3503 に規定するもの。

7.

試験の手順

7.1

銅板の前処理  銅板は、JIS Z 3284 附属書 4 の 4.(2)に規定された方法によって前処理する。

7.2

はんだの試料形状  直径 6.5mmφ,高さ 1.24mm(体積 0.041cm

3

)の円板状に加工したもの。

7.3

フラックス(ハロゲン活性化ロジンフラックス)  フラックスは、次の手順で調製する。

a)  JIS K 5902

の 2 級に規定されたロジン 25±0.1g を JIS K 8839 に規定された 2−プロパノール 75±0.1g

に加え,静かに加熱溶解し,かくはんして均一な溶液とし、その後ジエチルアミン塩酸塩(

1

)0.39

±0.01g

を加えて静かにかくはんして溶解する。

b) 

冷却後、ひょう量して蒸発した量の 2−プロパノールを加える。このフラックス(

2

)

は,ロジン含有量

に対して塩素量 0.5g を含有する。

(

1

ジエチルアミン塩酸塩は、110±2℃で 2 時間乾燥したものを使用する。

(

2

フラックスは、密閉容器に入れ、冷暗所に保管する。

7.4

試験  試験は,次による。

a) 

マイクロシリンジ又はマイクロピペットを用いてフラックス 0.02ml を銅板の中央に滴下し,この上に

はんだ試料が銅板の中央に位置するように置く。

b) 

これを乾燥器中で 100℃×2 分間加熱して,フラックス中の溶剤を蒸発させ、これを試験片とする。試

験片は 5 枚作製する。

c) 

ソルダバスのはんだ温度を 250±3℃に設定する。

d) 

昇降機を用いて試験片をソルダバスの溶融はんだと水平に接触させる。溶融はんだ表面の酸化膜は試

験片を接触させる直前にスクラバにより除去する。

e) 

試験片が溶融はんだに接触した後,その状態で 30 秒間保持し,はんだ試料を銅板上に広がらせる。

f) 

昇降機により試験片をソルダバスから水平に引き上げ,室温まで自然冷却する。

g) 

フラックス残さを適切な洗浄溶剤で除去する。

8.

広がり率の計算  溶融して広がったはんだの高さを,マイクロメータ又は他の適切な器具で測定する。

この高さから,次の式によって広がり率を計算する。この操作を 5 枚について繰り返し,平均値を求め,

これを試料の広がり率とする。

100

×


D

H

D

S

R

        ここに,S

R

:広がり率(%)

                H:広がったはんだの高さ(mm)

                D:試験に用いたはんだを球とみなした場合の直径(mm)

                      D=1.24V

1

3

                V:試験に用いたはんだ試料の質量/密度