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Z3191:2003

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。

これによって,JIS Z 3191:1963 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 5179:1983,Investigation of

brazeability using a varying gap test piece

を基礎として用いた。

JIS Z 3191

には次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


1

 

日本工業規格

JIS

 Z

3191

:2003

ろうのぬれ試験方法

Method of wetting test for brazing filler metals

序文  この規格は,1983 年に第 1 版として発行された ISO 5179:1983,Investigation of brazeability using a

varying gap test piece

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線及び点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は、ろうのぬれの状態を調べるために行う広がり試験及び間げきぬれ試験につい

て規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 5179:1983

,Investigation of brazeability using a varying gap test piece (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS Z 3001

  溶接用語

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 3001 による。

4.

試験片  試験片の形状及び寸法は、広がり試験の場合、図 に、間げきぬれ試験の場合、図 による。

なお、間げきぬれ試験片の組付けは

図 の要領によって行う。


2

Z3191:2003

  1  広がり試験に用いる試験片の形状及び寸法

A

A'

b

a

c

50

50

A−A'

2

a:フラックス
b:ろう
c:母材

単位:mm


3

Z3191:2003

注(

)

  内管B端部の四つの中心から同一で、高さ

05

.

0

0

1

+

6

±

0.05mm

の直交したくぼみとする。

        図  2  間げきぬれ試験に用いる                      図  3  間げきぬれ試験による

試験片の形状及び寸法                              試験片の組み付け要領

5.

試験材

6

6

φ19±0.1

φ17

0

+0.05

21±

0

0

5

20±

005

X

X(  )

外管A

φ13.5±0.02

φ9.5±0.1

80

±

0.

0

5

120°

120°

内管B

外管

内管

X−X

25

±

0.

1

40

±

0.

1

15±

0.

1

φ17

-0.05

φ19±0.1

φ14±0.02

M5

M5

0

0.5±0.05

45°

X

X

30

ろう及びフラックス

試験片

組織観察用

切断部

80

±

0.

05

20.

0.

05

1


4

Z3191:2003

5.1

母材  試験片に用いる母材には、JIS G 3101JIS G 4304 及び JIS H 3100 に規定された金属材料の

うちから選ぶ。ただし、特に必要と認められる場合は他の金属材料を用いてもよい。いずれの場合も、表

面を清浄にしたものでなければならない。

5.2

ろう  ろうは試験前に適切な洗浄を行う。使用するろうの量は、広がり試験の場合、約

0.1g

、間げ

きぬれ試験の場合は約

10g

とする。

なお、ろうの形状は、広がり試験の場合、特に規定しないが、結果を比較する場合はいずれも同一の形

状とする。

5.3

フラックス及び雰囲気  フラックスの種類は特に規定しないが、試験用のろう付適正温度において

活性となるものを選ばなければならない。フラックスの量は特に規定しないが、ろう付けに際してろう及

び試験片が酸化しない程度とする。

フラックスを用いない場合、加熱雰囲気は、真空、不活性ガス、還元性ガスなどとする。

6.

加熱装置  広がり試験の加熱装置は、均熱部が十分に確保され、温度が記録でき、かつ、試験片が速

やかに所定の加熱温度になる電気炉を用いる。

図 に、この場合の加熱装置の例を示す。間げきぬれ試験

の加熱方法は、トーチ加熱、電気炉加熱、高周波誘導加熱、赤外線加熱などとする。


5

Z3191:2003

                    ここに、

F

:電気炉  内径φ

60

×

300

Z

:試料受台

S

:試験片

N

:熱電対

D

:くるま付台

R

:移動用レール

  ここに、

F

:電気炉  内径φ

60

×

300

D

:くるま付台

Z

:試料受台

R

:移動用レール

S

:試験片

G

:真空又は雰囲気ガス導入管及び排気管

N

:熱電対

P

:石英管

  4  広がり試験による加熱装置の例

A(フラックスを用いる場合)

F

Z

S

N

N

D

R

B(真空又は雰囲気を用いる場合)

F

Z

S

N

N

D

R

G

G

P


6

Z3191:2003

7.

試験方法

7.1

広がり試験  広がり試験は、次による。

a)

加熱温度は、ろう付温度(

2

)

とする。

b)

加熱時間は、試験片を受台に乗せ、所定の加熱温度に達してから

30

秒間とする。ただし、試験片の炉

内への出し入れは、速やかに行う。

c)

冷却後、広がり面積(

3

)

を測定する。

(

2

)

ろう規格のろう付温度とする。

(

3

)

溶融したろうが母材上に広がった面積をいう。

7.2

間げきぬれ試験  間げきぬれ試験は、次による。

a)

加熱温度は、ろう付温度(

2

)

とする。ろう付温度サイクルは、熱電対などによって測定し、記録する。

b)

ろう付軸断面について二つ又はそれ以上の方向から

図 に示す要領で放射線透過を行い、図 のよう

なグラフに展開して角度と上昇高さとの関係を求める。

c)

顕微鏡による組織の観察を、

図 に示した下から

30mm

上の断面部で行う。さらに多くのデータを得

たい場合は、他の断面でも行う。組織観察によって、すき間へ浸透したろうの幅、ろう及び母材の合

金化、ろうの母材への粒界浸透などを求める。

                                                            図  6  グラフに展開したぬれ曲線

          図  5  放射線透過撮影要領

0

90

180°

7

0

8cm

6

5

4

3

2

1

上昇


角度

180°軸1

軸2

軸1に

平行方向

軸2に

平行方向


7

Z3191:2003

8.

試験結果の記録

8.1

広がり試験  広がり試験では、次の事項を記録する。

a)

母材

b)

試験番号

c)

ろうの種類、化学成分、液相線温度及び固相線温度

d)

フラックスの種類

e)

ろう付温度及び加熱方法

f)

広がり面積   

8.2

間げきぬれ試験  間げきぬれ試験では、次の事項を記録する。必要に応じて図 に示す記録様式を

用いる。

a)

母材

b)

試験番号

c)

ろうの種類、化学成分、液相線温度及び固相線温度

d)

フラックスの種類

e)

ろう付温度及び加熱方法

f)

目視観察結果

g)

放射線透過試験結果

h)

ろう付部の硬さ分布

i)

組織観察結果


8

Z3191:2003

母材: 
試験番号: 
ろうの種類及び化学成分:

液相線温度−固相線温度: 
フラックスの種類: 
ろう付温度:

加熱方法及び加熱雰囲気:

目視観察

大きさと硬さ観察

厚さμm

硬さ HV

位置

初期 
すき間

ろう 
厚さ

粒界浸透

母材

ろう

D

0

E

244

放射線透過観察

F

500

組織観察

位置 F

位置 D

  7  間げき試験結果記録様式の例

D

E

F

0

90

180°

7

0

8

6

5

4

3

2

1

7

0

8

6

5

4

3

2

1

D

E

F


14

 

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

この附属書は,本体及び附属書に規定・記載した事柄,並びにこれらに関連した事柄を説明するもので,規格の一部ではない。

JIS Z 3191

:ろうのぬれ試験方法

ISO 5179

:1983,(Investigation of brazeability using a varying gap test piece)

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本文の左側 
  表示方法:傍線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

項目 
番号

内容 ISO5179

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

1.

適用 範

ろ う の 広 が り 試 験 方法 及
び間げき、ぬれ試験につい
て規定

間 げ き ぬ れ 試 験 方 法
に よ る ろ う 付 性 に つ
いて規定

MOD/

国 際 規 格 に は 広 が り
試験は含まれない

我が国で広く使われている広がり試験
を追加した。将来 ISO に提案を行う。

2.

引用 規

JIS G 3101, JIS G 4304

JIS H 3100, JIS Z 3001

引用規格なし

MOD/

3.

定義

JIS Z 3001

で用いる用語

MOD/

4.

試験片

板状試験片、直径の異なる
パイプ組合せ

直 径 の 異 な る パ イ プ
の組合せ

MOD/

国 際 規 格 に は 広 が り
試験片は含まれない

我が国で広く使われている広がり試験
片を追加した。将来 ISO に提案を行う。

5.

試験材

圧 延 鋼 材 、 ス テ ン レス 鋼

板、銅及び銅合金板及び銅
パイプ鋼材

一般鋼材、低合金鋼、

ステンレス鋼、銅、銅
合金、軽合金のパイプ
加工材

MOD/

国 際 規 格 に は 広 が り

試験材は含まれない

我が国で広く使われている広がり試験

材を追加した。将来 ISO に提案を行う。

6.

加熱 装

電気炉加熱、トーチ加熱、
高周波誘導加熱

JIS

に同じ

IDT

7.

試験 方

広がり面積の測定、X線透
過試験による組織観察

X線透過試験方法、顕
微鏡による組織観察

MOD/

国 際 規 格 に は 広 が り
面 積 の 測 定 は 含 ま れ

ない

我が国で広く使われている広がり面積
の測定を追加した。将来 ISO に提案を

行う。

8.

試験 結

果の記録

次 の 試 験 結 果 を 記 録す る

母材、試験番号、ろうの種
類、フラックスの種類、加
熱方法、目次、観察、結果、

放射線試験結果、ろう付部
の硬さ分布、組織写真

JIS

に同じ

IDT


JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。 
    ―  NEQ……………  技術的差異があり,かつ,それがはっきりと識別され説明されていない。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  国際規格と一致している。 
    ―  MOD……………  国際規格を修正している。 
    ―  NEQ……………  技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。