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Z 3158

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  記号 

2

5

  試験板の作製  

2

5.1

  材質,形状及び寸法  

2

5.2

  拘束溶接の要領  

2

6

  試験方法  

3

6.1

  試験材の作製  

3

6.2

  試験片の採取  

4

6.3

  溶込み健全性の確認  

5

6.4

  割れの測定  

6

7

  記録 

6

附属書 A(参考)試験溶接条件  

8


Z 3158

:2016

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

溶接協会(JWES)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 3158:1993 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3158

:2016

y

形溶接割れ試験方法

Method of y-groove weld cracking test

序文 

この規格は,1966 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1993 年に

行われたが,その後の溶接方法・溶接材料の変化に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,被覆アーク溶接及びガスシールドアーク溶接の適用によって鋼の溶接部に発生する低温割

れの発生しやすさ及び低温割れを防止するための予熱温度を調べる y 形溶接割れ試験方法について規定す

る。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 3001

(規格群)  溶接用語

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001(規格群)によるほか,次による。

3.1

拘束溶接

試験板を作製するための溶接(

図 参照)。

3.2

試験溶接

割れ試験を行うための溶接(

図 参照)。

3.3

試験ビード

試験溶接によって得られたビード(

図 参照)。

3.4

始終端捨てビード法

試験ビードにおけるスタート部及びクレータを,開先の外とする試験溶接方法(

図 参照)。

3.5

ストレートビード法


2

Z 3158

:2016

試験ビードにおけるスタート部及びクレータを,開先内とする試験溶接方法(

図 参照)。

3.6

試験板

試験材料を所定の形状に加工した後,拘束溶接が施されたもの。

記号 

この規格で用いる記号は,

表 による。

表 1−記号及びその内容 

記号

内容

単位

ルート間隔 mm

試験板の厚さ mm

試験ビードの有効長さ mm

Cs 

個々の断面割れ率 %

観察断面における試験ビードの最小肉厚 mm

Hc 

ルート割れの高さ mm

C

R

 

ルート割れ率 %

割れが検出された断面数

試験板の作製 

5.1 

材質,形状及び寸法 

試験板の材質,形状及び寸法は,次による。

a)

材質及び板厚は,目的に沿って選択して適用する。

b)

形状及び寸法は,

図 による。

c)

開先の加工は,機械加工による。

単位  mm

図 1−試験板の形状及び寸法 

5.2 

拘束溶接の要領 

拘束溶接の要領は,次による。

a)

試験ビードの溶込み形状が適切となるように,拘束溶接後の板厚中央のルート間隔 を溶接方法,溶

200

80

60 60

A’ 

B’ 

B’ 

(試験溶接部)  (拘束溶接部)

(拘束溶接部)

75

75

2

2

60

A - A’

B - B’

2

2

60

60


3

Z 3158

:2016

接材料などに応じて 1.0 mm∼2.0 mm の範囲で設定する。その許容差は,狙い値に対して±0.2 mm と

する。

b)

適切な方法によって,角変形及び溶込み不良を生じないように注意して

図 に示す両面溶接を行う。

単位  mm

図 2−拘束溶接の要領 

試験方法 

6.1 

試験材の作製 

試験板に対し,試験溶接を適用して,試験材とする。試験溶接は,次による。

a)

試験溶接に先立って,試験板の開先面に拘束溶接時に付着したスパッタを除去し,更に水滴,油,さ

びなどがないようにしておく。

b)

試験に使用する溶接材料は,目的に沿って選択して適用する。

c)

溶接姿勢は,下向とする。

d)

試験板の温度は,

図 の試験板温度測定位置における測定値とする。

単位  mm

図 3−試験板温度測定位置 

e)

試験板全体がほぼ均一な温度になるよう加熱又は冷却後,試験板温度測定位置の温度を測定し,試験

温度になったことを確認して試験溶接を開始する。

f)

試験温度の管理許容差は,+2  ℃∼−5  ℃とするが,受渡当事者間の協議によって決めることができ

2

2

60

A - A’

60 60

拘束溶接

B’ 

B - B’

B’ 

A’ 

200

10

試験板温度測定位置

100 100

10

A’ 

A - A’


4

Z 3158

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る。

g)

試験溶接の要領は,

図 4  a)又は図 4  b)から選択する。ただし,図 4  b)の場合は,クレータ部が図 

調査断面位置に入らないように,小さく処理する。

h)

溶接条件は,6.3 に示す溶込み健全性が得られる条件を用いる。試験する溶接材料の適切な溶接条件が

明らかでない場合には,

表 A.1 を参考にして調整を行うとよい。

単位  mm

a)

  始終端捨てビード法 

b)

  ストレートビード法 

図 4−試験溶接の要領 

6.2 

試験片の採取 

試験溶接後,48 時間以上経過してから,

図 に示す調査断面位置が端面である 5 片の試験片を試験材か

ら採取し,次による。

a)

調査断面位置を切断する前に,試験ビードと平行方向に試験材の切断を行う場合は,開先端部から 10

mm

以上離す。

b)

調査断面位置の切断方法は,のこぎり(鋸)切断,又は発生した割れが進展しない方法を用いる。

c)

採取した試験片の観察面は,研磨する。

80

クレータ処理

拘束溶接

拘束溶接

2

以下

2

以下

試験ビード

スタート

スタート

80

クレータ

拘束溶接

拘束溶接

試験ビード


5

Z 3158

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単位  mm

a)

  始終端捨てビード法 

b)

  ストレートビード法 

図 5−調査断面位置 

6.3 

溶込み健全性の確認 

採取した 5 片の試験片断面から,試験ビードの溶込み健全性を確認する。

a)

溶込み健全性は,断面観察において,

図 に示すとおり,開先頂点 P が溶融されていなければならな

い。

b)

図 に示す点 P の未溶融が,5 断面中 1 断面でも発生した場合は,通常,その試験材の結果の全てを

無効とするが,受渡当事者間の協議によって取扱いを決めることができる。

図 6−適切な溶込み形状の例 

調査断面位置

10

以上

 10

以上

切断

N2

N1

N3

N4

N5

20

20

L

L
4

L
4

L
4

L
4

調査断面位置

10

以上

 10

以上

切断

N2

N1

N3

N4

N5

20

20

L

L
4

L
4

L
4

L
4

点 P

溶融


6

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a)

b)

図 7−不適切な溶込み形状の例 

6.4 

割れの測定 

溶込み健全性を確認後,必要に応じて酸によるエッチング処理を行い,0.5 mm 以上のルート割れを計測

する。そして,次の a)及び b)を算出する。

a)

断面割れ率  5 断面について図 に示す試験ビードの最小肉厚 及びルート割れの高さ Hc を計測し,

それらを式(1)に代入して個々の断面割れ率 Cs を求め,それらの平均値を算出する。

なお,式(1)で,個々の断面割れ率 Cs が 100 %を超える場合は,100 %として記録する。

100

×

=

H

Hc

Cs

  (1)

図 8−測定要領 

b)

ルート割れ率 C

R

5

断面における割れの検出断面数

n

を式

(2)

に代入してルート割れ率を求める。

100

5

×

=

n

C

R

  (2)

c)

試験目的又は受渡当事者間の協議によって,a)及び b)のどちらかを省略することができる。

d)

試験目的又は受渡当事者間の協議によって,研磨の程度,エッチング処理の有無,観察倍率及び割れ

とみなす寸法下限をそれぞれ決めることができる。

e)

低温割れ以外に高温割れがまれに発生することがある。高温割れと判定された場合は,これを除外す

る。

f)

開先面と溶接金属との間に生じた狭あい(隘)な隙間を割れと誤認しないように注意する。

記録 

次の項目について,記録する。

a)

試験板の材料の種類

b)

試験板の厚さ及びルート間隔

c)

溶接方法

d)

溶接材料(溶加材,シールドガス)

e)

溶接条件

f)

試験板温度

点 P

点 P

未溶融

未溶融

Hc

H


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g)

溶接場所の気温及び湿度

h)

割れの測定方法

i)

試験ビードの断面写真

j)

割れ試験結果


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Z 3158

:2016

附属書 A

(参考)

試験溶接条件

表 A.1 は,試験溶接条件として,特定の溶接材料で健全な溶込み形状が得られる例である。

表 A.1−溶接条件の一例 

溶加材

棒又はワイヤ径

mm

シールドガス

ルート間隔 g

mm

溶接電流

A

溶接速度

mm/min

被覆アーク溶接棒 4.0  − 2.0

170

150

ソリッドワイヤ 1.2

炭酸ガス 1.0  200

190

80 %

アルゴン−

20 %

炭酸ガス

1.0 270

400

フラックス入りワイヤ 1.2  炭酸ガス 1.5  280

350