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(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 試験の等級  2 

5 試験材及び試験片  2 

5.1 一般事項  2 

5.2 試験片の形状及び寸法  3 

5.3 試験片の調製  3 

6 高速試験 3 

6.1 疲労試験機  3 

6.2 高速試験の方法  4 

7 温度測定 5 

7.1 一般事項  5 

7.2 温度測定装置  5 

7.3 熱電対の設置  6 

8 S-N線図の作成  6 

9 試験結果の報告  6 

 

 


 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。 

− 発明の名称 :疲労試験装置 

− 特許出願番号 :特願2016-033359 

− 氏名 

:株式会社山本金属製作所 

− 住所 

:大阪府大阪市平野区背戸口2丁目4番7号 

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。 

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。 

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。 

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。 

 

 


 

 

  

日本工業規格          JIS 

 

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アルミニウム合金及びマグネシウム合金の 

高速負荷回転曲げ疲労試験方法 

High-speed rotating bar bending fatigue testing of  

aluminium alloys and magnesium alloys 

 

適用範囲 

この規格は,鉄道車両,船舶,自動車などに用いる構造用アルミニウム合金及び構造用マグネシウム合

金の母材及び接合部について,繰返し数が107回を超え109回までの高サイクル側の疲労寿命を求めるため

の,室温でかつ繰返し速度が毎分5 000回を超え8 000回以下の高速負荷回転曲げ疲労試験(以下,高速試

験という。)の方法について規定する。 

なお,この規格で規定する高速試験方法は,107回以下の繰返し数にも適用できる。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条 

JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材 

JIS H 4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品 

JIS H 4201 マグネシウム合金板及び条 

JIS H 4204 マグネシウム合金押出形材 

JIS H 4205 マグネシウム合金鍛造品 

JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物 

JIS H 5203 マグネシウム合金鋳物 

JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト 

JIS H 5303 マグネシウム合金ダイカスト 

JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度 

JIS Z 2273:1978 金属材料の疲れ試験方法通則 

JIS Z 2274:1978 金属材料の回転曲げ疲れ試験方法 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2273:1978によるほか,次による。ただし,JIS Z 2273:1978

の定義文中の“疲れ”を,“疲労”に読み替えて適用する。 


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3.1 

標準形試験片 

クラスIを保証する高速試験用の試験片。 

3.2 

一般形試験片 

標準形試験片以外の高速試験用の試験片。 

3.3 

応力集中係数,α 

応力集中部について,弾性計算によって求めた応力集中部の最大値σmaxをその部分の公称応力σnで除し

た値。 

α=σmax/σn 

 

試験の等級 

高速試験方法は,表1の等級に分類する。 

 

表1−高速試験方法の分類 

等級 

内容 

クラスI 

試験データに対して高い信頼性を得る試験方法であり,次のいずれかとする。 
a) 高速試験の都度,試験片の温度上昇の有無及びその程度を継続して定量測定

し,試験片の温度が常に50 ℃以下であることが確認できる試験方法。 

b) 高速試験中,試験片の温度が常に50 ℃以下となるように対策を講じた試験

方法a)。 

c) 標準形試験片[5.2 a)]を用いて試験を行う高速試験方法b)。 

クラスII 

高速試験中の試験片の温度上昇の有無及びその程度を,事前又は事後に代表例に
ついて測定し,試験データに対する信頼性を得る試験方法c)。 

クラスIII 

高速試験中の試験片の温度上昇について,その有無及び温度上昇の程度を考慮し
ない試験方法d)。 

注a) 温度上昇の防止方法としては,つかみ部の水冷,試験片への冷風吹付けなどがある。適

用した場合は,その方法を報告することが望ましい(ISO 1143参照)。 

b) この方法で繰返し速度が毎分6 000回までは,試験片の温度上昇の影響がないことが確認

されている。 

c) 最も重要視するサイクル数領域の試験又は負荷応力が最大となる条件で,試験開始から

終了まで継続して温度測定を行うことが望ましい。 

d) 繰返し速度が毎分5 000回以下を原則とするJIS Z 2274:1978を,高速試験に適用する場

合も含む。 

 

注記 金属材料の回転曲げ疲労試験に通常適用されるJIS Z 2274:1978は,繰返し速度が毎分5 000回

以下の比較的低速度で試験することを原則としているため,高繰返し数の試験には長時間を要

する。この規格で規定する高速試験は,試験時間の短縮を図るとともに,試験片の温度上昇を

考慮し,試験データの信頼性に応じて試験方法の等級分類を行うものである。 

 

試験材及び試験片 

5.1 

一般事項 

高速試験の対象とする,試験片を採取する材料(以下,試験材という。)及び試験片は,次による。 


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a) 試験材は,JIS H 4000,JIS H 4100及びJIS H 4140に規定するアルミニウム合金の展伸材,JIS H 5202

に規定するアルミニウム合金鋳物及びJIS H 5302に規定するアルミニウム合金ダイカスト,並びに

JIS H 4201,JIS H 4204及びJIS H 4205に規定するマグネシウム合金の展伸材,JIS H 5203に規定す

るマグネシウム合金鋳物及びJIS H 5303に規定するマグネシウム合金ダイカストとする。 

なお,試験材は,必要に応じて,JISに規定された合金以外の合金としてもよい。 

b) 試験片の採取位置及び採取方向は,製品規格によるか,又は受渡当事者間の協定による。 

5.2 

試験片の形状及び寸法 

試験片は,標準形試験片及び一般形試験片とし,その形状は次による。 

a) 標準形試験片は,試験部の最小直径が4 mm,試験部の曲率半径(r)が7 mmの砂時計形とする。標

準形試験片の形状を,図1に示す。 

なお,試験片の応力集中係数(α)1) を確認する。 

注1) 図1の標準形試験片では,α=1.08である。 

b) 一般形試験片は,JIS Z 2274:1978の3.(試験片)に規定する2号試験片とする。 

なお,試験片の応力集中係数(α)を確認する。 

 

 

 

 

D: つかみ部及び負荷部の直径[6 mm a)] 

 

d: 試験部の最小直径(4 mm) 

 

r: 曲率半径(7 mm) 

注a) D=6 mmは,代表例である。 

 

図1−標準形試験片 

 

5.3 

試験片の調製 

試験片の調製は,次による。 

a) 試験片を切削又は研削によって機械加工する場合には,試験片にむしれ又は著しい加工ひずみを生じ

ないように,また,試験片が加熱されることのないように注意しなければならない。 

b) 機械加工を終えた試験片は,切削又は研削による条痕を除去するために,順次,細かい粒度の研摩布

紙を使用し,最後に,JIS R 6010に規定するP320より細かいものを使用して研摩する。試験部の面粗

度は,最終的に最大高さ粗さRz(JIS B 0601参照)を10 µm以下とすることが望ましい。 

c) 試験片は仕上げた後,腐食したり又はきずつけたりしないように,十分注意して扱わなければならな

い。 

d) 試験片の直径は,同一断面の互いに直行する2方向について,0.01 mmの精度で測定し,その平均値

とする。 

 

高速試験 

6.1 

疲労試験機 

高速試験に使用する疲労試験機は,次による。 


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a) JIS Z 2274:1978で原則としている毎分5 000回以下の少なくとも一つの繰返し速度,及びこの規格で

規定する毎分5 000回を超え8 000回以下の範囲の少なくとも一つの繰返し速度で試験を行ったとき,

同等の試験結果が得られるものでなければならない。ここで,同等の試験結果とは,S-N線図又は所

定の応力振幅若しくは繰返し数におけるデータが,同じであることをいう。 

b) 試験の開始時及び試験片の破断直前を除く定常運転時において,試験片の振れによって生じる荷重変

動が,試験荷重の±20 %であることが望ましい。 

なお,a) 及びb) を満たす試験機として,片持ち式にするのがよい。 

6.2 

高速試験の方法 

6.2.1 

試験片の取付け 

試験片の取付けは,次による。 

a) 試験片は,試験中に緩むことのないよう強固に試験機に取り付ける。 

b) 試験片は,試験部に負荷される応力以外の応力が作用しないように,また,曲げによるひずみが生じ

ないように取り付けなければならない。 

c) 試験片の取付け後に偏心があってはならない。片持ち式の試験では,取り付けた試験片を手で緩やか

に回転したとき,負荷側の端部において心振れが,試験片の中心軸に対して±0.02 mmでなければな

らない。 

6.2.2 

負荷 

負荷の方法は,次による。 

a) 片持ち式の試験では,アダプタを介しておもり(錘)を取り付ける(図2参照)。 

注記 試験開始時の試験片の振れを避けるため[6.2.3 b) 参照],試験機の形式によっては,所定の

繰返し速度に到達してから負荷する方法が採られることがある。 

 

 

 

L: つかみ部先端から負荷点までの長さ 

 

x: つかみ部先端から最小直径部までの距離 

 

W: 負荷する質量 

図2−試験片の取付け(例) 


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b) 片持ち式の試験では,試験部に負荷される応力は,式(1)による。 

3

π

)

(

8.9

32

d

x

L

W

 

 

3

π

)

(

314

d

x

L

W

  (1) 

ここに, 

σ: 試験部に負荷される応力(MPa) 

 

α: 応力集中係数 

 

W: 試験片に負荷する質量(kg) 

 

L: つかみ部先端から負荷点までの長さ(mm) 

 

x: つかみ部先端から最小直径部までの距離(mm) 

 

d: 試験部の最小直径(mm) 

 

6.2.3 

試験の実施 

高速試験は,次によって行う。 

a) 繰返し速度は,毎分5 000回を超え8 000回以下の速度とする。 

b) 試験中,異常な振動又は試験片の振れがあってはならない。 

c) 試験片の温度測定を行う場合は,箇条7による。温度は,連続して計測し記録することが望ましい。 

d) 試験は,試験片が破断するか,所定の繰返し数(例えば107回又は108回)に到達するまで継続して行

う。やむを得ない理由によって試験を途中で休止し,再開した場合には,休止までの繰返し数,休止

時間及び休止時間中の負荷条件を記録する。 

 

温度測定 

7.1 

一般事項 

温度測定は,試験の等級がクラスI及びクラスIIで,必要な場合に行う(表1参照)。クラスIIIでは行

わない。 

7.2 

温度測定装置 

高速試験中の試験片の温度を測定する装置は,次による。 

a) 試験の開始から終了まで連続的に±5 ℃の精度で測定できるものでなければならない。 

b) a) を満足するためには,回転曲げ疲労試験用無線温度測定器を用いることが望ましい。同測定器の例

を,図3に示す。 

 

 

 


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注記 ホルダ内のA/D変換部で,熱電対のアナログ信号をデジタル信号に変換する。演算処理したデータを無線で送

信し,受信機に接続されたパソコンに,計測結果をリアルタイムで表示し記録する。 

なお,アダプタはスピンドル(図2参照)に接続され,測定器全体が試験片と同期して回転する。 

 

図3−回転曲げ疲労試験用無線温度測定器(例) 

 

7.3 

熱電対の設置 

7.2 b) の測定器を使用するために熱電対を試験片に設置する方法を,標準形試験片を例として,図4に

示す。試験片の一方のつかみ部端から,最小直径部から2 mmの位置まで,中心軸に沿って約0.5 mmの穴

をあけ,穴の先端に熱電対の先端を設置する。 

 

 

図4−試験片への熱電対の設置(例) 

 

S-N線図の作成 

高速試験のデータは,JIS Z 2273:1978によってS-N線図としてまとめるのが望ましい。 

疲労限度は,S-N線図が繰返し数の多い領域で水平になる材料では107回での応力とし,水平にならない

材料では108回での応力とすることが望ましい(ISO 1143参照)。 

 

試験結果の報告 

高速試験結果の報告には,次の事項を含まなければならない。ただし,b) 3),d) 2) 及びe) 2) は,受渡

当事者間の協定によって,省略してもよい。 

a) 試験の等級 

b) 試験材 

1) 合金の種類,質別及び製品形状 


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2) 適合する規格 

3) 製造業者,及び溶解番号又はロット番号 

4) 化学成分 

5) 機械的性質 

c) 試験片 

1) 試験材からの採取位置 

2) 形状及び寸法 

3) 応力集中係数 

4) 表面仕上げ 

d) 疲労試験機 

1) 名称,形式及びひょう量 

2) 製造メーカ 

e) 温度測定装置(必要な場合) 

1) 測定方式及び精度 

2) 測定装置のメーカ 

f) 

試験の実施 

1) 繰返し速度 

2) 試験環境条件(温度,湿度など) 

3) 試験片の到達温度(温度測定を行った場合) 

4) 温度上昇の防止対策(適用した場合) 

5) 定常状態からの逸脱又は異常発生(有無及びその内容) 

6) 試験実施年月日,試験場所及び試験者名 

g) 測定データ 

1) 各試験での負荷応力,繰返し数及び破断の有無 

2) 破断位置(接合材の場合) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献  

[1] JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ 

[2] ISO 1143,Metallic materials−Rotating bar bending fatigue testing