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Z 3119

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本溶接

協会(JWES)/財団法人日本規格協会(JSA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 3119:1988 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8249:2000,Welding−Determination

of Ferrite Number (FN) in austenitic and duplex ferritic-austenitic Cr-Ni Stainless steel weld metals

を基礎として用

いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS Z 3119

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


Z 3119

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  測定方法の種類 

2

5.

  顕微鏡組織による方法 

2

6.

  組織図による方法

2

6.1

  分析試料の採取方法

2

6.2

  分析方法 

2

6.3

  測定値の求め方

2

7.

  磁気的な装置による方法 

6

7.1

  一般

6

7.2

  被膜計法 

6

7.3

  磁気誘導法 

8

7.4

  標準的な試験片の作製方法 

8

7.5

  測定

10

7.6

  測定値の求め方

10

8.

  報告

10

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

11


日本工業規格

JIS

 Z

3119

:2006

オーステナイト系及びオーステナイト・フェライト
系ステンレス鋼溶着金属のフェライト量の測定方法

Methods of measurement for ferrite content in austenitic and

austenitic-ferritic stainless steel deposited metals

序文  この規格は,2000 年に第 2 版として発行された ISO 8249,Welding−Determination of Ferrite Number

(FN) in austenitic and duplex ferritic-austenitic Cr-Ni Stainless steel weld metals

を翻訳し,技術的内容を変更し

て作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一

覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,オーステナイト系及びオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼溶着金属に存

在するフェライト量の組織図による測定方法,顕微鏡組織による測定方法,及び磁気的な装置による測定方法

について規定する。さらに,磁気的な装置による測定方法に適用する溶着金属試験片の作製及びその測定値の

求め方について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 8249:2000

, Welding − Determination of Ferrite Number (FN) in austenitic and duplex

ferritic-austenitic Cr-Ni Stainless steel weld metals (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0320

  鋼材の溶鋼分析方法

JIS G 0555

  鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS Z 3001

  溶接用語

JIS Z 3184

  化学分析用溶着金属の作製方法及び試料の採取方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 3001 によるほか,次による。

a)

フェライト量  オーステナイト系及びオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼溶着金属中に含ま

れるフェライト組織の含有量。


2

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:2006

b)

組織図  ステンレス鋼溶着金属の化学成分に対して,溶着金属の顕微鏡組織におけるオーステナイト,

フェライト及びマルテンサイトの存在領域並びにフェライト量の関係を示した図。

c)

フェライト百分率  金属組織中のフェライト組織の含有量を百分率で表した値。FN(フェライト番号)

とは一致しない。

d)

一次標準試料  炭素鋼の片側に所定の厚さで銅を被膜した非磁性被膜厚さ標準試料。被膜計法による

試験装置の校正曲線の作成及び日常の校正に使用する。

e)

二次標準試料  一次標準試料を使用して校正した,被膜計法による試験装置によって,フェライト量

を決定した溶着金属又はそれを模した金属組織をもつ金属試料。被膜計法及び磁気誘導法による試験

装置の日常の校正に使用する。

4. 

測定方法の種類  測定方法の種類は,表 による。測定値の報告にどの測定方法を採用するかは,受渡

当事者間の協議による。

  1  フェライト量測定方法の種類

測定方法

種類

顕微鏡組織による方法

  JIS G 0555 

附属書 1(点算法による非金

属介在物の顕微鏡試験方法)

  フェライト量算定組織図 A

  フェライト量算定組織図 B

組織図による方法(

1

  フェライト量算定組織図 C

被膜計法

磁気的な装置による方法

磁気誘導法

(

1

)

アーク溶接に比べ極端に冷却速度の異なる溶接方法による溶着金
属には適用できない。 

5. 

顕微鏡組織による方法  溶着金属の光学顕微鏡組織に現れるオーステナイト及びフェライトの存在領

域によって,フェライト量を決定する。

顕微鏡組織における面積の測定方法は,JIS G 0555 

附属書 によるか又は他の適切な方法で行う。試

料は,溶接のままのものを使用する。腐食方法,測定位置,測定面積,観察倍率などについては,受渡当

事者間の協議による。

6. 

組織図による方法  溶着金属の化学分析値からニッケル当量及びクロム当量を計算し,その値を組織

図に当てはめてフェライト量を算定する。フェライト量は,適用する組織図によって FN 又はフェライト

百分率で表す。

6.1 

分析試料の採取方法  分析試料の採取は,JIS Z 3184 又はそれに準じた方法で行う。

6.2 

分析方法  分析方法は,JIS G 0320 による。

6.3 

測定値の求め方  分析試験結果によって図 1,図 又は図 の組織図に規定されたフェライト百分率

線又は FN 線から算定される値を小数点以下 1 けたまで読み取り,フェライト量とする。


3

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  1  フェライト量算定組織図 A(Schaeffler の組織図)

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


4

Z 3119

:2006

  2  フェライト量算定組織図 B(DeLong の組織図)

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


5

Z 3119

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単位 FN

  3  フェライト量算定組織図 C(WRC-1992 線図)

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


6

Z 3119

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7. 

磁気的な装置による方法

7.1 

一般  オーステナイト系及びオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼溶着金属組織において,  フェ

ライトは磁性を示し,  オーステナイト,炭化物,シグマ相及び介在物は,非磁性を示す。磁気的な装置によ

る測定方法は,このフェライトの磁性を利用し,磁気的にフェライト量を測定する。

7.2 

被膜計法  被膜計法による測定原理及び校正方法は,次による。

7.2.1 

原理  フェライト量の測定は,試験装置に附属している永久磁石(以下,標準磁石という。)と試

験片との間の磁性による吸引力が,試験片中のフェライト量に対応して変化することを利用する。被膜計

では,この吸引力は非磁性被膜の厚さと 1 対 1 に対応するため,厚さが既知の非磁性被膜厚さ標準試料と

標準磁石との吸引力を測定しておくことによって,磁石と試験片との吸引力を被膜の厚さに換算すること

ができ,更に被膜厚さは FN に換算できる。

7.2.2

磁石  被膜計法で使用される標準磁石は,直径 2 mm で長さ約 50 mm の円筒形で,その一端は,半

径 1 mm の半球状とする。

7.2.3 

校正曲線  標準磁石と試験片との吸引力に相当するばねの引張力を FN に換算するための校正曲線

の作成には,既知の非磁性被膜厚さ標準試料として一次標準試料を使用する。一次標準試料には,寸法3

0mm×30mmの炭素鋼に,表示値±5%の厚さで銅を被膜し,更に覆光沢クロムめっきを施したもの

を使用する。

なお,一次標準試料として用いる炭素鋼の化学成分は,

表 による。

  2  一次標準試料に使用する炭素鋼の化学成分

単位  %

化学成分

C Si Mn  P  S

0.08

∼0.13 0.10 以下 0.30∼0.60 0.040 以下 0.050 以下

被膜計で標準磁石及び一次標準試料の吸引力を測定し,これを被膜厚さに換算する。この非磁性被膜の

厚さは,

表 又は,次の式によって FN に換算する。

FN

=exp{1.805 9−1.118 86[ln(t)]−0.177 40[ln(t)]

2

−0.035 02[ln(t)]

3

−0.003 67[In(t)]

4

}

ここに,

t

:  非磁性被膜の厚さ(mm)

フェライト量測定のための校正曲線の作成には,0 FN からおおよそ 30 FN の範囲では銅被膜厚さが 0.17 mm

から 2 mm の一次標準試料を最少 8 個使用し,おおよそ 30 FN から 100 FN の範囲では,銅被膜厚さが 0.03 mm

から 0.17 mm の一次標準試料を最少 5 個使用する。


7

Z 3119

:2006

  3  非磁性被膜厚さと FN との関係

被膜厚さ

mm

FN

被膜厚さ

mm

FN

被膜厚さ

mm

FN

被膜厚さ

mm

FN

被膜厚さ

mm

FN

0.020 110.5

0.049 68.3  0.078 51.0  0.134 35.3

0.30  19.1

0.021 108.0

0.050 67.5  0.079 50.6  0.136 34.9

0.32  18.1

0.022 105.7

0.051 66.7  0.080 50.2  0.138 34.5

0.34  17.2

0.023 103.4

0.052 56.9  0.082 49.3  0.140 34.2

0.36  16.4

0.024 101.3

0.053 65.1  0.084 48.6  0.142 33.8

0.38  15.7

0.025 99.2  0.054 64.4  0.086 47.8  0.144 33.5

0.40  15.0

0.026 97.3  0.055 63.7  0.088 47.1  0.146 33.2

0.42  14.4

0.027 95.4  0.056 63.0  0.090 46.4  0.148 32.8

0.44  13.8

0.028 93.6  0.057 62.3  0.092 45.7  0.150 32.5

0.46  13.2

0.029 91.9  0.058 61.6  0.094 45.1  0.155 31.7

0.48  12.7

0.030 90.3  0.059 60.9  0.096 44.4  0.160 31.0

0.50  12.3

0.031 88.7  0.060 60.3  0.098 43.8  0.165 30.3

0.55  11.2

0.032 87.2  0.061 59.7  0.100 43.2  0.170 29.7

0.60  10.3

0.033 85.8  0.062 59.1  0.102 42.6  0.175 29.0

0.65

9.6

0.034 84.4  0.063 58.5  0.104 42.1  0.180 28.4

0.70

8.9

0.035 83.0  0.064 57.9  0.106 41.5  0.185 27.9

0.75

8.3

0.036 81.7  0.065 57.3  0.108 41.0  0.190 27.3

0.8

7.7

0.037 80.5 0.066 56.8 0.110 40.5 0.195 26.8

0.9

6.8

0.038 79.3 0.067 56.2 0.112 40.0 0.200 26.3

1.0

6.1

0.039 78.1 0.068 55.7 0.114 39.5 0.205 25.8

1.2

4.93

0.040 77.0 0.069 55.2 0.116 39.0 0.210 25.3

1.4

4.09

0.041 75.9 0.070 54.7 0.118 38.6 0.220 24.4

1.6

3.45

0.042 74.8  0.071 54.2  0.120 38.1  0.230 23.6

1.8

2.94

0.043 73.8  0.072 53.7  0.122 37.7  0.240 22.8

2.0

2.54

0.044 72.8  0.073 53.2  0.124 37.2  0.250 22.1

2.2

2.21

0.045 71.8  0.074 52.8  0.126 36.8  0.260 21.4

2.4

1.94

0.046 70.9  0.075 52.3  0.128 36.4  0.270 20.8

2.6

1.72

0.047 70.0  0.076 51.9  0.130 36.0  0.280 20.2

2.8

1.53

0.048 69.1  0.077 51.4  0.132 35.6  0.290 19.6

3.0

1.36

7.2.4 

試験装置の校正  試験装置の校正は,定期的及び試験前に,一次標準試料又は二次標準試料によっ

て行う。校正のための測定は,

表 に示す FN の範囲内のフェライト量を示す一つの一次標準試料又は二

次標準試料によって行う。標準試料の測定は,5 回繰返し行い,その平均値を算出する。測定の平均値は,

表 に規定する最大偏差の中に入らなければならない。校正は,対象となる機器が測定する範囲を包含す

表 の FN の範囲ごとで行う。


8

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  4  FN の校正で許容される最大偏差

FN

の範囲

標準試料の示す FN からの最大偏差

0

<FN≦4

±0.5

4

<FN≦10

±0.5

10

<FN≦16

±0.6

16

<FN≦25

±0.8

25

<FN≦50 FN の±5  %

50

<FN≦110 FN の±8  %

7.3

磁気誘導法  磁気誘導法による測定原理及び校正方法は, 次による。

7.3.1 

原理  試験片中に含有するフェライト量によって,磁気誘導が変化することを利用する。

試験装置に附属する測定用探触子を試験片に当て,探触子に内蔵された励磁コイルに電流を通じると,試

験片中のフェライト量に対応して検知コイルに電圧が誘起されるため,この電圧を計測して試験片中のフ

ェライト量を測定する。フェライト量は,装置の種類によって,FN 又はフェライト百分率で表す。

7.3.2 

試験装置の校正  試験装置は,定期的又は試験前に,一次標準試料,二次標準試料又は校正された

附属の標準試料によって校正を行ってから使用する。校正は,装置に附属の標準試料の中から測定範囲に

合った標準試料で行うか,又は 7.2.3 で規定する方法で行う。

磁気誘導法には,1 接触式探触子と 2 接触式探触子とがあるが,一次標準試料は,2 接触式探触子を使用

する磁気誘導法の試験装置でだけ使用できる。

7.4 

標準的な試験片の作製方法  磁気的な測定装置によって溶着金属のフェライト量を測定するための標

準的な試験片の作製方法は,次による。

7.4.1 

溶着金属試験片の寸法  試験片の形状及び寸法を,図 に示す。

7.4.2 

被覆アーク溶接棒による試験片の作製方法  作製要領は,次による。

a) 

溶着金属は,試験板の上に平行に並べた 2 本の銅片の間に盛り上げる。その長さ(1)及び幅(w)は,

使用する被覆アーク溶接棒の径によって

表 に示す値とする。

b) 

溶着金属は,肉盛高さ 13 mm 又は 4 層以上盛上げ,径が 4mm 以上の場合,各層は,1 パスで溶接を行

う。径が 4 mm 未満の場合,最終層を除く各層は,径の 3 倍の最大振り幅で複数のパスによる。

c) 

最終層は,1 パス溶接とする。そのビードは,径の最大 3 倍の振り幅とする。

d) 

溶接開始及び終了点は,積層した溶着金属の端とする。溶接方向は,それぞれのパスごとに変更する。

e) 

溶接は

表 に示す電流範囲で行い, アーク長は,溶接作業に支障のない範囲で,できる限り短く保つ。

ただし,電流範囲は,製造業者が推奨する最大電流値の 90%としてもよい。

f) 

溶着金属は,1 パスごとに 20 秒以内に水冷する。パス間温度は,最高 100  ℃とし,最終層は 425  ℃

以下の温度に空冷してから水冷する。

g) 

それぞれの溶接パスは,次パスの溶接を行う前にスラグなどを除去しておかなければならない。


9

Z 3119

:2006

単位  mm

最小 10

w

1

l

(2)

最小 10

最小

10

最小 25

最小 65

1

:銅片の寸法  70×25×25  (mm)

(

2

)

フェライト量は,この範囲で測定するものとする。

備考  母材は,JIS G 4304 又は JIS G 4305 の SUS 304L 又は SUS 304 のオーステナイト系ステンレス鋼が望

ましく,この場合,積層高さは,13 mm 以上でよい。軟鋼を使用する場合の積層高さは,18 mm 以上
でなければならない。

  4  フェライト量測定のための溶着金属試験片

h)

溶接終了後,積層した溶着金属の表面は,平たんに加工する。グラインダによる加工では,加工によ

って引き起こされる表面の過熱又は研摩による過度の加工を避けなければならない。加工終了後の表

面は,すべての溶接波形が削除され,滑らかでなければならない。加工された表面は,5 mm 以上の幅

で,測定する長さ以上に連続していなければならない。

オーステナイト系ステンレス鋼溶着金属(30 FN 以下)の場合は,冷間加工の影響に注意しながら

溶接方向に直角に一方向に加工する。

オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼溶着金属(30 FN 以上)の場合は,細密又は 600 番仕上げ

の状態まで精密研摩によって加工する。

  5  標準試験片作製時の溶接電流及び溶着金属寸法

溶着金属の寸法の概略

mm

溶接電流

A

幅(w) mm

長さ(l) mm

1.6 35

∼45 12.5

30

2.0 45

∼55 12.5

30

2.6 65

∼75 12.5

40

3.2 90

∼100 12.5

40

4.0 120

∼140 12.5

40

5.0 165

∼185 15

40

6.0 240

∼250 18

40

7.4.3 

他の溶接方法による試験片の作製方法  他の溶接方法においても,7.4.2 で規定する被覆アーク溶

接棒による試験片の作製方法に準じて試験片を作製する。

試験片は,

フェライト量測定の範囲に溶接クレータ部分を含まないように長さを十分大きくする。特に,


10

Z 3119

:2006

サブマージアーク溶接の場合,試験板の長さだけでなく必要であれば幅を大きくする。

すべての方法での積層は 6 層以上とし,最終層は 1 パスで溶接する。

7.5 

測定  測定は,少なくとも 6 か所のフェライト量を,溶接ビードの長手方向に沿って加工された表

面の,異なる位置で測定する。それぞれの箇所で少なくとも 5 回の測定を行い,読み値の中の最も高い値

を測定値とする。

7.6 

測定値の求め方  被膜法及び磁気誘導法においては,各測定箇所の値を平均し,その値を小数点以

下 1 けたで丸め,試験片のフェライト量とする。数値の丸め方は,JIS Z 8401 による。

8. 

報告  測定後,次の項目について報告する。

a)

規格番号

b)

溶接材料の種類と寸法

c)

測定値

d)

単位(FN 又はフェライト百分率)

e)

測定方法

例  :D309  径 4.0mm

12.3 FN

(被膜計法)

YF308L

径 1.2mm

 9.4 FN

(組織図法 B)


11

Z 3119

:2006

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS Z 3119

:2006  オーステナイト系及びオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼溶

着金属のフェライト量の測定方法

ISO 8249

:2000,溶接−オーステナイト及び 2 相フェライト・オーステナイト

Cr-Ni

ステンレス鋼溶着金属のフェライトナンバー(FN)の測定

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

1.

適用 範

オ ー ス テ ナ イ ト 系 及び オ

ーステナイト・フェライト
系 ス テ ン レ ス 鋼 溶 着金 属
に 存 在 す る フ ェ ラ イト 量

の 磁 気 的 装 置 , 顕 微鏡 組
織,組織図による測定方法
について規定する。

磁 気 的 測 定 方 法 の 一つ で
あ る 被 膜 計 法 の 校 正に つ
いて規定するとともに,そ

の ほ か の 磁 気 的 試 験装 置
に も 適 用 で き る 溶 接に よ
る 標 準 試 験 片 の 作 製及 び

そ の 測 定 に つ い て 規定 し
た。

ISO8249 

1

オーステナイト系ステ

ンレス鋼及びオーステ
ナイト・ フェライト系
ステンレス鋼溶着金属

のフェライト量を永久
磁石と測定物とに働く
吸引力よって換算した
FN として規定。 
被覆アーク溶接棒の標
準試験片の作製及び測

定について規定し他の
溶接方法の適用につい
ても規定している。

他の磁気的測定方法の
試験装置の校正につい
ても規定している。

MOD/

変更

JIS

では,フェライト

量 測 定 方 法 と し て 被
膜 計 法 以 外 の 磁 気 的
な方法,顕微鏡組織又

は 組 織 図 に よ る 方 法
に よ る 方 法 も 対 象 と
している。

磁気的測定の他の方法については AWS

規格にも規定されており,ISO 規格の
改正を提案する。その他の方法につい
て も 海 外 の規 格 等 で 規 定 さ れ て おり

ISO

規格の改正を提案する。

 
 
 
 

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


12

Z 3119

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

2.

引用 規

JIS G 0555  

JIS G 0320

JIS G 4304

JIS G 4305

JIS Z 3001

JIS Z 3184

JIS Z 8401

MOD/

変更

MOD/

追加

JIS G 4304

及び JIS G 

4305

は,試験片母材の

規格である。 
そ の ほ か の 規 格 に つ
い て は 対 象 と す る 方

法が,ISO 規格では規
定されていない。

JIS G 4304

及び JIS G 4305 は,試験片

母材の規格で実質的な差異はない。

追加された引用規格は,JIS Z 3001 を除
きフェライト量測定方法のうち ISO 
格に規定されていない顕微鏡による方

法と組織図による方法とを対象として
いる。 
対応する測定方法の ISO 規格作成・追

加時に引用 JIS の対応する ISO を取り
入れる。

3.

定義

JIS Z 3001

によるほかフェ

ライト量,フェライト百分
率,組織図,一次標準試料

及 び 二 次 標 準 試 料 につ い
て定義した。

 

MOD/

追加

ISO

規格では,定義と

し て 規 定 さ れ て い な
い。

JIS

の用語の規定である JIS Z 3001 を規

定するとともにそのほかの用語につい
て定義した。ISO 規格と実質的な差異

はない。

4.

測定 方

法の種類

磁気的な方法,顕微鏡組織
による方法,組織図による
方 法 な ど に つ い て 表に 表

した。

 

MOD/

追加

ISO

規格に規定されて

い な い 方 法 に つ い て
追加した。

この規格は,フェライト量の測定法に
関する規格であり,測定法の種類の表
を追加した。ISO 規格と実質的な差異

はない。

 
 

2

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


13

Z 3119

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

5.

顕微 鏡

組織によ

る方法

顕 微 鏡 組 織 に よ る 方法 に
ついても規定した。

 

MOD/

追加

顕 微 鏡 組 織 に よ る 方
法を追加

JIS

では具体的な測定方法については,

規定していない。海外規格に規定され

ている場合があるが,測定方法による
ばらつきも十分に考えられる。ISO 
格の改正提案時には,JIS の方法を,そ

のまま提案するのではなく,具体的な
測定方法について調査検討のうえ,改
定案を作成提案する。

6.

組織 図

による方

組 織 図 に よ る 方 法 につ い
て規定した。

 

MOD/

追加

ISO

規格では,組織図

による方法は,規定さ
れていない。

ISO

規格の改正を提案する。

7.

磁気 的

な装置に

よる方法

7.1

金属組織の磁気に対す

る 特 性 の 違 い に よ って フ

ェ ラ イ ト 量 が 測 定 でき る
ことを説明

3

被膜計法の測定原理
と金属組織によって

磁気に対する特性が
異 な る こ と を 述 べ
る。

MOD/

変更

被 膜 計 法 に 関 す る 原
理は 7.2 に述べた

構成上の違いであり実質的な差異はな
い。

7.2

被 膜

計法

3

, 4.1 ∼

4.4

7.3

IDT

 
 
 
 
 
 


14

Z 3119

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )

国際規
格番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

7.3

磁 気

誘導法

7.3.1

磁気誘導法における

測 定 原 理 に つ い て 述べ て

いる。

7.3.2

試験装置の校正標準

試 料 に よ る 装 置 の 校正 に

ついて規定。一次標準試料
は,2 接触式探触子にだけ
適用できる。

7.1

, 7.3

被膜計法による測定方法
以外の方法である磁気誘

導法についてふれ,5 に
よって用意された二次標
準試料が校正に使用でき

ることを述べる。

MOD/

追加

ISO

規格に記載のない磁気

誘導法の原理について追記

した。校正は装置に附属の
標準試料でも行えるように
規定し,一次標準試料は,2

接触式探触子にだけ適用で
きることを明記した。

AWS

規格では,一次標準試料は,2

接触式探触子にだけ適用できるこ

とを明記しており ISO 規格の改正
を提案する。校正に関する追加も,

ISO

に提案する。

7.4

標 準

的な試験

片の作製
方法

7.4.1

溶着金属試験片の形

状寸法について規定。

7.4.2

被覆アーク溶接棒に

よ る 試 験 片 の 作 製 方法 に
ついて規定。 

7.4.3

他の溶接方法による

溶 着 金 属 試 験 片 の 作製 に
ついて規定。

5.1

5.2

5.3.1

6.1

被覆アーク溶接棒による
標準溶着金属試験片の形

状及び寸法を規定。 

標準溶着金属試験片の作

製方法について規定。 

被覆アーク溶接以外の方
法によって試験片を作製
する場合の注意点につい

て規定。

MOD/

変更

IDT

JIS

は,溶着金属試験板と

して使用する母材の規格と

した。さらに,溶接終了後
の溶着金属試験片の表面加
工について変更した。

試験板母材の規格については ISO
規格と同等材であり実質的な差異

はない。また,試験片の表面加工に
ついても実際に行われている方法
に合わせ変更したものであり,実質

的な差異はない。ただし ISO 規格に
ついても実際に測した方法に改め
る方向で検討する。

7.5

測定

測 定 箇 所 の 点 数 及 び各 点

に お け る 測 定 回 数 を規 定
し 各 点 で の 最 高 値 をそ の
点での測定値とする。

5.3.2

作製した標準溶着金属試

験片での測定箇所の点数
及び各点での測定回数並
び に 測 定 値 の 定 め 方 を

FN

値の大きさによって

規定。

MOD/

変更

ISO

規格では 20FN 以下の

場合 1 回以上,20 FN を超
えると 5 回以上と規定して
いる。JIS は,従来は 20 FN

以下でも 3 回以上であり同
一箇所を 5 回以上測定する
こととした。

JIS

ではより厳密になっている。磁

気的測定方法では,同一箇所でも変
動があり得るので 20 FN 以下でも複
数回の測定を検討することとした。

ISO

規格の改正を提案する。

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


15

Z 3119

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

7.6

測 定

値の求め

各 測 定 箇 所 で の 測 定値 を
平 均 し 試 験 片 の 測 定値 と

する。

5.3.3

各測定箇所での測定値
は平均し溶着金属の測

定値とする。

MOD/

追加

従 来 の 方 法 に 合 わ せ
小数点以下 1 けたで丸

め る こ と と し 数 値 の
丸め方の JIS を引用し
た。

実質的な差異はない。

8.

表示

フ ェ ラ イ ト 量 の 測 定結 果
の表示について規定。

 ISO 規格は記載なし

MOD/

追加

測 定 方 法 の 種 類 及 び

FN

かフェライト百分

率 に よ る か 表 示 す る
ことを追加

ISO

規格は一部の磁気的測定方法につ

いての規格であり測定方法の区別は必

要ない。

6.2

実機の溶接部での測定

上の注意事項について
規定。

MOD/

削除

ISO

規格では実機の溶

接 部 を 含 む 測 定 上 の
注 意 事 項 に つ い て 規
定。

ISO

規格では,実機の溶接部の測定を

含めた溶接上の注意事項を規定してい
るが,この規格では溶着金属だけを対
象としている。対象外の実機での部分

のため削除した。

8

オーステナイト系ステ

ンレス鋼溶接金属での
デルタフェライトのた
めに準備される二次標

準試料の使用手順。

MOD/

削除

ISO

規格では,IIW に

よ っ て 特 殊 な 方 法 で
作 製 さ れ た 二 次 標 準
試 料 の 使 用 方 法 に つ

いて規定。

この規格は,フェライト量の測定方法

についての規定であるのに対してこの
項の内容は,IIW の主導で作成された特
殊な二次標準試料の紹介で参考的な内

容のため削除した。ISO 規格の改正を
提案する

Annex

A

帯状肉盛りによる二次

標準試料の作製。

MOD/

削除 IIW で行った二次標準

試料の作製及び検定。

この項については,規格としての必要

性は低いため,削除した。

ISO

規格の改正を提案する

Annex

B

遠心ミル鋳造による二
次標準試料の作製。

MOD/

削除 IIW で行った二次標準

試料の作製及び検定。

この項についても,規格としての必要
性は低いため,削除した。

ISO

規格の改正を提案する

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000


16

Z 3119

:2006

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

2

Z 31

19

0000

2

Z 31

19

0000