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Z 3060

:2015

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  技術者

2

5

  標準試験片及び対比試験片

2

5.1

  標準試験片

2

5.2

  対比試験片

2

6

  超音波探傷装置

3

7

  接触媒質

3

8

  探傷の準備

3

8.1

  探傷方法の選定

3

8.2

  対比試験片又は標準試験片の選定

3

8.3

  探触子の選定

3

8.4

  STB 音速比の測定

5

8.5

  探傷屈折角の測定

6

8.6

  検出レベルの選定

7

8.7

  探傷の時期

7

8.8

  探傷面の手入れ

8

8.9

  母材の探傷

8

9

  超音波探傷装置の調整及び点検

8

9.1

  斜角探傷

8

9.2

  垂直探傷

10

10

  探傷

11

10.1

  一般事項

11

10.2

  斜角探傷

11

10.3

  垂直探傷

12

11

  記録

13

附属書 A(規定)探傷器及び探触子の機能及び性能

15

附属書 B(規定)平板継手溶接部の探傷方法

19

附属書 C(規定)円周継手溶接部の斜角探傷方法

35

附属書 D(規定)長手継手溶接部の斜角探傷方法

46

附属書 E(参考)鋼管分岐継手溶接部の斜角探傷方法

67

附属書 F(参考)ノズル継手溶接部の探傷方法

75

附属書 G(規定)試験結果によるきずの分類方法

81

附属書 H(参考)端部エコー法によるきずの指示高さの測定方法

82


Z 3060

:2015  目次

(2) 

ページ

附属書 I(参考)TOFD 法によるきずの指示高さの測定方法

91


Z 3060

:2015

(3) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

非破壊検査協会(JSNDI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。

これによって,JIS Z 3060:2002 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

3060

:2015

鋼溶接部の超音波探傷試験方法

Method for ultrasonic testing for welds of ferritic steel

1

適用範囲

この規格は,厚さ 6 mm 以上のフェライト系鋼の完全溶込み溶接部を,超音波パルスを用いた基本表示

の超音波探傷器(以下,探傷器という。

)で,超音波探傷試験を手動で行う場合のきずの検出方法,位置及

び寸法の測定方法について規定する。ただし,鋼管の製造工程中の継手溶接部には適用しない。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 2300

  非破壊試験用語

JIS Z 2305

  非破壊試験技術者の資格及び認証

JIS Z 2345

  超音波探傷試験用標準試験片

JIS Z 2350

  超音波探触子の性能測定方法

JIS Z 2351

  超音波探傷器の電気的性能測定方法

JIS Z 2352

  超音波探傷装置の性能測定方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300 によるほか,次による。

3.1

グリセリンペースト

グリセリンに少量の界面活性剤及び増粘剤を添加した接触媒質。

3.2

L

方向

圧延鋼材の主圧延方向。

3.3

C

方向

圧延鋼材の主圧延方向に直角な方向。

3.4

Q

方向

圧延鋼材の主圧延方向から 45°の方向。

3.5

STB

音速比


2

Z 3060

:2015

横波垂直探触子を用い,超音波を送信した状態で,横波の振動方向と試験体の斜角探傷時の超音波ビー

ムとの方向が同じ方向になるようにして測定された横波音速(V)と,標準試験片で測定された横波音速

V

STB

)との比(V/V

STB

3.6

透過パルス

二探触子法において,試験体を透過し受信用探触子に入射した超音波パルス及びそれが探傷器の表示器

に現れた指示。

3.7

透過パルス高さ

V 透過法又はタンデム探傷で得られた探傷図形上の透過パルスの高さ。

3.8

透過パルス高さ区分線

透過パルス高さを領域で区分して評価するための線。

4

技術者

鋼溶接部の探傷に従事する技術者は,JIS Z 2305 に規定する超音波探傷試験(以下,探傷という。

)の資

格者又はこれと同等の有資格者とし,

超音波探傷の原理及びフェライト系鋼の溶接部に関する知識をもち,

かつ,その探傷についての十分な知識及び経験をもつ者とする。

5

標準試験片及び対比試験片

5.1

標準試験片

この規格で使用する標準試験片は,JIS Z 2345 に規定する A1 形標準試験片,A2 形系標準試験片及び

A3 形系標準試験片とする。

注記  超音波探傷試験に用いる標準試験片(STB:Standard Test Block の略)は,JIS Z 2345 で規定し

ており,A1 形標準試験片には,STB-A1,A2 形系標準試験片には,STB-A2,STB-A21,STB-A22,

A3 形系標準試験片には,STB-A3,STB-A31,STB-A32 がある。

5.2

対比試験片

対比試験片は,RB-41,RB-42,RB-43,RB-A6 及び RB-SDH とし,次による。

a)

RB-41

平板継手溶接部用横穴対比試験片)

RB-41 は,平板継手溶接部及び曲率半径が 250 mm 以上の継手溶接部の探傷に使用し,表 B.1 及び図 B.1

に示す形状・寸法の横穴対比試験片とし,次のいずれかとする。

1) RB-41A

は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,曲率をもたないものとする。試験

体との音速差は±2 %以内,感度補正量の差が±2 dB 以内とする。

2) RB-41B

は,均質な低減衰材料で探傷面を仕上げたもので,曲率をもたないものとする。

b)  RB-42

円周継手溶接部用横穴対比試験片)

RB-42 は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と直交する方向に曲率をもち,

曲率半径 50 mm 以上の円周継手溶接部の探傷に使用し,

図 C.2 に示す形状・寸法の横穴対比試験片とする。

試験体との音速差は±2 %以内,感度補正量の差が±2 dB 以内とする。

c)

RB-43

長手継手溶接部用横穴対比試験片)

RB-43 は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と平行する方向に曲率をもち,


3

Z 3060

:2015

曲率半径 50 mm 以上の長手継手溶接部の探傷に使用し,

図 D.4 に示す形状・寸法の横穴対比試験片とする。

試験体との音速差は±2 %以内とする。

d)  RB-A6

円周継手溶接部用縦穴対比試験片)

RB-A6 は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と直交する方向に曲率をもち,

曲率半径 50 mm 以上の円周継手溶接部の探傷で,使用する最大のビーム路程が 150 mm 以下の場合に使用

し,

図 C.3 に示す形状・寸法の縦穴対比試験片とする。試験体との音速差が±2 %以内とする。

e)

RB-SDH

横穴対比試験片)

RB-SDH は,JIS Z 2350 の附属書 1(対比試験片)に規定する横穴対比試験片とする。 

6

超音波探傷装置

探傷器及び探触子の機能及び性能は,

附属書 による。

7

接触媒質

探傷に使用する接触媒質は,次による。

なお,横波垂直探触子を使用する場合は,横波専用の接触媒質とする。

a)

グリセリンペースト

b)

濃度 75 %(体積分率 75 %)以上のグリセリン水溶液

c)

d)

オイル

e)

音響インピーダンスが明らかな液体

8

探傷の準備

8.1

探傷方法の選定

溶接部の探傷は,指定のない限り,超音波ビームを溶接線方向に対して垂直に向けた一探触子斜角法と

し,直接接触法で行う。

附属書 に規定するタンデム探傷法又は垂直探傷法を適用する場合は,受渡当事

者間の協議によって決める。また,斜角探傷の斜め平行走査,溶接線上走査又はまたぎ走査を用いる探傷

法を適用する場合についても,受渡当事者間の協議によって決める。

8.2

対比試験片又は標準試験片の選定

8.2.1

斜角探傷における試験片の選定

探傷感度の調整には,RB-41A,RB-41B,RB-42,RB-43,RB-A6 の対比試験片又は A2 形系標準試験片

のいずれかをあらかじめ選定する。ただし,探傷面となる試験体の板厚が 75 mm 以上の場合,又は STB

音速比の測定結果から屈折角の選定を

表 の探傷屈折角とする場合は,RB-41A,RB-41B,RB-42 又は RB-43

のいずれかを選定する。また,A2 形系標準試験片を選定する場合は,使用する最大のビーム路程が 150 mm

以下とする。

8.2.2

垂直探傷における試験片の選定

探傷感度の調整には,RB-41A 又は RB-41B を使用する。

8.3

探触子の選定

8.3.1

周波数

探触子の公称周波数は,2 MHz 以上 5 MHz 以下とする。ただし,超音波の減衰の著しい試験体を探傷す

る場合には,周波数に依存する特性に留意した上で,2 MHz よりも低い公称周波数を使用することができ


4

Z 3060

:2015

る。

なお,通常使用する公称周波数は,斜角探傷の場合,

表 とし,垂直探傷の場合,表 とする。

表 1−斜角探傷に通常使用する公称周波数

使用する最大のビーム路程

mm

公称周波数

MHz

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える 2

表 2−垂直探傷に通常使用する公称周波数

使用する最大のビーム路程

mm

公称周波数

MHz

40 以下 5

40 を超え 60 以下

2 又は 5

60 を超える 2

8.3.2

振動子の公称寸法

振動子の公称寸法は,次による。

a)

斜角探触子の振動子の公称寸法は,5 mm×5 mm 以上 20 mm×20 mm 以下とする。通常使用する振動

子の公称寸法は,

表 による。ただし,タンデム探傷に使用する探触子の振動子の公称寸法は,特に

規定しない。

b)

垂直探触子の振動子は円形とし,その公称寸法は,直径 10 mm 以上 30 mm 以下とする。通常使用す

る振動子の公称寸法は,

表 による。

表 3−斜角探触子に通常使用する振動子の公称寸法

公称周波数

MHz

振動子の公称寸法

mm

2∼2.5 14×14,20×20

3∼4 10×10,14×14,20×20

4.5∼5 5×5,10×10

表 4−垂直探触子に通常使用する振動子の公称寸法

公称周波数

MHz

振動子の公称寸法(直径)

mm

2 20,28 
5 10

8.3.3

屈折角

探傷に使用する屈折角は,次による。

a)

斜角探傷に使用する探触子の公称屈折角は,40°,45°,60°,65°又は 70°とする。ただし,公称

屈折角 40°は

附属書 及び附属書 だけに適用する。


5

Z 3060

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b)

公称屈折角 60°,65°又は 70°の探触子を使用して探傷する場合は,8.4 の測定結果から,探触子の

屈折角を

表 に基づいて選定する。

c)

公称屈折角 45°の探触子を用いて探傷する場合は,STB 音速比にかかわらず STB 屈折角 45±2°以内

とする。

d)

探傷に使用する探触子の屈折角が STB 音速比から,STB 屈折角となる場合は,探傷屈折角に置き換え

てもよい。

e)

試験体の板厚が 75 mm を超える場合で,STB 音速比(V/V

STB

)が 0.995 以上 1.005 以下の場合は,STB

屈折角 69°∼71°の探触子を使用してもよい。

表 5STB 音速比による屈折角の選定

試験体の板厚

mm

STB 音速比

探傷に適用する屈折角

6 以上 25 以下

0.990 未満

探傷屈折角 63°以上 72°以下

0.990 以上 1.020 以下 STB 屈折角 63°以上 72°以下

1.020 を超える

探傷屈折角 63°以上 72°以下

25 を超え 75 以下

0.995 未満

探傷屈折角 58°以上 72°以下

0.995 以上 1.015 以下 STB 屈折角 58°以上 72°以下 
1.015 を超え 1.025 以下 STB 屈折角 58°以上 67°以下

1.025 を超える

探傷屈折角 58°以上 72°以下

75 を超える

0.995 未満

探傷屈折角 58°以上 67°以下

0.995 以上 1.025 以下 STB 屈折角 58°以上 67°以下

1.025 を超える

探傷屈折角 58°以上 67°以下

8.3.4

SN

SN 比は,使用する探傷器と組み合わせて,基準感度における H 線のゲインの値(S dB)と,使用する

ビーム路程の範囲で,最大ノイズエコー高さが H 線に到達するよう感度を高め,その場合のゲインの値

(N dB)を測定し,

(S−N dB)が−22 dB 以下でなければならない。

8.3.5

垂直探触子の不感帯

垂直探触子の不感帯は,使用する探傷感度で送信パルス又は表面エコーの立上がりの点から,その後,

縁の高さが最後に 20 %となる点までの距離(mm)とし,標準試験片などで校正された時間軸で読み取る。

不感帯の値は,公称周波数が 5 MHz では 8 mm 以下,2 MHz では 15 mm 以下とする。

8.4

STB

音速比の測定

8.4.1

STB

音速比の測定条件

STB 音速比の測定条件は,次による。

a)

測定対象部位は,探傷箇所とする。

b)

探傷面の温度は,探傷時の温度と同程度の状態で行う。

c)

探傷箇所当たりの測定箇所は,1 か所とするが,試験体の状況によってそれを追加することができる。

8.4.2

STB

音速比の測定装置

STB 音速比の測定装置は,次による。

a) STB

音速比(V/V

STB

)の測定には,板厚又はビーム路程を有効数字が 3 桁以上表示できる超音波装置

(横波垂直探触子が使用できる超音波厚さ計又は探傷器)及び試験体中に横波を垂直に伝搬させる横波

垂直探触子を使用する。


6

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b)

板厚の測定には,縦波探触子(縦波垂直探触子又は二振動子形縦波垂直探触子)を用いた,有効数字

が 3 桁以上表示できる超音波厚さ計又は寸法測定器を使用する。

c)

横波垂直探触子には,振動方向を表示する。

d)

横波垂直探触子による測定には,横波用の接触媒質を使用する。

8.4.3

試験片及び試験体

STB 音速比の測定は,A1 形標準試験片,A2 形系標準試験片又は A3 形系標準試験片のいずれかを使用

し,試験体の測定は,適用する試験体の探傷面で行う。

8.4.4

試験体の探傷方向の確認

STB 音速比の測定を行う前に,探傷方向と L,C 及び Q 方向との関係を,圧延方向の板取り又は横波垂

直探触子と超音波厚さ計又は探傷器との組合せで,横波音速差を測定することによって確認する。

8.4.5

STB

音速比の測定方法

8.4.5.1

超音波厚さ計による方法

超音波厚さ計による方法は,次による。

a)

縦波探触子を使用する超音波厚さ計又は寸法測定器によって測定した試験体及び標準試験片の板厚

を,それぞれ t

M

(mm)

t

SM

(mm)とする。

b)

超音波厚さ計に使用する横波垂直探触子の振動方向が,試験体の探傷方向と一致するようにして得ら

れた板厚及び標準試験片で得られた板厚をそれぞれ t

S

(mm)

t

STB

(mm)とする。

c)

これらの比を式(1)によって小数点以下 3 桁まで求め,これを STB 音速比(V/V

STB

)とする。

S

SM

STB

M

STB

t

t

t

t

V

V

×

×

=

  (1)

8.4.5.2

探傷器による方法

探傷器による方法は,次による。

a)

縦波探触子を使用する超音波厚さ計又は寸法測定器によって測定した試験体及び標準試験片の板厚

を,それぞれ

t

M

(mm)

t

SM

(mm)とする。

b)

探傷器に使用する横波垂直探触子の振動方向が,試験体の探傷方向と一致するようにして得られた第

1 回底面エコーのビーム路程及び標準試験片で得られた第 1 回底面エコーのビーム路程を,それぞれ

W

S

(mm)

W

STB

(mm)とする。

c)

これらの比を式(2)によって小数点以下 3 桁まで求め,これを STB 音速比(

V

/

V

STB

)とする。

S

SM

STB

M

STB

W

t

W

t

V

V

×

×

=

  (2)

8.5

探傷屈折角の測定

8.5.1

探傷屈折角の算出

探傷方向が L 又は C 方向の場合の探傷屈折角は,8.4.5 で求めた STB 音速比を用いて 8.5.2 によって算出

するか,又は 8.5.3 若しくは 8.5.4 によって求める。L 方向と C 方向との横波音速の差異がない場合の Q 方

向の探傷屈折角は,同様に 8.4.5 で求めた STB 音速比を用いて 8.5.2 によって算出するか,又は 8.5.3 若し

くは 8.5.4 によって求める。L 方向と C 方向との横波音速に差異がある場合の Q 方向の探傷屈折角は,8.5.3

又は 8.5.4 によって求める。

8.5.2

STB

音速比による方法

STB 音速比による探傷屈折角(

θ

)は,使用する探触子の STB 屈折角(

θ

STB

)及び STB 音速比(

V

/

V

STB

から式(3)によって算出し,0.1°の単位で丸める。


7

Z 3060

:2015





×

=

STB

STB

1

sin

sin

θ

V

V

θ

  (3)

8.5.3

V

透過法による方法

探傷に使用する斜角探触子と同じ形式の探触子を用いて,試験体の探傷面上,

図 に示す

V

透過法の配

置で,最大透過パルス高さが得られるように探触子位置を調整する。このときの入射点間距離(

Y

)及び

実測板厚(

t

)から式

(4)

によって探傷屈折角(

θ

)を算出し,

0.1

°単位で丸める。

=

t

Y

2

tan

1

θ

  (4)

図 1透過法の配置

8.5.4

対比試験片による方法

探傷に使用する斜角探触子及び試験体と同等の音響特性の鋼材で製作された RB-41A を用いて,

図 

示すように標準穴からのエコー高さが最大になるように探触子位置を調整する。このときの標準穴と入射

点との間の距離(y)及び標準穴の深さ位置(d)から式(5)によって探傷屈折角(θ)を算出し,0.1°単位

で丸める。曲率がある試験体の探傷における探傷屈折角の算出は,それぞれ

附属書 又は附属書 によっ

て求める。

=

d

y

1

tan

θ

  (5)

図 2RB-41A による探傷屈折角の測定

8.6

検出レベルの選定

検出レベルは,探傷目的に従って,9.1.4 によって作成されたエコー高さ区分線の M 線を超えるものを

対象とする M 検出レベル,又は L 線を超えるものを対象とする L 検出レベルのいずれかとする。

8.7

探傷の時期

溶接後熱処理などの指定がある場合の探傷の時期は,最終熱処理後とする。また,低温割れの発生が見

込まれる材料については,溶接完了後,必要な時間が経過した後,探傷を実施する。


8

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8.8

探傷面の手入れ

探傷面に,スパッタ及び/又は浮いたスケールが存在する場合は,除去する。探傷面の粗さ,さび及び

塗料の影響で伝達損失が 12 dB を超える場合は,12 dB を超えない範囲に仕上げる。

8.9

母材の探傷

斜角探傷時に超音波が通過する部分の母材は,必要に応じてあらかじめ垂直探傷を行う。通常使用する

探触子は,板厚が 60 mm 以下の場合は,公称周波数 5 MHz,振動子寸法φ20 mm とし,板厚が 60 mm を

超える場合は,2 MHz,φ30 mm とする。探傷感度は,健全部の第 1 回底面エコー高さを 80 %とする。き

ずの範囲は,エコー高さが 20 %を超えるものとする。きずが検出された場合,記録する。きずの範囲が

100 mm

2

以上の場合,溶接部の探傷の妨害となるものとする。

探傷の妨害となるきずが検出された場合で,溶接部の探傷上問題となる場合は,必要に応じてビーム中

心軸が母材のきずを避けて溶接部全体を通過するように探傷面又は屈折角を変えて探傷するか,垂直探傷

又はその他の探傷方法に変えて探傷する。

9

超音波探傷装置の調整及び点検

9.1

斜角探傷

9.1.1

入射点の測定

入射点の測定は,A1 形標準試験片又は A3 形系標準試験片を用いて行う。入射点は,0.5 mm 単位で読み

取る。

9.1.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,A1 形標準試験片又は A3 形系標準試験片を用いて行う。

9.1.3

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定

9.1.3.1

STB

屈折角の測定

STB 屈折角の測定は,A1 形標準試験片又は A3 形系標準試験片を用いて行う。STB 屈折角は,探傷作業

の環境温度下で測定し,0.1°単位で読み取る。

9.1.3.2

探傷屈折角の測定

探傷屈折角は 8.5 の探傷屈折角の測定によって行う。

9.1.4

エコー高さ区分線の作成

エコー高さ区分線の作成は,平板継手溶接部については

附属書 B,円周継手溶接部については附属書 C

長手継手溶接部については

附属書 によって行う。

9.1.5

領域区分の決定

9.1.5.1

H

線,線及び 線の決定

9.1.4

で作成したエコー高さ区分線のうち,下位から 3 番目以上の線を選び H 線とし,これを探傷感度を

調整するための基準線とする。H 線より 6 dB 低いエコー高さ区分線を M 線とし,12 dB 低いエコー高さ区

分線を L 線とする。L 線は,きずエコーの評価に用いられるビーム路程の範囲で,その高さが 10 %以上の

線とする(

図 参照)。

9.1.5.2

領域区分

エコー高さの領域区分 H 線,M 線及び L 線で区切られたそれぞれの領域を,

表 によって区分する(図

3

参照)


9

Z 3060

:2015

a)

  下から 番目の線を 線とした場合

b)

  下から 番目の線を 線とした場合

図 3線の選択及び領域区分の例

表 6−エコー高さの領域区分

エコー高さの範囲

エコー高さの領域

L 線以下 I

L 線を超え M 線以下 II

M 線を超え H 線以下 III

H 線を超えるもの IV

9.1.6

探傷感度の調整

探傷感度の調整は,エコー高さ区分線の作成に用いた試験片を使用し,

附属書 B∼附属書 に規定する

方法による。ただし,斜め平行走査,またぎ走査及び溶接線上走査の探傷感度は,受渡当事者間の協議に

よる。

9.1.7

探傷装置の測定,調整及び点検

入射点,STB 屈折角,測定範囲及び探傷感度は,作業開始時に測定及び調整する。また,これらは作業

開始後 4 時間以内ごと及び作業終了時に点検し,これらの条件の変化量を確認する。条件が変化している

場合は,

表 7∼表 の処置を行う。

表 7STB 屈折角が維持されていない場合の処置

変化の範囲

処置の内容

公称屈折角の±2°以内

再調整して作業を継続する。

公称屈折角の±2°を超えるもの  交換又は補修を行い,直前の調整又は点検以降に実施した試験を再試験する。

表 8−測定範囲が維持されていない場合の処置

変化の範囲

処置の内容

±2 %以内

再調整して作業を継続する。

±2 %を超えるもの

再調整し,直前の調整又は点検以降に実施した試験を再試験する。


10

Z 3060

:2015

表 9−探傷感度が維持されていない場合の処置

変化の範囲

処置の内容

±4 dB 以内

再調整して作業を継続する。

4 dB を超える低下

再調整し,直前の調整又は点検以降に実施した試験を再試験する。

4 dB を超える増加

再調整し,直前の調整又は点検以降に実施した試験で得られたきずの指示部について再試験

する。

9.2

垂直探傷

9.2.1

測定範囲の調整

測定範囲は,A1 形標準試験片などを用いて,探傷範囲を満足できる距離に調整する。

9.2.2

エコー高さ区分線の作成

エコー高さ区分線は,RB-41A 又は RB-41B を使用し,探傷に使用する探傷器及び探触子を用いて,

附属

書 で定められた方法で作成する。

9.2.3

領域区分の決定

9.2.3.1

H

線,線及び 線の決定

9.2.2

で作成したエコー高さ区分線のうち,少なくとも,下位から 3 番目以上の線を選び H 線とし,これ

を探傷感度を調整するための基準線とする。H 線より 6 dB 低いエコー高さ区分線を M 線とし,12 dB 低い

エコー高さ区分線を L 線とする。L 線は,きずエコーの評価に用いられるビーム路程の範囲で,その高さ

が 10 %以上の線とする(

図 参照)。

9.2.3.2

領域区分

エコー高さの領域区分 H 線,M 線及び L 線で区切られたそれぞれの領域を,

表 によって区分する(図

4

参照)

a)

  下から 番目の区分線を 線とした場合

b)

  下から 番目の区分線を 線とした場合

図 4−領域区分の例

9.2.4

探傷感度の調整

探傷感度の調整は,エコー高さ区分線の作成に用いた試験片を使用し,適用する試験体に応じて,

附属

書 に規定する方法による。


11

Z 3060

:2015

9.2.5

探傷装置の調整及び点検

測定範囲及び探傷感度は,作業開始時に調整する。また,これらは,作業開始後 4 時間以内ごと及び作

業終了時に点検し,その条件を確認する。条件が維持されていない場合は,

表 及び表 の処置を行う。

10

探傷

10.1

一般事項

探傷方法はそれぞれ,平板継手溶接部は

附属書 B,円周継手溶接部は附属書 C,長手継手溶接部は附属

書 による。

注記  鋼管分岐継手溶接部の探傷方法は附属書 E,ノズル継手溶接部の探傷方法は附属書 を参照。

10.2

斜角探傷

10.2.1

走査方法

探触子の走査方法は,きずの見落としのないように,通常,ジグザグ走査を適用する。きずが検出され

最大エコー高さを求める場合には,前後走査,左右走査,首振り走査,及び振子走査を用いる。横方形走

査,縦方形走査を適用する場合,及び横割れなどジグザグ走査で見落としがちなきずの検出に,斜め平行

走査,またぎ走査,及び溶接線上走査などを適用する場合は,あらかじめ受渡当事者間で協議して決める。

なお,またぎ走査を適用して探傷を行う場合の探傷感度の調整方法については,受渡当事者間で協議し

て決める。

10.2.2

きずの評価

10.2.2.1

評価の対象とするきず

評価の対象とするきずは,各附属書に規定する探傷感度に調整し,M 検出レベルの場合には,最大エコ

ー高さが M 線を超えるきずとし,L 検出レベルを用いる場合には,最大エコー高さが L 線を超えるきずと

する。

10.2.2.2

エコー高さの領域

最大エコー高さを示す位置に探触子を置き,その最大エコー高さがどの領域にあるかを読み取る。

異なる屈折角又は異なる探傷面で一つのきずを検出した場合,エコー高さの領域は,最も高い領域とす

る。

注記  きずの指示高さを測定する場合は,附属書 又は附属書 を参照。

10.2.2.3

きずの指示長さ

きずの指示長さ(l)は,最大エコー高さを示す探触子溶接部距離において左右走査し,エコー高さが L

線を超える探触子の移動距離とする。この長さは 1 mm の単位で測定する。この場合,前後走査を行うが,

首振り走査は行わない。ただし,公称周波数 2 MHz∼2.5 MHz の探触子を使用する場合には,最大エコー

高さの 1/2(−6 dB)を超える探触子の移動距離とする。一つのきずに対して,異なる屈折角の複数の探触

子で検出した場合,又は異なる探傷面からの探傷で検出した場合は,それぞれの探触子及び探傷面できず

の指示長さを求め,それぞれのきずの指示長さのうち,最大となるものを該当きずの指示長さとする。

10.2.2.4

きずの分類

きずの分類は,

附属書 による。

10.2.2.5

きず位置の表示

きず位置は,

図 に示すように,断面での位置は,最大エコー高さを示す探触子の位置(X

P

)で得られ

るきずの深さ(d)及び溶接線に直角方向の位置(k)で表示し,溶接線と平行方向での位置は,最大エコ

ー高さを示す探触子の位置(X

P

)で表示する。きずの指示長さは,最大となるきずの指示長さの得られた


12

Z 3060

:2015

始端(X

S

)及び終端(X

E

)で表示する。

図 5−斜角探傷のきず位置の表示

10.3

垂直探傷

10.3.1

走査方法

探触子の走査方法は,きずの見落としのないように行う。

10.3.2

きずの評価

10.3.2.1

評価の対象とするきず

評価の対象とするきずは,9.2.4 に規定する探傷感度に調整し,M 検出レベルの場合には,最大エコー高

さが M 線を超えるきずとし,L 検出レベルの場合には,最大エコー高さが L 線を超えるきずとする。

10.3.2.2

エコー高さの領域

最大エコー高さを示す位置に探触子を置き,その最大エコー高さがエコー高さ区分線のどの領域にある

かを読み取る。

10.3.2.3

きずの指示長さ

きずの指示長さは,最大エコー高さを示す位置の周囲を走査し,エコー高さが L 線を超える探触子の移

動距離(長径)とする。ただし,探触子を接触させる部分の板厚が 75 mm 以上で,周波数 2 MHz の探触

子を使用する場合のきずの指示長さは,

最大エコー高さの 1/2(−6 dB)を超える探触子の移動距離とする。

この長さは 1 mm の単位で測定する。

10.3.2.4

きずの分類

きずの分類は,

附属書 による。

10.3.2.5

きず位置の表示

きず位置は,

図 に示すように,断面での位置は,最大エコー高さを示す探触子の位置(X

P

)で得られ

るきずの深さ(d)で表示し,溶接線と平行方向での位置は,最大エコー高さを示す探触子の位置(X

P

)及

びきずの指示長さ(l)の始端(X

S

)及び終端(X

E

)で表示する。


13

Z 3060

:2015

図 6−垂直探傷のきず位置の表示

11

記録

探傷を行った後の記録には,次のうち必要な項目を記載する。

a)

試験年月日

b)

施工業者又は製造業者名

c)

工事又は製品名

d)

試験番号又は記号

e)

試験技術者の署名及び資格

f)

材質及び寸法

g)

溶接方法及び開先形状

h)

使用した探傷器名,識別記号,探傷器の性能及び点検日時

i)

使用した探触子の種類・記号・識別記号,探触子の性能,点検日時及びくさびの材質

j)

使用した対比試験片又は標準試験片の名称及び識別記号

k)

対比試験片の厚さ,曲率,探傷面の状態及び STB 音速比

l)

試験体の探傷面の状態及び手入れ方法

m)

試験体の探傷面温度

n)

探傷範囲

o)

接触媒質の種類,名称

p)

公称周波数及び試験周波数

q)

公称屈折角及び STB 屈折角

r) STB

音速比及びその測定方法

s)

探傷屈折角及びその算出方法

t)

測定範囲

u)

エコー高さ区分線使用の有無

v)

探傷感度

w)

感度補正量

x)

検出レベル


14

Z 3060

:2015

y)

最大エコー高さを示す溶接線方向の探触子の位置,探触子溶接部距離,ビーム路程,最大エコー高さ

(領域)

,きずの指示長さ,きずの深さ,溶接線に直角方向の位置並びにきずの指示長さの始端及び終

端。

z)

合否及びその基準

aa) EDAC

を使用したときは,次の記録を行う。

1)

探傷器名及び EDAC 使用時の性能

2) EDAC

使用の旨の記録

ab)

タンデム探傷法を適用した場合は,次の記録を行う。

1)

探傷不能領域

2)

探傷ジグの仕様

3)

タンデム基準線の位置

4)

きずの板厚方向の位置(深さ)

ac)

その他の事項(指定事項,協議事項,立会,試験部位の抜取方式など。


15

Z 3060

:2015

附属書 A

規定)

探傷器及び探触子の機能及び性能

A.1

一般

この附属書は,この規格で使用する探傷器及び探触子の機能及び性能について規定する。

A.2

探傷器

A.2.1

探傷器に必要な機能

探傷器に必要な機能は,次による。

a)

探傷器は,一探触子法,二探触子法のいずれでも使用できるものとする。

b)

ゲイン調整器は,1 ステップ 1 dB 以下で,合計の調整量は,70 dB 以上とする。

c)

アナログ探傷器の場合,校正目盛板は,エコー高さ区分線などが書き込め,容易に着脱でき,視差に

よる測定誤差が小さいものとする。

d)

連続的に調整するつまみのうち,時間軸に関係があり,使用中に動く可能性のあるものは,ロック機

構が附属されていることが望ましい。

e)

広帯域探触子と組み合わせて使用する探傷器は,RF 波形が表示又は出力できるものとする。

A.2.2

探傷器に必要な性能

探傷器に必要な性能は,次による。

a)

増幅直線性は,JIS Z 2352 の 6.2.2[増幅直線性(測定方法 A)

]で測定し,±3 %の範囲内とする。

b)

時間軸の直線性は,JIS Z 2352 の 6.1.1(時間軸直線性)で測定し,±1 %の範囲内とする。

c)

感度余裕値は,JIS Z 2352 の 6.5(垂直探傷の感度余裕値)で測定し,40 dB 以上とする。

d)

電源電圧の変動に対する安定度は,JIS Z 2351 の箇条 6(安定性)で測定し,定格電圧±10 %の範囲

内での感度変化は,±1 dB の範囲内,時間軸の移動量は,フルスケールの±2 %の範囲内とする。

A.2.3

EDAC

機能

EDAC(電子的距離振幅補償)機能を付加する探傷器は,EDAC 機能を使用してよい。

A.2.4

探傷器の性能の点検

探傷器は,A.2.2 に示す a)∼c)  の事項について,JIS Z 2352 の箇条 7(定期点検)によって,装置の購入

時及び点検を行った日の翌月 1 日から起算して 12 か月以内ごとに点検し,A.2.2 に規定する性能が維持さ

れていることを確認する。

A.3

探触子

A.3.1

探触子に必要な機能

探触子に必要な機能は,次による。

a)

探触子は,使用する探傷器に適合したものとする。

b)

入射点の測定を容易にするため,斜角探触子の両側には,1 mm 間隔でガイド目盛が付けてあるもの

とする。

c)

斜角探触子の振動子の公称寸法は,8.3.2 a)  による。

d)

垂直探触子の振動子は円形とし,その公称直径は,8.3.2 b)  による。


16

Z 3060

:2015

A.3.2

試験周波数

試験周波数は,公称周波数の 90 %∼110 %の範囲内とする。周波数特性が広帯域の探触子は,JIS Z 2350

の 7.1(周波数応答性)によって試験周波数を測定するか,又は JIS Z 2350 の 7.2(時間領域応答性)によ

ってピーク数を測定し,時間とピーク数との関係から周波数を算出し,試験周波数の代用とする。広帯域

の探触子の試験周波数は,公称周波数の 80 %∼120 %の範囲とする。

A.3.3

斜角探触子に必要な性能

通常使用する斜角探触子に必要な性能は,次による。

なお,

表 A.1∼表 A.4 に規定されている振動子の公称寸法又は公称周波数以外の値のものを使用する場

合は,接近限界長さ,分解能及び不感帯は受渡当事者間の協議による。

a)

接近限界長さは,

表 A.1 に示す値以内とする。ただし,タンデム探傷に使用する探触子の最小入射点

間距離は,公称周波数 5 MHz,公称屈折角 45°探触子の場合で 20 mm 以下,70°の場合で 27 mm 以

下,2 MHz,45°の場合は 25 mm 以下とする。

表 A.1−接近限界長さ

振動子の公称寸法

mm

接近限界長さ

mm

20×20 25 
14×14 20 
10×10 15

5×5

7

b)

公称屈折角と STB 屈折角との差異は,気温又は標準試験片の温度が 10∼30  ℃の範囲内において,±

2°の範囲とする。気温又は標準試験片の温度が 10∼30  ℃の範囲外において公称屈折角と STB 屈折

角との差異の範囲を要求する場合は,受渡当事者間の協議による。

c)

分解能は,使用する探傷器と組み合わせて,JIS Z 2352 の 6.4(斜角探傷における分解能)によって測

定し,

表 A.2 に示す値とする。

ただし,2∼2.5 MHz の分解能については,JIS Z 2352 の対比試験片 RB-RD 又は RB-HS を使用して

測定し,3∼4 MHz,4.5∼5 MHz の分解能については,JIS Z 2352 の対比試験片 RB-RD を使用して測

定する。

表 A.2−斜角探触子の分解能

公称周波数

MHz

分解能

mm

2∼2.5 9 以下

3∼4 7 以下

4.5∼5 5 以下

d)

不感帯は,使用する探傷器と組み合わせたとき,JIS Z 2350 の 8.3.7(不感帯)によって測定し,

A.3

に示す値以下とする。

振動子の公称寸法が 5 mm×5 mm の場合には,使用する探傷感度で測定する。

タンデム探傷に使用する探触子の不感帯は,規定しない。


17

Z 3060

:2015

表 A.3−斜角探触子の不感帯

公称周波数

MHz

振動子の公称寸法

mm

不感帯

mm

2∼2.5

14×14 
20×20

25 
15

3∼4

10×10 
14×14 
20×20

25 
15 
10

4.5∼5

5×5

10×10

 8 
10

e)

ビーム中心軸の偏りは,JIS Z 2350 の 8.3.4(非集束探触子のビーム中心軸の偏り角)2)(STB-A1 を

用いる場合)で測定し,この角度が 2°を超えないものとする。

A.3.4

垂直探触子に必要な性能

垂直探触子の分解能は,使用する探傷器と組み合わせたとき,JIS Z 2352 の 6.3.3[分解能測定方法 A

(RB-RA 形対比試験片)

]によって測定し,

表 A.4 に示す値とする。

表 A.4−垂直探触子の分解能

公称周波数

MHz

分解能

mm

2 9 以下

2 超え 5 未満

7 以下

5 6 以下

A.3.5

斜角探触子の性能の点検

斜角探触子は,A.3.2 及び A.3.3 に示す事項について,

表 A.5 に規定した時期に点検し,A.3.2 及び A.3.3

に規定する性能が維持されていることを確認する。

表 A.5−斜角探触子の性能点検時期

点検項目

点検時期

公称屈折角と STB 屈折角との差異

ビーム中心軸の偏り 
接近限界長さ

分解能

不感帯

購入時及び点検を行った日の翌月 1 日から起算して 12 か月以内ごと。

ただし,補修を行った場合にはその直後。

試験周波数 (狭帯域) 

(広帯域)

購入時 
購入時及び点検を行った日の翌月 1 日から起算して 12 か月以内ごと。

A.3.6

垂直探触子の性能の点検

垂直探触子は,A.3.2 及び A.3.4 に示す事項について,

表 A.6 に規定した時期に点検し,A.3.2 及び A.3.4

に規定する性能が維持されていることを確認する。


18

Z 3060

:2015

表 A.6−垂直探触子の性能点検時期

点検項目

点検時期

分解能

購入時及び点検を行った日の翌月 1 日から起算して 12 か月以内ごと。

ただし,補修を行った場合にはその直後。

試験周波数 (狭帯域) 

(広帯域)

購入時 
購入時及び点検を行った日の翌月 1 日から起算して 12 か月以内ごと。


19

Z 3060

:2015

附属書 B

規定)

平板継手溶接部の探傷方法

B.1

一般

この附属書は,平板突合せ継手溶接部,T 継手溶接部,角継手溶接部,探傷面の曲率半径が 1 000 mm 以

上の円周継手溶接部及び 1 500  mm 以上の長手継手溶接部の超音波斜角探傷試験,垂直探傷試験及びタン

デム探傷試験方法について規定する。

B.2

斜角探傷

B.2.1

対比試験片及び標準試験片

探傷感度の調整に使用する対比試験片及び標準試験片は,

表 B.1 及び図 B.1 に示す RB-41A,RB-41B 又

は A2 形系標準試験片若しくは A3 形系標準試験片とする。RB-41A は,試験体と同等の音響特性の鋼材及

び探傷面の状態で,曲率をもたないものとする。試験体との音速差は±2 %以内,感度補正量の差が±2 dB

以内とする。

表 B.1−対比試験片 RB-41A 及び RB-41B の寸法

単位  mm

試験片の番号

試験体の厚さ

対比試験片の厚さ

標準穴の直径

No.1 20 以下 19 又は t±10 %

3.0

No.2 20 を超え 40 以下 38 又は t±10 %

3.0

No.3 40 を超え 80 以下 75 又は t±10 %

3.0

No.4 80 を超え 140 以下 125 又は t±10 %

6.0

No.5 140 を超え 200 以下 175 又は t±10 %

6.0

No.6 200 を超え 250 以下 225 又は t±10 %

6.0

No.7 250 を超えるもの

t±10 %

6.0


20

Z 3060

:2015

単位  mm

図 B.1−対比試験片 RB-41A 及び RB-41B の寸法の例


21

Z 3060

:2015

  L:  対比試験片の長さ。対比試験片の長さは,使用するビーム路程による。感度補正の 透過を行う長さ又はそ

の 2 倍の長さ以上とする。

  T:  対比試験片の厚さ 
  d:  標準穴の直径 
  W:  試験片の幅 

  W>2×λ×S/D

  λ:  波長 
  S:  使用する最大のビーム路程 
  D:  振動子の幅

注記 No.4 及び No.5 は反転して利用し,No.6 は片面からの探傷とする。

図 B.1−対比試験片 RB-41A 及び RB-41B の寸法の例(続き)

B.2.2

探触子

B.2.2.1

周波数の選定

使用する斜角探触子の公称周波数は,8.3.1 による。

B.2.2.2

振動子寸法の選定

使用する斜角探触子の振動子の公称寸法は,8.3.2 による。

B.2.2.3

屈折角の選定

使用する斜角探触子の公称屈折角は 8.3.3 b)  による。

なお,試験体の板厚が 75 mm を超える場合は,

表 で選定する屈折角のほかに公称屈折角 45°を併用

する。

B.2.3

探傷装置の調整

B.2.3.1

入射点

入射点の測定は,9.1.1 による。

B.2.3.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,9.1.2 によって行い,

表 B.2 に示す探傷範囲を満足する最大ビーム路程以上で,過大

とならない範囲とする。


22

Z 3060

:2015

表 B.2−探傷面,探傷範囲及び周波数

継手の種類

探傷面

探傷範囲

使用する最大のビーム路程

mm

周波数

MHz

突合せ継手

片面両側

直射法及び 1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

両面両側

直射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

T 継手

片面片側

直射法及び 1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

両面片側

直射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

角継手

(閉断面の場合)

片面片側

直射法及び 1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

B.2.3.3

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定

STB 屈折角及び探傷屈折角の測定は,9.1.3 による。標準試験片との音速差をもつ試験体(表 において,

探傷屈折角による規定がなされている STB 音速比の範囲の試験体をいう。

の場合の探傷屈折角は,

RB-41A

又は試験体において,探傷方向で測定する。

B.2.3.4

エコー高さ区分線の作成

エコー高さ区分線の作成手順は,次による。

a)

エコー高さ区分線の作成は,RB-41A 又は RB-41B を使用する場合,それぞれの試験片の標準穴を用い,

A2 形系標準試験片を使用する場合,φ4×4 mm の標準穴を用いる。

なお,探傷時のビーム路程範囲の記録点のエコー高さと事前に作成したエコー高さ区分線との差異

が,±2 dB 以内であれば,事前に作成したエコー高さ区分線を使用してもよい。作成されたエコー高

さ区分線は,表示器上に表示する。

b)

エコー高さ区分線の作成に当たっては,

図 B.2 a)  及び図 B.3 a)  に示す位置で探触子を走査し,それぞ

れの最大エコー高さを表示器に記録する。

図 B.2 b)  及び図 B.3 b),c)  に示すこれらの各点を結び,エ

コー高さ区分線とする。ただし,不感帯に含まれる標準穴は記録しない。

c)

エコー高さ区分線の範囲は,使用するビーム路程より大きい範囲とする。

d)

エコー高さ区分線は,表示器の 10∼100 %の範囲を含むように作成する。

e)

ゼロ目盛から最もビーム路程の短い記録点までの範囲は水平の線とする。

f)

エコー高さ区分線の本数は,6 dB ずつ異なるエコー高さ区分線を 3 本以上作成する。


23

Z 3060

:2015

a)

  探触子の走査位置 

b)

  2C20×20A65 の例 

注記 1  ①∼⑤は探触子の走査位置を示す。 
注記 2  探触子記号 2C20×20A65 は,JIS Z 2350 の 5.(探触子の表示法)で規定されており,公称周波数:2 MHz,

振動子材料:ジルコンチタン酸鉛系以外の磁器,振動子寸法:20×20 mm,斜角探触子(A)

,公称屈折

角:65 度を示している。

図 B.2RB-41 No.3 によるエコー高さ区分線の作成例

a)

  探触子の走査位置 

図 B.3STB-A2 によるエコー高さ区分線の作成例


24

Z 3060

:2015

b)

  5C10×10A70 の例

c)

  2C14×14A65 の例

図 B.3STB-A2 によるエコー高さ区分線の作成例(続き)

B.2.3.5

領域区分の決定

領域区分の決定は,9.1.5 による。

B.2.3.6

探傷感度の調整

B.2.3.6.1  RB-41

による場合

B.2.3.6.1.1  RB-41A

標準穴のエコー高さが,H 線に一致するようにゲインを調整し,探傷感度とする。B.2.1 に規定する

RB-41A の No.4∼No.7 の直径 6.0 mm の標準穴を使用する場合は,横穴の径の違いによる感度補正量を 3 dB

加える。

B.2.3.6.1.2  RB-41B

標準穴のエコー高さが,H 線に一致するようにゲインを調整し,必要に応じて感度補正量を加え,その

条件を探傷感度とする。感度補正量の求め方は,B.2.3.7 による。感度補正量の合計値が 2 dB を超える場

合には,感度の補正を行う。B.2.1 に規定する RB-41B の No.4∼No.7 の直径 6.0 mm の標準穴を使用する場

合は,横穴の径の違いによる感度補正量を 3 dB 加える。

B.2.3.6.2  A2

形系標準試験片による場合

使用する最大ビーム路程が 150 mm 以下の場合に適用する。公称屈折角 70°を使用する場合は,φ4×4

mm の標準穴のエコー高さが,H 線に一致するようにゲインを調整し,必要に応じて感度補正量を加え,

その条件を探傷感度とする。

公称屈折角 65°を使用する場合は,φ4×4 mm の標準穴のエコー高さが,M 線に一致するようにゲイン

を調整し,必要に応じて感度補正量を加え,その条件を探傷感度とする。

公称屈折角 45°を使用する場合は,φ4×4 mm の標準穴のエコー高さが,H 線に一致するようにゲイン

を調整した後,ゲインを 6 dB 上げ,必要に応じて感度補正量を加え,その条件を探傷感度とする。

感度補正量の求め方は,B.2.3.7 による。感度補正量の合計値が 2 dB を超える場合には,感度の補正を

行う。

なお,公称屈折角 60°は,A2 形系標準試験片を使用して,感度調整を行わないものとする。

B.2.3.7

感度補正量の求め方

感度補正量の求め方は,次による。


25

Z 3060

:2015

a)

使用する測定範囲に調整した後,探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の探触子を二探触子法で

使用する。

b)

実際の試験体上において,

図 B.4 a)  に示す配置で,透過パルスが最も高くなるように探触子間距離を

調整する。この最大透過パルスの高さを 50 %にし,ゲインの値 V(dB)を読み取る。

c)

対比試験片,A1 形標準試験片又は A2 形系標準試験片上において,

図 B.4 b)  に示す配置で,上述の

b)

と同様な手順によって,受信側探触子が R

1

位置で透過パルスが最も高くなるように探触子間距離

を調整し,透過パルス高さを 50 %にするゲインの値 V

1

(dB)及び R

2

位置における透過パルスの高さ

を 50 %にするゲインの値 V

2

(dB)を読み取る。

d)

両者のビーム路程が一致していない場合は,

図 B.4 c)  に示すように,試験体におけるビーム路程の前

後となるビーム路程における V' の値を読み取る。

e) |V'

V|の値を感度補正量とする。

f)

斜角探触子のくさびの材質がポリスチレンで,接触媒質にグリセリンペースト又は濃度 75 %(体積分

率 75 %)以上のグリセリン水溶液を使用し,探傷面の最大表面粗さが 100 μmRz 以下では,伝達損失

の補正を必要としない。

a)

  試験体

b)

  STB 又は RB

c)

  感度補正量(V'V 

図 B.4−感度補正量の求め方

B.2.4

探傷方法

B.2.4.1

探傷面

探傷面は,

表 B.2 による。T 継手及び角継手の場合,一探触子斜角探傷法を適用する場合の探傷面は,

開先を取る側の部材面とするが,必要な場合,その他の面からの探傷を追加してもよい。

なお,面及び側は,

図 B.5 による。

B.2.4.2

探傷方向

探傷方向は,きずの傾きによるきずの見落としを防ぐため,

図 B.6∼図 B.8 に示すように,2 方向以上の

超音波ビームで行う。


26

Z 3060

:2015

B.2.4.3

走査方法

探触子の走査方法は,10.2.1 による。

B.2.4.4

走査範囲

探触子の走査範囲は

表 B.2 の探傷範囲を満足するものとする。

B.2.4.5

走査速度

走査速度は,探傷に支障を来さない速度とする。

B.2.5

きず位置の推定方法

きずを検出した場合のきず位置は,探触子溶接部距離,ビーム路程及び 9.1.3 によって測定された屈折角

から推定する。

B.2.6

きずの評価

きずの評価は 10.2.2 による。

図 B.5−面及び側

a)

  片面両側の探傷

(使用する最大のビーム路程が 250 mm 以下の場合)

b)

  両面両側の探傷

(使用する最大のビーム路程が 250 mm を超える場合)

図 B.6−突合せ継手溶接部の探傷方法例

a)

  片面片側の探傷

(使用する最大のビーム路程が 250 mm 以下の場合)

b)

  両面片側の探傷

(使用する最大のビーム路程が 250 mm を超える場合)

図 B.7継手溶接部の探傷方法例


27

Z 3060

:2015

図 B.8−閉断面の角継手溶接部の探傷方法例

B.3

垂直探傷

B.3.1

対比試験片

探傷感度の調整に使用する対比試験片は,

表 B.1 及び図 B.1 に示す RB-41A 又は RB-41B とする。ただ

し,端面を用いて感度調整をする場合は,端面の表面粗さを 25 μmRz 以下とする。

B.3.2

探触子

B.3.2.1

周波数の選定

使用する垂直探触子の公称周波数は,

表 による。

B.3.2.2

振動子寸法の選定

使用する垂直探触子の振動子の公称寸法は,

表 による。

B.3.3

探傷装置の調整

B.3.3.1

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,9.2.1 によって行い,

表 B.3 に示す探傷範囲を満足する最大ビーム路程以上で,過大

とならない範囲とする。

表 B.3−探傷面,探傷範囲及び周波数

継手の種類

探傷面

探傷範囲

使用する最大のビーム路程

mm

周波数

MHz

T 継手

片面

母材表面(

図 B.9

探傷面∼設計溶接

溶込み部

40 以下 5

40 を超え 60 以下

2 又は 5

60 を超える場合 2

角継手

(閉断面の場合)

片面

母材表面(

図 B.10

探傷面∼設計溶接

溶込み部

40 以下 5

40 を超え 60 以下

2 又は 5

60 を超える場合 2


28

Z 3060

:2015

図 B.9継手溶接部垂直探傷の探触子配置

図 B.10−角継手溶接部垂直探傷の探触子配置

B.3.3.2

エコー高さ区分線の作成

エコー高さ区分線の作成は,次による。

a) RB-41A

又は RB-41B によるエコー高さ区分線の作成に当たっては,

図 B.11 に示すように,①,②,

③及び④の位置に探触子を置き,それぞれの最大エコーを表示器に記録する。ただし,④の探傷面か

ら標準穴までの距離は探傷範囲を満足する距離以上とする。

なお,使用するビーム路程の範囲の記録点のエコー高さと事前に作成したエコー高さ区分線との差

異が,±2 dB 以内であれば,事前に作成したエコー高さ区分線を使用してもよい。作成されたエコー

高さ区分線は,表示器上に表示する。

b)

図 B.12 a)  及び図 B.12 b)  に示すように,それぞれ一定の探傷感度で表示器に記録された 4 点を直線

で結び,一つのエコー高さ区分線とする。

c)

エコー高さ区分線の本数は,6 dB ずつ異なるエコー高さ区分線を 3 本以上作成する。


29

Z 3060

:2015

図 B.11RB-41 によるエコー高さ区分線作成のための探触子位置

a)

  2C20N の例

b)

  5C10N の例

図 B.12RB-41 によるエコー高さ区分線の作成例

B.3.3.3

領域区分の決定

領域区分の決定は 9.2.3 による。

B.3.3.4

探傷感度の調整

B.3.3.4.1  RB-41A

による場合

標準穴のエコー高さが,H 線に一致するようにゲインを調整し,探傷感度とする。B.2.1 に規定する

RB-41A の No.4∼No.7 の直径 6.0 mm の標準穴を使用する場合は,横穴の径の違いによる感度補正量 3 dB

を加える。

B.3.3.4.2  RB-41B

による場合

標準穴のエコー高さが,H 線に一致するようにゲインを調整し,必要に応じて感度補正量を加え,その

条件を探傷感度とする。感度補正量の求め方は,B.3.3.5 による。感度補正量の合計値が 2 dB を超える場

合には,感度の補正を行う。B.2.1 に規定する RB-41B の No.4∼No.7 の直径 6.0 mm の標準穴を使用する場

合は,横穴の径の違いによる感度補正量 3 dB を加える。

B.3.3.5

感度補正量の求め方

RB-41B 試験片と試験体との表面状態の違いによる伝達損失量の差及び材質の違いによる減衰係数の差

の補正は,次に示す方法で求める。

a)

図 B.13 a)  に示す配置で,対比試験片における底面多重反射図形によって,底面エコーの距離振幅特


30

Z 3060

:2015

性曲線を作成する。B

1

の最大エコー高さを 90 %にし,ゲインの値 V(dB)を読み取る。この曲線は,

対比試験片における伝達損失,拡散損失及び散乱減衰を表している。

b)

次に a)  と同じ探傷感度によって,

図 B.13 b)  に示す試験体における底面多重反射図形から距離振幅特

性曲線を作成する。

c)

a)

で作成した距離振幅特性曲線と b)  で作成した距離振幅特性曲線のエコー高さとの差 Δは,対比

試験片と試験体における伝達損失量の差と散乱減衰量との差を表している。

d)  ΔH

の値を感度補正量とする。

e)

垂直探触子の遅延材の材質がポリスチレンの場合で,接触媒質にグリセリンペースト又は濃度 75 %

(体積分率 75 %)以上のグリセリン水溶液を使用し,探傷面の最大表面粗さが 100 μmRz 以下では,伝

達損失の補正を必要としない。

a)

  RB-41B における底面エコー高さの測定

b)

  試験体における底面エコー高さの測定

図 B.13−感度補正量の求め方

B.3.4

探傷方法

B.3.4.1

探傷面

探傷面は,

表 B.3 による。T 継手及び角継手の場合は直交する外面からとする。

B.3.4.2

探傷方向

探傷方向は,

図 B.14 に示す方向とする。

B.3.4.3

走査方法

探触子の走査方法は,10.3.1 による。

B.3.4.4

走査範囲


31

Z 3060

:2015

探触子の走査範囲は,垂直探触子のビームが溶接部をカバーできる範囲とする。

B.3.4.5

走査速度

走査速度は,探傷に支障を来さない速度とする。

B.3.5

きず位置の推定方法

きず位置は,きずの最大エコー高さを示す探触子の中心位置,溶接基準線からの隔たり及びビーム路程

から推定する。

B.3.6

きずの評価

きずの評価は,10.3.2 による。

図 B.14−垂直探傷の探傷方向

B.4

タンデム探傷試験

B.4.1

適用の目的

タンデム探傷は,探傷面に垂直な開先面又はルート面に発生するきずを検出するために適用する。

B.4.2

標準試験片

A1 形標準試験片又は A3 形系標準試験片とする。

B.4.3

探触子

B.4.3.1

周波数の選定

タンデム探傷試験に使用する探触子の公称周波数は,2 MHz 又は 5 MHz とする。

B.4.3.2

振動子寸法の選定

タンデム探傷に使用する斜角探触子の振動子公称寸法は,特に規定しない。

B.4.3.3

屈折角の選定

板厚 20 mm 以上 40 mm 未満の場合は公称屈折角 70°,板厚 40 mm 以上の場合は公称屈折角 45°とし,

送信用及び受信用の探触子の,それぞれの STB 屈折角の差異は 2°以下とする。

B.4.4

タンデム探傷における探触子の配置

タンデム探傷における探触子の配置は,

図 B.15 に示すように超音波ビームが目的とする探傷面のきずを

検出する位置になるよう 2 個の探触子を用い,送信用及び受信用とする。また,双方の探触子が,横方形

タンデム走査又は縦方形タンデム走査のできるものとする。


32

Z 3060

:2015

図 B.15−タンデム探傷における探触子の配置

B.4.5

探傷装置の調整

B.4.5.1

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,一探触子法によって 9.1.2 によって行い,試験体のほぼ 1 スキップに相当するビーム

路程以上で,過大とならない範囲とする。

B.4.5.2

入射点及び STB 屈折角の測定

入射点の測定は,9.1.1 による。STB 屈折角の測定は,9.1.3 による。

B.4.5.3

透過パルス高さ区分線

探傷器の表示器上に,あらかじめ,

図 B.16 の透過パルス高さ区分線を設けておく。表示器上 40 %の高

さの線を M 線とし,それより 6 dB 低い線を L 線とし,6 dB 高い線を H 線とする。

B.4.5.4

領域区分の決定

領域区分は,9.1.5 に規定すると同様に,

図 B.16 のように決定する。

図 B.16−透過パルス高さ区分線及び領域区分の例

B.4.5.5

探傷感度の調整

探傷感度の調整は,試験体の健全部において V 透過法で走査を行い,最大透過パルスが M 線に一致す


33

Z 3060

:2015

るようにゲインを調整した後,板厚によって

表 B.4 に示すゲインの値を付加し,その条件を探傷感度とす

る。

表 B.4−付加するゲインの値

板厚

探傷範囲

付加するゲインの値

20 mm 以上 40 mm 未満

板厚の全体 16

dB

40 mm 以上 75 mm 未満

板厚の全体 10

dB

75 mm 以上

表面から t/4 以下 10

dB

t/4 を超え t/2 以下 12

dB

t/2 を超え裏面まで 14

dB

注記  は板厚

B.4.6

探傷方法

B.4.6.1

参照線のけがき

タンデム探傷を実施する溶接線上には,溶接を行う前に開先面から一定の距離(L')に参照線をけがく。

B.4.6.2

タンデム基準線の決定

探傷断面からタンデム基準線までの距離(L

0.5S

)は,試験体の探傷面として用いられる側の板厚(t)及

び送受の探触子の STB 屈折角(θ

T

及び θ

R

)又は探傷屈折角から,式(B.1)によって求める。タンデム基準

線は,

図 B.15 のように参照線から距離(L)の位置に決定する。

θ

t

L

tan

0.5S

×

=

  (B.1)

ここに,

2

R

T

θ

θ

θ

=

0.5S

L

L

L

=

B.4.6.3

探触子の配置

送受の探触子の入射点を,タンデム基準線に対し等距離に配置する。

B.4.6.4

探傷方向及び探傷面

突合せ継手の場合は,片面で溶接部の両側とし,

T

継手及び角継手の場合には,片面で溶接部の片側と

する。

B.4.6.5

走査方法

探触子の走査方法は,きずの見落としのないようにジグを用いて行い,横方形タンデム走査又は縦方形

タンデム走査を適用する。

B.4.6.6

走査範囲

探触子の走査範囲は,目的とする探傷断面のきずが検出できる範囲とする。

B.4.6.7

走査速度

走査速度は,探傷に支障の来さない速度とする。

B.4.7

きず位置の表示

きず位置は,

図 B.17

に示すように,断面での位置は,最大透過パルス高さを示す探触子の位置(

X

P

)で

得られるきずの深さ(

d

)及び溶接線に直角方向の位置(

k

)で表示し,溶接線と平行方向での位置は,最

大透過パルス高さを示す探触子の位置(

X

P

)並びにきずの指示長さ(

l

)の始端(

X

S

)及び終端(

X

E

)で表

示する。

B.4.8

きずの評価


34

Z 3060

:2015

B.4.8.1

評価の対象にするきず

評価の対象にするきずは,

B.4.5.5

に規定する探傷感度に調整し,

M

検出レベルの場合には,最大透過パ

ルス高さが

M

線を超えるきずとし,

L

検出レベルの場合には,最大透過パルス高さが

L

線を超えるきずと

する。

B.4.8.2

透過パルス高さの領域

最大透過パルス高さを示す位置に探触子を置き,その最大透過パルス高さがどの領域にあるかを読み取

る。

B.4.8.3

きずの指示長さ

きずの指示長さは,最大透過パルス高さを示す位置を中心として,左右走査及び前後走査を行い,

M

出レベルの場合には,透過パルス高さが

M

線を,

L

検出レベルの場合には,透過パルス高さが

L

線を超え

る範囲の探触子の移動距離とする。この長さは,

1 mm

の単位で測定する。

B.4.8.4

きずの分類

きずの分類は,

附属書 G

による。

図 B.17

タンデム探傷のきず位置の表示


35

Z 3060

:2015

附属書 C 

規定)

円周継手溶接部の斜角探傷方法

C.1

一般

この附属書は,探傷面の曲率半径が

50 mm

以上

1 000 mm

未満の円周継手溶接部の超音波斜角探傷試験

方法について規定する。

C.2

標準試験片及び対比試験片

C.2.1

試験片の適用範囲

入射点の測定,測定範囲の調整,及び

STB

屈折角の測定は,

9.1.1

9.1.3

による。探傷感度の調整に使

用する対比試験片は,試験体の曲率半径によって,

図 C.1

に従って使用する。ただし,横波音速が標準試

験片と

2 %

以上異なる試験体を探傷する場合は,

RB-41A

RB-41B

又は

RB-42

を使用する。また,試験体

の板厚が

15 mm

を超える場合の感度調整には,

RB-42

の使用が望ましい。

図 C.1

試験片の適用範囲

C.2.2

対比試験片 RB-42

対比試験片

RB-42

の形状及び寸法は,

図 C.2

とし,かつ,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状

態で,厚さ及び曲率は試験体の±

10 %

以内のものとする。また,横波音速は試験体との音速差が±

2 %

内のものとする。

図 C.2

対比試験片 RB-42 の例


36

Z 3060

:2015

  L:  対比試験片の長さ。対比試験片の長さは,使用するビーム路程による。感度補正の V 透過を行う長さ又は

その 2 倍の長さ以上とする。

  L

1

: 5/4 スキップ以上の長さ,40 mm 以上とする。

  T:  対比試験片の厚さ 
  W:  試験片の幅 

  W>2×λ×S/D

  λ:  波長 
  S:  使用する最大のビーム路程 
  D:  振動子の幅

図 C.2

対比試験片 RB-42 の例

続き

C.2.3

対比試験片 RB-A6

対比試験片

RB-A6

の形状及び寸法は,

図 C.3

とし,かつ,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状

態で,厚さ及び曲率は試験体の±

10 %

以内のものとする。また,横波音速は試験体との音速差が±

2 %

内のものとする。

RB-A6

の穴の垂直度は

0.5

°以内とし,穴の角は面取りをしないものとする。

L: 対比試験片の長さ。対比試験片の長さは,使用するビーム路程による。感度補正の V 透過を行う長さ又は

その 2 倍の長さ以上とする。

L

1

: 1.5 スキップ以上の長さ。

T:  対比試験片の厚さ

W:  試験片の幅,60 mm 以上とする。

図 C.3

対比試験片 RB-A6

C.3

探触子

C.3.1

周波数の選定

使用する斜角探触子の公称周波数は,

8.3.1

による。

C.3.2

振動子寸法の選定

使用する斜角探触子の振動子の公称寸法は,

10 mm

×

10 mm

以上

20 mm

×

20 mm

以下とする。

C.3.3

屈折角の選定

使用する斜角探触子の公称屈折角は

8.3.3 b)

による。探触子の接触面の加工を行った場合は探傷屈折角

を用いて探傷を行う。

なお,試験体の板厚が

75 mm

を超える場合は,

表 5

で選定する屈折角のほかに公称屈折角

45

°を併用

する。

C.3.4

探触子の接触面


37

Z 3060

:2015

探触子の接触面の曲面加工は,

表 C.1

によって行う。

表 C.1

探触子の接触面の曲面加工

単位  mm

試験体の曲率半径

50 以上 250 未満 250 以上

外面からの探傷

ジグの使用又は接触面の加工を行う

ジグは非使用及び接触面の加工を行わない

内面からの探傷

接触面の加工を行う

接触面の加工を行わない

C.4

探傷装置の調整

C.4.1

入射点の測定

入射点の測定は,次による。

a)

探触子の接触面の加工を行わない場合の入射点の測定は,

9.1.1

による。

b)

探触子の接触面の加工を行った場合の入射点の測定は,加工の影響を考慮した上で

0.5 mm

単位で読

み取る。測定方法は,次による。

1)

外面から探傷する接触面の加工を行った場合の入射点の測定は,

図 C.4 a)

に示す位置に探触子を置

き,

STB-A1

R100

角部又は

STB-A3

R50

角部に接触させた状態で,角部のエコーが最も高くな

る位置を求め,入射点とする。

2)

内面から探傷する接触面の加工を行った場合の入射点の測定は,

図 C.4 b)

に示す位置に探触子を置

き,角部に接触させた状態で,角部のエコーが最も高くなる位置を求め,入射点とする。

a)

  外面から探傷する接触面の加工を行った場合の例 

図 C.4

接触面の加工を行った探触子の入射点測定

試験片角部のエコーによる方法


38

Z 3060

:2015

b)

  内面から探傷する接触面の加工を行った場合の例 

図 C.4

接触面の加工を行った探触子の入射点測定

試験片角部のエコーによる方法

続き

C.4.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,

9.1.2

によって行い,

表 C.2

に示す探傷範囲を満足する最大ビーム路程以上で,過大

とならない範囲とする。探触子の接触面を曲面加工した探触子を用いて探傷を行う場合,同じ形式の接触

面を加工していない探触子を用いて予備調整し,曲面加工した探触子に付け替えた後,入射点の測定時に

ゼロ点調整する。

表 C.2

探傷面

探傷範囲及び周波数

内外面の探傷

探傷面

探傷範囲

使用すべき最大のビーム路程

mm

周波数

MHz

外面だけ探傷可能

な場合

外面(凸面)

両側

直射法及び

1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

内外面ともに探傷

可能な場合

外面(凸面)

両側

直射法及び

1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

両面両側

直射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

C.4.3

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定は,次による。

a)

探触子の接触面の加工を行わない場合の探触子の

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定は,

9.1.3

による。

b)

探触子の接触面の加工を行った場合の探傷屈折角の測定は,次による。

1)

外面から探傷するときの探傷屈折角は,

図 C.5 a) 

又は

b) 

に示す方法によって探触子を走査し,標

準きずからのエコー高さが最大となる探触子きず距離及びビーム路程を測定し,式

(C.1)

によって求

める。探傷屈折角を測定する場合の探触子位置は,きず位置までの距離

d

又は

T

によって

図 C.5


39

Z 3060

:2015

示す配置で行う。

2)

内面から探傷するときの探傷屈折角は,

図 C.5 c)

又は

d)

に示す方法によって探触子を走査し,標

準きずからのエコー高さが最大となる探触子きず距離及びビーム路程を測定し,式

(C.1)

によって求

める。探傷屈折角を測定する場合の探触子位置は,きず位置までの距離

d

又は

T

によって

図 C.5

示す配置で行う。

=

d

y

1

tan

θ

  (C.1)

ここに,

θ

探傷屈折角

y

探触子きず距離

d (T)

きず深さ(板厚)

a)

  RB-42 による外面から探傷の場合

b)

  RB-A6 による外面から探傷の場合

c)

  RB-42 による内面から探傷の場合

d)

  RB-A6 による内面から探傷の場合

図 C.5

RB-42

又は RB-A6 を用いた探傷屈折角の測定

C.4.4

エコー高さ区分線の作成

C.4.4.1  RB-41

を用いる場合

RB-41A

又は

RB-41B

を用いる場合のエコー高さ区分線は,

B.2.3.4

による。

C.4.4.2  RB-42

を用いる場合

エコー高さ区分線は,使用する探触子を用いて,次の手順で作成する。

なお,

探傷時のビーム路程範囲の記録点のエコー高さと事前に作成したエコー高さ区分線との差異が±

2

dB

以内であれば,事前に作成したエコー高さ区分線を使用してもよい。作成されたエコー高さ区分線は,

表示器上に表示する。

a)

図 C.6

に示す位置で探触子を走査し,それぞれの最大エコー高さを表示器に記録する。

図 C.7

に例示

するように,これらの各点を結び,エコー高さ区分線とする。

b)

エコー高さ区分線は,表示器の

10 %

100 %

の範囲内において作成する。

c)

ゼロ目盛から最もビーム路程の短い記録点までの範囲は,水平の線とする。


40

Z 3060

:2015

d)

エコー高さ区分線の本数は,

6 dB

ずつ異なるエコー高さ区分線を

3

本以上作成する。

a)

  外面から探傷する場合 

b)

  内面から探傷する場合 

図 C.6

RB-42

を用いたエコー高さ区分線作成における探触子走査位置

図 C.7

RB-42

を用いたエコー高さ区分線作成例

C.4.4.3  RB-A6

を用いる場合

エコー高さ区分線は,使用する探触子を用いて,次の手順で作成する。

なお,

探傷時のビーム路程範囲の記録点のエコー高さと事前に作成したエコー高さ区分線との差異が±

2

dB

以内であれば,事前に作成したエコー高さ区分線を使用してもよい。作成されたエコー高さ区分線は,

表示器上に表示する。

a)

図 C.8

に示す位置で探触子を走査し,それぞれの最大エコー高さを表示器に記録する。

図 C.9

に例示

するように,これらの各点を結び,エコー高さ区分線とする。

b)

エコー高さ区分線は,表示器の

10 %

100 %

の範囲内において作成する。

c)

ゼロ目盛から最もビーム路程の短い記録点までの範囲は,水平の線とする。

d)

エコー高さ区分線の本数は,

6 dB

ずつ異なるエコー高さ区分線を

3

本以上作成する。


41

Z 3060

:2015

a)

  外面から探傷する場合 

b)

  内面から探傷する場合 

図 C.8

RB-A6

を用いたエコー高さ区分線作成における探触子走査位置

図 C.9

RB-A6

を用いたエコー高さ区分線作成例

C.4.5

探傷感度の調整

C.4.5.1  RB-42

による場合

RB-42

を用いる場合の探傷感度の調整は,標準穴のエコー高さが

H

線に一致するようにゲイン調整し,

探傷感度とする。

C.4.5.2  RB-A6

による場合

公称屈折角

70

°を使用する場合は,

RB-A6

の標準穴のエコー高さが

H

線に一致するようにゲインを調

整し,探傷感度とする。公称屈折角

65

°を使用する場合は,

RB-A6

の標準穴のエコー高さが

M

線に一致

するようにゲインを調整し,探傷感度とする。公称屈折角

45

°を使用する場合は,

RB-A6

の標準穴のエコ

ー高さが

H

線に一致するようにゲインを調整した後,ゲインを

6 dB

上げ探傷感度とする。

なお,公称屈折角

60

°は

RB-A6

を使用して感度調整を行わないものとする。

C.4.5.3  RB-41A

又は RB-41B による場合

C.4.5.3.1  RB-41A

の場合

標準穴のエコー高さが,

H

線に一致するようにゲインを調整し,感度補正量の合計値が

2 dB

を超える場

合には,

C.4.6

による感度補正量を加え,その条件を探傷感度とする。


42

Z 3060

:2015

C.4.5.3.2  RB-41B

の場合

標準穴のエコー高さが,

H

線に一致するようにゲインを調整し,感度補正量の合計値が

2 dB

を超える場

合には,

C.4.6

による感度補正量を加え,その条件を探傷感度とする。

C.4.6

感度補正量の求め方

C.4.6.1  RB-41A

による場合

C.4.6.1.1

試験体を外面から探傷する場合

探傷面の曲率半径が

250 mm

以上で,探傷感度の調整に

RB-41A

を用いた場合,試験体を外面から探傷

する場合の感度補正量は,使用する斜角探触子の公称周波数,振動子の公称寸法及び接触媒質によって,

図 C.10

及び

図 C.11

から,

1 dB

の単位(四捨五入)で求める。

図 C.10

円周継手の曲率による感度補正量

図 C.11

円周継手の曲率による感度補正量

C.4.6.1.2

試験体を内面

凹面

から探傷する場合

探傷面の曲率半径が

250 mm

以上で,探傷感度の調整に

RB-41A

を用いた場合,試験体を内面から探傷

する場合の感度補正量の求め方は,次による。

a)

使用する測定範囲に調整した後,探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の探触子を二探触子法で


43

Z 3060

:2015

使用する。

b)

実際の試験体上において,

図 C.12 a)

に示す配置で,透過パルスが最も高くなるように探触子間距離

を調整する。この最大透過パルスの高さを

50 %

にし,ゲインの値

V

dB

)を読み取る。

c)

対比試験片又は

A2

形系標準試験片上において,

図 C.12 b)

に示す配置で,上述の

b)

と同様な手順に

よって,受信側探触子が

R

1

位置で透過パルスが最も高くなるように探触子間距離を調整し,透過パル

ス高さを

50 %

にするゲインの値

V

1

dB

,及び

R

2

位置における透過パルスの高さを

50 %

にするゲイ

ンの値

V

2

dB

)を読み取る。

d)

両者のビーム路程が一致していない場合は,

図 C.12 c)

に示すように,試験体におけるビーム路程の

前後となるビーム路程における

V'

の値を読み取る。

e) |V'

V|

の値を感度補正量とする。

a)

  試験体

b)

  STB 又は RB

c)

  感度補正量(V'V 

図 C.12

内面

凹面

から探傷する場合の感度補正量

C.4.6.2  RB-41B

による場合

C.4.6.2.1

試験体を外面から探傷する場合

探傷面の曲率半径が

250 mm

以上で,探傷感度の調整に

RB-41B

を用いた場合,試験体を外面から探傷

する場合の感度補正量の求め方は,次による。

a)

使用する測定範囲に調整した後,探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の探触子を,二探触子法

で使用する。

b)

実際の試験体上において,

図 C.13 a)

に示す配置で,透過パルスが最も高くなるように探触子間距離

を調整する。この最大透過パルスの高さを

50 %

にし,ゲインの値

V

dB

)を読み取る。

c)

対比試験片又は

A2

形系標準試験片上において,

図 C.13 b)

に示す配置で,上述の

b)

と同様な手順に

よって,受信側探触子が

R

1

位置で透過パルスが最も高くなるように探触子間距離を調整し,透過パル

ス高さを

50 %

にするゲインの値

V

1

dB

,及び

R

2

位置における透過パルスの高さを

50 %

にするゲイ

ンの値

V

2

dB

)を読み取る。


44

Z 3060

:2015

d)

両者のビーム路程が一致していない場合は,

図 C.13 c)

に示すように,試験体におけるビーム路程の

前後となるビーム路程における

V'

の値を読み取る。

e) |V'

V|

の値を感度補正量とする。

a)

  試験体

b)

  STB 又は RB 

c)

  感度補正量(V'V 

図 C.13

対比試験片 RB-41B を用いて外面

凸面

から探傷する場合の感度補正量

C.4.6.2.2

試験体を内面

凹面

から探傷する場合

RB41-B

を用い,

C.4.6.1.2

と同様に行う。

C.5

探傷方法

C.5.1

探傷面

探傷面は,

表 C.2

による。

C.5.2

探傷方向

探傷方向は,きずの傾きによるきずの見落としを防ぐため,

2

方向以上の超音波ビームで行う。

C.5.3

走査方法

探触子の走査方法は,

10.2.1

による。

C.5.4

走査範囲

探触子の走査範囲は,

表 C.2

の探傷範囲を満足するものとする。

C.5.5

走査速度

走査速度は,探傷に支障を来さない速度とする。

C.6

きず位置の推定方法

きずを検出した場合のきず位置は,探触子溶接部距離,ビーム路程及び

9.1.3

によって測定された

STB

屈折角又は探傷屈折角から推定する。


45

Z 3060

:2015

C.7

きずの評価

きずの評価は,

10.2.2

による。


46

Z 3060

:2015

附属書 D 

規定)

長手継手溶接部の斜角探傷方法

D.1

一般

この附属書は,探傷面の曲率半径が

50 mm

以上

1 500 mm

未満で,肉厚対外径比が

16 %

以下の長手継手

の溶接部の超音波斜角探傷試験方法について規定する。

D.2

用語及び定義

この附属書で用いる主な用語及び定義は,

JIS Z 2300

及び箇条

3

によるほか,次による。

D.2.1

外面肉厚半値ビーム路程

曲率のある試験体の外面(凸面)からの斜角探傷において,探触子の入射点の

O

と肉厚中央の点

P

とを

結んだ距離(

図 D.1

W

G

。長手継手の斜角探傷においての外面肉厚半値ビーム路程は,肉厚に対する

0.5

スキップのビーム路程(

図 D.1

W

L

)の

1/2

とはならない。

D.2.2

外面肉厚半値探触子距離

曲率のある試験体の外面(凸面)からの斜角探傷において,外面肉厚半値ビーム路程

W

G

を試験体の外

面に投影した距離(

図 D.1

Y

G

。長手継手の斜角探傷においての外面肉厚半値探触子距離は,肉厚に対

する

0.5

スキップの探触子距離(

図 D.1

Y

L

)の

1/2

とはならない。

OP

W

=

G

OQ

W

=

L

QR

OQ

W

+

=

H

QS

OQ

W

+

=

U

図 D.1

曲率のある試験体の外面からの斜角探傷における記号

D.2.3

内面肉厚半値ビーム路程


47

Z 3060

:2015

曲率のある試験体の内面(凹面)からの斜角探傷において,探触子の入射点の

O

と肉厚中央の点

P

とを

結んだ距離(

図 D.2

W

M

。長手継手の斜角探傷においての内面肉厚半値ビーム路程は,肉厚に対する

0.5

スキップのビーム路程(

図 D.2

W

L

)の

1/2

とはならない。

D.2.4

内面肉厚半値探触子距離

曲率のある試験体の内面(凹面)からの斜角探傷において,内面肉厚半値ビーム路程

W

M

を試験体の外

面に投影した距離(

図 D.2

Y

M

。長手継手の斜角探傷においての内面肉厚半値探触子距離は,肉厚に対

する

0.5

スキップの探触子距離(

図 D.2

Y

L

)の

1/2

とはならない。

D.2.5

t/D

肉厚(

t

)の外径(

D

)に対する比

OP

W

=

M

OQ

W

=

L

QR

OQ

W

+

=

N

QS

OQ

W

+

=

U

図 D.2

曲率のある試験体の内面からの斜角探傷における記号

D.3

標準試験片及び対比試験片

D.3.1

試験片の適用範囲

使用する標準試験片及び対比試験片の適用範囲は,試験体の曲率半径に従って,

図 D.3

による。

曲率半径が

250 mm

未満の試験体の場合には,対比試験片は,

RB-43

を使用する。

曲率半径が

250 mm

以上の試験体の場合には,

RB-43

又は

表 B.1

及び

図 B.1

RB-41A

又は

RB-41B

を使

用する。


48

Z 3060

:2015

図 D.3

試験片の適用範囲

D.3.2

対比試験片 RB-43

対比試験片

RB-43

の形状及び寸法は,

図 D.4

とし,かつ,試験体と同等の音響特性の鋼材及び探傷面の

状態で,厚さ及び曲率は試験体の±

10 %

以内のものとする。また,横波音速は,試験体との音速差が±

2 %

以内のものとする。

L: 対比試験片の長さ

L

1

: 2 スキップ以上の長さ

L

2

: 1 スキップ以上の長さ

T: 対比試験片の厚さ

W: 試験片の幅

 W>2×λ×S/D

λ: 波長

S: 使用する最大のビーム路程

D: 振動子の幅

図 D.4

対比試験片 RB-43 の例

D.4

探触子

D.4.1

周波数の選定

使用する斜角探触子の公称周波数は,

8.3.1

による。

D.4.2

振動子寸法の選定

使用する斜角探触子の振動子の公称寸法は,

10 mm

×

10 mm

以上

20 mm

×

20 mm

以下とする。


49

Z 3060

:2015

D.4.3

屈折角の選定

使用する斜角探触子の公称屈折角は,

8.3.3 a)

及び次による。

a)

外面

凸面

から探傷する場合

使用する探触子の公称屈折角は,

表 D.1

から選択する。

t/D

2.3 %

以下の場合において公称屈折角

45

°

を選択した場合は,

65

°又は

70

°を併せて使用する。

表 D.1

長手継手の探傷に使用可能な探触子の公称屈折角

t/D

%

使用できる公称屈折角

°

2.3 以下 70,65,60,45

2.3 を超え 3.9 以下 65,60,45 
3.9 を超え 5.8 以下 60,45,40

5.8 を超え 11.1 以下 45,40

11.1 を超え 16.0 以下 40

b)

内面

凹面

から探傷する場合

使用する探触子の公称屈折角は,

表 5

による。

D.4.4

探触子の接触面

探触子の接触面の曲面加工は,

表 D.2

によって行う。探触子の接触面の曲面加工を行った場合は,探傷

屈折角を用いて探傷を行う。

表 D.2

長手継手溶接部の接触面の曲面加工

単位  mm

探傷位置

探触子の長さ

a)

試験体の曲率半径

50 以上 200 未満

200 以上 250 未満 250 以上 750 未満 750 以上

外面からの

探傷

26 以下

ジ グ の 使 用 又 は

接 触 面 の 加 工 を

行う。

接 触 面 の 加 工 を

行わない。

接 触 面 の 加 工 を

行わない。

接 触 面 の 加 工 を

行わない。

26 超え 36 以下

ジ グ の 使 用 又 は
接 触 面 の 加 工 を

行う。

ジ グ の 使 用 又 は
接 触 面 の 加 工 を

行う。

接 触 面 の 加 工 を
行わない。

接 触 面 の 加 工 を
行わない。

内面からの

探傷

26 以下

ジ グ の 使 用 又 は

接 触 面 の 加 工 を

行う。

ジ グ の 使 用 又 は

接 触 面 の 加 工 を

行う。

接 触 面 の 加 工 を

行わない。

接 触 面 の 加 工 を

行わない。

26 超え 36 以下

ジ グ の 使 用 又 は
接 触 面 の 加 工 を

行う。

ジ グ の 使 用 又 は
接 触 面 の 加 工 を

行う。

ジ グ の 使 用 又 は
接 触 面 の 加 工 を

行う。

接 触 面 の 加 工 を
行わない。

a)

  ビーム方向の探触子先端から後端までの長さ。

D.5

探傷装置の調整

D.5.1

入射点の測定

入射点の測定は,次による。

a)

探触子の接触面の加工を行わない場合の入射点の測定は,

9.1.1

による。


50

Z 3060

:2015

b)

探触子の接触面の加工を行った場合の入射点の測定は,加工の影響を考慮した上で

0.5 mm

単位で読

み取る。測定方法は,次による。

1)

外面から探傷する接触面の加工を行った場合の入射点の測定は,

図 D.5 a)

に示す位置に探触子を置

き,

STB-A1

R100

角部又は

STB-A3

R50

角部に接触させた状態で,角部のエコー高さが最も高

くなる位置を求め,入射点とする。

2)

内面から探傷する接触面の加工を行った場合の入射点の測定は,

図 D.5 b)

に示す位置に探触子を置

き,角部に接触させた状態で,角部のエコー高さが最も高くなる位置を求め,入射点とする。

a)

  外面から探傷する接触面の加工を行った場合の例 

b)

  内面から探傷する接触面の加工を行った場合の例 

図 D.5

接触面の加工を行った探触子の入射点測定

試験片角部のエコーによる方法

D.5.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,

9.1.2

によって行い,

表 D.3

に示す探傷範囲を満足する最大ビーム路程以上で,過大

とならない範囲とする。探触子の接触面を曲面加工した探触子を用いて探傷を行う場合,同じ形式の接触

面を加工していない探触子を用いて予備調整し,曲面加工した探触子に付け替えた後,入射点の測定時に

ゼロ点調整する。


51

Z 3060

:2015

表 D.3

探傷面

探傷範囲及び周波数

内外面の探傷

探傷面

探傷範囲

使用すべき最大のビーム路程

mm

周波数

MHz

外面だけ探傷可能

な場合

外面(凸面)

両側

直射法及び

1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

内外面ともに探傷

可能な場合

外面(凸面)

両側

直射法及び

1 回反射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

両面両側

直射法の範囲

100 以下 3.5∼5

100 を超え 150 以下

2∼5

150 を超え 250 以下

2∼3.5

250 を超える場合 2

D.5.3

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定

D.5.3.1

探触子の接触面の加工を行わない場合

探触子の接触面の加工を行わない場合の探触子の

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定は,

9.1.3

による。

D.5.3.2

探触子の接触面の加工を行った場合

探触子の接触面の加工を行った場合の探傷屈折角の測定は,次による。

a)

外面から探傷する場合の探傷屈折角の測定は,

RB-43

を用い,

図 D.6

に示す位置に探触子を配置して

Y

LO

を求め,

図 D.7

によって

T/D

及び

T/Y

LO

から,次のようにして探傷屈折角を求める。

図 D.6

Y

LO

の測定説明図

1)

図 D.6

において得られる

Y

PO

及び

Y

QO

から

0.5

スキップの探触子距離(

Y

LO

)を,式

(D.1)

で算出する。

PO

QO

LO

Y

Y

Y

=

  (D.1)

次に,

T/Y

LO

を算出する。

2)

図 D.7

の縦軸に

T/Y

LO

の値を,横軸に

T/D

の値を取り,直交する交点で探傷屈折角を読み取る。


52

Z 3060

:2015

図 D.7

外面から探傷する場合の探傷屈折角の計算図

b)

内面から探傷する場合の探傷屈折角の測定は,

RB-43

を用い,

図 D.8

に示す位置に探触子を配置して

Y

LI

を求め,

図 D.9

によって

T/D

及び

T/Y

LI

から,次のようにして探傷屈折角を求める。

1)

図 D.8

において得られる

Y

PI

及び

Y

QI

から

0.5

スキップの探触子距離(

Y

LI

)を,式

(D.2)

で算出する。

PI

QI

LI

Y

Y

Y

=

   (D.2)

次に,

T/Y

LI

を算出する。

2)

図 D.9

の縦軸に

T/Y

LI

の値を,横軸に

T/D

の値を取り,直交する交点で探傷屈折角を読み取る。


53

Z 3060

:2015

図 D.8

Y

LI

の測定説明図

図 D.9

内面から探傷する場合の探傷屈折角の計算図


54

Z 3060

:2015

D.5.4

時間軸上の特定な点の表示

D.5.4.1

外面から探傷の場合

外面から探傷の場合は,次による。

a)

内外面位置の表示は,

図 D.10

の配置で測定した

W

PO

及び

W

QO

から,内外面の位置に相当するビーム

路程をそれぞれ表示器に表示する。

b)

板厚中央に対応する時間軸上の位置は,

図 D.10

に示すように,

RB-43

の標準穴を

R

及び

S

の位置か

ら順次狙い,それぞれの最大エコー高さが得られたときのエコーの立上り位置を表示器に表示する。

これらはそれぞれ,直射法及び

1

回反射法によるビーム路程(

W

GO

'

及び

W

HO

'

)を表す(

図 D.11

参照)

D.5.4.2

内面から探傷の場合

内面から探傷の場合は,次による。

a)

内外面位置の表示は,

図 D.12

の配置で測定した

W

PI

及び

W

QI

から,内外面の位置に相当するビーム路

程をそれぞれ表示器に表示する。

b)

板厚中央に対応する時間軸上の位置は,

図 D.12

に示すように,

RB-43

の標準穴を

R

及び

S

の位置か

ら順次狙い,それぞれの最大エコー高さが得られたときのエコーの立上り位置を表示器に表示する。

これらはそれぞれ,直射法及び

1

回反射法によるビーム路程(

W

GI

'

及び

W

HI

'

)を表す(

図 D.13

参照)

図 D.10

探触子位置及びビーム路程の経路

外面探傷

図 D.11

時間軸上の特定な点の表示例

外面探傷


55

Z 3060

:2015

図 D.12

探触子位置及びビーム路程の経路

内面探傷

図 D.13

時間軸上の特定な点の表示例

内面探傷

D.5.5

エコー高さ区分線の作成

D.5.5.1  RB-41A

又は RB-41B を用いる場合

RB-41A

又は

RB-41B

を用いる場合のエコー高さ区分線は

B.2.3.4

による。

D.5.5.2  RB-43

を用いる場合

RB-43

を用いる場合のエコー高さ区分線は,使用する探触子を用いて,次の手順で作成する。

なお,

探傷時のビーム路程範囲の記録点のエコー高さと事前に作成したエコー高さ区分線との差異が±

2

dB

以内であれば,事前に作成したエコー高さ区分線を使用してもよい。作成されたエコー高さ区分線は,

表示器上に表示する。

a)

図 D.14

に示す位置で探触子を走査し,それぞれの最大エコー高さを表示器に記録する。

図 D.15

に例

示するように,これらの各点を結び,エコー高さ区分線とする。

b)

エコー高さ区分線は,表示器の

10 %

100 %

の範囲内において作成する。

c)

ゼロ目盛から最もビーム路程の短い記録点までの範囲は,水平の線とする。

d)

エコー高さ区分線は,

6 dB

ずつ異なるエコー高さ区分線を

3

本以上作成する。


56

Z 3060

:2015

a)

  試験体を外面から探傷する場合

b)

  試験体を内面から探傷する場合

図 D.14

対比試験片 RB-43 を用いたエコー高さ区分線作成における探触子走査位置

2C20

×20A60 の例

a)

  試験体を外面から探傷する場合

2C20

×20A60 の例

b)

  試験体を内面から探傷する場合

注記 RB-43 の外径 898 mm,板厚 44 mm 

図 D.15

RB-43

を用いたエコー高さ区分線の作成例

D.5.6

探傷感度の調整

D.5.6.1  RB-41A

又は RB-41B を用いる場合

D.5.6.1.1  RB-41A

RB-41A

を用いる場合の探傷感度は,標準穴のエコー高さを

H

線に一致するようにゲインを調整した値

とし,

D.5.7.1

による感度補正量を求め,感度補正量の合計値が

2 dB

を超える場合には感度補正量を加え

た条件とする。

D.5.6.1.2  RB-41B

RB-41B

を用いる場合の探傷感度は,標準穴のエコー高さを

H

線に一致するようにゲインを調整した値

とし,更に

D.5.7.2

による感度補正量を求め,感度補正量の合計値が

2 dB

を超える場合には感度補正量を

加えた条件とする。

D.5.6.2  RB-43

を用いる場合

RB-43

を用いる場合の探傷感度は,探傷を行う面と同じ面から探傷した場合の標準穴のエコー高さを

H


57

Z 3060

:2015

線に一致するようにゲイン調整した値とする。

D.5.7

感度補正量の求め方

D.5.7.1  RB-41A

を用いた場合

D.5.7.1.1

試験体を外面から探傷する場合

曲率半径が

250 mm

以上で外面から探傷する場合は,使用する斜角探触子の公称周波数,振動子の公称

寸法及び接触媒質によって,

図 D.16

及び

図 D.17

から

1 dB

の単位(四捨五入)で感度補正量を求める。

図 D.16

長手継手の曲率による感度補正量

図 D.17

長手継手の曲率による感度補正量

D.5.7.1.2

試験体を内面

凹面

から探傷する場合

試験体を内面(凹面)から探傷する場合は,次による。


58

Z 3060

:2015

a)

使用する測定範囲に調整した後,探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の探触子を二探触子法で

使用する。

b)

実際の試験体上において,

図 D.18 a)

に示す配置で,透過パルスが最も高くなるように探触子間距離

を調整する。この最大透過パルスの高さを

50 %

にし,ゲインの値

V

dB

)を読み取る。

c)

対比試験片上において,

図 D.18 b)

に示す配置で,上述の

b)

と同様な手順によって,受信側探触子が

R

1

位置で透過パルスが最も高くなるように探触子間距離を調整し,透過パルス高さを

50 %

にするゲイ

ンの値

V

1

dB

,及び

R

2

位置における透過パルスの高さを

50 %

にするゲインの値

V

2

dB

)を読み取

る。

d)

両者のビーム路程が一致していない場合は,

図 D.18 c)

に示すように,試験体におけるビーム路程の

前後となるビーム路程における

V'

の値を読み取る。

e) |V'

V|

の値を感度補正量とする。

a)

  試験体

b)

  STB 又は RB

c)

  感度補正量(V'V 

図 D.18

内面

凹面

から探傷する場合の感度補正量

D.5.7.2  RB-41B

を用いた場合

D.5.7.2.1

試験体を外面から探傷する場合

試験体を外面から探傷する場合は,次による。

a)

使用する測定範囲に調整した後,探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の探触子を二探触子法で

使用する。

b)

実際の試験体上において,

図 D.19 a)

に示す配置で,透過パルスが最も高くなるように探触子間距離

を調整する。この最大透過パルスの高さを

50 %

にし,ゲインの値

V

dB

)を読み取る。

c)

対比試験片上において,

図 D.19 b)

に示す配置で,上述の

b)

と同様な手順によって,受信側探触子が

R

1

位置で透過パルスが最も高くなるように探触子間距離を調整し,透過パルス高さを

50 %

にするゲイ

ンの値

V

1

dB

,及び

R

2

位置における透過パルスの高さを

50 %

にするゲインの値

V

2

dB

)を読み取

る。


59

Z 3060

:2015

d)

両者のビーム路程が一致していない場合は,

図 D.19 c)

に示すように,試験体におけるビーム路程の

前後となるビーム路程における

V'

の値を読み取る。

e) |V'

V|

の値を感度補正量とする。

a)

  試験体

b)

  RB-41B

c)

  感度補正量(V'V 

図 D.19

RB-41B

を用いて外面

凸面

から探傷する場合の感度補正量

D.5.7.2.2

試験体を内面

凹面

から探傷する場合

RB41-B

を用い,

D.5.7.1.2

と同様に行う。

D.6

探傷方法

D.6.1

探傷面

探傷面は,

表 D.3

による。

D.6.2

探傷方向

探傷方向は,きずの傾きによるきずの見落としを防ぐため,

2

方向以上の超音波ビームで行う。

D.6.3

走査方法

探触子の走査方法は,

10.2.1

による。

D.6.4

走査範囲

探触子の走査範囲は,

表 D.3

の探傷範囲を満足するものとする。

D.6.5

走査速度

探触子の走査速度は,探傷に支障を来さない速度とする。

D.7

きず位置の推定方法

D.7.1

幾何学に基づく計算方法

D.7.1.1

試験体を外面から探傷する場合

試験体を外面から探傷する場合のきず位置の推定は,次による。ただし,

D

は外径,

R

D/2

r

R

t


60

Z 3060

:2015

とし,角度は度を用いて計算する。

a)

読み取ったビーム路程(

W

)から,探触子距離(

y

d

)及びきず深さ(

d

)を,直射法,

1

回反射法のそ

れぞれの探傷方法によって

表 D.4

に示す式によって算出する(直射法の場合は

図 D.20

を,

1

回反射法

の場合は

図 D.21

を参照)

表 D.4

外面から探傷する場合のきず位置の計算方法

探傷法

きずの位置

計算式

関連する計算式

直射法

きずの深さ

d

sin

sin

θ

θ

R

R

d

×

=

(

)

×

×

=

W

θ

R

θ

R

θ

cos

sin

tan

1

d

探触子きず距離

(

)

180

d

d

θ

θ

R

y

×

=

π

1 回反射法

きずの深さ

d

sin

sin

θ

θ

R

R

d

×

=

(

)

(

)

×

×

=

W

W

R

R

U

1

d

cos

sin

tan

θ

θ

θ

×

=

θ

θ

sin

sin

'

1

r

R

'

cos

2

cos

2

U

θ

θ

×

×

×

×

=

r

R

W

探触子きず距離

(

)

180

d

U

d

θ

θ

R

Y

y

×

=

π

図 D.20

外面から探傷する場合のきず位置推定

直射法


61

Z 3060

:2015

図 D.21

外面から探傷する場合のきず位置推定

1

回反射法

b)

横波音速が

STB

音速と異なる試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

速比の範囲の試験体をいう。

を探傷する場合は,

きずを検出した方向で求めた探傷屈折角を使用する。

D.7.1.2

試験体を内面から探傷する場合

試験体を内面から探傷する場合のきず位置の推定は,次による。ただし,

D

は外径,

R

D/2

r

R

t

とし,角度は度を用いて計算する。

a)

読み取ったビーム路程(

W

)から,探触子距離(

y

d

)及びきず深さ(

d

)を,直射法,

1

回反射法のそ

れぞれの探傷方法によって

表 D.5

に示す式によって算出する(直射法の場合は

図 D.22

を,

1

回反射法

の場合は

図 D.23

を参照)

表 D.5

内面から探傷する場合のきず位置の計算方法

探傷法

きずの位置

計算式

関連する計算式

直射法

きずの深さ

r

r

d

×

=

d

sin

sin

θ

θ

(

)

+

×

×

=

W

θ

r

θ

r

cos

sin

tan

1

d

θ

探触子きず距離

(

)

180

d

d

θ

θ

π

×

×

=

r

y

1 回反射法

きずの深さ

r

s

r

d

×

=

d

in

sin

θ

θ

(

)

(

)

+

×

×

=

W

W

θ

r

θ

r

θ

U

1

d

cos

sin

tan

×

=

θ

R

r

'

sin

sin

1

θ

θ

θ

cos

2

cos

2

U

×

×

×

×

=

r

'

R

W

探触子きず距離

(

)

180

d

U

d

θ

θ

π

×

×

=

r

Y

y


62

Z 3060

:2015

図 D.22

内面から探傷する場合のきず位置推定

直射法

図 D.23

内面から探傷する場合のきず位置推定

1

回反射法

b)

横波音速が

STB

音速と異なる試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

速比の範囲の試験体をいう。

を探傷する場合は,

きずを検出した方向で求めた探傷屈折角を使用する。

D.7.2

近似的な計算方法

D.7.2.1

ビーム路程の補正方法

D.7.2.1.1

内外面位置に対応するビーム路程

図 D.24

によって,試験体の

t/D

の横軸目盛と使用する探触子の探傷屈折角(

θ

)との交点に対応する縦

軸目盛からビーム路程の補正係数(

a

)を読み取る。内外面の位置に対応するビーム路程(

W

L

及び

W

U

)は,

それぞれ式

(D.3)

及び式

(D.4)

によって算出する。

a

θ

t

W

×

=

cos

L

  (D.3)


63

Z 3060

:2015

2

×

=

L

U

W

W

  (D.4)

図 D.24

t/D

によるビーム路程補正係数 a

外面探傷

D.7.2.1.2

外面肉厚半値ビーム路程

図 D.24

によって試験体の

t/D

の横軸目盛を,

t

t/2

を代入して求め,

D.7.2.1.1

と同様にしてビーム路程

の補正係数(

a

)を読み取る。直射法による外面肉厚半値ビーム路程(

W

G

)及び

1

回反射法による外面肉

厚半値ビーム路程(

W

H

)は,それぞれ式

(D.5)

及び式

(D.6)

によって算出する(

図 D.25

参照)

直射法のビーム路程

a

θ

t

W

×

=

cos

2

G

   (D.5)

l

回反射法のビーム路程

G

U

H

W

W

W

=

  (D.6)


64

Z 3060

:2015

図 D.25

外面肉厚半値ビーム路程

D.7.2.2

探触子距離の補正方法

D.7.2.2.1

外面探傷における内外面位置の探触子距離

図 D.26

によって,試験体の

t/D

の横軸目盛と使用する探触子の探傷屈折角(

θ

)との交点に対応する縦

軸目盛から探触子距離の補正係数を読み取り,これを

b

とする。内外面の探触子距離を

Y

L

及び

Y

U

とすれ

ば,それぞれ式

(D.7)

及び式

(D.8)

によって算出する。

(

)

b

θ

t

Y

×

×

=

tan

L

  (D.7)

2

L

U

×

Y

Y

  (D.8)

D.7.2.2.2

外面肉厚半値探触子距離

図 D.26

によって試験体の

t/D

の横軸目盛を,

t

t/2

を代入して求め,

D.7.2.2.1

と同様にして探触子距離

の補正係数(

b

)を読み取る。直射法による外面肉厚半値探触子距離(

Y

G

)及び

1

回反射法による外面肉

厚半値探触子距離(

Y

H

)は,それぞれ式

(D.9)

及び式

(D.10)

によって算出する。

直射法の外面肉厚半値探触子距離

b

θ

t

Y

×

×

=

tan

2

G

  (D.9)

l

回反射法の外面肉厚半値探触子距離

G

U

H

Y

Y

Y

=

  (D.10)


65

Z 3060

:2015

図 D.26

t/による探触子距離補正係数 b

D.7.2.3

比例配分によるきず位置の推定方法

D.7.2.3.1

外面から探傷する場合

外面から探傷する場合の比例配分によるきず位置の推定方法は,次による。

a)

探触子距離(

y

)及びきず深さ(

d

)は,読み取ったビーム路程(

W

)及び外面肉厚半値ビーム路程(

W

G

又は

W

H

)から比例配分によって,

表 D.6

に示す計算式を用いて算出する(

図 D.1

参照)

b)

横波音速が

STB

音速と異なる試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

速比の範囲の試験体をいう。

を探傷する場合は,

きずを検出した方向で求めた探傷屈折角を使用する。

表 D.6

外面から探傷する場合の比例配分によるきず位置の計算方法

ビーム路程の範囲

きずの深さ

探触子きず距離

W

G

以下

G

W

W

t

d

×

=

G

G

W

W

Y

y

×

=

W

G

を超え W

L

以下





+

×

=

G

L

G

1

2

W

W

W

W

t

d

(

)

G

L

G

G

L

G

W

W

W

W

Y

Y

Y

y

×

+

=

W

L

を超え W

H

以下





×

×

=

L

H

L

2

1

1

W

W

W

W

t

d

(

)

L

H

L

L

H

L

W

W

W

W

Y

Y

Y

y

×

+

=

W

H

を超え W

U

以下





×

=

H

U

H

1

2

W

W

W

W

t

d

(

)

H

U

H

H

U

H

W

W

W

W

Y

Y

Y

y

×

+

=


66

Z 3060

:2015

D.7.2.3.2

内面から探傷する場合

内面から探傷する場合の比例配分によるきず位置の推定方法は,次による。

a)

探触子距離(

y

)及びきず深さ(

d

)は,

W

M

及び

W

N

を用いて,

表 D.7

に示す計算式を用いて算出する

図 D.2

参照)

M

U

N

W

W

W

=

  (D.11)

M

U

N

Y

Y

Y

=

  (D.12)

とし,外面と内面の円弧の長さの補正係数を

D

t

c

×

=

2

1

  (D.13)

とする。

b)

横波音速が

STB

音速と異なる試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

速比の範囲の試験体をいう。

を探傷する場合は,

きずを検出した方向で求めた探傷屈折角を使用する。

表 D.7

内面から探傷する場合の比例配分によるきず位置の計算方法

ビーム路程の範囲

きずの深さ

探触子きず距離

W

M

以下

M

W

W

t

d

×

=





×

×

=

M

M

W

W

Y

c

y

W

M

を超え W

L

以下





+

×

=

M

L

M

1

2

W

W

W

W

t

d

(

)

×

+

×

=

M

L

M

M

L

M

W

W

W

W

Y

Y

Y

c

y

W

L

を超え W

N

以下





×

×

=

L

N

L

2

1

1

W

W

W

W

t

d

(

)

×

+

×

=

L

N

L

L

N

L

W

W

W

W

Y

Y

Y

c

y

W

N

を超え W

U

以下





×

=

N

U

N

1

2

W

W

W

W

t

d

(

)

×

+

×

=

N

U

N

N

U

N

W

W

W

W

Y

Y

Y

c

y

注記  この探触子距離 は内面沿いの距離である。また,深さ は内面からの深さである。

D.8

きずの評価

きずの評価は,

10.2.2

による。


67

Z 3060

:2015

附属書 E

参考)

鋼管分岐継手溶接部の斜角探傷方法

E.1

一般

探傷面の曲率半径が

150 mm

以上

1 500 mm

未満で,肉厚対外径比が

16 %

以下の鋼管分岐継手溶接部の

斜角探傷方法について示す。

E.2

用語及び定義

この附属書で用いる主な用語及び定義は,

JIS Z 2300

及び箇条

3

によるほか,次による(

図 E.1

参照)

E.2.1

T

継手

主管と支管とが

90

°で交わる鋼管分岐継手。

E.2.2

Y

継手

主管と一組の支管とが

90

°以外で交わる鋼管分岐継手。

E.2.3

K

継手

主管と二組の支管とが

90

°以外で交わる鋼管分岐継手。

E.2.4

交差角 θ

K

主管と支管とが交わる角度。

E.2.5

相貫角 θ

S

主管の軸と支管の軸とが作る面と支管表面との交線から支管円周方向の角度。

E.2.6

偏角 θ

L

θ

B

主管及び支管表面上で,各々の軸方向と開先線から主管又は支管に立てた法線との角度。

a)

  継手

b)

  継手

c)

  継手

図 E.1

T

Y

及び 継手溶接部


68

Z 3060

:2015

E.3

標準試験片及び対比試験片

使用する標準試験片及び対比試験片は,

A1

形標準試験片,

A3

形系標準試験片,

表 B.1

及び

図 B.1

に示

RB-41A

又は

RB-41B

とする。

E.4

探触子

E.4.1

周波数の選定

使用する斜角探触子の公称周波数は,

8.3.1

による。

E.4.2

振動子寸法の選定

使用する斜角探触子の振動子の公称寸法は,

8.3.2

による。

E.4.3

屈折角の選定

使用する斜角探触子の公称屈折角は,各探傷部位の実体図(開先形状も含む。

)を描き,超音波の主ビー

ムが開先面に適切な角度で入射するように,支管と主管との外径比,交差角,相貫角,並びに支管及び主

管の

t/D

を考慮し,

40

°,

45

°,

60

°,

65

°又は

70

°から選択する。ただし,横波音速が標準試験片と異

なる試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

音速比の範囲の試験体をいう。

の場合は,

40

°,

45

°,

60

°又は

65

°から選択する。

E.4.4

横波音速が標準試験片と異なる試験体に用いる探傷屈折角

E.4.4.1

T

継手の支管から探傷する場合

管軸方向と圧延方向(

L

方向)との間の角度(

θ

T

)を求め,

θ

T

の値によって,

L

方向,

Q

方向又は

C

向の探傷屈折角を

8.5

に従って次のように測定する。

a)

θ

T

0

°以上

22.5

°未満の場合は,

L

方向の探傷屈折角

b)  θ

T

22.5

°以上

67.5

°未満の場合は,

Q

方向の探傷屈折角

c)

θ

T

67.5

°以上

90

°以下の場合は,

C

方向の探傷屈折角

E.4.4.2

Y

継手及び 継手の支管から探傷する場合

偏角(

θ

B

)を実測するか,又は主管と支管との外径比,交差角(

θ

K

)及び探傷位置での相貫角(

θ

S

)か

ら式

(E.1)

によって偏角(

θ

B

)を求める。計算例を

図 E.2

に示す。

(

)

×

×

×

+

=

2

1

S

2

2

2

K

S

K

S

1

B

sin

sin

cos

cot

sin

tan

θ

d

D

θ

θ

d

θ

θ

θ

  (E.1)

一方,管軸方向と圧延方向との間の角度(

θ

T

)を求め,

|θ

B

θ

T

|

の値によって,

L

方向,

Q

方向又は

C

向の探傷屈折角を,

8.5

に従って次のように測定する。

a) |θ

B

θ

T

|

0

°以上

22.5

°未満の場合は,

L

方向の探傷屈折角

b) |θ

B

θ

T

|

22.5

°以上

67.5

°未満の場合は,

Q

方向の探傷屈折角

c) |θ

B

θ

T

|

67.5

°以上

90

°以下の場合は,

C

方向の探傷屈折角


69

Z 3060

:2015

図 E.2

交差角及び相貫角から偏角

θ

B

を求める線図の一例

E.4.4.3

主管から探傷する場合

偏角(

θ

L

)を実測するか,又は主管と支管との外径比,交差角(

θ

K

)及び探傷位置での相貫角(

θ

S

)か

ら式

(E.2)

によって偏角(

θ

L

)を求める。計算例を

図 E.3

に示す。

(

)

S

2

1

S

2

2

2

S

K

S

K

1

L

cos

sin

sin

cosec

2

sin

cot

tan

θ

D

θ

d

D

θ

θ

D

θ

θ

d

θ

×

×

×

×

+

×

×

×

=

  (E.2)

一方,管軸方向と圧延方向との間の角度(

θ

T

)を求め,

|θ

L

θ

T

|

の値によって,

L

方向,

Q

方向又は

C

向の探傷屈折角を

8.5

に従って次のように測定する。

a) |θ

L

θ

T

|

0

°以上

22.5

°未満の場合は,

L

方向の探傷屈折角

b) |θ

L

θ

T

|

22.5

°以上

67.5

°未満の場合は,

Q

方向の探傷屈折角

c) |θ

L

θ

T

|

67.5

°以上

90

°以下の場合は,

C

方向の探傷屈折角


70

Z 3060

:2015

図 E.3

交差角及び相貫角から偏角

θ

L

を求める線図の一例

E.4.5

探触子の接触面

探触子の接触面は,平面とする。

E.5

探傷装置の調整

E.5.1

入射点の測定

入射点の測定は,

9.1.1

による。

E.5.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,

9.1.2

によって行い,使用するビーム路程以上で,過大とならない範囲とする。

E.5.3

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定は,

9.1.3

による。

E.5.4

エコー高さ区分線の作成

RB-41A

又は

RB-41B

を使用したエコー高さ区分線の作成は,

B.2.3.4

による。

E.5.5

曲率による感度補正量の求め方

E.5.5.1

外面

凸面

から探傷する場合

使用する斜角探触子の公称周波数,振動子寸法,接触媒質及び外径によって,

T

継手部の支管から探傷

する場合は,

図 E.4

又は

図 E.5

から,その他の場合は,

図 E.6

又は

図 E.7

から感度補正量を

1 dB

の単位(四

捨五入)で求める。

E.5.5.2

内面

凹面

から探傷する場合

感度補正量は,

C.4.6.1.2

又は

C.4.6.2.2

による。

E.5.6

探傷感度の調整


71

Z 3060

:2015

探傷感度の調整は,

B.2.3.6

による。

図 E.4

円周継手の曲率による感度補正量

図 E.5

円周継手の曲率による感度補正量

図 E.6

長手継手の曲率による感度補正量


72

Z 3060

:2015

図 E.7

長手継手の曲率による感度補正

E.6

探傷方法

E.6.1

探傷の準備

E.6.1.1

肉厚測定

主管及び支管のそれぞれ

4

点の厚さを超音波厚さ計で測定し,測定点を部材に印を付けるとともに,図

面に示された値と照合する。

E.6.1.2

探触子溶接部距離及びビーム路程の求め方

E.6.1.2.1  Y

継手及び 継手の支管から探傷する場合

主管と支管との外径比,交差角及び相貫角から

図 E.2

又は実測によって,管軸方向と探傷方向との偏角

θ

B

)を求め,実測による

t/D

又は公称値による

t/D

の値から,

図 E.8

を用いて探傷方向の見掛けの

t/D'

値を求める。

E.6.1.2.2

主管から探傷する場合

主管と支管との外径比,交差角及び相貫角から

図 E.2

又は実測によって,管軸方向と探傷方向との偏角

θ

B

)を求め,実測による

t/D

又は公称値による

t/D

の値から,

図 E.8

を用いて探傷方向の見掛けの

t/D'

値を求める。


73

Z 3060

:2015

図 E.8

偏角 θ

B

又は θ

L

と t/から t/D' を求める線図

E.6.1.2.3

探触子溶接部距離及びビーム路程

E.6.1.2.1

及び

E.6.1.2.2

で求めた

t/D'

の値を

図 D.24

及び

図 D.26

t/D

として補正係数

a

及び

b

を求め,

計算によって,

0.5

スキップ点及び

1

スキップ点のビーム路程並びに探触子溶接部距離を,

(E.3)

(E.4)

(E.5)

及び式

(E.6)

によって算出する。

a

t

W

×

=

θ

cos

5

.

0

  (E.3)

5

.

0

0

.

1

W

W

×

=

  (E.4)

b

t

Y

×

×

=

)

tan

(

5

.

0

θ

   (E.5)

0.5

0

.

1

Y

Y

×

=

  (E.6)

ただし,

STB

と音速が異なる試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

音速比

の範囲の試験体をいう。

)の場合は,

θ

は探傷屈折角とする。

E.6.1.3

参照線のけがき

溶接を行う前に,開先面から一定の距離に参照線をけがく。

E.6.2

探傷面

探傷面は,超音波の主ビームが開先面に適切に入射するように,必要に応じて選択する。

E.6.3

探傷方向

探傷方向は,溶接線に対して垂直とし,きずの傾きによるきずの見落としを防ぐため,可能な限り,

2

方向以上の超音波ビームで行う。


74

Z 3060

:2015

E.6.4

走査方法

探触子の走査方法は,

10.2.1

による。

E.7

きず位置の推定方法

きず位置の推定方法は,次による。

a)

最大エコー高さの得られた探触子溶接部距離及びビーム路程を記録する。

b)

超音波ビーム方向の溶接部断面の形状を,型取りゲージ又は粘土によって型取りし,作図を行う。

c)

作成した溶接部断面形状に,探触子溶接部距離,ビーム路程及び

STB

屈折角からの作図によってきず

位置を推定するか,

D.7

と同様な手法で計算によってきず位置を推定する。ただし,

STB

との音速差

をもつ試験体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

音速比の範囲の試験体をい

う。

)の場合は,きずを検出した方向で求めた探傷屈折角を使用する。

E.8

きずの評価

きずの評価は,

10.2.2

による。


75

Z 3060

:2015

附属書 F

参考)

ノズル継手溶接部の探傷方法

F.1

一般

探傷面の曲率半径が

250 mm

以上

1 500 mm

未満で,肉厚対外径比が

16 %

以下のノズル継手溶接部(例

図 F.1

に示す。

)の探傷方法について示す。

a)

  セットスルー

b)

  セットイン

c)

  セットオン

d)

  セットスルー(強め材付き)

図 F.1

ノズル継手溶接部の例

F.2

標準試験片及び対比試験片

使用する標準試験片及び対比試験片は,

A1

形標準試験片又は

A3

形系標準試験片,

表 B.1

及び

図 B.1

規定する

RB-41A

又は

RB-41B

とする。

F.3

探触子

F.3.1

周波数の選定

使用する斜角探触子の公称周波数は,

8.3.1

による。

F.3.2

振動子寸法の選定

使用する斜角探触子の振動子の公称寸法は,

8.3.2

による。

F.3.3

屈折角の選定

使用する斜角探触子の公称屈折角は,各探傷部位の実体図(開先形状も含む。

)を描き,超音波の主ビー


76

Z 3060

:2015

ムが開先面に適切な角度で入射するように,

8.3.3

を満足するよう選択する。

F.3.4

探触子の接触面

探触子の接触面は,平面とする。

F.4

探傷装置の調整

F.4.1

入射点の測定

入射点の測定は,

9.1.1

による。

F.4.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,

9.1.2

によって行い,使用するビーム路程以上で,過大とならない範囲とする。

F.4.3

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定は,

9.1.3

による。

STB

との音速差をもつ試験体(

表 5

において,探傷

屈折角による規定がなされている

STB

音速比の範囲の試験体をいう。

)の場合の探傷屈折角は,

RB-41A

RB-41B

又は試験体において,各探傷方向で測定する。

F.4.4

エコー高さ区分線の作成

エコー高さ区分線の作成は,

B.2.3.4

による。

F.4.5

感度補正量の求め方

F.4.5.1

円筒胴に附属するノズル継手溶接部の場合

F.4.5.1.1

外面

凸面

から探傷する場合

使用する斜角探触子の公称周波数,振動子寸法,接触媒質及び円筒胴の外径によって,感度補正量を

D.16

又は

図 D.17

から

1 dB

の単位(四捨五入)で求める。

F.4.5.1.2

内面

凹面

から探傷する場合

感度補正量は,

C.4.6.1.2

又は

C.4.6.2.2

による。

F.4.5.2

鏡板に附属するノズル継手溶接部の場合

F.4.5.2.1

外面

凸面

から探傷する場合

外面(凸面)から探傷する場合は,次による。

a)

使用する斜角探触子と同じ形式のもう

1

個の斜角探触子を,

図 F.2 b)

に示す

T-R

1

及び

T-R

2

のように

向かい合わせて配置し,二つの探触子間距離におけるそれぞれの透過パルス高さが最大となる点を求

め,これら二つの透過パルスのピークを記録し,直線で結ぶ[

図 F.2 c)

参照]

b)  a)

と同じ感度で,

図 F.2 a)

に示すように試験体上において,探傷方向と同一方向で

V

走査を行い,

透過パルス高さが最も高くなるように探触子間距離を調整する。次に,そのビーム路程におけるこれ

らの透過パルス高さと,

a)

で求めた直線上の同じビーム路程における透過パルスの値との差を

1 dB

の単位(四捨五入)で読み取り,それを感度補正量とする。


77

Z 3060

:2015

a)

  試験体

b)

  STB 又は RB

c)

  感度補正量(V'V 

図 F.2

外面から探傷した場合の感度補正方法

F.4.5.2.2

内面

凹面

から探傷する場合

感度補正量は,

C.4.6.1.2

又は

C.4.6.2.2

による。

F.4.5.3

ノズル外面から探傷する場合

使用する斜角探触子の公称周波数,振動子寸法,接触媒質及びノズルの外径によって,感度補正量を

C.10

又は

図 C.11

から

1 dB

の単位(四捨五入)で求める。

F.4.6

探傷感度の調整

探傷感度の調整は,

B.2.3.6

による。

F.5

探傷方法

F.5.1

探傷の種類の併用

斜角探傷でのきずの検出を補助するため,

B.3

による垂直探傷をできるだけ併用する。

F.5.2

斜角探傷における探触子溶接部距離及びビーム路程の確認

F.5.2.1

円筒胴に附属するノズル継手溶接部の場合

図 F.3

に示すように,円筒胴の軸方向を

0

°とし,

0

°,

30

°,

45

°,

60

°及び

90

°の各偏角における

0.5

スキップ及び

1

スキップの探触子溶接部距離並びにそれらのビーム路程を,

次の二つのいずれかによっ

て求める。

a)

図 F.4

に示す型取ゲージなどを用いる方法によって,各部位の実体図(開先形状も含む。)を描き

3D-CAD

などを用いてもよい。

,探触子溶接部距離及びビーム路程を実体図から求める。探傷面上の

その探触子溶接部距離(

Y

L

及び

Y

U

)の位置にけがき線を引く。

b)

円筒胴の軸方向と探触子方向との偏角(

θ

C

)及び実測による

t/D

又は公称値による

t/D

の値から,

F.5

を用いて

t/D'

の値を求める。

さらに,

t/D'

の値を

図 D.24

及び

図 D.26

t/D

として補正係数(

a

及び

b

)を求め,計算によって探


78

Z 3060

:2015

触子溶接部距離及びビーム路程を,式

(F.1)

,式

(F.2)

,式

(F.3)

及び式

(F.4)

によって算出する。

(

)

b

θ

t

Y

×

×

=

tan

L

  (F.1)

L

U

Y

Y

×

=

  (F.2)

a

θ

t

W

×

=

cos

L

  (F.3)

L

U

W

W

×

=

  (F.4)

探傷面上のその探触子溶接部距離(

Y

L

及び

Y

U

)の位置にけがき線を引く。

図 F.3

円筒胴の軸方向と探触子の方向との偏角

θ

C

の関係

図 F.4

型取りゲージの使用例


79

Z 3060

:2015

図 F.5

偏角 θ

C

と t/とから t/D' を求める線図

F.5.2.2

鏡板に附属するノズル継手溶接部の場合

次の二つのいずれかによって求める。

a)

全半球形及び皿形鏡板の中心円上にノズル継手がある場合

図 F.6

参照)

D.7.2.1

及び

D.7.2.2

によって,

ビーム路程及び探触子溶接部距離を求める。探傷面上のその探触子溶接部距離(

Y

L

及び

Y

U

)の位置に

けがき線を引く。

正半だ円形鏡板の場合には,

F.5.2.1

に従って探触子溶接部距離及びビーム路程を求め,探傷面上に

その探触子溶接部距離(

Y

L

及び

Y

U

)の位置にけがき線を引く。

b)

鏡板中心円上外にノズル継手がある場合(

図 F.6

参照)

F.5.2.1 a) 

の方法によって,各部位の実体図(開

先形状も含む。

)を描き(

3D-CAD

の断面図を用いてもよい。

,探触子溶接部距離及びビーム路程を求

める。探傷面上のその探触子溶接部距離(

Y

L

及び

Y

U

)の位置にけがき線を引く。

図 F.6

ノズルの取付け位置


80

Z 3060

:2015

F.5.3

探傷面

探傷面は,超音波の主ビームが開先面に適切に入射するよう,次のように必要に応じて選択する。

a)

斜角探傷は,円筒胴,鏡板及びノズル部の溶接部について行う。探傷は,それぞれの外面(凸面)及

び/又は内面(凹面)から行う。垂直探傷は,ノズルの内面(凹面)又は本体の内面(凹面)から行

うのが望ましい。

b)

図 F.1 a)

に示されるセットスルータイプのノズル継手溶接部の場合は,円筒胴又は鏡板の外面から斜

角探傷し,かつ,ノズルの内面から可能な限り垂直探傷を行う。

c)

図 F.1 b)

に示されるセットインタイプのノズル継手溶接部の場合は,円筒胴又は鏡板の外面から斜角

探傷する。

d)

図 F.1 c)

に示されるセットオンタイプのノズル継手溶接部の場合は,ノズル(管台)の外面から斜角

探傷し,かつ,胴又は鏡板部の内面から可能な限り垂直探傷を行う。

e)

図 F.1 d)

に示される強め材付きノズル継手溶接部を探傷する場合には,強め材及び円筒胴又は鏡板の

内面から探傷する。

F.5.4

探傷方向

探傷方向は,溶接線に対して垂直とし,きずの傾きによるきずの見落としを防ぐため,可能な限り,

2

方向以上の超音波ビームで行う。

F.5.5

走査方法

斜角探触子の走査方法は,

10.2.1

による。

F.6

きず位置の推定方法

F.5.2

に従った作図法,又は

D.7

に示す方法できず位置を推定する。ただし,

STB

及び音速差をもつ試験

体(

表 5

において,探傷屈折角による規定がなされている

STB

音速比の範囲の試験体をいう。

)の場合に

は,きずを検出した方向で求めた探傷屈折角を使用する。

F.7

きずの評価

きずの評価は,

10.2.2

による。


81

Z 3060

:2015

附属書 G 

規定)

試験結果によるきずの分類方法

G.1

一般

この附属書は,斜角探傷試験及び垂直探傷試験結果によるきずの分類を行う場合に適用する。

G.2

試験結果の分類

試験結果の分類は,きずエコー高さの領域及びきずの指示長さに応じて,

表 G.1

に従って行う。

表 G.1

きずエコー高さの領域及びきずの指示長さによるきずの分類

単位  mm

領域

M 検出レベルの場合は III

L 検出レベルの場合は II 及び III

IV

板厚 18 以下

18 を超え

60 以下

60 を超えるもの

18 以下

18 を超え

60 以下

60 を超えるもの

分類

1 類

6 以下

t/3 以下 20 以下

4 以下

t/4 以下 15 以下

2 類

9 以下

t/2 以下 30 以下

6 以下

t/3 以下 20 以下

3 類 18 以下

以下 60 以下

9 以下

t/2 以下 30 以下

4 類

3 類を超えるもの

注記  は,開先を取った側の母材の厚さ。ただし,突合せ溶接で突き合わせる母材の板厚が異なる場合は,薄

い方の板厚とする。

この

表 G.1

の適用に当たり,同一とみなされる深さ及び溶接線に直角方向の位置において,きずときず

との間隔が,大きい方のきずの指示長さと同じか又はそれより短い場合は,同一きず群とみなし,それら

を間隔を含めて連続したきずとして取り扱う。

きずときずとの間隔が,両者のきずの指示長さのうち,大きい方のきずの指示長さより長い場合は,そ

れぞれ独立したきずとみなす。

なお,斜め平行走査,またぎ走査及び溶接線上走査による試験結果の分類は,受渡当事者間の協定によ

る。


82

Z 3060

:2015

附属書 H 

参考)

端部エコー法によるきずの指示高さの測定方法

H.1

一般

検出されたきずの指示高さを一探触子斜角端部エコー法を用いて測定する方法について示す。

H.2

用語及び定義

この附属書で用いる主な用語及び定義は,

JIS Z 2300

及び箇条

3

によるほか,次による。

H.2.1

端部エコー

きずの上端部又は下端部からの回折波によって得られるエコー。

H.2.2

きず上端部

きずの探傷面に最も近い端部。

H.2.3

きず下端部

きずの探傷面から最も遠い端部。

H.2.4

一探触子斜角端部エコー法

一つの斜角探触子を用いて,きず上端部及びきず下端部から得られる端部エコーのビーム路程と一振動

子斜角探触子との

STB

屈折角,一振動子集束斜角探触子及び二振動子斜角探触子の探傷屈折角から幾何学

的にきずの指示高さを求める方法。

H.3

記号

この附属書で用いる記号は,次のとおりとする(

図 H.1

及び

図 H.2

参照)

X

方向

面状きずの長さ方向に対して平行方向

Y

方向

面状きずの長さ方向に対して直角方向

d

方向

探傷面に対して垂直方向(厚さ方向)

E

U

きず上端部エコー

E

L

きず下端部エコー

F

U

きず上端部

F

L

きず下端部

mm

入射点

θ

RB

(度)

探傷屈折角

θ

STB

(度)

 STB

屈折角

X

PU

mm

きず上端部からの端部エコーが,最大エコー高さを示す

X

方向の探触子位置で,

X

方向探傷基準線から斜角探触子の幅方向の中心までの探傷面上の距離


83

Z 3060

:2015

X

PL

mm

きず下端部からの端部エコーが,最大エコー高さを示す

X

方向の探触子位置で,

X

方向探傷基準線から斜角探触子の幅方向の中心までの探傷面上の距離

Y

PU

mm

きず上端部からの端部エコーが,最大エコー高さを示す

Y

方向の探触子位置で,

Y

方向探傷基準線から斜角探触子の入射点

P

までの探傷面上の距離

Y

PL

mm

きず下端部からの端部エコーが,最大エコー高さを示す

Y

方向の探触子位置で,

Y

方向探傷基準線から斜角探触子の入射点

P

までの探傷面上の距離

W

FU

mm

きず上端部からの端部エコーのビーム路程

W

FL

mm

きず下端部からの端部エコーのビーム路程

Y

FU

mm

探触子位置(

X

PU

)における

Y

方向探傷基準線からきず上端部までの探傷面上の

距離

Y

FL

mm

探触子位置(

X

PL

)における

Y

方向探傷基準線からきず下端部までの探傷面上の

距離

Y

PU

-Y

FU

mm

探触子の入射点

P

からきず上端部までの探傷面上の距離(=

W

FU

×

sinθ

RB

Y

PL

-Y

FL

mm

探触子の入射点

P

からきず下端部までの探傷面上の距離(=

W

FL

×

sinθ

RB

d

FU

mm

探傷面からきず上端部までの厚さ方向の寸法(=

W

FU

×

cosθ

RB

d

FL

mm

探傷面からきず下端部までの厚さ方向の寸法(=

W

FL

×

cosθ

RB

Y

FU

-Y

FL

mm

きず上端部及びきず下端部の

Y

方向の探傷面上の位置のずれ

l

F

mm

きずの指示長さ

t

NF

mm

きずの指示高さ

a)

  表面開口きずの場合

b)

  内部きずの場合

c)

  裏面開口きずの場合

図 H.1

試験体のきず及び表示記号


84

Z 3060

:2015

a)

  端部エコーの最大エコー高さを検出した位置(X

PU

及び X

PL

 

b)

  きず上端部の位置(A-A 断面) 

c)

  きず下端部の位置(A-A 断面) 

図 H.2

端部エコー法に用いる表示記号の説明図


85

Z 3060

:2015

d)

  きずの指示高さ t

NF

きず上端部及びきず下端部のきず位置を合成したもの) 

図 H.2

端部エコー法に用いる表示記号の説明図

続き

H.4

技術者

端部エコー法によってきずの指示高さを測定する技術者は,箇条

4

によるほか,端部エコー法の探傷に

ついての十分な知識及び経験をもち,

かつ,

端部エコー法の適用に関する教育及び訓練を受けた者とする。

H.5

装置

H.5.1

探傷器

探傷器は,

A.2

によるほか,広帯域探触子を使用する場合は,広帯域特性をもつものとする。

H.5.2

探触子

使用する探触子は,一振動子斜角探触子,一振動子集束斜角探触子及び二振動子斜角探触子のいずれか

とする。一振動子集束斜角探触子及び二振動子斜角探触子は,

JIS Z 2350

8.3.5

(集束探触子の縦断面ビ

ーム特性)によってビーム特性を確認して使用する。

H.6

標準試験片及び対比試験片

H.6.1

標準試験片

使用する標準試験片は,

5.1

に規定する

A1

形標準試験片又は

A3

形系標準試験片とする。

H.6.2

対比試験片

使用する対比試験片は,

5.2

に規定する対比試験片

RB-SDH

とする。

H.7

探触子の選定

H.7.1

周波数

使用する斜角探触子の公称周波数は,

8.3.1

によって,使用目的に応じたものとする。

H.7.2

振動子寸法

使用する斜角探触子の振動子の公称寸法は,試験部の形状,寸法などの目的に応じたものとする。

H.7.3

屈折角

使用する斜角探触子の公称屈折角は,使用目的に応じたものとする。

H.8

探傷装置の調整


86

Z 3060

:2015

H.8.1

一振動子斜角探触子を用いる場合

H.8.1.1

入射点の測定

入射点の測定は

9.1.1

による。

H.8.1.2

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,使用する最大ビーム路程以上でかつ過大とならない範囲で,

9.1.2

によって行うか,

対比試験片

RB-SDH

を用いて行う。測定の基準位置は,波形の立上りの位置で調整するほか,目的によっ

て波形のピークの位置で調整してもよい。

H.8.1.3

屈折角の測定

STB

屈折角及び探傷屈折角の測定は,

9.1.3

による。

H.8.1.4

探傷感度の調整

探傷感度は,

9.2.4

によって調整した後,ノイズと識別できる範囲で適宜感度を高める。

H.8.1.5

探傷装置の測定

調整及び点検の時期

探傷装置の測定,調整及び点検は,

9.1.7

による。ただし,

表 9

は適用しない。

H.8.2

一振動子集束斜角探触子及び二振動子斜角探触子を用いる場合

H.8.2.1

入射点の測定

入射点(

P

1

)の測定は,対比試験片

RB-SDH

を用いて,対象とするきず上端部(

F

U

)及びきず下端部(

F

L

の位置を含む二つのφ

3.0 mm

横穴を利用して行い,次による。

a)

図 H.3

に示すように二つのφ

3.0 mm

横穴

01

及び

02

を探傷し,φ

3.0 mm

横穴のエコー高さが最大に

なったときの探触子の前端位置

Y

1

及び

Y

2

0.5 mm

単位で測定する。

Y

1

及び

Y

2

は,

対比試験片

RB-SDH

の片端面(

Y

0

)から探触子の前端までの寸法とする。

b)

入射点の位置(

P

1

)は,

図 H.3

の二つのφ

3.0 mm

横穴の中心の位置

d

01

及び

d

02

と探触子

A

及び

B

位置を用いて,式

(H.1)

から求める。入射点は,

0.5 mm

単位で算出する。

(

)

(

)

01

02

01

1

02

02

2

01

d

d

Y

Y

d

Y

Y

d

P

×

×

=

  (H.1)

H.8.2.2

探傷屈折角の測定

探傷屈折角の測定は,

図 H.3

の探触子の位置

A

及び

B

におけるそれぞれの探傷屈折角

θ

01

及び

θ

02

を式

(H.2)

及び式

(H.3)

から求め,これの平均を式

(H.4)

から求めて,これを探傷屈折角(

θ

RB

)とする。探傷屈折角

θ

01

θ

02

及び

θ

RB

は,

0.1

°単位で算出する。

(

)

01

01

1

1

1

01

tan

d

Y

P

Y

θ

=

  (H.2)

(

)

02

02

1

2

1

02

tan

d

Y

P

Y

=

θ

  (H.3)

2

02

01

RB

θ

θ

θ

=

  (H.4)

H.8.2.3

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,対比試験片 RB-SDH を用いて行い,使用する最大ビーム路程以上でかつ過大となら

ない範囲とする。測定の基準位置は波形の立上りで調整するか,目的によって波形のピーク位置で行う。

測定範囲の調整は,次に示すように行う。

a)

式(H.4)で求めた探傷屈折角(θ

RB

)を用いて入射点(P

1

)から,φ3.0 mm 横穴 01 及びφ3.0 mm 横穴

02 までのビーム路程(W

01

及び W

02

)を式(H.5)及び式(H.6)から 0.1 mm 単位で求める。


87

Z 3060

:2015

5

.

1

cos

RB

01

01

=

θ

d

W

  (H.5)

5

.

1

cos

RB

02

02

=

θ

d

W

  (H.6)

b)

探触子を

図 H.3 の位置 A においてφ3.0 mm 横穴 01 からのエコー高さが最大となったときに探触子を

固定し,そのエコーの立上り位置が式(H.5)から算出したビーム路程(W

01

)に一致するようにゼロ点

調整を行う。

c)

次に,探触子の位置 B におけるビーム路程(W

02

)の測定した値を W

02U

とし,式(H.6)から求めた W

02

との差 ΔW

02

を式(H.7)から求め,その値が 0.5 mm 以内であれば,測定範囲は正しく調整されたものと

し,0.5 mm を超えるときは,再度,装置の調整を行う。

02

02U

02

W

W

W

=

Δ

   (H.7)

図 H.3−入射点 P

1

探傷屈折角 θ

RB

及び測定範囲の調整

H.8.2.4

探傷感度の調整

探傷感度は,対比試験片 RB-SDH のφ3.0 mm 横穴 02 によって調整した後,ノイズと識別できる範囲で

適宜,感度を高める。

H.8.2.5

探傷装置の測定,調整及び点検の時期

探傷装置の測定,調整及び点検は 9.1.7 による。ただし,

表 は適用しない。

H.9

きずの指示高さの測定

H.9.1

探傷面と超音波の入射方向

超音波の入射方向は,できるだけ二つ以上の入射方向となるよう複数の探傷面(片面両側,両面片側及

び両面両側)から超音波を入射して,測定を行う。


88

Z 3060

:2015

H.9.2

探触子の走査方向

探触子の走査方向は,きずの指示高さが最も高いと推定される位置又はその近傍において,面状きずの

長さ方向に対して直角方向に前後走査する。このとき,きず上端部エコー(F

U

)及びきず下端部エコー(F

L

を検出するために十分な走査を行う。この場合,端部エコーを明瞭に検出するため,若干の首振り走査を

行ってもよい。

H.9.3

端部エコーの検出及びビーム路程の読取り

H.9.3.1

ビーム路程の読取り方法

きず上端部エコー(F

U

)及びきず下端部エコー(F

L

)を検出した場合,ビーム路程(W

FU

及び W

FL

)を

読み取る。この読取りは,探傷装置の調整時にピーク位置,ゼロクロス位置など,探傷装置の調整時に読

み取ったのと同じ位置で読み取る。このときの読取りは,0.1 mm の単位とする。

H.9.3.2

表面開口きずの場合

図 H.4 a)  に示すように探触子を前後走査し,きず下端部からの最大エコー高さを検出し,ビーム路程

F

L

)を読み取る。


89

Z 3060

:2015

a)

  表面開口きず 

b)

  内部きず 

c)

  裏面開口きず 

図 H.4−きず上端部エコー(E

U

及びきず下端部エコー(E

L

の捉え方の例(MA 表示)


90

Z 3060

:2015

H.9.3.3

内部きずの場合

図 H.4 b)  に示すように探触子を前後走査し,きず上端部からの最大エコー高さ及びきず下端部からの最

大エコー高さを検出し,ビーム路程(F

U

)及びビーム路程(F

L

)を読み取る。

H.9.3.4

裏面開口きずの場合

図 H.4 c)  に示すように探触子を前後走査し,きず上端部からの最大エコー高さを検出し,ビーム路程

F

U

)を読み取る。

H.9.4

きずの指示高さ t

NF

の算出

きずの指示高さ(t

NF

)の算出は,次による。屈折角(θ)に STB 屈折角を用いた場合は,θ

STB

とし,探

傷屈折角を用いた場合は θ

RB

とする。

a)

表面開口きずの場合,きずの指示高さ t

NF

は,式(H.8)による。

θ

W

t

cos

FL

NF

×

=

   (H.8)

b)

内部きずの場合,きずの指示高さ t

NF

は,式(H.9)による。

(

)

θ

W

W

t

cos

FU

FL

NF

×

=

  (H.9)

c)

裏面開口きずの場合,きずの指示高さ t

NF

は,式(H.10)又は式(H.11)による。

(

)

θ

W

W

t

cos

FU

FL

NF

×

=

  (H.10)

θ

W

t

t

cos

FU

NF

×

=

  (H.11)

1 回反射法できずの指示高さ t

NF

を求める場合は,式(H.12)又は式(H.13)による。

(

)

θ

W

W

t

cos

FL

FU

NF

×

=

  (H.12)

t

θ

W

t

×

=

cos

FU

NF

  (H.13)

H.10

記録

測定を行った後の記録には,箇条 11 によるほか,次のうち必要な項目を記載する。

a)

上端部エコー及び下端部エコーを検出した探触子位置(X 及び Y 方向)

b)

きずの指示高さ

c)

その他,きずの指示高さの測定結果に影響を及ぼす項目


91

Z 3060

:2015

附属書 I

参考)

TOFD

法によるきずの指示高さの測定方法

I.1

一般

平板突合せ継手溶接部及び探傷面の曲率半径が 50 mm 以上の円周継手溶接部に検出されたきずの指示

高さを TOFD 法を用いて測定する方法について示す。

I.2

用語及び定義

この附属書で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300 及び箇条 によるほか,次による。

I.2.1

ラテラル波

探触子間を直接伝搬する縦波。

I.2.2

きず上端部

探傷面に最も近いきずの端部。

I.2.3

きず下端部

探傷面から最も遠いきずの端部。

I.2.4

上端回折波

きず上端部で回折する縦波。

I.2.5

下端回折波

きず下端部で回折する縦波。

I.2.6

探触子間隔

送信探触子と受信探触子との入射点間距離。

I.2.7

D-

スキャン

溶接線又はきずの長手方向(超音波ビームの方向に対して垂直の方向)に送受一対の探触子を走査する

こと(

図 I.1 参照)。

I.2.8

D-

スキャン画像

D-スキャンによって収録したパルス波形の振幅を,グレースケール又はカラー階調表示に置き換え,横

軸が溶接線又はきずの長手方向で,縦軸がビーム路程方向に表示する画像(

図 I.1 参照)。

I.2.9

B-

スキャン

溶接線又はきずを横断する方向(超音波ビーム方向)に送受一対の探触子を走査すること(

図 I.2 参照)。


92

Z 3060

:2015

I.2.10

B-

スキャン画像

B-スキャンによって収録したパルス波形の振幅を,グレースケール又はカラー階調表示に置き換え,横

軸が溶接線又はきずの横断する方向で,縦軸がビーム路程方向に表示する画像(

図 I.2 参照)。

I.2.11

TOFD

不感帯

ラテラル波及び裏面反射波ときず端部の回折波との干渉によって,きず端部の回折波の発生源が不明

瞭となる深さ範囲。

I.2.12

全波形収録形探傷器

走査される探触子の各々の位置においてパルス波形を自動で収録できる探傷器。

a)

  探傷状況 

b)

  探傷波形 

c)

  D-スキャン画像 

図 I.1D-スキャン

走査方向

表面

裏面


93

Z 3060

:2015

a)

  探傷状況 

b)

  探傷波形 

c)

  B-スキャン画像 

図 I.2B-スキャン

I.3

記号

この附属書で使用する記号は,次による。

:  入射点間距離の二分の一の距離

d

U

  :  きず上端部の深さ

d

L

  :  きず下端部の深さ

:  きずの指示高さ

:  試験体の厚さ

:  試験体の音速

T

U

  :  ラテラル波と上端回折波との伝搬時間差

T

L

  :  ラテラル波と下端回折波との伝搬時間差

I.4

技術者

TOFD 法によってきず指示高さを測定する技術者は,箇条 によるほか,TOFD 法の探傷についての十

分な知識及び経験をもち,かつ,TOFD 法の適用に関する教育及び訓練を受けた者とする。

I.5

装置

I.5.1

探傷器

探傷器は,A.2 の機能及び性能をもつ全波形収録形探傷器を使用する。

I.5.2

表示装置

表示装置は,D-スキャン画像,B-スキャン画像及び任意の探触子位置の探傷図形を表示できるものとす

る。

I.5.3

走査装置

走査方向

上端像

下端像

表面

裏面


94

Z 3060

:2015

走査装置は,試験体の対象範囲を自動又は手動で D-スキャン又は B-スキャンができるものとする。

I.5.4

探触子

使用する探触子は,二つの同一の公称周波数,振動子の公称寸法及び公称屈折角の縦波斜角探触子を送

信及び受信に組み合わせる。

I.6

標準試験片

使用する標準試験片は,5.1 に規定する A1 形標準試験片又は A3 形系標準試験片とする。

I.7

測定の準備

I.7.1

標準試験片の選定

入射点の測定に標準試験片を使用する場合には,A1 形標準試験片又は A3 形系標準試験片のいずれかを

あらかじめ選定する。

I.7.2

探触子の選定

I.7.2.1

周波数

使用する探触子の公称周波数は,1∼15 MHz を用いる。試験体の厚さ又は深さ方向の探傷範囲に応じて

表 I.1 を参考にして選定する。

I.7.2.2

振動子寸法

使用する探触子の振動子の公称寸法は,2∼20 mm を用いる。試験体の厚さ又は深さ方向の探傷範囲に

応じて

表 I.1 を参考にして選定する。

I.7.2.3

屈折角

使用する探触子の公称屈折角は,40°∼70°を用いる。試験体の厚さ又は深さ方向の探傷範囲に応じて

表 I.1 を参考にして選定する。

表 I.1TOFD 法において使用する探触子及びビームの交軸深さの例

試験体の厚さ

mm

深さ方向の

探傷範囲

公称周波数

MHz

振動子寸法

mm

公称屈折角

°

ビームの交軸深さ

6 以上∼10 以下

0∼t 10∼15 2∼3 70  2t/3

10 超え∼20 以下

0∼t

7∼10 3∼5 60∼70 2t/3

20 超え∼35 以下

0∼t

5∼10 5∼7 60  2t/3

35 超え∼50 以下

0∼t

5∼7 5∼10 60

2t/3

50 超え∼100 以下

0∼t/2 5∼10 5∼10 60

1t/3

t/2∼t

3∼5 6∼12 45∼55 5t/6

100 超え∼200 以下

0∼t/3 5∼10 5∼10 60

2t/9

t/3∼2t/3 3∼5 7∼14 45∼55 5t/9

2t/3∼t

2∼5 10∼20 40∼50 8t/9 又は t

I.7.3

試験体の音速測定

試験体の縦波音速は,測定する溶接部の母材で,垂直探触子を使用して有効数字 3 桁まで測定するか,

又は縦波音速の推定値を使用してよい。


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Z 3060

:2015

I.8

探傷装置の調整

I.8.1

入射点の測定

入射点の測定は,9.1.1 によるか,又は送信探触子と受信探触子の超音波の入射面とを合わせ,直接受信

したパルス波形が最大ピークとなる位置から求める方法による。

I.8.2

音速値の設定

音速値の設定は,試験体の縦波音速とする。

I.8.3

測定範囲の調整

測定範囲の調整は,使用する範囲以上で,必要最小限とする。

I.8.4

探触子の保持機構

探触子の保持機構は,探触子が探傷面に良好な音響結合で保持されるように調整する。

I.8.5

探触子間隔の設定

探触子間隔は,

試験体の厚さ又はきずの深さに応じて

表 I.1 のビームの交軸深さを参考にして設定する。

I.8.6

波形収録ゲートの調整

I.8.6.1

波形収録ゲートの起点

波形収録ゲートの起点は,ラテラル波の伝搬時間以前とする。

I.8.6.2

波形収録ゲートの範囲

波形収録ゲートの範囲は,起点から最初の裏面反射波の伝搬時間以上とする。

I.8.7

探傷感度の調整

探傷感度は,対象とするきずが十分に検出可能となるように,電気的ノイズ又は結晶粒界のノイズが現

れるまで感度を上げた後,上端回折波又は下端回折波が 80 %を超えない範囲で明瞭な画像が得られる感度

とする。

I.9

きずの指示高さの測定

I.9.1

走査方法の選定

走査方法は,検出したきずの性状に応じて,D-スキャン又は B-スキャンのいずれかを選定する。検出し

た試験方法において,きずの形状が板厚方向に垂直と推定される場合は,D-スキャンを選定し,傾きをも

つと推定される場合は,B-スキャンを選定する。

なお,検出した試験方法において,きずの形状が不明確な場合は,B-スキャンを使用して,きずの傾き

の有無を確認する。

I.9.2

走査装置の配置

D-スキャンを選定する場合は,検出した試験方法において測定したきずの位置から,探触子間隔の中央

になるよう走査装置を配置する。B-スキャンを選定する場合は,検出した試験方法において,きずの高さ

が最も大きいと推定される位置になるよう走査装置を配置する。また,きずの方向が横割れなどの溶接線

と平行でない場合は,きずと直交する超音波の伝搬方向となるよう走査装置を配置する。

I.9.3

走査速度

走査速度は,所定のデータ収録点において,データ収録を行える速度以下とする。

I.9.4

データ収録点の間隔の選定

データ収録点の間隔は,必要に応じて 0.5 mm,1 mm,2 mm から選定する。

I.9.5

母材の走査

きずの指示高さの補正を行うため,母材の走査を行う。母材の走査は,送信探触子及び受信探触子が共


96

Z 3060

:2015

に測定する溶接部のいずれかの母材面を走査する。

I.9.6

溶接部の走査

溶接部の走査は,検出されたきずを含む必要な範囲を走査する。

I.9.7

音響結合の確認

ラテラル波又は裏面反射波の表示画像で,音響結合の状態を確認する。画像が連続して表示されていな

い場合は音響結合が不良と判断し,再度測定を行う。

I.9.8

きずの指示高さの測定方法

I.9.8.1

内部きずの指示高さ

内部きずの指示高さの測定は,

図 I.3 及び図 I.4 に示すように,ラテラル波を基準とする場合は,ラテラ

ル波及びきずの上端回折波ときずの下端回折波とのそれぞれの伝搬時間差から,きずの深さ及び高さを測

定する。また,裏面反射波を基準とする場合は,裏面反射波及びきずの上端回折波ときずの下端回折波と

のそれぞれの伝搬時間差から,きずの深さ及び高さを測定する。

式(I.1)で上端部,式(I.2)で下端部それぞれの深さ位置が求まり,この差,式(I.3)からきずの指示高さを求

める。

測定結果から計算式によるきずの深さ及びきずの指示高さを求める方法は,次による。

a)

ラテラル波を基準とするきず上端部の深さは,式(I.1)で求める。

2

1

U

2

U

2

u

4



×

×

+

×

=

S

T

C

T

C

d

  (I.1)

b

)

ラテラル波を基準とするきず下端部の深さ位置は,式

(I.2)

で求める。

2

1

L

2

L

2

L

4



×

×

+

×

=

S

T

C

T

C

d

   (I.2)

c

)

ラテラル波を基準とするきずの高さは,式

(I.3)

で求める。

u

L

d

d

h

=

  (I.3)


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Z 3060

:2015

a)

  探傷状況 

b)

  探傷波形 

c)

  D-スキャン画像 

図 I.3D-スキャンの測定方法

表面

裏面

上端像

下端像


98

Z 3060

:2015

a)

  探傷状況 

b)

  探傷波形 

c)

  B-スキャン画像 

図 I.4B-スキャンの測定方法

I.9.8.2

表面開口きずの指示高さ

表面開口きずの指示高さの測定は,表面開口きずによってラテラル波が消滅するため,きずの近傍の健

全部のラテラル波ときずの下端回折波との時間差で行う。きずの指示高さは,表面からきずの下端深さま

でとする。

I.9.8.3

裏面開口きずの指示高さ

裏面開口きずの指示高さの測定は,裏面開口きずによって裏面反射波の遅れによる湾曲又は乱れが生じ

るため,きずの近傍の健全部の裏面反射波ときずの上端回折波との時間差,又はラテラル波ときずの上端

回折波との時間差で行う。

なお,きずの上端回折波が確認できず,裏面反射波の遅れが認められる場合の裏面開口きずの指示高さ

の測定は,きずの近傍の健全部の裏面反射波と裏面反射波の遅れとの時間差で行う。

I.9.8.4

パルス波形の分離

きずの上端回折波と下端回折波とが明瞭に分離しない場合,ラテラル波ときずの上端回折波とが明瞭に

分離しない場合又は裏面反射波ときずの上端回折波とが明瞭に分離しない場合は,きず指示高さは測定不

可とする。

I.9.9

きずの指示高さの補正

きずの指示高さの測定の場合,

母材の走査の

TOFD

画像からきずの指示高さの補正を行う。

補正方法は,

次による。

a

)

母材走査データのラテラル波と裏面反射波との時間差を測定する。

表面

裏面

上端像

下端像

きずの傾斜


99

Z 3060

:2015

b

)

母材の板厚と縦波音速とから探触子間隔を算出する。

c

)

算出した探触子間隔を溶接部の走査のデータの探触子間隔に置き換えて,きずの指示高さを測定し補

正値とする。

I.10

記録

測定を行った後の記録には,箇条 11 によるほか,次のうち必要な項目を記載する。

a

) TOFD

法である旨,並びに使用した

TOFD

法の装置名及び主な仕様

b

)

全波形収録形探傷器の仕様

c

)

全波形収録形探傷器の性能及び点検日時

d

)

走査装置の仕様

e

)

走査装置の性能及び点検日時

f

)

画像表示装置の仕様

g

)

スキャン方法

h

)

走査の開始点及び終了点の位置

i

)

収録ピッチ

j

)

探触子間隔

k

) D-

スキャン画像

l

) B-

スキャン画像

m

)

パルス波形

n

)

きず指示高さ

o

)

その他,きず高さの測定結果に影響を及ぼす項目

参考文献

JIS B 0601

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状

パラメータ

JIS Z 2344

  金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則