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Z 2911

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  試験に用いるかびの種類

2

4

  試験の準備

3

4.1

  薬品及び材料

3

4.2

  滅菌方法

4

4.3

  培地

4

4.4

  かびの保存及び使用

5

4.5

  胞子懸濁液

6

5

  試験の通則

6

5.1

  試料・器具・材料の取扱方法

6

5.2

  培養試験

6

5.3

  試験結果の表示

7

6

  一般工業製品の試験

7

7

  繊維製品の試験

7

8

  塗料の試験

9

9

  皮革及び皮革製品の試験

9

10

  プラスチック製品の試験

10

11

  電気製品・電子製品の試験

10

12

  光学部品・光学機器の試験

10

附属書 A(規定)プラスチック製品の試験

11

附属書 B(規定)電気製品・電子製品の試験

17

附属書 C(規定)光学部品・光学機器の試験

21

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

26


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本防菌防黴学会

(SAAAJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 2911:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

2911

:2010

かび抵抗性試験方法

Methods of test for fungus resistance

序文

この規格は,1997 年に第 2 版として発行された ISO 846,2005 年に第 6 版として発行された IEC 

60068-2-10

及び 1994 年に第 1 版として発行された ISO 9022-11 を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。対応する工業製品・工業材料のうちプラスチック製品(箇条 10

,電気製品・電子製

品(箇条 11

,及び光学部品・光学機器(箇条 12)の試験については,対応国際規格を翻訳し,技術的内

容を変更して作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定されていない一般工業製品のうち計測

機器,木竹製品及びガラス製品(箇条 6

,繊維製品(箇条 7

,塗料(箇条 8)並びに皮革製品(箇条 9

の試験を,日本工業規格として追加している。

なお,この規格の

附属書 A∼附属書 で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している

事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,特にかび抵抗性を必要とする工業製品又は工業材料のかびに対する抵抗性の試験方法につ

いて規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 846:1997

,Plastics−Evaluation of the action of microorganisms

ISO 9022-11:1994

,Optics and optical instruments−Environmental test methods−Part 11: Mould

growth

IEC 60068-2-10:2005

,Environmental testing−Part 2-10: Tests−Test J and guidance: Mould growth

(全体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)

JIS K 8121

  塩化カリウム(試薬)

JIS K 8263

  寒天(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)


2

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JIS K 8383

  スクロース(試薬)

JIS K 8545

  硝酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8824

  D(+)−グルコース(試薬)

JIS K 8978

  硫酸鉄(II)七水和物(試薬)

JIS K 8995

  硫酸マグネシウム七水和物(試薬)

JIS K 9006

  りん酸二水素アンモニウム(試薬)

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS T 7322

  医療用高圧蒸気滅菌器

JIS T 7324

  医療用小型高圧蒸気滅菌器

3

試験に用いるかびの種類

試験に用いるかび(以下,試験用のかびという。

)の種類は,次による。

これら試験用のかびの菌株は,

独立行政法人製品評価技術基盤機構が分譲している菌株である。

ただし,

国際微生物株保存連盟又は日本微生物資源学会に加盟している機関において保存されている同一系統の菌

株を使用することができる(

表 参照)。

第  

a) 

アスペルギルス  ニゲル  NBRC 105649

(Aspergillus niger NBRC 105649)

b) 

アスペルギルス  ニゲル  NBRC 105650

(Aspergillus niger NBRC 105650)

c) 

ユーロチウム  トノヒルム  NBRC 8157

(Eurotium tonophilum NBRC 8157)

第  

a) 

ペニシリウム  シトリナム  NBRC 6352

(Penicillium citrinum NBRC 6352)

b) 

ペニシリウム  ピノヒルム  NBRC 6345

(Penicillium pinophilum NBRC 6345)

第  

a) 

リゾープス  オリゼ  NBRC 31005

(Rhizopus oryzae NBRC 31005)

第  

a) 

クラドスポリウム  クラドスポリオイデス  NBRC 6348

(Cladosporium cladosporioides NBRC 6348)

b) 

オーレオバシジウム  プルランス  NBRC 6353

(Aureobasidium pullulans NBRC 6353)

c) 

トリコデルマ  ビレンス  NBRC 6355

(Trichoderma virens NBRC 6355)

第  

a) 

ケトミウム  グロボスム  NBRC 6347

(Chaetomium globosum NBRC 6347)

b) 

ミロテシウム  ベルカリア  NBRC 6113

(Myrothecium verrucaria NBRC 6113)


3

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表 1−試験用のかびと同一系統の菌株一覧

箇条 に規定するかびの菌株

同一系統のかびの菌株

第 群 a)  アスペルギルス  ニゲル NBRC 105649

a)

ATCC 6275, CBS 769.97, IMI 45551, NRRL 334, QM 334458, 
USDA 215-4247

b) 

アスペルギルス  ニゲル NBRC 105650

b)

ATCC 9642, CBS 246.65, IMI 91855, NRRL 3536, QM 386

c) 

ユーロチウム  トノヒルム  NBRC 8157

ATCC 16440, IMI 108299ii

第 群 a)  ペニシリウム  シトリナム  NBRC 6352

ATCC 9849, CBS 342.61, IMI 61272, NRRL 756, QM 1226

b) 

ペニシリウム  ピノヒルム  NBRC 6345

ATCC 9644, CBS 170.60, IMI 87160ii, NRRL A-5245, QM 391

第 群 a)  リゾープス  オリゼ  NBRC 31005

ATCC 10404, IMI 61269, QM 387

第 群 a)  クラドスポリウム  クラドスポリオイデス

NBRC 6348

JCM 22444

b) 

オーレオバシジウム  プルランス 
NBRC 6353

JCM 22445

c) 

トリコデルマ  ビレンス  NBRC 6355

ATCC 9645, CBS 430.54, IMI 45553ii, QM 365

第 群 a)  ケトミウム  グロボスム NBRC 6347

ATCC 6205, CBS 148.51, IMI 45550ii, NRRL 1970, QM 459,   
USDA 1042.4

b) 

ミロテシウム  ベルカリア  NBRC 6113

ATCC 9095, CBS 328.52, NRRL 2003, QM 460, USDA 1334.2

微生物保存機関略号の説明

NBRC

独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部,千葉県木更津市

ATCC  American Type Culture Collection, Rockville, Maryland, U.S.A

CBS  Centraalbureau voor Schimmelcultures, Fungal Biodiversity Centre, Utrecht, the Netherlands

IMI  CABI Genetic Resource Collection, Egham, Surrey, U.K.

JCM 

独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター,茨城県つくば市

NRRL  Agricultural Research Service, U.S. Department of Agriculture, Peoria, Illinois, U.S.A.

QM  Quartermaster Research and Development Center, U.S.Army, Natick, Massachusetts, U.S.A.

USDA  United States Department of Agriculture, Washington, D.C., U.S.A.

a)

  独立行政法人製品評価技術基盤機構から分譲を受けた菌株 NBRC 6341 又は独立行政法人産業技術総合研究所

から分譲を受けた菌株 FERM S-1 を用いてもよい。

b)

  独立行政法人製品評価技術基盤機構から分譲を受けた菌株 NBRC 6342 又は独立行政法人産業技術総合研究所

から分譲を受けた菌株 FERM S-2 を用いてもよい。

4

試験の準備

4.1

薬品及び材料

この規格で用いる薬品及び材料は,特に指定がない限り,次による。

エタノール(95)

JIS K 8102

に規定するもの

塩化カリウム

JIS K 8121

に規定するもの

塩化ベンザルコニウム

第十五改正日本薬局方の基準に適合するもの

寒天

JIS K 8263

に規定するもの

酢酸

スクロース

JIS K 8355

に規定するもの

JIS K 8383

に規定するもの

硝酸アンモニウム

JIS K 8545

に規定するもの

D(+)−グルコース

JIS K 8824

に規定するもの

硫酸鉄(II)七水和物

JIS K 8978

に規定するもの

硫酸マグネシウム七水和物

JIS K 8995

に規定するもの

りん酸二水素アンモニウム

JIS K 9006

に規定するもの


4

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りん酸二水素カリウム

JIS K 9007

に規定するもの

ペプトン

微生物試験用

精製水

JIS K 0557

に規定する A1∼A3 の水

4.2

滅菌方法

4.2.1

乾熱滅菌

試験管,フラスコ,三角フラスコ,ピペットなどは,あらかじめ水で十分に洗って乾燥した後,綿栓

1)

をする。また,ガラス製シャーレ(ペトリ皿)

2)

は,同様に水洗いし,乾燥した後,滅菌缶などの容器に

入れるか白紙(和紙のすき油入紙など)に包んで乾熱滅菌器に入れ,これを温度 160∼170  ℃で 1 時間以

上加熱する。

綿又は紙がこ(焦)げて黄色になったのを目安として加熱を止め,器具を取り出す。ただし,  乾熱滅菌

が終わった後,綿栓又は紙が水,培地などでぬれたときは,その器具を試験に用いてはならない。

1)

  試験に適した器材を用いてもよい。

2)

  滅菌済みプラスチック製シャーレを用いてもよい。

4.2.2

高圧蒸気滅菌

高圧蒸気滅菌器の底に近いところにたな(棚)を設け,たなの下に水を入れる。この場合,蒸気を吹き

込んで加熱する高圧蒸気滅菌器には,底に水を入れない。したがって,中の水は沸騰しない。

なお,JIS T 7322 又は JIS T 7324 に規定する自動化された医療用高圧蒸気滅菌器を用いてもよい。

乾熱滅菌の終わった試験管,フラスコ又は三角フラスコに培地を入れ,元のように再び綿栓し,高圧蒸

気滅菌器のたなの上に器具を置き,セロハン,アルミニウムはく(箔)又は硫酸紙で覆い,高圧蒸気滅菌

器のふた(蓋)をする。ガス抜きコックを開き,高圧蒸気滅菌器を加熱して,中の水を沸騰させる。蒸気

が激しく出続けてから 10 分間後,コックを閉じ,更に加熱を続け,高圧蒸気滅菌器の内部の圧力・温度

3)

を指定の値に保って指定の時間滅菌する。滅菌工程の終了後,加熱を止め,平圧に戻ってからコックを開

き,ふたを開いて器具を取り出す。

3)

  内部の蒸気の温度を測ることが望ましいが,圧力計だけの場合は,かま(釜)の中の空気が完

全に水蒸気で置換されていることが必要である。空気が置換されにくいびん(瓶)

・缶などの筒

状の容器の負荷量が大きい場合は,圧力計に相当する温度まで上昇せずに滅菌不良となること

がある。温度計を入れて指定の温度に保つことが望ましい。

4.2.3

火炎滅菌

ガス又はアルコールの火炎の中に,白金線又は白金耳を通して赤熱させる。

4.2.4

薬液消毒

エタノール(70  %)

,塩化ベンザルコニウム溶液  (1∼10 g/L)などの薬液を用いて消毒する。

4.3

培地

4.3.1

ポテト・デキストロース寒天培地(PDA 培地)

4)

大粒できずのない馬鈴しょ(薯)を水でよく洗って皮をむ(剥)き,芽の部分は深くえぐって周囲約 10

mm まで取り除き,約 10 mm のさいの目に切る。その 200 g をとり,酢酸(3+97)に 30 分間浸した後,

精製水で洗い,ほうろうの容器に入れ,精製水 1 000 mL を加えて直火で 1 時間煮沸する。内容物を直ちに

ガーゼでろ別し,精製水を加えて 1 000 mL とし,D(+)−グルコース 20 g

5)

と寒天 20 g とを加えて容量

2 000 mL の三角フラスコに入れ,沸騰水浴中で加熱して内容物を十分に溶かした後,高圧蒸気滅菌する。

高圧蒸気滅菌の温度(又は圧力)及び時間は,121  ℃(又は 103 kPa 相当)で 20 分間とする。

ポテト・デキストロース寒天培地は,調製してから 1 か月以上経過したものは,用いてはならない。


5

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4)

  同組成の市販乾燥培地を,それぞれの調製方法に従って用いてもよい。

5)

  第 群 c)を培養する場合は,200 g とする。又は,M40Y 寒天培地を使用してもよい。

4.3.2

斜面培地

乾熱滅菌した試験管(15 mm×150 mm)の中に,あらかじめ加熱溶解した 4.3.1 のポテト・デキストロ

ース寒天培地約 6 mL を注ぎ,元のように綿栓をしてから高圧蒸気滅菌する。

滅菌が終わったならば,清浄な室内に試験管を水平面と約 15 度傾けて置き,内容物を固化させる。

斜面培地は,調製してから 1 か月以上経過したものは,用いてはならない。

4.3.3

平板培地

両手のそで(袖)をそれぞれひじ(肘)までまくり,石けん(鹸)でよく洗った後,4.2.4 の薬液をガー

ゼに浸したもので丁寧に両手・両腕をぬぐ(拭)う

6)

。無菌箱

7)

は,紫外線殺菌をしておく。乾熱滅菌を

終わったシャーレ(90 mm)を無菌箱の外でふたを上にしたまま上を破り,手早く中に入れる。培地を入

れて滅菌した容器は,あらかじめ加熱して,培地を溶解しておく。

なお,培地の種類及び組成は,それぞれの試験で規定する。

容器の底及び底面を薬液でぬぐい,綿栓を約 5 mm 抜き,火炎に当てて外側を焼く。同時に容器の首部

も火炎を通し,滅菌する。綿栓に火がついた場合は,薬液でふ(拭)いたガラス棒で押さえて綿栓の火を

消した後,無菌箱の中に入れる。無菌箱に両手を入れ,培地を入れた容器の綿栓を取り,シャーレのふた

を少し開けて培地を約 25 mL 注入

8)

し,直ちにシャーレのふたをする。シャーレを,無菌箱から取り出し,

水平に置いて培地を固化させる。

平板培地は,調製してから 2 日間以上経過したものは,用いてはならない。

6)

  手及び腕の消毒は,操作の度に頻繁に行う。

7)

無菌箱の戸は,常に閉じておく。開く必要があるときは,開き方をなるべく小さくし,手早く

閉じるようにする。無菌箱の内部の消毒は,通常,紫外線殺菌を行うが,試験菌の移植又は試

験に関する試験品への試験菌の塗布を行った後は,消毒薬液の噴霧又は消毒薬液を含浸した布

でふ(拭)き,その後紫外線殺菌を行う。殺菌消毒後の無菌箱には,薬液消毒したもののほか

は,入れてはならない。無菌箱の代わりにクリーンベンチ,安全キャビネットなどの無菌設備

を用いてもよい。

8)

  培地は,あらかじめ 25 mL ずつ試験管に分注・滅菌しておき,必要に応じて加熱溶解後,約 50  ℃

に保ってシャーレに注入してもよい。さらに,慣れてくればフラスコなどの培地容器から,直

接シャーレに流し込んでもよい。

4.4

かびの保存及び使用

4.4.1

かびの保存

かびの移植は,特に指定がない限り,無菌箱の中で行う。無菌箱の使用は,4.3.3 の方法に準じる。試験

管のガラス部分は,薬液に浸したガーゼでぬぐい,綿栓は火炎で焼き,試験管の首部は,更に火炎で加熱

する。また,白金耳の柄は薬液でぬぐい,白金耳は,火炎滅菌してから無菌箱に入れる。片手に元株と移

植しようとする 4.3.2 の斜面培地を,他の手に白金耳の柄を持って綿栓を抜き取り,かびの元株の胞子を

数回白金耳でとり,斜面培地の表面にす(擦)り付け,元のように綿栓をして外に取り出す。白金耳は,

異なったかびを移植するごとに火炎滅菌する。移植した斜面培地は,温度 26±2  ℃の恒温器で 7∼20 日間

培養し,その後は,冷蔵庫に保存する。

移植してから 3 か月間以内に培養斜面から胞子を白金耳でとり,新しい斜面培地に移植して同様に培養

保存し,3 か月間以内ごとに,これを繰り返す。


6

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移植してから 3 か月間以上経過したものは,次の移植に用いてはならない。

4.4.2

かびの使用

4.5

の胞子懸濁液に用いるかびの培養は,冷蔵庫に保存されたかびを新しい斜面培地に移植し,温度 26

±2  ℃の恒温器に入れ,

第 群 c)については 10∼20 日間,第 群 a)については 10 日間,第 群 a)につい

ては 14 日間,その他については 7∼10 日間行う。培養後の斜面培地は冷蔵庫に保存し,

第 群 c)につい

ては 30 日間以内に,その他については 10 日間以内に使用する。

4.5

胞子懸濁液

4.5.1

湿潤剤添加滅菌水の調製

スルホこはく酸ジオクチルナトリウム

(Dioctyl sodium sulfosuccinate)

50 mg を精製水に溶かして 1 000 mL

とした後,そのうち 10 mL を乾熱滅菌した容量 50 mL の三角フラスコに入れ,高圧蒸気滅菌する。

4.5.2

単一胞子懸濁液の調製

4.4.2

によって調製した培養面から無菌箱の中で胞子を約 10

6

個/mL となるようにとり,4.5.1 の湿潤剤添

加滅菌水に加える。三角フラスコは,元のように綿栓をして無菌箱の外に取り出し,激しく振り動かして

胞子を十分に分散させる。無菌箱内で内容物をガーゼでろ過し,ろ液を単一胞子懸濁液とし,別の容量 50

mL の滅菌した三角フラスコに移して栓をしておく。

単一胞子懸濁液は,調製した後,24 時間以上経過したものは,試験に用いてはならない。

4.5.3

混合胞子懸濁液の調製

容量 100 mL の滅菌した三角フラスコに,それぞれの 4.5.2 の単一胞子懸濁液を等容量ずつ入れ,混合し

て,これを混合胞子懸濁液とする。混合胞子懸濁液を入れた三角フラスコには栓をしておく。

混合するかびの種類は,それぞれの試験の項で規定する。

混合胞子懸濁液は,単一胞子懸濁液を調製した後,24 時間以上経過したものは,試験に用いてはならな

い。

4.5.4

胞子懸濁液の確認

試験のときには,4.3.1 のポテト・デキストロース寒天培地を用いて平板培地を作り,その試験に用いる

かびの単一及び混合胞子懸濁液 1 mL を培養面に均等に塗布し,ふたをして試料又は試験片と同じ温度に

保った場所に置いて培養する。

第 群 c)の単一胞子懸濁液については 10∼20 日間,その他のかびの単一

又は混合胞子懸濁液[

第 群 c)を含むものを含む。]については 10∼14 日間後に培養面を調べ,菌糸が全

面に密に繁殖していない場合は,この胞子懸濁液を用いて行った試験は,無効とする。

確認試験において異常が認められた場合には,

別の培養面の胞子で胞子懸濁液を調製し,再試験を行う。

5

試験の通則

5.1

試料・器具・材料の取扱方法

この試験に用いる試料又は試験片・器具・材料は,清浄なピンセット又は手で取り扱い,汚れ,きずな

どを付けないように十分に注意しなければならない。

5.2

培養試験

5.2.1

培養

試料又は試験片をそれぞれの規定に従って処理し,規定のかびを接種した後,規定の条件に保って培養

する。

5.2.2

接種

30 mm×30 mm の試料又は試験片にかび胞子懸濁液 0.5 mL を接種するには,無菌箱の中で胞子懸濁液を


7

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クロマトグラム用噴霧器又はピペットで,試料又は試験片の表面に均等に吹き付ける。ただし,繊維製品

についての乾式法については,規定された方法による。試験の繰返し数(n)は,3 とする。

5.3

試験結果の表示

5.3.1

試験結果の判定

5.2.1

の培養の結果,試料又は試験片の表面に生じた菌糸の発育状態を肉眼で調べる。

5.3.2

試験結果の表示方法

試験結果の表示方法は,

表 による。

表 2−試験結果の表示方法

菌糸の発育

結果の表示

試料又は試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。 0

試料又は試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は,

全面積の 1/3 を超えない。

 1

試料又は試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は,全面積の 1/3 を超える。 2

6

一般工業製品の試験

次に示す工業製品のかび抵抗性を試験する場合は,この箇条で試験を行い,次による。

−  計測機器:圧力計・測量機械・ら針盤など

−  木竹製品:計算尺・そろばん(算盤)

・包装材料・すだれなど

−  ガラス製品:ガラス・びん(瓶)など

a)

試験用のかび及び培養期間  試験に用いる混合胞子懸濁液のかびの種類及び培養期間は,表 による。

表 3−一般工業製品の試験に用いるかびの種類及び培養期間

種別

かびの種類

培養期間

計測機器 
木竹製品

第 群の a
第 群の a
第 群の a
第 群の a
第 群の a)

4 週間

ガラス製品

第 群の a)及び c
第 群の a
第 群の a
第 群の a
第 群の a)

4 週間

b)

試験方法  試料をそのまま又はこれを部品に解体した後,その全表面又は指定した部分に,4.5.3 に規

定する混合胞子懸濁液を吹き付ける。

吹き付ける量は,

試料の見掛けの表面積 30 mm×30 mm に対し,

0.5 mL の割合とする。吹き付けた後,温度 26±2  ℃,湿度 95∼99  %に保った恒温器などの中に置き,

表 に規定した期間培養する。

c)

試験結果の表示  培養が終了した後,5.3.1 によって結果を調査し,5.3.2 によって試験結果を報告する。

7

繊維製品の試験

織物,メリヤス,網,糸,ひも,索,綱などの繊維製品のかび抵抗性を試験する場合は,この箇条で試

験を行い,次による。

a)

試験片の大きさ,試験用のかび及び培養期間  この試験に用いる試験片の大きさ,混合胞子懸濁液の

かびの種類及び培養期間は,

表 による。


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表 4−繊維製品の試験に用いる試験片の大きさ,混合胞子懸濁液のかびの種類及び培養期間

培養期間

種別

試験片の大きさ

かびの種類

乾式法 湿式法

織物,メリヤスなど 50

mm×50 mm

糸の径 3 mm 未満のもの

上から見てほぼすき間がないように重ねて,その

大きさを 50 mm×50 mm とする。

糸の径 3 mm 以上のもの

糸の径 3 mm 以上のもの

糸・ひもなどがお互いに接するように横に並べ,

上から見て,その大きさを 50 mm×50 mm とす
る。

糸・ひも

・索・綱

糸の径 3 mm 未満のもの

ガラス板又は磁製板に巻いて,その大きさを 50 
mm×50 mm とする。

第 群の a
第 群の a
第 群の a)

及び b)

4 週間 2 週間

b)

乾式法  この方法は,普通の衣料用,屋内用,衣装用の繊維製品などに適用し,次による。

1)

試験容器  試験容器は,デシケータを用い,底部にりん酸二水素アンモニウム溶液(飽和)を内部

容積の約 5  %入れる。

2)

胞子担体  あらかじめシャーレに入れて 4.2.1 によって乾熱滅菌したろ紙(直径約 12 mm)又は磁

器製の素焼ふるいを,混合胞子懸濁液中に浸す。これを取り出し,乾熱滅菌したシャーレに入れて

乾燥し直ちに試験に用いる。

3)

試験操作  乾熱滅菌したシャーレ(90 mm)の中央に,表 に規定した方法で調整した試験片を平

らに置き,その試験片の中央に 2)の胞子担体 1 個を胞子が散らないように注意して載せ,更にその

上に乾燥したガラス板 50 mm×50 mm を載せて,ふたをする。

このシャーレを 1)の試験容器の中板上に置き,試験容器のふたをして温度 26±2  ℃に保った場所

に置き,

表 に規定する期間培養する。

4)

試験の有効性  4.3.1 のポテト・デキストロース寒天培地を用いて調製した平板培地の中央に,胞子

担体 1 個を載せ,ふたをして試験片と同一温度に保った場所に置いて 4 週間培養する。培養期間の

終わりに培養面を調べ,胞子担体の周囲に菌糸が密に繁殖していない場合は,この胞子担体を用い

て行った試験は,無効とする。

4)

の確認試験において異常がみられた場合には,別の斜面培地の胞子で作った胞子懸濁液を用い

て胞子担体を作り,再試験を行う。

5)

試験結果の表示  培養が終了した後,5.3.1 によって結果を調査し,5.3.2 によって試験結果を報告す

る。

c)

湿式法  この方法は,屋外,水中などで使用するために,特にかび抵抗性を必要とする繊維製品に適

用し,次による。ただし,必要によって乾式法も併用する。

1)

培地  この試験に用いる培地は,4.3.3 に規定する平板培地とし,組成は,次による。

精製水

1 000 mL

硝酸アンモニウム 3.0

g

りん酸二水素カリウム 1.0

g

硫酸マグネシウム七水和物 0.5

g

塩化カリウム 0.25

g

硫酸鉄(II)七水和物 0.002

g

寒天 20

g

2)

試験操作  試料を箇条 7 a)に規定する試験片の大きさよりも大きめに作製して,容量 1 000 mL のビ


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ーカーに入れ,ビーカーの底にゴム管などを差し入れ,これを通して水道水を流量 500∼1 000 mL/

min で連続して 24 時間注ぎ込む。試料を取り出し,箇条 7 a)に規定する大きさに試料を調整して試

験片とする。これを精製水 1 000 mL を入れたビーカー中でよく洗い,更に精製水を取り替えてよく

洗う。試験片を取り出して水を切り,平板培地の培養面の中央に密着するように置く。混合胞子懸

濁液 1 mL を培養面と試験片の上面とに均等に吹き付け,ふたをして温度 26±2  ℃に保った場所に

置いて,

表 に規定する期間培養する。

試験片がシャーレ(90 mm)に入れにくいときには,適切な大きさのシャーレに調製した培地を

用いても差し支えない。その場合には,培地及び吹き付ける混合胞子懸濁液の量は,単位面積当た

りの割合が,シャーレ(90 mm)の平板培地の場合と同様になるようにする。

3)

試験結果の表示  培養が終了した後,5.3.1 によって結果を調査し,5.3.2 によって試験結果を報告す

る。

8

塗料の試験

塗料のかび抵抗性を試験する場合は,この箇条で試験を行い,次による。

a)

試験用のかび  この試験に用いる混合胞子懸濁液のかびの種類は,次による。

第 群の b)

第 群の b)

第 群の a),b)及び c)

b)

培地  この試験に用いる培地は,4.3.3 に規定する平板培地とし,組成は,次による。

精製水

1 000 mL

グルコース 40

g

ペプトン 10

g

寒天 20

g

c)

試験片の準備  試料を薄めて濃度を調節しておく。あらかじめ質量を測定したろ紙に浸して引き上げ,

試料を均等に付けてから温度約 20  ℃,湿度約 75  %のチャンバー内

9)

につる(吊)して 48 時間置く。

濃度の調節は,このときの塗膜の厚さが均等で質量がろ紙の質量の 90∼110  %になるようにする。こ

のろ紙を径 30 mm の円形に切り取り,試験片とする。

なお,ろ紙は,JIS P 3801 に規定する 2 種とする。

9)

  チャンバーの底に塩化ナトリウムの飽和水溶液を張っておくとよい。

d)

試験方法  試験片 1 個について容量 200 mL のビーカーを 1 個ずつ用意し,ビーカーに精製水 200 mL

を入れ約 20  ℃に保ち,その中に試験片を浸して 18 時間静置する。試験片を取り出し,室内につるし

て 2 時間置き,更に 80∼85  ℃に保った乾燥器の中に 2 時間つるして置く。試験片を取り出して b)の

平板培地の培養面の中央にはり付ける。混合胞子懸濁液 1 mL を培養面と試験片の上面とに均等に吹

き付け,シャーレにふたをして温度 26±2  ℃に保った場所に置いて 7 日間培養する。

e)

試験結果の表示  培養が終了した後,5.3.1 によって結果を調査し,5.3.2 によって試験結果を報告する。

9

皮革及び皮革製品の試験

薄物革,厚物革,ベルト,靴,かばん(鞄)

,袋物類などの皮革及び皮革製品のうち,特にかび抵抗性を

必要とする場合は,この箇条で試験を行い,次による。

a)

試験用のかび  この試験に用いる混合胞子懸濁液のかびの種類は,次による。


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第 群の a)

第 群の a)

第 群の a)  

b)

試験片の準備  試料から直径 30 mm の試験片を切り取り,20 倍量の精製水に室温で 18 時間浸した後,

取り出して精製水約 20 mL で更に 1 回洗い,付着している水をろ紙で軽くぬぐい取る。

c)

試験方法  4.3.1 のポテト・デキストロース寒天培地を用いて調製した平板培地の表面に,b)の試験片

を接着させ,かびの混合胞子懸濁液 1 mL を試験片及び培地の表面に均等に吹き付け,シャーレにふ

たをして温度 26±2  ℃に保った場所に置いて 7 日間培養する。

d)

試験結果の表示  培養が終了した後,5.3.1 によって結果を調査し,5.3.2 によって試験結果を報告する。

10

プラスチック製品の試験

プラスチック製品を試験する場合は,

附属書 による。

11

電気製品・電子製品の試験

電気製品・電子製品を試験する場合は,

附属書 による。

12

光学部品・光学機器の試験

光学部品・光学機器を試験する場合は,

附属書 による。


11

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附属書 A

規定)

プラスチック製品の試験

序文

この附属書は,プラスチック製品のかび抵抗性の試験方法について規定する。

A.1

試験に用いるかびの種類

試験用のかびの種類は,

表 A.1 による。

これら試験用のかびの菌株は,

独立行政法人製品評価技術基盤機構が分譲している菌株である。

ただし,

国際微生物株保存連盟又は日本微生物資源学会に加盟している機関において保存されている同一系統の菌

株を使用することができる(保存機関は,

表 参照)。

表 A.1−試験に用いるかびの種類

番号

種類

基準株

1

アスペルギルス  ニゲル(Aspergillus niger) NBRC

105649*(ATCC 6275)

2

ペニシリウム  ピノヒルム(Penicillium pinophilum) NBRC

33285(ATCC 36839)

3

ペシロミセス  バリオッチ(Paecilomyces variotii) NBRC

33284(ATCC 18502)

4

トリコデルマ  ビレンス(Trichoderma virens) NBRC

6355(ATCC 9645)

5

ケトミウム  グロボスム(Chaetomium globosum) NBRC

6347(ATCC 6205)

注*

独立行政法人製品評価技術基盤機構から分譲を受けた菌株 NBRC 6341 又は独立行政法人
産業技術総合研究所から分譲を受けた菌株 FERM S-1 を用いてもよい。

A.2

試験の準備

A.2.1

かびの保存及び使用

かびは,次の培地を用い,斜面培地(試験管)で保存する。

オートミール 20

g

麦芽エキス 10

g

寒天 20

g

精製水

1 000 mL

120±1  ℃,20 分間高圧蒸気滅菌する。

培養は,29±1  ℃又は 24±1  ℃で行うが,この温度で 4 週間以上保存してはならない。また,培養中の

遺伝的,生理的変異を防ぐため,継代回数を最小限にするための措置を講じる(凍結乾燥,4  ℃保存,液

体窒素保存など)

A.2.2

試液及び培地

試液及び培地は,次による。

a)

無機塩溶液

硝酸ナトリウム 2.0

g

りん酸二水素カリウム 0.7

g

りん酸水素二カリウム 0.3

g

塩化カリウム 0.5

g


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硫酸マグネシウム七水和物 0.5

g

硫酸鉄(II)七水和物 0.01

g

精製水

1 000 mL

pH 6.0∼6.5(滅菌 0.01 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で調整)

b)

湿潤剤添加無機塩溶液  無機塩溶液[A.2.2 a)]に,  N-メチルタウリン又はポリグリコールエーテル

などの,かびの発育に影響を与えない湿潤剤を 0.1 g/L になるように添加し,120±1  ℃で 20 分間高圧

蒸気滅菌する。

c)

グルコース添加無機塩溶液  無機塩溶液[A.2.2 a)]に JIS K 8824 に規定する D(+)−グルコースを

30±1 g/L の割合で添加し,115±1  ℃で 30 分間湿熱滅菌する。

d)

無機塩寒天培地  無機塩溶液[A.2.2 a)]に寒天を 20 g/L の割合で添加して加熱溶解し,120±1  ℃で

20 分間高圧蒸気滅菌した後,滅菌 0.01 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で pH を 6.0∼6.5 に調整する。

e)

グルコース添加無機塩寒天培地  無機塩寒天培地[A.2.2 d)]に JIS K 8824 に規定する D(+)−グ

ルコースを 30±1 g/L の割合で添加して加熱溶解し,115±1  ℃で 30 分間湿熱滅菌した後,滅菌 0.01

mol/L 水酸化ナトリウム溶液で pH を 6.0∼6.5 に調整する。

A.2.3

試料の調製

試料の形状及び大きさは,かび暴露後の評価法によって規定する。また,プラスチック表面におけるか

び抵抗性を試験するため,評価は同じ大きさの試料を比較することによって行われる。

a)

厚さ変化の評価には,現物から切り出した試料を用いる。成型前の材質について試験する場合,0.5 mm

以下の厚さの試料を用いる。

b)

質量変化の評価には,正方形(一辺が 30∼60 mm)で厚さ 2 mm 以下の試料を用いる。

c)

目視による外観変化の評価では,試料の大きさは重要ではないが,厚さは 0.5∼2 mm であることが望

ましい。

A.2.4

試料数

次の三つのグループの試料を準備する。

グループ 0(ゼロ対比)

:実験室にそのまま保存する。

グループ I(接種区分)

:かびを接種し,培養する。

グループ S(殺菌区分)

:殺菌後の試料をグループ I と同一条件で保存する。

a)

目視による評価には,少なくとも各グループ 5 個,計 15 個の試料を準備する。

b)

質量変化の評価には,各グループ 6 個,計 18 個の試料を準備する。

c)

他の諸性質の評価には,関連規格で定められた試料数に従う。

各評価ごとに試料を用意するが,質量又はほかの物理的な性質の評価は,目視による評価用の試料と共

通でもよい。

A.2.5

試料の清浄化

方法 A で試験する場合は,試料をエタノール(70  %)に約 1 分間浸した後,45  ℃で 4 時間乾燥する。

試料がエタノールによって劣化する場合は,清浄化を行ってはならない。

方法 B 及び方法 B'で試験する試料は,エタノールで清浄化を行ってはならない。

A.2.6

試料のひょう量

質量変化の測定に用いる試料は,各試料の質量が 0.1 mg の範囲で恒量になるまでデシケータ中で乾燥す

る(通常 48 時間)

。恒量になったら,各試料の質量を記録する(m

1

m

2

など)

。特別な要求がない限り,


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目視評価及び/又は質量以外の物理的な性質の評価では,この操作を行う必要はない。

A.3

試験操作

A.3.1

試験温度

試料の調製及び測定における標準的な条件は,温度 23±1  ℃,相対湿度(50±3)%とする。試料の培

養は,24±1  ℃又は 29±1  ℃,相対湿度 95  %以上で行う。

A.3.2

試験操作の概要

試験操作の概要を,

表 A.2 に規定する。

表 A.2−試験操作の一般的概要

方法

A B

B'

試料を載せる培地

無機塩寒天培地

グルコース添加 
無機塩寒天培地

なし

グルコース添加 
無機塩寒天培地

試料区分 I

S

I

S

I

2

 I  S

試料に噴霧する溶液

胞子

懸濁液

70  % エ タ ノ
ー ル 又 は ο -
フェニルフェ

ノール

胞子

懸濁液

70  % エ タ ノ
ー ル 又 は ο -
フェニルフェ

ノール

胞子懸濁液

70  % エ タ ノ
ー ル 又 は ο -
フェニルフェ

ノール

培養条件 24±1  ℃又は 29±1  ℃,相対湿度 95  %以上,4 週間又はそれ以上培養

A.3.3

方法 A

A.3.3.1

試験用寒天平板培地の調製

シャーレに無機塩寒天培地を,培地の厚さが 5 mm となるように無菌的に分注し,放冷して固化させる。

A.3.3.2

試料の設置

試料を可能な限り水平に試験用寒天平板培地上に置く。このとき,試料同士が触れ合ったり,シャーレ

の壁に触れないようにする。

A.3.3.3

胞子懸濁液の調製

胞子懸濁液の調製は,次による。

a)

単一胞子懸濁液の調製  十分に胞子形成が認められた各かびの斜面培地に,5 mL の湿潤剤添加無機塩

溶液を加え,滅菌した白金線で表面の胞子を静かにこすり,試験管を静かに振って溶液中に胞子を分

散させる。この操作を同じかびの試験管で 3 回繰り返す。これらの溶液に滅菌したガラスビーズを入

れ,試験管を振った後,滅菌した木綿又はガラスウールでろ過し,菌糸を取り除く。ろ液を遠心分離

して上澄みを捨て,残留物を無機塩溶液 25 mL に懸濁させ,再び遠心分離する。残留物を無機塩溶液

50 mL に懸濁させる(繰り返し洗浄することによって,プラスチックのひび割れの原因となる界面活

性剤を取り除く。

この懸濁液を血球計算盤又は濁度計を用いて,懸濁液 1 mL 当たりの胞子数が約 10

6

個になるように

調製する。

b)

混合胞子懸濁液の調製  各かびの単一胞子懸濁液を同量ずつ混合し,混合胞子懸濁液とする。この混

合胞子懸濁液は調製後,6 時間以内に使用する。

A.3.3.4

胞子の活性の確認

グルコース添加無機塩寒天培地を分注した 2 枚の寒天平板培地表面に,単一胞子懸濁液 1 滴をそれぞれ

接種し,24±1  ℃又は 29±1  ℃で 3∼4 日間培養し,菌糸の発育を確認する。菌糸の多量の発育が認めら


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れない場合は,新たに胞子懸濁液を調製し,再試験を行う。

A.3.3.5

試料へのかびの接種又は試料の殺菌

グループ I の試料については,試料及び寒天平板培地表面に混合胞子懸濁液 0.1 mL を均等に噴霧,又は

ピペットで均等に滴下する。グループ S の試料については,殺菌剤(70  %エタノール又はο-フェニルフ

ェノール)3 mL をピペットで試料に滴下する。

A.3.3.6

培養

試験用寒天平板培地のふたをして,24±1  ℃又は 29±1  ℃,相対湿度 95  %以上で,4 週間又は必要に

応じてそれ以上培養する

1)

。このとき,試料表面に水滴が落ちないように注意する。4 週間以上培養する

場合,4 週間ごとに混合胞子懸濁液を再接種する。

1)

  目視による試験については,4 週間の培養期間中に肉眼ではっきりとかびの発育が認められる

場合,試験は完了したと判断してもよい。

A.3.4

方法 

2)

A.3.4.1

試験用寒天平板培地の調製

グルコース添加無機塩寒天培地を用い,A.2.2 e)と同様に調製する。

A.3.4.2

試料の設置

A.3.3.2

と同様に設置する。試料の清浄化は,行ってはならない。

A.3.4.3

胞子懸濁液の調製

A.3.3.3 a)

と同様に行い,遠心,洗浄後の胞子懸濁液の調製は,グルコース添加無機塩溶液を用いて行う。

A.3.4.4

胞子の活性の確認

A.3.3.4

と同様に行う。

A.3.4.5

試料へのかびの接種又は試料の殺菌

グループ I の試料については,試料及び寒天平板培地表面に混合胞子懸濁液を適当量均等に噴霧,又は

ピペットで均等に滴下する。グループ S の試料については,殺菌剤(70  %エタノール又はο-フェニルフ

ェノール)を適当量ピペットで試料に滴下する。

A.3.4.6

培養

A.3.3.6

と同様に行う。4 週間以上培養する場合,4 週間ごとに少量のグルコース添加無機塩溶液を試料

上に噴霧,又はピペットで滴下する。

2)

  方法 B'  この方法は方法 B の変法で,試験用寒天平板培地の菌糸が発育してから胞子形成が認

められない間に,培地上に試料を置く方法であり,方法 B より更に強いかび抵抗性を調べるた

めに用いる。

試料の半分を試験用寒天平板培地の上に置き,これをグループ S とする。試料を置いていな

い試験用寒天平板培地をグループ I とする。残り半分の試料は,寒天培地を分注していないシ

ャーレに入れ,グループ I

2

とする。A.3.4.3A.3.4.4A.3.4.5 と同様の操作によって混合胞子懸

濁液の接種又は試料の殺菌を行い,24±1  ℃又は 29±1  ℃,相対湿度 95  %以上で培養する。

グループ I の寒天平板培地に菌糸が十分に発育し,胞子形成が認められない間(培養 2∼3 日間)

にグループ I

2

の試料を,シャーレからグループ I の寒天平板培地上に移し,A.3.4.6 と同様に培

養する。

A.4

評価

A.4.1

かび発育状態の評価


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試験に用いた試料(グループ I 及びグループ S)は,最初は肉眼によって,それから必要に応じて実体

顕微鏡(倍率約 50 倍)で観察する。かびの発育状態の評価方法は,

表 A.3 による

3) 4) 5)

3)

  評価の精確さを上げるために試料表面に格子を置き,かび発育面積の割合を評価可能にするこ

とが望ましい。

4)

  同じグループの試料の目視による評価結果が 2 段階以上異なる場合は,新たな試料で再試験し

たほうがよい。

5)

  清浄後の試料の評価結果のほうが有用な情報が得られる場合がある。目視による試験結果の補

助手段としてカラー写真の撮影は,有効である。

表 A.3−かび発育の評価

菌糸の発育評価

かび発育状態

肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない 0

肉眼ではかびの発育が認められないが,顕微鏡下では明らかに確認できる 1

肉眼でかびの発育が認められ,発育部分の面積は試料の全面積の 25  %未満 2

肉眼でかびの発育が認められ,発育部分の面積は試料の全面積の 25  %以上∼50  %未満 3

菌糸はよく発育し,発育部分の面積は試料の全面積の 50  %以上 4

菌糸の発育は激しく,試料全面を覆っている 5

A.4.2

質量又は他の物性変化の測定

質量又は他の物性変化の測定は,次による。

a)

試料の清浄化  培養後の試料を培地から取り出し,70  %エタノールに 5 分間浸した後,流水中でよく

洗う。余分な水分をろ紙でふき取り,室内で約 12 時間乾燥する。

b)

質量変化の測定  清浄化した試料をデシケータ中に置き,各試料の質量が 0.1 mg の範囲で恒量になる

まで乾燥する(通常,48 時間)

。恒量になったら,各試料の質量を記録する(m'

1

m'

2

など)

 

かび接種前と培養後の試料の質量の差を求める。質量変化の測定を行う場合,かび接種試料と殺菌

対照試料とは,同じ大きさでなければならない。

c)

他の物性変化の測定  かび接種前と培養後の試料の物性を,可能であれば同時に測定する。測定方法

は,関連する規格による。

A.5

結果の表示

A.5.1

目視による評価

各試料のかび発育割合の評価結果を,

表 A.3 によって表示する。必要に応じ,追加評価として,清浄後

の試料(A.4.1)についても同様に得られた結果を表示する。結果の解釈は,

表 A.4 による。

表 A.4−結果の解釈

方法  かびの発育状態

試料の評価

0

材質は,かびの栄養源とはならない(かびの発育を抑制)

1

材質は,かびをわずかに発育させる程度の栄養源となる物質を含むか,汚染されている

A

2∼5

材質は,かびに対して抵抗力がなく,かびの発育に適切な栄養源を含む

0

強力なかび発育抑制効果

0(阻止帯あり)  拡散性の物質による強力なかび発育抑制効果

1

不完全なかび発育抑制効果

B 又

は B'

2∼5

徐々にかび発育抑制効果は減少し,完全になくなる

A.5.2

質量の変化


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各試料の質量変化

Δ

m(=m'

m)  を測定し,各グループの算術平均

Δ

m

I

Δ

m

S

を計算し,記録する。

質量の変化の平均百分率(

Δ

M)を,式(A.1)によって,小数点以下 1 位まで計算する。

ΔM

100

e

S

I

×

=

m

Δm

Δm

(A.1)

ここに,

e

m

試験開始時の試料の平均質量

I

Δm

かび接種試料の平均質量

S

Δm

殺菌対照試料の平均質量

スチューデントの t 検定のような統計解析によって,試料の質量変化の有意差(信頼限界 99  %)を判

定する。

式(A.1)は,グループ I の試料及びグループ S の試料が同じ大きさで,かび接種前の質量との比較をする

場合だけ適応できる。

A.5.3

他の物性の変化

各グループの試料 (0,I,S)  の物性変化の平均値を計算し,

0

v

I

v

,及び

S

v

とする。物性の変化は,

式(A.2)に従って,殺菌した試料の物性変化に対するかびを接種した試料の物性変化の百分率(

ΔP

S

)で計

算する。

S

ΔP

100

S

I

×

=

v

v

(A.2)

ここに,

I

: かび接種試料の物性変化の平均値

S

: 殺菌対照試料の物性変化の平均値

また,式(A.3)に従って,対比試料の物性変化に対するかびを接種した試料の物性変化の百分率(

Δ

P

C

を計算する。

C

ΔP

100

0

I

×

=

v

v

(A.3)

ここに,

0

: かび未接種試料の物性変化の平均値

前者の値(A.2)のほうが後者の値(A.3)に比べ,よりかび抵抗性を特徴付ける値である。


17

Z 2911

:2010

附属書 B

規定)

電気製品・電子製品の試験

序文

この附属書は,電気製品・電子製品に使用されている材料のかび抵抗性の試験方法について規定する。

B.1

試験に用いるかびの種類

試験用のかびの種類は,

表 B.1 による。

これら試験用のかびの菌株は,

独立行政法人製品評価技術基盤機構が分譲している菌株である。

ただし,

国際微生物株保存連盟又は日本微生物資源学会に加盟している機関において保存されている同一系統の菌

株を使用することができる(保存機関は,

表 参照)。

表 B.1−試験に用いるかびの種類

番号

種類

基準株

1

アスペルギルス  ニゲル(Aspergillus niger) NBRC

105649*(ATCC 6275)

2

アスペルギルス  テレウス(Aspergillus terreus) NBRC

6346(ATCC 10690)

3

ケトミウム  グロボスム(Chaetomium globosum) NBRC

6347(ATCC 6205)

4

ホルモコニス  レジネ(Hormoconis resinae) NBRC

100535(DSM 1203)

5

ペシロミセス  バリオッチ(Paecilomyces variotii) NBRC

30539(ATCC 16023)

6

ペニシリウム  ピノヒルム(Penicillium pinophilum) NBRC

33285(ATCC 36839)

7

スコプラリオプシス  ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis

NBRC 100536(ATCC 36840)

8

トリコデルマ  ビレンス(Trichoderma virens) NBRC

6355(ATCC 9645)

注*

独立行政法人製品評価技術基盤機構から分譲を受けた菌株 NBRC 6341 又は独立行政法人産業技術総
合研究所から分譲を受けた菌株 FERM S-1 を用いてもよい。

B.2

試験の準備

B.2.1

薬品及び器具

この附属書で用いる薬品類は,4.1 に規定するものと同等のものとする。

小さい試験品の場合は,それを入れる容器としては密封できるふたをもつガラス製又はプラスチック製

のもので,その内部を飽和塩溶液によって常時 90  %以上の相対湿度に保つために必要な液の表面積をも

つ形状のものを選ぶ。この容器を 28∼30  ℃の温度が均一な場所に置く。

大きい試験品の場合は,相対湿度を 90  %以上に保つことができ密閉度のよいふた又はとびら(扉)を

もつ恒湿装置を用いる。

恒湿装置の壁及び天井から凝縮水のしずく(雫)が試験品の上に落ちないようにし,装置内の温度が均

一に 28∼30  ℃に保てるようにする。このときサーモスタットの周期的な変動は,1  ℃/ h 以内にする。装

置内の湿度を均一にするため,

内部の空気の強制循環装置を付ける必要がある。

この場合の空気の流速は,

試験品表面で 1 m/s を超えないようにする。

B.2.2

滅菌方法

この附属書で行う滅菌方法は,4.2 に規定するものと同等のものを用いる。

B.2.3

培地

試験菌株の保存には,麦芽エキス寒天培地及び無機塩・デキストロース寒天培地を用いる。


18

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:2010

B.2.4

かびの保存及び使用

試験菌は,凍結乾燥した胞子を菌株保存機関から分譲したものを用いる。

アスペルギルス  ニゲル(Aspergillus niger

,アスペルギルス  テレウス(Aspergillus terreus

,ホルモコ

ニス  レジネ(Hormoconis resinae

,ペシロミセス  バリオッチ(Paecilomyces variotii

,ペニシリウム  ピ

ノヒルム(Penicillium pinophilum)の 5 菌株は,麦芽エキス寒天斜面培地に植える。スコプラリオプシス  ブ

レビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis

,トリコデルマ  ビレンス(Trichoderma virens)の 2 菌株は,無

機塩・デキストロース寒天斜面培地に植える。ケトミウム  グロボスム(Chaetomium globosum)は,無機

塩・デキストロース寒天斜面培地に,滅菌ろ紙をはり付け,その上に植える。ただし,無機塩の組成は,

B.2.6

の栄養液と同一である。

試験菌は,植えた後に室内に 14∼28 日間置いたものを用いる。直ちに用いない場合は,それらを引き続

いて 5∼10  ℃で保存して 6 週間以内のものを用いる。

B.2.5

胞子懸濁液

上記 8 菌株の胞子をそれぞれ湿潤剤(N-メチルタウリン溶液 0.005∼0.01 g/L)10 mL 又はジオクチルス

ルホこはく酸ナトリウム溶液(0.005∼0.01 g/L)10 mL に懸濁し,それらの混合液を滅菌したガラスウー

ル又は細孔が 40∼100 μm のマイクロフィルターを用いてろ過する。

次に遠心分離によって胞子を沈殿させ,沈殿を精製水 50 mL に懸濁して洗浄し,再び遠心分離で胞子を

集める。この洗浄操作を 3 回繰り返し,試験法 1[B.3.1 a)]では最終的に精製水 100 mL に懸濁する。血

球計数装置又は濁度計によって測定し,この液の胞子数が 1 mL 当たり 1∼2×10

6

個含むように調整する。

この液は,試験法 2[B.3.1 b)]で接種する前に試験品が前処理されているときは,精製水 100 mL に懸濁

する。試験法 2 で試験品が塗布又は浸せきによって接種される場合は,水の代わりに B.2.6 の栄養液を用

いる。胞子数の測定は,試験法 1 と同様にする。もし,栄養液の胞子懸濁液を接種に用いるならば,B.3.2

の前処理は省略する。

B.2.6

対照試験片

試験の対照として,純白ろ紙又は検定用綿布の試験片を用意し,使用直前に小さな皿に入れて次の栄養

液に浸し,液から取り出してしずくが落ちないようにしたものを用いる。栄養液の組成は,次による。

りん酸二水素カリウム 0.7

g

りん酸水素二カリウム 0.3

g

硫酸マグネシウム七水和物 0.5

g

硝酸ナトリウム 2.0

g

塩化カリウム 0.5

g

硫酸鉄(II)七水和物 0.01

g

スクロース 30

g

精製水

1 000 mL

B.3

試験方法

B.3.1

試験法の種類  

試験は,次の試験法 1 及び試験法 2 のいずれかで行う。

a)

試験法 1  試験条件下での 28 日間の試験後のかびの発育度合いと,それによる物理的損傷とを評価す

る。次いで関連する指示書によって必要ならば,試験を全体として 56 日間延長し,試験品の機能への

影響を調べる。


19

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b)

試験法 2  栄養物の疑似的汚染を伴う 28 日間の試験後のかびの発育度合いと,それによる物理的損傷

とを評価する。次いで試験品の機能への影響を調べる。関連する指示書に,要求する試験法及び負荷

(暴露)期間を記述する。

B.3.2

前処理

試験は,製造業者から受け取った状態で行うべきであるから,通常は,特別な洗浄は行わない。しかし,

関連する指示書に指示されていれば,エタノール又は洗剤を含む水で洗い,すす(濯)ぐことによって試

験前に試験品の半分を清浄化しても差し支えない。このことによって,かびの発育が試験品を構成するの

に不適切な材料を使ったためなのか,表面の汚染物によるものなのかを区別することができる。

試験法 2 の場合,胞子懸濁液とともに培養する試験品は,B.2.5 に規定の組成で殺かび性のない湿潤剤を

0.005  %添加した栄養液を用いて前処理するようにする。栄養液は,噴霧,塗布又は浸せきによって,若

しくは関連する指示書に規定のように付与する。接種前に栄養液は,乾燥しなければならない。

B.3.3

条件化

関連する指示書に述べられた試験法は,次に規定する方法に従って行う。

a)

試験法 1  もし,関連する指示書が 56 日間の暴露の後に検査することを求めているならば,試験品は

二つのグループに分ける。一つは,かびの胞子を接種して培養するもの(試験区)で,もう一つは,

接種せずに同一の湿度条件にさら(晒)して培養するもの(陰性対照)である。

b)

試験法 2  試験品を二つのグループに分ける。一つは,栄養液で前処理された試験品で,かびの胞子

を接種して 28 日間培養するもの(試験区)で,もう一つは,栄養液で前処理せずに同一の湿度条件に

さらして 28 日間培養するもの(陰性対照)である。

陰性対照試験品は,接種した試験品が保持される恒湿装置とは別にして一定の条件にさらす。陰性

対照試験品上にかびが発育しないことを確かめるために,次の方法の一つによって滅菌すべきである。

(1)次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 0.5∼1.0 mg/L)で洗う。このとき,恒湿装置内,容器,

及び器具は,液をつけた布でふくか又は液に漬け込み,割れ目などを通るようにし,30 分間以上経過

した後,水道水で徹底的にすすがなければならない。又は,

(2)エタノール(70  %)を清浄な布につ

けて胞子懸濁液のしずく及びは(跳)ね,噴霧液が落ちる場所の表面をふく。陰性対照でかびの発育

が認められなければ,試験は有効である。

B.3.4

接種

胞子懸濁液を試験区の試験品と対照区の試験片とに接種するには,試験品の大きさ及び性質に適するよ

うに噴霧,塗布又は浸せきによって行うようにする。陰性対照試験品は,精製水を噴霧若しくは塗布する

か,又は精製水に浸せきしてかびの汚染を防ぐ。

B.3.5

培養

胞子を接種してから 15 分間以内に,小さな試験品はグループ分けをして,各々を適切な大きさの対照試

験片 3 個を入れた容器中に空間をとって並べて入れる。この容器を恒湿装置内に入れる。可能であれば陰

性対照の試験品は,接種した試験区又は対照区とは別の容器に同様に並べる。

大きな試験品の場合,3 個の対照試験片と試験区とをともに恒湿装置内に置き,陰性対照の試験品は一

緒にしない。別の恒湿装置又は試験完了時に同じ恒湿装置を滅菌して直ちに使うのが望ましい。

容器のふたは,最初の数日間後に菌の生存を確かめるために,対照試験片を観察し,酸素の補給を行う

以外は開けないようにする。これ以後設定した暴露期間が完了するまで,この操作を 7 日間ごとに繰り返

す。

培養開始から 7 日間後に最初に開けたとき,対照区のどれにも肉眼でかびの発育が認められない場合,


20

Z 2911

:2010

試験は無効となり,再試験を行う。

B.4

最終検査

B.4.1

目視検査

試験品を検査し,判定の結果によって必要であれば写真を撮影する。発育状態は,一度室内の乾燥空気

にさらされると急に様相が変化することが多いので,取り出した後,直ちに撮影する。

実際の目視検査と評価に続いて,次に性状又は試験品上の物理的損傷の度合い(例えば,エッチング)

を評価するため,顕微鏡下で検査表面から菌糸を注意深く取り除く。

B.4.2

発育の影響

関連する指示書が,湿気のあるところ(引き続き培養)での電気的及び/又は機械的検査を要求すると

き,試験品周辺の相対湿度がその検査の完了まで過度に落ちないようにすることが必要である。

大きな試験品については,検査は恒湿装置内に静置されている間に行うようにする。電気を接続しなけ

ればならないとき,又は容器(必然的に開けられるふた又はドアをもつ恒湿装置)内の試験品で検査を行

わなくてはならないとき,担当者の安全性に関する義務を守って操作しなければならない。

その指示書が回収後の試験を指示しているとき,試験品を容器又は恒湿装置から取り出し,それから前

述の目視検査を行う。その試験の終了のとき,回収のための決められた条件に 24 時間さらす。同様な試験

を,胞子懸濁液を接種した試験品及び水だけ接種したものについても行う。その二つのグループ間に有意

差があれば,高い湿度によって更にかびが発育したことに起因するものであると考えられる。

検査に続いて試験品を取り出し,B.4.1 のように目視評価する。次いで,最終的に試験品を判定する。

B.5

結果の表示

試験品は,最初肉眼で点検し,必要ならば実体顕微鏡(表示倍率 50 倍のもの)で判定する。

発育の程度は,次によって表現する。

0

:  表示倍率 50 倍の観察で発育が認められない。

1

:  顕微鏡では,かびの発育が明白に見える。

2a

:  肉眼で薄くかびの発育が確認され,顕微鏡下では,局所的にかびが発育している。

かびの発育している面積は,試験表面の 5  %を超えない。

2b

:  かびの発育が肉眼で明白に見え,顕微鏡下では数箇所に発育している。

かびの発育している面積は,試験表面の 5  %以上で 25  %を超えない。

3

:  肉眼で発育が明白に見え,試験表面の 25  %を超える。

試験品の構成部分によって発育度合いに違いがあるとき,それらは別々に評価するべきである。

試験法 2 の場合には,表示結果“0”は,静菌効果を検査することが必要なときにだけ表示する。


21

Z 2911

:2010

附属書 C 

規定)

光学部品・光学機器の試験

序文

この附属書は,光学部品・光学機器に使用されている材料のかび抵抗性を評価する試験方法について規

定する。

C.1

試験方法

C.1.1

試験に用いるかびの種類

試験用のかびの種類は,

表 C.1 による。

これら試験用のかびの菌株は,

独立行政法人製品評価技術基盤機構が分譲している菌株である。

ただし,

国際微生物株保存連盟又は日本微生物資源学会に加盟している機関において保存されている同一系統の菌

株を使用することができる(保存機関は,

表 参照)。

表 C.1−試験に用いるかびの種類

番号

種類

基準株

1

アスペルギルス  ニゲル(Aspergillus niger) NBRC

105649*

2

アスペルギルス  フラブス(Aspergillus flavus) NBRC

6343,又は NBRC 4295

3

アスペルギルス  ベルシコロル(Aspergillus versicolor) NBRC

33027

4

トリコデルマ  ビレンス(Trichoderma virens) NBRC

6355

5

ペニシリウム  ピノヒルム(Penicillium pinophilum) NBRC

6345,又は NBRC 33285

6

ペニシリウム  シトリナム(Penicillium citrinum) NBRC

6352

7

ペシロミセス  バリオッチ(Paecilomyces variotii) NBRC

30539,又は NBRC 33284

8

ケトミウム  グロボスム(Chaetomium globosum) NBRC

6347

9

ユーロチウム  トノヒルム(Eurotium tonophilum) NBRC

8157

10  アスペルギルス  ペニシロイデス(Aspergillus penicilloides) NBRC

33024

注*

独立行政法人製品評価技術基盤機構から分譲を受けた菌株 NBRC 6341 又は独立行政法人産業技術総
合研究所から分譲を受けた菌株 FERM S-1 を用いてもよい。

C.1.2

かびの保存及び使用

表 C.1 で規定するそれぞれのかびの菌株は,適切な寒天培地(例えば,C.2.1.1 のポテト・デキストロー

ス寒天培地)で保存する。

胞子懸濁液の調製に用いるかびは,温度 26±2  ℃で 10∼20 日間培養する。

また,9  ユーロチウム  トノヒルム(Eurotium tonophilum)と 10  アスペルギルス  ペニシロイデス

Aspergillus penicilloides)は,好乾性のかびのため,培養には C.2.1.2 の M40Y 寒天培地を用いる。また,

培養は胞子が十分に着生するまで行う。通常,20 日間以上を必要とする。

培養期間以上を経過した古いもの,及び胞子懸濁液の調製に一度使用したものは用いてはならない。

C.2

試験の準備

C.2.1

試薬及び培地

C.2.1.1

ポテト・デキストロース寒天培地(PDA 培地)


22

Z 2911

:2010

大粒できずのない馬鈴しょを水でよく洗って皮をむき,芽の部分は深くえぐって周囲約 10 mm まで取り

除き,約 10 mm のさいの目に切る。その 200 g を酢酸(3+97)に 30 分間浸せきした後,精製水で洗い,

ほうろうの容器に入れ,

精製水 1 000 mL を加えて直火で 1 時間煮沸する。

内容物を直ちにガーゼでろ別し,

精製水を加えて 1 000 mL とし,JIS K 8824 に規定する D(+)−グルコース 20 g と JIS K 8263 に規定す

る寒天 20 g とを加え,十分に溶解した後,120  ℃で 20 分間高圧蒸気滅菌する。

なお,同組成の市販乾燥培地をそれぞれの調製方法に従って用いてもよい。

C.2.1.2  M40Y

寒天培地

M40Y 寒天培地の組成は,次による。 
              スクロース            400.0 g

        麦芽エキス                          20.0 g

        酵母エキス                            5.0 g

        寒天                                      20.0 g

        精製水                1 000 mL

C.2.1.3

湿潤剤溶液

スルホこはく酸ジオクチルナトリウム 50 mg を精製水 1 000 mL に溶かした後,120  ℃で 20 分間高圧蒸

気滅菌する。

C.2.2

単一胞子懸濁液

C.2.2.1

単一胞子懸濁液の調製

クリーンベンチ内で C.1.2 で調製した各々のかび寒天培地に,湿潤剤溶液 10 mL を注ぎ込む。滅菌した

白金耳,又はその他の適切な器具を用いて,胞子を注意深くこす(擦)り取る。このとき,培地の寒天片

を削り取らないように注意する。

湿潤剤溶液 45 mL の入った滅菌した三角フラスコにこの胞子液を入れる。

これに滅菌したガラスビーズを加えて激しく振り,分生子柄から胞子を引き離し,かつ,胞子の塊り(ク

ラスター)を壊す。滅菌したガラスウールで,分散したかび胞子懸濁液をろ過し,混入した菌糸の破片を

取り除く。

ろ液を遠心分離し,上澄みは捨てる。沈殿物を再度湿潤剤溶液 50 mL に懸濁して,遠心分離する。この

方法を 3 回繰り返して胞子を洗浄する。

最終的に得られた沈殿物を,

表 C.2 に規定する無機塩の溶液でそれぞれの胞子懸濁液が計数装置を用い

て 1 mL 当たり 0.8∼1.2×10

6

個の胞子を含むように希釈する。

表 C.2−胞子懸濁液に用いる無機塩溶液

成分

質量/容量

りん酸二水素カリウム 0.7

g

りん酸水素二カリウム 0.7

g

硫酸マグネシウム・七水和物 0.7

g

硝酸アンモニウム 1.0

g

塩化ナトリウム 0.0

g

硫酸鉄(II)・七水和物 0.002

g

硫酸亜鉛・七水和物 0.002

g

硫酸マンガン・一水和物 0.001

g

精製水

1 000 mL

120  ℃,20 分間,高圧蒸気滅菌する。 
滅菌後の pH を 6.0∼6.5 に調節する。


23

Z 2911

:2010

C.2.2.2

胞子懸濁液の確認

適切な寒天培地(例えば,C.2.1.1 のポテト・デキストロース寒天培地)を入れたシャーレ 10 枚にそれ

ぞれの菌株の胞子懸濁液を接種して直ちに培養し,1 週間後のかびの発育能力を調べる。9  ユーロチウム

トノヒルム(Eurotium tonophilum)と 10  アスペルギルス  ペニシロイデス(Aspergillus penicilloides)では,

C.2.1.2

の M40Y 寒天培地を入れたシャーレを用い,20 日間後の時点で発育能力を調べる。いずれかの菌

株の繁殖が認められない場合は,これらの胞子を用いて行ったすべての試験結果は,無効とする。別に培

養した胞子で胞子懸濁液を調製し,再試験を行う。

C.2.3

混合胞子懸濁液

C.2.2.2

の確認済みの 10 種の単一胞子懸濁液を等量ずつとり,混合してこれを混合胞子懸濁液とする。

各々のかび培養から調製した単一胞子懸濁液,混合胞子懸濁液は,調製後 24 時間以上経過したものは試験

に用いてはならない。

C.2.4

対照試験片

培養器又は恒温恒湿槽が最適な暴露条件であることを確認するため,試料とともに少なくとも 3 個の対

照試験片を入れる。試料があらかじめ防かび剤で処理されている場合は,対照試験片は使わない。揮発性

防かび剤のためにかびの発育が防げられることがある。この場合,各々の単一胞子懸濁液を対照試験片に

接種培養し,その結果を対照として使う。

対照試験片は,白の滅菌ろ紙を用い,C.2.5 に規定する試料と同じ寸法にする。対照試験片を

表 C.3 に規

定した栄養液に浸してクリーンベンチなどの無菌的な環境中につるして乾燥する。栄養液は対照試験片を

浸す直前に新しく調製する。対照試験片は調製後,24 時間以内に使用する。

栄養液は,内容物をよく溶かした後,121  ℃で 20 分間滅菌し,pH は滅菌後 5.3 になるように調整する。

表 C.3−対照試験片浸せき用栄養液

成分

重量/容量

りん酸二水素カリウム 0.1

g

硝酸アンモニウム 0.1

g

硫酸マグネシウム・七水和物 0.025

g

酵母エキス 0.05 g

グリセリン 10. g

精製水 90

mL

C.2.5

試料の調製

機器全体又は部品がこの規格の試験に必要とされる場合を除き,代表的な試料を用いてこの試験を行う。

試験片の大きさは,

図 C.1 による。非金属の被覆剤又は潤滑剤の試験の場合は,少なくとも厚さ(t)が 1 mm

のものを用いて試験する。

試験に用いる被覆剤(例えば,ワニス)は,その機器,又はその機器の部品に使用される被覆剤と同じ

組成でなければならない。

被覆剤を施す前に,実際の機器を製造するときに行うのと同じ方法で試料の表面を処理する。試料はと

りわけその端,角及び穴の端などを覆うように周囲を完全に被覆する。番号付けなどのときに破損しない

ように,番号,その他は被覆を施す前に付けておく。試料を 180∼200  ℃の温度で滅菌し,その後,片面

にだけ薄膜になるように被覆する。

培養装置,恒温恒湿装置中に試料をつるす場合には,ジグ[ガラス製のかぎ(鉤)又はポリアミド製の

ひも(紐)

]を使用する。


24

Z 2911

:2010

単位  mm

図 C.1−試料片の例

C.2.6

培養装置及び恒温恒湿装置

培養装置又は恒温恒湿装置は,29±1  ℃に調節し,この温度は±0.5  ℃/h の範囲内で変動してもよい。

培養装置又は恒温恒湿装置は,防湿性のあるものを用い,暴露中にこれらの槽内に圧力が発生しないよう

に圧力を逃がす細管又は弁を設置しておく。

通常,暴露中は装置内の空気は循環させない。空気を循環させることが規格に含まれる場合,流速は 0.5

m/s 以下とする。

加湿には精製水を使用する。又は,硫酸カリウム飽和溶液(十分な量の結晶が残留していること)をデ

シケータの底全体に入れて,必要な相対湿度(溶液上では 96  %に達する)を維持してもよい。

試料に接種した混合胞子懸濁液が,洗い流されないように試料の表面に結露させない。同じ理由で,槽

の壁から水滴が試料上に落ちないようにする。

試料を支持するジグの接触面積は,できる限り小さくする。

試験装置の大きさと試料の並べ方は,すべての試料が均一の条件,かつ,通気性を保つよう配置する。

必要がある場合,暴露中の試験装置の温度と相対湿度とを連続的に記録する。

C.3

暴露試験条件

暴露試験の条件は,

表 C.4 による。

表 C.4−暴露試験条件

過酷度 01

02

暴露期間(日) 28

84

温度(℃) 29±1

相対湿度(%) 96±2

試料表面の胞子数(個/cm

2

1.2∼1.8×10

4


25

Z 2911

:2010

C.4

試験操作

C.4.1

試料の洗浄

特別に規定がない限り,試料は湿潤剤溶液(C.2.1.3)で洗浄後,つるして乾燥する。試料の洗浄中,

(布

又は脱脂綿のような)洗浄材料の破片が残らないように注意する。

試験前及び試験中は,指紋,その他で試料を汚さないように取り扱う。試料にワニスなどを塗布する場

合には暴露直前に行う(C.2.5

C.4.2

接種

試料と少なくとも三つ以上の対照試験片(C.2.4)に混合胞子懸濁液(C.2.3)を接種する。噴霧器を使っ

て混合胞子懸濁液を噴霧し,試料及び対照試験片上の胞子が平均で 1.2∼1.8×10

4

個/cm

2

になるようにする。

C.4.3

培養

試料と対照試験片は,接種後 15 分間以内に培養装置又は恒温恒湿装置に入れる。培養装置又は恒温恒湿

装置は,試料の培養を始める少なくとも 4 時間前から所定の条件になるように調節し,作動しておく。

試験中,空気の入替えのために,培養装置又は恒温恒湿装置を 1 週間に 1 度,数秒間だけ開ける。

かびの発育評価だけでなく,かびの発育によって生じる腐食,光学機器の透過度測定評価を行う場合,

接種試料と同数の非接種試料を別の同じ条件の培養装置又は恒温恒湿装置で暴露する。

この方法によって,

試料に生じた損傷がかびの発育による損傷なのか,又は環境条件による損傷なのかを区別することができ

る。

C.4.4

試験条件下でのかびの発育確認

培養 7 日間後にかびの発育を調べ,もし,対照試験片又はシャーレ上のかびの発育が極めてわずかか,

全く発育がない場合には,すべての試験は無効であり,再試験を行う。

試験終了後,対照試験片上のかびの発育(コロニー)が 7 日間後の検査の状態より十分濃くなっていな

ければ,その試験は無効であり,再試験を行う。

C.4.5

修復

特別に明確な規定がない限り,試験終了時の評価は,試料を乾燥させずに行う。かびの発育を評価する

前に試料を洗浄してはならない。腐食評価を行うときは,かびの発育を評価した後に,水と柔らかい布と

を用いて,注意深く菌糸を取り除いて行う。

C.4.6

試験結果の表示

C.4.3

の培養の結果,試料の表面上に生じた菌糸の発育状態を肉眼及び倍率 50 倍の実体顕微鏡で観察す

る。試験結果の表示方法は,

表 C.5 による。

表 C.5−試験結果の表示方法

結果の表示

菌糸の発育面積比

発育程度

0

a)

 0

試料にかびは発育していない

1

a)

10

%未満

かびの発育はまばらか,又は限定されている(こん跡)

2 10

%以上∼30  %未満  試料表面にかびの集落が間欠的又はまばらに伸びている(裸眼で見える)

3 30

%以上∼70  %未満  かびの発育量は多い(容易に見える)

4 70

%以上

大量のかびが発育

a)

  これらの菌糸の発育量を評価するときは,適切な照明下において倍率 50 倍で観察する。

C.4.7

評価

C.4.6

による試験結果の表示に基づいて,かびの成長度が 2 又はそれ以下であった場合,試験試料は,適

切なかび抵抗性をもっていると結論できる。


26

Z 291

1


2

010

26

Z 291

1


20
1

0

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Z 2911 : 2010

  かび抵抗性試験方法

ISO 846: 1997

  Plastics−Evaluation of the action of microorganisms

ISO 9022-11: 1994

  Optics and optical instruments−Environmental test methods−Part

11: Mould growth   
IEC 60068-2-10: 2005

  Environmental testing−Part 2-10: Tests−Test J and guidance :

Mould growth

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号 及
び題名

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

1 適用範囲

す べ て の 工 業 製
品・工業材料のか

び抵抗性を規定

ISO 846

ISO 9022 
-11, 
IEC 

60068-2-10


 

 
1

プラスチック製品のかび
抵抗性について規定

光学部品・光学機器のか
び抵抗性について規定 
電気製品・電子製品のか

び抵抗性について規定

追加

計測機器,木竹製品,ガラス製
品,繊維製品,塗料及び皮革製

品のかび抵抗性試験に,ISO 
格及び IEC 規格を追加して規

2 引用規格

3 試験に用い
る か び の 種

類 
4 試験の準備
5 試験の通則
6 一般工業製
品の試験 
7 繊維製品の
試験 
8 塗料の試験
9 皮革及び皮
革 製 品 の 試

ISO / IEC

規格に

規 定 し て い な い

工業製品・工業材
料 の か び 抵 抗 性
の 具 体 的 試 験 方

法を規定

 

− 

− 

 

− 

− 

 

− 

− 

追加

ISO

規格及び IEC 規格に規定

していないかび抵抗性試験を

追加

ISO/IEC

規格に規定していないか

び抵抗性試験について,今後 ISO

に提案していくかは,担当する TC
も含めて検討する。


27

Z 291

1


2

010

27

Z 291

1


20
1

0

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号 及

び題名

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

10 プラスチ
ッ ク 製 品 の
試験 
A.1 試験に用
い る か び の
種類 
 
 
 
A.3.2 試験操
作の概要 
表 A.2 

附属書 A による 
 
 
試 験 用 の か び の

菌 株 に つ い て 規
定 
 
 
 
試 験 方 法 に つ い

て規定

ISO 846

 
 
 
5.2.1 
 
 
 
 
 
8.2 
(Table 3)
 
12

 
 
 
試験用のかびの菌株につ

いて規定 
 
 
 
 
試験方法について規定 
 
 
報告書の書き方について

規定

 
 
 
変更 
 
 
 
 
 
変更 
 
 
削除

 
 
 
JIS

では,試験用のかびの菌株

を , 国 内 で も 入 手 し や す い
NBRC 株を主とし,国際微生物
株保存連盟又は日本微生物資

源学会に保存されている同一
系統の菌株を規定

JIS

では,細菌及び土壌の試験

を削除し,かびの試験だけを規

JIS

では,報告書の書き方につ

いて規定していない

 
 
 
ISO 846

では,アメリカ(ATCC)

及びイギリス(CMI)株を主とし,
オランダ(CBS)

,ドイツ(DSM)

日本(旧 IFO,現 NBRC)などの菌

株を規定 
 
ISO 846

では,かびの試験のほかに

細菌及び土壌を用いた試験も規定 
 
ISO 846

では,報告書の詳細な書き

方を規定

11 電 気 製
品・電子製品

の試験 
B.1  試 験 に
用 い る か び

の種類 
 
 
 

附属書 B による 
 
 
試 験 用 の か び の
菌 株 に つ い て 規

定 
 
 
 

IEC 

60068-2-10

 
 
 
6.1 
 
 
 
 

 
 
 
試験用のかびの菌株につ
いて規定 
 
 
 

 
 
 
変更 
 
 
 
 
 

 
 
 
JIS

では,試験用のかびの菌株

を , 国 内 で も 入 手 し や す い
NBRC 株を主とし,国際微生物
株保存連盟又は日本微生物資
源学会に保存されている同一

系統の菌株を規定

JIS

では,Paecilomyces variotii

及び Penicillium pinophilum 

つ い て は 国 内 で 入 手 可 能 な
NBRC の株を規定

 
 
 
IEC 60068-2-10

で は , ア メ リ カ

( ATCC ) を 主 と し , イ ギ リ ス

(CMI)オランダ(CBS),ドイツ
(DSM)

,日本(NBRC,IAM)な

どの菌株を規定 
 
IEC 60068-2-10

では,Paecilomyces 

variotii 及び Penicillium pinophilum
については NBRC で入手困難な
ATCC の株を規定

B.2.1 薬品及
び器具

試 験 用 の 薬 品 類
及 び 器 具 に つ い
て規定

6.3

対照試験片について規定

変更

JIS

では,薬品類を 4.1 で規定

するものに準拠

IEC 60068-2-10

では,薬品類につ

いて規定していない。


28

Z 291

1


2

010

28

Z 291

1


20
1

0

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号 及

び題名

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

B.2.2 滅菌方

滅 菌 方 法 に つ い

て規定

6.3

対照試験片について規定

変更

JIS

では,滅菌方法を 4.2 で規

定するものに準拠

IEC 60068-2-10

では,乾熱滅菌を

規定していない。

12 光 学 部
品・光学機器

の試験 
C.1.1  試験に
用 い る か び

の種類 
 
 
 
C.1.2  かびの
保 存 及 び 使

用 
 
 
C.2.1  試薬及
び培地 
C.2.1.3  湿 潤
剤溶液 

附属書 C による 
 
 
試 験 用 の か び の
菌 株 に つ い て 規

定 
 
 
 
か び 用 の 培 地 及
び 培 養 条 件 な ど

を規定 
 
 
試 薬 及 び 培 地 を
規定 
胞 子 の 湿 潤 剤 を

規定 

ISO 

9022-11

 
 
 
3.1 
 
 
 
 
 
3.2.1 
 
 
 
 
3.2.1 
 
3.2.2

 
 
 
試験用のかび種について
規定 
 
 
 
 
かび用培地及び培養条件
を規定 
 
 
 
かび用培地及び培養条件
を規定 
胞子懸濁液について規定

 
 
 
変更 
 
 
 
 
 
変更 
 
 
 
 
追加 
 
変更 

 
 
 
JIS

では,試験用のかびの菌株

を , 国 内 で も 入 手 し や す い
NBRC 株を主とし,国際微生物
株保存連盟又は日本微生物資
源学会に保存されている同一

系統の菌株を規定

JIS

では,かび用の培地として

PDA 培地を推奨,好乾性かび
の培地として M40Y 寒天培地
を指定し,培養条件などを詳細
に規定

JIS

では,PDA 培地の調製法及

び M40Y 培地の組成を規定

JIS

では,湿潤剤としてスルホ

こはく酸ジオクチルナトリウ
ムを規定

 
 
 
ISO 9022-11

では,菌株を規定して

いない。 
 
 
 
 
ISO 9022-11

では,かび用培地とし

て麦芽寒天培地が推奨され,培養

条件が詳細に規定されていない。 
 

ISO 9022-11

では,培地に関する詳

細は規定されていない。

ISO 9022-11

では,湿潤剤としてス

ルホこはく酸ジオクチルナトリウ
ムとラウリル硫酸ナトリウムを推
 

C.2.2.2  胞 子
懸 濁 液 の 確
認 
C.3  暴 露 試
験条件 
表 C.4

胞 子 の 発 育 能 力

の 調 査 方 法 を 規
定 
暴 露 試 験 条 件 を

規定 

3.2.2 
 
 
4

胞子懸濁液について規定
 
 
条件方法 85 としてかび

の発育条件を規定

変更 
 
 
変更

JIS

では,胞子の発育能力の調

査方法について,詳細に規定 
 
JIS

では条件方法 85 とせず,

暴露試験条件として規定し,操
作状態を規定していない

ISO 9022-11

では,胞子の発育能力

の調査方法を,詳細に規定してい
ない。

ISO 9022-11

では,条件方法 85 と

して過酷度が規定されており,操
作状態 1 が規定されている。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

ISO 846 : 1997,ISO 9022-11 : 1994,IEC 60068-2-10 : 2005,MOD)


29

Z 291

1


2

010

29

Z 291

1


20
1

0

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD 国際規格を修正している。