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Z 2511

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本粉末冶金工業会(JPMA)/財団法人日本

規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3995:1985,Metallic powders−

Determination of green strength by transverse rupture of rectangular compacts

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS Z 2511

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


Z 2511

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  原理

1

4.

  装置

1

4.1

  金型

1

4.2

  成形機

1

4.3

  はかり

1

4.4

  マイクロメータ又はその他の測定器 

2

4.5

  試験ジグ 

2

4.6

  荷重装置 

2

5.

  試験片

2

5.1

  試験片の寸法及び数量 

2

5.2

  試験片の作製 

2

5.3

  成形圧力及び圧粉密度 

3

6.

  抗折試験

3

7.

  測定結果の計算 

3

7.1

  圧粉密度 

3

7.2

  圧粉体強さ 

4

8.

  試験報告

4

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

9


日本工業規格

JIS

 Z

2511

:2006

金属粉―抗折試験による圧粉体強さ測定方法

Metallic powders

Determination of green strength

by transverse rupture of rectangular compacts

序文  この規格は,1985 年に第 2 版として発行された ISO 3995,Metallic powders−Determination of green

strength by transverse rupture of rectangular compacts

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,断面が長方形の圧粉体での抗折試験によって,金属粉の圧粉体強さを測定す

る方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 3995:1985

, Metallic powders − Determination of green strength by transverse rupture of

rectangular compacts (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,最新版(追補を含む。

)を適用する。

 JIS 

Z 8401

  数値の丸め方

3. 

原理  金属粉から造られた圧粉体を,破壊が起こるまで,制御した条件下で一様に増加する荷重で加

圧する。圧粉体強さは,下部を 2 点で支持した圧粉体の中央に曲げ荷重を加え,破壊したときの荷重から

算出する。

なお,圧粉体強さは,特定の圧粉密度又は規定の加圧力で成形した圧粉体で測定する。

4. 

装置

4.1

金型  5.で規定した寸法の直方体試験片を作製するため,上下パンチをもつもの。ダイの材質は,超

硬合金又は工具鋼材とする。金型の設計例を,

付図 1 に示す。

4.2

成形機  最大荷重約 500 kN,荷重誤差±1  %以内,負荷速度 50 kN/s 以下で荷重が一定に増加でき

るもの。

4.3

はかり  圧粉体の質量を,0.01 g のけたまではかることのできるもの。


2

Z 2511

:2006

4.4

マイクロメータ又はその他の測定器  圧粉体の寸法を,0.01 mm のけたまではかることのできるも

の。

4.5

試験ジグ  圧粉体を支持するための 2 個のローラ,及び圧粉体に荷重を加えるための 1 個のローラ

から構成されるもの。

すべてのローラは,直径 3.0±0.1 mm で,硬さ 700 HV 以上の焼入鋼又は超硬合金で作製し,2 個の支持

用ローラは,平行,かつ,中心間距離が 25.0±0.2 mm になるよう設置する。荷重用ローラは,2 個の支持

用ローラ間の中央から±0.1 mm の位置になるよう設置する。

ローラは,試験片の上下面と平行に設置する。

代表的な試験ジグの構成を,

付図 に示す。

4.6

荷重装置  次の二つの装置のうち,いずれかを用いる。

4.6.1

圧縮試験機  荷重誤差±2 N 以内で破壊荷重を測定できるもの。

4.6.2

はり荷重装置  試験片を装置の適切な位置に置き,レバー機構で破壊荷重を加えることができるも

の。荷重は,様々な方法で加えてもよいが,荷重誤差±2 N 以内で試験片に加わる荷重を求めることがで

きるもの。

付図 に例を示す。

5. 

試験片

5.1

試験片の寸法及び数量  試験片の寸法(図 参照)は,幅が 10∼13 mm,長さが少なくとも 30 mm,

厚さが 5.5∼6.5 mm とする。試験片は,両支点間における厚さの差が 0.1 mm 以下とする。必要に応じて,

この条件を満たすために必要な粉末の量を予備試験によって決定する。試験片の数量は,3 個とする。

  1  試験片

5.2

試験片の作製

5.2.1

ダイ及びパンチの清掃  アセトンなどの揮発性溶剤を浸み込ませた,柔らかく清浄な紙タオル又は

布で,ダイの内面及びパンチを拭き,その後,溶剤を蒸発させる。

5.2.2

粉末の成形条件

a) 

潤滑剤を含まない粉末の成形は,次による。

1) 

乾燥したダイによる成形(特に高荷重では,焼付き及び過度のダイの摩耗が起こる場合がある。

2) 

壁面潤滑したダイによる成形[5.2.3 a)  参照]

3) 

潤滑剤を加え,混ぜた後[5.2.3 b)  参照]

,乾燥したダイによる成形

b) 

潤滑剤を含む粉末の成形は,次による。

1) 

乾燥したダイによる成形

長さ

厚さ

試験片


3

Z 2511

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2) 

潤滑剤[5.2.3 b)参照]を追加し,混ぜた後,乾燥したダイによる成形

5.2.3

潤滑方法  潤滑方法は,次のいずれかを用いる。

a) 

型潤滑  揮発性有機液体に潤滑剤を混ぜた混合物又は溶液(例えば,1 L のアセトンに 50∼100 g のス

テアリン酸亜鉛を添加したもの。

)をダイの壁面に塗布する。余分な液体を取り除いた後,溶液を蒸発

させ,壁面に潤滑剤の薄い層を残して固着させる。

b) 

粉末の潤滑  適切な固体潤滑剤(例えば,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸,合成ワックスなど。)を

一定量[例えば,0.5∼1.5  %(質量分率)

]粉末に十分に混合する。

5.2.4

成形及び抜出し  ダイに下パンチを入れる。充てん深さを得るためには,ダイと下パンチホルダと

の間に支持スペーサを用いて高さを維持するとよい。ダイキャビティに試料を充てんし,プレスの台座間

にパンチとダイを装着する。最終荷重の 30∼50  %の予備荷重を加え,荷重を開放する。ダイを支持して

いるスペーサを取り除く。ダイがスプリング又は同様の方法で支持されている場合は,予備荷重を加える

必要はない。

50 kN/s

を超えない一定の速度で最終荷重を加える。

下パンチでダイから圧粉体を抜き出す。

成形及び抜出し方法の例を,

付図 に示す。

5.3

成形圧力及び圧粉密度  試験片は,受渡当事者間の協定による成形圧力又は圧粉密度によって作製

する。

5.3.1

成形圧力  成形圧力は,400 N/mm

2

を推奨する。また,鉄系で高密度の場合は,500 N/mm

2

,銅系

を測定する場合は,200 N/mm

2

で成形してもよい。

備考  1 N/mm

2

= 1 MPa

5.3.2

圧粉密度  試験片の長さ,幅及び厚さを 0.01 mm のけたまで測定する。試験片の質量を 0.01 g のけ

たまで測定し,質量を体積で除して圧粉密度とする。3 個の試験片の圧粉密度の差が 0.1 g/cm

3

未満でなけ

ればならない。

6. 

抗折試験  抗折試験は,圧縮試験機又ははり荷重装置のいずれかを用い,a)又は b)に規定する方法に

より,試験片を破壊する。

a) 

圧縮試験機を用いる方法  試験ジグ(付図 参照)の上に,二つの支持用ローラの中心軸に対し試験

片を直角に,かつ,その中心線がローラ間の中心軸と一致するように置く。試験ジグを圧縮試験機の

基盤の上に置き,試験片が破壊するまで 10 秒以上かかるような一定の加圧速度で圧縮荷重を加え,破

壊荷重を 2 N 単位で記録する。

b) 

はり荷重装置を用いる方法  はり荷重装置(付図 参照)が水平になるように調整する。試験片を試

験ジグ(

付図 参照)の上に,支持用ローラ間の中心軸に対し直角に,かつ,試験片の中心線が支持

用ローラ間の中心軸と一致するように置き,はり荷重装置内に設置する。試験片が破壊するまで 10

秒以上かかるような一定の加圧速度で圧縮荷重を加え,破壊荷重を 2 N 単位で記録する。

備考  荷重としてコンテナ及びショットを用いる場合,はりがコンテナとバランスがとれるよう

に設置する。この場合,破壊荷重は,ショットの質量だけを用いて算出する。

7. 

測定結果の計算

7.1

圧粉密度  圧粉密度は,3 個の試験片の圧粉密度を算術平均し,小数点以下三けたを JIS Z 8401 

2. b)

によって,小数点以下二けたに丸める。


4

Z 2511

:2006

7.2

圧粉体強さ  圧粉体強さ S(N/mm

2

)は,次の式によって算出する。

w

t

PL

S

2

2

3

=

ここに,

P

:  破壊荷重(N)

L

:  試験ジグの支点間距離(mm)

t

:  試験片の厚さ(mm)

w

:  試験片の幅(mm)

圧粉体強さは,3 個の試験片の圧粉体強さを算術平均し,小数点以下二けたを JIS Z 8401 の 2. b)によっ

て,小数点以下一けたに丸める。

8. 

試験報告  試験報告書には,次の情報を含める。

a) 

規格番号

b) 

粉末に関する詳細(粉末の特定に必要なすべての詳細事項)

c) 

潤滑剤の種類,添加量,粉末に潤滑剤を添加した場合は,添加方法。

d) 

圧粉密度又は成形圧力

e) 

金型の材質

f) 

圧粉体強さ

g) 

この規格に明記されていないすべての操作,又は,任意に付加したすべての操作

h) 

測定結果に影響を及ぼした可能性のある要因の詳細


5

Z 2511

:2006

単位  mm

a)

  ダイ

付図  1  試験片作製用金型の例


6

Z 2511

:2006

単位  mm

b)

  パンチ 

番号

1

  超硬合金

2

  焼きばめリング

3

  工具鋼材,硬さ 60∼62 HRC

4

  上パンチ,L=25

5

  下パンチ,L=70

付図  1  試験片作製用金型の例(続き)


7

Z 2511

:2006

備考  L:支持用ローラの中心間距離

付図  2  試験ジグの例

X部(上方からの拡大図)

付図  3  はり荷重装置を用いる方法の例

 はり

支持用ローラ

荷重用ローラ

 X

はり

荷重用ローラ

試験片

支持用ローラ


8

Z 2511

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                  a)  充てん                                      b)  予備加圧 

c)

  成形 d)  抜出し 

付図  4  成形及び抜出し方法の例


9

Z 2511

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附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS Z 2511 : 2006

  金属粉−抗折試験による圧粉体強さ測定方法

ISO 3995:1985

  金属粉−抗折試験による圧粉体強さ試験方法

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(

Ⅱ)

国際規 
格番号

項 目

番号

内容

項目ごとの評

技術的差異の内容

(

Ⅴ)JIS と国際規格

との技術的差異の理
由及び今後の対策

1.

  適用範囲

圧粉体強さ測定方法を規定 1

JIS

に同じ IDT

2.

  引用規格

数値の丸め方の JIS を引用

― MOD/追加

JIS

では,JIS Z 8401(数値

の丸め方)を引用した。

実 質 的 な 差 異 は な
い。

3.

  原理

圧粉体強さを求める原則を規定

2

JIS

に同じ IDT

4.

  装置

試験片作製用金型,成形機,圧
粉体測定用天びん(秤)

,測定器,

試験ジグ及び荷重装置を規定

3

JIS

にほぼ同じ MOD/変更

ISO

規格では成形機につ

いて,最大荷重約 300 kN,

±2  %で荷重ができると
規定しているが,JIS 
は,最大荷重約 500 kN,

±1  %で荷重ができると
規定した。

次回改正時に,提案
する。

5.

  試験片

5.1

  試 験 片 の 寸

法及び数量

試験片のサイズ及び個数を規定

4

JIS

に同じ MOD/追加

試験片の図を追加した。

実 質 的 な 差 異 は な

い。

5.2.

  試験片の作

5.2.1

  ダ イ 及 び

パンチの清掃

試験前のダイ及びパンチの清掃
方法を規定

5

5.1

JIS

に同じ

IDT

5.2.2

  粉 末 の 成

形条件

成形方法を規定 5.2

JIS

に同じ IDT

5.2.3

  潤滑方法

型潤滑,固体潤滑剤の混合方法
を規定

ISO 

3995 

5.3

JIS

にほぼ同じ MOD/追加

固体潤滑剤の例として,

JIS

では,合成ワックスも

追加した。

次回改正時に,例の
追加を提案する。

9

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1


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Z 2511

:2006

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(

Ⅱ)

国際規 
格番号

項 目
番号

内容

項目ごとの評

技術的差異の内容

(

Ⅴ)JIS と国際規格

との技術的差異の理
由及び今後の対策

5.2.4

  成 形 及 び

抜出し

試験片の成形及び抜出し方法を
規定

5.4

JIS

にほぼ同じ MOD/追加

ISO

規格では,予備荷重に

ついて,おおむね 20 kN

と規定しているが,JIS 
は,最終荷重の 30∼50  %
と規定した。

次回改正時に,提案
する。

5.3

  成形圧力及

び圧粉密度

5.3.1

  成形圧力

圧粉体強さの成形圧力を規定 5.5

JIS

にほぼ同じ MOD/追加

JIS

では,鉄系で高密度の

場合,500 N/mm

2

,銅系の

場合,200 N/mm

2

で成形し

てもよいと追加した。

次回改正時に,提案
する。

5.3.2

  圧粉密度

圧粉密度の算出方法を規定 5.6

JIS

に同じ MOD/追加

JIS

では,質量測定につい

て追加した。

次回改正時に,提案

する。

6.

  抗折試験

圧縮試験機を用いる場合,はり
荷重装置を用いる場合の破壊荷

重の測定方法を規定

5.7

JIS

に同じ MOD/追加

付図 3 に試験ジグ部の拡
大図を追加した。

実 質 的 な 差 異 は な
い。

7.

  測定結果の計

7.1

  圧粉密度

圧粉密度の算出結果の丸め方を
規定

6

6.1

JIS

にほぼ同じ

MOD

/変更

ISO

規 格 で は 平 均 値 を

0.05 g/cm

3

きざみで丸める

と規定しているが,JIS 

は,小数点以下二けたに
丸めると規定した。

次回改正時に,提案
する。

7.2

  圧粉体強さ

圧粉体強さの計算式,結果の丸

め方を規定

6.2

JIS

にほぼ同じ MOD/追加

JIS

では,結果の数値によ

る区分をせず,小数点以
下一けたに丸めると規定
を追加した。

次回改正時に,提案

する。

− 6.3

結果の丸め方 MOD/削除

JIS

では,ISO 規格の内容

を変更し 7.1 及び 7.2 に含

めた。

8.

  試験報告

試験報告書に含める情報を規定

7

JIS

に同じ IDT

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JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

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