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Z 2502:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 装置······························································································································· 2 

6 漏斗の校正 ······················································································································ 3 

6.1 漏斗製造時の校正 ·········································································································· 3 

6.2 漏斗使用者による校正・補正 ··························································································· 3 

7 試料採取························································································································· 3 

7.1 一般 ···························································································································· 3 

7.2 試料採取質量 ················································································································ 4 

7.3 測定試料質量 ················································································································ 4 

7.4 測定試料数 ··················································································································· 4 

8 測定方法························································································································· 4 

9 結果の表示 ······················································································································ 4 

10 典型的な粉末による精度 ·································································································· 4 

10.1 一般 ··························································································································· 4 

10.2 試験粉 ························································································································ 4 

10.3 繰返し精度 ·················································································································· 5 

10.4 再現性 ························································································································ 5 

11 報告 ····························································································································· 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

Z 2502:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本粉末冶金

工業会(JPMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正

すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。

これによって,JIS Z 2502:2012は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

Z 2502:2020 

金属粉−流動度測定方法 

Metallic powders-Determination of flow rate by means of a calibrated 

funnel (Hall flowmeter) 

序文 

この規格は,2018年に第5版として発行されたISO 4490を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,校正された漏斗(ホールフローメータ)によって金属粉の流動度を測定する方法について

規定する。 

この方法は,規定するオリフィスから自然に流れ出す金属粉だけに適用する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 4490:2018,Metallic powders−Determination of flow rate by means of a calibrated funnel (Hall 

flowmeter)(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 2500 粉末や(冶)金用語 

JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部:標準測定方法の併行精度及

び再現精度を求めるための基本的方法 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2500によるほか,次による。 

3.1 

流動度 

ある一定の条件下で,決められた質量の粉末が規定のオリフィスから流出するのに要する時間。 

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Z 2502:2020  

原理 

この規格に規定する流動度は,規定する寸法で校正された漏斗のオリフィスを通過して50 gの金属粉が

流れる時間を測定することによって得られる。 

装置 

5.1 漏斗 漏斗は,図1に規定する寸法とする。漏斗は,非磁性で耐食性があり,かつ,容易に変形せず,

過度の摩耗しない十分な壁厚及び硬さをもつ金属材料で作られているものでなければならない。 

5.2 スタンド スタンドは,水平で振動の影響がない土台をもち,漏斗をしっかり支持できるものにする

(例 図2参照)。 

5.3 はかり はかりは,十分な測定容量をもち,試料を±0.05 gの精確さで測定できるものにする。 

5.4 時間測定器 時間測定器は,通過時間を0.1秒の精確さで測定できるものにする。 

5.5 標準粉 漏斗の校正に用いる標準粉は,対応国際規格(ISO 4490)に規定された標準粉1) 又は同等品。 

注1) ISO 4490では,標準粉として次を紹介している。 

・Chinese emery grit 

単位 mm 

図1−漏斗 

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Z 2502:2020  

図2−スタンド及び校正された漏斗 

漏斗の校正 

6.1 

漏斗製造時の校正 

漏斗製造業者が,次の方法で校正した漏斗を用いなければならない。 

a) 標準粉(5.5参照)をきれいなガラス瓶に入れ,乾燥機などを用いて大気中で110 ℃±5 ℃で60分±5 

分間乾燥する。 

b) 乾燥機の中で大気温度に冷却する。 

c) 標準粉を50.0 g±0.1 gひょう量する。 

d) 箇条8の測定方法に従って標準粉の流動度を測定する。 

e) 同じ標準粉を使用し,a)〜d)を5回繰り返す。5回のうち,最大値と最小値との差は,0.4秒以内とす

る。 

f) 

5回の測定の平均値を四捨五入によって,小数点以下1桁に丸め,その値を漏斗の底に刻印する。測

定値は40.0秒±0.5秒でなければならない。 

6.2 

漏斗使用者による校正・補正 

使用者は,補正が必要かどうかを,定期的に検証することが望ましい。 

標準粉の流動度は,6.1の方法によって測定しなければならない。標準粉の流動度が40.0秒±0.5秒の範

囲外となった場合は,補正係数を使用しなければならない。補正係数は,新たな測定値で40.0を除した値

とする。 

新規の補正係数を採用する前に,値が変化した理由を調査することが望ましい。もし,流動時間が短く

なった場合は,繰返しの使用によってオリフィスが摩耗したためと考えられ,新規の補正係数は正当なも

のと考えられる。また,流動時間が長くなった場合は,オリフィスに柔らかい粉末が付着したためと考え

られ,この場合は,付着物を注意深く取り除き,その後,校正のための測定を繰り返す。 

標準粉の流動時間が37秒より短くなった場合は,その漏斗を使用しないことが望ましい。 

試料採取 

7.1 

一般 

一般的に,試料は,受入れたままの状態で測定を行う。特別な場合には,受渡当事者間によって試料を

乾燥してもよい。試料が酸化しやすい場合には,乾燥を真空中又は不活性ガス中で行う。 

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Z 2502:2020  

なお,試料に揮発性物質が含まれている場合には,乾燥してはならない。 

7.2 

試料採取質量 

試料は,200 g以上とする。 

7.3 

測定試料質量 

測定直前に50.0 g±0.1 gの測定試料をひょう量する。 

7.4 

測定試料数 

測定は,三つの測定試料について行わなければならない。 

測定方法 

測定方法は,次による。 

a) 乾燥した指,機械的シャッターなどで,オリフィスを適切に塞いだまま,測定試料を漏斗に入れる。

漏斗に粉末が満たされるように注意する。 

b) オリフィスを開け,粉末が落下すると同時に時間計測器(5.4参照)を作動させ,最後の粉末がオリフ

ィスを離れた瞬間に止める。 

c) 通過時間は少なくとも0.1秒単位で測定し,記録する。 

なお,オリフィスを開放したまま測定試料を漏斗に入れる方法も可能である(他の測定は同じように行

う)。 

オリフィスを開けても粉末が流れ出ない場合には,流れ出すように,漏斗を軽く1回たたいてもよい。

これでも流れない場合,又は測定中に流れが止まった場合は,この測定方法では流動性はなしとみなす。 

結果の表示 

三つの測定結果を算術平均し,1秒単位に丸め,50 g当たりの秒(s/50 g)として報告する。受渡当事者

間の協議によって,測定結果を0.1秒単位で報告してもよい。補正係数(6.2参照)を使用する場合は,平

均値に補正係数を乗じなければならない。 

10 

典型的な粉末による精度 

10.1 

一般 

精度データは,JIS Z 8402-2に従って14の試験場所及び3種類の試験粉から得れた結果に基づき決定し

た。 

繰返し精度及び再現性は,この精度試験で評価した試験粉と同等の粉末に適用が有効である。評価され

た試験粉と異なる特性をもつ金属粉末は,この精度の結果と異なる繰返し精度及び再現性となる。 

10.2 

試験粉 

精度データを得るため使用する3種類の試験粉を,表1に示す。 

表1−試験粉 

試験粉の種類 

アトマイズ純鉄粉[アトマイズ粉として製造された鉄粉(添加物非含有)] 

海綿純鉄粉[海綿状粉として製造された鉄粉(添加物非含有)] 

ステンレス粉[プレアロイ粉として製造された410L(フェライト系)ステンレス鋼粉] 

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Z 2502:2020  

10.3 

繰返し精度 

試験法の正常かつ正確な操作によって,一人のオペレータが同じ試験粉で,実行可能な最短の時間間隔

で同じ装置を用いて測定した二つの試験結果の差は,95 %以上の確率で,表2の繰返し精度限界(r)以内

に予測される。 

10.4 

再現性 

試験法の正常かつ正確な操作によって,同一試験粉について二つの場所で測定し,報告された試験結果

の差は,95 %以上の確率で,表2の再現性の限界(R)以内に予想される。 

表2−繰返し精度及び再現性,95 %の確率レベルにおける二つの試験結果の差異 

試験粉 

レベル 

(平均流れ時間)

(s) 

繰返し精度 

(限界) 

r(s) 

再現性 

(限界) 

R(s) 

アトマイズ純鉄粉 

25 

1.1 

3.1 

海綿純鉄粉 

33 

0.7 

3.0 

ステンレス粉 

32 

0.6 

3.2 

11 

報告 

報告には,次の情報を含める。 

a) この規格(JIS Z 2502)に従って測定を実施した旨の記載 

b) 試料の特定に必要な全ての詳細事項 

c) 流動度の測定結果(s/50 g) 

d) オリフィスの開放有無 

e) この規格に規定又は記載されていない全ての操作,又は任意に付加した操作(例えば,試料を乾燥し

た場合の乾燥方法,漏斗をたたいて流れを誘導したかどうか) 

f) 

測定結果に影響を及ぼす可能性がある要因の詳細 

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Z 2502:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS Z 2502:2020 金属粉−流動度測定方法 

ISO 4490:2018,Metallic powders−Detemination of flow rate by means of a calibrated 
funnel (Hall flowmeter) 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲  

一致 

2 引用規格  

3 用語及び
定義 

− 

追加 

JISは,用語及び定義を追加した。 実質的な技術的差異はない。  

4 原理 

一致 

5 装置 

5.2 スタンド 

5.2 

水平で振動しない支持
台及び漏斗支持器 

変更 

細分箇条名称を“スタンド”とし,
詳細内容を段落記載に変更した。 

実質的な技術的差異はない。 

追加 

図1に漏斗全長寸法の公差を追加
した。 

実質的な技術的差異はない。 

5.5 標準粉 

5.5 

− 

追加 

漏斗の校正に用いる標準粉につい
て本文に同等品を追加した。 

実質的な技術的差異はない。 

6 漏斗の校
正 

6.1 漏斗製造時の校
正 

6.1 

製造業者が校正した漏
斗を供給することを規
定。 

変更 

製造業者に対する要求事項を削除
し,校正した漏斗を“用いなければ
ならない”に変更した。 

ISOへの提案を検討する。 

標準粉の乾燥温度及び
時間だけ追加。 

追加 

標準粉の乾燥方法,乾燥温度及び時
間精度を追加した。 

ISOへの提案を検討する。 

5回の測定の平均値を
記載。 

追加 

平均値の求め方を追記した。 

実質的な差異はない。 

6.2 漏斗使用者によ
る校正・補正 

6.2 

漏斗使用者による校正 

追加 

細部箇条名称を“漏斗使用者による
校正・補正”に変更した。 

実質的な差異はない。 

2

Z

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5

0

2

2

0

2

0

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Z 2502:2020  

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 試料採取  

一致 

8 測定方法  

一致 

9 結果の表
示 

結果の表示方法を
規定。 

− 

追加 

結果の表示を0.1秒単位で報告でき
ることを追加した。 

実質的な技術的差異はない。 

10 典型的
な粉末によ
る精度 

10 

箇条名称を“精度”とし
て記載。 

変更 

箇条名称を“典型的な粉末による精
度”に変更した。 

実質的な技術的差異はない。 

10.1 一般 

精度データの採取方法
と異常値に関する内容
を記載。 

追加 
削除 

明確化のため細分箇条10.1を追加
するとともに異常値に関する記載
を削除した。 

実質的な技術的差異はない。 

10.2 試験粉 

3種類の試験粉を記載。 追加 

明確化のため細分箇条10.2を追加
した。 

実質的な技術的差異はない。 

10.3 繰返し精度 
10.4 再現性 

繰返し精度,再現性,及
び1標準偏差を記載 

追加 
削除 

明確化のため細分箇条10.3及び
10.4を追加し,規格に不要な1標準
偏差に関する記載及び表を削除し
た。 

実質的な技術的差異はない。 

11 報告 

11 

一致 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4490:2018,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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