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目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 試薬······························································································································· 3 

6 測定方法························································································································· 3 

6.1 一般 ···························································································································· 3 

6.2 スポット法 ··················································································································· 3 

6.3 比色法 ························································································································· 7 

7 記録······························································································································· 9 

附属書A(参考)測定例(スポット法) ·················································································· 11 

附属書B(参考)測定例(比色法) ························································································ 16 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

日本工業規格          JIS 

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ベントナイトなどのメチレンブルー吸着量の 

測定方法 

Test method for methylene blue adsorption on bentonite and acid clay 

適用範囲 

この規格は,粉末状のベントナイト及び酸性白土(両者を合わせて,以下,ベントナイトなどという。)

に吸着するメチレンブルー量を測定する方法を規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7507 ノギス 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 0970 ピストン式ピペット 

JIS K 8785 二りん酸ナトリウム十水和物(試薬) 

JIS K 8897 メチレンブルー(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS R 3645 ガラス棒 

JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211及びJIS K 0212によるほか,次による。 

3.1 

ベントナイト 

スメクタイトを主成分とする粘土岩であり,石英,クリストバライト,オパール,長石,うんも(雲母),

ゼオライトなどのケイ酸塩鉱物,方解石,苦灰石などの炭酸塩鉱物,石こうなどの硫酸塩鉱物,黄鉄鉱な

どの硫化鉱物などを副成分として含むもの。ここでいうスメクタイトとは,モンモリロナイト,バイデラ

イト,ノントロナイト,サポナイト,ヘクトライト,ソーコナイト,スチーブンサイトなどのグループの

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名称を指す。 

3.2 

酸性白土 

スメクタイトを主成分とする固体酸性をもつ粘土岩であり,ベントナイトと同様の鉱物を副成分として

含むもの。 

3.3 

メチレンブルー吸着量 

ベントナイトなどの主成分であるスメクタイトの表面及び層間に吸着された,メチレンブルーの量。 

3.4 

スポット 

ベントナイトなどの試料を分散させた溶液に,メチレンブルー溶液を加えてかくはんし,その液の一部

をろ紙に置くことによって,ろ紙上に作成される濃い青の円。 

3.5 

ハロー 

ベントナイトなどの試料を分散させた溶液に,試料のメチレンブルー吸着量を上回るほどの量のメチレ

ンブルー溶液を加えてかくはんし,その液の一部をろ紙に置いてスポットを作成したとき,試料に吸着さ

れずに,溶液中に残存したメチレンブルーによって,スポットの周りに現れる明るい青のにじみ。 

3.6 

スポット法 

ベントナイトなどの試料を分散させた溶液に,メチレンブルー溶液を加えて,その液の一部をろ紙上に

置いてスポットを作成したとき,スポットの周りに現れるハローの幅を測定することによって,試料のメ

チレンブルー吸着量を求める方法。 

3.7 

比色法 

ベントナイトなどの試料を分散させた溶液に,メチレンブルー溶液を加えたとき,試料に吸着せずに溶

液中に残存したメチレンブルーの量を吸光光度計によって測定し,試料のメチレンブルー吸着量を求める

方法。 

3.8 

含水比 

110 ℃±5 ℃の炉乾燥によって失われるベントナイトなどの水分の質量の,ベントナイトなどの炉乾燥

質量に対する比を質量百分率で表したもの(JIS A 1203参照)。 

原理 

ベントナイトなどの主成分であるスメクタイトは,結晶の層間及び表面にメチレンブルーを吸着する。

この規格の測定方法では,ベントナイトなどの試料を20 g/L二りん酸ナトリウム溶液に分散させ,そこに

0.01 mol/Lメチレンブルー溶液を加えて,試料のメチレンブルー吸着量を測定する。メチレンブルー吸着

量を,次のスポット法又は比色法のいずれかによって測定する。 

a) スポット法 スポット法では,試料分散溶液にメチレンブルー溶液を少しずつ加えるたびに,その液

の一部をろ紙上に置いてスポットを作成する。加えたメチレンブルーの量が多くなると,スポットの

周りにハローが現れる。このスポットから外側に広がったハローの幅を測定し,6.2.5 b)に規定する値

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に至ったことを確認した上で,メチレンブルー吸着量を求める。 

b) 比色法 比色法では,溶液中に残存したメチレンブルーの量を,吸光光度計を用いて測定する。加え

たメチレンブルーの総量から,残存したメチレンブルーの量を差し引くことで,試料のメチレンブル

ー吸着量を求める。 

試薬 

試薬は,次による。 

5.1 

水 JIS K 0557に規定するものを用いる。 

5.2 

メチレンブルー JIS K 8897に規定するものを用いる。 

5.3 

二りん酸ナトリウム十水和物 JIS K 8785に規定するものを用いる。 

測定方法 

6.1 

一般 

測定方法は,スポット法(3.6)又は比色法(3.7)のいずれかによる。 

なお,測定に共通な一般事項は,JIS K 0050及びJIS K 0115の規定による。 

6.2 

スポット法 

6.2.1 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。ろ紙上にスポット又はハローを作成する器具は,以下のk)〜n)のいずれか

一つでよい。 

a) 分析天びん 校正されたもの。最終的に得られる測定結果の正確さの程度に鑑み,ひょう量時の浮力

補正は行わないで,分析天びんの表示値を質量として取り扱ってよい。 

b) 乾燥器 メチレンブルー試薬及び測定試料を乾燥するために用いるものであり,110 ℃±5 ℃の温度

に調節できるもの。 

c) 平形はかり瓶 JIS R 3503に規定するもの。 

d) デシケーター JIS R 3503に規定するもの,又はこれと同等の機能をもつ容器。JIS Z 0701に規定す

る包装用シリカゲル乾燥剤A形1種を乾燥剤として入れたもの。 

e) コニカルビーカー又は三角フラスコ JIS R 3503に規定するコニカルビーカー(200 mL)又は三角フ

ラスコ(300 mL)。 

f) 

メスシリンダー JIS R 3505に規定する呼び容量50 mLのもの。 

g) 加熱器具 e)のコニカルビーカー又は三角フラスコの中の溶液を煮沸できるもの。 

h) 超音波洗浄器 周波数25 kHz〜30 kHz,出力150 W〜200 Wのもので,超音波によってコニカルビー

カー又は三角フラスコ中の,ベントナイトなどを分散できるもの。 

i) 

マグネチックスターラー及びかくはん子 e)のコニカルビーカー又は三角フラスコの中の溶液をかく

はんできるもの。 

j) 

ろ紙 JIS P 3801に指定する“3種”とし,質量140 g/m2程度で厚さ0.25 mm程度であり,粒子径3 μm

以上の粒子を保持できるもので,かつ,JIS P 3801に規定される方法によって測定したろ水時間が240

秒程度のもの。ろ紙の両面を比較したとき,密度がより低い面をおもてとする。 

k) ガラス棒 JIS R 3645に規定する,直径12 mm以下のもの。 

l) 

スポイト 少量の液体を吸い上げ,排出できるもの。容量1 mL〜2 mLであり,先端の内径が1.5 mm

〜2.0 mmのもの。 

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m) ピストン式ピペット JIS K 0970による。 

n) 駒込ピペット 容量1 mL〜5 mLであり,ゴム球を使って溶液の給排水ができるもの。 

o) 電動ピペット m)と同等の精度をもつ電動式のもの。 

p) 全量ピペット JIS R 3505に規定するもの。 

q) 自動ビュレット JIS R 3505に規定するもの。 

r) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するもの。 

s) 

定規 上位の長さ標準との比較によって0.5 mm又は1 mmの目盛の与えられているもの。 

t) 

ノギス JIS B 7507による。 

u) 時計皿 円形で僅かにくぼんだガラス製のもの。 

6.2.2 

溶液の調製 

溶液の調製は,次による。 

a) メチレンブルー溶液(0.01 mol/L) メチレンブルーの化学式はC16H18N3SCl・3H2Oであり,水分子の

数は理想的には3であるが,実際には周囲の湿度によって異なる。そのため,メチレンブルー溶液を

調製するときは毎回,メチレンブルーの水分定量を行う。 

1) メチレンブルー約1 gを,平形はかり瓶を用いて1 mgの桁までひょう量し,乾燥器を用いて110 ℃

±5 ℃で16時間以上72時間以内の範囲で,乾燥させる。  

2) 乾燥後,デシケーターに入れ,室温になるまで放冷する。乾燥後のメチレンブルーを1 mgの桁まで

ひょう量する。次の式(1)によって,メチレンブルー3.74 g相当量を求める。メチレンブルーの無水

物の式量は319.9である。 

S=(m1/m2)×3.199 ······································································ (1) 

ここに, 

S: 未乾燥メチレンブルーのメチレンブルー3.74 g相当量(g) 

m1: 乾燥前の質量(g) 

m2: 乾燥後の質量(g) 

3) 未乾燥メチレンブルーのメチレンブルー3.74 g相当量(S)を1 mgの桁まではかりとり,容量1 000 

mLの全量フラスコ内で水に溶解し,溶液のメニスカス下面が1 000 mLの標線に一致するよう水を

加える。 

b) 二りん酸ナトリウム溶液(20 g/L) 二りん酸ナトリウム十水和物33.6 g±0.1 gをひょう量後,容量

1 000 mLの全量フラスコ内で水に溶解し,溶液のメニスカス下面が1 000 mLの標線に一致するよう

水を加える。 

6.2.3 

試料の準備 

試料の準備は,次による。 

a) 試料は粉末状のものとし,粒度の調整は行わない。また,試料は,十分に混ぜて均質な状態にしたも

のとする。 

b) 未乾燥の試料を,トレイに薄く広げ,ひょう量を行う温湿度環境になじませる。 

c) b) によって準備した未乾燥試料から,メチレンブルー吸着量の測定に使う試料と含水比の測定に使う

試料とをはかりとる。はかりとる量は,乾燥試料0.5 gに相当する量とし,1 mgの桁までひょう量す

る。水分状態が不明な試料を扱う場合など,乾燥試料0.5 gに相当する量の予想が難しい場合には,0.55 

g〜0.60 gの範囲の量を1 mgの桁までひょう量する。 

注記 メチレンブルー吸着量の測定に使う試料の必要数は,6.2.7及び6.2.8での結果に依存するの

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で事前に予想することは難しいが,最低でも二つ必要である。 

d) 未乾燥試料の含水比を求める。 

空の平形はかり瓶の質量を,蓋をした状態で1 mgの桁までひょう量する。c) によってはかりとっ

た含水比測定用の未乾燥試料を,この平形はかり瓶に入れ,蓋をした状態で1 mgの桁までひょう量

する。試料は,平形はかり瓶内に薄く広げ,平形はかり瓶の蓋を外した状態で,乾燥器を用いて110 ℃

±5 ℃で2時間以上24時間以内の範囲で,乾燥させる。乾燥後,平形はかり瓶に蓋をしてデシケータ

ー内で,室温になるまで放冷する。乾燥後の試料の入った平形はかり瓶の質量を,蓋をした状態で1 mg

の桁まで読み取って,次の式(2)によって含水比を求める。 

w=(ma−mb)/(mb−mc)·································································· (2) 

ここに, 

w: 未乾燥試料の含水比 

ma: 未乾燥試料の入った平形はかり瓶の質量(g) 

mb: 乾燥試料の入った平形はかり瓶の質量(g) 

mc: 平形はかり瓶の質量(g) 

e) d) で求めた含水比を用いて,次の式(3)によって,c) で試験用にひょう量した未乾燥試料の質量を乾

燥試料の質量に換算する。 

mdry=mwet/(1+w) ········································································ (3) 

ここに, 

mwet: 未乾燥試料の質量(g) 

mdry: 乾燥試料の質量(g) 

6.2.4 

試料の分散 

試料の分散は,次の煮沸法又は超音波法のいずれかを用いる。 

a) 煮沸法 20 g/L二りん酸ナトリウム溶液50 mLをメスシリンダーを用いて採取し,コニカルビーカー

又は三角フラスコに入れ,次に6.2.3 c) でひょう量した未乾燥試料を入れる。20 g/L二りん酸ナトリ

ウム溶液と試料とが入ったコニカルビーカー又は三角フラスコの口に,時計皿を凸面を下にして置き,

突沸させずに10分間煮沸させる。煮沸開始時間は,コニカルビーカー又は三角フラスコ内にて全体に

気泡が発生し始めたときとする。煮沸状態は,沸騰によって溶液が跳ね上がって時計皿に届くことの

ない程度とする。10分間煮沸させた後,室温まで冷却する。このとき煮沸によって溶液の量が減少し,

二りん酸ナトリウムの濃度が増加することがある。その場合には,20 g/L 二りん酸ナトリウム溶液と

試料とが入ったコニカルビーカー又は三角フラスコの煮沸前後の質量を10 mgの桁までひょう量し,

煮沸によって失われた量の水を加える。 

b) 超音波法 20 g/L二りん酸ナトリウム溶液50 mLをメスシリンダーを用いて採取し,コニカルビーカ

ー又は三角フラスコに入れ,次に6.2.3 c) でひょう量した未乾燥試料を入れる。20 g/L二りん酸ナト

リウム溶液と試料とが入ったコニカルビーカー又は三角フラスコに対して,20分間超音波処理を行う。

超音波処理によって溶液の温度が上昇した場合には,超音波処理後に室温まで冷却する。 

c) a) 又はb) までの手順を終えた後,分散状態が変化する前に6.2.5の操作を開始する。 

6.2.5 

メチレンブルーの吸着 

メチレンブルーの吸着は,次による。 

a) 予想されるメチレンブルー吸着量の80 %に相当する量の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液を,6.2.4 a) 又

は6.2.4 b) で得られた分散溶液に加え,マグネチックスターラーによって2分間かくはんする。ただ

し,メチレンブルー吸着量の予想が難しい場合には,0.01 mol/Lメチレンブルー溶液20 mLを自動ビ

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ュレット,ピストン式ピペット,電動ピペット又は全量ピペットを用いて添加する。試料分散溶液と

0.01 mol/Lメチレンブルー溶液との混合液をかくはんしながら,ガラス棒,スポイト,ピストン式ピ

ペット又は駒込ピペットを用いて混合液の1滴を採取し,ろ紙のおもて面上に静かに置き,直径10 mm

程度のスポットを作成する。スポイト,ピストン式ピペット及び駒込ピペットを使用する場合,器具

をできるだけろ紙面に近づけて液を放出する。ガラス棒を使用する場合,ガラス棒の先端がろ紙に直

接触れないようにする。 

b) スポットの周囲にハローが認められない場合は,試料分散溶液と0.01 mol/Lメチレンブルー溶液との

混合液に0.01 mol/Lメチレンブルー溶液を自動ビュレット,ピストン式ピペット,電動ピペット又は

全量ピペットを用いて1 mL加え30秒かくはんした後,混合液の1滴をろ紙のおもて面上に置き,直

径10 mm程度のスポットを作成する。この操作を繰り返し,スポットの周囲にハローが現れたならば,

混合液を更に2分間かくはんした後,もう一度混合液の1滴をろ紙のおもて面上に置き,直径10 mm

程度のスポットを作成する。この追加の2分間かくはん後に作成したスポットの周りのハローの幅を,

定規,ノギスなどを用いて測定する。追加の2分間かくはん後に作成したスポットの周りに,初めて

1.5 mm以上の幅のハローが確認されるまで,同様の操作を繰り返す。 

なお,ハローの大部分が幅1.5 mmを超えたことをもって“初めて1.5 mm以上の幅”とする。 

6.2.6 

メチレンブルー吸着量の求め方 

追加の2分間かくはん後に初めて1.5 mm以上の幅のハローが確認されたとき,次の式(4)の計算値をベ

ントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量とする。小数点第二位を四捨五入し,測定値とする。 

Qs=vMB/mdry ·············································································· (4) 

ここに, 

Qs: スポット法によるベントナイトなど100 g当たりのメチレン

ブルー吸着量(mmol) 

vMB: ハロー幅1.5 mmの時の0.01 mol/L メチレンブルー溶液の合

計添加量(mL) 

mdry: 6.2.3 e) で求めた乾燥試料の質量(g) 

6.2.7 

最初に加えたメチレンブルー溶液の量の妥当性確認 

1回目の測定を行ったとき,6.2.5 a)で最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量が,ハロー幅1.5 

mmの時の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量の65 %〜85 %の範囲内に入るか否かを確認する。

ハロー幅1.5 mmの時の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量の65 %〜85 %の範囲内に入らなかっ

た場合は,この測定値を採用しない。最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量を,ハロー幅1.5 mm

の時の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量の65 %〜85 %の範囲に入るように設定して,改めて

6.2.4からの操作を行う。最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量が,ハロー幅1.5 mmの時の0.01 

mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量の65 %〜85 %の範囲内に再度入らなかった場合は,範囲内に入る

まで6.2.4からの操作を行う。6.2.7の操作を行う際に,6.2.3 c) によってはかりとった未乾燥試料の数が足

りなくなった場合は,6.2.3の操作を行う。 

6.2.8 

測定回数 

6.2.7において,6.2.5 a)で最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量がハロー幅1.5 mmの時の0.01 

mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量の65 %〜85 %の範囲内に入ることを確認できたならば,その設定

の下,同一の試験室,同一の装置及び器具を用いて,2回目の測定を行う。2回の測定値の差が,ベントナ

イトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量として5 mmol以内のときには,2回の測定値の算術平均値

の小数点第一位を四捨五入し,整数値を測定結果とする。2回の測定値の差が,5 mmolを超えるときには

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3回目の測定を行い,3回目の測定値が1回目又は2回目のいずれか近い方の測定値の±5 mmolの幅に収

まれば,その2点の算術平均値の小数点第一位を四捨五入し,整数値を測定結果として採用する。±5 mmol

の幅に収まらなかった場合には,ここまでの測定値は棄却し,6.2.4からやり直す。6.2.8の操作を行う際

に,6.2.3 c) によってはかりとった未乾燥試料の数が足りなくなった場合は6.2.3の操作を行う。 

6.3 

比色法 

6.3.1 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

a) 分析天びん 6.2.1 a)による。 

b) 乾燥器 6.2.1 b)による。 

c) 平形はかり瓶 6.2.1 c)による。 

d) デシケーター 6.2.1 d)による。 

e) コニカルビーカー又は三角フラスコ 6.2.1 e)による。 

f) 

メスシリンダー 6.2.1 f)による。メチレンブルー溶液を扱う場合には,プラスチック製のもの。 

g) 加熱器具 6.2.1 g)による。 

h) 超音波洗浄器 6.2.1 h)による。 

i) 

マグネチックスターラー及びかくはん子 6.2.1 i)による。 

j) 

ピストン式ピペット 6.2.1 m)による。 

k) 電動ピペット 6.2.1 o)による。 

l) 

全量ピペット 6.2.1 p)による。 

m) 時計皿 6.2.1 u)による。 

n) シリンジ 液体を吸引又は放出できる注射器の筒であり,プラスチック製のもの。 

o) シリンジフィルター フィルター孔径が0.20 μm〜0.22 μmのもの。n)のシリンジに装着し,ろ過のた

めに使用できるもの。 

p) 自動ビュレット 6.2.1 q)による。 

q) 全量フラスコ 6.2.1 r)による。6.3.5 d)のろ過後の希釈,及び6.3.6の検量線用標準液の調製には,プ

ラスチック製のものを用いる。 

r) 吸光光度計 JIS K 0115に規定する分光光度計。664 nmの波長の光を溶液試料に当て,吸光度を測定

することによって,メチレンブルー溶液の濃度を測定することができるもの。 

s) 

セル メチレンブルー溶液を入れて吸光度を測定するために用いる容器で,光路長が10 mmのもの。 

6.3.2 

溶液の調製 

溶液の調製は,6.2.2による。ただし,ひょう量は0.1 mgの桁まで行う。 

6.3.3 

試料の準備 

試料の準備は6.2.3による。ただし,ひょう量は0.1 mgの桁まで行う。 

6.3.4 

試料の分散 

a) 試料の分散は6.2.4による。 

b) 6.2.4 a)又は6.2.4 b)までの手順を終えた後,分散状態が変化する前に6.3.5の操作を開始する。 

6.3.5 

メチレンブルーの吸着 

メチレンブルーの吸着は,次による。 

a) 予想されるメチレンブルー吸着量の120 %に相当する量の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液を,6.3.4で

得られた試料分散溶液に加え,マグネチックスターラーによって30分間かくはんする。ただし,メチ

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レンブルー吸着量の予想が難しい場合には,0.01 mol/Lメチレンブルー溶液75 mLを自動ビュレット,

ピストン式ピペット,電動ピペット又は全量ピペットを用いて添加する。 

b) 30分かくはん後,試料とメチレンブルーとの混合液から3 mL〜4 mLをシリンジによって採取する。

シリンジが三角フラスコに入らないなど混合液を直接シリンジによって採取できない場合は,スポイ

トなどによって混合液をシリンジに移す。 

c) シリンジに採取した混合液を,孔径0.20 μm〜0.22 μmのシリンジフィルターによってろ過する。ただ

し,シリンジフィルターから放出されるろ液のうち,フィルターへのメチレンブルー吸着が顕著とな

る最初の3滴以上のろ液を廃棄し,廃棄後に同じシリンジフィルターを用いて得られたろ液だけをd) 

で用いる。 

d) 得られたろ液から適量をピストン式ピペット,電動ピペット又は全量ピペットによって採取し,採取

した体積を記録した上で,プラスチック製の全量フラスコに入れて,溶液のメニスカス下面が標線に

一致するよう水を加え,ろ液を希釈する。 

6.3.6 

検量線用標準液の調製 

6.3.2によって調製した0.01 mol/Lメチレンブルー溶液を,プラスチック製の全量フラスコを用いて水で

希釈し,1 μmol/L,3 μmol/L及び5 μmol/Lの各標準液を調製する。別途,各標準液の調製に用いた水から

なるブランク(0 μmol/Lとなる標準液)を用意しておく。希釈溶媒として20 g/Lの二りん酸ナトリウム溶

液を用いてもよい。 

6.3.7 

吸光度測定 

6.3.6によって調製した1 μmol/L,3 μmol/L及び5 μmol/Lの各メチレンブルー標準液,ブランク,並びに

6.3.5 d) によって調製したろ液の希釈溶液について,それらの一部を順次セルにとり,波長664 nmの吸光

度を測定する。各標準液とブランクとの濃度及び吸光度によって,検量線を作成する。検量線とろ液の希

釈溶液の吸光度とから,ろ液の希釈溶液のメチレンブルー濃度を求める。ろ液の希釈溶液のメチレンブル

ー濃度が5 μmol/L以上である場合,5 μmol/L以内になるようにその希釈溶液を更に希釈し,再度吸光度を

測定する。 

6.3.8 

メチレンブルー吸着量の求め方 

メチレンブルー吸着量の求め方は,次による。 

a) 次の式(5)によって,ろ液のメチレンブルー濃度を求める。 

cf=cd×(va/vd) ············································································ (5) 

ここに, 

cf: ろ液のメチレンブルー濃度(mmol/L) 

cd: ろ液の希釈溶液のメチレンブルー濃度(mmol/L) 

va: 6.3.5 d) で用いた全量フラスコの体積(mL) 

vd: 6.3.5 d) で用いたろ液の体積(mL) 

ただし,6.3.7で,希釈溶液を追加で希釈した場合は,その希釈割合も考慮する。 

b) 次の式(6)によって,ろ液のメチレンブルー濃度から未吸着メチレンブルー量を求める。 

q1=cf×(vMB+vp)/1 000 ································································ (6) 

ここに, 

q1: 未吸着メチレンブルー量(mmol) 

cf: a) で求めたろ液のメチレンブルー濃度(mmol/L) 

vMB: 6.3.5 a) で添加したメチレンブルー溶液の体積(mL) 

vp: 6.3.4 a) で用いた20 g/L二りん酸ナトリウム溶液の体積(mL) 

Z 2451:2019  

c) 次の式(7)によって,6.3.5 a) で添加したメチレンブルー量を求める。 

q2=cMB×vMB/1 000 ····································································· (7) 

ここに, 

q2: 6.3.5 a) で添加したメチレンブルー量(mmol) 

cMB: 6.3.2 によって調製したメチレンブルー濃度(mmol/L) 

vMB: 6.3.5 a) で添加したメチレンブルー溶液の体積(mL) 

d) 次の式(8)によって,ベントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量を計算する。メチレンブ

ルー吸着量は小数点第二位を四捨五入して小数点第一位まで求めて測定値とする。 

Qc=(q2−q1)×100/mdry ································································· (8) 

ここに, 

Qc: 比色法によるベントナイトなど100 g当たりのメチレンブル

ー吸着量(mmol) 

q2: c) で求めた添加メチレンブルー量(mmol) 

q1: b) で求めた未吸着メチレンブルー量(mmol) 

mdry: 6.3.3ではかりとった未乾燥試料から換算される乾燥試料の

質量(g) 

6.3.9 

最初に加えたメチレンブルー溶液の量の妥当性確認 

1回目の測定で得られたメチレンブルー吸着量が,6.3.5 a) によって予想したメチレンブルー吸着量の

95 %〜105 %の範囲内に入るか否かを確認する。95 %〜105 %の範囲内に入らなかった場合は,測定値を採

用しない。6.3.5 a)で最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量を,1回目の測定で得られたメチレ

ンブルー吸着量の120 %に相当する量に設定して,改めて6.3.4からの操作を行う。得られたメチレンブル

ー吸着量が,1回目の測定で得られたメチレンブルー吸着量の95 %〜105 %の範囲内に入らなかった場合

は,6.3.5 a)で最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量を再設定して改めて6.3.4から行う。以降

の測定において,6.3.5 a)で最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量は,その前の測定で得られた

メチレンブルー吸着量の120 %に相当する量に設定する。測定で得られたメチレンブルー吸着量が,その

前の測定で得られたメチレンブルー吸着量の95 %〜105 %の範囲内に入るまで,測定を繰り返す。この操

作を行う際に,6.3.3によってはかりとった未乾燥試料の数が足りなくなった場合は,6.3.3の操作を行う。 

6.3.10 測定回数 

6.3.9 において,得られたメチレンブルー吸着量が,その前の測定で得られたメチレンブルー吸着量又は

6.3.5 a) によって予想したメチレンブルー吸着量の95 %〜105 %の範囲内に入ることを確認できたならば,

最後の結果を1回目の測定値として,その設定の下,同一の試験室,同一の装置及び器具を用いて,6.3.4

から2回目の測定を行う。2回の測定値の差が,ベントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量と

して5 mmol以内のときには,2回の測定値の算術平均値の小数点第一位を四捨五入し,整数値を測定結果

とする。2回の測定値の差が,5 mmolを超えるときには3回目の測定を行い,3回目の測定値が1回目又

は2回目のいずれか近い方の測定値の±5 mmolの幅に収まれば,その2点の算術平均値の小数点第一位を

四捨五入し,整数値を測定結果として採用する。±5 mmolの幅に収まらなかった場合には,ここまでの測

定値は棄却し,6.3.4からやり直す。6.3.10の操作を行う際に,6.3.3によってはかりとった未乾燥試料の数

が足りなくなった場合は6.3.3の操作を行う。 

記録 

測定結果を報告する際には,次に規定する事項を記録する。附属書A及び附属書Bに測定例とともに記

10 

Z 2451:2019  

  

録の例を示す。 

a) この規格の規格番号 

b) 測定方法:スポット法又は比色法 

c) 測定実施日 

d) 試料名 

e) 分散方法 

f) 

スポット法の場合はろ紙の製造業者名及び型番,比色法の場合はセルの材質 

g) 全ての測定値及び測定結果 

h) 測定実施者 

i) 

測定環境(温度,湿度) 

j) 

全ての測定値について6.2.5 a)又は6.3.5 a)で最初に加えた0.01 mmol/Lメチレンブルー溶液の量。スポ

ット法の場合は,ハロー幅1.5 mmの時の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量に対する6.2.5 a)

で最初に加えた0.01 mmol/Lメチレンブルー溶液の量の割合。比色法の場合は,一つ前の測定で得ら

れた吸着量又は吸着量の予想値に対する得られたメチレンブルー吸着量の割合。 

k) その他特記すべき事項 

background image

11 

Z 2451:2019  

附属書A 

(参考) 

測定例(スポット法) 

A.1 試験試料のひょう量[所要時間:ひょう量全体で210分] 

試験試料のひょう量は,次のように行った。 

a) 試験試料の準備 試料の準備は次による。 

1) 試験試料は,1 kg,ビニール袋入り(ABC社製,製品ロット番号XYZ-1)。 

2) 試料全てを清浄な包装紙(A3用紙2枚分程度)に山盛りにして移し,上から定規で半割にし,十字

に4等分となるように更に定規で半割にした。4分割したそれぞれの試料を清浄なA3用紙(4枚)

に移し,再度包装紙の上に山盛りとなるように4分割した試料を順に盛った。この操作を3回繰り

返した後,再度ビニール袋に入れ,均質化した試料とした。 

3) 均質化した試料から約50 gをはかりとり,平たいステンレス製トレー(30 cm×30 cm)に薄く敷き,

温湿度環境になじませた。 

4) 3)の試料から,メチレンブルー吸着量の測定に使用する試料(4個)と含水比の測定に使用する試

料(1個)とをはかりとった。乾燥試料0.5 gに相当する量の予想が難しかったため,約0.58 gを薬

包紙を用いて1 mgの桁までひょう量した。含水比の測定に使用する分については,速やかにb)の

測定に用い,メチレンブルー吸着量の測定に使用する分については,ひょう量後そのまま薬包紙に

包んで保管した。ひょう量の結果は,含水比測定用0.581 g,メチレンブルー吸着量測定用0.582 g,

0.579 g,0.581 g,0.580 gであった(表A.1参照)。 

b) 含水比測定[所要時間:含水比測定で182分] 含水比の測定は,次による(表A.1参照)。 

1) 容量10 mLの平形はかり瓶を用い(風袋の質量mc 24.364 g),a) 4)によってひょう量した含水比の

測定に使用する試料を入れひょう量した(全体の質量ma 24.945 g)。 

2) 110 ℃の乾燥器に入れてから2時間後にデシケーターへ移し,室温になるまで1時間放冷後,ひょ

う量した(全体の質量mb 24.872 g)。 

3) 1)及び2)結果から,6.2.3 d)の式(2)を用いて計算した,含水比(w)は0.144であった。 

c) メチレンブルー吸着試験用試料の質量 a) 4)及びb) 3)によって得られたデータから,6.2.3 e)の式(3)

によって計算した乾燥換算質量を表A.1に示す。 

表A.1−未乾燥試料質量及び含水比から計算した乾燥換算質量 

区分 

未乾燥試料質量 

含水比 

乾燥換算質量 

含水比測定用 

0.581 

0.144 

0.508 

1回目の試験用 

0.582 

0.144 

0.509 

2回目の試験用 

0.579 

0.144 

0.506 

3回目の試験用 

0.581 

0.144 

0.508 

未使用 

0.580 

0.144 

0.507 

A.2 試料の分散[所要時間:60分] 

試験試料の分散は,煮沸法によって行った。 

12 

Z 2451:2019  

  

a) 20 g/L二りん酸ナトリウム溶液50 mLを50 mLのメスシリンダーを用いて採取し,200 mL容量のコ

ニカルビーカーに入れた。 

b) 次にA.1 a)によってひょう量した未乾燥試料(0.582 g)をそのコニカルビーカーに入れ,試料,20 g/L

二りん酸ナトリウム溶液及びコニカルビーカーを合わせた質量を量った(152.901 g)。 

c) ホットプレートを200 ℃に設定し,試料及び20 g/L二りん酸ナトリウム溶液が入ったコニカルビーカ

ーを載せ,コニカルビーカーの口に時計皿を凸面を下にして置いた。約10分後に煮沸が始まったため,

その時点から10分間煮沸を続けた。10分間煮沸させた後,コニカルビーカーをホットプレートから

降ろし,約30分間放冷した。放冷後に時計皿を除き,再度,試料,20 g/L二りん酸ナトリウム溶液及

びコニカルビーカーを合わせた質量をはかり(145.392 g),煮沸後の質量の減少分の水(約7.5 g)を

加えた。 

A.3 メチレンブルーの吸着[所要時間:1回実施30分] 

メチレンブルーの吸着は,次のように行った。 

a) メチレンブルー吸着量の予想が難しかったため,A.2 c)で得られた分散溶液に0.01 mol/Lメチレンブル

ー溶液20 mLを自動ビュレットを用いて添加し,2分間かくはんした。 

b) a)によって調製した混合液をかくはんしながら,ピストン式ピペット(10 μL〜100 μL容量可変タイプ)

を用いて混合液を45 μL採取した後,ろ紙のおもて面上に静かに置き,直径10 mm程度のスポットを

作成した。ろ紙はJIS P 3801に規定する“3種”のものを用い,ろ紙が入っている箱を開けた際の上

面をおもて面とした(製造業者指定)。 

c) a)によって調製した混合液に0.01 mol/Lメチレンブルー溶液1 mLを自動ビュレットを用いて加え30

秒かくはんした後,ピストン式ピペットによって採取した混合液45 μLをろ紙のおもて面上に置き,

直径10 mm程度のスポットを作成した。 

d) スポットの周りにハローが認められるまでc)の操作を繰り返した。ハローが見られ始めたのは0.01 

mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量が35 mLのときであった。したがって,ハロー幅1.5 mmの時

の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量は35 mLより大きい量ということになり,最初に加え

た0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量(20 mL)がハロー幅1.5 mmの時の0.01 mol/Lメチレンブルー

溶液の合計添加量の65 %〜85 %に入らないため,6.2.7の規定によって,この試験の結果は採用でき

ない。しかし,次の試験を行う際の最初に加えるメチレンブルー溶液の量をより正確に見積もるため,

最後まで試験を行い以下のメチレンブルー吸着量を求めた。スポットの周囲にハローが現れたので,

混合液を2分間かくはんした後,もう一度ピストン式ピペットによって採取した混合液45 μLをろ紙

のおもて面上に置き,直径10 mm程度のスポットを作成した。この追加の2分間かくはんの後に作成

したスポットの周りのハローの幅を,定規を用いて確認した。 

e) 追加の2分間かくはんの後に作成したスポットの周りに,初めてハローの大部分が幅1.5 mm以上と

なることが確認されるまで,同様の操作を繰り返した。0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の添加量の合

計が41 mLのとき,初めてハローの大部分が幅1.5 mm以上となった。このときのろ紙上に記録した

測定のイラスト図を図A.1に示す。 

background image

13 

Z 2451:2019  

注記 スポットの横の数字は添加したメチレンブルー溶液の総量(mL)を示す。追加の2分かくはん後

のスポットには総添加量を示す数字にダッシュを付けた。 

図A.1−ろ紙上に記録した測定のイラスト図 

A.4 妥当性の確認[所要時間:試験2回にて180分] 

A.3 a)で最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量の妥当性の確認を,次のように行った。 

a) 1回目の測定を行ったとき,A.3 a)で最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量が,ハロー幅1.5 

mmの時の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量の65 %〜85 %の範囲内に入るか否かを確認し

た。A.3 a)で最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量が20 mLであり,ハロー幅1.5 mmの時

の0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の合計添加量(以下vMBとする。)は41 mLであったことから,初期

添加量は次の式のようにvMBの48.8 %であり,65 %〜85 %の範囲内に入っていなかった。 

41

20

488

.0

=

なお,このときのベントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量は,6.2.6の式(4)によって,

次の式のように80.6 mmolと計算された。 

509

.0

41

6.

80≈

b) 初期添加量がvMBの65 %〜85 %の範囲内に入らなかったため,その範囲に入るように初期添加量を,

得られたメチレンブルー吸着量の約75 %として次の式で計算し,31 mLを得た。 

506

.0

75

.0

6.

80

31

×

×

=

この結果から,初期添加量を31 mLと設定して,2回目の試験を行った。その際のベントナイトな

どの乾燥換算質量は0.506 g,vMBは46 mLであったことから,初期添加量は,次の式のようにvMBの

67.4 %であり,65 %〜85 %の範囲内に入っていることが確認された。 

14 

Z 2451:2019  

  

46

31

674

.0

=

このときのベントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量は,6.2.6の式(4)によって,次の

ように90.9 mmolと計算された。 

506

.0

46

9.

90=

以上の試験によって,この試料のメチレンブルー吸着量を測定するときの初期添加量は31 mLとす

ることに設定した。 

A.5 測定回数[所要時間:試験2回にて180分] 

a) 3回目の試験は,最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量を,31 mL[A.4 b)参照]とした。

その際のベントナイトの乾燥換算質量は0.508 g,vMBは43 mLであったことから,初期添加量は,vMB

の72.1 %であり,65 %〜85 %の範囲内に入っていることが確認された。計算式を次に示す。 

43

31

721

.0

=

ベントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量は,6.2.6の式(4)によって,次のように84.6 

mmolと計算された。 

508

.0

43

6.

84≈

b) しかし,3回目の100 g当たりのメチレンブルー吸着量84.6 mmolは,2回目のメチレンブルー吸着量

90.9 mmolと6.3 mmolの差があるため,4回目の測定を行った。 

c) 4回目の試験では,最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量を31 mL[A.4 b)参照]とした。

その際のベントナイトの乾燥換算質量は0.507 g,vMBは45 mLであることから,100 g当たりのメチレ

ンブルー吸着量は,6.2.6の式(4)によって次のように計算し,88.8 mmolであった。 

507

.0

45

8.

88≈

初期添加量は,次の式のようにvMBの68.9 %であることから,65 %〜85 %の範囲内に入っているこ

とが確認された。 

45

31

689

.0

=

d) 4回目の測定値は,2回目の測定値との差が5 mmol以内であったことから,2回目及び4回目のベン

トナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量90.9 mmol及び88.8 mmolによって,2回目と4回

目との算術平均値 89.85 mmolの小数第一位を四捨五入し90 mmolを測定結果として採用した。 

15 

Z 2451:2019  

A.6 結果の記録 

上記の測定例の場合の記録は,例えば次のとおりである。 

a) この規格の規格番号:JIS Z 2451:2019 

b) 測定方法:スポット法 

c) 測定実施日:2018年5月23日 

d) 試料名:ABC社製,製品ロット番号XYZ-1 

e) 分散方法:煮沸法 

f) 

ろ紙の製造業者名及び型番: 

g) 測定値: 1回目:80.6 mmol,2回目:90.9 mmol,3回目:84.6 mmol,4回目:88.8 mmol 

測定結果(2回目と4回目との測定値の平均値):90 mmol 

h) 測定実施者:山田太郎 

i) 

測定環境:温度24.3 ℃,湿度35 %(試料はかりとり時) 

:温度24.8 ℃,湿度39 %(メチレンブルー吸着時) 

j) 

最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量と得られた測定値に対するその量との割合 

1回目(20 mL,48.8 %) 棄却 

2回目(31 mL,67.4 %) 採用 

3回目(31 mL,72.1 %) 棄却 

4回目(31 mL.68.9 %) 採用 

k) その他特記すべき事項: なし 

background image

16 

Z 2451:2019  

  

附属書B 

(参考) 

測定例(比色法) 

B.1 

試験試料のひょう量[所要時間:ひょう量全体で197分] 

試験試料のひょう量は,次のように行った。 

a) 試験試料の準備 試料の準備は,次による。 

1) 試験試料は,1 kg,ビニール袋入り(DEF社製,製品ロット番号PQR-1)。 

2) 4 Lの清浄なポリプロピレン製容器に全ての試料を入れ,蓋を閉めた後50回程度振ることによって

均質化した。 

3) 均質化を行った試料から約50 gをはかりとり,清浄な平たいステンレス製トレー(30 cm×30 cm)

に薄く敷き,試験室の温湿度環境になじませた。 

4) 3)の試料から,メチレンブルー吸着量の測定に使用する試料(4個)と含水比の測定に使用する試

料(1個)とをはかりとった。乾燥試料0.5 gに相当する未乾燥試料約0.57 gを薬包紙を用いて0.1 mg

の桁までひょう量した。含水比の測定に使用する試料については,速やかにb)の測定に用い,メチ

レンブルー吸着量の測定に使用する試料については,ひょう量後そのまま薬包紙に包んで保管した。

ひょう量の結果は,含水比測定用0.570 4 g,メチレンブルー吸着量測定用0.569 7 g,0.572 1 g,0.571 4 

g,0.570 6 gであった。 

b) 含水比測定[所要時間:含水比測定で182分] 含水比の測定は,次による。 

1) 容量10 mLの平形はかり瓶を用い(風袋の質量mc 24.357 0 g),a)にてひょう量した含水比の測定に

使用する試料を入れひょう量した(全体の質量ma 24.927 3 g)。 

2) 110 ℃の乾燥器に入れてから2時間後にデシケーターへ移し,室温になるまで1時間放冷後,ひょ

う量した(全体の質量mb 24.857 4 g)。 

3) 2)の結果から,6.2.3 d)の式(2)を用いて計算した,含水比(w)は0.139 7であった。 

c) メチレンブルー吸着試験用試料の質量 a) 4)及びb) 3)にて得られたデータから6.2.3 e)の式(3)によっ

て計算した乾燥換算質量を表B.1に示す。 

表B.1−未乾燥試料質量と含水比から計算した乾燥換算質量 

区分 

未乾燥試料質量 

含水比 

乾燥換算質量 

含水比測定用 

0.570 4 

0.139 7 

0.500 5 

1回目の試験用 

0.569 7 

0.139 7 

0.499 9 

2回目の試験用 

0.572 1 

0.139 7 

0.502 0 

3回目の試験用 

0.571 4 

0.139 7 

0.501 4 

4回目の試験用 

0.570 6 

0.139 7 

0.500 7 

B.2 

試料の分散[所要時間:40分] 

試験試料の分散は,超音波法によって行った。 

a) 20 g/L二りん酸ナトリウム溶液50 mLを50 mLメスシリンダーを用いて採取し,200 mL容量のコニ

カルビーカーに入れた。 

17 

Z 2451:2019  

b) B.1 a) 4)にてひょう量した未乾燥試料(0.569 7 g)をそのコニカルビーカーに入れた。 

c) 試料と20 g/L二りん酸ナトリウム溶液が入ったコニカルビーカーを,超音波分散器に入れ,波長26 

kHz,出力200 Wにて,20分間超音波処理を行った。コニカルビーカーを超音波分散器から取り出し,

約5分間放冷した。 

B.3 

検量線用標準液の調製[所要時間:40分] 

0.01 mol/Lメチレンブルー溶液を水で希釈して,1 μmol/L,3 μmol/L,及び5 μmol/Lの標準液を調製した。

このときの希釈倍率は,調製に用いた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液と水との体積によって計算できるが,

調製に用いた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液と水との質量によって計算する方がより正確である。この附

属書では,質量によって計算した例を記す。下記のように,1 mLのような小容量の体積採取による体積に

基づく希釈では,数%の偏差が生じる危険性があり注意を要する。 

a) 1 μmol/Lの標準液の調製について次に記す。0.01 mol/L メチレンブルー溶液1 mLをピストン式ピペ

ットにて採取し,ポリプロピレン製の100 mL全量フラスコに入れた後(0.01 mol/Lメチレンブルー溶

液の質量は1.042 2 g),水を加え100 mLに希釈し(水の質量は99.329 5 g),よくかくはん混合した。 

b) a)で調製したメチレンブルー希釈溶液1 mLをピストン式ピペットにて採取し,ポリプロピレン製の

100 mL全量フラスコに入れた後(メチレンブルー希釈溶液の質量は1.008 3 g),水を加え100 mLに

希釈し(水の質量は98.981 6 g),よくかくはん混合した。 

c) 水の密度を0.998 g/mL(水温20.9 ℃)とすると,0.01 mol/Lのメチレンブルー溶液の密度は1.001 g/mL

となる。このような計算は厳密にはできないが,概略の密度を得ることができる(類似箇所で同様)。

計算式を次に示す。 

000

1

199

.3

000

1

998

.0

2

001

.1

+

×

=

a)で得られた100倍希釈溶液の密度は次の式で計算し0.998 g/mLであった。 

998

.0

/

5

329

.

99

001

.1/

2

042

.1

5

329

.

99

2

042

.1

0

998

.0

+

+

=

a)の体積に基づく希釈倍率は次の式で計算し97倍となる。 

001

.1/

2

042

.1

998

.0

/

5

329

.

99

001

.1/

2

042

.1

59

.

96

+

=

b)の体積に基づく希釈倍率は次の式で計算し99倍であった。 

998

.0

/3

008

.1

998

.0

/

6

981

.

98

998

.0

/3

008

.1

17

.

99

+

=

1 μmol/L標準溶液の調製における0.01 mol/L メチレンブルー溶液の体積に基づく希釈倍率は次の式

で計算し957 9倍となった。 

17

.

99

59

.

96

579

9

×

=

d) 1 μmol/L標準液の作成と同様の方法によって3 μmol/L標準液及び5 μmol/L標準液を作成した。これら

18 

Z 2451:2019  

  

の標準液の作成における0.01 mol/L メチレンブルー溶液の体積に基づく希釈倍率はそれぞれ3 314倍,

1 964倍となった。 

e) 以上の結果から,検量線用標準液の濃度はそれぞれ,1.044 μmol/L,3.018 μmol/L,5.092 μmol/Lと計

算された。計算式を次に示す。 

579

9

000

10

044

.1

=

314

3

000

10

018

.3

=

964

1

000

10

092

.5

=

B.4 

メチレンブルーの吸着[所要時間:180分] 

メチレンブルーの吸着は,次のように行った。c)及びe)におけるろ液の希釈倍率は,希釈に用いたろ液

の体積と水の体積とによって計算できるが,希釈に用いたろ液の質量と水の質量とによって計算する方が

正確である。この附属書では,質量によって計算した例を記す。 

a) メチレンブルー吸着量の予想が難しかったため,試料分散溶液に最初に加える0.01 mol/Lメチレンブ

ルー溶液の量を,75 mLとした。B.2で得られた試料分散溶液に0.01 mol/Lメチレンブルー溶液75 mL

を自動ビュレットを用いて添加し,30分間かくはんした。 

このときのベントナイトなどの100 g当たりのメチレンブルー吸着量の予測値は,使用した未乾燥

料(0.569 7 g)の乾燥換算質量が0.499 9 gであることから,150 mmol(75/0.499 9)である。 

b) 30分間かくはん後,試料とメチレンブルーとの混合液から3 mL〜4 mLをシリンジによって採取し,

孔径0.20 μmのシリンジフィルターによってろ過した。シリンジフィルターから放出されるろ液のう

ち,最初の5滴のろ液を廃棄した後,同じシリンジフィルターにてろ過をして,ろ液約2 mLを得た。 

c) 得られたろ液からピストン式ピペットにて1 mL採取し,ポリプロピレン製の100 mL全量フラスコに

入れた後(ろ液の質量は1.038 2 g),水を加えろ液を100 mLに希釈した(水の質量は99.548 1 g)。ろ

液の密度(溶液温度21.0 ℃)は,次の式によって計算し,およそ1.008 g/mLとなる。 

50

75

018

.1

50

001

.1

75

008

.1

+

×

+

×

=

このときの,20 g/L二りん酸ナトリウム溶液の密度は次の式で計算し1.018とした。 

000

1

0.

20

000

1

998

.0

018

.1

+

×

=

希釈倍率は次の式で計算し98倍である。 

008

.1/

2

038

.1

998

.0

/1

548

.

99

008

.1/

2

038

.1

85

.

97

+

=

d) B.3で調製した各検量線用標準液,ブランク(0 μmol/Lとなる標準液),及びc)で得られたろ液の希釈

溶液の吸光度を,吸光光度計によって測定した。セルは石英セル(光路長10 mm)を用いた。ブラン

background image

19 

Z 2451:2019  

クの吸光度は0.000,検量線用標準液の吸光度は1.044 μmol/Lの溶液が0.099,3.018 μmol/Lの溶液が

0.266,5.092 μmol/Lの溶液が0.451であり,ブランク及び各標準液の吸光度から得られた検量線を図

B.1に示す。回帰分析によれば,濃度(x)と吸光度(y)の関係式は,y=0.088 2x+0.002 7であり,

R2=0.999 7であった。 

e) c)で得られたろ液の希釈溶液の吸光度は1.982 6であり,5 μmol/L標準液の吸光度を超えていたため,

c)で得られた希釈溶液を更に5倍希釈した。c)で得られた希釈溶液をピストン式ピペットにて20 mL

(20.011 7 g)採取し,ポリプロピレン製の100 mL全量フラスコに入れた後,水を加えた(水の質量

は79.930 4 g)。c)で得られた希釈溶液の密度は次の式によって0.998 g/mLとなり,水の密度とほぼ同

じである。 

998

.0

/1

548

.

99

008

.1/

2

038

.1

1

548

.

99

2

038

.1

1

998

.0

+

+

=

希釈倍率は次の式で計算し4.994倍である。 

998

.0

/

7

011

.

20

998

.0

/

4

930

.

79

998

.0

/

7

011

.

20

994

.4

+

=

f) 

e)で得られた希釈溶液の吸光度は0.401 6であり,メチレンブルー濃度は次の式で計算し4.523 μmol/L

と求められた。 

2

088

.0

7

002

.0

6

401

.0

523

.4

=

0.000

0.050

0.100

0.150

0.200

0.250

0.300

0.350

0.400

0.450

0.500

0

1

2

3

4

5

6

濃度/μmol/L

y = 0.088 2x + 0.002 7 
R2 = 0.999 7 

図B.1−メチレンブルー溶液における濃度と吸光度との関係 

g) ろ液のメチレンブルー濃度は2 210 μmol/L(4.523×97.85×4.994)と計算された。未吸着メチレンブル

ー量は次の式で0.276 3 mmolと計算された。 

000

1

)

50

75

(

210

.2

3

276

.0

+

×

=

20 

Z 2451:2019  

  

一方で,添加したメチレンブルー量は0.750 0 mmol(10×75/1 000=0.75)である。以上の結果から,

この試料の100g当たりのメチレンブルー吸着量は次の式で計算し94.76 mmolとなった。 

9

499

.0

100

)3

276

.0

0

750

.0(

76

.

94

×

=

B.5 

妥当性の確認 

a) B.4 g)で得られたメチレンブルー吸着量が,B.4 a)におけるメチレンブルー吸着量の予想値の95 %〜

105 %の範囲内に入るか否かを確認した。B.4 g)で得られたメチレンブルー吸着量が94.76 mmol,B.4 a)

におけるメチレンブルー吸着量の予想値は150 mmol[B.4 a)参照]であることから,(94.76/150)×100

=63.17となり,95 %〜105 %の範囲内に入っていなかった。 

b) B.4 g)で得られたメチレンブルー吸着量が,B.4 a)におけるメチレンブルー吸着量の予想値の95 %〜

105 %の範囲内に入らなかったため,その範囲に入るように最初に加える0.01 mol/Lメチレンブルー

溶液の量を,B.4 g)で得られたメチレンブルー吸着量の約120 %である57 mLと設定して,2回目の試

験を行った。計算式を次に示す。 

0

502

.0

2.1

76

.

94

08

.

57

×

×

=

2回目の測定のベントナイトの乾燥換算質量は0.502 0 g,得られたメチレンブルー吸着量は,93.28 

mmolとなった。2回目の測定で得られたメチレンブルー吸着量(93.28 mmol)は,1回目の測定で得

られたメチレンブルー吸着量(94.76 mmol)の98.44 %となり,95 %〜105 %の範囲内に入っていた。

計算式を次に示す。 

100

76

.

94

28

.

93

44

.

98

×

=

B.6 

測定回数[所要時間:試験2回にて200分] 

a) B.5 b)で得られたメチレンブルー吸着量が,B.4 g)で得られたメチレンブルー吸着量の95 %〜105 %の

範囲内に入ることを確認できたので,その設定の下,同一の試験室,同一の試験用装置及び器具を用

いて,B.2から3回目の測定を行った(ただしB.3は1回目と共通)。B.2で得られた試料分散溶液に

0.01 mol/Lメチレンブルー溶液57 mLを自動ビュレットを用いて添加し,30分間かくはんした。 

b) B.4のb)〜g)と同様の操作を行い,3回目の測定における100 g当たりのメチレンブルー吸着量は87.55 

mmolとなった。3回目の測定で得られたメチレンブルー吸着量(87.55 mmol)は,2回目の測定で得

られたメチレンブルー吸着量(93.28 mmol)の93.86 %であり,95 %〜105 %の範囲内に入っていない

ことが確認されたので,棄却した。計算式を次に示す。 

100

28

.

93

55

.

87

86

.

93

×

=

c) B.2で得られた試料分散溶液に0.01 mol/Lメチレンブルー溶液57 mLを自動ビュレットを用いて添加

し,30分間かくはんした。B.4のb)〜g)と同様の操作を行い,4回目の測定における100 g当たりのメ

チレンブルー吸着量は95.37 mmolとなった。3回目の測定値は棄却したので,2回目の測定値(93.28 

21 

Z 2451:2019  

mmol)と比較すると,95 %〜105 %の範囲内に入っていることが確認された。計算式を次に示す。 

100

28

.

93

37

.

95

2.

102

×

=

d) 2回目及び4回目のベントナイトなど100 g当たりのメチレンブルー吸着量は93.28 mmol及び95.37 

mmolであったことから,その算術平均値94.325 mmolの小数第一位を四捨五入し94 mmolを測定結果

として採用した。 

B.7 

結果の記録 

上記の測定例の場合の記録は,例えば次のとおりである。 

a) この規格の規格番号:JIS Z 2451:2019 

b) 測定方法:比色法 

c) 測定実施日:2018年5月25日 

d) 試料名:DEF社製,製品ロット番号PQR-1 

e) 分散方法:超音波法 

f) 

セルの材質:石英 

g) 測定値:1回目:94.76 mmol,2回目:93.28 mmol,3回目:87.55 mmol,4回目:95.37 mmol 

測定結果(2回目と4回目との測定値の平均値):94 mmol 

h) 測定実施者:山田太郎 

i) 

測定環境:温度22.1 ℃,湿度45 %(試料はかりとり時) 

:温度21.0 ℃,湿度39 %(メチレンブルー吸着時) 

:温度20.9 ℃,湿度37 %(吸光度測定用溶液希釈時) 

j) 

最初に加えた0.01 mol/Lメチレンブルー溶液の量と,一つ前の測定で得られた吸着量又は吸着量の予

想値に対する得られた吸着量との割合 

1回目(75 mL,63.2 %) 棄却 

2回目(57 mL,98.4 %) 採用 

3回目(57 mL,93.9 %) 棄却 

4回目(57 mL,102.2 %) 採用 

k) その他特記すべき事項: なし 

参考文献 JIS A 1203 土の含水比試験方法