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Z 2343-1:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 2 

3 用語及び定義  2 

4 安全上の予防措置  2 

5 一般事項 3 

5.1 一般  3 

5.2 方法概要  3 

5.3 試験順序  3 

5.4 装置  4 

5.5 有効性  4 

6 探傷剤の組合せ,感度及び分類  4 

6.1 探傷剤の組合せ  4 

6.2 探傷剤の分類  4 

6.3 感度  5 

6.4 探傷剤の組合せの呼称  5 

7 探傷剤と試験体との適合性  5 

7.1 一般事項  5 

7.2 探傷剤の適合性  5 

7.3 試験体への探傷剤の適合性  5 

8 試験手順 5 

8.1 試験手順書  5 

8.2 準備及び前処理  5 

8.3 温度  6 

8.4 浸透液の適用  6 

8.5 余剰浸透液の除去  6 

8.6 現像剤の適用  8 

8.7 観察  9 

8.8 後処理及び保護処理  10 

8.9 再試験  10 

9 試験報告書及び様式  10 

9.1 試験報告書  10 

9.2 試験報告書の様式  10 

10 浸透指示模様及びきずの分類  11 

10.1 浸透指示模様の分類の手順  11 


 

Z 2343-1:2017 目次 

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ページ 

10.2 指示模様の分類  11 

10.3 きずの分類の手順  11 

10.4 きずの分類  11 

11 表示  12 

附属書A(規定)浸透探傷試験の主要工程  13 

附属書B(規定)プロセス管理試験  14 

附属書C(参考)試験報告書例  20 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  21 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

非破壊検査協会(JSNDI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。これによって,JIS Z 2343-1:2001は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS Z 2343の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS Z 2343-1 第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類 

JIS Z 2343-2 第2部:浸透探傷剤の試験 

JIS Z 2343-3 第3部:対比試験片 

JIS Z 2343-4 第4部:装置 

JIS Z 2343-5 第5部:50 ℃を超える温度での浸透探傷試験 

JIS Z 2343-6 第6部:10 ℃より低い温度での浸透探傷試験 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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非破壊試験−浸透探傷試験− 

第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び 

浸透指示模様の分類 

Non-destructive testing-Penetrant testing- 

Part 1: General principles-Method for liquid penetrant testing and 

classification of the penetrant indication 

 

序文 

この規格は,2013年に第2版として発行されたISO 3452-1を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目(浸

透指示模様,きずの分類,表示など)を日本工業規格として追加している。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,製造中,供用中の材料及び製品(以下,試験体という。)の表面に開口しているきず,例え

ば,亀裂,重なり,しわ,ポロシティ,融合不良などを検出するために用いる浸透探傷試験方法(以下,

試験という。)並びにきずによる浸透探傷指示模様の分類方法について規定する。試験は主として金属材料

に適用されるが,探傷試験用材料に侵されず,あまり多孔質(ポーラス)でなければ他の材料にも適用で

きる。適用材料の例としては,鋳造品,鍛造品,溶接部,セラミックスなどがある。 

この規格は,プロセス管理試験を含む。 

この規格は,合格基準のために用いることを意図したものではなく,また,特殊な試験方法に対する個々

の試験システムの妥当性又は試験装置に対する要求事項に関する情報を提供するものでもない。 

注記1 使用する浸透探傷試験用の製品(以下,探傷剤という。)の基本的な性質を判断し監視する方

法は,JIS Z 2343-2及びJIS Z 2343-3に規定する。 

注記2 この規格で用いる技術用語の“きず”の意味には,合格又は不合格に関する評価は含まない

ものとする。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3452-1:2013,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 1: General principles(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 


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引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 0431 鉄鋼製品の雇用主による非破壊試験技術者の資格付与 

注記 対応国際規格:ISO 11484:2009,Steel products−Employerʼs qualification system for  

non-destructive testing (NDT) personnel(MOD) 

JIS Z 2300 非破壊試験用語 

JIS Z 2305 非破壊試験技術者の資格及び認証 

注記 対応国際規格:ISO 9712:2012,Non-destructive testing−Qualification and certification of NDT 

personnel(MOD) 

JIS Z 2323 非破壊試験−浸透探傷試験及び磁粉探傷試験−観察条件 

注記 対応国際規格:ISO 3059,Non-destructive testing−Penetrant testing and magnetic particle testing

−Viewing conditions(IDT) 

JIS Z 2343-2 非破壊試験−浸透探傷試験−第2部:浸透探傷剤の試験 

注記 対応国際規格:ISO 3452-2,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 2: Testing of penetrant 

materials(IDT) 

JIS Z 2343-3 非破壊試験−浸透探傷試験−第3部:対比試験片 

注記 対応国際規格:ISO 3452-3:2013,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 3: Reference test 

blocks(MOD) 

JIS Z 2343-4 非破壊試験−浸透探傷試験−第4部:装置 

注記 対応国際規格:ISO 3452-4,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 4: Equipment(IDT) 

JIS Z 2343-5 非破壊試験−浸透探傷試験−第5部:50 ℃を超える温度での浸透探傷試験 

注記 対応国際規格:ISO 3452-5,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 5: Penetrant testing at 

temperatures higher than 50 ℃(IDT) 

JIS Z 2343-6 非破壊試験−浸透探傷試験−第6部:10 ℃より低い温度での浸透探傷試験 

注記 対応国際規格:ISO 3452-6,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 6: Penetrant testing at 

temperatures lower than 10 ℃(IDT) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。 

3.1 

ワイプオフ法(Wipe-off technique) 

試験によって得られた指示模様がきずに起因するものか,疑似指示によるものかの判断に役立つ情報を

得るため,指示模様を除去した後,その部分に再度速乾式現像剤を薄く塗布する方法。 

 

安全上の予防措置 

探傷剤は,引火性又は揮発性の材料を用いており,ときには有害となるため,何らかの予防措置を行わ

なければならない。 

これらの探傷剤は,皮膚又は粘膜に対して長期間にわたる接触又は繰返し接触することを避けなければ

ならない。試験区域は,労働安全衛生法,消防法などの法的規制に従って適正に換気しなければならない。


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また,熱源,火花及び火炎から離れた場所に設置しなければならない。 

探傷剤及び装置は,注意して取り扱わなければならない。また,常に探傷剤製造業者によって提供され

た使用説明書に従わなければならない。 

紫外線照射灯(以下,ブラックライトという。)を用いる場合は,紫外線が試験員の眼に直接入らないよ

うに注意しなければならない。紫外線透過フィルタはブラックライトに組み込まれている又は単独であっ

ても,常に良好な状態に維持しなければならない。 

ブラックライトについては,健康上及び安全上に関しての法的規制を受ける。 

 

一般事項 

5.1 

一般 

一般事項を次に示す。 

a) 試験方法の選定試験を実施するに当たっては,あらかじめ試験体に予測されるきずの種類,大きさ,

試験体の用途,表面粗さ,寸法,数量,探傷剤の性質などを考慮して,表1の分類のうちから適用す

る探傷剤を選定し同時に箇条8の要領を基にして,操作の細目を定めておくものとする。 

b) 試験は熟練者で適切な教育を受け,かつ,資格をもつ技術者が実施しなければならない。可能であれ

ば,雇用者又は雇用者の委任者が指名した有能な技術者,又は試験を担当する検査会社の監督の下で

実施しなければならない。適切な資格をもつことを示すために,技術者はJIS Z 2305又はJIS G 0431

と同等の資格システムで認証又は資格付けされた技術者が望ましい。技術者の作業許可は,手順書に

のっとり雇用者によって発行しなければならない。別段の合意がない限り,試験は雇用者が認めた有

能で資格をもち監督のできる技術者(レベル3又は同等の者)が認可しなければならない。 

c) 探傷剤を組み合わせて試験を行う場合は,製造業者が推奨する組合せで使用する。それ以外の組合せ

で試験を行う場合は,その組合せが適用可能であることを確認してから使用しなければならない。 

d) 特に受渡当事者間で合意されていない場合は,一般に染色浸透探傷試験の後に蛍光浸透探傷試験を適

用してはならない。 

5.2 

方法概要 

浸透探傷試験に先立って,試験面は清浄かつ乾燥していなければならない。次に浸透液を試験体に適用

し,表面に開口したきずに浸透させる。浸透時間経過後,余剰の浸透液を表面から除去し現像剤を適用す

る。現像剤はきずに浸透し残留した浸透液を吸収し,可視的に明瞭に強調されたきずによる浸透指示模様

を示す。 

他の非破壊試験が必要な場合で,受渡当事者間に合意がなければ,開口きずを汚染させないために,最

初に浸透探傷試験を行わなければならない。もし,浸透探傷試験が他の非破壊試験の後に行う場合は,試

験表面は浸透液適用前に汚染物を取り除くための処理を十分に行わなければならない。 

5.3 

試験順序 

一般的に,試験は,次の順序で行う。 

a) 準備及び前処理(8.2参照) 

b) 浸透液の適用(8.4参照) 

c) 余剰浸透液の除去(8.5参照) 

d) 現像剤の適用(8.6参照) 

e) 観察(8.7参照) 

f) 

記録(8.7.4参照) 


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g) 後処理(8.8.1参照) 

主要工程の手順は,附属書Aによる。 

5.4 

装置 

試験を実施するための装置は,試験体の数量,寸法及び形状によって決まる。 

装置に関する要求事項については,JIS Z 2343-4による。 

5.5 

有効性 

試験の有効性は,次による。 

a) 探傷剤及び試験装置の種類 

b) 表面仕上げ及び表面条件 

c) 試験体及び予想されるきずの種類 

d) 試験体表面の温度 

e) 浸透時間及び現像時間 

f) 

観察条件 

適切な試験条件で実施されていることを確認するため,プロセス管理試験を行わなければならない。プ

ロセス管理試験は,附属書Bによる。 

 

探傷剤の組合せ,感度及び分類 

6.1 

探傷剤の組合せ 

探傷剤の組合せを表1に示す。組合せは浸透液,余剰浸透液除去剤(方法Aは除く。)及び現像剤で構

成する。溶剤除去性浸透探傷試験において形式試験がJIS Z 2343-2に基づく場合は,浸透液及び除去剤は,

同一製造業者の製品でなければならない。認定された探傷剤の組合せだけを使用しなければならない。 

6.2 

探傷剤の分類 

探傷剤の分類は,表1による。 

 

表1−探傷剤 

浸透液 

余剰浸透液除去剤 

現像剤 

タイプ 

呼称 

方法 

呼称 

フォーム 

呼称 

蛍光浸透液 

水 

乾式 

II 

染色浸透液 

後乳化 
油ベース乳化剤 

水溶性湿式 
 

III 

二元性浸透液 
(蛍光浸透液及
び染色浸透液の
両者を含有) 

有機溶剤(除去剤)a) 
− クラス1 ハロゲン化 
− クラス2 非ハロゲン化 
− クラス3 特殊用途用 

水懸濁性湿式 

後乳化 
水ベース乳化剤 

有機溶剤ベース(タイプI用速
乾式) 

水及び有機溶剤 

有機溶剤ベース(タイプII及
びタイプIII用速乾式) 

特殊用途用 

特別な用途については,引火性,硫黄,ハロゲン,ナトリウム含有量及び他の汚染物に関する特別要求事項を満

たす探傷剤を使用する必要がある(JIS Z 2343-2を参照)。 
注a) 方法Cのクラスは,方法を分類したものではない。 

 


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6.3 

感度 

探傷剤の組合せによる感度レベルは,JIS Z 2343-3に規定する対比試験片を用いて決定し,また,承認

された探傷剤の組合せの試験で行った試験で感度レベルを評価する。 

6.4 

探傷剤の組合せの呼称 

試験に使用する推奨された探傷剤の組合せは,浸透液のタイプ,余剰浸透液除去剤による方法及び現像

剤のフォーム並びにJIS Z 2343-3に規定するタイプ1対比試験片を用いて実施した試験で得られる感度レ

ベルを示す数字から構成される呼称が与えられる。 

例えば,この規格並びにJIS Z 2343-2を適用した蛍光浸透液(I),余剰浸透液除去剤としての水(A),

乾式現像剤(a)及びシステム感度レベル2で構成する推奨された探傷剤の組合せと試験方法の呼称は,次

による。 

探傷剤組合せ:JIS Z 2343-2,IAaレベル2 

 

探傷剤と試験体との適合性 

7.1 

一般事項 

探傷剤は,試験体及び試験体が計画されている使用目的に適合したものでなければならない。 

7.2 

探傷剤の適合性 

探傷剤は,お互いに適合できるものでなければならない。 

探傷剤が減少した場合の追加は,ロットは異なってもよいが,同じ探傷剤で同じ製造業者でなければな

らない。 

7.3 

試験体への探傷剤の適合性 

探傷剤及び試験体の適合性は,次による。 

a) ほとんどの場合,探傷剤と試験体との適合性は,JIS Z 2343-2に規定する腐食試験の結果によって使

用前に確認できる。 

b) 探傷剤は,幾つかの非金属の化学的又は物理的性質に悪影響を及ぼすことがあるため,このような材

料から製造された部品又は組立品を試験する場合は,事前に適合性を確かめておかなければならない。 

c) 探傷剤が燃料,潤滑油,流体などに混入する可能性のある場合は,それが有害な影響を及ぼさないこ

とを確かめておく。 

d) 過酸化物ロケット燃料,爆発物保持物(これらは爆発性推進薬,起爆材料,花火材料などをもつ全て

の品目を含む。),酸素装置又は原子力機器への適用に関しては,探傷剤の適合性は特別の配慮を必要

とする。 

 

試験手順 

8.1 

試験手順書 

全ての試験は承認された試験手順書に基づいて行わなければならない。試験手順は該当する製品の作業

手順に規定又は含まれていてもよい。 

8.2 

準備及び前処理 

8.2.1 

一般事項 

試験体がスケール,さび,油脂,グリス,塗料などで汚染されている場合は,機械的方法若しくは化学

的方法又はこれらの方法を組み合わせて,除去しなければならない。 

試験面に残存物がなく,浸透液がどのようなきずにも浸透できるものであることを前処理によって確か


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めておかなければならない。前処理を行う範囲は,試験面が隣接する領域から汚染物による影響を受けな

い十分な広さとしなければならない。 

8.2.2 

機械的前処理 

スケール,スラグ,さびなどは,ブラシ,磨き,研磨,ブラスト,高水圧ブラストなどのような適切な

方法を用いて除去しなければならない。これらの方法は表面から汚染物を除去できるが,通常,きずの内

部に入っている汚染物まで除去できない。全ての方法,特にショットブラストの注意として,塑性変形又

は研磨材料の詰まりによってきず開口部が覆い隠されないことを確かめなければならない。必要な場合に

は,きずを開口させるために引き続きエッチング処理を実施し,その後で適切なすすぎ及び乾燥を行わな

ければならない。 

8.2.3 

化学的前処理 

グリス,油脂,塗料又はエッチング剤のような残存物を除去するために,適切な化学的洗浄剤を用いて

化学的前処理を実施しなければならない。 

化学的前処理剤の残さは,浸透液と反応し検出感度を著しく低下させることがある。特に酸及びクロム

酸塩は,蛍光浸透液の蛍光輝度と染色浸透液の色調を著しく低下させることがある。このことから,使用

した化学的洗浄剤は,水すすぎを含む適切な洗浄方法を用いて試験面から除去しなければならない。 

8.2.4 

乾燥 

前処理の最終段階として,水又は有機溶剤がきず内に残存しないように試験体を完全に乾燥しなければ

ならない。 

8.3 

温度 

探傷剤,試験面及び周囲の温度は8.2.4の乾燥を除いて,10 ℃〜50 ℃でなければならない。急激な温度

変化は結露の原因となる可能性があり,試験の妨げとなるので避けなければならない。 

10 ℃未満又は50 ℃を超える温度での試験は,JIS Z 2343-5又はJIS Z 2343-6に基づいて実施しなけれ

ばならない。 

8.4 

浸透液の適用 

8.4.1 

適用方法 

浸透液は,試験体にスプレ法,はけぬり法,注ぎかけ法,一部分の浸せき法又は全浸せき法によって適

用できる。 

浸透時間中は,試験面が完全にぬれていることを保証するために注意を払わなければならない。 

8.4.2 

浸透時間 

適切な浸透時間は,浸透液の性質,適用温度,試験体及び検出すべききずの種類によって左右される。 

浸透時間は,5分〜60分とし,要求感度レベルに対して製造業者の推奨浸透時間より短くしてはならな

い。浸透時間は試験手順書に記録されなければならない。 

8.5 

余剰浸透液の除去 

8.5.1 

一般事項 

除去剤の適用では,きず内部に浸透液が残っているようにしなければならない。 

8.5.2 

水 

余剰浸透液は,水スプレによる洗浄,水中への浸せき又は湿した布による拭き取りによって除去しなけ

ればならない。スプレなどによる機械的作用の影響が最小となるように注意を払わなければならない。 

8.5.3 

有機溶剤 

一般的に,最初に清潔な糸くずの出ない布(又は紙)を用いて余剰浸透液を除去しなければならない。


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次に除去剤で少し湿らせた清潔な糸くずの出ない布(又は紙)によって除去処理を実施しなければならな

い。 

これ以外の除去方法の場合は,受渡当事者間で承認がなされていなければならない。特に,除去剤を試

験面に直接吹き付ける場合は,注意する。 

8.5.4 

乳化剤 

8.5.4.1 

水ベース(水希釈性)乳化剤 

試験面から後乳化性浸透液の除去を可能とするためには,乳化剤の適用によって浸透液に水洗性をもた

せなければならない。乳化剤の適用に先立ち,水によって試験面から大部分の余剰浸透液を除去する。こ

のことは,続いて適用される水ベース乳化剤が均一に作用することになる。 

浸せき法又は泡立て装置を用いて乳化剤を適用しなければならない。使用者は,探傷剤製造業者の使用

説明書に従った予備試験を実施し,乳化剤の濃度及び乳化時間を決めなければならない。決められた乳化

時間を超えて乳化処理をしてはならない。乳化時間が経過した後,8.5.2の規定に基づき最終洗浄を実施し

なければならない。 

8.5.4.2 

油ベース乳化剤 

試験面から後乳化性浸透液の除去を可能とするためには,乳化剤の適用によって浸透液に水洗性をもた

せなければならない。適用方法は浸せき法又は注ぎかけ法による。使用者は,探傷剤製造業者の使用説明

書に従った予備試験を実施し乳化時間を決めなければならない。 

この乳化時間は,次の洗浄工程において試験面から余剰浸透液を十分除去できることを可能にできる時

間としなければならない。決められた乳化時間を超えて乳化処理をしてはならない。乳化時間が経過した

後直ちに8.5.2の規定に基づき洗浄を実施しなければならない。 

8.5.5 

水及び有機溶剤 

余剰の水洗性浸透液は,最初,水で除去しなければならない(8.5.2参照)。次に糸くずの出ない清潔な

布又は紙で拭き取る。このときに,糸くずの出ない清潔な布又は紙に有機溶剤を軽く湿らせて用いること

ができる。 

8.5.6 

余剰浸透液の除去確認 

余剰浸透液除去処理中は,試験面に残留している浸透液の程度を確認しなければならない。蛍光浸透液

については,A領域紫外線照射の下で実施しなければならない。試験面における最小A領域紫外線の放射

照度は,1 W/m2(100 μW/cm2)未満であってはならない。試験面における照度は100 lxを超えてはならな

い。 

染色浸透液に対しては,試験面での白色光の照度は350 lx以上でなければならない。 

適切な資格所有者が承認した場合を除いて通常,過剰なバックグラウンドになった場合は前処理から再

度処理しなければならない。 

8.5.7 

乾燥 

余分な水を速やかに乾燥させるため,試験体から水滴及び水たまりを除去しなければならない。 

湿式現像剤を用いる場合を除いて,余剰浸透液を除去した後,次の方法の一つを用いて可能な限り速や

かに試験面を乾燥させなければならない。 

a) 清潔で乾いた糸くずの出ない布又は紙で拭く。 

b) 温水中に浸せき後室温で乾燥 

c) 高温での乾燥 

d) 強制的空気循環 


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e) 上記a)〜d)の方法の組合せ 

圧縮空気を用いる場合は,その空気は水分及び油脂を含んでおらず,試験面での圧力を可能な限り低く

保持できるように注意を払わなければならない。 

熱風循環システム(例 乾燥器)を使用する場合,空気の温度は70 ℃を超えてはならない。乾燥時間

は試験面温度が50 ℃を超えないように設定しなければならない。 

きずに浸透している浸透液が乾燥しない方法で,試験面の乾燥を実施しなければならない。 

特別に認められている場合を除いて,乾燥中の試験面温度は50 ℃を超えてはならない。 

8.6 

現像剤の適用 

8.6.1 

一般事項 

現像剤は,均質な状態に維持し試験面に一様に適用しなければならない。 

現像剤の適用は余剰浸透液の除去後できるだけ速やかに実施しなければならない。 

水洗性浸透液に湿式現像剤を適用する場合,過剰に浸透液がきず内部から除去されないように注意しな

ければならない。 

注記 ASTM E1417,Standard Practice for Liquid Penetrant Testingでは,受渡当事者間で合意があった

場合に,鋳造アルミニウム合金及び鋳造マグネシウム合金の製造中の試験にはタイプI浸透液

では無現像法でもよいとの記載がある。この場合,現像剤は適用しないで観察前に乾燥後,10

分以上待たなければならない。また,2時間を超えてはならず,2時間を超えた場合には前処理

からやり直さなければならない。 

8.6.2 

乾式現像剤 

乾式現像剤は,蛍光浸透探傷法に限り適用してよい。乾式現像剤は次の方法の一つによって試験面に均

一に適用しなければならない。 

適用方法:散布法,静電噴霧法,粉末塗布ノズル法,流動床法又は浸せき法 

試験面は,現像剤で薄く覆われ,また,現像剤が局部的に密集することを避けなければならない。 

過剰な現像剤は現像時間経過後,観察前に指示模様を乱さないような方法で除去しなければならない。 

8.6.3 

水懸濁性現像剤 

現像剤を薄く均一に適用するためには,かくはんされた懸濁液中に浸せきするか承認された手順書に従

って適切な装置で吹き付ける。現像剤の浸せき時間及び温度は,製造業者の使用説明書に従った予備試験

を通じ使用者が決めなければならない。最適の結果を確保するために,浸せき時間は可能な限り短くしな

ければならない。 

試験体は,蒸発又は熱風循環式乾燥器の使用によって乾燥させなければならない。 

8.6.4 

速乾式現像剤 

現像剤は,スプレ法によって均一な塗膜ができるように適用しなければならない。スプレ法は,現像剤

が試験面を軽く湿らせ薄く均一な層を形成できるものでなければならない。 

8.6.5 

水溶性現像剤 

現像剤を薄く均一に適用するためには,浸せきするか,承認された試験手順書に従って適切な装置で吹

き付ける。現像剤の浸せき時間及び温度は,製造業者の使用説明書に従った予備試験を通じ使用者が決め

なければならない。最適の結果を確保するために,浸せき時間は可能な限り短くしなければならない。 

試験体は,蒸発又は熱風循環式乾燥器の使用によって乾燥させなければならない。 

8.6.6 

特殊用途用(例 剝離可能な現像剤) 

記録する必要のある浸透指示模様を検出した場合は,剝離可能な現像剤を用いて記録することができる。


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その手順は,次による。 

a) 清潔で乾いた糸くずの出ない布又は紙で現像剤を拭う。 

b) 同じ浸透液を適切な方法で適用する。その後の処理は,現像剤の適用まで最初に用いた方法と全く同

様の方法で行う。 

c) 余剰浸透液の除去及び試験面の乾燥後,製造業者の推奨する剝離現像剤を適用する。 

d) 現像時間が経過した後,現像剤の皮膜を注意深く引き剝がす。試験面に直接接触した塗膜面上に浸透

指示模様が現れる。 

8.6.7 

現像時間 

現像時間は,10分〜30分とすることが望ましい。受渡当事者間で,更に長い時間を決めてもよい。現像

時間の開始は,次による。 

a) 乾式現像剤が適用された場合は,適用直後とする。 

b) 湿式及び速乾式現像剤が適用された場合は,乾燥直後とする。 

8.7 

観察 

8.7.1 

観察条件 

8.7.1.1 

一般事項 

観察条件は,JIS Z 2323によらなければならない。 

8.7.1.2 

蛍光浸透探傷試験 

検査場所での試験員の眼を暗順応させるために要する必要な時間は,通常,少なくとも1分間としなけ

ればならない。 

A領域紫外線を使用することが有用である。 

試験面でのA領域紫外線放射照度は,10 W/m2(1 000 μW/cm2)以上でなければならない。A領域紫外

線照射灯及び周囲からの照度の合計は20 lx以下でなければならない。 

8.7.1.3 

染色浸透探傷試験 

観察では試験面における照度は500 lx以上でなければならない。 

8.7.2 

一般事項 

浸透探傷試験の指示模様はきずの形状及び寸法について限られた情報を提供する場合がある。現像剤適

用直後,又は現像剤が乾燥後,直ちに観察を行うと現像による指示模様の拡大前の形状を知ることができ

るので,指示模様の評価が容易になることがある。 

最終検査の観察は,現像時間の経過後に実施しなければならない。 

拡大鏡のような観察補助具を使用することができる。 

ワイプオフ法(8.7.3参照)による評価は,指示模様解釈の手助けになる場合がある。 

8.7.3 

ワイプオフ法 

ワイプオフ法はきずの性状の評価を手助けするために用いられ,最初の指示模様の除去と引き続き行わ

れる現像処理によって構成される。この技法は不十分な除去処理のような不適切な試験手順を修正するた

めに使用するものではない。正確な手順は受渡当事者間での合意事項としてもよい,又は該当する合否基

準として規定してもよい。 

特に受渡当事者間で合意されている場合を除いて,この技法を繰り返し実施してはならない。 

この技法で指示模様が再現しなかった場合,それだけで疑似指示模様であると判断してはならない。こ

の技法は最初の指示模様の解釈(例えば,水滴跡又は表面汚染)が正しいことを確認するため,又は立会

検査員が再現像時間の中で指示模様が変化することによって有用な追加情報を得るために使用される。 


10 

Z 2343-1:2017  

 

手順は,次による。 

a) 糸くずの出ない小形の綿棒を用いて,指示模様のある付近の表面の探傷剤を拭き取る(1回だけ)。 

b) 探傷剤が完全に除去されていることを確認するため,観察条件で拭き取った箇所を確認する。 

c) 速乾式現像剤の薄い膜を作るため,現像剤を適用する。受渡当事者間で合意されていなければ速乾式

現像剤は適用後直ちに乾燥するような距離で適用しなければならない。 

d) 現像剤適用後,直ちに該当箇所を観察する。 

e) 一定間隔及び10分後に観察する。 

8.7.4 

記録 

記録は,適切な方法によって行う。例えば,筆記説明,スケッチ又は写真。 

8.8 

後処理及び保護処理 

8.8.1 

後処理 

探傷剤が試験体に対し後の加工工程又は稼動条件に影響を与える場合は,最終検査後に後処理を行う必

要がある。 

8.8.2 

保護処理 

必要のある場合には,適切な防食処理をしなければならない。 

8.9 

再試験 

浸透指示模様の評価が不明確で再試験が必要な場合には,前処理から全ての試験手順を繰り返さなけれ

ばならない。 

必要な場合,より好ましい試験条件を選定しなければならない。きず内部に残っている浸透液を完全に

取り除くことができない場合には,前回と異なった種類の浸透液又は異った製造業者の浸透液は,用いて

はならない。 

 

試験報告書及び様式 

9.1 

試験報告書 

試験報告書には,この規格に関連する次の事項を含まなければならない。 

a) 試験体の情報 

1) 名称 

2) 寸法 

3) 材質 

4) 表面状態 

5) 工程上の段階 

b) 試験の適用範囲 

c) ロット番号,製造業者名及びその製品名並びに6.4で規定した探傷剤の分類の名称 

d) 試験手順書番号 

e) 手順書からの逸脱(該当する場合) 

f) 

試験結果(検出されたきずの説明) 

g) 試験場所,試験年月日,試験員の氏名 

h) 試験監督者の氏名,認定証明書及び署名 

9.2 

試験報告書の様式 

試験報告に用いることができる様式の割り付けを附属書Cに示す。このデータは,適宜試験体の種類に


11 

Z 2343-1:2017  

 

よって修正するのがよいが,附属書Cには試験結果の評価に重要となる試験方法の全詳細及び試験体に関

する追加の情報を含んでいる。他の様式を使用する場合,9.1のa)〜h)に記載した全ての事項を含まなけれ

ばならない。 

試験手順書が9.1のa)〜d)に記載した事項を含み8.1の要求事項を充足し,かつ,適切な方法で9.1のe)

〜h)の事項が文書化されている場合,試験報告書は省略してもよい。 

 

10 浸透指示模様及びきずの分類 

10.1 浸透指示模様の分類の手順 

浸透指示模様の分類は,次の手順によって行う。 

a) 浸透指示模様の分類は,箇条8に示した方法によって浸透指示模様を検出し,指示模様が疑似指示で

ないことを確認してから行う。 

b) 浸透指示模様の分類は,補修又は手直しを必要とするものについては,補修又は手直しの前後で行う

ものとする。 

10.2 指示模様の分類 

浸透指示模様は,形状及び存在の状態から,次のように分類する。 

なお,浸透指示模様からの情報では,割れ,線状又は円形状の分類ができない場合は,10.3による。 

a) 独立浸透指示模様 独立して存在する個々の浸透指示模様は,次の3種類に分類する。 

1) 割れによる浸透指示模様 割れであることが確認されたきず指示模様 

2) 線状浸透指示模様 割れによらない浸透指示模様のうち,その長さが幅の3倍以上のもの 

3) 円形状浸透指示模様 割れによらない浸透指示模様のうち,線状浸透指示模様以外のもの 

b) 連続浸透指示模様 複数個の指示模様がほぼ同一直線上に連なって存在し,その相互の距離が2 mm

以下の浸透指示模様。浸透指示模様の指示の長さは,特に指定がない場合,浸透指示模様の個々の長

さ及び相互の距離を加え合わせた値とする。 

c) 分散浸透指示模様 一定の面積内に,複数個の浸透指示模様が分散して存在する浸透指示模様。 

10.3 きずの分類の手順 

きずの分類は,次の手順によって行う。 

a) きずの分類は,浸透指示模様を10.2によって分類した後に行う。 

b) 指示模様の現像剤を取り除いて試験体表面に現れたきずを観察し,寸法を測定して記録する。この場

合,きずが認めにくい場合には,拡大鏡,エッチングなど適切な方法を用いる。 

10.4 きずの分類 

きずは,形状及び存在の状態から,次のように分類する。 

a) 独立したきず 独立して存在するきずは,次の3種類に分類する。 

1) 割れ 割れと認められたもの 

2) 線状のきず 割れ以外のきずで,その長さが幅の3倍以上のもの 

3) 円形状のきず 割れ以外のきずで,線状きずでないもの 

b) 連続したきず 割れ,線状きず及び円形状きずが,ほぼ同一直線上に存在し,その相互の距離と個々

の長さとの関係から,一つの連続したきずと認められるもの。きずの長さは,特に指定がない場合は,

きずの個々の長さ及び相互の距離を加え合わせた値とする。 

c) 分類したきず 定められた面積の中に存在する1個以上のきず。分散したきずは,きずの種類,個数

又は個々の長さの合計値によって評価する。 


12 

Z 2343-1:2017  

 

11 表示 

表示は,次による。 

試験を実施し,合格した試験体で表示を要するものについては,次によって表示を行う。表示は,その

後の取扱いによって消失又は変色のおそれがない方法を選択しなければならない。 

a) 全数検査の場合 全数検査の場合は,次による。 

1) 刻印,腐食又は着色(えび茶)によって,試験体にPの記号を表示する。 

2) 試験体にPの表示を行うことが困難な場合には,えび茶に着色して表示する。 

3) 上記の表示ができない場合は,試験記録に記載した方法による。 

b) 抜取検査の場合 合格したロットの全ての試験体に,a)に準じてPの記号又は着色(黄色に限る。)に

よって表示する。 

 


13 

Z 2343-1:2017  

 

附属書A 

(規定) 

浸透探傷試験の主要工程 

 

浸透探傷試験の主要工程は,次による。 

 

 

 

水洗によって余剰浸透液の除去 

余剰探傷剤除去の確認 

現像時間の保持 

観察 

後洗浄及び必要に応じて保護処理 

乾燥 

有機溶剤ベース 

現像剤の適用 

乾燥 

水洗によって乳化剤及び浸透液を除去 

水ベース乳化剤の適用 

及び乳化時間の保持 

水懸濁性湿式現像剤

の適用 

乾燥 

準備及び前洗浄 

水及び有機溶剤 

水洗 

乾燥 

後乳化性浸透液の適用及び 

浸透時間の保持 

溶剤によって 

余剰浸透液の除去 

水洗性浸透液の適用及び 

浸透時間の保持 

溶剤除去性浸透液の適用 

及び浸透時間の保持 

方法B及びD 

方法A及びE 

方法C 

方法A 

方法E 

方法D 

方法B 

フォームa 

乾燥 

水溶性湿式現像剤の

適用 

乾式現像剤の適用 

フォームb 

フォームc 

フォームd及びe 

油ベース乳化剤の
適用及び乳化処理 

 

乾燥まで待つ 


14 

Z 2343-1:2017  

 

附属書B 

(規定) 

プロセス管理試験 

 

B.1 

一般事項 

この附属書は,試験の実施を監視するために行うプロセス管理試験について示す。 

浸透探傷試験のプロセスの正常性を維持するために,探傷試験全体及び探傷システムの個々の処理工程

はそれらが要求されている基準を満足していることを保証するために定期的に確認しなければならない。

この要求事項は探傷剤が再利用される探傷システムに適用される。エアゾール又はチキソトロピタイプの

浸透液は繰り返し使用されることはなく,1回の検査にだけ使用するのでJIS Z 2305に規定するレベル3

などの判断によって試験の項目の削減又は削除をしてもよい。 

表B.1は,実施すべき点検試験とそれらの頻度とについて示している。JIS Z 2305に規定するレベル3

又は同等の資格のある試験員は,特定の探傷法に,どの点検試験が適しているかを判断する責任がある。

正しい探傷操作状態を保証するために,必要ならばこの点検試験はもっと頻繁に行ってもよいし,また,

追加の試験を行ってもよい。 

試験は表B.1に基づいて,適切な資格をもつ試験員,例えば,JIS Z 2305に規定するレベル2によって

実施し,記録しなければならない。 

注記 チキソトロピタイプとは,振とうするだけで液化し放置すると再固化するゲルの性質をいう。 

 

B.2 

記録 

プロセス管理試験結果の記録は別々に各探傷プラントごとに保管しなければならない。この規定からの

逸脱が発見された場合には責任者に報告し,必要な是正処置を取らなければならない。 

次の情報は記録に含まれていなければならない。 

a) 会社名及び試験場所 

b) 探傷システムの識別番号 

c) 日付 

d) シフト 

e) 氏名及び資格 

f) 

署名 

 

B.3 

管理試験 

B.3.1 探傷剤の量(詰替え式スプレシステムを含む。) 

使用する探傷剤の液面は,探傷しなければならない機器に対し十分な量であることを確実にするため,

目視で確認しなければならない。探傷剤が不足している場合は,試験を実施する前に追加の探傷剤を補充

し,かくはんしておく。 

B.3.2 システムの性能 

この試験は,JIS Z 2343-3で規定するタイプ2又はタイプ3対比試験片を用いて実施しなければならな

い。適切な資格所有者,例えばJIS Z 2305レベル3によって承認された場合には,代替として既知のきず

をもつ試験片を用いてもよい。通常は,検出が必要とされるきずを代表する既知のきずを付与した試験片


15 

Z 2343-1:2017  

 

を用いることが望ましい。 

バックグラウンドの状態を含むきずを示す方法として適正なレプリカ法,写真法又は他の適正な方法に

よって記録を通常使用するものと同じパラメータを用いて作成し,参考用として保管しなければならない。

この記録は,日常のシステム性能確認と同じ試験によって得られた実用的な結果との比較として用いなけ

ればならない。レプリカタイプの現像剤から得られた指示模様は,基準現像剤を用いて得られたものと同

じではない。タイプ2対比試験片のクロムめっき側の指示模様,タイプ3対比試験片の指示模様又は既知

のきずをもつ試験片の指示模様は,同じ探傷剤と同じ操作手順を用いて作成された記録の指示模様と同数

で同じ指示模様を示さなければならない。同様にバックグラウンドのレベルは,記録に示されたものと同

じ外観を示さなければならない。 

B.3.2.1 対比試験片の洗浄 

対比試験片又は既知のきずをもつ試験片はシステム条件の変化を捉えるような状態に維持管理していな

ければならない。特に前回の試験での浸透液は除去されている必要がある。溶剤又は除去剤の中に試験片

を保管しておくことが望ましい。 

物理的にきずを変更することはしてはならない。 

B.3.3 浸透液の外観 

浸透液にどのような異常もないことを確認しなければならない(例えば,ミルク状の外観,可視的な汚

染,浸透液の底部又は上部における水の体積)。 

B.3.4 洗浄水の外観 

再循環水を利用する場合は,洗浄水の不透明性,蛍光性,泡及び着色のないことを確認しなければなら

ない。これらのいずれかがある場合は,再処理システムが有効に機能していないことを示唆している。 

B.3.5 洗浄水の温度 

洗浄水の温度が規定範囲内にあることを確認しなければならない。 

B.3.6 乾燥器の温度 

乾燥器内の試験体を置く箇所の温度は,規定範囲内にあることを確認しなければならない(8.5.7参照)。 

B.3.7 試験場所 

試験場所は,清潔で整頓されていなければならない。蛍光浸透探傷システムで処理した機器を検査する

場合は,例えば,検査台上又は検査領域の近くに白紙のような反射面があってはならない。さらに,検査

領域近くに白色光の漏えいがあってはならない。 

B.3.8 圧縮空気のフィルタ 

トラップが汚染されていないことを確認しなければならない。 

B.3.9 ブラックライトのA領域紫外線ランプ 

ランプは正しく,良好な状態で作動することを確認しなければならない。フィルタは破損していないこ

とを確認しなければならない。 

B.3.10 ブラックライトのA領域紫外線放射照度 

JIS Z 2323の方法で,ブラックライトのA領域紫外線放射照度を測定しなければならない。 

B.3.11 検査室(蛍光浸透探傷)の可視光の照度 

JIS Z 2323の方法で,検査室内の可視光の最大照度を測定しなければならない。 

B.3.12 可視光の照度(染色浸透探傷) 

JIS Z 2323の方法で,作業場所の最小白色光の照度を測定しなければならない。可視光が含まれるなど

のため,照度が変化する場合は,試験の頻度を増やさなければならない。 


16 

Z 2343-1:2017  

 

B.3.13 蛍光光度の強さ 

JIS Z 2343-2の方法で蛍光光度を測定しなければならない。 

品質要求事項:蛍光光度は標準液の90 %〜110 %の範囲になければならない。 

B.3.14 染色浸透液の色調の強さ 

染色浸透液の色調の強さは,次による。 

a) 引火点の高い白灯油,又は他の適正な非揮発性有機溶剤でうすめた1 %,0.9 %,0.8 %及び0.7 %基準

浸透液から作製した対比試料を使用する。対比試料を作製するため,最初に10 %,9 %,8 %及び7 %

の希釈液を作り,次にそれらを10倍にうすめる方法が推奨される。これらの作製した対比試料は,遮

光された密閉容器内で保管しなければならない。 

b) a)で用いたのと同様の有機溶剤で試験をする浸透液の1 %溶液を作製する。 

c) 試験管を用い,均一な分布の白色光の下で,試験をする浸透液の色調を対比試料と比較する。色調の

類似している対比試料の濃度を記録する。 

要求事項:色調は,対比試料の色調の80 %を超えていなければならない。 

B.3.15 探傷剤製造業者による確認 

使用中の浸透液から代表的な試料を1年に1回採取し,再確認のために探傷剤製造業者又は他の適切な

専門研究機関に送らなければならない。これ以外の場合は,浸透液は廃棄し,交換しなければならない。 

確認を実施する探傷剤製造業者は,試験に用いている浸透液の物理的,化学的パラメータが新品の浸透

液の基準値と比較した場合,全て許容範囲内にあることを記載した報告書を発行しなければならない。報

告書は文章だけでなく,実際の数値を示すことが望ましい。 

どのパラメータを調べるかを選定するのは,探傷剤製造業者の責任である。 

B.3.16 水ベース乳化剤の濃度 

試験は,新しく調製した溶液だけについて行い,屈折計を用いて実施する。 

試験に用いる屈折計は,新しい水ベース乳化剤で正確に調製した溶液を用いて校正しなければならない。

少なくとも五つの溶液を使用する。一つは公称濃度の溶液とし,公称濃度より高いものが二つ,低いもの

が二つとする。数値は,グラフで表示しなければならない。 

水ベース乳化剤の濃度を評価するため,新しく調製した製品の試料による数値を読み取り,グラフから

その濃度を決定しなければならない。 

試験の全ては,常温で実施しなければならない。この結果は,記録しなければならない。 

要求事項:要求値に濃度を調製しなければならない。再調査する前によくかくはんしなければならない。 

外観上,何らかの変化が認められた場合には追加の試験を実施しなければならない。 

B.3.17 現像剤 

B.3.17.1 乾式現像剤の外観 

粉末は,水分がなく,ふわふわしていて固まっていないことを確認しなければならない。 

B.3.17.2 乾式現像剤の蛍光 

試験に影響があるような蛍光性のないことを確認するため,粉末の試料は,A領域紫外線を照射して調

べなければならない。指針として,探傷システムにおいて10 000 mm2当たり10個(例えば,100 mm直径

の円において8個)より多くの蛍光が認められることは望ましくない。 

B.3.17.3 水溶性現像剤 

B.3.17.3.1 濃度 

この試験は,現像剤の濃度を決定するために探傷剤製造業者が作製した検量線図を用いて行う。 


17 

Z 2343-1:2017  

 

a) タンクの液面の高さを確認し水を追加することによってその液面の高さを元の液面の高さに復帰させ

十分かくはんする。 

b) タンクから試料を採取し温度を20 ℃に調整するか又は比重計が校正されたときの温度に調整する。 

c) 比重計を用いて試料の密度を測定する。 

密度を確認することによって,検量線図から現像剤の濃度を決定できる。 

B.3.17.3.2 ぬれ性 

タイプ2対比試験片の上に現像剤を適用した場合,その全表面が均等に現像剤で覆われることを確認し

なければならない。 

B.3.17.3.3 温度 

現像剤の温度が規定範囲にあることを確認しなければならない。 

B.3.17.3.4 溶液の蛍光性 

蛍光性のないことを確認するために溶液の試料にA領域紫外線を照射して調べなければならない。 

B.3.17.4 水懸濁性現像剤 

B.3.17.4.1 濃度 

この試験は,現像剤の濃度を決定するために探傷剤製造業者が作製した検量線図を用いて行う。 

a) タンクの液面の高さを確認し水を追加することによってその液面の高さを元の液面の高さに復帰させ

十分かくはんする。 

b) タンクから試料を採取し温度を20 ℃に調整するか又は比重計が校正されたときの温度に調整する。 

c) 比重計を用いて試料の密度を測定する。 

密度を確認することによって,検量線図から現像剤の濃度を決定できる。 

B.3.17.4.2 温度 

現像剤の温度が規定範囲にあることを確認しなければならない。 

B.3.17.4.3 懸濁液の蛍光性 

粉末が懸濁していることを確認するため,現像剤の槽を十分かくはんしなければならない。蛍光性がな

いことを確認するため,懸濁させた現像剤の試料はA領域紫外線を照射して調べなければならない。 

B.3.18 紫外線強度計の校正 

使用する紫外線強度計には,校正結果を示すラベル又はJIS Z 2323を参照したことを表示しなければな

らない。 

強度計を使用する前に,試験員は有効期限,校正実施日などを確認しなければならない。少なくとも12

か月ごとに装置を校正しなければならない。 

B.3.19 照度計の校正 

照度計は,校正結果を示すラベル又はJIS Z 2323を参照したことを表示しなければならない。 

照度計を使用する前に,試験員は有効期限,校正実施日などを確認しなければならない。少なくとも12

か月ごとに装置を校正しなければならない。 

B.3.20 温度計の校正 

温度計は,±1 ℃以上の精度で校正されなければならない。 

B.3.21 圧力計の校正 

全ての圧力計は,適用する処理手順書に記載されている圧力に設定されていることを確認しなければな

らない。圧力計は,校正の表示があることを確認しなければならない。 


18 

Z 2343-1:2017  

 

B.3.22 試験片の校正 

対比試験片のきずが変化すると試験結果に影響する。それゆえ,対比試験片は安定性を実証するために

再試験を実施しなければならない。再試験の方法は,レプリカ又は写真付きの未使用対比試験片と比較す

ることによって行ってもよい(B.3.2参照)。試験片に何らかの変化が認められた場合には,適切な資格者,

例えば,JIS Z 2305のレベル3によって適切な是正処置をとらなければならない。 

 

表B.1−プロセス管理試験 

プロセス管理試験 

附属書 

箇条 

頻度 

記録 

作業期間 
の開始時 

週ごと 

月ごと 

年ごと 

規定数値 

目視による 
評価(査印) 

システム確認 

探傷剤の液面 

B.3.1 

○ 

 

 

 

 

○ 

タイプ2又はタイプ3対比
試験片を用いたシステム
の性能 

B.3.2 

○ 

 

 

 

 

○ 

一般確認 

浸透液の外観 

B.3.3 

○ 

 

 

 

 

○ 

洗浄水の外観 

B.3.4 

○ 

 

 

 

 

○ 

洗浄水の温度 

B.3.5 

○ 

 

 

 

○ 

 

乾燥器の温度 

B.3.6 

○ 

 

 

 

○ 

 

試験場所 

B.3.7 

○ 

 

 

 

 

○ 

圧縮空気のフィルタ 

B.3.8 

 

○ 

 

 

 

○ 

ブラックライトのランプ 

B.3.9 

○ 

 

 

 

 

○ 

ブラックライトのA領域
紫外線放射照度 

B.3.10 

 

 

○ 

 

○ 

 

検査室(蛍光浸透探傷)の
可視光の照度 

B.3.11 

 

 

○ 

 

○ 

 

可視光の照度(染色浸透探
傷) 

B.3.12 

 

 

○ 

 

○ 

 

浸透液 

蛍光光度の強さa) 

B.3.13 

 

 

○ 

 

 

○ 

染色浸透液の色調の強さa) B.3.14 

 

 

○ 

 

 

○ 

探傷剤製造業者による確
認 

B.3.15 

 

 

 

○ 

 

○ 

乳化剤 

水ベース乳化剤の濃度 

B.3.16 

 

 

○ 

 

○ 

 

現像剤 

乾式現像剤の外観 

B.3.17.1 

○ 

 

 

 

 

○ 

乾式現像剤の蛍光 

B.3.17.2 

○ 

 

 

 

○ 

 

水溶性現像剤 

 

 

 

 

 

 

 

a) 濃度 

B.3.17.3.1 

○ 

 

 

 

○ 

 

b) ぬれ性 

B.3.17.3.2 

○ 

 

 

 

○ 

 

c) 温度 

B.3.17.3.3 

○ 

 

 

 

○ 

 

d) 溶液の蛍光性 

B.3.17.3.4 

○ 

 

 

 

 

○ 

水懸濁性現像剤 

 

 

 

 

 

 

 

a) 濃度 

B.3.17.4.1 

○ 

 

 

 

○ 

 

b) 温度 

B.3.17.4.2 

○ 

 

 

 

○ 

 

c) 懸濁液の蛍光性 

B.3.17.4.3 

○ 

 

 

 

 

○ 


19 

Z 2343-1:2017  

 

表B.1−プロセス管理試験(続き) 

プロセス管理試験 

附属書 

箇条 

頻度 

記録 

作業期間 
の開始時 

週ごと 

月ごと 

年ごと 

規定数値 

目視による 
評価(査印) 

校正 

紫外線強度計 

B.3.18 

 

 

 

○ 

 

○ 

照度計 

B.3.19 

 

 

 

○ 

 

○ 

温度計 

B.3.20 

 

 

 

○ 

 

○ 

圧力計 

B.3.21 

 

 

 

○ 

○ 

 

試験片 

B.3.22 

 

 

 

○ 

○ 

○ 

○:実施することを示す。 
注a) エアゾール缶には適用しない。 

 


20 

Z 2343-1:2017  

 

附属書C 
(参考) 

試験報告書例 

 

試験報告書 

会社名: 

 

参照番号: 

 

部名: 

 

副参照番号: 

 

 

浸透探傷試験
報告書番号: 

 

 

 

 

何枚目/総ページ:   / 

 

プロジェクト: 

 

品名: 

 

指示者: 

 

製造番号: 

 

指示書のオーダー番号: 

 

図面番号: 

 

被験個所: 

 

別の詳細,例えば溶接プラン番
号: 

 

寸法: 

 

溶接番号: 

試験フォローアッププラン番号: 

 

 

ユニット番号: 

シート番号: 

材質: 

 

鋳造番号: 

部品番号: 

表面状態: 

 

 

型番号: 

熱処理条件: 

 

 

 

前処理: 

 

 

 

試験指示: 

(例えば仕様書,試験方向,出荷条件) 

試験の適用範囲: 

 

 

 

浸透探傷システム: 

 

 

 

呼称: 

(追加詳細,例えばJIS Z 2343-2に従う腐食成分を含有してはならない。) 

製造業者名: 

 

 

製品名称: 

 

 

浸透液: 

 

製造番号(ロット): 

余剰浸透液除去剤: 

 

製造番号(ロット): 

現像剤: 

 

製造番号(ロット): 

試験要領: 

 

 

試験温度: 

 

 余剰浸透液除去(追加詳細,例えば耐食剤): 

前処理: 

 

乳化時間: 

乾燥: 

 

乾燥: 

浸透時間: 

 

現像時間: 

 

 

後処理: 

試験指示書からの逸脱: 

 

 

JIS Z 2343-1からの逸脱: 

 

 

試験結果: 

(例えば,きず部:位置,種類,分布,寸法,個数の詳細:スケッチ) 

試験の場所: 

試験の日付: 

試験員の氏名:  

評価(試験指示書に従った):  合格: 

不合格:  

所見: 

 

 

 

試験監督者氏名: 

 認証: 

日付: 

署名: 

又は部長若しくは専門家: 

 

日付: 

署名: 

又は検査会社: 

 

日付: 

署名: 

 


21 

Z 2343-1:2017  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS Z 2343-1:2017 非破壊試験−浸透探傷試験−第1部:一般通則:浸透探傷試
験方法及び浸透指示模様の分類 

ISO 3452-1:2013,Non-destructive testing−Penetrant testing−Part 1: General principles 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及
びその内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

3.1 ワイプオフ法 

 

 

 

追加 

ワイプオフ法を追加した。 

技術的な差異はない。 

5 一般事項 5.1 一般 

 

5.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

試験方法の選定法を追加した。 
探傷剤の組合せ法を追加した。 
一般に染色浸透探傷試験の後に蛍光浸透探傷
試験は適用してはならないことを追加した。 

技術的な差異はない。 

8.6 現像剤
の適用 

8.6.1 一般事項 

 

8.6.1 

 

追加 

注記として無現像法を紹介,例示した。 

 

10 浸透指
示模様及び
きずの分類 

10.1 浸透指示模様の分類の手順 

 

 

 

追加 

浸透指示模様の分類手順を追加した。 

 

10.2 指示模様の分類 

 

 

 

追加 

指示模様の分類を追加した。 

 

10.3 きずの分類の手順 

 

 

 

追加 

きずの分類の手順を追加した。 

 

10.4 きずの分類 

 

 

 

追加 

きずの分類を追加した。 

 

11 表示 

11 表示 

 

 

 

追加 

合格した試験体の表示を追加した。 

 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3452-1:2013,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

4

 

Z

 2

3

4

3

-1

2

0

1

7