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Z 2331

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本非破

壊検査協会(JSNDI)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 2331:1992 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS Z 2331

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)真空吹付け法(スプレー法)

附属書 2(規定)真空外覆法(真空フード法)

附属書 3(規定)吸込み法(スニッファー法)

附属書 4(規定)加圧積分法

附属書 5(規定)吸盤法(サクションカップ法)

附属書 6(規定)真空容器法(ベルジャー法)

附属書 7(規定)浸せき法(ボンビング法)


Z 2331

:2006

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  試験方法の種類 

1

5.

  測定の原理 

1

6.

  試験装置

2

7.

  試験方法

3

8.

  記録

3

附属書 1(規定)真空吹付け法(スプレー法)

5

附属書 2(規定)真空外覆法(真空フード法)

10

附属書 3(規定)吸込み法(スニッファー法)

13

附属書 4(規定)加圧積分法 

19

附属書 5(規定)吸盤法(サクションカップ法)

22

附属書 6(規定)真空容器法(ベルジャー法)

25

附属書 7(規定)浸せき法(ボンビング法) 

28


日本工業規格

JIS

 Z

2331

:2006

ヘリウム漏れ試験方法

Method for helium leak testing

1. 

適用範囲  この規格は,ヘリウムガスとリークディテクタとを用い,漏れ量及び漏れ箇所を検知する

漏れ試験方法について規定する。

なお,この規格で規定する試験方法,判定基準及び諸式は,実用性を重視したものである。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 2300

  非破壊試験用語

JIS Z 2330

  ヘリウム漏れ試験方法の種類及びその選択

JIS Z 8754

  真空技術―質量分析計形リークディテクター校正方法

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 2300 及び JIS Z 2330 による。

4. 

試験方法の種類  試験方法は,次の 7 種類の方法とする。

a) 

真空吹付け法(スプレー法)

b) 

真空外覆法(真空フード法)

c) 

吸込み法(スニッファー法)

d) 

加圧積分法

e) 

吸盤法(サクションカップ法)

f) 

真空容器法(ベルジャー法)

g) 

浸せき法(ボンビング法)

なお,上記試験方法の種類の具体的選択は,JIS Z 2330 の 5.(ヘリウム漏れ試験方法の選択)による。

5. 

測定の原理  分析管の動作原理の一例を,図 に示す。試験体の漏れ箇所から流入(又は流出)する

微量のヘリウムガスをリークディテクタに導き,分析管のイオンチャンバ内でフィラメントからの電子ビ

ームによりイオン化させる。この生成イオンを加速電圧によって加速スリットで加速し,飛び出させて磁

場内に導く。質量に応じて特有の円軌道を描いて進むヘリウムイオンの到達位置にスリットを設けること

によって,これをイオンコレクタに集める。ヘリウムイオンを微少電流としてとらえ、増幅器で増幅する

ことによりメータ上に指示させる。漏れ量に比例するメータの指示値から漏れ量の定量化を行う。


2

Z 2331

:2006

サプレッサスリット

フィラメント

イオンチャンバ

増幅器-メーターへ

イオンコレクタ

シールド

アーススリット

ヘリウムイオン

軽いイオン

重いイオン

磁場

(マグネット)

加速スリット

フォーカススリット

  1  分析管の動作原理の一例

6. 

試験装置  ヘリウム漏れ試験は,試験方法によって次の装置を適宜に組み合わせて行う。

a) 

リークディテクタ  ヘリウムガスを検知ガスとし,質量分析管を作動可能な真空状態に保つための真

空排気系を内蔵する質量分析計形リークディテクタであって,JIS Z 8754 によって校正されたものを

いう。リークディテクタの一例を,

図 に示す。

  装置単体の校正と,それに基づく出力値をリーク量として直読できる自動化された試験装置につい

ては、試験方法により真のリーク量を求めるためには直読値を校正しなければならない。

リークディテクタ

外部接続口

M.A

粗引バルブ

ペニング真空計

フォアバルブ

ターボ分子ポンプ

油回転真空ポンプ

分析管

テストバルブ

  2  リークディテクタの一例

増幅器−メータへ


3

Z 2331

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b) 

校正リーク  リークディテクタの感度を校正するためのもので,真空法には校正リークを,加圧法に

は校正リーク又はヘリウムガス濃度が明確となった混合ガスを使用する。校正リークにはチャネル形

及びメンブレン形があるが,ヘリウムガスの透過を利用したメンブレン形の校正リークは、権威ある

検定機関で測定されたトレーサビリティの確保された校正リーク,又は使用者が校正リーク相互間の

比較によって,ばらつきが実用上問題のないことを確認した校正リークを使用する。

c) 

補助排気装置  試験体を真空にするための真空ポンプ及び計測器,大排気速度真空ポンプ,真空計な

どで構成する。

d) 

試験材料  サーチガス,コールドトラップなどを使用する。

1) 

サーチガス  サーチガスとして,ヘリウムガスを使用する。ヘリウム混合ガスを使用する場合は,

測定によって得られた試験結果をヘリウムガスの混合比率で補正する。

2) 

コールドトラップ  リークディテクタに搭載されているコールドトラップは,水分及び油分をトラ

ップ表面に凝縮させ,

分析管に到達させないために使用する。

冷却媒として液体窒素を使用するが,

水分,油分などを十分凝縮できるなら,他の物質を用いてもよい。

e) 

その他  附属品としては,次のようなものを使用する。

1) 

液体窒素を入れるための魔法瓶

2) 

サーチガス供給のためのヘリウムガスボンベ

3) 

圧縮機及び減圧弁

4) 

真空系及び加圧系を組み立てるための各種継手,配管など

5) 

試験体の圧力を計測するための圧力計(真空計を含む。

7. 

試験方法  試験方法は,附属書 1による。

8. 

記録  少なくとも次の項目を記録する。

a) 

品名及び個数

b) 

製品番号

c) 

試験条件

1) 

試験方法の種類

2) 

加圧法の場合  試験圧力及び温度

3) 

試験装置の器番

4) 

試験体の容積

5) 

ヘリウムガス濃度

6) 

検出感度

d) 

試験実施年月日

e) 

試験場所

f) 

試験者氏名

g) 

試験結果


5

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附属書 1(規定)真空吹付け法(スプレー法)

1.

適用  この附属書は,試験体内を真空排気し,吹付けプローブを用いて試験体外側にヘリウムガスを

吹き付け,試験体内に漏れてきたヘリウムガスを検出する真空吹付け法について規定する。微小漏れ箇所

の検出に最適であり,比較的小さな漏れの検出に適用するが,試験体全体の漏れ量の定量化が必要な場合

は,真空外覆法の採用が望ましい。

2.

試験手順

2.1

試験条件  試験条件は,次による。

a) 

試験温度  試験温度が規定されている場合は,それによる。

b) 

校正リーク  あらかじめ校正されたものを用いる。なお,使用する校正リークは,数個の校正リークでの

相互比較法などによって確認され,異常のないものとする。また,試験時,校正リークの値については使用環境

温度での補正を行う。

c) 

サーチガス  濃度が体積分率 90  %以上のヘリウムガスを用いる。

d) 

試験圧力  規定されている場合は,それによる。特に規定がない場合は,リークディテクタがもつ排

気装置及び補助排気装置によって排気可能な圧力とする。

2.2

準備  準備は,次による。

a) 

リークディテクタ,ヘリウムガス,吹付けプローブ,校正リークなどを準備する。また,試験体の大

きさによっては,補助排気装置を準備する。

b) 

試験体の前処理及び開口部処理を行う。

1) 

前処理  試験体の内外面表面の漏れに影響を与えるおそれのある水分,油分,有機溶剤,グリース,

塗料などを除去する。

2) 

開口部処理  開口部は,試験後完全に取り除くことができる適切な材料で密閉する。

3) 

なお,密閉材は,試験体に影響を及ぼすおそれがあってはならない。

c) 

試験体にリークディテクタを取り付ける。また,必要に応じて真空計などの計器類及び真空排気装置

を取り付ける。

d) 

校正リークは,できるだけ試験体の遠い位置(リークディテクタから見て最も遠い位置)に取り付け

る。ただし,校正リークを取り付けることのできない試験体の場合,配管途中に校正リークを取り付

ける。校正リークを備えたリークディテクタを使用する場合で,補助排気装置を使用しない小容量の

試験体に限り,その校正リークを用いてもよい。

2.3

排気  排気は,次による。

a) 

リークディテクタがもつ排気装置及び試験体に接続される補助排気装置によって,試験体を真空排気

する。

b) 

補助排気装置を使用する場合,リークディテクタの接続可能圧力以下で接続する。

2.4

感度校正及び応答時間の測定  感度校正及び応答時間の測定は,試験体に取り付けた校正リークの

出力によって決定する。感度校正は,試験体に取り付けた校正リークのヘリウム漏れ量をリークディテク

タで測定し,その指示量を補正計算して用いる。計算方法は,次の式による。

C

C

T

T

X

Q

X

Q

×

=

 (1)


6

Z 2331

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ここに,

Q

C

:  試験体に取り付けた校正リーク値

X

C

:  試験体に取り付けた校正リークに対するリークディテクタの出力値

X

T

:  実測のリークレートの表示値

Q

T

:  実際のリークレート

また,校正リークの出力を確認する際に,2.4 a)に準じて応答時間の測定を行う。

a) 

リークディテクタ単体で試験を行う場合  附属書 図 に試験装置の構成例を,附属書 図 にヘリウム

出力値と経過時間との関係を示す。この方法は,試験体に対してリークディテクタが直接接続されている

ため,校正リークの値は真値を示す。ただし,応答時間は,試験体の特性よって異なるため,応答時

間測定には注意が必要である。

校正リーク

校正リークバルブ

吹付けプローブ

ヘリウムガス

リークディテクタ

試験体

附属書   1  リークディテクタ単体で試験を行う場合の構成例

τ:応答時間

(X2-X1)の37%

X2

X1

校正リークバルブ

校正リークバルブ

出力値

時間

附属書   2  測定時のヘリウム出力値及び経過時間

1) 

校正リークのバルブを開けヘリウムガスを導入する。応答時間が長い系では,バルブと校正リーク

との間に蓄積されたヘリウムガスが流入にすることによって,長時間にわたり試験体内のヘリウム

ガス分圧が安定しないことがある。このため,応答時間の長いことが予想される場合は,あらかじ

X

2

(X

2

X

1

)

の 37  %

X

1


7

Z 2331

:2006

め別の排気系によって校正リークとバルブとの間の空間を排気しておくことが望ましい。

2) 

校正リークからヘリウムガスを導入して,リークディテクタの出力が安定した状態で記録する。こ

の出力値を平衡指示値(X

2

)

とする。

3) 

校正リークのバルブを閉じ,出力が安定した状態での出力値(X

1

)

をバックグラウンドとする。また,この間の

経過時間及び出力値(X

1

)

を記録しておく。ただし,バックグラウンドが安定しない場合は,その最大

値(X

1.max.

)

及び最小値(X

1.min.

)

を記録し,その平均値(

2

1.min.

.

.max

1

X

X

+

)

をバックグラウンドとする。

4) 

校正リークのバルブを閉じ,出力値が,(X

2

X

1

)

の 37  %になるまでの経過時間を応答時間(τ)とし

て,記録する。

5) 

補助排気装置を使用する場合で,試験体及び接続配管の構造上,試験体の遠い位置に校正リークが

取り付けられない場合は,取付け可能な位置(試験体又は接続配管)に校正リークを取り付け,感

度及び応答時間を求めた値を,(1)式の方法によって補正し,補正値であることを記録する。

b) 

補助排気装置を並列に用いる場合  附属書 図 に試験装置の構成例を示す。この方法は,リークデ

ィテクタの内蔵する排気系だけでは試験体を排気できないときに適合するもので,試験体にリークデ

ィテクタと真空ポンプが並列に接続されているため,校正リークから出力されたヘリウムガスが真空

ポンプとリークディテクタとに分流し,真値を示さない。このため,(1)

式に準じた表示値の補正を行

う必要性がある。応答時間に関しては,2.4 a)と同様の方法で測定を行う。

校正リーク

校正リークバルブ

吹付けプローブ

ヘリウムガス

リークディテクタ

試験体

真空ポンプ

排気バルブ

附属書   3  補助排気装置を並列に用いる場合の構成例

c) 

大排気速度真空ポンプの背圧側に並列又は直列接続の場合  附属書 図 に試験装置の構成例を示す。

並列に排気する場合は,図中の排気バルブ及びテストバルブを開けて測定する。この方法は,大形の

真空装置のリークテスト及び試験体容積が数 m

3

以上になる試験体のテストに適合するが,校正リーク

から出力されるヘリウムガスが真空ポンプとリークディテクタとに分流され,真値を示さないため,

(1)

式に準じた表示値の補正を行う必要性がある。直列に排気する場合は,排気バルブだけを開けた状

態で試験体内を十分に排気し,排気バルブを閉じてテストバルブを開ける。応答時間に関しては,2.4 

a)

と同様の方法で測定を行う。


8

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校正リーク

校正リークバルブ

吹付けプローブ

ヘリウムガス

リークディテクタ

試験体

大排気速度真空排気装置
 ターボ分子ポンプ
 油拡散ポンプなど

接続配管

排気装置

排気バルブ

テストバルブ

附属書   4  大排気速度真空ポンプの背圧側に並列又は直列接続の場合の構成例

2.5

漏れ測定  漏れ測定は,次による。

a) 

試験箇所ごとに順次ヘリウムガスを吹き付け,リークディテクタの出力(指針,デジタル表示器,記

録計など)によって漏れの有無を判定する。試験に際し,ヘリウムガスの吹付け時間及び漏れが検出

された場合の待機時間(ヘリウムガスを吹き付けてから次のヘリウムガスの吹付けまでの待ち時間)

を考慮し,式(1)を用いて漏れ量の算出及び漏れの位置検出を行う。

吹付け時間は 2.4 a)で測定した応答時間τ以上とする。

待機時間は 2.4 a)で測定した応答時間τ×2 とする。

b) 

注意事項  注意事項は,次による。

1) 

ヘリウムガスは上方向に拡散しやすいので,試験体の上部から,下部方向に試験を進める。

2) 

試験体のシール部に有機高分子材料を用いている場合は,ヘリウムガスがシール部を透過して漏れ

と誤認する可能性があるので,ヘリウムガスを吹き付けた後,速やかに圧縮空気などを吹き付け,

有機高分子材料部分のヘリウムガスを除去する。

3) 

作業は,ヘリウムガスの滞留によるバックグラウンドの上昇を防ぐため換気のよい環境で行う。

4) 

試験箇所にヘリウムガスが届きにくい複雑な形状の試験体の場合は,真空外覆法との併用が望まし

い。

5) 

漏れ箇所を探すときには,試験体表面に対して広い範囲でヘリウムガスを吹き付けて,漏れ箇所の

見当をつけた後に,ヘリウムガス吹付量を減らし,位置を特定する。

6) 

リークディテクタによる表示値は,漏れ箇所部のヘリウム濃度に依存するため,定量を行う際には,

特定された漏れ箇所に十分なヘリウムガスを吹き付けるか,真空外覆法との併用が望ましい。

7) 

校正リークを試験体に取り付けられない場合は,リークディテクタ内蔵の校正リークを代用しても


9

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よいが,試験体自体のもつコンダクタンスに十分考慮し試験を実施する。

8) 

測定時に必要なヘリウムガスバックグラウンドは,目的とする測定値に対して 1/10 以下で測定する

ことが望ましい。

9) 

漏れ経路に空孔があると想定される試験体の場合は,応答時間の遅れが想定できるため,十分な吹

付時間を考慮する。

2.6

開放及び後処理  開放及び後処理は,次による。

a) 

試験体の真空排気を終了し,大気,乾燥窒素などを試験体に導入して試験体圧力を大気圧に戻す。

b) 

リークディテクタ,校正リーク,補助排気装置など,ヘリウム漏れ試験を行うために取り付けた機器

を,試験体から取り外す。

c) 

試験のため開口部を密閉材で密閉したときは,試験後取り除く。

2.7

判定  仕様に記載された漏れ量以下の場合に合格とする。


10

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附属書 2(規定)真空外覆法(真空フード法)

1.

適用  この附属書は,試験体内部を真空に排気し,試験体外側をフードで覆い,フード内にヘリウム

ガスを満たし,試験体内に漏れ出てきたヘリウムガスを検出する真空外覆法方法について規定する。真空

外覆法は,真空排気可能な試験体全体のリークを見落としなく検出し,漏れ量を定量できるが,漏れ位置

は特定できないので,漏れ位置の特定が必要な場合は,真空吹付け法を用いる。

2.

試験手順

2.1

試験条件  試験条件は,次による。

a) 

試験温度  試験温度が規定されている場合は,それによる。

b) 

校正リーク  校正リークは,あらかじめ数個の校正リークでの相互比較法などによって確認され,異

常のないものを用いる。試験時の校正リークの値については,使用環境温度での補正を行う。

c) 

サーチガス  濃度が体積分率 90  %以上のヘリウムガス又はヘリウム混合ガスを用いる。

d) 

試験圧力  試験体の試験圧力が規定されている場合は,それによる。特に規定がない場合は,リーク

ディテクタがもつ排気装置及び試験に用いる補助排気装置によって排気可能な圧力とする。

2.2

準備  準備は,次による。

a) 

リークディテクタ,ヘリウムガス,校正リーク,試験体を覆うためのフード材料などを準備する。試

験体の大きさによっては,別に真空排気装置を準備する。

b) 

試験体の前処理及び開口部処理を行う。

1) 

前処理  試験体の内外表面の漏れに影響を与えるおそれのある水分,油分,有機溶剤,グリース・

塗料などを除去する。

2) 

開口部処理  開口部は,試験後,完全に取り除くことができる適切な材料で密閉する。ただし,使

用する密閉材は,試験体に悪影響を及ぼすおそれがあってはならない。

c) 

校正リークは,できるだけ試験体の遠い位置(リークディテクタから見て最も遠い位置)に取り付け

る。ただし,校正リークを備えたリークディテクタ(補助排気装置を使用しない)を用いて,小容量

の試験体の漏れ試験を行うときは,その校正リークを用いてもよい。

2.3

真空排気  試験体を規定の圧力まで真空排気する。規定のない場合は,少なくともリークディテク

タ又は真空排気装置の動作に支障のない圧力まで排気する。

2.4

応答時間の測定  附属書 図 に,応答時間測定の場合の試験体と各機器の接続例を示す。附属書 2

図 にそのときのヘリウム出力値と経過時間との関係を示す。


11

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校正リーク

校正リークバルブ

試験体

ヘリウムガスボンベ

リークディテクタ

ヘリウムバルブ

附属書   1  応答時間測定の場合の試験体と各機器の接続例

τ:応答時間

(X2-X1)の37%

X2

X1

校正リークバルブ

校正リークバルブ

出力値

時間

附属書   2  測定時のヘリウム出力値及び経過時間

a) 

校正リークのバルブを開けてヘリウムガスを導入する。応答時間が長い系では,バルブと校正リーク

との間に蓄積されたヘリウムガスの流入によって,長時間試験体内のヘリウムガス分圧が安定しない

ことがある。このため,応答時間が長いことが予想される場合は,別の排気系によって校正リークと

バルブとの間の空間を排気しておくことが望ましい。

b) 

校正リークからヘリウムガスを導入して,リークディテクタの出力が安定してから記録する。この出

力値を平衡指示値(X

2

)

とする。

c) 

校正リークのバルブを閉じ,出力が安定してから記録する。この出力値(X

1

)

をバックグラウンドとし,

経過時間及び出力値を記録しておく。ただし,バックグラウンドが安定しない場合は,その最大値

(X

1.max.

)

及び最小値(X

1.min.

)

を記録し,その平均値(

2

1.min.

.max.

1

X

X

+

)

をバックグラウンドとする。

X

2

(X

2

X

1

)

の 37  %

X

1


12

Z 2331

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d) 

校正リ−クのバルブを閉じた状態で出力値が,(X

2

X

1

)

の 37  %になるまでの経過時間を応答時間(τ)

として,これを記録する。

e) 

補助排気装置を使用する漏れ試験の場合で,試験体及び接続配管の構造上,試験体の遠い位置に校正

リークの取付けができない場合は,取付け可能な位置(試験体又は接続配管)に校正リークを取り付

け,2.12.4 と同様にして,応答時間を求めた値を,

附属書 の 2.4 の方法によって補正し,補正値と

して使用する。

2.5

漏れ測定  漏れ測定は,次による。

a) 

試験体をフードによって覆う。このとき,フード内を真空装置で減圧し,内部の空気の容積を減じて

おくことが望ましい。ただし,試験体とフードのすき間には,ヘリウムガスが行きわたるよう適切な

すき間を設け,試験体とは密着させてはならない。

b) 

バックグラウンド(X

1

)

を測定,記録する。

c) 

フードがふくらむまでフード内にヘリウムガスを導入する。

d) 

ヘリウムガス導入完了時点から,少なくとも応答時間(τ)以上リークディテクタの指示値(X

T

)

を観察又

は記録する。

e) 

試験体のリーク量 Q

T

(Pa

・m

3

/s)

は,次の式によって求める。

1

T

T

X

X

Q

=

   (1)

f) 

注意事項  注意事項は,次による。

1) 

試験体のシール部分に有機高分子材料を用いる場合は,ヘリウムガスがシール部を透過して漏れと

誤認する可能性があるため,ヘリウムガスを吹き付けた後,速やかに圧縮空気などを吹き付け,シ

ール部分のヘリウムガスを除去する。

2) 

作業は,ヘリウムガスの滞留を防ぐため換気のよい環境で行う。

3) 

漏れ箇所を探すときには,真空吹付け法を併用する。

4) 

リークディテクタによる表示値は,漏れ箇所部のヘリウムガス濃度に依存するため,定量を行うと

きにはヘリウムガスの濃度に注意する。

5) 

校正リークを試験体に取り付けられない場合は,リークディテクタ内蔵の校正リークを代用しても

よいが,試験体自体のもつコンダクタンスに考慮し,試験を実施する。

6) 

測定時に必要なヘリウムガスバックグラウンドは,目的とする測定値に対して 1/10 以下で測定する

ことが望ましい。

7) 

漏れ経路に空孔があると想定される試験体の場合は,応答時間の遅れが想定できるため,フードに

ヘリウムガスを導入してからの放置時間を十分に考慮する。

2.6

開放  フード内のヘリウムガスを試験箇所以外へ放出し,フードを外し,試験体に大気を導入する。

2.7

後処理  必要な後処理を行う。

2.8

判定  仕様に記載された漏れ量以下の場合に合格とする。


13

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附属書 3(規定)吸込み法(スニッファー法)

1.

適用  この附属書は,試験体内部をヘリウムガスで加圧し,漏れ箇所から外部に漏れ出るヘリウムガ

スを,

リークディテクタに接続した吸込みプローブで吸引し,

漏れを検出する吸込み法について規定する。

吸い込み法は,次に示すような漏れ位置を特定するのに有効な方法である。

a) 

大気圧より高い圧力で漏れ検査を実施する場合

b) 

形状が複雑で試験箇所の被覆ができない場合

c) 

加圧積分法で大きな漏れがある場合で,漏れ位置を特定する場合

2.

校正・試験方法の選択  吸込み法は,運用によって,次の試験・校正方法を選択することができる。

a) 

基準濃度法:最小可検濃度比を測定して,濃度で測定する方法  校正方法を JIS Z 8754 に準じて使用

する方法で,

試験体から漏れ出るヘリウムガスの濃度を測定して,

漏れの有無を判別する方法である。

測定値は,ヘリウムガスの濃度となる。

b) 

校正リーク法:校正リークを利用して,リーク量の定量を行う方法  校正リークから出力されるヘリ

ウムガスの濃度を基に,リーク量を定量する方法である。測定値は流量となるが,測定プローブの掃

引速度,リーク箇所からの距離などによって濃度が変化するため,漏えい箇所が限定できる場合に適

用するのが望ましい。別の方法としてリークディテクタに内蔵の校正リークでリークディテクタ単体

の感度校正を実施し,あらかじめ設定された吸込み法での検出感度の比率を乗じることによって,検

出感度を換算する方法もある。

c) 

大気校正法:大気に含有されるヘリウムガス濃度を活用して校正する方法  大気に含有されるヘリウ

ムガスの濃度を体積分率 5 ppm と仮定して校正する簡易的な方法であり,測定値は,ヘリウムガスの

濃度となる。狭い室内での試験では漏えいしたヘリウムガスによって大気に含有されるヘリウムガス

の濃度が上がるため注意が必要である。このため,濃度が分かっているヘリウム混合ガス,チャネル

形校正リークなどを併用して,使用するのがよい。測定値は濃度となるが,あらかじめ機器が校正リ

ークで校正されていれば,リーク量での表示も可能である。

3.

試験手順

3.1

試験装置及び試験材料  試験装置及び試験材料は,次による。

a) 

リークディテクタ

b) 

吸込みプローブ(ヘリウムガス漏れ吸込み口)

c) 

基準器

1) 

基準濃度  既知のヘリウムガス濃度をもったヘリウムガスと窒素又は空気との混合気体で,圧力 1

×10

5

Pa

±5  %の条件下で,リークディテクタに最小可検濃度比の 10 倍以上の測定値が得られるも

の。

2) 

校正リーク  チャネル形校正リークを使用する(メンブレン形校正リークは,一般的にその出力値

が小さいため,吸込み法の基準器には適さない。

。チャネル形校正リークは,それ自体を規定の圧

力で加圧することで,キャピラリーを通したヘリウムガスが流量として構成されているものをいう。

校正リークは,あらかじめ数個の校正リークでの相互比較法などによって確認され,異常のない

ものを用いる。また,密閉形の校正リークを使用する場合,校正リークの値については使用環境温


14

Z 2331

:2006

度での補正を行う。

附属書 図 にチャネル形校正リークの構造を示す。

キャピラリー部

バルブ

ヘリウムにて

規定圧力で加圧する

校正された値の

ヘリウム流量が

出力される

附属書   1  チャネル形校正リークの構造

3) 

大気  ヘリウムガスの大気中の濃度はおおよそ体積分率 5 ppm であるが,狭い部屋などでヘリウム

ガスを使用すると,室内のヘリウムガス濃度が上昇し,誤差が生じる可能性がある。このため,校

正に使用する大気は試験装置の置かれている建物の外壁から少なくとも 2 m 以上離れた位置から採

取したものを使用するのが望ましい。

d) 

圧力計

e) 

ヘリウムガス及び圧力調整器

f) 

真空排気装置

3.2

前処理  漏れ検出及び測定器に影響を与えるようなグリース,油脂,塗料などの表面付着物を除去

し,水分などが付着しないように乾燥させる。

3.3

試験準備

a) 

試験体に圧力計,圧力調整器などを接続する。

附属書 図 に接続例を示す。

チャネル型校正リーク

減圧弁

減圧弁

ヘリウムボンベ

ヘリウムボンベ

ガス置換用真空ポンプ

チャネル型校正リーク

 (チャネル型校正リークの規定圧力とテスト圧力が同じ場合)

試験体

吸込みプローブ

リークディテクタ

圧力計

安全弁

加圧弁

ガス置換弁

大気開放弁

附属書   2  使用機器接続例

ヘリウムで 
規定圧力で加圧する


15

Z 2331

:2006

b) 

選択した校正方法によってリークディテクタの校正を行う。次に代表的な校正例を示す。

1) 

基準濃度法:トレーサビリティがとれた校正ガスを使用する場合  濃度が校正されているヘリウム

混合ガスを大気圧が維持できる容器又は袋に導入し,リークディテクタの吸込みプローブで吸引し

たときの出力を記録し,リークテスト時の測定値と比較校正する。基準濃度法の機器構成例を,

属書 図 に示す。基準濃度は,容積の明確な容器などで製作したものを用いても構わない。

トレーサビリティーの取れたヘリウム混合ガス

圧力計

減圧弁

吸込みプローブ

リークディテクタ

大気圧を維持できる容器又は袋

ガス抜け穴

校正されたヘリウム濃度が出力される

附属書   3  基準濃度法の機器構成例

2) 

校正リーク法:チャネル形校正リークを使用する場合  チャネル形校正リークから出力されるヘリ

ウムガスを,リークディテクタの吸込みプローブで吸引したときの出力を記録し,リークテスト時

の測定値と比較校正する。校正リーク法の機器構成例を,

附属書 図 に示す。

ヘリウムボンベ

減圧弁

圧力計

チャネル型校正リーク

吸込みプローブ

リークディテクタ

校正されたヘリウム流量が出力される

キャピラリー先端から吸込みプローブの先端の距離

附属書   4  校正リーク法の機器構成例

チャネル形校正リーク


16

Z 2331

:2006

3) 

大気校正法  大気が含有しているヘリウムガスの濃度を体積分率 5 ppm と仮定し,大気を基準とし

て校正する方法である。使用する機器のもつ機能によって大きく 2 種類の方法を選択することがで

きる。

3.1) 

分析管フィラメントの ONOFF 又は同等の方法  分析管のフィラメントを OFF にすると,ヘリ

ウムガスを測定しない状態と同じになる。スニッファー法の場合は,常に分析管にヘリウムガス

を導入している状態のため,フィラメント ON にすることで大気圧に含有しているヘリウムガス

分の出力が得られる。その出力を記録し,リークテスト時の測定値と比較校正する。この他にも,

分析管に導入するためのバルブを閉じることで吸引しているときとしないときとの濃度差を体積

分率 5 ppm とする方法もある。分析管フィラメントの ON/OFF による大気校正法の模式を,

附属

書 図 に示す。

フ ィ ラ メ ン ト

O F F

フ ィ ラ メ ン ト

O N

フ ィ ラ メ ン ト

O F F

ヘリ

ウム

濃度

5ppm

の出

リ ー ク デ ィ テ ク タ の 出 力

附属書   5  分析管フィラメントの ONOFF による大気校正法の模式 

3.2) 

窒素ガスの併用  窒素ガスを吸込みプローブからリークディテクタに導入することで,大気に含

有する体積分率 5 ppm のヘリウムガスをキャンセルすることができる。窒素ガス併用による大気

校正法の構成例を,

附属書 図 に示す。吸込みプローブの流量に応じて,すぐにガスがなくな

らない程度の袋を用意し,内部に窒素ガスを充てんし,充てんされた窒素ガスを吸込みプローブ

で吸引する。そのときにリークディテクタの出力が下がるので,機器のゼロ点を合わせた後,吸

引を止め雰囲気の大気圧を吸引する。そのときの表示値を大気に含まれる濃度が体積分率 5 ppm

とし,その出力を記録し,リークテスト時の測定値と比較校正する。窒素ガスを併用した大気校

正法の模式を,

附属書 図 に示す。

窒素ガス

減圧弁

吸込みプローブ

リークディテクタ

100%に近い窒素ガスを吸引させる

100%に近い窒素ガスをつくる


17

Z 2331

:2006

附属書   6  窒素ガスの併用による大気校正法の構成例

測定状態

窒素ガスを
吸引させて

ゼロ点を合わせる

窒素ガスの吸引を

止めて雰囲気の大気

を吸引する

窒素ガスを
吸引させて

ゼロ点の再現性を

確認する

ウム

濃度比

の出力

リークディテクタの出力

附属書   7  窒素ガスの併用による大気校正法の模式

3.4

測定  測定は,次による。

a) 

試験体の加圧

1) 

加圧圧力  加圧圧力が規定されている場合は,それによる。規定のない場合は,大気圧より 1.5×10

4

Pa

以上に加圧する。

2) 

ヘリウムガス濃度  規定されている場合は,それによる。規定のない場合は,濃度は,体積分率 10  %

(圧力比)以上とする。

3) 

ヘリウムガス拡散時間(ヘリウムガスが試験体内に均一に混合される時間)  拡散時間が規定され

ている場合は,それによる。規定のない場合は,30 分以上とする。ただし,あらかじめ試験体を真

空にした状態でヘリウムガスを置換(注入)した場合,拡散時間をとる必要はない。

b) 

走査速度及び走査間隔  吸込みプローブの走査速度と走査間隔とは,検出したい漏れ量が十分確認で

きる条件とする。

c) 

漏れ測定  3.4 b)の試験条件に従って,吸込みプローブによって試験箇所を走査させ,このときのリー

クディテクタの出力変化量を記録する。操作は,試験体の下部から上部へ行う。

d) 

注意事項

1) 

試験順序は,ヘリウムガスが上方向に拡散しやすいので,試験体の下部から,上部方向に進める。

2) 

試験体のシール部に有機高分子材料を用いている場合は,ヘリウムガスがシール部を透過して漏れ

と誤認する可能性があるので,目的とする測定値と照らし合わせて評価をする。

3) 

試験場所及び近辺の大気に,加圧したヘリウムガスを開放すると,大気がヘリウムガスで汚染され

て,測定に影響を及ぼす可能性がある。このため,大気開放は屋外で行うか,排気ダクトなどを使

用して,試験場所と隔離して行うことが望ましい。また,作業は,ヘリウムガスの滞留を防ぐため

換気のよい環境で行う。

4) 

リークディテクタによる表示値は,内部に加圧したヘリウムガス濃度及び圧力に依存するため,そ

れらを記録として残して,補正値として利用する。

5) 

試験体の形状が細く複雑な場合は,末端までヘリウムガスが行きわたらない場合があるため,末端

を開放しヘリウムガスが内部を通過したことを確認した後に加圧することが望ましい。

6) 

測定時に必要なヘリウムガスバックグラウンドは,目的とする測定値に対して 1/10 以下で測定する

ことが望ましい。

3.5

後処理  覆いなどを除去し,必要な場合洗浄,乾燥などの処理をする。


18

Z 2331

:2006

3.6

判定  仕様に記載された漏れ量以下の場合に合格とする。

3.7

安全  加圧時試験体の破損,爆発などには十分注意し,必要以上の圧力を加えない。また,加圧状

態で試験体の温度を上げない。加圧中である旨を第三者(試験担当者以外)に明示する。


19

Z 2331

:2006

附属書 4(規定)加圧積分法

1.

適用  この附属書は,試験体をヘリウムガスで加圧し,漏れ箇所から外部に漏れるヘリウムガスを,

試験部を覆ったフード(被覆材料)で捕集し,これをリークディテクタに接続したスニッファープローブで

吸引し検出する方法について規定する。漏れたヘリウムガスを一定時間ため込み,濃度を上げる方法のた

め,吸込み法に比べ小さな漏れの検出に有効である。また,大気圧より高い圧力条件下で高精度な漏れ検

査を実施する場合に適している。

2.

校正・試験方法の選択  附属書 に示す 2. a)の基準濃度法又は 2. c)の大気校正法のいずれかを採用す

る。

3.

試験手順

3.1

試験装置及び試験材料  試験装置及び試験材料は,次による。

a) 

リークディテクタ

b) 

吸込みプローブ(ヘリウムガス漏れ吸込み口)

c) 

基準器  附属書 の 3.1 c) 1)又は 3.1 c) 3)に規定のものを使用する。

d) 

圧力計

e) 

ヘリウムガス及び圧力調整器

f) 

被覆用フード  ヘリウムガスの透過性が少ないもの(ビニールシート,アクリル板による箱なども可)

g) 

真空排気装置

3.2

前処理  漏れ検出及びリークディテクタに影響を与えるようなグリース,油脂,塗料などの表面付

着物を除去し,水分などが付着しないよう乾燥させる。

3.3

試験準備  試験準備は,次による。

a) 

試験体に圧力計,圧力調整器などを接続する。

附属書 図 に接続例を示す。

安全弁

大気開放弁

ガス置換弁

ガス置換用真空ポンプ

試験体

フード

リークディテクタ

スニファープローブ

減圧弁

加圧弁

圧力計

ヘリウムポンプ

ヘリウムガス

附属書   1  測定時の接続例

スニッファープローブ


20

Z 2331

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b) 

リークディテクタの校正  附属書 の 3.3 b)1)(基準濃度法)又は 3.3 b)3)(大気校正法)によって校

正する。

3.4

測定  測定は,次による。

a) 

試験箇所の覆い  試験箇所をヘリウムガス透過性が少ないビニールシートなどの材質によるフードで

覆い,その内容積(V)を求める。

b) 

ため込み時間の決定  検出可能な最小レベルのため込み時間 (s)は,次の式で決定される。

(

)

G

Q

V

X

X

P

t

×

×

×

=

S

1

2

atm

   (1)

         
ここに,

P

atm

雰囲気圧力(Pa)

X

1

被覆用フードにスニッファープローブを挿入する前の
バックグラウンドに対する測定値(濃度値)

X

2

被覆用フードにスニッファープローブを挿入し,平衡
に達したときの測定値(濃度値)

V

被覆用フード内容積 (m

3

)

Q

S

判定基準 (Pa・m

3

/s)

G

試験体内部のヘリウムガス濃度(圧力比)

(体積分率

100

%を 1 とする)

c) 

試験体の加圧  次の項目に従って加圧する。

1) 

加圧圧力  規定がある場合は,それによる。規定のない場合は,大気圧より 1.5×10

4

 Pa

以上に加圧

する。

2) 

ヘリウムガス濃度  規定がある場合は,それによる。規定のない場合は,濃度は,体積分率 10  %

(圧力比)以上とする。

3) 

ヘリウムガス拡散時間(ヘリウムが試験体内に均一に混合される時間)  規定がある場合は,それ

による。規定のない場合は,30 分以上とする。ただし,あらかじめ試験体を真空にした状態でヘリ

ウムガスを置換(注入)した場合は,拡散時間をとる必要はない。

d) 

ため込み時間放置  3.4 b)で求めたため込み時間放置する。ただし,ため込み時間が 3 時間を超える場

合は,3 時間が上限となるようにすることが望ましい。ため込み時間内は,3.4 c)の圧力を維持する。

e) 

漏れ測定

1) 

ヘリウムガス漏れ量の計算  ヘリウムガスリーク量 Q(Pa・m

3

/s

)は,次の式による。

(

)

G

t

V

X

X

P

Q

×

×

×

=

1

2

atm

  (2)

ここに,

P

atm

雰囲気圧力(Pa)

X

1

被覆用フードにスニッファープローブを挿入する前の
バックグラウンドに対する測定値(濃度値)

X

2

被覆用フードにスニッファープローブを挿入し,平衡
に達したときの測定値(濃度値)

V

被覆用フード内容積 (m

3

)

t

ため込み時間 (s)

G

試験体内部のヘリウムガス濃度(圧力比)

(体積分率

100

%を 1 とする。

2) 

ヘリウムガス漏れ量の計算例  ヘリウムガス濃度が体積分率 50  %(0.5)のヘリウム混合ガスで試験

体を加圧した状態で,1 時間(3 600 s)ため込み,被覆用フード内容積 100 cm

3

(1×10

4

m

3

)

の試験箇所の

バックグラウンド 5 (体積分率 ppm)と,被覆用フードにスニッファープローブを挿入し,平衡に達し


21

Z 2331

:2006

たときの値 10 (体積分率 ppm)からヘリウムガスリーク量を求める。

試験体内部のヘリウムガス濃度  (G)

0.5

ため込み時間  (t)

3 600 (

S

)

被覆用フード内容積(V) 1×10

4

 (m

3

)

雰囲気圧力(大気圧)  (P

atm

) 1.0

×10

5

 (Pa)

被覆用フードにスニッファープローブを挿入する前
のバックグラウンドに対する測定値(濃度値)    (X

1

)

5 (

体積分率 ppm)

被覆用フードにスニッファープローブを挿入し,平衡
に達したときの測定値(濃度値)    (X

2

)

10 (

体積分率 ppm)

であるから

(

)

G

t

V

P

Q

×

×

Χ

Χ

×

=

1

2

atm

   (3)

(

)

5

.

0

3600

10

1

10

5

10

10

10

0

.

1

4

6

6

5

×

×

×

×

×

×

×

8

10

8

.

2

×

=

f) 

注意事項

1) 

試験体のシール部に有機高分子材料を用いる場合は,ヘリウムガスがシール部を透過し,漏れと誤

認する可能性があるので,透過レベルが測定精度に影響しないことをあらかじめ確認することが必

要である。

2) 

試験場所において,加圧したヘリウムガスを大気中に開放すると,大気がヘリウムガスで汚染され

て測定に影響を及ぼす可能性がある。このため,大気開放は屋外に行うか,排気ダクトなどを使用

して,試験場所と隔離して行うことが望ましい。また,作業は,ヘリウムガスの滞留を防ぐため換

気のよい環境で行う。

3) 

漏れ箇所を探すときは,吸込み法(スニッファー法)との併用が望ましい。

4) 

リークディテクタによる表示値は,試験体内部の加圧されたヘリウムガス濃度及び圧力に依存する

ため,その値によって補正する。

5) 

試験体の形状が細く複雑な場合は,末端までヘリウムガスが行きわたらない場合があるため,末端

を開放しヘリウムガスが内部を通過することを確認した後に加圧することが望ましい。

6) 

測定時に必要なヘリウムガスバックグラウンドは,目的とする測定値に対して 1/10 以下で測定する

ことが望ましい。

3.5

後処理  加圧を解き,試験体内部を大気圧に戻す。繰返し試験を行う場合は,測定場所のヘリウム

濃度が上昇し,測定に影響を及ぼすため,ダクトなどを用いて屋外に排出するのがよい。

3.6

判定  仕様に記載された漏れ量以下の場合に合格とする。

3.7

安全  加圧時には試験体の破損・爆発には十分注意し,必要以上の圧力を加えない。また,加圧状

態で試験体の温度を上げない。加圧中であることを第三者(試験担当者以外)に明示する。


22

Z 2331

:2006

附属書 5(規定)吸盤法(サクションカップ法)

1.

適用  この附属書は,試験体を部分的に真空にして行う吸盤法について規定する。大形真空容器,そ

の他圧力容器などで,製作過程及び製品の状況によって全体を真空又は加圧することができない場合に適

用できる。適用例を次に示す。

a) 

大形の真空容器の製作過程での工程中確認検査

b) 

局部的な漏れの有無の確認検査

2.

試験手順

2.1

試験条件  試験条件は,次による。

a) 

試験温度  試験温度が規定されている場合は,それによる。

b) 

校正リーク  あらかじめ校正されたものを用いる。

なお,校正リークは,数個の校正リークでの相互比較法などによって確認され,異常のないものと

する。校正リーク値については,使用温度での補正を行う。

c) 

吸盤  (サクションカップ)  試験体との接触面をゴムパッキングなどによってシールし,試験体を局

部的に真空にするための小形真空容器。吸盤(サクションカップ)の内部は,リークディテクタの動

作に支障のない圧力となる真空が確保できなければならない。吸盤(サクションカップ)は,排気到

達圧力を考慮し,できるだけ内容積の小さいものとする。ゴムパッキングの真空シールを効果的に行

うため,必要に応じてシーリング材を用いてもよい。

2.2

準備  準備は,次による。

a) 

吸盤(サクションカップ)

,校正リーク,排気装置,リークディテクタ,ヘリウムガスを封入するため

のフード及びヘリウムガスを準備する。排気装置は,排気する吸盤(サクションカップ)の内容量と

到達圧力に応じ,必要なものを選択する。

b) 

試験体の前処理を行う。この場合,漏れ検出に影響を与えるグリース,油脂,塗料などの表面付着物

を除去し,十分に乾燥させる。

c) 

校正リークは吸盤(サクションカップ)に直接取り付けるか,できるだけ吸盤(サクションカップ)

に近い位置(リークディテクタから見て最も遠い位置)に取り付ける。ただし,校正リークを取り付

けることのできない吸盤(サクションカップ)の場合,配管途中に校正リークを取り付けるか,校正

リークを備えたリークディテクタを用いる。ただし,補助排気装置を使用しない小容量の吸盤(サク

ションカップ)を用いる場合は,その校正リークを用いてもよい。

2.3

真空排気  試験箇所に吸盤(サクションカップ)を取り付け,真空排気する。到達圧力は,リーク

ディテクターの動作に支障のない圧力で可とする。

2.4

感度校正及び応答時間の測定  附属書 と同様な方法で感度校正及び応答時間を測定する。

2.5

漏れ測定  漏れ測定は,次による。

a) 

附属書 図 及び附属書 図 に試験体,吸盤(サクションカップ),校正リーク,フード,排気装置

及びリークディテクタの構成例を示す。

b) 

吸盤を試験面に取り付け,真空排気を行う。圧力は,

2.4

で実施した応答時間の測定時と同程度とする。

c) 

試験面の反対側をヘリウムガスで満たす方法として,真空吹付け法の場合と同様にヘリウムガスを吹

き付ける方法及び

附属書 図 及び図 に示すようなフードで覆い,フード内の空気を排出した後に,


23

Z 2331

:2006

ヘリウムガスを封入する方法があるが,いずれの方法を採用するかはその対象となる試験体の形状及

び試験の行いやすさによって判断してよい。

校正リーク

吸盤(サクションカップ)

シール

フード

試験体

ヘリウムガス

排気装置

リークディテクタ

附属書   1  平面溶接部への吸盤法適用例

校正リーク

吸盤(サクションカップ)

シール

フード

試験体

ヘリウムガス

排気装置

リークディテクタ

附属書   2  隅肉溶接部への吸盤法適用例

d) 

フード内部にヘリウムガスを封入してから,2.4 で測定,補正された応答時間τ以上経過後のリークデ

ィテクタの指示値を観察又は記録する。その指示値も 2.4 で測定,補正された校正感度で必要に応じ

て補正する。

e) 

注意事項

1) 

試験体のシール部に有機高分子材料を用いている場合は,ヘリウムガスがシール部を透過して一般

の漏れと誤認するので,ヘリウムガス吹付け後,速やかに圧縮空気などを吹き付け,有機高分子材

料部分のヘリウムガスを除去する。


24

Z 2331

:2006

2) 

作業は,ヘリウムガスの滞留を防ぐため換気のよい環境で行う。

3) 

リーククディテクタの表示値は,漏れ箇所部のヘリウム濃度にするため,定量を行うときにはヘリ

ウムガスの濃度を考慮する。

4) 

校正リークを試験体に取り付けられない場合は,リークディテクタ内蔵の校正リークを代用しても

よいが,試験体自体のもつコンダクタンスに十分考慮し試験を実施する。

5) 

測定時に必要なヘリウムガスバックグランドは,目的とする測定値に対して 1/10 以下で測定するこ

とが望ましい。

6) 

漏れ経路に空孔があると想定される場合は,応答時間の遅れが予想されるため,十分な吹付け時間

を考慮する。

2.6

開放及び後処理  開放及び後処理は,次による。

a) 

フード内のヘリウムガスを放出し,吸盤(サクションカップ)の真空排気を終了した後,大気・乾燥

窒素などを吸盤(サクションカップ)に導入して内部圧力を大気圧に戻す。

b) 

吸盤(サクションカップ)

,校正リーク,フード,排気装置,リークディテクタなど,ヘリウム漏れ試

験を行うために取り付けた機器を,試験体から取り外す。

c) 

ヘリウム漏れ試験のため吸盤(サクションカップ)のゴムパッキング部をシーリング材で密閉したと

きは,そのシーリング材を取り除く。

2.7

判定  仕様に記載された漏れ量以下の場合に合格とする。


25

Z 2331

:2006

附属書 6(規定)真空容器法(ベルジャー法)

1.

適用  この附属書は,試験体を真空容器(ベルジャー)の中に入れ,その外周を真空に排気し,試験

体の内部を大気圧又はそれ以上にヘリウムガスで加圧し,漏れを検出する真空容器法について規定する。

真空容器法は,真空法と同様な高い検出感度を得ることができるので,加圧法におけるスニッファー法及

び加圧積分法と比較して,高い検出感度を要求する場合に適用する。ただし,漏れ位置を知ることができ

ないため,漏れ位置を知ることが必要な場合はその他の検査法を検討しておく必要がある。

2.

試験手順

2.1

試験装置  試験装置は,次による。

a) 

リークディテクタ

b) 

校正リーク  あらかじめ校正されたものを用いる。校正リークは,数個の校正リークでの相互比較法

などによって確認され,異常のないものとする。校正リーク値については,使用温度での補正を行う。

c) 

圧力計  真空容器(ベルジャー)の圧力を測定するものであって,測定範囲及び精度を考慮して選択

する。計器は相互比較法などによって確認され,異常のないものとする。

d) 

真空容器(ベルジャー)  試験体が収納できる大きさをもつもので,圧力計取付けポート,校正リー

ク取付けポート及び真空排気装置取付けポートをもつものとする。あらかじめ真空容器は,漏れ検査

によって漏れのないことを確認しておく。

e) 

真空排気装置  リークディテクタ内蔵の排気系が不十分な場合に,補助排気装置として,排気する容

量及び到達圧力に応じ,必要なものを選択する。

2.2

準備  準備は,次による。

a) 

リークディテクタ,ヘリウムガス(又はヘリウム混合ガス)

,校正リーク,圧力計,真空容器,真空排

気装置などを準備する。

b) 

試験体の前処理を行う。この場合,漏れ検出に影響を与えるグリース,油脂,塗料などの表面付着物

を除去し,乾燥させる。

2.3

真空排気  真空容器内に試験体を格納し,圧力計及び校正リークを取り付け,真空排気する。到達

圧力は,リークディテクタの動作に支障のない圧力とする。また,校正リークによって,規定の感度が得

られる圧力とする。

2.4

検出感度の校正  検出感度の校正は,次による。

a) 

校正リークのバルブを開いた状態で,校正リークの既知のリーク量 X

CAL

によるリークディテクタの校

正,すなわち補助排気に合わせた校正を行うか,リークディテクタの出力値を記録し,既知のリーク

量を真のリーク量としたときの,校正前実測値 X

2

とする。ここでは校正を行うため試験体は入れない

か,漏れのない試験体を入れて行う。

b) 

校正リークのバルブを閉じ,安定した出力値を X

1

とする。この値をバックグラウンド X

1

とする。た

だし,バックグラウンドが変化する場合,最大値(X

1.max.

)

と最小値(X

1.min.

)

とを測定し,その平均値をバ

ックグラウンド X

1

とする。

(

)

2

.

min

.

1

.

max

.

1

1

X

X

X

+

=

  (1)

c) 

応答時間の測定は,

附属書 図 による。


26

Z 2331

:2006

附属書   1  応答時間τの求め方

2.5

測定  測定は,次による。

a) 

試験体を真空容器(ベルジャー)に入れ,必要であれば試験体へのヘリウム配管接続を行う。

b) 

真空容器(ベルジャー)を密閉し,排気を開始する。

c) 

バックグラウンドを測定し,記録する。

d) 

試験体内部にヘリウムガスを封入する。この場合,真空装置で減圧し,ヘリウムガスと置換するのが

よい。加圧圧力が規定されている場合は,それによる。規定のない場合は大気圧より 1.5×10

4

Pa

以上

に加圧する。

e) 

ヘリウムガス導入の開始から,少なくとも,応答時間(τ)以上の時間経過後測定を行う。

f) 

漏れ量 Q

T

(Pa

・m

3

/s)

は,次の式によって求める。ただし,X

1

が X

P

X

2

に対して十分小さい(1/10 以下)とき

は省略する。リークディテクタを補助排気に合わせた校正を行った場合は,バックグランドの差し引きだけに省

略できる。

(

)

(

)

C

1

2

1

P

T

Q

X

X

X

X

Q

=

  (2)

ここに,

X

P

試験時のヘリウム漏れ検出器の指示値

X

1

バックグラウンドに対するヘリウム漏れ検出器の指示値(出力)

X

2

校正前実測値

Q

c

校正リークの既知のリーク量

備考  あらかじめヘリウムガスが封入されている試験体の場合,真空容器(ベルジャー)を密閉し排

気を開始してから測定するまでの時間で,ヘリウムガスバックグラウンドがどれくらいの値に

なるか,漏れのない試験体又は空の真空容器で測定しておく。

2.6

開放  必要であれば試験体内のヘリウムガスを放出し,真空容器(ベルジャー)を大気に開放する。

2.7

後処理  必要な後処理を行う。

2.8

判定  仕様に記載された漏れ量以下の場合は合格とする。

2.9

注意事項  注意事項は,次による。

X

2

-X

1

バックグラウンド

(X

2

-X

1

)の37%



校正リーク

バルブ開

時間

校正リーク

バルブ閉

X

2

X

1

バックグラウンド

τ

X

2

X

1

X

2

X

1

(X

2

X

1

)

の 37  %


27

Z 2331

:2006

a) 

封入ヘリウムガス濃度及びヘリウムガス圧力は,漏れ測定値に影響を与えるので明確にしておく。

b) 

ヘリウムガス導入システム付き真空容器法では,試験体へのヘリウムガス接続部が真空容器内にある

場合,接続部の漏れ及び透過に注意する。

c) 

ヘリウム混合ガス使用の場合は,あらかじめ混合し,濃度を確認したガスを使用する。

3.

試験状況  附属書 図 に事前ヘリウムガス封入試験体の真空容器法の適用例を,附属書 図 に試

験体へのヘリウムガス導入システム付き容器法の適用例を,それぞれ示す。

附属書   2  事前ヘリウムガス封入試験体の真空容器法適用例

附属書   3  ヘリウムガス導入システム付き真空容器法適用例

真空チャンバー

試験体

連成計

真空計

真空ポンプ
(真空チャンバー排気用)

リークディテクタ

真空ポンプ
(試験体内ガス置換用)

ヘリウムガス

真空チャンバー
排気バルブ

テストバルブ

真空チャンバー
ベントバルブ

試験体
排気バルブ

ヘリウムバルブ

試験体
ベントバルブ

加圧後

真空チ

ャンバ

ーに投

真空チャンバー

試験体

連成計

真空計

真空ポンプ
(真空チャンバー排気用)

リークディテクタ

真空ポンプ
(試験体内ガス置換用)

ヘリウムガス

真空チャンバー
排気バルブ

テストバルブ

真空チャンバー
ベントバルブ

試験体
排気バルブ

ヘリウムバルブ

試験体
ベントバルブ


28

Z 2331

:2006

附属書 7(規定)浸せき法(ボンビング法)

1.

適用  試験体をボンビング(加圧)タンク内に入れてヘリウムガスで一定時間加圧放置した後,それ

を取り出し,真空チャンバー内で試験体外側を真空排気する。もし,試験体にリークがあればヘリウムガ

スの加圧時に幾らかのヘリウムガスが試験体の中に入り,これが真空中に出てくる。これをリークディテ

クタで検出し,漏れを見つける浸漬法について規定する。浸漬法は,内部空間が真空又は空気若しくはガ

スで充てんされた密閉容器(例えば,パッケージ IC,水晶振動子など)の封止効果又は気密性を判定する

方法として適用する。

備考  加圧することをボンビングというので,この方法をボンビング法ともいう。

参考  この方法は,漏れが大きいとき,又は加圧が終ってから真空に排気するまでの時間が長い場合

は,漏れがあっても検出できないことがある。

2.

試験手順

2.1

試験装置  試験装置は,次による。

a) 

ヘリウムガスボンビングタンク又は装置

b) 

リークディテクタ

c) 

ヘリウムガス(体積分率 90  %以上)

2.2

準備  準備は,次による。

a) 

試験体表面の処理  試験体をヘリウムガスボンビングする場合,試験体表面の水分,油分,汚れなど

を除去し,乾燥状態とする。

b) 

試験装置  附属書 図 にヘリウムガスボンビング装置の構成例を,附属書 図 にリークテスト装

置の構成例を,それぞれ示す。

附属書   1  ヘリウムガスボンビング装置の構成例

ヘリウムガスボンベ

ボンビングタンク

圧力計

排気装置

試験体


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附属書   2  リークテスト装置の構成例

ヘリウムガスボンビング装置は,試験体を取り出すときに,ヘリウムガスを放出し室内を汚染する

ため,リークテスト装置から離れた場所に設置することが望ましい。

c) 

ヘリウムガスボンビング

1) 

試験体をボンビングタンク内に入れ,真空排気装置で内部空気を排気する。

2) 

あらかじめ設定された時間だけへリウムガスで気圧調整し,試験体内へ,ヘリウムガスを浸せきさ

せる。加圧圧力が規定されている場合は,それによる。規定のない場合は大気圧より 1.5×10

4

Pa

上に加圧する。

3) 

圧力を取り除いて試験体を取り出し,試験体表面に空気吹付けを行う。

2.3

検出感度の校正及び測定  ボンビング法での検出感度の校正及び測定に関しては,真空容器法(ベ

ルジャー法)で行うため,

附属書 を参照。

2.4

試験方法  試験方法は,次による。

a) 

テスト方法 A  直接又は補助排気系を介してリークディテクタに接続された真空容器(ベルジャー)

にボンビングされた試験体を入れ,浸せきしたヘリウムガスを検出する。規定する標準空気換算リー

ク量(Q

AIR

)

は,ヘリウムガスボンビング(加圧)圧力(P

e

)

と加圧時間(t

1

)

,加圧を除いてリーク検出する

までの間の放置時間(t

2

)

とそのときの大気圧の絶対圧力(P

0

)

,試験体内部空間容積(V)及び標準空気換算

リーク量にするための空気の分子量(M

AIR

)

とヘリウムガスの分子量(M

He

)

によって,実測リーク量(Q

R

)

に換算する。すなわち,隔壁の片側が 0.1 MPa±5  %,もう片側が 1 000 Pa 未満,温度 23±7℃の標準

状態の下で−25  ℃より低い露点をもつ空気がリークする標準空気換算リーク量(Q

AIR

)

は,次の式によ

ってヘリウムガスでの実測リーク量 Q

R

(Pa・m

3

/s

)に換算する。

ここで

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

ú

û

ù

ê

ë

é

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

He

AIR

0

2

AIR

He

AIR

0

1

AIR

He

AIR

0

e

AIR

R

exp

exp

1

Μ

Μ

Ρ

Μ

Μ

Ρ

Μ

Μ

Ρ

Ρ

V

t

Q

V

t

Q

Q

Q

(1)

校正リーク

ピラニーゲージ

真空容器(べルジャー)

試験体

ヘリウムガス

リークディテクタ

排気装置


30

Z 2331

:2006

ここに,

Q

R

ヘリウムガスでの実測リーク量  (Pa・m

3

/s)

Q

AIR

標準空気換算リーク量  (Pa・m

3

/s)

P

e

加圧の絶対圧力  (Pa)

  P

0

大気圧の絶対圧力  (1.0×10

5

 Pa)

  M

AIR

空気の分子量  (29.0)

  M

He

ヘリウムガスの分子量  (4)

t

1

P

e

加圧時間  (s)

t

2

加圧を解いてリーク検出する間の放置時間(s)

V

試験体内部空間容積  (m

3

)

式(1)は,試験体が要求される標準空気換算リーク量をあらかじめ設定し,加圧圧力,加圧時間などの試

験条件を試験設備に合わせて変更し,

リークディテクタにおける実測リーク判定値を算出するものである。

ほかに規定のない限り,P

e

は最小 5 気圧,t

1

は最小 1 時間とする。

b) 

テスト方法 B  この方法は,テストする試験体の内部空間容積が,附属書 表 に指定されている条

件を使用する。時間(t

1

)

はボンビングの加圧時間,時間(t

2

)

は加圧開放後リークテストするまでの時間

とする。

2.5

判定  判定は,次による。

a) 

テスト方法 A  判定基準がある場合,その基準値による。基準がない場合,次の値を不合格とする。

試験体内部空間容積 0.01 cm

3

未満では,標準空気換算リーク量 5×10

-9

 Pa

・m

3

/s

以上。試験体内部空

間容積が 0.01 cm

3

以上 0.5 cm

3

未満の場合,標準空気換算リーク量 1×10

-8

 Pa

・m

3

/s

以上。試験体内部

空間容積が 0.5 cm

3

以上の場合,等価基準リーク量 1×10

-7

 Pa

・m

3

/s

以上。

b) 

テスト方法 B  附属書 表 による。

2.6

後処理  ボンビングタンクから試験体を取り出すとき,へリウムガスを室内に放出させないように

する。

2.7

注意事項  注意事項は,次による。

a) 

浸せき法の場合,リーク量が 1×10

-5

 Pa

・m

3

/s

のような大きな漏れでも放置時間が長いと,ほとんど感

度がなくなる。常識的な加圧時間(10 分∼1 時間)

,放置時間(5∼30 分)で感度が得られるのは,10

-6

∼10

-8

 Pa

・m

3

/s

のリーク量となる。例えば, 10

-5

 Pa

・m

3

/s

(グロースリーク)のような大きな漏れは,

この方法では検出が難しいので,ほかの方法での試験が必要である。

b) 

浸せき法では,同じ漏れ量のリーク箇所であっても,浸せきしたヘリウムガスは,試験体内部空間容

積によって希釈されるので,試験体内部空間容積が違えば実際に測定される測定値は違ってくる。

c) 

ボンビング時に使用したヘリウムガスの不用意な処置によって,室内のヘリウムガス濃度の上昇又は,

別室でのヘリウム濃度上昇が空調のダクトを介して影響を与える場合がある。

附属書   1  テスト方法 B

ボンビング条件

実測リーク量 Q

R

の合否判定基準

Pa

・m

3

/s

試験体内部空間容積 V

cm

3

加圧  Pa

加圧時間  t

1

最大開放時間  t

2

<0.05 5.1×10

5

2

時間

1

時間 4.9×10

-9

≧0.05  ∼  <0.5 5.1×10

5

4

時間

1

時間 4.9×10

-9

≧0.5  ∼  <1.0 3.0×10

5

2

時間

1

時間 4.9×10

-9

≧1.0  ∼  <10.0 3.0×10

5

5

時間

1

時間 4.9×10

-9

≧10.0  ∼  <20.0 3.0×10

5

 10

時間

1

時間 4.9×10

-9