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Z 2329 : 2002

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本非破

壊検査協会 (JSNDI) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 2329 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。


Z 2329 : 2002

(1) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  試験の種類

1

4.1

  加圧法

1

4.2

  真空法

1

5.

  試験装置

1

5.1

  圧力計及び真空計

1

5.2

  加圧装置

1

5.3

  真空装置

1

6.

  試験材料

1

6.1

  発泡液試験片

2

6.2

  発泡液

3

6.3

  気体

3

7.

  前処理

3

8.

  試験方法

3

8.1

  試験温度

3

8.2

  試験圧力

3

8.3

  圧力保持時間

3

8.4

  試験手順

3

8.4.1

  加圧法

3

8.4.2

  真空法

4

8.5

  発泡液の腐食試験方法

4

8.5.1

  発泡液の腐食試験片

4

8.5.2

  表面腐食試験

4

8.5.3

  すきま腐食試験

5

8.5.4

  発泡液の腐食試験結果の評価

5

9.

  後処理

5

10.

  再試験

5

11.

  合否基準

5

12.

  記録

5

13.

  安全

6


日本工業規格

JIS

 Z

2329

 : 2002

発泡漏れ試験方法

Methods for bubble leak testing

1.

適用範囲  この規格は,試験面の一方を加圧又は真空にし,試験体の試験面とその反対側との差圧に

よって生じる気体の漏れを,試験面に塗布した発泡液の泡の形成を観察することによって,漏れ箇所を検

知する漏れ試験方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS R 6252

  研磨紙

JIS Z 2300

  非破壊試験用語

3.

定義  この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS Z 2300 による。

4.

試験の種類

4.1

加圧法  試験面の反対側に気体で圧力を加え,試験面へ通過する気体の漏れ及び箇所を,試験面の

表面に塗布した発泡液の泡の形成や気体の噴出を観察することによって検知する方法。

4.2

真空法  透明な窓のある真空箱を試験面に載せ,真空箱の中を真空にし,試験面へ通過する気体の

漏れ及び箇所を,試験面の表面に塗布した発泡液の泡の形成を観察することによって検知する方法。

5.

試験装置

5.1

圧力計及び真空計  圧力計及び真空計は,試験圧力を測定するためのものであって,試験条件を考

慮して選択し,必要な精度をもつものとする。

5.2

加圧装置  加圧装置は,コンプレッサ,ボンベ又はその他の加圧装置を用い,更に必要に応じて減

圧弁を用いて試験に必要な加圧気体をつくることができる装置とする。

5.3

真空装置  真空装置は,次による。

a)

真空箱

b)

空気抽出器(エアエジェクタ)又は真空ポンプ

6.

試験材料


2

Z 2329 : 2002

6.1

発泡液試験片  発泡液試験片は,発泡液の性能を調べるもので,発泡液試験片の形状は,図 によ

る。また,発泡液試験片使用方法の例を

図 及び図 に示す。

備考1.  発泡液試験片の材料は,腐食し難い金属とする。

2.

発泡液試験片の表示は,次による。

図 1  発泡液試験片 

図 2  加圧法による発泡液試験片使用例


3

Z 2329 : 2002

図 3  真空法による発泡液試験片使用例

6.2

発泡液  発泡液は,発泡性が良く,試験体及び人体に害を及ぼすおそれが少ないものであって,図 1

の発泡液試験片を用い,大気圧との差圧 4×10

3

∼5×10

3

Pa

で発泡が確認されているものとする。ニッケル

基金属,オーステナイト系ステンレス鋼,チタン合金などの試験体においては,低硫黄,低ハロゲンの発

泡液を使用することが望ましい。一般の家庭用洗剤は,使用してはならない。

発泡液の腐食試験は 8.5 によって実施する。

なお,既に実施されている場合又は腐食上問題がないことが既に分かっている場合には省略することが

できる。

6.3

気体  試験に用いる気体は,その種類が規定されている場合は,その規定による。

一般には空気を用いてよいが,その他の気体を用いる場合は,試験体及び人体に害を及ぼすおそれが少

ない窒素,アルゴン,ヘリウムなどの気体が望ましい。

7.

前処理  試験体の漏れ及び発泡に影響を与えるおそれがある油脂,汚れなど発泡を妨げるものを除去

する。

8.

試験方法

8.1

試験温度  試験体の試験温度は,一般に 5∼50℃の範囲で行う。その範囲を外れた場合は,その温度

に適した発泡液を使用する。

8.2

試験圧力  言式験圧力が規定されている場合は,その規定による。規定がない場合は,次による。

a)

加圧法  試験体と大気圧との差圧が 1.5×10

4

Pa

以上の圧力まで加圧して行う。

b)

真空法  真空箱内の圧力は,大気圧より 1.5×10

4

Pa

以上低い圧力まで減圧して行う。

8.3

圧力保持時間  試験体の圧力保持時間が規定されている場合は,その規定による。規定がない場合

は,次による。

a)

加圧法  10 分間以上

b)

真空法  10 秒間以上

8.4

試験手順

8.4.1

加圧法  加圧法による試験手順は,次による。

a)

準備  圧力計,加圧装置及び発泡液を準備する。

b)

試験条件の設定  試験条件を定める。

c)

前処理及び開口部処理  前処理を行う。必要な場合は,開口部の密封処理も行う。

d)

配管  試験体と圧力計,加圧装置を配管などで接続する。


4

Z 2329 : 2002

e)

昇圧  試験体を規定圧力まで昇圧する。

f)

圧力保持  加圧した状態で試験体を規定の時間保持する。

g)

発泡液の塗布及び観察  発泡液を試験体表面に塗布し,発泡の状態を 10 秒間以上観察する。発泡を確

認した箇所を記録する。

h)

降圧  試験体の圧力を下げ,試験開始状態へ復帰させる。

i)

記録  試験結果を記録する。

j)

判定  11.の合否基準によって判定する。

8.4.2

真空法  真空法による試験手順は,次による。

a)

準備  真空箱,真空計,真空排気装置及び発泡液を準備する。

b)

試験条件の設定  試験条件を定める。

c)

前処理及び開口部処理  前処理を行う。必要な場合は開口部の密封処理も行う。

d)

配管  真空箱,真空計,真空排気装置を配管などで接続する。

e)

発泡液の塗布  発泡液を試験体表面に塗布する。

f)

真空排気  真空箱を試験体の試験面上に載せ,真空箱内を排気する。

g)

観察  真空に排気すると同時に観察を始め,規定の圧力まで低下した後,更に 10 秒間以上観察する。

発泡を確認した箇所が後で判別できるように真空箱の外部の試験体部分に印を付ける。

h)

大気圧開放  真空箱内に空気を導入し,大気圧に復帰させ,真空箱を取り外し,漏れ箇所に印を付け

る。

i)

記録  試験結果を記録する。

j)

判定  11.の合否基準によって判定する。

8.5

発泡液の腐食試験方法  発泡漏れ試験法に使用する発泡液の腐食性(変色も含める)の有無を調べ

る試験方法を規定する。この試験方法は,常温用の発泡液について規定する。高温用,低温用などの特殊

な発泡液の腐食試験については受渡当事者間の協定による。

8.5.1

発泡液の腐食試験片  試験片は,次による。

a)

試験片は板状とし,その寸法は次による。

幅 15mm 以上,長さ 60mm 以上,厚さ 1mm 以上で腐食試験に支障のない大きさとする。

b)

試験片の表面は,前処理として JIS R 6252 に規定する 280 番の研磨紙で研磨を行う。研磨終了後適切

な溶剤(

例  アセトンなど)で洗浄して脱脂する。

c)

この試験で使用する試験片材料は銅,炭素鋼及びアルミニウムとする。その他の材料に適用する場合

は,受渡当事者間の協定による。

炭素鋼      :JIS G 3101 の SS400 に相当するもの

銅          :JIS H 3100 の C1100 に相当するもの

アルミニウム:JIS H 4000 の 7075 に相当するもの

8.5.2

表面腐食試験  表面腐食試験は,次による。

a)

試験容器  試験容器は,1 リットルビーカーなどを使用する。

b)

試験方法  試験方法は,次による。

1)

図 に示す試験容器内の受け台の上に水平に試験片を置き,マイクロピペットを用いて試験面の 2

か所に発泡液を,1 か所に蒸留水又は脱イオン水(以下,水という。

)を 0.01∼0.03ml 滴下する。

2)

試験容器は 25±2℃,湿度 50∼70%の室内に 5 時間放置する。

3)

試験片を取り出し,水で試験片表面を洗浄・乾燥後,腐食又は変色の程度を肉眼で観察する。


5

Z 2329 : 2002

8.5.3

すきま腐食試験  すきま腐食試験は,次による。

a)

試験片  試験片は,それぞれ同一材質,同一形状のものを使用する。

b)

試験方法  試験方法は,次による。

1)

マイクロピペットを用いて,試験片表面に 0.01∼0.03ml の発泡液を滴下する。もう 1 枚の試験片を

静かに重ね,

図 に示すようにクランプで軽く固定する。

2)

同様の手順で発泡液の代わりに水を用いた試験片を用意する。

3)

発泡液を用いた試験片と水を用いた試験片を 25±2℃の室内に 2 時間放置する。

4)

放置後,クランプをはずし,表面を水で洗浄し,乾燥後,表面の腐食又は変色の程度を肉眼で観察

する。

図 4  表面腐食試験方法(例)

図 5  すきま腐食試験方法(例)

8.5.4

発泡液の腐食試験結果の評価

a)

表面腐食試験結果の評価  表面腐食試験結果の評価は,次による。

発泡液を滴下した部分の表面を観察し,腐食又は変色の程度が水を滴下した部分の表面と比較して,

同等又は少ないものとする。

b)

すきま腐食試験結果の評価  すきま腐食試験結果の評価は,次による。

発泡液を滴下した試験面を観察し,腐食又は変色の程度が水を滴下した試験面と比較して,同等又

は少ないものとする。

9.

後処理  発泡液が試験体に悪影響を及ぼすおそれがある場合は,試験後速やかに発泡液を除去すると

ともに防せい(錆)

,乾燥などの処理を行う。

10.

再試験  試験方法に誤りがあった場合又は溶接補修などを行った場合には,再試験を行う。

11.

合否基準  特に規定がない限り,連続する発泡又は気泡の成長若しくは気体の噴出がなければ合格と

する。

12.

記録  必要に応じて,次の項目を記録する。

a)

試験品名


6

Z 2329 : 2002

b)

製造番号

c)

試験体の容積又は寸法

d)

試験年月日

e)

試験箇所及び試験場所

f)

試験者名

g)

試験方法

h)

発泡液の品名

i)

試験圧力,温度

j)

試験結果

13.

安全  加圧法においては,試験体を加圧するので,試験体の破損,爆発などに十分注意し,特に必要

以上の高い圧力を加えてはならない。また,加圧状態で試験体の温度を上げてはならない。

なお,加圧中である旨を第三者(試験担当者以外の人)に明示し,安全対策をとる。


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Z 2329 : 2002

JIS Z 2329

(発泡漏れ試験方法)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

田  口  哲  夫

株式会社日立製作所

(幹事)

桜  井  善  茂

株式会社東芝電力システム

(委員)

穐  山  貞  治

経済産業省産業技術環境局

橋  本      進

財団法人日本規格協会

安  蔵  泰  夫

社団法人日本溶接協会

関  根  和  喜

横浜国立大学工学部

小  田  和  昭

横河商事株式会社

外  越      明

東和化工株式会社

佐  藤  清  士

栄進化学株式会社

谷          峰

株式会社タセト

山  岡  一  彦

マークテック株式会社

田  原      晃

金属材料技術研究所

松  本  善  晴

川崎重工業株式会社

増  永      中

東京ガス株式会社

大  岡  紀  一

日本原子力研究所大洗研究所

落  合  英二郎

日本真空技術株式会社

土  屋  武  雄

東芝ドキュメンツ株式会社

田  村  芳  一

アネルバ株式会社

(事務局)

阿  部  節  矢

社団法人日本非破壊検査協会

日本工業標準調査会標準部会  電気技術専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

木  原  諄  二

姫路工業大学環境人間学部

(委員)

大河内  春  乃

東京理科大学理学部 II 部化学科

大  橋      守

日本製鐵株式会社技術総括部

國  府  勝  郎

東京都立大学大学院工学研究科

佐久間  健  人

東京大学大学院新領域創成科学研究科

中  島  正  博

日本鋼管株式会社鉄鋼技術総括部

中  島  將  文

社団法人日本鉄道施設協会

福  永      規

住友金属工業株式会社技術部

前  原  郷  治

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター

松  田  邦  男

川崎製鉄株式会社技術総括部

村  上  陽  一

社団法人日本電機工業会

矢  部  丈  夫

ステンレス協会

山  内      学

株式会社神戸製鋼所鉄鋼部門生産本部生産技術部