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Z 2242

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼

連盟(JISF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって JIS Z 2242:1998 は改正され,また,JIS Z 2202:1998 は廃止し,この規格に統合される。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/DIS 148-1:2003,Metallic materials

−Charpy pendulum impact test−Part 1: Test Method を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS Z 2242

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)センタリングトング

附属書 B(規定)横膨出の求め方

附属書 C(規定)破面率の求め方

附属書 D(規定)遷移曲線,破面遷移温度及びエネルギー遷移温度の求め方

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


Z 2242

:2005

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

3.1

  エネルギーに関する用語 

1

3.2

  試験片に関する用語

1

4.

  記号,単位及び名称

2

5.

  原理

2

6.

  試験片

2

6.1

  一般

3

6.2

  ノッチ形状 

3

6.3

  試験片の許容差

3

6.4

  試験片の製作 

3

6.5

  試験片の印字 

3

7.

  試験機

4

7.1

  据付け及び検証

4

7.2

  衝撃刃

4

7.3

  トレーサビリティ

4

8.

  試験手順

4

8.1

  一般

4

8.2

  試験温度 

4

8.3

  試験片の移動 

5

8.4

  試験機の能力超過

5

8.5

  不完全破断 

5

8.6

  試験片の詰まり

5

8.7

  破断後の検査 

6

8.8

  試験片の数 

6

9.

  試験結果の報告 

6

9.1

  必す(須)項目

6

9.2

  協定による項目

6

附属書 A(参考)センタリングトング

7

附属書 B(規定)横膨出の求め方 

8

附属書 C(規定)破面率の求め方 

9

附属書 D(規定)遷移曲線,破面遷移温度及び  エネルギー遷移温度の求め方

10

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

11


日本工業規格

JIS

 Z

2242

:2005

金属材料のシャルピー衝撃試験方法

Method for Charpy pendulum impact test of metallic materials

序文  この規格は,2003 年に第 2 版として発行された ISO/DIS 148-1,Metallic materials−Charpy pendulum

impact test

−Part 1: Test Method を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,金属材料に衝撃を与えて,吸収されるエネルギーを決めるシャルピー衝撃(V

ノッチ及び U ノッチ)試験方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO/DIS 148-1:2003

,Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 1: Test Method (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7722

  シャルピー振子式衝撃試験−試験機の検証

備考 ISO 

148-2:1998

  Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 2: Verification of test

machines

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 8401

  数値の丸め方

ISO 3785

  Steel−Designation of test piece axes

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1 

エネルギーに関する用語

3.1.1 

初期位置エネルギー(A

p

)  直接検証によって実測し決定されるエネルギー(JIS B 7722 参照)。

3.1.2 

吸収エネルギー(K)  衝撃試験において,試験片を破断するのに要したエネルギー。

備考  試験片のノッチ形状を表す V 又は U の文字と,衝撃刃の半径を表す 2 又は 8 の数字を添え字と

して付け,例えば,KV

2

で示す。

3.2 

試験片に関する用語  試験機の載せ台の上の試験位置に置かれた試験片に関する用語は,次による

図 参照)。

3.2.1 

試験片高さ  ノッチ面とその反対面との間隔。

3.2.2 

試験片幅  ノッチと平行で,高さに垂直な寸法。


2

Z 2242

:2005

3.2.3 

試験片長さ  ノッチに直角方向の寸法。

  1  衝撃試験機の載せ台,受け台及び試験片の配置

4. 

記号,単位及び名称  この規格で用いる記号,単位及び名称は,次による。

記号

単位

名称

A

p

 J

初期位置エネルギー

FA %

延性破面率

h

mm

試験片高さ

KU

2

 J

半径 2 mm の衝撃刃を用いた U ノッチ試験片の吸収エネルギー

KU

8

 J

半径 8 mm の衝撃刃を用いた U ノッチ試験片の吸収エネルギー

KV

2

 J

半径 2 mm の衝撃刃を用いた V ノッチ試験片の吸収エネルギー

KV

8

 J

半径 8 mm の衝撃刃を用いた V ノッチ試験片の吸収エネルギー

LE mm

横膨出

l

mm

試験片長さ

b

mm

試験片幅

5. 

原理  この試験は,次の条件の下で,振子の一振りによって,ノッチを付けた試験片を破断して行う。

試験片のノッチ部分は,指定された形状をもち,試験時に衝撃方向と反対に位置する二つの受け台の中心

に置く。

多くの金属材料の衝撃値は,試験温度によって変化するため,試験は指定された温度で行う。その温度

が室温でない場合は,試験片は,その温度に管理された状態で加熱又は冷却しなければならない。

6. 

試験片

載せ台

試験片長さ

受け台

受け台

試験片幅

試験片高さ

90°

11°±1°

標準試験片

覆い

振子のスウィング方向

90°±0.10°

打撃の中心


3

Z 2242

:2005

6.1 

一般  標準試験片は,長さ 55 mm で,1 辺が 10 mm の正方形断面をもつものとする。長さの中心に

6.2.1

及び 6.2.2 に規定する V ノッチ又は U ノッチのいずれかを付ける。ただし,材料から標準試験片が採

取できない場合は,幅が 7.5mm,5 mm 又は 2.5mm のサブサイズ試験片を用いなければならない(

図 

照)

参考  サブサイズ試験片を使用する場合は,載せ台面から試験片の中心までの高さが標準試験片と同

じく 5 mm となるように,当て物を載せ台上に設置してもよい。

試験片の表面粗さは,端部を除いて 3.2

µmRa 以下でなければならない。

熱処理した材料を評価する場合,

熱処理前に機械加工しても差異がないことを示さない限り,

試験片は,

熱処理後に機械加工しなければならない。

6.2 

ノッチ形状  ノッチは,吸収エネルギーに影響する可能性のあるような切削きずがノッチの底部に

付かないように,注意して加工しなければならない。

ノッチの対称面は,試験片の長さ方向の軸に垂直でなければならない。

6.2.1 V

ノッチ  V ノッチは,ノッチ角度 45°,ノッチ深さ 2 mm 及びノッチ底半径 0.25 mm とする。

6.2.2 U

ノッチ  特に指定がない限り,ノッチ深さ 5 mm 及びノッチ底半径 1 mm とする。ただし,受渡

当事者間の協定によって,ノッチ深さ 2 mm 及びノッチ底半径 1 mm としてもよい。

6.3 

試験片の許容差  この規格で規定する試験片及びノッチ形状の許容差は,図 及び表 による。

6.4 

試験片の製作  試験片の製作は,例えば,熱影響又は冷間加工の影響が最小になるように行わなけ

ればならない。

6.5 

試験片の印字  試験片には,ノッチから十分離れた位置に,載せ台又は受け台に接しない面に印字

してもよい。ノッチから十分に離れた位置に印字するのは,試験で測定される吸収エネルギーに対して,

塑性加工及び表面欠陥の影響を防止するためである。

  2  シャルピー衝撃試験片


4

Z 2242

:2005

  1  試験片の寸法及び許容差

V

ノッチ試験片

U

ノッチ試験片

名称

記号

寸法

許容差

寸法

許容差

長さ

l

1

 55

mm

±0.60  mm

55  mm

±0.60  mm

高さ

h

1

 10

mm

±0.05  mm

10  mm

±0.05  mm

幅(サブサイズの場合) 
幅(サブサイズの場合) 
幅(サブサイズの場合)

b

1

 

10  mm

7.5  mm

5  mm

2.5  mm

±0.05  mm

±0.05  mm 
±0.05  mm 
±0.05  mm

10  mm

7.5  mm

5  mm

2.5  mm

±0.05  mm

±0.05  mm 
±0.05  mm 
±0.05  mm

V

ノッチ角度/U ノッチ幅

α/b

2

 45

°

±2°

2  mm

±0.14  mm

ノッチ下高さ

h

2

8  mm

±0.05  mm

5  mm(

1

)

±0.05  mm

ノッチ底半径

0.25  mm

±0.025  mm

1  mm

±0.07  mm

自動位置決め

でない場合

27.5  mm

±0.40  mm 27.5

mm

±0.40  mm

ノッチ対称面と端面

との距離

自動位置決め
の場合

l

2

27.5  mm

±0.165 mm

27.5    mm

±0.165 mm

試験片長手方向とノッチ対称面との
角度

 90

°

±2° 90°

±2°

端面を除く隣り合う面間の角度

β 90°

±2° 90°

±2°

(

1

)

他のノッチ下高さを規定する場合は,許容差も同時に規定するものとする。ただし,ノッチ下高さ 8 mm につい
ては,±0.05 mm とする。 

7. 

試験機

7.1 

据付け及び検証  試験機は,JIS B 7722 に従って据付け及び検証を行わなければならない。

7.2 

衝撃刃  衝撃刃の形式は,半径 2 mm の衝撃刃又は半径 8 mm の衝撃刃のいずれであるかを明示しな

ければならない。衝撃刃の半径は,KV

2

又は KV

8

のように,添え字で示すのが望ましい。

備考  試験結果は,半径 2 mm と半径 8 mm の衝撃刃で通常異なる。

7.3 

トレーサビリティ  測定に使用する装置は,すべて国家標準又は国際標準へのトレーサビリティが

なければならない。また,装置は,適切な周期で校正しなければならない。

8. 

試験手順

8.1 

一般  試験には,通常,半径 2 mm の衝撃刃を用いる。ただし,個別の材料規格などで半径 8 mm の

衝撃刃を規定している場合は,半径 8 mm の衝撃刃を用いる。試験片は,そのノッチ部を試験片受け台間

の中央に一致させるようにし,試験片のノッチ部の中央と試験片受け台間の中央との食い違いは 0.5 mm

以内とする。試験は,ノッチの反対側の試験片面に衝撃刃によって衝撃を与える。

8.2 

試験温度  試験は,特に指定がない限り,23±5  ℃で行う。温度が指定された場合は,試験片温度

は,次のようにして,指定温度の±2  ℃以内に調節しなければならない。


5

Z 2242

:2005

8.2.1 

液体を使用して加熱又は冷却する場合,試験片は,液体を入れた容器の中に入れ,容器の底から少

なくとも 25 mm 離した格子の上に置き,液面から 25 mm 以上沈め,容器の側面から 10 mm 以上離す。液

体は,かくはんし,適切な方法で所定の温度にする。液体の温度を測定する装置は,試験片のグループの

中心に置くのが望ましい。液体の温度は,少なくとも 5 分間以上,指定温度に対して±1  ℃に維持しなけ

ればならない。ただし,200  ℃以下の高温で試験を行う場合は,試験片を指定の温度に対して±2  ℃に保

たれた液槽中に置き,試験片温度を少なくとも 10 分間一定に保ち,その後,試験片を試験機の支持台に置

いて,ハンマで衝撃を与えてもよい。

備考  液体が沸点に近い場合,液体中から破断するまでの間に気化冷却によって試験片の温度を著し

く下げる場合がある。

8.2.2 

気体によって加熱又は冷却する場合,試験片は,少なくとも容器の表面から 50 mm 以上離し,個々

の試験片は,10 mm 以上離さなければならない。気体は,常に循環させ,適切な方法で所定の温度にする。

気体の温度を測定する装置は,試験片のグループの中心に設置する。気体の温度は,少なくとも 30 分間以

上指定温度に対して±1  ℃に維持しなければならない。

ただし,

200

℃を超える高温で試験を行う場合は,

試験片を指定の温度に対して±5  ℃の許容差に保った気槽中に置き,

試験片温度を少なくとも 20 分間一定

に保ち,その後,試験片を試験機の支持台に置いて,ハンマで衝撃を与えてもよい。

8.3 

試験片の移動  室温以外で試験を行う場合には,試験片を加熱又は冷却媒体から取り出してから衝

撃刃によって衝撃を与えるまでの時間は,5 秒以内としなければならない。

移動用の道具は,試験片の温度が,許容する温度範囲内となるように設計したものを,使用しなければ

ならない。

媒体中から試験機に移送する間に試験片と接する部分は,試験片と同じ温度にしておかなければならな

い。

備考  受け台上で試験片の中心合わせに用いるジグは,低い吸収エネルギーで破断した高強度の試験

片がこのジグから振子の中に跳ね返り,異常に高い衝撃値を示す原因とならないように留意す

る。試験位置に置かれた試験片の端部とセンタリング装置又は試験機の固定部との間のすき間

は,13 mm 以上とする。これは,破断の途中で,その端が振子の中に跳ね返るおそれがあるの

を防ぐためである。

附属書 で示すような自動センタリングトングは,温度制御用媒体中から適切な試験位置ま

で試験片を移動するのによく使用する。このトングの特性は,半割れした試験片と固定したセ

ンタリング装置との間の干渉によるクリアランス問題を解消する。

8.4 

試験機の能力超過  吸収エネルギーは,初期位置エネルギーA

p

の 80 %を超えないことが望ましい。

この値を超える場合には,吸収エネルギーは,概数として報告し,試験機の初期位置エネルギーA

p

の 80  %

を超えていることを報告書に付記しなければならない。

備考  衝撃試験は,理想的には,一定の衝撃速度で行うことが望ましい。振子式の試験の場合には,

衝撃速度は,試験片の破壊の進展とともに減少する。吸収エネルギーが振子の能力(初期位置

エネルギーA

p

)に近いような試験片に対しては,振子の速度は,正確な吸収エネルギーをもは

や得ることができないほどまでに試験片の破壊の間に減少する。

8.5 

不完全破断  試験によって完全に二つに分離しない試験片がある場合は,完全に分離した試験片の

結果とともに吸収エネルギーを報告してもよいし,又は平均値の算出に利用してもよい。

8.6 

試験片の詰まり  試験機の中で試験片が詰まった場合は,試験結果は無効とする。とともに,試験

機にその校正に影響を及ぼす損傷が生じたかどうか,試験機の検査を行う。


6

Z 2242

:2005

8.7 

破断後の検査  破断後の検査で,試験片の印字の部分が試験によって変形した部分に入っているこ

とが目視で認められるときには,試験結果は,材料を代表していない可能性があるため,この場合は試験

報告書にその旨記録しなければならない。

8.8 

試験片の数  衝撃値の決定に用いる試験片の数は,個別の材料規格の定めるところによる。特に指

定のない場合は,一つの試験温度において用いる試験片の数は,通常,3 本とする。ただし,試験値のば

らつきが少ない場合は,試験片の数は,2 本でもよい。

9. 

試験結果の報告

9.1 

必す(須)項目  次の事項を,試験報告書に記載する。

a)

この規格の番号

b)

試験片の識別(例:鋼の種類,溶鋼番号など)

c)

ノッチの形状(U ノッチで,深さ 5 mm 以外のノッチ深さの試験片を使用した場合は,その深さ)

d)

試験片が標準試験片以外の場合は,試験片の寸法

e)

試験温度が室温以外の場合は,その試験温度

f)

吸収エネルギー(衝撃刃の半径を識別できるように記載する。

g)

試験に影響を与えると思われる異常事態

9.2 

協定による項目  9.1 に加えて,受渡当事者間の協定によって次の事項を試験報告書に記載してもよ

い。

a)

試験片の軸方向(ISO 3785 参照)

b)

試験機の定格容量(単位  J)

c)

横膨出(

附属書 参照)

d)

延性破面率(

附属書 参照)

e)

吸収エネルギー−温度曲線(

附属書 参照)

f)

遷移温度を決定した基準(

附属書 参照)

g)

試験で完全に分離しなかった試験片の識別又は発生率


7

Z 2242

:2005

附属書 A(参考)センタリングトング

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

次に示すセンタリングトングは,試験片を温度調整媒体からシャルピー試験機の適切な位置に移送する

のにしばしば使用する。

附属書 図 1  ノッチシャルピー衝撃試験片センタリングトング


8

Z 2242

:2005

附属書 B(規定)横膨出の求め方

B.1 

一般    シャルピー試験片のノッチ底部に生じる三軸応力下での材料の破壊抵抗能の測定は,この部

位で生じる変形量で行う。この場合の変形は,収縮となる。破壊後であっても,この変形の測定は困難で

あるため,通常,破断面の背中合せの端部に生じる膨張を測定し,収縮の代替とする。

B.2 

手順  横膨出を求めるには,二つの破断した試験片の衝撃面(ノッチのある面と反対の面)を合わせ

附属書 図 1),試験片端部付近の変形が生じていない側面(ノッチのある面に直角な面)を両破断片で

一致させる。この両側面間の幅(

附属書 図 の )を基準とし,横方向に最大に張り出している箇所の

幅(

附属書 図 の )を求め,基準とした幅との差を横膨出とする。横膨出の値は,通常,JIS Z 8401

の規則 A によって小数点第 2 位まで求める。

備考1.  横膨出を求める場合には,横方向の張出しの状態は,二つの破断片で必ずしも一致しない点

に注意して測定する(

附属書 図 の例では,下側の破断片は左へ,上側の破断片は右へ,

より大きく張出している。

2.

横膨出を求めるには,試験片の二つの破断片ごとに,その各側面における膨出を個別に測定

して求めてもよい。この場合,横膨出は,その測定値から,破断片を

附属書 図 のように

合わせた場所の各側面における張出し(二つの破断片の張出しを比較して,大きい方の値)

を決定し,その両側面についての和として算出する。

3.

横膨出遷移温度は,Uノッチ試験片又は,V ノッチ試験片によるシャルピー衝撃試験によっ

て求める。

 LE=

b

a

ここに,LE:横膨出(mm)

附属書   1  横膨出


9

Z 2242

:2005

附属書 C(規定)破面率の求め方

C.1 

手順

C.1.1 

ぜい性破面率の求め方  ぜい性破面率は,試験片の破面を観察(附属書 図 1)し,次の式によっ

て算出する。

100

×

=

A

C

B

ここに,  B:  ぜい性破面率(%) 

C

:  ぜい性破面の面積(mm

2

)

A

  破面の全面積(mm

2

)

附属書 図 1  試験片の破面

ぜい性破面率 の数値は,通常,少なくとも 5  %刻みで算出する。

なお,ぜい性破面率は,ぜい性破面率が既知の標準破面との比較によって求めてもよい。この場合,標

準破面は,ぜい性破面率が約 10  %刻みで設定されていることが望ましい。また,試験片破断部の変形が

著しくない場合には,破面率の算出に際し,試験片のノッチ部の原断面積を,破面の全面積としてもよい。

C.1.2 

延性破面率の求め方  延性破面率は,次の式によって算出する。

100

×

=

A

D

FA

ここに,

FA

延性破面率(%)

D

延性破面の面積(mm

2

)

A

破面の全面積(mm

2

)

備考  延性破面率は,FA の代わりに を用いて表してもよい(ただし、

平成 22 年 3 月 20 日までとする。

 


10

Z 2242

:2005

附属書 D(規定)遷移曲線,破面遷移温度及び

エネルギー遷移温度の求め方

D.1 

遷移曲線の求め方  遷移曲線を求める場合は,通常,延性破面率 100  %及びぜい性破面率 100  %に相

当する温度を含む遷移温度領域において,適切な幾つかの試験温度を選んで試験を行う。遷移曲線は,縦

軸に吸収エネルギー,延性(又はぜい性)破面率又は横膨出をとり,横軸に試験温度をとって,試験結果

を表す各点のほぼ中央を通して描く(

附属書 図 1)。遷移曲線は外挿によって描いてはならない。

D.2 

破面遷移温度及びエネルギー遷移温度の求め方  破面遷移温度及びエネルギー遷移温度は,D.1 で求

めた遷移曲線から求める(

附属書 図 の例参照)。ここで,破面遷移温度は,延性破面率 50  %となる温

度とする。また,エネルギー遷移温度は,受渡当事者間の協定によって,延性破面率 100  %となる温度に

おける吸収エネルギーの 1/2 の値に相当する温度としてもよい。

なお,これらの遷移温度を求めるための遷移曲線の試験温度の範囲は,必要とする遷移温度が補間によ

って求められる範囲でよい。

附属書   1  破面遷移温度 Tr

S50

及びエネルギー遷移温度 Tr

E

の例


11

Z 2242

:2005

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS Z 2242

:2005  金属材料シャルピー衝撃試験方法

ISO/DIS 148-1

:2003,金属材料シャルピー衝撃試験方法

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所: 
  表示方法:

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

1

.適用範

金 属 材 料 の シ ャ ル ピー 衝
撃試験方法

 1

・金属材料のシャルピー

衝撃試験方法

・計装化シャルピーを含

まない

MOD/

削除

なし

JIS

に計装化シャルピーを

規定しておらず,JIS では,

この部分を削除した。

2

.引用規

JIS B 7722

ISO 148-2

ISO 3785 

2

ISO 148-2

ISO 286-1

ISO 3785

ISO 14556

ASTM E23

MOD/

削除

技術的な差異はない。JIS に引用

していないものを削除

JIS

への引用を進める。

3

.定義

・エネルギーに関する定義

・試験片の用語

3

・エネルギーに関する定

・試験片の用語

IDT

4

.記号と

名称

4

IDT

5

.原理

5

IDT

6

.試験片

6

6.1

一般 
サブサイズ試験片

7.5mm

5mm

2.5mm

6.1

一般 
サブサイズ試験片

7.5mm

5mm

MOD/

追加 2.5mm 幅試験片を追加(ASTM

にある試験片サイズ)

ISO

へ追加を提案する。


12

Z 2242

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

6.2

ノッチ形状

V

ノッチ

U

ノッチ(深さ 5mm)

U

ノ ッ チ 試 験 片 に 深 さ

2mm

を追加

6.2

ノッチ形状

V

ノッチ

U

ノッチ(深さ 5mm)

MOD/

追加

ISO

にも特に指定ない限り 5 mm

を適用するものとなっており,技

術的な差異はない。

6.3

試験片の許容差 
表 1

高さ許容差:±0.05mm 
幅許容差 
  10mm:±0.05mm

  7.5mm:±0.05mm 
  5mm:±0.05mm 
  2.5mm:±0.05mm

ノッチ下高さ:±0.05mm

U

ノッチサブサイズあり

6.3

試験片の許容差 
表 1

:±0.06mm 
幅許容差

10mm

:±0.11mm

7.5mm

:±0.11mm

5mm

:±0.06mm

:±0.06mm

U

ノッチサブサイズなし

MOD/

変更

JIS

の値の方が厳格である。

ISO

への提案を検討する。

6.4

試験片の製作

6.4

試験片の製作 IDT

6.5

試験片の印字

6.5

試験片の印字 IDT

7

.試験機

7

7.1

据付けと検証

7.1

据付けと検証 IDT

7.2

衝撃刃

7.2

衝撃刃 IDT

7.3

トレーサビリティ

7.3

トレーサビリティ IDT

8

.試験手

8


13

Z 2242

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

8.1

一般 
通常半径 2 mm の衝撃刃を

用いることを規定。特に,
半径 8 mm の衝撃刃を指定
した場合だけ半径 8 mm の

衝撃刃を用いる。

8.1

一般 
左記の文言がなし。

MOD/

追加

この規格を引用する JIS に配慮
したものであり,本質的な技術的

差異はない。

8.2

試験温度

媒体温度の管理 
  低温∼常温  ±1℃ 
  ∼200℃    ±2℃

  200℃超え  ±5℃

8.2

試験温度

媒体温度の管理 
  すべて  ±1℃

MOD/

変更

高温時の媒体の温度管理範囲は,

従来 JIS の規定を採用

ISO

へ提案を検討する。

8.3

試験片の移動

8.3

試験片の移動 IDT

8.4

試験機の能力超過

8.4

試験機の能力超過 IDT

8.5

不完全破断

8.5

不完全破断 IDT

8.6

試験片の詰まり

8.6

試験片の詰まり IDT

8.7

破断後の検査

8.7

破断後の検査 IDT

8.8

試験片の数

MOD/

追加

従来 JIS の有用な規定であり追

加した。一般的な試験片の数が,

3

本であることを明示。

ISO

への提案を検討する。

9

.試験結

果の報告

9


14

Z 2242

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

9.1

必す(須)項目

f)

吸収エネルギー(衝撃刃

の半径が識別できること)

9.1

必す(須)項目

f)

  吸収エネルギー  (必

要に応じて KV

2

,KV

8

,KU

2

又は KU

8

MOD/

変更

既にノッチ形状は c)項にあるこ
とから,衝撃刃の差異が識別でき

れば十分であることから,表現を
修正)

ISO

への提案を検討する。

9.2

協定による項目

9.2

協定による項目 IDT

属 書 A

(参考)

センタリングトング

附 属

書 A

(参考)センタリングトン

MOD/

変更

図を従来 JIS の解説のものを使

用。

ISO

は,ASTM からの引用

のため。

附属書 B
(規定)

横膨出の求め方

附 属
書 B

(参考)横膨出 MOD/変更

JIS

では規定とした。

内容の基本的技術的差異はない。
図は,従来 JIS のものを使用。

国内取引に使用されて い
ることから規定とした。図
は,

ISO

が ASTM からの引

用のため従来 JIS のものを
使用。

附属書 C

(規定)

破面率の求め方

附 属

書 C

(参考)破面 MOD/変更

JIS

では規定とした。

内容の基本的技術的差異はない。

従来 JIS では,本体に規定

しており,一般に使用され
てきたことから規定と し
た。

附属書 D
(規定)

遷移曲線,破面遷移温度及
び エ ネ ル ギ ー 遷 移 温度 の

求め方 
上部棚エネルギーの 50  % 
破面率 50  %

の温度

附 属
書 D

(参考)吸収エネルギーと
温度及び遷移温度

吸収エネルギーがある値
に到達 
上部棚エネルギーのある

百分率に到達 
破面率がある値に到達 
横膨出がある値に到達

MOD/

変更

JIS

では規定とした。

JIS

では,従来から一般的に使用

されている上部棚エネルギーの

50

%又は破面率 50  %の温度を

遷移温度として規定した。

従来 JIS では,本体に規定
しており,一般に使用され

てきたことから規定と し
た。

 
JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD


15

Z 2242

:2005

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。