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Z 1903:2016

1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  用語及び定義  

2

4  種類 

3

5  品質 

4

5.1  性能  

4

5.2  ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法及び外観  

4

6  試験の一般条件  

4

7  試験片に関する共通事項  

5

7.1  試験片  

5

7.2  試験片の調製  

6

7.3  被覆試験片の作製  

7

8  試験方法  

8

8.1  ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法測定  

8

8.2  ちょう度試験方法  

9

8.3  融点試験方法  

9

8.4  引火点試験方法  

9

8.5  蒸発量試験方法  

10

8.6  耐流下性試験方法  

10

8.7  低温付着性試験方法  

11

8.8  水・ペースト置換性試験方法  

12

8.9  ペトロラタム系防食ペーストテープの引張強さ試験方法  

12

8.10  塩水浸せき試験方法  

13

8.11  中性塩水噴霧試験方法  

14

8.12  腐食性試験方法  

15

9  製品の呼び方  

16

10  表示  

17


Z 1903:2016

2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

防錆技術協会(

JACC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格

である。

これによって,JIS Z 1903:2007 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

1903

2016

ペトロラタム系防食ペースト類

Petrolatum paste and paste tapes for corrosion protection

序文 

この規格は,

1995 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2007 年に

行われたが,その後,ペーストを不織布に含浸させてテープ状にした作業効率のよいペトロラタム系防食

ペーストテープが用いられるようになったため,これを追加して改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,鋼管,鋼板,棒鋼,その他の鉄鋼の長期間防食に用いるペトロラタム系防食テープのプラ

イマーとして用いられるペトロラタム系防食ペースト及びペトロラタム系防食ペーストテープ(以下,ペ

トロラタム系防食ペースト類と総称する。)について規定する。

警告

  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において,安全及び健康に対する適切な措置をとらなければ

ならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0651  製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状:輪郭曲線方式-触針式表面粗さ測定機の特性

JIS B 7503  ダイヤルゲージ

JIS B 7512  鋼製巻尺

JIS B 7516  金属製直尺

JIS C 2338  電気絶縁用ポリエステル粘着テープ

JIS G 3101  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3141  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 4305  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4308  ステンレス鋼線材

JIS H 3100  銅及び銅合金の板並びに条

JIS H 4000  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 4554  ニッケル及びニッケル合金の線と引抜素材

JIS K 0050  化学分析方法通則


2

Z 1903:2016

JIS K 2201  工業ガソリン

JIS K 2235  石油ワックス

JIS K 2246  さび止め油

JIS K 2251  原油及び石油製品-試料採取方法

JIS K 2265-4  引火点の求め方-第 4 部:クリーブランド開放法

JIS K 2839  石油類試験用ガラス器具

JIS K 5600-1-7  塗料一般試験方法-第 1 部:通則-第 7 節:膜厚

JIS K 6272  ゴム-引張,曲げ及び圧縮試験機(定速)-仕様

JIS K 8891  メタノール(試薬)

JIS P 3801  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3645  ガラス棒

JIS R 6251  研磨布

JIS R 6252  研磨紙

JIS R 6253  耐水研磨紙

JIS Z 0103  防せい防食用語

JIS Z 0237  粘着テープ・粘着シート試験方法

JIS Z 0311  ブラスト処理用金属系研削材

JIS Z 0312  ブラスト処理用非金属系研削材

JIS Z 0701  包装用シリカゲル乾燥剤

JIS Z 1522  セロハン粘着テープ

JIS Z 1902  ぺトロラタム系防食テープ

JIS Z 2371  塩水噴霧試験方法

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8703  試験場所の標準状態

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 0103 によるほか,次による。

3.1

ペトロラタム系防食ペースト

JIS Z 1902 に規定するペトロラタム系防食テープなどの被覆材のプライマーとして用いるもので,石油

の減圧蒸留残さ油から分離精製したペトロラタムに腐食抑制剤,充塡剤などを添加したペースト。

3.2

ペトロラタム系防食ペーストテープ

JIS Z 1902 に規定するペトロラタム系防食テープなどの被覆材のプライマーとして用いるもので,ペト

ロラタム系防食ペーストを薄く柔軟な不織布に含浸したテープ。

3.3

ペトロラタム

原油の減圧蒸留残さ油から分離精製した常温において半固形状のワックス。

3.4

ちょう(稠)度


3

Z 1903:2016

ペトロラタム系防食ペーストの硬さを表すもので,規定条件下で試料中に規定の円すい(錐)が垂直に

進入する深さ

0.1 mm を 1 単位として表したもの。

3.5

融点

溶融試料を温度計の水銀部に付着固化させ,規定条件で加熱し,その初滴が温度計から落下したときの

温度。

3.6

引火点

試料を規定条件で加熱して小さな炎を油面に近づけたとき,油蒸気と空気との混合気体が,せん光を発

して瞬間的に燃焼する最低試料温度。

3.7

蒸発量

試料を規定条件下で加熱したとき,蒸発する物質の量を百分率で表したもの。

3.8

耐流下性

試料を被覆した試験片を規定温度で

1 時間垂直に保持し,被覆膜が基準線までずり落ちない性質。

3.9

低温付着性

試料の被覆膜が低温度で試験片表面に付着している性質。

3.10

水・ペースト置換性

試料が試験片表面に付着している水と置き換わって,さびを防ぐ性質。

3.11

引張強さ

試料を一定の速度で引っ張り,破断に至るときの力。

3.12

塩水浸せき試験方法

試料を被覆した試験片を塩水に規定時間浸せきしたとき,試料が試験片のさびを防ぐ性質を調べる試験

方法。

3.13

腐食性

試料が金属を腐食する性質。

3.14

精製水

イオン交換水又は蒸留水。

種類 

種類は,次による。

a)

ペトロラタム系防食ペースト

1 種(一般用)

b)  ペトロラタム系防食ペースト 2 種(水中用)


4

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c)

ペトロラタム系防食ペーストテープ

品質 

5.1 

性能 

ペトロラタム系防食ペースト類の性能は,8.28.12 によって試験したとき,表 に適合しなければなら

ない。

表 1-ペトロラタム系防食ペースト類の性能 

項目

種類

適用箇条

ペトロラタム系

防食ペースト

1 種

ペトロラタム系

防食ペースト

2 種

ペトロラタム系

防食ペーストテープ

ちょう度

 100~370 50~200

8.2 

融点

 40 以上

8.3 

引火点

 175 以上

8.4 

蒸発量

 %

3.0 以下

8.5 

耐流下性

被覆膜のずり落ちがない

8.6 

低温付着性

被覆膜の剝がれがない

8.7 

水・ペースト置換性

さびの発生がない

8.8 

引張強さ

 N

 49.0 以上

8.9 

防食性(塩水浸せき)

A 級(さび発生度 0 %)

8.10 

防食性(中性塩水噴霧)

A 級(さび発生度 0 %)

8.11 

腐食性

 mg/cm

2

                      鋼        ±0.2      亜鉛  ±0.2

              ステンレス鋼  ±

0.1      黄銅  ±0.2

              アルミニウム  ±

0.2

8.12 

5.2 

ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法及び外観 

5.2.1 

寸法 

ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法は,8.1 によって測定し,表 の規定に適合しなければならな

い。

表 2-ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法 

項目

呼び寸法

許容差

厚さ

 mm

1.0,1.1

±

0.3

 mm  100,150

±

3

200,250,300

±

5

長さ

 m

10.0

0.0~+1.0

5.2.2 

外観 

ペトロラタム系防食ペーストテープは,ロール状に巻かれている。ロール状に巻いた状態の外観は,テ

ープが均一に巻かれ,著しい変形,変色などの外観上の欠陥があってはならない。また,ほぐした状態の

テープの外観は,変色がなく,折り目,きず,含浸むらなどの外観上の欠陥があってはならない。

試験の一般条件 

試験の一般条件は,JIS K 0050 によるほか,次による。

a)

試験室の標準状態  試験は,特に指定がない限り,JIS Z 8703 によって温度 23±2  ℃及び相対湿度(50


5

Z 1903:2016

±

10)%の試験室で行う。

b)  試料の状態調整  試験に用いる試料は,試験直前に 2 時間以上標準状態に置く。

c)

試料の採取方法  採取方法は,次による。

1)  ペトロラタム系防食ペーストの試料の採取方法  ペトロラタム系防食ペーストの試料の採取方法

は,JIS K 2251 による。

2)  ペトロラタム系防食ペーストテープの試料の採取方法

2.1)  ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法測定に用いる試料  製品 1 巻き全体を試料とする。

2.2)  ペトロラタム系防食ペーストテープの引張強さ試験に用いる試料  テープの外巻き 3 層分を取り

除いた後,試料寸法の長辺がテープ巻き方向になるように切り出したものを用いる。

2.3)  上記以外の試験に用いる試料  不織布に含浸する前のペトロラタム系防食ペーストから JIS K 

2251 によって採取する。

d)  数値の丸め方  数値の丸め方は,JIS Z 8401 の規則 B による。

試験片に関する共通事項 

7.1 

試験片 

7.1.1 

冷間圧延鋼板試験片 

冷間圧延鋼板試験片は,次による(図 参照)。

a)

材質  JIS G 3141 に規定する SPCC-SB とする。

b)  寸法  厚さ(1.0~2.0 mm)×60 mm×80 mm

c)

つるし孔  つり下げることができるように,

2 か所に直径 3 mm の孔をあける。

単位

mm

図 1-冷間圧延鋼板試験片 

7.1.2 

ブラスト試験片 

ブラスト試験片は,次による(図 参照)。

a)

材質  JIS G 3101 に規定する SS400 とする。

b)  寸法  厚さ 3.2 mm×150 mm×70 mm

c)

つるし孔  つり下げることができるように,

1 か所に直径 6 mm の孔をあける。


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単位

mm

図 2-ブラスト試験片 

7.2 

試験片の調製 

7.2.1 

冷間圧延鋼板試験片の調製 

冷間圧延鋼板試験片の調製は,次による。

a)

溶剤及び材料  溶剤及び材料は,次による。

1)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号(大豆揮発油)又は 4 号(ミネラルスピリット)

2)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

3)  研磨材  JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する A,P240 とする。

b)  試験片の取扱い  試験片の取扱いは,清浄なピンセット又は手袋を用い,試験片に指紋又はその他の

汚れを付けないようにする。

c)

調製手順  調製手順は,次による。

1)  予備清浄  試験片を溶剤中で清浄なガーゼで軽くこすりながら,

試験片に付着しているさび止め油,

ごみ,ほこりなどを洗い落とし,自然乾燥する。

2)  予備研磨  予備研磨は,次による。

2.1)  試験片の両面を研磨材で長辺方向に研磨する。

2.2)  縁及びつるし孔も同時に研磨する。

2.3)  清浄なガーゼで研磨粉を拭き取り,溶剤中に浸せきしておく。

3)  仕上げ研磨  仕上げ研磨は,次による。


7

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3.1)  試験片を溶剤中から取り出し,

乾燥した後,直ちに新しい研磨材を用いて 2.1)  の操作を繰り返し,

新しい研磨面を出す。

3.2)  清浄なガーゼで研磨粉を拭き取り,溶剤中に浸せきしておく。

4)  仕上げ清浄  仕上げ清浄は,次による。

4.1)  試験片を溶剤中から取り出し,溶剤を湿らせた清浄なガーゼで,ガーゼに汚れが付かなくなるま

で表面の汚れを拭き取り,新しい溶剤中に浸せきしておく。

4.2)  試験片を溶剤中から取り出し,温風などで乾燥した後,直ちに,別に用意した 35±3  ℃の温メタ

ノール中に

1 分間以上浸せきした後,温風などで乾燥する。

7.2.2 

ブラスト試験片の調製 

ブラスト試験片の調製は,次による。

a)  溶剤及び材料  溶剤及び材料は,次による。

1)  溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

2)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

3)  研削材  JIS Z 0311 又は JIS Z 0312 に規定するもの。

b)  試験片の取扱い  試験片の取扱いは,清浄なピンセット又は手袋を用い,試験片に指紋又はその他の

汚れを付けないようにする。

c)

調製手順  調製手順は,次による。

1)  前処理  試験片を溶剤中で清浄なガーゼで軽くこすりながら,試験片に付着しているさび止め油,

ごみ,ほこりなどを洗い落とし,乾燥する。

2)  研削  研削材によって片面をブラストし,表面粗さを JIS B 0651 によって Ra 7~10 に調整する。

3)  試験前の清浄  試験片を 35±3  ℃の温メタノール中に 1 分間以上浸せきした後,温風などで乾燥す

る。

4)  裏面及び端面の保護  必要に応じ,試験に供さない裏面及び端面は,粘着テープ,塗料などによっ

て保護する。

7.3 

被覆試験片の作製 

7.3.1 

材料及び器具 

材料及び器具は,次による。

a)

粘着テープ  JIS C 2338 に規定する厚さ 50 μm のもの。

b)  バーコーター  直径 20 mm,長さ 150 mm の丸棒。

c)

つり具  JIS G 4308 又は JIS H 4554 に規定する直径約 1 mm の線材を図 に示す形状としたもの。試

験片のつり下げ間隔は,全長

90~100 mm とする。


8

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図 3-つり具 

d)  つり架台  試験片を垂直につるすことができるもの。

7.3.2 

被覆方法 

7.2 で調製した試験片の両端に,粘着テープを三重に貼り付ける。

粘着テープの間にあらかじめペトロラタム系防食ペーストを厚さ

150  μm 以上塗布し,次に 100  ℃に加

熱したバーコーターを用いて表面を平滑にする。このときの防食ペーストの塗布厚さが

100~150 μm にな

っていることを JIS K 5600-1-7 の箇条 4(ぬれ膜厚の測定)によって確認する。

なお,粘着テープの幅は,目的の試験に応じて選択する。

試験方法 

8.1 

ペトロラタム系防食ペーストテープの寸法測定 

8.1.1 

厚さ 

厚さの寸法測定は,次による。

a)

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

1)  圧着装置  圧着装置は,JIS Z 0237 の 10.2.4(圧着装置)に規定する自動式又は手動式圧着装置(図

及び図 参照)と同じ構造のもの。

なお,厚さ約

6 mm のゴム層で被覆された幅約 45 mm,直径約 95 mm(ゴム層を含む。),質量 2.0

±

0.2 kg のものを用いる。

単位

mm

図 4-自動式圧着装置の例 


9

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単位

mm

図 5-手動式圧着装置の例 

2)  ダイヤルゲージ  ダイヤルゲージは,JIS B 7503 に規定するものとする。ただし,測定子は,直径

5 mm で測定面が平らなものを用いる。

b)  操作  操作は,次による。

1)  幅 50 mm,長さ 500 mm の試料の下面及び上面に,厚さ 25

μm,大きさ 100 mm×500 mm のポリエ

ステルフィルムをあて,圧着装置を用いて均一な速度約

50±5 mm/s でローラを 1 往復させて貼り合

わせる。

2)  貼り合わせた試料の厚さを,ダイヤルゲージを用い,長さの方向にほぼ等間隔にフィルムの上から

5 か所測定する。厚さは,その平均値からフィルム 2 枚分の厚さ 50

μm を差し引いた値とする。

8.1.2 

 

幅の寸法測定は,次による。

a)

器具  JIS B 7512 に規定する 2 級以上の鋼製巻尺,又は JIS B 7516 に規定する金属製直尺とする。

b)  操作  ロール状のまま,鋼製巻尺又は金属製直尺を用いて円周方向に等間隔に 3 か所測定する。

幅は,その平均値を整数

mm に丸めた値とする。

8.1.3 

長さ 

長さの寸法測定は,次による。

a)

器具  8.1.2 a)による。

b)  操作  3 個のテープを全長巻きほぐした後,鋼製巻尺を用いて測定する。長さは,その平均値を 0.1 m

の桁に丸めた値とする。

8.2 

ちょう度試験方法 

ちょう度の試験は,JIS K 2235 の 5.10(ちょう度試験方法)による。

8.3 

融点試験方法 

融点の試験は,JIS K 2235 の 5.3.2(マイクロワックス及びペトロラタムの場合)に規定する融点試験方

法による。ただし,

3 回の試験結果の平均値を整数に丸め,その値を融点とする。

8.4 

引火点試験方法 

引火点の試験は,JIS K 2265-4 に規定するクリーブランド開放法による。3 回の試験結果の平均値を整

数に丸め,その値を引火点とする。

なお,試料が発泡する場合は,ペトロラタムの引火点を測定する。ただし,測定値には,ペトロラタム

の測定値であることを明記する。


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8.5 

蒸発量試験方法 

8.5.1 

概要 

107  ℃の恒温空気浴中で試料を 3 時間加熱し,試料の減量から蒸発量を求める。

8.5.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

a)  試料容器  JIS K 2839 の図 153 に規定するもの。

b)  防爆形恒温空気浴  試料温度を 107±2  ℃に保持することができるもの。

c)

乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

8.5.3 

試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)  3 個の試料容器を清浄にして質量をはかり,それぞれに試料約 3.0 g をとり,1 mg の桁まではかる。

b)  あらかじめ恒温空気浴を 107±2  ℃に保ち,試料を入れた試料容器を恒温空気浴内に入れた後,扉を

閉じ,

107±2  ℃で 3 時間放置する。

c)

試料容器を取り出し,乾燥容器内で

30 分以上放冷し,1 mg の桁まで質量をはかる。

8.5.4 

計算及び結果 

蒸発量は,次の式によって算出し,

3 個の試験結果の平均値を小数点以下 1 桁に丸める。

100

1

2

1

×

=

W

W

W

W

ここに,

W

蒸発量[質量分率(

%)]

W

1

: 試験前の試料の質量(

mg)

W

2

: 試験後の試料の質量(

mg)

8.6 

耐流下性試験方法 

8.6.1 

概要 

試料で被覆した試験片を

40  ℃で 1 時間加熱し,被覆膜の流下の有無を調べる。

8.6.2 

試験片,装置及び器具 

試験片,装置及び器具は,次による。

a)

試験片  7.1.1 に規定する 3 枚の冷間圧延鋼板試験片を,7.2.1 によって調製したもの。

b)  粘着テープ  JIS Z 1522 に規定するもの。

c)

つり具及びつり架台  7.3.1 に規定するもの。

d)  防爆形恒温空気浴  試料温度を 40±2  ℃に保つことができるもの。

8.6.3 

試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

試験片の下端から

25 mm までの部分に粘着テープを貼り付ける。

b)  粘着テープを貼り付けた試験片に 7.3.2 によって試料を 100~150 μm 被覆する。

c)

粘着テープの上端に沿って,かみそり刃で被覆膜に切れ目を入れた後,粘着テープを剝がし,

25 mm

幅の被覆膜を取り除き被覆試験片とする。

d)  切り残された被覆膜の端に平行で,かつ,3 mm 離れた所に基準線をカッタなどで描く。ただし,基

準線は,図 に示すとおりテープを貼り付ける前にあらかじめ試験片下端から 22 mm の部分に引いて

もよい。

e)

被覆膜を除いた部分を下にして垂直に被覆試験片をつるし,

40±2  ℃の恒温空気浴中で 1 時間保持す


11

Z 1903:2016

る。

8.6.4 

判定 

3 枚の試験片とも被覆膜が基準線以上流下しない場合は,“被覆膜のずり落ちがない”と判定する。

単位

mm

図 6-耐流下性試験用試験片 

8.7 

低温付着性試験方法 

8.7.1 

概要 

試料で被覆した試験片を-

20  ℃に冷却し,切りきずを付け,被覆膜の剝がれの有無を調べる。

8.7.2 

試験片,装置及び器具 

試験片,装置及び器具は,次による。

a)

試験片  7.1.1 に規定する 3 枚の冷間圧延鋼板試験片を,7.2.1 によって調製したもの。

b)  恒温空気浴  試料温度を-20±2  ℃に保つことができるもの。

c)

引っかき試験器

4 枚のかみそり刃を 3.2 mm 間隔に固定したもので,図 に示す構造のもの。

単位

mm

図 7-引っかき試験器の例 

8.7.3 

試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

7.3.2 によって試料を試験片に被覆する。

b)  -20±2  ℃に保った恒温空気浴中で被覆試験片を 1 時間冷却する。

c)

直ちに,引っかき試験器を用いて被覆面に長さ

25 mm の 4 本の金属面に達する切りきずを付ける。さ

らに,

4 本の切りきずを最初の 4 本に直角に引いて正方形の目を作り,切りきずで囲まれた被覆膜の


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剝がれの有無を調べる。

8.7.4 

判定 

3 枚の被覆試験片とも剝がれない場合は,“被覆膜の剝がれがない”と判定する。

8.8 

水・ペースト置換性試験方法 

8.8.1 

概要 

精製水を付着させた試験片に,試料を塗布した後,水中に

24 時間保持する。その後,試験片のさびの発

生の有無を調べる。

8.8.2 

試験片,器具及び材料 

試験片,器具及び材料は,次による。

a)  試験片  7.1.2 に規定する 3 枚のブラスト試験片を,7.2.2 によって調製したもの。

b)  つり具  7.3.1 に規定するもの。

c)

溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

d)  ろ紙  JIS P 3801 に規定するもの。

8.8.3 

試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

試料

50 g に精製水 5 g を加え,十分にかくはんする。

b)  試験片をつり具を用いてつり下げ,直ちに精製水に浸してすぐ引き上げ,垂直にして 5 秒以内にろ紙

を底部に触れさせて精製水をきる。ただし,試験片が精製水をはじく場合には,その試験片は,用い

ない。

c)

精製水を付着させた試験片に a)  で準備した試料を厚さ約 1 mm になるようにへらで塗布し,23±3  ℃

の水中に

24 時間水平に保持する。

d)  試験後の試験片の被覆膜を溶剤で洗い落とす。判定面は,精製水中に保持したときの上面とし,図 2

の測定面内のさびの発生の有無を目視によって調べる。

8.8.4 

判定 

3 枚の試験片ともさびの発生がない場合は,“さびの発生がない”と判定する。

8.9 

ペトロラタム系防食ペーストテープの引張強さ試験方法 

8.9.1 

概要 

引張試験機を用い,試料が引張応力に耐える力を測定する。

8.9.2 

装置 

引張試験機は,JIS K 6272 に規定するもので,力計測系の等級は,1 級とする。

8.9.3 

試験片の作製方法 

試料の端から

100 mm 以上離れた位置で,かつ,幅方向の両端から均等に離れた位置から,幅が 25±0.5

mm で,つかみ間隔を 100 mm にできる長さ(例えば,200 mm)の試験片を 3 枚作製する。

8.9.4 

試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

試験片を初荷重で引張試験機に,つかみ間隔

100±1 mm で図 のとおり取り付ける。ただし,初荷重

は,試験片を手でたるみが生じない程度に引っ張った状態とする。

b)  引張速さ 200±20 mm/min で引っ張り,試験片が破断するまで荷重を加え,破断時の指示値(最大力)

を読み取る。


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単位

mm

図 8-引張試験の試験片取付方法の例 

8.9.5 

判定 

3 枚の試験結果の平均値を小数点以下 1 桁に丸め,その値を引張強さとする。

8.10  塩水浸せき試験方法 

8.10.1  概要 

試料で被覆した試験片を塩水に

192 時間浸せきした後,被覆膜を除去して,さび発生度を調べる。

8.10.2  試験片,器具及び材料 

試験片,器具及び材料は,次による。

a)

試験片  7.1.2 に規定する 3 枚のブラスト試験片を,7.2.2 によって調製したもの。

b)  つり具  つり下げ間隔 40~50 mm のもの(図 参照)

c)

ビーカー

2 000 ml のもの。

d)  塩溶液  試験用塩溶液は,JIS Z 2371 の 4.1(試験用の塩溶液の調製)によって調製する。

e)

溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

f)

ガラス棒  JIS R 3645 に規定する品質で,直径 6 mm,長さ 200 mm のもの。

8.10.3  試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

7.3 によって試料を試験片に塗布厚 100~150 μm になるように被覆する。

b)  ビーカーに塩溶液を 2 000 ml はかりとり,23±3  ℃に保つ。

c)

被覆試験片をつり具でつるし,図 に示すように 3 枚同時に塩溶液中に垂直につり下げる。このビー

カーにアルミニウムはくなどで蓋をし,

192 時間保持する。

d)  試験片を取り出し,水洗し,乾燥する。次に,被覆膜を溶剤で洗い落とし,自然乾燥する。

e)

試験片の測定面のさび発生度を,JIS K 2246 の 6.4(さび発生度測定方法)によって測定する。


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8.10.4  判定 

試験片

3 枚のさび発生度の平均値を整数に丸めて,JIS K 2246 の 6.4.4(さび発生度の表示)によって,

どの等級に該当するか判定し,等級で表示する。変色その他の異常がある場合は,その旨を判定に付記す

る。

図 9-塩水浸せき装置の例 

8.11  中性塩水噴霧試験方法 

8.11.1  概要 

試料で被覆した試験片を,

35  ℃において,中性塩水を噴霧する装置内で 192 時間保持した後のさび発生

度を調べる。

8.11.2  試験片,装置及び材料 

試験片,装置及び材料は,次による。

a)

試験片  7.1.2 に規定する 3 枚のブラスト試験片を,7.2.2 によって調製したもの。

b)  塩水噴霧試験装置  JIS Z 2371 の箇条 5(装置)に規定するもの。

c)

溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

8.11.3  試験条件 

試験条件は,JIS Z 2371 による。

8.11.4  試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

7.3 によって試料を試験片に塗布厚 100~150 μm になるように被覆する。

b)  鉛直線に対し 15 度になるように,

試験片の被覆面を上にして塩水噴霧試験装置内の試験片保持器に置

き,JIS Z 2371 によって 192 時間噴霧を行う。

c)

試験後,被覆試験片を取り出し,試験片を水洗し,乾燥する。次に,被覆膜を溶剤で洗い落とし,乾

燥する。

d)  試験片のさび発生度を,JIS K 2246 の 6.4(さび発生度測定方法)によって測定する。

8.11.5  判定 

試験片

3 枚のさび発生度の平均値を整数に丸めて,JIS K 2246 の 6.4.4(さび発生度の表示)によって,

どの等級に該当するか判定する。


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8.12  腐食性試験方法 

8.12.1  概要 

試料に各種金属試験片を浸せきし,

55  ℃で 192 時間保持した後,試験片の質量変化から試料の腐食性を

調べる。

8.12.2  試験片,装置,器具及び材料 

試験片,装置,器具及び材料は,次による。

a)  試験片  試験片は,表 による。

なお,試験片の数は,試験片の種類ごとにそれぞれ

3 枚とする。

表 3-試験片の種類及び寸法 

種類

材質

寸法

鋼板

JIS G 3141 の SPCC-SB

厚さ(

1.0~2.0)mm×縦 25 mm

×横

50 mm の中心にφ6.5 mm

の孔をあけたもの。

黄銅板

JIS H 3100 の C3713P

亜鉛板

純度

99.5 %以上のもの

アルミニウム板

JIS H 4000 の A2024P

ステンレス鋼板

JIS G 4305 の SUS304

b)  研磨材  鋼板,黄銅板及びステンレス鋼板の研磨は,JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する A,P400

を用いる。亜鉛板及びアルミニウム板の研磨は,JIS R 6253 に規定する C,P400 を用いる。

c)

溶剤  JIS K 2201 に規定する 3 号又は 4 号。

d)  メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

e)

容器  直径

80~90 mm,容量 300 ml 以上で密封できる広口ガラス製容器。

f)

防爆形恒温空気浴  試料温度を

55±2  ℃に保持できるもの。

g)

乾燥容器  JIS Z 0701 に規定する乾燥剤を入れて密閉できる容器。

h)  試験片組立用部品  試験片を,図 10 のとおり組み立てるための表 に示す試験片組立用部品。

a

鋼板

b

黄銅板

c

亜鉛板

d

アルミニウム板

e

ステンレス鋼板

図 10-試験片組立例 


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表 4-試験片組立用部品 

名称

寸法

材質

ボルト

すりわり付き丸小全ねじ

M6×1.0×60 mm

四ふっ化エチレン樹脂

スペーサ

φ

12×φ6.5×4.5 mm

ナット

 M6×1.0-5H

8.12.3  試験片の調製 

試験片の調製は,次による。

a)  鋼板,黄銅板及びステンレス鋼板の調製  鋼板,黄銅板及びステンレス鋼板の調製は,7.2.1 に準じ,

研磨材は,

A,P400 を用いる。

b)  亜鉛板及びアルミニウム板の調製  亜鉛板及びアルミニウム板は,少量の水を流しながら耐水研磨紙

で長辺に平行に研磨する。

次に,メタノール,溶剤,

35±3  ℃の温メタノールの順に浸せきし,清浄なガーゼで拭き取り,ガ

ーゼに汚れが付着しなくなるまで清浄にする。調製した試験片は,乾燥容器内で放冷する。

8.12.4  試験片の取扱い 

試験片の取扱いは,7.2.1 b)  による。

8.12.5  試験の手順 

試験の手順は,次による。

a)

試験片の質量を

0.1 mg の桁まではかる。

b)  各試験片 1 枚ずつを図 10 のように,試験片組立用部品を用いて 3 組組み立てる。

c)

組み立てた試験片の長手方向が垂直になるようにそれぞれの容器に入れ,これにあらかじめ

55±2  ℃

に加熱した試料

300 ml を注ぎ入れ蓋をして,恒温空気浴中で 55±2  ℃に 192 時間保持する。

これらの場合,組立試験片は,完全に試料に浸されていなければならない。

d)  試験終了後,組立試験片を取り出して分解し,各試験片を溶剤を含ませたガーゼで試料及び遊離腐食

生成物を拭き取る。

e)

試験片を溶剤及び

35±3  ℃の温メタノールで清浄にし,乾燥容器内で放冷し,0.1 mg の桁まで質量を

はかる。

8.12.6  計算及び結果 

計算及び結果は,次の式によって質量変化を算出し,

3 枚の試験結果の平均値を小数点以下 1 桁に丸め

る。

S

W

W

C

1

2

=

ここに,

C

質量変化(

mg/cm

2

W

1

: 試験前の試験片の質量(

mg)

W

2

: 試験後の試験片の質量(

mg)

S

試験片の全表面積(

cm

2

1)

1)

  スペーサとの接合部分の面積は,除外する。

製品の呼び方 

製品の呼び方は,名称及び種類による。

  ペトロラタム系防食ペースト 1 種


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10  表示 

ペトロラタム系防食ペースト類の包装には,次の事項を表示する。

a)

規格名称又は規格番号

b)  種類

c)

製造業者名又はその略号

d)  ペトロラタム系防食ペースト:正味質量

ペトロラタム系防食ペーストテープ:寸法(厚さ×幅×長さ)

e)

製造年月又はその略号

f)

製造番号