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Z 1519

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  種類 

3

5

  品質 

4

6

  試験方法  

4

6.1

  一般事項  

4

6.2

  気化性さび止め性試験方法  

4

6.3

  通気暴露後の気化性さび止め性試験方法  

15

6.4

  銅及びアルミニウムとの共存性試験方法  

17

6.5

  ポリエチレンフィルムとの共存性試験方法  

21

6.6

  接触腐食性試験方法  

23

7

  検査 

25

8

  包装 

26

9

  製品の呼び方  

26

10

  表示  

26


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

防錆技術協会(JACC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格

である。

これによって,JIS Z 1519:1994 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 Z

1519

:2013

鉄鋼用気化性さび止め剤

Volatile corrosion inhibitor for iron and steel

序文 

この規格は,1959 年に制定され,その後 4 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1994 年に

行われたが,その後の製品技術の進展に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,鉄鋼のさび発生防止に用いる粉末の気化性さび止め剤(以下,粉末形気化性さび止め剤と

いう。

)及び成体の気化性さび止め剤(以下,成体形気化性さび止め剤という。

)について規定する。ただ

し,JIS Z 1535 に規定する気化性さび止め紙及び JIS Z 0303 に規定する気化性さび止めフィルムを除く。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければな

らない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3108

  みがき棒鋼用一般鋼材

JIS G 3123

  みがき棒鋼

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板並びに条

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 4080

  アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 2201

  工業ガソリン

JIS K 7100

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

JIS K 7127

  プラスチック−引張特性の試験方法−第 3 部:フィルム及びシートの試験条件

JIS K 8034

  アセトン(試薬)

JIS K 8107

  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)

JIS K 8295

  グリセリン(試薬)

JIS K 8839

  2-プロパノール(試薬)


2

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JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS R 3202

  フロート板ガラス及び磨き板ガラス

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 6251

  研磨布

JIS R 6252

  研磨紙

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 0103

  防せい防食用語

JIS Z 0108

  包装−用語

JIS Z 0303

  さび止め包装方法通則

JIS Z 0701

  包装用シリカゲル乾燥剤

JIS Z 1524

  包装用布粘着テープ

JIS Z 1535

  気化性さび止め紙

JIS Z 1702

  包装用ポリエチレンフィルム

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 0103 及び JIS Z 0108 によるほか,次による。

3.1 

成体形気化性さび止め剤 

個々に数えて使用できる形態(成体)に加工した鉄鋼用気化性さび止め剤。ただし,常温で液状などの

一つの形状を維持し得ないもの(個装容器に充填したものを含む。

)を除く。

注記  成体には,紙,不織布などの個装容器に充填したもの,バインダなどを用いて錠剤状などに成

形したもの,担体に塗布又は含浸したものなどがある。

3.2 

気化性さび止め性 

薬剤が気化することで,同一密閉空間内に置かれた鉄鋼に対し,さび発生防止に効果を発揮する性質。

3.3 

通気暴露後の気化性さび止め性 

鉄鋼用気化性さび止め剤が,通気空間で規定条件に規定時間暴露した後,なおも気化性さび止め性をも

つ性質。

3.4 

共存性 

鉄鋼用気化性さび止め剤が,鉄鋼以外の対象物質と同一密閉空間内に置かれたとき,鉄鋼以外の対象物

質に悪影響を与えない性質。

3.5 

接触腐食性 

鉄鋼用気化性さび止め剤が,鉄鋼と接触した状態で置かれたとき,鉄鋼を腐食する性質。


3

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種類 

鉄鋼用気化性さび止め剤の種類は,粉末形気化性さび止め剤及び成体形気化性さび止め剤の 2 種類に分

け,更に

表 及び表 のように細分する。

表 1−粉末形気化性さび止め剤の種類 

種類

記号

a)

適用方法による

区分

気化性さび止め性の

特性による区分

使用範囲による区分

e)

S

1

種 NV−S−1

主 に 密 閉 空 間 で

対 象 物 に 直 接 散
布して使用する。

直接散布形

b)

鉄鋼と銅及び/又はアルミニウムとが組み

合わされて存在する場合にも使用可能。

2

種 NV−S−2

鉄鋼に限り使用可能。

L

1

種 NV−L−1

主 に 密 閉 空 間 に

散 布 し て 使 用 す
る。

緩効形

c)

鉄鋼と銅及び/又はアルミニウムとが組み

合わされて存在する場合にも使用可能。

2

種 NV−L−2

鉄鋼に限り使用可能。

H

1

種 NV−H−1

速効形

d)

鉄鋼と銅及び/又はアルミニウムとが組み

合わされて存在する場合にも使用可能。

2

種 NV−H−2

鉄鋼に限り使用可能。

a)

記号の NV は JIS Z 0303 

表 3[さび止め処理材料の種類(さび止め剤)]による。

b)

  6.2.1.7

で適合したものをいう。

c)

  6.2.2.7 a)

で適合したものをいう。

d)

  6.2.3.7 a)

で適合したものをいう。

e)

使用範囲による区分に示す組合せには,鉄鋼上のコーティングを含まない。

表 2−成体形気化性さび止め剤の種類 

種類

記号

適用方法による

区分

気化性さび止め性の

特性による区分

使用範囲による区分

c)

S

1

種 NVM−S−1

主に密閉空間に
置 い て 使 用 す

る。

緩効形

a)

鉄鋼と銅及び/又はアルミニウムとが組み
合わされて存在する場合にも使用可能。

2

種 NVM−S−2

鉄鋼に限り使用可能。

L

1

種 NVM−L−1

緩効形

S

形より優れたさび

止め性がある

a)

鉄鋼と銅及び/又はアルミニウムとが組み
合わされて存在する場合にも使用可能。

2

種 NVM−L−2

鉄鋼に限り使用可能。

H

1

種 NVM−H−1

速効形

b)

鉄鋼と銅及び/又はアルミニウムとが組み
合わされて存在する場合にも使用可能。

2

種 NVM−H−2

鉄鋼に限り使用可能。

a)

  6.2.2.7 b)

で適合したものをいう。

b)

  6.2.3.7 b)

で適合したものをいう。

c)

使用範囲による区分に示す組合せには,鉄鋼上のコーティングを含まない。


4

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品質 

品質は,箇条 によって試験したとき,

表 及び表 による。

表 3−粉末形気化性さび止め剤の品質 

記号

a)

気化性

さび止め性

通気暴露後の気

化性さび止め性

銅及びアルミニウム

との共存性

ポリエチレンフィ

ルムとの共存性

接触

腐食性

アルミニウム

NV

−S−1

直接散布形の
気化性さび止

め性がある。

通気暴露後も気
化性さび止め性

がある。

異常がない。

異常がない。

異常がない。

異常がない。

NV

−S−2

NV

−L−1

緩効形の気化

性さび止め性

がある。

異常がない。

異常がない。

NV

−L−2

NV

−H−1

速効形の気化
性さび止め性

がある。

異常がない。

異常がない。

NV

−H−2

適用箇条

6.2 6.3 

6.4 

6.5  6.6 

a)

記号の NV は JIS Z 0303 

表 3[さび止め処理材料の種類(さび止め剤)]による。

表 4−成体形気化性さび止め剤の品質 

記号

気化性

さび止め性

通気暴露後の気

化性さび止め性

銅及びアルミニウム

との共存性

ポリエチレンフィ

ルムとの共存性

接触

腐食性

アルミニウム

NVM

−S−1  緩効形 B の気

化 性 さ び 止 め

性がある。

通気暴露後も気
化性さび止め性

がある。

異常がない。

異常がない。

異常がない。

異常がない。

NVM

−S−2

NVM

−L−1  緩効形 A の気

化 性 さ び 止 め

性がある。

異常がない。

異常がない。

NVM

−L−2

NVM

−H−1  速 効 形 の 気 化

性 さ び 止 め 性

がある。

異常がない。

異常がない。

NVM

−H−2

適用箇条

6.2 6.3 

6.4 

6.5  6.6 

注記  気化性さび止め性の緩効形 B 及び緩効形 A の品質については,6.2.2.7 b)  を参照。

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験において共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

6.2 

気化性さび止め性試験方法 

6.2.1 

直接散布形の気化性さび止め性試験方法 

6.2.1.1 

試験の概要 

広口共栓瓶に湿度調整用のグリセリン溶液を入れ,試験片保持ゴム栓で栓をする。試験片保持ゴム栓の

導入管から試料を噴霧した後,恒温槽に入れ,20 時間後に試験片を結露させ,規定時間後の研磨面のさび

発生状態から,直接散布形の気化性さび止め性の有無を判定する。

6.2.1.2 

試薬及び材料 


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試薬及び材料は,次による。

a) 

精製水  電気伝導度 3.0 µS/cm 以下のイオン交換水又は蒸留水。

b) 2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

c) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

d) 

グリセリン溶液(質量分率 30 %)  JIS K 8295 に規定するものと精製水とを用いて調製したもの。

e) 

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(質量分率 1 %)  JIS K 8107 に規定するものと精

製水とを用いて調製したもの。

f) 

一般鋼材  JIS G 3108 に規定する SGD 3。

g) 

研磨布  JIS R 6251 に規定する A 又は C の P400 で,目詰まり防止加工を施したもの。

h) 

研磨紙  JIS R 6252 に規定する A 又は C の P400 で,目詰まり防止加工を施したもの。

i) 

シリカゲル乾燥剤  JIS Z 0701 に規定するもの。

j) 

粘着テープ  JIS Z 1524 に規定するもの。

6.2.1.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

a) 

恒温槽  24  ℃±2  ℃に調節できるもの。

b) 

電子天びん  10 mg までひょう量できるもの。

c) 

広口共栓瓶  JIS R 3503 に規定する呼び容量 1 000 ml の広口共栓瓶。

d) 

広口共栓瓶用ゴム栓  シリコーンゴム製で,広口共栓瓶の口に栓をすることができるもの。

注記  ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,#19∼#23 が適している。

e) 

アルミニウム管  JIS H 4080 に規定するもので,外径 16 mm,肉厚 1.6 mm,長さ 114 mm のもの。

f) 

ゴム管  外径 20 mm,肉厚 2.5 mm のシリコーンゴム製のもの。

g) 

ゴム栓  #11 のシリコーンゴム製のもの。

h) 

乳鉢  磁製又はめのう製。

i) 

噴霧器  図 に示すもの。

j) 

拡大鏡  倍率 10 倍のもの。

k) 

カメラ  デジタルカメラ又はフィルムカメラ。

単位  mm

1

:送風用ゴム製バルブ

2

:内径 3 mm のガラス管

3

:ゴム栓(シリコーンゴム製)

4

:ガラス容器

図 1−噴霧器 


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単位  mm

1

:アルミニウム管

2

:ゴム栓

3

:導入管(ガラス管)

4

:広口共栓瓶用ゴム栓

5

:ゴム管

6

:試験片

7

:広口共栓瓶

8

:グリセリン溶液(質量分率 30 %)

a)

  試験体の全体図 b)  試験片部分の拡大断面図 

図 2−気化性さび止め性試験で用いる試験体(直接散布形用) 

6.2.1.4 

試験片,試験片保持ゴム栓及び試料の調整 

試験片,試験片保持ゴム栓及び試料の調整は,次による。

なお,準備する試験片は,試料一つにつき 3 個とする。また,6.2.1.5 b)  で試料を噴霧しないで操作する

空試験用の試験片 3 個と試験片の調整における清浄を確認するための試験片 1 個とを準備する。これらを

合わせて一連の試験片とし,試験片の調整及び試験片保持ゴム栓の組立に用いる。

注記  試料が 種類ある場合は,合計(3n+4)個の試験片を準備する。

a) 

試験片  試験片は,次のとおり作製し,調整する。

1) 

試験片の作製  試験片は,直径 16 mm,長さ 13 mm の一般鋼材(SGD 3)の一端に,図 2 b)  のとお

り直径及び深さが 9.5 mm の穴をあけたものとする。

2) 

試験片の調整  試験片の調整は,次のとおり行う。

2.1) 

研磨  穴をあけた反対の端を,研磨布又は研磨紙で面全体に直線状に一様な研磨筋を付け,次い

で 90 度向きを変えて前の研磨筋が消えるまで同様に研磨する。

2.2) 

清浄  2-プロパノールに浸し,加熱して沸騰状態にしたところで加熱を止め 1 分間以上保持する。

ピンセットで試験片を取り出し,直ちに 2-プロパノールでぬ(濡)らしたきれいな紙又はのり(糊)

抜き洗浄した布で,研磨面の汚れを拭き取り,汚れが付着しなくなるまで拭き取りを繰り返す。

アセトンを注いで研磨面に付着した紙又は布の毛羽を洗い流した後,熱風又は温風乾燥する。

清浄を確認するために一連の試験片の中から 1 個を選び出し,

研磨面全体に精製水を掛け流し,

これを水平から 45 度傾けてはっ水がないことを確認する。はっ水を認めた場合は,同時に調整し

た全ての試験片に対し,研磨から再度調整をやり直す。

2.3) 

保存  直ちに操作を行わない場合は,シリカゲル乾燥剤を入れたデシケーター内に保存する。た


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だし,8 時間以上経過した試験片は,再び研磨,清浄しなければならない。

2.4) 

再使用  試験片を再使用するとき,試験片の研磨面と穴の底部との距離が 3.0 mm 以下になったも

のは,試験に供してはならない。

b) 

試験片保持ゴム栓  試験片保持ゴム栓は,図 の 1∼6 の部分をいい,次のとおり組み立てる。

なお,試験片を取り扱うときは,清浄な手袋,紙,のり(糊)抜きした布などを用い,試験片に指

紋,その他の汚れが付かないようにする。また,試験片の調整において清浄を確認するために精製水

を掛け流した試験片については,試験片保持ゴム栓の組立を行わない。

1)

広口共栓瓶用ゴム栓の中央部に直径 16 mm の孔をあけ,その孔の横に試料の吹込み口及び導入管と

するため,内径 3 mm のガラス管を広口共栓瓶用ゴム栓の厚さだけ通す。

2)  1)

であけた広口共栓瓶用ゴム栓の中央部の孔に両端が同じ長さだけ出るようにアルミニウム管を

通す。広口共栓瓶用ゴム栓の底側に突き出したアルミニウム管には,断熱のために

図 2 a)  の 5 のと

おりゴム管を装着した後,アルミニウム管の先端に中央部に直径 13 mm の孔

1)

をあけたゴム栓をさ

かさまにして上底側 9.5 mm を残して装着する。

1)

挿入するアルミニウム管の外径 16 mm,試験片の外径 16 mm に対し,ゴム栓の孔を直径 13

mm

とするのは,ゴム栓との密着を良くするため。

3)

逆方向に突き出したアルミニウム管には,別のゴム栓を底側から広口共栓瓶用ゴム栓に接するまで

装着する。

4)  2)

で装着したゴム栓の上底側から,試験片を,穴をあけた方を向けてアルミニウム管に達するまで

挿入する[

図 2 b)  参照]。

c) 

試料の調整  試料を乳鉢で粉砕したものを,噴霧器のガラス容器に入れ,これを用いて図 のとおり

噴霧器を組み立てる。

6.2.1.5 

操作 

操作は,次による。

a)

広口共栓瓶の底部に,相対湿度を 90 %∼95 %に調節するため,グリセリン溶液(質量分率 30 %)10 ml

を入れ,試験片保持ゴム栓で栓をする。

b)

試料を,広口共栓瓶の中に導入管を通して 0.05 g 以下の試験量だけ噴霧し,さらに試験片保持ゴム栓

の吹込み口を粘着テープで密封したものを試験体[

図 2 a)  参照]と称し,これを 24  ℃±2  ℃に保っ

た恒温槽に入れる。

なお,噴霧量は,噴霧器内試料の質量減を電子天びんで計量することによって求める。

c) 20

時間後に恒温槽から試験体を取り出し,氷が十分にある氷水中の冷水を試験体のアルミニウム管に

満たして再び 24  ℃±2  ℃に保った恒温槽に入れ,3 時間後その水を除去する。

d)

この a)c)  の操作は,試料一つにつき試験片 3 個について同時に行うほか,別に準備した試験片 3 個

に対して,b)  の操作で試料を噴霧しないで操作する空試験も同時に行う。

注記  試料が 種類ある場合は,合計(3n+3)個の試験片を一連の試験片として a)c)  の操作を

同時に行う。ただし,空試験は,b)  の操作で試料を噴霧しない。

なお,この空試験も含めた一連の試験片は,全て同じ空試験を行った場合,さび発生において有意

差がないものを用いる。

e)

c)

の操作終了後 4 時間以内に,試験片の研磨面を評価面としてさび発生の状態を 6.2.1.6 に従って評

価する。一つの試料ごとに得られた試験片 3 個の等級に対し,次の方法で 6.2.1.7 の判定に用いる。た

だし,同時に行った空試験の評価面にさび発生を認めた碁盤目の数が,108 個未満の試験片が一つ以


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上ある場合は,

同時に d)  までの操作を行った一連の試験片全数を改めて調整し,

空試験も含めて a)  の

操作からやり直す。

1)  3

個の等級が全て同じ場合は,その等級をもって 6.2.1.7 の判定に用いる。

2)  3

個中 2 個の等級が同じで,残り 1 個の等級がそれよりも高い等級(

表 において,上に位置する

等級)の場合は,同じ等級を示した 2 個の試験片の等級をもって 6.2.1.7 の判定に用いる。

3)  3

個中 2 個の等級が同じで,残り 1 個の等級がそれよりも一つ低い等級(

表 において,一つ下に

位置する等級)の場合は,当該試料についてだけ,改めて試験片を全て調整し,空試験も含めて a)

d)  の操作をもう一度繰り返す。

繰り返した結果,最初の操作で同じ等級を示した 2 個の試験片の等級よりも低い等級を示す試験

片が一つ以上あった場合は,最初の操作で他の二つより一つ低い等級を示した 1 個の試験片の等級

をもって 6.2.1.7 の判定に用い,それ以外の場合は,最初の操作で同じ等級を示した 2 個の試験片の

等級をもって 6.2.1.7 の判定に用いる。

4)  1)

3)  のいずれにも該当しない場合は,当該試料についてだけ,いずれかに該当するまで改めて試

験片を全て調整し,空試験も含めて a)  の操作からやり直す。

6.2.1.6 

評価 

評価は,一連の試験片について試験片ごとに

表 によって等級 0∼等級 5 の 6 段階に区分する。ただし,

空試験を行った試験片は,等級の区分を行わず,

表 のさび止め率を求める手順だけを行う。

表 5−等級 

等級

さびの数

(肉眼による)

さびの数

(拡大鏡による)

さび止め率

等級 5 0

0

等級 4 0

1

∼3

等級 3 0

4

以上

等級 2 1 以上

− 90

%

以上

等級 1 1 以上

− 50

%

∼90 %

等級 0 1 以上

− 50

%

未満

最初に肉眼によるさびの数を計測する。このとき,さびの数が 0 の場合は,拡大鏡によるさびの数を計

測し,

表 によって等級 5∼等級 3 に区分する。また,肉眼によるさびの数が 1 以上の場合は,さび止め

率を次の手順によって求め,

表 によって等級 2∼等級 0 に区分する。ただし,さび止め率を求める手順

は,空試験も含めた一連の試験片から等級 5∼等級 3 に区分された試験片を除いたものに対して,まとめ

て行う。

a)

各試験片に対して,評価面に同じ光量が当たるように,かつ,試験片の研磨方向と光源からの光線と

のなす角度が一定になるようにして,試験片を 1 個ずつ真上からカメラで評価面に焦点を合わせて撮

影する。

なお,評価面にうすい変色が認められる試験片がある場合は,写真撮影の前に,次の手順によって

変色除去処理を行ってもよい。ただし,この場合は,空試験も含めた全ての試験片について同じ変色

除去処理を行わなければならない。

1) 25

℃±2  ℃のエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(質量分率 1 %)中に,評価面を横

向きにして試験片を 90 秒以内の定めた浸せき時間

(実際の浸せき時間との誤差は,

5 %

以内とする)

2)


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で静かに 1 個ずつ浸せきする。ただし,浸せきに用いるエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウ

ム溶液(質量分率 1 %)は,浸せきする試験片の最上部より 10 mm 以上高い位置に液面を保つよう

十分な量を準備する。

2)

例えば,浸せき時間を 60 秒と定めた場合,実際の浸せきは,57 秒∼63 秒の範囲で行わな

ければならない。

2)  1)

の浸せきした試験片を精製水で水洗し,直ちに熱風又は温風乾燥する。

3)

浸せきに用いるエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(質量分率 1 %)は,pH が 4.8 を

超えた場合は,あらたに調製し直さなければならない。

4)

なお,評価面には,上記以外の物理的及び化学的処理を施してはならない。

b)

評価面が直径 160 mm の円となるよう,写真を拡大する。

c)

線幅 0.26 mm(0.75 ポイント)で 10 mm 間隔の碁盤目を引いた一辺 160 mm の内部が無色透明な正方

形の測定板を作成する(

図 参照)。ただし,図 のとおり各隅にある 10 個の碁盤目(計 40 個)は,

色塗りする。

d)  b)

の拡大した写真の上に c)  の測定板を重ね合わせ,評価面が測定板の一辺 160 mm の正方形からは

み出さないように位置を調整する。この状態で,肉眼で 1 点以上のさびが発生している碁盤目の数を

数える。ただし,各隅の色塗りした碁盤目は,数えない。

なお,碁盤目の線上又は交差点に発生したさびが,隣接する碁盤目にもはみ出している場合は,は

み出している各碁盤目とも,さびが発生したものとする。また,碁盤目の線上又は交差点からはみ出

していない場合は,隣接する碁盤目にさび発生のないものがあれば,そのうちの一つをさびが発生し

たものとする。

さびが発生している碁盤目の数を数えるときに,試験片ごとにさび発生の判定が困難な碁盤目の数

が,さび発生を認めた碁盤目の数以下の場合は,コントラスト処理,グレー処理などの画像処理を施

して判定してもよい。ただし,この場合は,空試験も含めた全ての試験片について同じ画像処理を行

わなければならない。また,画像処理を施す前にさび発生を認めた碁盤目が,この画像処理によって

さび発生を認めなくなることが全ての試験片に対して一つでもあってはならない。

注記  さび発生の判定が困難な状況が起きる要因として,例えば,試験片への光線の当て方,変色

除去処理の浸せき時間などがある。この試験を行う前に,これらの要因を適正にするための

予備試験を行うことが望ましい。

e) d)

に従って数えたさびが発生している碁盤目の数を用いて,次の式によってさび止め率を算出する。

100

0

0

×

=

X

X

X

E

ここに,

E

さび止め率(

%

X

評価面にさびが発生している碁盤目の数(個)

X

0

空試験を行った評価面にさびが発生している碁盤目の
数の平均値(個)

ただし,

X

0

は,空試験に供した試験片全数(

3

個)の平

均値とし,小数点以下は,四捨五入する。


10

Z 1519

:2013

   

単位  mm

図 3−さび数測定板 

6.2.1.7 

判定 

0.05 g

以下の試験量で等級

3

以上(

表 において,等級

3

又は等級

3

より上に位置する等級)となる場

合は,直接散布形の気化性さび止め性があると判定する。

6.2.2 

緩効形の気化性さび止め性試験方法 

6.2.2.1 

試験の概要 

広口共栓瓶に湿度調整用のグリセリン溶液及び試料を入れ,試験片保持ゴム栓で栓をして恒温槽に入れ

る。

20

時間後に試験片を結露させ,規定時間後の研磨面のさび発生状態から,緩効形の気化性さび止め性

の有無を判定する。

6.2.2.2 

試薬及び材料 

試薬及び材料は,次による。

a) 

精製水  電気伝導度

3.0 µS/cm

以下のイオン交換水又は蒸留水。

b) 2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

c) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

d) 

グリセリン溶液(質量分率 30 %)  JIS K 8295 に規定するものと精製水とを用いて調製したもの。

e) 

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(質量分率 1 %)  JIS K 8107 に規定するものと精

製水とを用いて調製したもの。

f) 

一般鋼材  JIS G 3108 に規定する

SGD 3

g) 

研磨布  JIS R 6251 に規定する

A

又は

C

P400

で,目詰まり防止加工を施したもの。

h) 

研磨紙  JIS R 6252 に規定する

A

又は

C

P400

で,目詰まり防止加工を施したもの。

i) 

シリカゲル乾燥剤  JIS Z 0701 に規定するもの。

6.2.2.3 

装置及び器具 


11

Z 1519

:2013

装置及び器具は,次による。

a) 

電子天びん

10 mg

までひょう量できるもの。

b) 

恒温槽

24

℃±

2

℃に調節できるもの。

c) 

広口共栓瓶  JIS R 3503 に規定する呼び容量

1 000 ml

の広口共栓瓶。

d) 

広口共栓瓶用ゴム栓  シリコーンゴム製で,広口共栓瓶の口に栓をすることができるもの。

注記

ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,

#19

#23

が適している。

e) 

筒形はかり瓶  JIS R 3503 に規定する呼び寸法

45 mm

×

60 mm

の筒形はかり瓶。

f) 

アルミニウム管  JIS H 4080 に規定するもので,外径

16 mm

,肉厚

1.6 mm

,長さ

114 mm

のもの。

g) 

ゴム管  外径

20 mm

,肉厚

2.5 mm

のシリコーンゴム製のもの。

h) 

ゴム栓

#11

のシリコーンゴム製のもの。

i) 

拡大鏡  倍率

10

倍のもの。

j) 

カメラ  デジタルカメラ又はフィルムカメラ。

6.2.2.4 

試験片,試験片保持ゴム栓及び試料の調整 

試験片,試験片保持ゴム栓及び試料の調整は,次による。

なお,準備する試験片は,試料一つにつき

3

個とする。また,6.2.2.5

a)

で試料及び筒形はかり瓶を入れ

ないで操作する空試験用の試験片

3

個,並びに試験片の調整における清浄を確認するための試験片

1

個を

準備する。これらを合わせて一連の試験片とし,試験片の調整及び試験片保持ゴム栓の組立に用いる。

注記

試料が

n

種類ある場合は,合計(

3n

4

)個の試験片を準備する。

a) 

試験片  試験片は,6.2.1.4 a)

に従って作製し,調整する。

b) 

試験片保持ゴム栓  試験片保持ゴム栓は,図 

1

5

の部分をいい,次のとおり組み立てる。

なお,試験片を取り扱うときは,清浄な手袋,紙,のり(糊)抜きした布などを用い,試験片に指

紋,その他の汚れが付かないようにする。また,試験片の調整において清浄を確認するために精製水

を掛け流した試験片については,試験片保持ゴム栓の組立を行わない。

1)

広口共栓瓶用ゴム栓の中央部に直径

16 mm

の孔をあける。

2)

1)

であけた広口共栓瓶用ゴム栓の孔に両端が同じ長さだけ出るようにアルミニウム管を通す。広口

共栓瓶用ゴム栓の底側に突き出したアルミニウム管には,断熱のために

図 

4

のとおりゴム管を

装着した後,アルミニウム管の先端に中央部に直径

13 mm

の孔

1)

をあけたゴム栓をさかさまにして

上底側

9.5 mm

を残して装着する。

1)

は,6.2.1.4 b) 2)

1)

を参照。

3)

逆方向に突き出したアルミニウム管には,別のゴム栓を底側から広口共栓瓶用ゴム栓に接するまで

装着する。

4)

2)

で装着したゴム栓の上底側から,試験片を,穴をあけた方を向けてアルミニウム管に達するまで

挿入する[

図 2 b)

参照]

c) 

試料の調整  試料は,形態に応じて次のとおり調整する。

なお,試料の計量には電子天びんを用いる。

1)

粉末形の試料は,

0.05 g

以下の試験量を筒形はかり瓶に均一に散布し,蓋をして保存する。

2)

成体形の試料で個装容器に充填したものは,内容物が

1.0 g

を超える場合は,内容物を取り出して

1.0 g

以下の試験量を粉砕せずに切り出した後,同形態の個装状態にして,筒形はかり瓶に入れて蓋

をして保存する。内容物が

1.0 g

以下の場合は,内容物の総量が試験量となるように

1

個又は複数個

の個装容器を準備して,筒形はかり瓶に入れて蓋をして保存する。この場合は,試験量に調整する


12

Z 1519

:2013

   

ため,一つの個装容器についてだけ内容物を取り出して粉砕せずに一部を切り出した後,同形態の

個装状態に調整してもよい。

なお,内容物の一部を用いて同形態の個装状態にする場合は,個装容器も内容物と同じ縮小比率

になるよう個装することが望ましい。

3)

2)

に該当しない成体形の試料は,

1.0 g

以下の試験量をそのままか粉砕せずに一部を切り出して,

筒形はかり瓶に入れて蓋をして保存する。ただし,試料

1

個で足りない場合は,複数個を用いて調

整する。

1

:アルミニウム管

2

:ゴム栓

3

:広口共栓瓶用ゴム栓

4

:ゴム管

5

:試験片

6

:広口共栓瓶

7

:試料

8

:筒形はかり瓶

9

:グリセリン溶液(質量分率 30 %)

図 4−気化性さび止め性試験で用いる試験体(緩効形又は速効形用) 

6.2.2.5 

操作 

操作は,次による。

a)

広口共栓瓶の底部に,相対湿度を

90 %

95 %

に調節するため,グリセリン溶液(質量分率

30 %

10 ml

を入れ,試料を散布又は入れた筒形はかり瓶を,蓋をとってこの広口共栓瓶の底部に置き,さらに試

験片保持ゴム栓で栓をしたものを試験体と称し,これを

24

℃±

2

℃に保った恒温槽に入れる(

図 4

参照)

b)

 20

時間後に恒温槽から試験体を取り出し,氷が十分にある氷水中の冷水を試験体のアルミニウム管に

満たして再び

24

℃±

2

℃に保った恒温槽に入れ,

3

時間後その水を除去する。

c)

この a)b)

の操作は,試料一つにつき試験片

3

個について同時に行うほか,別に準備した試験片

3

個に対して,a)

の操作で試料及び筒形はかり瓶を入れないで操作する空試験も同時に行う。

注記

試料が

n

種類ある場合は,合計(

3n

3

)個の試験片を一連の試験片として a)b)

の操作を

同時に行う。ただし,空試験は,a)

の操作で試料及び筒形はかり瓶を入れない。

なお,この空試験も含めた一連の試験片は,全て同じ空試験を行った場合,さび発生において有意

差がないものを用いる。


13

Z 1519

:2013

d)

b)

の操作終了後

4

時間以内に,試験片の研磨面を評価面としてさび発生の状態を 6.2.2.6 に従って評

価する。一つの試料ごとに得られた試験片

3

個の等級に対し,次の方法で 6.2.2.7 の判定に用いる。た

だし,同時に行った空試験の評価面にさび発生を認めた碁盤目の数が,

108

個未満の試験片が一つ以

上ある場合は,

同時に c)

までの操作を行った一連の試験片全数を改めて調整し,

空試験も含めて a)

操作からやり直す。

1)

  3

個の等級が全て同じ場合は,その等級をもって 6.2.2.7 の判定に用いる。

2)

  3

個中

2

個の等級が同じで,残り

1

個の等級がそれよりも高い等級(

表 において,上に位置する

等級)の場合は,同じ等級を示した

2

個の試験片の等級をもって 6.2.2.7 の判定に用いる。

3)

  3

個中

2

個の等級が同じで,残り

1

個の等級がそれよりも一つ低い等級(

表 において,一つ下に

位置する等級)の場合は,当該試料についてだけ,改めて試験片を全て調整し,空試験も含めて a)

c)

の操作をもう一度繰り返す。

繰り返した結果,最初の操作で同じ等級を示した

2

個の試験片の等級よりも低い等級を示す試験

片が一つ以上あった場合は,最初の操作で他の二つより一つ低い等級を示した

1

個の試験片の等級

をもって 6.2.2.7 の判定に用い,それ以外の場合は,最初の操作で同じ等級を示した

2

個の試験片の

等級をもって 6.2.2.7 の判定に用いる。

4)

1)

3)

のいずれにも該当しない場合は,当該試料についてだけ,いずれかに該当するまで改めて試

験片を全て調整し,空試験も含めて a)

の操作からやり直す。

6.2.2.6 

評価 

評価は,6.2.1.6 に従って行う。

6.2.2.7 

判定 

判定は,次による。

a)

粉末形の試料が,

0.05 g

以下の試験量で等級

3

以上(

表 において,等級

3

又は等級

3

より上に位置

する等級)となる場合は,緩効形の気化性さび止め性があると判定する。

b)

成体形の試料が,

1.0 g

以下の試験量で等級

3

以上となる場合は,緩効形

A

の気化性さび止め性がある

と判定し,等級

2

となる場合には,緩効形

B

の気化性さび止め性があると判定する。

6.2.3 

速効形の気化性さび止め性試験方法 

6.2.3.1 

試験の概要 

広口共栓瓶に湿度調整用のグリセリン溶液を入れ,広口共栓瓶用ゴム栓で栓をして規定時間以上恒温槽

に入れた後,広口共栓瓶用ゴム栓を外して試料を入れ,試験片保持ゴム栓で栓をし直して恒温槽に戻す。

1

時間後に試験片を結露させ,規定時間後の研磨面のさび発生状態から,速効形の気化性さび止め性の有無

を判定する。

6.2.3.2 

試薬及び材料 

試薬及び材料は,6.2.2.2 による。

6.2.3.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,6.2.2.3 による。

6.2.3.4 

試験片,試験片保持ゴム栓及び試料の調整 

試験片,試験片保持ゴム栓及び試料の調整は,次による。

なお,準備する試験片は,試料一つにつき

3

個とする。また,6.2.3.5

b)

で試料及び筒形はかり瓶を入れ

ないで操作する空試験用の試験片

3

個,並びに試験片の調整における清浄を確認するための試験片

1

個を

準備する。これらを合わせて一連の試験片とし,試験片の調整及び試験片保持ゴム栓の組立に用いる。


14

Z 1519

:2013

   

注記

試料が

n

種類ある場合は,合計(

3n

4

)個の試験片を準備する。

a) 

試験片  試験片は,6.2.1.4 a)

に従って作製し,調整する。

b) 

試験片保持ゴム栓  試験片保持ゴム栓は,6.2.2.4 b)

に従って組み立てる。

c) 

試料の調整  試料は,6.2.2.4 c)

に従って調整する。

6.2.3.5 

操作 

操作は,次による。

a)

広口共栓瓶の底部に,相対湿度を

90 %

95 %

に調節するため,グリセリン溶液(質量分率

30 %

10 ml

を入れ,広口共栓瓶用ゴム栓で栓をしたものを

24

℃±

2

℃に保った恒温槽に入れ,

16

時間以上保持

する。

b)

広口共栓瓶から広口共栓瓶用ゴム栓を外し,試料を散布又は入れた筒形はかり瓶を,蓋をとってこの

広口共栓瓶の底部に速やかに置き,さらに試験片保持ゴム栓で栓をしたものを試験体と称し,これを

直ちに

24

℃±

2

℃に保った恒温槽に入れる(

図 参照)。

なお,広口共栓瓶用ゴム栓を外してから試験片保持ゴム栓で栓をするまでに要する時間は,

10

秒以

内とする。

c)

1

時間後に恒温槽から試験体を取り出し,氷が十分にある氷水中の冷水を試験体のアルミニウム管に

満たして再び

24

℃±

2

℃に保った恒温槽に入れ,

3

時間後その水を除去する。

d)

この a)c)

の操作は,試料一つにつき試験片

3

個について同時に行うほか,別に準備した試験片

3

に対して,b)

の操作で試料及び筒形はかり瓶を入れないで操作する空試験も同時に行う。

注記

試料が

n

種類ある場合は,合計(

3n

3

)個の試験片を一連の試験片として a)c)

の操作を

同時に行う。ただし,空試験は,b)

の操作で試料及び筒形はかり瓶を入れない。

なお,この空試験も含めた一連の試験片は,全て同じ空試験を行った場合,さび発生において有意

差がないものを用いる。

e)

c)

の操作終了後

4

時間以内に,試験片の研磨面を評価面としてさび発生の状態を 6.2.3.6 に従って評

価する。一つの試料ごとに得られた試験片

3

個の等級に対し,次の方法で 6.2.3.7 の判定に用いる。た

だし,同時に行った空試験の評価面にさび発生を認めた碁盤目の数が,

108

個未満の試験片が一つ以

上ある場合は,

同時に d)

までの操作を行った一連の試験片全数を改めて調整し,

空試験も含めて a)

操作からやり直す。

1)

  3

個の等級が全て同じ場合は,その等級をもって 6.2.3.7 の判定に用いる。

2)

  3

個中

2

個の等級が同じで,残り

1

個の等級がそれよりも高い等級(

表 において,上に位置する

等級)の場合は,同じ等級を示した

2

個の試験片の等級をもって 6.2.3.7 の判定に用いる。

3)

  3

個中

2

個の等級が同じで,残り

1

個の等級がそれよりも一つ低い等級(

表 において,一つ下に

位置する等級)の場合は,当該試料についてだけ,改めて試験片を全て調整し,空試験も含めて a)

d)

の操作をもう一度繰り返す。

繰り返した結果,最初の操作で同じ等級を示した

2

個の試験片の等級よりも低い等級を示す試験

片が一つ以上あった場合は,最初の操作で他の二つより一つ低い等級を示した

1

個の試験片の等級

をもって 6.2.3.7 の判定に用い,それ以外の場合は,最初の操作で同じ等級を示した

2

個の試験片の

等級をもって 6.2.3.7 の判定に用いる。

4)

1)

3)

のいずれにも該当しない場合は,当該試料についてだけ,いずれかに該当するまで改めて試

験片を全て調整し,空試験も含めて a)

の操作からやり直す。

6.2.3.6 

評価 


15

Z 1519

:2013

評価は,6.2.1.6 に従って行う。

6.2.3.7 

判定 

判定は,次による。

a)

粉末形の試料が,

0.05 g

以下の試験量で等級

3

以上(

表 において,等級

3

又は等級

3

より上に位置

する等級)となる場合は,速効形の気化性さび止め性があると判定する。

b)

成体形の試料が,

1.0 g

以下の試験量で等級

3

以上となる場合は,速効形の気化性さび止め性があると

判定する。

6.3 

通気暴露後の気化性さび止め性試験方法 

6.3.1 

試験の概要 

試料を規定温湿度に規定時間通気暴露した後,気化性さび止め性の試験を行い,気化性さび止め性の持

続性を判定する。

6.3.2 

試薬,装置及び器具 

試薬,装置及び器具は,次による。

a) 

精製水  電気伝導度

3.0 µS/cm

以下のイオン交換水又は蒸留水。

b) 

グリセリン溶液(質量分率 70 %)  JIS K 8295 に規定するものと精製水とを用いて調製したもの。

c) 

エアーポンプ  ダイヤフラム式のもの。

d) 

電子天びん

10 mg

までひょう量できるもの。

e) 

恒温槽

38

℃±

2

℃に調節でき,強制循環する機構のもの。

f) 

ガラス管 a  外径

10 mm

,肉厚

1.0 mm

,長さ

70 mm

のもの。

g) 

ガラス管 b  外径

45 mm

,肉厚

2.0 mm

,長さ

80 mm

のもの。

h) 

ガラス管 c  外径

65 mm

,肉厚

2.4 mm

,長さ

300 mm

のもの。

i) 

ゴム栓 a  シリコーンゴム製で,ガラス管

b

の口に栓をすることができるもの。

注記

ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,

#14

#16

が適している。

j) 

ゴム栓 b  シリコーンゴム製で,ガラス管

c

の口に栓をすることができるもの。

注記

ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,

#20

#22

が適している。

k) 

広口共栓瓶  JIS R 3503 に規定する呼び容量

1 000 ml

の広口共栓瓶。

l) 

広口共栓瓶用ゴム栓  シリコーンゴム製で,広口共栓瓶の口に栓をすることができるもの。

注記

ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,

#19

#23

が適している。

m) 

平形はかり瓶  JIS R 3503 に規定する呼び寸法

40 mm

×

20 mm

の平形はかり瓶。

n) 

ガスろ過管  外径

10 mm

,全長

210 mm

で,JIS R 3503 に規定するガラスろ過板の細孔記号

1

の細孔

の大きさをもつろ過管(長さ

10 mm

20 mm

)を先端にもつもの。

o) 

流量調整弁  エアーポンプの流量を,毎分

50 ml

300 ml

の範囲で調整できるもの。

6.3.3 

操作 

操作は,一つの試料に対して次によって行う(

図 参照)。

注記

試料が複数種類ある場合は,別の操作として行う。

a)

ゴム栓

a

の中央部に,ガラス管

a

をその先端がゴム栓の底から

5 mm

になるように通す。

b)

ゴム栓

b

の中央部に,ガラス管

b

をその先端がゴム栓の底から

10 mm

になるように通す。

c)

b)

のガラス管

b

の上底側の開口部を,a)

のゴム栓

a

で栓をし,もう一方の開口部は,医療用ガーゼ

2

重にして覆い,綿糸で固定する。

d)

ガラス管

c

の管内中央付近に,試料を形態に応じて次のとおり調整した後設置する。ただし,ガラス


16

Z 1519

:2013

   

c

の管内断面において試料の占める割合は,

70 %

以下とする。

なお,試料の計量には電子天びんを用いる。

1)

粉末形の試料は,試料

0.4 g

を平形はかり瓶に均一に散布し,蓋をしないで平形はかり瓶ごと水平に

したガラス管

c

の管内中央付近に設置する。

2)

成体形の試料で個装容器に充填したものは,

1

個又は複数個の個装容器を準備して,内容物の総量

が 6.2 で用いた試験量の

5

倍量となるように,一つの個装容器についてだけ内容物を取り出して粉

砕せずに一部を切り出し,同形態の個装状態に調整した後,水平にしたガラス管

c

の管内中央付近

に設置する。ただし,個装容器の内容物の整数倍量が上記規定量になる場合は,この整数倍だけの

個装容器を準備して,水平にしたガラス管

c

の管内中央付近に設置する。

なお,内容物の一部を用いて同形態の個装状態にする場合は,個装容器も内容物と同じ縮小比率

になるよう個装することが望ましい。

3)

2)

に該当しない成体形の試料は,そのままか粉砕せずに一部を切り出して,6.2 で用いた試験量の

5

倍量を水平にしたガラス管

c

の管内中央付近に設置する。ただし,試料

1

個で足りない場合は,

複数個を用いて調整する。

e)

d)

のガラス管

c

の一端は,c)

のゴム栓

b

で栓をし,もう一端は,中央部にガラス管

a

をその先端が

ゴム栓の底から

5 mm

になるように通したゴム栓

b

で栓をする。

f)

広口共栓瓶に,相対湿度を

60 %

65 %

に調節するため,グリセリン溶液(質量分率

70 %

)を液高さ

125 mm

まで入れ,ガスろ過管及びガラス管

a

を通した広口共栓瓶用ゴム栓で栓をする。ただし,ガス

ろ過管の先端は,液中

110 mm

まで挿入し,ガラス管

a

の先端は,通したゴム栓の底から

5 mm

になる

ように挿入する。

g)

e)

のゴム栓

a

に通したガラス管

a

と,f)

のガラス管

a

とをゴム管でつなぎ,これらのつながったガラ

ス管

c

及び広口共栓瓶を,

38

℃±

2

℃に保った恒温槽に入れる。

h)

g)

のガスろ過管に,恒温槽の外に配備した給気のためのエアーポンプ及び流量調整弁をゴム管でつな

ぐ。また,g)

のガラス管

c

のもう一端側のガラス管

a

に,排気のためゴム管をつないで実験室外まで

延長する。

i)

h)

の排気のためにつないだゴム管からの排気量が,

毎分

100 ml

になるように流量調整弁で調整する。

注記

水槽内に水を満たしてさかさまにしたメスシリンダーを準備し,排気のためにつないだゴム

管の出口をこのメスシリンダー内に入れるなどして,排気量を実測しながら調整することが

望ましい。

j)

i)

で調整した後,この状態で

5

日間通気を継続する。通気中に,広口共栓瓶内のグリセリン溶液(質

量分率

70 %

)の液高さを適宜確認し,液高さが

10 mm

下がれば精製水を補給して,液高さを

125 mm

まで戻す。

k)

通気終了後の試料を室温まで冷却し,6.2 で用いた試験量で,6.2 と同じ気化性さび止め性の試験を行

う。

注記

この操作 k)  は,対象となる試料の気化性さび止め性を 6.2 のとおり規定するとき,6.2.1 

直接散布形の気化性さび止め性試験を行った場合は,この操作 k)  においても同じ試験量で

6.2.1

の直接散布形の気化性さび止め性試験を行い,6.2.2 の緩効形の気化性さび止め性試験を

行った場合は,この操作 k)  においても同じ試験量で 6.2.2 の緩効形の気化性さび止め性試験

を行うことを意味する。


17

Z 1519

:2013

単位  mm

図 5−通気暴露試験装置 

6.3.4 

判定 

6.2

と同じ気化性さび止め性がある場合は,通気暴露後も気化性さび止め性があると判定する。

6.4 

銅及びアルミニウムとの共存性試験方法 

6.4.1 

試験の概要 

広口共栓瓶に湿度調整用のグリセリン溶液又は精製水と試料とを入れ,銅板又はアルミニウム板をつる

したフック付きゴム栓で栓をする。これを規定温度に規定時間保持した後,それぞれの金属の外観を判定

する。

6.4.2 

試薬及び材料 

試薬及び材料は,次による。

a) 

精製水  電気伝導度

3.0 µS/cm

以下のイオン交換水又は蒸留水。

b) 

亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム  純度が質量分率

98.0 %

以上のもの。

c) 

メタノール  JIS K 8891 に規定するもの。

d) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

e) 2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

f) 

温工業ガソリン  JIS K 2201 に規定する

3

号又は

4

号で,

40

℃∼

60

℃に加温したもの。

g) 

グリセリン溶液(質量分率 55 %)  JIS K 8295 に規定するものと精製水とを用いて調製したもの。

h) 

銅板  JIS H 3100 に規定する

C1100P

i) 

アルミニウム板  JIS H 4000 に規定する

A1050P

の板。

j) 

研磨布  JIS R 6251 に規定する

A

P400

k) 

研磨紙  JIS R 6252 に規定する

A

P400

1

:エアーポンプ 9

:ガラス管 b

2

:流量調整弁 10

:ゴム栓 a

3

:ゴム管 11

:医療用ガーゼ

4

:ガラス管 a 12

:ガラス管 c

5

:広口共栓瓶用ゴム栓 13

:ゴム栓 b

6

:広口共栓瓶 14

:筒形はかり瓶

7

:ガスろ過管 15

:試料

8

:グリセリン溶液(質量分率 70 %)


18

Z 1519

:2013

   

l) 

耐水研磨紙  JIS R 6253 に規定する

C

P400

m) 

シリカゲル乾燥剤  JIS Z 0701 に規定するもの。

n) 

粘着テープ  JIS Z 1524 に規定するもの。

6.4.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

a) 

電子天びん

10 mg

までひょう量できるもの。

b) 

恒温槽

50

℃±

2

℃に調節できるもの及び

30

℃±

2

℃に調節できるもの。

c) 

広口共栓瓶  JIS R 3503 に規定する呼び容量

1 000 ml

の広口共栓瓶。

d) 

乳鉢  磁製又はめのう製。

e) 

噴霧器  図 に示すもの。

f) 

筒形はかり瓶  JIS R 3503 に規定する呼び寸法

45 mm

×

60 mm

の筒形はかり瓶。

g) 

フック付きゴム栓  試験片つり下げ用ステンレス製フックが一つ付いたシリコーンゴム製のもので,

広口共栓瓶の口に栓をすることができ,試験体の組立に支障のない

3)

もの。

注記

ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,

#19

#23

が適している。

3)

6.4.4 c) 1.3)

及び 2.2)

を参照。

6.4.4 

試験片,試料の調整及び試験体 

試験片,試料の調整及び試験体は,次による。

なお,準備する試験片は,試料一つにつき銅板(

C1100P

)及びアルミニウム板(

A1050P

)それぞれ

3

枚とする。また,6.4.5

b)

の空試験用試験体に用いる銅板及びアルミニウム板それぞれ

3

枚,並びに試験

片の調整における清浄を確認するための銅板及びアルミニウム板それぞれ

1

枚を準備する。これらを銅板

及びアルミニウム板それぞれについて合わせて,一連の試験片として試験片の調整及び試験体の組立に用

いる。

注記

試料が

n

種類ある場合は,合計(

3n

4

)枚の試験片を,一連の試験片として銅板及びアルミニ

ウム板それぞれに対し準備する。

a) 

試験片  試験片は,次のとおり作製し,調整する。

1) 

試験片の作製  試験片は,銅板,アルミニウム板とも,

60 mm

×

40 mm

×

1.0 mm

3.0 mm

の大きさ

に切り,短辺の一端の中央に直径

2.0 mm

3.0 mm

の孔をあけたものとする。

なお,一連の試験片は,あらかじめ次に従って確認したものでなければならない。この場合は,

一連の試験片のほかに,1.1)

における試験片の調整において清浄を確認するための試験片

1

枚を別

に準備する。

1.1)

準備した全ての試験片を 2)

に従って調整し,亜硝酸ジシクロへキシルアンモニウムを試料として

b)

1)

に従って調整し,これらを用いて c)

1)

に従って試験体(ただし,試料の噴霧量は,

0.10 g

とする。

)を組み立てる。

1.2)

1.1)

によって準備した全ての試験体を,銅試験片の場合は

50

℃±

2

℃,アルミニウム試験片の

場合は

30

℃±

2

℃に保った恒温槽に

5

日間入れた後取り出し,室温まで冷却した後,試験片をメ

タノール次いでアセトンを用いて洗浄し,温風乾燥する。

1.3)

1.2) 

で得られた試験片全数の両面を,肉眼で

表 によって

A

級∼

E

級の

5

段階に区分する。

1.4)

1.3) 

で区分した等級が,全て

C

級∼

E

級であって,かつ,試験片間で等級の違いがないことを確

認する。


19

Z 1519

:2013

表 6−試験片の評価 

等級

目視評価

A

全く変化がないもの

B

極僅かに変色したもの

C

僅かに変色したもの

D

はっきり変色したもの

E

激しく変色又は腐食したもの

2) 

試験片の調整  試験片の調整は,次のとおり行う。

2.1) 

研磨  銅試験片は,両面を研磨布又は研磨紙で,また,アルミニウム試験片は,精製水を流しな

がら両面を耐水研磨紙で,短辺に平行な方向に面全体に一様な研磨筋を付け,次いで長辺に平行

な方向に向きを変えて前の研磨筋が消えるまで同様に研磨する。

2.2) 

清浄

2-

プロパノールに浸し,

加熱して沸騰状態にしたところで加熱を止め

1

分間以上保持する。

ピンセットで試験片を取り出し,直ちに

2-

プロパノールでぬ(濡)らしたきれいな紙又はのり(糊)

抜き洗浄した布で,研磨面の汚れを拭き取り,汚れが付着しなくなるまで拭き取りを繰り返す。

ピンセットでの試験片の取扱いが困難な場合は,きれいな手袋をしてやけどに注意しながら研磨

面の汚れを拭き取る。アセトンを注いで研磨面に付着した紙又は布の毛羽を洗い流した後,温風

乾燥する。

清浄を確認するために一連の試験片の中から

1

枚を選び出し,

研磨面全体に精製水を掛け流し,

これを水平から

15

度傾けてはっ水がないことを確認する。はっ水を認めた場合は,同時に調整し

た全ての試験片に対し,研磨から再度調整をやり直す。

なお,調整に用いる研磨布,研磨紙又は耐水研磨紙について,試験片を研磨して上記規定の清

浄を行わずに精製水を研磨面全体に掛け流し,これを水平から

15

度傾けてはっ水がないことをあ

らかじめ確認している場合は,研磨を行った後,上記規定の清浄を行わずに,銅試験片は,温工

業ガソリン,メタノール,アセトンの順に,一方,アルミニウム試験片は,精製水,メタノール,

アセトンの順に浸し,その都度,研磨面の汚れをきれいな紙又はのり(糊)抜き洗浄した布で拭

き取り,それに汚れが付着しなくなるまで拭き取りを繰り返すことで代用してもよい。

2.3) 

保存  直ちに操作を行わない場合は,シリカゲル乾燥剤を入れたデシケーター内に保存する。た

だし,

8

時間以上経過した試験片は,再び研磨,清浄しなければならない。

b) 

試料の調整  試料は,試料の形態などに応じて次のとおり調整する。

なお,試料の計量には電子天びんを用いる。

1)

粉末形の試料で直接散布形の気化性さび止め性を特徴とするものは,乳鉢で粉砕したものを,噴霧

器のガラス容器に入れ,これを用いて

図 のとおり噴霧器を組み立てる。

2)

粉末形の試料で緩効形又は速効形の気化性さび止め性を特徴とするものは,6.2 で用いた試験量の

2

倍量を筒形はかり瓶に均一に散布し,蓋をして保存する。

3)

成体形の試料で個装容器に充填したものは,内容物をそのまま取り出すか粉砕せずに一部を切り出

して,6.2 で用いた試験量の

2

倍量を筒形はかり瓶に入れて蓋をして保存する。ただし,個装容器

1

個の内容物で足りない場合は,複数個を用いて調整する。

4)

3)

に該当しない成体形の試料は,そのままか粉砕せずに一部を切り出して,6.2 で用いた試験量の

2

倍量を筒形はかり瓶に入れて蓋をして保存する。ただし,試料

1

個で足りない場合は,複数個を

用いて調整する。


20

Z 1519

:2013

   

1

:フック付きゴム栓

2

:導入管(ガラス管)

3

:試験片

4

:広口共栓瓶

5

:試料

6

:グリセリン溶液

  (質量分率 55 %)又は精製水

7

:筒形はかり瓶

 a)

  直接散布形用 b)  緩効形又は速効形用 

図 6−銅及びアルミニウムとの共存性試験で用いる試験体 

c) 

試験体  試験体は,試料の気化性さび止め性の特徴に応じて次のとおり組み立てる(図 参照)。

なお,試験片を取り扱うときは,清浄な手袋,紙,のり(糊)抜きした布,ピンセットなどを用い,

試験片に指紋,その他の汚れが付かないようにする。また,試験片の調整において清浄を確認するた

めに精製水を掛け流した試験片については,試験体の組立を行わない。

1)

直接散布形の気化性さび止め性を特徴とする試料の場合

b)

の試料調整において,1)

の調整をした直接散布形の気化性さび止め性を特徴とする試料の場

合は,次による。

1.1)

フック付きゴム栓に,試料の吹込み口及び導入管とするため,内径

3 mm

のガラス管をゴム栓の厚

さだけ通す。

1.2)

広口共栓瓶の底部に,銅試験片の場合は,相対湿度を

75 %

80 %

に調節するため,グリセリン溶

液(質量分率

55 %

10 ml

を入れ,アルミニウム試験片の場合は,相対湿度をほぼ

100 %

に調節す

るため,精製水

10 ml

を入れる。

1.3)

試験片

1

枚を 1.2)

の広口共栓瓶の真ん中の位置にくるように,かつ,器壁と接触しないように 1.1)

のフック付きゴム栓のステンレス製フックを用いてつるし,試料の吹込み口以外は,十分な密閉

性を保つように組み立てる。

1.4)

試料を,1.3)

の広口共栓瓶の中に導入管を通して 6.2 で用いた試験量の

2

倍量だけ噴霧し,フッ

ク付きゴム栓の吹込み口を粘着テープで密封する。

なお,噴霧量は,噴霧器内試料の質量減を電子天びんで計量することによって求める。

2)

緩効形又は速効形の気化性さび止め性を特徴とする試料の場合

b)

の試料調整において,2)4)

の調整をした緩効形又は速効形の気化性さび止め性を特徴とす

る試料の場合は,次による。

2.1)

1.2)

に従って行う。

2.2)

試料を散布又は入れた筒形はかり瓶を,蓋を取って 2.1)

の広口共栓瓶の底部に置き,試験片

1

を広口共栓瓶の真ん中の位置にくるように,かつ,試料及び器壁と接触しないようにフック付き


21

Z 1519

:2013

ゴム栓のステンレス製フックを用いてつるし,十分な密閉性を保つように組み立てる。

6.4.5 

操作 

操作は,次による。ただし,銅試験片のための操作及びアルミニウム試験片のための操作は,別として

それぞれ行う。

a)

試料一つにつき試験体を

3

個準備し,銅試験片の場合は

50

℃±

2

℃,アルミニウム試験片の場合は

30

℃±

2

℃に保った恒温槽に

5

日間入れた後取り出し,室温まで冷却する。

なお,6.4.4 c) 1)

によって組み立てた試験体から得られる試験片は,試験片を取り出した後,メタ

ノール次いでアセトンを用いて洗浄し,温風乾燥する。

b)

別に 6.4.4 c)

において試料を噴霧しない又は試料及び筒形はかり瓶を入れないほかは同様に組み立て

た空試験用試験体を

3

個準備し,a)

と同じ操作を同時に行う。

c)

b)

の操作で得られた試験片

3

枚全数の両面を,肉眼で

表 によって区分し,

A

級又は

B

級であるこ

とを確認する。試験片

1

枚以上に

C

級∼

E

級を認めた場合は,同時に b)

までの操作を行った一連の

試験片全数を改めて調整し,これらを用いて改めて試験体を全て準備し,a)

の操作からやり直す。

d)

a)

の操作で得られた試験片全数の両面を,肉眼で

表 によって区分する。一つの試料ごとに得られた

試験片

3

枚の等級に対し,6.4.6 に従って判定する。

6.4.6 

判定 

試験片

3

枚全数の両面が

A

級又は

B

級の場合は,異常がないと判定する。ただし,

3

枚中

1

枚にだけ

C

級∼

E

級を認めたときは,当該試料についてだけ,改めて試験片を全て調整し,これらを用いて改めて試

験体を全て準備して 6.4.5 の操作をもう一度最初から繰り返し,当該試料に対して得られる

3

枚全数の両

面が

A

級又は

B

級の場合は,異常がないと判定する。

注記

6.4.5

の操作をもう一度最初から繰り返す場合は,合計

6

枚の試験片を準備し,うち

3

枚に対し

て 6.4.5 b)

の空試験用試験体の操作を行う。

6.5 

ポリエチレンフィルムとの共存性試験方法 

6.5.1 

試験の概要 

広口共栓瓶に湿度調整用の精製水及び試料を入れ,ポリエチレンフィルムを貼り付けた広口共栓瓶用ゴ

ム栓で栓をする。これを規定温度に規定時間保持した後,ポリエチレンフィルムの引張強さ及び伸びの低

下が,試料の影響によって促進されないかを判定する。

6.5.2 

試薬及び材料 

試薬及び材料は,次による。

a) 

精製水  電気伝導度

3.0 µS/cm

以下のイオン交換水又は蒸留水。

b) 

ポリエチレンフィルム  JIS Z 1702 に規定する

1

A

又は

1

B

で,呼び厚さ

0.050 mm

のもの。

c) 

粘着テープ  6.5.5 a)

の操作で,顕著な粘着剤の溶出を認めないもの。

注記

粘着剤については,耐熱性のあるシリコーン系,アクリル系などに比較的溶出しにくいもの

が多い。

6.5.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

a) 

電子天びん

10 mg

までひょう量できるもの。

b) 

恒温槽

65

℃±

2

℃に調節できるもの。

c) 

引張試験装置  クロスヘッド速度一定形又は振子形引張試験機を用いる。最大荷重の指示装置及び試

験片のつかみ具を備え,その荷重指示精度は±

2 %

以内とする。また,破断荷重は,各容量の

15

85 %


22

Z 1519

:2013

   

の範囲であることが望ましい。

d) 

広口共栓瓶  JIS R 3503 に規定する呼び容量

1 000 ml

の広口共栓瓶。

e) 

広口共栓瓶用ゴム栓  シリコーンゴム製で,広口共栓瓶の口に栓をすることができるもの。

注記

ゴム栓の型番号は,製造会社によって異なるが,一般的に,

#19

#23

が適している。

f) 

トールビーカー  JIS R 3503 に規定する呼び容量

50 ml

のトールビーカー。

6.5.4 

試験体 

試験体は,次のとおり組み立てる。

なお,試験体は,試料一つにつき少なくとも

2

個準備する。また,6.5.5

a)

に規定した空試験のための

試験体(試料及びトールビーカーを除いたもの)を,少なくとも

2

個準備する。これらを合わせて一連の

試験体とし,一連の試験体の組立に要する次のポリエチレンフィルムは,同じフィルムから切り取ったも

のを使用する。

a)

ポリエチレンフィルムを縦方向(成形加工の流れに平行な方向)が

160 mm

,横方向が

150 mm

の長方

形になるように切り,

150 mm

×

150 mm

部が広口共栓瓶用ゴム栓の底より下に配置するよう残りの

10

mm

×

150 mm

部を用いて広口共栓瓶用ゴム栓の側面に折れないように巻き付けて粘着テープで貼り付

ける。ただし,ポリエチレンフィルムにおいて粘着テープが貼り付くことが許される領域は,広口共

栓瓶用ゴム栓の側面と重なる部分に限るとする。

b)

試料を形態に応じて次のとおり調整した後トールビーカーに散布又は入れる。

なお,試料の計量には電子天びんを用いる。

1)

粉末形の試料は,6.2 で用いた試験量の

2

倍量を均一に散布する。

2)

成体形の試料で個装容器に充填したものは,内容物をそのまま取り出すか粉砕せずに一部を切り出

して,6.2 で用いた試験量の

2

倍量を入れる。ただし,個装容器

1

個の内容物で足りない場合は,複

数個を用いて調整する。

3)

2)

に該当しない成体形の試料は,そのままか粉砕せずに一部を切り出して,6.2 で用いた試験量の

2

倍量を入れる。ただし,試料

1

個で足りない場合は,複数個を用いて調整する。

c)

直ちに b)

の試料を散布又は入れたトールビーカーを,あらかじめ精製水

10 ml

を入れた広口共栓瓶の

底の中心部に置いた後,a)

のポリエチレンフィルムを貼り付けた広口共栓瓶用ゴム栓で栓をする。

なお,ポリエチレンフィルムが,トールビーカーに接触するなどして折れ曲がらないようにする。

6.5.5 

操作 

操作は,次による。

a)

試験体を,

65

℃±

2

℃に保った恒温槽に

5

日間保持する。また,試料及びトールビーカーを除いた試

験体を別に準備し,空試験として同じ操作を行う。

b)

a)

の操作を行ったポリエチレンフィルムを,きれいな紙又はのり(糊)抜き洗浄した布で表面を軽く

拭いた後,JIS K 7100 の標準雰囲気

2

級[

23

℃±

2

℃,

50

±

10

%RH

]で

1

時間以上状態調節を行

う。

c)

b)

の操作を行ったポリエチレンフィルムの粘着テープを貼り付けなかった

150 mm

×

150 mm

部を用

いて,JIS Z 1702 の 7.5(引張試験)に規定のダンベル形状又は JIS K 7127 に規定の試験片タイプ

5

の形状のいずれか一方の形状に切断又は打ち抜き,フィルムの縦及び横方向評価用の試験片を試料一

つにつきそれぞれ

5

枚以上つくる(空試験を行ったポリエチレンフィルムに対しても同様につくる)

d)

試験片に伸び測定用の

2

本の標線をポリエチレンフィルムに悪影響を与えないインク,クレヨンなど

で付ける。試験片の厚さの測定は,各試験片の標線間を含む計

3

か所について行い,その最小値を採


23

Z 1519

:2013

る。試験片の上下つかみの間隔は,

80 mm

±

5 mm

とし,その中央に試験片の中央が位置するように引

張試験装置のつかみ具に取り付ける。

e)

引張試験装置の試験速度は,毎分

500 mm

±

50 mm

とし,試験片が破断するまで引張荷重を加え,そ

の最大荷重及び破断時の標線間隔を求める。ただし,試験中に試験片に滑りを認めた場合は,その結

果は破棄し,また標線外で切断した場合もその結果は破棄する。

f)

破断までの最大荷重を試験片の元の断面積で除した値を引張強さ

MPa

として,縦及び横方向について

各平均値を有効数字

3

桁までそれぞれ求める。伸びは,次の式によって算出し,縦及び横方向につい

て各平均値を有効数字

2

桁までそれぞれ求める。

100

0

0

×

=

L

L

L

l

ここに,

l

伸び(

%

L

破断時の標線間距離(

mm

L

0

破断前の標線間距離(

mm

6.5.6 

判定 

空試験のポリエチレンフィルムを基準として,縦及び横方向それぞれの引張強さ及び伸びの低下が全て

40 %

未満である場合は,異常がないと判定する。

6.6 

接触腐食性試験方法 

6.6.1 

試験の概要 

試験片の規定位置に試料を一定量散布又は配置し,これに一定加重をかけたものを規定温湿度に規定時

間保持した後,試料を取り除き,その部分の外観を判定する。

6.6.2 

試薬及び材料 

試薬及び材料は,次による。

a) 

精製水  電気伝導度

3.0 µS/cm

以下のイオン交換水又は蒸留水。

b) 2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

c) 

アセトン  JIS K 8034 に規定するもの。

d) 

グリセリン溶液(質量分率 70 %)  JIS K 8295 に規定するものと精製水とを用いて調製したもの。

e) 

鋼板  JIS G 3141 に規定する

SPCC-S B

f) 

研磨布  JIS R 6251 に規定する

A

P240

g) 

研磨紙  JIS R 6252 に規定する

A

P240

h) 

シリカゲル乾燥剤  JIS Z 0701 に規定するもの。

6.6.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。

a) 

電子天びん

10 mg

までひょう量できるもの。

b) 

恒温槽

65

℃±

2

℃及び

50

℃±

2

℃に調節できるもの各

1

台。

c) 

ガラス板  JIS R 3202 に規定する種類

2 mm

5 mm

で,

75 mm

×

25 mm

のもの。

d) 

鋼角棒  JIS G 3123 に規定するもので,

75 mm

×

25 mm

×

25 mm

e) 

試験用デシケーター  ガラス製で胴部内径が

240 mm

±

20 mm

のもの。

f) 

拡大鏡  倍率

10

倍のもの。

6.6.4 

試験片及び試験体 

試験片及び試験体は,次による。


24

Z 1519

:2013

   

なお,準備する試験片は,試料一つにつき

3

枚とする。また,試験片の調整における清浄を確認するた

めの試験片

1

枚を準備する。これらを合わせて一連の試験片とし,試験片の調整及び試験体の組立に用い

る。

注記

試料が

n

種類ある場合は,合計(

3n

1

)枚の試験片を準備する。

a) 

試験片  試験片は,次のとおり作製し,調整する。

1) 

試験片の作製  試験片は,鋼板(

SPCC-S B

)を

60 mm

×

80 mm

×

1.2 mm

の大きさに切ったものとす

る。

なお,短辺の一端の中央に直径

2.0 mm

3.0 mm

の孔

4)

をあけてもよい。

4)

清浄で行うピンセットでの試験片の取扱いを容易にする。

2) 

試験片の調整  試験片の調整は,次のとおり行う。

2.1) 

研磨  試験片の片面を,研磨布又は研磨紙で,短辺に平行な方向に面全体に一様な研磨筋を付け,

次いで長辺に平行な方向に向きを変えて前の研磨筋が消えるまで同様に研磨する。

2.2) 

清浄

2-

プロパノールに浸し,

加熱して沸騰状態にしたところで加熱を止め

1

分間以上保持する。

ピンセットで試験片を取り出し,直ちに

2-

プロパノールでぬ(濡)らしたきれいな紙又はのり(糊)

抜き洗浄した布で,研磨面の汚れを拭き取り,汚れが付着しなくなるまで拭き取りを繰り返す。

ピンセットでの試験片の取扱いが困難な場合は,きれいな手袋をしてやけどに注意しながら研磨

面の汚れを拭き取る。アセトンを注いで研磨面に付着した紙又は布の毛羽を洗い流した後,熱風

又は温風乾燥する。

清浄を確認するために一連の試験片の中から

1

枚を選び出し,

研磨面全体に精製水を掛け流し,

これを水平から

15

度傾けてはっ水がないことを確認する。はっ水を認めた場合は,同時に調整し

た全ての試験片に対し,研磨から再度調整をやり直す。

なお,調整に用いる研磨布又は研磨紙について,試験片を研磨して上記規定の清浄を行わずに

精製水を研磨面全体に掛け流し,これを水平から

15

度傾けてはっ水がないことをあらかじめ確認

している場合は,研磨を行った後,上記規定の清浄を行わずに,アセトンに浸し,研磨面の汚れ

をきれいな紙又はのり(糊)抜き洗浄した布で拭き取り,それに汚れが付着しなくなるまで拭き

取りを繰り返すことで代用してもよい。

2.3) 

保存  直ちに操作を行わない場合は,シリカゲル乾燥剤を入れたデシケーター内に保存する。た

だし,

8

時間以上経過した試験片は,再び研磨,清浄しなければならない。

b) 

試験体  試験体は,試料の形態に応じて次のとおり試料を調整した後組み立てる。

なお,試験片を取り扱うときは,清浄な手袋,紙,のり(糊)抜きした布,ピンセットなどを用い,

試験片に指紋,その他の汚れが付かないようにする。また,試験片の調整において清浄を確認するた

めに精製水を掛け流した試験片については,試験体の組立を行わない。

1)

試料が粉末形の場合は,研磨面を上にした試験片上の中央に平滑なガラス板を直角に置き,その位

置を確認するためダイヤモンドカッターなどで研磨面上に線を引いた後,ガラス板を取り去り,

7 a)

のとおりその位置に,電子天びんを用いて計量した試料

0.25 g

を均一にならして置き,再びガ

ラス板をのせ,

図 7 b)

のとおり更にその上に鋼角棒をきっちりのせて組み立てたものを試験体とす

る。

2)

試料が成体形のときは,1)

のとおり線を引いた試験片を準備し,その線の内側に,個装容器に充填

した試料の場合は,内容物を取り出すか一部を切り出し,それ以外の試料の場合は,そのままか一

部を切り出したものを,

0.25 g

以上(電子天びんで計量する)

,かつ,厚さ

10 mm

以下で均一に全


25

Z 1519

:2013

面にわたって配置し

5)

,その上にガラス板をのせ,

図 7 b)

のとおり更にその上に鋼角棒をきっちり

のせて組み立てたものを試験体とする。

5)

必要に応じて試料又は内容物を粉砕するなどの調整を行ってもよい。

なお,試料の配置に成体

1

個で足りない場合は,複数個を用いて調整する。

単位  mm

1

:試料        2:ガラス板        3:鋼角棒        4:試験片

 a)

  試料を散布した試験片 b)  試験体 

図 7−接触腐食性試験 

6.6.5 

操作 

操作は,試験体を組み立てた後,直ちに次によって行う。

a)

試料一つにつき試験用デシケーターを

1

個準備する。この試験用デシケーターの中板を取り出し,そ

の上に同じ試料を用いて組み立てた試験体

3

組をのせ,

30

分間,

65

℃±

2

℃に保った恒温槽で予熱

した後,相対湿度を

60 %

65 %

に調節するため,グリセリン溶液(質量分率

70 %

500 ml

をあらか

じめ入れたもとの試験用デシケーター中に中板ごと手早く移し,蓋をする。

b)

a)

の試験用デシケーターを

50

℃±

2

℃に保った恒温槽中に入れ,

20

時間後に取り出し,直ちに試験

片から試料を取り除いた後,試験片と試料とが接触していた部分(試験片に引いた線の内側の部分)

及び試験片に引いた線の外側の部分について,肉眼及び拡大鏡を用いて外観を調べる。

c)

試験片に引いた線の外側の部分に,肉眼によって変色を認めた場合又は拡大鏡を用いてさびを認めた

場合は,当該試料についてだけ,改めて試験片を全て調整し,これらを用いて改めて試験体を全て準

備し,操作を最初からやり直す。

d)

一つの試料ごとに b)

によって調べた試験片

3

枚に対し,6.6.6 に従って判定する。

6.6.6 

判定 

試験片に引いた線の内側と外側との間に外観の違いを試験片

3

枚とも認めない場合は,異常がないと判

定する。ただし,試験片

3

枚中

1

枚にだけ外観の違いを認めたときは,当該試料についてだけ,改めて試

験片を全て調整し,これらを用いて改めて試験体を全て準備して 6.6.5 の操作をもう一度最初から繰り返

し,

3

枚全数に外観の違いを認めない場合は,異常がないと判定する。

検査 

検査は,6.26.6 の試験を行ったとき,粉末形気化性さび止め剤については

表 3,成体形気化性さび止め

剤については

表 の規定に合格しなければならない。


26

Z 1519

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包装 

紫外線及び外気を透過しないように,かつ,鉄鋼用気化性さび止め剤が散逸しないように適切な方法で

包装する。

製品の呼び方 

製品の呼び方は,種類による。

なお,

呼び方において,

6.2

の気化性さび止め性の試験に合格する試験量を伴って呼んでもよい。

ただし,

この試験量は,この試験量に基づいて行われる 6.36.5 の試験に対して,その製品が粉末形気化性さび止

め剤の場合は

表 3,成体形気化性さび止め剤の場合は表 の規定のとおり合格するものでなければならな

い。

粉末形気化性さび止め剤

H

1

種(試験量

0.02 g

10 

表示 

鉄鋼用気化性さび止め剤の包装の見やすいところに,次の事項を表示する。ただし,d)

の製造番号が製

造年月の略号を包含する場合は,e)  の製造年月又はその略号を省略することができる。

a)

規格名称又は規格番号

b)

種類又は記号

例 1

粉末形気化性さび止め剤

H

1

例 2

 NV

H

1

c)

製造会社名又はその略号

d)

製造番号

e)

製造年月又はその略号

f)

取扱い注意事項