日本工業規格
JIS
Z
0610
: 1998
ボックスパレット
Box pallets
1.
適用範囲 この規格は,繰り返し使用するボックスパレット(ロールボックスパレットを含む。)につ
いて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 8920
ハンドトラック
JIS B 8922
産業用車輪
JIS B 8923
産業用キャスタ
JIS Z 0106
パレット用語
JIS Z 0602
平パレット試験方法
JIS Z 0612
一貫輸送用ボックスパレット試験方法
2.
用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 0106 による。
3.
形式,種類,最大積載質量及び寸法
3.1
形式,種類及び記号 ボックスパレットの上部構造の形式,種類及び記号は,表 1 のとおりとする
(
参考図 1 参照)。
表 1 上部構造の形式,種類及び記号
形式
種類
記号
備考
積重ね可 BFS
固定式
積重ね不可
BF
積載部と上部構造物とが
固定されているもの。
積重ね可 BMS
折りたたみ式
積重ね不可
BM
上部構造物が必要に応じ
て折りたたみできるもの。
積重ね可 BCS
取外し式
積重ね不可
BC
上部構造物が必要に応じ
て取り外しできるもの。
備考 車輪付きの場合は,記号の前に R を付ける。
2
Z 0610 : 1998
参考図 1
3.2
最大積載質量 ボックスパレットの最大積載質量は,0.3t,0.5t,1t,1.5t 及び 2t とする。
3.3
大きさ ボックスパレットの大きさは,長さ (mm) ×幅 (mm) ×高さ (mm) によって表し,基本寸
法は
表 2 及び表 3 のとおりとする。
なお,長さ及び幅の最大寸法はそれぞれ+40mm とし,突起部は含まないものとする(
表 2,表 3 の図
参照)
。
3
Z 0610 : 1998
表 2 ボックスパレットの大きさ
単位 mm
長さ×幅
高さ
800
× 500 2
200
以下
1 000
× 800
1 100
× 1 100
1 200
× 800
1 200
× 1 000
1 300
× 1 100
備考1. 長さ及び幅につい
ては,外のり寸法
をいう。
2.
荷役作業に支障が
ない突起部につい
ては,+10mm ま
でとする。
表 3 ロールボックスパレットの大きさ
単位 mm
長さ×幅
高さ
800
× 600
1 800
以下
900
× 800
1 100
× 730
1 100
× 800
1 100
× 1 100
1 200
× 1 000
備考1. 長さ及び幅につい
ては,外のり寸法
をいう。
2.
荷役作業に支障が
ない突起部につい
ては,+10mm ま
でとする。
4.
品質
4.1
外観 ボックスパレットは,きず,ひずみ,凹凸,変形,塗装不良,めっき不良など使用上有害な
欠点があってはならない。
4.2
安定性 ロールボックスパレットの転倒に対する安定性は,8.1 の試験を行い,転倒してはならない。
4.3
始動性能 ロールボックスパレットの始動性能は,8.2 の試験を行い,始動抵抗係数が 0.04 以下でな
ければならない。
4.4
積載面強度 ボックスパレットの積載面強度は,8.3 の試験を行い,たわみ率が表 4 の規定以下でな
ければならない。
表 4 積載面強度
単位 %
材質別
たわみ率
形鋼・パイプ
0.7
鋼製
金網
1
木製
その他
2
4.5
側板強度 上部構造物の側板強度は,8.4 の試験を行い,残留たわみ量が使用上差し支えないもので
なければならない。
4
Z 0610 : 1998
4.6
積重ね時の鉛直強度 積重ね式ボックスパレットの積重ね時の鉛直強度は,8.5 の試験を行い,載荷
時のひずみが使用上差し支えないものでなければならない。
4.7
積重ね時の水平強度 積重ね式ボックスパレットの積重ね時の水平強度は,8.6 の試験を行い,構成
部材の結合部に異常があってはならない。
5.
構造 ボックスパレットの構造は,次による。
(1)
直方形の積載面,フォークなどの差込口及び少なくとも 3 面の垂直側面の上部構造物をもち,積荷が
脱落しない構造とし,繰り返し使用に耐え得るものとする。
また,積重ね式のボックスパレットは,積重ね時の安定性のよいものとする。
(2)
ロールボックスパレットの車輪及びキャスタは,JIS B 8922 及び JIS B 8923 による。この場合,車輪
は外のり寸法より常時はみ出していてはならない。
(3)
折りたたみ式のボックスパレットは,原則として折りたたんだ部分が組立て時の外のり寸法の範囲に
収まるような構造とする。
6.
寸法
6.1
差込口の高さ 差込口の高さは,60mm 以上とする。
6.2
寸法許容差 ボックスパレットの長さ,幅及び高さの許容差は,±5mm とする。
7.
材料 ボックスパレットの材料は,十分な強さをもち,4.及び 5.の規定に適合しなければならない。
8.
試験方法
8.1
安定性 ロールボックスパレットの車輪を適切な方法で固定し,無負荷の状態で傾斜角 20 度の床面
に置き,4 面につき転倒の有無を調べる。ただし,自在車輪においては,最も転倒しやすい方向で試験を
行う。この場合,ロールボックスパレットが移動しないように床面に適当な突起を設ける(
参考図 2)。
参考図 2
8.2
始動性能 ロールボックスパレットの始動性能は,JIS B 8920 の 9.2(始動性能試験)によって試験
を行い,始動抵抗係数を求める。この場合,最大積載質量はボックスパレットの最大積載質量とする。
8.3
積載面強度 積載面強度は,JIS Z 0602 の 5.2(パレットの曲げ試験方法)によって試験を行い,残
留たわみ率を求める。
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Z 0610 : 1998
8.4
側板強度 上部構造物の側板強度は,JIS Z 0612 の 4.2(ボックスパレットの水平荷重試験)(1)方法
A
で試験を行い,残留たわみ量を求める。この場合,荷重は,最大積載質量の 0.1 倍とする。
8.5
積重ね時の鉛直強度 積重ね式ボックスパレットの積重ね時の鉛直強度は,所定の積重ね荷重の
1.25
倍の等分布荷重を載荷し,ひずみを測定する。
8.6
積重ね時の水平強度 積重ね式ボックスパレットの積重ね時の水平強度は,2 段目以上のボックスパ
レットの自重と最大積載質量との和に水平震度係数 0.1 を乗じたものとし,長さ方向及び幅方向それぞれ
に負荷し,構成部材の結合部の異常の有無を調べる(
参考図 3)。
参考図 3
9.
検査 検査は,大きさ,品質,構造及び材料について行い,3.3〜7.の規定に適合しなければならない。
10.
製品の呼び方 製品の呼び方は,製品の名称又は規格番号,上部構造物の形式,種類,最大積載質量,
積重ね段数及び大きさによる。
例1.
ボックスパレット 折りたたみ式 1t 3段積み 1 100×1 100×1 000
又は JIS Z 0610
BMS 1t×3 1 100×1 100×1 000
例2.
ロールボックスパレット 車輪付き取外し式 積重ね不可 0.3t 1 100×800×1 400
又は JIS Z 0610
RBC 0.3t 1 100×800×1 400
11.
表示 ボックスパレットには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1)
最大積載質量,積重ね段数,本体の外のり寸法(長さ×幅×高さ)
(2)
製造業者名又はその略号
(3)
製造年月又はその略号
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Z 0610 : 1998
改正原案作成委員会 構成表
(1)
本委員会
氏名
所属
(委員長)
高 森 秀 夫
日本包装学会
吉 本 孝 一
通商産業省生活産業局
前 川 武 也
通商産業省工業技術院標準部
山 本 幸 宏
運輸省運輸政策局
因 幸二郎
財団法人日本規格協会
岩 橋 俊 彦
社団法人日本産業車両協会
瀬 川 光 蔵
日本通運株式会社
林 義 雄
日本水産株式会社
瀧 川 長 次
東芝物流株式会社
有 村 政 美
株式会社ダイエー
寺 内 祥 雄
トヨタ自動車株式会社
伊 藤 隆 志
株式会社コープエクスプレス
花 岡 勇
花岡産業株式会社
岡 田 和 夫
岡田工業株式会社
日 野 清
株式会社ダイニチマテニクス
大 木 幹 朗
株式会社ダイフク
渡 辺 徳 雄
株式会社岩岡工作所
斎 藤 彰 則
株式会社ナンシン
濱 本 哲 司
社団法人日本パレット協会
(事務局)
福 本 博 二
社団法人日本パレット協会
(2)
分科会
氏名
所属
(分科会長)
岡 田 和 夫
岡田工業株式会社
高 橋 清 嗣
伊豫鐵工株式会社
渡 辺 徳 雄
株式会社岩岡工作所
富 田 雄 幸
北村工業株式会社
林 義 彦
キムラユニティー株式会社
亀 山 秀 臣
三栄シャーリング株式会社
金 谷 賢 一
三栄荷役機械株式会社
後 藤 一 乗
サンキン株式会社
田 中 信 雄
ゼオン化成株式会社
日 野 清
株式会社ダイニチマテニクス
大 木 幹 朗
株式会社ダイフク
坪 谷 道 哉
株式会社テイモー
斎 藤 彰 則
株式会社ナンシン
大 谷 陸 治
株式会社ニッケンプラント
小 野 浩 司
日本軽金属株式会社
佐 藤 文 彦
花岡産業株式会社
小 林 雄 三
株式会社ワコーパレット
岡 山 靖 弘
明興工業株式会社
(事務局)
福 本 博 二
社団法人日本パレット協会