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Z 0303

:2009

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  包装方法の種類

3

5

  さび止め包装方法

4

5.1

  一般共通事項

4

5.2

  清浄方法

5

5.3

  清浄度の確認

6

5.4

  乾燥方法

6

5.5

  さび止め処理材料の適用

7

5.5.1

  さび止め処理材料の種類

7

5.5.2

  適用方法

8

5.6

  さび止め処理材料適用後に必要な包装資材

11

5.7

  包装方法

11

5.7.1

  方法 RP1

11

5.7.2

  方法 RP2

12

5.7.3

  方法 RP3

12

5.7.4

  方法 RP4

12

5.7.5

  方法 RP5

13

6

  試験方法

13

6.1

  清浄度の試験

13

6.2

  水溶性さび止め剤及び気化性水溶性さび止め剤の選定試験

14

6.3

  ヒートシール強さ

14

7

  表示

14

附属書 A(参考)さび止め包装方法の記号の新旧対照表

15

附属書 B(参考)さび止め包装方法の選択の指針

16

附属書 C(参考)さび止め油適用後の保管期間の目安

18

附属書 D(参考)脱酸素剤の使用方法

19


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:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本防

技術協会(JACC)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これに

よって,JIS Z 0303:1985 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

0303

:2009

さび止め包装方法通則

General rule for rust preventive packaging method

序文

この規格は,1959 年に制定され,その後 3 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1985 年に

行われたが,その後の技術革新に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,鉄鋼を主とした金属材料及び金属製品(以下,金属製品という。

)を輸送又は保管するとき

に,さびの発生を防ぐために施す,さび止め包装方法及び試験方法について規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 4160

  アルミニウム及びアルミニウム合金はく

JIS K 2241:2000

  切削油剤

JIS K 2246:2007

  さび止め油

JIS K 7126-1

  プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第 1 部:差圧法

JIS K 7126-2

  プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第 2 部:等圧法

JIS K 7129

  プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法)

JIS P 8133

  紙,板紙及びパルプ−水抽出液 pH の試験方法

JIS Z 0103

  防せい防食用語

JIS Z 0108

  包装用語

JIS Z 0208:1976

  防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)

JIS Z 0305:1998

  鉄鋼の化学的清浄方法

JIS Z 0310

  素地調整用ブラスト処理方法通則

JIS Z 0701

  包装用シリカゲル乾燥剤

JIS Z 1514:1994

  ポリエチレン加工紙

JIS Z 1519:1994

  気化性さび止め剤

JIS Z 1520

  はり合せアルミニウムはく

JIS Z 1535:1994

  気化性さび止め紙

JIS Z 1702

  包装用ポリエチレンフィルム


2

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:2009

JIS Z 1705

  さび止め用耐油性バリヤー材

JIS Z 1708:1976

  塗装形可はく性プラスチック

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次に定めるほか,JIS Z 0103 及び JIS Z 0108 による。

3.1

合紙(あいし)

板状の金属製品の品質を維持するために,金属製品の間に挟む紙。

3.2

緩衝材

金属製品を衝撃によるきずの発生から守る,クッション性のある材料。

3.3

さび止め紙

金属製品のさびの発生を防止する機能をもつ紙の総称で,JIS Z 1535:1994 の 5.6(接触さび止め性)に

合格する性能をもっているもの。

3.4

さび止めフィルム

さびの発生を防止するためにさび止め剤を塗布するか,又は練り込んだプラスチックフィルムで,水分

遮断性又は腐食性ガス遮断性と相乗して効果を発揮する材料。

3.5

下敷材

金属製品を容器に収めるときに,金属製品が容器の底に直接,接しないよう金属製品と容器との間に使

用する材料。

3.6

ハイバリヤフィルム

酸素ガス透過度が,JIS K 7126-1 又は JIS K 7126-2 で測定して 5 fmol/(m

2

・s・Pa)以下であり,水蒸気透

過度(透湿度)が,JIS K 7129 の条件 又は JIS Z 0208:1976 の 3.3(恒温恒湿装置)の条件 B で測定して

5 g/(m

2

・d)以下であるプラスチックフィルム。

3.7

腐食性ガス

金属の腐食を促進させる作用がある NOx(窒素酸化物)

,SOx(硫黄酸化物)

,硫化水素,塩素,ぎ酸,

酢酸などのガス。非鉄金属の場合には,アンモニアなどのアルカリ性気体も含まれる。

3.8

防湿性

湿気(水蒸気)の透過に対して抵抗を示す性質。さび止め紙については,水蒸気透過度(透湿度)が,

JIS K 7129

の条件 又は JIS Z 0208:1976 の 3.3 の条件 B で測定して 50 g/(m

2

・d)以下であって,その他の

包装材料については,水蒸気透過度(透湿度)が

JIS K 7129 の条件 又は JIS Z 0208:1976 の 3.3 の条件

B

で測定して 15 g/(m

2

・d)以下の場合である。

3.9

防水性


3

Z 0303

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水がしみとおりにくい性質。必ずしも防湿性は兼ねていない。

3.10

防水包装

包装内部に水が浸入するのを阻止する包装。

3.11

密封空間処理

金属製品のさび発生及び変質を防止するために,気化性さび止め材料とともに,密封容器内部に保持す

る方法。

3.12

密封剛性容器

金属製,プラスチック製などの剛性に富む材料で作られた,密封できる包装容器。

3.13

溶剤

物質を溶かすことのできる液体で,化学構造がパラフィン及びナフテン系,並びに芳香族の単独又は混

合物の炭化水素から成るもの。また,合成炭化水素及びアルコール類など,特に金属製品の清浄に用いる

ものである。

4

包装方法の種類

さび止め包装方法は,内容物の特徴及び表面仕上げの程度,輸送及び保管の期間並びにその間の環境条

件,輸送中に包装貨物が受ける荷扱いの程度を考慮して,RP1∼RP5(5.7 参照)に大別し,更にさび止め

処理材料の種類及びその適用方法によって,

表 に示すように細分する。ただし,二重包装となる場合の

外装の包装方法については規定しない。

なお,

附属書 にさび止め包装方法の記号の新旧対照表を,附属書 にさび止め包装方法の選択の指針

を示す。


4

Z 0303

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表 1−さび止め包装方法の種類

包装方法の種類

さび止め処理材料

さび止め処理材料の適用方法及び包装など

記号

b)

被覆して,

表 の で包装 RP1-P1

さび止め油

耐油性の剛性容器中で油に浸せき RP1-P2

気化性さび止め剤 

密封空間処理又は被覆処理のいずれかを適用
し,

表 の で包装

RP1-V

水溶性さび止め剤及び 
気化性水溶性さび止め剤

被覆して,

表 の で包装 RP1-W

さび止め紙(非防湿形)

ラッピング処理,合紙処理又は密封空間処理の

いずれかを適用し,

表 の で包装

RP1-K1

さび止め紙(防湿形)

ラッピング処理又は袋状にして使用のいずれか

を適用

RP1-K2

さび止めフィルム

ラッピング処理,袋状にして使用又はストレッ

チ包装のいずれかを適用

RP1-F

RP1

防湿包装

可はく(剥)性プラスチック

直接被覆又はアルミニウムはく(箔)などで包

装した後,被覆

RP1-S

さび止め油

被覆して,

表 の で包装 RP2-P

気化性さび止め剤 

密封空間処理又は被覆処理のいずれかを適用
し,

表 の で包装

RP2-V

水溶性さび止め剤及び 
気化性水溶性さび止め剤

被覆して,

表 の で包装 RP2-W

RP2

防水包装

さび止め紙(非防湿形)

ラッピング処理,合紙処理又は密封空間処理の
いずれかを適用し,

表 の で包装

RP2-K

さび止め油

被覆して,

表 の で包装 RP3-P

気化性さび止め剤 

密封空間処理又は被覆処理のいずれかを適用
し,

表 の で包装

RP3-V

被覆して,

表 の で包装 RP3-W1

水溶性さび止め剤及び 
気化性水溶性さび止め剤

耐水性の剛性容器中で液に浸せき RP3-W2

RP3

一般包装

a)

さび止め紙(非防湿形)

ラッピング処理又は袋状にして使用のいずれか
を適用

RP3-K

防湿材で密封包装 RP4-1

密封剛性容器中に封入 RP4-2

RP4

除湿包装

乾燥剤

浮かしバリヤ法 RP4-3

RP5

脱酸素包装

脱酸素剤

ハイバリヤフィルムなどで密封包装 RP5

a)

  一般包装とは,防水性及び防湿性のない包装材料を用いる包装方法。

b)

  記号は,5.7 参照。

5

さび止め包装方法

さび止め包装方法は,内容物の特徴及び表面仕上げの程度,輸送及び保管の期間,並びにその間の環境

条件,輸送中に包装貨物が受ける荷扱いの程度を考慮して,清浄,乾燥,さび止め材の適用及び包装方法

の一つ又はその組合せを適用する。

5.1

一般共通事項

一般共通事項は,次による。

a)

さび止め包装の作業は,連続した一連の操作が望ましい。

b)

さび止め包装の作業は,できるだけ低い湿度(相対湿度 60  %以下が望ましい。

)の環境で行う。

c)

金属製品の研磨部分には,素手で触れてはならない。素手で触れた場合は,5.2 c)によって指紋を除去


5

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する。

d)

金属製品が複雑な組立品からできている場合の解体は,特にさび止めを要する精密な仕上げ面を保護

するため,必要最小限にとどめることとする。複雑な組立品の構成部分は,組み立てる前に清浄し,

清浄後汚れないようにする。

e)

金属製品には,通常,さび止め処理材料を使用する。ただし,さび止め処理材料を使用することによ

ってその性能又は取扱い上に支障が起こるおそれがある製品(非鉄金属部品を含む金属製品)に対し

ては,あらかじめ次の条件の予備実験を行い,その影響の有無を確認してから使用する。

1)

  さび止め油については,JIS K 2246:2007 の 6.28(腐食性試験方法)に規定する方法で確認し,JIS K 

2246:2007

の 5.(品質及び性能)によって影響の有無を判断する。

2)

  水溶性さび止め剤及び気化性水溶性さび止め剤については,鉄鋼用に使用する同じ濃度,同じ希釈

水で希釈された水溶液を用いて,JIS K 2241:2000 の 7.9(金属腐食試験方法)に規定する方法で確

認し,影響の有無を判断する。

3)

  気化性さび止め剤については,JIS Z 1519:1994 の 5.3(非鉄金属との共存性)に規定する方法で確

認し,影響の有無を判断する。

4)

  さび止め紙及びさび止めフィルムについては,JIS Z 1535:1994 の 5.3(非鉄金属との共存性)に規

定する方法で確認し,影響の有無を判断する。

5)

  可はく性プラスチックについては,JIS Z 1708:1976 の 5.8(腐食性)に規定する方法で確認し,JIS 

Z 1708:1976

の 4.(品質)によって影響の有無を判断する。

f)

さび止め処理材料を施す金属製品が加熱された状態である場合には,さび止め処理材料を熱分解する

ことがあるので,この場合には放冷してから,さび止め処理材料を使用することが望ましい。

g)

さび止め処理材料を適用しない金属表面に接触する包装紙材は,JIS P 8133 によって測定した pH が

6.0

∼8.0 の範囲で,接触腐食のおそれのないものとする。

h)

さび止め処理材料を被覆した金属表面を直接包む耐油性バリヤ材は,通常,JIS Z 1705 の 1 種に規定

するものとするが,場合によっては JIS H 4160JIS Z 1520 又は JIS Z 1702 に規定するものであって

もよい。ただし,そのときは異物などの付着していない清浄なものとする。

i)

金属製品が突起及び鋭角端部をもち,包装材料又は容器に損傷を与えるおそれがある場合は,損傷防

止の包装をするか,又は緩衝材であらかじめ保護する。

j)

保管中又は輸送中に,金属製品が包装の内部において移動又は転倒して損傷するおそれがある場合は,

緩衝材若しくは下敷材を使用するか,又は止め,支え,固定などを行う。

k)

各方法を通じて,緩衝材及び下敷材を使用する場合は,緩衝材及び下敷材が接触腐食を発生させない

で,かつ,腐食性ガスが発生しないものとする。

l)

包装は,質量及び体積をできるだけ小さくすることが望ましい。

5.2

清浄方法

金属製品に腐食生成物,ごみ,グリース,残さなどの異物,指紋,汗,酸及びアルカリなどが付着して

いる場合は,輸送中又は保管中にさび発生の原因となるため,次のいずれかの方法で十分に清浄する。

a)

  溶剤清浄方法  溶剤中に金属製品の全体又は一部を浸せきし,ブラシ若しくは布を用いてこするか,

又は溶剤を吹き付けて第 1 次の清浄を行った後,

別のきれいな溶剤を用いて第 2 次以降の清浄を行う。

浸せき又は吹付けのできない場合は,溶剤を含ませたブラシ又は布で清浄してもよい。

b)

  蒸気脱脂方法  溶剤の蒸気に金属製品をさらして清浄する。この方法は,汚れが油又はグリースのよ

うなもののときに適用する。ただし,金属製品が蒸気で汚損されるもの,又は雑な精密表面をもつも


6

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のには,不適切である。

c)

  汗及び指紋除去方法  指紋除去形さび止め油,メタノールなどの指紋除去剤中に金属製品を浸せきし,

十分に揺り動かして汗及び指紋を完全に除去する。

なお,浸せきすることのできない大きなものは,指紋除去剤を含ませた布で清浄する。

d)

  アルカリ清浄方法  アルカリ清浄剤を加えた水溶液に金属製品を浸せきするか,又は金属製品にアル

カリ清浄剤を加えた水溶液を吹き付けた後,清浄な水又は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに 5.4

によって乾燥させる。

e)

  乳剤清浄方法  乳剤クリーナの水溶液に金属製品を浸せきするか,又は金属製品に乳剤クリーナの水

溶液を吹き付けた後,清浄な水で十分なゆすぎ洗いを行う。また,乳剤クリーナの代わりに乳化性溶

剤を用いてもよい。

f)

  電解清浄方法  電解清浄液中に金属製品を浸せきし,これを電極として電解を行った後,清浄な水又

は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに 5.4 によって乾燥させる。

g)

  熱水蒸気清浄方法  熱水蒸気,又は清浄剤を加えた熱水蒸気を金属製品に吹き付けて清浄する。ただ

し,清浄剤を加えた場合は,清浄な熱水蒸気だけを吹き付けて清浄剤を落とす。

h)

  超音波清浄方法  溶剤又は清浄剤水溶液中に金属製品を浸せきし,超音波をかけて清浄する。この方

法は,細孔部などの汚れを除去するのに適している。清浄剤水溶液を使用した場合は,清浄な水又は

熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに 5.4 によって乾燥させる。

i)

  液体ホーニング清浄方法  研磨材を加えた水,又はそれに腐食抑制剤を加えたものを金属製品に吹き

付けて清浄にし,清浄な水又は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに 5.4 によって乾燥させる。

j)

  ブラスト清浄方法  JIS Z 0310 によって清浄する。

k)

  酸除せい(  )方法  酸水溶液中に金属製品を浸せきするか,又は金属製品に酸水溶液を吹き付けた

後,清浄な熱水で十分なゆすぎ洗いを行う。浸せき又は吹付けのできない場合は,酸水溶液を含ませ

た布で清浄してもよい。この場合,酸の種類によっては,酸洗い抑制剤を添加する。

l)

  アルカリ除せい方法  キレート化剤を加えたアルカリ水溶液を加温し,その中に金属製品を浸せきす

るか,又は金属製品にキレート化剤を加えたアルカリ加温水溶液を吹き付けた後,清浄な水又は熱水

で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに 5.4 によって乾燥させる。

m)

  電解除せい方法  酸又はキレート化剤を加えたアルカリ水溶液中に金属製品を浸せきし,これを電極

として電解を行った後,清浄な水又は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに 5.4 によって乾燥させ

る。

5.3

清浄度の確認

清浄度の確認は,6.1 の a)∼e)のいずれかの方法で行う。

5.4

乾燥方法

金属製品は清浄を行った後,その溶剤,付着水分などを除去するため,直ちに乾燥する。乾燥は,次の

方法の一つ又は二つ以上を組み合わせて行う。

a)

  乾燥空気吹付けによる方法  乾燥した清浄な空気を金属製品に吹き付けて乾燥する。

b)

  乾燥器使用による方法  換気できる温度調節可能な乾燥器内で,金属製品に加熱空気を当てて乾燥す

る。

c)

  赤外線照射による方法  金属製品を赤外線ランプなどの赤外線発生器からの熱線に当てて乾燥する。

d)

  ふき取りによる方法  清浄な乾燥した布で金属製品の表面をふき取ることによって乾燥する。この場

合の布は,操作中に金属製品の表面に繊維が残らないものを使用する。


7

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e)

  しずく切りによる方法  清浄方法の最終段階が 5.2 a)  の場合,溶剤を完全に滴下させて乾燥する。

なお,この方法は NP-0,NP-1,NP-2 及び NP-19(

表 参照)のさび止め油を適用する場合に用い

る。

5.5

さび止め処理材料の適用

5.5.1

さび止め処理材料の種類

さび止め処理材料の種類は,

表 2∼表 による。

なお,さび止め処理材料としてさび止め油を用いるときは,

附属書 に示した適用後の保管期間を目安

とする。

表 2−さび止め処理材料の種類(さび止め油)

材料名

種類

記号

膜の性質

主な用途及び特徴

指紋除去形 NP-0

低粘度油膜

機械一般,機械部品などに付着した指紋の除
去及びさび止め。

NP-1

硬質膜

屋内及び屋外でのさび止め。

NP-2

軟質膜

主として屋内でのさび止め。

NP-3-1

軟質膜

NP-3-2

中高粘度油膜

主として屋内でのさび止め。水置換性をもつ。

溶剤希釈形

NP-19

透明,硬質膜

屋内及び屋外でのさび止め。

ペトロラタム形 NP-6

軟質膜

軸受けなど高度な仕上げ面に適する。

NP-7

中粘度油膜

NP-8

低粘度油膜

NP-9

低粘度油膜

金属材料及び金属製品類のさび止め。

溶剤を含まず,引火の危険が少ない。

NP-10-1

低粘度油膜

NP-10-2

中粘度油膜

潤滑油形

NP-10-3

高粘度油膜

機械及び機器類内部の一時的さび止め。

溶剤を含まず,引火の危険が少ない。

NP-20-1

低粘度油膜

さ 

止 
め 

JIS

K 2246

気化性

NP-20-2

中粘度油膜

密閉空間内でのさび止め。 
溶剤を含まず,引火の危険が少ない。

気化性さび止め剤を含む潤滑油。

さび止め油

規定外,一般 OP

JIS

規定外であるが,JIS K 2246:2007 の 5.に規定するすべてのさび

止め性能の試験に合格するもの。

表 3−さび止め処理材料の種類(さび止め剤)

材料名

種類

記号

性質

主な用途及び特徴

気化性

JIS Z 1519

NV

粉末又は固形状。常
温使用

密封空間内でのさび止め。そのままでの使用
以外に溶液又は懸濁液にして使用することも
できる。

水溶性 OW-1

水で希釈。常温又は
加温使用

6.2

の試験に合格するもので,屋内での短期さ

び止め用。火災の心配がなく,ハンドリング

性がよい。

さ 
び 

め 

気化性水溶性 

OW-2

水で希釈。常温又は

加温使用。気化性あ

6.2

の試験に合格するもので,気化性をもつ。

屋内での短期さび止め及び密封空間内でのさ
び止め。火災の心配がなく,ハンドリング性
がよい。


8

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表 4−さび止め処理材料の種類(さび止め紙)

材料名

種類

記号

特徴

NK-1

非防湿形:非防湿性の紙に気化性さび止め剤を塗布又は含浸したも
ので,JIS Z 1535:1994 の 4.(品質)の試験に合格する。

気化性

JIS Z 1535

NK-2

防湿形:防湿性の紙に気化性さび止め剤を塗布又は含浸したもの
で,JIS Z 1535:1994 の 4.の試験に合格する。

OK-1

非防湿形:非防湿性の紙にさび止め剤を塗布又は含浸したもので,

JIS

規定外であるが,JIS Z 1535:1994 の 5.6 の試験に合格する。

さ 

止 
め 

一般

OK-2

防湿形:防湿性の紙にさび止め剤を塗布又は含浸したもので,JIS

規定外であるが,JIS Z 1535:1994 の 5.6 の試験に合格する。

表 5−さび止め処理材料の種類(さび止めフィルム)

材料名

種類

記号

特徴

気化性 OF-1

気化性さび止め剤を練り込み又は塗布してあるプラスチックフィ
ルムで,JIS Z 1535:1994 の 5.4(気化性さび止め性)及び 5.6 の両

試験に合格する。

さび

止め

一般 OF-2

さび止め剤又は気化性さび止め剤を練り込み又は塗布してあるプ
ラスチックフィルムで,JIS Z 1535:1994 の 5.6 の試験に合格する。

表 6−さび止め処理材料の種類(その他)

材料名

種類

記号

主な用途及び特徴

塗装形

JIS Z 1708 

NS

溶剤形,水分散形,水性形,オルガノゾル形などがあり,浸せき又

はスプレーで被覆する。常温で被覆するが,オルガノゾル形は,被
覆物を約 170  ℃に加熱する必要がある。溶剤形は薄く,その他で
はやや厚い皮膜が得られ,ともに簡単には(剥)ぎ取ることができ

る。さび止め及び擦過傷防止に使われる。

可 は く 性

プ ラ ス チ
ック

熱間浸

せき形

OS

加熱溶融して被覆する。弾力性に富んだ厚い半透明の油分を含んだ

皮膜を形成し,簡単にはぎ取ることができる。さび止め及び機械的
損傷からの保護に使われる。

シリカゲル

JIS Z 0701 

NDC

乾燥剤

その他

ODC

包装内の水分を吸収し,金属製品の結露を抑制する。

脱酸素剤 ODT

包装内の酸素を化学的に吸収し,金属製品の酸化を防止する。

5.5.2

適用方法

清浄及び乾燥が終わった金属製品には,さび止め処理材料の種類に応じて,次のいずれかの方法によっ

て,速やかにさび止め処理材料を適用する。

a)

さび止め油,水溶性さび止め剤及び気化性水溶性さび止め剤  次のいずれかの方法で,適用する。

1)

  被覆  次のいずれかの方法で,被覆する。

1.1)

  浸せき  金属製品をさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれかの浴

中に完全に浸せきして引き上げ,被覆する。

1.2)

流し塗り  金属製品にさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれかを


9

Z 0303

:2009

注ぎ,その表面を被覆する。

1.3)

はけ塗り  金属製品の表面に,はけでさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め

剤のいずれかを,被覆する。

1.4)

吹付け  金属製品の表面にさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれ

かを吹き付けて,被覆する。

1.5)

  噴霧  金属製品の表面にさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれか

を噴霧して,被覆する。

2)

充てん  金属製品中にさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれかを満

たした後,流し出し,内面に被覆する。ただし,流し出さない場合には,充てんに用いた材料が温

度によって膨張する余地を残す程度に満たし,開口部は漏れのないように密封する。

3)

浸せき保管  金属製品をさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれかの

浴中に完全に浸せきして保管する。

b)

気化性さび止め剤  次のいずれかの方法で,適用する。

1)

  密封空間処理  気化性さび止め剤を次の三つのいずれかの方法で適用した後,包装系内から気化ガ

スの消失を防止する密封包装を施す。

1.1)

ガス透過性がある清浄な袋に詰めて,包装系内に保持する。

1.2)

気化性さび止め剤を包装系内に直接,散布する。

1.3)

気化性さび止め剤のガスを包装系内に吹き込む。

2)

  被覆処理  気化性さび止め剤の粉末を吹き付けるか,又は気化性さび止め剤を溶液若しくは懸濁液

とし,浸せき,塗布又は吹付けによって金属製品に被覆する。

c)

さび止め紙  次のいずれかの方法で,適用する。

1)

  ラッピング処理  金属製品をさび止め紙で包む。この場合,さび止め剤加工面を金属製品の表面に

接触又は近接させる。

2)

  合紙処理  板状の金属製品の間にさび止め紙を挟む。

3)

  密封空間処理  密封容器,ブリスター包装又はスキンパックの内部にさび止め紙を保持する。

d)

さび止めフィルム  5.7.1 g)によって,適用する。

e)

可はく性プラスチック  5.7.1 h)によって,適用する。

f)

  乾燥剤  次の方法で,適用する。

1)

乾燥剤の使い方  乾燥剤は,JIS Z 0701 の A 形 1 種に規定するもの,又はこれと同等以上の吸湿性

をもつものを使用し,布製又は紙製の袋に分割して入れ,包装内部の全空間が均等に吸湿作用を受

けるように置く。乾燥剤を入れた袋は糸でつるすか,又はテープではり付けて金属製品に触れない

位置に固定する。さび止め油を適用した部分に接触することが避けられない場合は,さび止め油を

適用した部分を耐油性バリヤ材で包み,隔離する。

2)

乾燥剤の使用量  JIS Z 0701 の A 形 1 種に規定する乾燥剤を用いるときの使用量は,包装したもの

の表面積,包装したものの置かれる温度,湿度,及びその期間,使用する防湿材の JIS K 7129 の条

件 又は JIS Z 0208:1976 の 3.3 の条件 B で測定した水蒸気透過度(透湿度)

,並びに使用する緩衝

材の種類及び量によって,次の式で算出する。

W

K

1

×A×R×MK

2

×

ここに,

W

使用する乾燥剤の質量(kg)


10

Z 0303

:2009

A

防湿材の湿気透過面積(m

2

)

R

防湿材の水蒸気透過度(透湿度)[g/(m

2

・d)]

M

期間(月)

D

使用した緩衝材の質量(kg)

K

1

温度及び湿度に関する係数(

表 参照)

K

2

緩衝材の種類に関する係数(

表 参照)

K

1

は,一般に

表 の包装系の内部相対湿度を 40  %と想定した値を使用する。ただし,金属製品

表 2∼表 に示したさび止め処理材料を適用してそのさび止め効果が著しいと認められる場合,

又は金属製品が過度の乾燥状態に置かれるとその機能が低下する場合には,内部相対湿度 60  %の

値を用いてもよい。

表 7−温度及び湿度に関する係数  K

1 

外気の相対湿度  %

包装系内部の
想定相対湿度 
      %

外気の温度

90 85 80 75 70  65  60

40

 0.120

 0.111

 0.102

 0.092

 0.083

 0.074

 0.065

35

 0.076

 0.070

 0.064

 0.058

 0.053

 0.047

 0.041

30

 0.048

 0.045

 0.041

 0.037

 0.033

 0.030

 0.026

25

 0.031

 0.029

 0.026

 0.024

 0.021

 0.019

 0.017

20

 0.019

 0.018

 0.016

 0.015

 0.013

 0.012

 0.010

15

 0.011

 0.010

 0.009 6

 0.008 7

 0.007 9

 0.007 0

 0.006 1

10

 0.006 7

 0.006 3

 0.005 7

 0.005 2

 0.004 7

 0.004 2

 0.003 7

 5

 0.004 0

 0.003 7

 0.003 4

 0.003 1

 0.002 7

 0.002 5

 0.002 1

40

 0

 0.002 3

 0.002 1

 0.001 9

 0.001 7

 0.001 6

 0.001 4

 0.001 2

40

 0.079

 0.072

 0.065

 0.058

 0.051

 0.043

 0.036

35

 0.051

 0.046

 0.042

 0.037

 0.032

 0.027

 0.023

30

 0.032

 0.029

 0.026

 0.023

 0.020

 0.017

 0.015

25

 0.020

 0.019

 0.017

 0.015

 0.013

 0.011

 0.009 3

20

 0.013

 0.011

 0.010

 0.009 1

 0.008 0

 0.006 9

 0.005 7

15

 0.007 5

 0.006 8

 0.006 2

 0.005 5

 0.004 8

 0.004 2

 0.003 4

10

 0.004 5

 0.004 1

 0.003 7

 0.003 3

 0.002 9

 0.002 5

 0.002 0

 5

 0.002 6

 0.002 4

 0.002 2

 0.001 9

 0.001 7

 0.001 4

 0.001 2

60

 0

 0.001 5

 0.001 4

 0.001 2

 0.001 0

 0.000 9

 0.000 8

 0.000 7

表 8−緩衝材の種類に関する係数  K

2 

種類

K

2

A

  動物の毛,合成繊維又は植物繊維を含むゴムで固めた固着繊維

0.48

B

  ガラス繊維 0.16

C

  発泡プラスチック及びゴム 0.04

A

,B 及び C 以外の材料[例えばフェルト,繊維素材料(紙,紙製

品及び木材を含む。

)など]

0.64

なお,JIS Z 0701 の A 形 1 種に規定されていない乾燥剤を用いる場合,その使用量は平衡吸湿率

を比較考慮して決定する。

3)

湿度指示  包装内部の相対湿度を簡単に知るため,湿度指示薬又は電気的湿度指示装置を使用する


11

Z 0303

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ことが望ましい。この場合,指示薬及び装置は,乾燥剤からできるだけ遠ざけて置くことが望まし

い。

g)

  脱酸素剤  5.7.5 による。

5.6

さび止め処理材料適用後に必要な包装資材

さび止め処理材料を適用した後の包装には,

表 に指定した場合を除き,表 に例示した包装材料のい

ずれかを用いる。

表 9−さび止め処理材料の適用後の包装材料

記号

種類

包装材料

密封剛性容器

防湿材

防湿性のさび止め紙

さび止めフィルム

防湿包装材料

耐油性バリヤ材(JIS Z 1705 の 1 種)

防水材を張った木箱又は紙箱

防水性の紙器

ブリスター包装材料

スキンパック材料

防水包装材料

その他防水性の包装材料

防水性及び防湿性がないさび止め紙

一般包装材料

その他防水性及び防湿性がない包装材料

5.7

包装方法

金属製品は,

表 に示す種類ごとに,5.7.15.7.5 の包装方法のいずれかによって包装する。

5.7.1

方法 RP1

金属製品を防湿包装する方法で,用いるさび止め処理材料及びその後の包装方法によって,次のとおり

とする。

a)

  方法 RP1-P1  金属製品にさび止め油を被覆してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した防湿包装材

料で包装する。

b)

  方法 RP1-P2  金属製品を耐油性の剛性容器中でさび止め油に浸せき保管する。

c)

方法 RP1-V  金属製品に気化性さび止め剤を適用してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した防湿包

装材料で包装する。

d)

方法 RP1-W  金属製品に水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤を単独若しくは両者を混合

した後,被覆してさびの発生を防ぎ,

表 の に例示した防湿包装材料で包装する。

e)

方法 RP1-K1  金属製品に防湿性がないさび止め紙を適用してさびの発生を防ぎ,表 の に例示し

た防湿包装材料で包装する。

f)

方法 RP1-K2  金属製品を防湿性のさび止め紙でラッピングするか,又は防湿性のさび止め紙製の袋

に入れる。

g)

方法 RP1-F  金属製品をさび止めフィルムでラッピングするか,さび止めフィルム製の袋に入れるか,

又はストレッチ包装する。

h)

方法 RP1-S  金属製品に常温で JIS Z 1708 に規定する可はく性プラスチック(塗装形)を直接被覆す

るか,又は金属製品を直接,若しくはアルミニウムはくでその形に合わせて包んだ後,加熱溶融した

可はく性プラスチック(熱間浸せき形)の中に浸せきして被覆する。直接被覆の場合,製品にくぼみ


12

Z 0303

:2009

及び/又は孔があるときには,その部分に非腐食性の材料を当てて被覆する。また,熱間浸せき形可

はく性プラスチックを適用したときに,

油による汚染防止が必要な場合には,

耐油性バリヤ材で包む。

5.7.2

方法 RP2

金属製品を防水包装する方法で,用いるさび止め処理材料及びその後の包装方法によって,次のとおり

とする。

a)

方法 RP2-P  金属製品にさび止め油を被覆してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した防水包装材料

で包装する。

b)

  方法 RP2-V  金属製品に気化性さび止め剤を適用してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した防水包

装材料で包装する。

c)

方法 RP2-W  金属製品に水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤を単独若しくは両者を混合

した後,被覆してさびの発生を防ぎ,

表 の に例示した防水包装材料で包装する。

d)

方法 RP2-K  金属製品に防湿性がないさび止め紙を適用してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した

防水包装材料で包装する。

5.7.3

方法 RP3

金属製品を一般包装する方法で,用いるさび止め処理材料及びその後の包装方法によって,次のとおり

とする。

a)

方法 RP3-P  金属製品にさび止め油を被覆してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した一般包装材料

で包装する。

b)

方法 RP3-V  金属製品に気化性さび止め剤を適用してさびの発生を防ぎ,表 の に例示した一般包

装材料で包装する。

c)

方法 RP3-W1  金属製品に水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤を単独若しくは両者を混合

した後,被覆してさびの発生を防ぎ,

表 の に例示した一般包装材料で包装する。

d)

方法 RP3-W2  金属製品を耐水性の剛性容器中で水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤に浸

せき保管する。

e)

方法 RP3-K  金属製品を防湿性がないさび止め紙でラッピングするか,又は防湿性がないさび止め紙

製の袋に入れる。

5.7.4

方法 RP4

金属製品を防湿材で包み,内部に乾燥剤を入れて密封する除湿包装方法で,次の 3 方法とする。

a)

方法 RP4-1  さび止め処理材料として,乾燥剤及びそれ以外のさび止め処理材料を併用した金属製品

を,耐油性バリヤ材で包み,JIS K 7129 の条件 又は JIS Z 0208:1976 の 3.3 の条件 B で測定した水蒸

気透過度(透湿度)が 15 g/(m

2

・d)以下の防湿材製の袋に入れ,ヒートシールなどの方法で密封する。

ヒートシールする場合,6.3 によってヒートシール強さを評価し,5.9 N 以上とする。ただし,金属製

品に耐食性が備わっている場合には併用するさび止め処理材料を省略してもよい。

b)

方法 RP4-2  さび止め処理材料として,乾燥剤及びそれ以外のさび止め処理材料を併用した金属製品

を,耐油性バリヤ材で包み,密封剛性容器に入れる。容器を形成する材料及び封かん材料は,JIS K 7129

の条件 又は JIS Z 0208:1976 の 3.3 の条件 B で測定した水蒸気透過度(透湿度)が 15 g/(m

2

・d)以下

とする。ただし,金属製品に耐食性が備わっている場合には,併用するさび止め処理材料を省略して

もよい。

c)

方法 RP4-3  金属製品を,JIS Z 1520 に規定するはり合せアルミニウムはく製の袋,又はこれと同等

の水蒸気透過度(透湿度)をもつ防湿材製の袋に乾燥剤とともに入れ,密封する防湿包装方法で,次


13

Z 0303

:2009

の手順によって包装する(浮かしバリヤ法)

図 参照)。

1)

金属製品を固定させるため,

外装の内側の支持台又は容器の底面に孔をあけ,ガスケットを付ける。

2)

ボルトなどの止め具の当たる部分に孔をあけた JIS Z 1520 に規定するはり合せアルミニウムはくを

その上に敷き,気密性を保つため,孔の部分に上からガスケットを取り付ける。

3)

  さび止め油を被覆した部分には,耐油性バリヤ材を当て,テープ,ひもなどで固定し,金属製品を

支持台又は容器底面に固定する。

4)

製品の突起部及び角部を緩衝材で覆い,規定量の乾燥剤を入れ,あらかじめ下に敷いた JIS Z 1520

に規定するはり合せアルミニウムはくで製品周囲を袋状に包み込み,吸引のための一部分を残して

ヒートシールする。このとき,ヒートシール強さは 6.3 によって評価する。

5)

  吸引ポンプによって,内部の空気量ができるだけ少なくなるように吸引し,その部分をヒートシー

ルする。このとき,ヒートシール強さは 6.3 によって評価する。

6)

必要に応じて,

内部の検査ができる窓を JIS Z 1520 に規定するはり合せアルミニウムはくに設ける。

図 1−浮かしバリヤ法の一例

5.7.5

方法 RP5

金属製品を脱酸素剤とともに密閉空間に保持する方法で,JIS Z 1520 に規定するはり合せアルミニウム

はく若しくはハイバリヤフィルムで密封するか,又は同等のハイバリヤ性をもつ密封剛性容器に入れる。

脱酸素剤の選定及び使用量については,

附属書 に示す。

6

試験方法

6.1

清浄度の試験

清浄操作を終えた金属製品の清浄度試験は,次のいずれかの方法によって行う。

a)

  目視試験  JIS Z 0305:1998 の 5.1(目視法)による。

b)

  ふき取り試験  JIS Z 0305:1998 の 5.2(ふき取り法)による。

c)

  水切り試験  JIS Z 0305:1998 の 5.3(水切り法)による。


14

Z 0303

:2009

d)

  溶剤試験  清浄方法として 5.2 a)を適用し,高度の清浄度を要求する場合は,新しい溶剤を使って洗

い,その液について,汚れ,浮遊物及び沈殿などの有無を調べる。

e)

  アルカリ及び酸の残留試験  金属製品の表面がぬれている間に(乾燥している場合は,その一部を蒸

留水でぬらす。

)pH 試験紙で中性領域であることを確認する。

この試験は,清浄方法としてアルカリ清浄方法,乳剤清浄方法,電解清浄方法,超音波清浄方法,

酸除せい方法,アルカリ除せい方法又は電解除せい方法を採用した場合だけに適用する。

6.2

水溶性さび止め剤及び気化性水溶性さび止め剤の選定試験

JIS K 2246:2007

の 6.3(試験片に関する共通事項)に準じて試験片を作製し,温度 40  ℃,相対湿度 80  %

の環境に 24 時間放置する。試験終了後,JIS K 2246:2007 の 6.4(さび発生度測定方法)によって評価し,

評価面にさびの発生が認められないことを確認する。

6.3

ヒートシール強さ

JIS Z 1514:1994

の 7.7(ヒートシール強さ)によって評価する。

7

表示

包装の見やすい場所に,次の項目を表示する(

例参照)。

a)

適用した包装方法の種類又は記号,及び規格番号

b)

適用したさび止め処理材料の種類又は記号

c)

包装を行った年月又はその略号

d)

包装実施者名

項目

記号

包装方法の種類,及び規格番号 RP1-P1,JIS Z 0303

さび止め処理材料の種類 NP-6

包装年月 2008−1

包装実施者名

○○㈱△△工場


15

Z 0303

:2009

附属書 A

参考)

さび止め包装方法の記号の新旧対照表

序文

この附属書は,さび止め包装方法の記号について新旧規格の対比を記載するものであって,規定の一部

ではない。

A.1

さび止め包装の種類及び記号

旧規格では方法 A から方法 F の 6 方法に大別していたが,このうち方法 A は廃止し,可はく性プラスチ

ックによる包装 C は防湿包装方法に含めて 4 方法に集約し,新たに 1 方法を追加して 5 方法とした。包装

方法が新旧で混同されることを避けるために記号の付け方を一新し,

“さび止め”の英訳(Rust Preventive)

の頭文字 RP を頭に付け,必要に応じて,用いるさび止め処理材料を示す記号をハイフンでつないで示し

た。

表 A.1−包装方法の記号の新旧対照表

包装方法の種類

記号

旧 JIS の記号

RP1-P1 E-1

,E-2,E-3

RP1-P2 E-4

RP1-V E-1

,E-2,E-3

RP1-W

RP1-K1 E-1

,E-2,E-3

RP1-K2

RP1-F

RP1

防湿包装

RP1-S C-1

,C-2,C-3

RP2-P D-1

,D-2,D-3,D-4

RP2-V D-1

,D-2,D-3,D-4

RP2-W

RP2

防水包装

RP2-K D-1

,D-2,D-3,D-4

RP3-P B

RP3-V B

RP3-W1

RP3-W2

RP3

一般包装

RP3-K B

RP4-1 F-1

RP4-2 F-2

,F-3

RP4

除湿包装

RP4-3 F-4

RP5

脱酸素包装

RP5

注記  旧規格の方法 A,E-5 及び E-6 は廃止。


16

Z 0303

:2009

附属書 B

参考)

さび止め包装方法の選択の指針

序文

この附属書は,さび止め包装方法を選択するときの指針について記載するものであって,規定の一部で

はない。

B.1

指針の必要性

表 に示してあるように,さび止め包装方法は 21 種類が規定されており,包装の技術的内容については

本体に正確,かつ,簡潔に記述されている。しかし,具体的にさび止め包装を実施する個々の場面におい

て,どのさび止め包装方法を選択すべきかについては,箇条 の冒頭に基本姿勢が示されているにすぎな

い。したがって,どのさび止め包装方法を用いて包装作業を行うのが適切なのか,判断は容易とはいえな

い。

そこで,代表的な保管環境を設定し,例示した具体的な製品についてどのようなさび止め包装方法が適

切なのか,選択の指針を作成し,

表 B.1 として参考に供することにした。

B.2

利用に際しての注意点

この指針はあくまでも目安であって,記号が○である方法を選択したからといって,完璧なさび止めが

できることを保証したものではなく,また,記号が×である方法は,それを選択したために,鉄鋼のさび

を促進させるなどの害を及ぼすおそれがあることを意味するものではない。

なお,素材はさびやすさの観点から分類例示したものであるから,

表 B.1 にない鉄鋼製品のさび止め包

装方法については,そのさびやすさを基準として選択する必要がある。また,一つ一つの製品の熱容量が

小さいときでも,複数個をまとめて包装するときには熱容量は大きいと考えてさび止め包装方法を選択す

る必要がある。


17

Z 0303

:2009

表 B.1−さび止め包装方法の選択の指針

a) b) c)

防湿包装

防水包装

一般包装

除湿包装

脱酸素

包装

素材

代表的な製品

保管環境

d)

RP1-P1 RP1-P2 RP1-V RP1-W RP1-K1

RP1-K2

RP1-F  RP1-S

RP2-P

RP2-V

RP2-W

RP2-K

RP3-P

RP3-V RP3-W1 RP3-W2 RP3-K RP4-1

RP4-2

RP4-3

RP5

レベル 1

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

レベル 2

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

レベル 3

×

×

×

×

×

×

×

×

×

炭素鋼

酸洗コイル・冷延コイル

レベル 4

×

×

×

×

×

×

レベル 1

×

×

×

×

×

レベル 2

×

×

×

×

レベル 3

炭素鋼・合金鋼

[熱容量大

e)

工作機械・シャフト・ピストン・シ

リンダ・歯車・試験機・発動機・圧

縮機,及び肉厚 3 mm 以上又は積層

レベル 4

レベル 1

×

×

×

×

レベル 2

×

×

レベル 3

炭素鋼・合金鋼

[熱容量小

e)

ボディプレス品・製缶品・ボルト・

ナット・プラグ・スプリング・家電

製品・一般測定器・精密計器

レベル 4

レベル 1

×

×

×

×

レベル 2

レベル 3

工具鋼

刃物・工具・ジグ・ベアリング

レベル 4

レベル 1

×

×

×

×

×

×

×

レベル 2

×

レベル 3

×

鋳鉄

エンジン(除エンジンアッシ)

・ト

ランスミッション・クラッチ・建設

機械・農業機械

レベル 4

レベル 1

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

レベル 2

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

レベル 3

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

ステンレス鋼

コイル・ロール・シャフト

レベル 4

×

×

×

×

×

レベル 1

レベル 2

レベル 3

ステンレス鋼

[熱容量大

e)

肉厚 3 mm 以上又は積層物

レベル 4

レベル 1

レベル 2

レベル 3

ステンレス鋼

[熱容量小

e)

プレス品・パイプ・刃物・ボルト・

ナット

レベル 4

レベル 1

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

レベル 2

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

レベル 3

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

各種めっき鋼

コイル・ロール・シャフト

レベル 4

×

×

×

×

×

レベル 1

レベル 2

レベル 3

各種めっき鋼

[熱容量大

e)

肉厚 3 mm 以上又は積層物

レベル 4

レベル 1

レベル 2

レベル 3

各種めっき鋼

[熱容量小

e)

電池・製缶品・家電製品

レベル 4

a)

  記号  ○:推奨する方法  △:注意を払って使用すべき方法  ×:用いてはならない方法  −:適用対象外

b)

  多種の素材が混在している場合は,最もさびやすい素材に合わせて,包装方法を選択する。

c)

  保管環境は空調のない屋内を基準とし,それ以上の過酷な環境であれば,レベルを一つ以上あげる。

d)

  レベル 1:1 年以上の保管及び/又は輸出包装  レベル 2:1 年程度の保管  レベル 3:数か月程度の保管  レベル 4:1 か月未満の保管

e)

  熱容量大:厚みがあり,重量物で結露しやすい製品  熱容量小:厚みがなく,軽量物で結露しにくい製品


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Z 0303

:2009

附属書 C 

参考)

さび止め油適用後の保管期間の目安

序文

この附属書は,さび止め処理材料としてさび止め油を適用した後(包装なし)の保管期間の目安につい

て記載するものであって,規定の一部ではない。

C.1

保管期間

JIS K 2246:2007

に規定されているさび止め油は,その品質によって適用後(包装なし)の適切な保管期

間がある。したがって,さび止め処理材料としてさび止め油を適用するときには,保管期間を目安にして

選定する必要がある。

表 C.1 にさび止め油を適用したときの保管期間の目安をまとめた。

表 C.1JIS K 2246:2007 に規定されたさび止め油適用後の保管期間の目安

適用後の保管期間

適用可能なさび止め油

屋内 2 年程度  N P - 1 , N P - 6

屋外 1 年程度  N P - 1

屋内 1 年程度  N P - 2 , N P - 1 9

屋外 6 か月程度  N P - 1 9

屋内 6 か月程度  N P - 3 - 1 , N P - 3 - 2 , N P - 7 , N P - 8 , N P - 1 0 - 2 , N P - 1 0 - 3

屋外 3 か月程度  N P - 6

屋内 3 か月程度  N P - 0 , N P - 9 , N P - 1 0 - 1 , N P - 2 0 - 1 , N P - 2 0 - 2


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Z 0303

:2009

附属書 D 

参考)

脱酸素剤の使用方法

序文

この附属書は,さび止め包装方法 RP5 によるときの脱酸素剤の種類の選定及び使用量の算出について記

載するものであって,規定の一部ではない。

D.1

原理

脱酸素包装においては,包装系内に含まれる酸素を脱酸素剤で除去する。このとき,包装系内の酸素量

に応じて脱酸素剤の種類を選定し,使用量を決定する。包装系外からの酸素の透過は,無視し得るほどに

小さいことを前提とする。

なお,脱酸素剤は,製品の種類によって酸素吸収能力に違いがあるため,吸収が可能な酸素の量を表示

した形で供給されている。

D.2

大気中の酸素濃度

地球上の大気成分組成は,水蒸気を除くと,高度数十 km までほぼ一定であり,体積比で表すと酸素濃

度は 21  %である。参考に大気組成を

表 D.1 に示す。

表 D.1−大気の成分組成

成分

体積比

酸素(O

2

) 21

窒素(N

2

) 78

アルゴン(Ar)

0.93

二酸化炭素(CO

2

)

0.03

注記  理科年表平成 19 年版による。

D.3

包装内部の酸素量の算出

次の式によって,ハイバリヤフィルム製の袋又は密封剛性容器の内部に含まれる酸素量を求める。

O

=0.21A

A

V−(G/D)

ここに,

O

包装内部の酸素量(mL)

A

包装内部の大気量(mL)

V

包装系内の全容積(mL)

G

金属製品の質量(g)

D

金属製品(鉄鋼)の密度(7.8 g/mL)

D.4

脱酸素剤の使用量

使用する脱酸素剤の種類を選定し,D.3 で算出した酸素量を吸収し得る量を,算出する。