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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 9004-1983 

光学式文字認識のための印字仕様 

Printing Specifications for Optical Character Recognition 

1. 適用範囲 この規格は,光学式文字認識(以下,OCRという。)に使用する字形の印字に関する次の

仕様について規定する。ここで文字は,JIS X 9001[光学式文字認識のための字形(英数字)]及びJIS X 9003

[光学式文字認識のための字形(片仮名)]の規定による。 

(1) 使用する用紙の光学的特性。 

(2) 印字した個々のOCR文字の光学的及び寸法上の特性。 

(3) 帳票上に印字したOCR文字の位置についての基本的仕様。 

引用規格: 

JIS X 9001-1976 光学式文字認識のための字形(英数字) 

JIS X 9003-1980 光学式文字認識のための字形(片仮名) 

対応国際規格: 

ISO 1831-1980 Printing Specifications for Optical Character Recognition 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) 帳票 OCRへの入力媒体。 

(2) スペクトルバンド OCRに使用する用紙,インキ及び印字図形の光学的特性を規定するために設定し

た分光波長領域。近紫外から近赤外にわたる数種の区分がある。 

(3) 反射率 光学的に同じ状態に置いた被測定物と完全拡散反射体(1)からの反射光量の比。 

注(1) 測定では,白の標準と呼ぶ白色板を用いる。白の標準としては,硫酸バリウム (BaSO4) などを

用いる。 

(4) 汚点 用紙上で周囲より明らかに反射率の低い部分。 

(5) 裏当て法 反射率及び不透明度の測定時に使用する方法。 

十分な裏当て法とは,測定しようとする試料と同質の用紙を裏当てしたとき,その用紙の枚数を2

倍にしても測定値の変化が認められないように裏当てする方法をいい,黒の裏当て法とは,反射率が

0.5%以下の黒色板を試料の裏当てとする方法をいう。 

(6) 印字図形 帳票上に印字した文字及びその周囲の余白部を含む図形。 

(7) 線素 個々の文字を構成する幅をもった線分。 

(8) 心線 標準字形の骨組みを表す線素の中心線。 

(9) レンジ 印字品質の許容限界の程度。X,Y及びZの3区分がある。 

(10) COL (Character Outline Limits)  標準線幅からのずれに対し,許容できる限界を示す輪郭線。最大限

界を示す最大COLと最小限界を示す最小COLとがある。 

(11) COLゲージ 印字図形の寸法上の特性を測定するためのゲージ。最大COL,最小COL及び心線字形

X 9004-1983  

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が表示してある。 

(12) カットオフ 文字の片側で線素の一部が非対称に欠落した状態。高速印字装置などで起こりやすい。 

(13) カットオフ限界線 許容するカットオフの限界を示す境界線。レンジZ用のCOLゲージだけにある。 

(14) カットオフ中心線 カットオフ限界線と最小COLの間に描く円の中心の軌跡がなす線分。カットオフ

を伴う印字図形の測定において心線に代えて用いる。 

(15) 最良一致 文字が最小COL内をできるだけ多く満たし,同時に最大COLからのはみ出しが最も少な

くなるように合わせたCOLゲージと文字図形の相対位置。 

(16) PCS (Print Contrast Signal)  用紙と印字図形のコントラストを表す量。 

(17) 基本PCS 一つの文字内でCOLの心線に沿って測定した一連のPCS。機器による印字図形の測定に

用いる。 

(18) PCS80% COLの心線上で測定したPCS値のうち,大きい方から80%を選んだとき,その中で最も

小さい値。 

(19) コントラスト変動比 文字内でインキの濃い部分と薄い部分のPCS値の比。COLの心線上で測定す

る。 

(20) ボイド 最小COLの内側で文字の残りの部分より明らかに反射率の高い部分。 

(21) 線縁 線素部と背景部との境界線。 

(22) 線縁の凹凸 線縁が最小COLの内側又は最大COLの外側にはみ出している部分。 

(23) スポット 最大COLの外側で背景より明らかに反射率の低い部分。 

(24) 検査対象領域 印字図形の光学的特性を測定する範囲。文字とその周囲の余白部を含む長方形の領域。 

(25) 帳票基準辺 印字位置の基準となる帳票の辺。 

(26) 文字境界 1辺が帳票基準辺に平行で,1文字のすべての線素をその内部に含む最小の長方形。 

(27) 行境界 1辺が帳票基準辺に平行で,その行のすべての文字境界を含む最小の長方形。 

(28) 文字間余白 同一行境界内で相互に隣接する2文字の,文字境界間の水平距離。 

(29) 文字間隔 同一行境界内で相互に隣接する2文字の,文字境界の垂直2等分線間の水平距離。 

(30) 字並び 同一行境界内にある二つの文字境界のおのおのの基底線間の垂直距離。 

(31) 印字領域 1辺が帳票辺に平行で,1行中の1組の認識対象文字を印字するために,あらかじめ定めた

長方形の領域。 

(32) クリアエリア 1辺が帳票基準辺に平行で,印字領域及びその周囲の余白部を含む長方形の領域。 

(33) 辺からの余裕 各帳票辺から印字領域までの距離。 

(34) 行間余白 連続する2行の行境界間の垂直距離。 

(35) 行間隔 連続する2行の行境界の水平2等分線間の垂直距離。 

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3. スペクトルバンド スペクトルバンドは,表1のとおりとする。 

表1 スペクトルバンド 

単位nm 

呼び 

ピーク 

50%レベルのバンド幅 

B425 

425± 5 

 50以下 

B460 

460± 5 

 60以下 

B490 

490± 5 

 60以下 

B530 

530± 5 

 60以下 

B570 

570±10 

100以下 

B620 

620±10 

100以下 

B680 

680±10 

120以下 

B900 

900±50 

400以下 

備考1. 光源,フィルタ及び受光素子の総合特性を表す。 

2. これらの各バンドの分光特性曲線は,単峰性で滑らか

でなければならない。 

3. 400nm未満の波長域におけるエネルギー分布量の合

計は,測定対象波長域内のエネルギーの5%以下でな
ければならない。 

4. OCR用紙の特性 

4.1 

OCR用紙の光学的条件 OCR帳票に使用する用紙は,認識対象文字との高いコントラストと均一な

反射率を確保するため,次の条件を満足しなければならない。 

(1) 白色で高い不透明度と反射率をもち,光沢が少ないこと。 

(2) 平滑な仕上りで組成のむら,汚点が少ないこと。 

(3) すかし印刷及び着色料や蛍光物質などの混入がないこと。 

4.2 

用紙の不透明度 

4.2.1 

不透明度 不透明度 (C) は,次の式で定義する。 

()

%

100

×

=

I

B

R

R

C

ここに, RB: 用紙を黒の裏当て法で測定した反射率 
 

RI: 用紙を十分な裏当て法で測定した反射率 

備考1. 用紙の表と裏のおのおのについて測定し,0.5%以上の差があるときは,両方の値を採用する。 

2. 測定は,表1のスペクトルバンドで行う。 

4.2.2 

不透明度の等級 不透明度の等級は,表2のとおりとする。 

表2 不透明度の等級 

等級 

不透明度 

高不透明紙 

85%以上 

中不透明紙 

70%以上 

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4.3 

用紙の反射特性 

4.3.1 

用紙の反射率 用紙の反射率は,表3のとおりとする。 

表3 用紙の反射率 

番号 

スペクトルバンド 

高不透明紙 

中不透明紙 

B425 

60%以上 

50%以上 

B530,B570又はこの間にピークをも
ち,バンド幅が100nm以内のもの 

70%以上 

60%以上 

B900 

70%以上 

60%以上 

備考1. 普通の白色紙では,番号1と番号2に相当するスペクトルバンドの2種

類で測定すればよい。番号3は,赤外光の反射に乱れのあるおそれが
あるときだけ測定する。ただし,分光特性に厳密さが要求される場合
は,表1のすべてのスペクトルバンドで測定しなければならない。 

2. 測定は,黒の裏当て法で行う。 

4.3.2 

反射率の一様性 同一紙面内での反射率の変動は,表4のとおりとする。 

表4 反射率の変動 

等 級 

標準偏差/反射率の平均値 

最大反射率/最小反射率 

高不透明紙 

3.5%以下 

1.2以下 

中不透明紙 

5.0%以下 

備考1. 測定は,直径0.20mmの円形開口部で行う。 

2. スペクトルバンドは,表3に従う。ただし,最も厳しいスペクト

ルバンドが明らかである場合は,そのスペクトルバンドだけで測
定してよい。 

3. サンプル点は,測定結果の再現性が保証できるよう,偏りなく,

かつ十分に数多く取らなければならない。 

4.3.3 

用紙の汚点 用紙の汚点は,表5のとおりとする。ただし,表5の測定が不可能な場合に限り,表

6で検査してよい。 

表5 用紙の汚点 

汚点の大きさ 

規定値 

規定条件 

直径0.10mm以上 

250個/m2以下 

試料20枚の平均値が規定値を満たすこと。 

直径0.20mm以上 

25個/m2以下 

試料20枚中19枚が規定値を満たすこと。 

備考 試料は,1m2程度あることが望ましい。0.125m2(A3判相当)以下であってはな

らない。 

表6 簡易な汚点の検査 

1区画の大きさ 

検査面積 

規定値 

検査条件 

0.10m×0.10m 

6.0m2 

汚点のある区画の合
計数200以下 

明るい間接照明の下で,1区画につき1分間,0.5m
の距離から目視で検査する。 

備考 測定結果に大きな個人差がないこと。 

5. 印字図形の特性 

5.1 

印字品質確保のための条件 印字品質は,次の条件を満足しなければならない。 

(1) 印字文字は,その背景となる帳票に対して,できる限り高いコントラストを保つこと。 

(2) 線幅は,できる限り標準値に近く保つこと。 

(3) 線素輪郭の内部には,ボイドをなくすこと。これが守れない場合は,ボイドの数と大きさとを最小に

し,ボイド間の距離もできる限り離すこと。 

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(4) クリアエリア内には,スポットをなくすこと。これが守れない場合は,スポットの数と大きさとを最

小にし,スポット間の距離もできる限り離すこと。 

(5) 印字図形の線素の中心線は,できる限り標準の心線字形に近く保つこと。 

5.2 

レンジ 

5.2.1 

区分 印字品質の許容限界の程度によって,次の三つに区分する。 

(1) レンジX(高印字品質) 

(2) レンジY(中印字品質) 

(3) レンジZ(低印字品質) 

備考 片仮名の小文字,英字の小文字及び記号#, %,@を含む場合は,レンジXとすること。 

5.2.2 

レンジZの適用範囲 レンジZは,次の場合に限り適用してよい。 

(1) JIS X 9001の6.で規定する数字サブセットに含まれる文字だけを認識対象とする場合 

(2) 電子計算機を利用して印字図形の測定を行う場合 

5.3 

線幅の許容範囲 線幅の許容範囲は,表7のとおりとする。 

表7 線幅の許容範囲 

単位mm 

字体 

サイズ 

標準線幅(2) 

レンジX 

レンジY, Z 

OCR-A, B, K 

0.35 

±0.08 

±0.15 

OCR-A, B 

III 

0.38 

±0.08 

±0.18 

OCR-A 

IV 

0.51 

±0.13 

±0.25 

OCR-B 

0.50 

注(2) 線幅についての詳細は,OCR-A及びOCR-Bに関してはJIS X 9001の附属書1と

附属書2を,OCR-Kに関してはJIS X 9003の8.を参照すること。 

5.4 

COLゲージ 

5.4.1 

一般規則 COLゲージには,心線,最大COL及び最小COLを表示する。その作り方は,附属書

のとおりとする。 

5.4.2 

非定線幅字形用COLゲージ 非定線幅字形の測定には,レンジX,サイズIのCOLゲージを用い

る。 

備考 非定線幅字形に由来するCOLからのずれは,許容する。 

参考 非定線幅字形を印字する機器は,良好な印字品質を保ち得ることが前提条件となっている。 

5.4.3 

レンジZ用COLゲージ レンジZ用のCOLゲージには電子計算機内に記憶してある,心線,最

大COL,最小COL,カットオフ限界線及びカットオフ中心線を用いる。その作り方は,附属書のとおりと

する。 

5.5 

印字図形の測定 

5.5.1 

測定方法の種類 測定方法は,その簡便さと,要求される精密さによって,次の3種類とする。 

(1) 目視による測定 

(2) 機器による測定 

(3) 電子計算機利用による測定 

備考 測定方法の違いによって検査結果が異なる場合は,精度の高い方(項番の大きい方)を優先す

る。 

5.5.2 

目視による測定 

5.5.2.1 

測定条件 目視による測定は,COLゲージと拡大鏡を使い,最良一致(3)の状態で行う。 

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注(3) 印字図形とCOLゲージは,目視で位置を合わせる(図1参照)。 

図1 最良一致 

5.5.2.2 

ボイド 直径0.20mm以上のボイドは,あってはならない。直径が0.20mm未満のボイドはあっ

てもよい。ただし,その周囲のボイドとともに直径0.20mmの円で包み込むことができ,かつ,次の条件

のうち一つを満足しなければならない。 
(1) 円内に包み込まれたボイドの面積の和は,この円の面積の31未満であること。 

(2) ボイドの面積の和が,円の面積の31以上ある場合は,他の同様なボイド又はボイドの集合との間に,

心線に沿って測定した中心間距離が1.0mm以上あること。 

備考 線縁の凹凸だけに基づくボイドに関しては,5.5.2.3の規定によること。 

図2 ボイド 

5.5.2.3 

線緑の凹凸 線縁は,最大COLの外側又は最小COLの内側へはみ出してはならない。ただし,

はみ出し部分の深さがわずか(4)であり,その長さがCOL上で0.30mm未満,かつ,他の同様なはみ出し部

分との間に,最大COL又は最小COLに沿って測定した中心間距離が1.0mm以上ある場合はこの限りでは

ない。 

注(4) 線縁の凹凸に基づくボイドやスポットの面積は,直径0.20mmの円の面積の31未満であること。 

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図3 線縁の凹凸 

5.5.2.4 

スポット 直径0.20mm以上のスポットは,あってはならない。直径0.20mm未満のスポットは

あってもよい。ただし,その周囲のスポットとともに直径0.20mmの円で包み込むことができ,かつ,次

の条件のうち一つを満足しなければならない。 
(1) 円内に包み込まれたスポットの面積の和は,この円の面積の31未満であること。 

(2) スポットの面積の和が,円の面積の31以上ある場合は,他の同様なスポット又はスポットの集合との

中心間距離が1.0mm以上あること。 

備考 線縁の凹凸だけに基づくスポットに関しては,5.5.2.3の規定によること。 

図4 スポット 

5.5.3 

機器による測定 

5.5.3.1 

測定条件 機器による測定は,次の条件の下で行う。 

(1) 照明 紙面に対し45°の位置にある1個の白熱電球を光源とし,測定視野よりも十分に広い面積を照

明すること。 

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(2) 走査 紙面に垂直な位置で,紙面上での直径が0.20mmに相当する円形開口部で走査すること。 

(3) 検査対象領域 高さ及び幅が,それぞれ文字の大きさの約2倍あり,中心が文字の中心と一致する長

方形の領域とする。 

(4) 最良一致 印字図形とCOLゲージは,目視で合わせる。 

特に,厳密さが必要なときは,最小COL内からの反射光が最小になる位置とする。この位置が複数

ある場合は,最大COL外からの反射光が多い方を優先する。 

(5) 分光特性 表1のスペクトルバンドとする。 

備考1. 測定は,拡散反射光だけを対象とする。 

2. OCRの分光特性が明らかである場合は,そのスペクトルバンドだけで測定してよい。それ以

外の場合は,表1のすべてのスペクトルバンドで測定する。 

5.5.3.2 

PCS 任意の測定点PにおけるPCS値 (PCSp) は,次の式で定義する。 

w

p

w

P

R

R

R

PCS

=

ここに, 

RW: 検査対象領域内での最大反射率 

RP: 任意の測定点Pにおける反射率 

備考 測定は,黒の裏当て法で行う。 

5.5.3.3 

1文字内のPCS 

5.5.3.3.1 

基本PCS 基本PCS値は,直径0.20mmの開口部を0.10mm間隔で,心線に沿って移動しなが

ら測定したPCS値とする。ただし,心線の長さが2.0mm未満の孤立した線素では0.05mm間隔で移動する。 

5.5.3.3.2 

PCS80% PCS80%は,表8のとおりとする。ここでPCS80%とは,基本PCS値のうち,大き

い方から80%を選んだとき,その中で最も小さい値とする。 

表8 PCS80% 

レンジ 

PCS80% 

0.60以上 

0.50以上 

5.5.3.4 

コントラストの一様性 

5.5.3.4.1 

コントラスト変動比 コントラスト変動比 (CVR) は,印字図形の部分的なインキ濃度のむらを

表すものであり,次の式で定義する。 

min

max

PCS

PCS

CVR=

ここに, PCSmax: 基本PCS値に関して,心線に沿って連続した3点の移動

平均を取ったとき,その最大値 

PCSmin: その最小値 

ただし,心線の長さが2.0mm未満の孤立した線素にあっては,連続した5点の
平均を取るものとする。 

5.5.3.4.2 

1文字内のコントラスト変動比 1文字内におけるコントラスト変動比は,表9のとおりとする。 

表9 コントラスト変動比 

レンジ 

コントラスト変動比 

1.50以下 

1.75以下 

5.5.3.5 

ボイド 基本PCS値(5)が,d(6)より小さい値を示す部分をボイドとする。ボイドは次による。 

(1) 一般の線素の場合 一般の線素の場合,3点以上連続してdより小さい値を示すボイドがあってはな

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らない。これ以外のボイドはあってもよい。ただし,次の条件のうち一つを満足しなければならない。 

(a) 両側に隣接する基本PCS値は,いずれもd以上であること。 

(b) 連続した2点がdより小さい場合は,隣接する他の同様なボイドとの距離が11ステップ以上あるこ

と。 

(2) 短い線素の場合 心線の長さが,2.0mm未満の孤立した短い線素の場合,基本PCS値が5点以上連続

してdより小さい値を示すボイドがあってはならない。これ以外のボイドはあってもよい。ただし,

次の条件のうち一つを満足しなければならない。 

(a) dより小さいところは,1点又は連続した2点であって,その両側は,dより大きいこと。 

(b) dより小さいところが,3点又は4点連続する場合は,同様なボイドとの距離が,21ステップ以上

あること。 

注(5) 基本PCS値のうちPCS80%より小さい値を示す部分だけを検査対象とする。 

(6) dの値は,表10のとおりとする。 

表10 dの値 

レンジ 

0.40 

0.35 

5.5.3.6 

線縁の凹凸 COL上に中心のある直径0.20mmの開口部をCOLに沿って0.20mm間隔で移動しな

がらPCS値を求めたとき,最小COL上で21PCSavg(7)より小さい値を示す点,又は最大COL上で21PCSavgよ

り大きい値を示す点があってはならない。ただし,同様な値を示す他の点が,COLに沿って中心間距離で

1.0mm以上離れている場合は,この限りではない。 

注(7) 

2

1PCSavgは,次式のとおりとする。 

avg

avg

PCS

PCS

×

=21

2

1

ここに, PCSavg:基本PCS値のうち大きいものの80%の算術平均値。 
ただし,その値が0.60未満のときは21PCSavgは0.30とする。 

5.5.3.7 

スポット 最大COL外において,直径0.20mmの開口部で測定したPCS値がe(8)より大きい部分

をスポットとする。 

検査対象領域内にあるすべてのスポット上で,最も大きいPCS値を示す点を中心に,この開口部を上下

左右に0.10mm間隔で移動し,周囲8点(9)のPCS値を測定したとき,更に2点以上でeより大きい値を示

すことがあってはならない。1点以下の場合は,次の条件のうち一つを満足しなければならない。 

(1) 8点のPCS値は,すべてeより小さいこと。 

(2) 8点のうち1点のPCS値がeより大きい場合は,更にその点の周囲8点について同様の測定を行う。

新たな測定点のPCS値は,すべてeより小さく,かつ,スポットと最大COL間の距離及び他の同様

なスポットとの中心間距離が,ともに1.0mm以上あること。 

注(8) eは,次式のとおりとする。 

e=k×PCSmin 

ここに, 

表11の値 

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10 

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表11 kの値 

レンジ 

0.65 

0.70 

(9) これらの測定点のうち中心が最大COL内にあるものは無視する。 

備考 検査対象領域の外で,クリアエリア内にあるスポットの大きさは,直径0.20mm未満でなけれ

ばならない。 

5.5.4 

電子計算機利用による測定 

5.5.4.1 

測定条件 電子計算機利用による印字図形の測定は,次の条件の下で行う。 

(1) 走査方法の種類 走査方法は,次の2種類とする。 

(a) 照明装置による走査方法 

(b) 受光装置による走査方法 

(2) 機器の構成 機器の構成は,走査方法の種類に応じて次の2種類とする。 

(a) 照明装置による走査方法 紙面に対し垂直な位置にあり,走査開口部に相当する部分を選択的に照

明できる照明装置と,紙面に対し45°の位置にあり,測定視野からの反射光をむらなく受光できる

受光装置で構成すること。 

(b) 受光装置による走査方法 紙面に対し45°の位置にあり,一つの光源で測定視野を一様に照明でき

る照明装置と,紙面に対し垂直な位置にあり,走査開口部に相当する部分を選択的に受光できる受

光装置で構成すること。 

(3) 空間分解能 紙面上で25μm以下とする。 

(4) 走査開口部 紙面上で直径25μm又は空間分解能と同じ大きさとする。 

(5) 測定開口部 複数の走査開口部を合成して等価的に直径0.20mmの円形開口部を作ること。 

(6) 分光特性 表1のスペクトルバンドとする。 

備考 OCRの分光特性が明らかである場合は,そのスペクトルバンドだけで測定してよい。それ以外

の場合は,表1のすべてのスペクトルバンドで測定する。 

(7) 白の標準 硫酸バリウム (BaSO4) などを用いること。 

(8) 階調分解能 32レベル以上の階調分解能をもつこと。 

(9) COLゲージ 電子計算機の記憶装置内にマトリックス図形として記憶していること。 

(10) 検査対象領域 5.5.4.2で定義する領域とする。 

(11) 最良一致 5.5.4.4で規定する方法で合わせること。 

5.5.4.2 

検査対象領域 検査対象領域の大きさは,表12のとおりとし,その中心位置は,検査対象文字

の中心と一致させる。 

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11 

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表12 検査対象領域の大きさ 

単位mm 

字体 

サイズ 

文字セット 

高さ 

幅 

JIS C 6250で規定するすべての文字 

3.90 

2.50 

III 

4.80 

2.70 

IV 

5.60 

3.40 

JIS C 6250のサブセット1, 2 

3.90 

2.50 

JIS C 6250のサブセット3 

4.30 

2.50 

III 

JIS C 6250で規定するすべての文字 

4.80 

2.70 

IV 

5.40 

3.50 

JIS C 6252で規定するすべての文字 

3.90 

2.50 

5.5.4.3 

PCS 任意の測定点PにおけるPCS値 (PCSp) は,次の式で定義する。 

w

p

w

P

R

R

R

PCS

=

ここに, 

RW: 検査対象領域内での最大反射率 

RP: 任意の測定点Pにおける反射率 

備考1. RW及びRPは,直径0.20mmの円形開口部で測定する。 

2. 測定は,反射率3%以下の黒色板を裏当てとする。 

5.5.4.4 

最良一致 

5.5.4.4.1 

一般規則 電子計算機の記憶装置内にある印字図形に対し,予備線縁(10)を設定し,最小COL

内及び最大COL外へのはみ出し部分が最も少なくなるようにCOLゲージの垂直及び水平位置を合わせる。

この位置が複数あるときは,PCS80%(11)が大きい方を優先する。 

注(10) 次のPCS値 (PCS2) 以上の部分と未満の部分との境界線を予備線縁とする。 

(

)

30

.0

2

1

1

2

+

×

=

PCS

PCS

ここに, PCS1: 測定対象領域内における0.30以上のすべてのPCS値の算

術平均値 

(11) 心線上に中心のある測定開口部を心線に沿って空間分解能に相当する微小距離だけ移動しなが

ら測定した一連のPCS値のうち,大きい方から80%を選んだとき,その中で最も小さい値を

PCS80%とする。 

5.5.4.4.2 

レンジZにおける最良一致 カットオフのある文字は,カットオフのある側の最小COLの代わ

りにカットオフ限界線を,心線の代わりにカットオフ中心線を用いて,5.5.4.4.1と同様に位置合せを行う。 

備考 カットオフのある文字でも,まずレンジYの規定に従って測定する[図5(a)参照]。レンジY

の規定を満足しない場合に限り,カットオフ限界線とカットオフ中心線を用いて再度測定する

[図5(b)参照]。 

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12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5 カットオフのある場合の最良一致 

5.5.4.5 

1文字内のPCS 1文字内でのPCS80%は,表13のとおりとする。 

表13 PCS80% 

レンジ 

PCS80% 

0.60以上 

0.50以上 

0.35以上 

5.5.4.6 

コントラストの一様性 

5.5.4.6.1 PCSmax,PCSmin PCSmaxとPCSminは,次の手順で求める。 

(1) COLゲージの心線上に中心がある直径0.20mmの測定開口部を,心線に沿って空間分解能に相当する

微小距離だけ移動しながら一連のPCS値を求める。 

(2) 心線上で連続した1.0mmに相当するPCS値の部分集合のうち,大きい方から20%を除いた残りの中

で最も大きい値をPCSmaxの候補とし,小さい方から20%を除いた残りの中で最も小さい値をPCSmin

の候補とする。 

(3) 空間分解能に相当する微小距離だけ移動した位置で,心線上1.0mmに相当するPCS値の部分集合に

ついて更にPCSmaxとPCSminの候補を求める。 

(4) 同様の繰返しによって得られたすべてのPCSmaxの候補のうち最大の値をPCSmaxとし,すべてのPCSmin

の候補のうち最小の値をPCSminとする。 

備考 カットオフのある文字をレンジZで測定する場合は,カットオフのある側の心線に代えてカッ

トオフ中心線を用いる。 

5.5.4.6.2 

コントラスト変動比 コントラスト変動比 (CVR) は,次の式で定義する。 

min

max

PCS

PCS

CVR=

1文字内のコントラスト変動比は,表14のとおりとする。 

表14 コントラスト変動比 

レンジ 

コントラスト変動比 

1.50以下 

1.75以下 

2.00以下 

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5.5.4.7 

ボイド PCSminは,d以上とする。dの値は,表15のとおりとする。 

表15 dの値 

レンジ 

0.40 

0.35 

0.30 

参考 PCSminが,この条件を満足するとき,ボイドについて5.5.3.5と同等の条件は,必然的に満足さ

れる。 

5.5.4.8 

字形と線幅 

5.5.4.8.1 

線縁 線縁は,21PCSavg(12)以上の部分と未満の部分との境界線とする。 

注(12) 21PCSavgは,次式のとおりとする。 

avg

avg

PCS

PCS

×

=21

2

1

ここに, 

PCSavg: 5.5.4.6.1の(1)で求めた一連のPCS値のうち,PCS80%以上

のものの算術平均値。ただし,その値が0.60未満のとき,

2

1PCSavgは,0.30とする。 

5.5.4.8.2 

線縁の凹凸 線縁は,最小COL又はカットオフ限界線の内側及び最大COLの外側にはみ出し

てはならない。ただし,はみ出し部分の長さが,COL又はカットオフ限界線上で0.30mm未満,かつ同様

なはみ出し部分との間に0.70mm以上の距離がある場合は,この限りではない。 

備考 距離は,該当するCOL又はカットオフ限界線に沿って測定する。はみ出し部分が最小COL又

はカットオフ限界線と最大COLの両方にあるときは,最小COL又はカットオフ限界線に沿っ

て測定する。 

5.5.4.9 

スポット 最大COL外において直径0.20mmの開口部で測定したPCS値が,e(13)より大きい部分

をスポットとする。 

検査対象領域内にあるスポットは,検査対象領域内に中心をもつ直径1.0mmのすべての円について,次

の3条件を満足しなければならない。 

(1) この円の内部にあるスポットの面積の和は,この円の面積の10%未満であること。 

(2) この円の面積の4.0%以上あるスポットは,同一円内に一つ以下であること。 

(3) 同一円内には,この円の面積の4.0%以上あるスポットと最大COLとが共存しないこと。 

注(13) eは,次式のとおりとする。 

e=k×PCSmin 

ただし,この値が21PCSavgより大きい場合は,次式のとおりとする。 

avg

PCS

e

2

1

=

ここに 

,k:表16の値  

表16 kの値 

レンジ 

0.65 

0.70 

0.75 

備考 検査対象領域外でクリアエリア内にあるスポットは,直径1.0mmの円の面積の4.0%未満であ

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14 

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ること。 

6. 文字の印字位置 

6.1 

帳票基準辺 帳票基準辺は,帳票の水平辺と垂直辺の両方又はいずれか一方とする。 

6.2 

文字の傾き 文字の傾きは,±3°を超えてはならない。 

6.3 

水平方向の文字位置 

6.3.1 

文字間余白 文字間余白は,表17のとおりとする(図6参照)。 

表17 文字間余白 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

文字間余白 

0.35以上 

0.38以上 

0.51以上 (OCR-A) 

0.50以上 (OCR-B) 

図6 文字間余白及び文字間隔 

6.3.2 

文字間隔 文字間隔は,表18のとおりとする(図6参照)。ただし,標準字形図の参照線(JIS X 9001

及びJIS X 9003参照)と標準字形図の垂直2等分線とが一致しない文字については,それらの間の距離で

文字間隔を補正する(図7参照)。 

備考 文字間隔の規定は,可変ピッチ印字機器には適用しない。 

表18 文字間隔 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

文字間隔 

2.30〜4.60 

2.30〜4.60 

3.30〜6.60 

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図7 文字間隔の補正 

6.4 

字並び 字並びは,次のとおりとする(図8参照)。ただし,標準字形図の基底線又は基底点(JIS X 

9001及びJIS X 9003参照)と標準字形図の水平2等分線との垂直距離が,隣接する文字間で異なる場合は,

その垂直距離の差で字並びを補正する(図9参照)。 

(1) 隣接する2文字の字並びは,表19のとおりとする。 

表19 2文字の字並び 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

隣接する2文字の字

並び 

0.65以下 

0.90以下 

1.10以下 

(2) 1行内の字並びは,表20のとおりとする。 

表20 1行内の字並び 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

1行内の字並び 

1.30以下 

1.80以下 

2.20以下 

図8 字並び 

図9 字並びの補正 

(3) 分離記号は,同一行内で隣接する文字境界(下方に伸びている小文字を除く。)の上下の境界線を越え

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16 

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て伸びていること。 

6.5 

印字領域 印字領域は,認識対象文字の行境界を完全に含むこと。 

印字領域は,1行ごとに独立に定めなければならない(図10参照)。ただし,1行を幾つかの認識対象文

字の組に分割して,それぞれを別の印字領域とすることができる。 

6.6 

クリアエリア 印字領域とその周囲にはクリアエリアを設ける(図10参照)。 

クリアエリアには,対応する印字領域の認識対象文字以外の文字や模様などがあってはならない。 

クリアエリアの境界と印字領域の境界との距離は,2.5mm以上とする。ただし,複数行を読み取るOCR

の帳票に関しては,6.8及び6.9の規定を適用する。 

備考 隣接する印字領域のクリアエリアは,相互に重なってもよいが,他の印字領域と重なってはな

らない。 

6.7 

辺からの余裕 辺からの余裕は,6.35mm以上とする(図10参照)。 

備考 手操作の印字機器(例えばタイプライタ)を使用する場合は,25.4mm以上が望ましい。 

図10 印字領域,クリアエリア及び辺からの余裕 

6.8 

行間余白 行間余白は,表21のとおりとする(図11参照)。 

表21 行間余白 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

行間余白 

0.65以上 

1.50以上 

2.00以上 

備考 サイズの異なる文字が混在するときは,最も大きいサイズの規定を適

用する。 

6.9 

行間隔 行間隔は,表22のとおりとする(図11参照)。 

表22 行間隔 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

行間隔 

4.20以上 

4.80以上 

5.30以上 

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17 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位mm 

サイズ 

III 

IV 

備考1. サイズの異なる文字が混在するときは,最も大きいサイズの規定を

適用する。 

2. サイズIの小文字を使用するときは,4.80mm以上とする。 

図11 行間余白及び行間隔 

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18 

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附属書 COLゲージの作り方 

1. 一般規則 

1.1 

心線 COLゲージに表示する心線は,JIS X 9001[光学式文字認識のための字形(英数字)],JIS X 

9003[光学式文字認識のための字形(片仮名)]の附属書のとおりとする。 

1.2 

最大COL 最大COLは,サイズ及びレンジについて規定した最大線幅を直径とする円を,その中

心を文字の心線字形上に沿って移動したときに描く幾何学図形の輪郭線とする(最大線幅の数値は表7参

照)。 

1.3 

最小COL 最小COLは,最小線幅を直径とする円を文字の心線字形上に沿って移動したときに描

く幾何学図形の輪郭線とする(最小線幅の数値は表7参照)。 

1.4 

端点,内角部分及び外角部分 線素の端点及び心線字形の内角部分と外角部分とに関しては,2.及び

3.の規則を適用する。ここで,内角部分とは,心線のなす角度が180°未満の角をいい,外角部分とは,180°

を超える角をいう(附属書図1参照)。 

附属書図1 外角と内角 

2. 最小COLに関する特別規則 一般規則によって作成した最小COLの内角部分の曲率半径が附属書表

1に示すR1以下の場合には,曲率半径がR1以下になる点の接線で角を作る(附属書図2参照)。 

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19 

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附属書図2 COLに関する特別規則 

附属書表1 曲率半径 

単位mm 

サイズ 

R1 

R2 

0.10 

0.10 

III 

0.10 

0.13 

IV 

0.13 

0.20 

3. 最大COLに関する特別規則 

3.1 

内角部分 一般規則によって作成した最大COLの内角部分の曲率半径が附書書表1に示すR2未満

の場合には,半径R2の円弧にする(附属書図2参照)。 

3.2 

外角部分 心線が角をもつ場合には,最大COLの外角部分は心線と同じ角度で描く(附属書図2参

照)。 

3.3 

鋭い角の外角部分 3.2の例外として,心線が55°よりも小さい鋭い角をもつ場合には,対応する最

大COLの外角部分は,その外角の2等分線に垂直な線で描く(附属書図3参照)。 

附属書図3 鋭い角の外角部分 

3.4 

端点 最大COLの端点は方形となるようにし,端点に向かう心線に垂直な線と平行な線で作る(附

属書図2参照)。 

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20 

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4. レンジZ用COLゲージ 

4.1 

カットオフ限界線 カットオフ限界線は,附属書表2に示す高さと幅をもつ長方形で作る(附属書

図4,附属書図5参照)。 

附属書表2 カットオフ限界線 

単位mm 

字体 

サイズ 

高さ 

幅 

OCR-A, B 

2.40 

1.40 

III 

3.20 

1.52 

OCR-A 

IV 

3.80 

2.04 

OCR-B 

3.60 

2.10 

附属書図4 カットオフ 

4.2 

カットオフ限界線の水平中心位置 この長方形の水平中心位置は,参照線上に置く(附属書図5参

照)。 

附属図5 カットオフ限界線 

4.3 

カットオフ限界線の垂直位置 この長方形の底辺と文字の基底線との距離は,附属書表3のとおり

とする(附属書図5参照)。 

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21 

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附属書表3 限界線の垂直位置 

単位mm 

字体 

サイズ 

距離 (dυ) 

OCR-A 

I, III, IV 

0.00 

OCR-B 

0.13 

III 

0.18 

IV 

0.20 

4.4 

カットオフ限界線の範囲 カットオフ限界線は,最大COLの内側だけに存在する(附属書図6参照)。 

附属書図6 カットオフ限界線の範囲 

4.5 

カットオフ中心線 カットオフ中心線は,内側の最小COLとカットオフ限界線の両方に接する円の

中心の軌跡で作る(附属書図7参照)。 

附属書図7 カットオフ中心線 

22 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

光学式文字認識のための印字仕様JIS原案作成委員会 

氏 名 

所 属           (敬称略・順不同) 

(委員長) 

飯 島 泰 蔵 

東京工業大学工学部 

(幹 事) 

森   俊 二 

通商産業省電子技術総合研究所パターン情報部 

山 田 康 宏 

日本電信電話公社横須賀電気通信研究所宅内機器

研究部 

(委 員) 

長 沢 彦 士 

沖電気工業株式会社データシステム技術部 

石 川 鉄 雄 

大日本印刷株式会社ビジネスフォーム事業部 

宮 脇 忠 公 

特種製紙株式会社営業技術本部 

森 田 昌 之 

日本ユニバック株式会社カストマサービス事業部 

安 藤 純 一 

三菱電機株式会社計算機製作所機製部 

伊 東 千 秋 

富士通株式会社入出力装置技術部 

川 田 洋 明 

日本電気株式会社端末装置事業部 

小 松   仁 

株式会社日立製作所小田原工場入出力機器設計部 

吉 沢 正 彬 

東京芝浦電気株式会社青梅工場周辺機器設計部 

伊 東   厚 

工業技術院標準部電気規格課 

(事務局) 

楡 木 武 久 

社団法人日本電子工業振興協会開発部 

水 田 哲 郎 

社団法人日本電子工業振興協会開発部