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X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 適合性···························································································································· 1 

3 引用規格························································································································· 2 

4 用語及び定義 ··················································································································· 2 

5 要求事項及び推奨事項 ······································································································· 5 

5.1 アクセシビリティ設定モード ··························································································· 5 

5.1.1 ログイン前のアクセシビリティ設定モード ······································································· 6 

5.1.2 アクセシビリティ設定モードの内容及びインタフェース ····················································· 6 

5.1.3 アクセス方法 ·············································································································· 7 

5.2 アクセシビリティ設定の項目 ··························································································· 8 

5.2.1 固定キー ···················································································································· 8 

5.2.2 スローキー ················································································································ 10 

5.2.3 バウンスキー ············································································································· 11 

5.2.4 フィルタキー ············································································································· 12 

5.2.5 マウスキー ················································································································ 12 

5.2.6 リピートキー ············································································································· 15 

5.2.7 切替えキー ················································································································ 15 

5.2.8 サウンド表示 ············································································································· 15 

5.2.9 サウンド解説 ············································································································· 15 

5.2.10 一定時間後無効機能 ··································································································· 16 

5.2.11 画面キーボード ········································································································· 16 

5.2.12 音声操作 ·················································································································· 16 

5.2.13 視覚情報の調節 ········································································································· 16 

5.2.14 画面読み上げ機構 ······································································································ 18 

5.2.15 聴覚へのフィードバック ····························································································· 18 

5.2.16 視覚へのフィードバック ····························································································· 18 

5.3 アクセシビリティ機能へアクセスするためのショートカット ················································· 18 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人ビジネス機械・情報システム産業協

会(JBMIA),独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標

準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業

大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS X 8341の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS X 8341-1 第1部:共通指針 

JIS X 8341-2 第2部:情報処理装置 

JIS X 8341-3 第3部:ウェブコンテンツ 

JIS X 8341-4 第4部:電子通信機器 

JIS X 8341-5 第5部:事務機器 

JIS X 8341-6 第6部:対話ソフトウェア(予定) 

JIS X 8341-7 第7部:アクセシビリティ設定 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 8341-7:2011 

(ISO/IEC 24786:2009) 

高齢者・障害者等配慮設計指針− 

情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス

−第7部:アクセシビリティ設定 

Guidelines for older persons and persons with disabilities- 

Information and communications equipment, software and services- 

Part 7: Accessibility settings 

序文 

この規格は,2009年に第1版として発行されたISO/IEC 24786を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,アクセシビリティ設定のユーザインタフェースを,高齢者,障害者及び一時的な障害をも

つ人々を含む,多くの利用者にとってアクセシブルにするための推奨事項及び要求事項について規定する。

この規格は,アクセシビリティ設定の詳細な指針を提供する。この規格は,アクセシビリティ設定モード

のアクセス及び操作方法,並びに特定のアクセシビリティ機能を直接起動する方法を規定する。 

この規格は,コンピュータで用いる全てのオペレーティングシステムのユーザインタフェースに適用す

るが,他の形式の情報通信技術にも適宜適用可能である。 

この規格は,オペレーティングシステムが読み込まれて起動する前のユーザインタフェースには適用し

ない。 

注記1 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 24786:2009,Information technology−User interfaces−Accessible user interface for 

accessibility settings(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

注記2 この規格では,コンピュータのユーザインタフェースに対する要求事項又は推奨事項を,単

にコンピュータに対する要求事項又は推奨事項として記述することがある。 

適合性 

コンピュータが,箇条5に規定する全ての要求事項及び推奨事項を満たしている場合,そのコンピュー

タはJIS X 8341-7 レベル2に適合する。 

コンピュータが,箇条5に規定する要求事項を全て満たしてはいるが,箇条5に規定する推奨事項の全

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

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ては満たしてはいない場合,そのコンピュータはJIS X 8341-7 レベル1に適合する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。 

JIS X 0001:1994 情報処理用語−基本用語 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 2382-1:1993,Information technology−Vocabulary−Part 1: Fundamental 

terms(MOD) 

ISO 9241-171:2008,Ergonomics of human-system interaction−Part 171: Guidance on software accessibility 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0001:1994及びISO 9241-171:2008によるほか,次による。 

注記 用語StickyKeys™,SlowKeys™,BounceKeys™,FilterKeys™,MouseKeys™,RepeatKeys™,

ToggleKeys™,SoundSentry™及びShowSounds™は,全てウィスコンシン大学の商標である。し

かし,この規格に示す働き及び振る舞いをもつユーザインタフェースの機能を表すためであれ

ば,これらの用語は,著作権使用料及び使用許可なしに使用してもよい。 

4.1 

アクセシビリティ機能(accessibility feature) 

障害を経験する人たちに対して製品の使用性を高めることを目的として,特別に設計された機能(ISO 

9241-171:2008参照)。 

4.2 

アクセシビリティ設定(accessibility setting) 

ユーザインタフェースを,よりアクセシブルにするための設定。 

例 ロービジョンの利用者のために,画面及び文字の拡大を有効にするための設定が提供される。 

4.3 

アクセシビリティ設定モード(accessibility setting mode) 

利用者がアクセシビリティ設定を調節するモード。 

注記 利用者はこのモードを通して,ほぼ全てのアクセシビリティ設定及びアクセシビリティ機能の

調節にアクセスできる。 

4.4 

聴覚へのフィードバック(auditory feedback) 

(キー入力などの)操作がコンピュータに受理されたかどうかを,聴覚的手段によって知らせるための

機能。 

注記 聴覚へのフィードバックは,キー入力によるビープ音,警告音などを含む。 

4.5 

バウンスキー(BounceKeys™) 

一つのキーから1回に1度のキー押下だけを受理する機能。 

注記 バウンスキーは,キーを押下又は放すときに,不用意にキーを余計な回数たた(叩)いてしま

うような手の震えをもつ利用者のために設計されている。一旦キーが放されると,一定時間(利

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用者が設定可能)が経過するまで同じキーの押下を受け付けない。バウンスキーは,押下した

キーと異なるキーについては,いかに速く打鍵しても影響しない(ISO 9241-171:2008の附属書

E参照)。 

4.6 

コンピュータ(computer) 

算術演算及び論理演算を含む大量の計算を,人手の介入なしに遂行することのできる機能単位(JIS X 

0001:1994 01.03.03参照)。 

4.7 

フィルタキー(FilterKeys™) 

バウンスキーとスローキーとを一組として合わせた機能。 

注記 フィルタキーという用語は,バウンスキーとスローキーとを一組にした機能に用いる。これら

の二つの機能は,両方起動できるようにしても,互いに排他的にしてもよい。ただし,両方起

動した場合,バウンスキーはスローキーによって無力化される(ISO 9241-171:2008の附属書E

参照)。 

4.8 

マウスキー(MouseKeys™) 

利用者が,画面上のマウスカーソルの制御及びマウスボタンの操作を数字キーパッドでできるようにす

る機能。 

注記 マウスキーは,身体的な能力が原因でマウスを正確に(又は全く)使用できない利用者のため

に設計されている(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.9 

画面キーボード(on-screen keyboard) 

ポインティングデバイスで操作可能であり,物理的キーボードからの入力と同一の入力を発生するキー

ボードを,画面上に提示するソフトウェア。 

注記 ISO 9241-171:2008では,画面キーボードは,キーボード模擬機構の一つの例として紹介されて

いる。 

4.10 

リピートキー(RepeatKeys™) 

キーの自動繰返し,繰返し開始時間及び繰返し頻度を制御する機能。 

注記1 リピートキーは,キーを押下したときに自動繰返しを避けるために十分な速さで指を動かせ

ない人たちがコンピュータを利用できるようにするために設計されている。繰返し開始時間,

繰返し頻度,繰返し無効は,通常,キーボードのシステム設定に含まれる。これらの機能が

含まれていない場合は,リピートキーがこれらを提供する。リピートキーも,素早い反応が

できない利用者のために,繰返し遅延及び繰返し間隔を十分長く設定できる(通常のキー繰

返し設定の標準的な最大値も十分長くない場合)(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

注記2 システム設定とは,利用者がオペレーティングシステムの調節をするパネル及びウィンドウ

である。システム設定の名称は,オペレーティングシステムによって異なる。この機能の一

般的な名称は,コントロールパネル又はシステム設定(システムプリファレンス)である。 

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4.11 

画面読み上げ機構(screen reader) 

利用者が画面を見ることなしに画面の情報にアクセスできるようにするために,画面上の文字及び他の

情報を音声で読み上げる機能。 

4.12 

ショートカット(shortcut) 

途中段階情報(例えばメニュー)の表示を行うことなく,ポインタの移動もその他の利用者の行動も要

求することなく,直ちに実行する操作。 

4.13 

サウンド解説(ShowSounds™) 

アプリケーションソフトウェアで可読なフラグであり,全ての情報を聴覚的に提供しているアプリケー

ションに視覚的にも情報を提供するように伝えることを意図した利用者設定フラグ。 

注記 サウンド解説は,(聴覚障害,うるさい環境,図書館,教室などのように音出力が許されないな

どの理由によって)明確に音声を聞き取れない又はコンピュータからの音の違いを聞き取れな

い利用者のための機能である。例えば,録音又は合成音声の代わりに説明文を表示することが

可能であり,また,新着メールが到着したことを示すために音を使用しているときは,メッセ

ージ及びアイコンによる表示ができる。ただし,説明文は,画面上に目に見えるように提示し

てある情報を,(画面読み上げ機構が)読み上げることで得られる音声出力に対しては,(重複

して目に入るので)字幕を与えない方がよい(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.14 

スローキー(SlowKeys™) 

短い時間に打たれたり押下されたりした全てのキーを無視するように,キーボードに動作させる機能。 

注記 スローキーは,打鍵のときに意図せずに周辺のキーをたた(叩)いてしまうような,統制でき

ない過度の動きをする利用者のために設計されている。キー押下は,利用者が設定可能な一定

時間を押下した場合だけ受け付けられる(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.15 

サウンド表示(SoundSentry™) 

コンピュータが音を発生したときに視覚的合図を提供する機能。 

例 screen flash, caption bar flash. 

注記 サウンド表示は,(聴覚障害,うるさい環境,図書館,教室などのように音出力が許されないな

どの理由によって)システム音を聞き取れない利用者のための機能である。サウンド表示は,

システムのハードウェアを監視することによって動作し,音響的活動が検出された場合に利用

者が設定可能な指標を提供する。 

なお,この機能は,通常,異なる音及び異なる音源を区別できず,また,音声出力及び音で

伝えられた情報の有用な代替を提供できない。アプリケーションは,音で提供される情報の有

用な代替を提供するために,サウンド解説機能をサポートすることができる。サウンド表示は

単に,サウンド解説機能をサポートしていないアプリケーションのための,システムレベルの

予備手段である(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.16 

固定キー(StickyKeys™) 

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利用者が,キーの組合せ(例えばCtrl−Alt−Delete)を押下する場合,キーを全て同時に押下するので

はなく,順番に押下することを可能とする機能。 

注記 固定キーは,両手を使えない利用者又は小棒を使って文字入力する利用者に向けて設計されて

いる。固定キーは,Shiftキー,Altキー及びCtrlキーのような“修飾キー”として定義されて

いるキーに対して働く。通常,固定キーの状態は,利用者の選択によって画面に表示される(ISO 

9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.17 

一定時間後無効機能(Time Out) 

キーボード又はマウスの操作が一定時間(調節可能)発生しなかった場合に,自動的にアクセシビリテ

ィ機能を停止する機能。 

注記 一定時間後無効機能は,利用者がアクセシビリティ機能を有効にしたまま離れた場合に,次の

利用者又は案内役の人が,コンピュータが故障したと困惑する可能性がある,図書館,書店な

どの公共・共有コンピュータでの使用を意図している(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.18 

切替えキー(ToggleKeys™) 

2状態交互切替えキーがロックされているか又は解除されているかを知らせる機能。 

注記 切替えキーは,CapsLock,ScrollLock,NumLockなどのように,ロックする(2状態交互切替

え)キーの視覚的状態表示が見えない利用者のための機能である。切替えキーは,CapsLockの

ような2状態交互切替えキーがロックされている場合は,高いビープ音のような聴覚的合図,2

状態交互切替えキーがロック解除された場合は,低いビープ音のような別の合図を提供する

(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

4.19 

視覚情報の調節(visual emphasis) 

利用者が,視認性を改善するために視覚情報の属性を変更できるようにする機能。 

注記 視覚情報の調節には,文字サイズ,画面拡大,コントラスト,輝度,カラーバランス,色調反

転,グラデーションなどの調節を含む。 

4.20 

視覚へのフィードバック(visual feedback) 

(キー入力などの)操作がコンピュータに受理されたかどうかを視覚的に知らせるための機能。 

注記 視覚へのフィードバックは,固定キーが有効な場合のキー表示,画面キーが押下された場合の

視覚的表示などを含む。 

4.21 

音声操作(voice operation) 

利用者が,マイクロホンを通して音声命令によるコンピュータ操作を可能とする機能(例えば,“メール

切替え”で電子メールのアプリケーションが起動するなど)。 

注記 音声命令は通常,音声命令ではない他の音声と区別するために,起動キーワード(例えば,“コ

ンピュータ…”)の後に続く。 

要求事項及び推奨事項 

5.1 

アクセシビリティ設定モード 

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5.1.1 

ログイン前のアクセシビリティ設定モード 

アクセシビリティ設定モードは,利用者がログインモードからアクセスできるものであることが望まし

い。その場合,アクセシビリティ設定モードは全ての設定項目を含む必要はなく,少なくとも,次に掲げ

る機能の有効又は無効の切替えができることが望ましい。 

− 固定キー 

− スローキー 

− バウンスキー 

− 画面キーボード 

− 音声操作 

− 視覚情報の調節 

− 画面読み上げ機構 

注記 なお,ログイン後は,コンピュータは5.1.2に記述したアクセシビリティ設定項目を提供する。 

5.1.2 

アクセシビリティ設定モードの内容及びインタフェース 

アクセシビリティ設定モードは,5.2に規定する設定項目へのアクセスを提供する。ただし,ショートカ

ットによるアクセスは除く。次に掲げる事項は,アクセシビリティ設定モードのインタフェースに対する

要求事項及び推奨事項である。 

a) アクセシビリティ設定に実装されている全ての設定項目に対するキーボードからのアクセスを提供し

なければならない。 

b) キーボードアクセスは,同時に二つ以上のキー押下を利用者に要求してはならない。 

c) アクセシビリティ設定に実装されている全ての設定項目に対するポインティングデバイスからのアク

セスを提供しなければならない。 

d) 設定対話ウィンドウの文字サイズは,通常サイズの2倍以上なければならない。 

e) 自然言語による設定項目の説明が画面に提示されていなければならない。 

f) 

操作結果の通知が視覚的手段及び聴覚的手段の両方によって利用者に提供されなければならない。 

g) 二つの異なるアクセス機能の選択肢が同時に設定可能な場合は,それらを起動するキーは互いに隣り

合っていてはならない。 

h) アクセシビリティ設定に実装されている全ての設定項目に対する音声操作を提供することが望まし

い。 

i) 

音声操作及び画面読み上げ機構には,自然言語を使用することが望ましい。 

j) 

画面上の文字は,サンセリフ体であることが望ましい。 

k) 画面上の文字の輝度は,背景より5倍以上明るいことが望ましい。 

l) 

設定項目の記述のために,図記号が画面に提示されていることが望ましい。 

注記1 d) において,“通常サイズ”とは,システムの省略時設定における画面表示文字サイズの

ことである。 

注記2 g) において,QWERTYキーボード(アルファベットキー部分の左上部に“Q”,“W”,“E”,

“R”,“T”,“Y”の順にキーが並んでいる配列のキーボード)では,A,S及びDは隣接

している。キーボードアクセスでは,A,S及びDを使用するのではなく,A,D及びG

を使用することが望ましい。その理由は,前者の場合,間違えて隣接するキーを打ってし

まう利用者がいるからである。 

注記3 j) において,“サンセリフ体”とは,縦横斜めの線の太さが一定で,飾りのない書体であ

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る。 

5.1.3 

アクセス方法 

5.1.3.1 

GUI操作 

次に掲げる事項は,アクセシビリティ設定モードへアクセスするためのGUI操作の要求事項である。 

システム設定は,アクセシビリティ設定モードへのアクセスを提供しなければならない。 

注記 4.10の注記2参照。 

5.1.3.2 

キーボード操作 

次に掲げる事項は,アクセシビリティ設定モードへアクセスするためのキーボード操作の要求事項及び

推奨事項である。 

a) コマンドを起動するための,オペレーティングシステムに特化したキーをもつシステムにおいては,

このキー及び“U”を同時に押下することによって,利用者にアクセシビリティ設定モードへのアク

セスを提供しなければならない。 

b) オペレーティングシステムは,アクセシビリティ設定モードの起動の代替方法として,オペレーティ

ングシステムに特化したキーを含まないキー順序を利用者が定義できるようにする仕組みを提供する

ことが望ましい。 

c) Shiftキーを連続して5回押下することで,利用者が固定キーの有効又は無効を切り替えられるように

しなければならない。固定キーを有効にするときの省略時の挙動として,対話ウィンドウを表示する

ことが望ましい。固定キー機能の対話ウィンドウが開いたときはいつでも,利用者にアクセシビリテ

ィ設定モードを開く選択肢を提供しなければならない。 

d) Shiftキーを8秒間押下することで,利用者がバウンスキー,スローキー又はフィルタキーの有効又は

無効を切り替えられるようにしなければならない。Shiftキーを8秒間押下したときの省略時の挙動と

して,対話ウィンドウを表示しなければならない。対話ウィンドウが開いたときはいつでも,利用者

にアクセシビリティ設定モードを開く選択肢を提供しなければならない。 

e) Helpキーを5秒間押下することで,利用者にアクセシビリティ設定モードへのアクセスを提供するこ

とが望ましい。 

注記1 a) において,コマンドを起動するためのオペレーティングシステムに特化したキーの名前

は,Windows 1) システムにおいては“ウィンドウズロゴ”,Apple Macintosh 1) システムにお

いては“コマンド”という。 

注1) Windows及びApple Macintoshは,市販製品の一例である。この情報は,規格の利用

者の便宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。 

注記2 c) 及びd) において,“Shiftキーを連続して5回押下すること”及び“Shiftキーを8秒間

押下すること”は,ISO 9241-171:2008では,“Shiftキーを連続して5回押下すること”は

固定キーに割り当てられ,“Shiftキーを8秒間押下すること”はバウンスキー及びスロー

キーに割り当てられている。 

注記3 e) において,Helpキーは,全てのキーボードで装備されているとは限らない。Helpキー

がない場合は,代行キー(F1キー又はInsertキー)をHelpキーとして使用してもよい。 

5.1.3.3 

音声操作 

次に掲げる事項は,アクセシビリティ設定モードへアクセスするための音声操作の推奨事項である。 

“ヘルプ”と発話することによって,アクセシビリティ設定モードが開かれることが望ましい。 

注記 “ヘルプ”という発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音声命令は,利用者が“コ

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ンピュータ…”のようなキーワードから始めることによって,開始される。 

5.1.3.4 

ポインティングデバイス操作 

次に掲げる事項は,アクセシビリティ設定モードへアクセスするためのポインティングデバイス操作の

推奨事項である。 

ポインティングデバイスが副ボタンをもっている場合,副ボタンを操作しメニューから“ヘルプ”を選

択することによって,アクセシビリティ設定モードが開かれることが望ましい。 

注記 副ボタンとは,マウスの右ボタンのようなものである。 

5.2 

アクセシビリティ設定の項目 

5.2.1 

固定キー 

コンピュータが固定キーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) 固定キーの省略時設定は,無効でなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定から固定キーを有効又は無効にできるようにしなければな

らない。 

注記1 4.10の注記2参照。 

c) Shiftキーを連続して5回押下することで,利用者が固定キーの有効又は無効を切り替えられるように

しなければならない。“連続して”とは,別のキー押下及びマウスクリックを含まないことを指す。こ

の機能の有効又は無効を切り替える前に,コンピュータは利用者に確認を求めることが望ましい。そ

のときの対話ウィンドウは,アクセシビリティ設定モードを開く選択肢も提供しなければならない。 

d) (前項の確認機能を提供する場合)Shiftキーを連続して5回押下した後に現れる確認対話ウィンドウ

が現れないように(又は再び現れるように)利用者が設定できるものでなければならない。確認対話

ウィンドウは,省略時は有効であることが望ましい。無効化された場合,固定キーはShiftキーを連続

して5回押下した後,対話ウィンドウが開かれることなしに有効又は無効に切り替わる。 

e) 利用者は,固定キーの有効又は無効を切り替えるためのキーボードショートカット(Shiftキーを連続

して5回押下すること)を無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であること

が望ましい。 

f) 

“固定キー オン”と発話することによって,利用者が固定キーを有効にできるようにすることが望

ましい。“固定キー オフ”と発話することによって,利用者が固定キーを無効にできるようにするこ

とが望ましい。 

注記2 発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音声命令は,利用者が“コンピュータ

…”のようなキーワードから始めることによって,開始される。 

g) コンピュータは,固定キーが有効又は無効となった場合に,視覚へのフィードバックを提供すること

が望ましい。視覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,視覚へのフィードバックを無効化

(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記3 視覚へのフィードバックは,固定キーが有効であるときに,状態指標を表示することを含

む。 

h) コンピュータは,キーボードショートカットによって固定キーが有効又は無効となった場合に,聴覚

へのフィードバックを提供することが望ましい。聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,

聴覚へのフィードバックを無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であること

が望ましい。 

注記4 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例1 固定キーが有効になった場合は,低音から高音へ変化する音,固定キーが無効になった場合

は,高音から低音へ変化する音としている(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

i) 

修飾キーともう一つのキーとの同時押下で,固定キーは無効とならなければならない。利用者は,こ

の機能を無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は,この機能は有効でなければなら

ない。 

注記5 修飾キーには,Shift,Alt,Ctrl,Option,Command,Meta,Logoキーなどを含む(ただし,

これらに限定しない。)。 

j) 

固定キーが有効なとき,修飾キーを1回押下して放すと,そのキーはラッチ(あたかも継続して押下

されているようになる。)されなければならない。その次に押下された(一つの)修飾キーではないキ

ー(又は次のポインティングデバイスボタンの操作)は,ラッチされた修飾キーによって修飾される。 

注記6 複数の修飾キーを同時にラッチできる。 

k) コンピュータは,キーがラッチされた場合に,視覚へのフィードバックを提供することが望ましい。

視覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,視覚へのフィードバックを無効化(及び再有効

化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記7 視覚へのフィードバックには,押下されたキーの画面表示などが含まれる。 

l) 

コンピュータは,キーがラッチされた場合に,聴覚へのフィードバックを提供することが望ましい。

聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,聴覚へのフィードバックを無効化(及び再有効

化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記8 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

例2 キーがラッチされた場合は,低音から高音へ変化する音としている(ISO 9241-171:2008の附

属書E参照)。 

m) ラッチ状態にある場合,修飾キーではないキー(又はポインティングデバイスのボタン)が押下され

ると,そのキーは修飾され,修飾キーのラッチ状態は解除されなければならない。 

n) 固定キーが有効のとき,修飾キーを続けて2回押下すると,そのキーはロックされなければならない。

修飾キーによって変化を与えられる全ての後続の修飾キー以外のキー押下,ポインティングデバイス

操作及びいかなるソフトウェア操作も,ロックされた修飾キーによって修飾される。 

注記9 いかなる組合せの複数の修飾キーも,同時にロック又はラッチが可能である。 

o) コンピュータは,キーがロック又はロック解除された場合に,視覚へのフィードバックを提供するこ

とが望ましい。視覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,視覚へのフィードバックを無効

化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記10 視覚へのフィードバックには,押下されたキーの画面表示などが含まれる。 

p) コンピュータは,キーがロック又はロック解除された場合に,聴覚へのフィードバックを提供するこ

とが望ましい。聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,聴覚へのフィードバックを無効

化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効でなければならない。 

注記11 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

例3 キーがロックされた場合は高音,キーがロック解除された場合は低音を発する(ISO 

9241-171:2008の附属書E参照)。 

q) 修飾キーがロック状態にあるときに1回押下されると,そのキーのロック状態は解除されなければな

らない。 

10 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.2 

スローキー 

コンピュータがスローキーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) スローキーの省略時設定は,無効でなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定からスローキーを有効又は無効にできるようにしなければ

ならない。 

注記1 4.10の注記2参照。 

c) 右Shiftキーを8秒間押下することで,スローキーの有効又は無効の切替えを利用者ができるようにし

なければならない。この機能を有効又は無効とする前に,コンピュータは利用者に確認を可能にしな

ければならない。この対話ウィンドウは,アクセシビリティ設定モードを開く選択肢も提供しなけれ

ばならない。 

d) 利用者は,右Shiftキーを8秒間押下した後に現れる確認対話ウィンドウが現れないように(又は再び

現れるように)できなければならない。確認対話ウィンドウは,省略時は有効でなければならない。

無効化された場合,スローキーは右Shiftキーを8秒間押下した後,対話ウィンドウが開かれることな

しに有効又は無効に切り替わる。 

e) 利用者は,スローキーを有効又は無効にするためのキーボードショートカット(右Shiftキーを8秒間

押下すること)を無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望まし

い。 

f) 

“スローキー オン”と発話することによって,利用者がスローキーを有効にできるようにすること

が望ましい。“スローキー オフ”と発話することによって,利用者がスローキーを無効にできるよう

にすることが望ましい。 

注記2 発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音声命令は,利用者が“コンピュータ

…”のようなキーワードから始めることによって,開始される。 

g) コンピュータは,スローキーが有効又は無効となった場合に,視覚へのフィードバックを提供するこ

とが望ましい。視覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,視覚へのフィードバックを無効

化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記3 視覚へのフィードバックは,スローキーが有効であるときに,状態指標を表示することを

含む。 

h) コンピュータは,キーボードショートカットによってスローキーが有効又は無効となった場合に,聴

覚へのフィードバックを提供することが望ましい。聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者

は聴覚へのフィードバックを無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であるこ

とが望ましい。 

注記4 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

例1 キーボードショートカットによってスローキーが有効となった場合,意図しないShiftキーの

押下継続を避けるために5秒後に2回ビープ音を発し,8秒後にスローキーが有効となった

ことを示すために低音から高音へ変化する音を発する。キーボードショートカットによって

スローキーが無効となった場合は,高音から低音へ変化する音を発する(ISO 9241-171:2008

の附属書E参照)。 

i) 

スローキーは,コンピュータの再起動時には無効にならなければならない。 

注記5 スローキーは,起動時に無効としておく。キーボードが壊れているように見えるからであ

る。 

11 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

j) 

スローキーが有効なとき,キーがスローキー受理時間を超えて押下されていない限り,いかなるキー

押下も受け付けてはならない。 

k) 最初にキーが押下されたとき(スローキー受理時間の開始時点において)及びキー押下が受理された

とき(スローキー受理時間が経過した後),聴覚へのフィードバックが提供されることが望ましい。利

用者は,聴覚へのフィードバックを無効化(及び再有効化)できることが望ましい。省略時は有効で

あることが望ましい。 

注記6 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

例2 最初にキーが押下されたときの警告は高い音,キーの押下が受理されたときの警告は低い音

を発する(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

l) 

コンピュータは,利用者が,省略時は0.75秒のスローキー受理時間を最低0.5〜2.0秒の範囲で調節で

きるようにしなければならない。 

5.2.3 

バウンスキー 

コンピュータがバウンスキーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) バウンスキーの省略時設定は,無効でなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定からバウンスキーを有効又は無効にできるようにしなけれ

ばならない。 

注記1 4.10の注記2参照。 

c) 右Shiftキーを8秒間押下することで,バウンスキーの有効又は無効の切替えを利用者ができるように

しなければならない。この機能を有効又は無効とする前に,コンピュータは利用者に確認を可能とす

ることが望ましい。この対話ウィンドウは,アクセシビリティ設定モードを開く選択肢も提供しなけ

ればならない。 

注記2 スローキーのショートカット及びバウンスキーのショートカットが両方とも有効である

場合,Shiftキーを8秒間押下することで両方が起動してしまう。両方が起動した場合,そ

の本質上,通常はスローキーが機能する。バウンスキーの機能だけを望むなら,システム

設定でスローキーのショートカットを無効にする。 

d) 利用者は,右Shiftキーを8秒間押下した後に現れる確認対話ウィンドウが現れないように(又は再び

現れるように)できなければならない。確認対話ウィンドウは,省略時は有効であることが望ましい。

無効化された場合,バウンスキーは右Shiftキーを8秒間押下した後,対話ウィンドウが開かれること

なしに有効又は無効に切り替わる。 

e) 利用者は,バウンスキーを有効又は無効にするためのキーボードショートカット(右Shiftキーを8

秒間押下すること)を無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は無効であることが望

ましい。 

f) 

“バウンスキー オン”と発話することによって,利用者がバウンスキーを有効にできるようにする

ことが望ましい。“バウンスキー オフ”と発話することによって,利用者がバウンスキーを無効にで

きるようにすることが望ましい。 

注記3 発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音声命令は,利用者が“コンピュータ

…”のようなキーワードから始めることによって,開始される。 

g) コンピュータは,バウンスキーが有効又は無効となった場合に,視覚へのフィードバックを提供する

ことが望ましい。視覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,視覚へのフィードバックを無

効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

12 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記4 視覚へのフィードバックは,バウンスキーが有効であるときに,状態指標を表示すること

を含む。 

h) コンピュータは,キーボードショートカットによってバウンスキーが有効又は無効となった場合に,

聴覚へのフィードバックを提供することが望ましい。聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用

者は聴覚へのフィードバックを無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効である

ことが望ましい。 

注記5 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

例 キーボードショートカットによってバウンスキーが有効となった場合,意図しないShiftキーの

押下継続を避けるために5秒後に2回ビープ音を発し,8秒後にバウンスキーが有効となった

ことを示すために低音から高音へ変化する音を発する。キーボードショートカットによってバ

ウンスキーが無効となった場合は,高音から低音へ変化する音を発する。 

i) 

利用者設定の受理拒否時間が0.35秒を超える場合は,バウンスキーはコンピュータの再起動時には無

効にならなければならない。 

注記6 受理拒否時間の長いバウンスキーは,起動時に無効としておく。キーボードが壊れている

ように見えるからである。 

j) 

バウンスキーが有効なとき,同じキーのいかなる追加押下も,キー押下の時間間隔がバウンスキー受

理拒否時間より短い場合は無視されなければならない。 

注記7 利用者は,通常どおり最大の速さで打鍵することができる。いかなるキーの多重押下も無

視される。同じ行に二つ同じ文字を打ちたい場合は,利用者はただキーを押下する間の短

い時間(受理拒否時間より長い時間)待てばよい。 

k) 同じキーの素早い繰返しが理由でキー押下が無視された場合,コンピュータは聴覚へのフィードバッ

クを提供することが望ましい。聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,聴覚へのフィー

ドバックを無効化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記8 同じキーの素早い繰返しが理由でキー押下が無視されたことを利用者に警告する場合は,

高い音を発する。 

l) 

コンピュータは,利用者が,省略時は0.5秒のバウンスキー遅延時間を最低0.2〜1.0秒の範囲で調節

できるようにしなければならない。 

5.2.4 

フィルタキー 

コンピュータがフィルタキーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

フィルタキーは,スローキーとバウンスキーとの組合せとして実装されなければならない。スローキー

(5.2.2)及びバウンスキー(5.2.3)で規定する全ての要求事項及び推奨事項を適用する。 

5.2.5 

マウスキー 

コンピュータがマウスキーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

注記1 マウスキーは,コンピュータが数字キーパッドをもっている場合にだけ動作する。ただし,

コンピュータは,別のキーで数字キーパッドを模擬できるキーボードをもっているか,分

離したキーパッドを接続できる場合がある。 

a) マウスキーの省略時設定は,無効であることが望ましい。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定からマウスキーを有効又は無効にできるようにしなければ

ならない。 

注記2 4.10の注記2参照。 

13 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 左Shift−左Alt−NumLockのキー組合せで,マウスキーの有効又は無効の切替えを利用者が設定でき

ることが望ましい(切替式)。 

d) Altキーを連続して5回押下することでマウスキーの有効又は無効の切替えを利用者が設定できるこ

とが望ましい(切替式)。 

e) 利用者は,マウスキーを有効又は無効にするためのキーボードショートカット(左Shift−左Alt−

NumLock)を無効化(及び再有効化)できることが望ましい。省略時は有効が望ましい。 

f) 

“マウスキー オン”と発話することによって,利用者がマウスキーを有効にできるようにすること

が望ましい。“マウスキー オフ”と発話することによって,利用者がマウスキーを無効にできるよう

にすることが望ましい。 

注記3 発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音声命令は,利用者が“コンピュータ

…”のようなキーワードから始めることによって,開始される。 

g) マウスキーが有効な場合,NumLockキーは,マウスキー操作と,数字キーパッドの標準的モード(数

字入力又はキーナビゲーションのいずれか)とを切り替えることが望ましい。 

h) コンピュータは,利用者が,NumLockが有効又は無効いずれかのときにマウスキーを起動するのかを

選べるようにすることが望ましい。初期設定では,NumLockが有効なときがマウスキー起動であるこ

とが望ましい。 

注記4 NumLockが有効な状態でマウスキーを起動する場合,NumLockキーは,マウスポインタ

ナビゲーション(マウスキー)とキーナビゲーションとを切り替える。NumLockが無効な

状態でマウスキーを起動する場合,マウスポインタナビゲーション(マウスキー)と数値

入力とを切り替える。 

i) 

コンピュータは,マウスキーが有効又は無効となった場合に,視覚へのフィードバックを提供するこ

とが望ましい。利用者は,視覚へのフィードバックを無効化(及び再有効化)できなければならない。

省略時は有効であることが望ましい。 

注記5 視覚へのフィードバックは,マウスキーが有効となった場合の状態表示,押下されたキー

の画面表示などが含まれる。 

j) 

コンピュータは,マウスキーが有効又は無効となった場合に,聴覚へのフィードバックを提供するこ

とが望ましい。聴覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,聴覚へのフィードバックを無効

化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効でなければならない。 

注記6 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。マウスキー

が有効となったことを示すために,低音から高音へ変化する音を発する。マウスキーが無

効となった場合は,高音から低音へ変化する音を発する(ISO 9241-171:2008の附属書E

参照)。 

k) マウスキーが有効であり,キーの押下が開放された場合は,表1に示す数字キーパッドによって,マ

ウスポインタが1ピクセル動かなければならない。キーの押下が継続された場合は,ピクセルのステ

ップが繰り返し増加しなければならない(繰返しは省略時設定で0.5秒ごと)。移動の方向は,表1の

とおりでなければならない。 

background image

14 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−マウスキーにおけるマウスポインタの動き 

数字キーパッド 

マウスポインタの動き 

左下へ 

下へ 

右下へ 

左へ 

右へ 

左上へ 

上へ 

右上へ 

l) 

マウスキーが有効であって,Ctrlキーが押下された場合,表1に示されたキーは,1ピクセルではな

く20ピクセルのジャンプを起こすことが望ましい。既に加速中の場合は,通常のステップの20倍と

なることが望ましい。 

m) マウスキーが有効であって,Shiftキーが押下された場合,表1に示されたキーは,どんなにキーが長

く押下されていても,加速することなく一定の動きを続ける(毎回1ピクセル)ことが望ましい。 

n) コンピュータは,利用者が数字キーパッドを押下するときに,次のパラメタを調節できるようにしな

ければならない:繰返し頻度(秒),加速率,最大マウスポインタ速度(キーを長時間押下し続けた場

合に最大1ステップ当たり何ピクセルとなるか)。 

o) マウスキーが有効な場合,表2に示す数字キーパッド(数字キーパッドで可能であれば)は,操作の

対象とするマウスボタンを選択できることが望ましい。表3に示す数字キーパッドは,表2及び表3

で規定するとおりマウスボタンを操作できなければならない。 

表2−マウスキー−操作すべきマウスボタンの選択 

数字キーパッド 

マウスボタン選択 

表3に示すキー操作対象として左マウスボタンを選択 

・ 中央マウスボタンがあるシステムの場合:表3に

示すキー操作対象として中央マウスボタンを選択 

・ 中央マウスボタンがないシステムの場合:表3に

示すキー操作対象として左右両方のマウスボタン
を選択 

表3に示すキー操作対象として右マウスボタンを選択 

表3−マウスキー−選択されたマウスボタンによる操作 

数字キーパッド 

選択されたマウスボタンによる操作 

選択されたマウスボタンをクリック 

選択されたマウスボタンをダブルクリック 

選択されたマウスボタンを押下してロック 

選択されたマウスボタンをロック解除 

p) マウスキーが有効な場合,表2に示す数字キーパッド上のキーがまだ押下されていないとき,数字キ

ーパッドの“5”の押下は,左マウスボタンの操作となり,“5”及びCtrl,又は“5”及びTabキーの

組合せは,右マウスボタンの操作となることが望ましい。 

15 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

q) コンピュータは,現在選択されているマウスボタンについて,視覚へのフィードバックを提供するこ

とが望ましい。視覚へのフィードバックが可能な場合は,利用者は,視覚へのフィードバックを無効

化(及び再有効化)できなければならない。省略時は有効であることが望ましい。 

注記7 視覚へのフィードバックは,選択されたマウスボタンの画面表示などが含まれる。 

5.2.6 

リピートキー 

コンピュータがリピートキーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) リピートキーの省略時設定は,無効であることが望ましい。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定からリピートキーを有効又は無効にできるようにしなけれ

ばならない。 

注記 4.10の注記2参照。 

c) コンピュータは,利用者が,繰返し開始遅延時間を2秒を下回らない範囲内で調節できるようにしな

ければならない。 

d) コンピュータは,利用者が,繰返し間隔時間を2秒を下回らない範囲内で調節できるようにしなけれ

ばならない。 

5.2.7 

切替えキー 

コンピュータが切替えキーを実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) 切替えキーの省略時設定は,無効であることが望ましい。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定から切替えキーを有効又は無効にできるようにしなければ

ならない。 

注記 4.10の注記2参照。 

c) 切替えキーが有効の場合,2状態交互切替え(toggle)キーがロック又はロック解除された場合,聴覚

へのフィードバックが提供されることが望ましい。 

例 2状態交互切替え(toggle)キーがロックされた場合は高音,ロック解除された場合は低音を発

する(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 

5.2.8 

サウンド表示 

コンピュータがサウンド表示を実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) サウンド表示の省略時設定は,無効であることが望ましい。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定からサウンド表示を有効又は無効にできるようにしなけれ

ばならない。 

注記1 4.10の注記2参照。 

c) サウンド表示が有効の場合,コンピュータが音を発したときは,視覚へのフィードバックが提供され

ることが望ましい。 

注記2 視覚へのフィードバックの形式:画面上のアイコンのフラッシュ,画面全体のフラッシュ,

ウィンドウ枠のフラッシュ及びデスクトップのフラッシュ(ISO 9241-171:2008の附属書E

参照)。 

d) コンピュータは,利用者が,視覚へのフィードバックの形式を選べるようにしなければならない。 

5.2.9 

サウンド解説 

コンピュータがサウンド解説を実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) サウンド解説の省略時設定は,無効であることが望ましい。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定からサウンド解説を有効又は無効にできるようにしなけれ

16 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ばならない。 

注記 4.10の注記2参照。 

c) コンピュータは,アプリケーションがサウンド解説の設定を読めるようにしなければならない。 

5.2.10 一定時間後無効機能 

コンピュータが一定時間後無効機能を実装している場合,次に掲げる要求事項及び推奨事項を適用する。 

a) 一定時間後無効機能の省略時設定は,無効であることが望ましい。 

b) コンピュータは,利用者が,システム設定から一定時間後無効機能を有効又は無効にできるようにし

なければならない。 

注記1 4.10の注記2参照。 

c) 一定時間後無効機能が有効な場合,キーボード及びマウスの操作がない一定時間が経過した後,次の

機能が自動的に停止しなければならない:固定キー,スローキー,バウンスキー,フィルタキー,マ

ウスキー,リピートキー,切替えキー,サウンド表示及びサウンド解説。 

d) コンピュータは,利用者が,機能が停止するまでの時間を30分を下回らない範囲内で調節できるよう

にしなければならない。機能が停止するまでの時間は,省略時は10分であることが望ましい。 

注記2 一定時間後無効機能は,公共又は共同利用のコンピュータでの使用が典型例である。一定

時間後無効機能がアクセシビリティ機能を停止するとき,利用者に通知するとかえって迷

惑及び困惑を与える可能性があるため,利用者への通知はしない。 

5.2.11 画面キーボード 

コンピュータが画面キーボードの機能をもっている場合,次のことができるようにする。 

a) コンピュータは,利用者が,画面キーボードを有効又は無効にできるようにしなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,自動キー走査を有効又は無効にできるようにしなければならない。 

注記 自動キー走査は,選択するキーの候補を画面キーボード上のキー配列の順番に自動的に提示

する機能である。この機能を利用すると,利用者は,自分が選択したいキーが提示されたと

きに合図(例えば,ポインティングデバイスのボタンを押下するなど)すれば,そのキーを

押下したのと同じ結果が得られる。この機能は,利用者が,画面キーボード上の選択したい

キーの位置をポインティングデバイスで指し示すことができない場合に有効である。 

5.2.12 音声操作 

コンピュータが音声操作の機能をもっている場合,次の設定ができなければならない。 

a) コンピュータは,利用者が,音声操作を有効又は無効にできるようにしなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,マイクロホンの感度を調節できるようにしなければならない。 

c) コンピュータは,利用者が,音声命令の開始の合図を選択できるようにしなければならない。 

注記 音声命令の開始の合図とは,キーワード(“コンピュータ”など),利用者が定義したショー

トカットキーなどを含む。 

5.2.13 視覚情報の調節 

コンピュータが視覚情報の調節の機能をもっている場合,次のことができるようにする。 

a) コンピュータは,利用者が,画面拡大を有効又は無効にできるようにしなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,画面拡大率を調節できるようにしなければならない。 

c) コンピュータは,利用者が,ポインティングデバイスの動きに対する色々な画面の動きを選択できる

ようにしなければならない。 

d) コンピュータは,利用者が,画面の色調を反転できるようにしなければならない。 

17 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) コンピュータは,利用者が,グレースケール,高コントラスト又は白黒画面を選択できるようにしな

ければならない。 

f) 

コンピュータは,利用者が,画面のコントラストを調節できるようにしなければならない。 

g) “オペレーティングシステムに特化したコマンドを起動するためのキー”−Alt−Ctrl−“*”キーの組

合せを押下することによって,色調反転を有効又は無効にできることが望ましい。 

h) “オペレーティングシステムに特化したコマンドを起動するためのキー”−Alt−“*”キーの組合せ

を押下することによって,それぞれ画面拡大を有効又は無効にできることが望ましい。 

i) 

“オペレーティングシステムに特化したコマンドを起動するためのキー”−Alt−“+”又は“-”キー

の組合せを押下することによって,それぞれ画面を拡大又は縮小できることが望ましい。 

j) 

コンピュータは,利用者が,h) 及びi) で規定した画面拡大の制御のショートカットを受け付けるこ

とを有効又は無効にできるようにすることが望ましい。 

k) “オペレーティングシステムに特化したコマンドを起動するためのキー”−Alt−Ctrl−“,”又は“.”

キーの組合せを押下することによって,それぞれ画面のコントラストを増加又は減少できることが望

ましい。 

l) 

Alt−Shift−PrintScreenキーの組合せを押下することによって,高コントラストモードを有効又は無効

にできることが望ましい。 

m) コンピュータは,利用者が,k) 及びl) で規定した画面コントラストの制御のショートカットを受け

付けることを有効又は無効にできるようにすることが望ましい。 

n) コンピュータは,利用者が,前面色(例えば文字の色)及び背景色の組合せを選択できるようにする

ことが望ましい。 

o) “反転 オン”又は“反転 オフ”と発話することによって,色調反転を有効又は無効にできること

が望ましい。 

p) “ズーム オン”又は“ズーム オフ”と発話することによって,画面拡大を有効又は無効にできる

ことが望ましい。 

q) “ズーム イン”又は“ズーム アウト”と発話することによって,画面を拡大又は縮小できること

が望ましい。 

r) “コントラスト オン”又は“コントラスト オフ”と発話することによって,高コントラストモー

ドを有効又は無効にできることが望ましい。 

s) 

“コントラスト アップ”又は“コントラスト ダウン”と発話することによって,コントラストを

増加又は減少できることが望ましい。 

注記1 c) において,色々な画面の動きとは,“ポインタと一緒にスクロールする”,“ポインタが

画面の端に来たときだけスクロールする”などである。 

注記2 Altキーは,Optionキーとも呼ばれることがある。“オペレーティングシステムに特化した

コマンドを起動するためのキー”の名前は,Windowsシステムにおいては“ウィンドウズ

ロゴ”,Apple Macintoshシステムにおいては“コマンド”という。修飾キーの名称は,オ

ペレーティングシステムによって異なる。 

注記3 g)〜i) において,“*”,“+”及び“-”は,別のキーに置き換えることができる。例えば,

“+”は“^”に,“*”は“8”に置き換え可能である。 

注記4 l) について,キーボードによってはPrintScreenキーがないものもある。 

注記5 o) からs) までは音声操作である。発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音

18 

X 8341-7:2011 (ISO/IEC 24786:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

声命令は,利用者が“コンピュータ…”のようなキーワードから始めることによって,開

始される。 

5.2.14 画面読み上げ機構 

コンピュータが画面読み上げの機能をもっている場合,次のことをできるようにする。 

a) コンピュータは,利用者が,画面読み上げ機構を有効又は無効にできるようにしなければならない。 

b) コンピュータは,利用者が,色々な音声の種類を選択できるようにしなければならない。 

c) コンピュータは,利用者が,読み上げ速度を調節できるようにしなければならない。 

d) “オペレーティングシステムに特化したコマンドを起動するためのキー”−F5キーの組合せを押下す

ることによって,画面読み上げ機構を有効又は無効にできることが望ましい。 

e) コンピュータは,利用者が,d) で規定した画面読み上げの制御のショートカットを受け付けることを

有効又は無効にできるようにすることが望ましい。 

f) 

“読み上げ オン”又は“読み上げ オフ”と発話することによって,画面読み上げ機構を有効又は

無効にできることが望ましい。 

注記1 b) において,色々な音声の種類とは,男性の声,女性の声,高いピッチ,低いピッチなど

である。 

注記2 d) において,オペレーティングシステムに特化したコマンドを起動するためのキーの名前

は,Windowsシステムにおいては“ウィンドウズロゴ”,Apple Macintoshシステムにおい

ては“コマンド”という。修飾キーの名称は,オペレーティングシステムによって異なる。 

注記3 f) は音声操作である。発話の言葉は,各国の自然言語に置き換えてよい。音声命令は,利

用者が“コンピュータ…”のようなキーワードから始めることによって,開始される。 

5.2.15 聴覚へのフィードバック 

コンピュータが聴覚へのフィードバックの機能をもっている場合,コンピュータは,利用者が,聴覚へ

のフィードバックを有効又は無効にできるようにしなければならない。 

注記 聴覚へのフィードバックとしては,ビープ音,クリック音などが利用される。 

5.2.16 視覚へのフィードバック 

コンピュータが視覚へのフィードバックの機能をもっている場合,コンピュータは,利用者が,視覚へ

のフィードバックを有効又は無効にできるようにしなければならない。 

5.3 

アクセシビリティ機能へアクセスするためのショートカット 

アクセシビリティ機能へアクセスするためのショートカットに対する要求事項は,次のとおりである。 

a) アクセシビリティ機能がショートカットによって有効となった場合,コンピュータは,アクセシブル

な方法で利用者にアクセシビリティ機能が有効となったことを通知しなければならない。 

b) アプリケーションソフトウェアは,5.1及び5.2で規定しているショートカットを他の目的で使用して

はならない。