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X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

(1) 

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,

財団法人日本測量調査技術協会 (APA) から,

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経

済産業大臣・国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 19105 : 2000 (Geographic information

−Conformance and testing)  を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣・国土交通大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS X 7105

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  適合性の箇条

附属書 B(参考)  支持組織

附属書 C(参考)  参考文献


X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  適合性

2

2.1

  適合性要件

2

2.2

  抽象試験項目群

2

3.

  定義

2

4.

  略号

4

5.

  適合性の一般的枠組み

4

5.1

  一般

4

5.2

  適合性の箇条

4

5.3

  適合性要件

4

5.4

  実装適合性宣言

5

5.5

  適合実装

5

6.

  適合性試験の方法論

5

6.1

  一般

5

6.2

  適合性試験の種類

5

6.3

  試験用実装補助情報

6

6.4

  適合性評価

6

6.5

  適合性評価過程に必要な性質

8

7.

  試験方法

9

7.1

  一般

9

7.2

  適合性試験のための手法

9

7.3

  適合性試験のための地理情報の領域

10

8.

  抽象試験項目群及び実行可能試験項目群

10

8.1

  一般

10

8.2

  試験目的

11

8.3

  抽象試験項目

11

8.4

  実行可能試験項目

11

8.5

  抽象試験項目と実行可能試験項目との関係

11

附属書 A(規定)  適合性の箇条

12

附属書 B(参考)  支持組織

16

附属書 C(参考)  参考文献

18


日本工業規格

JIS

 X

7105

 : 2001

 (ISO

19105

 : 2000

)

地理情報−適合性及び試験

Geographic information

−Conformance and testing

序文  この規格は,2000 年に第 1 版として発行された ISO 19105 (Geographic information−Conformance and

testing)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。この規

格は,ISO/TC211 が関与する種々の地理情報規格を基とした日本工業規格(以下,地理情報規格群という。

の一つである。地理情報規格群は,地球上の位置と直接的又は間接的に関連づけられたオブジェクト又は

現象に関する情報処理技術のための標準であり,河川,道路などに関する様々なデータを電子化し,各種

情報処理の高度化・効率化に適用される。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ISO/TC211 が関与する種々の地理情報規格を基とした日本工業規格(以下,

地理情報規格群という。

)への適合を宣言するために必要な試験及び基準のための枠組み,概念,並びに方

法論を規定する。また,この規格は,抽象試験項目群(以下,ATS という。

)を規定する枠組み及び適合

性試験中に従わなければならない手続の枠組みを規定する。データ,ソフトウェア製品,サービス,若し

くは,プロファイル又は実用標準を含む仕様に対して適合性を要求することができる。

参考  実用標準とは,複数の国で現在利用されている地理情報交換のための標準(ISO/TC211 が関与

する種々の地理情報規格及びそれらを基とした規格を除く。

。詳細は,ISO 19120 による。

地理情報規格群への適合を宣言するための試験方法及び適合性の基準を標準化することによって,これ

らの規格への適合性の検証ができるようになる。地理情報の利用者がデータ交換及びデータ共有を達成す

るためには,適合性を検証できることが重要となる。

この規格は,適合性試験の過程で種々の異なる段階に適用できる。これらの段階は,次に示す主要な活

動によって特徴づけられる。

a)

地理情報規格群における ATS の定義。

b)

地理情報規格群における試験方法の定義。

c)

特定の依頼者のために試験機関で行われる適合性評価過程。最終成果は,適合性試験報告書。

この規格は,地理情報規格群のための適合性試験において従わなければならない要件を規定するととも

に,その手続のための指針を与える。この規格は,次の目的を満足するために必要な情報だけを含む。

a)

適合性の指針となるように,適切な水準の試験の信頼性を確保する。

b)

異なる場所で異なるときに行われた同じ試験の結果が,相互に比較できるようにする。

c)

a)

及び b)に示す諸活動に責任をもつ機関間の連携を容易にする。

この規格は,認証の枠組み(適合性試験における管理運用上の手続)についての情報を

附属書 に示す。

次の事項は,この規格の適用範囲外とする。

a)

調達上及び契約上の要件に関する事項。


2

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

b)

特定の応用又はシステムに固有の試験方法による試験。

c)

受入れ試験,性能試験及び頑健性試験。

この規格で定める枠組みは,実行可能試験項目群(以下,ETS という。

)の概念を含む。ETS は,その

性質上標準化できない。したがって,ETS の標準化は,この規格の適用範囲外とする。

備考  この規格の対応国際規格を次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 19105 : 2000

  Geographic information−Conformance and testing (IDT)

2.

適合性

2.1

適合性要件  この規格は,クラス A 及びクラス B の二つの適合性クラスを定義する。クラス A は,

仕様(プロファイル及び実用標準を含む。

)が全体として地理情報規格群に適合するかどうかを規定する。

クラス B は,この規格で定義する適合性の箇条に求められる要件を規定する。クラス A に加え,プロファ

イルのための更なる適合性要件は,ISO 19106 による。

備考  適合性の箇条についての要件は,附属書 で定義する。

2.2

抽象試験項目群

2.2.1

適合性クラス のための試験項目

a)

試験目的  その仕様又はプロファイルが地理情報規格群に適合していることを検証する。

b)

試験方法  地理情報規格群への適合を宣言するすべての仕様(プロファイル及び実用標準を含む。)が,

適合性の箇条をもつかどうかを検査する。その適合性の箇条(

附属書 参照)は,地理情報規格群の

いかなる規格とも矛盾してはならない。その適合性試験は,この規格の 6.に従い実行されなければな

らない。その試験方法は,この規格の 7.によっていなければならない。

c)

参照  JIS X 7105(地理情報−適合性及び試験)

d)

試験種類  機能試験

2.2.2

適合性クラス のための試験項目

a)

試験目的  適合性の箇条が正しい形式で書かれているかどうかを検証する。

b)

試験方法  適合性の箇条がこの規格の附属書 に従って書かれているかどうかを手動で検査する。

c)

参照  JIS X 7105 : 2001  附属書 A

d)

試験種類  機能試験

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

抽象試験項目  (abstract test case)    特定の要件のために作成された試験。

備考  抽象試験項目は,実行可能試験項目を導き出すための基礎として用いられる。抽象試験項目は,

一つ以上の試験目的を含む。抽象試験項目は,実装及び値の両方から独立している。観測可能

なすべての試験結果(試験中の一連の出力)に対して,あいまい性がなく試験判定を下すこと

ができるという意味で,抽象試験項目は,完全であることが望ましい。

3.2

抽象試験方法 (abstract test method)   特定の試験手続から独立した実装の試験の方法。

3.3

抽象試験モジュール  (abstract test module)    関係する抽象試験項目の集合。

備考  抽象試験モジュールは,階層的な方法で,入れ子になってもよい。


3

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

3.4

抽象試験項目群,ATS (abstract test suite)    満たされなければならないすべての要件を規定する抽象

試験モジュール。

備考  抽象試験項目群は,適合性の箇条において記述する。

3.5

受入試験 (acceptance testing)   ある実装が利用者の受入基準を満たすかどうかを決定し,利用者が

それを受け入れるかどうかを判断するための試験。

備考1.  受入試験には,実装が利用者の要求を満たしていることを立証するための,種々の試験(機

能性試験,数量試験,性能試験など)の計画及び実行が含まれる。

2.

受入試験は,適合性試験の一部ではない。

3.6

基本試験 (basic test)   明らかな不適合のケースを識別するために実施する最初の機能試験。

3.7

機能試験 (capability test)   試験対象  (IUT : implementation under test)  が試験目的の記述どおりに規

格の特定の性質に適合するかどうかを決定するための試験。

3.8

適合,適合性 (conformance)   規定された要件をすべて満足すること。

3.9

適合性評価過程  (conformance assessment process)    ある規格への実装の適合性を評価する過程。

3.10

適合性の箇条 (conformance clause)   規格の要件を満たすために必要なことを示した箇条。

3.11

適合性試験 (conformance testing)   製品の実装の適合の度合を決めるために,その製品に対して行

う試験。

3.12

適合性試験報告書 (conformance test report)   規格への適合の全体概要報告及びその全体概要の基

となる試験結果の詳細報告。

3.13

適合実装 (conforming implementation)   適合性要件を満たしている実装。

3.14

実行可能試験項目  (executable test case)    特定の要件を満たす実装に固有の試験。

備考  抽象試験項目に値を入れて具体化したもの。

3.15

実行可能試験項目群,ETS (executable test suite)    実行可能試験項目の集合。

3.16

不合格判定 (fail verdict)   不適合と報告された試験判定。

備考  不適合とは,試験目的に適合しないか又は適切な規格の少なくとも一つの適合性要件に適合し

ないことである。

3.17

不具合試験 (falsification test)   実装の誤りを見つけるための試験方法。

備考  誤りが見つかった場合には,その実装は規格に適合しないと正しく結論できるが,誤りが見つ

からない場合は,必ずしも規格と適合していることを意味しない。不具合試験は,不適合の論

証だけをすることができる。検証試験と比較のこと。技術的及び経済的な問題から,たいてい

の場合,適合性試験のための試験方法として,不具合試験を採用する。

3.18

実装 (implementation)   仕様を具現化したもの。

備考  地理情報規格群の関係では,実装は,地理情報サービスの仕様及びデータ集合の仕様を含む。

3.19

実装適合性宣言,ICS (implementation conformance statement)    実装された仕様の任意選択要件に

ついて記述したもの。

3.20

試験用実装補助情報,IXIT (implementation extra information for testing)    試験機関が,ある試験対

象 (IUT) に対して適切な試験項目群を実施するのに必要とする IUT 及びその IUT に対応する試験対象シ

ステム (SUT) に関係するすべての情報を記述したもの。

備考  一般的に IXIT は,SUT 内での概念の構成及び配置を詳細に提供する。また,同様に SUT への

アクセス手段及び SUT の変更手段の詳細も提供する。


4

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

3.21

不確定判定 (inconclusive verdict)   観測された試験結果では合格とも不合格とも判定できない場合

に与えられる試験の判定。

3.22

不適合,不適合性 (non-conformance)   規定された要件に,一つ以上適合しないこと。

3.23

合格判定 (pass verdict)   適合と報告された試験判定。

3.24

性能試験 (performance testing)   処理能力,応答性など,種々の条件下での試験対象 (IUT) の性能

上の特性を測定する試験。

備考  性能試験は,適合性試験の一部ではない。

3.25

頑健性試験 (robustness testing)   試験対象 (IUT) が,誤りを含むデータをいかに適切に処理するか

を決める試験。

備考  頑健性試験は,適合性試験の一部ではない。

3.26

試験対象システム,SUT (system under test)    試験対象 (IUT) を支援するために必要な計算機のハ

ードウェア,ソフトウェア及び通信網。

3.27

試験機関 (testing laboratory)   適合性評価過程を実施する組織。

3.28

検証試験 (verification test)   試験対象 (IUT) が正しいかどうかを証明するために開発された試験。

4.

略号  この規格で用いる略号を,次に示す。

ATS

:抽象試験項目群  (abstract test suite)

ETS

:実行可能試験項目群  (executable test suite)

ICS

:実装適合性宣言  (implementation conformance statement)

IUT

:試験対象  (implementation under test)

IXIT

:試験用実装補助情報  (implementation extra information for testing)

SUT

:試験対象システム (system under test)

5.

適合性の一般的枠組み

5.1

一般  地理情報規格群では,ある実装が地理情報規格群のうちの適用可能な規格の適合性要件を満

たしている場合に,その実装は,適合しているとみなす。適合性要件は,それぞれの規格の適合性の箇条

で規定する。

5.2

適合性の箇条  地理情報規格群のすべての試験可能な規格は,適合性の箇条を含む。この箇条は,

その規格への適合を宣言するために満たさなければならないすべての要件を規定する。適合性の箇条は,

適合性試験の入口としての役割を果たす。

適合性の箇条に関する要件は,

附属書 による。

5.3

適合性要件  適合性要件は,次のとおりに分類できる。

a)

必す(須)要件  すべての場合に,遵守しなければならない要件。

b)

条件付き要件  仕様で定めた条件に該当する場合には,遵守しなければならない要件。

c)

任意選択要件  任意選択機能に適用可能な要件がある場合には,実装に合わせて選択できる要件。

さらに,適合性要件は,次のとおりに記述できる。

a)

肯定形  しなければならないことを記述する。

b)

否定形  してはならないことを記述する。

プロファイルのような規格の部分集合に特定な一組の任意選択要件を扱うため,適合性クラスを設けて

もよい(

附属書 参照)。


5

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

5.4

実装適合性宣言  特定の実装の適合性を評価するためには,任意選択機能のうちどれが実装された

機能かに関する記述がなければならない。これによって,実装された機能に関する要件についてだけ適合

性を試験できるようになる。このような記述は,実装適合性宣言(以下,ICS という。

)と呼ばれる。機能

は,地理情報規格群の規定する枠組みの範ちゅう(疇)で記述しなければならない。これらの機能には,

地理情報規格群の規定する枠組みを超えるものを含んでいてはならない。

この記述は,試験機関が適合性評価過程において,試験対象システム(以下,SUT という。

)をよく理

解するため及び試験項目を識別するために役立つ。

この記述は,実装適合性宣言 (ICS) 様式を用いて自分で作成してもよく,試験機関が提供してもよい。

ICS

様式とは,適合性試験を受けるのに必要な SUT の機能を文書化するために,用いる質問形式の文書と

する。

ICS

についての詳細は,ISO/IEC 9646-1ISO/IEC 9646-2,及び ISO/IEC 9646-5 並びに JIS B 3700-31 

よる。

5.5

適合実装  適合実装は,ICS に合致し,地理情報規格群の適用可能な規格の適合性要件を満たさなけ

ればならない。このような実装は,ICS 中に実装によって実現可能にしていると記述する任意選択要件も

含め,すべての対象となる試験に合格していなければならない。地理情報規格群の規格で記述されていな

い追加された機能については,それらが規格で明白に禁止されていなければ,実現可能としてもよい。

6.

適合性試験の方法論

6.1

一般  ここで,適合性試験の方法論,用いられる色々な種類の適合性試験及び依頼者によって試験

機関に提供されなければならない付加的な情報について規定する。

6.2

適合性試験の種類

6.2.1

一般  適合性試験は,試験対象の実装が関連する地理情報規格で規定された要件に適合しているか

どうかを定めることを目的とする。適合性の度合を示す程度に応じて,次の 2 種類の試験に区別する。

a)

基本試験  この試験によって,IUT が適合していることの予備的な証拠が得られる。標準の抽象試験

項目群 (ATS) で基本試験を採用することにした場合には,この試験は,適合性評価過程の最初に用い

なければならない。どの試験が基本試験であるかは,地理情報規格群の各規格で定められている(

1

)

(

1

)

これらの基本試験のための実行可能試験項目を事前に入手して,試験機関への基本試験及び機

能試験の申請に先立って,自らそのシステムを試験してもよい(社内事前試験)

。社内事前試験

を機能試験について行ってもよいが,基本試験を対象とするほうがより適切である。

b)

機能試験  この試験は,試験対象 (IUT) の観察できる機能が実装適合性宣言 (ICS) に記述されてい

る機能に合致しているかどうかを検査する。この試験では,地理情報規格群の適切な規格に規定され

た適合性要件のすべての範囲について,包括的に試験を行う。どの試験が機能試験であるかは,地理

情報規格群の各規格で定められている。

適合性の箇条で与えられる抽象試験項目群 (ATS) は,基本試験として用いなければならない機能試験が

あるならば,それらを示す。ATS は,機能試験に付随する形の基本試験は含まない。単純な例では基本試

験を必要としなくてもよい。


6

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

6.2.2

基本試験  基本試験は,試験対象 (IUT) について全体を通して試験を行うのが適切であるかどう

かを判断するために限定的に行う。基本試験は,抽象形式又は実行可能形式のいずれでもよい。基本試験

は,機能試験を実行すべきかどうかを決断する前に,適合の程度を決定するために用いてもよい。基本試

験は,単純な機能試験とする。適合性の箇条は,どの試験項目を基本試験として用いてもよいかを識別す

ることが望ましい。

基本試験は,次の場合に用いなければならない。

a)

著しい不適合を検出する場合。

b)

機能試験を実行するかどうかを決めるための,前段階の試験とする場合。

基本試験は,次の場合に単独で用いてはならない。

a)

実装が適合しているかどうかを決める場合。

b)

欠陥の原因を決定し,その決定を保証する場合。

6.2.3

機能試験  機能試験は,抽象形式又は実行可能形式のいずれでもよい。機能試験では,規格に規定

した適合性要件のすべての範囲について,実装を実際に可能な限り全体を通して調べることが望ましい。

機能試験は,必すの機能及び試験対象 (IUT) が実現可能にしていると実装適合性宣言 (ICS) に記述され

ている任意選択機能を検査するために規定することが望ましい。

機能試験は,次の場合に用いなければならない。

a)

試験対象 (IUT) の機能が適合性要件と合致しているかどうかを検査する場合,すなわち,実装が適合

しているかどうかを決める場合。

b)

欠陥の原因を調べる場合。

機能試験は,次のいずれかの場合に用いてはならない。

a)

実装された個々の機能と関連している振舞いを,詳細に試験する場合。

b)

完全性を保証する場合。

抽象機能試験は,抽象試験項目群 (ATS) で定める。

6.3

試験用実装補助情報  実装を試験するために,試験機関は,試験対象 (IUT) 及び試験環境に関係す

る情報を必要とする。試験のために実装を提出する依頼者は,この情報を試験用実装補助情報 (IXIT) と

して提出しなければならない。IXIT は,IXIT 様式による質疑応答の過程で完成させてもよい。

試験用実装補助情報 (IXIT) は,次のものを含まなければならない。

a)

試験対象 (IUT) に対して適切な実行可能試験項目群 (ETS) を実施し,結果を分析できるように,試

験機関が必要とする IUT に関する情報。

b)

関係する実装適合性宣言 (ICS) に対する参照及び他の管理情報。

試験用実装補助情報 (IXIT) は,関係する実装適合性宣言 (ICS) と矛盾してはならない。矛盾点を除く

ために,無矛盾性検査が,試験の準備段階で行われなければならない。ICS は試験機関に試験領域を定め

るための情報を与えるが,IXIT は試験をどのように行うかの情報を与える。特に,IXIT は,試験対象シス

テム (SUT) 内での概念の構成及び配置,並びに SUT へのアクセス手段及び SUT の変更手段を詳細に提供

する。さらに,IXIT は,IUT の概念と規格との間の変換アルゴリズムを含む。一つの適合性評価過程に一

つの IXIT が存在しなければならない。

IXIT

についての詳細は,ISO/IEC 9646-1ISO/IEC 9646-2 及び ISO/IEC 9646-5 並びに JIS B 3700-31 

よる。

6.4

適合性評価


7

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

6.4.1

過程の概要  適合性評価過程は,関連するこの地理情報規格に対する実装の適合性を決定するため

に必要な適合性試験のすべての活動を含む。

適合性評価過程は,次の四つの段階からなる。

a)

試験の準備

b)

試験実施過程

c)

結果の解析

d)

適合性試験報告書

適合性評価過程を

図 に示す。

図 1  適合性評価過程の概要

6.4.2

試験の準備  試験の準備は,次の順序によって行うことが望ましい。

a)

管理情報の作成

b)

試験のための実装適合性宣言 (ICS) 及び試験用実装補助情報 (IXIT) の作成

c)

試験方法及び抽象試験項目群 (ATS) の確認

d) ICS

の確認,関連する適合性要件を考慮した ICS の分析

e)

相当する ICS に対する無矛盾性検査を含む IXIT の確認

f) ICS

及び IXIT を基にした,最初の抽象試験項目の選択及びパラメタ値の割当て

g)

試験対象システム (SUT) の準備

備考  これによって,試験実施過程で試験対象 (IUT) 試験をするのに先立って,依頼者が独自に,実

行可能試験項目を実行できるようになる。

h)

最終的な抽象試験項目の選択

実行可能試験項目群 (ETS) は,抽象試験項目の選択及びパラメタ値の割当て[f)及び h)の段階]の結果

として作成される。この時点で,試験対象 (IUT) 及び適合性評価過程の適用範囲は固定され,その後は変

更できない。これは,依頼者と試験機関との合意によって行われる。

6.4.3

試験実施過程  試験実施過程では,実行可能試験項目群 (ETS) を実行し,観測された試験結果,

その他の関連する情報を適合性ログに記録する。試験対象 (IUT) への入力及び試験項目の実行によって観

測された試験結果は,適合性ログに記録しなければならない。試験実施過程の間に IUT から得られるすべ

ての情報を記録及び保持することは,解析段階及び監査目的で必要不可欠となる。


8

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

6.4.4

結果の解析  結果の解析は,抽象試験項目に記述されている判定基準に照らして,観測された試験

結果を評価することによって行われなければならない。試験実施過程段階と解析段階とは明確な区分があ

るが,この二つの段階は時間的に重なってもよい。

試験判定は,合格,不合格又は不確定とする。合格及び不合格の二つは,一般的な判定であるが,まれ

に不確定の判定が出されることがある。不合格及び不確定の判定には,明確な理由を付けなければならな

い。さらに,参考となる情報を付けてもよい。

a)

“合格判定”とは,観測された試験の結果が,試験の目的である適合性要件に合致していることを証

明し,かつ,関連規格及び実装適合性宣言 (ICS) の観点から正しいことを示した場合に与えられる試

験の判定とする。

b)

“不合格判定”とは,関連規格の適合性要件の試験目的又は少なくとも一つの適合性要件に関し,観

測された試験結果が適合していないことを示した場合に与えられる試験の判定とする。

例  どのような理由にせよ,実行可能試験項目の実行が途中で終了するような異常終了。

c)

“不確定判定”とは,観測された試験結果では合格とも不合格とも判定できない場合に与えられる試

験の判定とする。不確定判定は,通常の状態では出さないことが望ましい。

例  試験項目の不備。

それぞれの試験結果に対して,その試験の目的に適切な判断基準を用いて試験判定を与えなくてはなら

ない。

与えられた試験判定は,適合性試験報告書の要約部に全体概要として記述しなければならない。

6.4.5

適合性試験報告書  適合性試験の結果は,適合性試験報告書中に文書化しなければならない。この

報告書は,要約部及び詳細部の 2 部から構成しなければならない。個々の適合性試験報告書は,定められ

た様式で作成されなければならない。要約部には,試験対象 (IUT) の適合状態の全体概要を書かなければ

ならない。この全体概要では,適合性評価過程で実行された複数の試験項目のそれぞれに与えられた判定

の概要を書かなければならない。詳細部では,実行可能試験項目の結果のすべてを,観測した試験結果を

含む適合性ログを含めて文書化しなければならない。さらに,詳細部では,当該規格のために実行した適

合性評価過程に関連するすべての必要な文書を参照しておかなければならない。

6.5

適合性評価過程に必要な性質

6.5.1

結果の再現  信頼性の高い適合性試験とするためには,与えられた試験対象システム (SUT) に実

行可能試験項目を実行した結果は,いつでも同じになることが望ましい。実行可能試験項目群 (ETS) を完

全に実行し,その試験結果が別の場所で試験した結果と全く同じであることが望ましい。

6.5.2

結果の比較  適合性試験では,試験対象 (IUT) の適合性に関する全体概要は,試験を行った試験

機関によって変わらないことが望ましい。

すなわち,

適合性試験に関するすべての手続の標準化によって,

試験が供給者(当事者)の試験機関,利用者(第二者)の試験機関又はそれ以外(第三者)の試験機関で

行われたとしても,IUT に与えられる全体概要は,比較可能になることが望ましい。

これを達成するために考慮しなければならない重要な要素の幾つかを,次に示す。

a)

必要ならば柔軟性をもたせながら,どの適合性要件を満たさなければならないか,判定はどのように

して与えられるかを示すための,抽象試験項目の誤りのない設計及びあいまいさのない仕様。

b)

試験項目の再実行が必要な場合,試験機関が従わなければならない手続の仕様。

c)

適合性試験報告書の様式。

d)

適合性試験報告書を書くための手続の仕様。


9

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

6.5.3

結果の監査  すべての手続に正しく従ったことを確認するために,実行可能試験項目群 (ETS) を

実行して観測した試験結果を見直すことが必要になる場合もある。結果の解析を手動で行ったか,自動で

行ったかにかかわらず,実行した試験項目ごとにすべての入力と出力とを記録しなければならない。それ

ぞれの試験実施過程で適合性ログを作成するのは,試験機関の責任とする。

7.

試験方法

7.1

一般  地理情報は,複雑で,多くの側面をもっており,その大部分がこの地理情報規格群で扱われ

る。この規格群の実装は,このような異なった側面を反映することが予想できる。これは,それらの実装

の試験方法には,色々な方法があることを意味する。

7.2

適合性試験のための手法

7.2.1

一般  適合性試験のための二つの一般的手法が存在する。

a)

検証試験,すなわち,実装の適合が明確,かつ,完全に立証できることを厳密に証明する試験を含む

方法の利用。

b)

不具合試験を含む方法の利用。

最初の手法は,可能な限り,適合性試験のために利用されることが推奨される。しかし,規格の多くは,

規模が大きく,複雑であるために,正しさを証明することは,技術的及び経済的な理由によって非実用的

であることがよくある。したがって,実用的な問題として不具合試験を,適合性試験の一方法として採用

することとなる。不具合試験は,規格に対して実装を試験するため,具体的な試験を開発することによっ

て,実装における誤りを検出する方法である。不具合試験は,規格の中の重要な部分に着目して試験する

ことによって,

実装が要求機能を満たしているという確証を得ようとするものとする。

この手法によって,

一つでも試験に合格しない実装は,規格に適合しないと審査することができる。しかし,例えある実装が,

すべての試験に正しい結果を出したとしても,実装が規格に適合しているという絶対の保証はない。これ

は,正しさの証明の手法と違い,不具合試験の利用は,実施された特定の試験が規格の内容を完全に網羅

していることを保証しないからである。

地理情報規格群の適合性試験では,検証試験若しくは不具合試験のいずれかの手法,又は手法の組合せ

を用いてもよい。いずれの手法がとられるかにかかわらず,適合性試験は,通常,試験のために実装した

ソフトウェアを実行することによって,自動的に行われる。しかし,地理情報規格の場合には,不具合試

験を行うために非自動の手動試験も用いてよい。これについては,7.2.3 による。

7.2.2

自動試験  検証試験又は不具合試験のいずれかを用いて,要求される試験を,ソフトウェアシステ

ムとして実現してもよい。

(データ形式の試験などの)情報技術に特定な試験のほかに,地理情報に特定な

試験もある。幾何構造試験などがこのような種類のものである。

例  ソフトウェアシステムは,一組のベクトルデータが閉じられた多角形を形成するかどうかを検査

することができる。

多くの試験方法があり得るので,用いる試験方法を,報告書に明記しなければならない。

7.2.3

手動試験  手動試験は,自動試験が複雑すぎる場合,及び/又は人間による判断が要求される場合

に,必要となることがある。手動試験では,依頼者と適合性試験の担当者とが共同で出力結果を調査し,

入力と比較してもよい。

手動試験は,規格のうち,自動試験が実行不可能な部分に限って用いることが望ましい。手動試験では,

試験判定の明確な基準が必要となる。


10

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

7.3

適合性試験のための地理情報の領域  地理情報規格群の枠組みにおいて,地理情報データ集合及び

地理情報サービスは,次のように大別できる。

a)

地理データモデル及び演算子(空間スキーマ・時間スキーマ・応用スキーマのための規則並びに空間

演算子を含む。

b)

地理データ管理(カタログ化,座標による空間参照,地理識別子による空間参照,品質原理,品質評

価手順及びメタデータを含む。

c)

測位サービス,描画サービス,符号化サービス及びその他のサービス

d)

プロファイル及び実用標準

応用スキーマ及び上の四つの領域のサービスについては,

7.2

に示す手法によって適合性試験を実施して

もよい。

8.

抽象試験項目群及び実行可能試験項目群

8.1

一般  適合性の箇条に記述される抽象試験項目群 (ATS) は,抽象試験モジュールと抽象試験項目と

からなる階層構造をもつ。抽象試験項目が階層構造の最も低いレベルを形成する。

抽象試験モジュールは,

抽象試験項目と他の抽象試験モジュールとをまとめるために用いられる。この階層構造の例を,

図 に示

す。

図 2  抽象試験項目群 (ATS) の階層構造の例

それぞれの抽象試験項目は,適切な規格の試験目的を少なくとも一つ果たさなければならない。抽象試

験項目群 (ATS) の階層構造の中では,抽象試験項目の論理的な順序付けに,入れ子になった抽象試験モジ

ュールを用いてもよい。抽象試験モジュールは,任意の深さで入れ子になってもよい。これらは,ATS の

計画,開発又は理解の一助として用いられてもよい。それぞれの抽象試験モジュールは,0 個以上の抽象

試験項目から構成する。実行可能試験項目群 (ETS) は,ATS の具体化であり,そこでは実装に依存するパ

ラメタに特定の値が割り当てられる。

地理情報規格群の各規格の適合性の箇条は,ここに示すような階層構造をもった ATS を含む。


11

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

8.2

試験目的  各抽象試験モジュール又は各抽象試験項目には,それらが意図するところを正確に記述

するため,試験目的が含まれなければならない。

例  自己交差のない線分列として折れ線を生成しているかどうかを試験する。

ATS

のルートモジュールの試験目的が,その ATS の試験目的になる。

8.3

抽象試験項目  抽象試験項目は,一つ以上の試験目的の要件を満たさなければならない。抽象試験

項目は,実行可能試験項目を生成するための基礎として用いられ,IUT から独立したものとする。

抽象試験項目は,次の事項を含まなければならない。

a)

試験項目の識別子

b)

一つ以上の試験目的

c)

試験方法(試験判定基準を含む。

d)

特定の規格(群)に対する参照

e)

試験種類(基本試験又は機能試験のいずれか)

8.4

実行可能試験項目  実行可能試験項目は,次の事項を含まなければならない。

a)

試験項目の識別子

b)

一つ以上の試験目的

c)

試験方法(試験判定基準を含む。

d)

抽象試験項目群 (ATS) の特定の部分に対する参照

e)

パラメタ値

8.5

抽象試験項目と実行可能試験項目との関係  実行可能試験項目は,抽象試験項目から導出され,試

験対象 (IUT) 上で動作する形式でなければならない。実行可能試験項目は,抽象試験項目のパラメタに特

定の値を与えて具体化することによって得られる。実行可能試験項目の導出は,それぞれの試験対象 (IUT)

に対し一意に定めてもよい。


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X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

附属書 A(規定)  適合性の箇条

A.1

序文  規格が効果的,かつ,有益であるためには,その規格に対する適合性が明確に定義できること

が重要である。このような理由から,地理情報規格群のすべての試験可能な規格は,2.として適合性の箇

条をもち,その適合性について規定をしている。

適合性の箇条は,適合性試験の入口である。ある実装が規格に対して適合しているかどうかを検査する

ためには,何を検査しなければならないかを決めるために,まず適合性の箇条を調査する。したがって,

適合性の箇条では,規格への適合を宣言するために満たされなければならない要件を明確に記述しなけれ

ばならない。

この附属書は,地理情報規格群を作成する際に必要となる,適合性の箇条を記述するための指針を規定

する。

A.2

単純な適合性の箇条  適合性の箇条は,実装が規格への適合を宣言するために満たされなければなら

ない要件の記述で始める。適合性の箇条は,次のように構成されることが望ましい。

2.

適合性

2.1

適合性要件  この規格への適合を宣言するすべての製品は,次の抽象試験項目群に記述されるすべ

ての要件を満たさなければならない(

“抽象試験項目群”の定義は,本体の 2.2 による。

2.2

抽象試験項目群

(この箇所に具体的な ATS を規定する。

実際の要件は,抽象試験項目群 (ATS) に規定しなければならない。ATS が大きくなりすぎたときは,規

定扱いの附属書としてもよい。その場合,適合性の箇条 2.には,ATS がどこに記述されているかを明示し

なければならない。ATS をどのように記述するかの規定は,A.4 による。

A.3

クラスをもつ適合性の箇条及びレベルをもつ適合性の箇条  適合性クラスは,異なる種類の適合性要

件を定義するのに用いてもよい。規格の幾つかの部分が応用分野の特定のクラスに有効で他のクラスに対

して有効でない場合,規格のすべての部分を必ず要件として規定することは望ましくない。それは,すべ

ての応用分野に対してこれらすべての要件を満たすよう求めることになるからである。この問題を回避す

るために,適合性クラスが用いられる。

規格の中で適合性クラスを用いる場合,これらは,適合性の箇条の中で定義しなければならない。三つ

のクラスがある場合,例えば,次のようになる。

2.

適合性

2.1

適合性要件  この規格では,適合性のクラスとしてクラス A,クラス B 及びクラス C の三つのクラ

スを定義する(この箇所に,それらの適合性クラスが意図する応用分野を記述してもよい。

。あるクラス

への適合を宣言するすべての製品は,次の対応する抽象試験項目群に記述する要件をすべて満たさなけれ

ばならない。

“抽象試験項目群”の定義は,本体の 2.2 による。

2.2

適合性クラス のための抽象試験項目群

(この箇所に,適合性クラス A のための ATS を規定する。

2.3

適合性クラス のための抽象試験項目群


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(この箇所に,適合性クラス B のための ATS を規定する。

2.4

適合性クラス のための抽象試験項目群

(この箇所に,適合性クラス C のための ATS を規定する。

適合性クラスの要件は,重複してもよい。その場合,異なる適合性クラスでも ATS の幾つかの部分は,

共通なものとしてもよい。

適合性レベルは,適合性クラスの特殊なもので,上位の要件が下位の要件をすべて含む。適合性に三つ

のレベルを設ける仕様では,その適合性の箇条を,例えば,次のように書く。

2.

適合性

2.1

適合性要件  この規格では,適合性に,三つのレベルを定義している。(この箇所に,それらの適合

性レベルの意図された応用分野について記述してもよい。

。あるレベルへの適合を宣言するすべての製品

は,次に示す対応する抽象試験項目群に記述する要件をすべて満たさなければならない(抽象試験項目群

は,本体の 2.2 による。

2.2

適合性レベル 1(低レベル)のための抽象試験項目群

(この箇所に,適合性レベル 1 のための ATS を規定する。

2.3

適合性レベル 2(中間レベル)のための抽象試験項目群

(この箇所に,適合性レベル 2 のための ATS を規定する。

2.4

適合性レベル 3(高レベル)のための抽象試験項目群

(この箇所に,適合性レベル 3 のための ATS を規定する。

より高い適合性レベルがより低いレベルのすべての要件を含んでいることから,より高いレベルの ATS

は,より低いレベルの ATS を参照する。この関係は,ATS の構造の中で明確にすることが望ましい。

適合性クラス又は適合性レベルが定義された場合には,適合性試験は,その適用可能な適合性クラス又

は適合性レベルに関して実行しなければならない。

A.4

抽象試験項目群の構造化手法

A.4.1

一般  抽象試験項目群 (ATS) は,抽象試験モジュール及び抽象試験項目の階層構造として表現され

る。抽象試験モジュール又は抽象試験項目の本質的部分がその試験目的であるので,ATS の構成は,試験

目的の識別から開始する。

ISO 19113

を例として,ATS の構造化手法を A.4.2

A.4.9 に示す。

なお,この品質原理の例における適合性の箇条は,実際のものとは異なることに注意する。

A.4.2

試験目的の識別  最初に行うことは,試験の主要目的を識別することである。これは ATS のルート

ノードの試験目的となる。そのためには,次の問いに答えられなければならない。

この規格は何を規定しているか。

この問いに対する答えは,通常明らかである。品質原理における例では,

“いかに品質を規定するか”と

いうことである。したがって,品質原理についての ATS のルートノードの試験目的は,

“品質原理の定義

に関する適合性を検査する”ことになる。

A.4.3

試験目的の分解  主要な試験目的が決定されると,更にそれを分解していく。分解されたものは ATS

の子ノードとなる。この階段では,次の問いに答えられなければならない。

ある実装が,規定された試験目的に適合するためには,どのような要件を満たさなければならないか。

品質原理の例では,答えは“その実装は,データ品質要素とデータ品質参考要素とを含まなければなら

ない。

”となるであろう。したがって,

“データ品質要素の適合性の検査”及び“データ品質参考要素の適


14

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

合性の検査”の二つが子ノードとなる。

A.4.4

試験目的の識別及び分解の繰返し  すべての試験目的が十分に小さな部分に(すなわち抽象試験項

目レベルにまで)分解されるまで,この処理は進められる。品質原理の例では,データ品質要素は更に分

解されてデータ品質副要素となり,更にデータ品質測定に分解される。データ品質測定は,抽象試験項目

として,十分に小さいものとなっている。

一方,データ品質参考要素は三つの構成要素に分解される。目的,系譜及び用法の三つで,これらも抽

象試験項目として十分細分化されているといえる。

A.4.5

階層的構造の作成  すべての試験目的が抽象試験項目に分解されると,試験目的は,ATS という形

で整理される。品質原理の例では,最終的な ATS は次のようになる。

備考  試験目的の階層構造が自動的に ATS の構造の構成となる(抽象試験モジュール及び抽象試験項

目のテンプレートについては A.4.8 による。

2.2

抽象試験項目群

2.2.1

品質原理のための試験モジュール

2.2.1.1

品質原理

a)

試験目的  品質原理の定義に対する適合性を検査する。

b)

試験方法  データ品質要素(2.2.1.2)及びデータ品質参考要素(2.2.1.3)との二つの構成要素をもっている

かどうかを検査するとともに,それぞれの要件を満たしていることを確かめる。

c)

参照  ISO 19113,×.×

d)

試験種類  基本

2.2.1.2

データ品質要素のための試験項目

a)

試験目的  データ品質要素の定義に対する適合性を検査する。

b)

試験方法  データ品質副要素をもっているかどうかを検査する。もっていれば,データ品質要素

(2.2.1.2)

の定義に対するそれらの適合性を検査する。そうでなければ,それぞれのデータ品質測定に

ついて,それらが実際に箇条×に記述されているような妥当なデータ品質測定となっているかどうか

を検査する。

c)

参照  ISO 19113,  ×.×

d)

試験種類  基本

2.2.1.3

データ品質参考要素のための試験項目

a)

試験目的  データ品質参考要素の定義に対する適合性を検査する。

b)

試験方法  目的,系譜及び用法の三つの構成要素をもっているかどうかを検査するとともに,それら

が箇条×に記述されているように妥当であることを確かめる。

c)

参照  ISO 19113,  ×.×

d)

試験種類  基本

A.4.6

試験方法に関する注意  抽象試験モジュールの試験方法の規定は,概して,他の箇条への参照を含

む。その記述は,参照が,必す,任意選択又は条件付き,のうちのいずれなのかについての規定を含んで

もよい。抽象試験項目においては特定の試験方法が記述されなければならない。


15

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

A.4.7

主要な箇条の参照及び試験種類  試験目的及び試験方法のほかに,ATS には,他の二つの情報項目

が含まれなければならない。それは参照及び試験種類とする。参照は,規格の本体部分にある試験する要

件が規定されている箇条を示す。試験種類は,基本試験又は機能試験のいずれかでなければならない。こ

こで,基本試験は,すべての機能試験に先立って実行される単純な試験とする。基本試験は一般に試験機

関によるサービスを必要としないが,複雑な機能試験はそれを必要とすることがある。詳細は,本体 6.2

を参照。

A.4.8

抽象試験モジュールのためのテンプレート  抽象試験モジュールには,次のテンプレートを用いな

ければならない。

2.2.

×  ×××のための試験モジュール

2.2.

×.1  ×××(同上)

a)

試験目的  (試験目的)

b)

試験方法  (試験方法)

c)

参照  ISO 191××,×.×

d)

試験種類  基本/機能

2.2.

×.2  (構成要素としての試験項目/モジュール)

2.2.

×.3  (その他の構成要素としての試験項目/モジュール)

A.4.9

抽象試験項目のためのテンプレート  次のテンプレートを抽象試験項目 (ATS) のために用いなけ

ればならない。

2.2.

×  ×××のための試験項目

a)

試験目的  (試験目的)

b)

試験方法  (試験方法)

c)

参照  ISO 191××,×.×

d)

試験種類  基本/機能


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X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

附属書 B(参考)  支持組織

序文  この附属書(参考)は,B.1 に示す目的のために記述するものであり,規定の一部ではない。

B.1

目的  この附属書は,支持組織について記述することによって,地理情報規格群に関する各国の国内

適合性試験プログラムの統合を促進し,その国際的な調和を図ることを目的とする。支持組織自身の枠組

みは,この地理規格だけに特定されるものではないので,ここでは簡潔に記述する。詳細は ISO/IEC 17025

による。

B.2

背景  この附属書は,認証のための共通の方策を設定するために,国内及び国際的な認証機関及び標

準化機関の協力を促進するための手続を記述する。これらの機関は,地理情報規格群の実装に対する試験

結果及び適合性認証書の相互承認を推進するのが望ましい。調和活動の適用範囲は,多様であり,適合性

試験サービス業務に携わる試験機関の相互承認(例えば,承認の覚書)

,標準化された試験手続の標準化機

関による同意などがある。

B.3

責任機関  適合性試験に関係する国内機関及び国際機関には,幾つかの機関が考えられる。附属書 B

図 は,国際及び国内の適合性試験の構成の全体の枠組みを示す。これらの組織の中で,管理委員会,認

定機関,試験機関及び認証機関について B.4

B.7 に示す。

附属書 図 1  国際及び国内の適合性試験の基盤


17

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

B.4

管理委員会  管理委員会は,ATS が適合性試験に用いられるときに生じる解釈の相違を解決するため

に設置される。管理委員会は,ISO/TC211 から独立し,ATS の技術内容を解釈する際に試験機関を支援す

る。

B.5

認定機関  認定機関は,試験機関が特定の種類の試験を実施する能力のあることを保証する。これは,

試験機関の技術的能力及び公平性との両方の承認を含む。認定を受けた試験機関だけが,正式な適合性試

験を実施することが許される。

B.6

試験機関  試験機関は,適合性試験を実施し,依頼者に試験報告書を提出する。加えて,依頼者の要

求に基づき認証機関用の試験報告書を提出する。

B.7

認証機関  認証機関は,厳密に定義された適合性認証書発行のための基準を策定し,試験機関によっ

て提出された試験報告書に基づいて適合性認証書を発行する。試験結果の相互承認は,世界的規模で認証

機関が同じ基準を採用することによって確実に行われる。認証機関の機能は,認定機関によって実施して

もよいが,その場合には,独立した認証機関は不要となる。


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X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

附属書 C(参考)  参考文献

1)

JIS B 3700-31 : 1996

  産業オートメーションシステム及びその統合−製品データの表現及び交換−第

31

部:適合性試験の方法及び枠組み:一般概念

備考  ISO 10303-31 : 1994  Industrial automation systems and integration−Product data representation and

exchange

−Part 31 : Conformance testing methodology and framework : General concepts が,この規

格と一致している。

2)

ISO/IEC 17025 : 1999

  General requirements for the competence of calibration and testing laboratories

3)

ISO/IEC 9646-1 : 1994

  Information technology−Open Systems Interconnection−Conformance testing

methodology and framework

−Part 1 : General concepts

4)

ISO/IEC 9646-2 : 1994

  Information technology−Open Systems Interconnection−Conformance testing

methodology and framework

−Part 2 : Abstract Test Suite specification

5)

ISO/IEC 9646-5 : 1994

  Information technology−Open Systems Interconnection−Conformance testing

methodology and framework

−Part 5 : Requirements on test laboratories and clients for the conformance

assessment process

6)

ISO 19106 :

(

1

)

  Geographic Information−Profiles

(

1

)

未発行。

7)

ISO 19113 :

(

1

)

  Geographic Information−Quality Principles

8)

ISO/IEC TR 13233 : 1995

  Information technology−Interpretation of accreditation requirements in ISO/IEC 

Guide 25

−Accreditation of information technology and telecommunications testing laboratories for software

and protocol testing services

9)

Owen, J., STEP An Introduction, Information Geometers, Winchester, UK, 1993


19

X 7105 : 2001 (ISO 19105 : 2000)

地理情報 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

伊  理  正  夫

中央大学理工学部

(副委員長)

平  井      雄

社団法人日本写真測量学会(評議員)

(委員)

稲  葉  和  雄

国土地理院測図部

今  井      浩

東京大学大学院理学系研究科

碓  井  照  子

奈良大学文学部

岡  部  篤  行

東京大学大学院工学系研究科

菊  池  眞  一

海上保安庁海上保安大学校

柴  崎  亮  介

東京大学空間情報科学研究センター

土  肥  規  男

財団法人日本デジタル道路地図協会

長谷川  英  一

経済産業省商務情報政策局

八  田      勲

経済産業省産業技術環境局

矢  口      彰

国土地理院企画部

渡  邉  博  行

財団法人日本測量調査技術協会

(事務局)

細  野  武  庸

財団法人日本測量調査技術協会

地理情報 JIS 原案作成・適合性及び試験分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

稲  葉  和  雄

国土地理院測図部

(委員)

明  野  和  彦

国土地理院地図部

浅  井  健  一

東京大学大学院理学系研究科

高  沢  信  司

国土地理院地理調査部

渡  邉  昭  則

財団法人日本測量調査技術協会