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X 6936:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 適合条件 1 

3 引用規格 2 

4 用語及び定義  3 

5 記号及び略語  5 

5.1 頭文字及び略語  5 

5.2 記号  6 

6 方法の概要  8 

7 チャンバに対する要求事項  8 

7.1 構成材料  8 

7.2 気密性  8 

7.3 空気混合効率  9 

8 試験方法 9 

8.1 試験条件  9 

8.2 試験対象機器及びチャンバの取扱い 9 

8.3 VOC及びカルボニル化合物  11 

8.4 オゾン  14 

8.5 粉じん  15 

8.6 微粒子及び超微粒子(FP及びUFP) 17 

9 試験報告書  22 

附属書A(規定)標準テストページ  24 

附属書B(規定)準備のためのAMS試験手順  26 

附属書C(参考)放散速度モデル  30 

参考文献  36 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  37 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人ビジ

ネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案

を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が

改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS X 6936:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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事務機器−化学物質の放散速度決定方法 

Information technology-Office equipment-Determination of chemical 

emission rates from copies, printers and multi-function devices 

 

序文 

この規格は,2015年に第3版として発行されたISO/IEC 28360(2016年に発行されたCorrected version

での,誤記訂正の内容を含む。)を基に作成した日本工業規格であるが,消耗品を使用しない事務機器につ

いては,同じくISO/IEC 28360を基としたJIS C 9913が制定されているため,それらの機器に関連する事

項を除くなど,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,放散試験チャンバ(以下,チャンバという。)の中で,消耗品を使用する事務機器が,指定

された動作をするときに放散する測定対象物質について,その化学物質放散速度を決定する方法について

規定する。 

この規格は,準備,チャンバ内空気サンプリング(又はモニタリング),保管及び分析並びに放散速度の

計算及び報告によって構成する。 

附属書Aは,消耗品(用紙など)を使用する事務機器の動作段階で使用するモノクロ及びカラーの標準

テストページを規定している。 

消耗品を使用する事務機器からの放散速度は,“RAL-UZ 171法 [1]”によって特定された追加要件に従っ

て決定することもできる。 

計算には,附属書Cに記載する,一般モデルから導出された近似式を用いる。 

この方法によって計算される放散速度は,同じクラスの機器を比較するのに使用できる。 

決められた放散速度からの“実際の屋内”濃度の予測は,この規格の適用範囲外である。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 28360:2015,Information technology−Office equipment−Determination of chemical 

emission rates from electronic equipment(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

適合条件 

放散速度の測定がこの規格に適合する条件は,次による。 

a) ISO 16000-9に規定する品質保証計画,品質保証及び品質管理を用いる。測定方法及び測定結果の精


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確さについては,JIS Z 8402-1,JIS Z 8402-2及びJIS Z 8402-3による。 

b) 箇条7及び8.1の規定に基づき制御されたチャンバを用いて試験を行う。 

c) 箇条8及び附属書Cに規定する空気サンプリング及び計算方法による。 

d) 箇条9によって報告する。 

上記において,“RAL-UZ 171法”によって特定される追加要件に従った測定は,RAL-UZ 171の附属書

S-Mにも適合している。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8402-1 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第1部:一般的な原理及び定義 

JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部:標準測定方法の併行精度及

び再現精度を求めるための基本的方法 

JIS Z 8402-3 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第3部:標準測定方法の中間精度 

ISO 554:1976,Standard atmospheres for conditioning and/or testing−Specifications 

ISO 13655:1996,Graphic technology−Spectral measurement and colorimetric computation for graphic arts 

images 

ISO 16000-3:2001,Indoor air−Part 3: Determination of formaldehyde and other carbonyl compounds−Active 

sampling method 

注記 対応日本工業規格:JIS A 1962:2005 室内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化

合物の定量−ポンプサンプリング(MOD) 

ISO 16000-6:2011,Indoor air−Part 6: Determination of volatile organic compounds in indoor and test 

chamber air by active sampling on Tenax TA® sorbent, thermal desorption and gas chromatography using 

MS or MS-FID 

注記 対応日本工業規格:JIS A 1965:2015 室内及び試験チャンバー内空気中揮発性有機化合物の

Tenax TA®吸着剤を用いたポンプサンプリング,加熱脱離及びMS又はMS-FIDを用いたガス

クロマトグラフィーによる定量(MOD) 

ISO 16000-9:2006,Indoor air−Part 9: Determination of the emission of volatile organic compounds from 

building products and furnishing−Emission test chamber method 

注記 対応日本工業規格:JIS A 1901:2015 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデ

ヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法−小形チャンバー法(MOD) 

ISO 16017-1:2000,Indoor, ambient and workplace air−Sampling and analysis of volatile organic compounds 

by sorbent tube/thermal desorption/capillary gas chromatography−Part 1: Pumped sampling 

注記 対応日本工業規格:JIS A 1966:2015 室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)の吸着捕集・

加熱脱離・キャピラリーガスクロマトグラフィーによるサンプリング及び分析−ポンプサン

プリング(MOD) 

CIE 15:2004,Colorimetry, 3rd edition, Commission Internationale de IʼEclairage 

 


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用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

4.1 

時間推移平均化濃度(averaged concentration time series) 

総粒子個数濃度(Cp)の31±3秒間にわたる単純移動平均。 

4.2 

時間推移平均化オゾン濃度(averaged ozone concentration time series) 

オゾン濃度(Co3)の80±5秒間にわたる単純移動平均。 

4.3 

エアロゾル(aerosol) 

気体中に浮遊している微小固体粒子及び/又は微小液滴の群。 

4.4 

エアロゾル測定システム,AMS(aerosol measuring system, AMS) 

一定の粒子径範囲において,エアロゾル粒子総個数濃度を一定の間隔で測定する機器。 

4.5 

換気回数,n(air exchange rate) 

単位時間当たりにチャンバに供給された空気の体積(m3/h)を無負荷チャンバ容積(m3)で除した値(無

負荷とは,チャンバに試験対象機器を設置していない状態を示す。)。 

4.6 

風速(air velocity) 

試験対象機器を設置していない状態の,チャンバ内気流の速度(m/s)。 

4.7 

測定対象物質(analyte) 

揮発性有機化合物,カルボニル化合物,オゾン及び粉じん,微粒子(FP)及び超微粒子(UFP)。 

4.8 

凝縮粒子計数器,CPC(condensation particle counter, CPC) 

総個数濃度の測定が可能なAMS。 

注記 AMSは流量計,粒子計数器,コンピュータ及びソフトウェアから構成される。AMSには,粒

子径分級器が付帯されていてもよい。 

4.9 

消耗品(consumables) 

トナー,インク,用紙及びリボン。 

4.10 

チャンバ,ETC(emission test chamber, ETC) 

試験対象機器から放散される,測定対象物質を測定するための条件を制御できる密閉性をもつ部屋又は

容器。 

4.11 

試験対象機器,EUT(equipment under test, EUT) 

試験の対象となる事務機器(必要な場合は,附属品を含む。)。 


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4.12 

高速AMS(fast AMS) 

粒子径分級器を一体化したAMS。 

4.13 

微粒子,FP(fine particles, FP) 

0.1 µm〜2.5 µmの粒子サイズ又は粒子径をもつ粒子。 

4.14 

試料負荷率(loading factor) 

試験対象機器体積の無負荷チャンバ容積に対する比率。 

4.15 

事務機器(hard copy devices) 

プリンタ,(フォト)コピー機及び複合機(MFD)を含む,消耗品を使用する機器。 

4.16 

試験前最大使用時間,MUT(maximum usage time before testing, MUT) 

EUTで実行された総プリント数のEUTのプリント速度に対する比。 

注記 最大使用時間とは,EUTを試験の目的上の新品とみなすために許容されるプリント動作の最大

時間である。 

4.17 

動作段階(operating phase) 

試験対象機器が意図された機能を実行している段階。 

4.18 

粒子(particle) 

物理的境界をもつ固体又は液体状の物質。 

注記 この規格においては,気体中に浮遊する物質を対象としている。 

4.19 

平均粒子放散速度,PER(averaged particle emission rate, PER) 

平均放散速度,すなわち,動作段階に放散された特定の粒子サイズ範囲の時間当たりの総粒子個数。 

4.20 

時間依存粒子放散速度,PER(t)[time dependent particle emission rate, PER(t)] 

動作段階開始後の特定粒子サイズ範囲における時間依存粒子放散速度。 

4.21 

粒子損失率係数,β(particle loss-rate coefficient) 

ETCにおける特定粒子サイズ範囲の粒子の損失を表す係数。 

4.22 

粒子サイズ(particle size) 

粒子径(particle diameter) 

粒子の物理的寸法を表す測定の種類。 

注記 粒子サイズは,粒子径の同意語として使われる。粒子径は,粒子の粒子サイズクラスを決定す

るために使われる(例 UFP)。 


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4.23 

粉じん,PM(particulate matter, PM) 

重量法で測定される粒子。 

4.24 

動作前段階(pre-operating phase) 

EUTが電源に接続されている段階であり,EUTが動作段階に入る前の段階。 

注記 ウォーミングアップモード及び省電力モードを含むことができる。 

4.25 

動作後段階(post-operating phase) 

動作段階に続く段階。 

注記 省電力モードを含むことができる。 

4.26 

総放散粒子個数,TP(total number of emitted particles) 

特定の粒子サイズ範囲の放散粒子総個数計算値。 

4.27 

総個数濃度,Cp(total particle number concentration) 

特定粒子サイズ範囲の個数濃度。 

4.28 

総揮発性有機化合物,TVOC(total volatile organic compounds, TVOC) 

検出されたVOCを合わせたもの。同定されない物質の質量算出に当たっては,トルエンに換算して求

める。 

注記 この総揮発性有機化合物の定義は,ISO 16000-6:2011と異なっている。 

4.29 

超微粒子,UFP(ultrafine particles, UFP) 

0.1 µm以下の粒子径をもつ粒子。 

4.30 

放散速度,SER(unit specific emission rate, SER) 

試験対象機器1台当たり,1時間当たりに放散される測定対象物質の質量(µg/h)。 

4.31 

揮発性有機化合物,VOC(volatile organic compounds, VOC) 

無極性カラムを用いたガスクロマトグラフ分析において,保持時間がn-ヘキサンからn-ヘキサデカンま

での範囲で検出された有機化合物。 

4.32 

濃度面積(concentration area) 

放散源から放散されたVOCのチャンバ内の濃度の時間積分値。 

 

記号及び略語 

5.1 

頭文字及び略語 

AMS 

エアロゾル測定システム(Aerosol Measuring System) 

CPC 

凝縮粒子計数器(Condensation Particle Counter) 


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DNPH 

2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン(2, 4-Dinitrophenylhydrazine) 

ETC 

チャンバ(Emission Test Chamber) 

EUT 

試験対象機器(Equipment Under Test) 

FP 

微粒子(Fine Particles) 

FID 

水素炎イオン化検出器(Flame Ionisation Detector) 

GC/MS ガスクロマトグラフ質量分析法(Gas Chromatography/Mass Spectrometry) 

MFD 

複合機(Multi Functional Device) 

PTFE 

ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethene) 

PVC 

ポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride) 

rH 

相対湿度(Relative Humidity) 

SER 

放散速度(Unit Specific Emission Rate) 

PER 

平均粒子放散速度(averaged Particle Emission Rate) 

PER(t) 時間依存粒子放散速度(time-dependent Particle Emission Rate) 

TVOC 

総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compounds) 

UFP 

超微粒子(UltraFine Particles) 

VOC 

揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds) 

5.2 

記号 

α 

粒子減衰指数関数の係数(cm−3) 

β 

粒子損失率係数(h−1) 

Cs 

平均濃度(µg/m3) 

Cbg 

バックグラウンド濃度(µg/m3) 

C0 

初期濃度(µg/m3) 

Cpre 

動作前段階の平均濃度(µg/m3) 

Cope 

動作段階及び(場合によって)動作後段階の平均濃度(µg/m3) 

Cp 

総粒子個数濃度(cm−3) 

Cp,BG 

バックグラウンド粒子個数濃度(cm−3) 

Co3 

オゾン濃度(mg/m3) 

相当粒子径(nm) 

mafter 

サンプリング後の試料採取フィルタ質量(µg) 

mbefore 

サンプリング前の試料採取フィルタ質量(µg) 

mbg 

チャンババックグラウンドのサンプリングされたVOCの質量(µg) 

mpm 

フィルタにサンプリングされた粉じんの質量(µg) 

mref-after サンプリング後の基準フィルタ質量(µg) 

mref-before サンプリング前の基準フィルタ質量(µg) 

ms 

サンプリングされたVOCの質量(µg) 

mpre 

動作前段階にサンプリングされたVOCの質量(µg) 

mope 

動作中及び(場合によって)動作後の段階にサンプリングされたVOCの質量(µg) 

換気回数(h−1) 

大気圧(Pa) 

PER 

粒子放散速度(h−1) 


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気体定数(Pa/K)[オゾン 339.8(PaK−1)] 

SERbg 

バックグラウンドのVOCのSER(µg/h) 

SERope 

動作時及び(場合によって)動作後段階のVOCのSER(µg/h) 

SERO3 

オゾンのSER(µg/h) 

SERpm 

粉じんのSER(µg/h) 

SERpre 

動作前段階のVOCのSER(µg/h) 

気温(K) 

TP 

放散粒子総個数 

tope 

動作段階の時間(h) 

tG 

動作時及び(場合によって)動作後段階のサンプリング時間(h) 

tstart 

動作段階の開始時点 

tstop 

粒子放散の終了時点 

tpre 

動作前段階の時間(h) 

チャンバ容積(m3) 

Δt 

オゾン測定及びUFP測定の時間間隔(s) 

Vs 

チャンバ内濃度測定の空気サンプリング量(m3) 

Vbg 

バックグラウンド濃度測定の空気サンプリング量(m3) 

Vpre 

動作前段階のチャンバ内濃度測定の空気サンプリング量(m3) 

Vope 

動作段階及び(場合によって)動作後段階のチャンバ内濃度測定の空気サンプリング量(m3) 

 


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方法の概要 

図1のフローチャートに,試験方法を示す。箇条及び細分箇条の番号を,括弧内に示す。 

 

 

図1−試験方法の概要 

 

チャンバに対する要求事項 

7.1 

構成材料 

チャンバの構成材料は,ISO 16000-9による。 

7.2 

気密性 

チャンバの気密性は,ISO 16000-9による。 

終了 

報告書を完成(箇条9) 

まだ設置していない場合,EUTを設置(8.2.7) 

開始(箇条8) 

試験条件の確認(8.1) 

チャンバの清浄化(8.2.3) 

EUTの選択(8.2.1)及び開こん(梱)(8.2.5) 

チャンババックグラウンド濃度の決定(8.2.4) 

EUTを設置(8.2.7)(任意) 

EUTの準備(8.2.6) 

EUTを準備し,ETCに問題なし。 

測定対象物質

の種類 

放散速度を決定 

(8.2.8+8.3) 

放散速度を決定 

(8.2.8+8.4) 

放散速度を決定 

(8.2.8+8.5) 

放散速度及び総粒子個

数を決定(8.2.8+8.6) 

VOC及びカルボニル化合物 

オゾン 

粉じん 

FP及びUFP 


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7.3 

空気混合効率 

チャンバの空気混合効率は,ISO 16000-9による。 

 

試験方法 

8.1 

試験条件 

8.1.1 

一般 

ここで規定している動作要件を満たすためには,温度,相対湿度,供給空気流量などのチャンバのパラ

メータを制御し,一定間隔で測定し,ISO 16000-9に従って記録し,箇条9で規定しているとおりに報告

しなければならない。 

8.1.2 

動作温度及び相対湿度(rH) 

試験は,ISO 554に従い(23±2)℃,(50±5)%rHで実行しなければならない。他の温湿度条件で使用

されるEUTの場合は,ISO 554で規定している,より高い動作温度及び湿度条件で試験を行うことができ

る。 

rHの特殊要件については,8.2.8.3を参照。 

8.1.3 

換気回数(n) 

5 m3を超える容積をもつ無負荷状態のチャンバの場合,nは,0.5〜2.0の間の値でなければならない。 

5 m3以下の容積をもつ無負荷状態のチャンバの場合,nは,0.5〜5.0の間の値でなければならない。 

8.1.4 

風速 

無負荷状態のチャンバ内の風速は,0.1 m/s〜0.3 m/sの間の値でなければならない。 

8.1.5 

サンプリング流量 

サンプリング流量の合計は,チャンバへの供給空気流量の80 %未満でなければならない。 

8.2 

試験対象機器及びチャンバの取扱い 

8.2.1 

試験対象機器の選択及び保管 

試験対象機器は,通常の製造バッチから選択したものか,又はこれに相当する試験対象機器を代表する

プロトタイプでなければならない。RAL-UZ 171法を使った決定では,試験対象機器は,元のままのこん

(梱)包で空調管理された部屋(例えば,23 ℃,50 %rH)に保管しなければならない。また,試験は,

EUTの試験所到着後10営業日以内に実行することが望ましい。 

8.2.2 

試料負荷率 

実施可能な時間内で最低放散物質の検出を保証するために,試料負荷率が1:4〜1:100の範囲に収まる

ように,箇条7で規定している能力をもったチャンバを選択しなければならない。 

8.2.3 

チャンバの清浄化 

選択したチャンバを無負荷状態にして,ISO 16000-9で規定しているとおりに内壁を清浄化しなければ

ならない。 

オゾン半減時間[オゾン濃度(C)が,CからC/2まで減衰する時間]は,n=1のとき10分間より大き

くなければならない。 

オゾン半減時間を決めるために,チャンバを0.2 mg/m3から0.4 mg/m3までのオゾン濃度に,少なくとも

10分間又は安定した濃度に達するまで,さら(曝)して不活性化することが望ましい。 

その後,チャンバ容積の4倍量の清浄空気で換気を行わなければならない。 

8.2.4 

バックグラウンド濃度(Cbg) 

清浄化後,無負荷状態のチャンバ内の測定対象物質のCbgを決定し記録しなければならない。 


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注記 Cbgは,例えば,チャンバ自体から,及びサンプリングチューブ又はフィルタからの放散物質に

起因することもある。 

n=1でのCbg値は,表1の限度未満でなければならない。 

 

表1−バックグラウンド濃度 

測定対象物質 

限度 

VOC及びカルボニル化合物 

個々の測定対象物質に対して2(µg/m3) 

TVOC 

20(µg/m3) 

オゾン 

4(µg/m3) 

粉じん 

10(µg/m3) 

FP及びUFP 

Cp=2 000(cm−3) 

 

8.2.5 

試験対象機器の開こん(梱) 

こん(梱)包材からの放散物質が,測定に多大な影響を及ぼす場合があり,通常の使用において試験対

象機器が放散しないVOCを放散することもある。したがって,試験対象機器は,輸送用コンテナから移

して開こん(梱)し,スペーサ,ラップフィルムのような全ての保護材から事前に離さなければならない

(8.2.6で規定)。 

注記 開こん(梱)後,試験対象機器の設置(8.2.7)は,試験対象機器の準備(8.2.6)の前に行って

もよい。 

8.2.6 

試験前の試験対象機器の準備 

3.8 %〜5.6 %の含水率の60 g/m2〜80 g/m2のA4紙を使って,A.1及びA.2で規定している標準テストペ

ージパターンの印刷を行い,最大プリント動作時間を決定しなければならない。その後,CIE 15:2004及

びISO 13655に従って,明度(L*)及び/又は色値(L*,a*,b*)を印刷物から決定しなければならない。 

試験対象機器は,試験前に試験前最大使用時間(MUT)まで使用してもよい。試験前最大使用時間(MUT)

は120分とする。 

チャンバ内又はチャンバ外で,1〜2回の10分間のプリント動作サイクルを,プリント速度の決定,正

常な動作の確認,長期間未使用であった後の動作で時々起こる不安定なUFP放散の影響を回避するために,

UFP測定の少なくとも1日前に行わなければならない。 

RAL-UZ 171法の場合,1〜2回の10分間のプリント動作サイクル,又は多くとも1 200ページのプリン

ト動作が,試験対象機器の機能の試験,プリント速度の決定の目的のために許されている。これ以上の準

備又は使用は,試験対象機器の機能不良によって必要な場合のほかは行ってはならない。 

前処理条件は,試験報告書に記録しなければならない。 

注記 対応国際規格に,最新のRAL-UZ 171の規定が反映されていないため変更した。 

8.2.7 

試験対象機器の設置 

設置の前に,試験対象機器は動作を完了できるだけの十分な消耗品をあらかじめ搭載する。印刷用紙は,

3.8 %〜5.6 %の含水率で60 g/m2〜80 g/m2のA4紙を使用する。 

チャンバ内空気の汚染防止のため,電源を切った試験対象機器をできるだけ速やかにチャンバの中央に

設置し,その後全ての作業者は,チャンバから直ちに出なければならない。 

8.2.8で規定した試験対象機器の電源投入時まで,電源を切ったままにしておかなければならない。 

8.6で規定した微粒子及び超微粒子放散速度の決定及び/又はRAL-UZ 171法の場合,試験対象機器は,

放散試験の前日にチャンバ内に設置する。 


11 

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全てのサンプリング及び/又は監視が完了するまで,チャンバは閉じておく。 

設置の日時を記録する。 

8.2.8で規定している放散試験は,設置後の少なくとも3回の換気終了後に開始する。 

8.2.8 

試験時の試験対象機器の動作 

8.2.8.1 

試験対象機器の動作の記録 

試験対象機器の動作の開始時間t0を記録する。 

動作段階の開始からの継続時間を記録する。 

8.2.8.2 

一般 

チャンバ外から試験対象機器の動作を制御して,8.3で規定しているVOC及びカルボニル化合物,8.4

で規定しているオゾン,8.5で規定している粉じん並びに8.6で規定している微粒子及び超微粒子を,測定

する。 

8.2.8.3 

相対湿度に関する特別な要求事項 

動作段階での用紙からの水分の蒸発による結露を避けるために,動作段階の前に,10 %以下の相対湿度

の清浄空気をチャンバに導入することができる。さらに,結露を回避するために換気回数を増やしてもよ

い。動作時の湿度の上昇は,チャンバ容積にも依存する。チャンバ壁に水蒸気が結露(例えば,rH>85 %)

した場合は,試験を無効とする。 

8.2.8.4 

動作前段階 

試験対象機器の電源を入れ,動作前段階を開始し,1回〜4回の換気相当時間の間は,この状態を継続し

なければならない。試験対象機器によっては通電されてすぐに粒子放散が観測されるので,8.6で規定した

微粒子及び超微粒子の決定のために,粒子の計数は,動作前段階の開始から始めなければならない。 

RAL-UZ 171法の場合,動作前段階の換気回数は1回/hとし,1回の換気終了まで継続する。 

8.2.8.5 

動作段階 

試験対象機器を,通常の印刷速度で動作させる。動作には,カラー印刷及び/又は両面印刷を含んでも

よい。印刷には,A.1及びA.2で規定しているモノクロ及びカラーの標準テストページを使用する。 

コピー又はプリントを開始することによって動作段階に入る。最初の印刷ページの出力をもって動作段

階の開始とし,最後に印刷されるページの出力をもって終了とする。 

換気回数(n),チャンバ容積,動作後段階の有無のような他のパラメータと関連して,動作の継続時間

は,定量分析の精度を保証するものでなければならない。 

動作段階の時間は,次のとおりに計画しなければならない。 

第一優先事項 動作時間は,少なくとも10分間でなければならない。 

第二優先事項 10分間の動作時間が技術的に実現できない場合,可能な限り長く動作させなければならな

い。プリントページ数は,150ページを下回ってはならない。最長の動作時間及び最大のプリントページ

数は,試験前にチェックし,試験計画に明記しなければならない。 

8.2.8.6 

動作後段階 

動作後段階は,動作段階が終わったときに始まり,4回の換気終了まで継続してもよい。 

8.3 

VOC及びカルボニル化合物 

図2に,VOC及びカルボニル化合物の放散速度決定方法を示す。 

 


12 

X 6936:2017  

 

 

図2−VOC及びカルボニル化合物の放散速度決定方法 

 

8.3.1 

吸着剤 

VOCのサンプリング及び分析は,ISO 16017-1が規定している吸着剤[ただし,大きなブランク値の問

題のためChromosorbTM 1) 及びPoraPakTM 1) は除く。]を使って実行しなければならない。Tenax TA® 1) を使

用する場合は,副生成物(Artefact),特にベンゼンの生成を最小化するためにISO 16000-6に従ってTenax 

TA®を前処理し分析しなければならない。 

注1) ChromosorbTM,PoraPakTM及びTenax TA®は,市販製品の一例である。 

RAL-UZ 171法の場合,Tenax管には,シクロデカン又は重水素化トルエンのような内部標準物質を添

加しなければならない。 

カルボニル化合物の場合,DNPHカートリッジを吸着剤として使用する。 

8.3.2 

標本のサンプリング 

VOCを測定する場合は,並行して2試料をサンプリングしなければならない。カルボニル化合物を測定

する場合は,少なくとも1試料をサンプリングしなければならない。 

測定対象の個別VOC及びカルボニル化合物は,1.0 µg/m3以上の濃度が検出できなければならない。さ

らに,RAL-UZ 171法を用いる場合,ベンゼンは,0.25 µg/m3以上の濃度が検出できなければならない。 

サンプリングは,次の二つの事項の間に実行しなければならない。 

a) 動作前段階においては,同段階の最初からサンプリングを開始する。RAL-UZ 171法の場合には,動

作前段階(計1時間)の終了20分前から同段階が終了するまで,100 mL/min〜200 mL/minの吸引速

度で,サンプリングを行う。 

b) 動作段階においては,同段階の最初からサンプリングを開始する。サンプリングは,動作後段階まで

継続してもよい。RAL-UZ 171法の場合には,100 mL/min〜200 mL/minの吸引速度で動作後段階に1

換気相当時間まで継続する。 

サンプリングした標本は,ISO 16000-3及びISO 16000-6の規定に従い,保管し分析しなければならない。 

同定されたVOCの量は,校正で求めた絶対補正(感度)係数を用い,定量化を行う。未同定のVOCの

量は,トルエンの相対補正(感度)係数を用い,定量化を行う。 

ベンゼンが検出されたときは,CarbotrapTM 2) 及びCarbopackTM 2) のような代替の炭素質吸着剤でサンプ

吸着剤の準備(8.3.1) 

EUTの動作開始(8.2.8),標本のサンプリ

ング,保管及び分析(8.3.2) 

チャンバ内濃度 

放散速度モデル(附属書C)

計算(8.3.3) 

放散速度 


13 

X 6936:2017  

 

リングし,分析することによって確認し定量化を行う。 

ベンゼンの検出が疑わしいときは,二番目の独立したサンプリングで確認する(例えば,CarbotrapTM若

しくはCarbopackTM,又は活性炭タイプの物質の使用による。)。 

注2) CarbotrapTM及びCarbopackTMは,市販製品の一例である。この情報は,この規格の利用者の便

宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。 

8.3.3 

放散速度の計算 

ここでは,実際の状況に適用される公式を記載しており,一般事例を特例化したものである(式は,附

属書Cで導かれている。)。 

濃度は,次の式を用いて算出する。 

bg

bg

bg

pre

pre

pre

ope

ope

ope

s

s

s

V

m

C

V

m

C

V

m

C

V

m

C

  (1) 

バックグラウンド放散速度は,次のとおりとする。 

V

n

C

SER

bg

bg

  (3)3) 

注3) 対応国際規格では,消耗品を使用しない事務機器の放散速度の計算式として式(2)を規定してい

るが,この規格では不要であり,不採用として式(2)を欠番とした。 

a) 動作前段階の放散 動作前段階では,放散速度は一定であると仮定して,放散速度を次の式で算出す

る。 

1) 標本をこの段階の始めからサンプリングする場合 

pre

pre

pre

bg

pre

pre

t

n

t

n

t

V

n

C

C

SER

1

)

exp(

)

(

2

  (4) 

2) RAL-UZ 171法 

V

n

C

SER

pre

pre

  (5) 

b) 動作段階及び動作後段階の放散 

1) 一般事例 これらの段階における放散速度は,次の一般式を用いて算出する。 

ope

ope

G

G

G

pre

ope

G

ope

G

pre

G

bg

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

t

n

t

t

n

t

t

n

SER

t

V

n

C

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

)]}

exp(

1[

)]

exp(

1[

1

)

(

)]

(

{exp[

)

(

2

  (6) 

2) 特殊事例 特殊事例に関する詳細については,附属書Cを参照する。動作後段階がない(tG=tope)

場合は,次の式を用いる。 

G

G

G

pre

pre

G

bg

ope

ope

t

n

t

n

t

n

t

n

SER

t

V

n

C

C

SER

1

)

exp(

)]}

exp(

1[

)]

exp(

1

{[

)

(

2

 ···· (7) 

動作後段階が相対的に長い(n・tG≧3)場合は,次の式を用いる。 

ope

pre

G

pre

G

bg

ope

ope

t

n

t

n

t

n

SER

t

V

n

C

C

SER

)]

exp(

[

)

(

2

  (8) 

3) RAL-UZ 171法 RAL-UZ 171法の場合は,動作後段階を1換気相当時間だけ継続し,次の近似式

を用いてSERopeを算出する[C.9において導いた式(C.28)]。 

ope

ope

G

G

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

2

  (9) 

8.3.4 

TVOCの放散速度の計算(RAL-UZ 171法) 

TVOC放散速度は,n-ヘキサンからn-ヘキサデカンまでの範囲で検出された全ての同定物質及び未同定


14 

X 6936:2017  

 

物質のうち,次の放散速度以上の物質の放散速度の総和として計算する。 

・ ≦5 m3のチャンバ内での測定値に関しては,SERpre≧0.005 mg/h及びSERope≧0.05 mg/h 

・ >5 m3のチャンバ内での測定値に関しては,SERpre≧0.02 mg/h及びSERope≧0.2 mg/h 

8.4 

オゾン 

図3に,オゾンの放散速度決定方法を示す。 

 

 

図3−オゾンの放散速度決定方法 

 

8.4.1 

計測器及びサンプリング配管の要件 

オゾン計測器は,少なくとも次の要件を満たしていなければならない。 

・ 4 µg/m3〜1 mg/m3の濃度を計測できる。 

・ 2 µg/m3の精度 

・ 2 L/min以下のサンプリング流量(小形チャンバでは,重要になることがある。) 

ΔCo3の最大値を決定するためのオゾン濃度データを,計測器のデータ処理によって小数点第一位を四捨

五入してppb(1.963 µg/m3)にしてはならない。四捨五入は,ΔCo3の決定において誤差を生じることがあ

る。 

サンプリング配管でのオゾンの喪失を防ぐために,配管の長さは,最小長さとし,4 mを超えてはなら

ない。配管には,PTFE製など柔軟かつ不活性な材質でできたものを用いる。 

8.4.2 

モニタリング 

オゾンは不安定分子であるので,8.4.3で規定しているΔCo3の最大値を決定するため,少なくとも動作

段階の最初の6分間,20秒ごとに1回以上の監視及び計測を同時に行う。さらに,動作段階の最初の6分

時点の前及び/又は後の時点で,8.4.3で規定しているとおり,時間推移平均化オゾン濃度データが計算で

きるようにデータを取らなければならない。 

8.4.3 

放散速度の計算 

オゾンの放散速度は,動作段階の最初の6分間のオゾン濃度の上昇によって導かれる。動作段階のこの

期間は,空気中の構成物質との化学反応によるオゾン損失及び換気による損失が比較的少ない。したがっ

計測器及び配管が要件(8.4.1) 

を満たしている。 

EUTの動作(8.2.8),監視及び計測

(8.4.2)を開始 

オゾン濃度 

放散速度モデル 

計算 

(8.4.3) 

放散速度 


15 

X 6936:2017  

 

て,オゾン濃度の上昇は,線形的であるとみなすことができる。 

動作段階のこの期間に,式(10)が成り立つとし, 

t

V

C

t

m

3

o

*

  (10) 

ここに, 

Δm: 放散されたオゾン質量(mg) 

 

ΔCo3: オゾン濃度の変化量(mg/m3) 

 

Δt: 時間間隔(min) 

オゾンの放散速度は,式(11)によって計算する。 

R

T

t

p

V

C

SER

3

o

3

O

*

*

60

*

*

*

 (11) 

2分間の時間間隔Δt及びΔCo3の最大値を,式(11)の計算に使わなければならない。ΔCo3の最大値は,動

作段階開始から6分間の記録されたデータによって,決定しなければならない。時間推移平均化オゾン濃

度の2分間の傾きが最大となる所[Co3(t+2)−Co3(t)=maximum]が,この場合に相当する。時間推移平均

化オゾン濃度は,80±5秒間の単純移動平均によって作成する。 

注記1 理論的には,動作段階の開始時点の時間間隔が,最大のΔm/Δtを示し,正確な放散速度が算

出できる。しかしながら,測定で得られるオゾン濃度曲線は,特に大きなチャンバにおいて

は,チャンバ内の空気混合の不完全さ及びオゾン計測器の電気ノイズによって生じるオゾン

濃度データのばらつきによって,理論曲線からずれる。このずれによって,理論に従ったオ

ゾン濃度決定が困難になる。時間推移平均化オゾン濃度を使うことによって,電気ノイズの

影響を大きく低減できる。Δtを2分間とし,ΔCo3の最大値を6分の間で決定しているのは,

残っているばらつきの影響を低減させるためである。 

298(=273+25)K及び101 325 Pa(1気圧)の標準大気温度及び圧力(SATP,standard ambient temperature 

and pressure)に換算される数値を示す計測器の場合,SERO3は,実際のチャンバ内圧力(p in Pa),実際の

チャンバ内温度(T in K)及びガス換算定数(R=339.8 Pa/K)を使って計算する。それ以外の場合,p/TR

=1を用いる。 

注記2 チャンバ内の温度及び圧力がSATPに等しい場合,p/TRは1である。 

8.5 

粉じん 

図4に,試験対象機器から放散される粉じん放散速度の決定方法を示す。 

 


16 

X 6936:2017  

 

 

図4−粉じんの放散速度決定方法 

 

8.5.1 

ひょう(秤)量及びフィルタの調整 

1 µg以下の計量精度をもつ天びんを,8.1.2で規定した温度及び湿度の部屋[ひょう(秤)量室]に設置

する。 

0.7 µm細孔サイズのガラス繊維フィルタ,又は同等品(例えば,0.8 µm細孔サイズのPVCフィルタ)

を使用する。 

フィルタは,ひょう(秤)量の前に48時間の間,ひょう(秤)量室で静置する。基準フィルタ(サンプ

リングには使用しないフィルタ)及び試料採取フィルタは,mref-before及びmbeforeを得るためにサンプリング

の前にひょう(秤)量する。 

8.5.2 

サンプリング 

粉じんは,試験対象機器の動作段階の開始から動作後段階の終了までサンプリングする。サンプリング

時間は,少なくとも5 µg/m3の粉じん濃度を検出するのに十分な長さとする。 

RAL-UZ 171法の場合は,動作後段階を4換気相当時間とし,動作段階の開始から動作後段階の終了ま

で,サンプリングを継続する。 

8.5.3 

放散速度の計算 

mref-after及びmafterを得るために,基準フィルタ及びサンプリング済みの試料採取フィルタを,サンプリン

グの後にひょう(秤)量する。 

基準フィルタ質量の差によって,粉じん質量を補正する。 

)

m

m

(

)

m

m

(

m

before

-

ref

after

-

ref

before

after

pm

  (12) 

Cope=mpm/Vopeの場合,SERpmは,次の式を使って計算する。 

ope

ope

G

G

G

ope

pm

t

n

t

t

n

t

n

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

2

 (13) 

EUTの動作(8.2.8)及びサンプ

リング(8.5.2) 

基準フィルタ及びサンプリングフ

ィルタのひょう(秤)量 

粉じん質量 

放散速度モデル 

計算 

(8.5.3) 

放散速度 

基準フィルタ及び試料採取フィル

タの調整及びひょう(秤)量(8.5.1) 


17 

X 6936:2017  

 

RAL-UZ 171法では,次の近似式を使用する。 

ope

G

ope

pm

t

t

V

n

C

SER

  (14) 

8.6 

微粒子及び超微粒子(FP及びUFP) 

図5に,試験対象機器から放散されるFP及びUFPの放散速度決定方法を示す。FP及びUFPの決定は,

粉じんの重量測定による決定方法(8.5)で代用することはできない。並行して行うべき追加の試験である。 

 

 

図5−FP及びUFPの放散速度決定方法 

 

8.6.1 

エアロゾル測定システム(AMS)に関する一般要件 

8.6.1.1 

一般 

AMSは,8.6.1.2で規定している粒子径範囲,8.6.1.3で規定している粒子個数濃度範囲及び8.6.1.4で規

定している時間分解能をもち,時間依存総粒子個数濃度を測定できなければならない。 

この試験の前に,附属書Bで規定しているAMS動作の準備状況を確認する試験に,適合しなければな

らない。 

RAL-UZ 171法では,使用される個々のAMSは,そこで規定している要求を満たしていることを確認し

なければならない。 

8.6.1.2 

粒子径範囲 

次の機器の設定は,最低限の要件とすることが望ましい。AMSは,少なくとも7 nm〜300 nmの間の粒

子径をもつ粒子数を計測できなければならない。 

下限粒子径(7 nm)の検出効率は,50 %以上でなければならない。 

AMSの要件(8.6.1)への適合,及

び動作準備試験(B.2.1又はB.2.2)

による適合確認 

EUTの動作開始(8.2.8) 

結果の計算(8.6.3) 

FP及びUFP

測定(8.6.2) 

放散速度モデル 

総粒子個数濃度の図 

粒子損失率係数βの計算 

粒子放散速度(PER)及び

総放散粒子個数(TP) 


18 

X 6936:2017  

 

注記 詳細事項については,AMSの取扱説明書を参照。 

8.6.1.3 

粒子個数濃度範囲 

ETCのサンプリングポートとAMSの空気取入口との間にエアロゾル希釈システムを使用せずに,次の

計測器の基準を,満たしていることが望ましい。 

・CPC 

上記(8.6.1.2)に規定している粒子径範囲において,検出可能な下限個数濃度は,1 cm−3でなければな

らない。 

上記(8.6.1.2)に規定している粒子径範囲において,検出可能な上限個数濃度は,107 cm−3を超えなけ

ればならない。 

・高速AMS 

下限粒子径(7 nm)に最も近い粒子径チャンネルにおいて,検出可能な下限個数濃度が5 000 cm−3以下

である。 

上限粒子径(300 nm)に最も近い粒子径チャンネルにおいて,検出可能な上限個数濃度が106 cm−3以上

である。 

注記1 これらの要件は,粒子径チャンネル幅と1秒の時間分解能とで正規化された濃度値を参照す

る。 

注記2 詳細は,B.1を参照。 

8.6.1.4 

時間分解能 

粒子個数濃度値は,少なくとも0.5 Hzの頻度で記録しなければならない。 

8.6.1.5 

AMSとETCとの接続 

ETCのサンプリングポートとAMSのエアロゾル取入口との間をつなぐチューブは,導電性材料(例え

ば,導電性シリコーンゴム)製でなければならず,チューブの長さが3 mを超えてはならない。チューブ

を鋭角に曲げてはならない。 

8.6.1.6 

品質保証 

AMSは,次の機能をもつ。 

・ 空気流量の校正 

・ 測定中の誤作動の自動的な報告及び表示 

・ 洗浄及び保守の手順 

・ ASCIIデータの出力(エクスポート) 

・ 設定値の報告 

・ 時間及び日付の,設定及び同期 

・ 高速AMSのための電位計ノイズレベルの測定 

8.6.2 

測定 

FP及びUFPは,EUTの動作前段階,動作段階及び動作後段階の間測定し続けなければならない。FP及

びUFPの測定結果は,動作段階開始の5分前から動作段階終了の少なくとも30分後までの時間に対する

Cpの変化の図として表される。 

8.6.3 

計算 

8.6.3.1 

一般 

次に示すように,測定データの品質をチェックするために,AMS製造業者のソフトウェアデータ表示機

能を使用するのがよい。 


19 

X 6936:2017  

 

− 動作段階中及び動作段階後において,時間推移粒子個数濃度には,急激な不連続又は階段状変化が現

れないほうがよい。階段状の変化幅は,約15 000 cm−3を超えないほうがよい。 

− 繰り返し測定してもこの基準を満たすことができない場合,CPCをシングルカウントモードで動作さ

せるため,ETCのサンプリングポートとAMSの空気取入口との間でエアロゾルを希釈することが認

められる。 

注記 CPC測定データの階段状変化に関する技術的な注記を,次に記載する。 

CPCは,低濃度ではシングルカウントモード(SCM)で動作する。粒子個数濃度の増加に

伴い,CPCの動作はフォトメトリックモード(PM)に移行する。それぞれの動作モードの

濃度範囲については,製造業者の取扱説明書を参照。多くのCPCでは,一般的に10 000〜

50 000 cm−3の間で移行する。この範囲で,階段状変化又は不連続が発生することがある[2]。 

AMS製造業者のソフトウェアは,時間推移総粒子個数濃度データを測定ファイルから編集可能なファイ

ルへ出力(エクスポート)するのに使うことが望ましい。エアロゾルの希釈が行われた場合は,希釈率に

応じてデータを補正することが望ましい。 

時間推移平均化濃度(例えば,31±3秒にわたる単純移動平均)は,粒子損失率係数β,粒子放散速度

PER,総放散粒子個数TPを計算するために使用しなければならない。 

8.6.3.2 

粒子損失率係数βの計算 

計算の最初から終わりまで,全時間データに関して一貫性のあるデータ形式及び単位を使用するのがよ

い。 

 

 

動作段階 

 

時間(分) 

図6−時間推移総粒子個数濃度図(例) 

 

a) 図6に示すように,時間推移平均化濃度をプロットする(時間推移濃度も図に表示してもよい。)。 

b) 図6に示すように,c1,t1及びc2,t2の値を平均化時間推移濃度から正確に読み取る。c1,t1の値は,

測定値 
平均値 

Cp(tstop) 

Cp(tstart) 

t1 

c1 

c2 

t2 

tstart 

tstop 

C

p

(t

(c

m

-3)

 


20 

X 6936:2017  

 

粒子個数濃度の最大値より少なくとも5分後に読み取られていることを確認する。t1より後には,粒

子の放散が起こっていてはならない(図7参照)。c2,t2の値は,t1と所定の間隔(少なくとも25分)

をおいて読み取られていることを確認する。 

c) 次の式を使ってβを計算する。 

1

2

2

1

ln

t

t

c

c

β

  (15) 

注記 代替方法として,粒子放散終了後の総粒子個数濃度減衰曲線を単一指数減衰関数に近似する

ことによって,βを決定する方法がある。 

β

α

Cp

exp

  (16) 

その場合,以降の計算の精度を確保するために,近似式との相関係数は0.98より大きいことが必要

となる。 

8.6.3.3 

PER及びTPの計算 

8.6.3.3.1 

事例の分類 

計算のための事例の分類を,次に示す。 

事例a) 動作段階の終了後,Cp(t)が連続的に減少しているときは,8.6.3.3.2に規定する手順を適用しなけ

ればならない。 

事例b) 動作段階の終了後,Cp(t)が増加しているときは,8.6.3.3.3に規定する手順を適用しなければなら

ない。 

8.6.3.3.2 

事例a) 

1) tstart及びCp(tstart)の値を,図6に示すとおり,時間推移平均化濃度データから正確に読み取る。 

2) tstop及びCp(tstop)の値を,図6に示すとおり,時間推移平均化濃度データから正確に読み取る。 

3) 8.6.3.3.4の最後の手順に進む。 

8.6.3.3.3 

事例b)[PER(t)の計算] 

1) tstart及びCp(tstart)の値を,図6に示すとおり,時間推移平均化濃度データから正確に読み取る。 

2) 連続した2データの時間差Δt(秒)を計算する。 

3) PER(t)(個/秒)は,Δtを使って計算しなければならない。 

t

β

t

t

β

t

t

C

t

C

u

V

t

PER

p

p

Δ

exp

Δ

Δ

exp

Δ

)

(

  (17) 

4) 図7に示すとおり,PER(t)をプロット(表示)する。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


21 

X 6936:2017  

 

 

動作段階 

 

時間(分) 

図7−PER(t)及びCp(t)の図 

 

5) 図7のように,tstop及びCp(tstop)の値は,時間推移平均化濃度データ曲線から正確に読み取らなけれ

ばならない。tstopは,それ以降PER(t)が最大値の10 %未満にとどまる時間軸上の点である。 

注記 ETC内の粒子個数濃度減少の影響によって,粒子放散速度曲線が部分的にゼロを示すベー

スラインを下回ることがあるが,計算には考慮されない。粒子放散の終了前後では,PER(t)

の値はゼロを示すベースラインに近くなる。すなわち,PER(t)値の変動は,ゼロを中心に

PER(t)最大値の±5 %の範囲内である。 

6) 8.6.3.3.4の最後の手順に進む。 

8.6.3.3.4 

PER及びTPの計算の最終手順 

a) 総粒子個数濃度差(ΔCp)は,次の式で計算しなければならない。 

start

p

stop

p

p

t

C

t

C

C

Δ

  (18) 

b) tstartとtstopとの間の濃度測定値の算術平均は,次の式で計算しなければならない。 

n

C

C

ni

i

av

p,  (19) 

ここに, 

n: tstartとtstopとの間の濃度測定値の数 

c) PERは,次の式を使って計算しなければならない。 

av

C

β

t

t

C

u

V

PER

start

stop

p

Δ

 (20) 

PER(h−1)の相対誤差を25 %と見積もる。 

d) TPは,次の式を使って計算しなければならない。 

PER(t) 

平均CP(t) 

C

p

(t

(c

m

-3)

 

P

E

R

(t

(h

-1)

 

Cp(tstop) 

tstop 

PER(t) < 0.1 PER(t)max 


22 

X 6936:2017  

 

start

stopt

t

PER

TP

 (21) 

TPの相対誤差を25 %と見積もる。 

PER及びTPの計算は,次の場合,信頼性が低い。 

3

cm

000

1

Δ

p

C

 

この場合,結果の数値(β,PER,TP)は,“定量下限未満”としてプロトコルに明記しなければな

らない。 

 

試験報告書 

適用及び入手が可能な場合,試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。 

試験所に関する情報 

・ この規格との関係の記述 

・ 試験所の名称及び住所 

・ 責任者の名前 

・ 試験報告書の識別番号 

 

試験対象機器に関する情報 

・ 製造業者 

・ 品目名,商品名,製造番号及び設置タイプ(卓上形又は床置き形の,いずれかを記載) 

・ 製造業者からの情報に基づくプリント若しくはコピー時間,又はプリント若しくはコピー速度 

・ 使用した消耗品の製品番号(型番)及びロット番号 

・ 試験対象機器及び消耗品の履歴[製造日,試験所到着日,開こん(梱)日時,保管期間,試験前の保

管環境条件] 

・ こん(梱)包材の種類 

・ 外形寸法 

・ 製造から試験開始までの,試験対象機器の総稼働時間 

 

試験条件などに関する情報 

・ 試験日 

・ 使用した装置及び方法(チャンバ,空気清浄システム,環境制御装置,空気サンプリング,分析機器,

標準物質及び校正方法)についての説明 

・ AMSの説明 

AMSの製造業者,型式,タイプ,シリアル番号 

AMSのソフトウェアの名称及び版名 

最新の校正及び/又はメンテナンス実施日 

測定時のAMSセット値 

粒子サイズ範囲(又は高速AMSでの,粒子サイズ範囲及びこの範囲内のチャンネル番号) 

動作の準備ができていることの確認試験(強制)の結果(附属書Bを参照) 

・ 品質保証項目への適合の宣言 

・ 測定データファイル名及び保存場所 


23 

X 6936:2017  

 

・ ASCII出力(エクスポート)データファイル名及び保存場所 

・ チャンバ試験条件(温度,相対湿度及び換気回数) 

・ バックグラウンド濃度(Cbg) 

・ 試料負荷率 

・ サンプリング方法(吸着剤,空気サンプリング量,サンプリング開始時刻及び継続時間) 

・ 動作前,動作及び動作後段階の開始時刻及び継続時間 

・ 試験に関する特記事項 

・ 試験時の印刷速度及び印刷ページ数 

・ 試験時の印刷モード(モノクロ又はカラー) 

・ 印刷物の明度(L*)及び/又は色値(L*,a*,b*) 

・ 無負荷状態のチャンバのオゾン半減時間 

・ (揮発性有機化合物,カルボニル化合物,オゾン及び粉じん)検出下限 

・ 規定の試験方法を適用することに障害があり,ずれが生じた場合,その内容及び理由 

 

放散速度の決定及び総量の決定 

・ 測定したチャンバ内濃度から放散速度を決定するのに使用した計算式の特定 

・ PER及びTPを決定するのに使用した計算方法の特定 

 

試験結果 

・ 動作前段階及び動作段階で同定したVOC,ホルムアルデヒド及びその他のカルボニル化合物の名称,

CAS番号(ケミカルアブストラクトサービス登録番号)及び濃度並びに放散速度 

・ 動作前段階及び動作段階の未同定のVOCの濃度及び放散速度 

・ RAL-UZ 171法の場合は,ISO 16000-6で規定しているトルエン相対補正(感度)係数に基づいて計算

したTVOC放散速度 

・ 2分間のオゾン濃度最大変化及び計算したオゾン放散速度 

・ サンプリングした粉じんの質量(mpm)及び放散速度(SERpm) 

・ 規定に従った時間推移粒子個数濃度の図 

・ エアロゾルが希釈された場合は希釈率 

・ 粒子損失率係数βの計算値 

・ 平均粒子放散速度PER 

・ 放散粒子総個数TP 

 


24 

X 6936:2017  

 

附属書A 

(規定) 

標準テストページ 

 

A.1 カバー率5 %のモノクロ標準テストページ 

A.1は,(実物大ではない)5 %の黒カバー率のモノクロ標準テストページを示している。この規格の用

紙を使用する動作段階の試験は, 

http://www.ecma-international.org/publications/standards/Ecma-328.htmにあるモノクロ標準テストページを

使って実行する。 

 

 

 


25 

X 6936:2017  

 

A.2 カバー率20 %のカラー標準テストページ 

A.2は,(実物大ではない)20 %のカバー率(ブラック,マゼンタ,シアン,イエロー各5 %)の標準テ

ストページを示している。この規格の用紙を使用する動作段階の試験は, 

http://www.ecma-international.org/publications/standards/Ecma-328.htmにあるカラー標準テストページを使

って実行する。 

 

 

 


26 

X 6936:2017  

 

附属書B 

(規定) 

準備のためのAMS試験手順 

 

B.1 

AMSの動作の準備ができていることの確認手順 

この附属書は,AMSの動作の準備ができていることの確認試験のための手順を規定する(図B.1及び図

B.2参照)。これらのステップは,定期的な機器のメンテナンスの要求事項である。 

B.1.1 粒子サイズ濃度範囲の測定 

下限粒子サイズは,特定のAMSの計数効率が50 %である最小の直径である。 

上限粒子サイズは,特定のAMSの計数効率が50 %である最大の直径である。 

CPCは,溶剤としてブタノール又はイソプロパノールを使用して動作するものでなければならない。 

B.1.2 粒子個数濃度範囲の測定 

下側限界個数濃度レベルは,測定機器の誤計数率に起因しており,公表されたバックグラウンド濃度か

ら95 %の統計的確かさで決定された濃度である。誤計数率は,粒子によって生じたものではない計数率の,

公表値である。 

電流値測定をベースとする高速AMSの場合,粒子サイズが大きくなるに従い,下側限界粒子個数濃度

は減少し,同じく上側限界個数濃度も減少する。下側,上側いずれの場合の限界個数濃度も,CPCのよう

な他のAMSに比べてはるかに高い。 

粒子サイズに依存した測定を行う高速AMSによる個数濃度は,絶対濃度Cpと表してもよいし,それぞ

れの粒子サイズ範囲の幅で規格化された濃度d Cpi/d log diで表してもよい。ここで,iはそれぞれの粒子サ

イズチャンネルに対応する。 

 


27 

X 6936:2017  

 

B.2 

高速AMSの動作の準備ができていることの確認手順 

 

 

図B.1−高速AMSの操作準備の計画 

 

B.2.1 機器の調整 

a) 機器及び配管の清浄度のチェック 

b) ETCのサンプリングポートと高速AMSの空気取入口との間が,最大で3 mの長さで直線的に接続で

きるように,高速AMSの位置を調整する。 

c) AMS及び/又はAMSのソフトウェア及び実験室の時計の,日付及び時間のセット値をチェックする。

日付が異なっている場合,及び/又は時刻が1秒を超えて異なっている場合は同期させる。 

B.2.2 ゼロ点チェック 

高速AMSの安定動作を確実にするために,ゼロ点チェックからEUTを試験するまでの間で,スイッチ

を切らないほうがよい。 

a) 高速AMSのエアロゾル取入口にHEPAフィルタ(少なくとも99.99 %の除去効率をもつ。)を装着す

る。 

b) 高速AMSのスイッチを入れ,少なくとも20分間暖気運転する。 

c) 全ての動作パラメータ[空気温度,電圧,内部圧力,及び各流量(サンプル流量,シース流量,エク

ストラクション流量及びチャージャ流量)]が,正常であることを確認する。 

機器の調整(B.2.1) 

ゼロ点チェック(B.2.2) 

オフセットのチェック[B.2.2 e) ] 

ノイズレベル[B.2.2 f) ] 

準備(B.2.3) 

態のチェック[B.2.3 a) ] 

フセットのチェック[B.2.3 b) ] 

のチェック[B.2.3 c) ] 

イズレベルのチェック[B.2.3 d) ] 

のチェック[B.2.3 f) ] 

修理 

8.6を続ける。 

要求条件を 

満たす。 

要求条件を 

満たす。 

要求条件を 

満たさない。 

要求条件を 

満たさない。 


28 

X 6936:2017  

 

d) 機器の製造業者の取扱説明書に従ってゼロイングを行い,エレクトロメータオフセット値及びRMS

値が正常であることを確認する。 

e) HEPAフィルタを装着した状態で,粒子個数濃度モードでの1秒間隔の測定を開始する。この状態で

少なくとも2時間は測定を継続する。得られたスペクトルについて,異常値の記録及び目的信号以外

のノイズがないか調べる。 

f) 

観測される個数濃度(dN)は,機器の製造業者が各々のサイズチャンネルに対して規定している下側

限界濃度レベルから500 cm−3を上回らないほうがよい。各チャンネルのスペクトルには,濃度の急激

な変化(すなわち,任意のある時点から10秒未満の間に濃度が2倍を超えて上昇又は下降する。)が

起こらないようにしなければならない。 

B.2.3 測定のための準備 

a) 全ての動作パラメータ[空気温度,電圧,内部圧力,及び各流量(サンプル流量,シース流量,エク

ストラクション流量及びチャージャ流量)]が,正常であることを確認する。 

b) 機器の製造業者の取扱説明書に従ってゼロイングを行い,エレクトロメータの電流オフセット値及び

RMS値が正常であることを確認する。 

c) 機器の動作を30分間継続した後,ステップb) を繰り返し,電流オフセット値が±10 fAの範囲を超

えて変動しないことを確認する。 

d) 観測される粒子濃度(dN)は,各々のサイズチャンネルにおいて,機器の製造業者によって規定され

た各々の下限濃度から500 cm−3を超えて上回らないほうがよい。 

e) 高速AMSのエアロゾル取入口からHEPAフィルタを外す。 

f) 

サンプリング流速を測定する。内部の流量計で流速の決定が可能な場合は,この値を参照する。そう

でない場合は,校正証明書付きの流量計を使用する。AMSの流量測定値は,校正証明書に記載された

値の±10 %の範囲内になければならない。 

g) AMSをETCに接続する。チューブの鋭角な曲げがあってはならない。 

h) ETC内の粒子バックグラウンド濃度を測定する。バックグラウンド濃度レベルは,8.2.4の表1に示す

値と同等であることが望ましい。 

 


29 

X 6936:2017  

 

B.3 

CPCの動作の準備ができていることの確認手順 

 

 

図B.2−CPCの準備計画 

 

B.3.1 準備 

a) CPCのスイッチを入れる。規定されたレベルまで溶剤タンクを溶剤で満たす(機器製造業者の,タン

クが満たされた場合の使用上の注意事項に従う。)。 

b) CPCが,移動又は保管のために乾かされている場合には,機器製造業者の取扱説明書に従い,機器を

動作条件にセットする。 

c) 必要な場合は,試験前にCPCから廃液を抜く。 

d) 飽和器,凝縮器及び光学系部品の温度が,規定された温度に到達するまで待つ。 

e) サンプリング流速を測定する。内部の流量計で流速の決定が可能な場合は,この値を参照する。そう

でない場合は,校正証明書付きの流量計を使用する。AMSの流量測定値は,校正証明書に記載された

値の±10 %の範囲内になければならない。 

f) 

CPC内の溶剤ウィックに溶剤が十分浸透していることをチェックする。チェックは,例えば,室内空

気のサンプリングによって行うことができる。測定した室内空気の個数濃度は,1 000 cm−3を超えて

いることが望ましい。なぜならば一般的な室内空気の個数濃度は,この値よりも高い。十分に高個数

濃度の他の発生源からのエアロゾルを使用してもよい。 

g) HEPAフィルタ(少なくとも,99.99 %の除去効率をもつ。)が,CPCの空気取入口に装着されている

とき,濃度がゼロを示すことをチェックする。濃度が1 cm−3よりも高い場合は,HEPAフィルタとCPC

との間に空気の漏れがないかをチェックし,漏れがある場合は,改善する。漏れが完全に除かれた後

に,1分間の観測時間内に1 cm−3よりも大きな濃度が計数された場合には,機器製造業者の点検を受

ける必要がある。 

h) CPCを機器特有の直径をもつ導電性配管で,ETCのサンプリングポートに接続する。 

i) 

ETC内の粒子バックグラウンド濃度を測定する。バックグラウンド濃度レベルは,8.2.4の表1に示す

値と同等であることが望ましい。 

 

機器の調整 

修理 

8.6を続ける。 

要求条件を 

満たす。 

要求条件を 

満たさない。 

準備(B.3.1) 

剤レベルのチェック[B.3.1 a) ] 

ンクの排水[B.3.1 c) ] 

態のチェック[B.3.1 f) ] 

のチェック[B.3.1 e) ] 

 


30 

X 6936:2017  

 

附属書C 
(参考) 

放散速度モデル 

 

C.1 目的 

この附属書は,チャンバでサンプリングしたVOC,カルボニル化合物及び粉じんの濃度から放散速度を

計算する一般式を導く。 

注記 この附属書では,“印刷段階(printing phase)”とは動作段階を指している。 

 

C.2 手法 

ある期間においてサンプリングを行うことによって,その期間の平均濃度が得られる。 

放散速度は,この平均濃度から計算できる。印刷時の平均濃度は,図C.1に示すように四つの異なる領

域によって説明することができる。印刷時においては2領域が存在しており,それらは,印刷を示す領域

m1,及び動作前段階に上昇した初期濃度(C0)からの減衰を示す領域m2である。領域m3は,動作後段

階におけるCmaxからの濃度減衰を示し,領域m4は,動作後段階における動作前段階及びバックグラウン

ドに起因する放散の濃度上昇を示す。 

次のことを,前提とする。 

・ 放散速度は,各段階内では一定である。 

・ 動作前段階及び動作後段階の放散速度は,同じである。 

・ 動作前段階及び動作後段階に,省電力モードは適用されない。 

これらの前提が適用されない場合は,この規格の範囲外である。 

 

C.3 一般的な物質収支及び濃度の方程式 

次の物質収支は,一定の放散速度(SER)をもつ放散源を設置したチャンバに関して有効である。 

C

n

V

SER

dt

dC

  (C.1) 

式(C.1)を積分してCを得る。 

)

exp(

)]

exp(

1[

0

t

n

C

t

n

V

n

SER

C

  (C.2) 

 

C.4 バックグラウンドSER 

式(C.2)においてSER=SERbg及びC0=0の場合,バックグラウンド濃度は,次の式による。 

)]

exp(

1[

t

n

V

n

SER

C

bg

bg

  (C.3) 

n・t≧3の場合,式(C.3)は平衡状態で簡略化でき,次の式となる。 

V

n

C

SER

bg

bg

  (C.4) 

単純化のために,SERbgは,箇条8の式に適用していたように,以降に誘導される式でもCbg・n・V[式(C.4)

から]に置き換えてもよい。 

 


31 

X 6936:2017  

 

C.5 動作前段階での排出 

図C.1に示す放散速度モデルを想定する。動作前段階では,二つの一定放散源がある。一つはチャンバ

のバックグラウンドからのものであり,もう一つは動作前段階の測定対象機器からのものである。 

式(C.1)でSER=SERbg+SERpreとすると,次の式を得る。 

C

n

V

SER

SER

dt

dC

pre

bg

  (C.5) 

)

exp(

)]

exp(

1[

0

t

n

C

t

n

V

n

SER

SER

C

pre

bg

pre

 (C.6) 

動作前段階の初期濃度(C0)は,バックグラウンド濃度Cbgに等しいので,式(C.6)は次のようになる。 

V

n

SER

t

n

V

n

SER

C

bg

pre

pre

)]

exp(

1[

  (C.7) 

サンプリングしたVOCの総質量は,平均濃度とサンプリング時間との積(Cpre・tpre)に等しく,t=0か

らt=tpreまでの範囲で積分することによって得られる。 

pre

bg

pre

pre

pre

t

bg

pre

pre

pre

pre

t

V

n

SER

t

n

t

n

V

n

SER

dt

V

n

SER

t

n

V

n

SER

t

C

pre

]1

)

exp(

[

)]

exp(

1[

2

0

  (C.8) 

SERpreに対して式(C.8)を整理して,次の式を得る。 

1

)

exp(

)

(

1

)

exp(

2

2

pre

pre

pre

bg

pre

pre

pre

pre

bg

pre

pre

pre

t

n

t

n

t

V

n

C

C

t

n

t

n

t

n

SER

t

V

n

C

SER

  (C.9) 

 

C.6 動作段階における放散 

動作段階の間,濃度上昇は,測定対象機器の動作及びバックグラウンド濃度だけに起因する。SER=SERbg

+SERopeを用いて式(C.1)を積分すると,次の式を得る。 

)

exp(

)]

exp(

1[

0

t

n

C

t

n

V

n

SER

SER

C

bg

ope

ope

 (C.10) 

注記 式(C.10)では,C0は,式(C.7)で算出する動作前段階の終了時の濃度(Cpre)に等しい。 

図C.1では,m1からm4までの領域は,一つの放散源に起因する平均濃度と当該段階の時間との積を示

している。ゼロから印刷終了までの時間(tope)の範囲で式(C.10)を積分すると,m1及びm2を得る。 

V

n

t

n

t

n

SER

SER

dt

t

n

V

n

SER

SER

ope

ope

bg

ope

t

bg

ope

ope

2

0

]1

)

exp(

[

)

(

)]

exp(

1[

1

m

  (C.11) 

ope

t

ope

V

n

t

n

V

n

C

dt

t

n

C

0

2

0

0

)]

exp(

1[

)]

exp(

[

2

m

  (C.12) 

ここに, 

m1: 印刷時の濃度面積 

 

m2: 印刷時に換気によってC0から減衰する濃度面積 

 

m3: Cmaxから,(動作前濃度及びバックグラウンド濃度の)平衡濃

度まで減衰する期間の濃度面積 

 

m4: 動作後段階の濃度面積 

 


32 

X 6936:2017  

 

 

 

注a) サンプリングは,各段階においていつでも停止することができる。 

b) 動作前サンプリング時間と動作後サンプリング時間とが等しい場合,エラーを最小化することができる。 

 

図C.1−印刷及び動作後段階での濃度変化を図示 

 

C.7 動作後段階での排出 

動作段階から上昇する濃度(Cmax)は,動作後段階での換気によって減少する。一方,放散によって,

バックグラウンドレベルから動作前段階の終了時のレベルまで,濃度が増加する。t=topeを式(C.10)に代入

して,図C.1のCmaxを得る。 

)

exp(

)]

exp(

1[

)

(

0

ope

ope

bg

ope

max

t

n

C

t

n

V

n

SER

SER

C

 (C.13) 

式(C.2)と同様に,動作後段階の濃度は,次のように書き表すことができる。 

)]

(

exp[

)]}

(

exp[

1{

)

(

ope

max

ope

bg

pre

post

t

t

n

C

t

t

n

V

n

SER

SER

C

  (C.14) 

 

 

 

 

動作後段階の放散による項 

Cmaxに達した濃度は換気によって減少 

図C.1のm3は,topeからtGまでの範囲で,式(C.14)の第2項を積分して得る。 


33 

X 6936:2017  

 

)

exp(

]1

)

[exp(

)

(

}1

)]

(

{exp[

)]

(

exp[

)

exp(

)]

exp(

1[

)

(

3

m

0

2

0

ope

ope

bg

ope

ope

G

ope

t

t

ope

ope

bg

ope

t

n

n

C

t

n

V

n

SER

SER

t

t

n

dt

t

t

n

t

n

C

t

n

V

n

SER

SER

G

ope

 ··· (C.15) 

同様に,m4は,式(C.14)の第1項を積分して得る。 

}1

)]

(

exp[

)

(

{

)

(

)]}

(

exp[

1{

)

(

4

m

2

ope

G

ope

G

bg

pre

t

t

ope

bg

pre

t

t

n

t

t

n

V

n

SER

SER

dt

t

t

n

V

n

SER

SER

G

ope

  (C.16) 

動作及び動作後段階におけるサンプリング中の平均濃度(Cope)は,次のとおりである。 

ope

ope

G

ope

V

m

t

C

4

m

3

m

2

m

1

m

 (C.17) 

式(C.11),式(C.12),式(C.15)及び式(C.16)に,m1,m2,m3及びm4を代入してCopeを得て,SERopeに対

して整理する。 

ope

ope

G

G

G

G

G

bg

ope

ope

G

G

ope

G

ope

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

V

n

C

t

n

t

n

SER

t

n

t

t

n

t

n

t

t

n

t

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

)]

exp(

1[

]1

)

[exp(

)]

(

exp[

)

exp(

}1

)

(

)]

(

{exp[

0

2

 ·· (C.18) 

初期濃度C0は,動作前段階における放散速度によって算出できる。すなわち, 

V

n

SER

t

n

V

n

SER

C

bg

pre

pre

)]

exp(

1[

0

  (C.19) 

動作前段階に対して動作段階の換気回数(n)が異なる場合,動作前段階のnは,npreと置き換えること

ができる。 

V

n

SER

t

n

V

n

SER

C

pre

bg

pre

pre

pre

pre

)]

exp(

1[

0

  (C.20) 

nが動作前,動作,動作後の各段階で等しい場合,式(C.18)は,式(C.19)を使って簡略化できる。 

ope

ope

G

G

G

bg

ope

ope

G

G

G

pre

ope

G

ope

G

pre

ope

ope

G

G

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

SER

t

n

t

t

n

t

n

t

n

t

n

t

t

n

t

t

n

SER

t

n

t

t

n

t

n

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

)]

(

exp[

)

exp(

)]}

exp(

1[

)]

exp(

1[

1

)

(

)]

(

{exp[

)]

(

exp[

)

exp(

2

 · (C.21) 

式(C.21)は,箇条8で使用した一般事例の式である。 

注記 試験対象機器の放散挙動が不明な場合(省電力モードなどの,一つ以上の省電力モードをもつ

場合),動作前(tpre)と動作後(tG−tope)とで,同じサンプリング時間を用いることを推奨す

る。この場合,式(C.21)は,次のように整理できる。 

ope

ope

G

G

G

bg

ope

ope

G

G

ope

G

G

ope

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

SER

t

n

t

t

n

t

n

t

t

n

t

n

t

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

)]

(

exp[

)

exp(

)]}

2(

exp[

)

exp(

)

(

{

2

 ·· (C.22) 


34 

X 6936:2017  

 

C.8 特殊事例 

事例1 動作前段階が相対的に長く(n・tpre≧3),かつ,動作後段階も相対的に長い場合は(n・tG≧3),式

(C.21)は,次のように簡略化できる。 

ope

G

bg

ope

pre

ope

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

n

SER

t

n

t

n

t

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

exp(

)

(

[

2

  (C.23) 

   さらに,n・tpre≧3の場合,式(C.23)は,次のように簡略化できる。 

ope

G

bg

ope

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

n

SER

t

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

[

2

  (C.24) 

   さらに,バックグラウンド濃度を無視できる場合,式(C.24)は,次のように簡略化できる。 

ope

ope

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

[

2

  (C.25) 

事例2 動作前段階が相対的に長く(n・tpre≧3),動作前段階及び動作段階の換気回数が等しい場合(npre

=n),式(C.21)は,次のように簡略化できる。 

ope

ope

G

G

G

bg

ope

ope

G

G

G

ope

G

ope

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

SER

t

n

t

t

n

t

n

t

n

t

t

n

t

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

)]

(

exp[

)

exp(

)}

exp(

)

(

)]

(

{exp[

2

 ···· (C.26) 

 

C.9 RAL-UZ 171法のモデル 

C.3〜C.8で記載するモデルとRAL-UZ 171法のモデルとは,動作段階の放散速度の定義だけが異なって

いる。 

動作段階の放散速度は,次のモデルで説明しているように,SERope及びSERpreによって構成されている

とみなすことができる。 

図C.2 a) は,動作前段階でCpreが平衡に達した状態を示している。図C.2 b) において,動作前段階で

平衡に達していないが,試験対象機器は動作前段階に省電力モード状態に入るために,動作前段階の終了

時に近似平衡状態に達していることを想定している。 

図C.2において,m1'+m3'によって表される濃度曲線下の面積を,放散と定義する。これは,印刷によ

る濃度の増加とみなすことができる。 

SERopeは,次のとおりである。 

ope

ope

G

G

G

ope

ope

G

G

G

G

bg

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

V

n

C

t

n

t

t

n

t

n

t

n

t

n

SER

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

)]

exp(

1[

)]

(

exp[

)

exp(

]1

)

[exp(

)

(

0

2

  (C.27) 

初期濃度(C0)は,式(C.19)又は式(C.20)から求める。 

初期濃度が動作前平衡濃度と等しく[C0=SERpre/(n・V)],nが動作前,動作後及び動作段階で等しい場合

[すなわち,式(C.19)が成り立つ。],式(C.27)は,次のようになる。 

ope

ope

G

G

G

bg

G

pre

G

ope

ope

t

n

t

t

n

t

n

t

n

SER

t

n

SER

t

V

n

C

SER

)]

(

exp[

)

exp(

2

  (C.28) 


35 

X 6936:2017  

 

 

注a) サンプリングは,動作後段階の間に,いつでも停止できる。 

a) 

 

 

b) 

図C.2−a) 平衡及び定数C0のモデル,並びにb) RAL-UZ 171法モデル 

 


36 

X 6936:2017  

 

参考文献 

 

[1] RAL-UZ 171,Test method for the determination of emissions from Hard Copy Devices 

[2] GILHAM R.J.J., QUINCEY P.G., Measurement and mitigation of response discontinuities of a widely used 

condensation particle counter, J Aerosol Sci, Volume 40, Issue 7, July 2009, p 633-637) 

 


37 

X 6936:2017  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS X 6936:2017 事務機器−化学物質の放散速度決定方法 

ISO/IEC 28360:2015,Information technology−Office equipment−Determination of 
chemical emission rates from electronic equipment 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 試験の対象とす

る事務機器につ
いて規定。 

 

消耗品を使用しない事
務機器を除き,JISに
ほぼ同じ。 

削除 

試験の対象から,“消耗品を使用しない
事務機器”を削除した。 

消耗品を使用しない事務機器につ
いては,JIS C 9913が制定されてい
るため,適用範囲から削除した。 

2 適合条件 この規格に適合

する条件を規定。 

 

測定方法及び測定精度
の精確さの記載を除
き,JISに同じ。 

追加 

a)に,“測定方法及び測定結果の精確さ
については,JIS Z 8402-1,JIS Z 8402-2
及びJIS Z 8402-3による。”の記載を追
加した。 

測定方法及び測定精度の精確さに
ついての規定がないため,追加し
た。 

追加 

b)に,“及び8.1”の記載を追加した。 

試験条件については,箇条7以外に
8.1にも記載されているため追加し
た。 

3 引用規格  

 

 

 

 

 

 

4 用語及び
定義 

4.18 粒子 

 

4.18 

JISにほぼ同じ。 

追加 

注記を追加した。 

規格使用者の理解促進のため。 

4.30 放散速度,
SER 

 

4.30 

JISにほぼ同じ。 

削除 

注記を削除した。 

消耗品を使用する事務機器では,複
数の機器を同時にチャンバ内に設
置して測定することはなく,放散速
度は常に1台当たりのものである
ため。 

4.32 濃度面積 

 

− 

− 

追加 

附属書Cで用いているので,用語として
加え,定義を追加した。 

規格使用者の理解促進のため。 

 

 

7

 

X

 6

9

3

6

2

0

1

7

 

 

 

 

 


38 

X 6936:2017  

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 記号及び
略語 

5.1 頭文字及び略
語 

 

5.1 

CE及びICTを除いて
JISに同じ。 

削除 

消耗品を使用しない事務機器に関する
略語の,“CE”及び“ICT”を削除した。 

消耗品を使用しない事務機器は,こ
の規格の対象でないので削除した。 

5.2 記号 

 

5.2 

削除 

試験対象機器は,1台であることを前提
としているため,“u”を削除した。 

消耗品を使用する事務機器では,複
数の機器を同時にチャンバ内に設
置して測定することはないので削
除した。 

6 方法の概
要 

図1で,手順をフ
ローチャートで
図示 

 

消耗品を使用しない事
務機器に関する手順を
除き,JISにほぼ同じ。 

削除 

消耗品を使用しない事務機器に関する
手順を,図1のフロー図から削除した。 

規格使用者の理解促進のため。 

8 試験方法 8.2.6 試験前の試

験対象機器の準
備 

 

8.2.6.1 

消耗品を使用しない機
器の設置 

削除 

消耗品を使用しない事務機器に関する
8.2.6.1の全てを削除した。 

消耗品を使用しない事務機器は,こ
の規格の対象ではないため。 

8.2.6.2 

消耗品を使用する機器
の設置 

削除 

細分箇条名“8.2.6.2消耗品を使用する機
器”を削除した。 

8.2.6.2の細分箇条名は不要である
ため。 

変更 

プリント枚数を,1 000ページから1 200
ページに変更した。 

RAL-UZ 171に規定のプリント枚
数に合わせた。対応国際規格に,最
新のRAL-UZ 171の規定が反映さ
れていないため。 

8.2.7 試験対象機
器の設置 

 

8.2.7.1 

 

削除 

消耗品を使用しない事務機器に関する
8.2.7.1の全てを削除した。 

消耗品を使用しない事務機器は,こ
の規格の対象ではないため。 

8.2.8 試験時の試
験対象機器の動
作 

 

8.2.8.2 

 

削除 

消耗品を使用しない事務機器に関する
8.2.8.2の全てを削除した。 

消耗品を使用しない事務機器は,こ
の規格の対象ではないため。 

8.2.8.4 

JISにほぼ同じ。 

追加 

“RAL-UZ 171法の場合,動作前段階の
換気回数は1回/hとし,1回の換気終
了まで継続する。”の記載を追加した。 

規格使用者の理解促進のため。
RAL-UZ 171とこの規格とで換気
回数が違うため,規格使用者の理解
促進のために追加した。 

8.3.1 吸着剤 

 

8.3.1 

JISにほぼ同じ。 

変更 

吸着剤の製品名称の“Porapak”を,
“PoraPak”に変更した。 

対応国際規格の誤記(正式な商標を
記載した。)。 
参考URL:(http://www.sigmaaldrich. 
com/catalog/product/supelco/20331? 
lang=ja&region=JP) 

7

 

X

 6

9

3

6

2

0

1

7

 

 

 

 

 


39 

X 6936:2017  

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

8 試験方法 
(続き) 

8.3.3 放散速度の
計算 

 

8.3.3.2 

 

削除 

消耗品を使用しない事務機器に関する
8.3.3.2の全てを削除した。 

消耗品を使用しない事務機器は,こ
の規格の対象ではないため。 

8.3.3.3 

C.9において導いた式
(B.28) 

変更 

式(9)の説明記載部の,“C.9において導
いた式(B.28)”は,式(C.28)が正しい。 

対応国際規格の誤記。 

8.5 粉じん,図4 

 

8.5 

JISにほぼ同じ。 

変更 

図4の上から2番目の箱の“EUTの動作
(8.2.6)”は,(8.2.8)が正しい。 

対応国際規格の誤記。 

8.6 微粒子及び超
微粒子(FP及び
UFP), 
図5 

 

8.6 

JISにほぼ同じ。 

変更 

図5の一番目の箱の“(B.1.2又はB.2.2)”
を,“(B.2.1又はB.2.2)”に変更した。 

対応国際規格の誤記。 

8.6.1.3 粒子個数
濃度範囲 

 

8.6.1.3 

JISにほぼ同じ。 

変更 

上限個数濃度の“107 cm3”を,“107 cm−3”
に変更した。 

対応国際規格の誤記。 

8.6.3.2 粒子損失
率係数βの計算 

 

8.6.3.2 

 

変更 

図6の縦軸の単位の記載をCp(t)/cm-3か
らCp(t) cm-3に変更した。 

単位の記載方法を,文中の記載と合
わせた。 

8.6.3.3.3 事例b) 
[PER(t)の計算] 

 

8.6.3.3.3  

変更 

図7の第1縦軸の単位PER(t)/h-1を

PER(t) h-1に,第2縦軸の単位Cp(t)/cm-3

をCp(t) cm-3に変更した。 

単位の記載方法を,文中の記載と合
わせた。 

9 試験報告
書 

 

 

JISにほぼ同じ。 

追加 

“試験対象機器に関する情報”の,3番
目の細別に,“又はプリント若しくはコ
ピー速度”の記載を追加した。 

規格使用者の理解促進のため。 

削除 

“試験条件などに関する情報”の,10
番目の細別の記載を削除した。 

消耗品を使用しない事務機器は,こ
の規格の対象ではないため。 

附属書A 
(規定) 

A.1 

 

 

JISにほぼ同じ。 

追加 

“(実物大ではない)”を追加した。 

規格使用者の理解促進のため。 

A.2 

 

 

JISにほぼ同じ。 

追加 

“(実物大ではない)”を追加した。 

規格使用者の理解促進のため。 

附属書B 
(規定) 

B.1.2 

 

 

JISにほぼ同じ。 

変更 

“DCi/ D log di”を“d Cpi/d log di”に変
更した。 

対応国際規格の誤記。 

B.2.3 

 

 

JISにほぼ同じ。 

変更 

h)で,表1を記載している細分箇条番号
を,“8.2.2”から“8.2.4”に変更した。 

対応国際規格の誤記。 

 

7

 

X

 6

9

3

6

2

0

1

7

 

 

 

 

 


40 

X 6936:2017  

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書C 
(参考) 

C.3 

 

 

JISにほぼ同じ。 

変更 

式(C.2)の説明文の“式(B.1)”を,“式
(C.1)”に変更した。 

対応国際規格の誤記。 

C.5 

 

 

JISにほぼ同じ。 

変更 

式(C.5)の説明文の“式(B.1)”を,“式
(C.1)”に変更した。 

対応国際規格の誤記。 

C.6 

 

 

JISにほぼ同じ。 

削除 

式(10)が重複して記載されており,上側
の式を削除した。 

対応国際規格の誤記。 

JISにほぼ同じ。 

変更 

注記に記載の“式(B.7)”を,“式(C.7)”
に変更した。 

対応国際規格の誤記。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO/IEC 28360:2015,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

 

7

 

X

 6

9

3

6

2

0

1

7