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X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  略語,記号及び表記法 

3

5

  型及び 型コマンドの交互処理 

5

5.1

  ポーリング 

5

5.2

  型 PICC 動作中の 型コマンドの影響

5

5.3

  型 PICC 動作中の 型コマンドの影響

5

5.4

  POWER-OFF 状態への遷移

5

6

  型の初期化及び衝突防止 

5

6.1

  伝送速度(bit rate) 

6

6.2

  フレームフォーマット及びタイミング 

6

6.3

  PICC の状態 

11

6.4

  コマンドセット

14

6.5

  選択手順 

15

7

  型 PICC の初期化及び衝突防止 

22

7.1

  キャラクタ,フレームフォーマット及びタイミング 

23

7.2

  CRC_B 

27

7.3

  衝突防止手順 

27

7.4

  PICC の状態 

28

7.5

  コマンドセット

32

7.6

  衝突防止応答規則

33

7.7

  REQBWUPB コマンド

33

7.8

  Slot-MARKER コマンド 

35

7.9

  ATQB 応答 

36

7.10

  ATTRIB コマンド

41

7.11

  ATTRIB コマンドに対する応答

44

7.12

  HLTB コマンド及び応答 

44

附属書 A(参考)型 PICC の通信例 

46

附属書 B(参考)CRC_A 及び CRC_B の符号化 

48

附属書 C(参考)型タイムスロット方式の初期化及び衝突防止

52

附属書 D(参考)型 PICC の衝突防止の例

56

参考文献

58


X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

IC カードシステム利用促進協議会(JICSAP)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。

これによって,JIS X 6322-3:2001 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。次に

示す特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施の許諾

等をする意思のあることを表明している。

ただし,

この規格に関連する他の特許権等の権利者に対しては,

同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。

FRANCE TELECOM 
Orange Labs 
38-40 rue de Général Leclerc 
92794 Issy-les-Moulineaux 
France

US Patent US5359323

INNOVOTRON 
1 Rue Danton 
75006 Paris 
France

WO 9936877A1 
Europe 0 901 670 
French Patent App 97.02501 
Int Pat App 
PCT/FR98/00132 
Innovatron Electronique / RATP 
subclause 7.3, 7.6 and 7.7 
French Patent App 98.00383 
Int Pat App 
PCT/FR99/00079 
Innovatron Electronique / RATP 
subclause 7.3, 7.4.5, 7.6, 7.7, 7.8

MOTOROLA 
Motorola ESG 
Now: 
Freescale Semiconductor Inc. 
6501 William Cannon Drive West 
Austin, Texas 78735 
USA

Details not available.

PHILIPS 
Philips Intellectual Property & Standards 
High Tech Campus 44 
5656 AE Eindhoven 
The Netherlands

PHO 94.520 
EP-PS 066 9591 
(BE,CH,DE,DK,ES,FR,GB,IT,NL,SE) 
AT-PS 401 127 
Related to “anticollision” as specified in 
ISO/IEC 14443-3


X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

(3)

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。

JIS X 6322

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

X

6322-1

第 1 部:物理的特性

JIS

X

6322-2

第 2 部:電力伝送及び信号インタフェース

JIS

X

6322-3

第 3 部:初期化及び衝突防止

JIS

X

6322-4

第 4 部:伝送プロトコル


日本工業規格

JIS

 X

6322-3

:2011

(ISO/IEC 14443-3

:2011

)

識別カード−非接触(外部端子なし)IC カード−

近接型−第 3 部:初期化及び衝突防止

Identification cards-Contactless integrated circuit cards-

Proximity cards-Part 3: Initialization and anticollision

序文 

この規格は,2011 年に第 2 版として発行された ISO/IEC 14443-3 を基に,技術的内容及び構成を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。また,この規格は,JIS X 6301 に定義された ID カードのパラメ

タ及び国際流通用としてのこの ID カードの使用方法のうち,外部端子のない近接型の非接触 IC カード又

は同様な動作をする対象物(以下,PICC という。

,及びこれと結合する結合装置(以下,PCD という。

について規定する JIS X 6322 規格群の一部である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,次の内容について規定している。

− PCD の発生する動作磁界にある近接型カード又は同様な動作をする対象物(PICC)のポーリング

−  初期化処理中における PCD と PICC との間の通信に使用するバイトフォーマット,フレーム及びタ

イミング

−  初期リクエストコマンド及びリクエスト応答の内容

−  複数の PICC の中から一つの PICC を検出し通信する方法(衝突防止)

− PCD と PICC との間の初期化通信に必要なパラメタ

−  目的のアプリケーションに対応した一つの PICC を複数の PICC の中から簡単に早く選択する方法

(任意選択)

この初期化の後の上位階層及びアプリケーションで使われるプロトコル及びコマンドは,JIS X 6322-4

による。

この規格は,

(引用規格 JIS X 6322-2 に規定されている。

)A 型 PICC 及び B 型 PICC に適用される。

注記 1  データ通信のタイミングは,JIS X 6322-2 による。

注記 2  この規格の試験方法は,JIS X 6305-6 による。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/IEC 14443-3:2011

,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−Proximity cards

−Part 3: Initialization and anticollision(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。


2

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS X 5203

  システム間の通信及び情報交換−ハイレベルデータリンク制御(HDLC)手順

注記  対応国際規格:ISO/IEC 13239,Information technology−Telecommunications and information

exchange between systems−High-level data link control (HDLC) procedures(IDT)

JIS X 6320-4:2009

  識別カード−IC カード−第 4 部:交換のための構成,セキュリティ及びコマンド

注記  対応国際規格:ISO/IEC 7816-4:2005,Identification cards−Integrated circuit cards−Part 4:

Organization, security and commands for interchange(IDT)

JIS X 6320-6

  IC カード−第 6 部:交換のための産業間共通データ要素

注記  対応国際規格:ISO/IEC 7816-6,Identification cards−Integrated circuit cards−Part 6: Interindustry

data elements for interchange(IDT)

JIS X 6322-2

  識別カード−非接触(外部端子なし)IC カード−近接型−第 2 部:電力伝送及び信号

インタフェース

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14443-2,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−

Proximity cards−Part 2: Radio frequency power and signal interface(IDT)

JIS X 6322-4

  識別カード−非接触(外部端子なし)IC カード−近接型−第 4 部:伝送プロトコル

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14443-4,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−

Proximity cards−Part 4: Transmission protocol(IDT)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 6322-2 によるほか,次による。

3.1

衝突防止ループ(anticollision loop)

リクエストコマンドに応答した複数の PICC の中から,一つ以上の PICC を選択し,PICC と PCD とが通

信できるようにするための処理手順。

3.2

バイト(byte)

b1∼b8 と表記された 8 ビットで構成されるデータ。b8 を最上位ビット (MSB),b1 を最下位ビット (LSB)

とする。

3.3

衝突(collision)

PCD の発生する動作磁界の中において,二つ以上の PICC が同時に送信すること。このとき PCD は,ど

の PICC が発生したデータかを識別できない。

3.4

フレーム(frame)

データビット及び任意選択の誤り検出ビットから構成される列。フレームの開始及び終了の識別子で囲

まれる。


3

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

3.5

上位層プロトコル(higher layer protocol)

この規格に規定されているプロトコル層を用いて,この規格で定義していないプロトコル(アプリケー

ション又はプロトコルの上位層)に属する情報を伝送するための,

(この規格に記述されていない)プロト

コル層。

3.6

リクエストコマンド(request command)

PICC が初期化可能な場合に,対応する型の PICC の応答を要求するコマンド。

略語,記号及び表記法 

この規格で使用する略語,記号及び表記法は,次による。

ADC

Application Data Coding, Type B

アプリケーションデータ符号化(B 型)

AFI

Application Family Identifier,

Card preselection criteria by

application, Type B

カードの応用分野識別子(B 型)

APf Anticollision

Prefix

f,

used in REQB/WUPB, Type B

REQB・WUPB で使用される衝突防止用前置

バイト f  (B 型)

APn Anticollision

Prefix

n,

used in Slot-MARKER Command, Type B

Slot-MARKER で使用される衝突防止用前置

バイト n(B 型)

ATQA

Answer To reQuest, Type A

リクエスト応答信号(A 型)

ATQB

Answer To reQuest, Type B

リクエスト応答信号(B 型)

ATTRIB

PICC selection command, Type B

PICC の選択コマンド(B 型)

BCC Block

Check

Character

(UID CLn check byte), Type A

UID CLの検査バイト(A 型)

CID Card

IDentifier

カード識別子

CL n Cascade

Level

n, Type A

カスケードレベル n(A 型)

CT

Cascade Tag, Type A

カスケードタグ(A 型)

CRC_A Cyclic

Redundancy

Check

error detection code A

巡回冗長検査コード A

CRC_B Cyclic

Redundancy

Check

error detection code B

巡回冗長検査コード B

D Devisor

除数

E

End of communication, Type A

通信終了信号(A 型)

EGT

Extra Guard Time, Type B

拡張保護時間(B 型)

EOF

End Of Frame, Type B

フレーム終了信号(B 型)

etu elementary

time

unit

1 ビットのデータ時間単位

FDT

Frame Delay Time PCD to PICC, Type A

PCD から PICC へのフレーム遅延時間(A 型)

fc carrier

frequency

搬送波の周波数

FO

Frame Option, Type B

フレームオプション(B 型)


4

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

fs subcarrier

frequency

副搬送波の周波数

FWI

Frame Waiting time Integer

フレーム待ち時間整数値

FWT

Frame Waiting Time

フレーム待ち時間

HLTA HaLT

command,

Type

A

停止コマンド(A 型)

HLTB

HaLT command, Type B

停止コマンド(B 型)

ID IDentification

number,

Type

A  識別番号(A 型)

INF

INFormation field belonging to higher

layer, Type B

上位階層の情報フィールド(B 型)

LSB

Least Significant Bit

最下位ビット

MBL

Maximum Buffer Length, Type B

最大バッファ長(B 型)

MBLI

Maximum Buffer Length Index, Type B

最大バッファ長変換因子(B 型)

MSB

Most Significant Bit

最上位ビット

N

Number of anticollision slots, Type B

衝突防止用スロット数(B 型)

n

Variable integer value as defined in the

specific clause

整数の変数であって,その意味内容などが使

用箇所ごとに規定されるもの

NAD Node

ADdress

ノードアドレス

NVB

Number of Valid Bits, Type A

確定ビット数(A 型)

P

Odd Parity bit, Type A

奇数パリティビット(A 型)

PCD

Proximity Coupling Device

近接型カード結合装置

PICC

Proximity Card or object

近接型カード又は同様な動作をする対象物

PUPI

Pseudo-Unique PICC Identifier, Type B

仮固有 PICC 識別子(B 型)

R

Slot number chosen by the PICC during

the anticollision sequence, Type B

衝突防止手順中に PICC によって選択された

スロット番号(B 型)

REQA Request

command,

Type

A

リクエストコマンド(A 型)

REQB

Request command, Type B

リクエストコマンド(B 型)

RFU

Reserved For Future Use by ISO/IEC

JIS(ISO/IEC)で将来使用するため留保

S

Start of communication, Type A

通信開始信号(A 型)

SAK

Select Acknowledge, Type A

選択了解信号(A 型)

SEL SELect

code,

Type

A

選択コード(A 型)

SELECT 

SELECT command, Type A

選択コマンド(A 型)

SFGI

Start-up Frame Guard time Integer

開始フレーム保護時間整数値

SFGT

Start-up Frame Guard Time

開始フレーム保護時間

SOF

Start Of Frame, Type B

フレーム開始信号(B 型)

TR0

Guard Time as defined in ISO/IEC 

14443-2, Type B

JIS X 6322-2

による保護時間(B 型)

TR1

Synchronization Time as defined in

ISO/IEC 14443-2, Type B

JIS X 6322-2

による同期時間(B 型)

TR2

Frame delay Time PICC to PCD, Type B

PCD から PICC へのフレーム遅延時間(B 型)

UID Unique

IDentifier,

Type

A

固有番号識別子(A 型)

UID CLn

Unique IDentifier of CLn, Type A

カスケードレベルの固有番号識別子(A 型)


5

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

uidn Byte

number

n of Unique IDentifier, n

≥ 0

固有番号識別子の n+1 番目のバイト

WUPA Wake−UP command, Type A

再起コマンド(A 型)

WUPB Wake−UP command, Type B

再起コマンド(B 型)

この規格で用いられるデータ値は,次のように表す。

  b“xxxx xxxx”

2 進数のビット表現

  “XX”  16 進数

5 A

型及び 型コマンドの交互処理 

5.1 

ポーリング 

動作磁界内にある PICC を検出するために,PCD は,リクエストコマンドを繰り返し送出しなければな

らない。PCD が A 型及び B 型の PICC をポーリングするときは,PCD は,REQA(又は WUPA)及び REQB

(又は WUPB)を同じ比率又は決められた比率を用いた任意の順序で送出しなければならない。さらに,

PCD は,附属書 に示すほかのコマンドを送出してもよい。

PICC が変調されていない動作磁界(JIS X 6322-2 参照)に入ると,PICC は,5 ms 以内にリクエストコ

マンドを受信できなければならない。

例 1  A 型 PICC が B 型のコマンドを受信している場合には,5 ms の無変調動作磁界内で REQA(又

は WUPA)を受信できるようにしなければならない。

例 2  B 型 PICC が A 型のコマンドを受信している場合には,5 ms の無変調動作磁界内で REQB(又

は WUPB)を受信できるようにしなければならない。

例 3  A 型 PICC が活性化磁界にさら(曝)されている場合には,5 ms の無変調動作磁界内で REQA

(又は WUPA)を受信できるようにしなければならない。

例 4  B 型 PICC が活性化磁界にさら(曝)されている場合には,5 ms の無変調動作磁界内で REQB

(又は WUPB)を受信できるようにしなければならない。

注記  コマンドを受信できるようになるまでに 5 ms を必要とする PICC を検出するために,PCD は,

A 型及び B 型のリクエストコマンドを送出する前に,少なくとも 5.1 ms の無変調搬送波を送出

することが望ましい。しかし,PICC が 5 ms より速く応答可能な場合は,PCD は,これより短

い無変調時間を置いてポーリングしてもよい。

5.2 B

型 PICC 動作中の 型コマンドの影響 

A 型コマンドを受信した後,B 型 PICC は,IDLE 状態(REQB を受け付ける状態)に遷移するか又は進

行中の動作を継続可能としなければならない。

5.3 A

型 PICC 動作中の 型コマンドの影響 

B 型コマンドを受信した後,A 型 PICC は,IDLE 状態(REQA を受け付ける状態)に遷移するか又は進

行中の動作を継続可能としなければならない。

5.4 POWER-OFF

状態への遷移 

PICC は,動作磁界が切断された後,5 ms 以内に POWER-OFF 状態にならなければならない。

6 A

型の初期化及び衝突防止 

A 型 PICC の初期化及び衝突防止手順について規定する。

RFU ビットを送出する PICC 又は PCD は,そのビットの値をそのとき指定される値に,又は値が指定さ


6

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

れていない場合は,b“0”に設定しなければならない。他に明示的に示されてない限り,RFU ビットを受信

した PICC 又は PCD は,これらのビットの値を無視しなければならず,その機能についてはそれを保持し

なければならず,かつ,それを変更してはならない。

6.1 

伝送速度(bit rate 

PCD と PICC との間の通信は,4 種類の異なった伝送速度で実施できる。

表 に規定されるように,fc/64,fc/32 及び fc/16 の伝送速度は,任意選択で,それぞれの通信方向で PCD

及び PICC が独立して選択できる。

表 1−伝送速度

除数  D etu

伝送速度

1 128 /

fc

  (約 9.4 µs)

fc/128

(約 106 kb/s)

2(任意選択)

128 / (2 fc)(約 4.7 µs)

fc/64

(約 212 kb/s)

4(任意選択)

128 / (4 fc)(約 2.4 µs)

fc/32

(約 424 kb/s)

8(任意選択)

128 / (8 fc)(約 1.2 µs)

fc/16

(約 848 kb/s)

注記  初期の伝送速度は,fc/128 である。これは初期化及び衝突防止手順全体に適用される(JIS X 

6322-2

の 8.1.1 参照)

6.2 

フレームフォーマット及びタイミング 

通信開始の初期化及び衝突防止で使われるコマンドフレーム及びタイミングについて規定する。ビット

の表現方法及び符号化については,JIS X 6322-2 を参照する。

PCD から PICC への送信及びその後の PICC から PCD への返信を一対として,次の手順でフレームが送

信されなければならない。

− PCD フレーム:

− PCD の通信開始信号

− PCD からの情報及び要求のある場合のエラー検出ビット

− PCD の通信終了信号

− PCD から PICC へのフレーム遅延時間

− PICC フレーム:

− PICC の通信開始信号

− PICC からの情報及び要求のある場合のエラー検出ビット

− PICC の通信終了信号

− PICC から PCD へのフレーム遅延時間

注記 PCD から PICC へのフレーム遅延時間は,PCD のフレーム通信終了信号の時間と重なってい

る。

6.2.1 

フレーム遅延時間 

フレーム遅延時間は,二つの互いに反対方向に伝送されるフレームの時間間隔として規定する。

6.2.1.1 PCD

から PICC へのフレーム遅延時間 

PCD によって送られた最後の PauseA(JIS X 6322-2 参照)と,PICC が送出する開始ビットの最初の変

調開始位置との時間関係は,

図 及び表 に規定する値(は整数)にしなければならない。

コマンドの種類及び最終ビットの論理値によって決まる 及び FDT の値を

表 に規定する。


7

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

図 1PCD から PICC へのフレーム遅延時間

表 2PCD から PICC への FDT

FDT

コマンド

n

(整数)

最終ビット=b“1”

最終ビット= b“0”

REQA  コマンド 
WUPA  コマンド 
ANTICOLLISION  コマンド 
SELECT コマンド

9

(n × 128 + 84) / fc 
[= 1 236 / fc]

(× 128 + 20) / fc 
[= 1 172 / fc]

その他全てのコマンドの伝送速度 
PCD から PICC PICC から PCD

fc/128

≧ 9

(n  ×  128 + 84) / fc

(n  ×  128 + 20) / fc

fc/64

≧ 8

(n  ×  128 + 148) / fc

(n  ×  128 + 116) / fc

fc/32

≧ 8

(n  ×  128 +116) / fc

(n  ×  128 + 100) / fc

fc/16

fc/128

≧ 8

(n  ×  128 + 100) / fc

(n  ×  128 + 92) / fc

fc/128,  fc/64,  fc/32

又は

fc/16

fc/64, fc/32

又は fc/16

適用外

≧ 1116 / fc

≧ 1116 / fc

衝突防止のために,磁界中の全ての PICC は,REQA,WUPA,ANTICOLLISION 及び SELECT コマンドに同期し

て応答しなければならない。

FDT の計測は,立上がり端の開始位置(fc/128 に対しては JIS X 6322-2 の図 の“t

3

及び t

4

の始点”

,そ

の他の伝送速度に対しては JIS X 6322-2 

図 の“t

6

の始点”

)から始める。

計測された FDT の値は,

表 に示した値とその値に 0.4 µs を加えた値との間になければならない。

注記 PCD は,許容差−1 / fc∼(0.4 μs+1 / fc)の FDT で応答を受信することが望ましい。


8

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

6.2.1.2 PICC

から PCD へのフレーム遅延時間 

この遅延時間は,PICC が送出した最後の変調信号の終わりから,次に PCD が送出する最初の PauseA ま

での時間で,少なくとも 1 172/fc 以上でなければならない。

注記  互換性を向上させるために,PCD の動作に 10/fc の追加待ち時間を組み込むことが望ましい。

6.2.2 

リクエスト保護時間 

リクエスト保護時間は,連続する二つの REQA コマンド又は WUPA コマンドの最小間隔を規定する。

その値は,7 000/fc とする。

注記  互換性を向上させるために,PCD の動作に 100/fc の追加待ち時間を組み込むことが望ましい。

6.2.3 

フレーム形式 

次のフレーム形式を規定する。

−  短フレーム

−  標準フレーム

−  ビット対応衝突防止フレーム

6.2.3.1 

短フレーム 

短フレームは,初期化コマンドで用いられ,

図 に示す順に構成する。

−  通信開始信号  S

− LSB を先頭に伝送される 7 ビットのデータビット(符号化は

表 を参照する。)

−  通信終了信号  E

パリティビットは,付加しない。

 LSB

MSB

S b1

b2 B3 b4 b5 b6 b7

E

図 2−短フレーム

6.2.3.2 

標準フレーム 

標準フレームは,データ交換に使用され,次の順に構成する。

−  通信開始信号  S

−  n×(8 データビット+奇数パリティビット)

n≧1)

各バイトは,LSB から伝送される。各バイトの後に奇数パリティビットを付ける。パリティビッ

ト P は,b1∼b8 及び P の中にある“1”の個数が奇数となるように設定する。

−  通信終了信号  E

PCD の標準フレームを図 に示す。 

図 3PCD の標準フレーム

例外として,フレームが伝送速度 fc/64,fc/32 及び fc/16 の場合は,PICC の標準フレームの最後のパリテ

ィビットは,反転しなければならない。PICC の標準フレームを

図 に示す。


9

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

伝送速度 fc/128 に対する PICC の標準フレーム

伝送速度 fc/64,fc/32 及び fc/16 に対する PICC の標準フレーム

図 4PICC の標準フレーム

6.2.3.3 

ビット対応衝突防止フレーム 

2 枚以上の PICC が同時に伝送したビットパターンにおいて,1 か所以上のビット位置で補数となる値

(b“0”及び b“1”)が同時に伝送された場合,PCD は,そのような衝突を検出するように設計しなければな

らない。衝突があった場合,ビットパターンは,重畳され,搬送波は,ビット間隔全体にわたって副搬送

波で変調された状態になる(JIS X 6322-2 の 8.2.5.1 参照)

ビット対応衝突防止フレームは,

衝突防止ループの間だけに使われる 7 バイト長の標準フレームであり,

二つの部分に分かれている。

−  第 1 部分:PCD から PICC への伝送

−  第 2 部分:PICC から PCD への伝送

第 1 部分及び第 2 部分の長さは,次の規則を適用しなければならない。

−  規則 1:データビットの合計は,56 ビットとする。

−  規則 2:第 1 部分のデータビットは,最小 16 ビットとする。

−  規則 3:第 1 部分のデータビットは,最大 48 ビットとする。

したがって,第 2 部分のデータビットは,最小 8 ビット,最大 40 ビットとなる。

バイトをいかなるビット位置でも分割可能とするため,次の二つの場合を規定する。

− FULL

BYTE の場合:バイトの終わりで分割した場合,第 1 部分の最終データビットの後にパリテ

ィビットが付加される。

− SPLIT

BYTE の場合:バイトの途中で分割した場合,第 1 部分の最終データビットの後にパリティ

ビットは,付加されない。

BCC は,先行する 4 バイトの排他的論理和で計算する。

次に,ビットの構成及び伝送順序を説明するために,FULL BYTE の場合,及び SPLIT BYTE の場合の

例を示す。

注記  この事例では,NVB 及び BCC として適切な値を設定している。


10

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

図 5FULL BYTE の場合のビット構成及び伝送順序 

E

0

S

11001001 1

SEL

“93”

10100100 0

NVB

“25”

01001 100 0

uid0

“32”

00001000 0

uid1

“10”

11010101 0

uid2

“AB”

10110011 0

uid3

“CD”

00100010 1

BCC

“44”

E

S

11001001 1 10100100 0 01001

10110011 0 00100010 1 E

S

11010101

衝突防止フレーム,第1部分:PCDからPICCへ

衝突防止フレーム,第2部分:PICCからPCDへ

第3バイトの5ビットの終わりで分割した標準フレーム

0

00001000

x

100

図 6SPLIT BYTE の場合のビット構成及び伝送順序

6.2.4 CRC_A 

CRC_A を含むフレームは,その CRC_A 値が有効な場合にだけ,正しいものとしなければならない。フ

レーム CRC_A は,フレーム中の全てのデータビットからパリティ,S 及び E 並びに CRC_A そのものを除

いた k 個のデータビットの関数である。データは,バイト単位で符号化されているので,ビット数 k の値

は,8 の倍数となる。

エラー検出のため,2 バイトの CRC_A は,データバイトの後で E の前につけて,標準フレームで伝送


11

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

される。CRC_A は,JIS X 5203 で規定されるが,レジスタ初期値は“6363”とし,計算の後,レジスタの内

容を反転してはならない。

事例を

附属書 に示す。

6.3 PICC

の状態 

A 型 PICC のビット衝突検出プロトコルの状態について規定する。

図 に示す状態遷移図は,この規格で規定するコマンドによって発生し得る全ての状態遷移を示す。PICC

は,有効なフレームを受信したときに限り状態遷移する。ACTIVE 又は ACTIVE*状態の PICC を除き,エ

ラーが発生した場合は,応答してはならない。

図 の中の略語を次に示す。

 AC   ANTICOLLISION コマンド(UID が一致した場合)

 nAC

  ANTICOLLISION コマンド(UID が不一致の場合)

 SELECT   SELECT コマンド(UID が一致した場合)

 nSELEC   SELECT コマンド(UID が不一致の場合)

 RATS

  JIS X 6322-4 で規定する RATS コマンド

 DESELECT  JIS X 6322-4 で規定する DESELECT コマンド

 Error

  伝送エラーを検出したフレーム,又は予期しなかったフレーム


12

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

図 7型 PICC の状態遷移図

この規格に適合しているが,JIS X 6322-4 による RATS で選択されないでいる PICC は,製造業者独自の

コマンドによって,ACTIVE 状態又は ACTIVE*状態から離脱してもよい。

6.3.1 POWER-OFF

状態 

定義:

POWER-OFF 状態において,PICC は,PCD の動作磁界によって電力が供給されてない。

状態遷移条件:

PICC が H

min

JIS X 6322-2 参照)以上の動作磁界にあるとき,箇条 で規定する遅延時間以内に IDLE


13

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

状態に遷移しなければならない。

6.3.2 IDLE

状態 

定義:

IDLE 状態において,PICC は,電源が供給されている。このとき REQA コマンド及び WUPA コマン

ドを認識できなければならない。

状態遷移条件:

PICC は,有効な REQA コマンド又は WUPA コマンドを受信し,ATQA を応答した後,READY 状態に

遷移する。

6.3.3 READY

状態 

定義:

READY 状態において,ビット対応衝突防止が適用されなければならない。カスケードレベル処理

6.5.1 参照)は,完全な UID を取得するために,この状態で使用される。

状態遷移条件:

PICC は,完全な UID によって選択されたとき,ACTIVE 状態になる。

6.3.4 ACTIVE

状態 

定義:

PICC は,JIS X 6322-4 に適合する場合には,JIS X 6322-4 による選択応答要求 (RATS) コマンドを使

用し,適合しない場合には,JIS X 6322-4 のプロトコル以外を用いてもよい。

状態遷移条件:

PICC は,有効な HLTA コマンドを受信したとき,HALT 状態になる。

注記  上位階層プロトコルにおいて,PICC を HALT 状態に遷移させるため,特別なコマンドを用いて

もよい。

6.3.5 HALT

状態 

定義:

HALT 状態において,PICC は,WUPA コマンドだけに応答しなければならない。

状態遷移条件:

PICC は,有効な WUPA コマンドを受信し,ATQA を応答して,READY*状態になる。

6.3.6 READY*

状態 

定義:

READY*状態は,READY 状態に類似している。相違点は,図 に示す遷移である。ビット対応衝突

防止が適用されなければならない。カスケードレベルは,完全な UID を取得するために,この状態で使

用される。

状態遷移条件:

PICC は,完全な UID によって選択されたとき,ACTIVE*状態になる。

6.3.7 ACTIVE*

状態 

定義:

ACTIVE*状態は,ACTIVE 状態に類似している。相違点は,図 に示す遷移である。PICC は,JIS X 

6322-4

に適合する場合には,JIS X 6322-4 による選択応答要求 (RATS) コマンドを使用し,適合しない

場合には,JIS X 6322-4 のプロトコル以外を用いてもよい。

状態遷移条件:


14

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

PICC は,有効な HLTA コマンドを受信したとき,HALT 状態になる。

6.3.8 PROTOCOL

状態 

定義:

PROTOCOL 状態において,PICC は,JIS X 6322-4 による動作を行う。

6.4 

コマンドセット 

複数の PICC と通信するために PCD が扱うコマンドは,次のとおりとする。

− REQA コマンド

− WUPA コマンド

− ANTICOLLISION コマンド

− SELECT コマンド

− HLTA コマンド

コマンドは,先に規定するバイト及びフレームのフォーマットを使う。

6.4.1 REQA

コマンド及び WUPA コマンド 

動作磁界内の A 型 PICC を検出するために,PCD は,REQA コマンド及び WUPA コマンドを送出する。

これらは,短フレーム型のコマンドである。これらの受信したコマンドに対する PICC の応答は,

図 

よる。

特に,WUPA コマンドは,HALT 状態にある PICC を READY*状態に遷移させるために,PCD が PICC

に送出する。その後,PICC は,引き続く衝突防止及び選択手順に移行しなければならない。

短フレームを用いた REQA コマンド及び WUPA コマンドの符号化を,

表 に示す。

表 3−短フレームの符号化

b7  b6  b5  b4  b3  b2  b1

内容

0 1 0 0 1

1 0 “26”

=

REQA

1 0 1 0 0

1 0 “52”

=

WUPA

0 1 1 0 1

0 1 “35”

=

タイムスロット方式(

附属書 参照)

1 0 0 x x

x x “40”

∼ “4F” = 使用済 (Proprietary)

1 1 1 1 x

x x “78”

∼ “7F” = 使用済 (Proprietary)

その他の値 RFU

RFU 値を送信する PCD は,この規格に適合しない。

RFU 値を受信する PICC は,誤った短フレームと判断し,応答しないことが望ましい。

注記  誤った短フレームの判断については,“(図 参照)”となっているが,規定する Error ではな

いので対応国際規格中の“

図 参照)”を削除した。

6.4.2 ANTICOLLISION

コマンド及び SELECT コマンド 

これらのコマンドは,衝突防止ループの中で使われる(

図 及び図 参照)。ANTICOLLISION コマンド

及び SELECT コマンドは,次のように構成する。

−  選択コード SEL(1 バイト)

−  確定ビット数 NVB(1 バイト,符号化は

表 参照)

− NVB の値に対応した UID CLの 0∼40 データビット

注記  異なる UID サイズに対する UID CLの構成を,図 12 に示す。

SEL は,カスケードレベル CLを明示する。


15

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

ANTICOLLISION コマンドは,ビット対応衝突防止フレームで伝送される。

SELECT コマンドは,標準フレームで伝送される。

NVB が 40 ビットでない限り,このコマンドは,ANTICOLLISION コマンドと呼ばれ,このとき PICC

は,READY 状態又は READY*状態にとど(留)まる。

UID CLn の 40 ビットが確定した場合(NVB=“70”),CRC_A が付加されなければならない。このコマ

ンドは,SELECT コマンドと呼ばれる。

PICC が完全な UID を伝送完了した場合,PICC は,READY 状態から ACTIVE 状態,又は READY*状態

から ACTIVE*状態に遷移し,UID が完全であることを示す SAK 応答信号を返す。

それ以外の場合は,PICC は,READY 状態又は READY*状態にとどまり,PCD は,カスケードレベル

を進めて,新たな衝突防止を開始しなければならない。

6.4.3 HLTA

コマンド 

HLTA コマンドは,CRC_A を含む 4 バイトからなり,図 に示す標準フレーム形式で伝送されなければ

ならない。

S

“50” “00”

CRC_A  E

図 8HLTA コマンドの標準フレーム

PICC が HLTA コマンド終了時点から,1 ms の間,何らかの変調で応答した場合,PCD は,この応答を

PICC が HLTA コマンドとして認識できなかったと解釈しなければならない。

注記 PCD は,さらに 0.1 ms 待つのが望ましい。

6.5 

選択手順 

選択手順の目的は,一つの PICC から UID を認識し,この PICC と更に通信するためにその PICC を選択

することにある。

6.5.1 

選択手順のフローチャート 

選択手順を

図 に示す。


16

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

開始

REQA送出

カスケードレベル1を

選択する。

カスケードレベルを

進める。

ビット対応衝突防止ループを

処理する。

JIS X 6322-4に規定される

コマンド及びプロトコルに進む。

製造業者独自の

コマンド及びプロトコル

SAK確認

ATQA受信

JIS X 6322-3

JIS X 6322-4

UID不完全

UID完全,PICCは

JIS X 6322-4に適合

UID完全,PICCは

JIS X 6322-4に不適合

図 9PCD における初期化及び衝突防止のフローチャート

注記 PICC は,製造業者独自の手法を示すために ATQA の b9∼b12 のビットの組合せを使用するこ

とができる。


17

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

ビット対応衝突防止フレームを採用しない PICC は,この規格に適合しない。

6.5.2 ATQA

(リクエスト応答信号) 

PCD によって REQA コマンドが送出された後,IDLE 状態にある全ての PICC は,リクエスト応答信号

(ATQA)  を同期して返さなければならない。

PCD によって WUPA コマンドが送出された後,IDLE 状態又は HALT 状態にある全ての PICC は,リク

エスト応答信号 (ATQA) を同期して返さなければならない。

PCD は,複数の PICC からの応答に起因するいかなる衝突も検出しなければならない。

この事例は,

附属書 に記載されている。

6.5.2.1 ATQA

の符号化 

ATQA の符号化を表 に示す。全ての RFU ビットは,b“0”に設定しなければならない。 

表 4ATQA の符号化

MSB LSB

b16

b15

b14

b13

b12

b11

b10

b9

b8

b7

b6

b5

b4

b3

b2

b1

RFU

製造業者独自の符号化

UID 長の

符号化

RFU

ビット対応衝突防止

PICC は,PICC の標準フレームにある (b1∼b8)  からなる 1 バイトを最初に送出し,次に,(b9∼b16)  か

らなる 1 バイトを送出しなければならない。

(b8,b7)=b“11”,(b16∼b13)≠b“0000”又は b6≠b“0”とする ATQA を送出する PICC は,この規格に適合し

ない。

(b16∼b1)  のいずれかのビットで衝突を検出した PCD は,衝突防止ループ(6.5.3.1 参照)の最初から開

始しなければならない。PCD は,(b12∼b9)  の製造業者独自の符号化フィールドのいかなる値にもかかわ

らず,衝突防止ループの最初から開始しなければならない。

(b8,b7)=b“11”,(b16∼b13)≠b“0000”又は b6≠b“0”を受信した PCD は,その値を無視するのが望まし

く,衝突防止ループ(6.5.3.1 参照)の最初から開始することが望ましい。

6.5.2.2 

ビット対応衝突防止のための符号化規則 

−  規則 1:b7 及び b8 で UID 長を決める(シングル,ダブル又はトリプル,

表 参照)。

−  規則 2:b1,b2,b3,b4 又は b5 のいずれか一つを b“1”に設定すると,ビット対応衝突防止を示す

表 参照)。

表 5−ビット対応衝突防止の b7 及び b8 の符号化

b8

b7

内容

0 0

シングル UID 長

0 1

ダブル UID 長

1 0

トリプル UID 長

1 1

RFU


18

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 6−ビット対応衝突防止の b1b5 の符号化

b5

b4

b3

b2

b1

内容

1 0 0 0 0

ビット対応衝突防止

0 1 0 0 0

ビット対応衝突防止

0 0 1 0 0

ビット対応衝突防止

0 0 0 1 0

ビット対応衝突防止

0 0 0 0 1

ビット対応衝突防止

6.5.3 

衝突防止コマンド及び選択コマンド 

6.5.3.1 

各カスケードレベル内の衝突防止ループ 

次のアルゴリズムを衝突防止ループに適用しなければならない。

手順 1 PCD は,選択された衝突防止のカスケードレベルに対応する符号をもった SEL を設定する。

手順 2 PCD は,NVB を“20”に設定する。

注記  この値は,PCD が UID CLを全く伝送しないことを示している。したがって,このコマンドは,

磁界内に存在する全ての PICC が完全な UID CLを返すことを求めている。

手順 3 PCD は,SEL 及び NVB を送出する。

手順 4

磁界内にある全ての PICC は,完全な UID CLを応答する。

手順 5

複数の PICC から応答がある場合,衝突の発生が予想される。衝突が発生していない場合,次の手順 6
∼10 を飛び越して進む。

手順 6 PCD は,最初に発生した衝突位置を検知する。

手順 7 PCD は,UID CLの確定ビット数を示す値を NVB に設定する。この確定ビットは,衝突の発生する

前に PCD が受信した UID CLのビット及びそれに引き続く PCD が決定した b“0”又は b“1”で構成する。
通常は,b “1”を用いる。

手順 8 PCD は,SEL 及び NVB,続いて確定ビットを送出する。

手順 9 UID

CLの一部が,PCD によって送出された確定ビットに一致している PICC だけが,UID CLの残

りの部分を送出する。

手順 10

さらに,衝突が発生している場合,手順 6∼9 を繰り返す。最大の繰返し回数は 32 回とする。

手順 11

衝突が発生していない場合,PCD は,NVB を“70”に設定する。 
注記  この値は,PCD が完全な UID CLを伝送することを示す。

手順 12 PCD は,SEL 及び NVB を送出し,続いて UID CLの全 40 ビット及び CRC_A を送出する。

手順 13 UID

CLn  の 40 ビットが一致した(複数の)PICC は,SAK を応答する。

注記  複数の PICC から同一の UID CLが応答されることがある。

手順 14 UID が完全な場合,PICC は,カスケードレベルを消去した SAK 信号を送出し,READY 状態から

ACTIVE 状態,又は READY*状態から ACTIVE*状態に遷移する。

手順 15 PCD は,SAK のカスケードビットが設定されていないかを検査し,設定されている場合は,カスケー

ドレベルを進めて更に衝突防止ループを継続する。

PICC の UID が完全かつ既知の場合,PCD は,衝突防止ループなしにこの PICC を選択するために,手

順 2∼10 を省略してもよい。

注記  図 10 は,上記の手順 1∼13 を示している。


19

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

衝突発生

ANTICOLLISIONコマンド送出

衝突防止ループ開始

collに最初に衝突が発生した

ビット位置を設定する。

NVBに“70”を設定する。

SELECTコマンド送出

ANTICOLLISIONコマンド送出

NVBに“20”+collを設定する。

NVBに“20”を設定する。

SELにコード(カスケードレベル)を

設定する。

SAK受信

UID CL 受信

衝突防止ループ終了

SEL     NVB     UID CL

CRC_A

SEL

NVB

SEL   NVB   UID CL

YES

NO

注記:○番号は,上記手順番号に対応する。

図 10PCD における衝突防止ループの流れ図

6.5.3.2 

SEL (Select code) 

の符号化 

表 は,SEL の符号化を示す。


20

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 7SEL の符号化

b8

b7

b6

b5

b4

b3

b2

b1

内容

1 0 0 1 0 0 1 1

“93”:

カスケードレベル 1 を選択

1 0 0 1 0 1 0 1

“95”:

カスケードレベル 2 を選択

1 0 0 1 0 1 1 1

“97”:

カスケードレベル 3 を選択

1 0 0 1

上記以外の値 RFU

SEL は,1 バイトで,その値は,“93”,“95”及び“97”とする。

注記 SEL の符号化は,3 種類に限定され,規定されていない符号化を受信したときの PICC の動作

は,規定されていない。

6.5.3.3 

NVB (Number of Valid Bits) 

の符号化 

データ長:1 バイト

上位の 4 ビットは,バイトカウンタと呼び,PCD から SEL 及び NVB を含んで伝送される全ての確定ビ

ット数を 8 で除した商を表す。最小値は 2 で,最大値は 7 とする。

下位の 4 ビットは,ビットカウンタと呼び,PCD から SEL 及び NVB を含んで伝送される全ての確定ビ

ット数を 8 で除した余り(モジュロ 8)を表す。

表 8NVB の符号化

b8

b7

b6

b5

内容

0 0 1 0

バイトカウンタ = 2

0 0 1 1

バイトカウンタ = 3

0 1 0 0

バイトカウンタ = 4

0 1 0 1

バイトカウンタ = 5

0 1 1 0

バイトカウンタ = 6

0 1 1 1

バイトカウンタ = 7

b4

b3

b2

b1

内容

0 0 0 0

ビットカウンタ = 0

0 0 0 1

ビットカウンタ = 1

0 0 1 0

ビットカウンタ = 2

0 0 1 1

ビットカウンタ = 3

0 1 0 0

ビットカウンタ = 4

0 1 0 1

ビットカウンタ = 5

0 1 1 0

ビットカウンタ = 6

0 1 1 1

ビットカウンタ = 7

PCD は,バイトカウンタ 6 及び 7 に対してビットカウンタ 0 だけを許すことを除き,表 に規定する値

の NVB を設定しなければならない。禁じられた値の NVB を設定した PCD は,この規格に適合しない。

バイトカウンタ (b8∼b5)  を 2∼7 の範囲外に設定した PCD は,この規格に適合しない。

バイトカウンタが 2∼5 のとき 7 を超えるビットカウンタ (b4∼b1),及び,バイトカウンタが 6 又は 7

のとき 0 を除くビットカウンタ (b4∼b1)  を設定した PCD は,この規格に適合しない。

6.5.3.4 

SAK (Select acknowledge) 

の符号化 

NVB の符号が確定ビット数 40 を示し (NVB=“70”),これら全てのデータが UID CLと一致したとき,

図 11 に示す SAK は,PICC から送られる。

第 1 バイト

第 2 及び第 3 バイト

SAK 
(1  バイト)

CRC_A 
(2  バイト)

図 11SAK の構成

b3(カスケードビット)及び b6 の符号化を,表 に示す。


21

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 9SAK の符号化

b8

b7

b6

b5

b4

b3

b2

b1

内容

x x x x x 1 x x

カスケードビットの設定:UID 不完全

x x 1 x x 0 x x

UID

完全,PICC  は JIS X 6322-4 に適合

x x 0 x x 0 x x

UID

完全,PICC  は JIS X 6322-4 に不適合

x が記入されている欄の値は,無視する。

b3=b“1”の場合,PCD は,SAK の他のビットを無視しなければならない。b3=b“0”の場合,PCD は,b6

を解釈し,SAK に残る他のビットを無視しなければならない。このほかの場合,PCD は,この規格に適合

しない。

注記 b3=b“1”の場合,SAK の他の全てのビットを b“0”に設定することが望ましい。

6.5.4 UID

の内容及びカスケードレベル 

UID は,4,7 又は 10 バイトで構成する。すなわち PICC は,UID 全体を得るために,3 段階のカスケー

ドレベルまで扱うことができなければならない。どのカスケードレベルにおいても,UID の部分は,PCD

へ伝送されなければならない。

UID 長(表 参照),UID のバイト数及びカスケードレベルの関係を表 10 に示す。 

表 10UID 

UID 長

UID のバイト数

カスケードレベル

シングル 4

1

ダブル 7

2

トリプル 10

3

UID は,次のいずれかとする。

−  あらかじめ設定された固有値

− PICC で動的に発生された乱数(シングル UID 長だけに許容される。

−  唯一でない固定番号(シングル UID 長だけに許容される。

UID の最初のバイト (uid0) は,表 11 及び表 12 に規定するように,それに続く UID の内容を示す。 

表 11−シングル UID 

uid0

内容

“08” uid1∼uid3  は,動的に発生された乱数

“x0”  ∼ “x7”, “x9” ∼ “xE”

製造業者独自の (Proprietary) 値

注記  製造業者によって独自に設定された使用済みの番号である。 

“18”, “28”, “38”, “48”, “58”, “68”,

“78”, “98”, “A8”, “B8”, “C8”, “D8”,

“E8”, “F8”,

RFU

“xF”

唯一でない固定番号

POWER-OFF 状態から IDLE 状態に遷移するときにだけ,乱数 UID を発生させなければならない。

カスケードタグ CT の値 “88”は,シングル UID 長において uid0 に用いてはならない。


22

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 12−ダブル及びトリプル UID 

uid0

UID 内

製造業者の ID

JIS X 6320-6

参照

各製造業者は,他のバイト(uid0 以外のバイト)値の唯一性をとることによって固有値を

設定する。 

JIS X 6320-6

で“個別利用”を示す値 “81”∼“FE”は,用いてはならない。

カスケードタグ CT の値 “88”は,ダブル UID 長において uid3 に用いてはならない。

カスケードレベルの使用法を

図 12 に示す。

シングル

UID 長

PCD

“93”

  

PICC

uid0 uid1 uid2 uid3  BCC

ダブル

UID 長

PCD “93”

“95”

PICC   CT  uid0 uid1 uid2  BCC

 uid3 uid4 uid5 uid6 BC

C

トリプル

UID 長

PCD “93”

“95”

   

“97”

PICC   CT  uid0 uid1 uid2  BCC

CT uid3 uid4 uid5 BC

C

uid6 uid7 uid8 uid9 BCC

カスケードレベル 1

カスケードレベル 2

カスケードレベル 3

図 12−カスケードレベルの使用法

注記  カスケードタグの目的は,より低いカスケードレベル(より短い UID 長)で(複数の)PICC

の衝突を起こさせることである。

PCD が完全な UID を得るには,次のアルゴリズムを適用しなければならない。

手順 1 PCD は,カスケードレベルを 1 にする。

手順 2

衝突防止ループを実行する。

手順 3 PCD は,SAK のカスケードビットを調べる。

手順 4

カスケードビットが設定されている場合,カスケードレベルを進めて,再び初めから衝突防止
ループを実行する。

RFU を示す uid0 を送出する PICC は,この規格に適合しない。製造業者独自の値を送出する PICC は,

CT を含む衝突防止処理の他の必要条件を満足しなければならない。異なるときは,この規格に適合しな

い。

衝突防止処理中,PCD は,RFU 又は製造業者独自の値をもつ uid0 を,通常の uid0 とみなさなければな

らない。

7 B

型 PICC の初期化及び衝突防止 

B 型 PICC の初期化及び衝突防止手順について規定する。


23

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

RFU ビットを送出する PICC 又は PCD は,RFU ビットの値が指定されている場合は,その指定された

値に,値が指定されていない場合は,b“0”に設定しなければならない。他に明示的に示されてない限り,

RFU ビットを受信した PICC 又は PCD は,これらのビットの値を無視しなければならず,その機能につい

てはそれを保持しなければならず,かつ,それを変更してはならない。

7.1 

キャラクタ,フレームフォーマット及びタイミング 

B 型 PICC に関して,初期化及び衝突防止の間におけるキャラクタ,フレームフォーマット及びタイミ

ングについて規定する。ビットの構成及び符号化については,JIS X 6322-2 を参照する。

7.1.1 

キャラクタ伝送フォーマット 

バイトは,複数の PICC と PCD との間においてキャラクタとして送受信される。衝突防止手順における

フォーマットを次に示す。

−  論理“0”のスタートビット(1 ビット)

− LSB から伝送されるデータビット(8 ビット)

−  論理“1”のストップビット(1 ビット)

1 バイトは,図 13 に示す 10 etu によって構成されるキャラクタとして伝送される。 

スタート

LSB

       MSB

ストップ

EGT

b1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 b8

10 etu

図 13−キャラクタフォーマット

PCD から PICC でのキャラクタ内のビット境界は,表 13 に規定するようにしなければならない。ここ

に,は,スタートビットの立下がり端からのビット境界の数とする(1≦n≦9)

表 13PCD から PICC へのビット境界条件

PCD から PICC への伝送速度

fc/128

fc/64

fc/32

fc/16

PCD から PICC へのビット境界
が立下がりの場合

etu

±8 / fc

etu

±1 / fc

etu

±1 / fc

etu

±1 / fc

PCD から PICC へのビット境界
が立上がりの場合

etu

±8 / fc

etu

±4 / fc

etu

±2 / fc

etu

±1 / fc

7.1.2 

キャラクタ間隔 

一つのキャラクタと次のキャラクタとの間には,拡張保護時間 (EGT) を設定してもよい。

PCD から PICC に送出する連続する二つのキャラクタ間の EGT は,表 14 に示すように,0∼5.875 etu(etu

の整数倍とは限らない。

)にしなければならない。

PICC から PCD に送出する連続する二つのキャラクタ間の EGT は,表 15 に示すように,0∼2 etu(etu

の整数倍とは限らない。

)にしなければならない。


24

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 14PCD から PICC への EGT

PCD から PICC への EGT

PCD が使用する EGT PICC が受け入れる EGT

最小値

最大値

最小値

最大値

0 etu

5.875 etu

0 etu

6 etu

表 15PICC から PCD への EGT

PICC から PCD への EGT

PICC が使用する EGT PCD が受け入れる EGT

最小値

最大値

最小値

最大値

0 etu

2 etu

0 etu

2.125 etu

7.1.3 

フレームフォーマット 

PCD 及び PICC は,フレーム単位でキャラクタを伝送しなければならない。

通常,フレームは,

図 14 に示すように,SOF と EOF とでくくられている。例外については,7.10.3.3

を参照する。

SOF

キャラクタ EOF

図 14−フレームフォーマット

7.1.4 SOF 

SOF は,図 15 に示すように構成する。

−  立下がり端

−  それに続く,論理値“0”レベルで 10∼11 etu 間連続(SOF  低レベル)

−  それに続く,立上がり端

−  それに続く,論理値“1”レベルで 2∼3 etu 間連続(SOF  高レベル)

図 15SOF

PCD 及び PICC が伝送する SOF のパラメタを,表 16∼表 18 に示す。

表 16PCD が伝送する SOF

PCD が使用する時間 PICC が受け入れる時間

最小値

最大値

最小値

最大値

PCD の SOF 低レベル

10 etu

11 etu+1 / 16 etu

10 etu−1 / 16 etu

11 etu+1 / 8 etu

PCD の SOF 高レベル 2

etu−1 / 16 etu

3 etu+1 / 16 etu

2 etu−1 / 8 etu

3 etu+1 / 8 etu


25

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 17PICC が伝送する SOF 低レベル

PICC が使用する SOF 低レベル時間 PCD が受け入れる SOF 低レベル時間

伝送速度

最小値

最大値

最小値

最大値

fc/128 

10 etu−0.5 / fs 11

etu+0.5 / fs 10

etu−1 / fs 11

etu+1 / fs

fc/64 

10 etu

11 etu

10 etu−0.5 / fs 11

etu+0.5 / fs

fc/32 

10 etu

11 etu

10 etu

11 etu

fc/16 

10 etu

11 etu

10 etu

11 etu

表 18PICC が伝送する SOF 高レベル

PICC が使用する SOF 高レベル時間 PCD が受け入れる SOF 高レベル時間

伝送速度

最小値

最大値

最小値

最大値

fc/128 

2 etu−0.5 / fs 3

etu+0.5 / fs 2

etu−1 / fs 3

etu+1 / fs

fc/64 

2 etu

3 etu

2 etu−0.5 / fs 3

etu+0.5 / fs

fc/32 

2 etu

3 etu

2 etu

3 etu

fc/16 

2 etu

3 etu

2 etu

3 etu

注記  表 17 及び表 18 の全ての値は,JIS X 6322-2 の 9.2.4 に規定する位相遷移の要求事項に従う。

7.1.5 EOF 

EOF は,図 16 に示すように構成する。

−  立下がり端

−  それに続く,論理値“0”レベルの 10∼11 etu 間連続(EOF  低レベル)

−  それに続く,立上がり端

図 16EOF

PCD 及び PICC が伝送する EOF のパラメタを,表 19 及び表 20 に示す。

表 19PCD が伝送する EOF

PCD が使用する EOF の時間 PICC が受け入れる EOF の時間

最小値

最大値

最小値

最大値

10 etu

11 etu+1/16 etu

10 etu−1/16 etu

11 etu+1/8 etu

表 20PICC が伝送する EOF

PICC が使用する SOF 高レベル時間 PCD が受け入れる SOF 高レベル時間

伝送速度

最小値

最大値

最小値

最大値

fc/128 

10 etu−0.5/fs 11

etu+0.5/fs 10

etu−1/fs 11

etu+1/fs

fc/64 

10 etu

11 etu

10 etu−0.5/fs 11

etu+0.5/fs

fc/32 

10 etu

11 etu

10 etu

11 etu

fc/16 

10 etu

11 etu

10 etu

11 etu


26

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

注記  表 20 の全ての値は,JIS X 6322-2 の 9.2.4 に規定する位相遷移の要求事項に従う。

7.1.6 PICC

の SOF 以前のタイミング 

PICC による通信開始は,PCD からのデータ伝送終了後,図 17 に規定するタイミングによらなければな

らない。

TR0 及び TR1 の最小値の省略時値は,JIS X 6322-2 で規定されているが,PCD によって短くすることが

できる(7.10.3 参照)

TR0 の最大値は,次のとおりとする。

− ATQB に対しては,256/fs(約 302 μs)とする。

− S(DESELECT)に対しては,65 536/fc(約 4.8 ms)とする(JIS X 6322-4 の 8.1 参照)

−  その他全てのフレームに対しては,(256/fs)  ×2

FWI

−TR1 とする(7.9.4.3 参照)

TR1 の最大値は,200/fs(約 236 μs)とする。

図 17PICC の SOF 以前のタイミング

PICC は,情報を送信しようとするときだけ,副搬送波を発生してもよい。

TR0 及び TR1 の最大値及び最小値は,PICC に適用する。PCD は,TR0 及び TR1 の最大値及び最小値に

1/fs の余裕値を付加して受け入れなければならない。

7.1.7 PCD

の SOF 以前のタイミング 

PCD による通信開始は,PICC からのデータ伝送及び EOF の終了後,図 18 に規定するタイミングによ

らなければならない。

PICC は,EOF を送出してから表 21 に示すタイミングで副搬送波を停止しなければならない。

副搬送波は,

− EOF の終了以前に停止してはならない。

− EOF の終了後 2 etu 以内に停止しなければならない。

注記  副搬送波が PICC の EOF の立上がり端と同時にオフとなった場合,副搬送波の停止は,PICC

の EOF の立上がり端になる。

TR2 の最小値は,ATQB 内の“プロトコル情報”のフィールドにあるプロトコルタイプ中に符号化され

る(7.9.4.4 参照)


27

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

図 18PCD の SOF 以前のタイミング

表 21PCD の SOF 以前(fs がオフになる)のタイミング

PICC が使用する時間 PCD が受け入れる時間

最小値

最大値

最小値

最大値

0 etu

2 etu

0 etu

2 etu + 1 / fs

TR2 の最小値は,PICC に適用する。PCD は,100/fc の余裕値を付加した TR2 の最小値を使用しなけれ

ばならない。

7.2 CRC_B 

CRC_B が正しく受信されたときに限り,フレームは,有効として扱われる。

フレーム CRC_B は,フレーム中の全てのデータビットから,スタートビット,ストップビット,バイ

ト間の遅延時間,SOF 及び EOF 並びに CRC_B そのものを除いた,k 個のデータビットの関数である。デ

ータは,バイト単位で符号化されているので,ビット数 k の値は,8 の倍数となる。

エラー検出のために,2 バイトの CRC_B は,データビットの後,かつ,EOF の前でフレームの中に含

まれる。CRC_B は,JIS X 5203 に規定されている。レジスタ初期値は,全ビット“1”で,“FFFF”とする。

事例を

附属書 に示す。

7.3 

衝突防止手順 

衝突防止手順は,この細分箇条で説明するコマンドを用いて,PCD によって制御される。

PCD が主体となって一つ以上の PICC と通信する。PCD は,PICC が応答するように REQB・WUPB コ

マンドを発行し,PICC が通信可能な状態になるように働きかける。

衝突防止手順中に,二つ以上の PICC が同時に応答したとき,衝突が発生したことになる。コマンドセ

ットは,同時に通信する PICC を分けて,PCD が一つの PICC を選ぶのに使われる。PCD は,動作空間に

ある全ての PICC を検出するまで,衝突防止処理を繰り返してもよい。

衝突防止手順が完了すると,PICC からの通信は,PCD の制御のもとに置かれ,同時には,ただ 1 枚の

PICC だけが通信することを許可する。

衝突防止の機構は,PICC が個々に最小限の識別データを返すタイムスロットの原理に基づいている。ス

ロットの数は,REQB・WUPB でパラメタ化され,1 以上の整数値に設定することができる。各タイムス

ロットにおける PICC の各応答確率も,制御可能とする。PICC は,衝突防止手順において,一度だけ応答

することが許される。


28

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

したがって,PCD の発生する動作磁界内に複数の PICC が存在する場合でも,あるスロットでは一つの

PICC だけが応答し,PCD が,その識別データを捉えられる可能性がある。識別データに基づき,PCD は,

識別した PICC との間に通信チャネルを確立できる。

この後のデータ通信をいつでも行えるように,衝突防止手順では,一つ以上の PICC を選んでよい。

7.4 PICC

の状態 

衝突防止手順における PICC の詳細な動作は,幾つかの状態及びその状態間の遷移条件によって示され

る。

次の記号は,

図 19 及び図 20 に適用する。

REQB(AFI/nAFI, N, R)/WUPB(AFI/nAFI, N, R)     AFI に一致又は不一致の REQB・WUPB コマンド

A

    一致した AFI

A I

    不一致な AFI

Slot-MARKER

       スロット番号が一致した Slot-MARKER コマンド

nSlot-MARKER

       スロット番号が不一致の Slot-MARKER コマンド

HLTB(PUPI)

       PUPI が一致した HLTB コマンド

HLTB(nPUPI)

       PUPI が不一致の HLTB コマンド

ATTRIB(PUPI)

       PUPI が一致した ATTRIB コマンド

ATTRIB(nPUPI)

       PUPI が不一致の ATTRIB コマンド

Error

        伝送エラーを検出したフレーム,

    又は予期しなかったフレーム


29

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

DESELECT

POWER-OFF状態

IDLE状態

READY-DECLARED

状態

PROTOCOL状態

HALT状態

動作磁界の外へ

READY-REQUESTED

状態

動作磁界の中へ

REQB( nAFI)

WUPB( nAFI)
HLTB( PUPI)

HLTB( nPUPI)

ATTRIB( PUPI)

ATTRIB( nPUPI)

Slot-MARKER

nSlot-MARKER

Error

REQB( nAFI)

WUPB( nAFI)

REQB( AFI, N>1, R>1)

WUPB( AFI, N>1, R>1)

nSlot-MARKER

HLTB( PUPI)

HLTB( nPUPI)

ATTRIB( PUPI)

ATTRIB( nPUPI)

Error

REQB( AFI, N>1, R>1)

WUPB( AFI, N>1, R>1)

REQB( nAFI)

WUPB( nAFI)

WUPB( AFI, N>1, R>1)

REQB( AFI, N=1)

WUPB ( AFI, N=1)

REQB( AFI, N>1, R=1)

WUPB( AFI, N>1, R=1)

REQB( AFI, N>1, R>1)
WUPB( AFI, N>1, R>1)

REQB( AFI, N=1)

WUPB( AFI, N=1)

REQB( AFI, N>1, R=1)

WUPB( AFI, N>1, R=1)

Slot-MARKER

REQB( AFI, N=1)

WUPB( AFI, N=1)

REQB( AFI, N>1, R=1)

WUPB( AFI, N>1, R=1)

Slot-MARKER

nSlot-MARKER

HLTB( nPUPI)

ATTRIB( nPUPI)

Error

WUPB( nAFI)

WUPB( AFI, N=1)

WUPB( AFI, N>1, R=1)

REQB( AFI)

REQB( nAFI)
HLTB( PUPI)

HLTB( nPUPI)

ATTRIB( PUPI)

ATTRIB( nPUPI)

Slot-MARKER

nSlot-MARKER

Error

ATTRIB( PUPI)

HLTB( PUPI)

REQB( AFI)

REQB( nAFI)

WUPB( AFI)

WUPB( nAFI)
HLTB( PUPI)

HLTB( nPUPI)

ATTRIB( PUPI)

ATTRIB( nPUPI)

Slot-MARKER

nSlot-MARKER

Error

JIS X 6322-4に規定

図 19型 PICC の状態遷移図

7.4.1 

初期化及び衝突防止の流れ図 


30

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

AFI一致

N=1

POWER-OFF状態

REQB又はWUPBを

待つ。

Rを選択する。

ATQB送出

Slot-MARKERの一致を

待つ。

PUPIが一致するATTRIB又は

HLTBを待つ。

ATTRIBの応答を

送出する。

HLTBの応答を

送出する。

PROTOCOL状態

HALT状態

REQB又はWUPB

YES

NO

YES

NO

R=1

R>1

REQB又はWUPB

Slot-MARKER一致

REQB又はWUPB

PUPI一致HLTB

PUPI一致ATTRIB

WUPB

DESELECT

その他

その他

その他

その他

PUPIを生成する。

JIS X 6322-4に規定

図 20−初期化及び衝突防止の流れ図


31

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

注記  R は,1∼の範囲で PICC によって選択される乱数である(の符号化は 7.7.4 を参照する。)。

7.4.2 

状態遷移に関する一般事項 

どのような状態に対しても,次を適用しなければならない。

−  搬送波電力がなくなったとき,POWER-OFF 状態に移る。

衝突防止手順(PROTOCOL 状態を除く。

)特有のどのような状態に対しても,次の条件を適用しなけれ

ばならない。

−  JIS X 6322-2 及び 7.17.4.1 に規定する既定通信パラメタを採用する。

−  7.17.4.1 で規定するフレームの応答を除き,PICC は,副搬送波を送出してはならない。

− PCD からのフレームを(有効な CRC_B 付きで)確認したとき,PICC は,その置かれた状況に応じ

て動作及び/又は応答する。

−  衝突防止コマンドは,フレームデータの最初の 3 ビットが b“101”(最初の 3 ビットは,衝突防止に

使用する予約データである。

)であり,PICC は,b“101”で開始しないコマンドフレームに対しては

応答しない。

− PICC は,フレームを正しく認識したときだけ,応答する(エラーを検出したときは,応答しない。

7.4.3 POWER-OFF

状態 

定義:

POWER-OFF 状態において,PICC は,PCD の動作磁界によって電源が供給されていない。

状態遷移条件:

PICC が H

min

JIS X 6322-2 参照)以上の動作磁界にあるとき,箇条 に規定する遅延時間以内に IDLE

状態に遷移しなければならない。

7.4.4 IDLE

状態 

定義:

IDLE 状態において,PICC は,電源が供給されている。このときコマンドのフレーム信号を監視しな

がら,REQB コマンド及び WUPB コマンドを認識しなければならない。

状態遷移条件:

有効な REQB コマンド又は WUPB コマンドフレームを受信したとき,PICC は,7.6 に規定するよう

に,

N の値によって,必要ならば R によって,READY-REQUESTED sub-state 状態又は READY-DECLARED

sub-state 状態にならなければならない(有効な REQB・WUPB は,REQB・WUPB コマンド及び一致し

た AFI の含まれるフレームを正しく認識したことを意味する。詳細は,REQB・WUPB コマンドを参照

する。

7.4.5 READY-REQUESTED

状態(sub-state 

定義:

READY-REQUESTED sub-state 状態において,PICC は,電源が供給され,制御パラメタ N(1 でない)

をもった有効な REQB 又は WUPB コマンドの受信を完了している。PICC は,7.6 で規定する動作を制

御するために使用する乱数 R を生成する。PICC は,

フレームを判断し,REQB,WUPB 及び Slot-MARKER

コマンドを認識しなければならない。

状態遷移条件:

詳細は,7.6 による。

特記事項:

この状態において ATQB は,まだ送出されていない。


32

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

7.4.6 READY-DECLARED

状態(sub-state 

定義:

READY-DECLARED sub-state 状態において PICC は,電源が供給され,最後に確定した REQB・WUPB・

Slot-MARKER コマンドに対する ATQB 応答信号の送出を完了している。

このとき REQB・WUPB コマンド,ATTRIB コマンド及び HLTB コマンドを認識しなければならない。

状態遷移条件:

有効な ATTRIB コマンドを受信したとき,ATTRIB コマンドの中の PUPI が PICC の PUPI に一致する

場合,PICC は,PROTOCOL 状態にならなければならない。

ATTRIB コマンドの中の PUPI が PICC の PUPI に一致しない場合,READY-DECLARED sub-state 状態

にとどまらなければならない。

有効な REQB・WUPB コマンドを受信したとき,PICC は,IDLE 状態において REQB・WUPB コマン

ドを受信した場合と同じ条件及び遷移先を適用しなければならない。

(PUPI が)一致した HLTB コマンドを受信したとき,PICC は,HALT 状態にならなければならない。

7.4.7 PROTOCOL

状態 

定義:

PROTOCOL 状態において PICC は,電源が供給され,ATTRIB コマンドに対する応答の送出を完了し

ている。

PICC が ATTRIB コマンドで JIS X 6322-4 のプロトコルを選択していた場合,PICC は,JIS X 6322-4

に従って動作をしなければならない。選択していなかった場合は,JIS X 6322-4 のプロトコルを適用し

ないで実行してもよい。

特記事項:

有効な REQB・WUPB 又は Slot-MARKER コマンドフレームに応答してはならない。

ATTRIB コマンドをもつ有効なフレームに応答してはならない。

上位階層プロトコルにおいて,特別なコマンドを,PICC を他の状態(IDLE 状態又は HALT 状態)に

戻すために規定してもよい。PICC は,そのようなコマンドを受信したときだけ,これらの状態になる。

7.4.8 HALT

状態 

定義:

HALT 状態で PICC は,電源が供給されている。PICC は,フレームを判断し,WUPB コマンドを認識

しなければならない。

HALT 状態に入る場合又は離れる場合,PUPI は,変更してはならない(7.9.2 参照)。

状態遷移条件:

有効な WUPB コマンドを受信すると,PICC は,7.6 に規定するように,N の値によって,必要ならば

R によって,READY-REQUESTED sub-state 状態又は READY-DECLARED sub-state 状態にならなければ

ならない(有効な REQB・WUPB は,REQB・WUPB コマンド及び一致した AFI の含まれるフレームを

正しく認識したことを意味する。詳細は,REQB・WUPB コマンドを参照する。

。AFI が一致しない場

合,PICC は,IDLE 状態になる。

7.5 

コマンドセット 

四つの基本的コマンドを多チャネル通信制御のコマンドとして使用する。

− REQB・WUPB コマンド

− Slot-MARKER コマンド


33

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

− ATTRIB コマンド

− HLTB コマンド

四つのコマンドは,7.1 で規定するキャラクタ,フレームフォーマット及びタイミングを使用する。

コマンド及びそのコマンドに対する PICC の応答について 7.6 で規定する。間違ったフォーマット(間違

ったフレーム識別子又は無効な CRC_B)でフレームを受信した場合は,無視しなければならない。

7.6 

衝突防止応答規則 

PICC が,

a) IDLE

状態,READY-REQUESTED sub-state 状態,又は READY-DECLARED sub-state 状態にあり,有効

な REQB・WUPB コマンド(AFI の値が 0 又は内部アプリケーションを表す値と一致している。

)を受

信する場合,

b) HALT

状態にあり,有効な WUPB コマンド(AFI の値が 0 又は内部アプリケーションを表す値と一

致している。

)を受信する場合,

これら二つの場合のいずれかに該当するときは,次の規則に従って応答を返さなければならない。ここ

で,パラメタ N は,REQB・WUPB コマンドで与えられる値とする。

N=1 の場合,PICC は,ATQB を送出し,READY-DECLARED sub-state 状態にならなければならない。

N>1 の場合,PICC は,1∼N の値が一様に分散した乱数 R を内部で発生し,その値に基づき次のよう

に動作しなければならない。

−  R=1 の場合,PICC は,ATQB を送出し,READY-DECLARED sub-state 状態にならなければなら

ない。

−  R>1 の場合,PICC は,スロット番号が適合する Slot-MARKER コマンド(スロット番号が R に

一致)を受信するまで待機した後,ATQB を送出し,READY-DECLARED sub-state 状態にならな

ければならない。

図 19 に種々の状態遷移を示す。また,附属書 に衝突防止の例を示す。

7.6.1 

初期化だけの PICC 

衝突防止処理を必要としない場合(例えば,PCD 動作磁界に PICC が 1 枚だけと想定される場合)

,PICC

が N>1 の REQB・WUPB コマンド及び Slot-MARKER コマンドに対応することは,必須でない。PCD が,

(特に,N=1 の REQB・WUPB コマンドを使用しない PCD,すなわち,複数枚の PICC 環境にある PCD)

そのような(衝突防止処理に対応していない)PICC に対応することは必須でない。これらの(衝突防止処

理に対応していない)B 型 PICC は,この規格の中の他の全ての関連する箇条に適合しなければならない。

7.7 REQB

WUPB

コマンド 

PCD が送出する REQB コマンド及び WUPB コマンドは,動作磁界内に B 型の PICC が存在するかどう

かを検出するために使用する。さらに,WUPB コマンドは,HALT 状態にある PICC を再起させるために

も使用する。

スロット数 N は,衝突防止のアルゴリズムにおいて,アプリケーションに最適な値として,コマンドの

中に設定する。

図 19 及び図 20 に PICC がこれらのコマンドを受信したときの動作を詳しく規定する。

7.7.1 REQB

WUPB

コマンドのフォーマット 

REQB・WUPB コマンドは,図 21 のフォーマットによる。 


34

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

第 1 バイト

第 2 バイト

第 3 バイト

第 4 及び第 5 バイト

APf AFI

PARAM

CRC_B

(1 バイト) (1 バイト) (1

バイト) (2

バイト)

図 21REQBWUPB コマンドのフォーマット

7.7.2 

衝突防止用前置バイト (APf) 符号化 

衝突防止用前置バイト (APf) は,APf=“05”=b“0000 0101”である。

7.7.3 AFI

の符号化 

AFI(応用分野識別子)は,PCD が応用分野を特定するのに使用し,ATQB を出す前に,目的の PICC を

選ぶのに使用する。

AFI によって示される応用分野の PICC だけが,“00”以外の AFI  をもった REQB・WUPB

コマンドに応答することができる。AFI が“00”のときは,全ての PICC が REQB・WUPB コマンドに対応

しなければならない。

AFI の上位 4 ビットは,ある特定分野又は全ての応用分野を符号化するために用い,表 22 に規定する。 
AFI の下位 4 ビットは,応用分野の特定の一つの小分類を符号化するために用いる。表 22 に定義されて

ない限り,小分類の符号化は,“0”以外は製造業者独自の仕様とする。

表 22AFI の符号化

AFI

上位 4 ビット

AFI

下位 4 ビット

PICC の応用分野

例又は注記

“0” “0”  全分野

分野を特定しない

X “0”  X 分野

広範囲に選択

X Y

X 分野の Y 小分類

“0” Y

Y 小分類に限定

“1” “0”, Y  交通機関

大量輸送交通,バス,航空機

“2” “0”, Y

金融 IEP,バンキング,リテール  ,...

“3” “0”, Y

識別

アクセスコントロール,...

“4” “0”, Y  電気通信

公衆電話,GSM,...

“5” “0”, Y

医療

“6” “0”, Y

マルチメディア

インターネット....

“7” “0”, Y  ゲーム

“8” “0”, Y データ記憶

可搬型ファイル...

“9”~“D” “0”, Y

RFU

“E”

“0”, Y=1,Y=2

その他の Y の値は

RFU

機械読取り旅券

(MRTD)

Y=1  ePassport

Y=2  eVisa

“F” “0”, Y

RFU

注記  X=“1”∼“F”,Y=“1”∼“F”

AFI フィールドを RFU 値に設定した REQB・WUPB コマンドを送出する PCD は,この規格に適合しな

い。AFI フィールドを RFU 値に設定した場合,PICC は,応答してはならない。

7.7.4 PARAM

の符号化 

PARAM の符号化の定義を図 22 に示す。 


35

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

b8

b7

b6

b5

b4

b3

b2

b1

RFU

拡張

ATQB

REQB・

WUPB

N(スロットの数)

図 22PARAM の符号化

RFU のビットは b“0”に設定しなければならない。

b4=b“0”のときは REQB  :IDLE 状態又は READY 状態の PICC は,このコマンドに対応しなければな

らない。

b4=b“1”のときは WUPB  :IDLE 状態,READY 状態又は HALT 状態の PICC は,このコマンドに対応

しなければならない。

b1,b2 及び b3 は,スロット数 N で表 23 に示すように符号化する。 
b5 は,PICC からの拡張 ATQB の応答に対応する能力がある PCD であることを示す。拡張 ATQB の使用

は,PICC の任意選択とする。b5 の符号化を次に示す。

− b5=b“0”のとき,PCD は,7.9.4.7 に規定する拡張 ATQB に対応しない。

− b5=b“1”のとき,PCD は,7.9.4.7 に規定する拡張 ATQB に対応する。

警告  PCD 製造業者は,JIS X 6322-3:2001 では b5 を RFU としたこと,及び b5=b“1”とする PICC の

動作を規定しなかったことについて,注意を払うことが望ましい。

(b8∼b6)≠b“000”とする REQB・WUPB を送出する PCD は,この規格に適合しない。

PICC は,(b8∼b6)  を無視するのが望ましく,フレーム全体の他のフィールドの解釈を変更してはなら

ない。

表 23の符号化

b3

b2

b1

N

0 0 0

1

=

2

0

0 0 1

2

=

2

1

0 1 0

4

=

2

2

0 1 1

8

=

2

3

1 0 0

16

=

2

4

1 0 1

RFU

1 1 x

RFU

RFU 値の b“101”又は b“11x”は,この規格で規定されるまでは,(b3∼b1)=b“101”又は b“11x”を受信する

PICC は,(b3∼b1)=b“100”(16 スロット)と解釈することが望ましい。

(b3∼b1)=b“101”又は b“11x”を送出する PCD は,この規格に適合しない。

注記  各 PICC が第一スロットで応答 (ATQB) する確率は,1/N である。

7.8 Slot-MARKER 

コマンド 

REQB・WUPB コマンド後,PCD は,各スロットの開始を決めるために (N-1) 回まで Slot-MARKER コ

マンドを送出してもよい。

Slot-MARKER  コマンドを,次の時点で送出してよい。


36

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

− PCD が ATQB 情報を受信している場合は,その終了後。

− PCD が ATQB 情報を受信していない場合は,いつでも。

7.8.1 Slot-MARKER 

コマンドのフォーマット 

Slot-MARKER コマンドのフォーマットを,図 23 に示す。 

第 1 バイト

第 2 及び第 3 バイト

APn CRC_B

(1  バイト) (2

バイト)

図 23Slot-MARKER コマンドのフォーマット

7.8.2 

衝突防止用前置バイト APn の符号化 

APn=b“nnnn0101”  ここで b“nnnn”は,スロット番号を表 24 に示すように符号化する。 

表 24−スロット番号の符号化

nnnn

スロット番号

0001 2 
0010 3 
0011 4

・・・・

・・・・

1110 15 
1111 16

注記  昇順のスロット番号で,Slot-MARKER コマンドを送出することは,必須ではない。

7.9 ATQB

応答 

REQB・WUPB 及び Slot-MARKER コマンドの応答を,ATQB という。

7.9.1 ATQB

応答のフォーマット 

ATQB 応答のフォーマットは,図 24 に示す二つのいずれかとする。 

基本 ATQB のフォーマット

第 1 バイト

第 2∼第 5 バイト

第 6∼第 9 バイト

第 10∼第 12 バイト

第 13 及び第 14

バイト

“50” PUPI

アプリケーションデータ

プロトコル情報 CRC_B

(1 バイト) (4

バイト) (4

バイト) (3 バイト) (2

バイト)

拡張 ATQB のフォーマット

第 1 バイト

第 2∼第 5 バイト

第 6∼第 9 バイト

第 10∼第 13 バイト

第 14 及び第 15

バイト

“50” PUPI

アプリケーションデータ

プロトコル情報 CRC_B

(1 バイト) (4

バイト) (4

バイト) (4 バイト) (2

バイト)

図 24ATQB 応答のフォーマット


37

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

PCD が拡張 ATQB に対応しない場合,PICC は,基本 ATQB フォーマットを送出しなければならない(7.7.4

参照)

PCD が拡張 ATQB に対応する場合,PICC は,拡張 ATQB フォーマットを送出してもよい(7.7.4 参照)。

7.9.2 PUPI

(仮固有 PICC 識別子) 

仮固有 PICC 識別子 (PUPI) は,衝突防止処理中で,PICC を識別するのに使われる。この 4 バイトの数

値は,PICC が動的に生成した乱数又は様々な固定数値(カード固有)でよい。PUPI は,POWER-OFF か

ら IDLE 状態への遷移のときだけ生成しなければならない。

警告  JIS X 6322-3:2001 に基づく PICC は,HALT 状態を離れるとき及び/又は IDLE 状態にいるとき

PUPI を変更するかもしれない。

7.9.3 

アプリケーションデータ 

アプリケーションデータフィールドは,PICC に搭載されているアプリケーションを PCD に伝える情報

として使う。この情報は,複数の PICC の中から,PCD が希望する PICC を選択することを可能にする。

アプリケーションデータは,プロトコル情報フィールド(7.9.4 参照)中の ADC(アプリケーションデ

ータ符号化)フィールドに依存して規定される。ここで,ADC は,アプリケーションデータの中に示す

CRC_B の圧縮符号化,又は製造業者独自の符号化のいずれを用いるかを規定する。

CRC_B の圧縮符号化を使用するとき,アプリケーションデータフィールドを,図 25 のように構成する。 

第 1 バイト

第 2 及び第 3 バイト

第 4 バイト

AFI CRC_B(AID)

アプリケーション数

(1 バイト)

(2 バイト)

(1 バイト)

図 25−アプリケーションデータのフォーマット

注記  2 バイトの CRC_B (AID)  は,他の CRC_B と同じ順序で送られる。

7.9.3.1 AFI 

単一アプリケーションの PICC の AFI は,応用分野の情報を示す(

表 22  AFI のコード参照)。

複数アプリケーションの PICC の AFI は,CRC_B (AID)  に記述されている応用分野の情報を示す。

7.9.3.2 CRC_B 

(AID) 

CRC_B(AID)は,REQB・WUPB コマンド内の AFI に一致した PICC の中にあるアプリケーションのアプ

リケーション識別子(AID)

JIS X 6320-4:2009 の 8.2.1.2 に規定されている。

)の値を CRC_B 計算した結

果とする。

7.9.3.3 

アプリケーション数 

アプリケーション数のフィールドは,PICC の中に存在するアプリケーションの数を示す。

このバイトの上位 4 ビットは,

アプリケーションデータ中の AFI に一致するアプリケーション数を示す。

“0”は,AFI に一致するアプリケーションがないことを示し,“F”は,AFI に一致するアプリケーションが

15 以上存在することを示す。

下位の 4 ビットは,その PICC にある全体のアプリケーション数を示し,“0”は,アプリケーションがな

いことを示し,“F”は,アプリケーションが 15 以上存在することを示す。

7.9.4 

プロトコル情報 

プロトコル情報フィールドは,PICC が採用するパラメタを示す。そのフォーマットを

図 26 に示す。


38

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

第 1 バイト

第 2 バイト

第 3 バイト

第 4 バイト(任意選択)

拡張 ATQB

許容伝送速度

最大フレーム

サイズ

プロトコルタイプ

FWI ADC  FO  SFGI RFU

(8 ビット)

(4 ビット)

(4 ビット)

(4 ビット)(2 ビット)(2 ビット)(4 ビット)(4 ビット)

図 26−プロトコル情報のフォーマット

図 26 の RFU ビット(複数)は,b“0”に設定しなければならない。

7.9.4.1 FO 

PICC の対応するフレームオプション (FO) を,表 25 に規定する。 

表 25PICC の対応する FO

b2 b1

内容

1 x

PICC は,NAD に対応する。

x 1

PICC は,CID に対応する。

7.9.4.2 ADC 

ADC は,b3 及び b4 の 2 ビットからなる。

b3=b“0”の場合,アプリケーションデータの符号化は,製造業者によって独自に符号化される。

b3=b“1”の場合,アプリケーションデータの符号化は,7.9.3 による。

b4 は,RFU で b“0”に設定しなければならない。

7.9.4.3 FWI 

フレーム待ち時間整数値(4 ビット)は,b8∼b5 で符号化される。FWI は FWT を規定するために使用

される整数値を符号化する。FWT は,PCD から送られたフレームの最後から PICC が応答を開始するまで

の最大遅延時間とする。FWT の計算式を次に示す。

FWT=(256×16 / fc)×2

FWI

ここで,FWI の値は,0∼14 とする。15 は,RFU とする。

 FWI=0 のとき,FWT は,最小値になる(約 302 μs)。

 FWI=14 のとき,FWT は,最大値になる(約 4 949 ms)。

PICC 及び PCD が拡張 ATQB に対応する場合:

− FWT は,ATTRIB コマンド応答の後から適用される。

− ATTRIB コマンド応答待ち時間は,次の計算式によって与えられる固定値とする。

 ATTRIB コマンド応答待ち時間=(256×16 / fc)×2

4

(約 4.8 ms)

注記 1  再送要求が発生したとき,通信時間を抑えるためにできるだけ短い FWT を使用することが

強く要求される。

FWI=15 に設定する PICC は,この規格に適合しない。

RFU 値 15 がこの規格で規定されるまで,FWI=15 を受信する PCD  は,FWI=4 と置き換えることが望

ましい。


39

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

注記 2  この規格で RFU=15 の動作が規定されたとき,将来の PICC 及び PCD の互換性のために,

この要件を付け加える。

7.9.4.4 

プロトコルタイプ 

表 26 は,PICC が採用するプロトコルタイプを規定する。

表 26PICC が採用するプロトコルタイプ

b1

内容

1 PICC は  JIS X 6322-4 に適合

0 PICC は  JIS X 6322-4 に不適合

TR2(PICC の EOF の開始点と PCD の SOF の開始点との間の時間)は,表 27 に示すように,プロトコ

ルタイプのビット (b3,b2) で規定する。

表 27−最小 TR2 の符号化

b3

b2

TR2 の最小値

0

0

10 etu + 32 / fs

0

1

10 etu + 128 / fs

1

0

10 etu + 256 / fs

1

1

10 etu + 512 / fs

b4 は,RFU で b“0”に設定しなければならない。

PCD は,b4 が b“1”に設定された PICC との通信を継続しないことが望ましい。

7.9.4.5 

最大フレームサイズ 

表 28 は,最大フレームサイズを規定する。

表 28−最大フレームサイズ

ATQB における最大フレーム

サイズコード

“0” “1”

“2”

“3”

“4”

“5”

“6”

“7” “8”  “9”∼“F”

最大フレームサイズ(バイト数)

 16  24 32 40 48 64 96 128 256 RFU>256

最大フレームサイズコード=“9”∼“F”は,この規格に適合しない。

RFU  値の“9”∼“F”がこの規格で規定されるまで,最大フレームサイズコード=“9”∼“F”を受信した PCD

は,最大フレームサイズコード=“8”(256 バイト)と置き換えることが望ましい。

注記  この規格で RFU 値=“9”∼“F”の動作が規定されたとき,将来の PICC 及び PCD の互換性のため

に,この要件を付け加える。

7.9.4.6 

許容伝送速度 

表 29 は,PICC が採用する伝送速度を規定する。b4=b“1”に設定した PICC は,この規格に適合しない。


40

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 29PICC が採用する伝送速度

b8  b7  b6  b5  b4  b3  b2  b1

内容

0 0 0 0 0 0 0

0 PICC は,両方向の伝送において,fc/128(約 106 kbit/s)だけを採用する。

1 x x x 0 x x

x PCD から PICC 及び PICC から PCD の伝送は,必ず同速度とする。

x x x 1 0 x x

x PICC

から PCD へ,1etu = 64 / fc,伝送速度  fc/64(約 212 kbit/s)を採用する。

x x 1 x 0 x x

x PICC

から PCD へ,1etu = 32 / fc,伝送速度  fc/32(約 424 kbit/s)を採用する。

x 1 x x 0 x x

x PICC

から PCD へ,1etu = 16 / fc,伝送速度 fc/16(約 848 kbit/s)を採用する。

x x x x 0 x x

1 PCD から PICC へ,1etu = 64 / fc,伝送速度 fc/64(約 212 kbit/s)を採用する。

x x x x 0 x 1

x PCD から PICC へ,1etu = 32 / fc,伝送速度 fc/32(約 424 kbit/s)を採用する。

x x x x 0 1 x

x PCD から PICC へ,1etu = 16 / fc,伝送速度 fc/16(約 848 kbit/s)を採用する。

(b4 = b“1”とする)他の値は,RFU とする。

RFU 値 b4=b“1”がこの規格で規定されるまで,許容伝送速度 b4=b“1”を受信した PCD は,(b8∼b1)=

b“0000 0000”(両方向 fc/128)と置き換えることが望ましい。

7.9.4.7 

拡張 ATQB(任意選択) 

任意選択の拡張 ATQB バイト(プロトコル情報フィールドの第 4 バイト)は,二つの部分からなる。

−  下位 4 ビット (b4∼b1)  は,RFU とし,b“0000”に設定しなければならない。

−  上位 4 ビット (b8∼b5)  は,開始フレーム保護時間整数値 (SFGI) を規定する。

SFGI は,開始フレーム保護時間 (SFGT) を規定するために使用する整数値を符号化する。

SFGT は,TR2 に置き換わる特別な保護時間を規定する。ここで,この保護時間は,ATTRIB コマンドの

応答を送出してから次のフレームを受信可能とするまでに,PICC が必要な時間とする。

SFGI は,0∼14 の範囲の値で符号化する。値 15 は,RFU とする。0∼14 の範囲の値は,次に示す計算

式で SFGT を算出するために使用する。SFGI の省略時値は,0 とする。

SFGT=(256×16/fc)×2

SFGI

SFGI=0 のとき,SFGT は,最小値(約 302 μs)になる。

SFGI=14 のとき,SFGT は,最大値(約 4 949 ms)になる。

SFGI=15 に設定した PICC は,この規格に適合しない。

RFU 値 15 がこの規格で規定されるまで,SFGI=15 を受信した PCD は,SFGI=0 として置き換えなけれ

ばならない。

(b4∼b1)≠b“0000”とする ATQB 応答を送出する PICC は,この規格に適合しない。

PCD は,(b4∼b1)  を無視しなければならず,フレーム全体の他のフィールドの解釈を変更してはならな

い。(b4∼b1)≠b“0000”のとき,フレーム全体の他のフィールドの解釈を変更する PCD は,この規格に適合

しない。

ビット b5 を b“0”(拡張 ATQB に対応しない)に設定した REQB・WUPB コマンドに応答する場合,PICC

は,ATQB 応答のプロトコル情報で規定する任意選択の第 4 バイトを送出してはならない。


41

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

7.10 ATTRIB

コマンド 

ATTRIB コマンドは,PCD によって送出され,1 枚の PICC を選択する情報を含んでいなければならない。

PICC は,その識別子をもった ATTRIB コマンドを受けると,選択状態になり,上層のチャネルに接続さ

れる。選択された後,この PICC は,固有 CID を含んだ上位のプロトコル層に規定されるコマンドだけに

応答する。

ATTRIB コマンドの中で選択したパラメタは,ATTRIB 応答の後に適用しなければならない。

7.10.1 ATTRIB

コマンドのフォーマット 

ATTRIB コマンドのフォーマットを,図 27 に示す。 

第 1 バイト  第 2∼第 5 バイト 第 6 バイト  第 7 バイト 第 8 バイト 第 9 バイト 第 10,

・・・・バイト

“1D”

識別子

Param 1

Param 2

Param 3

Param 4

上位階層の情報(INF) CRC_B

(1  バイト) (4

バイト) (1

バイト) (1

バイト)

(1  バイト)

(1  バイト)

(任意選択: (2

バイト)

∼複数バイト)

図 27ATTRIB コマンドのフォーマット

7.10.2 

識別子 

識別子は,ATQB の中で PICC によって送られた PUPI の値である。

7.10.3 Param 

1

の符号化 

図 28 は,Param 1 の符号化を規定する。

b8 b7 b6 b5 b4 b3 b2 b1

TR0 の最小値 TR1 の最小値 EOF

SOF

RFU

図 28Param 1 の符号化

全ての RFU ビットは,特に指定のない限り b“0”に設定しなければならない。(b2,b1)≠b“00”は,この規

格に適合しない。PICC は,(b2,b1)  の値を無視するのが望ましく,フレーム全体の他のフィールドの解釈

を変更してはならない。

7.10.3.1 TR0

の最小値 

TR0 の最小値の符号化を表 30 に規定する。その値は,PCD が送出したコマンドの終わりから PICC が応

答を開始するまでの最小遅延時間を示す。省略時値を,JIS X 6322-2 の 9.2.5 で規定する。

表 30TR0 の最小値の符号化

PCD から PICC への伝送速度ごとの TR0 の最小値

b8 b7

fc/128

fc/64

fc/32

fc/16

0 0

64

/

fs 64

/

fs 64

/

fs 64

/

fs

0 1

48

/

fs 32

/

fs 16

/

fs 16

/

fs

1 0

16

/

fs 8/

fs 4

/

fs 4

/

fs

1

1 RFU  RFU RFU RFU

注記 TR0 の最小値は,PCD が送信から受信状態に移るときに,PCD にとって必要な時間で,PCD

の特性による。


42

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

(b8,b7)=b“11”に設定した PCD は,この規格に適合しない。RFU 値 b“11”がこの規格で規定されるまで,

(b8,b7)=b“11”を受信する PICC は,(b8,b7)=b“00”(省略時値)に置き換えることが望ましい。

7.10.3.2 TR1

の最小値 

TR1 の最小値の符号化を表 31 に規定する。その値は,PICC が副搬送波の変調を開始してからデータ伝

送を開始するまでの最小遅延時間を示す。省略時値を,JIS X 6322-2 の 9.2.5 で規定する。

表 31TR1 の最小値の符号化

PICC から PCD への伝送速度ごとの TR1 の最小値

b6 b5

fc/128

fc/64

fc/32

fc/16

0 0

80

/

fs 80

/

fs 80

/

fs 80

/

fs

0 1

64

/

fs 32

/

fs 32

/

fs 32

/

fs

1 0

16

/

fs 8

/

fs 8

/

fs 8

/

fs

1

1 RFU  RFU RFU RFU

注記 TR1 の最小値は,PICC と同期をとるために,PCD にとって必要な時間で,PCD の特性による。

(b6,b5)=b“11”に設定した PCD は,この規格に適合しない。RFU 値 b“11”がこの規格で規定されるまで,

(b6,b5)=b“11”を受信する PICC は,(b6,b5)=b“00”(省略時値)に置き換えることが望ましい。

7.10.3.3 EOF

SOF 

b3 及び b4 は,PICC から PCD の余分な通信量を減らすために,EOF 及び/又は SOF を削除することの

可否を示す。

PICC における EOF 及び/又は SOF の削除は任意選択とする。ビット b3 及び b4 の符号化を,

表 32 及び表 33 に規定する。

表 32SOF の扱い

b3

SOF

0

必要

1

不要

表 33EOF の扱い

b4

EOF

0

必要

1

不要

SOF/EOF の省略は,fc/128(約 106 kbit/s)の通信だけに適用する。fc/128(約 106 kbit/s)より高速の伝

送速度に対して,PICC は,SOF 及び EOF を常に付けなければならない。

7.10.4 Param 

2

の符号化 

Param 2 の下位 4 ビット (b4∼b1)  は,PCD が受信できる最大のフレームサイズを符号化したものであり,

表 34 に符号化を示す。

表 34Param 2 の b4b1 の符号化

ATTRIB の最大フレーム 
サイズのコード

“0” “1”

“2”

“3”

“4”

“5”

“6”

“7” “8”  “9”∼“F”

最大フレームサイズ 
(バイト数)

16 24 32 40 48 64 96 128 256 RFU>256

上位 4 ビット (b5∼b8)  は,伝送速度の選択に使用し,符号化を

表 35 及び表 36 に規定する。


43

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 35Param 2 の b5 及び b6 の符号化

b6

b5

内容

0 0

PCD

から PICC へ,1etu = 128 / fc,伝送速度 fc/128(約 106 kbit/s)

0 1

PCD

から PICC へ,1etu = 64 / fc,伝送速度  fc/64(約 212 kbit/s)

1 0

PCD

から PICC へ,1etu = 32 / fc,伝送速度  fc/32(約 424 kbit/s)

1 1

PCD

から PICC へ,1etu = 16 / fc,伝送速度  fc/16(約 848 kbit/s)

表 36Param 2 の b7 及び b8 の符号化

b8

b7

内容

0 0

PICC

から PCD へ,1etu = 128 / fc,伝送速度 fc/128(約 106 kbit/s)

0 1

PICC

から PCD へ,1etu = 64 / fc,伝送速度 fc/64(約 212 kbit/s)

1 0

PICC

から PCD へ,1etu = 32 / fc,伝送速度 fc/32(約 424 kbit/s)

1 1

PICC

から PCD へ,1etu = 16 / fc,伝送速度 fc/16(約 848 kbit/s)

最大フレームサイズコード=“9”∼“F”を送出する PCD は,この規格に適合しない。

RFU 値“9”∼“F”がこの規格で規定されるまで,最大フレームサイズコード=“9”∼“F”を受信する PICC

は,最大フレームサイズコード= “8”(256 バイト)に置き換えるのが望ましい。

7.10.5 Param 

3

の符号化 

下位 4 ビット (b4∼b1)  は,

表 26 に示すプロトコルタイプ及び表 27 に規定する TR2 の最小値を確認す

るために使用する。b4 は,RFU で b“0”に設定しなければならない。

PICC は,(b4∼b2)  を無視することが望ましく,フレーム全体の他のフィールドの解釈を変更してはな

らない。

上位 4 ビット(b8∼b5)は,b“0000”とし,その他の値は全て RFU とする。

(b8∼b5)≠b“0000”のとき,ATTRIB コマンドを無視し,応答しないことが望ましい。

(b8∼b4)≠b“00000”に設定した PCD は,この規格に適合しない。

7.10.6 Param 

4

の符号化 

Param 4 の 1 バイトは,二つの部分に分かれる。

−  下位 4 ビット (b4∼b1)  は,カード識別子 (CID) と呼ばれ,0∼14 の範囲で PICC に割り振られた

論理番号を定義する。論理番号 15 は,RFU とする。CID は,PCD によって設定され,活性化する

それぞれの PICC に別々の番号を与えなければならない。PICC が CID を採用しない場合,b“0000”

としなければならない。

−  上位 4 ビット (b8∼b5)  は,b“0000”とし,その他の値は全て RFU とする。

CID=15 に設定する PCD は,この規格に適合しない。

CID=15 に対する PICC の動作をこの規格で将来規定するかもしれないので,CID=15 の値を受信した

とき,PICC は,ATTRIB コマンドを無視し応答しないことが望ましい。

(b8∼b5)≠b“0000”に設定する PCD は,この規格に適合しない。

PICC は,(b8∼b5)  を無視することが望ましく,フレーム全体の他のフィールドの解釈を変更してはな

らない。

7.10.7 

上位階層の情報フィールド (INF) 

上位階層の情報フィールド (INF) は,いかなるデータを含んでもよい。PICC は,このデータを処理す

る必要はない。


44

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

PICC の ATTRIB コマンド処理は,これらのデータを含むことによって,変更されてはならない。

7.11 ATTRIB

コマンドに対する応答 

PICC は,(正しい PUPI  及び有効な CRC_B であることを含めて)有効な ATTRIB コマンドに対し,図

29

に示すフォーマットに従い,応答しなければならない。

第 1 バイト

第 2 バイト,

・・・・・・・

MBLI CID

上位階層応答 CRC_B

(1 バイト)

(任意選択:0∼複数バイト) (2 バイト)

図 29ATTRIB コマンドに対する応答のフォーマット

第 1 バイトは,二つの部分からなる。

−  下位 4 ビット (b4∼b1)  は,

(PCD から与えられた)CID とする。PICC が CID に対応しない場合,

b“0000”とする。

−  上位 4 ビット (b8∼b5)  は,最大バッファ長変換因子 (MBLI) と呼ばれる。これは,PICC が,連鎖

されたフレームを受信するための内部バッファの限界値を,PCD に知らせるために用いる。

MBLI の符号化規則を,次に示す。

− MBLI=0 のとき,PICC は内部入力バッファ長に関する情報を提供しない。

− MBLI>0 のとき,次の式を用いて,実際の最大バッファ長 (MBL) を計算する。

MBL=(PICC の最大フレーム長)×2

(MBLI-1)

ここで PICC の最大フレーム長は,PICC が ATQB の中で返信した値である。PCD は,連鎖され

たフレームを PICC に送信するとき,累積された長さが MBL を超えないことを確認しなければな

らない。

残りのバイトは,任意選択とし,上位階層応答のために用いられる。

図 30 に示すように,PICC は,空の(上位階層の情報フィールドがない)ATTRIB コマンドに対して,

空の上位階層応答を返す。

第 1 バイト

第 2 及び第 3 バイト

MBLI CID

CRC_B

(1  バイト) (2

バイト)

図 30−上位階層応答を含まない ATTRIB に対する PICC の応答フォーマット

注記 ATTRIB コマンドに対する有効な応答(同一 CID 及び有効 CRC_B)(図 29 又は図 30 に示す。)

は,PCD が PICC の選択に成功したことを検証するための手段となる。

7.12 HLTB

コマンド及び応答 

HLTB コマンドは,PICC を HALT 状態にし,REQB コマンドへの応答を停止するために使用する。PICC

は,このコマンドに応答後,他のいかなるコマンドも無視して,WUPB コマンドだけに応答しなければな

らない(7.7 参照)

HLTB コマンドのフォーマットを,図 31 に示す。 


45

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

第 1 バイト

第 2∼第 5 バイト

第 6 及び第 7 バイト

“50”

識別子 CRC_B

(1  バイト) (4

バイト) (2

バイト)

図 31HLTB コマンドのフォーマット

4 バイトの識別子は,ATQB の中で PICC によって送られた PUPI の値とする。

PICC によって送出される HLTB コマンドの応答フォーマットを,図 32 に示す。 

第 1 バイト

第 2 及び第 3 バイト

“00” CRC_B

(1  バイト) (2

バイト)

図 32HLTB コマンドの応答フォーマット


46

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

附属書 A

(参考)

A

型 PICC の通信例

次の例は,同一磁界内に存在する二つの PICC における選択手順を示す。

PICC#1 は,UID 長がシングルであり,UID0 の値は,“10”とする。

PICC#2 は,UID 長がダブルとする。

REQA

“26”

SEL

SEL

SEL

SEL

SEL

NVB

NVB

NVB

NVB

NVB

b “00001000”

b “0001”

b “00010001”

uid0

uid3

CT

uid3

CT

uid1

uid4

uid0

uid4

udi0

uid0

uid2

uid5

uid1

uid5

udi1

udi1

uid3

uid6

uid2

uid6

uid2

udi2

BCC

BCC

BCC

BCC

BCC

BCC

“93”

“24”

b“0001”

“93”

“95”

“70”

“70”

b “00010001”

SAK

SAK

CRC_A

CRC_A

CRC_A

CRC_A

ATQA

ATQA

“93”

“95”

“20”

“20”

b ”10000000 00000000”

b ”10000010 00000000”

b “xx1xxxxx”

b “xx0xxxxx”

最初の衝突が,第4ビット位置で発生する。

送信される最初のビット(LSB)

PICC #1

PICC #2

PICC #1

PICC #2

PICC #2

凡例:

PCD to PICC

PCD to PICC

PCD to PICC

PICC to PCD

b “xxx...x”

注記 簡略化のため,通信開始信号,通信終了信号及びパリティビットは,省略する。

リクエスト

衝突防止ループ,カスケードレベル1

衝突防止ループ,カスケードレベル2

図 A.1−ビット対応衝突防止における選択手順


47

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

図 A.1 の説明:

リクエスト

− PCD は,REQA コマンドを送出する。 
−  全ての PICC は,ATQA で応答する。

− PICC

#1 は,ビット対応衝突防止とし,UID 長がシングルとする。

− PICC

#2 は,ビット対応衝突防止とし,UID 長がダブルとする。

衝突防止ループ

カスケードレベル 1 

− PCD は,ANTICOLLISION コマンドを送出する。

− SEL は,ビット対応衝突防止及びカスケードレベル 1  を指示する。 
− NVB の値“20”は,PCD が UID CL1 を送出しないことを示す。

−  したがって,磁界内にある全ての PICC は,完全な UID CL1 を応答する。

−  カスケードタグの値“88”のため,初めての衝突が第 4 ビット目で発生する。 
− PCD は,次の ANTICOLLISION コマンドを送出するとき,衝突発生前に受けた UID

CL1 の最初の 3 ビットと,それに引き続く b“1”を UID CL1  に含める。したがって,
PCD は,NVB の値を “24”とする。

−  これらの 4 ビットは,PICC#2 の UID CL1 の最初のビットに相当する。 
− PICC

#2 は,UID CL1 の残りの 36 ビットを送出する。しかし,PICC #1 は,応答し

ないので衝突は発生しない。

−  これによって,PCD  は,PICC #2 の全ての UID CL1 を認識し,PICC #2 に SELECT

コマンドを送出する。

− PICC

#2 は,UID が完全でないことを示す SAK を応答する。

−  したがって,PCD  は,カスケードレベルを進める。

衝突防止ループ

カスケードレベル 2 

− PCD は,次の ANTICOLLISION コマンドを送出する。

− SEL は,ビット対応衝突防止及びカスケードレベル 2 を指示する。 
− NVB は,“20”に再度設定され,PICC #2  に完全な UID CL2 を送出させる。

− PICC

#2 は,UID CL2 の全ての 40 ビットを応答する。

− PCD は,SELECT  コマンドを PICC #2 にカスケードレベル 2 で送出する。 
− PICC #2 は,UID が完全であることを示す SAK を応答して,READY 状態から

PROTOCOL 状態に遷移する。


48

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

附属書 B

(参考)

CRC_A

及び CRC_B の符号化

B.1

CRC_A

の符号化

この附属書は,説明用に提供するもので,物理層に存在するビットパターンを示す。この附属書は,こ

の規格の A 型における CRC_A の符号化を検査する目的も含んでいる。

符号化及び復号化の処理は,16 段の循環シフトレジスタに適切なフィードバックゲートを設け,実行し

てもよい。

ITU-T

勧告 V4.1 の

附属書 の図 I-1/V.41 及び I-2/V.41 に従い,レジスタのフリップフロップは,

FF0∼FF15 の番号が付けられている。FF0 は,最左端のフリップフロップで,データのシフト入力とする。

FF15 は,最右端のフリップフロップで,データのシフト出力になる。

表 B.1 にレジスタの初期値を示す。

表 B.116 段のシフトレジスタに設定される初期値=“6363”

FF0

FF1

FF2

FF3

FF4

FF5

FF6

FF7

FF8

FF9

FF10

FF11

FF12  FF13  FF14

FF15

0 1 1 0 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 1 1

したがって,FF0 が MSB,FF15 が LSB に対応している。

標準フレームで伝送されるビットパターンの例

例 1  第 1 バイト=“00”,第 2 バイト=“00”で CRC_A を付加したデータの伝送。

この例の計算結果は,CRC_A=“1EA0”となる。

S

0000 0000

1

0000 0000

1

0000 0101

1

0111 1000

1  E

 “00”

P “00” P

“A0” P

“1E”

P

図 B.1CRC_A の符号化例 1

表 B.216 段のシフトレジスタに設定される値=“1EA0”

FF0

FF1

FF2

FF3

FF4

FF5

FF6

FF7

FF8

FF9

FF10

FF11

FF12  FF13  FF14

FF15

0 0 0 1 1 1 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0

例 2  第 1 バイト=“12”,第 2 バイト=“34”で CRC_A を付加したデータの伝送。

この例の計算結果は,CRC_A=“CF26”となる。

S

0100 1000

1

0010 1100

0

0110 0100

0

1111 0011

1  E

 “12”

P “34” P

“26” P

“CF”

P

図 B.2CRC_A の符号化例 2


49

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

表 B.316 段のシフトレジスタに設定される値=“CF26“

FF0

FF1

FF2

FF3

FF4

FF5

FF6

FF7

FF8

FF9

FF10

FF11

FF12  FF13  FF14 FF15

1 1 0 0 1 1 1 1 0 0 1 0 0 1 1 0

B.2

CRC_B

の符号化

この附属書は,説明用に提供するもので,物理層に存在するビットパターンを示す。この附属書は,こ

の規格の B 型における CRC_B の符号化を検査する目的も含んでいる。更に詳細な説明は,JIS X 5203 

びに ITU-T X.25 #2.2.7 及び ITU-T V.42 #8.1.1.6.1 を参照する。

レジスタ初期値=“FFFF”とする。

標準フレームで伝送されるビットパターンの例

例 1  第 1 バイト=“00”,第 2 バイト=“00”,第 3 バイト=“00”で CRC_B を付加した伝送。

この例の計算結果は,CRC_B=“C6CC”となる。

第 1 バイト

第 2 バイト

第 3 バイト CRC_B

Frame =

SOF

“00” “00” “00”

“CC”

“C6”

EOF

図 B.3CRC_B の符号化例 1

例 2  第 1 バイト=“0F”,第 2 バイト=“AA”,第 3 バイト=“FF”で CRC_B を付加した伝送。

この例の計算結果は,CRC_B=“D1FC”となる。

第 1 バイト

第 2 バイト

第 3 バイト CRC_B

Frame =

SOF

“0F”

“AA”

“FF”

“FC”

“D1”

EOF

図 B.4CRC_B の符号化例 2

例 3  第 1 バイト=“0A”,第 2 バイト=“12”,第 3 バイト=“34”,第 4 バイト=“56”で CRC_B を付加した

伝送。

この例の計算結果は,CRC_B=“F62C”となる。

第 1 バイト

第 2 バイト

第 3 バイト

第 4 バイト CRC_B

Frame

=

SOF “0A”

“12”

“34”

“56” “2C”

“F6”

EOF

図 B.5CRC_B の符号化例 3

B.3

C

言語で書かれた CRC 計算のプログラム例

#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <string.h>

#include <ctype.h>


50

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

#define CRC_A 1

#define CRC_B 2

#define BYTE unsigned char

unsigned short UpdateCrc(unsigned char ch, unsigned short *lpwCrc)

{

    ch = (ch^(unsigned char)((*lpwCrc) & 0x00FF));

  ch = (ch^(ch<<4));

    *lpwCrc = (*lpwCrc >> 8)^((unsigned short)ch << 8)^((unsigned short)ch<<3)^((unsigned short)ch>>4);

  return(*lpwCrc);

}

void ComputeCrc(int CRCType, char *Data, int Length,

    BYTE *TransmitFirst, BYTE *TransmitSecond)

{

  unsigned char chBlock;

  unsigned short wCrc;

  switch(CRCType) {

    case CRC_A:

      wCrc = 0x6363;  /* ITU-V.41 */

            break;

    case CRC_B:

            wCrc = 0xFFFF;    /* ISO/IEC 13239 (formerly ISO/IEC 3309) */

            break;

    default:

            return;

    }

  do {

    chBlock = *Data++;

    UpdateCrc(chBlock, &wCrc);

  } while (--Length);

    if (CRCType == CRC_B)

        wCrc =  wCrc; /* ISO/IEC 13239 (formerly ISO/IEC 3309) */

    *TransmitFirst = (BYTE) (wCrc & 0xFF);

    *TransmitSecond = (BYTE) ((wCrc >> 8) & 0xFF);


51

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

  return;

}

BYTE BuffCRC_A[10] = {0x12, 0x34};

BYTE BuffCRC_B[10] = {0x0A, 0x12, 0x34, 0x56};

unsigned short Crc;

BYTE First, Second;

FILE *OutFd;

int i;

int main(void)

{

    printf("CRC-16 reference results ISO/IEC 14443-3¥n");

    printf("Crc-16 G(x) = x^16 + x^12 + x^5 + 1¥n¥n");

    printf("CRC_A of [ ");

    for(i=0; i<2; i++) printf("%02X ",BuffCRC_A[i]);

    ComputeCrc(CRC_A, BuffCRC_A, 2, &First, &Second);

    printf("] Transmitted: %02X then %02X.¥n", First, Second);

    printf("CRC_B of [ ");

    for(i=0; i<4; i++) printf("%02X ",BuffCRC_B[i]);

    ComputeCrc(CRC_B, BuffCRC_B, 4, &First, &Second);

    printf("] Transmitted: %02X then %02X.¥n", First, Second);

  return(0);

}


52

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

附属書 C 
(参考)

A

型タイムスロット方式の初期化及び衝突防止

この附属書は,A 型 PICC に適用可能なタイムスロット検出手順を記述する。箇条 で規定したように,

A 型及び B 型の両方をポーリングする PCD は,この検出手順を必須の衝突防止プロトコルとして採用す

る必要はない。

C.1

略語及び記号

次のものは

附属書 に限定される。

ATQA_t

Answer To reQuest of Type A_timeslot

リクエスト応答信号(A 型タイムスロット方式)

ATQ-ID Answer

To REQ-ID

リクエスト ID 応答信号

CID_t

Card IDentifier of Type A_timeslot

カード識別子(A 型タイムスロット方式)

HLTA_t

HALT Command of Type A_timeslot

停止コマンド(A 型タイムスロット方式)

REQA_t REQuest

Command

of

Type

A_timeslot リクエストコマンド(A 型タイムスロット方式)

REQ-ID REQuest-ID

Command

リクエスト ID コマンド

SAK_t

Select AKnowledge of Type A_timeslot

選択了解信号(A 型タイムスロット方式)

SEL_t

SELect Command of Type A_timeslot

選択コマンド(A 型タイムスロット方式)

C.2

タイミング及びフレームフォーマット

C.2.1

タイミングの規定

ポーリングリセット時間

A 型タイムスロット方式のポーリングリセット時間は,箇条 の A 型 PICC のそれに等しい。

REQA_t 

から ATQA_t までの時間間隔

PICC は,REQA_t を受信後 32±2 etu 待ってから ATQA_t を応答する。PCD は,ATQA_t のコードを解

読しなくてもよい。

リクエスト保護時間

リクエスト保護時間は,

連続する二つのリクエストコマンドのスタートビット最小時間間隔と規定する。

その値は,0.5 ms でなければならない。

フレーム保護時間

フレーム保護時間は,互いに反対方向に伝送される二つのフレームにおいて,前者のフレームの最終ビ

ットの立上がり端から,後者のフレームのスタートビットの立下がり端までの最小時間間隔と規定する。

その値は,10 etu でなければならない。

タイムスロットの時間幅

最初のタイムスロットは,REQ-ID の後,32 etu 後に開始する。各タイムスロットの時間幅は 104 etu で

あり,ATQ-ID  伝送用の 94 etu と保護時間の 10 etu とで構成する。

C.2.2

フレームフォーマット

REQA_t 

のフレーム


53

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

6.2.3.1

及び

表 36.4.1)を参照する。REQA_t に関しては,データ内容を“35”とする。

標準フレーム

各バイトは,LSB から伝送する。各バイトにはパリティを付加しない。フレームデータの最後に,7.2

で規定する CRC_B を付加する。

データ:  n×(8  データビット+パリティなし) CRC_B

S 1 バイト (0 又は 1 バイト)

(0 又は 1 バイト) (0 又は 8 バイト) 2 バイト

E

コマンド又は応答

(パラメタ 1)

(パラメタ 2)

(UID)

C.3

PICC 

の状態

次の項目は,A 型タイムスロット方式 PICC の状態を示す。

POWER-OFF

状態

POWER-OFF 状態において PICC は,搬送波電力が不足しているため電力の供給がされておらず,この

とき副搬送波を発生してはならない。

IDLE

状態

PICC は,動作磁界に入ると,5 ms 以内に IDLE 状態になる。この状態では,PICC は REQA_t を認識す

る。

READY

状態

PICC は,リクエストコマンド REQA_t によってこの状態になる。この状態では,PICC は REQA_t,REQ-ID

及び SEL_t を認識する。

ACTIVE

状態

ACTIVE 状態には二つの内部状態がある。第 1 の内部状態(第 1 ACTIVE 状態)に到達するには,CID_t

と完全な UID とをもつ SEL_t による。この内部状態では,PICC は HLTA_t 及び製造業者独自の上位階層

コマンドを認識する。第 2 の内部状態(第 2 ACTIVE 状態)は,JIS X 6322-4 に記述されるが,第 1 内部

状態から JIS X 6322-4 に規定するコマンドによって,この内部状態に到達する。

HALT

状態

ACTIVE 状態から HLTA_t コマンドによってこの状態になる。この状態では,PICC は,応答しない。


54

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

C.4

コマンド及び応答のセット

4 組のコマンド及び応答のセットが使われる。

形式

名称

符号化(b8∼b1)

内容

コマンド REQA_t  (b7∼b1)

b“0110101” (=“35”)

A 型タイムスロット方式 PICC へ ATQA_t
の応答を求める。

応答 ATQA_t

内容は “00” ∼ “FF” までの 1 バイト REQA_t への応答

PCD は A 型タイムスロット方式 PICC の
存在を認識できるが,ATQA_t のコードを
認識する必要はない。

コマンド

REQ-ID

b“00001000” (= “08”)

PICC へいずれか一つのタイムスロット
での UID の応答を求める。 
REQ-ID には二つのパラメタが続く。

応答 ATQ-ID

b“00000110”(=

“06”)

四つのタイムスロットのいずれか一つで
8 バイトの UID を応答する。ATQ-ID には
8 バイトの UID が続く。

コマンド SEL_t

b“01000NNN”,[NNN=CID_t No.(0∼7)]
b“01100NNN”,[NNN+8=CID_t No.(8∼
15)]

指定した UID をもつ PICC を選択し,
CID_t を設定する。 
SEL_t には 8 バイトの UID が続く。

応答 SAK_t

b8∼b5=“1000”:プロトコルで利用する

付加情報

b8∼b5=b“1100”:プロトコルに記述の

既定モード

b4∼b1=b“0000”:JIS X 6322-4 以外 
b4∼b1=b“0001”:PICC が JIS X 6322-4

に対応

SEL_t 了解信号

コマンド HLTA_t

b“00011NNN”,[NNN=CID_t No.(0∼7)]
b“00111NNN”,[(NNN+8=CID_t No.(8∼
15)]

指定した CID_t が設定された PICC を
HALT 状態にする。 

応答 HLTA_t への

応答

b“00000110” (= “06”)

HLTA_t 了解信号

REQ-ID  コマンドのパラメタ

パラメタ

内容

パラメタ 1 b8∼b7

タイムスロットの時間幅 
b7=“1”:8 バイト UID 
b8=“0”

 b6∼b1

タイムスロット数 
b3=“1”:4 スロット 
その他のビット=“0”

パラメタ 2

“00”


55

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

C.5

タイムスロット方式衝突防止手順

図 C.1 に PICC の衝突防止手順のフローチャートを示す。

図 C.1PICC の衝突防止手順のフローチャート


56

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

附属書 D 
(参考)

B

型 PICC の衝突防止の例

B 型 PICC の衝突防止例を,図 D.1 に示す。

注記  B 型の衝突防止は,アプリケーションに応じた衝突防止を組み立てられる柔軟なコマンドセッ

トである。

図 D.1型 PICC の衝突防止例


57

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

図 D.1型 PICC の衝突防止例(続き)


58

X 6322-3

:2011 (ISO/IEC 14443-3:2011)

参考文献

JIS X 6301

  識別カード−物理的特性

注記  対応国際規格:ISO/IEC 7810,Identification cards−Physical characteristics(IDT)

JIS X 6305-6

  識別カードの試験方法−第 6 部:外部端子なし IC カード−近接型

注記  対応国際規格:ISO/IEC 10373-6,Identification cards−Test methods−Part 6: Proximity cards,Amd.

1:2007 及び Amd. 3:2006(IDT)

JIS X 6321-1

  外部端子なし IC カード−密着型−第 1 部:物理的特性

注記  対応国際規格:ISO/IEC 10536-1,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards−

Close-coupled cards−Part 1: Physical characteristics(IDT)

JIS X 6323

(規格群)  識別カード−非接触(外部端子なし)IC カード−近傍型

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15693 (all parts),Identification cards−Contactless integrated circuit cards

−Vicinity cards(IDT)

ISO/IEC 10536-2

,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards−Part 2: Dimensions and location

of coupling areas

ISO/IEC 10536-3

,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards−Part 3: Electronic signals and

reset procedures

ITU-T X.25

,Interface between Data Terminal Equipment (DTE) and Data Circuit-terminating Equipment (DCE)

for terminals operating in the packet mode and connected to public data networks by dedicated circuit

ITU-T V.41

,Code-independent error-control system

ITU-T V.42

,Error-correcting procedures for DCEs using asynchronous-to-synchronous conversion